説明

可変扇状噴射機能を持つ超音波微粒化ノズル

超音波微粒化技術を利用して液体を小さいまたは微細な液滴の雲に微粒化する噴射ノズル組立体を開示する。ノズル組立体はまた、種々の空気またはガス微粒化技術を使用して、一般的に無方向性の液滴の雲を塗布対象の表面または基板に向けて推進させることもできる。推進された液滴の雲はこの状態で、円錐状または円錐形の噴射パターンを有するかもしれない。追加的空気またはガス微粒化技術を利用して、推進される液滴の雲を偏平な扇形噴射パターンに成形することができ、それは種々の産業上の用途に利用可能である。噴射パターンの形状およびパターン内の液滴の分布は、ガス微粒化で使用されるガスの圧力の操作によって調整することができる。

【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
[0001]本特許出願は、2007年9月21日に出願した米国特許仮出願第60/994,817号の特典を主張し、これは参照により本明細書に組み入れられる。
【発明の背景】
【0002】
[0002]例えば表面に液体を塗布することを含め、多種多様な用途向けの噴霧を生成するために噴射ノズルを使用することが知られている。一般的に、噴射ノズル塗布用途では、液体は噴射ノズルによって霧状または噴霧状の液滴に微粒化され、それが塗布対象の表面または基板上に付着する。微粒化された液体の実際の液滴の大きさおよびノズルからの噴霧吐出の形状またはパターンは、塗布対象物体の大きさ、および微粒化される液体を含め、種々の要素に応じて選択することができる。
【0003】
[0003]液体を液滴に微粒化するための1つの公知の技術は、空気のような加圧ガスを液体内に送り込み、それによって液体を機械的に液滴に分解するものである。そのようなガス微粒化技術では、液滴の大きさおよびコンシステンシを制御および/または最小化することが難しい場合がある。別の公知のタイプの噴射ノズルとして、超音波エネルギを利用して、液体をほぼ煙のようなコンシステンシである小さい微細液滴の雲に微粒化する、超音波微粒化ノズル組立体がある。超音波アトマイザ(微粒化器)によって生成される雲内の液滴の分布もまた一様になるという傾向があり、好都合である。しかし、超音波微粒化ノズルから吐出できる噴射パターンの多様性は、一般的に円錐状または円錐形パターンに限定される傾向がある。さらに、液滴は質量が小さいので、噴射ノズルから吐出後まもなく、液滴は漂流または分散することがある。そのような微細液滴から作られる噴射パターンは、成形および制御を行うことが難しいので、多くの産業用途におけるそれらの使用には不利に影響している。
【発明の目的および概要】
【0004】
[0004]本発明の目的は、表面または基板上に散布するために制御された噴射パターンの小さく微細な均一液滴の液体噴霧を生成することである。
【0005】
[0005]本発明の別の目的は、噴射パターンの形状の調整およびパターン内の微粒化液滴の分布に対する制御を可能にする、超音波アトマイザを利用する噴射ノズル組立体を提供することである。
【0006】
[0006]本発明のさらなる目的は、超音波により微粒化された液滴の雲を、ビジュアルモニタ用のスクリーンコーティングのような種々の産業用途に利用可能な扇形噴射パターンに成形するように動作可能な噴射ノズル組立体を提供することである。
【0007】
[0007]上記の目的は、超音波微粒化を利用して液体を微細液滴の雲に微粒化し、空気またはガスを利用して噴射パターンを例えば扇形噴射パターンに成形し、および/またはパターンを表面またはターゲット上に推進させることもできる、本発明の噴射ノズル組立体によって達成することができる。噴射パターンの形状およびパターン内の液滴の分布はさらに、空気またはガスの圧力の操作によって選択的に調整することができる。
【0008】
[0008]本明細書に組み込まれその一部を形成する添付の図面は、本発明の幾つかの態様を示し、説明と共に本発明の原理を説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】液滴の成形された噴射パターンを生成するための本発明に係る噴射ノズル組立体の側面図である。
【0010】
【図2】図1の線A−Aに沿って切った例示の噴射ノズル組立体の断面図である。
【0011】
【図3】ノズル組立体に貫通配置されたガス流路を示す、図2の円B−Bによって示された領域の詳細図である。
【0012】
【図4】超音波アトマイザの微粒化先端および加圧ガスを吐出するための噴射オリフィスを示す、図2の円C−Cによって示された領域の詳細図である。
【0013】
【図5】図1に示した例示の噴射ノズル組立体の下流端の端面図である。
【0014】
[0014]本発明を特定の好適な実施形態に関連して説明するが、本発明をこれらの実施形態に限定する意図はない。それどころか、添付する特許請求の範囲に記載する本発明の精神および範囲内に含まれる全ての代替物、変形物、および均等物を含むことを意図している。
【実施形態の詳細な説明】
【0015】
[0015]ここで図面について説明する。図面では同様の参照符号は同様の特徴を示す。図1に、超音波およびガス微粒化技術の両方を利用する、液体噴霧パターンを生成するためのノズル組立体100を示す。ノズル組立体100は段付き円筒形状を有するノズル本体102を含み、そこから後方に液体導入管104が延び、それによって液体をノズル組立体内に取り込むことができる。ノズル本体102の前に前部にエアキャップ(蓋体)110を取り付けることができ、そこから液体を粒子または微細液滴の微粒化された噴霧の形で前方に吐出することができる。「前方」および「後方」のような方向を表す用語は、単なる参考目的であって、それ以外にいかなる形でもノズル組立体を限定する意図はないことに留意されたい。エアキャップ110をノズル本体102に取り付けるために、図示する実施形態では、エアキャップをノズル本体に締結して保持するように、環状の螺子付き保持ナット108がノズル本体に螺着される。
【0016】
[0016]液体を超音波で微粒化するために、図2に示すように、ノズル組立体100はまた、ノズル本体102内に設けられた中心穴114内に受容される超音波アトマイザ(微粒化器)112をも含む。超音波アトマイザ112は超音波駆動装置116を含み、そこから前方にロッド状で且つ管状のアトマイザステム(微粒化ステム)118が延びる。図示する実施形態では、超音波駆動装置およびアトマイザステムは両方とも筒状の形状とすることができ、超音波駆動装置はアトマイザステムより大きい直径を有する。参考のために、延設された管状のアトマイザステム118は、中心に位置する軸線120を表すことができる。その軸線方向前方の先端または端部で、アトマイザステム118は微粒化表面122で終端する。微粒化される液体を微粒化表面122に向けるために、管状の微粒化ステム118は微粒化面を貫通して配置される液体供給路124を形成し、液体出口オリフィス126を提供する。液体流路124は軸線120に沿って延び、ノズル本体102の液体導入管104と流体連通する。超音波アトマイザはチタンのような適切な材料から構成することができる。
【0017】
[0017]微粒化面122を振動させるための超音波振動を発生させるために、超音波駆動装置116は、複数の隣接して積み重ねられた圧電振動子の板またはディスク128を含むことができる。振動子ディスク128は、ノズル本体102の後部から延びる電気通信ポート130を介して、電子発生装置に電気的に連結される。さらに振動子ディスク128は、各ディスクが直接隣接するディスクとは異極性または逆極性を有するように、電気的に連結することができる。電荷が圧電ディスクの積み重ね128に結合されると、ディスクは互いに膨張および収縮し、それによって超音波駆動装置116を振動させる。振動はアトマイザステム118を介して微粒化面122に伝達され、微粒化面に存在する任意の液体を超微細液滴または粒子の雲になるように吐出させる。
【0018】
[0018]本発明の態様では、超音波アトマイザから吐出する液滴の雲を成形し、推進し、かつ制御するために、複数の加圧空気吐出オリフィスが設けられる。そのために、ノズル本体102はまた、加圧ガス源と連通することのできる第1のガス導入口132、および同様に別の加圧ガス源と連通することのできる第2のガス導入口134をも含む。第1および第2のガス導入口132、134は直径方向に対向し、ノズル本体102の段付き円筒形状の半径方向内向きに配置することができる。ノズル本体102内の相互連通流路およびキャビティならびに前方に取り付けられたエアキャップ110は、第1および第2のガス導入口132、134からの加圧ガスの方向を転向させ、ノズル組立体100から噴射パターンを形成し、推進させる。ノズル組立体が利用される特定の噴射用途に応じて、任意の適切なガスまたは空気を選択することができることは理解されるであろう。
【0019】
[0019]図2および3に示す通り、第1の導入口132からのガスを超音波アトマイザ112の微粒化面122に転向させるために、第1の空気通路136がノズル本体102内を前方にエアキャップ110に向かって配置される。ノズル本体102とエアキャップ110との間に、環状のインタスペーサリング(中間リング)138を設置することができる。図示する通り、環状のインタスペーサリング138は、アトマイザステム118が環状のインタスペーサリングの中心を貫通して延びるように、超音波アトマイザ112付近に設置される。さらに、環状のインタスペーサリング138の内部環状面を超音波アトマイザ112から離して配置し、2つの構成部品間に内側空隙140を形成する。内側空隙140は、第1の空気通路136とエアキャップ110の後方軸面との間の連通を確立する。
【0020】
[0020]図2および4を参照すると、エアキャップ110の後面を貫通して軸線120に沿ってエアチャンバ142を配置することができ、このエアチャンバ142は、例示する実施形態に示す通り、エアキャップの後面から軸線方向前面144まで半径方向内向きにテーパが付けられている。テーパが付けられたエアチャンバ142は、1つ以上の軸線方向に中心を合わせた皿穴形成用の加工用具によって形成することができる。エアチャンバ142はエアキャップ110の軸線方向前面144を貫通して配置され、円形で軸線方向に中心にある吐出オリフィス148を形成する。エアキャップ110がノズル本体102に取り付けられたときに、超音波アトマイザ112のアトマイザステム118は、エアチャンバ142および吐出オリフィス148を貫通して収容されることができる。したがって、吐出オリフィス148は、アトマイザステムを収容するために、アトマイザステム122より少し大きくすべきである。微粒化面122がエアキャップの軸線方向前面144より軸線方向に少し前方に位置するように、アトマイザステム118の先端は吐出オリフィス148から突出することが好ましい。円筒状のアトマイザステム118はより大きい円形の吐出オリフィス122を通して受容されるので、吐出オリフィスは環状の形状を有する。したがってガスチャンバ142および吐出オリフィス148は第1の内側空隙140から微粒化面122を通って外側に空気を連通させる。
【0021】
[0021]ノズル本体102の第2のガス導入口134からのガスをエアキャップ110から吐出させるように方向付けるために、図2および4を参照すると、ノズル本体は第2の前方に向かう空気通路150を含む。第2の空気通路150は、インタスペーサリング138とノズル本体102の軸線方向後面との間に形成された環状の外側空隙152と連通する。環状の外側空隙152は環状の内側空隙140を略半径方向に包囲することができ、それらの間のガス漏れを防止するために、物理的に分離または密封することが好ましい。
【0022】
[0022]エアキャップ110はまた、エアキャップの軸線方向前面144から前方に延びる耳状の第1および第2の噴射フランジ154、156をも含むことができる。第1および第2の噴射フランジ154、156は軸線120に対して半径方向に離れた位置にあり、軸線を中心に直径方向に互いに対向する。第2の導入口134からの加圧ガスを第1および第2の噴射フランジ154、156を通過するように方向付けるために、各噴射フランジ内にそれぞれ第1および第2の前方に向かう空気流路160、162が配置される。第1および第2の空気流路160、162は物理的に分離されるが、それらは通常、環状の外側空隙152と連通して、第2のガス導入口134から第2の空気通路150を介して空気を受け取ることができる。
【0023】
[0023]第1および第2の噴射フランジ154、156の遠位端または最前端で、第1および第2の流路160、162がそれぞれのフランジの半径方向内側に向いた面を貫通して設けられ、直径方向に対向する第1および第2の噴射オリフィス166、168が形成される。第1および第2の噴射フランジの遠位端に位置するゆえに、噴射オリフィス166、168は環状の吐出オリフィス148の軸線方向前方に位置する。半径方向内側に向けられることに加えて、第1および第2の噴射オリフィス166、168は、前方に向かう吐出を生成することができるように、軸線120に対して角度を付けて配置することもできる。図2から分かるように、第1および第2の噴射オリフィス166、168は、双方の衝突噴射が軸線120の近傍で交差するように配設される。
【0024】
[0024]動作中に、噴射される液体は液体供給路124内に供給され、管状のアトマイザステム118を通して微粒化面122に送られる。液体を微粒化面122に押し込むのを助けるために、液体を重力供給するか、あるいは低圧ポンプによって加圧することができる。液体供給路124からの液体は液体出口オリフィス126を出て、毛細管のような、またはウィッキング(ろうそく・ランプの芯)のような移動作用によって微粒化面122付近に集まることができる。超音波駆動装置116は、圧電ディスク128が膨張および収縮してアトマイザステム118および微粒化面122の横振動または半径方向振動を発生させるように、電気的に作動させることができる。微粒化面122で生じる振動は約60キロヘルツ(kHz)の周波数とすることができるが、周波数は微粒化される液体または他の要素に応じて調整することができる。横振動または半径方向振動は、液体が小さい微細液滴状態で微粒化面から振り離されまたは分離するように、液体供給路124内の液体および微粒化面122上に捕集された液体を撹拌させる。液滴の大きさは約5〜60ミクロン程度とすることができ、約8〜20ミクロンの間の範囲であることが好ましい。液滴は微粒化面122の略近傍に無方向性の雲または水煙を形成する。
【0025】
[0025]略無方向性の液滴の雲を前方に推進するために、ガスまたは空気の加圧流を第1のガス導入口132に向けることができる。この前方推進ガス流は、第1の空気通路136およびインタスペーサリング138と超音波アトマイザ112との間に形成された環状の内側空隙140を介して、エアキャップ110内に配置されたエアチャンバ142に向けられる。加圧された前方推進空気流は、環状の吐出オリフィス148を通ってノズル組立体100から出る。微粒化面付近に存在する液滴の雲は前方推進空気流に同伴され、該空気流によってほぼ軸線120に沿って前方に運ばれて、液体噴霧を形成する。このような方法で微粒化液滴の雲に動きを付けることにより、液滴の意図しない分散または漂流も低減されることは理解されるであろう。前方推進空気流の圧力は、超音波により微粒化された液滴の前方移動および速度を制御するために変化させることができる。吐出オリフィス148の環状の形状のため、この位置で液滴を同伴する前方推進空気流は一般的に円錐形または円錐形のような噴射パターンを有する。
【0026】
[0026]液体噴霧を偏平な扇状パターンに成形するために、加圧ガスまたは空気が第2のガス導入口134に給送される。この扇成形ガス流は、第2の空気通路150、環状の外側空隙152、ならびに第1および第2の空気流路160、162を介して、第1および第2の噴射フランジ154、156に向けられる。加圧された扇成形ガス流は、直径方向に対向する第1および第2の噴射オリフィス166、168から吐出して、ほぼ軸線120に沿って第1および第2の噴射フランジ152、154の間に向けられ且つ液滴を搬送する前方推進ガス流に衝突する。図5を参照して、第1および第2の噴射オリフィス166、168の対向関係のため、扇成形ガス流の衝突噴射は円錐形状の前方推進ガス流を偏平化して、破線で示す略2次元の扇形パターンを形成する。扇形パターンは産業上のスプレー用途に使用される最も有用な噴射パターンの1つである。
【0027】
[0027]噴射ノズル組立体100の有利な実施形態では、前方推進ガス流および扇成形ガス流を提供するために給送される加圧ガスは、扇形パターン内の液滴の形状および分布を調整するために操作することができる。例えば扇成形ガス流の圧力に対して前方推進ガス流の圧力を増大させると、扇形パターンの真ん中により多くの液滴が移動する傾向がある。扇成形ガス流の圧力に対して前方推進ガス流の圧力を低減させると、扇形噴射パターンの外縁により多くの液滴が移動する傾向がある。したがって噴射パターンの幅、形状、および液滴分布は、特定のスプレー用途に適合するように調整することができる。
【0028】
[0028]そのような調整を可能にするために、第1および第2のガス導入口132、134を別個の加圧ガス源と連通させるか、あるいは適切な圧力調整装置によって制御することが望ましい。前方推進ガス流および扇成形ガス流を供給するために使用される圧力は、1〜3PSI程度とすることができる。加えて、第1のガス導入口132と前方推進ガス流のための環状の吐出オリフィス148との間の流路は、第2のガス導入口134と噴射オリフィス166、168との間の流路から物理的に分離させておき、それらの間の漏洩を最小化させる必要がある。
【0029】
[0029]出版物、特許出願、および特許を含め、本明細書で引用した全ての参考文献は、あたかも各参考文献が個々にかつ明確に参照によって本明細書に組み入れられると示され、その内容全体が本明細書に記載された場合と同程度に、参照によって本明細書に組み入れられる。
【0030】
[0030]本発明を記載する文脈における用語「a」および「an」および「the」ならびに同様の指示物の使用は(特に以下の特許請求の範囲の文脈において)、本明細書で特にそうでないことを指摘しない限り、あるいは文脈において明瞭に否定しない限り、単数および複数の両方を網羅すると解釈されるものとする。用語「備える(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」、および「包含する(containing)」は、特にそうでないことを明記しない限り、無制限の用語と解釈されるものとする(すなわち「含むが、それに限定されない」ことを意味する)。本明細書における値の範囲の記載は、そうでないことを本明細書に明記しない限り、範囲内に該当する個別の各値を個々に言及する簡便な方法として役立つように意図しただけであり、個別の各値は、あたかもそれが個別に明記されているかのように本明細書に組み込まれる。本明細書に記載する全ての方法は、本明細書に特に指示しない限り、あるいは文脈によって明確に否定されない限り、任意の適切な順序で実行することができる。本明細書に記載するありとあらゆる実施例または例示的言語(例えば「〜のような」)の使用は、単に本発明をよりよく解説するように意図されたものであって、特に明記しない限り発明の範囲に制限を課すものではない。明細書におけるいかなる言語も、非請求要素を発明の実施に不可欠なものと指摘していると解釈すべきではない。
【0031】
[0031]本明細書に記載されているのは、発明者らが知る本発明を実施するための最良の態様を含め、本発明の好適な実施形態である。上記の説明を読むと、これらの好適な実施形態の変形が当業者には明らかになるであろう。発明者らは熟練者がそのような変形を適宜使用することを予想しており、発明者らは本明細書に特に記載した以外の仕方で本発明が実施されることを意図している。したがって、本発明は、適用法令によって認められる通り、本明細書に添付する特許請求の範囲に記載する主題の全ての変更物および均等物を含む。さらに、そうでないことを本明細書に明記しない限り、あるいは文脈によって明確に否定されない限り、上記要素の全ての可能な変形のあらゆる組合せは本発明に包含される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波駆動装置と前記駆動装置から延びる管状のアトマイザステムとを含む超音波アトマイザであって、前記ステムが微粒化面で終端し、かつ前記管状のアトマイザステムが液体を前記微粒化面に向かわせるために軸線に沿って延びる液体通路を提供する超音波アトマイザと、
前記アトマイザステムがノズル本体から軸線方向に延びるように前記超音波アトマイザを収容するキャビティを含むノズル本体であって、さらに第1のガス導入口および第2のガス導入口を含むノズル本体と、
前記ノズル本体の軸線方向前方に取り付けられるエアキャップであって、前記エアキャップがエアチャンバと吐出オリフィスとを含み、前記微粒化面が軸線方向に前記吐出オリフィスの前方に位置するように前記アトマイザステムが前記吐出オリフィスを通して受容され、前記吐出オリフィスおよび前記アトマイザステムが、前記第1のガス導入口と連通する環状の空隙を形成するエアキャップと、
を備え、
前記エアキャップがさらに、互いに衝突するように各々半径方向内側に向けられた対向する第1および第2の噴射オリフィスを含み、前記第1および第2の噴射オリフィスが前記第2のガス導入口と連通し、
それによって、前記第1のガス導入口に導入された前方推進ガス流を、前記環状の吐出オリフィスを介して前記微粒化面に向かわせて、前記微粒化面で超音波により微粒化された液滴を推進させることができ、かつ前記第2のガス導入口に導入された扇成形ガス流を前記第1のおよび第2の噴射オリフィスに向かわせて、前方推進される超音波微粒化液滴に衝突させることができるようにした、
エアアシスト式の超音波微粒化ノズル組立体。
【請求項2】
前記前方推進ガス流の圧力および前記扇成形ガス流の圧力が互いに対して調整可能である、請求項1に記載の超音波微粒化ノズル組立体。
【請求項3】
前記第1の導入口と前記吐出オリフィスとの間の連通する内側空隙をさらに備える、請求項1に記載の超音波微粒化ノズル組立体。
【請求項4】
前記第2の導入口と前記第1および第2の噴射オリフィスとの間の連通する外側空隙をさらに備える、請求項3に記載の微粒化ノズル組立体。
【請求項5】
前記ノズル本体と前記エアキャップとの間にほぼ位置するインタスペーサリングをさらに備え、前記アトマイザステムが前記インタスペーサリングを貫通して延び、前記インタスペーサリングが前記内側空隙と前記外側空隙とを分離する、請求項4に記載の超音波微粒化ノズル組立体。
【請求項6】
前記内側空隙が前記アトマイザステムと前記インタスペーサリングとの間に形成され、かつ前記外側空隙が前記ノズル本体と前記インタスペーサリングとの間に形成される、請求項5に記載の超音波微粒化ノズル組立体。
【請求項7】
前記外側空隙が前記内側空隙を包囲する、請求項6に記載の超音波微粒化ノズル組立体。
【請求項8】
前記第1および第2のガス導入口が前記吐出オリフィスならびに前記第1および第2の噴射オリフィスから軸線方向に間隔を置いて配置される、請求項1に記載の超音波微粒化ノズル組立体。
【請求項9】
前記第1および第2のガス導入口が前記ノズル本体内に半径方向に入るように配置される、請求項1に記載の超音波微粒化ノズル組立体。
【請求項10】
前記エアキャップが第1および第2の半径方向に離れた位置にあり軸線方向に延びる噴射フランジを含み、前記第1および第2の噴射オリフィスがそれぞれ第1および第2の噴射フランジに配置される、請求項1に記載の超音波微粒化ノズル組立体。
【請求項11】
(i)微粒化面で終端する管状の微粒化ステムを含む超音波アトマイザを用意するステップと、
(ii)前記管状の微粒化ステムによって形成される液体通路を介して液体を前記微粒化面に向かわせるステップと、
(iii)前記微粒化面で液体を超音波で微粒化するステップと、
(iv)前記微粒化面が軸線方向に吐出オリフィスの前方に位置するように前記微粒化ステムが吐出オリフィスを通して受容された構成で、前記微粒化された液体を、吐出オリフィスから吐出する前方推進ガス流によって前記微粒化面の前方に推進するステップと、
(v)前記前方に推進される微粒化液体を扇成形ガス流によって扇形パターンに成形するステップと、
を備える、液体を微粒化し、噴射する方法。
【請求項12】
前記前方推進ガス流の圧力および前記扇成形ガス流の圧力が互いに対して調整可能である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記扇成形ガス流が、対向する第1および第2の噴射オリフィスから吐出して、前記吐出された前方推進ガス流と衝突する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1および第2の噴射オリフィスが前記吐出オリフィスの前方に位置する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
軸線に沿って延び、微粒化面で終端するアトマイザステムを含む超音波アトマイザと、
アトマイザステムを受容する吐出オリフィスを含むエアキャップと、
軸線方向に吐出オリフィスの前方に向けられた第1および第2の半径方向に対向する内向きの噴射オリフィスと、
を備える噴射ノズル組立体。
【請求項16】
前記第1および第2の噴射オリフィスが前記エアキャップ内に配置される、請求項15に記載の噴射ノズル組立体。
【請求項17】
前記吐出オリフィスと連通する第1の導入口と、前記第1および第2の噴射オリフィスと連通する第2の導入口とをさらに備える、請求項16に記載の噴射ノズル組立体。
【請求項18】
前記吐出オリフィスが前記アトマイザステムを中心に環状に形成される、請求項17に記載の噴射ノズル組立体。
【請求項19】
前記微粒化面が軸線方向に前記吐出オリフィスを越えて位置する、請求項18に記載の噴射ノズル組立体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2010−540213(P2010−540213A)
【公表日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−526017(P2010−526017)
【出願日】平成20年9月19日(2008.9.19)
【国際出願番号】PCT/US2008/077096
【国際公開番号】WO2009/039424
【国際公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(595170502)スプレイング システムズ カンパニー (18)
【Fターム(参考)】