説明

可変長ゴルフクラブとその製造方法

【課題】 可変長ゴルフクラブとその製造方法が必要とされている。
【解決手段】 可変長ゴルフクラブ用の連結装置は、第1部分と第2部分を備えている。第1部分は、第1シャフトに連結するように構成されている。第1シャフトは、ヘッドとグリップの一方に結合する第1端部、及び第2端部を有している。第1部分は、第1シャフトの第2端部に連結するように構成されている。第2部分は、第1部分に連結されるとともに、第2シャフトに連結されるように構成されている。第2シャフトは、中空部分を含む第1端部、及びヘッドとグリップの他方に結合する第2端部を有している。第2シャフトの第1端部の中空部分は、第1シャフトの第2端部を移動可能に受け入れるように構成されている。第2部分は、第2シャフトの第1端部の中空部分内に挿入されるように構成されている。第2部分の外径は、第1部分の外径よりも大きい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、概してゴルフクラブに関し、より具体的には、可変長ゴルフクラブヘッドとその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ゴルフクラブは、ゴルフクラブの種類、個人の体型及び/又は個人のプレースタイルに基づいて合わせられ得る。例えば、ある者は、標準パター、長尺パター又は中尺パターを用いてプレーすることを好む。個人の体型及びプレースタイルに応じて、個人にとって最善のパフォーマンスを提供するために、適切な長さのパターが決定され得る。さらに、適切な長さに固定されたパターを個人が選択し得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
可変長ゴルフクラブとその製造方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
可変長ゴルフクラブ用の連結装置の一実施形態は、第1部分と第2部分を備えている。第1部分は、第1シャフトに連結するように構成されている。第1シャフトは、ヘッドとグリップの一方に結合する第1端部、及び第2端部を有している。第1部分は、第1シャフトの第2端部に連結するように構成されている。第2部分は、第1部分に連結されるとともに、第2シャフトに連結されるように構成されている。第2シャフトは、中空部分を含む第1端部、及びヘッドとグリップの他方に結合する第2端部を有している。第2シャフトの第1端部の中空部分は、第1シャフトの第2端部を移動可能に受け入れるように構成されている。第2部分は、第2シャフトの第1端部の中空部分内に挿入されるように構成されている。第2部分の外径は、第1部分の外径よりも大きい。
【0005】
可変長ゴルフクラブの一実施形態は、第1シャフト、第2シャフト、カラー、及び連結装置を備えている。第1シャフトは、ヘッドとグリップの一方に結合する第1端部、及び第2端部を有している。第2シャフトは、中空部分を含む第1端部、及びヘッドとグリップの他方に結合する第2端部を有している。第2シャフトの第1端部の中空部分は、第1シャフトの第2端部を移動可能に受け入れるように構成されている。カラーは、第2シャフトの中空部分に配置されており、第1側部と第2側部を有している。カラーは、第1シャフトと第2シャフトが摩擦でロックされる第1状態、及び第1シャフトと第2シャフトが相対移動可能な第2状態を有している。連結装置は、第1シャフトの第2端部に連結するように構成されている第1部分、及び第2シャフトの第1端部の中空部分に挿入されて第2シャフトと連結するように構成されている第2部分を有する。第2部分の外径は、第1部分の外径よりも大きい。
【0006】
可変長ゴルフクラブ用の連結装置の製造方法の一実施形態は、第1シャフトに連結するように構成されている第1部分を形成する工程、及び第1部分に連結されるとともに、第2シャフトに連結されるように構成されている第2部分を形成する工程を備えている。第1シャフトは、ヘッドとグリップの一方に結合する第1端部、及び第2端部を有している。第1部分は、第1シャフトの第2端部に連結するように構成されている。第2シャフトは、中空部分を含む第1端部、及びヘッドとグリップの他方に結合する第2端部を有している。第2シャフトの第1端部の中空部分は、第1シャフトの第2端部を移動可能に受け入れるように構成されている。第2部分は、第2シャフトの第1端部の中空部分内に挿入されるように構成されている。第2部分の外径は、第1部分の外径よりも大きい。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】可変長ゴルフクラブの一実施形態を示す。
【図2】図1のゴルフクラブの概略図を示す。
【図3】可変長ゴルフクラブの他の一実施形態を示す。
【図4】図3のゴルフクラブの概略図を示す。
【図5】可変長ゴルフクラブの他の一実施形態を示す。
【図6】図5のゴルフクラブの概略図を示す。
【図7】可変長ゴルフクラブの他の一実施形態の概略図を示す。
【図8】可変長ゴルフクラブの変形例の概略図を示す。
【図9】可変長ゴルフクラブの変形例の概略図を示す。
【図10】可変長ゴルフクラブの変形例の概略図を示す。
【図11】可変長ゴルフクラブの一実施形態のシャフトの一部を示す。
【図12】可変長ゴルフクラブの一実施形態のロック機構を示す。
【図13】図12のロック機構用のカラーを示す。
【図14】可変長ゴルフクラブの一実施形態のロック機構用の留め具を示す。
【図15】図14の留め具を使用するための工具を示す。
【図16】可変長ゴルフクラブの他の一実施形態のロック機構を示す。
【図17】図16のロック機構用のカラーを示す。
【図18】図16のロック機構用のカラーの他の一実施形態を示す。
【図19】図16のロック機構用のカラーの他の一実施形態を示す。
【図20】可変長ゴルフクラブの他の一実施形態のロック機構用の留め具を示す。
【図21】図16のロック機構用のカラーの他の一実施形態を示す。
【図22】可変長ゴルフクラブの他の一実施形態のロック機構である図24の留め具及び工具を示す。
【図23】可変長ゴルフクラブの他の一実施形態のロック機構である図24の留め具及び工具を示す。
【図24】可変長ゴルフクラブの他の一実施形態のロック機構である図24の留め具及び工具を示す。
【図25】図20の留め具と図22〜24の工具を用いた図17をカラーの使用を示す。
【図26】可変長ゴルフクラブの他の一実施形態のロック機構用の留め具を示す。
【図27】可変長ゴルフクラブの他の一実施形態のロック機構用のカラーを示す。
【図28】可変長ゴルフクラブの他の一実施形態のロック機構である図26の留め具及び工具を示す。
【図29】可変長ゴルフクラブの他の一実施形態のロック機構である図26の留め具及び工具を示す。
【図30】可変長ゴルフクラブの他の一実施形態のロック機構である図26の留め具及び工具を示す。
【図31】可変長ゴルフクラブの他の一実施形態のロック機構用のカラーを示す。
【図32】図31のカラーを使用するための工具を示す。
【図33】可変長ゴルフクラブの他の一実施形態のロック機構用のカラーを示す。
【図34】図33のカラーの使用を描いた図を示す。
【図35】可変長ゴルフクラブの他の一実施形態のロック機構用の留め具及びカラーを示す。
【図36】可変長ゴルフクラブの他の一実施形態のロック機構用の留め具及びカラーを示す。
【図37】可変長ゴルフクラブの他の一実施形態のロック機構用のカラーの断面図を示す。
【図38】可変長ゴルフクラブの他の一実施形態のロック機構用のカラーの断面図を示す。
【図39】可変長ゴルフクラブの他の一実施形態のロック機構用のカラーを示す。
【図40】可変長ゴルフクラブの他の一実施形態のロック機構用のカラーを示す。
【図41】可変長ゴルフクラブの他の一実施形態のロック機構用のカラーを示す。
【図42】可変長ゴルフクラブの他の一実施形態のロック機構用のカラーを示す。
【図43】可変長ゴルフクラブの一実施形態に用いられる連結機構を示す。
【図44】可変長ゴルフクラブの一実施形態に用いられる連結機構を示す。
【図45】可変長ゴルフクラブの一実施形態に用いられる連結機構を示す。
【図46】可変長ゴルフクラブの他の一実施形態に用いられる連結機構を示す。
【図47】可変長ゴルフクラブの他の一実施形態に用いられる連結機構を示す。
【図48】図46〜47の連結機構が使用されるゴルフクラブのシャフトの内部断面図を示す。
【図49】ゴルフクラブの一実施形態の製造方法を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1、図3、および図5を参照すると、本開示による3つの例示的な可変長ゴルフクラブ100、102、104が示されている。下記に詳細に説明するように、ゴルフクラブ100は「標準」パターの例であり、ゴルフクラブ102は「ベリー」パターの例であり、ゴルフクラブ104は「長尺」パターの例である。通常、ゴルフクラブ100は、両方のゴルフクラブ102、104よりも長さを相対的に短くすることができる。ゴルフクラブ104は、両方のゴルフクラブ100、102よりも長さを相対的に長くすることができる。ゴルフクラブ102は、ゴルフクラブ100よりも長さが相対的に長いが、ゴルフクラブ104よりも長さを短くすることができる。図2、図4、および図6も参照すると、各ゴルフクラブ100、102、104は、第1の長さ118を規定する第一の端部114および第2の端部116を有する第1のシャフト112と、第1のシャフト112の第1の端部114に連結するためのホーゼル122を有するクラブヘッド120とを含む。各ゴルフクラブ100、102、104は、第2の長さ130を規定する第1の端部126および第2の端部128を有する第2のシャフト124をさらに含む。グリップ132は、第2のシャフト124に配置することができる。中尺パター102は、より長い第1のシャフト112および/またはより長い第2のシャフト124を含むことができる。図5を参照すると、長尺パター104用に別のグリップ134を設けることができる。グリップ134は、第1のシャフト112に配置することができる。長尺パター104はまた、標準パター100と比較して長い第2のシャフト124を含むことができる。長尺パター104はまた、より長い第1のシャフト112を含むことができる。本開示はパターに限定されず、任意のタイプのゴルフクラブ(例えば、ドライバタイプのクラブヘッド、フェアウェイウッドタイプのクラブヘッド、ハイブリッドタイプのクラブヘッド、アイアンタイプのクラブヘッド、ウェッジタイプのクラブヘッド、または他のタイプのパター型クラブヘッド)に適用可能である。
【0009】
第1のシャフト112は中空とすることができ、第2のシャフト124を第1のシャフト112に移動可能に収容するために、第2のシャフト124の一部分の外径よりも大きい内径を備える部分を有することができる。あるいは、第2のシャフト124は中空とすることができ、第1のシャフト112を第2のシャフト124に移動可能に収容するために、第1のシャフト112の一部分の外径よりも大きい内径を備える部分を有することができる。図2および図4の例に示すように、標準パター100および中尺パター102の場合、第2のシャフト124は中空とすることができ、第1のシャフト112を第2のシャフト124に移動可能に受け入れるために、第1のシャフト112の外径よりも若干大きい内径を有することができる。それに対して、図7の例に示すように、長尺パター104の場合、第1のシャフト112は中空とすることができ、第2のシャフト124を第1のシャフト112に移動可能に受け入れるために、第2のシャフト124の外径よりも若干大きい内径を有することができる。以下の例では、第1のシャフト112が、第2のシャフト124内に挿入可能であり、第2のシャフト124内を移動可能であるとして説明される。しかし、上記のように、本開示によるゴルフクラブは、長尺パター104の場合など、第1のシャフト112内に挿入可能であり、第1のシャフト112内を移動可能な第2のシャフト124を含むことができる。本明細書で説明する装置、方法、および製品はこの点について限定されない。
【0010】
図8〜10を参照すると、第2のシャフト124は中空とすることができ、内径125(図8〜10に示す)を有することができる。第1のシャフト112の第2の端部116は、第2のシャフト124の内径125よりも若干小さい外径113(図10に示す)を有するので、第1のシャフト112の第2の端部116を第2のシャフト124の第1の端部126から第2のシャフト124に挿入することができる。その結果、ゴルフクラブ100、ゴルフクラブ102、またはゴルフクラブ104の全長Lは、以下の数式1によって近似的に規定される範囲内で調整可能である。
【0011】
【数1】

【0012】
上式で、L1は第1の長さ118を表し、L2は第2の長さ130を表し、LHはホーゼル122を含むクラブヘッド120の長さであり、LIは第2のシャフト124に挿入された第1のシャフト112の長さである。LIは、以下の数式2によって規定することができる。
【0013】
【数2】

【0014】
上式で、LImaxは第2のシャフト124に挿入できる第1のシャフト112の最大部分であり、LIminは、第2のシャフト124に挿入できる第1のシャフト112の最小部分である。したがって、LImaxは、ゴルフクラブ100、ゴルフクラブ102、またはゴルフクラブ104全体の最短の全長を表すことができ、LIminは、ゴルフクラブ100、ゴルフクラブ102、またはゴルフクラブ104全体の最長の全長を表すことができる。
【0015】
図8に示す一例によれば、第2のシャフト124全体が中空であり、かつ/またはその中に障害物が全くないので、第1のシャフト112の第2の端部116が、第2のシャフト124の第1の端部126に達するまで、第1のシャフト112を第2のシャフト124の中に挿入することができる。この例では、LImaxはL2にほぼ等しく、ゴルフクラブ100、ゴルフクラブ102、またはゴルフクラブ104の最短の全長LはL≒L1+LHとして規定することができる。こうして、ゴルフクラブ100、ゴルフクラブ102、またはゴルフクラブ104の最短の長さLは、近似的に(L1+LH)とすることができる。
【0016】
図9に示す別の例によれば、第2のシャフト124の一部のみが中空であるか、または第2のシャフト124が、その内部にストッパ136を含むかのいずれかとすることができる。その結果、第1のシャフト112は、第1のシャフト112の第2の端部116がストッパ136に接触するまで第2のシャフト124に挿入することができる。したがって、この例では、LImaxは、ストッパ136から第2のシャフト124の第1の端部126までの距離によって規定することができ、最小の全長Lは、L≒L1+L2+LH−LImaxとして規定することができる。別の例では、ストッパ(図示せず)は、第2のシャフト124の内部ではなくて第1のシャフト112の外側面に置くことができる。そのようなストッパは、第2のシャフト124の第1の端部126と係合して、第1のシャフト112の第2のシャフト124へのそれ以上の挿入を妨げることができる。
【0017】
図10に示す別の例によれば、ゴルフクラブ100、ゴルフクラブ102、またはゴルフクラブ104によって実現可能な最大全長Lは、LIがLIminにほぼ等しい場合に出現する。LIがLImin未満の場合、下記に詳細に説明するが、第1のシャフト112および第2のシャフト124を互いにロックすることは不可能である。したがって、図10の例によれば、最大全長Lは、L≒L1+L2+LH−LIminとして規定することができる。
【0018】
図11を参照すると、第2のシャフト124は、第1の端部126に最も近い端部部分138であって、第1のシャフト112と第2のシャフト124との間の移動を防止するために、第1のシャフト112に押し付けられて、第1のシャフト112と摩擦係合するように構成された端部部分138を含む。端部部分138は、第1のシャフト112に押し当たるように可撓性とすることができる。例えば、端部部分138は、可撓性ブッシュ、スプリング、または可撓性および/もしくは弾性を示す同様の構造体を含むことができる。図11の例では、端部部分138は、第1の端部126から第2の端部128の方に延びる1つまたは複数のスリット140を含む。図11の例では、端部部分138は、端部部分138を概ね同様な4つの片持ち板ばね142に分割する4つのスリット140を含む。各板ばね142は、第2のシャフト124の中心軸144に向かって曲げることができる。端部部分138は、任意の数量のスリット140を有することができる。例えば、端部部分138は、ただ1つのスリットを含むことができる。スリット140は、本開示による端部部分138の可撓性および/または弾性が得られる限り、直線、非直線、連続的、不連続的であってよいし、または任意の形状、大きさ、および/もしくは構成を有してもよい。スリット140は、第1のシャフト112を押すように端部部分138を構成した一例を示している。したがって、他の構成を有する端部部分138が可能である。例えば、端部部分138は、第1のシャフト112に押し当たって第1のシャフト112と摩擦係合する可撓性および/または弾性材料で構築することができる。本明細書で説明する装置、方法、および製品はこの点について限定されない。
【0019】
第1のシャフト112は、長さ調整プロセス時にプレーヤを視覚的に補助するマーク(図示せず)を含むことができる。例えば、第1のシャフト112は、第1のシャフト112の長手方向に等間隔に離間した線、点、目盛りなどを含むことができる。線の一部またはすべては、線から第2のシャフト124までの実際の距離を表す、またはゴルフクラブ100、ゴルフクラブ102、および/またはゴルフクラブ104の全長を表す数字を含むことができる。
【0020】
第2のシャフト124の内側面は、上記の長さ調整時に第1のシャフト112の外側面にこすれるので、第1のシャフト112の外側面は表面に損傷を受けることがある。第2のシャフト124は、第1のシャフト112の外側面の表面損傷を防止するために、端部部分138の内側面に沿ってブッシュまたは他のタイプの摩擦低減パッド(図示せず)を含むことができる。ブッシュは、長さ調整時に、第1のシャフト112が第2のシャフト124に対してより滑らかに、かつより容易にスライドする助けとなることもできる。例えば、ブッシュは、パター長さの調整時に、第1のシャフト112と第2のシャフト124との間のより容易なスライド動作の助けとなる、テフロン(登録商標)などの低摩擦材料で製造することができる。ただし、ブッシュ用に任意の材料を使用することができる。あるいは、第2のシャフト124の外側面は、第1のシャフト112と第2のシャフト124との間のスライド動作によって生じることがある表面損傷を隠すために、粗面仕上げ、またはブラスト仕上げを行うことができる。一例では、摩耗および表面損傷を軽減または防止するために、第2のシャフト124と接触する第1のシャフト112の少なくとも一部分が構築される材料は、第1のシャフト112と接触する第2のシャフト124の少なくとも一部分が構築される材料と異なる硬度を有することができる。例えば、第1のシャフト112は金属で構築することができ、第2のシャフト124はグラファイトで構築することができる。その結果、第1のシャフト112および第2のシャフト124のスライド式の移動により、第1のシャフト112および/または第2のシャフト124が表面損傷を受ける恐れがなくなる。
【0021】
ゴルフクラブ100、ゴルフクラブ102、またはゴルフクラブ104はいずれも、人が長さを調整した後、第1のシャフト112と第2のシャフト124との間の移動を防止する、またはゴルフクラブ100の長さを固定するロック機構を含むことができる。以下では、幾つかのロック機構例が、ゴルフクラブ100に関連して説明される。しかし、開示するロック機構は、ゴルフクラブ102および/またはゴルフクラブ104に同様に適用可能である。さらに、本開示によるロック機構は、以下の例に限定されない。本明細書で説明する装置、方法、および製品はこの点について限定されない。
【0022】
図12および図13を参照すると、一例によるロック機構200が示されている。ロック機構200は、通常、第2のシャフト124の第1の端部126を囲んで配置されるクランプまたはカラー202(以降カラー202と呼ぶ)を含む。カラー202は、C字形状部204と、C字形状部204のギャップ210を画定する、一対の対向するフランジ206、208とを含む。各フランジ206、208は、それぞれ留め具を受け入れるための開孔212、214を有する。図12および図13の例では、ボルト216(図14に示す)などの留め具をカラー202と併用することができる。開孔212または開孔214の少なくとも一方の内壁は、ボルト216のシャフト217上の対応するねじと係合するようにねじを切ることができる。図13の例では、開孔214は、ボルト216のシャフト217を受け入れるためにねじを切られ、開孔212は、ボルト216のねじ頭218(図14に示す)を受け入れるために、開孔214よりも広くなっている。ボルト216は、トルクス(登録商標)ねじ頭218を有するトルクス(登録商標)ボルトとすることができる。ただし、ボルト216は、任意のタイプのねじ付きボルトとすることができ、Allen(登録商標)レンチ、マイナスドライバ、プラスドライバなどの対応するタイプの工具を受け入れる任意のタイプのねじ頭、六角レンチまたは他のタイプの工具を受け入れる六角頭を有することができる。本明細書で説明する装置、方法、および製品はこの点について限定されない。
【0023】
フランジ206、208を互いに向かって移動させることでギャップ210を縮め、それにより、カラー202を圧縮してカラー202の内径を縮小させる。カラー202を圧縮するためには、ボルト216を締め付けて、ボルト216のシャフト217を開孔214に通して前進させることができ、それにより、フランジ206、208を互いに向かって移動させる。カラー202を圧縮することで、板ばね142を第1のシャフト112に押し付けて(すなわち、板ばね142を中心軸144に向かって移動させて)、第1のシャフト112を第2のシャフト124に摩擦でロックする。外径113および内径125は、第1のシャフト112が第2のシャフト124内をスライドするようなものとされる。言い換えると、第1のシャフト112の外側面は、第2のシャフト124の内側面と接触することができる。その結果、ボルト216は、板ばね142を囲むカラー202を十分に圧縮するのに何回も回すことを必要としないので、第2のシャフト124の内側の第1のシャフト112を摩擦でロックするためのボルト126の締め付けを素早く完了させることができる。本開示によれば、摩擦によるロックとは、ゴルフクラブ100の通常操作での使用中に、すなわちゴルフのプレー中に、第1のシャフト112および第2のシャフト124を互いに固定された状態に維持することと定義することができる。したがって、第1のシャフト112および第2のシャフト124が摩擦でロックされている場合、プレー中に、ゴルフクラブ100が受ける摩擦力の範囲を超える力がゴルフクラブ100に加わることで、第1のシャフト112および第2のシャフト124が互いに対してスリップし、ゴルフクラブ100の長さが変わることがある。
【0024】
ボルト216が緩められると、カラー202の弾性復元力により、カラー202は、ほぼ圧縮されていないカラー202の構成に戻り、ギャップ210が広くなる。したがって、ボルト216が十分に緩められると、人は第1のシャフト112および第2のシャフト124を互いに対して移動させて、ゴルフクラブの長さを調整することができる。一方、カラー202は押し付け力を板ばね142に加えることができ、それにより、板ばね142と第1のシャフト112との間を十分に摩擦係合させて、第1のシャフト112が第2のシャフト124に対して自由に移動するのを防止する。その結果、第1のシャフト112および第2のシャフト124は、人がゴルフクラブ100の長さを物理的に調整するまで、それらの相対的な並進および回転位置を維持することができる。
【0025】
図15を参照すると、ゴルフクラブヘッド100は、ボルト216を締め付ける、または緩めることができる工具240を含むことができる。ゴルフクラブ100および工具240は、パッケージまたはキットとして提供することができる。工具240は、先端部242および握り244を含むことができる。先端部242は、ボルト216のねじ頭218に適合し、形状および大きさをボルト216のねじ頭218に合わせることができる。人は先端部242を使用してボルト216を締めることができる。この場合に、握り244を一方の方向に回転させるとボルト216が締まり、握り244を反対方向に回転させるとボルト216が緩む。ロック機構200を用いて第1のシャフト112を第2のシャフト124に固定するために、30〜50lb・インチのトルクをボルト216に加えることができる。人がボルト216に過剰なトルクを加えるのを防止するために、工具240は、トルク制限工具とすることができる。例えば、先端部242および握り244は、トルク制限継手246で連結することができる。所定のトルクよりも大きいトルクが握り244に加えられた場合、継手246はスリップして、またはラチェット式に動作して、過剰なトルクが先端部242に伝達されるのを防止する。したがって、トルク制限機能を有する工具240は、過剰なトルクがボルト216にかかるのを防止し、それにより、ロック機構200および/または第1のシャフト112および/または第2のシャフト124への損傷を防止する。本明細書で説明する装置、方法、および製品はこの点について限定されない。
【0026】
図16を参照すると、別の例示的なロック機構300を有するゴルフクラブ100が示されている。ロック機構300は、第2のシャフト124の第1の端部126を囲んで配置することができるカラー302を含む。図17〜19を参照すると、カラー302はC字形状であり、ギャップ310を画定する第1の内側面306および第2の内側面308を含む。カラー302の1つの面は、第1の開口314からギャップ310に向かって延びて、第1の内側面306の第2の開口316を画定する穴312を含む。第2の開口316は、第2の内側面308に対向している。穴312は、対応する大きさの留め具を受け入れるように構成することができる。例えば、穴312は、図14のボルト216の対応するねじと係合するようにねじを切ることができる。ボルト216を穴312に通して前進させる、またはボルト216を穴312から引き出すために、図15の工具240などの工具を使用して、ボルト216を回転させることができる。
【0027】
カラー302は、部分的にテーパの付いた、および/または完全にテーパの付いた円筒状とすることができる。図16および図17を参照すると、カラー302は、第1の端部322から移行部分324までテーパの付いた第1の部分320と、移行部分324から第2の端部328に向かってテーパの付いた第2の部分326とを含む。図19の例に示すように、第1の部分320および第2の部分326は同様とすることができ、かつ/または対称にテーパを付けることができる。ただし、図17の例に示すように、第2の部分326は、第1の部分320よりも急峻なテーパを付けることもできる。テーパの付いた構成により、略円筒形状のカラーと比べて、カラー302の重量を低減することができる。さらに、テーパの付いた構成により、見た目をきれいにすることができ、かつ/またはゴルフクラブ100上で、第1のシャフト112と第2のシャフト124との間を視覚的に連続して移行させることができる。あるいは、カラー302はテーパの全くない円筒形とすることができる。移行部分324は、通常カラー302の中央に配置することができる。ただし、移行部分324は、第1の端部322と第2の端部328との間の任意の位置に配置することもできる。図16〜19の例に示すように、穴312は、留め具を収納し、留め具を操作することによるカラー302の圧縮および/または圧縮解除に係わる力に対処する十分な厚さおよび強度が得られるように、カラー302の全体的により厚い部分に配置することができる。例えば、図16〜18の例に示す穴312は、カラー302のより厚い部分であり得る移行部分324に配置されている。
【0028】
図18を参照すると、カラー302は、未拡張、未圧縮の構成において、第2のシャフト124の外径125よりも小さい内径330を有する。言い換えると、カラー302が休止状態で、カラー302に力が全く作用していない場合、内径330は、第2のシャフト124の外径125よりも小さい。カラー302の内径330と外径125との間の差は、カラー302が板ばね142を覆って配置された場合に、板ばね142と第1のシャフト112との間の摩擦係合が、第1のシャフト112を第2のシャフト124に摩擦でロックするのに、すなわち、ロック機構300をロックするのに十分であるようなものとすることができる。
【0029】
第1のシャフト112および第2のシャフト124が互いに対して移動するのを可能にするために、すなわち、ロック機構300のロックを解くために、人はカラー302を広げて内径330を大きくすることができる。このように、カラー302は、第2のシャフト124の第1の端部126に板ばね142を覆って配置された場合に、標準設定として、第1のシャフト112を第2のシャフト124にロックする。第1のシャフト112および第2のシャフト124が互いに対して移動して、ゴルフクラブ100の長さの調整機能を果たすことを可能にするために、カラー302を十分に広げて、板ばね142に作用する押し付け力を軽減することができる。カラー302を未拡張状態から広げるために、ボルト216、または下記に詳細に説明する例示的なボルトなどの留め具を使用することができる。
【0030】
図20を参照すると、別の例によるボルト350が示されている。ボルト350は、先端部分352、ねじ付きシャフト354、および頭部356を含む。シャフト354のねじは、カラー302の穴312内のねじと係合するように構成されている。先端部分352が第2の内側面308と係合するときに、先端部分352の近くにあるシャフト354のねじが万一潰れるのを防止するために、図20に示すように、先端部分352はねじを切らないでおくことができ、かつ/または丸みを付けることができる。先端部分352により、シャフト354と第2の内側面308との間に空間が形成されて、ボルト350が第2の内側面308と接触し、第2の内側面308に対して回転した場合に、シャフト354のねじが損傷するのを防止する。先端部分352はまた、ボルト350が穴312に挿入されるときにガイドとして機能して、シャフト354のねじが穴312内のねじと最初に係合するときに、シャフト354のねじが潰れるのを防止することもできる。その結果、先端部分352は最初に穴312に入って、シャフト354のねじおよび穴312のねじが適切に係合するのを可能にする。図21を参照すると、カラー302の第2の内側面308は、ボルト350の丸みの付いた先端部分352を受けるように構成された窪みまたはディンプル357を含むことができる。ディンプル357および/または先端部分352は、先端部分352とディンプル357との間の係合による摩擦を低減するために、摩擦低減材料でコーティングすることができる。頭部356は、下記に詳細に説明するように、対応して構成された工具との係合を可能にするように構成されている。例えば、頭部356は、図20に示すように、六角形形状とすることができる。ただし、頭部356の形状は限定されず、対応して構成された工具との係合を可能にする任意の形状をとることができる。
【0031】
図22〜24を参照すると、一例によるボルト350と係合する工具400が示されている。工具400は、ボルト350の頭部356を受け入れる(図23に示す)止まり穴404を有する本体402を含む。穴404の内径は、頭部356を穴404に圧入するために、ボルト350の頭部356の外径よりも若干小さくすることができる。あるいは、ボルト350および工具400は、連続する一体の部品となるように、共製造することもできる。さらに別の代替案では、穴404の内径は、頭部356を穴404に実質的に難なく出し入れできるように、ボルト350の頭部356の外径よりも若干大きくすることができる。穴404の形状は、ボルト350の頭部356の形状とほぼ同じにすることができる。例えば、頭部356が六角形形状の場合、穴404も六角形形状とすることができる。再度図20を参照すると、ボルト350の頭部356は、頭部356を案内して穴404に挿入するための面取り部分359を含むことができる。代替案として、またはそれに加えて、穴は、頭部356を案内して穴404に挿入するための面取り付き内側縁部(図示せず)を含むことができる。
【0032】
工具400は、本体402に連結された両側の2つの握り406、408を含む。握り406、408により、人は工具400をつかみ、保持することができる。さらに、握り406、408は、本体402から外側に延びているので、握り406または握り408はそれぞれ、人が工具400を用いないでボルト350を回すのに必要とされる労力よりも少ない労力でボルト350を回すのを可能にするモーメントアームを形成する。各握りは、人が工具400を回すときに、より良好に把持できるように、人の指または親指を受ける(図23に示す)凹部410を握りの片側または両側に含むことができる。握り406、408の表面は、人が良好に把持できるようにテクスチャを付けることができ、かつ/または軟性のプラスチック材料で形成することができる。例えば、工具400は、人の手のひらおよび/または指が良好に把持できるようにするリブ付き面412を含むことができる。工具400は、キーホルダ、クリップ、ベルト、ゴルフバッグ、または人が持ち運ぶことができる他の物体もしくは付属品に工具400を連結する1つまたは複数の開孔414(図23に示す)を含むことができる。
【0033】
ボルト350および工具400は、ボルトおよび工具の例示的な実施形態である。本明細書で説明する装置、方法、および製品はこの点について限定されない。例えば、図14のボルト216と同様なボルトをカラー302と併用することができる。したがって、図15の工具240と同様な対応する工具を使用してボルト216を締めることができる。ボルトおよび対応する工具の他の構成も可能である。したがって、頭部および工具400が互いに係合し、本明細書で説明したように機能できる限り、ボルト350の形状および工具400の形状が限定されることは決してない。先端部分352、ディンプル357、および/または第2の内側面308は、先端部分352および/または第2の内側面308への表面損傷を防止する、かつ/または軽減するために、低摩擦材料で構築する、またはコーティングすることができる。他の例では、ボルト350および工具400は、分離できないように一体化して構築することができる。その結果、ボルト350のシャフトは工具400の本体から延びることができ、工具400の本体の一体化部分とすることができる。ボルト350および工具400は、ゴルフクラブの長さを調整するのに人が使用するレンチアセンブリを形成するようにキットとすることができる。キットは、ゴルフクラブの購入と共に人に提供することができ、かつ/または単独で提供することができる。
【0034】
カラー302を用いたロック機構300の組み立てが以下に説明される。第1のシャフト112、第2のシャフト124、およびロック機構300を組むために、カラー302を第1のシャフト112上に配置することができる。次いで、図6に示すように、第1のシャフト112の第2の端部116を第2のシャフト124に挿入する。次いで、第2のシャフト124の第1の端部126において、カラー302を板ばね142上に配置する。カラー302を板ばね142上に配置する前に、板ばね142上に取り付けるためにカラー302を広げることが必要な場合がある。相応して、ボルト350および工具400を用いてカラー302を広げ、板ばね142上でスライドさせることができる。図21および図25を参照すると、カラー302は、カラー302を板ばね142上でスライドさせる助けとなる、面取りされた内側縁部341を含むことができる。カラー302が板ばね142上に配置されると、カラー302の穴312からボルト350を取り外してギャップ310を閉じることができ、それにより、板ばね142を第1のシャフト112に押し付ける。カラー302に対接する板ばね142を押し付けることで、第1のシャフト112および第2のシャフト124が互いに摩擦でロックされる。
【0035】
第1のシャフト112を第2のシャフト124に対して移動させて、ゴルフクラブ100の長さを調整するために、カラー302を広げることができる。上記のように、ボルト350を図25に示すように穴312に配置し、ボルト350の先端部分352が、カラー302の第2の内側面308またはディンプル357に係合するまで、ボルト350を穴312の中に進める。次いで、穴312内でボルト350をさらに前に進めてギャップ310をさらに開き、それにより、カラー302を広げる。その結果、板ばね142に作用するカラー302の押し付け力は、完全になくなるか、または少なくとも部分的になくなって、人による第1のシャフト112と第2のシャフト124との間の移動を可能にする。ゴルフクラブ100の長さを調整した後、穴312からボルト350を引き抜くことで、カラー302が板ばね142を第1のシャフト112に押し付けるのが可能になる。この場合に、第1のシャフト112および第2のシャフト124は、摩擦により、調整した位置にロックされる。
【0036】
カラー302は、ボルト350および工具400を用いて広げられない限り未拡張位置の方に戻るので、第1のシャフト112および第2のシャフト124は、標準設定としてロック機構300により摩擦でロックされる。したがって、ゴルフクラブ100は、標準設定としてロック機構300によりロック位置に維持される。工具の使用を必要とすることなく、ゴルフクラブ100の長さを調整することもできる。例えば、カラー302は、迅速解放機構を含むことができ、迅速解放機構は、ゴルフクラブ100の長さを調整するために、カラー302を拡張した構成に素早く移行させる機構である。迅速解放機構は、単に工具が不要のロック機構の一例にすぎず、工具が不要の他のロック機構を使用することも可能である。本明細書で説明する装置、方法、および製品はこの点について限定されない。
【0037】
図27を参照すると、別の例によるロック機構300用のカラー500が示されている。カラー500は、特定の点で上記のカラー302と同様である。したがって、カラー500の同じ部分は、カラー302の同じ部分の同じ参照番号で示される。カラー500は、第1の穴部504および第2の穴部506を有する穴502を含む。第1の穴部504の内径にはねじが切られている。第2の穴部506の内径は、第1の穴部504の内径よりも大きい。その結果、環状の出っ張り508が、穴502内で第1の穴部504と第2の穴部506との間に画定される。
【0038】
図26を参照すると、別の例による、カラー500と併用するボルト450が示されている。ボルト450は、先端部分452、ねじの付いた第1のシャフト454、第2のシャフト455、および頭部456を含む。ねじの付いた第1のシャフト454は、第1の穴部504の対応するねじと係合するように構成されている。第2のシャフト455はねじが切られておらず、第1のシャフト454よりも大きい外径を有することができる。したがって、第1のシャフト454および第2のシャフト455の外径の差により、環状のショルダ部457が画定される。第2のシャフト455の直径は、第2の穴部506に受け入れられる構成となるように、第2の穴部506の直径よりも小さい。先端部分452はねじが切られておらず、丸みを付けることができる。頭部456は、下記に説明するように、対応して構成された工具との係合を可能にするように構成されている。
【0039】
図28〜30を参照すると、一例による、ボルト450と係合する工具600が示されている。工具600は、特定の点で上記の工具400と同様である。したがって、工具600の同じ部分は、工具400の同じ部分の同じ参照番号で示される。ボルト450は、工具600の穴404に圧入することができる。あるいは、ボルト450および工具600は、連続する一体の部品となるように、共製造することもできる。さらに別の代替案では、穴404の内径は、頭部456を穴404に実質的に難なく出し入れできるように、ボルト450の頭部456の外径よりも若干大きくすることができる。穴404の形状は、ボルト450の頭部456の形状とほぼ同じにすることができる。例えば、頭部456が六角形形状の場合、穴404も六角形形状とすることができる。頭部456は、頭部456を案内して穴404に挿入するための面取り部分459を含むことができる。代替案として、またはそれに加えて、穴は、頭部456を案内して穴404に挿入するための面取り付き内側縁部(図示せず)を含むことができる。
【0040】
カラー500をゴルフクラブ100などのゴルフクラブに組み込み、カラー500、ボルト450、および工具600を用いてロック機構300を操作するのは、ロック機構300のカラー302を用いた組立および操作と同様である。カラー500をボルト450を用いて操作するのは、特定の点で、カラー302をボルト350を用いて操作するのと同様である。したがって、簡潔にするために、本明細書では同様の組み立て手順および操作について繰り返して説明しない。ボルト450は、先端部分452が、第2の内側面308に接触しながらこれを押してカラー500を広げるように、穴502の中を進むことができる。第1のシャフト454が第1の穴部504に挿入され、その中にねじ込まれると、第2のシャフト455も第2の穴部506に向かって、またはその中を進む。第1のシャフト454は、ボルト450の環状のショルダ部457がカラー500の環状の出っ張り508と係合するまで、第1の穴部504の中を進むことができる。その結果、第1のシャフト454は、第1の穴部504の中にさらに入るのを妨げられる。したがって、第1の穴部504内のねじの損傷を防止でき、第1のシャフト454の第1の穴部504への過度の挿入を防止でき、かつ/または第1のシャフト454の第1の穴部504への挿入深さを制御することができる。第1のシャフト454の第1の穴部504への挿入深さを制御することで、カラー500が、先端部分452と第2の内側面308との間の接触により広がる量を制御することもできる。
【0041】
図31を参照すると、別の例によるロック機構300用のカラー700が示されている。カラー700は、半径方向のギャップ710を画定するC字形状とされる。ギャップ710の片側に、カラー700は、貫通穴、または止まり穴とすることができる第1の穴712を含む。ギャップ710の反対側に、カラー700は、貫通穴、または止まり穴とすることができる第2の穴714を含む。穴712、714は、ギャップ710に関して対称に配置することができ、同じ寸法、および/または同じ他の穴特性を有することができる。穴712、714は同軸とすることができる。穴712、714の軸(図示せず)は平行、または非平行とすることができる。
【0042】
図32は、下記に詳細に説明するように、カラー700のロックを解除するためにカラー700と係合するように構成された例示的な工具750を示している。工具750は、支点756で連結された第1のレバー752および第2のレバー754を含む。支点756の片側で、第1のレバー752および第2のレバー754は、それぞれ第1のあご部758および第2のあご部760を画定する。支点756の反対側で、第1のレバー752および第2のレバー754は、それぞれ第1の握り762および第2の握り764を画定する。その結果、第1の握り762は、第1のあご部758を移動させ、第2の握り764は、第2のあご部760を移動させる。したがって、第1の握り762および第2の握り764が互いに向かって移動すると、第1のあご部758および第2のあご部760は離れていき、対照的に、第1の握り762および第2の握り764が離れていくと、第1のあご部758および第2のあご部760は互いに向かって移動する。第1のあご部758および第2のあご部760はそれぞれ、第1の係合先端部766および第2の係合先端部768を有し、第1の係合先端部766および第2の係合先端部768は、下記に詳細に説明するように、それぞれ第1の穴712および第2の穴714と係合するように構成されている。
【0043】
カラー700を用いたロック機構300の組み立てが以下に説明される。第1のシャフト112、第2のシャフト124、およびロック機構300を組むために、カラー700を第1のシャフト112上に配置する。次いで、図6に示すように、第1のシャフト112の第2の端部116を第2のシャフト124に挿入する。次いで、第2のシャフト124の第1の端部126において、カラー700を板ばね142上に配置する。カラー700を板ばね142上に配置する前に、板ばね142上に取り付けるためにカラー700を広げることが必要な場合がある。相応して、工具750を用いてカラー700を広げ、板ばね142上でスライドさせることができる。図31を参照すると、カラー700は、カラー700を板ばね142上でスライドさせる助けとなる、面取りされた内側縁部722を含むことができる。カラー700が板ばね142上に配置されると、工具750をカラー700から取り外して、ギャップ710を閉じることができ、それによって板ばね142を第1のシャフト112に押し付ける。カラー700に対接する板ばね142を押し付けることで、第1のシャフト112とおよび第2のシャフト124が摩擦でロックされる。
【0044】
図32を参照すると、カラー700を広げるために、工具750は、第1の係合先端部766および第2の係合先端部768を、それぞれカラー700の第1の穴712および第2の穴714に挿入する係合によって、カラー700と係合している。第1の係合先端部766および第2の係合先端部768は、第1の穴712および第2の穴714内に緩く、または若干摩擦のある態様で嵌まるように構成することができる。ギャップ710を広げる、すなわち、カラー700を拡張した構成に置くために、第1の握り762および第2の握り764は互いに向かって移動され、それにより、第1のあご部758および第2のあご部760が離れる方向に移動する。第1の握り762および第2の握り764は、ギャップ710を広げるときに支点756でてこの作用が得られるように、第1のあご部758および第2のあご部760よりも長くすることができる。第1の握り762および第2の握り764が互いに向かって移動できる範囲は、工具750を使用する人の力に依存することがある。しかし、第1の握り762および第2の握り764を互いに向かって若干移動させるだけで、十分にカラー700を拡張した構成に置くことができる。第1のシャフト112および第2のシャフト124が、ゴルフクラブ100を好ましい長さにするように互いに対して配置された後、第1の握り762および第2の握り764は、より遠くに離れる方向に移動され、それにより、第1のあご部758および第2のあご部760が互いに向かって移動して、カラー700を未拡張構成に置く。あるいは、工具750をカラー700から取り外すことで、カラー700の弾性により、カラー700が未拡張構成に戻ることができて、板ばね142を第1のシャフト112に押し付ける。この場合に、第1のシャフト112および第2のシャフト124は、摩擦により、調整した位置にロックされる。
【0045】
ゴルフクラブ100および工具750は、パッケージまたはキットとして提供することができる。工具750は、ロック機構のロック解除およびロック操作をより容易にする特徴部を有することができる。例えば、工具750は、工具750を操作する助けとなるように、握り間、および/または第1のあご部758と第2のあご部760との間にスプリングなどを有することができる。工具750は、あご部および/または握りの位置が、握りおよび/またはあご部の任意の好ましい位置でロックされる/解放されるのを可能にするために、握り間、あご部間、および/または支点にロック/解放機構を有することができる。工具750は、上記の動作と反対の態様で動作するように構成することができる。例えば、握りを互いに向かって移動させることで、あご部を互いに向かって移動させることができ、握りを互いから遠ざけることで、あご部を離れる方向に移動させることができる。工具は、上記の工具750と全く異なる構成を有することができる。したがって、本明細書で説明した工具は単なる例を示しているに過ぎず、ロック機構300を操作するために第1の穴712および第2の穴714と係合できる任意の工具を使用することができる。
【0046】
図33を参照すると、別の例によるロック機構用のカラー800が示されている。カラー800は、略C字形状とされ、カラー800の少なくとも一部分にギャップ810を有することができる。カラー800のロックおよびロック解除は、カラーの圧縮、ギャップ810の縮小、および/またはカラー800の内径820の縮小に直接関係することができる。図34は、カラー800のロック状態を示しており、垂直軸にパーセントとしてロック度を示し、水平軸にパーセントとしてギャップ810の縮小を示している。図33は、ロック機構の単なる一例であり、図34にグラフで示すデータは単なる例示であり、開示したロック機構を限定するものでは決してない。カラー800は、ギャップ810の縮小が特定のレベルに達するまで、ロック解除状態、または約0%のロック状態を維持することができる。図34の例では、カラー800は、ギャップ810の縮小が約50%になるまでロック解除状態を維持する。ギャップ810の縮小が約50%に達し、かつ/または約50%を超えたときに、カラー800は、ロック位置に移行する、または約100%のロック状態になる。したがって、ロック機構は、ロック解除位置とロック位置との間をステップ関数の態様で移行することができる。言い換えると、カラー800は、特定のカラー圧縮レベル、ギャップ810の特定の縮小量、および/またはカラー内径820の特定の縮小量に達したときに、ロック解除位置からロック位置にほぼ瞬間的に移行する。こうして、カラー800は、ロック解除位置およびロック位置である2つの位置間を移行可能である。ロック解除位置は、カラー800が約0%のロック状態であるとして図34に示され、ロック位置は、カラー800が約100%のロック状態であるとして示されている。
【0047】
特定のカラー圧縮レベル、ギャップ810の特定の縮小レベル、またはカラー内径820の特定の縮小レベルに達したときのカラーのロックは、自己で係合できる、またはゴルフクラブ100の長さを調整する人が係合させることができる任意のタイプの留め具、ラッチ、および/またはロック機構を用いて行うことができる。そのような留め具、ラッチ、および/またはロック機構の例が下記に説明される。ただし、カラー800から独立した、またはカラー800上に一体に形成された任意のタイプの留め具、ラッチ、および/またはロック機構を使用して、本明細書で説明し、図33および図34に示すロック機能を果たすことができる。
【0048】
図35および図36は、別の実施形態による例としてのロック機構900を示している。ロック機構900は、上記のカラー800と同様に操作できるカラー902を含む。ロック機構900はまた、例示的な一実施形態による締結機構904を含む。カラー902は、カラー902の片側に第1の穴906を有し、カラー902の反対側に第2の穴908を有する。第1の穴906および第2の穴908は、カラー902を通ってギャップ910に通じている。穴906、908はほぼ同軸とすることができる。
【0049】
締結機構904は、穴906、908に受け入れられるように構成されたリベット911を含む。締結機構900はまた、カラー902をロックおよびロック解除する工具(図示せず)を含むことができる。リベット911は、頭部912、シャフト914、および先端部分916を含む。頭部912の少なくとも一部分は、穴906、908の内径よりも大きい直径を有する。その結果、頭部912は、穴906、908に完全に挿入することができないので、穴906、908を通り抜けることができない。先端部分916は、シャフト914に連結され、シャフト914と同軸に延びる2つの突起920を含む。各突起920は楔状部分922を有する。楔状部分922がシャフト914と合流する位置で、先端部分916の幅は穴906、908の内径よりも大きくなっている。一方、突起920は、突起920を互いに向かって移動させることで突起920内に弾性復元力が発生するという点で板ばねと同様に機能する。したがって、突起920を穴906または穴908のいずれか一方に挿入することで、楔形部分922の傾斜した縁部が穴906または穴908と係合して、突起920が互いに向かって弾性的にたわむ。このように、突起920を穴906、または穴908のいずれか一方に押し込むことで、突起920を穴906または穴908に挿入することができる。しかし、突起920が穴906、908を通過するとすぐに、突起920はスナップ式に元通り開いて、楔状部分922が同じ穴に再度入るのを防止する。同じ穴に再度入るには、突起920は、楔状部分922が互いに向かって移動し、それにより、突起920が再度同じ穴を通過するのを可能にするように圧縮されなければならない。
【0050】
カラー902をロック位置に移行させるために、工具(図示せず)を使用して、ギャップ910を縮めるようにカラー902を圧縮することができる。工具は独立した工具でよいし、またはロック機構902の一部であってもよい。この場合に、リベット911は、第1の穴906または第2の穴908のいずれか一方から穴906、908に挿入される。突起920が最初に第1の穴906に挿入され、次いで、第2の穴908に挿入されるとすると、突起920が第2の穴908を通り抜け、第2の穴908を出るとすぐに、突起920は、撓んだ位置からスナップ式に元通り開く。突起920の楔状部分922は、第2の穴908の外側のカラー800の外側面と係合し、それにより、突起920が穴908に再度入るのを防止する。その結果、カラー902は、リベット911によって圧縮位置に維持され、この圧縮位置は、カラー902のロック位置に相当する。カラー902をロック解除位置に移行させるために、楔状部分922を手で、または別の工具(図示せず)もしくは同じ工具を用いて互いに向かって撓ませて、第2の穴908に押し通すことができる。楔状部分922が第2の穴908に入ると、カラー902は、カラーの弾性復元力によってロック位置から解放される。その結果、カラー902はロック解除位置に移行する。望ましい場合、リベット911は、上記した穴908からの取り外しと同様に穴906から取り外すことができる。カラー902を圧縮してカラー902をロック位置に移行させるために使用される工具は、カラー902のロックを解除する機能を果たすこともできる。例えば、工具は、楔状部分922が穴906、908のいずれも通過することを可能にするように、リベット911の楔状部分922を互いに向かって撓ませるための部分を有することができる。ゴルフクラブ100、ならびにカラー902をロック位置および/またはロック解除位置に移行させる工具は、パッケージまたはキットとして提供することができる。本明細書で説明する装置、方法、および製品はこの点について限定されない。
【0051】
カラー902は、板ばね142を囲むように第2のシャフト124の第1の端部126に配置する、または置くことができる。カラー902がロック解除構成にある場合に、内径930は、板ばね142によって画定される第2のシャフトの第1の端部126の外径よりも若干小さくてもよい。カラー902は、カラー902を板ばね142上でスライドさせる助けとなる、面取りされた内側縁部931を含むことができる。カラー902が第2のシャフト124の第1の端部126(すなわち、板ばね142)を覆って取り付けられると、カラー902の弾性により、カラー902は、板ばね142を第1のシャフト112に若干押し付ける。しかし、板ばね142と第1のシャフト112との間の摩擦係合は、カラー902のロック解除位置においては十分でないので、第1のシャフト112および第2のシャフト124が互いに対して移動するのを阻止することができない。人が、第1のシャフト112および第2のシャフト124を互いに対して移動させることで、ゴルフクラブ100の長さを調整した後、上記に詳細に説明したように、カラー902をロック位置に移行させることができる。したがって、人は、リベット911がカラーをロックするまで、すなわち、図34の例に従って、ギャップ910が特定量だけ縮小するまで、カラーを圧縮することができる。カラー902のロック位置では、カラー902を用いて板ばね142にかけられる押し付け力によって板ばね142を押し付けることで、第1のシャフト112および第2のシャフト124が摩擦により互いにロックされる。第1のシャフト112を第2のシャフト124に対して移動させて、ゴルフクラブ100の長さを再度調整するために、上記に詳細に説明したように、カラー902をロック解除位置に移行させることができる。本明細書で説明した、カラー902を使用してゴルフクラブ100の長さを調整する機能および手順は、カラー902を含む、本開示によるすべてのカラーに等しく適用可能である。
【0052】
図37および図38を参照すると、別の例示的な実施形態によるカラー1000が示されている。カラー1000は、ギャップ1010を画定するC字形状とされる。カラーは第1の端部1012を含み、第2のシャフト124の第1の端部126は、第1の端部1012からカラー1000に挿入される。カラー1000は、通常、カラー1000のほぼ全体の内径を画定する第1の内径1014を有する。カラー1000は、第2の端部1016に第2の内径1018を含み、第2の内径1018は、第2の端部1016にある出っ張り1020を画定するように、内径1014よりも若干小さくなっている。第2のシャフト124の第1の端部126がカラー1000に挿入されると、第1の端部126は出っ張り1020と係合し、出っ張り1020は、第1の端部126がカラー1000の第2の端部1016を越えて移動するのを防止する。言い換えると、出っ張り1020は、第2のシャフト124がカラー1000に挿入されるときに第2のシャフト124の第1の端部126用のストッパとして機能する。
【0053】
図38を参照すると、カラー1000は、ギャップ1010の両側に凹部1022をさらに含む。各凹部1022は、カラー1000の内径1014よりも大きい内径を有するとして規定することができる。凹部1022により、カラー1000を未拡張構成から大幅に広げる必要なしに、カラー1000を第2のシャフト124の第1の端部126に配置することが可能になる。第2のシャフト124の第1の端部126がカラー1000に挿入されるときに、第1の端部126に配置された板ばね142は、カラー1000の内径1014に合わせて若干縮小することがある。しかし、凹部1022があるために、板ばね142は、カラー1000に入る間、あまり縮小しなくてよい。したがって、凹部1022により、カラー1000を第2のシャフト124の板ばね142上に、より容易に組み込むことができる。
【0054】
図39および図40は、別の例示的な実施形態によるカラー1100を示している。カラー1100は、多くの点で図27のカラー500と同様である。したがって、カラー1100の同じ部分は、カラー500の同じ部分の同じ参照番号で示される。カラー1100は、複数の内側環状リブ1122によって画定される複数の内側環状チャネル1120を含む。カラー1100の薄い壁で囲まれた部分を画定するチャネル1120により、カラー1100の重量をカラー500と比較して軽くすることができる。その一方で、リブ1122により、カラー1100の開示した機能を果たすための十分な構造強度を得ることができる。図39および図40に示すように、第1の穴504および第2の穴506を含む穴502は、穴502で留め具が使用される場合に、穴502に十分な構造強度をもたらすように、内側環状リブ1122の1つに沿って配置されている。図39および図40は、チャネルをカラーの内側に形成することで、カラーの重量を低減する一例を示している。チャネルは、カラー1100の内壁から材料を除去して形成することができる。したがって、カラーは、カラーの重量を低減するために材料が除去された様々なチャネル、ディンプル、開孔、または他の部分を有するように構成することができる。
【0055】
図41および図42は、別の例示的な実施形態によるカラー1200を示している。カラー1200はC字形状とされ、ギャップ1210を含む。カラー1200は、第1の部分1220、第2の部分1222、および第3の部分1224を含むことができる。第1の部分1220は、カラーの第1の端部1226から第2の部分1222まで延びている。第3の部分1224は、第2の部分1222から第2の端部1228まで延びている。第1の部分1220および第3の部分1224は、図42に示すように、第2の部分1222に向かって外方に傾斜することができる。第1の部分1220は、複数の外側環状リブ1232によって画定される複数の外側環状チャネル1230を含むことができる。図41および図42の例では、第1の部分1220は、1つのチャネル1230および1つのリブ1232を有するように示されている。第3の部分1224はまた、複数の外側環状リブ1236によって画定される複数の外側環状チャネル1234を含むことができる。チャネル1230、1234は、カラーの重量を低減するための、カラー1200の薄い壁で囲まれた部分を画定する。その一方で、リブ1232、1236は、カラー1200の開示した機能を果たすための十分な構造強度をもたらすことができる。穴1240は、ボルトを受け入れるために第2の部分1222に設けられている。第2の部分1222は、穴1240を支持するために、カラー1200のより薄い壁で囲まれた部分を形成するチャネルおよびリブを有さないように示されている。図41および図42は、チャネルおよびリブをカラーの外側に形成することで、カラーの重量を低減する一例を示している。チャネルは、カラーの外壁から材料を除去して形成することができる。したがって、カラーは、カラーの重量を低減するために材料が除去された様々なチャネル、ディンプル、開孔、または他の部分を有するように構成することができる。
【0056】
図43〜45を参照すると、例示的な実施形態による連結機構2000が示されている。連結機構2000は、第1の部分2004および第2の部分2006を有する挿入体2002を含む。第1の部分2004は、第1のシャフト112の第2の端部116の内径117よりも小さくすることができる外径2010を有する略円筒形とすることができる。第1の部分2004は、第1のシャフト112の第2の端部116に挿入し、任意のタイプのエポキシ系接着剤などの接着剤等で第2の端部116に固定することができる。第1の部分2004は、十分な接着剤が第1の部分2004と第1のシャフト112との間に供給できるように、接着剤を受け入れる環状溝2012を含むことができる。溝2012は、第1の部分2004の表面構造のタイプの単なる一例を示す。直線溝、非直線溝、不連続溝、スロット、ディンプル、チャネル、突起、および/または様々なパターンを有するテクスチャなどの任意のタイプの表面構造を第1の部分2004に設けることができる。あるいは、第1の部分2004の外径2010は、内径117よりも若干大きくすることができる。その結果、第1の部分2004は、第1のシャフト112と締まり嵌めを形成するように、第1のシャフト112の内側に圧入することができる。第1の部分2004の外側面は、第1の部分2004と第1のシャフト112との間の締まり嵌めを強化するために、リブ、隆起、突起、および/またはテクスチャの付いた面を含むことができる。
【0057】
第2の部分2006は略円筒形であり、第1のテーパ部分2020および第2のテーパ部分2022を含む。第1のテーパ部分2020および第2のテーパ部分2022は共に、第2の部分2006の大きい方の外径2026を画定できる大直径部分2024に向かって外方に傾斜することができる。大きい方の外径2026は、第2のシャフト124の第1の端部126の内径よりも大きくすることができる。その結果、大直径部分2024は、第2のシャフト124の第1の端部126と締まり嵌めを形成する。第2のテーパ部分2022の外径は、第2のテーパ部分2022が第1の部分2004と合流する位置で第1の部分2004の外径よりも大きく、第1のシャフト112の第2の端部116の内径よりも大きい。その結果、第2のテーパ部分2022と第1の部分2004との間の移行領域はショルダ部2028を画定する。
【0058】
図44を参照すると、挿入体2002は、ショルダ部2028が、第1のシャフト112の第2の端部116の端面と係合するまで、第1の部分2004を第1のシャフト112の第2の端部116に挿入することで、第1のシャフト112と共に組み立てることができる。ショルダ部2028は、第1のシャフト112の第2の端部116用のストッパとして機能する。第1の部分2004の第1のシャフト112への挿入時に、第1の部分2004のテーパの付いた端部2030は、第1の部分2004を第1のシャフト112に案内するのに役立つ。上記のように、挿入体2002の第1の部分2004は、接着剤を用いて、または締まり嵌めによって、第1のシャフト112の第2の端部116に固定することができる。挿入体2002を第1のシャフト112と共に組み立てた構成では、挿入体2002および第1のシャフト112は同心とすることができる。
【0059】
第2のシャフト124は、第2の部分2006を第2のシャフト124の第1の端部126に挿入することで、第1のシャフト112と共に組み立てることができる。第2の部分2006の第2のシャフト124への挿入時に、第2の部分2006の第1のテーパ部分2020は、第2の部分2006を第2のシャフト124の中に案内するのに寄与し、さらに、第2のシャフト124に挿入するために、第2の部分2006を圧縮するのに寄与する。組立時に、大直径部分2024は第2のシャフト124の内壁と係合して、第2のシャフト124と締まり嵌めを形成する。挿入体2002を第2のシャフト124と共に組み立てた構成では、挿入体2002および第2のシャフト124は同心とすることができる。第2の部分2006と第2のシャフト124との間の締まり嵌めにより、大直径部分2024が圧縮されて、大直径部分2024は、第2のシャフト124の第1のシャフト112に対する同軸度を維持するように第2のシャフト124に力を作用させる。その結果、挿入体2002は、第1のシャフト112と第2のシャフト124とが同心となる組み立てを可能にする。さらに、大直径部分2024は、第2のシャフト124の第1の端部126との係合によって圧縮されるので、大直径部分2024は、第2のシャフトの第1の端部126と常に係合する。したがって、人がゴルフクラブ100を使用時に(すなわち、ゴルフクラブ100のゴルフボールとのインパクト時に)、第1のシャフト112と第2のシャフト124との間の移動および/または振動を挿入体2002によって防止することができる。
【0060】
図46および図47は、別の例による挿入体2050を示している。挿入体2050は、特定の面で挿入体2002と同様である。したがって、挿入体2050の同様な部分は、挿入体2002の同じ部分として同じ参照番号で示される。第2の部分2006は、第2のシャフト124に挿入されるときに、挿入体2002の第2の部分2006と比較して、第2の部分2006のさらなる圧縮を可能にするスリット2052を含む。その結果、第2の部分2006の大外径2024は、挿入体2002よりも挿入体2050において大きくすることができる。さらに、スリット2052を有しているために第2の部分2006が縮められて、第2の部分2006が弾性復元力で第2のシャフト124の内壁を押し、それにより、第2の部分2006と第2のシャフト124の内壁との間の一定の接触および偏心が維持される。さらに、スリット2052に起因する第2の部分2006の圧縮により、人が第2の部分2006を第2のシャフト124に挿入するのをより容易にすることができる。
【0061】
挿入体2050の第2の部分2006は、複数の長手方向リブ2054をさらに含むことができる。図47および図48を参照すると、各リブ2054は、第2のシャフト124の第1の端部126の内側にある対応するスロット2056に受け入れられるように構成されている。リブ2054がスロット2056に係合すると、挿入体2050は、第2のシャフト124に対して回転するのを妨げられる。さらに、挿入体2050の第1の部分2004は、第1のシャフト112に固定されるため、スロット2056内にリブ2054を係合させることで、第2のシャフト124の第1のシャフト112に対する回転を防止することもできる。挿入体2050の第2の部分2006が第2のシャフト124に挿入されるときに、リブ2054とスロット2056とが整列していないことがあるので、リブ2054はスロット2056と容易に係合することができない。しかし、第2のシャフト124を回転させることで、各リブ2054はスロット2056に到達し、第2のシャフト124によって圧縮された第2の部分2006の弾性力によってスロット2056にスナップ式に嵌まることができる。したがって、第2の部分2006を第2のシャフト124に挿入した後、第2のシャフト124を第1のシャフト112に対して回転させることで、リブ2054がスロット2056と係合して、回転動作に関して第2のシャフト124を第1のシャフト112に対してロックすることができる。リブ2054およびスロット2056は、各リブ2054が対応するスロット2056と係合し、開示したように機能できる限り、任意の形状、大きさ、および/または構成をとることができる。リブ2054がスロット2056と係合することで、さらに、人によるゴルフクラブ100の使用時に(すなわち、ゴルフボールを打撃するときに)、回転運動および/または振動を防止または軽減することができる。
【0062】
挿入体2002、2050は、プラスチック、金属、複合材料、木材、および/または任意の人工もしくは天然材料などの任意の材料から構築することができる。一例によれば、挿入体2002、2050は、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)から構築することができる。挿入体2002および/または挿入体2050は、スタンピング(すなわち、機械プレスもしくは型押しプレスを使用するプレス抜き、ブランキング、エンボス加工、曲げ加工、フランジング、またはコイニング)、鋳造、射出成形、鍛造、機械加工、またはそれらの組み合わせ、あるいは金属、プラスチック、および/または複合材の各部品を製造するのに使用される他のプロセスによって形成することができる。
【0063】
第1のシャフト112が第2のシャフト124に挿入されるように構成されたゴルフクラブ100に関連して、挿入体2002、2050が上記に説明された。しかし、上記したように、長尺パター104の場合と同様に、第2のシャフト124が第1のシャフト112に挿入されてもよい。その結果、挿入体2002または挿入体2050の第1のシャフト112および第2のシャフト124への挿入の順番を逆にすることができる。言い換えると、挿入体2002または挿入体2050の第1の部分2004を第2のシャフト124に挿入することができ、第2の部分2006を第1のシャフト112に挿入することができる。したがって、使用されるゴルフクラブのタイプに応じて、挿入体2002または挿入体2050を適宜使用して、開示した機能を果たすことができる。
【0064】
一例によれば、ゴルフクラブの長さは、クラブのヘッド重量と関係があり得る。ヘッド重量は、ゴルフクラブをスイングするときに、人が受けるヘッドの慣性として定義することができる。表1を参照すると、標準パター、中尺パター、および長尺パター用の調整長さが、ヘッド重量の範囲別に示されている。したがって、人は、表1に基づき、または表1の表の値を導出する数式に基づき、そのヘッド重量に応じてパターの長さを調整することができる。本明細書で説明する装置、方法、および/または製品はこの点について限定されない。
【0065】
【表1】

【0066】
本開示によるカラーを有する例示的なロック機構により、ロック機構のない同様なクラブと比較して、ゴルフクラブの全体重量が増えることがある。記した重量の増加は、カラーの追加と、一方のシャフトを他方のシャフトに挿入するために、第1のシャフトおよび/または第2のシャフトの長さを長くしたこととによるものである。例えば、本明細書で説明した例によるカラーの重さが35グラムの場合、そのようなカラーを有するゴルフクラブの重量は、同様の調整不可能なゴルフクラブよりも少なくとも35グラム重くなり得る。さらに、第1のシャフト112および第2のシャフト124は、本明細書で詳細に説明したように入れ子式(すなわち、一方のシャフトが他方のシャフトの中に部分的に収まる)の特徴を有するので、記した入れ子式の特徴に寄与する、第1のシャフト112および第2のシャフト124の余分な長さにより、同様の調整不可能なゴルフクラブと比較して、ゴルフクラブの重量がさらに重くなり得る。第2のシャフト124を上側シャフト、第1のシャフト112を下側シャフトとすると、本開示によるゴルフクラブの下側/上側質量比を求めることができる。下側/上側質量比は、本明細書では質量比と称することができる。可変長ゴルフクラブの質量比を大きくして、ゴルフクラブの全体重量を軽くする、かつ/またはゴルフクラブの全体重量のバランスをとるために、第2のシャフト124および第1のシャフト112は、下記に説明するように、同じ材料、または異なる密度もしくは他の物理特性を有する異なる材料で構築することができる。
【0067】
質量比を大きくするために、ゴルフクラブの構造特性および/または機能特性に影響を及ぼすことなく、第1のシャフト112の質量を大きくし、かつ/または第2のシャフト124の質量を小さくすることができる。一例によれば、第1のシャフト112および第2のシャフト124は共に、同じ材料で構築することができる。ただし、第1のシャフト112は第2のシャフト124よりも大きい質量を有することができる。例えば、第1のシャフト112は、特定の壁部厚さを有する特定のタイプの鋼管で構築することができ、一方、第2のシャフト124は、壁部がより薄い同じタイプの鋼管で構築することができる。こうして、第1のシャフト112の質量/長さを第2のシャフト124の質量/長さよりも大きくし、それによって、質量比を大きくすることができる。別の例では、第1のシャフト112は、特定の壁部厚さを有する特定のタイプの鋼管で構築することができ、一方、第2のシャフト124は、第1のシャフト112と比較して、第2のシャフト124の質量/長さを小さくするために壁部厚さを薄くしたわずかな領域を除き、概ね同じ壁部厚さを有する同じタイプの鋼管で構築することができる。さらに、第1のシャフト112の密度および/または体積は、同様に質量比を大きくするために、第2のシャフト124の密度および/または体積よりも大きくすることができる。
【0068】
別の例によれば、第1のシャフト112および第2のシャフト124は、異なる質量または全体密度を有する異なる材料で構築することができる。ただし、第1のシャフト112は、第2のシャフト124よりも大きい質量、または大きい全体密度を有することができる。例えば、第1のシャフト112は鋼で構築することができ、第2のシャフト124はグラファイトで構築することができる。あるいは、第2のシャフト124は、十分な構造強度をもたらすと同時に、鋼よりも密度が低いアルミニウム、チタン、グラファイト系または他のタイプの複合材料、金属合金、木材、各種樹脂材料、および/あるいはこれらの材料の組み合わせで構築することができる。別の例では、第1のシャフト112はチタンで構築することができ、第2のシャフト124はグラファイトで構築することができる。例えば、第1のシャフト112および第2のシャフト124は、グラファイトで構築された場合よりも、鋼で構築された場合に大きい質量を有することができる。その結果、質量比を大きくし、一方で、場合によっては、ゴルフクラブの全体重量も軽くするために、第1のシャフト112は鋼で構築することができ、第2のシャフト124はグラファイトで構築することができる。本明細書で説明する装置、方法、および製品はこの点について限定されない。
【0069】
一例によれば、本開示によるカラーは、質量比を大きくするために、同じ、または異なる材料で構築することができる。例えば、カラーの下側部分は、カラーの上側部分よりも密度の高い材料で形成することができる。別の例によれば、カラーの質量は、質量比を大きくするために、第1のシャフト112または第2のシャフト124の物理特性(すなわち、構築材料、寸法、密度など)に応じて増減させることができる。例えば、本開示による可変長ゴルフクラブ上のカラーの位置に基づいてカラーの質量を大きくすることで、質量比を大きくすることができ、かつ/またはゴルフクラブの全体的な重量バランスを良好にすることができる。対照的に、ゴルフクラブのタイプによっては、カラーの質量を小さくすることで、質量比を大きくすることができ、かつ/またはゴルフクラブの全体的な重量バランスを良好にすることができる。
【0070】
表2は、第1のシャフト112および/または第2のシャフト124をグラファイトおよび/または鋼で構成した場合の質量比の例を示している。示すように、第1のシャフト112が鋼で構築され、第2のシャフト124がグラファイトで構築された場合に、表2に示す例の中で最も大きな質量比が得られる。第1のシャフト112および第2のシャフト124が共にグラファイトで構築されたパターは低い質量比を有する。ただし、そのようなパターは、鋼/グラファイト製パターよりも全体重量を軽くすることができる。したがって、質量比を大きくすることが、パターの全体重量を軽くすることよりも重要な場合、第1のシャフト112は鋼で構築することができ、第2のシャフト124は、グラファイトで構築することができる。反対に、パターの全体重量を軽くすることが質量比を大きくすることよりも重要な場合、第1のシャフト112および第2のシャフト124の両方をグラファイトで構築することができる。あるいは、表2に示す質量比を付与するために、第1のシャフト112および第2のシャフトを鋼で構築することができる。表2は、材料特性の質量比に及ぼす影響の例を示しており、示した材料または物理特性に限定されない。
【0071】
【表2】

【0072】
図49を参照すると、本開示によるゴルフクラブを製造する例示的な方法3000が示されている。方法3000は、第1のシャフト112および第2のシャフト124を形成することを含むことができる(ブロック3010)。第2のシャフト124は、第1のシャフト112の一部分を移動可能に受け入れる構成とされた中空部分を含むように形成することができる。方法3000によれば、ヘッド120は、第1のシャフト112の第1の端部114に取り付けられ(図49には示されていない)、グリップ132は、第2のシャフト124に取り付けられる(図49には示されていない)。長尺パター104に関しては、第2のグリップ134を第1のシャフト112に取り付けることもできる。方法3000によれば、開示したように、第1のシャフト112および第2のシャフト124を摩擦でロックするのに使用するために、開示したカラーのいずれかなどのカラーを形成することができる(ブロック3020)。図27を参照すると、カラー500は、ギャップ310を含むように形成することができる(図示せず)。カラー500は、図26のボルト450などのボルトを受け入れる第1の穴部504および第2の穴部506をさらに含むように形成することができる。第2の穴部506は、環状出っ張り部508を画定するために、第1の穴部504の直径よりも大きい直径を有することができる。図26を参照すると、ボルト450は、第1の穴部504に受け入れられる構成とされた第1のボルト部454と、第2の穴部506に受け入れられる構成とされた第2のボルト部455とを含むように形成することができる(図49には示していない)。第2のボルト部455は、環状のショルダ部457を画定するために、第1のボルト部454の直径よりも大きい直径を有することができる。
【0073】
第1のシャフト112および/または第2のシャフト124は、ステンレス鋼、アルミニウム、チタン、様々な他の金属または金属合金、複合材料、木材または石材などの天然材料、あるいはプラスチックなどの人工材料等の任意のタイプの材料で構築することができる。第1のシャフト112および/または第2のシャフト124は、スタンピング(すなわち、機械プレスもしくは型押しプレスを使用するプレス抜き、ブランキング、エンボス加工、曲げ加工、フランジング、またはコイニング)、鋳造、射出成形、鍛造、機械加工、またはそれらの組み合わせ、あるいは金属、複合材、プラスチック、または木質の各部品を製造するのに使用される他のプロセスによって構築することができる。例えば、グラファイトで構築されるシャフトは、シート積層プロセス、フィラメントワインディングプロセス、または樹脂トランスファー成形プロセスによって形成することができる。第2のシャフト124を製造した後、第2のシャフト124の第1の端部126にスリット140を入れることができる。あるいは、端部部分138は、第2のシャフト124の第1の端部126に取り付けられる、別々に製造された部品とすることができる。板ばね142は、ばね鋼、プラスチック、複合材料、または他の材料で製造することができる。各板ばね142は、第2のシャフト124に取り付けられる独立した部片でよいし、または第2のシャフト124と共製造されてもよい。
【0074】
本開示によるカラー、ボルト、および/または工具は、任意の金属または金属合金、プラスチック、複合材料、木材、あるいはそれらの組み合わせで構築することができる。例えば、カラー、ボルト、および/または工具は、アルミニウム、鋼、またはチタンで構築することができる。本開示によるカラーは、人によるゴルフクラブ100の使用中に、ボルトが緩むのを防止するために、ボルトを受け入れる各カラーのそれぞれの穴に1つまたは複数の鋼製ヘリコイルおよび/またはワッシャを含むことができる。本開示によるカラー、ボルト、および/または工具は、スタンピング(すなわち、機械プレスもしくは型押しプレスを使用するプレス抜き、ブランキング、エンボス加工、曲げ加工、フランジング、またはコイニング)、鋳造、射出成形、鍛造、機械加工、またはそれらの組み合わせ、あるいは金属、複合材、プラスチック、または木質の各部品を製造するのに使用される他のプロセスによって構築することができる。本開示によるカラーは、上記のロック機能を果たすことができるように、第1のシャフト112および第2のシャフト124の寸法および構成に対応する任意の大きさおよび構成にすることができる。本開示によるカラーの穴は、サイズ8−32ねじを有することができる。それに応じて、本開示によるボルトもサイズ8−32ボルトとすることができる。本開示によるボルトは、六角形状、トルクス(登録商標)形状などの任意の断面形状を有することができる。一例では、ボルトのねじ頭は、T20 トルクス(登録商標)ねじ頭とすることができる。
【0075】
全米ゴルフ協会(USGA)およびRoyal and Ancient Golf Club of St.Andrews(R&A)などのゴルフ標準化組織、および/または管理組織は、トーナメント式の試合中に、パターまたはゴルフクラブの長さを調整するのに、特定の手順を要求することがある。例えば、ゴルフ標準化組織および/または管理組織の中には、トーナメント式の試合に対して、パターの長さを調整するのに工具が使用されることを要求するものもある。したがって、人は、上記のように、工具を使用してゴルフクラブの長さを調整しなければならないことがある。しかし、非トーナメント式の試合に対して、またはゴルフ標準化組織がトーナメント式の試合に長さ調整用の工具を要求しない場合に、本開示によるカラーは迅速解放機構を含むことができ、この迅速解放機構は、一端にカムを有するアームを含むことができ、このカムにより、アームが開いた位置から閉じた位置に回転した場合にカラーが縮む。アームの一部分は、工具として機能するように、アームのカム端部から取り外すことができる。したがって、迅速解放機構は、アームの取り外し可能な部分を使用することなしにロックおよび/または解放することができない。あるいは、アームは、アームの閉じた位置でカラー202にロックすることができる。別の例によれば、ロック機構は、第2のシャフト124の第1の端部126に螺入して第1のシャフト112の端部部分138を圧縮するねじ付き圧縮リングを含むことができる。2つの入れ子式シャフトをロックするのに使用される他の工具不要のロック機構を使用することができる。そのような工具不要の機構は、ゴルフ標準化組織の規則を厳格に順守する必要がない場合に、非トーナメント式の試合の実施中に使用することもできる。本開示によるロック機構は、他のタイプのカラー、ピン、または締め付け装置を含むことができる。
【0076】
特定の順番の工程が上記に説明されたが、これらの工程は、他の時間シーケンスで実行することができる。例えば、上記の2つ以上の工程は、順次か、共にか、または同時に実行することができる。あるいは、2つ以上の工程は、順番を反対にして実行することができる。さらに、上記の1つまたは複数の工程は、全く実行されなくてもよい。本明細書で説明した装置、方法、および製品はこの点について限定されない。
【0077】
本発明が様々な態様に関連して説明されたが、本発明がさらなる修正が可能であるのは当然のことである。本願は、概して本発明の原理に従い、本発明が関係する当技術分野における公知かつ通例の手法の範囲内に入るような本開示からの逸脱を含む本発明の任意の変形形態、使用法、および改造を包含することを意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可変長ゴルフクラブ用の連結装置であって、
第1シャフトに連結するように構成されている第1部分と、
前記第1部分に連結されるとともに、第2シャフトに連結されるように構成されている第2部分と、を備えており、
前記第1シャフトは、ヘッドとグリップの一方に結合する第1端部と、第2端部と、を有しており、
前記第1部分は、前記第1シャフトの前記第2端部に連結するように構成されており、
前記第2シャフトは、中空部分を含む第1端部と、前記ヘッドと前記グリップの他方に結合する第2端部と、を有しており、
前記第2シャフトの前記第1端部の前記中空部分は、前記第1シャフトの前記第2端部を移動可能に受け入れるように構成されており、
前記第2部分は、前記第2シャフトの前記第1端部の前記中空部分内に挿入されるように構成されており、
前記第2部分の外径は、前記第1部分の外径よりも大きい連結装置。
【請求項2】
前記第2部分の前記外径は、前記第2シャフトの前記第1端部の前記中空部分の内径以上である請求項1に記載の連結装置。
【請求項3】
前記第1部分は、前記第1シャフトの前記第2端部の中空部分に挿入されるように構成されており、
前記第1部分の外径は、前記第1シャフトの前記第2端部の前記中空部分の内径以下である請求項1又は2に記載の連結装置。
【請求項4】
前記第1部分の外表面は、少なくとも1つの溝を有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の連結装置。
【請求項5】
前記第1部分は、前記第1シャフトの前記第2端部に接着剤を用いて取り付けられている請求項1〜4のいずれか一項に記載の連結装置。
【請求項6】
前記第2部分は、前記第2シャフトの前記第1端部の前記中空部分内に締まり嵌めによって係合されている請求項1〜5のいずれか一項に記載の連結装置。
【請求項7】
前記第2部分の少なくとも一部は、前記第2シャフトの前記第1端部の前記中空部分に挿入されて前記第2シャフトの前記第1端部の前記中空部分内に摩擦によって係合されるときに圧縮されるように構成されている請求項1〜6のいずれか一項に記載の連結装置。
【請求項8】
前記第1部分と前記第2部分は概ね同軸であり、これにより、前記第2シャフトに対して前記第1シャフトが概ね同軸に維持される請求項1〜7のいずれか一項に記載の連結装置。
【請求項9】
前記第2部分は、前記第2部分の圧縮を提供するように構成されているスリットを有する請求項1〜8のいずれか一項に記載の連結装置。
【請求項10】
前記第2部分の外表面は、少なくとも1つの突起を有しており、
前記第2シャフトは、前記第2シャフトの前記第1端部の前記中空部分の内面に凹部を有しており、
前記突起が前記凹部に係合するように構成されている請求項1〜9のいずれか一項に記載の連結装置。
【請求項11】
可変長ゴルフクラブであって、
ヘッドとグリップの一方に結合する第1端部と、第2端部と、を有している第1シャフトと、
中空部分を含む第1端部と、前記ヘッドと前記グリップの他方に結合する第2端部と、を有している第2シャフトと、ここで、前記第2シャフトの前記第1端部の前記中空部分は前記第1シャフトの前記第2端部を移動可能に受け入れるように構成されており、
前記第2シャフトの前記中空部分上に配置されており、第1側部と第2側部を有しているカラーと、ここで、前記カラーは前記第1シャフトと前記第2シャフトが摩擦でロックされる第1状態と、前記第1シャフトと前記第2シャフトが相対移動可能な第2状態と、を有しており、
前記第1シャフトの前記第2端部に連結するように構成されている第1部分と、前記第2シャフトの前記第1端部の前記中空部分に挿入されて前記第2シャフトと連結するように構成されている第2部分と、を有する連結装置と、を備えており、
前記第2部分の外径は、前記第1部分の外径よりも大きい可変長ゴルフクラブ。
【請求項12】
前記カラーは、前記第1側部から前記カラーの前記第1側部と前記カラーの前記第2側部の間のギャップまで伸びている穴を有しており、
前記穴は、ボルトを受け入れるように構成されており、
前記ボルトは、前記ボルト部が前記穴に侵入したときに、前記カラーの前記第2側部に係合して前記カラーを前記第1状態から前記第2状態に展開するように構成されている請求項11に記載の可変長ゴルフクラブ。
【請求項13】
前記カラーは、前記第1側部から前記カラーの前記第1側部と前記カラーの前記第2側部の間のギャップまで伸びている穴を有しており、
前記穴は、第1穴部とその第1穴部の直径よりも大きい直径を有する第2穴部を含み、これにより、前記第1穴部と前記第2穴部の間の前記穴に環状出っ張り部を規定しており、
前記穴は、前記第1穴部に受け入れられるように構成されている第1ボルト部と、前記第2穴部に受け入れられるように構成されている第2ボルト部と、を有するボルトを受け入れるように構成されており、
前記第2ボルト部は、前記第1ボルト部の直径よりも大きい直径を有しており、これにより、前記第1ボルト部と前記第2ボルト部の間の前記ボルトに環状ショルダ部を規定しており、
前記第1ボルト部は、前記第1ボルト部が前記第1穴部に侵入したときに、前記カラーの前記第2側部に係合して前記カラーを前記第1状態から前記第2状態に展開するように構成されており、
前記ボルトの前記環状ショルダ部が前記穴の前記環状出っ張り部に係合し、前記ボルトが前記穴内にさらに侵入することが停止され、
前記第1シャフトと前記第2シャフトは前記カラーの前記第1状態において摩擦でロックされ、前記第1シャフトと前記第2シャフトは前記カラーの前記第2状態において相対移動可能である可変長ゴルフクラブ。
【請求項14】
前記第2部分の前記外径は、前記第2シャフトの前記第1端部の前記中空部分の内径以上である請求項11〜13のいずれか一項に記載の可変長ゴルフクラブ。
【請求項15】
前記第1部分は、前記第1シャフトの前記第2端部の中空部分に挿入されるように構成されており、
前記第1部分の外径は、前記第1シャフトの前記第2端部の前記中空部分の内径以下である請求項11〜14のいずれか一項に記載の可変長ゴルフクラブ。
【請求項16】
前記第1部分の外表面は、少なくとも1つの溝を有する請求項11〜15のいずれか一項に記載の可変長ゴルフクラブ。
【請求項17】
前記第1部分は、前記第1シャフトの前記第2端部に接着剤を用いて取り付けられている請求項11〜16のいずれか一項に記載の可変長ゴルフクラブ。
【請求項18】
前記第2部分は、前記第2シャフトの前記第1端部の前記中空部分内に締まり嵌めによって係合されている請求項11〜17のいずれか一項に記載の可変長ゴルフクラブ。
【請求項19】
前記第2部分の少なくとも一部は、前記第2シャフトの前記第1端部の前記中空部分に挿入されて前記第2シャフトの前記第1端部の前記中空部分内に摩擦によって係合されるときに圧縮されるように構成されている請求項11〜18のいずれか一項に記載の可変長ゴルフクラブ。
【請求項20】
前記第1部分と前記第2部分は概ね同軸であり、これにより、前記第2シャフトに対して前記第1シャフトが概ね同軸に維持される請求項11〜19のいずれか一項に記載の可変長ゴルフクラブ。
【請求項21】
前記第2部分は、前記第2部分の圧縮を提供するように構成されているスリットを有する請求項11〜20のいずれか一項に記載の可変長ゴルフクラブ。
【請求項22】
前記第2部分の外表面は、少なくとも1つの突起を有しており、
前記第2シャフトは、前記第2シャフトの前記第1端部の前記中空部分の内面に凹部を有しており、
前記突起が前記凹部に係合するように構成されている請求項11〜21のいずれか一項に記載の可変長ゴルフクラブ。
【請求項23】
可変長ゴルフクラブ用の連結装置の製造方法であって、
第1シャフトに連結するように構成されている第1部分を形成する工程と、
前記第1部分に連結されるとともに、第2シャフトに連結されるように構成されている第2部分を形成する工程と、を備えており、
前記第1シャフトは、ヘッドとグリップの一方に結合する第1端部と、第2端部と、を有しており、
前記第1部分は、前記第1シャフトの前記第2端部に連結するように構成されており、
前記第2シャフトは、中空部分を含む第1端部と、前記ヘッドと前記グリップの他方に結合する第2端部と、を有しており、
前記第2シャフトの前記第1端部の前記中空部分は、前記第1シャフトの前記第2端部を移動可能に受け入れるように構成されており、
前記第2部分は、前記第2シャフトの前記第1端部の前記中空部分内に挿入されるように構成されており、
前記第2部分の外径は、前記第1部分の外径よりも大きい製造方法。
【請求項24】
前記第2部分を形成する工程は、前記第2部分の外径が前記第2シャフトの前記第1端部の前記中空部分の内径以上となるように形成することを有する請求項23に記載の製造方法。
【請求項25】
前記第1部分を形成する工程は、前記第1シャフトの前記第2端部の中空部分に挿入されるように構成されている前記第1部分を形成することと、前記第1部分の外径が前記第1シャフトの前記第2端部の前記中空部分の内径以下となるように形成することと、を有する請求項23又は24に記載の製造方法。
【請求項26】
前記第1部分の外表面に少なくとも1つの溝を形成する工程をさらに備える請求項23〜25のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項27】
前記第2部分を形成する工程は、前記第2部分の少なくとも一部が前記第2シャフトの前記第1端部の前記中空部分に挿入されて前記第2シャフトの前記第1端部の前記中空部分内に摩擦によって係合されるときに圧縮可能に構成されるように、前記第2部分を形成することを有する請求項23〜25のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項28】
前記第1部分を形成する工程と前記第2部分を形成する工程は、前記第1部分と前記第2部分は概ね同軸であり、これにより、前記第2シャフトに対して前記第1シャフトが概ね同軸に維持されるように、前記第1部分と前記第2部分を形成することを有する請求項23〜27のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項29】
前記第2部分を形成する工程は、前記第2部分にスリットを形成することを有しており、
前記スリットは、前記第2部分の圧縮を提供するように構成されている請求項23〜28のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項30】
前記第2部分を形成する工程は、前記第2部分の外表面に少なくとも1つの突起を形成することを有しており、
前記第2シャフトは、前記第2シャフトの前記第1端部の前記中空部分の内面に凹部を有しており、
前記突起が前記凹部に係合するように構成されている請求項23〜29のいずれか一項に記載の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【公開番号】特開2013−94677(P2013−94677A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−240342(P2012−240342)
【出願日】平成24年10月31日(2012.10.31)
【出願人】(591086452)カーステン マニュファクチュアリング コーポレーション (31)
【Fターム(参考)】