可搬型放射線画像検出装置及び放射線撮影装置並びに放射線撮影システム
【課題】可搬型放射線画像検出装置を用いた動画撮影を行う場合において、撮影準備作業の早い段階で増設用バッテリの装着忘れを通知することにある。
【解決手段】電子カセッテには、増設用バッテリユニットを装着する装着部が設けられている。電子カセッテの制御部は、コンソールから静止画撮影を行うか動画撮影を行うかの選択指示を受け付ける。制御部は、動画撮影の選択指示を受け付けたときに、増設用バッテリユニットが装着されているか否かを判定し、装着されている場合には、動画撮影を許容し、装着されていない場合には、増設用バッテリユニットの装着を促す警告を行う。
【解決手段】電子カセッテには、増設用バッテリユニットを装着する装着部が設けられている。電子カセッテの制御部は、コンソールから静止画撮影を行うか動画撮影を行うかの選択指示を受け付ける。制御部は、動画撮影の選択指示を受け付けたときに、増設用バッテリユニットが装着されているか否かを判定し、装着されている場合には、動画撮影を許容し、装着されていない場合には、増設用バッテリユニットの装着を促す警告を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検体を透過した放射線を受けて放射線画像を検出する可搬型放射線画像検出装置及び放射線撮影装置並びに放射線撮影システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、放射線撮影、例えばX線撮影の分野において、X線フイルムやイメージングプレート(IP)に代わり、半導体素子を用いたフラットパネルディテクタ(以下、FPDという)を用いたX線画像検出装置が普及している。FPDは、X線の入射によって画素毎に蓄積される信号電荷を電圧信号に変換することによって被検体の画像情報を表すX線画像を検出する。FPDで検出されたX線画像は、デジタルな画像データとして出力される。
【0003】
FPDを用いたX線画像検出装置には、立位又は臥位姿勢の被検者を撮影するための撮影台にFPDが内蔵された据え置き型のものの他、可搬型の筐体にFPDが内蔵された可搬型のX線画像検出装置(以下「電子カセッテ」という)も実用化されている。電子カセッテは、据え置き型に比べて被検者との相対的な位置決め(ポジショニング)の自由度が高いため、据え置き型では撮影しにくい部位(肘や膝の関節など)の撮影に用いられる他、撮影室までの移動が困難な被検者を病室の寝台に寝かせた状態で撮影したり、緊急時には被検者を車椅子に乗せた状態で撮影するなど、様々な使い方が可能である。
【0004】
電子カセッテは、可搬性の観点から小型軽量化が進んでおり、さらに撮影の際のポジショニングの自由度のさらなる向上など使い勝手の向上を目的として、バッテリによる駆動を可能にするとともに、コンソールなどの外部装置との間での通信を無線化することで、電源ケーブルや通信ケーブルを無くすワイヤレス化を図ることが提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0005】
また、特許文献2及び3には、増設用のバッテリを着脱自在に装着可能な電子カセッテが記載されている。こうした電子カセッテによれば、必要に応じて増設用バッテリを装着することで、駆動時間を延ばすことができる。
【0006】
電子カセッテは、静止画撮影の他に動画撮影に使用される場合がある。動画撮影は、静止画撮影の準備作業として、撮影部位に対して電子カセッテが正確にポジショニングされているかの確認や、被検者内にカテーテルを挿入する手技における、被検者内におけるカテーテルの位置確認を行うために実行される。動画撮影は、静止画撮影と比較して、動作時間が長くなるため消費電力が大きく、電子カセッテを動画撮影に使用する場合には、静止画撮影以上にバッテリの容量確保が重要となる。上記特許文献2及び3に記載の電子カセッテは、増設用バッテリを装着できるので消費電力が大きな動画撮影に便利である。
【0007】
また、特許文献3には、増設用バッテリが装着されている状態でのみ、静止画撮影に加えて動画撮影も許容し、増設用バッテリが装着されていない状態では、動画撮影を禁止して、静止画撮影のみを許容する電子カセッテが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−333380号公報
【特許文献2】特開2011−203724号公報
【特許文献3】特開2008−083031号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
動画撮影は電力消費が大きいので、特許文献3のように、増設用バッテリが装着されていない場合に動画撮影を禁止すれば、検査中のバッテリ切れによる撮影中断を防止することができる。撮影が中断されると、検査中にバッテリ交換作業や手技のやり直しが必要になる。これは、検査時間の長時間化を招き、また、被検者に無用な精神的な負担を強いることになるため、バッテリ切れによる撮影中断を防止する必要性は高い。
【0010】
しかしながら、特許文献3のように、増設用バッテリが装着されていない場合に動画撮影を禁止するだけでは、次のような問題があった。上述のとおり、動画撮影は静止画撮影のための正確なポジショニングやカテーテルの位置確認のために行われる。静止画撮影のポジショニングのために動画撮影を行う場合でも、動画撮影の準備作業として、電子カセッテと被検者の撮影部位とのおおよそのポジショニングは必要になるし、カテーテルの位置確認の場合には、動画撮影のポジショニングに加えて、カテーテル手技を行うための準備作業を行った上で、動画撮影が開始される。そのため、こうした撮影準備作業を、増設用バッテリが装着されていない状態で誤って開始してしまい、撮影準備作業が終了した時点や終了間際の段階で増設用バッテリが装着されていないことが判明すると、増設用バッテリを装着するために、撮影準備作業をやり直さなければならない。
【0011】
この場合には、当然ながら、検査時間が長時間化する上、被検者に無用な精神的な負担を強いることにもなる。さらに、動画撮影を行う場合に、X線源からX線の照射が開始された後に増設用バッテリが装着されていないことが判明した場合には、電子カセッテにおいて動画撮影が禁止されているため、その撮影は失敗に終わってしまう。そればかりか、撮影失敗の場合には被検者に対して無用な被曝を行う結果になるため、特に問題である。特許文献1〜3には、こうした課題及び解決策について明示や示唆もない。
【0012】
本発明は、上記背景に鑑みてなされたもので、その目的は、可搬型放射線画像検出装置を用いた動画撮影を行う場合において、撮影準備作業の早い段階で増設用バッテリの装着忘れを通知することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の可搬型放射線画像検出装置は、放射線源から照射され被検体を透過した放射線を受けて放射線画像を検出する画像検出部であり、前記放射線画像の静止画撮影と動画撮影の両方が可能な画像検出部と、前記画像検出部を収容する筐体と、前記筐体に設けられ前記画像検出部へ電力を供給するためのバッテリとして、メインバッテリとは別の増設用バッテリユニットを装着可能なバッテリ装着部と、前記増設用バッテリユニットが装着されているか否かを検知する装着検知部と、静止画撮影を行うか動画撮影を行うかの選択指示を受け付ける指示受付部と、前記指示受付部が動画撮影の選択指示を受け付けた場合において、前記装着検知部の検知結果に基づいて前記増設用バッテリユニットが装着されていないと判定した場合に、前記増設用バッテリユニットの装着を促す警告が行われるように制御する制御部とを備えていることを特徴とする。
【0014】
前記筐体には、前記制御部の制御により、前記警告を発する警告部が設けられていることが好ましい。前記制御部は、前記選択指示の入力元となるコンソールが警告部として機能するように、前記コンソールに対して警告信号を送信することが好ましい。
【0015】
前記制御部は、前記増設用バッテリユニットが装着されていないと判定した場合には、前記警告に加えて、前記動画撮影の実行を禁止する制御を行ってもよい。
【0016】
前記筐体には、商用電源から電力の供給を受けるための電源ケーブルを接続可能なコネクタが設けられており、前記制御部は、前記電源ケーブルを通じて電力の供給を受けている場合には、前記増設用バッテリユニットの装着状態に関わらず、動画撮影を許容することが好ましい。
【0017】
前記バッテリ装着部は、前記増設用バッテリユニットの代わりに、前記画像検出部を動作させるための機能部ユニットを装着可能であることが好ましい。前記機能部ユニットは、例えば、前記画像検出部が出力する画像データを記憶するメモリユニットである。前記制御部は、前記指示受付部が前記静止画撮影を行う選択指示を受け付けた場合において、前記メモリユニットの装着を促す警告が行われるように制御することが好ましい。
【0018】
前記バッテリ装着部は、それぞれに前記増設用バッテリユニットが装着可能な第1及び第2の装着部を含む少なくとも2つの装着部を有していてもよい。
【0019】
前記筐体は、例えば、撮影台に対して着脱自在に取り付け可能であり、前記バッテリ装着部は、例えば、前記増設用バッテリユニットを、前記筐体の外面から突出しない状態で装着可能である。
【0020】
本発明の放射線撮影装置は、放射線源から照射され被検体を透過した放射線を受けて放射線画像を検出する画像検出部であり、前記放射線画像の静止画撮影と動画撮影の両方が可能な画像検出部を有する可搬型放射線画像検出装置と、前記可搬型放射線画像検出装置に対して静止画撮影を行う動画撮影を行うかの選択指示を入力するコンソールとを備えた放射線撮影装置において、前記可搬型放射線画像検出装置は、前記画像検出部を収容する筐体と、前記筐体に設けられ前記画像検出部へ電力を供給するためのバッテリとして、メインバッテリとは別の増設用バッテリユニットを装着可能なバッテリ装着部と、前記増設用バッテリユニットが装着されているか否かを検知する装着検知部と、前記コンソールから入力された前記選択指示を受け付ける指示受付部と、前記指示受付部が動画撮影の選択指示を受け付けた場合において、前記装着検知部の検知結果に基づいて前記増設用バッテリユニットが装着されていないと判定した場合に、前記増設用バッテリユニットの装着を促す警告が行われるように制御する制御部とを備えていることを特徴とする。
【0021】
本発明の放射線撮影システムは、放射線を照射する放射線源と、被検体を透過した前記放射線を受けて放射線画像を検出する画像検出部であり、前記放射線画像の静止画撮影と動画撮影の両方が可能な画像検出部を有する可搬型放射線画像検出装置と、前記可搬型放射線画像検出装置に対して静止画撮影を行う動画撮影を行うかの選択指示を入力するコンソールとを備えた放射線撮影システムにおいて、前記可搬型放射線画像検出装置は、前記画像検出部を収容する筐体と、前記筐体に設けられ前記画像検出部へ電力を供給するためのバッテリとして、メインバッテリとは別の増設用バッテリユニットを装着可能なバッテリ装着部と、前記増設用バッテリユニットが装着されているか否かを検知する装着検知部と、前記コンソールから入力された前記選択指示を受け付ける指示受付部と、前記指示受付部が動画撮影の選択指示を受け付けた場合において、前記装着検知部の検知結果に基づいて前記増設用バッテリユニットが装着されていないと判定した場合に、前記増設用バッテリユニットの装着を促す警告が行われるように制御する制御部とを備えていることが好ましい。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、可搬型放射線画像検出装置が動画撮影を行う指示を受け付けた場合において、増設用バッテリユニットが装着されているか否かを判定して、増設用バッテリユニットが装着されていない場合に警告を行うようにしたから、撮影準備作業の早い段階で増設用バッテリの装着忘れを通知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】X線撮影システムの構成を示す概略図である。
【図2】コンソールの操作画面の説明図である。
【図3】臥位撮影台の斜視図である。
【図4】電子カセッテが取り付けられるトレイを示す斜視図である。
【図5】本発明の電子カセッテ(可搬型放射線画像検出装置)を示す斜視図である。
【図6】バッテリユニットのラッチ機構の説明図である。
【図7】ラッチ機構の係合を解除する操作ボタンの説明図である。
【図8】FPDの構成を示すブロック図である。
【図9】増設バッテリユニットが装着状態の電子カセッテの電気的構成を示すブロック図である。
【図10】機能部ユニットが装着状態の電子カセッテの電気的構成を示すブロック図である。
【図11】電子カセッテの動作手順を示すフローチャートである。
【図12】コンソールの警告画面を示す説明図である。
【図13】電子カセッテの背面側に装着されるパネル型の増設バッテリユニットを設けた変形例を示す斜視図である。
【図14】バッテリと増設メモリを設けた機能部ユニットを示すブロック図である。
【図15】商用電源からの電力の供給を受けるための電源ケーブルを接続可能なコネクタを設けた変形例を示す斜視図である。
【図16】インジケータ付きのバッテリユニットの説明図である。
【図17】筐体の角部を切り欠いて形成した装着部の説明図である。
【図18】対向する2側面にそれぞれ装着部を設けた例の説明図である。
【図19】1つの側面に2つの装着部を設けた例の説明図である。
【図20】装着部に開閉自在の蓋を設けた例の説明図である。
【図21】図20の例の動作説明図である。
【図22】ガイド片付きのバッテリユニットの説明図である。
【図23】立位撮影台を使用する例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
[第1実施形態]
図1において、X線撮影システム10は、X線発生装置11と、X線撮影装置12とからなる。X線発生装置11は、X線源13と、X線源13を制御する線源制御装置14と、照射スイッチ15とで構成される。X線源13は、X線を照射するX線管13aと、X線管13aが照射するX線の照射野を限定する照射野限定器(コリメータ)13bとを有する。
【0025】
X線管13aは、熱電子を放出するフィラメントからなる陰極と、陰極から放出された熱電子が衝突してX線を放射する陽極(ターゲット)とを有している。照射野限定器13bは、例えば、X線を遮蔽する複数枚の鉛板を井桁状に配置し、X線を透過させる照射開口が中央に形成されたものであり、鉛板の位置を移動することで照射開口の大きさを変化させて、照射野を限定する。X線発生装置11は、例えばX線撮影室の天井に移動かつ伸縮自在に設置された支柱に保持され、X線撮影装置12の上方に配置されている。
【0026】
線源制御装置14は、X線源13に対して高電圧を供給する高電圧発生器と、X線源13が照射するX線の線質(エネルギースペクトル)を決める管電圧(kV)、単位時間当たりの線量を決める管電流(mA)、およびX線の照射時間(s)を制御する制御部とからなる。高電圧発生器は、トランスによって入力電圧を昇圧して高圧の管電圧を発生し、高電圧ケーブルを通じてX線源13に駆動電力を供給する。管電圧と、照射線量を規定する、管電流及び照射時間の積であるmAs値といった撮影条件は、操作パネル14aを通じて放射線技師や医師などのオペレータにより手動で、線源制御装置14に設定される。
【0027】
照射スイッチ15は、線源制御装置14に信号ケーブルで接続されており、オペレータによって操作される。照射スイッチ15は二段階押しのスイッチであり、一段階押しでX線源13のウォームアップを開始させるためのウォームアップ開始信号を発生し、二段階押しでX線源13に照射を開始させるための照射開始信号を発生する。これらの信号は信号ケーブルを通じて線源制御装置14に入力される。
【0028】
線源制御装置14は、照射スイッチ15からの制御信号に基づいてX線源13の動作を制御する。照射スイッチ15から照射開始信号を受けると、線源制御装置14は、X線源13に対して開始指令を発して電力供給を開始する。これによりX線源13は照射を開始する。
【0029】
また、線源制御装置14は、X線撮影装置12と有線又は無線により通信可能に接続されており、X線撮影装置12に対して、X線源13の照射タイミングとX線撮影装置12の動作タイミングを同期させるための同期信号を送信する。
【0030】
X線撮影装置12は、電子カセッテ21、臥位撮影台22、撮影制御装置23、およびコンソール24から構成される。臥位撮影台22は、電子カセッテ21が着脱自在に取り付けられ、X線が入射する入射面がX線源13と対向する姿勢で電子カセッテ21を保持する。電子カセッテ21は、X線画像を検出する画像検出部としてのFPD25を備えている。
【0031】
撮影制御装置23は、有線方式や無線方式により電子カセッテ21と通信可能に接続されており、電子カセッテ21を制御する。具体的には、電子カセッテ21に対して撮影条件を送信して、FPD25の信号処理の条件を設定させるとともに、X線源13の照射タイミングとFPD25の動作を同期させるための同期信号をX線発生装置11から受信して、これを電子カセッテ21に送信することにより、X線源13とFPD25の同期制御を行う。
【0032】
また、撮影制御装置23は、電子カセッテ21が出力する画像データを受信してコンソール24に送信する。コンソール24は、電子カセッテ21から受信したX線画像に対して各種画像処理を施して、ディスプレイ26に表示させる。加えて、X線画像の画像データに対して、撮影条件や患者情報などの情報を付帯情報として付加して、DICOM(Digital Imaging and COmmunication in Medicine)などの医用画像フォーマットのファイルに変換する。変換された画像データは、コンソール24内のハードディスクやメモリ、あるいはコンソール24とネットワーク27を介して接続された画像サーバ28といったデータストレージデバイスに格納される。
【0033】
コンソール24は、検査オーダの入力を受け付けて、検査オーダをディスプレイに表示する。検査オーダは、HIS(病院情報システム)やRIS(放射線情報システム)といった患者情報や放射線検査に係る検査情報を管理するオーダ管理システム29からLANなどのネットワーク27を通じて入力されるか、または、オペレータにより手動入力される。
【0034】
検査オーダは、患者単位で作成される。1件の検査オーダには、依頼元情報(医師ID、診療科名など)、患者情報(患者名、患者IDなど)、撮影オーダが含まれる。1件の検査オーダに対して、撮影オーダが1件だけの場合もあれば、複数件の撮影オーダが含まれる場合もある。1件の撮影オーダには、頭部、胸部、腹部などの撮影部位と、正面、側面、斜位、PA(X線を被検者の背面から照射)、AP(X線を被検者の正面から照射)といった撮影方向と、立位、臥位などの撮影体位とからなる術式を指定する術式指定情報が含まれる。オペレータは、撮影オーダの内容をコンソール24のディスプレイ26で確認し、その内容に応じた撮影条件をコンソール24の操作画面を通じて入力する。
【0035】
図2において、検査オーダ表示画面261は、コンソール24の操作画面の1例であり、受信済みの検査オーダの中から選択された1件の検査オーダの内容を表示した状態を示す。検査オーダ表示画面261には、検査オーダのID、患者名、患者ID、性別、年齢といった患者情報を表示する患者情報表示領域262と、1件の検査オーダに含まれる撮影オーダを表示する撮影オーダ表示領域263と、撮影したX線画像を表示する画像表示領域265が設けられている。撮影オーダ表示領域263の下方には、選択された撮影オーダに対して撮影条件を設定するための撮影条件設定ボタン264と、撮影モードを選択する撮影モード選択ボックス266が設けられている。符号268aは、入力した内容を確定するOKボタンであり、符号268bは、入力した内容をキャンセルするキャンセルボタンであり、符号268cは、検査オーダ表示画面261を終了する終了ボタンである。
【0036】
撮影オーダ表示領域263には、複数件の撮影オーダがある場合には、複数件の撮影オーダがリスト形式で一覧表示される。本例では、2件の撮影オーダが含まれている例を示している。撮影オーダ表示領域263内において、各撮影オーダの表示欄263aには、「胸部立位正面(P−A)」のように、各撮影オーダの術式指定情報が表示される。
【0037】
表示欄263aの1つが、コンソール24の入力デバイスであるマウスなどのポインタ269でクリック操作されると、その表示欄263aに対応する1件の撮影オーダが指定される。指定された撮影オーダの表示欄263aはハイライト表示され、指定されていない他の撮影オーダと識別可能に表示される。本例では、撮影オーダ1が指定された状態を示している。
【0038】
画像表示領域265には、撮影済みのX線画像のうち最新の画像が表示される。本例では、撮影オーダ1に対応するX線画像が表示されている。もちろん、撮影済みの複数のX線画像の中から選択された画像を画像表示領域265に表示することも可能である。
【0039】
撮影条件設定ボタン264をクリックすると、図示しないサブウインドウが開く。サブウインドウ内には、管電圧、管電流、照射時間といった撮影条件を入力するための入力ボックスが表示される。マウスのクリック操作や、コンソール24の入力デバイスであるキーボードなどの操作により、入力ボックスに対して撮影条件を表す数値が入力される。
【0040】
また、撮影モード選択ボックス266をクリックすると、図示しないプルダウンメニューが表示され、プルダウンメニューには、「静止画撮影モード」と「動画撮影モード」のそれぞれの選択項目が用意されている。マウスのクリック操作やキーボード操作により、いずれかの選択項目が選択されると、撮影モード選択ボックス266に撮影モードの選択指示が入力される。図2においては、動画撮影モードが選択された状態を示している。OKボタン268aがクリックされると、入力した内容が確定されて、撮影モードの選択指示が確定する。
【0041】
動画撮影は、例えば、撮影オーダで指定される静止画撮影のためのポジショニングに使用される他、被検者Hにカテーテルを挿入する手技を行う際にカテーテルの挿入位置を確認するめのモニタとして利用される。動画撮影を行う場合においても、静止画撮影と同様に、管電圧や管電流といった撮影条件が設定される。一般に、動画撮影の場合には、静止画撮影と比較して、管電流は低めに設定され、X線の線量が抑えられる。また、動画撮影の場合には、単位時間当たりの撮像回数であるフレームレートが撮影条件として設定される。また、動画撮影では、静止画撮影と比べて解像度は低く設定される。
【0042】
こうして設定された撮影条件が撮影制御装置23を介して電子カセッテ21に設定されるとともに、オペレータは同じ内容の撮影条件を、操作パネル14aを通じて線源制御装置14に設定する。X線発生装置11において、静止画撮影が選択された場合には、X線源13は、照射スイッチ15の押下操作によって1枚分の静止画を得るためのX線の照射が行われ、撮影条件で設定された照射時間経過後にX線の照射が停止する。また、動画撮影が選択された場合には、X線源13は、照射スイッチ15の押下操作によってX線源13が照射を開始し、照射終了指示が入力されるまでの間、連続的にX線の照射を行うか、あるいはフレームレートに合わせて断続的にパルス照射を行う。
【0043】
図1及び図3において、臥位撮影台22には電子カセッテ21が取り付けられるトレイ30が設けられている。X線撮影システム10では、電子カセッテ21をトレイ30に取り付けた状態で撮影が行われる他、トレイ30に電子カセッテ21を取り付けた状態では撮影がしにくい撮影部位(肘や膝の関節など)については、電子カセッテ21をトレイ30から取り外し、臥位撮影台22上で電子カセッテ21と被検者Hのポジショニングを行って撮影が行われる。
【0044】
臥位撮影台22は、天板31と、天板31の下に設けられた撮影台本体32とを備える。天板31は、被検者Hが横たわることができる長さ及び幅を有する長方形状であり、被検者Hが載る天面が水平になるように撮影台本体32の上に配置されている。天板31は、X線の透過率が高いカーボン等で形成されている。
【0045】
撮影台本体32は、天板支持部33と、トレイ30と、昇降部34とを備えている。天板支持部33は、天板31をXY方向において移動できるように支持するフローティング機構(図示せず)を備えている。フローティング機構には、操作者が手動で天板を移動させる手動式と、電動機構などで自動的に移動させる自動式とがあるが、本実施形態では電動機構による自動式としている。また、操作者が臥位撮影台22で撮影操作を行う際に位置する、臥位撮影台22の前面側には、天板支持部33を操作する操作パネル35が設けられている。
【0046】
トレイ30は、天板31の下方、かつ天板支持部33の間に設けられている。トレイ30は、前面に設けられた把手30aを前面側に引くことにより、天板31の下から引き出せるようになっている。また、トレイ30は、図示しないスライド機構によりX方向に移動する。スライド機構にも上述したフローティング機構と同様に手動式と自動式とがあるが、本実施形態では自動式としている。スライド機構の操作にも操作パネル35が用いられる。
【0047】
昇降部34は、天板31と、天板支持部33及びトレイ30を昇降させる電動式の昇降機構(図示せず)と、昇降機構の周囲を覆う伸縮自在なベローズ型カバー34aとを備えている。この昇降機構も操作パネル35によって操作される。
【0048】
図4に示すように、トレイ30は、電子カセッテ21が着脱自在に取り付けられる取り付け部である。電子カセッテ21は、X線が照射される照射面とは反対側の背面をトレイ30に向けた状態で取り付けられる。トレイ30の上面には、電子カセッテ21が不用意に動かないようにその外形サイズに合わせて切り欠かれた開口部30bが形成されている。開口部30bは、臥位撮影台22の前面方向から電子カセッテ21を挿入できるように、トレイ30の前面も切り欠かれている。
【0049】
開口部30bは、トレイ30の上方から見ると、略L字状になっている。これは、平面形状が長方形の電子カセッテ21を縦姿勢と横姿勢の2つの取り付け姿勢で収容するためである。縦姿勢は、電子カセッテ21の長辺方向が天板31の長辺方向と平行な姿勢であり、横姿勢は、電子カセッテ21の長辺方向が天板31の長辺方向と直交する姿勢である。
【0050】
図5に示すように、電子カセッテ21は、FPD25と、FPD25を収容する筐体36とを備えている。FPD25の背面側には、X線のバック散乱線を吸収する鉛板37、鉛板37の背面側には回路基板(図示せず)が配置されている。
【0051】
筐体36は、平面形状が長方形の偏平な略直方体形状をしており、より具体的には、X線が照射される照射面36a及び照射面36aと対向する背面36bがほぼ長方形をしており、照射面36a及び背面36bの4辺のそれぞれに沿った側面36c〜36fとを有している。筐体36は、FPD25の検出面(X線が入射する面)に対応する領域が開口したステンレスやアルミニウム製の筐体のケース本体と、X線を透過可能な材質(カーボンなど)で形成され、ケース本体の開口部に嵌め込まれて、X線の照射を受ける照射面36aを構成する平板とからなる。
【0052】
筐体36は、例えば、半切サイズ(383.5mm×459.5mm)のフイルム用またはIP用のカセッテと同様の国際規格ISO4090:2001に準拠した外形サイズを有しており、フイルム用又はIP用のカセッテに使用される撮影台に取り付けて使用することが可能である。電子カセッテ21の外形サイズは、前述した半切サイズの他、四切サイズ、六切サイズ等があり、撮影部位に応じて適宜選択される。
【0053】
筐体36には、2つのバッテリユニット38,39を装着するための第1及び第2の装着部41,42が設けられている。第1及び第2の装着部41,42の少なくとも1つにバッテリユニット38,39のいずれかが装着されていれば、電子カセッテ21は、バッテリからの電源供給によって動作することが可能であり、バッテリユニット38,39の一方がメインバッテリとして機能する。第1及び第2の装着部41,42のうちメインバッテリが装着されていない方の装着部が、増設用バッテリユニットを装着するためのバッテリ装着部となる。
【0054】
また、第1及び第2の装着部41,42には、バッテリユニット38,39の他に、メモリユニット40を装着することが可能である。メモリユニット40は、電子カセッテ21の機能を拡張するための機能部品であり、後述するように、本例においては画像データを記憶するためのメモリユニットである。
【0055】
動画撮影は、静止画撮影と比較して消費電力が大きいため、動画撮影を行う場合にはバッテリの容量確保が重要である。一方、静止画撮影においては、動画撮影の場合と比較して、撮影した画像データを電子カセッテ21に保存しておく必要性が高い。
【0056】
というのは、撮影した動画は、ポジショニングやカテーテル位置確認に用いられるものなので、電子カセッテ21からコンソール24に送信されてコンソール24において表示された後、順次破棄される場合が多い。
【0057】
これに対して、撮影した静止画は診断に用いられる画像であるので、コンソール24に送信されて表示された後も、コンソール24や画像サーバ28において保存される。電子カセッテ21からコンソール24へのデータ送信が適正に行われれば、送信後のデータを電子カセッテ21に保存しておく必要はない。しかし、電子カセッテ21からコンソール24へのデータ送信が失敗することも考えられる。特に、電子カセッテ21とコンソール24の間の通信方式として、有線方式と比べて信頼性が劣る無線方式を採用する場合には問題となる。電子カセッテ21に送信済みのデータが保存されていれば、データ送信が失敗した場合でも再送信が可能となる。このように、電子カセッテ21において送信済みのデータが残っていない場合には、再撮影が必要になるため、電子カセッテ21において、送信済みの静止画のデータを少なくとも一定期間、静止画保存機能を備えておくことは非常に有効である。
【0058】
こうした事情を考慮して、電子カセッテ21においては、第1及び第2の装着部41,42の一方に対して、動画撮影の場合にはバッテリユニットを増設し、静止画撮影の場合にはメモリユニット40を増設するというように、撮影モードに応じてバッテリユニットとメモリユニット40の使い分けができるようになっている。
【0059】
図3においては、第1の装着部41にメモリユニット40が、第2の装着部42にバッテリユニット38が装着されている状態を示しており、図4では、第1及び第2の装着部41、42に、それぞれバッテリユニット38,39が装着されている状態を示している。
【0060】
装着部41,42は、筐体36の平面(照射面36a及び背面36b)の4つの頂点付近に位置する角部にそれぞれ配置されている。装着部41,42は、それぞれ、バッテリユニット38,39又はメモリユニット40を収納する収納室41a,42aと、バッテリユニット38,39又はメモリユニット40を収納室41a,42aに着脱するための取り出し口41b,42bとを有している。
【0061】
収納室41a,42aは、バッテリユニット38,39又はメモリユニット40の外形に対応した略角筒状の形状を持ち、取り出し口41b,42bを開口とした有底の凹部である。取り出し口41b,42bは、それぞれ側面36cや側面36dの1つの側面に収まる大きさであり、取り出し口41b,42bのそれぞれが、他の側面、照射面36a及び背面36bに跨がらないように形成されている。このため、収納室41a,42aに収納された状態では、バッテリユニット38,39又はメモリユニット40の周面は、筐体36の照射面36a及び背面36b側に露出しない。このため、フイルムまたはIP用のカセッテ用の撮影台に対しても問題無く装着することができる。
【0062】
装着部41の取り出し口41bは、長辺方向に沿って配置される1つの側面36cに形成されており、装着部42の取り出し口42bは、側面36cと直交する短辺方向に沿って配置される1つの側面36dに形成されている。
【0063】
撮影台の多くは、電子カセッテ21を取り付けるトレイやスロットなどの取り付け部が、電子カセッテ21を取り付けたときにその側面だけが露呈される形態である。そのため、側面に第1及び第2の装着部41,42を設けておけば、各種の撮影台に対応させることができる。
【0064】
また、電子カセッテ21を撮影台のトレイやスロットに取り付けて使用する以外でも、被検者Hの四肢撮影を行う場合には、撮影台や寝台などの天板上に電子カセッテ21を載せて単体で使用される(撮影台に取り付けない)ことが多い。この場合には、電子カセッテ21は、その背面を下向きにして天板上に載置されるので、第1及び第2の装着部が、筐体36の側面に設けられていれば、バッテリユニット38,39の交換がしやすい。
【0065】
バッテリユニット38,39は、本体部であるバッテリ66,67(図9参照)と、バッテリ66,67を収納する略直体状のケースと、ケースの1つの端面から突出する凸型のコネクタ43,44とが設けられている。バッテリ66,67は、充電が可能な電池であり、バッテリユニット38,39を、クレードルなどの充電器に接続して充電することが可能である。
【0066】
バッテリ66,67の種類としては、ニッケルカドミウム、ニッケル水素、リチウムイオンなどの二次電池の他、電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタなどのキャパシタでもよい。電子カセッテ21のバッテリ66,67の性能としては、小型であること、比較的容量が大きいこと、充電時間が短いことなどが求められる。リチウムイオン二次電池は、他の二次電池と比較してエネルギー密度が高く小型で大容量という特長を備えているので、小型化、大容量化を求める場合にはリチウムイオン二次電池が好ましい。また、キャパシタは、急速充電が可能であるため、充電時間の短縮化を求める場合にはキャパシタが好ましい。
【0067】
また、近年においては、ナノ微粒子を利用することにより、キャパシタに匹敵する急速充電性能を備えたリチウムイオン二次電池や、急速充電性能とともに高いエネルギー密度も併せ持つリチウムイオンキャパシタなどの新型電池も開発されており、バッテリ66,67としてはこれらを使用することがさらに好ましい。
(http://www.toshiba.co.jp/about/press/2005_03/pr_j2901.htm
http://www.jmenergy.co.jp/img/JMenergy2009.pdf参照)
【0068】
なお、2つのバッテリユニット38,39としては、同一の種類でもよいし、例えば一方が大容量型で他方が急速充電型というように、種類や特性が異なってもよい。これらは、目的に応じて適宜選択される。
【0069】
メモリユニット40は、増設用メモリとして機能する機能部ユニットである。メモリユニット40は、不揮発性メモリであるフラッシュメモリ68(図10参照)と、フラッシュメモリ68を収納し、バッテリユニット38,39と同じ外形の略直体状のケースと、ケースの1つの端面から突出し、コネクタ43,44と同じ外形の凸型のコネクタ45とを有している。
【0070】
装着部41,42の収納室41a,42aの奥には、コネクタ43,44,45と接続されるソケット46,47が設けられている。ソケット46,47は、バッテリユニット38,39又はメモリユニット40と電気的に接続するための端子を有する接続部であり、凸型のコネクタ43,44,45と嵌合するように凹型をしている。各収納室41a,42aのそれぞれのソケット46,47の向きは、各取り出し口41b,42bの向きにそれぞれ対応しており、互いに直交している。
【0071】
収納室41a,42aは、コネクタ43,44,45とソケット46,47が接続された装着状態のときに、バッテリユニット38,39又はメモリユニット40の外面が筐体36の外面から突出しない状態でバッテリユニット38,39又はメモリユニット40を収容可能な大きさを有する。
【0072】
また、装着部41,42からバッテリユニット38,39又はメモリユニット40を取り外すとき、バッテリユニット38,39又はメモリユニット40の端部を把持しやすいように、取り出し口41b,42bの周縁には指先の一部を挿入可能な切り欠き48が形成されている。
【0073】
また、取り出し口41b,42bの近傍の側面36c,36dには、インジケータ49が設けられている。インジケータ49は、電子カセッテ21の電源のオンオフの状態、通信状態、バッテリユニット38,39の残量などを表示する。インジケータ49は、複数個のLEDからなるインジケータランプや液晶パネルなどで構成される。バッテリユニット38,39の残量としては、例えば、各装着部41,42に装着されるバッテリユニット38,39毎の残量に加えて、2つの装着部41,42にバッテリユニット38,39が装着されている場合には、2つのバッテリユニット38,39の残量の合計が表示される。
【0074】
また、インジケータ49は、後述するように、第1及び第2の装着部41,42に対して、増設用のバッテリユニットやメモリユニット40の装着を促す警告部としても機能する。
【0075】
なお、本例においては、凸型のコネクタ43,44,45をバッテリユニット38,39又はメモリユニット40に、凹型のソケット46を装着部41,42に設けた例で説明したが、その反対に、凸型のコネクタを装着部41,42に、凹型のソケットをババッテリユニット38,39又はメモリユニット40に設けてもよい。また、バッテリユニット38,39又はメモリユニット40と装着部41,42の各接続部の形状は、凹凸が無い形態も考えられるので、適宜変更が可能である。
【0076】
図6に示すように、装着部41は、収納室41aの奥に、ラッチ機構50を有している。ラッチ機構50は、図示しない係合爪を有しており、バッテリユニット38,39又はメモリユニット40と係合して、コネクタ43,44,45とソケット46とが電気的に接続する装着位置で固定する。ラッチ機構50には、バッテリユニット38,39を収納室41aの奥から取り出し口41bに向けて付勢するバネ50aが設けられている。バッテリユニット38,39又はメモリユニット40が取り出し口41bから収納室41aの奥に向けて押し込まれると、ラッチ機構50の係合爪とバッテリユニット38,39又はメモリユニット40が係合して、その係合によりバネ50aの付勢に抗してバッテリユニット38,39又はメモリユニット40が装着位置に固定される。装着状態のバッテリユニット38,39又はメモリユニット40が取り出し口41b方向から収納室41aの奥に向けて押し込まれると、ラッチ機構50の係合が解除される。係合が解除されると、バッテリユニット38,39又はメモリユニット40はバネ50aの付勢力によって取り出し口41bから突出する。装着部41を例に説明したが、装着部42についても同様である。
【0077】
もちろん、図7に示すように、取り出し口41bの近傍にラッチ機構50の係合を解除する操作ボタン50bを設けて、操作ボタン50bの押下によってバッテリユニット38,39又はメモリユニット40を取り出すようにしてもよい。
【0078】
図8に示すように、FPD25は、TFTアクティブマトリクス基板51上に、X線を吸収して電荷に変換する電荷発生層が積層されて構成されている。電荷発生層は例えばセレンを主成分(例えば含有率50%以上)とする非晶質のa−Se(アモルファスセレン)から成り、X線が照射されると、照射されたX線量に応じた電荷量の電荷(電子−正孔の対)を内部で発生することで、照射されたX線を電荷へ変換する。もちろん、FPD25としては、X線をCSI(ヨウ化セシウム)やGOS(ガドリニウムオキシサルファイド)といったシンチレータによって可視光に変換した後、フォトダイオードなどの光電変換手段によって電荷に変換する間接変換型でもよい。
【0079】
TFTアクティブマトリクス基板51上には、電荷発生層で発生された電荷を蓄積する蓄積容量と、蓄積容量に蓄積された電荷を読み出すためのTFTを備えた画素52がマトリクス状に多数個配置されており、これらの画素52によって入射するX線を検出する検出面が構成される。検出面に入射するX線の入射量に応じて電荷発生層で発生された電荷は、個々の画素52の蓄積容量に蓄積される。これにより、照射面36aから入射したX線に担持された、被検者Hの画像情報は、電荷情報へ変換されてTFTアクティブマトリクス基板51に保持される。
【0080】
TFTアクティブマトリクス基板51には、一定方向(行方向)に延設され個々の画素52のTFTのゲートをオンオフさせるための複数本のゲート配線53と、ゲート配線53と直交する方向(列方向)に延設されオンされたTFTを介して蓄積容量から蓄積電荷を読み出すための複数本のデータ配線54が設けられている。個々のゲート配線53はゲートドライバ55に接続されており、個々のデータ配線54は信号処理部56に接続されている。個々の画素52の蓄積容量に電荷が蓄積されると、個々の画素52のTFTは、ゲートドライバ55からゲート配線53を介して供給される信号により行単位で順にオンされ、TFTがオンされた画素52の蓄積容量に蓄積されている電荷は、電荷信号としてデータ配線54を伝送されて信号処理部56に入力される。
【0081】
信号処理部56は、個々のデータ配線毎に設けられた増幅器及びサンプルホールド回路を備えており、個々のデータ配線を伝送された電荷信号は増幅器で増幅された後にサンプルホールド回路に保持される。また、サンプルホールド回路の出力側にはマルチプレクサ、A/D変換器が順に接続されており、個々のサンプルホールド回路に保持された電荷信号はマルチプレクサに順に(シリアルに)入力され、A/D変換器によってデジタルの画像データへ変換される。信号処理部56のA/D変換器から出力された画像データは、画像メモリ57に順に記憶される。画像メモリ57は、少なくとも1枚分のX線画像が記憶可能な記憶容量を有しているが、複数枚分のX線画像が記憶可能な記憶容量を有するのが好ましい。また、図10に示すように、メモリユニット40が装着されている場合には、画像メモリ57に加えて、メモリユニット40が画像データ保存用のメモリとして用いられる。
【0082】
図9及び図10に示すように、電子カセッテ21には、制御部60(指示受付部)、電源回路61、操作部62、通信部63、装着検知部64が設けられている。制御部60は、電子カセッテ21全体の制御を司るCPU、CPUが実行するプログラムが格納されたROM、ROMからロードされたプログラムを展開し、CPUが処理を実行するために使用するワークメモリであるRAM、各種設定情報が記憶されるEEPROMなどを含んだマイクロコンピュータで構成されている。操作部62は、電源ボタンなどからなる。
【0083】
電源回路61は、バッテリユニット38,39のバッテリ66,67から供給される電圧を、電子カセッテ21の各部が必要な電圧に変換するDC−DCコンバータなどからなり、バッテリ66,67からの電力を電子カセッテ21の各部に供給する。また、電源回路61は、各装着部41,42に装着されたバッテリ66,67が供給する電圧レベルを、制御部60に出力する。制御部60は、電源回路61から出力される電圧値に基づいて、各バッテリ66,67の残量を検出し、検出した残量を表示するように各インジケータ49を作動させる。例えば、制御部60は、電圧値が閾値より低下した場合には、残量切れと判定し、各インジケータ49にその旨を表示させる。
【0084】
装着検知部64は、ソケット46,47を介してバッテリユニット38,39、メモリユニット40の信号ラインの出力を検出することにより、装着部41,42にバッテリユニット38、39やメモリユニット40が装着されているか否かを検知する。ソケット46,47のそれぞれには、バッテリユニット38,39からの信号ライン、メモリユニット40からの信号ラインを接続する端子及び信号ラインが設けられている。このため、第1及び第2の装着部41,42には、バッテリユニット38,39、メモリユニット40を相互に入れ替えて装着することが可能であるとともに、各装着部41,42に、バッテリユニット38,39とメモリユニット40のどちらが装着されているかを識別することができる。つまり、装着検知部64及び制御部60は、各装着部41,42に、バッテリユニット38,39やメモリユニット40などの機能拡張用の機能部ユニットが装着されているか否か、及び装着されている機能部ユニットの種類を判定する装着状態判定部として機能する。
【0085】
通信部63は、撮影制御装置23との通信を行い、撮影モード指示が含まれる撮影条件を撮影制御装置23から受信するとともに、コンソール24に対して画像メモリ57内の画像データを送信する。
【0086】
制御部60は、撮影制御装置23を通じてコンソール24から送信される撮影条件や撮影モード選択指示を受け付ける。制御部60は、撮影モード選択指示を受け付けると、装着検知部64の検知結果に基づいて、第1及び第2の装着部41,42の装着状態を判定する。上述したとおり、静止画撮影の場合には、メモリユニット40が増設されていることが好ましく、動画撮影の場合には、バッテリユニットが増設されていることが好ましい。制御部60は、撮影モードに応じて適切なユニットが装着されているか否かを判定して、適切なユニットが装着されていない場合に警告を行う。
【0087】
以下、具体的な手順について、図11に示すフローチャートを参照しながら説明する。電子カセッテ21をバッテリ駆動によって使用する場合には、第1及び第2の装着部41,42の少なくとも一方にバッテリユニット38,39のいずれかが装着されている状態で、電子カセッテ21が起動される。
【0088】
オペレータは、図2に示す検査オーダ表示画面261を通じて、撮影条件や撮影モードの選択指示をコンソール24に入力する。コンソール24は、入力された撮影条件及び撮影モード選択指示を、撮影制御装置23を通じて電子カセッテ21に送信する。電子カセッテ21において、受信した撮影条件及び撮影モード選択指示は制御部60によって受け付けられる(S101)。制御部60は、撮影条件に応じて、信号処理条件(アンプのゲイン設定など)を決定する。そして、制御部60は、撮影モード選択指示を受け付けると、第1及び第2の装着部41,42の装着状態を判定する。
【0089】
起動時において、第1及び第2の装着部41,42の一方には、既にバッテリユニット(バッテリユニット38,39の一方)が装着されているので、制御部60は、他方の装着状態を判定する。制御部60は、選択された撮影モードが動画撮影か静止画撮影かを判定し(S102)、動画撮影が選択されている場合には(S102でY)、増設用のバッテリユニットが装着されているか否かを判定する(S103)。静止画撮影が選択されている場合には(S102でN)、増設用のメモリユニット40が装着されているか否かを判定する(S104)。
【0090】
S103、S104の判定結果がそれぞれ肯定(Y)の場合には、撮影開始指示の入力を待機して(S105)、撮影開始指示が入力された場合(S105でY)には、選択された撮影モードの撮影を開始する(S106)。静止画撮影の場合には撮影オーダに対応する撮影をすべて終了するまで撮影を継続し、動画撮影の場合には動画撮影の終了指示が入力されるまで撮影を継続して、終了する(S109)。
【0091】
一方、S103、S104の判定結果がそれぞれ否定(N)の場合には、適切なユニットが装着されていないこと、及び適切なユニットの装着を促す旨のメッセージを表示する警告処理を実行する(S109)。警告処理において、制御部60は、第1に、電子カセッテ21のインジケータ49に警告メッセージを表示する。具体的には、インジケータ49がランプの場合にはランプの点灯や点滅させる。また、インジケータ49が液晶パネルの場合には、警告を表すエラーコードやテキストメッセージを表示させる。制御部60は、第2に、コンソール24のディスプレイ26に警告メッセージが表示されるように、撮影制御装置23を通じて、警告信号をコンソール24に送信する。
【0092】
警告信号を受信したコンソール24は、例えば図12に示すような警告画面を表示する。図12において、ディスプレイ26に表示されるメッセージとしては、動画撮影が選択されているにも関わらずバッテリユニットが装着されていない場合には、図12(A)に示す警告画面271のように、「動画撮影が選択されていますが、増設用のバッテリユニットが装着されていません。バッテリユニットを装着してください」といったテキストメッセージが表示される。動画撮影が選択されている場合において、上記のような増設用バッテリユニットの装着を促す警告は、メモリユニット40が装着されている場合や、何も装着されていない場合のどちらも同様に行われる。また、静止画撮影が選択されているにも関わらず、メモリユニット40が装着されていない場合には、図12(B)に示す警告画面272のように、「静止画撮影が選択されていますが、増設用のメモリユニットが装着されていません。メモリユニットを装着してください」といったテキストメッセージが表示される。静止画撮影が選択されている場合において、上記のようなメモリユニット40の装着を促す警告は、増設用のバッテリユニットが装着されている場合や、何も装着されていない場合のどちらも同様に行われる。
【0093】
こうした警告画面271、272は、図2に示す検査オーダ表示画面261などの操作画面上に重ねて表示される。制御部60は、警告メッセージの内容に応じた警告信号をコンソール24に送信し、コンソール24は、警告信号の種類に応じて表示する警告画面271,272のどちらを表示するかを決定する。
【0094】
このように、電子カセッテ21は、撮影モードの選択指示を受け付けたときに、装着部41,42に適切なユニットが装着されているか否かを判定して、適切なユニットが装着されていない場合には警告を行うので、従来と比べて、撮影準備作業の早い段階で適切なユニットの装着忘れをオペレータに通知することができる。そのため、撮影準備作業の中断ややり直しが防止されるので、検査時間の長時間化や、被検者の精神的負担が増加することもない。
【0095】
また、電子カセッテ21のインジケータ49に加えて、コンソール24のディスプレイ26に警告メッセージを表示するので、一方に表示する場合と比べて、警告メッセージをオペレータに確実に伝えることができる。また、警告のタイミングとしては、コンソール24から入力された撮影モードの選択指示を、電子カセッテ21が受け付けた直後であるので、オペレータは、ディスプレイ26に表示される検査オーダ表示画面261を見ている可能性が高い。そのため、撮影準備作業の最初期の段階でオペレータに通知することができる。仮にオペレータがコンソール24の警告メッセージを見逃しても、電子カセッテ21のインジケータ49にも警告メッセージが表示されるので、それを通じて確認することができる。
【0096】
なお、電子カセッテ21は、警告を表示するための2つのインジケータ49を設けているが、警告処理の際、2つのインジケータ49の一方だけを使用してもよいが、両方を使用することが好ましい。電子カセッテ21を撮影台にセットしたり、被検体の撮影部位を電子カセッテ21上に載置した場合において、電子カセッテ21の一部が撮影台や被検体によって隠れてしまう場合がある。両方のインジケータ49を使用すれば、一方が隠れた場合でも他方が露呈されていれば、オペレータに対して通知できるからである。
【0097】
なお、本例においては、ディスプレイ26やインジケータ49を警告部として用いているが、それに代えてあるいは加えて、音声メッセージを出力するスピーカを警告部として用いてもよい。
【0098】
制御部60は、警告を行った後、適切なユニットの装着が行われるまでの間、警告メッセージを出し続けて、操作指示の受付を禁止する(S108)。このため、電子カセッテ21に撮影開始指示が入力されても撮影が開始されないため、結果的に撮影動作が禁止される。このように警告に加えて、警告が行われている間、操作指示の受付を禁止することで、オペレータは警告を無視して作業を進めることができなくなる。そのため、警告の実効性が高まり、適切なユニットの装着が確実に行われる。加えて、電子カセッテ21が動作しない状態で、X線の照射だけが行われて、被検者Hに対して無用な被曝を与えることも防止できる。
【0099】
また、より確実に被検者Hに対する無用な被曝を防止するために、電子カセッテ21の制御部60からの警告信号を、撮影制御装置23やコンソール24が受信したときに、撮影制御装置23やコンソール24からX線発生装置11に対して、X線の照射を禁止する禁止信号を送信するようにしてもよい。X線発生装置11は、禁止信号を受けた場合には、誤って照射スイッチ15が押下され場合でもX線の照射を開始しない。こうすれば、より確実に被検者Hの無用な被曝を防止することができる。
【0100】
上記例においては、X線発生装置11とX線撮影装置12との間で、同期通信を行ってX線源13からのX線の照射タイミングと、電子カセッテ21の撮影タイミングの同期を行う例で説明したが、電子カセッテ21としては、X線の照射開始や照射終了を自己検出するための照射検出センサを備えたものを使用してもよい。この場合には、X線発生装置11とX線撮影装置12の間で通信が行えないので、X線撮影装置12から禁止信号を送ることはできないが、それ以外の警告については上記実施形態と同様な機能を備えることができる。
【0101】
また、上記例においては、撮影モードとして動画撮影が選択された場合において、電子カセッテ21に増設用のバッテリユニットが装着されているか否かの判定、及び増設用のバッテリユニットの装着を促す警告を行うことに加えて、撮影モードとして静止画撮影が選択された場合において、電子カセッテ21に増設用のメモリユニット40が装着されているか否かの判定、及びメモリユニット40の装着を促す警告の両方を行う例で説明したが、少なくとも動画撮影が選択された場合の判定及び警告が行われればよい。また、上記例においては、警告に加えて操作受付を禁止することにより撮影動作を禁止する処理を行う例で説明したが、少なくもと警告が行われればよい。
【0102】
上記例では、電子カセッテ21を駆動するためのバッテリはすべて、装着部41,42に着脱自在な形態で説明したが、着脱自在なバッテリの他に、電子カセッテ21の筐体36内に着脱不能に内蔵される内蔵バッテリを設けてもよい。この場合には、内蔵バッテリがメインバッテリとして機能する。また、筐体36に設ける装着部41,42は、どちらか1つだけでもよい。
【0103】
[第2実施形態]
第1実施形態の電子カセッテ21では、装着部41,42を、筐体36内にバッテリユニットが収まる形態としたが、装着部は、図13に示す第2実施形態の電子カセッテ80のような形態でもよい。電子カセッテ80は、筐体81の背面が増設用バッテリユニット82の装着部83となっている。バッテリユニット82は、例えば、筐体81と同じ平面形状及び平面サイズを有するパネル型である。
【0104】
バッテリユニット82には、装着部83と対面する面に凸型のコネクタ84を設けるとともに、装着部83には、コネクタ84と嵌合する凹型のソケット85を設けて、コネクタ84とソケット85とを介してバッテリユニット82と電子カセッテ80とが電気的に接続される。このような形態とすると、第1実施形態と比較して、バッテリ容量を大型化することができる。消費電力が大きな動画撮影の場合には非常に有効である。もちろん、第1実施形態と異なり、バッテリユニット82の装着により筐体81の厚みが増すため、フイルムやIP用の撮影台などの既存の撮影台のトレイやスロットに装着できない場合もあるが、電子カセッテを寝台の天板上で使う場合には問題は無い。
【0105】
[第3実施形態]
第1実施形態では、バッテリユニットとメモリユニットが、それぞれが独立したユニットである例で説明したが、図14に示す機能部ユニット90のように、増設用のバッテリ67と増設用メモリ91の両方を1つのユニットにしてもよい。機能部ユニット90の場合には、動画撮影と静止画撮影の場合に増設用のユニットを入れ替えなくても済む。この場合には、制御部60は、機能部ユニット90が装着されていれば、動画撮影及び静止画撮影のどちらが選択されている場合でも、警告を行わずに撮影を許容する。
【0106】
[第4実施形態]
図15に示す電子カセッテ100のように、筐体101に、商用電源からの電力の供給を受けるための電源ケーブル102を接続可能なコネクタ103を有しており、バッテリの代わりに商用電源からの電力供給よって駆動することが可能である。この場合には、電子カセッテ100の制御部60は、電源ケーブル102が接続されているか否かを判定して、電源ケーブル102が接続されている場合には、装着部41,42へのバッテリユニットの装着状態に関わらず、警告を行わずに動画撮影を許容する。
【0107】
本発明は、上記各実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することが可能である。
【0108】
例えば、上記各実施形態において、増設用のユニットの装着状態に応じて警告を行う処理を実行するモードと、実行しないモードが切り替えられるようにしてもよい。例えば、動画撮影が短時間で終了することが確実で、装着済みの1つのバッテリユニットや内蔵バッテリの残量があることが確実な場合には、増設用のバッテリユニットが装着されていない状態でも、警告を行わずに動画撮影を許容した場合がよい場合もある。警告を行う処理を実行するモードと実行しないモードの切り替えができれば、そのような場合でも柔軟な対応が可能となる。
【0109】
また、機能部ユニットとして、バッテリが収容されるバッテリユニット38,39、メモリが収容される持つメモリユニット40や、メモリとバッテリが収容される機能部ユニット90を例に説明したが、機能部ユニットに内蔵される機能部品としては、メモリやバッテリに限らず、通信部や、バッテリの残量を表示するインジケータなどでもよい。例えば、通信部として、内蔵の通信部よりも通信速度が速い通信部を有する機能部ユニットとすれば、機能部ユニットの増設により高速通信が可能となる。また、上述した、X線の照射を検出する照射検出センサを機能部ユニットとして構成してもよい。
【0110】
また、図16に示す機能部ユニット110には、バッテリが収容されるとともに、インジケータ111が設けられている。インジケータ111は、機能部ユニット110が装着部41に装着されたときに外部に露呈されるように、機能部ユニット110の前面に設けられている。
【0111】
また、図17〜19に示すように、第1及び第2の装着部の形態及びレイアウトは適宜変更可能である。図17に示す電子カセッテ120のように、筐体36の角部において、2つの側面36c、36f及び照射面36aの3面を切り欠いて、装着部121,122を形成してもよい。もちろん、2つの側面及び照射面を切り欠いた形状に限らず、1つの側面と照射面または背面、あるいは2つの側面を切り欠いた形状でもよい。
【0112】
また、第1実施形態の電子カセッテ21では、長辺方向に沿った1つの側面に第1の装着部41を、短辺方向に沿った1つの側面に第2の装着部42を設けているが、図18に示す電子カセッテ130のように、長辺方向に沿って配置された2つの側面または短辺方向に沿って配置された2つの側面にそれぞれ取り出し口131a、132aを有する第1及び第2の装着部131,132を設けてもよい。電子カセッテ130では、長辺方向に沿って配置された、筐体136の2つの側面にそれぞれ第1及び第2の装着部131,132が設けられている。第1及び第2の装着部131,132は、それぞれ収納部133と、バッテリユニット38,39またはメモリユニット40のコネクタ43,44,45と接続されるソケット134からなる。
【0113】
電子カセッテ130が用いられる撮影台としては、例えば、互いに対向する2つの取り付け部を有し、一方と他方の取り付け部とでは、互いに反対の取り付け方向から取り付けるようになっており、一方の取り付け部では、電子カセッテ130の長辺方向に沿った1つの側面を露呈させ、他方の取り付け部では電子カセッテ130の長辺方向に沿った1つの側面を露呈させる形態のものも考えられる。この場合には、電子カセッテ130は、対向する側面にそれぞれ第1及び第2の装着部131,132が設けられているため、撮影台の2つの取り付け部のいずれに取り付けられたときも、一方の装着部が露呈される。
【0114】
また、図19に示す電子カセッテ140のように、2つの装着部141,142を、1つの面の異なる位置に配置してもよい。電子カセッテ140では、筐体143の長辺方向に沿って配置された側面に第1及び第2の装着部141,142が設けられている。
【0115】
撮影台の種類によっては、電子カセッテが取り付けられたときに、撮影台の取り付け部の形状や大きさによって、電子カセッテの外周面のうちの1つの面(例えば側面)において露呈される領域が異なる場合がある。この場合には、電子カセッテ140のように、1つの面内の異なる位置に装着部を2つ配置しておくことで、ある撮影台においては、一方の装着部が外部に露呈し、別の撮影台においては、他方の装着部が外部に露呈されるということもあり得る。撮影台に応じて露呈される装着部を使い分ければ、電子カセッテを取り付けた状態でバッテリ交換が可能になる。
【0116】
また、図20及び図21に示す電子カセッテ150のように、装着部151の取り出し口151aを塞ぐ蓋部材152a,152bを設けてもよい。
【0117】
蓋部材152a,152bは、取り出し口151aの両側に軸支され、取り出し口151aを塞ぐ閉じ位置と、筐体153の内部に向かって回動し、取り出し口151aを開放する開放位置との間で観音開き状に開閉自在となっている。また、蓋部材152a,152bは、図示しない付勢部材によって閉じ位置に付勢されている。装着部151にバッテリユニット38を装着する場合、図21(A)に示すように、コネクタ43の端面で蓋部材152a,152bを押圧すると、付勢部材の付勢に抗して蓋部材152a,152bが閉じ位置から開放位置に回動する(図21(B)に示す状態)。これにより、装着部151の内部が露呈してコネクタ43をソケット154に接続することが可能となり、バッテリユニット38を装着部151に収容することができる(図21(C)に示す状態)。なお、バッテリユニット39及びメモリユニット40など他の機能部ユニットを装着する場合も同様である。装着部151は、バッテリユニット38,39やメモリユニット40が装着されていない場合、蓋部材152a,152bによって取り出し口151aが塞がれるため、筐体153内への塵埃などの進入を防ぐことができる。
【0118】
また、図22に示す電子カセッテ160のように、バッテリユニット161の側面に着脱方向に沿って延びるガイド片161a,161bを設けており、電子カセッテ160に設けられた装着部162には、ガイド片161a,161bが嵌合するガイド溝163a,163bが形成されている。ガイド片161a,161b及びガイド溝163a,163bに沿ってバッテリユニット161を移動させることで、バッテリユニット161を着脱方向にガイドすることができる。これに限らず、装着部にガイド片を設け、バッテリユニットにガイド片と嵌合するガイド溝を設けて、バッテリユニットを着脱方向にガイドしてもよい。なお、機能部ユニットでも当然、同様のガイド片またはガイド溝を設けてもよい。また、ガイド片及びガイド溝は、バッテリユニットまたは機能部ユニットの片面だけに設けてもよい。
【0119】
上記各実施形態では、電子カセッテが取り付けられる撮影台として、臥位撮影台に例を上げたが、図23に示すように、立位撮影台170でもよい。立位撮影台170は、床に据え付けられたスタンド171と、電子カセッテ21が着脱自在に取り付けられる取り付け部としてのホルダ172とからなる。ホルダ172は、側面から内部に連通するスロット173が設けられ、スロット173に挿入された電子カセッテ21を保持することができる。スロット173の内部は、電子カセッテ21の長辺方向がホルダ172の長辺方向と平行な縦姿勢、または電子カセッテ21の長辺方向がホルダ172の長辺方向と直交する横姿勢のいずれの取り付け姿勢でも電子カセッテ21が取り付けられるように略L字状に形成されている。
【0120】
上記各実施形態では2つの装着部を例に説明したが、装着部を3つ以上設けて、2つ以上の機能部ユニット(増設用バッテリユニットや増設用メモリユニット)を装着できるようにしてもよい。この場合において、動画撮影が選択された場合の警告を行うかの否かの判定基準としては、2つ以上の装着部の全てに増設用バッテリユニットが装着されている場合に警告を行うようにしてもよいし、増設用バッテリユニットが1つでも装着されている場合には警告を行わずに、動画撮影を許容してもよい。静止画撮影が選択された場合における増設用メモリユニットの判定基準についても同様である。
【0121】
また、上記各実施形態及び変形例を種々組み合わせてもよい。さらに、上記実施形態における警告メッセージや警告画面の内容は1例であり、種々の変更が可能である。
【0122】
また、上記実施形態では、X線画像検出装置である電子カセッテと、撮影制御装置及びコンソールをそれぞれ別体で構成した例で説明したが、撮影制御装置の機能を電子カセッテに内蔵したり、撮影制御装置に加えてコンソールの機能を電子カセッテに内蔵する等、電子カセッテと、撮影制御装置やコンソールを一体化してもよい。
【0123】
本発明は、X線に限らず、γ線等の他の放射線を使用する撮影システムにも適用することができる。
【0124】
さらに、上記説明より、以下の付記項に記載の発明も把握することができる。
[付記1]
放射線源から照射され被検体を透過した放射線を受けて放射線画像を検出する画像検出部であり、前記放射線画像の静止画撮影と動画撮影の両方が可能な画像検出部と、
前記画像検出部を収容する筐体と、
前記筐体に設けられ、機能拡張用の機能部ユニットが装着される装着部と、
前記装着部に、前記機能部ユニットが装着されているか否か、及び装着されている前記機能部ユニットの種類を判定する装着状態判定部と、
静止画撮影を行うか動画撮影を行うかの選択指示を受け付ける指示受付部と、
前記指示受付部が動画撮影の選択指示を受け付けた場合において、前記装着状態判定部の判定結果に基づいて、前記選択指示に応じた適切な前記機能部ユニットが装着されているか否かを判定し、適切な前記機能部ユニットが装着されていない場合には、その装着を促す警告を発するように制御する制御部とを備えていることを特徴とする可搬型放射線画像検出装置。
【符号の説明】
【0125】
10 X線撮影システム
11 X線発生装置
12 X線撮影装置
21 電子カセッテ(可搬型放射線画像検出装置)
22 臥位撮影台
23 撮影制御装置
25 FPD(画像検出部)
38,39 バッテリユニット
40 機能部ユニット
41,42 装着部
66,67 バッテリ
68 フラッシュメモリ
91 増設用メモリ
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検体を透過した放射線を受けて放射線画像を検出する可搬型放射線画像検出装置及び放射線撮影装置並びに放射線撮影システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、放射線撮影、例えばX線撮影の分野において、X線フイルムやイメージングプレート(IP)に代わり、半導体素子を用いたフラットパネルディテクタ(以下、FPDという)を用いたX線画像検出装置が普及している。FPDは、X線の入射によって画素毎に蓄積される信号電荷を電圧信号に変換することによって被検体の画像情報を表すX線画像を検出する。FPDで検出されたX線画像は、デジタルな画像データとして出力される。
【0003】
FPDを用いたX線画像検出装置には、立位又は臥位姿勢の被検者を撮影するための撮影台にFPDが内蔵された据え置き型のものの他、可搬型の筐体にFPDが内蔵された可搬型のX線画像検出装置(以下「電子カセッテ」という)も実用化されている。電子カセッテは、据え置き型に比べて被検者との相対的な位置決め(ポジショニング)の自由度が高いため、据え置き型では撮影しにくい部位(肘や膝の関節など)の撮影に用いられる他、撮影室までの移動が困難な被検者を病室の寝台に寝かせた状態で撮影したり、緊急時には被検者を車椅子に乗せた状態で撮影するなど、様々な使い方が可能である。
【0004】
電子カセッテは、可搬性の観点から小型軽量化が進んでおり、さらに撮影の際のポジショニングの自由度のさらなる向上など使い勝手の向上を目的として、バッテリによる駆動を可能にするとともに、コンソールなどの外部装置との間での通信を無線化することで、電源ケーブルや通信ケーブルを無くすワイヤレス化を図ることが提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0005】
また、特許文献2及び3には、増設用のバッテリを着脱自在に装着可能な電子カセッテが記載されている。こうした電子カセッテによれば、必要に応じて増設用バッテリを装着することで、駆動時間を延ばすことができる。
【0006】
電子カセッテは、静止画撮影の他に動画撮影に使用される場合がある。動画撮影は、静止画撮影の準備作業として、撮影部位に対して電子カセッテが正確にポジショニングされているかの確認や、被検者内にカテーテルを挿入する手技における、被検者内におけるカテーテルの位置確認を行うために実行される。動画撮影は、静止画撮影と比較して、動作時間が長くなるため消費電力が大きく、電子カセッテを動画撮影に使用する場合には、静止画撮影以上にバッテリの容量確保が重要となる。上記特許文献2及び3に記載の電子カセッテは、増設用バッテリを装着できるので消費電力が大きな動画撮影に便利である。
【0007】
また、特許文献3には、増設用バッテリが装着されている状態でのみ、静止画撮影に加えて動画撮影も許容し、増設用バッテリが装着されていない状態では、動画撮影を禁止して、静止画撮影のみを許容する電子カセッテが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−333380号公報
【特許文献2】特開2011−203724号公報
【特許文献3】特開2008−083031号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
動画撮影は電力消費が大きいので、特許文献3のように、増設用バッテリが装着されていない場合に動画撮影を禁止すれば、検査中のバッテリ切れによる撮影中断を防止することができる。撮影が中断されると、検査中にバッテリ交換作業や手技のやり直しが必要になる。これは、検査時間の長時間化を招き、また、被検者に無用な精神的な負担を強いることになるため、バッテリ切れによる撮影中断を防止する必要性は高い。
【0010】
しかしながら、特許文献3のように、増設用バッテリが装着されていない場合に動画撮影を禁止するだけでは、次のような問題があった。上述のとおり、動画撮影は静止画撮影のための正確なポジショニングやカテーテルの位置確認のために行われる。静止画撮影のポジショニングのために動画撮影を行う場合でも、動画撮影の準備作業として、電子カセッテと被検者の撮影部位とのおおよそのポジショニングは必要になるし、カテーテルの位置確認の場合には、動画撮影のポジショニングに加えて、カテーテル手技を行うための準備作業を行った上で、動画撮影が開始される。そのため、こうした撮影準備作業を、増設用バッテリが装着されていない状態で誤って開始してしまい、撮影準備作業が終了した時点や終了間際の段階で増設用バッテリが装着されていないことが判明すると、増設用バッテリを装着するために、撮影準備作業をやり直さなければならない。
【0011】
この場合には、当然ながら、検査時間が長時間化する上、被検者に無用な精神的な負担を強いることにもなる。さらに、動画撮影を行う場合に、X線源からX線の照射が開始された後に増設用バッテリが装着されていないことが判明した場合には、電子カセッテにおいて動画撮影が禁止されているため、その撮影は失敗に終わってしまう。そればかりか、撮影失敗の場合には被検者に対して無用な被曝を行う結果になるため、特に問題である。特許文献1〜3には、こうした課題及び解決策について明示や示唆もない。
【0012】
本発明は、上記背景に鑑みてなされたもので、その目的は、可搬型放射線画像検出装置を用いた動画撮影を行う場合において、撮影準備作業の早い段階で増設用バッテリの装着忘れを通知することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の可搬型放射線画像検出装置は、放射線源から照射され被検体を透過した放射線を受けて放射線画像を検出する画像検出部であり、前記放射線画像の静止画撮影と動画撮影の両方が可能な画像検出部と、前記画像検出部を収容する筐体と、前記筐体に設けられ前記画像検出部へ電力を供給するためのバッテリとして、メインバッテリとは別の増設用バッテリユニットを装着可能なバッテリ装着部と、前記増設用バッテリユニットが装着されているか否かを検知する装着検知部と、静止画撮影を行うか動画撮影を行うかの選択指示を受け付ける指示受付部と、前記指示受付部が動画撮影の選択指示を受け付けた場合において、前記装着検知部の検知結果に基づいて前記増設用バッテリユニットが装着されていないと判定した場合に、前記増設用バッテリユニットの装着を促す警告が行われるように制御する制御部とを備えていることを特徴とする。
【0014】
前記筐体には、前記制御部の制御により、前記警告を発する警告部が設けられていることが好ましい。前記制御部は、前記選択指示の入力元となるコンソールが警告部として機能するように、前記コンソールに対して警告信号を送信することが好ましい。
【0015】
前記制御部は、前記増設用バッテリユニットが装着されていないと判定した場合には、前記警告に加えて、前記動画撮影の実行を禁止する制御を行ってもよい。
【0016】
前記筐体には、商用電源から電力の供給を受けるための電源ケーブルを接続可能なコネクタが設けられており、前記制御部は、前記電源ケーブルを通じて電力の供給を受けている場合には、前記増設用バッテリユニットの装着状態に関わらず、動画撮影を許容することが好ましい。
【0017】
前記バッテリ装着部は、前記増設用バッテリユニットの代わりに、前記画像検出部を動作させるための機能部ユニットを装着可能であることが好ましい。前記機能部ユニットは、例えば、前記画像検出部が出力する画像データを記憶するメモリユニットである。前記制御部は、前記指示受付部が前記静止画撮影を行う選択指示を受け付けた場合において、前記メモリユニットの装着を促す警告が行われるように制御することが好ましい。
【0018】
前記バッテリ装着部は、それぞれに前記増設用バッテリユニットが装着可能な第1及び第2の装着部を含む少なくとも2つの装着部を有していてもよい。
【0019】
前記筐体は、例えば、撮影台に対して着脱自在に取り付け可能であり、前記バッテリ装着部は、例えば、前記増設用バッテリユニットを、前記筐体の外面から突出しない状態で装着可能である。
【0020】
本発明の放射線撮影装置は、放射線源から照射され被検体を透過した放射線を受けて放射線画像を検出する画像検出部であり、前記放射線画像の静止画撮影と動画撮影の両方が可能な画像検出部を有する可搬型放射線画像検出装置と、前記可搬型放射線画像検出装置に対して静止画撮影を行う動画撮影を行うかの選択指示を入力するコンソールとを備えた放射線撮影装置において、前記可搬型放射線画像検出装置は、前記画像検出部を収容する筐体と、前記筐体に設けられ前記画像検出部へ電力を供給するためのバッテリとして、メインバッテリとは別の増設用バッテリユニットを装着可能なバッテリ装着部と、前記増設用バッテリユニットが装着されているか否かを検知する装着検知部と、前記コンソールから入力された前記選択指示を受け付ける指示受付部と、前記指示受付部が動画撮影の選択指示を受け付けた場合において、前記装着検知部の検知結果に基づいて前記増設用バッテリユニットが装着されていないと判定した場合に、前記増設用バッテリユニットの装着を促す警告が行われるように制御する制御部とを備えていることを特徴とする。
【0021】
本発明の放射線撮影システムは、放射線を照射する放射線源と、被検体を透過した前記放射線を受けて放射線画像を検出する画像検出部であり、前記放射線画像の静止画撮影と動画撮影の両方が可能な画像検出部を有する可搬型放射線画像検出装置と、前記可搬型放射線画像検出装置に対して静止画撮影を行う動画撮影を行うかの選択指示を入力するコンソールとを備えた放射線撮影システムにおいて、前記可搬型放射線画像検出装置は、前記画像検出部を収容する筐体と、前記筐体に設けられ前記画像検出部へ電力を供給するためのバッテリとして、メインバッテリとは別の増設用バッテリユニットを装着可能なバッテリ装着部と、前記増設用バッテリユニットが装着されているか否かを検知する装着検知部と、前記コンソールから入力された前記選択指示を受け付ける指示受付部と、前記指示受付部が動画撮影の選択指示を受け付けた場合において、前記装着検知部の検知結果に基づいて前記増設用バッテリユニットが装着されていないと判定した場合に、前記増設用バッテリユニットの装着を促す警告が行われるように制御する制御部とを備えていることが好ましい。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、可搬型放射線画像検出装置が動画撮影を行う指示を受け付けた場合において、増設用バッテリユニットが装着されているか否かを判定して、増設用バッテリユニットが装着されていない場合に警告を行うようにしたから、撮影準備作業の早い段階で増設用バッテリの装着忘れを通知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】X線撮影システムの構成を示す概略図である。
【図2】コンソールの操作画面の説明図である。
【図3】臥位撮影台の斜視図である。
【図4】電子カセッテが取り付けられるトレイを示す斜視図である。
【図5】本発明の電子カセッテ(可搬型放射線画像検出装置)を示す斜視図である。
【図6】バッテリユニットのラッチ機構の説明図である。
【図7】ラッチ機構の係合を解除する操作ボタンの説明図である。
【図8】FPDの構成を示すブロック図である。
【図9】増設バッテリユニットが装着状態の電子カセッテの電気的構成を示すブロック図である。
【図10】機能部ユニットが装着状態の電子カセッテの電気的構成を示すブロック図である。
【図11】電子カセッテの動作手順を示すフローチャートである。
【図12】コンソールの警告画面を示す説明図である。
【図13】電子カセッテの背面側に装着されるパネル型の増設バッテリユニットを設けた変形例を示す斜視図である。
【図14】バッテリと増設メモリを設けた機能部ユニットを示すブロック図である。
【図15】商用電源からの電力の供給を受けるための電源ケーブルを接続可能なコネクタを設けた変形例を示す斜視図である。
【図16】インジケータ付きのバッテリユニットの説明図である。
【図17】筐体の角部を切り欠いて形成した装着部の説明図である。
【図18】対向する2側面にそれぞれ装着部を設けた例の説明図である。
【図19】1つの側面に2つの装着部を設けた例の説明図である。
【図20】装着部に開閉自在の蓋を設けた例の説明図である。
【図21】図20の例の動作説明図である。
【図22】ガイド片付きのバッテリユニットの説明図である。
【図23】立位撮影台を使用する例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
[第1実施形態]
図1において、X線撮影システム10は、X線発生装置11と、X線撮影装置12とからなる。X線発生装置11は、X線源13と、X線源13を制御する線源制御装置14と、照射スイッチ15とで構成される。X線源13は、X線を照射するX線管13aと、X線管13aが照射するX線の照射野を限定する照射野限定器(コリメータ)13bとを有する。
【0025】
X線管13aは、熱電子を放出するフィラメントからなる陰極と、陰極から放出された熱電子が衝突してX線を放射する陽極(ターゲット)とを有している。照射野限定器13bは、例えば、X線を遮蔽する複数枚の鉛板を井桁状に配置し、X線を透過させる照射開口が中央に形成されたものであり、鉛板の位置を移動することで照射開口の大きさを変化させて、照射野を限定する。X線発生装置11は、例えばX線撮影室の天井に移動かつ伸縮自在に設置された支柱に保持され、X線撮影装置12の上方に配置されている。
【0026】
線源制御装置14は、X線源13に対して高電圧を供給する高電圧発生器と、X線源13が照射するX線の線質(エネルギースペクトル)を決める管電圧(kV)、単位時間当たりの線量を決める管電流(mA)、およびX線の照射時間(s)を制御する制御部とからなる。高電圧発生器は、トランスによって入力電圧を昇圧して高圧の管電圧を発生し、高電圧ケーブルを通じてX線源13に駆動電力を供給する。管電圧と、照射線量を規定する、管電流及び照射時間の積であるmAs値といった撮影条件は、操作パネル14aを通じて放射線技師や医師などのオペレータにより手動で、線源制御装置14に設定される。
【0027】
照射スイッチ15は、線源制御装置14に信号ケーブルで接続されており、オペレータによって操作される。照射スイッチ15は二段階押しのスイッチであり、一段階押しでX線源13のウォームアップを開始させるためのウォームアップ開始信号を発生し、二段階押しでX線源13に照射を開始させるための照射開始信号を発生する。これらの信号は信号ケーブルを通じて線源制御装置14に入力される。
【0028】
線源制御装置14は、照射スイッチ15からの制御信号に基づいてX線源13の動作を制御する。照射スイッチ15から照射開始信号を受けると、線源制御装置14は、X線源13に対して開始指令を発して電力供給を開始する。これによりX線源13は照射を開始する。
【0029】
また、線源制御装置14は、X線撮影装置12と有線又は無線により通信可能に接続されており、X線撮影装置12に対して、X線源13の照射タイミングとX線撮影装置12の動作タイミングを同期させるための同期信号を送信する。
【0030】
X線撮影装置12は、電子カセッテ21、臥位撮影台22、撮影制御装置23、およびコンソール24から構成される。臥位撮影台22は、電子カセッテ21が着脱自在に取り付けられ、X線が入射する入射面がX線源13と対向する姿勢で電子カセッテ21を保持する。電子カセッテ21は、X線画像を検出する画像検出部としてのFPD25を備えている。
【0031】
撮影制御装置23は、有線方式や無線方式により電子カセッテ21と通信可能に接続されており、電子カセッテ21を制御する。具体的には、電子カセッテ21に対して撮影条件を送信して、FPD25の信号処理の条件を設定させるとともに、X線源13の照射タイミングとFPD25の動作を同期させるための同期信号をX線発生装置11から受信して、これを電子カセッテ21に送信することにより、X線源13とFPD25の同期制御を行う。
【0032】
また、撮影制御装置23は、電子カセッテ21が出力する画像データを受信してコンソール24に送信する。コンソール24は、電子カセッテ21から受信したX線画像に対して各種画像処理を施して、ディスプレイ26に表示させる。加えて、X線画像の画像データに対して、撮影条件や患者情報などの情報を付帯情報として付加して、DICOM(Digital Imaging and COmmunication in Medicine)などの医用画像フォーマットのファイルに変換する。変換された画像データは、コンソール24内のハードディスクやメモリ、あるいはコンソール24とネットワーク27を介して接続された画像サーバ28といったデータストレージデバイスに格納される。
【0033】
コンソール24は、検査オーダの入力を受け付けて、検査オーダをディスプレイに表示する。検査オーダは、HIS(病院情報システム)やRIS(放射線情報システム)といった患者情報や放射線検査に係る検査情報を管理するオーダ管理システム29からLANなどのネットワーク27を通じて入力されるか、または、オペレータにより手動入力される。
【0034】
検査オーダは、患者単位で作成される。1件の検査オーダには、依頼元情報(医師ID、診療科名など)、患者情報(患者名、患者IDなど)、撮影オーダが含まれる。1件の検査オーダに対して、撮影オーダが1件だけの場合もあれば、複数件の撮影オーダが含まれる場合もある。1件の撮影オーダには、頭部、胸部、腹部などの撮影部位と、正面、側面、斜位、PA(X線を被検者の背面から照射)、AP(X線を被検者の正面から照射)といった撮影方向と、立位、臥位などの撮影体位とからなる術式を指定する術式指定情報が含まれる。オペレータは、撮影オーダの内容をコンソール24のディスプレイ26で確認し、その内容に応じた撮影条件をコンソール24の操作画面を通じて入力する。
【0035】
図2において、検査オーダ表示画面261は、コンソール24の操作画面の1例であり、受信済みの検査オーダの中から選択された1件の検査オーダの内容を表示した状態を示す。検査オーダ表示画面261には、検査オーダのID、患者名、患者ID、性別、年齢といった患者情報を表示する患者情報表示領域262と、1件の検査オーダに含まれる撮影オーダを表示する撮影オーダ表示領域263と、撮影したX線画像を表示する画像表示領域265が設けられている。撮影オーダ表示領域263の下方には、選択された撮影オーダに対して撮影条件を設定するための撮影条件設定ボタン264と、撮影モードを選択する撮影モード選択ボックス266が設けられている。符号268aは、入力した内容を確定するOKボタンであり、符号268bは、入力した内容をキャンセルするキャンセルボタンであり、符号268cは、検査オーダ表示画面261を終了する終了ボタンである。
【0036】
撮影オーダ表示領域263には、複数件の撮影オーダがある場合には、複数件の撮影オーダがリスト形式で一覧表示される。本例では、2件の撮影オーダが含まれている例を示している。撮影オーダ表示領域263内において、各撮影オーダの表示欄263aには、「胸部立位正面(P−A)」のように、各撮影オーダの術式指定情報が表示される。
【0037】
表示欄263aの1つが、コンソール24の入力デバイスであるマウスなどのポインタ269でクリック操作されると、その表示欄263aに対応する1件の撮影オーダが指定される。指定された撮影オーダの表示欄263aはハイライト表示され、指定されていない他の撮影オーダと識別可能に表示される。本例では、撮影オーダ1が指定された状態を示している。
【0038】
画像表示領域265には、撮影済みのX線画像のうち最新の画像が表示される。本例では、撮影オーダ1に対応するX線画像が表示されている。もちろん、撮影済みの複数のX線画像の中から選択された画像を画像表示領域265に表示することも可能である。
【0039】
撮影条件設定ボタン264をクリックすると、図示しないサブウインドウが開く。サブウインドウ内には、管電圧、管電流、照射時間といった撮影条件を入力するための入力ボックスが表示される。マウスのクリック操作や、コンソール24の入力デバイスであるキーボードなどの操作により、入力ボックスに対して撮影条件を表す数値が入力される。
【0040】
また、撮影モード選択ボックス266をクリックすると、図示しないプルダウンメニューが表示され、プルダウンメニューには、「静止画撮影モード」と「動画撮影モード」のそれぞれの選択項目が用意されている。マウスのクリック操作やキーボード操作により、いずれかの選択項目が選択されると、撮影モード選択ボックス266に撮影モードの選択指示が入力される。図2においては、動画撮影モードが選択された状態を示している。OKボタン268aがクリックされると、入力した内容が確定されて、撮影モードの選択指示が確定する。
【0041】
動画撮影は、例えば、撮影オーダで指定される静止画撮影のためのポジショニングに使用される他、被検者Hにカテーテルを挿入する手技を行う際にカテーテルの挿入位置を確認するめのモニタとして利用される。動画撮影を行う場合においても、静止画撮影と同様に、管電圧や管電流といった撮影条件が設定される。一般に、動画撮影の場合には、静止画撮影と比較して、管電流は低めに設定され、X線の線量が抑えられる。また、動画撮影の場合には、単位時間当たりの撮像回数であるフレームレートが撮影条件として設定される。また、動画撮影では、静止画撮影と比べて解像度は低く設定される。
【0042】
こうして設定された撮影条件が撮影制御装置23を介して電子カセッテ21に設定されるとともに、オペレータは同じ内容の撮影条件を、操作パネル14aを通じて線源制御装置14に設定する。X線発生装置11において、静止画撮影が選択された場合には、X線源13は、照射スイッチ15の押下操作によって1枚分の静止画を得るためのX線の照射が行われ、撮影条件で設定された照射時間経過後にX線の照射が停止する。また、動画撮影が選択された場合には、X線源13は、照射スイッチ15の押下操作によってX線源13が照射を開始し、照射終了指示が入力されるまでの間、連続的にX線の照射を行うか、あるいはフレームレートに合わせて断続的にパルス照射を行う。
【0043】
図1及び図3において、臥位撮影台22には電子カセッテ21が取り付けられるトレイ30が設けられている。X線撮影システム10では、電子カセッテ21をトレイ30に取り付けた状態で撮影が行われる他、トレイ30に電子カセッテ21を取り付けた状態では撮影がしにくい撮影部位(肘や膝の関節など)については、電子カセッテ21をトレイ30から取り外し、臥位撮影台22上で電子カセッテ21と被検者Hのポジショニングを行って撮影が行われる。
【0044】
臥位撮影台22は、天板31と、天板31の下に設けられた撮影台本体32とを備える。天板31は、被検者Hが横たわることができる長さ及び幅を有する長方形状であり、被検者Hが載る天面が水平になるように撮影台本体32の上に配置されている。天板31は、X線の透過率が高いカーボン等で形成されている。
【0045】
撮影台本体32は、天板支持部33と、トレイ30と、昇降部34とを備えている。天板支持部33は、天板31をXY方向において移動できるように支持するフローティング機構(図示せず)を備えている。フローティング機構には、操作者が手動で天板を移動させる手動式と、電動機構などで自動的に移動させる自動式とがあるが、本実施形態では電動機構による自動式としている。また、操作者が臥位撮影台22で撮影操作を行う際に位置する、臥位撮影台22の前面側には、天板支持部33を操作する操作パネル35が設けられている。
【0046】
トレイ30は、天板31の下方、かつ天板支持部33の間に設けられている。トレイ30は、前面に設けられた把手30aを前面側に引くことにより、天板31の下から引き出せるようになっている。また、トレイ30は、図示しないスライド機構によりX方向に移動する。スライド機構にも上述したフローティング機構と同様に手動式と自動式とがあるが、本実施形態では自動式としている。スライド機構の操作にも操作パネル35が用いられる。
【0047】
昇降部34は、天板31と、天板支持部33及びトレイ30を昇降させる電動式の昇降機構(図示せず)と、昇降機構の周囲を覆う伸縮自在なベローズ型カバー34aとを備えている。この昇降機構も操作パネル35によって操作される。
【0048】
図4に示すように、トレイ30は、電子カセッテ21が着脱自在に取り付けられる取り付け部である。電子カセッテ21は、X線が照射される照射面とは反対側の背面をトレイ30に向けた状態で取り付けられる。トレイ30の上面には、電子カセッテ21が不用意に動かないようにその外形サイズに合わせて切り欠かれた開口部30bが形成されている。開口部30bは、臥位撮影台22の前面方向から電子カセッテ21を挿入できるように、トレイ30の前面も切り欠かれている。
【0049】
開口部30bは、トレイ30の上方から見ると、略L字状になっている。これは、平面形状が長方形の電子カセッテ21を縦姿勢と横姿勢の2つの取り付け姿勢で収容するためである。縦姿勢は、電子カセッテ21の長辺方向が天板31の長辺方向と平行な姿勢であり、横姿勢は、電子カセッテ21の長辺方向が天板31の長辺方向と直交する姿勢である。
【0050】
図5に示すように、電子カセッテ21は、FPD25と、FPD25を収容する筐体36とを備えている。FPD25の背面側には、X線のバック散乱線を吸収する鉛板37、鉛板37の背面側には回路基板(図示せず)が配置されている。
【0051】
筐体36は、平面形状が長方形の偏平な略直方体形状をしており、より具体的には、X線が照射される照射面36a及び照射面36aと対向する背面36bがほぼ長方形をしており、照射面36a及び背面36bの4辺のそれぞれに沿った側面36c〜36fとを有している。筐体36は、FPD25の検出面(X線が入射する面)に対応する領域が開口したステンレスやアルミニウム製の筐体のケース本体と、X線を透過可能な材質(カーボンなど)で形成され、ケース本体の開口部に嵌め込まれて、X線の照射を受ける照射面36aを構成する平板とからなる。
【0052】
筐体36は、例えば、半切サイズ(383.5mm×459.5mm)のフイルム用またはIP用のカセッテと同様の国際規格ISO4090:2001に準拠した外形サイズを有しており、フイルム用又はIP用のカセッテに使用される撮影台に取り付けて使用することが可能である。電子カセッテ21の外形サイズは、前述した半切サイズの他、四切サイズ、六切サイズ等があり、撮影部位に応じて適宜選択される。
【0053】
筐体36には、2つのバッテリユニット38,39を装着するための第1及び第2の装着部41,42が設けられている。第1及び第2の装着部41,42の少なくとも1つにバッテリユニット38,39のいずれかが装着されていれば、電子カセッテ21は、バッテリからの電源供給によって動作することが可能であり、バッテリユニット38,39の一方がメインバッテリとして機能する。第1及び第2の装着部41,42のうちメインバッテリが装着されていない方の装着部が、増設用バッテリユニットを装着するためのバッテリ装着部となる。
【0054】
また、第1及び第2の装着部41,42には、バッテリユニット38,39の他に、メモリユニット40を装着することが可能である。メモリユニット40は、電子カセッテ21の機能を拡張するための機能部品であり、後述するように、本例においては画像データを記憶するためのメモリユニットである。
【0055】
動画撮影は、静止画撮影と比較して消費電力が大きいため、動画撮影を行う場合にはバッテリの容量確保が重要である。一方、静止画撮影においては、動画撮影の場合と比較して、撮影した画像データを電子カセッテ21に保存しておく必要性が高い。
【0056】
というのは、撮影した動画は、ポジショニングやカテーテル位置確認に用いられるものなので、電子カセッテ21からコンソール24に送信されてコンソール24において表示された後、順次破棄される場合が多い。
【0057】
これに対して、撮影した静止画は診断に用いられる画像であるので、コンソール24に送信されて表示された後も、コンソール24や画像サーバ28において保存される。電子カセッテ21からコンソール24へのデータ送信が適正に行われれば、送信後のデータを電子カセッテ21に保存しておく必要はない。しかし、電子カセッテ21からコンソール24へのデータ送信が失敗することも考えられる。特に、電子カセッテ21とコンソール24の間の通信方式として、有線方式と比べて信頼性が劣る無線方式を採用する場合には問題となる。電子カセッテ21に送信済みのデータが保存されていれば、データ送信が失敗した場合でも再送信が可能となる。このように、電子カセッテ21において送信済みのデータが残っていない場合には、再撮影が必要になるため、電子カセッテ21において、送信済みの静止画のデータを少なくとも一定期間、静止画保存機能を備えておくことは非常に有効である。
【0058】
こうした事情を考慮して、電子カセッテ21においては、第1及び第2の装着部41,42の一方に対して、動画撮影の場合にはバッテリユニットを増設し、静止画撮影の場合にはメモリユニット40を増設するというように、撮影モードに応じてバッテリユニットとメモリユニット40の使い分けができるようになっている。
【0059】
図3においては、第1の装着部41にメモリユニット40が、第2の装着部42にバッテリユニット38が装着されている状態を示しており、図4では、第1及び第2の装着部41、42に、それぞれバッテリユニット38,39が装着されている状態を示している。
【0060】
装着部41,42は、筐体36の平面(照射面36a及び背面36b)の4つの頂点付近に位置する角部にそれぞれ配置されている。装着部41,42は、それぞれ、バッテリユニット38,39又はメモリユニット40を収納する収納室41a,42aと、バッテリユニット38,39又はメモリユニット40を収納室41a,42aに着脱するための取り出し口41b,42bとを有している。
【0061】
収納室41a,42aは、バッテリユニット38,39又はメモリユニット40の外形に対応した略角筒状の形状を持ち、取り出し口41b,42bを開口とした有底の凹部である。取り出し口41b,42bは、それぞれ側面36cや側面36dの1つの側面に収まる大きさであり、取り出し口41b,42bのそれぞれが、他の側面、照射面36a及び背面36bに跨がらないように形成されている。このため、収納室41a,42aに収納された状態では、バッテリユニット38,39又はメモリユニット40の周面は、筐体36の照射面36a及び背面36b側に露出しない。このため、フイルムまたはIP用のカセッテ用の撮影台に対しても問題無く装着することができる。
【0062】
装着部41の取り出し口41bは、長辺方向に沿って配置される1つの側面36cに形成されており、装着部42の取り出し口42bは、側面36cと直交する短辺方向に沿って配置される1つの側面36dに形成されている。
【0063】
撮影台の多くは、電子カセッテ21を取り付けるトレイやスロットなどの取り付け部が、電子カセッテ21を取り付けたときにその側面だけが露呈される形態である。そのため、側面に第1及び第2の装着部41,42を設けておけば、各種の撮影台に対応させることができる。
【0064】
また、電子カセッテ21を撮影台のトレイやスロットに取り付けて使用する以外でも、被検者Hの四肢撮影を行う場合には、撮影台や寝台などの天板上に電子カセッテ21を載せて単体で使用される(撮影台に取り付けない)ことが多い。この場合には、電子カセッテ21は、その背面を下向きにして天板上に載置されるので、第1及び第2の装着部が、筐体36の側面に設けられていれば、バッテリユニット38,39の交換がしやすい。
【0065】
バッテリユニット38,39は、本体部であるバッテリ66,67(図9参照)と、バッテリ66,67を収納する略直体状のケースと、ケースの1つの端面から突出する凸型のコネクタ43,44とが設けられている。バッテリ66,67は、充電が可能な電池であり、バッテリユニット38,39を、クレードルなどの充電器に接続して充電することが可能である。
【0066】
バッテリ66,67の種類としては、ニッケルカドミウム、ニッケル水素、リチウムイオンなどの二次電池の他、電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタなどのキャパシタでもよい。電子カセッテ21のバッテリ66,67の性能としては、小型であること、比較的容量が大きいこと、充電時間が短いことなどが求められる。リチウムイオン二次電池は、他の二次電池と比較してエネルギー密度が高く小型で大容量という特長を備えているので、小型化、大容量化を求める場合にはリチウムイオン二次電池が好ましい。また、キャパシタは、急速充電が可能であるため、充電時間の短縮化を求める場合にはキャパシタが好ましい。
【0067】
また、近年においては、ナノ微粒子を利用することにより、キャパシタに匹敵する急速充電性能を備えたリチウムイオン二次電池や、急速充電性能とともに高いエネルギー密度も併せ持つリチウムイオンキャパシタなどの新型電池も開発されており、バッテリ66,67としてはこれらを使用することがさらに好ましい。
(http://www.toshiba.co.jp/about/press/2005_03/pr_j2901.htm
http://www.jmenergy.co.jp/img/JMenergy2009.pdf参照)
【0068】
なお、2つのバッテリユニット38,39としては、同一の種類でもよいし、例えば一方が大容量型で他方が急速充電型というように、種類や特性が異なってもよい。これらは、目的に応じて適宜選択される。
【0069】
メモリユニット40は、増設用メモリとして機能する機能部ユニットである。メモリユニット40は、不揮発性メモリであるフラッシュメモリ68(図10参照)と、フラッシュメモリ68を収納し、バッテリユニット38,39と同じ外形の略直体状のケースと、ケースの1つの端面から突出し、コネクタ43,44と同じ外形の凸型のコネクタ45とを有している。
【0070】
装着部41,42の収納室41a,42aの奥には、コネクタ43,44,45と接続されるソケット46,47が設けられている。ソケット46,47は、バッテリユニット38,39又はメモリユニット40と電気的に接続するための端子を有する接続部であり、凸型のコネクタ43,44,45と嵌合するように凹型をしている。各収納室41a,42aのそれぞれのソケット46,47の向きは、各取り出し口41b,42bの向きにそれぞれ対応しており、互いに直交している。
【0071】
収納室41a,42aは、コネクタ43,44,45とソケット46,47が接続された装着状態のときに、バッテリユニット38,39又はメモリユニット40の外面が筐体36の外面から突出しない状態でバッテリユニット38,39又はメモリユニット40を収容可能な大きさを有する。
【0072】
また、装着部41,42からバッテリユニット38,39又はメモリユニット40を取り外すとき、バッテリユニット38,39又はメモリユニット40の端部を把持しやすいように、取り出し口41b,42bの周縁には指先の一部を挿入可能な切り欠き48が形成されている。
【0073】
また、取り出し口41b,42bの近傍の側面36c,36dには、インジケータ49が設けられている。インジケータ49は、電子カセッテ21の電源のオンオフの状態、通信状態、バッテリユニット38,39の残量などを表示する。インジケータ49は、複数個のLEDからなるインジケータランプや液晶パネルなどで構成される。バッテリユニット38,39の残量としては、例えば、各装着部41,42に装着されるバッテリユニット38,39毎の残量に加えて、2つの装着部41,42にバッテリユニット38,39が装着されている場合には、2つのバッテリユニット38,39の残量の合計が表示される。
【0074】
また、インジケータ49は、後述するように、第1及び第2の装着部41,42に対して、増設用のバッテリユニットやメモリユニット40の装着を促す警告部としても機能する。
【0075】
なお、本例においては、凸型のコネクタ43,44,45をバッテリユニット38,39又はメモリユニット40に、凹型のソケット46を装着部41,42に設けた例で説明したが、その反対に、凸型のコネクタを装着部41,42に、凹型のソケットをババッテリユニット38,39又はメモリユニット40に設けてもよい。また、バッテリユニット38,39又はメモリユニット40と装着部41,42の各接続部の形状は、凹凸が無い形態も考えられるので、適宜変更が可能である。
【0076】
図6に示すように、装着部41は、収納室41aの奥に、ラッチ機構50を有している。ラッチ機構50は、図示しない係合爪を有しており、バッテリユニット38,39又はメモリユニット40と係合して、コネクタ43,44,45とソケット46とが電気的に接続する装着位置で固定する。ラッチ機構50には、バッテリユニット38,39を収納室41aの奥から取り出し口41bに向けて付勢するバネ50aが設けられている。バッテリユニット38,39又はメモリユニット40が取り出し口41bから収納室41aの奥に向けて押し込まれると、ラッチ機構50の係合爪とバッテリユニット38,39又はメモリユニット40が係合して、その係合によりバネ50aの付勢に抗してバッテリユニット38,39又はメモリユニット40が装着位置に固定される。装着状態のバッテリユニット38,39又はメモリユニット40が取り出し口41b方向から収納室41aの奥に向けて押し込まれると、ラッチ機構50の係合が解除される。係合が解除されると、バッテリユニット38,39又はメモリユニット40はバネ50aの付勢力によって取り出し口41bから突出する。装着部41を例に説明したが、装着部42についても同様である。
【0077】
もちろん、図7に示すように、取り出し口41bの近傍にラッチ機構50の係合を解除する操作ボタン50bを設けて、操作ボタン50bの押下によってバッテリユニット38,39又はメモリユニット40を取り出すようにしてもよい。
【0078】
図8に示すように、FPD25は、TFTアクティブマトリクス基板51上に、X線を吸収して電荷に変換する電荷発生層が積層されて構成されている。電荷発生層は例えばセレンを主成分(例えば含有率50%以上)とする非晶質のa−Se(アモルファスセレン)から成り、X線が照射されると、照射されたX線量に応じた電荷量の電荷(電子−正孔の対)を内部で発生することで、照射されたX線を電荷へ変換する。もちろん、FPD25としては、X線をCSI(ヨウ化セシウム)やGOS(ガドリニウムオキシサルファイド)といったシンチレータによって可視光に変換した後、フォトダイオードなどの光電変換手段によって電荷に変換する間接変換型でもよい。
【0079】
TFTアクティブマトリクス基板51上には、電荷発生層で発生された電荷を蓄積する蓄積容量と、蓄積容量に蓄積された電荷を読み出すためのTFTを備えた画素52がマトリクス状に多数個配置されており、これらの画素52によって入射するX線を検出する検出面が構成される。検出面に入射するX線の入射量に応じて電荷発生層で発生された電荷は、個々の画素52の蓄積容量に蓄積される。これにより、照射面36aから入射したX線に担持された、被検者Hの画像情報は、電荷情報へ変換されてTFTアクティブマトリクス基板51に保持される。
【0080】
TFTアクティブマトリクス基板51には、一定方向(行方向)に延設され個々の画素52のTFTのゲートをオンオフさせるための複数本のゲート配線53と、ゲート配線53と直交する方向(列方向)に延設されオンされたTFTを介して蓄積容量から蓄積電荷を読み出すための複数本のデータ配線54が設けられている。個々のゲート配線53はゲートドライバ55に接続されており、個々のデータ配線54は信号処理部56に接続されている。個々の画素52の蓄積容量に電荷が蓄積されると、個々の画素52のTFTは、ゲートドライバ55からゲート配線53を介して供給される信号により行単位で順にオンされ、TFTがオンされた画素52の蓄積容量に蓄積されている電荷は、電荷信号としてデータ配線54を伝送されて信号処理部56に入力される。
【0081】
信号処理部56は、個々のデータ配線毎に設けられた増幅器及びサンプルホールド回路を備えており、個々のデータ配線を伝送された電荷信号は増幅器で増幅された後にサンプルホールド回路に保持される。また、サンプルホールド回路の出力側にはマルチプレクサ、A/D変換器が順に接続されており、個々のサンプルホールド回路に保持された電荷信号はマルチプレクサに順に(シリアルに)入力され、A/D変換器によってデジタルの画像データへ変換される。信号処理部56のA/D変換器から出力された画像データは、画像メモリ57に順に記憶される。画像メモリ57は、少なくとも1枚分のX線画像が記憶可能な記憶容量を有しているが、複数枚分のX線画像が記憶可能な記憶容量を有するのが好ましい。また、図10に示すように、メモリユニット40が装着されている場合には、画像メモリ57に加えて、メモリユニット40が画像データ保存用のメモリとして用いられる。
【0082】
図9及び図10に示すように、電子カセッテ21には、制御部60(指示受付部)、電源回路61、操作部62、通信部63、装着検知部64が設けられている。制御部60は、電子カセッテ21全体の制御を司るCPU、CPUが実行するプログラムが格納されたROM、ROMからロードされたプログラムを展開し、CPUが処理を実行するために使用するワークメモリであるRAM、各種設定情報が記憶されるEEPROMなどを含んだマイクロコンピュータで構成されている。操作部62は、電源ボタンなどからなる。
【0083】
電源回路61は、バッテリユニット38,39のバッテリ66,67から供給される電圧を、電子カセッテ21の各部が必要な電圧に変換するDC−DCコンバータなどからなり、バッテリ66,67からの電力を電子カセッテ21の各部に供給する。また、電源回路61は、各装着部41,42に装着されたバッテリ66,67が供給する電圧レベルを、制御部60に出力する。制御部60は、電源回路61から出力される電圧値に基づいて、各バッテリ66,67の残量を検出し、検出した残量を表示するように各インジケータ49を作動させる。例えば、制御部60は、電圧値が閾値より低下した場合には、残量切れと判定し、各インジケータ49にその旨を表示させる。
【0084】
装着検知部64は、ソケット46,47を介してバッテリユニット38,39、メモリユニット40の信号ラインの出力を検出することにより、装着部41,42にバッテリユニット38、39やメモリユニット40が装着されているか否かを検知する。ソケット46,47のそれぞれには、バッテリユニット38,39からの信号ライン、メモリユニット40からの信号ラインを接続する端子及び信号ラインが設けられている。このため、第1及び第2の装着部41,42には、バッテリユニット38,39、メモリユニット40を相互に入れ替えて装着することが可能であるとともに、各装着部41,42に、バッテリユニット38,39とメモリユニット40のどちらが装着されているかを識別することができる。つまり、装着検知部64及び制御部60は、各装着部41,42に、バッテリユニット38,39やメモリユニット40などの機能拡張用の機能部ユニットが装着されているか否か、及び装着されている機能部ユニットの種類を判定する装着状態判定部として機能する。
【0085】
通信部63は、撮影制御装置23との通信を行い、撮影モード指示が含まれる撮影条件を撮影制御装置23から受信するとともに、コンソール24に対して画像メモリ57内の画像データを送信する。
【0086】
制御部60は、撮影制御装置23を通じてコンソール24から送信される撮影条件や撮影モード選択指示を受け付ける。制御部60は、撮影モード選択指示を受け付けると、装着検知部64の検知結果に基づいて、第1及び第2の装着部41,42の装着状態を判定する。上述したとおり、静止画撮影の場合には、メモリユニット40が増設されていることが好ましく、動画撮影の場合には、バッテリユニットが増設されていることが好ましい。制御部60は、撮影モードに応じて適切なユニットが装着されているか否かを判定して、適切なユニットが装着されていない場合に警告を行う。
【0087】
以下、具体的な手順について、図11に示すフローチャートを参照しながら説明する。電子カセッテ21をバッテリ駆動によって使用する場合には、第1及び第2の装着部41,42の少なくとも一方にバッテリユニット38,39のいずれかが装着されている状態で、電子カセッテ21が起動される。
【0088】
オペレータは、図2に示す検査オーダ表示画面261を通じて、撮影条件や撮影モードの選択指示をコンソール24に入力する。コンソール24は、入力された撮影条件及び撮影モード選択指示を、撮影制御装置23を通じて電子カセッテ21に送信する。電子カセッテ21において、受信した撮影条件及び撮影モード選択指示は制御部60によって受け付けられる(S101)。制御部60は、撮影条件に応じて、信号処理条件(アンプのゲイン設定など)を決定する。そして、制御部60は、撮影モード選択指示を受け付けると、第1及び第2の装着部41,42の装着状態を判定する。
【0089】
起動時において、第1及び第2の装着部41,42の一方には、既にバッテリユニット(バッテリユニット38,39の一方)が装着されているので、制御部60は、他方の装着状態を判定する。制御部60は、選択された撮影モードが動画撮影か静止画撮影かを判定し(S102)、動画撮影が選択されている場合には(S102でY)、増設用のバッテリユニットが装着されているか否かを判定する(S103)。静止画撮影が選択されている場合には(S102でN)、増設用のメモリユニット40が装着されているか否かを判定する(S104)。
【0090】
S103、S104の判定結果がそれぞれ肯定(Y)の場合には、撮影開始指示の入力を待機して(S105)、撮影開始指示が入力された場合(S105でY)には、選択された撮影モードの撮影を開始する(S106)。静止画撮影の場合には撮影オーダに対応する撮影をすべて終了するまで撮影を継続し、動画撮影の場合には動画撮影の終了指示が入力されるまで撮影を継続して、終了する(S109)。
【0091】
一方、S103、S104の判定結果がそれぞれ否定(N)の場合には、適切なユニットが装着されていないこと、及び適切なユニットの装着を促す旨のメッセージを表示する警告処理を実行する(S109)。警告処理において、制御部60は、第1に、電子カセッテ21のインジケータ49に警告メッセージを表示する。具体的には、インジケータ49がランプの場合にはランプの点灯や点滅させる。また、インジケータ49が液晶パネルの場合には、警告を表すエラーコードやテキストメッセージを表示させる。制御部60は、第2に、コンソール24のディスプレイ26に警告メッセージが表示されるように、撮影制御装置23を通じて、警告信号をコンソール24に送信する。
【0092】
警告信号を受信したコンソール24は、例えば図12に示すような警告画面を表示する。図12において、ディスプレイ26に表示されるメッセージとしては、動画撮影が選択されているにも関わらずバッテリユニットが装着されていない場合には、図12(A)に示す警告画面271のように、「動画撮影が選択されていますが、増設用のバッテリユニットが装着されていません。バッテリユニットを装着してください」といったテキストメッセージが表示される。動画撮影が選択されている場合において、上記のような増設用バッテリユニットの装着を促す警告は、メモリユニット40が装着されている場合や、何も装着されていない場合のどちらも同様に行われる。また、静止画撮影が選択されているにも関わらず、メモリユニット40が装着されていない場合には、図12(B)に示す警告画面272のように、「静止画撮影が選択されていますが、増設用のメモリユニットが装着されていません。メモリユニットを装着してください」といったテキストメッセージが表示される。静止画撮影が選択されている場合において、上記のようなメモリユニット40の装着を促す警告は、増設用のバッテリユニットが装着されている場合や、何も装着されていない場合のどちらも同様に行われる。
【0093】
こうした警告画面271、272は、図2に示す検査オーダ表示画面261などの操作画面上に重ねて表示される。制御部60は、警告メッセージの内容に応じた警告信号をコンソール24に送信し、コンソール24は、警告信号の種類に応じて表示する警告画面271,272のどちらを表示するかを決定する。
【0094】
このように、電子カセッテ21は、撮影モードの選択指示を受け付けたときに、装着部41,42に適切なユニットが装着されているか否かを判定して、適切なユニットが装着されていない場合には警告を行うので、従来と比べて、撮影準備作業の早い段階で適切なユニットの装着忘れをオペレータに通知することができる。そのため、撮影準備作業の中断ややり直しが防止されるので、検査時間の長時間化や、被検者の精神的負担が増加することもない。
【0095】
また、電子カセッテ21のインジケータ49に加えて、コンソール24のディスプレイ26に警告メッセージを表示するので、一方に表示する場合と比べて、警告メッセージをオペレータに確実に伝えることができる。また、警告のタイミングとしては、コンソール24から入力された撮影モードの選択指示を、電子カセッテ21が受け付けた直後であるので、オペレータは、ディスプレイ26に表示される検査オーダ表示画面261を見ている可能性が高い。そのため、撮影準備作業の最初期の段階でオペレータに通知することができる。仮にオペレータがコンソール24の警告メッセージを見逃しても、電子カセッテ21のインジケータ49にも警告メッセージが表示されるので、それを通じて確認することができる。
【0096】
なお、電子カセッテ21は、警告を表示するための2つのインジケータ49を設けているが、警告処理の際、2つのインジケータ49の一方だけを使用してもよいが、両方を使用することが好ましい。電子カセッテ21を撮影台にセットしたり、被検体の撮影部位を電子カセッテ21上に載置した場合において、電子カセッテ21の一部が撮影台や被検体によって隠れてしまう場合がある。両方のインジケータ49を使用すれば、一方が隠れた場合でも他方が露呈されていれば、オペレータに対して通知できるからである。
【0097】
なお、本例においては、ディスプレイ26やインジケータ49を警告部として用いているが、それに代えてあるいは加えて、音声メッセージを出力するスピーカを警告部として用いてもよい。
【0098】
制御部60は、警告を行った後、適切なユニットの装着が行われるまでの間、警告メッセージを出し続けて、操作指示の受付を禁止する(S108)。このため、電子カセッテ21に撮影開始指示が入力されても撮影が開始されないため、結果的に撮影動作が禁止される。このように警告に加えて、警告が行われている間、操作指示の受付を禁止することで、オペレータは警告を無視して作業を進めることができなくなる。そのため、警告の実効性が高まり、適切なユニットの装着が確実に行われる。加えて、電子カセッテ21が動作しない状態で、X線の照射だけが行われて、被検者Hに対して無用な被曝を与えることも防止できる。
【0099】
また、より確実に被検者Hに対する無用な被曝を防止するために、電子カセッテ21の制御部60からの警告信号を、撮影制御装置23やコンソール24が受信したときに、撮影制御装置23やコンソール24からX線発生装置11に対して、X線の照射を禁止する禁止信号を送信するようにしてもよい。X線発生装置11は、禁止信号を受けた場合には、誤って照射スイッチ15が押下され場合でもX線の照射を開始しない。こうすれば、より確実に被検者Hの無用な被曝を防止することができる。
【0100】
上記例においては、X線発生装置11とX線撮影装置12との間で、同期通信を行ってX線源13からのX線の照射タイミングと、電子カセッテ21の撮影タイミングの同期を行う例で説明したが、電子カセッテ21としては、X線の照射開始や照射終了を自己検出するための照射検出センサを備えたものを使用してもよい。この場合には、X線発生装置11とX線撮影装置12の間で通信が行えないので、X線撮影装置12から禁止信号を送ることはできないが、それ以外の警告については上記実施形態と同様な機能を備えることができる。
【0101】
また、上記例においては、撮影モードとして動画撮影が選択された場合において、電子カセッテ21に増設用のバッテリユニットが装着されているか否かの判定、及び増設用のバッテリユニットの装着を促す警告を行うことに加えて、撮影モードとして静止画撮影が選択された場合において、電子カセッテ21に増設用のメモリユニット40が装着されているか否かの判定、及びメモリユニット40の装着を促す警告の両方を行う例で説明したが、少なくとも動画撮影が選択された場合の判定及び警告が行われればよい。また、上記例においては、警告に加えて操作受付を禁止することにより撮影動作を禁止する処理を行う例で説明したが、少なくもと警告が行われればよい。
【0102】
上記例では、電子カセッテ21を駆動するためのバッテリはすべて、装着部41,42に着脱自在な形態で説明したが、着脱自在なバッテリの他に、電子カセッテ21の筐体36内に着脱不能に内蔵される内蔵バッテリを設けてもよい。この場合には、内蔵バッテリがメインバッテリとして機能する。また、筐体36に設ける装着部41,42は、どちらか1つだけでもよい。
【0103】
[第2実施形態]
第1実施形態の電子カセッテ21では、装着部41,42を、筐体36内にバッテリユニットが収まる形態としたが、装着部は、図13に示す第2実施形態の電子カセッテ80のような形態でもよい。電子カセッテ80は、筐体81の背面が増設用バッテリユニット82の装着部83となっている。バッテリユニット82は、例えば、筐体81と同じ平面形状及び平面サイズを有するパネル型である。
【0104】
バッテリユニット82には、装着部83と対面する面に凸型のコネクタ84を設けるとともに、装着部83には、コネクタ84と嵌合する凹型のソケット85を設けて、コネクタ84とソケット85とを介してバッテリユニット82と電子カセッテ80とが電気的に接続される。このような形態とすると、第1実施形態と比較して、バッテリ容量を大型化することができる。消費電力が大きな動画撮影の場合には非常に有効である。もちろん、第1実施形態と異なり、バッテリユニット82の装着により筐体81の厚みが増すため、フイルムやIP用の撮影台などの既存の撮影台のトレイやスロットに装着できない場合もあるが、電子カセッテを寝台の天板上で使う場合には問題は無い。
【0105】
[第3実施形態]
第1実施形態では、バッテリユニットとメモリユニットが、それぞれが独立したユニットである例で説明したが、図14に示す機能部ユニット90のように、増設用のバッテリ67と増設用メモリ91の両方を1つのユニットにしてもよい。機能部ユニット90の場合には、動画撮影と静止画撮影の場合に増設用のユニットを入れ替えなくても済む。この場合には、制御部60は、機能部ユニット90が装着されていれば、動画撮影及び静止画撮影のどちらが選択されている場合でも、警告を行わずに撮影を許容する。
【0106】
[第4実施形態]
図15に示す電子カセッテ100のように、筐体101に、商用電源からの電力の供給を受けるための電源ケーブル102を接続可能なコネクタ103を有しており、バッテリの代わりに商用電源からの電力供給よって駆動することが可能である。この場合には、電子カセッテ100の制御部60は、電源ケーブル102が接続されているか否かを判定して、電源ケーブル102が接続されている場合には、装着部41,42へのバッテリユニットの装着状態に関わらず、警告を行わずに動画撮影を許容する。
【0107】
本発明は、上記各実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することが可能である。
【0108】
例えば、上記各実施形態において、増設用のユニットの装着状態に応じて警告を行う処理を実行するモードと、実行しないモードが切り替えられるようにしてもよい。例えば、動画撮影が短時間で終了することが確実で、装着済みの1つのバッテリユニットや内蔵バッテリの残量があることが確実な場合には、増設用のバッテリユニットが装着されていない状態でも、警告を行わずに動画撮影を許容した場合がよい場合もある。警告を行う処理を実行するモードと実行しないモードの切り替えができれば、そのような場合でも柔軟な対応が可能となる。
【0109】
また、機能部ユニットとして、バッテリが収容されるバッテリユニット38,39、メモリが収容される持つメモリユニット40や、メモリとバッテリが収容される機能部ユニット90を例に説明したが、機能部ユニットに内蔵される機能部品としては、メモリやバッテリに限らず、通信部や、バッテリの残量を表示するインジケータなどでもよい。例えば、通信部として、内蔵の通信部よりも通信速度が速い通信部を有する機能部ユニットとすれば、機能部ユニットの増設により高速通信が可能となる。また、上述した、X線の照射を検出する照射検出センサを機能部ユニットとして構成してもよい。
【0110】
また、図16に示す機能部ユニット110には、バッテリが収容されるとともに、インジケータ111が設けられている。インジケータ111は、機能部ユニット110が装着部41に装着されたときに外部に露呈されるように、機能部ユニット110の前面に設けられている。
【0111】
また、図17〜19に示すように、第1及び第2の装着部の形態及びレイアウトは適宜変更可能である。図17に示す電子カセッテ120のように、筐体36の角部において、2つの側面36c、36f及び照射面36aの3面を切り欠いて、装着部121,122を形成してもよい。もちろん、2つの側面及び照射面を切り欠いた形状に限らず、1つの側面と照射面または背面、あるいは2つの側面を切り欠いた形状でもよい。
【0112】
また、第1実施形態の電子カセッテ21では、長辺方向に沿った1つの側面に第1の装着部41を、短辺方向に沿った1つの側面に第2の装着部42を設けているが、図18に示す電子カセッテ130のように、長辺方向に沿って配置された2つの側面または短辺方向に沿って配置された2つの側面にそれぞれ取り出し口131a、132aを有する第1及び第2の装着部131,132を設けてもよい。電子カセッテ130では、長辺方向に沿って配置された、筐体136の2つの側面にそれぞれ第1及び第2の装着部131,132が設けられている。第1及び第2の装着部131,132は、それぞれ収納部133と、バッテリユニット38,39またはメモリユニット40のコネクタ43,44,45と接続されるソケット134からなる。
【0113】
電子カセッテ130が用いられる撮影台としては、例えば、互いに対向する2つの取り付け部を有し、一方と他方の取り付け部とでは、互いに反対の取り付け方向から取り付けるようになっており、一方の取り付け部では、電子カセッテ130の長辺方向に沿った1つの側面を露呈させ、他方の取り付け部では電子カセッテ130の長辺方向に沿った1つの側面を露呈させる形態のものも考えられる。この場合には、電子カセッテ130は、対向する側面にそれぞれ第1及び第2の装着部131,132が設けられているため、撮影台の2つの取り付け部のいずれに取り付けられたときも、一方の装着部が露呈される。
【0114】
また、図19に示す電子カセッテ140のように、2つの装着部141,142を、1つの面の異なる位置に配置してもよい。電子カセッテ140では、筐体143の長辺方向に沿って配置された側面に第1及び第2の装着部141,142が設けられている。
【0115】
撮影台の種類によっては、電子カセッテが取り付けられたときに、撮影台の取り付け部の形状や大きさによって、電子カセッテの外周面のうちの1つの面(例えば側面)において露呈される領域が異なる場合がある。この場合には、電子カセッテ140のように、1つの面内の異なる位置に装着部を2つ配置しておくことで、ある撮影台においては、一方の装着部が外部に露呈し、別の撮影台においては、他方の装着部が外部に露呈されるということもあり得る。撮影台に応じて露呈される装着部を使い分ければ、電子カセッテを取り付けた状態でバッテリ交換が可能になる。
【0116】
また、図20及び図21に示す電子カセッテ150のように、装着部151の取り出し口151aを塞ぐ蓋部材152a,152bを設けてもよい。
【0117】
蓋部材152a,152bは、取り出し口151aの両側に軸支され、取り出し口151aを塞ぐ閉じ位置と、筐体153の内部に向かって回動し、取り出し口151aを開放する開放位置との間で観音開き状に開閉自在となっている。また、蓋部材152a,152bは、図示しない付勢部材によって閉じ位置に付勢されている。装着部151にバッテリユニット38を装着する場合、図21(A)に示すように、コネクタ43の端面で蓋部材152a,152bを押圧すると、付勢部材の付勢に抗して蓋部材152a,152bが閉じ位置から開放位置に回動する(図21(B)に示す状態)。これにより、装着部151の内部が露呈してコネクタ43をソケット154に接続することが可能となり、バッテリユニット38を装着部151に収容することができる(図21(C)に示す状態)。なお、バッテリユニット39及びメモリユニット40など他の機能部ユニットを装着する場合も同様である。装着部151は、バッテリユニット38,39やメモリユニット40が装着されていない場合、蓋部材152a,152bによって取り出し口151aが塞がれるため、筐体153内への塵埃などの進入を防ぐことができる。
【0118】
また、図22に示す電子カセッテ160のように、バッテリユニット161の側面に着脱方向に沿って延びるガイド片161a,161bを設けており、電子カセッテ160に設けられた装着部162には、ガイド片161a,161bが嵌合するガイド溝163a,163bが形成されている。ガイド片161a,161b及びガイド溝163a,163bに沿ってバッテリユニット161を移動させることで、バッテリユニット161を着脱方向にガイドすることができる。これに限らず、装着部にガイド片を設け、バッテリユニットにガイド片と嵌合するガイド溝を設けて、バッテリユニットを着脱方向にガイドしてもよい。なお、機能部ユニットでも当然、同様のガイド片またはガイド溝を設けてもよい。また、ガイド片及びガイド溝は、バッテリユニットまたは機能部ユニットの片面だけに設けてもよい。
【0119】
上記各実施形態では、電子カセッテが取り付けられる撮影台として、臥位撮影台に例を上げたが、図23に示すように、立位撮影台170でもよい。立位撮影台170は、床に据え付けられたスタンド171と、電子カセッテ21が着脱自在に取り付けられる取り付け部としてのホルダ172とからなる。ホルダ172は、側面から内部に連通するスロット173が設けられ、スロット173に挿入された電子カセッテ21を保持することができる。スロット173の内部は、電子カセッテ21の長辺方向がホルダ172の長辺方向と平行な縦姿勢、または電子カセッテ21の長辺方向がホルダ172の長辺方向と直交する横姿勢のいずれの取り付け姿勢でも電子カセッテ21が取り付けられるように略L字状に形成されている。
【0120】
上記各実施形態では2つの装着部を例に説明したが、装着部を3つ以上設けて、2つ以上の機能部ユニット(増設用バッテリユニットや増設用メモリユニット)を装着できるようにしてもよい。この場合において、動画撮影が選択された場合の警告を行うかの否かの判定基準としては、2つ以上の装着部の全てに増設用バッテリユニットが装着されている場合に警告を行うようにしてもよいし、増設用バッテリユニットが1つでも装着されている場合には警告を行わずに、動画撮影を許容してもよい。静止画撮影が選択された場合における増設用メモリユニットの判定基準についても同様である。
【0121】
また、上記各実施形態及び変形例を種々組み合わせてもよい。さらに、上記実施形態における警告メッセージや警告画面の内容は1例であり、種々の変更が可能である。
【0122】
また、上記実施形態では、X線画像検出装置である電子カセッテと、撮影制御装置及びコンソールをそれぞれ別体で構成した例で説明したが、撮影制御装置の機能を電子カセッテに内蔵したり、撮影制御装置に加えてコンソールの機能を電子カセッテに内蔵する等、電子カセッテと、撮影制御装置やコンソールを一体化してもよい。
【0123】
本発明は、X線に限らず、γ線等の他の放射線を使用する撮影システムにも適用することができる。
【0124】
さらに、上記説明より、以下の付記項に記載の発明も把握することができる。
[付記1]
放射線源から照射され被検体を透過した放射線を受けて放射線画像を検出する画像検出部であり、前記放射線画像の静止画撮影と動画撮影の両方が可能な画像検出部と、
前記画像検出部を収容する筐体と、
前記筐体に設けられ、機能拡張用の機能部ユニットが装着される装着部と、
前記装着部に、前記機能部ユニットが装着されているか否か、及び装着されている前記機能部ユニットの種類を判定する装着状態判定部と、
静止画撮影を行うか動画撮影を行うかの選択指示を受け付ける指示受付部と、
前記指示受付部が動画撮影の選択指示を受け付けた場合において、前記装着状態判定部の判定結果に基づいて、前記選択指示に応じた適切な前記機能部ユニットが装着されているか否かを判定し、適切な前記機能部ユニットが装着されていない場合には、その装着を促す警告を発するように制御する制御部とを備えていることを特徴とする可搬型放射線画像検出装置。
【符号の説明】
【0125】
10 X線撮影システム
11 X線発生装置
12 X線撮影装置
21 電子カセッテ(可搬型放射線画像検出装置)
22 臥位撮影台
23 撮影制御装置
25 FPD(画像検出部)
38,39 バッテリユニット
40 機能部ユニット
41,42 装着部
66,67 バッテリ
68 フラッシュメモリ
91 増設用メモリ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線源から照射され被検体を透過した放射線を受けて放射線画像を検出する画像検出部であり、前記放射線画像の静止画撮影と動画撮影の両方が可能な画像検出部と、
前記画像検出部を収容する筐体と、
前記筐体に設けられ前記画像検出部へ電力を供給するためのバッテリとして、メインバッテリとは別の増設用バッテリユニットを装着可能なバッテリ装着部と、
前記増設用バッテリユニットが装着されているか否かを検知する装着検知部と、
静止画撮影を行うか動画撮影を行うかの選択指示を受け付ける指示受付部と、
前記指示受付部が動画撮影の選択指示を受け付けた場合において、前記装着検知部の検知結果に基づいて前記増設用バッテリユニットが装着されていないと判定した場合に、前記増設用バッテリユニットの装着を促す警告が行われるように制御する制御部とを備えていることを特徴とする可搬型放射線画像検出装置。
【請求項2】
前記筐体には、前記制御部の制御により、前記警告を発する警告部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の可搬型放射線画像検出装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記選択指示の入力元となるコンソールを通じて警告が行われるように、前記コンソールに対して信号を送信することを特徴とする請求項1又は2に記載の可搬型放射線画像検出装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記増設用バッテリユニットが装着されていないと判定した場合には、前記警告に加えて、前記動画撮影の実行を禁止する制御を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の可搬型放射線画像検出装置。
【請求項5】
前記筐体には、商用電源から電力の供給を受けるための電源ケーブルを接続可能なコネクタが設けられており、
前記制御部は、前記電源ケーブルを通じて電力の供給を受けている場合には、前記増設用バッテリユニットの装着状態に関わらず、動画撮影を許容することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の可搬型放射線画像検出装置。
【請求項6】
前記バッテリ装着部は、前記増設用バッテリユニットの代わりに、前記画像検出部を動作させるための機能部ユニットを装着可能であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の可搬型放射線画像検出装置。
【請求項7】
前記機能部ユニットは、前記画像検出部が出力する画像データを記憶するメモリユニットであることを特徴とする請求項6記載の可搬型放射線画像検出装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記指示受付部が前記静止画撮影を行う選択指示を受け付けた場合において、前記メモリユニットの装着を促す警告が行われるように制御することを特徴とする請求項7記載の可搬型放射線画像検出装置。
【請求項9】
前記バッテリ装着部は、それぞれに前記増設用バッテリユニットが装着可能な第1及び第2の装着部を含む少なくとも2つの装着部からなることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の可搬型放射線画像検出装置。
【請求項10】
前記筐体は、撮影台に対して着脱自在に取り付け可能であり、前記バッテリ装着部は、前記増設用バッテリユニットを、前記筐体の外面から突出しない状態で装着可能なことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の可搬型放射線画像検出装置。
【請求項11】
放射線源から照射され被検体を透過した放射線を受けて放射線画像を検出する画像検出部であり、前記放射線画像の静止画撮影と動画撮影の両方が可能な画像検出部を有する可搬型放射線画像検出装置と、前記可搬型放射線画像検出装置に対して静止画撮影を行う動画撮影を行うかの選択指示を入力するコンソールとを備えた放射線撮影装置において、
前記可搬型放射線画像検出装置は、
前記画像検出部を収容する筐体と、
前記筐体に設けられ前記画像検出部へ電力を供給するためのバッテリとして、メインバッテリとは別の増設用バッテリユニットを装着可能なバッテリ装着部と、
前記増設用バッテリユニットが装着されているか否かを検知する装着検知部と、
前記コンソールから入力された前記選択指示を受け付ける指示受付部と、
前記指示受付部が動画撮影の選択指示を受け付けた場合において、前記装着検知部の検知結果に基づいて前記増設用バッテリユニットが装着されていないと判定した場合に、前記増設用バッテリユニットの装着を促す警告が行われるように制御する制御部とを備えていることを特徴とする放射線撮影装置。
【請求項12】
放射線を照射する放射線源と、被検体を透過した前記放射線を受けて放射線画像を検出する画像検出部であり、前記放射線画像の静止画撮影と動画撮影の両方が可能な画像検出部を有する可搬型放射線画像検出装置と、前記可搬型放射線画像検出装置に対して静止画撮影を行う動画撮影を行うかの選択指示を入力するコンソールとを備えた放射線撮影システムにおいて、
前記可搬型放射線画像検出装置は、
前記画像検出部を収容する筐体と、
前記筐体に設けられ前記画像検出部へ電力を供給するためのバッテリとして、メインバッテリとは別の増設用バッテリユニットを装着可能なバッテリ装着部と、
前記増設用バッテリユニットが装着されているか否かを検知する装着検知部と、
前記コンソールから入力された前記選択指示を受け付ける指示受付部と、
前記指示受付部が動画撮影の選択指示を受け付けた場合において、前記装着検知部の検知結果に基づいて前記増設用バッテリユニットが装着されていないと判定した場合に、前記増設用バッテリユニットの装着を促す警告が行われるように制御する制御部とを備えていることを特徴とする放射線撮影システム。
【請求項1】
放射線源から照射され被検体を透過した放射線を受けて放射線画像を検出する画像検出部であり、前記放射線画像の静止画撮影と動画撮影の両方が可能な画像検出部と、
前記画像検出部を収容する筐体と、
前記筐体に設けられ前記画像検出部へ電力を供給するためのバッテリとして、メインバッテリとは別の増設用バッテリユニットを装着可能なバッテリ装着部と、
前記増設用バッテリユニットが装着されているか否かを検知する装着検知部と、
静止画撮影を行うか動画撮影を行うかの選択指示を受け付ける指示受付部と、
前記指示受付部が動画撮影の選択指示を受け付けた場合において、前記装着検知部の検知結果に基づいて前記増設用バッテリユニットが装着されていないと判定した場合に、前記増設用バッテリユニットの装着を促す警告が行われるように制御する制御部とを備えていることを特徴とする可搬型放射線画像検出装置。
【請求項2】
前記筐体には、前記制御部の制御により、前記警告を発する警告部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の可搬型放射線画像検出装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記選択指示の入力元となるコンソールを通じて警告が行われるように、前記コンソールに対して信号を送信することを特徴とする請求項1又は2に記載の可搬型放射線画像検出装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記増設用バッテリユニットが装着されていないと判定した場合には、前記警告に加えて、前記動画撮影の実行を禁止する制御を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の可搬型放射線画像検出装置。
【請求項5】
前記筐体には、商用電源から電力の供給を受けるための電源ケーブルを接続可能なコネクタが設けられており、
前記制御部は、前記電源ケーブルを通じて電力の供給を受けている場合には、前記増設用バッテリユニットの装着状態に関わらず、動画撮影を許容することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の可搬型放射線画像検出装置。
【請求項6】
前記バッテリ装着部は、前記増設用バッテリユニットの代わりに、前記画像検出部を動作させるための機能部ユニットを装着可能であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の可搬型放射線画像検出装置。
【請求項7】
前記機能部ユニットは、前記画像検出部が出力する画像データを記憶するメモリユニットであることを特徴とする請求項6記載の可搬型放射線画像検出装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記指示受付部が前記静止画撮影を行う選択指示を受け付けた場合において、前記メモリユニットの装着を促す警告が行われるように制御することを特徴とする請求項7記載の可搬型放射線画像検出装置。
【請求項9】
前記バッテリ装着部は、それぞれに前記増設用バッテリユニットが装着可能な第1及び第2の装着部を含む少なくとも2つの装着部からなることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の可搬型放射線画像検出装置。
【請求項10】
前記筐体は、撮影台に対して着脱自在に取り付け可能であり、前記バッテリ装着部は、前記増設用バッテリユニットを、前記筐体の外面から突出しない状態で装着可能なことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の可搬型放射線画像検出装置。
【請求項11】
放射線源から照射され被検体を透過した放射線を受けて放射線画像を検出する画像検出部であり、前記放射線画像の静止画撮影と動画撮影の両方が可能な画像検出部を有する可搬型放射線画像検出装置と、前記可搬型放射線画像検出装置に対して静止画撮影を行う動画撮影を行うかの選択指示を入力するコンソールとを備えた放射線撮影装置において、
前記可搬型放射線画像検出装置は、
前記画像検出部を収容する筐体と、
前記筐体に設けられ前記画像検出部へ電力を供給するためのバッテリとして、メインバッテリとは別の増設用バッテリユニットを装着可能なバッテリ装着部と、
前記増設用バッテリユニットが装着されているか否かを検知する装着検知部と、
前記コンソールから入力された前記選択指示を受け付ける指示受付部と、
前記指示受付部が動画撮影の選択指示を受け付けた場合において、前記装着検知部の検知結果に基づいて前記増設用バッテリユニットが装着されていないと判定した場合に、前記増設用バッテリユニットの装着を促す警告が行われるように制御する制御部とを備えていることを特徴とする放射線撮影装置。
【請求項12】
放射線を照射する放射線源と、被検体を透過した前記放射線を受けて放射線画像を検出する画像検出部であり、前記放射線画像の静止画撮影と動画撮影の両方が可能な画像検出部を有する可搬型放射線画像検出装置と、前記可搬型放射線画像検出装置に対して静止画撮影を行う動画撮影を行うかの選択指示を入力するコンソールとを備えた放射線撮影システムにおいて、
前記可搬型放射線画像検出装置は、
前記画像検出部を収容する筐体と、
前記筐体に設けられ前記画像検出部へ電力を供給するためのバッテリとして、メインバッテリとは別の増設用バッテリユニットを装着可能なバッテリ装着部と、
前記増設用バッテリユニットが装着されているか否かを検知する装着検知部と、
前記コンソールから入力された前記選択指示を受け付ける指示受付部と、
前記指示受付部が動画撮影の選択指示を受け付けた場合において、前記装着検知部の検知結果に基づいて前記増設用バッテリユニットが装着されていないと判定した場合に、前記増設用バッテリユニットの装着を促す警告が行われるように制御する制御部とを備えていることを特徴とする放射線撮影システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公開番号】特開2013−113616(P2013−113616A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−257757(P2011−257757)
【出願日】平成23年11月25日(2011.11.25)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月25日(2011.11.25)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
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