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可搬型発電装置
説明

可搬型発電装置

【課題】内燃機関を用いずに発電動力を得ることができ、騒音や排気ガスに対する問題が生じることがない可搬型発電装置とする。
【解決手段】追焚き器1で昇温媒体を加熱し、昇温媒体の熱を回収して昇温された媒体を媒体循環路6から膨張手段9に送り、媒体の膨張に伴う旋回スクロールの旋回力を旋回軸に伝え、旋回軸の旋回により回転軸を回転させることにより発電機10で発電を行ない、騒音や排気ガスに対する問題をなくして内燃機関を用いずに発電動力を得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋外等で使用する可搬型発電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
建設工事現場や屋外でのキャンプ、あるいは、露店等で、照明や機器の電源が必要となる場合、エンジン(内燃機関)により駆動される発電機を備えた可搬型発電装置が従来から広く使用されている(例えば、下記特許文献1、特許文献2等参照)。一般的に使用される可搬型発電装置は、夜間に使用することが多く、エンジンを駆動させて発電機を作動させるものであるので、騒音に対する配慮は不可欠となっている。このため、従来から提案されている可搬型発電装置では、遮音ケースを用いる等、種々の配慮がなされている。
【0003】
しかし、可搬型であるため、大掛かりな遮音ケース等を用いることはできず、一般的には燃料が安価なディーゼルエンジンが用いられているため、騒音を充分に抑えることができないのが現状であった。また、内燃機関であるエンジンを駆動させる装置であるため、可搬型で小型のエンジンを用いているとはいえ、排気ガスに対する配慮も必要とされている。
【0004】
このように、可搬型発電装置は、騒音や排気ガスに対して解決しなければならない問題はあるものの、設置して長期的に使用する装置ではないため、充分な措置が講じられていないのが現状であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−60567号公報
【特許文献2】特開2004−60570号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、内燃機関を用いずに発電動力を得ることができ騒音や排気ガスに対する問題が生じることがない可搬型発電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための請求項1に係る本発明の可搬型発電装置は、外部熱源により媒体を昇温させる昇温手段と、固定スクロール及び旋回スクロールで形成される膨張室で前記媒体を膨張させる膨張手段と、前記旋回スクロールに設けられた旋回軸及び前記旋回軸を偏心して支持する回転軸を有し、前記膨張室で前記媒体が膨張されることにより前記旋回スクロールを介して前記旋回軸に旋回力が伝達され、前記旋回軸の旋回力により前記回転軸が回転することにより電力を得る発電機と、前記膨張手段で膨張されて仕事を終えた前記媒体を昇温手段に循環させる媒体循環系と、前記媒体循環系の前記媒体を冷却する冷却手段とを備え、前記外部熱源は、燃料の燃焼熱を熱源とするものであり、前記昇温手段は、前記外部熱源により昇温媒体を加熱する手段を備え、昇温媒体の熱を回収して前記媒体を昇温させる手段であり、前記昇温媒体は油であり、前記冷却手段は、前記媒体の熱を回収して温水を得る給湯手段であることを特徴とする。
【0008】
請求項1に係る本発明では、発電手段の回転軸に対して偏心して設けられた旋回軸を介して、媒体の膨張に伴う旋回スクロールの旋回力を回転軸の駆動力として発電を行なうので、100℃〜200℃程度の媒体であっても膨張動力を容易に得ることができ、外部熱源により昇温された媒体により発電駆動が可能になる。
そして、携帯ガス等の燃料を熱源として媒体を昇温させることができるので、外部熱源が大掛かりになることがない。
また、昇温媒体を介在させて媒体を昇温させることが可能になり、外部熱源と昇温媒体の状況を任意に設定して効率的に媒体の昇温を行うことができる。
また、昇温媒体の沸騰を抑制することができると共に、配管の錆び等を防止することができる。
また、媒体の冷却を行なうことで温水を得ることができ、発電に加えて給湯の機能を持たせることが可能になる。
【0009】
また、昇温媒体として水を適用することができ、水を温めることにより媒体の昇温が行なえる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の可搬型発電装置は、内燃機関を用いずに発電動力を得ることができ、騒音や排気ガスに対する問題が生じることがない可搬型発電装置となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1実施形態例に係る可搬型発電装置の概略系統図である。
【図2】図1中の発電手段の詳細断面図である。
【図3】本発明の第2実施形態例に係る可搬型発電装置の概略系統図である。
【図4】本発明の第3実施形態例に係る可搬型発電装置の概略系統図である。
【図5】本発明の第4実施形態例に係る可搬型発電装置の概略系統図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1には本発明の第1実施形態例に係る可搬型発電装置の概略系統、図2には図1中の発電手段の具体的な構造の断面を示してある。
【0013】
図1に示すように、燃料(例えば、都市ガス、プロパンガス、白灯油等)の燃焼により昇温媒体(油)を加熱する外部熱源としての追焚き器1(昇温媒体を加熱する手段)が備えられ、追焚き器1で加熱された昇温媒体が循環配管2を介して循環する蓄熱タンク3が備えられている。追焚き器1で加熱された昇温媒体は循環ポンプ4の駆動により循環配管2を通って追焚き器1と蓄熱タンク3の間を循環する。
【0014】
一方、市水(例えば、15℃以下)が貯留される冷却手段としての熱交換タンク5が備えられ、蓄熱タンク3と熱交換タンク5の間には媒体循環路6が設けられている。媒体循環路6には、例えば、フロン系ガスの媒体が充填され、熱交換タンク5で熱回収された媒体が昇圧ポンプ7により蓄熱タンク3側に圧送される。蓄熱タンク3には、循環配管2により追焚き器1で加熱された昇温媒体(油:例えば、85℃〜150℃)が送られ、蓄熱タンク3では、媒体循環路6で送られた媒体が、例えば、85℃〜150℃に加熱される(昇温手段)。
【0015】
例えば、85℃〜150℃に加熱された媒体は、媒体循環路6により発電手段8に送られ、発電手段8で仕事を終えた媒体(例えば、50℃)は媒体循環路6により熱交換タンク5に送られ、熱交換タンク5内の市水を温めて、例えば、40℃〜60℃の給湯水とされる。発電手段8には、例えば、85℃〜150℃の媒体を膨張する膨張手段9(例えば、循環流式小型スクロール膨張機)が備えられ、膨張手段9の回転軸は発電機10のロータに接続されている。
【0016】
つまり、発電手段8は膨張手段9及び発電機10で構成され、例えば、85℃〜150℃の媒体が膨張手段9で膨張されて回転動力が得られ、膨張手段9の回転動力が発電機10に伝えられて発電が行なわれ、電力(例えば、400W)が回収される。膨張手段9で仕事を終えた媒体は、例えば、50℃の排気となって媒体循環路6により熱交換タンク5に送られ、給湯水の熱源とされる(給湯手段)。
【0017】
昇温媒体として油を適用したことにより、100℃以上の高温とされた場合であっても昇温媒体が沸騰することがなく、昇温媒体を安定して運用することが可能になる。また、循環配管2の錆びに対する対応を考慮する必要がなくなる。更に、油として食用油を適用することが可能である。昇温媒体の油として食用油を用いることで、廃油の処理に際して環境に影響を与えることがない。
【0018】
図2に基づいて発電手段8を詳細に説明する。
【0019】
図2に示すように、筒状のケーシング21の上部には固定スクロール22が固定され、固定スクロール22には渦巻状のラップが形成されている。また、ケーシング21の筒部の内側にはステータ23が固定され、ステータ23の内周側には回転軸24が軸受25を介して回転自在に支持されている。回転軸24にはステータ23に対応するロータ26が固定され、ステータ23、ロータ26等により発電機10が構成されている。回転軸24には、旋回軸27が軸受28を介して回転自在に支持され、回転軸24の軸心と旋回軸27の軸心は偏心した状態になっている。即ち、旋回軸27は回転軸24に偏心して回転自在に支持されている。
【0020】
旋回軸27は上端が回転軸24及びケーシング21から突出して配され、旋回軸27の上端に旋回スクロール31が取り付けられている。旋回スクロール31には固定スクロール22と同一のラップが設けられ、旋回スクロール31のラップと固定スクロール22のラップが重なり合って配されている。旋回スクロール31のラップと固定スクロール22のラップが重なり合うことで複数の膨張室32が形成され、膨張室32に連通する媒体循環路6が固定スクロール22に接続されている。尚、図2には媒体が膨張した状態の膨張室32を示してある。
【0021】
一方、旋回軸27の下端が回転軸24から突出して配され、旋回軸27の下端は自転防止機構34に支持されている。自転防止機構34は、ケーシング21側に固定されるベース部材に対し旋回移動が可能な旋回部材が設けられ、旋回部材が旋回軸27に取り付けられたものであり、回転軸24の回転に伴う旋回軸27の旋回を許容し、回転軸24に対する自転を防止する機構とされている。
【0022】
膨張手段9及び発電機10で構成される発電手段8では、加熱された(例えば、85℃〜150℃)媒体が媒体循環路6から膨張室32に送られ、膨張室32で膨張されることで旋回軸27が旋回する。旋回軸27は回転軸24に対して自転不能とされているので、旋回軸27が旋回することにより回転軸24が回転される。回転軸24の回転により発電機10が作動して電力が得られ、膨張室32で順次膨張された媒体(例えば、50℃)は媒体循環路6により熱交換タンク5(図1参照)に送られる。
【0023】
膨張手段9を備えた発電手段8は、媒体の膨張動力が旋回スクロール31の旋回軸27に伝達され、旋回軸27の旋回により発電機10の回転軸24を回転させる構造となっているので、回転軸24の始動時の抵抗が大幅に低減され、低トルク状態から回転軸24の回転をスムーズに行うことができ、トルクと回転速度の関係をリニアに保つことができる。このため、120℃程度の中高温の媒体であっても充分に膨張動力を得て発電機10の回転軸24を駆動することができ、追焚き器1で加熱した熱媒体により昇温される120℃程度の温度の媒体であっても、膨張動力により、例えば、400W程度の電力を得ることができる。
【0024】
上述した可搬型発電装置の作用を説明する。図示の可搬型発電装置は、使用場所に設置して長期にわたり使用されるのではなく、使用場所に運ばれて必要な時にのみ発電が行なわれる。
【0025】
追焚き器1により昇温媒体が加熱され(例えば、85℃〜150℃)、循環ポンプ4の駆動により循環配管2から蓄熱タンク3に送られる。蓄熱タンク3で熱回収された昇温媒体は循環ポンプ4の駆動により追焚き器1に戻されて加熱される。
【0026】
蓄熱タンク3では昇温媒体の熱により媒体が昇温され(例えば、85℃〜150℃)、昇温された媒体が媒体循環路6から発電手段8の膨張手段9の膨張室32に送られて膨張される。媒体が膨張室32で膨張されることにより、旋回軸27が旋回して回転軸24が回転され、発電機10が作動して電力が得られる。
【0027】
そして、膨張室32で順次膨張された媒体(例えば、50℃)は媒体循環路6により熱交換タンク5に送られて熱回収され、昇圧ポンプ7で昇圧されて媒体循環路6で蓄熱タンク3に送られて再び昇温される。熱交換タンク5では、膨張室32で順次膨張された媒体(例えば、50℃)により、市水が加温されて給湯用の湯にされる。
【0028】
このため、回転軸24に対して偏心して設けられた旋回軸27を介して、媒体の膨張に伴う旋回スクロール31の旋回力を回転軸24の駆動力として発電を行なうので、例えば、85℃〜150℃程度の媒体であっても膨張動力を容易に得ることができ、外部熱源により昇温された媒体により発電駆動が可能になる。これにより、内燃機関を用いずに発電手段8により発電動力が得られ、騒音や排気ガスに対する問題が生じることがない可搬型の発電装置とすることができる。
【0029】
また、熱交換タンク5で媒体の熱を回収して(媒体を冷却して)温水を得るようにしているので、媒体の冷却を行なうことで温水を得ることができ、発電に加えて給湯の機能を持たせることが可能になる。これにより、発電を行なうと共に給湯を行い、暖房等にも利用することが可能になる。
【0030】
本発明の第2実施形態例を説明する。
【0031】
図3には本発明の第2実施形態例に係る可搬型発電装置の概略系統を示してある。尚、図1、図2に示した第1実施形態例の可搬型発電装置の構成部材と同一構成部材には同一符号を付して重複する説明は省略してある。
【0032】
図3に示した第2実施形態例の可搬型発電装置は、追焚き器1で加熱した昇温媒体を熱交換タンク5に循環させる第2循環配管12を備えたものである。その他の構成は第1実施形態例と同一である。
【0033】
第2実施形態例の可搬型発電装置では、追焚き器1で加熱した昇温媒体を有効に利用することができる。
【0034】
本発明の第3実施形態例、第4実施形態例を説明する。
【0035】
図4には本発明の第3実施形態例に係る可搬型発電装置の概略系統、図5には本発明の第4実施形態例に係る可搬型発電装置の概略系統を示してある。尚、図1、図2に示した第1実施形態例の可搬型発電装置の構成部材と同一構成部材には同一符号を付して重複する説明は省略してある。
【0036】
図4に示すように、燃料(例えば、携帯燃料等)の燃焼により熱源を得るコンロ14が設けられ、コンロ14によりオイルバス15内の油が加熱される。オイルバス15と熱交換タンク5の間には媒体循環路6が設けられ、オイルバス15では、媒体循環路6で送られた媒体が、例えば、85℃〜150℃に加熱される。その他の構成は第1実施形態例と同一である。
【0037】
また、図5に示すように、燃料(例えば、携帯燃料等)の燃焼により熱源を得るコンロ14が設けられ、コンロ14により加熱される加熱部17が媒体循環路6に形成されている。加熱部17では、媒体循環路6で送られる媒体が、例えば、85℃〜150℃に加熱される。その他の構成は第1実施形態例と同一である。
【0038】
第3実施形態例及び第4実施形態例の可搬型発電装置では、簡易なコンロ14を用いて手軽に発電を行うことができる。
【0039】
第1実施形態例〜第4実施形態例の可搬型発電装置では、熱交換タンク5を用いて市水を温水として給湯する例を挙げて説明したが、冷却タンクに市水を貯めて温水として給水することも可能である。また、市水に代えて、熱交換タンク5や冷却タンクに恒温循環器等からの恒温水を供給することも可能である。更に、給湯を行なわずに、流水により媒体を冷却する機能を持たせる構成にすることも可能である。この場合の流水としては、市水や各種施設の排水、雨水等を利用することが可能である。更に、外部熱源に付加して環境エネルギー(太陽熱や大気からの吸熱)の熱を用いて媒体を加熱する構成を適用することも可能である。
【0040】
上述した実施形態例の可搬型発電装置は、内燃機関を用いずに発電動力を得ることができ、騒音や排気ガスに対する問題が生じることがない可搬型発電装置となる。このため、使用場所や使用時間帯等の制約を大幅に減らすことが可能になり、手軽に発電を実施することができ、電源の確保が極めて容易になる。また、内燃機関を用いずに追焚き器1やコンロ14の排ガスが生じるだけなので、可搬型発電装置が普及することにより、トータルのCOの排出が減少し、CO削減に対して有利な装置となる。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明は、屋外等で使用する可搬型発電装置の産業分野で利用することができる。
【符号の説明】
【0042】
1 追焚き器
2 循環配管
3 蓄熱タンク
4 循環ポンプ
5 熱交換タンク
6 媒体循環路
7 昇圧ポンプ
8 発電手段
9 膨張手段
10 発電機
12 第2循環配管
14 コンロ
15 オイルバス
17 加熱部
21 ケーシング
22 固定スクロール
23 ステータ
24 回転軸
25、28 軸受
26 ロータ
27 旋回軸
31 旋回スクロール
32 膨張室
34 自転防止機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部熱源により媒体を昇温させる昇温手段と、
固定スクロール及び旋回スクロールで形成される膨張室で前記媒体を膨張させる膨張手段と、
前記旋回スクロールに設けられた旋回軸及び前記旋回軸を偏心して支持する回転軸を有し、前記膨張室で前記媒体が膨張されることにより前記旋回スクロールを介して前記旋回軸に旋回力が伝達され、前記旋回軸の旋回力により前記回転軸が回転することにより電力を得る発電機と、
前記膨張手段で膨張されて仕事を終えた前記媒体を昇温手段に循環させる媒体循環系と、
前記媒体循環系の前記媒体を冷却する冷却手段とを備え、
前記外部熱源は、燃料の燃焼熱を熱源とするものであり、
前記昇温手段は、前記外部熱源により昇温媒体を加熱する手段を備え、昇温媒体の熱を回収して前記媒体を昇温させる手段であり、
前記昇温媒体は油であり、
前記冷却手段は、前記媒体の熱を回収して温水を得る給湯手段である
ことを特徴とする可搬型発電装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−197791(P2012−197791A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−118987(P2012−118987)
【出願日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【分割の表示】特願2008−51255(P2008−51255)の分割
【原出願日】平成20年2月29日(2008.2.29)
【出願人】(000192383)アルバック理工株式会社 (26)
【出願人】(599071245)株式会社リッチストーン (24)
【Fターム(参考)】