説明

可搬式マンウェイカバーヒンジ装置

【課題】マンウェイカバーの取り外し、設置、支持、格納にあたって、迅速かつ容易に設置できる可搬式マンウェイカバーヒンジ装置を提供すること。
【解決手段】可搬式マンウェイカバーヒンジ装置10は、1対のヒンジ部材20を有し、各ヒンジプレート20は、マンウェイカバー4およびマンウェイフランジ2のボルト穴2a、4aと位置を合わせるために配置するヒンジ開口部を有する支持部材40と、各ヒンジ部材20の第1端部に隣接し、かつヒンジ部材20の平面から突出する結合部材30と、1対のヒンジ部材20の結合部材30のオーバーラッピング対を接続するピボット接続部とを有する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[背景技術]
(発明の技術分野)
本発明は、一般に密閉空間(例えばタンク、導管、貯蔵所、伝熱管)に出入りするための「マンウェイ」カバーに関する。特に、本発明は、「マンウェイ」カバーの取り外しを補助するメカニズムに関する。特に、本発明は、補助のない個人とっては重すぎて取り扱えない「マンウェイ」カバーの取り外しおよび設置を取り扱うメカニズムに関する。
(従来技術の説明)
マンウェイカバーは、一般に大きくて重い金属板であり、開口部にボルト留めされる。本発明の目的のために、「マンウェイカバー」の定義は、圧力容器、真空室、空気容器、熱交換器、熱交換器チャネルカバー、熱交換器チャンネル、熱交換器ボンネット、熱交換器シェルカバー、皿形鏡板、半球形ヘッド、ハーフカバー(分割した冷却缶熱交換器の上など)、チラーコンデンサ、チラー熱交換器、チラー冷却器、検査ポート、または任意の種類のめくら板の上で使用する、任意の重いカバーまたは閉鎖を明白に意味し、人間が通過できる寸法の開口部の上で使用するカバーのみに限定するようには解釈されない。最も一般的なものは、円形の形状であり、開口部の周辺に均一の間隔を置く複数のボルトによってフランジに嵌合する。しかしながら、重いカバーは任意の形状でよいことを理解すべきである。定義したマンウェイカバーは、一般に密閉空間、例えば、タンク、導管、貯蔵所、移送管、圧力容器、真空室、空気容器、熱交換器、熱交換器チャネルカバー、熱交換器チャンネル、熱交換器ボンネットなどへの出入りを提供する。この種のカバーは、発電所、熱併給発電所、水蒸気発生工場、化学工場、石油化学工場、精練所、製薬工場、空気分離工場、飲料工場、食品加工工場、冷暖房施設、セントラルヒーティングおよび冷却系統を有する建物、チラー冷却系統を有する建物、浄水場、廃棄物管理工場、乳製品工場、石油タンク集合地域、ガス貯蔵施設、液化天然ガス貯蔵施設、製造用設備、および/または、タンク、容器、配管、熱交換器、チラー、ボイラー、タービン、および/または類似の性質の機器を有する任意の施設において一般的に見いだされる。
【0002】
日常の手入れおよび検査要求事項ならびに他の作動条件のために、これらのカバーを定期的に取り外す必要がある。カバーの典型的な場所および重量を考慮すると、カバーを取り外したり再設置したりすることは、単純な作業でない。取り外しは、手動のダビットスイングアーム、チェーンフォール、ラチェットホイストを用いて、および力ずくで、現在のところは達成している。ダビットスイングアームを例外として、取り外し作業工程の間に、カバーを水準面までの距離に下げる必要がある。
【0003】
マンウェイカバーの取り外しおよび再設置を容易にするために、様々な装置が提案されている。米国特許出願公報第2005/0242051号明細書(2005年、ポレブスキら)には、着脱可能なカバー支持システムが開示されており、このシステムは、カバーアセンブリのカバーフランジ穴と、締着ベースアセンブリに結合する保持スリーブと、保持スリーブによって回転可能に支持するスイングアームアセンブリと、スイングアームアセンブリに結合する巻上げメカニズムと、の少なくとも1つを通して摺動可能に挿入可能なベース部材および締着メカニズムを有する。
【0004】
米国特許第4,519,519号明細書(1985年、ミューシュクら)には、移送管およびハッチカバーに結合することによってカバーを離して移動させるダビットアセンブリが開示されている。スイングアームであるダビットアセンブリは、移送管の外部に恒久的に取り付ける。
【0005】
米国特許第4,297,072号明細書(1981年、シャーら)には、楕円形のマンウェイ出入り開口部を有する機器上に回転可能に取り付け可能な支持アームを有するマンウェイ取り扱い装置が開示されている。支持アームは、取り付けた際に、出入り開口部に近づいたり離れたりするように揺動可能であり、アーム上に縦に調節可能に位置決めできるベアリングブロック支持ブラケットを担持する。ベアリングブロックは、ブラケットにおいて垂直に調節可能に位置決めでき、楕円形のカバーに取り付け可能な軸を摺動可能に支持する。軸は、クランクハンドルの回転によって作動する際にカバーを傾ける効果のある構造手段を担持し、カバーの設置および取り外しを容易にする。
【0006】
米国特許第4,865,513号明細書(1989年、ノリス)には、可搬式マンウェイカバー取り扱い装置が開示される。ブームは、縦の平行移動のためにスリーブ内に取り付け、スリーブは、ベースプレートに対してヒンジをつけ、ベースプレートは、C型クランプによってマンウェイカバーの正面の上部構造ビームに固定可能である。流体操作器は、スリーブを圧迫することによってその上昇を調整する。動力ケーブルウィンチは、ブームの一端に接合し、そのケーブルがブームを通過し、ブームは、対向端部に対して中空であり、マンウェイカバーの上部エッジに固定するアイに対して取付けるための締着具に対するプーリーについて中空である。押さえ金は、カバーに取り付けたケーブルを用いて、マンウェイカバーを圧迫するように液圧で作動するので、所定の位置にカバーを保持するボルトを取り外すことができる。ガイドピンは、取り付けフランジを設置するために提供され、カバーを取り外すときよりもむしろ取り付けるときに、ボルト孔によってカバーを位置決めへと導く。
【0007】
従来技術の装置は、様々な不利を難点としている。スイングアーム装置は、大きく、アセンブリをマンウェイに着脱自在に取り付けるための複数の部品を備え、あるいは、スイングアームは、マンウェイに恒久的に取り付ける。他の装置もまた、大きくてかさばる複雑な構造であり、C型クランプによって上部構造ビームに固定するために、装置のベースプレートを必要とするブームを使用する。
【0008】
従って、コンパクトで可搬式のマンウェイカバー取り扱い装置が必要である。更に、マンウェイカバーを取り外す必要があるときのみにマンウェイから着脱が容易な、マンウェイカバー取り扱い装置が必要である。更にまた、従来技術の装置と比較して相対的に軽量であるマンウェイカバー取り扱い装置が必要である。更になおまた、組み立てやすいマンウェイカバー取り扱い装置が必要である。
[発明の概要]
本発明の目的は、マンウェイカバーの取り外し、設置、支持、格納にあたって、迅速かつ容易に設置できる可搬式マンウェイカバーヒンジ装置を提供することである。本発明の別の目的は、マンウェイカバーの取り外し、設置、支持、格納にあたって、狭い領域または過密な領域において使用できる可搬式マンウェイカバーヒンジ装置を提供することである。本発明の更なる目的は、マンウェイカバーの取り外し、設置、支持、格納にあたって、床からそのように使用する必要のない可搬式マンウェイカバーヒンジ装置を提供することである。本発明の更に別の目的は、マンウェイカバーの取り外し、設置、支持、格納にあたって、可搬式であり、異なる場所において要求に応じて使用できる、可搬式マンウェイカバーヒンジ装置を提供することである。本発明の更に別の目的は、マンウェイカバーの取り外し、設置、支持、格納にあたって、一人の人間が取り扱って設置できる、可搬式マンウェイカバーヒンジ装置を提供することである。
【0009】
本発明の別の目的は、設置のために溶接を必要としない可搬式マンウェイカバーヒンジ装置を提供することにある。ただしここで、一部の機器構造(圧力容器など)に対する溶接が、機器構造の完全性/信頼性、または機器構造の再検定に悪影響を与えることがあることを想定する。
【0010】
本発明のさらなる目的は、マンウェイカバーを有する非鉄構造物、非金属構造物の少なくとも一方の上で使用してもよい可搬式マンウェイカバーヒンジ装置を提供することである。多くの機器構造は非金属材料(例えばファイバーグラス(登録商標)または他の複合材料)で構成されるので、この環境においてマンウェイカバーを操作する方法は非常に望ましい。
【0011】
本発明の更に別の目的は、比較的に汎用であり、様々なサイズのマンウェイカバーに使用できる、可搬式マンウェイカバーヒンジ装置を提供することである。
本発明は、可搬式マンウェイヒンジ装置を提供することによって、これらおよび他の目的を達成する。一実施形態において、マンウェイヒンジ装置は、1対の細長いヒンジ部材を含み、各ヒンジ部材は、1対の縦に並ぶ細長い開口部と、細長い開口部の各々に摺動可能に結合する支持部材(支持部材はピン受け端部を有する)と、1対の細長いヒンジ部材の各々に回転自在に結合する結合部材とを含む。任意のピンを提供してもよく、あるいは支持部材をマンウェイカバーおよびフランジに固定するためのピンとして、マンウェイカバーボルトを使用してもよい。
【0012】
分割カバーを有するマンウェイのために、本発明は、2つの可搬式マンウェイヒンジ装置を使用するための任意の部品を更に含む。一実施形態において、任意の部品は、1つのヒンジ装置の1つのヒンジ部材を、隣接するヒンジ装置の連続的に並ぶヒンジ部品に結合する、ヒンジコネクタである。ヒンジコネクタは、アライメントピン、ねじ螺杆、締着ブラケットなどを使用して、2つの連続的に並ぶヒンジ部品の間に取り付けてもよい。別の実施形態において、任意の部品は、ヒンジ装置の一端に結合、または一端に隣接して結合する、水準化部材である。フランジヒンジ部材上の水準化部材は、フランジの外縁エッジと接触、またはフランジに結合するマンウェイ延長部分と接触するように配置してもよい。カバーヒンジ部材上の水準化部材は、カバーの外縁エッジと接触するように配置する。
【0013】
別の実施形態において、可搬式マンウェイヒンジ装置は、複数の支持部材を有する1対のヒンジプレートを含み、各支持部材は、ヒンジプレートの各々の第1横縁に隣接するヒンジ穴と、ヒンジプレートの各端部に隣接し、かつヒンジプレートの各々の第2横縁に隣接するヒンジプレートの平面から突出する、結合部材と、1対のヒンジプレートの結合部材のオーバーラッピング対に接続するピボット接続部とを有する。ピボット接続部は、重なる結合部材の各対における結合開口部に挿入する回動ピンでもよく、あるいは、ヒンジ装置に関連する結合部材の各オーバーラッピング対を延長して接続する単一の回動ピンでもよい。更に、ヒンジプレートの1対の各々の結合部材は、入れ子状態またはオフセットになっていてもよい。各ヒンジプレートは、プレート補強材を任意に含んでもよい。一実施形態において、プレート補強材は、結合部材の間のヒンジプレートの平面から突出することによって、ヒンジプレートおよび結合部材を補強する。別の実施形態において、プレート補強材は、結合部材に対向する側のヒンジプレートの平面から突出し、結合部材の外面にわたって更に延びることにより、ヒンジプレートおよび結合部材を更に補強する。結合部材は、結合開口部を有するプレートであるか、あるいは一端がヒンジプレートに取り付けられ他端が結合ピン受け開口部であるロッドであってもよい。複数のヒンジプレート開口部は、ヒンジ装置を取り付けるマンウェイカバーのボルト孔に位置を合わせるように間隔を置く。
【0014】
更に別の実施形態において、可搬式マンウェイヒンジ装置は、ヒンジプレートの各々の第1横縁に隣接する複数のヒンジ穴を含む1対のヒンジプレートと、結合部材本体から離れて延びる結合部材タブを有する1対の結合部材(結合部材タブはヒンジプレートにおける結合部材スロットを通って延びる)と、着脱可能な結合部材とヒンジプレートの面との間に取り付け可能な任意の調整スペーサとを含む。任意の調整スペーサは、ヒンジ装置を多種多様な厚さのカバーおよびフランジに取り付けることを可能にする。
【0015】
更に別の実施形態において、前述の実施形態のいずれかの可搬式マンウェイヒンジ装置は、1対のヒンジプレートを有し、ヒンジプレートの第1横縁に隣接する複数のヒンジ穴のうちの1つは、ヒンジ取付けスロットである。スロットは、カバーおよびフランジにおけるボルト穴の垂直線間距離の差、ならびにカバーのボルト穴とフランジのボルト穴とが異なるように間隔を置く垂直線間距離の差を調節するために使用する。
【0016】
別の実施形態において、可搬式マンウェイヒンジ装置は、上部ヒンジ支持体と下部ヒンジ支持体とを含む分割ヒンジ装置である。上部ヒンジ支持体および下部ヒンジ支持体の各々は、分割ヒンジプレートの各々の一端において少なくとも結合部材を有する1対の分割ヒンジプレートと、1対の分割ヒンジプレートの各々の結合部材のオーバーラッピング対を接続するピボット接続部とを有する。ピボット接続部は、重なる結合部材の各対のための回動ピンでもよく、あるいは分割ヒンジ装置に関連する結合部材の各オーバーラッピング対を延長して接続する単一の回動ピンでもよい。分割ヒンジプレートの1対の各々の結合部材は、入れ子状態またはオフセットになっていてよい。すでに開示したように、各ヒンジプレートは、プレート補強材を任意に含んでもよい。
【0017】
本発明のすべての実施形態において、任意のピンを提供してもよく、あるいは、マンウェイカバーボルトは、支持部材をマンウェイカバーおよびフランジに固定するためのピンとして使用してもよい。ピンは、ねじ付きの、先細り状の、ねじ山のついていない、ロッド、ボルトの少なくとも一方、伸長プラグなどでもよい。
【0018】
カバーおよびカバーフランジ上のボルト穴を用いることによる本発明の主な利点の1つは、本発明が、着脱可能なカバーを有する機器にヒンジ装置を溶接する必要がないということである。
[発明の実施形態の詳細な説明]
図1〜図24に、本発明の好ましい実施形態を例示する。図1は、マンウェイ上の可搬式マンウェイカバーヒンジ装置10の使用方法を例示する。ヒンジ装置10は、1対の細長いヒンジ部材20と、結合部材30と、複数の支持部材40とを含む。細長いヒンジ部材20のうちの1つは、マンウェイカバーフランジ2に結合し、細長いヒンジ部材20の残りは、マンウェイカバー4の外縁エッジに結合する。結合部材30は、1対の細長いヒンジ部材20に枢着し、マンウェイ開口部6か離れて配置するマンウェイカバー4を揺動するように構成することによって、マンウェイ構造の内部への出入りを提供する。複数のピン60は、複数の支持部材40を、マンウェイフランジ2およびマンウェイカバー4のそれぞれの複数のボルト穴2aおよび4aに固定する。
【0019】
図2は、可搬式マンウェイカバーヒンジ装置10を例示する。ヒンジ装置10は、1対の細長いヒンジ部材20を含む。ヒンジ部材20は、フランジヒンジ部材20aと、カバーヒンジ部材20bとを備える。結合部材30は、各端部において、フランジヒンジ部材20aをカバーヒンジ部材20bに結合する。結合部材30は、細長いヒンジ部材20同士の適切な間隔を維持しながら、1対の細長いヒンジ部材20を互いに対して回転させるように構成する。細長いヒンジ部材20は各々、それを通る1対の縦に並ぶ開口部22を有する。各縦に並ぶ開口部22は、それを通して受け入れる支持部材40を有することにより、ヒンジ装置10を、マンウェイフランジ2およびマンウェイカバー4に結合する。支持部材40は、マンウェイフランジ2およびマンウェイカバー4に結合するために使用するピン受け端部42を有する。図2から理解できるように、フランジヒンジ部材20aおよびカバーヒンジ部材20bは、部材20aおよび20bの表面に任意の凹部24を有する。部材20aおよび20bは、縦に並ぶ開口部22から最も遠い長手縁部から内側のヒンジ部材20のほぼ中央に配置する。
【0020】
図3は、フランジヒンジ部材20aの正面図である。フランジヒンジ部材20aは、縦に並ぶ開口部22を有する。開口部22は、好ましくはフランジヒンジ部材20aの中心部25の中に配置する。開口部22の伸長側22'のうちの1つは、フランジヒンジ部材20aの長手方向中心線100に沿って配置する。開口部22は、互いに間隔を置いて配置することにより、異なるサイズのマンウェイカバーで使用するように調整可能である。放射状のカバーボルトの場所の間の間隔は、マンウェイカバーのサイズに依存して異なるのが一般的である。細長い開口部22は、カバー4のボルトの間の距離の差について調整するように構成する。任意の凹部24は、開口部22から長手方向中心線100の反対側の中心部25に配置する。好ましくは、凹部24は、部材端26に隣接する。各ヒンジ部材端部21は、結合部材30(図示せず)をフランジヒンジ部材20aに結合する締着具を受け入れるための末端凹部21aを有する。
【0021】
図4は、任意の凹部24を示す側面図である。図に示すように、任意の凹部24は、V字型であるが、マンウェイフランジ2またはカバー4の外縁エッジに対して位置づける表面を提供する任意の形状でもよい。開口部22は、フランジヒンジ部材20aを完全に貫通し、細長くなっていることにより、支持部材40(図示せず)を縦に調整する間隔を提供する。図5は、末端凹部21aを示すフランジヒンジ部材20aの端面図である。末端凹部21aは、好ましくはねじ付き凹部であるが、択一的に、着脱可能なフレアレス管継ぎ手のために構成してもよい。
【0022】
図6は、カバーヒンジ部材20bの正面図である。カバーヒンジ部材20bは、縦に並ぶ開口部22を有する。開口部22は、好ましくはカバーヒンジ部材20bの端部27の中に配置する。開口部22の伸長側22'のうちの1つは、フランジヒンジ部材20bの長手方向中心線100に沿って配置する。開口部22は、互いに間隔を置いて配置することによって、異なるサイズのマンウェイカバーで使用するように調整できるのみならず、マンウェイカバー4にとってより良好な支持を提供し、カバーヒンジ部材20bの支持部材40をフランジヒンジ部材20aの支持部材40に不注意に位置合わせすることを防止する。フランジヒンジ部材20aの細長い開口部22のように、カバーヒンジ部材20bの細長い開口部22は、カバー4のボルト間の距離の差について調整するように構成する。カバーヒンジ部材20bは、任意の凹部24を更に有してもよい。任意の凹部24は、開口部22から長手方向中心線100の反対側の中心部25に配置する。好ましくは、凹部24は、部材端26に隣接する。各ヒンジ部材端部21は、結合部材30(図示せず)をカバーヒンジ部材20bに結合する締着具を受け入れるための末端凹部21aを有し、当業者に公知であるように、結合部材30による取付けを支持する締着具を受け入れるように構成してもよい。
【0023】
図7は、任意の凹部24を示す側面図である。図に示すように、任意の凹部24は、V字型であるが、マンウェイカバー4の外縁エッジに対して位置づける表面を提供する任意の形状でもよい。開口部22は、カバーヒンジ部材20bを完全に貫通し、細長くなっていることにより、支持部材40(図示せず)を縦に調整する間隔を提供する。図8は、末端凹部21aを示すカバーヒンジ部材20bの端面図である。図に示すように、フランジヒンジ部材20aおよびカバーヒンジ部材20bは、縦に並ぶ開口部22の位置を除いて、同様である。このことは、部品の製造を単純化し、従ってコストを削減する。
【0024】
ここで図9を参照し、結合部材30の平面図を例示する。結合部材30は、一方の端部の近くの第1結合開口部34と、対向する端部の近くの第2結合開口部36とを有する。第2結合開口部36は、好ましくは細長いスロットであり、マンウェイフランジ2およびマンウェイカバー4のサイズ/厚さに依存する、フランジヒンジ部材20a(図示せず)とカバーヒンジ部材20b(図示せず)との間の距離を調整するメカニズムを提供する。第1結合開口部34および第2結合開口部36は、結合部材30をフランジヒンジ部材20aおよびカバーヒンジ部材20bの端部21に取り付ける締着具を受け入れるように構成する。
【0025】
図10は、結合部材30の端面図である。図10は、第1脚31と第2脚32とを有するL字型の結合としての結合部材30を例示する。なお、結合部材30は、L字型の代わりに、平坦でもよく、または管状でもよい。結合部材30の目的は、フランジヒンジ部材20aをカバーヒンジ部材20bに結合することであり、ヒンジ部材20aと20bとが回動可能に結合することにより、カバー4をフランジ2から離れて揺動させる。
【0026】
図11は、支持部材40の側面図である。好ましくは、支持部材40は、ピン受け端部42を有するねじ螺杆41を有する。ピン受け端部42は、ピン受け開口部43を有する。任意に、ピン受け開口部43は、マンウェイカバー4をマンウェイフランジ2に固定するボルトと類似のボルトを受け入れるように、ねじ山をつけてもよい(あるいはカバーボルト自体であってもよい)。ボルトは、支持部材40をマンウェイフランジ2およびマンウェイカバー4に結合するピン60としての役割を果たす。支持部材ナット44は、ねじ付きロッド41にねじ式に取付けるように構成し、支持部材40をヒンジ部材20aおよび20bの細長い開口部22の中に保持するために使用する。
【0027】
場合によって、マンウェイカバーは、分割カバーである。本発明は、マンウェイカバーヒンジ装置10をわずかに変更することによって、分割マンウェイカバー上で使用してもよい。図12は、そのような変更の一実施形態を例示する。図12は、マンウェイカバーフランジ2に対して適所にあるマンウェイカバー4を示す。この場合には、2つのヒンジ装置10を使用する。ヒンジ装置10は、互いの端と端を接して連続的に並ぶ。ヒンジコネクタ80は、2つの連続的に並ぶヒンジ装置10の間の、フランジヒンジ部材20aおよびカバーヒンジ部材20bの各端部21に着脱自在に取り付けられ、マンウェイフランジ2およびマンウェイカバー4の外縁エッジが接触する表面を提供する。ヒンジコネクタ80は、アライメントピン、ねじ螺杆、管状ブラケットなど(図示せず)を有するヒンジ装置10に結合してもよい。図13は、図12の実施形態の斜視図であり、マンウェイカバーフランジ2から離れて枢動するマンウェイカバー4を示す。
【0028】
図14は、分割マンウェイカバーとともに用いる本発明の別の実施形態の側面図である。この実施形態において、ヒンジ装置10は、互いに隣接して連続的に並ぶが、共に結合はしない。これに代わって、各ヒンジ装置は、フランジヒンジ部材20aおよびカバーヒンジ部材20bの端部27に取り付ける水準化部材90を有する。図14に例示する実施形態において、水準化部材90は、止めねじである。フランジヒンジ部材20aの水準化部材90は、マンウェイフランジ2の外縁エッジ、またはマンウェイフランジ2を取り付ける延長管(図示せず)に接触してもよい。この図に、マンウェイカバー4およびマンウェイフランジ2のボルト穴に通すピン60の使用方法を更に示す。カバーヒンジ部材20bの水準化部材90は、好ましくはマンウェイカバー4の外縁エッジと接触する。
【0029】
ここで図15Aを参照して、可搬式マンウェイヒンジ装置100を示す本発明の別の実施形態を例示する。マンウェイヒンジ装置100は、1対のヒンジプレート110および120と、結合部材130と、枢動連結機構150とを含む。各ヒンジプレート110および120は、それぞれヒンジ穴114および116を有する支持部材112および122を有する。ヒンジ穴114および116は、マンウェイカバーおよびマンウェイフランジのボルト開口部と並ぶように配置する。なお、マンウェイカバーおよびマンウェイフランジの既存のボルト開口部が、本発明とともに用いるのに不適切である場合、更なるボルト開口部を、本発明とともに用いるのに適切なマンウェイカバーおよびマンウェイフランジの中に構成してもよい。結合部材130は、各ヒンジプレート110および120の第1ヒンジプレート端部118および128に隣接し、各ヒンジプレート110および120の平面から突出する。枢動連結機構150は、ヒンジプレート110の結合部材130を、ヒンジプレート120の結合部材130に枢着し、ヒンジプレート110および120が互いに枢支することを可能にする。結合部材130は、(ヒンジプレート120と一体化した)ヒンジプレート120の曲がった延長部分でもよく、あるいは締着具や圧縮スタッドなどを使用してヒンジプレート120に溶接したり確実に取り付けたりする独立部品であってもよい。
【0030】
図15Bは、ヒンジ装置100の正面図である。この図は、ヒンジプレート110および120および結合部材130の空間関係を明らかに示す。図に示すように、ヒンジプレート110の結合部材130は、プレート120の結合部材130の中で入れ子状態になっている。あるいは、結合部材130は、任意にオフセットアセンブリとして製造してもよく、ヒンジプレート110の結合部材130は、隣接するヒンジプレート120の結合部材130に対して内側にあるが、ヒンジプレート110の対向端部の結合部材130は、隣接するヒンジプレート120の結合部材130に対して外側にある。
【0031】
図16A、図16Bおよび図16Cは、閉位置および開位置のマンウェイカバー4およびマンウェイフランジ2に取り付けたヒンジ装置100を例示する。図16Aは、カバー4に取り付けるヒンジプレート120の斜視カバー図である。図16Bは、フランジ2に取り付けるヒンジプレート110の斜視フランジ図である。図16Cは、カバー4がフランジ2に対して開位置にあるヒンジ装置100の外部斜視図である。これらの図の各々は、ヒンジ装置100の任意選択機能を示す。この実施形態において、任意の切欠きまたはノッチ102は、カバーボルトへの出入りを提供するものであり、ヒンジ装置100をカバー4およびフランジ2に取り付けるために本来は除去しないものである。切欠きまたはノッチ102に対する代替案は、カバー/フランジボルトと一致するヒンジプレート110および120に複数の開口部を配置することである。複数の開口部のサイズは、カバー/フランジボルトへの出入りを可能にするために十分に大きいことを理解すべきである。
【0032】
ここで図17Aを参照して、図15Aの実施形態のヒンジプレート110の側面図を例示する。ヒンジプレート110は、好ましくは、第1ヒンジプレート端部118および第2ヒンジプレート端部118'に結合する1対の結合部材130と、1対の支持部材112と、1対のヒンジ穴114とを含み、各ヒンジ穴114は、対応する支持部材112に配置する。任意のノッチ102は、1対の支持部材112の間に配置する。図17Bは、ヒンジプレート110の端面図であり、結合部材130を示す。結合部材130は、好ましくは、結合ピン(図示せず)を受け入れるための結合開口部132を有する。図17Cは、ヒンジプレート110の背面図である。各結合部材130は、ヒンジプレート110の平面から所定の距離にわたって同じ方向に離れて延びる。その長さは、カバーおよびカバーフランジの外縁エッジから間隔を置いて回転軸を提供するのに一般に十分なので、ヒンジプレート110を取り付けるカバーは、カバーフランジから離れて回転できる。
【0033】
ここで図18Aを参照して、ヒンジプレート110の別の実施形態を例示する。ヒンジプレート110は、1対の結合部材130と、支持部材112と、ヒンジ穴114とを含む、上述の機能の全てを含む。更に、ヒンジプレート110は、任意の内部プレート補強材170を含む。内部プレート補強材170は、ヒンジプレート110に取り付け、結合部材130の間に延びる、補強部品である。内部プレート補強材170は、ヒンジプレート110および結合部材130を補強支持する。図18Bは、ヒンジプレート110の端面図を示す。好ましくは、各結合部材130は、結合開口部132を有し、結合開口部132は、ヒンジプレート110の重なる結合部材130をヒンジプレート120の対応する結合部材130に結合する枢支ピン(図示せず)を受け入れるためのものである。内部プレート補強材170は、結合部材130の内部端に配置するように示すが、結合部材130の間の他の配置代替案もまた、当業者の技術の範囲内で可能である。図18Cは、ヒンジプレート110および内部プレート補強材118の背面図を示す。結合部材130のように、内部プレート補強材170は、好ましくはヒンジプレート110の平面から突出する。なお、内部プレート補強材170がヒンジプレート110から離れて延びる距離は、単に例示的なものであり、内部プレート補強材170は、結合部材130の長さまたは中間の任意の長さに延びてもよい。
【0034】
図19は、外部プレート補強材170’を有するヒンジプレート110を例示する。ヒンジプレート110は、ヒンジプレート開口部114と結合部材130とを有する支持部材112を含む。外部プレート補強材170'は、結合部材130と同じ反対方向へヒンジプレート110の平面から突出する補強材プレート部分172と、結合部材130にわたって延びる補強材結合部174とを有する。図示する外部プレート補強材170’の位置は限定されないことを理解すべきである。外部プレート補強材170'がヒンジプレート110の枢動連結機構を妨げない限り、補強材結合部174が結合部材130の任意の領域にわたって延びるように、外部プレート補強材170'を配置してもよい。
【0035】
ここで図20を参照して、結合部材130の別の実施形態を用いるヒンジプレート110を例示する。結合部材130は、結合スペーサ部134と、結合ピボット部131とを含む。結合ピボット部131は、結合開口部132を含む。
【0036】
図21は、ヒンジ装置100の別の実施形態の斜視図を例示する。この実施形態において、ヒンジプレート110および120は、調節可能な結合部材140を含む。調節可能な結合部材140は、結合部材本体142と、結合部材タブ144とを含む。任意の結合部材スペーサ148も提供する。結合部材タブ144は、枢動連結機構150を受け入れるように構成する。結合部材スペーサ148は、ヒンジプレート110、120および結合部材本体142の間に任意に配置する。結合部材スペーサ148は、カバーおよびカバーフランジの厚さに基づいてヒンジ回転軸を調整するように、様々な厚さで提供してもよい。任意のヒンジ調整スロット115を更に示す。
【0037】
図22は、ヒンジ装置100実施形態の正面図である。図に示すように、複数のヒンジタブ締着具149は、調節可能な結合部材140および任意の結合部材スペーサ148を、ヒンジプレート110および120に固定する。結合部材スペーサ148を使用しないことによって、または異なる厚さを有する結合部材スペーサ148を使用することによって、ヒンジプレート110および120に対する枢動連結機構150の空間位置を調整することを認識すべきである。この調整機能は、異なる厚さのカバーおよびカバーフランジのためにヒンジ装置100を変更することを可能にする。なお、1つのヒンジプレートのみが調節可能な結合部材140を有してよく、他のヒンジプレートは固定した結合部材130を有する。
【0038】
ここで図23を参照して、図21および図22に例示するヒンジ装置100の分解図を例示する。より明らかに示すように、ヒンジプレート110は、結合部材スロット117を含む。結合部材スロット117は、結合部材タブ142を受け入れる。結合部材タブ142は、ヒンジプレート110の平面から突出する。任意の結合部材スペーサ148は、結合部材タブ142がヒンジプレート110から離れて延びる距離を調整するための手段を提供し、従って枢動連結機構150の相対位置を提供する。任意の結合部材スペーサ148を使用しない場合、枢動連結機構150の相対位置は、ヒンジプレート110から更に間隔を置く。任意の結合部材スペーサ148を使用する場合、枢動連結機構150の相対位置は、ヒンジプレート110に近づく。枢動連結機構150およびヒンジプレート110の間の距離は、結合部材スペーサ148の厚さによって決定する。調節可能な結合部材140をヒンジプレート110に結合するための複数のヒンジタブ締着具149として、ボルトを使用することが好ましい。この実施形態において、ヒンジ穴114の代わりに、ヒンジ支持体112における任意のヒンジ調整スロット115を更に例示する。カバーにおける穴の間の間隔は、フランジの直径、およびフランジの周囲のボルト穴の数によって変化するので、任意のヒンジ調整スロット115を提供することによって、複数のフランジ幾何学的形状について調整できるようにする。
【0039】
比較的に大きいカバーを取り外す場合や、分割カバーが予想される場合には、分割ヒンジの実施形態が考察される。図24は、カバー4の上の分割ヒンジ装置200の一実施形態を例示する。分割ヒンジ装置200は、上部ヒンジプレート220と、下部ヒンジプレート220’とを含む。上部ヒンジプレート220および下部ヒンジプレート220’は、結合部材130と、ヒンジプレート開口部124とを含む。上部ヒンジプレート220および下部のヒンジプレート220’は、第2結合部材130’を任意に含んでもよい。カバーヒンジプレート220および220'のみを例示するが、カバーフランジ2は、対応するフランジヒンジプレートを更に有し、フランジヒンジプレートは、フランジヒンジプレートをカバーヒンジプレートに結合する枢動連結機構を有するものと理解される。
【0040】
本発明のすべての実施形態において、ピン60は、ボルトまたはピンでよい。例えば、ピン60は、マンウェイカバー4およびマンウェイカバーフランジ2からの既存のスタッドまたはボルト、締りばめピン、フランジ穴およびカバー穴における締りばめを有する特殊なボルト/ピン、支持部材40のねじ付きピン受け端部42に取り付けるように構成するスレッドを有するボルト、テーパピン、拡張可能プラグ、フランジ穴およびカバー穴に対して偏心または同心のボルト/ピンであってもよく、穴に対する動きばめまたは締りばめであってもよく、カバー穴は、ボルトを受け入れるようにねじ山をつけられてもよい。
【0041】
本発明の図1〜図14のヒンジ装置10を使用する方法のうちの1つを、ここに説明する。マンウェイカバー4の1つの部分から、複数のボルトを取り外す。支持部材40は、フランジヒンジ部材20aおよびカバーヒンジ部材20bの縦に並ぶ開口部22の各々に挿入するので、ピン受け端部42は、フランジ2およびカバー4のボルト穴と調節可能に位置を合わせる。支持部材ナット44は、各支持部材40の支持部材40の対向端部において、ゆるくねじ山をつけることによって、フランジヒンジ部材20aおよびカバーヒンジ部材20bから支持部材40が分離することを防止する。結合部材30は、ヒンジ部材20aおよび20bの各端部21にゆるく結合してもよく、あるいはヒンジ部材20aおよび20bをそれぞれフランジ2およびカバー4に結合した後で結合してもよい。フランジヒンジ部材20aは、フランジに結合するので、フランジヒンジ部材20aは、固定したヒンジ部材であると考えられる。結合部材30は、フランジヒンジ部材20aに枢着し、好ましくはカバーヒンジ部材20bに固定して結合する。
【0042】
ピン受け端部42は、フランジ/カバーボルトによってすでに占められる穴に位置を合わせる。ピン60は、各ピン受け端部42、および位置あわせをするフランジ2およびカバー4のボルト穴に挿入する。各ボルト穴は、2つのピン60(フランジ穴用に1つと、カバー穴用に1つ)を有する。カバーから取り外したボルトは、ピン60として使用してもよい。支持部材ナット44は、一旦挿入されると、ピン受け端部42をそれぞれのヒンジ部材20aおよび20bの方へ引くことによって、締められる。この動作により、ピン60がボルト穴に対して押圧し(特にねじ山のついていないピンを使用する場合)、ヒンジ装置10をカバーおよびフランジに固定する。支持部材40上の支持部材ナット44が十分に締められ、結合部材30が(あらかじめ取り付けられていない場合)確実に取り付けられると、残りのマンウェイカバーボルトが取り外され、カバーがフランジから離れて回転する。マンウェイカバーを再び取り付けるためには、手順を逆に行う。支持部材40のナット44を緩めてヒンジ装置10を分解する前に、カバーを適切な位置に回転し、大部分のカバーボルトを取り付けて固定する。本発明の多くの利点のうちの1つは、ピン60を使用することによってヒンジ装置10をフランジ2およびカバー4に固定することである。この構成により、カバー4をフランジ2に再設置する際に、カバー4をフランジ2に位置合わせすることが容易になる。
【0043】
なお、支持部材40は、引っ張るタイプの圧力を利用することによって、ピン60をカバーおよびフランジに固定する。すなわち、ピン60は、ヒンジ装置の方へ10を引っ張られる。しかしながら、単にスペーサロッドなどの構成を用いることによって、押すタイプの圧力を利用することもできることを理解すべきである。スペーサロッドは、ヒンジ部材22とカバー4およびフランジ2の外縁エッジとの間のスペーサとしての役割を果たすものであれば、ロッド、ネジ、ボルトまたは任意の構造でもよい。好ましいスペーサロッドの例は、ジャックスクリューまたは伸長ネジである。ジャックスクリューまたは伸長ネジを使用する場合、スペーサロッドは、止めねじとしても役立つ。そのような押すタイプの圧力の例は、米国特許出願公報第2005/0242051号明細書の図25〜図32に例示されており、それは参照によって本明細書に援用されている。
【0044】
使用中の支持部材40の偶然のゆるみを防止するために、本発明にロックナットを任意に組み込んでもよい。様々な構成が考察され、それらは本発明の範囲内にあるが、そのような各構成において、本発明をマンウェイカバー4およびマンウェイフランジ2に取り付けるために使用する各カバー穴および各フランジ穴に関して、ピン60とともに使用する支持部材40を必要とする。
【0045】
図15〜図24の実施形態に関して、より簡略化した方法をここに説明する。マンウェイカバー4の1つの部分から、複数のボルトを取り外す。ヒンジプレート開口部114がカバーフランジ2のボルト穴と位置が合うように、ヒンジプレート110を配置する。カバーフランジ2のボルト穴がブラインドホールである場合、あるいはそれらが不適当である場合、本発明とともに適切に使用する更なる穴を、カバー4およびカバーフランジ2の中に構成してもよい。ヒンジプレート110は、フランジに結合するので、ヒンジプレート110は、固定したヒンジ部材であると考えられる。ピン60は、各ヒンジプレート開口部114、およびフランジ2のボルト穴に挿入する。同様に、ヒンジプレート120は、ヒンジプレート110に対応するように配置するので、ヒンジプレート開口部124は、カバー4のボルト穴と位置が合う。ピン60もまた、各ヒンジプレート開口部124、およびカバー4のボルト穴に挿入する。従って、各ボルト穴は、ヒンジプレート110および120を、カバー4およびカバーフランジ2に結合するために、2つのピン60(フランジ穴用に1つと、カバー穴用に1つ)を有する。各ヒンジプレートが任意の数のヒンジ穴を任意に有することによって、カバーおよびフランジに更なる連結点を提供することも考えられる。ピン60は、好ましくは伸張可能なプラグまたはボルトである。ヒンジプレート110および120をカバーおよびカバーフランジに取り付ける前に、あるいはヒンジプレート110および120をカバーおよびカバーフランジに取り付けた後に、枢動連結機構150を、ヒンジプレート110および120の重なる対応する結合部材に取り付けてもよい。好ましい方法は、カバーおよびカバーフランジに取り付ける前に、枢動連結機構150を使用して、ヒンジプレート110および120を互いに結合することである。ヒンジプレート110および120が、カバーおよびカバーフランジに十分に固定すると、残りのマンウェイカバーボルトが取り外され、カバーがフランジから離れて回転する。
【0046】
マンウェイカバーを再び取り付けるためには、手順を逆に行う。ピン60をヒンジプレート110および120から取り外してヒンジ装置100を分解する前に、カバーは適切な位置に回転し、大部分のカバーボルトを取り付けて固定する。本発明の多くの利点のうちの1つは、ピン60を使用することによってヒンジ装置10または100をフランジ2およびカバー4に固定することである。この構成により、カバー4をフランジ2に再設置する際に、カバー4をフランジ2に位置合わせすることが容易になる。カバー4を再設置した後に、本発明をカバー4およびフランジ4の所定の位置に残すことも考えられる。このことを達成するために、ヒンジプレート110のヒンジプレート開口部、対応するヒンジプレート120、およびカバーをフランジに固定するためのスタッドナットを取り付けるのに十分なカバー穴およびカバーフランジ穴を通して、より長いスタッドを挿入する。ヒンジ装置100を使用してカバー4を開けるために、ユーザは単に、カバー4およびカバーフランジ2から残りのボルトを取り外す前に、ヒンジ穴114および124からスタッドナットおよびより長いスタッドを取り外し、ピン60を再び挿入する。
【0047】
本明細書で定義されるように、本発明は、マンウェイカバーを取り外すための簡略化した方法および装置を提供する。本発明は、一人の人間による、持ち運び、設置、および使用が可能である。様々な任意選択機能は、単一の装置において、カバー直径、ボルト穴間隔、およびカバー/カバーフランジ厚に関して、複数のフランジ幾何学的形状に適応する能力を提供する。更に、本発明は、比較的少ない構成部品を有することによって、マンウェイカバーを取り外すための、単純ではあるが有効であり容易に組み立てて持ち運べる装置を提供する。
【0048】
本明細書に本発明の好ましい実施形態を記載したが、上記の説明は単に例示的なものである。本明細書に開示する本発明の更なる変更は、当業者によって想到されるものであり、すべてのそのような変更は、特許請求の範囲に規定される本発明の範囲内にあるとみなされる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】マンウェイフランジおよびマンウェイカバーに取り付ける本発明の一実施形態を示す斜視図であり、開位置において支持されるマンウェイカバーを示す。
【図2】本発明の斜視図であり、ヒンジ装置の主要部品を示す。
【図3】本発明の細長いヒンジ部材の一実施形態の正面図であり、ヒンジ部材の中心部の中に配置して縦に並ぶ細長い開口部を示す。
【図4】図3に示す細長いヒンジ部材の側面図である。
【図5】図3に示す細長いヒンジ部材の端面図である。
【図6】本発明の細長いヒンジ部材の別の実施形態の正面図であり、ヒンジ部材の端部に配置する縦に並ぶ細長い開口部を示す。
【図7】図6に示す細長いヒンジ部材の側面図である。
【図8】図6に示す細長いヒンジ部材の端面図である。
【図9】本発明の結合部材の一実施形態の上面図であり、調整スロットを示す。
【図10】図9に示す結合部材の端面図である。
【図11】本発明の支持部材の一実施形態の側面図であり、ピン受け端部を示す。
【図12】本発明の別の実施形態の斜視図であり、1対の連続的に並ぶヒンジ装置の間にあって分割マンウェイカバー上に取り付ける接続部材と、カバーが閉位置にあるマンウェイフランジとを示す。
【図13】図12に示す本発明の実施形態の斜視図であり、開位置の分割マンウェイカバーを示す。
【図14】閉位置の分割マンウェイカバーとともに用いる本発明の別の実施形態の側面図であり、細長いヒンジ部材の端部にあるかまたは端部に隣接する水準化部材の使用方法を示す。
【図15A】本発明の別の実施形態の斜視図であり、ヒンジ装置の主要部品を示す。
【図15B】図15Aの実施形態の正面図である。
【図16A】図15Aの実施形態の斜視図であり、マンウェイカバーに取り付けるヒンジ装置を示す。
【図16B】図15Aの実施形態の斜視図であり、マンウェイカバーフランジに取り付けるヒンジ装置を示す。
【図16C】図15Aの実施形態の斜視図であり、マンウェイおよびマンウェイフランジに対して開位置にあるマンウェイカバーを支持するヒンジ装置の外部を示す。
【図17A】図15Aの実施形態のヒンジプレートの側面図である。
【図17B】図15Aのヒンジプレートの端面図である。
【図17C】図15Aのヒンジプレートの背面図である。
【図18A】図15Aの実施形態のヒンジプレートの側面図であり、内部プレート補強材を示す。
【図18B】図15Aの実施形態のヒンジプレートの端面図であり、内部プレート補強材を示す。
【図18C】図15Aの実施形態のヒンジプレートの背面図であり、内部プレート補強材を示す。
【図19】図15Aの実施形態のヒンジプレートの斜視図であり、外部プレート補強材を示す。
【図20】本発明のヒンジ装置の結合部材の別の実施形態の斜視図である。
【図21】本発明の別の実施形態の斜視図であり、調節可能な結合部材を有するヒンジ装置を示す。
【図22】図21に示す実施形態の正面図である。
【図23】図21に示すヒンジ装置の半分の分解斜視図である。
【図24】本発明の別の実施形態の斜視図であり、分割ヒンジ装置を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マンウェイカバーの取り外しおよび設置を取り扱うための可搬式マンウェイヒンジ装置であって、
1対のヒンジプレートであって、ヒンジプレートのそれぞれは、マンウェイカバーおよびマンウェイフランジのボルト開口部に位置を合わせるために配置するヒンジ穴を有する支持部材を有する、ヒンジプレートと、
前記ヒンジプレートのそれぞれの第1端部に隣接し、前記ヒンジプレートの平面から突出する結合部材と、
前記1対のヒンジプレートの前記結合部材のオーバーラッピング対を接続するピボット接続部とを備える、ことを特徴とするヒンジ装置。
【請求項2】
前記結合部材が、結合部材本体と前記結合部材本体の一端における結合部材タブとを有し、かつ前記結合部材本体の平面から突出する、調節可能な結合部材であり、前記結合部材タブが、ヒンジプレートにおける結合部材スロットを通して延び、前記結合部材本体が、前記ヒンジプレートに固定する、ことを特徴とする請求項1に記載のヒンジ装置。
【請求項3】
前記調節可能な結合部材が、前記結合部材本体と前記ヒンジプレートとの間に配置する調整スペーサを更に含む、ことを特徴とする請求項2に記載のヒンジ装置。
【請求項4】
前記ヒンジプレートが、前記支持部材に隣接するヒンジプレートノッチを有する、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のヒンジ装置。
【請求項5】
前記ヒンジプレートが、上部ヒンジ支持体と下部ヒンジ支持体とを有する分割ヒンジプレートであり、前記上部ヒンジ支持体および前記下部ヒンジ支持体の各々が、結合部材を有する、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のヒンジ装置。
【請求項6】
前記上部ヒンジ支持体が、第2端部において前記上部ヒンジ支持体の平面から延び、前記第1端部から延びる前記結合部材と並ぶ、第2結合部材を有する、ことを特徴とする請求項5に記載のヒンジ装置。
【請求項7】
前記ヒンジプレートが、前記ヒンジプレートの実質部分に沿って前記ヒンジプレートの平面から突出するプレート補強材を有する、ことを特徴とする請求項1に記載のヒンジ装置。
【請求項8】
前記ヒンジプレートが、
細長いヒンジ部材であって、前記ヒンジ部材が、1対の縦に並ぶ細長い開口部を有する、細長いヒンジ部材と、
前記細長い開口部の各々に摺動可能に結合し、ピン受け端部を有する、支持部材と、
前記1対の細長いヒンジ部材の各々に枢着する結合部材とを備える、ことを特徴とする請求項1に記載のヒンジ装置。
【請求項9】
前記結合部材が、調整スロットを有する、ことを特徴とする請求項8に記載のヒンジ装置。
【請求項10】
2つの連続的に並ぶ細長いヒンジ部材の端部に取り付けるように構成したヒンジコネクタを更に備える、ことを特徴とする請求項9に記載のヒンジ装置。
【請求項11】
マンウェイフランジに対するマンウェイカバーの取り外しおよび設置を取り扱う方法であって、
前記マンウェイカバーの部分から複数のマンウェイカバーボルトを取り外すステップと、
1対のヒンジプレートを有する可搬式マンウェイカバーヒンジ装置を組み立てるステップであって、
前記ヒンジプレートのそれぞれが、マンウェイカバーおよびマンウェイフランジのボルト開口部と位置を合わせるために配置するヒンジ穴を有する支持部材と、ヒンジプレートそれぞれの第1端部に隣接し、前記ヒンジプレートの平面から突出する、結合部材と、前記1対のヒンジプレートの結合部材のオーバーラッピング対を接続するピボット接続部とを有し、
前記マンウェイカバーボルトを取り外す前記マンウェイカバーおよび前記マンウェイフランジの前記部分の前記複数のボルト開口部のうちの1つに前記支持部材のヒンジ穴を位置合わせするステップと、
前記1対のヒンジプレートの一方および対応するマンウェイカバーボルト開口部の各ヒンジ穴にピンを挿入し、前記1対のヒンジプレートの他方および対応するマンウェイフランジボルト開口部の各ヒンジ穴にピンを挿入するステップと、
前記対応するカバーボルト開口部およびフランジボルト開口部の中に各ピンを固定するステップと、
残りのマンウェイカバーボルトを前記マンウェイカバーから取り外すステップとを有する、ことを特徴とする方法。
【請求項12】
マンウェイフランジに対するマンウェイカバーの取り外しおよび設置を取り扱う方法であって、
前記マンウェイカバーの部分から複数のマンウェイカバーボルトを取り外すステップと、
前記マンウェイカバーおよび前記マンウェイフランジの複数の対応する開口部を構成するステップと、
1対のヒンジプレートを有する可搬式マンウェイカバーヒンジ装置を組み立てるステップであって、
前記ヒンジプレートそれぞれが、前記マンウェイカバーおよび前記マンウェイフランジの前記複数の構成した開口部の1つと位置を合わせるために配置するヒンジ穴を有する支持部材と、ヒンジプレートのそれぞれの第1端部に隣接し、かつ前記ヒンジプレートの平面から突出する、結合部材と、前記1対のヒンジプレートの結合部材のオーバーラッピング対を接続するピボット接続部とを有し、
前記マンウェイカバーボルトを取り外す前記マンウェイカバーおよび前記マンウェイフランジの前記部分の前記複数のボルト開口部のうちの1つに前記支持部材のヒンジ穴を位置合わせするステップと、
前記1対のヒンジプレートの一方および対応するマンウェイカバーボルト開口部の各ヒンジ穴にピンを挿入し、前記1対のヒンジプレートの他方および対応するマンウェイフランジボルト開口部の各ヒンジ穴にピンを挿入するステップと、
前記対応するカバーボルト開口部およびフランジボルト開口部の中に各ピンを固定するステップと、
残りのマンウェイカバーボルトを前記マンウェイカバーから取り外すステップとを有する、ことを特徴とする方法。
【請求項13】
マンウェイフランジに結合するマンウェイカバーと、前記マンウェイカバーの取り外しおよび設置を取り扱うための可搬式マンウェイヒンジ装置との組合せにおいて、
前記マンウェイフランジに結合する前記マンウェイカバーと、
前記マンウェイカバーおよび前記マンウェイフランジに結合する前記可搬式マンウェイヒンジ装置とを備え、
前記可搬式マンウェイヒンジ装置は、
1対のヒンジプレートであって、一方のヒンジプレートが、前記マンウェイカバーのボルト開口部に位置を合わせるために配置するヒンジ穴を有する支持部材を有し、他方のヒンジプレートが、カバーフランジのボルト開口部に位置を合わせるために配置するヒンジ穴を有する支持部材を有する、ヒンジプレートと、
前記マンウェイカバーの前記ボルト開口部に位置を合わせた前記ヒンジ穴に挿入する着脱可能なピンと、前記カバーフランジの前記ボルト開口部に位置を合わせた前記ヒンジ穴に挿入する着脱可能なピンと、
前記ヒンジプレートのそれぞれの第1端部に隣接し、前記ヒンジプレートの平面から突出する、結合部材と、
前記1対のヒンジプレートの前記結合部材のオーバーラッピング対を接続するピボット接続部とを備える、ことを特徴とするマンウェイカバーと可搬式マンウェイヒンジ装置との組合せ。
【請求項14】
前記結合部材が、結合部材本体と前記結合部材本体の一端における結合部材タブとを有し、かつ前記結合部材本体の平面から突出する、調節可能な結合部材であり、前記結合部材タブが、ヒンジプレートにおける結合部材スロットを通して延び、前記結合部材本体が、前記ヒンジプレートに固定する、ことを特徴とする請求項13に記載の組合せ。
【請求項15】
前記調節可能な結合部材が、前記結合部材本体と前記ヒンジプレートとの間に配置する調整スペーサを更に有する、ことを特徴とする請求項14に記載の組合せ。
【請求項16】
前記ヒンジプレートが、上部ヒンジ支持体と下部ヒンジ支持体とを有する分割ヒンジプレートであり、前記上部ヒンジ支持体および前記下部ヒンジ支持体の各々が、結合部材を有する、ことを特徴とする請求項13に記載の組合せ。
【請求項17】
前記ヒンジプレートが、前記ヒンジプレートの実質部分に沿って前記ヒンジプレートの平面から突出するプレート補強材を有する、ことを特徴とする請求項13に記載の組合せ。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図14】
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【図15A】
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【図15B】
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【図16A】
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【図16B】
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【図16C】
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【図17A】
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【図17B】
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【図17C】
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【図18A】
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【図18B】
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【図18C】
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【図19】
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【図21】
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【図22】
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【図1】
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【図12】
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【図13】
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【図20】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2008−286392(P2008−286392A)
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−107090(P2008−107090)
【出願日】平成20年4月16日(2008.4.16)
【出願人】(508116263)ユニバーサル ヒンジ コーポレイション (1)
【Fターム(参考)】