説明

可搬式液体検知ユニット

【課題】 容器の側壁部外面に沿って移動することにより測定用超音波ビームを用いて検出された液面位置に基づき、液体の残容量や消費時期の表示が簡便に行なえ、利便性に優れた可搬式液体検知ユニットを提供する。
【解決手段】 メインスイッチ105aが「測定」位置にあるとき、選択スイッチ105cの押圧によって日付表示部104a、ボンベ表示部104b、レベル表示部104cが順次選択され、入力スイッチ105dの押圧によって入力内容が増加方向又は減少方向に変更され、確定スイッチ105eの押圧によって入力内容が確定し記憶される。メインスイッチ105aが「履歴」位置にあるとき、選択スイッチ105cの押圧によって日付表示部104a、ボンベ表示部104b、レベル表示部104cに表示するレベル測定情報が選択される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は可搬式液体検知ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、タンクやボンベ(容器)の外側から非接触で液面を検知する液体検知ユニット、いわゆる超音波レベル計(液面計)の一例として、容器壁を透過させる形で送信された超音波を反対側の壁(正反対側の鋼板材の壁で媒質との境界)で反射させ、再び容器壁を透過してトランスジューサまで戻ってくる反射波を検出し、液の有無を判断する方式が知られている(例えば特許文献1,2,3参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2006−183685号公報
【特許文献2】特許第3081031号公報
【特許文献3】特開2001−304940号公報
【0004】
これらに記載の技術では、液化ガス等の液面位置を超音波レベル計によって計測し、液面位置や残容量を出力することにより、消費時期(すなわち、容器の交換時期や液の充填時期)を報知することができる。しかし、消費時期を報知するために、底壁に固定した超音波レベル計で得られた残量情報を公衆回線網によって管理センタに送信したり(特許文献1の場合)、側壁に複数組の超音波レベル計を固定して液面位置を検知したり(特許文献2の場合)、大掛かりな報知システムを要しコストも増大する可能性がある。また、特許文献3に記載の超音波レベル計は側壁に沿って上下方向に移動可能なハンディタイプに構成されているが、検出結果を管理センタに送信するための通信手段や報知システムを構築する必要がある。特に、これらに記載の技術では、超音波レベル計によって液化ガス等の液面位置を計測したその場でボンベ等の消費時期を知ることが難しく、報知システムから改めて情報を取得したりすることによって操作も煩雑になるおそれがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、容器の側壁部外面に沿って移動することにより測定用超音波ビームを用いて検出された液面位置に基づき、液体の残容量や消費時期の表示が簡便に行なえ、利便性に優れた可搬式液体検知ユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の可搬式液体検知ユニットは、
液体を収容した容器を被測定系として、その容器の側壁部外面に沿って移動可能に使用される可搬式液体検知ユニットであって、
前記被測定系を励振するための測定用超音波ビームを前記容器の厚さ方向に出力するとともに、前記被測定系からの残響超音波及び前記被測定系における反射超音波の受信も可能な超音波送受信面を含む超音波トランスジューサを有し、前記液体の液面位置を前記容器の外部から検出可能な液面位置検出手段と、
その液面位置検出手段によって検出された液面位置に基づき、前記容器に収容された液体の残容量を液面位置レベルで表示する残量表示手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
このような可搬式液体検知ユニットには、容器の側壁部外面に沿って移動することにより、液面位置検出手段の測定用超音波ビームによって検出された液面位置に基づき、液体の残容量を液面位置レベルで表示する残量表示手段(例えば、7セグメント表示方式の数字によるレベル表示)が備えられている。したがって、液体の残容量や消費時期(すなわち、容器の交換時期や液体の充填時期)の表示が簡便に行なえ、携帯性・利便性に優れた可搬式液体検知ユニットを構成することができる。特に、測定用超音波ビームによって液面位置を計測したその場で液化ガスボンベ等の消費時期を知ることが容易であり、可搬式液体検知ユニットをボンベ等の携帯用検針器として用いることができる。
【0008】
具体的には、液面位置レベルを人為的に入力するレベル入力手段と、
液面位置レベルが検出された日付を人為的に入力する日付入力手段と、
入力された液面位置レベルと日付とを関連付けてレベル測定情報として記憶する記憶手段と、
その記憶手段に記憶された複数個のレベル測定情報から液体の残容量が所定量以下となる消費時期を予測する予測手段とを備えることができる。
【0009】
このように、液面位置を計測したそのときその場で容器の消費時期を知ることが容易であり、携帯性・利便性に優れた可搬式液体検知ユニットとして液化ガスボンベ等の携帯用検針器にも好適に用いることができる。特に、液面位置レベルと検出した日付とを使用者自ら入力することにより、簡易な構成にして液体の消費時期を容易に管理することができる。
【0010】
例えば、複数個のレベル測定情報(過去の検針データ)から液面位置レベルと検針日との間に近似式を設定し、その近似式から現在の液体の残容量がゼロとなって容器の交換や液体の充填が必要となる消費時期を予測(推測)することが可能になる。なお、消費時期の予測値は上記残量表示手段にて表示することが可能である。
【0011】
また、上記課題を解決するために、本発明の可搬式液体検知ユニットは、
液体を収容した容器を被測定系として、その容器の側壁部外面に沿って移動可能に使用される可搬式液体検知ユニットであって、
前記被測定系を励振するための測定用超音波ビームを前記容器の厚さ方向に出力するとともに、前記被測定系からの残響超音波及び前記被測定系における反射超音波の受信も可能な超音波送受信面を含む超音波トランスジューサを有し、前記液体の液面位置を前記容器の外部から検出可能な液面位置検出手段と、
前記容器の側壁部外面に定められた測定開始位置を起点としてその側壁部外面における上下方向の移動距離を計測するための移動距離測定手段と、
前記液面位置検出手段によって検出された液面位置と、前記移動距離測定手段によって計測された移動距離とに基づき、前記容器に収容された液体の残容量を液面位置レベルとして表示する残量表示手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
このような可搬式液体検知ユニットには、容器の側壁部外面に沿って移動することにより、液面位置検出手段の測定用超音波ビームによって検出された液面位置と、移動距離測定手段によって計測された移動距離とに基づき、液体の残容量を液面位置レベルとして表示する残量表示手段が備えられている。したがって、液体の残容量や消費時期(すなわち、容器の交換時期や液体の充填時期)の表示が簡便に行なえ、利便性に優れた可搬式液体検知ユニットを構成することができる。特に、測定用超音波ビームによって液面位置を計測するとともに、移動距離測定手段によって上下方向の移動距離を計測するので、液体の残容量(液面位置レベル)の測定精度の向上に伴って、液化ガスボンベ等の消費時期の予測精度も向上する。
【0013】
またこの場合にも、液面位置検出手段と移動距離測定手段とによって検出された液面位置レベルを、その液面位置レベルが検出された日付と関連付けてレベル測定情報として記憶する記憶手段を備えることができる。このように、レベル測定情報(液面位置レベル及び検出した日付)を記憶手段に記憶することにより、容器の交換や液体の充填が必要となる消費時期の予測・管理が容易になる。
【0014】
さらに、記憶手段に記憶された複数個のレベル測定情報から液体の残容量が所定量以下となる消費時期を予測する予測手段を備えることができる。このような予測手段を備えることにより、複数個のレベル測定情報において、液面位置レベルのデータと検出した日付のデータとの間の相関関係より導かれる近似式等から液体の消費時期を高精度で予測することができる。なお、この場合にも、消費時期の予測値は上記残量表示手段にて表示することが可能である。
【0015】
具体的には、移動距離測定手段は、容器の側壁部外面に接触して回転する回転ローラの相対回転角度を検出し、
液面位置検出手段は、超音波トランスジューサが反射超音波又は残響超音波を受信することによって液面位置を検出し、
回転ローラの相対回転角度の検出と液面位置の検出とを同時に実行する場合がある。
【0016】
このような場合には、回転ローラの相対回転角度検出によって液体検知ユニットの移動距離を高精度で測定することができるとともに、超音波式の液面位置検出手段によって液面位置を高精度で検出できる。しかも、回転ローラの相対回転角度の検出と液面位置の検出とを(例えば、同期させることにより)同時に実行することによって、液面位置レベルを短時間で精度よく検出することができる。なお、回転ローラの相対回転角度を検出するために、移動距離測定手段としてロータリエンコーダ、ロータリポテンショメータ等を用いることができる。
【0017】
例えば、移動距離測定手段は、回転ローラの回転方向を検出する回転方向検出手段を有し、その回転方向検出手段で検出された回転方向によって、液面位置の検出が液無しから液有りに移行する状態で行なわれるか液有りから液無しに移行する状態で行なわれるかを識別することができる。このように、回転方向検出手段によって回転ローラの回転方向を検出するようにすれば、容器の側壁部外面において移動距離を計測する際に、移動距離測定手段を上(液無し)から下(液有り)へ移動する場合と、同じく下(液有り)から上(液無し)へ移動する場合とを識別して液面位置レベルの検出誤差を抑制することができる。
【0018】
あるいは、液面位置の検出が、液無しから液有りに移行する際の反射超音波情報又は残響超音波情報によって判定される場合、測定開始位置から測定時の液面位置に至るまでの間、液面位置検出手段は超音波トランスジューサからの測定用超音波ビームの出力を停止することができる。このように、測定開始位置から測定時の液面位置に至るまで液面位置の検出に関与しないので、液面位置検出手段(超音波トランスジューサ)からの測定用超音波ビームの出力を停止することによって、液面位置の誤検出を防止できるとともに消費電力を抑制し省エネルギー化を推進することができる。
【0019】
他方、液面位置の検出が、液有りから液無しに移行する際の反射超音波情報又は残響超音波情報によって判定される場合、液面位置検出手段は液面位置の検出以降、前記超音波トランスジューサからの測定用超音波ビームの出力を停止することができる。このように、液面位置の検出以降液面位置の検出に関与しないので、液面位置検出手段(超音波トランスジューサ)からの測定用超音波ビームの出力を停止することによって、液面位置の誤検出を防止できるとともに消費電力を抑制し省エネルギー化を推進することができる。
【0020】
そして、移動距離測定手段は、容器の側壁部外面に定められた測定開始位置を起点とし、その側壁部外面における上下方向の終点までの全行程移動距離を計測して容器の高さを測定するとともに、その全行程移動距離の中途位置にて液面位置を検出し、
残量表示手段は、全行程移動距離と液面位置までの移動距離とに応じて液体の残容量を液面位置レベルとして表示することができる。
【0021】
このように、移動距離測定手段によって起点から終点までの全行程の移動距離を測定し、併せて液面位置までの移動距離をその間に同時測定できる。したがって、1回の測定結果から、全行程移動距離(すなわち容器の高さ)と液面位置までの移動距離(すなわち液無し領域又は液有り領域の高さ)との比をとれば、容器のサイズにかかわらず、その容器における現状の液面位置レベル(液体の残容量)が直ちに得られる。
【0022】
ところで、これらの可搬式液体検知ユニットは容器の側壁部外面に沿って移動可能であり、超音波トランスジューサは被測定系からの残響超音波及び被測定系における反射超音波の受信も可能である。したがって、液面位置検出手段は、側壁透過内面反射超音波検出方式(容器の側壁を透過し反対側の容器側壁の内面で反射した超音波を検出する方式)及び残響超音波検出方式(被測定系からの残響超音波を検出する方式)のいずれの液体検知ユニット(すなわち超音波レベル計(液面計))にも備えることができる。
【0023】
例えば、容器が金属タンクであり、超音波トランスジューサは金属タンクの金属側壁部外面に沿って上下方向に移動可能であり、その金属側壁部の厚さ方向に測定用超音波ビームを出力することによって、側壁透過内面反射超音波検出方式及び残響超音波検出方式のいずれの可搬式液体検知ユニットにも適用することができる。この場合、測定適用対象となる金属タンクは、特に鋼鉄製など、内部音響損失の比較的小さい材料で構成されたものとすることができる。また、金属タンクは、車両、船舶ないし航空機(特に、自動車)に搭載された燃料タンクとすることができる。なお、液体として液化ガス(液化石油ガス(LPG)や液化天然ガス(LNG)などの燃料用液化ガス、液化炭酸ガス、液化アンモニアガス、液体窒素などのボンベ、タンク、コンテナなどが主な用途である)を収容するものとできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
(実施例1)
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1は本発明の可搬式液体検知ユニットによる液面検出の一例を示す外観説明図、図2は図1の容器内部を示す断面説明図である。液化石油ガス(LPG)や液化天然ガス(LNG)からなる液体Lを収容した金属タンク10(容器)が被測定系200を構成している。金属タンク10は鋼鉄製であり、側壁部10Sの壁厚はほぼ一様である。また、底面部10B及び天面部10Uの壁厚もほぼ一様である。また、天面部10Uの上部中央には圧力制御弁が組み込まれたガス取出部11が形成されている。超音波レベル計100(可搬式液体検知ユニット)によって、金属タンク10の外側から非接触で液体Lの有無又は液面(液表面)の位置LVを検知することができる。
【0025】
超音波レベル計100は、液体Lを収容した金属タンク10(被測定系200)に向けて押圧された形でタンク側壁部10Sの壁部外面10aに取り付けられる。そのため、取り付け状態においては、金属タンク10側に向けて一定の保持力(一般的にはマグネットによる保持力)Fが作用している(図2参照)。この超音波レベル計100は、金属タンク10の側壁部10Sの壁部外面10aに対し、保持力Fによって金属タンク10内の検知対象となる特定の液面位置LV(液面レベル)に対応した液体検知位置に押圧されて、各液体検知位置における液体Lの有無、即ちその液面位置LVに液体Lが達しているか否かを検知可能となっている。本実施形態においては、超音波レベル計100は、金属タンク10の側壁部10Sを透過し反対側の側壁の内面で反射した超音波を検出する側壁透過内面反射超音波検出方式によって、金属タンク10内の液体情報(液面位置LV)を金属タンク10外から測定できるように構成されている。
【0026】
なお、超音波レベル計100は、金属タンク10の側壁部10Sの壁部外面10aに沿って上下方向に移動して液面位置LVを検出可能である。また、壁部外面10aには、液面位置LVの測定を容易にするために、最下位液面レベルLV0(すなわち、液体Lの残容量ゼロ)と最上位液面レベルLV10(すなわち、液体Lの満量充填)との間を10等分した液面レベルLV0〜LV10(液面位置レベル)に、それぞれ目印(目盛)が付けてある。したがって、液面位置LVを検出したときの超音波レベル計100の位置を液面レベルLV0〜LV10の目印で読み取って入力することで、液体Lの残容量(例えば、液面レベルLV6)を液面検出表示部104dやスピーカ106で報知することができる(図4参照)。ただし、液面位置LVを検出したとき、超音波レベル計100が液面レベルLV0〜LV10の目盛の中間に位置する場合には、補充や交換が余裕を持って行なえるように、安全側の下位の目盛を読み取って入力することが望ましい。超音波レベル計100を壁部外面10aに沿って上から下へ移動する場合、最上位液面レベルLV10が移動の起点(測定開始位置)、最下位液面レベルLV0が移動の終点(測定終了位置)となり、LV10からLV0に至る全行程移動距離Hが金属タンク10の高さに相当する。
【0027】
図3は、可搬式液体検知ユニット(超音波レベル計)の構成例をその電気的構成とともに示す模式図である。超音波レベル計100は、ユーザーが手で保持可能な樹脂等で構成されたケース体3を有し、その先端内部に円柱状の超音波トランスジューサ1(超音波出力部;反射超音波検出部;液面位置検出手段)がはめ込まれて(収納配置されて)いる。超音波送信面1a(超音波放出面)となる超音波トランスジューサ1の前端面は、ケース体3の前端に形成された開口内に位置し、その超音波送信面1aに密着する形で、超音波トランスジューサ1よりやや小径で円柱状の音響インピーダンス整合層2が取り付けられている。
【0028】
音響インピーダンス整合層2は、超音波トランスジューサ1(圧電セラミック)とタンク側壁部10S(鋼鉄)との中間(望ましくは両者の幾何学平均値)の音響インピーダンスを有する。また、音響インピーダンス整合層2の、超音波送信面1aとの密着側とは反対側の先端面2aが、ケース体3の外部に露出して金属タンク10の側壁部10Sの壁部外面10aと接触する容器接触面を構成する。音響インピーダンス整合層2は、先端面2a(容器接触面)がタンク側壁部10Sに押し付けられたときに追従変形してその壁部外面10aに密着できるように、柔軟弾性材料(例えば、シリコーン樹脂)にて構成されている。
【0029】
超音波トランスジューサ1は、駆動回路101からの駆動電圧の印加により測定用超音波ビームSWを送出する超音波送出機能と、反射超音波の受信により電気信号(受信信号)を信号処理回路103に出力する超音波受信機能(反射超音波検出機能)とを複合して備える。具体的には、板厚方向に分極処理された圧電セラミック振動板1vと、圧電セラミック振動板1vの各主表面を覆う形で圧電セラミック振動板1vを挟んで対向形成された電極対1e,1eとを備える。この電極対1e,1eは、測定用超音波ビームSWの送信駆動時には圧電セラミック振動板1vを超音波振動させるための駆動電圧が印加される駆動電極となり、反射超音波の受信時には圧電セラミック振動板1vの振動に伴う電気信号を出力する出力電極となる。これら電極対1e,1eと、駆動回路101及び信号処理回路103との接続切り替えは切替スイッチ101sにより行なわれる。
【0030】
駆動回路101は、出力周波数が可変に構成された発振回路(ここでは、VCO(Voltage Controlled Oscillator))101bと、その発振回路101bの出力を増幅して圧電セラミック振動板1vへ駆動信号として出力する主回路(アンプ)101aとを有する。発振回路101bの出力周波数は、周波数設定部102から入力される周波数指示電圧に応じて変更される。
【0031】
上記の駆動回路101、切替スイッチ101s、周波数設定部102、信号処理回路103は、これらの動作シーケンス制御を司るマイコン107(液面検出制御手段)に接続されている。また、マイコン107には入力部105と表示部104も接続されている。入力部105は押しボタンスイッチやキーボードなどで構成され、液体検知の開始トリガー操作や、周波数設定処理に使用される。また、表示部104は液体有無の検出判定結果等を視覚的に出力するものであり、例えばLED点灯部として構成されている。さらに、スピーカ106は、液体有無の検出判定結果等を音響的に出力するものである。
【0032】
図4は、可搬式液体検知ユニット(超音波レベル計)の入力部及び表示部の構成例を示す説明図である。入力部105は、液面レベルLV0〜LV10を検出した日付を人為的に入力する日付入力手段と、金属タンク10のボンベサイズ(例えば、L,M,Sサイズ)を人為的に入力するボンベ入力手段と、液面レベルLV0〜LV10を人為的に入力するレベル入力手段とを含む。
【0033】
具体的には、入力部105は、4位置切り替え式のメインスイッチ105aと、押しボタン式の測定開始・終了兼用スイッチ105bと、押しボタン式の選択スイッチ105cと、押圧方向切り替え式の入力スイッチ105dと、押しボタン式の確定スイッチ105eとを含む。
【0034】
メインスイッチ105aは、すべての操作を中止する「切」位置を挟んで一方側(例えば右側)に、超音波トランスジューサ1によって液面レベルLV0〜LV10を検出し、検出した日付及びボンベサイズとともにレベル測定情報として記憶する「測定」位置が設けられている。「切」位置を挟んで他方側(例えば左側)に、過去に検出したレベル測定情報を表示部104に表示する「履歴」位置と、複数個のレベル測定情報から液体Lの残容量が最下位液面レベルLV0となる消費時期(例えば、金属タンク10の交換時期や液体Lの充填時期)を予測する「予測」位置とが設けられている。測定開始・終了兼用スイッチ105bは、メインスイッチ105aが「測定」位置にあるとき、1度押すと液面レベルLV0〜LV10の検出を開始し、液面レベルLV0〜LV10の検出後にもう1度押すと、液面レベルLV0〜LV10の検出を終了する。
【0035】
メインスイッチ105aが「測定」位置にあるとき、選択スイッチ105cの押圧によって日付表示部104a、ボンベ表示部104b、レベル表示部104cが順次選択され、入力スイッチ105dの押圧によって入力内容が増加方向又は減少方向に変更され、確定スイッチ105eの押圧によって入力内容が確定し記憶される。また、メインスイッチ105aが「履歴」位置にあるとき、選択スイッチ105cの押圧によって日付表示部104a、ボンベ表示部104b、レベル表示部104cに表示するレベル測定情報が選択される。
【0036】
表示部104は、年月日をセグメント又はドットにより6桁LED表示する日付表示部104aと、ボンベサイズL,M,Sをセグメント又はドットにより1桁LED表示するボンベ表示部104bと、液面レベルLV0〜LV10をセグメント又はドットにより2桁LED表示するレベル表示部104cと、液面検出の有無を1個のLEDで表示する液面検出表示部104dとを含む。
【0037】
次に図5は、可搬式液体検知ユニット(超音波レベル計)の入力部及び表示部の電気的構成を示すブロック図である。超音波レベル計100のマイコン107には、演算装置であるCPU(Central Processing Unit)107a(予測手段)、プログラム格納用の読み取り専用記憶装置であるROM(Read Only Memory)107b、ワークエリアや各種カウンタ等が割り当てられる読み書き可能な記憶装置であるRAM(Random Access Memory)107c(記憶手段)、及び入出力インターフェースであるI/O(Input/Output)107dを備えており、これらはバス(図示せず)を介して相互に接続されている。
【0038】
マイコン107には、メインスイッチ105a、測定開始・終了兼用スイッチ105b、選択スイッチ105c、入力スイッチ105d、及び確定スイッチ105eからの操作信号がそれぞれ入力されている。マイコン107には、超音波トランスジューサ1からの液面検出信号も入力されている。
【0039】
マイコン107は、日付表示部104a、ボンベ表示部104b、レベル表示部104cのLEDをそれぞれ駆動制御してレベル測定情報を表示する。また、マイコン107は、液面検出表示部104dのLEDを駆動制御して液面検出の有無を表示出力するとともに、スピーカ106を駆動制御して液面検出の有無を音響出力する。
【0040】
次に、図6に示す液面検出処理のフローチャートについて、図7の超音波トランスジューサによる超音波の発受信例を表わすタイミングチャートを参照しつつ説明する。まず、マイコン107は、S1にてメインスイッチ105aが「測定」にセットされたかを確認する。メインスイッチ105aが「測定」にセットされているとき(S1でYES)、S2にて検出日付(例えば、“07.09.30”)を入力し、S3にてボンベサイズ(例えば、“L”)を入力する。具体的には、入力スイッチ105dを操作して日付表示部104aの左2桁(年の欄)に“07”を表示させる。選択スイッチ104cを押して中2桁(月の欄)にシフトした後、再び入力スイッチ105dを操作して“09”を表示させる。選択スイッチ104cを押して右2桁(日の欄)にシフトした後、再び入力スイッチ105dを操作して“30”を表示させる。さらに、選択スイッチ104cを押してボンベ表示部104bにシフトした後、再び入力スイッチ105dを操作してボンベサイズ“L”を表示させる。
【0041】
S4にて入力部105の測定開始・終了兼用スイッチ105bから測定開始がON入力されたかを確認する。測定開始がON入力されると(S4でYES)、S5にて切替スイッチ101sが超音波トランスジューサ1を駆動回路101に接続する駆動接続状態に切り替わり、駆動回路101は周波数設定部102で設定された周波数にて駆動交流電圧を超音波トランスジューサ1に印加する。これにより、超音波トランスジューサ1から測定用超音波ビームSWが測定実施位置にてタンク側壁部10Sに向け出力され、これを音響励振する。次に、S6にて切替スイッチ101sは超音波トランスジューサ1を信号処理回路103に接続する信号検出接続状態に切り替わる。そして、S7にて超音波トランスジューサ1による音響励振後に、金属タンク10の側壁部10Sを透過し反対側の側壁の内面で反射して再び側壁部10Sを透過する反射超音波が所定時間T内に超音波トランスジューサ1で検出されたか否かを確認する。なお、反射超音波の到達時間はマイコン107の内蔵クロック等で計測できる。
【0042】
ところで、図2に示すように、液体Lの非存在部(液無し部)では金属タンク10の側壁部10Sの内側が空隙となり、液体Lの存在部(液有り部)では、側壁部10Sの内側に液体Lが存在する。一般に金属タンク10内で媒質となる液体の密度は気体の密度に比して極めて大きい(例えば約10倍)。したがって、図7に示すように、液有り部においては、金属タンク10の側壁部10Sを透過し反対側の側壁の内面で反射して再び側壁部10Sを透過し、超音波トランスジューサ1で検出される。しかし、液無し部では、超音波の拡散によって超音波トランスジューサ1で反射波が検出されない。
【0043】
図6に戻り、所定時間T内に反射超音波が超音波トランスジューサ1で検出されれば(S7でYES)、S8にて表示部104の液面検出表示部104d及びスピーカ106によって液有り出力がなされる(例えば、液面検出表示部104dが点灯、スピーカ106が連続音)。このときS9にて、検出された液面レベルを、側壁部10Sの壁部外面10aの目盛(図2参照)から読み取り(例えば、液面レベル“LV6”)、レベル表示部104cに入力する。具体的には、選択スイッチ104cを押してレベル表示部104cにシフトした後、入力スイッチ105dを操作して液面レベル“6”を表示させる。さらに、S10にて、レベル測定情報(日付=“07.09.30”;ボンベサイズ=“L”;液面レベル=“6”)をRAM107cに一括記憶し、S11にて測定開始・終了兼用スイッチ105bから測定終了がON入力されたかを確認する。測定終了がON入力されると(S11でYES)、液面検出処理を終了し、測定終了がON入力されなければ(S11でNO)、S12にて警報出力する(例えば、液面検出表示部104dが赤色点灯、スピーカ106が警告音)。
【0044】
一方、所定時間T内に反射超音波が超音波トランスジューサ1で検出されなければ(S7でNO)、S13にて表示部104の液面検出表示部104d及びスピーカ106によって液無し出力がなされた後(例えば、液面検出表示部104dが点滅、スピーカ106が断続音)、液面検出処理を終了する。なお、メインスイッチ105aが「測定」にセットされていない場合(S1でNO)、及び測定開始がON入力されなかった場合には(S4でNO)、それぞれそのまま液面検出処理を終了する。
【0045】
次に、図8に示す情報出力処理のフローチャートについて、図9〜図11の説明図を参照しつつ説明する。まず、マイコン107は、S21にてメインスイッチ105aが「履歴」にセットされたかを確認する。メインスイッチ105aが「履歴」にセットされているとき(S21でYES)、S22にて最新のレベル測定情報が表示部104に表示される。レベル測定情報は、図9に示すようにRAM107cに測定順に記憶されている。したがって、ここではS11(図6)でRAM107cに記憶されたレベル測定情報、すなわち日付表示部104aに“07.09.30”、ボンベ表示部104bに“L”、レベル表示部104cに“6”がそれぞれ表示される(図11(a))。
【0046】
次に、S23にて選択スイッチ105cがONされたかを確認する。選択スイッチ105cがONされると(S23でYES)、S24にて1つ前のレベル測定情報が表示部104に表示される。ここでは図9で2段目に記憶されたレベル測定情報、すなわち日付表示部104aに“07.09.22”、ボンベ表示部104bに“L”、レベル表示部104cに“7”がそれぞれ表示される(図11(b))。そして、S25にて選択スイッチ105cが2秒以上継続してON操作されたかを確認し、選択スイッチ105c操作が2秒以上継続した場合には(S25でYES)、情報出力処理を終了する。ただし、選択スイッチ105c操作がなかった場合(S23でNO)、及び選択スイッチ105c操作が2秒未満の場合には(S25でNO)、いずれもS21へ戻る。
【0047】
メインスイッチ105aが「履歴」にセットされていないときには(S21でNO)、S26にてメインスイッチ105aが「予測」にセットされているかを確認する。メインスイッチ105aが「予測」にセットされていると(S26でYES)、S27にて消費時期の予測情報が表示部104に表示される。消費時期の予測情報は、RAM107cに記憶された複数個のレベル測定情報(図9)のうち、液面レベルのデータと検出した日付のデータとの間の相関関係より導かれる近似式から液体Lの消費時期を予測する(図10)。ここでは図10において近似直線とx軸との交点で表わされるレベル測定情報、すなわち日付表示部104aに“07.12.01”、ボンベ表示部104bに“L”、レベル表示部104cに“0”がそれぞれ表示される(図11(c))。さらにS28にて入力部104の他のスイッチ操作があるまで待機し、スイッチ操作がある場合には(S28でYES)、情報出力処理を終了する。
【0048】
このように、液体Lの残容量や消費時期(すなわち、金属タンク10の交換時期や液体Lの充填時期)の表示が簡便に行なえ、携帯性・利便性に優れた超音波レベル計100を構成することができる。測定用超音波ビームによって液面位置LVを計測したその場で液化ガスボンベ等の消費時期を知ることが容易であり、超音波レベル計100をボンベ等の携帯用検針器として用いることができる。また、液面レベルLV0〜LV10と検出した日付とを使用者自ら入力することにより、簡易な構成にして液体Lの消費時期を容易に管理することができる。
【0049】
具体的には、複数個のレベル測定情報(過去の検針データ)から液面レベルLV0〜LV10と検針日との間に近似式を設定し、その近似式から現在の液体Lの残容量がゼロとなって金属タンク10の交換や液体Lの充填が必要となる消費時期を予測(推測)することが可能になる。
【0050】
(実施例2)
図12は可搬式液体検知ユニット(超音波レベル計)の入力部及び表示部の他の構成例を示す説明図、図13はその入力部及び表示部の電気的構成を示す模式図、図14は液面検出処理の他の例を示すフローチャートである。この実施例の超音波レベル計100’では、金属タンク10(容器)の側壁部10Sの壁部外面10aに定められた測定開始位置(例えば、最上位液面レベルLV10)を起点としてその壁部外面10aにおける上下方向(例えば、下向き)の移動距離を計測するために、ロータリエンコーダ5(移動距離測定手段)が設けられている。ロータリエンコーダ5は、超音波トランスジューサ1(超音波出力部;反射超音波検出部;液面位置検出手段)による液面位置LVの検出と同時に(同期して)、金属タンク10の側壁部10Sの壁部外面10aに接触して回転する回転ローラ4の相対回転角度を検出する。
【0051】
ロータリエンコーダ5は、金属タンク10の最上位液面レベルLV10を起点とし、側壁部10Sの壁部外面10aにおける上下方向の終点(例えば、最下位液面レベルLV0)までの全行程移動距離H(図2参照)を計測して金属タンク10の高さを測定しサイズを識別するとともに、その全行程移動距離Hの中途位置にて液面位置LVを検出する。したがって、レベル表示部104c(残量表示手段)は、全行程移動距離Hと液面位置LVまでの移動距離とに応じて液体Lの残容量を液面レベルLV0〜LV10(液面位置レベル)として表示する。
【0052】
また、マイコン107’(液面検出制御手段)は内蔵クロック107eを備え、超音波トランスジューサ1による液面位置LVの検出日付をRAM107c(記憶手段)のレベル測定情報(図11参照)に自動記憶することができる。したがって、入力部105’では、入力スイッチ及び確定スイッチが不要になるので、構成が一層簡素になる。
【0053】
図14に示す液面検出処理のフローチャートは、図6(実施例1)に代わるものである。まず、マイコン107は、S1にてメインスイッチ105aが「測定」にセットされたかを確認する。メインスイッチ105aが「測定」にセットされているとき(S1でYES)、S4にて入力部105の測定開始・終了兼用スイッチ105bから測定開始がON入力されたかを確認する。測定開始がON入力されると(S4でYES)、S41にて起点(最上位液面レベルLV10)からロータリエンコーダ4が移動距離の測定を開始する。ただし、省エネルギーのため、このとき測定用超音波ビームSWはまだ出力されていない。
【0054】
さらにS42にて前回の液面レベルLV0〜LV10に到達したことを確認し(S42でYES)、S5にて切替スイッチ101sが超音波トランスジューサ1を駆動回路101に接続する駆動接続状態に切り替わり、駆動回路101は周波数設定部102で設定された周波数にて駆動交流電圧を超音波トランスジューサ1に印加する。これにより、超音波トランスジューサ1から測定用超音波ビームSWが測定実施位置にてタンク側壁部10Sに向け出力され、これを音響励振する。次に、S6にて切替スイッチ101sは超音波トランスジューサ1を信号処理回路103に接続する信号検出接続状態に切り替わる。そして、S7にて超音波トランスジューサ1による音響励振後に、金属タンク10の側壁部10Sを透過し反対側の側壁の内面で反射して再び側壁部10Sを透過する反射超音波が所定時間T内に超音波トランスジューサ1で検出されたか否かを確認する。なお、反射超音波の到達時間はマイコン107の内蔵クロック107eで計測できる。
【0055】
所定時間T内に反射超音波が超音波トランスジューサ1で検出されれば(S7でYES)、S8にて表示部104の液面検出表示部104d及びスピーカ106によって液有り出力がなされる(例えば、液面検出表示部104dが点灯、スピーカ106が連続音)。なお、省エネルギーのため、以降の測定用超音波ビームSWの出力は停止される。同時に、S81にてこのときのロータリエンコーダ4の出力から液面レベルLV0〜LV10が測定され、RAM107c(図9参照)に記憶される。さらに、S82にてロータリエンコーダ4が終点(最下位液面レベルLV0)に到達した(すなわち、全行程移動距離Hを踏破したか)ことを確認し(S82でYES)、S83にてボンベサイズと計測日付とがRAM107c(図9参照)に記憶されて、液面検出処理を終了する。
【0056】
一方、所定時間T内に反射超音波が超音波トランスジューサ1で検出されなければ(S7でNO)、S13にて表示部104の液面検出表示部104d及びスピーカ106によって液無し出力がなされた後(例えば、液面検出表示部104dが点滅、スピーカ106が断続音)、液面検出処理を終了する。なお、メインスイッチ105aが「測定」にセットされていない場合(S1でNO)、及び測定開始がON入力されなかった場合には(S4でNO)、それぞれそのまま液面検出処理を終了する。
【0057】
このように、測定用超音波ビームSWによって液面位置LVを計測するとともに、ロータリエンコーダ5によって上下方向の移動距離を計測するので、液体Lの残容量(液面レベルLV0〜LV10)の測定精度の向上に伴って、液化ガスボンベ等の消費時期の予測精度も向上する。
【0058】
この実施例では、液面位置LVの検出が、液無しから液有りに移行する際の反射超音波情報によって判定される(図7参照)。そして測定開始位置(最上位液面レベルLV10)から測定時の液面位置LVに至るまでの間、超音波トランスジューサ1からの測定用超音波ビームSWの出力は停止されるので、液面位置LVの誤検出を防止できるとともに消費電力を抑制し省エネルギー化を推進することができる。
【0059】
また、ロータリエンコーダ5によって起点(最上位液面レベルLV10)から終点(最下位液面レベルLV0)までの全行程の移動距離Hを測定し、併せて液面位置LVまでの移動距離をその間に同時測定できる。したがって、1回の測定結果から、全行程移動距離H(金属タンク10の高さ)と液面位置LVまでの移動距離(液無し領域の高さ)との比をとれば、金属タンク10のサイズにかかわらず、その金属タンク10における現状の液面レベルLV0〜LV10(液体Lの残容量)が直ちに得られる。
【0060】
なお、実施例2(図12〜図14)において、実施例1(図1〜図11)と共通する機能を有する部分には同一符号を付して説明を省略した。
【0061】
また、実施例2において、超音波レベル計100’の移動方向(回転ローラ4の回転方向)の識別は反射超音波検出信号によって行なえるが(図7参照)、ロータリエンコーダ5によって識別することも可能である。さらに、実施例2において、ロータリエンコーダ5によって全行程の移動距離Hを測定しない場合には、実施例1と同様に入力スイッチ105dや確定スイッチ105eによってボンベサイズの入力を行なってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の可搬式液体検知ユニットによる液面検出の一例を示す外観説明図。
【図2】図1の容器内部を示す断面説明図。
【図3】図1の可搬式液体検知ユニットの構成例をその電気的構成とともに示す模式図。
【図4】可搬式液体検知ユニットの入力部及び表示部の構成例を示す説明図。
【図5】図4の可搬式液体検知ユニットの入力部及び表示部の電気的構成を示すブロック図。
【図6】液面検出処理を示すフローチャート。
【図7】液面検出処理において超音波トランスジューサによる超音波の発受信例を表わすタイミングチャート。
【図8】図6に続きデータ出力処理を示すフローチャート。
【図9】レベル測定情報の記憶形態を示す説明図。
【図10】レベル測定情報に基づく消費時期予測を示す説明図。
【図11】表示部での表示例を示す説明図。
【図12】可搬式液体検知ユニットの入力部及び表示部の他の構成例を示す説明図。
【図13】図12の可搬式液体検知ユニットの入力部及び表示部の電気的構成を示す模式図。
【図14】液面検出処理の他の例を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0063】
1 超音波トランスジューサ(超音波出力部;反射超音波検出部;液面位置検出手段)
1a 超音波送受信面
2 音響インピーダンス整合層
2a 先端面(容器接触面)
3 ケース体
4 回転ローラ
5 ロータリエンコーダ(移動距離測定手段;回転方向検出手段)
10 金属タンク(容器)
10S タンク側壁部(容器壁部)
10a タンクの壁部外面(容器の壁部外面)
100 超音波レベル計(可搬式液体検知ユニット)
104 表示部
104a 日付表示部
104b ボンベ表示部
104c レベル表示部(残量表示手段)
104d 液面検出表示部
105 入力部
105a メインスイッチ
105b 測定開始・終了兼用スイッチ
105c 選択スイッチ(レベル入力手段;日付入力手段;ボンベ入力手段)
105d 入力スイッチ(レベル入力手段;日付入力手段;ボンベ入力手段)
105e 確定スイッチ(レベル入力手段;日付入力手段;ボンベ入力手段)
106 スピーカ
107 マイコン(液面検出制御手段)
107a CPU(予測手段)
107c RAM(記憶手段)
107e 内蔵クロック(日付確定手段)
200 被測定系
H 全行程移動距離(容器の高さ)
L 液体
LV 液面(液表面)位置
LV0〜LV10 液面レベル(液面位置レベル)
SW 測定用超音波ビーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を収容した容器を被測定系として、その容器の側壁部外面に沿って移動可能に使用される可搬式液体検知ユニットであって、
前記被測定系を励振するための測定用超音波ビームを前記容器の厚さ方向に出力するとともに、前記被測定系からの残響超音波及び前記被測定系における反射超音波の受信も可能な超音波送受信面を含む超音波トランスジューサを有し、前記液体の液面位置を前記容器の外部から検出可能な液面位置検出手段と、
その液面位置検出手段によって検出された液面位置に基づき、前記容器に収容された液体の残容量を液面位置レベルで表示する残量表示手段とを備えることを特徴とする可搬式液体検知ユニット。
【請求項2】
前記液面位置レベルを人為的に入力するレベル入力手段と、
前記液面位置レベルが検出された日付を人為的に入力する日付入力手段と、
入力された液面位置レベルと日付とを関連付けてレベル測定情報として記憶する記憶手段と、
その記憶手段に記憶された複数個のレベル測定情報から前記液体の残容量が所定量以下となる消費時期を予測する予測手段とを備える請求項1に記載の可搬式液体検知ユニット。
【請求項3】
液体を収容した容器を被測定系として、その容器の側壁部外面に沿って移動可能に使用される可搬式液体検知ユニットであって、
前記被測定系を励振するための測定用超音波ビームを前記容器の厚さ方向に出力するとともに、前記被測定系からの残響超音波及び前記被測定系における反射超音波の受信も可能な超音波送受信面を含む超音波トランスジューサを有し、前記液体の液面位置を前記容器の外部から検出可能な液面位置検出手段と、
前記容器の側壁部外面に定められた測定開始位置を起点としてその側壁部外面における上下方向の移動距離を計測するための移動距離測定手段と、
前記液面位置検出手段によって検出された液面位置と、前記移動距離測定手段によって計測された移動距離とに基づき、前記容器に収容された液体の残容量を液面位置レベルとして表示する残量表示手段とを備えることを特徴とする可搬式液体検知ユニット。
【請求項4】
前記液面位置検出手段と移動距離測定手段とによって検出された液面位置レベルを、その液面位置レベルが検出された日付と関連付けてレベル測定情報として記憶する記憶手段を備える請求項3に記載の可搬式液体検知ユニット。
【請求項5】
前記記憶手段に記憶された複数個のレベル測定情報から前記液体の残容量が所定量以下となる消費時期を予測する予測手段を備える請求項4に記載の可搬式液体検知ユニット。
【請求項6】
前記移動距離測定手段は、前記容器の側壁部外面に接触して回転する回転ローラの相対回転角度を検出し、
前記液面位置検出手段は、前記超音波トランスジューサが反射超音波又は残響超音波を受信することによって前記液面位置を検出し、
前記回転ローラの相対回転角度の検出と前記液面位置の検出とが同時に実行される請求項3ないし5のいずれか1項に記載の可搬式液体検知ユニット。
【請求項7】
前記移動距離測定手段は、前記回転ローラの回転方向を検出する回転方向検出手段を有し、その回転方向検出手段で検出された回転方向によって、前記液面位置の検出が液無しから液有りに移行する状態で行なわれるか液有りから液無しに移行する状態で行なわれるかを識別する請求項6に記載の可搬式液体検知ユニット。
【請求項8】
前記液面位置の検出が、液無しから液有りに移行する際の反射超音波情報又は残響超音波情報によって判定される場合、前記測定開始位置から前回測定時の液面位置に至るまでの間、前記液面位置検出手段は前記超音波トランスジューサからの測定用超音波ビームの出力を停止する請求項3ないし6のいずれか1項に記載の可搬式液体検知ユニット。
【請求項9】
前記液面位置の検出が、液有りから液無しに移行する際の反射超音波情報又は残響超音波情報によって判定される場合、前記液面位置検出手段は前記液面位置の検出以降、前記超音波トランスジューサからの測定用超音波ビームの出力を停止する請求項3ないし6のいずれか1項に記載の可搬式液体検知ユニット。
【請求項10】
前記移動距離測定手段は、前記容器の側壁部外面に定められた測定開始位置を起点とし、その側壁部外面における上下方向の終点までの全行程移動距離を計測して前記容器の高さを測定するとともに、その全行程移動距離の中途位置にて前記液面位置を検出し、
前記残量表示手段は、前記全行程移動距離と前記液面位置までの移動距離とに応じて前記液体の残容量を液面位置レベルとして表示する請求項3ないし9のいずれか1項に記載の可搬式液体検知ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−109238(P2009−109238A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−279351(P2007−279351)
【出願日】平成19年10月26日(2007.10.26)
【出願人】(000006932)リコーエレメックス株式会社 (708)
【Fターム(参考)】