説明

可搬式発光器

【課題】 充電可能な充電池を使用して、常に使用可能とした.
【解決手段】 搬送可能な筐体2内に設けられた交流−直流変換器12が、商用交流電源を直流電源に変換する。筐体2内に設けられた充電池34が、交流−直流変換器12によって充電される。筐体2の外部に設けられた発光体4a、4bが、開放接点32を介して充電池34の両端に接続されている。筐体2内に設けられた駆動手段30が、交流−直流変換器12の出力が消失したとき、開放接点32を閉じる。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、搬送可能な発光器に関し、特に充電可能なものに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、上記のような搬送可能な発光器としては、典型的なものとしては懐中電灯がある。
【0003】
しかし、懐中電灯では、内蔵されている電池が消耗すると、新たな電池に交換しなければならない。そのため、実際に使用したいときには、電池が消耗していて使用不能であることもあった。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
本考案は、充電可能な充電池を使用して、常に使用可能とした可搬式発光器を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本考案による可搬式発光器は、 搬送可能な筐体を有している。この筐体内に交流−直流変換器が設けられている。この交流−直流変換器は、商用交流電源を直流電源に変換する。前記筐体内に充電池が設けられ、この充電池は前記交流−直流変換器によって充電される。前記筐体の外部に発光体設けられている。この発光体は、開放接点を介して前記充電池の両端に接続されている。前記筐体内に駆動手段が設けられている。この駆動手段は、前記交流−直流変換器の出力が消失したとき、前記開放接点を閉じる。
【0006】
このように構成された可搬式発光器では、交流−直流変換器によって充電池が充電される。そして、交流−直流変換器への交流の供給が絶たれ、交流−直流変換器の出力が消失したとき、駆動手段が、開放接点を閉じて、充電池から発光体に直流電源が供給され、筐体の外部に設けられている発光体が発光する。
【0007】
前記駆動手段は、前記充電池の両端に接続された直列回路を備えることができる。この直列回路は、電流が供給された前記開放接点を駆動する接点駆動部と、制御端子に制御信号が供給されたとき閉じられるスイッチング素子とからなる。
さらに、付勢回路が設けられている。この付勢回路は、交流−直流変換器の出力が消失したとき、前記スイッチング素子の制御端子に制御信号を供給する。
【0008】
このように構成された可搬式発光器では、交流−直流変換器の出力が消失したとき、付勢回路がスイッチング素子の制御端子に制御信号を供給し、スイッチング素子が閉じられ、接点駆動部に電流が流れ、開放接点が閉じられ、発光体が点灯する。
【0009】
さらに、前記スイッチング素子に並列に第1の手動スイッチを接続することができる。このように構成した場合、第1の手動スイッチを閉じると、接点駆動部に電流が流れ、開放接点が閉じられ、発光体が点灯する。従って、交流−直流変換器の出力が消失していない状態でも、発光体が発光するか否か点検することができる。
【0010】
また、閉じられたとき、前記スイッチング素子の制御端子への前記制御信号を非供給状態とする第2の手動スイッチを設けることもできる。このように構成した場合、付勢回路が制御信号をスイッチング素子に供給して、発光体が発光している状態において、第2の手動スイッチを操作すると、制御信号の供給が絶たれ、発光体が発光を中止する。従って、発光を停止させることができる。また、発光体を発光させる必要が生じると、第2の手動スイッチを再度操作することによって、制御信号を供給状態とでき、再び発光体を発光させることができる。
【0011】
【考案の実施の形態】
本考案の1実施形態の可搬式発光器は、図1に示すように、筐体2を有している。この筐体2は、概略直方体状に形成され、携帯可能な大きさに形成されている。この筐体2の上面の左右両側には、それぞれ発光体、例えばランプ4a、4bが配置されている。これらランプ4a、4bは、概略U字状に形成された支持体6a、6bに、水平な軸回りに回転自在に配置されている。従って、発光体4a、4bが照らす位置を任意に変更することができる。2つのランプ4a、4bを使用しているが、少なくとも1つのランプを使用すれば良く、3つ以上のランプを使用することもできる。
【0012】
また、ランプ4a、4bの間には、ベルト8が取り付けられており、このベルト8は、筐体2を移動させる際に使用される。また、図2に示すように、筐体2の背面には、筐体2を壁等に固定するための孔10、10が設けられている。
【0013】
筐体2内には、図3に示すように、交流−直流変換器12が設けられている。
この交流−直流変換器12の入力側には、商用交流電源からの交流電圧を変圧器14によって変圧した交流電圧が供給されている。変圧器14の入力側には、電源スイッチ16とヒューズ18とが直列に設けられている。電源スイッチ16は、筐体2の正面から操作可能である。
【0014】
交流−直流変換器12の出力12a、12b間には、充電池34が接続されている。さらに、出力12a、12b間には、付勢回路20が設けられている。この付勢回路20は、交流−直流変換器12の2つの出力12a、12b間に直列に接続されたバイアス抵抗器22、24を有し、その接続点が半導体スイッチング素子、例えばトランジスタ26のベースに接続され、このトランジスタ26のエミッタは、出力12bに接続されている。このトランジスタ26のコレクタは、負荷抵抗器27を介して出力12aに接続されている。
【0015】
筐体2内には、付勢回路20によって閉じられる半導体スイッチング素子、例えばトランジスタ28も設けられている。このトランジスタ28のエミッタは、出力12bに接続され、ベースは、トランジスタ26のコレクタに接続されている。トランジスタ28のコレクタには直列に接点駆動部、例えばリレーコイル30が接続され、このリレーコイル30は出力12aに接続されている。リレーコイル30と出力12aとの接続点は、リレーコイル30に電流が流れたときに閉じられる開放接点、例えばリレー接点32を介して並列に接続されたランプ4a、4bに接続されている。
【0016】
また、トランジスタ26、28のエミッタ−コレクタに並列に開閉スイッチ36、38が設けられている。開閉スイッチ36、38は、手動によって開閉される機械スイッチである。開閉スイッチ36、38は、図1に示すように筐体2の正面から操作可能である。
【0017】
このように構成された可変式発光器では、電源スイッチ16を閉じると、変圧器14に交流電圧が供給され、変圧され、交流−直流変圧器12によって直流電圧に変換される。この直流電圧によって、充電池34が充電される。このとき、トランジスタ26のベースにバイアスが与えられ、トランジスタ26が導通し、その結果、トランジスタ28のベースが低電位となり、トランジスタ28は非導通である。その結果、リレーコイル30には電流が流れず、ランプ4a、4bには電流が供給されず、これらは発光しない。
【0018】
充電池34への充電が完了した後、電源スイッチ16を開放すると、トランジスタ26へのバイアスが供給されず、トランジスタ26は非導通となる。このとき、抵抗器27を介してトランジスタ28にバイアスが供給され、トランジスタ28が導通し、リレー駆動コイル30に電流が流れ、リレー接点32が閉じられ、ランプ4a、4bに電流が流れ、これらランプ4a、4bが発光する。従って、交流電源が存在しない場所でも、ランプ4a、4bを発光させることができる。
【0019】
このようにランプ4a、4bが発光している状態において、開閉スイッチ38を閉じると、トランジスタ28が非導通状態となり、リレー駆動コイル30に電流が流れなくなり、リレー接点32が開放され、ランプ4a、4bが消灯する。
この状態で、開閉スイッチ38を開くと、ランプ4a、4bを再び点灯させることができる。従って、充電が完了後であって、ランプ4a、4bを点灯する必要のない期間には、開閉スイッチ38を閉じておけばよい。
【0020】
また、充電池34を充電している状態において、開閉スイッチ38を閉じると、リレー駆動コイル30に電流が流れ、リレー接点32が閉じられ、ランプ4a、4bに電流が流れる。従って、開閉スイッチ38を閉じたときに、ランプ4a、4bが発光すると、ランプ4a、4bが正常であることを確認できる。
【0021】
上記の実施の形態では、半導体スイッチング素子としてトランジスタ26、28を使用したが、これに限ったものではなく、FETを使用することができる。
また、上記の実施の携帯では、2つのランプ4a、4bを使用したが、その数は任意に変更することができ、最低限度1個だけランプを設ければよい。
【0022】
【考案の効果】
以上のように、本考案による可搬式発光器では、交流−直流変換器への交流の供給が絶たれたとき、筐体の外部に設けられている発光体が発光するので、常時、交流電源に接続しておけば、停電時には自動的に発光するし、筐体が移動可能であるので、所望の場所に移動させて照明することもできる。さらに、第1の手動スイッチを閉じることによって、交流−直流変換器の出力が消失していない状態でも、発光体が発光するか否か点検することができる。また、第2の手動スイッチを操作すると、発光体の発光を中止させることができるので、充電が終了した後、第1の手動スイッチを閉じておけば、所望の場所まで、この発光器を移動させている間、発光体の不要な発光を防止でき、充電池の無用な消耗を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の1実施の形態の可搬式発光器の正面図である。
【図2】図1の可搬式発光器の背面図である。
【図3】図1の可搬式発光器のブロック図である。
【符号の説明】
2 筐体
4a、4b ランプ(発光体)
12 交流−直流変換器
20 付勢回路
28 トランジスタ(半導体スイッチング素子)
30 リレー駆動コイル(接点駆動部)
32 リレー接点(開放接点)

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 充電可能な充電池を使用して、常に使用可能とした搬送可能な筐体と、この筐体内に設けられ、商用交流電源を直流電源に変換する交流−直流変換器と、前記筐体内に設けられ、前記交流−直流変換器によって充電される充電池と、開放接点を介して前記充電池の両端に接続され、前記筐体の外部に設けられた発光体と、前記筐体内に設けられ、前記交流−直流変換器の出力が消失したとき、前記開放接点を閉じる駆動手段とを、具備する可搬式発光器。
【請求項2】 請求項1記載の可搬式発光器において、前記駆動手段は、電流が供給された前記開放接点を駆動する接点駆動部と、制御端子に制御信号が供給されたとき閉じられるスイッチング素子とからなり、前記充電池の両端に接続された直列回路と、前記交流−直流変換器の出力が消失したとき、前記スイッチング素子の制御端子に制御信号を供給する付勢回路とを、具備する可搬式発光器。
【請求項3】 請求項2記載の可搬式発光器において、前記第1のスイッチング素子に並列に接続された第1の手動スイッチを有する可搬式発光器。
【請求項4】 請求項2記載の可搬式発光器において、閉じられたとき、前記スイッチング素子の制御端子への前記制御信号を非供給状態とする第2の手動スイッチを有する可搬式発光器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【登録番号】実用新案登録第3083870号(U3083870)
【登録日】平成13年11月21日(2001.11.21)
【発行日】平成14年2月15日(2002.2.15)
【考案の名称】可搬式発光器
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願2001−5122(U2001−5122)
【出願日】平成13年8月3日(2001.8.3)
【出願人】(501309392)
【出願人】(501308719)株式会社ソレイユ (1)