説明

可搬性治療用ガス分配装置

二酸化炭素等の治療用ガスをユーザに鼻腔内送達するための携帯型ディスペンサーについて説明する。ディスペンサーは、概して、圧縮ガスシリンダと、穿刺ピンブロックと、バルブと、調節器チューブと、鼻当てと、を備える。調節器チューブは、ディスペンサーからのガスの圧力および流量の両方を調節する。本明細書に説明される携帯型ディスペンサーは、一般に、入口端と、出口端と、その間の長さと、さらに、内径を有する、調節器チューブを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本願は、2010年3月3日に出願された米国仮特許出願第61/310,117号への優先権を主張し、この米国仮特許出願の全体は、本明細書中に参考として援用される。
【0002】
(分野)
ユーザ、例えば、患者の鼻粘膜への治療用ガスの分配および投与のための可搬性携帯型デバイスについて説明する。具体的には、治療用ガスの流量(flow rate)および圧力を制御するための調節器チューブを備える、携帯型デバイスについて説明する。加圧された治療用ガスの安全かつ制御された鼻腔内送達のために、携帯型ディスペンサーからのガス流量(flow)および圧力を調節するための方法もまた、説明される。
【背景技術】
【0003】
(背景)
典型的圧縮ガス圧力調節器は、ガス放出オリフィスの開放および閉鎖を調節する、バネ荷重ダイヤフラム機構を組み込む。本機構は、指定される範囲内の任意の値において、一定の送達圧力を提供するように、手動で較正することができる。所望の送達圧力が設定された後、調節器は、ガス放出を開放または閉鎖し、一定の圧力を維持する。順に、流量が、別個の制限オリフィスまたは類似構成要素の使用によって、制御される。圧力調節および流量制御構成要素は、当技術分野において、広く知られており、実践されている。しかしながら、圧力調節器は、典型的には、かさばり、高価であって、コンパクトな携帯型の安価な分配デバイス内での使用のために、あまり理想的ではない。その結果、コンパクトさ、低コスト、信頼性、および製造の容易性の目的を満たす、圧縮ガスの分配圧力および流量を調節するための単純な代替を有することは、有益となるであろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
(要旨)
可搬性携帯型デバイスからの鼻腔内送達のために、治療用ガスの流量および圧力を調節するための調節器チューブについて説明する。すなわち、一つの要素(調節器チューブ)は、圧力および流量の両方を調節する。(例えば、圧力を制御するための圧力調節器および流量を制御するための制限オリフィスの使用の代わりに)一つの要素内における両態様の組み合わせは、コンパクトであって、容易かつ確実に、低コストで製造することができる、鼻腔内ガス送達デバイスを提供するのに有用となり得る。本明細書で使用されるように、用語「チューブ」および「調節器チューブ」は、互換可能に使用される。「調節器チューブ」は、チューブの流量調節および圧力調節の態様を示すために使用される。本明細書に説明される調節器チューブが有益となり得る、例示的携帯型デバイスとして、本譲受人によって共同所有され、参考として本明細書中に援用される米国特許第7,845,347号に説明されるものが挙げられる。
【0005】
本明細書に説明される携帯型ディスペンサーは、一般に、入口端と、出口端と、その間の長さと、さらに、内径を有する、調節器チューブを備える。携帯型ディスペンサーはまた、一般的に、治療用ガスを含む圧縮ガスシリンダと、このガスシリンダを調節器チューブの入口端に連結するバルブと、調節器チューブの出口端に連結される鼻当てとを備える。バルブは、ステムバルブであってもよい。任意の好適なガスが、携帯型デバイスによって送達され得る。例えば、二酸化炭素が、送達されてもよい。
【0006】
治療用ガスをユーザに鼻腔内送達するための方法もまた、本明細書に説明される。一般に、その方法は、調節器チューブを備える、携帯型ディスペンサー(dispenser)をユーザの鼻孔内に挿入するステップと、バルブを作動し、圧縮ガスシリンダから、調節器チューブおよび鼻当てを通して、治療用ガスを選択的に排出するステップと、を備える。調節器チューブは、典型的には、入口端と、出口端と、その間の長さと、また、内径を備える。携帯型ディスペンサーは、通常、治療用ガスを含む、圧縮ガスシリンダと、ガスシリンダを調節器チューブの入口端に連結する、バルブと、調節器チューブの出口端に連結される、鼻当てと、を備える。調節器チューブは、圧縮ガスシリンダから放出される、治療用ガスの流量および圧力を調節する。
【0007】
前述の治療用ガスを送達するための方法が、種々の医学的状態を処置するために採用され得る。例えば、治療用ガスは、頭痛(例えば、偏頭痛、緊張性頭痛、群発性頭痛)、顎痛、顔面痛(例えば、三叉神経痛)、アレルギー状態(例えば、季節性アレルギー性鼻炎および通年性アレルギー性鼻炎を備える、鼻炎、ならびに結膜炎)、ぜんそく、神経疾患(例えば、てんかん、パーキンソン病)、虚血性心疾患、ならびに肺高血圧症と関連した症状を処置するために送達されてもよい。この方法のいくつかの変形例は、季節性アレルギー性鼻炎または通年性アレルギー性鼻炎を処置するために送達されるガスとして、二酸化炭素を採用する。別の変形例では、一酸化窒素またはその改変体が、虚血性心疾患を処置するために送達される。さらなる変形例では、酸化窒素またはその改変体が、肺高血圧症を処置するために送達される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、一変形例による、調節器チューブを備える、例示的携帯型ディスペンサーを例証する。
【図2】図2は、調節器チューブの別の変形例を備える、携帯型ディスペンサーのための流量性能を例証する。
【図3】図3は、調節器チューブのさらなる変形例を備える、携帯型ディスペンサーのための流量性能を例証する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
詳細な説明
治療用ガスの鼻腔内送達のための可搬性携帯型デバイスからのガス流量および圧力を調節するための調節器チューブについて説明する。調節器チューブは、ガス放出オリフィスの開放および閉鎖を調節する、バネ荷重ダイヤフラム機構を組み込む、典型的圧縮ガス圧力調節器に取って代わり得る。前述のように、従来の圧力調節器は、典型的には、かさばりかつ高価であって、コンパクトであって、携帯型の安価な分配デバイスにおいて使用するためにあまり望ましくないものにする。
【0010】
治療用ガスの携帯型ディスペンサーのための従来のガス圧力調節器に勝る、本明細書に説明される調節器チューブの有益な側面として、以下が挙げられ得る。
1.較正が必要ない。圧力および流量は、チューブ長およびチューブ径に基づいて、精密に制御され得る。
2.圧力および流量調節は、単純要素(すなわち、チューブ)の使用を通して、達成され得る。
3.死容積が、従来の圧力調節器と比較して、最小限にされ得る。死容積は、ガスが、調節要素を通って移動するのに伴って充填しなければならない、空隙を指す。空隙が大きい場合、空隙を充填するガスが、概して、無駄にされるため、小空隙と比較して、分配あたり、より多くのガスが、消費される。
4.低製造コスト/少ない全体的部品数。
5.ユーザに危険を及ぼすであろう、有意な圧力スパイクが、生じ得ないため、本質的に、安全である。具体的には、従来の調節器は、高圧ガスが、効果的調節を伴うことができるなく送達され得るという点において、潜在的に欠点があり得る(例えば、ダイヤフラムが、破損し得る、または調節器が、誤較正され得る)。調節器チューブは、チューブ強度が、送達されるガスの圧力を保持するために十分であるため、このような種類の欠点を有し得ない。さらに、ガスは、必ず、チューブを通って進行し、したがって、調節されることになる。
6.コンパクト性。
7.単純な製造/製造誤差または許容値問題の危険性が低い。
8.狭小チューブは、高バースト圧力および低フープ応力(すなわち、高安全率)を有し得る。
【0011】
本発明者らは、調節器チューブの利用が、治療用ガスの携帯型ディスペンサーをユーザに与えるための信頼性があって、かつコスト効果的装置となり得ることを発見した。調節器チューブの長さおよび直径を変動させることによって、治療用ガスの流量が、制御され得る。調節器チューブを通る流量は、以下のハーゲン・ポアズイユの式に基づいてもよい。
【化1】

式中、Q=流量
ΔP=チューブにわたる圧力降下
d=チューブ径
l=チューブ長
μ=流体の動的粘度。
【0012】
本式は、チューブ径およびチューブ長と圧力降下および流体流量へのそのそれぞれの寄与との間の関係を説明する(チューブ径dは、チューブの内径を指す)。チューブ径が、例えば、半分に切断される場合、流体流量は、元の割合の1/16に低減されるであろう。一方、チューブ長が倍にされる場合、流量は、半分になるであろう。その結果、具体的圧力状態に対して、チューブ径およびチューブ長は、結果として生じた圧力降下および流量を画定する。さらに、これらの2つのパラメータ、直径および長さは、同一結果を達成するための種々の方法において、対となり得る。同等性能は、例えば、比較的短い長さの小径チューブまたはより長い長さのより大きな直径のチューブを使用することによって、達成され得る。これによって、設計者は、広範囲の設計パラメータおよび制約に対して、チューブの特性を指定し、全体的部品数を縮小し、ガス圧力および流量を制御することが可能となる。
【0013】
一般に、調節器チューブは、従来の圧力調節器および速度制御オリフィス(または、均等物)の代わりに、圧力および流量制御要素として、採用され得る。本明細書に説明される調節器チューブは、約0.10SLPM(標準リットル/分)から約1.00SLPM、約0.20から約0.80SLPM、または約0.30から約0.60SLPMの範囲の流量で、治療用ガスを送達するように構成されてもよい。いくつかの変形例では、調節器チューブは、約0.50SLPMの流量で、治療用ガスを送達するように構成される。
【0014】
初期ガス圧力(入口圧力)に関して、調節器チューブは、約300psi(ポンド/平方インチ)から約1800psi、約600psiから約1200psi、または約750psiから約900psiの範囲の(入口端における)初期圧力を提供するように構成されてもよい。一変形例では、初期ガス圧力は、約850psiである。本明細書に説明される調節器チューブを使用時、(出口端における)出口圧力は、鼻腔内送達のために好適な圧力である、約14.7psi(1気圧)であってもよい。
【0015】
任意の好適な治療用ガスは、携帯型デバイスによって、送達されてもよい。例示的治療用ガスとして、二酸化炭素、酸化窒素、酸素、硫化水素、キセノン、ガス状酸およびヘリウムの等炭酸ガス性混合物、その改変体、ならびにそれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。治療用ガスは、他のガス、活性剤、あるいは治療用ガスを希釈するか、または他の生物学的活性を有する、他の物質を伴わない、実質的に純粋な形態で使用されてもよい。他の事例では、治療用ガスは、不活性担体ガス、活性ガス等の他のガス、エアロゾルを形成する固体、エアロゾル、スプレー、粉末を形成する液体液滴等と、その効果を増強(向上)するために、組み合わせられてもよい。いくつかの変形例では、治療ガスは、二酸化炭素である。
【0016】
前述に照らして、調節器チューブの長さは、約2.54cm(1.0インチ)から約152.4cm(60インチ)、約2.54cmから約127cm(50インチ)、約2.54cmから約101.6cm(40インチ)、約2.54cmから約76.2cm(30インチ)、約2.54cmから約50.8cm(20インチ)、約2.54cmから約25.4cm(10インチ)、または約2.54cmから約12.7cm(5インチ)の範囲であってもよい。一変形例では、調節器チューブの長さは、約12.7cm(5インチ)から約38.1cm(15インチ)の範囲である。
【0017】
本明細書に説明される調節器チューブの内径(ID)は、約0.00254cm(0.001インチ)から約0.0127cm(0.005インチ)の範囲であってもよい。このチューブのいくつかの変形例は、約0.00254cm(0.001インチ)から約0.00508cm(0.002インチ)である。
【0018】
長さ約91.4cm(36インチ)であって、かつID約0.0102cm(0.004インチ)を有する、調節器チューブは、携帯型鼻腔内送達デバイス内に組み込むために有益であり得る。また、ID約0.003cm(0.001インチ)を有する、長さ約12.7cm(5インチ)の調節器チューブを備えることが有用であり得る。
【0019】
代替として、約500:1から約12,000:1、約1,000:1から約12,000:1、約5,000:1から約12,000:1、または約10,000:1から約12,000:1の範囲の長さ対内径の比率を有する調節器チューブが、使用されてもよい。例えば、長さ対内径の比率は、約9,000:1であってもよい。いくつかの事例では、長さ対内径の比率は、約5,000:1である。他の事例では、長さ対内径の比率は、12,000:1超であってもよい。
【0020】
調節器チューブは、送達される治療用ガスの圧力に耐えることができる限り、任意の好適な材料から作製されてもよい。例えば、調節器チューブは、ポリマー材料から、例えば、フルオロポリマー、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、シリコーン、ポリアミド、Pebax(登録商標)ポリエーテルブロックアミド等から、形成されてもよい。いくつかの事例では、調節器チューブは、金属から作製される。
【0021】
図1を参照すると、入口端7および出口端8と、前段落に説明される特性と、を有する、調節器チューブ2を伴う、例示的携帯型ディスペンサー10が、示される。携帯型ディスペンサー10のサイズは、容易に、片手で保持され得るようなものである。携帯型ディスペンサー10は、穿刺ピンブロック4の底部に添着された、治療用ガスを含有する、圧縮ガスシリンダ5を含む。これらの2つの要素を組み立てることによって、穿刺ピンに、圧縮ガスシリンダ5の頭部上の薄い金属キャップを破裂させ、したがって、穿刺ピンを通して、ステムバルブ3内にへと、圧縮治療用ガスの自由流動を可能にする。多孔性フィルタが、穿刺ピンブロック4内に組み込まれ、ガス流から、いかなる粒子も除去する。穿刺ピンブロック4の上部は、ステムバルブ3の底部に連結される。ステムバルブ3は、バルブが閉鎖されると、いかなる下流ガス流も防止し、開放されると、ガスの流動を可能にするように、圧縮ガスシリンダを調節器チューブの入口端7に連結する、オン/オフバルブである。すなわち、ステムバルブ3は、典型的には、圧縮ガスシリンダから、調節器チューブ2を通して、ガスの選択的排出を可能にする。ここでは、ステムは、ボールバルブ、ポペットバルブ等に締結されてもよい。バルブは、通常、閉鎖され、本変形例では、オン/オフプッシュボタン6の手動押下によって、開放される。ステムバルブ3の上部は、調節器チューブ2の一端に連結される。ステムバルブ3が開放されると、ガスは、ステムバルブ3を通して、調節器チューブ2内へと流動する。調節器チューブ2の他端は、鼻当て1に連結される。調節器チューブ2は、ガスがチューブを移動し、最後に、鼻当て1から流出するのに伴って、ガス圧力および流量を所望の値に下方調節する。ここでは、調節器チューブ2は、コイル状であって、分配デバイスの全体的サイズを最小限にする。他のチューブ構成を使用して、提案されるデバイス幾何学形状および容積制約に適合させてもよい。
【0022】
一変形例では、寸法0.004インチID×36インチ長(0.0101cmID×91.4cm長)を有する、調節器チューブが、携帯型鼻腔内送達デバイス内で採用される。本調節器チューブの流量性能は、図2に示される。ここでは、標的流量は、0.5標準リットル/分(SLPM)であった。データは、温度21℃および圧縮ガスシリンダ内の初期ガス圧力850psiに対して収集された。圧縮二酸化炭素は、従来の小型シリンダ(12グラムCO)から送達された。データは、流量が、1回から約67回の投与に対して、標的0.5SLPMに対して、合理的に一定であることを示す。相対的一定の流量の本領域は動作領域と称される。67回の投与後、圧縮ガスの圧力は、標的流量を維持するために不十分である。本動作領域は、ガス枯渇領域と見なされる。
【0023】
別の変形例では、寸法0.001インチID×5インチ長(0.003cm×12.7cm長)を有する、調節器チューブが、携帯型鼻腔内送達デバイス内で使用される。本チューブの流量性能は、図3に示される。ここでは、標的流量は、0.6標準リットル/分(SLPM)である。データは、温度21℃および圧縮ガスシリンダ内の初期ガス圧力850psiに対して収集された。データは、流量が、1回から約46回の投与に対して、標的0.6SLPMと相対的に、合理的に一定であることを示す
【0024】
治療用ガスのユーザへの鼻腔内送達のための方法もまた、本明細書に説明される。いくつかの変形例では、方法は、前述のように、携帯型ディスペンサーを取得するステップと、ステムバルブを開放し、圧縮ガスシリンダから、ステムバルブを通して、調節器チューブにガスを流動させるステップと、調節器チューブ内のガス流量を低減および調節するステップと、低減および調節されたガス流量を鼻当てに流動させるステップと、を含む。
【0025】
他の変形例では、治療用ガスをユーザに鼻腔内送達するための方法は、調節器チューブを備える、携帯型ディスペンサーをユーザの鼻孔内に挿入するステップと、バルブを作動させ、圧縮ガスシリンダから、調節器チューブおよび鼻当てを通して、治療用ガスを選択的に排出するステップと、を備える。ここでは、ディスペンサーは、入口端と、出口端と、その間の長さと、また、内径を有する、調節器チューブと、治療用ガスを含む、圧縮ガスシリンダと、ガスシリンダを調節器チューブの入口端に連結する、バルブと、調節器チューブの出口端に連結される、鼻当てと、を含む。調節器チューブは、圧縮ガスシリンダから放出される、治療用ガスの流量および圧力を調節する。
【0026】
前述の治療用ガスを送達するための方法は、種々の医療状態を処置するために使用されてもよい。例えば、治療用ガスは、頭痛(例えば、偏頭痛、緊張性頭痛、群発性頭痛)、顎痛、顔面痛(例えば、三叉神経痛)、アレルギー状態(例えば、季節性アレルギー性鼻炎および通年性アレルギー性鼻炎を備える、鼻炎、ならびに結膜炎)、ぜんそく、神経疾患(例えば、てんかん、パーキンソン病)、虚血性心疾患、ならびに肺高血圧症と関連付けられた症状を処置するために送達されてもよい。この方法のいくつかの変形例は、季節性アレルギー性鼻炎または通年性アレルギー性鼻炎を処置するために送達されるガスとして、二酸化炭素を採用する。別の変形例では、酸化窒素またはその改変体が、虚血性心疾患を処置するために送達される。さらなる変形例では、酸化窒素またはその改変体が、肺高血圧症を処置するために送達される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯型ディスペンサーであって、
入口端と、出口端と、その間の長さと、を有し、さらに、内径を有する、調節器チューブと、
治療用ガスを含む、圧縮ガスシリンダと、
該ガスシリンダおよび該調節器チューブの該入口端に連結される、バルブと、
該調節器チューブの該出口端に連結される、鼻当てと、
を含む、携帯型ディスペンサー。
【請求項2】
前記バルブは、ステムバルブである、請求項1に記載の携帯型ディスペンサー。
【請求項3】
前記治療用ガスは、二酸化炭素を含む、請求項1に記載の携帯型ディスペンサー。
【請求項4】
前記調節器チューブは、コイル状である、請求項1に記載の携帯型ディスペンサー。
【請求項5】
前記調節器チューブの長さは、約2.54cm(1.0インチ)から約152.4cm(60インチ)の範囲である、請求項1に記載の携帯型ディスペンサー。
【請求項6】
前記調節器チューブの長さは、約91.4cm(36インチ)である、請求項5に記載の携帯型ディスペンサー。
【請求項7】
前記調節器チューブの長さは、約12.7cm(5.0インチ)から約38.1cm(15インチ)の範囲である、請求項1に記載の携帯型ディスペンサー。
【請求項8】
前記調節器チューブの長さは、約12.7cm(5インチ)である、請求項7に記載の携帯型ディスペンサー。
【請求項9】
前記調節器チューブの内径は、約0.00254cm(0.001インチ)から約0.0127cm(0.005インチ)の範囲である、請求項1に記載の携帯型ディスペンサー。
【請求項10】
前記調節器チューブの内径は、約0.003cm(0.001インチ)である、請求項9に記載の携帯型ディスペンサー。
【請求項11】
前記調節器チューブの内径は、約0.0102cm(0.004インチ)である、請求項9に記載の携帯型ディスペンサー。
【請求項12】
前記調節器チューブの長さ対内径の比率は、約500:1から約12,000:1の範囲である、請求項1に記載の携帯型ディスペンサー。
【請求項13】
前記調節器チューブの長さ対内径の比率は、約5000:1である、請求項12に記載の携帯型ディスペンサー。
【請求項14】
前記調節器チューブの長さ対内径の比率は、約9000:1である、請求項12に記載の携帯型ディスペンサー。
【請求項15】
治療用ガスをユーザに鼻腔内送達するための方法であって、
携帯型ディスペンサーをユーザの鼻孔内に挿入するステップであって、該ディスペンサーは、
入口端と、出口端と、その間の長さと、を有し、さらに、内径を有する、調節器チューブと、
治療用ガスを含む、圧縮ガスシリンダと、
該ガスシリンダおよび該調節器チューブの入口端に連結される、バルブと、
該調節器チューブの出口端に連結される、鼻当てと、
を含む、ステップと、
該バルブを作動させ、該圧縮ガスシリンダから、該調節器チューブおよび該鼻当てを通して、該治療用ガスを選択的に排出するステップと、
を備え、該調節器チューブは、該圧縮ガスシリンダから放出される、該治療用ガスの流量および圧力を調節する、方法。
【請求項16】
前記治療用ガスは、二酸化炭素を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記調節器チューブの入口端における、前記治療用ガスの圧力は、約300psiから約1800psiの範囲である、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記調節器チューブの入口端における、前記治療用ガスの圧力は、約600psiから約1200psiの範囲である、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記調節器チューブの入口端における、前記治療用ガスの圧力は、約750psiから約900psiの範囲である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記調節器チューブの入口端における、前記治療用ガスの圧力は、約850psiである、請求項15に記載の方法。
【請求項21】
前記調節器チューブの出口端における、前記治療用ガスの圧力は、約14.7psiである、請求項15に記載の方法。
【請求項22】
前記調節器チューブは、約0.10SLPMから約1.0SLPMの範囲の流量において、前記治療用ガスを送達する、請求項15に記載の方法。
【請求項23】
前記調節器チューブは、約0.50SLPMの流量において、前記治療用ガスを送達する、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記治療用ガスは、医療状態を処置するために送達される、請求項15に記載の方法。
【請求項25】
前記医療状態は、頭痛、顎痛、顔面痛、アレルギー状態、ぜんそく、および神経疾患から成る群から選択される、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記医療状態は、頭痛である、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記医療状態は、アレルギー状態である、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記アレルギー状態は、アレルギー性鼻炎である、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記アレルギー性鼻炎は、季節性アレルギー性鼻炎である、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記アレルギー性鼻炎は、通年性アレルギー性鼻炎である、請求項28に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2013−521064(P2013−521064A)
【公表日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−556236(P2012−556236)
【出願日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際出願番号】PCT/US2011/026979
【国際公開番号】WO2011/109591
【国際公開日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【出願人】(512223733)キャップニア, インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】