説明

可撓性を有するマイクロ構造の超疎水性材料

本明細書では、可撓性を有する超疎水性のフィルムを説明する。様々な物品、例えば、任意の形状又は表面の輪郭を有する物品に超疎水性を与える方法も説明する。特定の用途の場合には、可撓性を有する超疎水性のフィルムは、フィルムを物品に付着させるのに有効な接着バッキング層を含む。本明細書で説明するフィルムの幾つかにより、フィルムを撓曲することで表面の濡れ性に対する選択的な制御が可能になり、例えば、フィルムを撓曲することにより、フィルムの濡れ性が上昇する、フィルムの濡れ性が低下する、又はフィルムの濡れ性が変化しない。本明細書で説明する可撓性を有する超疎水性フィルムは、凹形又は凸形の湾曲に変形するときに超疎水性を維持するフィルムも含む。

【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
[0001]本出願は、2009年2月17日出願の米国特許仮出願第61/153028号、2009年2月17日出願の米国特許仮出願第61/153035号、及び2009年3月24日出願の米国特許仮出願第61/162762号の利益及びその優先権を主張するものであり、それらの文献は全体が参照により本明細書に援用される。
【技術分野】
【0002】
[0002]本発明は、超疎水性の材料の分野にある。本発明は、可撓性を有する超疎水性フィルム、及び表面が超疎水性の可撓性を有する物品に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]材料の粗さにより、その材料が液体と相互作用する方式が変わる。図1に、マイクロスケール及びナノスケールの粗さを用いて植物表面の水滴の形状及び挙動を変更する、ハス植物の表面の顕微鏡写真の画像を示す(W. Barthlott及びC. Neinhuis、1997年、「Purity of the sacred lotus, or escape from contamination in biological surfaces」Planta.202:1〜8ページ)。ハス植物の表面は、水滴が表面をあまり濡らさず表面上を簡単に転がり落ちる超疎水性を呈する。これらの特性により、ハス植物の表面を自己洗浄性にすることができる。即ち、表面上を自由に転がる水滴が、泥、ダスト、及び他のデブリを引き寄せ、持ち上げる。液滴が表面から落ちると、デブリが運び去られる。
【0004】
[0004]いくつかの特許及び特許出願公開には、ハス植物の表面と同様の特徴部を採用した生体模倣表面が開示されている。例えば、米国特許第7175723号には、接触面に付着する湾曲面が開示されている。その湾曲面は、直径及び長さが50nm〜2.0μmの複数のナノファイバを特徴とする。
【0005】
[0005]米国特許出願公開第2005/0181195号には、長さ1nm〜200μmの複数のナノファイバを有する超疎水性表面が開示されている。
【0006】
[0006]米国特許出願公開第2006/0078724号には、超疎水性特性を有する粗面構造が開示されている。その粗面は、最大高さ約100μmの複数の隆起を含む。
【0007】
[0007]米国特許出願公開第2006/0097361号には、2等分にハニカムパターニングされた疎水性ポリマー構造が開示されている。2等分する際には、いくつかのマイクロ柱要素が、表面上に残り、その長さが0.1〜50μm、先端部分の長さが0.01〜20μmである。米国特許出願公開第2007/0160790号には、やはり、撥水性のハニカムパターニングされた、繊維質であり針様であるパターニングフィルムが開示されている。
【0008】
[0008]米国特許出願公開第2007/0231542号には、高さ1〜500μmの特徴部を複数有する透明の超疎水性表面が開示されている。
【0009】
[0009]米国特許出願公開第2007/0259156号には、突出したマイクロスケールの特徴部の長さが10mm未満の、超疎水性の導管用ライニングが開示されている。
【0010】
[0010]米国特許出願公開第2008/0213853号には、超疎水性のマイクロパターニングされたポリマーフィルムを有する、磁性流体デバイスが開示されており、そのフィルムは、マイクロスケール若しくはナノスケールの表面のくぼみ、又はナノスケールの構造、例えば、直径1nm〜100μmのナノドット及びナノワイヤを有する。
【0011】
[0011]国際特許出願公開第2008/035917号パンフレットには、ナノメートルスケールの突起を複数有する非湿潤性フルオロポリマー材料を含む、超疎水性表面のライニングを設けた流体移送管の形成が開示されている。
【0012】
[0012]米国特許出願公開第2009/0011222号には、1000時間を超えるエージングの後に150度を超える接触角を維持する、安定した超疎水性表面が開示されている。開示された表面は、疎水性表面を形成するために少なくとも2つの粒子サイズを含む。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0013】
[0013]本明細書では、可撓性を有するマイクロ構造のフィルム、表面、及びシステム、並びにマイクロ構造のフィルム、表面、及びシステムを作り使用する関連の方法を説明する。様々な物品、例えば、任意の形状又は表面の輪郭を有する物品に、超疎水性を与える方法も説明する。特定の用途の場合には、可撓性を有するマイクロ構造フィルムは、物品にフィルムを付着するのに有効な接着バッキング層を含む。本明細書で説明する表面の幾つかにより、撓曲による表面の濡れ性に対する選択的な制御が可能になり、例えば、表面を撓曲することによって、表面の濡れ性が上昇する、表面の濡れ性が低下する、又は表面の濡れ性が変化しない。本明細書で説明する可撓性を有するマイクロ構造のフィルム及び表面は、凹形又は凸形の湾曲に変形するときに超疎水性を維持するフィルム及び表面も含む。
【0014】
[0014]一実施形態では、可撓性を有するマイクロ構造表面が、複数のマイクロ特徴部が設けられた可撓性を有する基板を備える。特定の実施形態では、可撓性を有するマイクロ構造表面は、可撓性を有する基板が変形するとき、例えば、変形して凸形及び/又は凹形の湾曲になるときに、超疎水性を維持する。一実施形態では、可撓性を有するマイクロ構造表面は、2つより多い表面を有し、それらの表面のうちの2つ以上にマイクロ特徴部が設けられる。一実施形態では、可撓性を有するマイクロ構造表面は、1つ又は複数の湾曲面、例えば、複数のマイクロ特徴部が設けられた1つ又は複数の湾曲面を有する。幾つかの実施形態では、可撓性を有する基板は、選択した変形状態、例えば、撓曲した構成、屈曲した構成、圧縮した構成、膨張した構成、及び/又は伸長した構成にある。本明細書では、表面の濡れ性、疎水性、及び/又は親水性の程度が、複数のマイクロ特徴部を有する可撓性を有する基板を、撓曲、屈曲、膨張、伸長、又は圧縮することによって制御可能である、超疎水性材料も提供する。
【0015】
[0015]幾つかの実施形態では、可撓性を有するマイクロ構造表面は独立型のフィルム、即ち、別の物品又は構造に取り付けられていないフィルムである。幾つかの実施形態では、可撓性を有するマイクロ構造フィルムは、ロール状のフィルムを備える。幾つかの実施形態では、可撓性を有するマイクロ構造フィルムは、可撓性を有する基板の表面上に設けられた接着層をさらに備える。一実施形態では、例えば、そのフィルムは、フィルムのうちのマイクロ特徴部を有する表面の反対側に位置する表面上に設けられた接着層をさらに備える。一実施形態では、フィルムは、フィルムの両面に設けられたマイクロ構造を備える。こうしたフィルムは、任意選択で、例えば使用前に接着層を保護するために、バッキング層を含む。接着層を有する可撓性を有するマイクロ構造フィルムは、例えば、物品又は構造の1つ又は複数の表面にフィルムを付着させるか又は別法で組み込むのに有効である。有効な接着層は、可撓性を有する基板のうちのマイクロ特徴部の反対側の面に配置された層を含み、マイクロ特徴部の物理的寸法及び/又は機械的特性にあまり影響を及ぼさないようにして、マイクロ構造フィルムを物品若しくは構造上に付着させるか、又はその中に別法で組み込むことができる。
【0016】
[0016]特定の実施形態では、基板の少なくとも一部分が、屈曲、撓曲、圧縮、伸長、膨張、歪曲、及び/又は変形した構成である。一実施形態では、基板の少なくとも一部分の曲率半径は、1mm〜1,000mの範囲から選択される。一実施形態では、基板の少なくとも一部分は、基板の元のサイズの1%〜100%のレベルにまで圧縮される。一実施形態では、基板の少なくとも一部分は、基板の元のサイズの100%〜500%のレベルにまで膨張又は伸長する。一実施形態では、基板の少なくとも一部分の歪みレベルは、−99%〜500%の範囲から選択される。
【0017】
[0017]マイクロ構造表面を有する物品、例えば、製造物も、本明細書で説明する。一実施形態では、製造物が、物体の表面上に複数のマイクロ特徴部を備える。幾つかの実施形態では、製造物は、独立型の物品として有効である。他の実施形態では、1つ又は複数の表面中に又はその上に製造物が組み込まれて、その1つ又は複数の表面に超疎水性が与えられる。特定の製造物は、モールド成形及び/又はキャスト成形された物品、例えば、金属物品、ポリマー物品、ゴム物品、及び食用物品を含む。特定の実施形態では、製造物が、例えば上記で説明したような、可撓性を有するマイクロ構造表面を備える。例えば、一実施形態では、製造物が、超疎水性表面、好ましくは、複数のマイクロ特徴部が設けられた表面を有する、シート状の金属を含む。
【0018】
[0018]幾つかの実施形態の場合には、可撓性を有する基板は、湾曲面、例えば、物品又は構造の輪郭に適合した表面を有する。一実施形態では、例えば、マイクロ特徴部が設けられた可撓性を有する基板の表面は、湾曲面、例えば、1つ又は複数の凹形及び/又は凸形の領域を有する表面である。一実施形態では、例えば、可撓性を有する基板のうちのマイクロ特徴部及び任意選択で接着層を有する表面の反対側に位置する表面は、湾曲面、例えば、1つ又は複数の凹形及び/又は凸形の領域を有する表面である。他の実施形態では、可撓性を有する基板は、事実上平面である。さらに他の実施形態では、可撓性を有する基板は、事実上平面の領域と湾曲領域との組み合わせを有する表面を含む。幾つかの実施形態では、マイクロ構造表面は、折り目、畳み目、又は別法で非弾性的に変形した領域を含み、それらの領域は、マイクロ構造表面が、角を有する物品に適合するか、又は変形した形状を採り入れることができるように構成されている。
【0019】
[0019]幾つかの実施形態では、マイクロ構造表面は、構造に、例えば、バッキング層又はマイクロ構造表面が加えられた物品の表面に、動作上結合されて、マイクロ構造表面の湾曲の範囲及び/又は程度を事実上一定に維持することができる。幾つかの実施形態では、マイクロ構造表面は、構造に、例えば、アクチュエータに、動作上結合されて、フィルムの湾曲の範囲及び/又は程度を設定、変更、及び/又は制御することができる。幾つかの実施形態では、マイクロ構造表面は、構造又は物品の表面を含み、物品の通常の動作又は使用中に撓曲又は変形することが可能である。
【0020】
[0020]一実施形態では、マイクロ特徴部及び可撓性を有する基板は、単一部材、例えば、基板に一体の構成要素としてマイクロ特徴部を有するモノリシック構造から構成される。一実施形態では、例えば、本発明は、マイクロ特徴部が基板自体の一部として一体形成され、基板の表面から延在し、任意選択で基板と同じ組成を有する、可撓性を有するマイクロ構造フィルムを提供する。幾つかの実施形態では、マイクロ特徴部及び可撓性を有する基板は、物品、例えば、製造物の一体の構成要素を含む。本発明は、例えば、マイクロ特徴部及び可撓性を有する基板がモノリシック構造の構成要素として設けられた、製造物を含む物品を含む。
【0021】
[0021]特定の実施形態では、マイクロ特徴部の寸法は、10nm〜1000μmの範囲から選択される。一実施形態では、例えば、マイクロ特徴部の長さ、高さ、直径、及び/又は幅は、10nm〜1000μmの範囲から選択され、好ましくは幾つかの実施形態の場合には、10nm〜100μmの範囲から選択される。一実施形態では、例えば、マイクロ特徴部間のピッチは、10nm〜1000μmの範囲から選択され、幾つかの用途の場合には、1μm〜1000μmの範囲から選択され、幾つかの用途の場合には、10μm〜1000μmの範囲から選択される。
【0022】
[0022]特定の実施形態では、複数のマイクロ特徴部は、複数様式の分布の物理的寸法、例えば、2様式の分布の高さ、及び/又は2様式の分布の直径、及び/又は2様式の分布のマイクロ構造ピッチを有する。例示的な実施形態では、複数のマイクロ特徴部は、第1組の寸法を有する第1組のマイクロ特徴部、及び第2組の寸法を有する第2組のマイクロ特徴部を備える。一実施形態では、第1組の寸法と第2組の寸法は異なる。例えば、第1組の寸法は、10nm〜10μmの範囲から選択され、第2組の寸法は、10μm〜1000μmの範囲から選択される。
【0023】
[0023]本明細書で説明する可撓性を有する超疎水性フィルム上で有効なマイクロ特徴部は、任意の断面形状、例えば、円形、楕円形、三角形、正方形、矩形、多角形、星形、六角形、文字形、数字形、数学記号形、及びこれらの任意の組み合わせを含む断面形状を有するマイクロ特徴部を含む。本明細書で用いられるように、断面形状は、可撓性を有する基板の平面に平行な平面におけるマイクロ構造の断面の形状を指す。
【0024】
[0024]幾つかの実施形態では、可撓性を有する超疎水性表面が、予め選択したパターンを有するマイクロ特徴部を備える。例示的な実施形態では、予め選択したパターンは、マイクロ特徴部の規則的な配列である。別の実施形態では、予め選択したパターンは、マイクロ特徴部が第1のピッチを有する幾つかの領域と、マイクロ特徴部が第2のピッチ、例えば第1のピッチよりも大きいピッチを有する、幾つかの領域とを含む。
【0025】
[0025]一実施形態では、予め選択したパターンのマイクロ特徴部が、マイクロ特徴部が第1の断面形状を有する領域と、マイクロ特徴部が第2の断面形状、例えば、第1の断面形状とは異なる断面形状を有する領域とを含む。一実施形態では、予め選択したパターンのマイクロ特徴部が、マイクロ特徴部が複数の断面形状及び/又はサイズを有する領域を含む。一実施形態では、予め選択したパターンのマイクロ特徴部が、2以上の配列の、2以上の断面形状及び/又はサイズのマイクロ特徴部を指す。特定の実施形態では、2以上の配列を、並列に、即ち、2つの配列が重ならないように配置することができる。別の特定の実施形態では、2以上の配列が重なるように配置することができ、2以上の断面形状及び/又はサイズを有するマイクロ特徴部が、重なった配列内に点在する。
【0026】
[0026]一実施形態では、予め選択したパターンのマイクロ特徴部が、複数の寸法のマイクロ特徴部、例えば、2様式又は複数様式の寸法の分布を含む。例示的な実施形態では、予め選択したパターンのマイクロ特徴部が、10nm〜1μmから選択される寸法を有する第1グループのマイクロ特徴部と、1μm〜100μmから選択される寸法を有する第2グループのマイクロ特徴部とを含む。特定の実施形態では、マイクロ特徴部のサイズ、形状、及び配置は、マイクロメートルスケール又はナノメートルスケールの正確さ及び/又は精密度で予め選択される。
【0027】
[0027]ある実施形態では、可撓性を有する基板及び/又はマイクロ特徴部は、1〜100nmの範囲から選択される寸法を有する粒子を含む。一実施形態では、可撓性を有する基板及び/又はマイクロ特徴部の表面に、被覆、例えば、1〜100nmの範囲から選択される寸法を有する粒子を含む被覆が設けられる。幾つかの実施形態では、これらの粒子は、nmスケールの追加のレベルの粗さを可撓性を有する基板の表面にもたらし、ある実施形態の場合には、表面の疎水性を上昇させ、及び/又は表面エネルギーを変更する。
【0028】
[0028]幾つかの実施形態では、予め選択したパターンのマイクロ特徴部は、表面に特定の物理的特性を与えるように設計されている。例えば、順序つき配列のマイクロ特徴部は、物品の表面に超疎水性を与えることができる。予め選択したパターンのマイクロ特徴部によって調整し与えることができる物理的特性は、これらに限定されないが、疎水性;親水性;自浄能力;流体抵抗係数及び/又は空気抵抗係数;視覚的効果、例えばプリズム効果、特定の色、及び方向依存の色の変化;触覚効果;把持力;並びに表面摩擦係数を含む。
【0029】
[0029]幾つかの実施形態の場合には、表面の濡れ性、疎水性、及び/又は親水性は制御可能である。一実施形態の場合には、例えば、基板を撓曲、屈曲、膨張、又は縮小することによって可撓性を有する基板が変形するにつれて、表面の濡れ性、疎水性、及び/又は親水性が変化する。別の実施形態の場合には、可撓性を有する基板が変形するときに、表面の濡れ性、疎水性、及び/又は親水性は一定のままである。さらに別の実施形態の場合には、可撓性を有する基板が変形するときに、表面の濡れ性、疎水性、及び/又は親水性は、表面の一部については一定のままであり、表面の他の部分については表面の濡れ性は変化する。特定の実施形態では、表面の水滴の接触角は、可撓性を有する基板が変形するにつれて変化する。特定の実施形態では、表面の水滴の接触角は、可撓性を有する基板が変形するときに一定のままである。
【0030】
[0030]特定の実施形態では、マイクロ構造表面上の水滴の接触角は、120度を超え、例えば130、140、150、160、又は170度を超える。
【0031】
[0031]一実施形態では、基板及び/又はマイクロ特徴部が設けられたマイクロ構造表面は、ポリマーを含む。有効なポリマーは、これらに限定されないが、PDMS、PMMA、PTFE、ポリウレタン、テフロン、ポリアクリラート、ポリアリレート、熱可塑性物質、熱可塑性エラストマー、フルオロポリマー、生分解性ポリマー、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリイミド、ポリスチレン、ポリビニル、ポリオレフィン、シリコン、天然ゴム、合成ゴム、及びこれらの任意の組み合わせを含む。
【0032】
[0032]一実施形態では、基板及び/又はマイクロ特徴部が設けられたマイクロ構造表面は、金属を含む。有効な金属は、モールド成形可能、キャスト成形可能、エンボス加工可能、及び/又はスタンピング可能な任意の金属若しくは合金を含む。有効な金属は、これらに限定されないが、アルミニウム、アルミニウム合金、ビスマス、ビスマス合金、スズ、スズ合金、鉛、鉛合金、チタン、チタン合金、鉄、鉄合金、インジウム、インジウム合金、金、金合金、銀、銀合金、銅、銅合金、真鍮、ニッケル、ニッケル合金、白金、白金合金、パラジウム、パラジウム合金、亜鉛、亜鉛合金、カドミウム、及びカドミウム合金を含む。
【0033】
[0033]幾つかの実施形態では、マイクロ構造表面は食用である。例えば、基板及び/又はマイクロ特徴部が設けられたマイクロ構造表面は、食物及び/又はキャンディを含むことができる。キャンディは、本明細書で用いられるように、糖又は食物科学の分野で知られた糖の代替品を含む食用の物品を含む。食物は、本明細書で用いられるように、ヒト又は動物による摂取を意図した物品を含み、食用のポリマー材料及び食物科学の分野で知られた他の食用の材料を含む。
【0034】
[0034]幾つかの実施形態では、基板及び/又はマイクロ特徴部が設けられたマイクロ構造表面は、動物及び/又は植物から由来した工業材料、例えば、炭水化物、セルロース、リグニン、糖、蛋白質、繊維、バイオポリマー、及び/又は澱粉を含む材料を含む。例示的な植物由来及び/又は動物由来の工業用材料は、これらに限定されないが、紙;厚紙;テキスタイル、例えば、ウール、リネン、綿、又は皮;バイオプラスチック;固体バイオ燃料又はバイオマス、例えば、おが屑、小麦粉、又は木炭;並びに建設材料、例えば、木材、ファイバボード、リノリウム、コルク、竹、及び硬材を含む。
【0035】
[0035]ある実施形態では、マイクロ構造表面は複合材料を含む。例えば、基板及び/又はマイクロ特徴部が設けられたマイクロ構造表面は、異なる2以上の材料、層、及び/又は構成要素を含むことができる。
【0036】
[0036]一実施形態では、マイクロ構造表面は、複数のマイクロ構造上に及び/又はそれを覆う被覆を備える。有効な被覆は、これらに限定されないが、フッ素化ポリマー、フッ素化炭化水素、シラン、チオール、及びこれらの任意の組み合わせを含む。様々な実施形態では、マイクロ構造表面は、表面を処理するステップを受ける。有効な表面処理方法は、これらに限定されないが、硬化、蒸解、アニーリング、化学処理、化学被覆、塗装、被覆、プラズマ処理、及びこれらの任意の組み合わせを含む。
【0037】
[0037]特定の実施形態では、マイクロ構造表面のマイクロ特徴部は、リソグラフィパターニングされたモールド型から複製される。一実施形態では、マイクロ特徴部は、リソグラフィパターニングされたモールド型から直接複製される(第1の世代の複製)。別の実施形態では、マイクロ特徴部は、リソグラフィパターニングされたモールド型から複製されたマイクロ特徴部を有するモールド型から複製される(第2の世代の複製)。別の実施形態では、マイクロ特徴部は、リソグラフィパターニングされたマスタの特徴部を複製した第3の又は後続の世代である。
【0038】
[0038]別の態様では、複数のマイクロ特徴部が設けられた可撓性を有する基板を備える表面の、疎水性及び/又は濡れ性を制御する方法を提供する。この態様の方法は、(i)複数のマイクロ特徴部が設けられた可撓性を有する基板を用意するステップと、(ii)可撓性を有する基板を変形し、それにより、表面の超疎水性を制御するステップとを含む。一実施形態では、表面は、超疎水性表面、例えば、本明細書で説明する超疎水性表面のいずれかである。一実施形態では、可撓性を有する基板を変形するステップは、可撓性を有する基板を撓曲、可撓性を有する基板を屈曲、可撓性を有する基板を膨張、可撓性を有する基板を伸長、及び/又は可撓性を有する基板を圧縮することによって実現される。一実施形態では、可撓性を有する基板を変形するステップは、マイクロ特徴部の少なくとも一部分の間のピッチを、例えば、10nm〜1000μmの範囲から選択される値だけ、任意選択で、100nm〜100μmの範囲から選択される値だけ増減することによって、選択的に変更する。
【0039】
[0039]幾つかの実施形態では、疎水性以外に及び/又はそれに加えて、1つ又は複数の物理的、機械的、又は光学的な特性は、複数のマイクロ特徴部が設けられた可撓性を有する基板を変形することによって設定、変更、及び/又は制御される。一実施形態では、例えば、光学的な特性、例えば、反射率、反射光若しくは散乱光の波長分布、透過率、伝播光の波長分布、屈折率、又はこれらの任意の組み合わせは、複数のマイクロ特徴部が設けられた可撓性を有する基板を撓曲、屈曲、膨張、伸長、及び/又は縮小することによって制御される。一実施形態では、物理的特性、例えば、空気抵抗又は流体抵抗は、複数のマイクロ特徴部が設けられた可撓性を有する基板を撓曲、屈曲、膨張、伸長、及び/又は縮小することによって制御される。一実施形態では、表面の触知の特性、例えば、表面の触知の感覚は、複数のマイクロ特徴部が設けられた可撓性を有する基板を撓曲、屈曲、膨張、伸長、及び/又は縮小することによって制御される。
【0040】
[0040]特定の理論に縛られることを望まないが、本明細書において本発明に関する基本的な原理の考え又は理解について論述することが可能である。機械論的な説明又は仮説の究極の妥当性にかかわらず、本発明の実施形態は効果的且つ有効であり得ることが認識される。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】ハスの葉の表面の走査電子顕微鏡画像(W. Barthlott及びC. Neinhuis、1997年、「Purity of the sacred lotus, or escape from contamination in biological surfaces」、Planta.202:1〜8ページ)を示す。
【図2】可撓性を有する基板及び複数のマイクロ特徴部を備えた、例示的な可撓性を有する超疎水性表面の図を示す。
【図3】可撓性を有する超疎水性表面を作る例示的な方法の実施形態のフローダイヤグラムを示す。
【図4】表面上の液滴の接触角の変化を示す、マイクロ加工技法によって粗面仕上げされた表面の図を示す。
【図5】Wenzel状態及びCassie−Baxter状態にある表面上の液滴を示す。
【図6】非マイクロ構造表面上及びマイクロ構造表面上の水滴の画像を示す。
【図7】凸形に湾曲したマイクロ構造表面の図及び凸形に湾曲したマイクロ構造表面上の液滴の図及び画像を示す。
【図8】凹形に湾曲したマイクロ構造表面の図及び凹形に湾曲したマイクロ構造表面上の液滴の図及び画像を示す。
【図9】非マイクロ構造表面上及びマイクロ構造表面上の液滴の図を示す。
【図10】凸形表面及び凹形表面に関するマイクロ特徴部のピッチの変化を示す図である。
【図11】シリコーンマイクロ柱のピッチの変化を示す画像である。A)撓曲方向の間隔が24.4μmの平坦なPDMSマイクロ柱。B)24.4μmから26.2μmに広がった(予測=25.5μm)、曲率+0.11/mmの撓曲方向の柱の間隔。C)24.4μmから20.7μmに狭くなった(予測=22.1μm)、曲率−0.22/mmの撓曲方向の柱の間隔。
【図12】様々なマイクロ特徴部の高さに関して表面上のCassie−Baxter状態の液滴の臨界曲率に対するピッチを示すモデルを提示する。
【図13】非マイクロ構造及びマイクロ構造のPDMS表面上のグリセリン液滴の画像を示す。
【図14】撓曲した超疎水性表面上の、水滴の画像、及び重量で40/60のグリセリン/水の混合物の液滴の画像を示す。接触角(CA)は曲率に対して記録及びプロットされている。
【図15】様々なマイクロ構造の高さを有するマイクロ構造PDMS表面上において、A)水、及びB)重量で40/60のグリセリン/水の液滴の混合物に関して、滑りを引き起こす傾斜角度を示すデータを、表面の曲率の関数として提示する。
【図16】元の接触角θが100度の液滴の場合の、直径5μm、ピッチ8μmの柱に関するモデリング結果を示す。
【図17】Cassie−Baxter状態とWenzel状態との間の移行に関するモデリング結果を示す。
【図18】様々な曲率のマイクロ構造のPDMSの表面上に設けられた、液体金属の冷却された液滴画像を示す。
【発明を実施するための形態】
【0042】
[0059]概して、本明細書で使用する用語及びフレーズは、当技術分野で認められた意味を有し、これは、標準的な文書、雑誌参考文献、及び当業者に知られた文脈を参照することで理解できる。本発明の文脈において特定の使用を明確にするために以下の定義を提示する。
【0043】
[0060]「超疎水性」は、液体、例えば水が、材料の表面をあまり濡らさない材料特性を指す。特定の実施形態では、超疎水性は、液体接触角が120度を超える、例えば130度を超える、140度を超える、150度を超える、160度を超える、又は170度を超える材料を指す。
【0044】
[0061]「独立型」は、別の物品に、例えば、表面又は基板に取り付けられていない物品を指す。特定の実施形態では、独立型のフィルムは、複数の層、例えば、屈曲性ポリマー層及び接着層を含む。
【0045】
[0062]「単体」、「単一部材」、及び「モノリシック」は、同一材料の単一の部材から成る物品又は要素を指す。
【0046】
[0063]「マイクロ特徴部」及び「マイクロ構造」は、平均の幅、深さ、長さ、及び/又は厚さが100μm以下、又は10nm〜100μmの範囲から選択される、物品表面上の特徴部を指す。
【0047】
[0064]「予め選択したパターン」は、整理、デザイン、又は設計された物品の構成を指す。例えば、予め選択したパターンのマイクロ構造は、順序つき配列のマイクロ特徴部を指すことができる。一実施形態では、予め選択したパターンは、ランダム及び/又は統計的なパターンではない。
【0048】
[0065]「ピッチ」は物品間の間隔を指す。ピッチは、複数の物品間の平均間隔、物品の中心間及び/又は縁部間の間隔、並びに/或いは物品の特定部分、例えば、物品の先端、点、及び/又は端部の間の間隔を指すことができる。
【0049】
[0066]「濡れ性」は、液体に対する表面の親和性を指す。「親水性」は、液体に対する表面の引力の程度を指す。「疎水性」は、液体に対する表面の斥力の程度を指す。幾つかの実施形態では、表面の濡れ性、親水性、及び/又は疎水性は、表面上の液体接触角を基準として言及される。用語「濡れ性」、「親水性」、及び「液体親和性」は、本明細書では互いに同義で用いられて、90度未満の液体と表面との接触角を指す。用語「非濡れ性」、「疎水性」、及び「液体非親和性」は、本明細書では互いに同義で用いられて、90度超の液体と表面との接触角を指す。幾つかの実施形態の場合には、表面の親和性は、様々な液体ごとに異なり、これらの実施形態では、基準とする液体に応じて表面を同時に液体非親和性及び液体親和性にすることができる。
【0050】
[0067]「接触角」は、液体と気体との境界面が固体と接する角度を指す。
【0051】
[0068]「可撓性(flexible)」は、変形したときに、例えば、物品が破断、破損、又は非弾性的な変形を特徴とする損傷をしないように、可逆的に変形する物品の能力を指す。
【0052】
[0069]図2に、例示的な可撓性を有する超疎水性表面の実施形態200の一部分を示す。図2に示す可撓性を有する超疎水性表面は、可撓性を有する基板201及びマイクロ特徴部202を含む。この実施形態のマイクロ特徴部202は、直径203を有する円形の断面形状を有する。マイクロ特徴部の中心間のピッチ204及びマイクロ特徴部の高さ205も図2に示す。
【0053】
[0070]図3に、可撓性を有する超疎水性表面を作るための一実施形態を示す。この技法は、感光性ポリマー、又は光若しくは粒子に敏感なレジスト307を上部に備えた基板306で開始する。ステンシルマスク309を通してレジスト307に光308を当てることによって、そのレジストにマイクロメートルスケール又はナノメートルスケールの構造を形成することができる。他の実施形態では、これらのマイクロ特徴部又はナノ特徴部を形成するために、他の種類の電磁波、エネルギービーム、又は粒子が使用される。
【0054】
[0071]この段階では、調整されたマイクロ特徴部又はナノ特徴部の凹所308を有するレジスト307をモールド型として使用する。基板を(例えば、化学エッチングで)処理して、マイクロ特徴部を修正することもできる。幾つかの実施形態の場合には、その表面を薬剤で被覆して、後続のモールド成形ステップを容易にするか又は改善する。
【0055】
[0072]未硬化のポリマー309をマイクロ特徴部にモールド成形し、熱、時間、紫外線、又は他の硬化法によって硬化させる。硬化したポリマー310を基板−レジストモールド型から取り外すときに、そのモールド型による特徴部が、ポリマー309に転写され、やはり機械的に可撓性がある。
【0056】
[0073]別の態様では、表面の超疎水性を制御する方法を本明細書で提供する。この態様の方法は、超疎水性表面を用意するステップと、その超疎水性表面を変形し、それにより、表面の超疎水性を制御するステップとを含む。この態様の一実施形態では、超疎水性表面は、複数のマイクロ特徴部が設けられた可撓性を有する基板を備える。特定の実施形態では、可撓性を有する基板はポリマーを含む。一実施形態では、可撓性を有する基板は金属を含む。
【0057】
[0074]一実施形態では、可撓性を有する基板が変形するので、隣接するマイクロ特徴部間のピッチが変化し、それにより、フィルムの超疎水性が制御される。幾つかの実施形態では、マイクロ構造表面の特性は、基板を屈曲、撓曲、圧縮、伸長、膨張、歪曲、及び/又は変形することによって選択的に調節される。特定の実施形態では、マイクロ構造表面の少なくとも一部分の特性は、基板の少なくとも一部分を屈曲、撓曲、圧縮、伸長、膨張、歪曲、及び/又は変形することによって選択的に調節される。例えば、表面の空気抵抗及び/又は流体抵抗は、基板を屈曲、撓曲、圧縮、伸長、膨張、歪曲、及び/又は変形することによって選択的に調節することができる。一実施形態では、表面の濡れ性は、基板を屈曲、撓曲、圧縮、伸長、膨張、歪曲、及び/又は変形することによって選択的に調節される。一実施形態では、表面の光学的な特性は、基板を屈曲、撓曲、圧縮、伸長、膨張、歪曲、及び/又は変形することによって選択的に調節することができる。例えば、表面のプリズム効果、方向依存の反射率、方向依存の伝播率、反射率、透過率、反射波の波長分布、散乱波の波長分布、伝播波の波長分布、及び/又は屈折率は、基板を屈曲、撓曲、圧縮、伸長、膨張、歪曲、及び/又は変形することによって選択的に調節することができる。
【0058】
[0075]別の態様では、表面の濡れ性を制御する方法を本明細書で提供する。この態様の方法は、複数のマイクロ特徴部が設けられた、可撓性を有する基板を備えた表面を用意するステップと、可撓性を有する基板を変形し、それにより、表面の表面の濡れ性を制御するステップとを含む。特定の実施形態では、可撓性を有する基板はポリマーを含む。この態様の特定の方法では、可撓性を有する基板を変形するステップは、隣接するマイクロ特徴部間のピッチを変更する。有効な変形は、これらに限定されないが、可撓性を有する基板を伸長すること、湾曲した形状を採り入れるように可撓性を有する基板を強制すること、及び可撓性を有する基板を屈曲することを含む。幾つかの実施形態の場合には、表面の濡れ性は、可撓性を有する基板を変形するにつれて上昇する。幾つかの実施形態の場合には、表面の濡れ性は、可撓性を有する基板を変形するにつれて低下する。幾つかの実施形態の場合には、表面の濡れ性は、可撓性を有する基板を変形するときに変化しない。
【0059】
[0076]別の態様では、物品の超疎水性表面を作るための方法を本明細書で提供する。この態様の方法は、物品を用意するステップと、複数のマイクロ特徴部が設けられたポリマー基板及び接着層を備えたマイクロ構造表面を用意するステップと、マイクロ構造表面を物品の表面に付着させるステップとを含む。特定の実施形態では、ポリマー基板上の接着層は、マイクロ構造表面を物品に接着し、及び/又は可撓性を有する基板のうちの複数のマイクロ特徴部の反対側に配置される。
【0060】
[0077]本明細書で説明する方法は、物品、例えば1つ又は複数の湾曲面を含む物品に、マイクロ構造表面を与えるために有効である。特定の実施形態では、マイクロ構造表面を備えた有効な物品は、これらに限定されないが、飛行機の翼;ボート;公益設備配管の絶縁;スポーツ用品、例えばグリップ、野球のバット、ゴルフクラブ、フットボール、バスケットボール;調理道具;台所用品;バスルーム用品、例えばトイレ、流し台、タイル、バスタブ、シャワーカーテン;手持ち式コントローラ、例えばゲーム用コントローラ又は装置の作動用のコントローラ;ボトル;コンピュータのキーボード;コンピュータのマウス;宝飾品;靴;ベルト;雨合羽;ヘルメット;内面及び外面の両方を含むパイプ;ろうそく;ガラス容器及び容器の蓋;食品及びキャンディ;タービンブレード;ポンプのロータ;ヒートシンク;記章;窓;ホース;冷却装置;ホイールを含む。
【0061】
[0078]以下の非限定的な実施例によって本発明をさらに理解することができる。
【0062】
実施例1 可撓性を有するマイクロ構造及びナノ構造の超疎水性材料
[0079]この実施例では、マイクロ加工及びナノ加工によって超疎水性が与えられた、可撓性を有する材料を説明する。用語、超疎水性は、材料が極端に水をはじく性質を指す。一部の研究は湾曲していないマイクロ構造の超疎水性材料を示し、他の研究は読者に剛性のある湾曲したマイクロ構造の超疎水性材料の作製法を教示してきたが、湾曲を伴う可撓性とマイクロ構造の超疎水性材料とを組み合わせた研究はない。
【0063】
[0080]材料の粗さにより、その材料が液体と相互作用する方式が変わる。図1に、マイクロスケール及びナノスケールの粗さを用いて植物表面の水滴の形状及び挙動を変更する、ハス植物の表面の顕微鏡写真の画像を示す(W. Barthlott及びC. Neinhuis、1997年、「Purity of the sacred lotus, or escape from contamination in biological sufaces」Planta.202:1〜8ページ)。ハス植物の表面は、水滴が表面をあまり濡らさず表面上を簡単に転がり落ちる超疎水性を呈する。マイクロ加工ツールは、マイクロスケール及びナノスケールの材料を粗面仕上げして、図4に示すようにハス植物と同様にして疎水性を高めることができる。疎水性材料は、元の接触角θが90度を超える材料である。材料が疎水性の場合は、粗面仕上げされた材料の新規の接触角θが90度を超える。図5に、マイクロ/ナノ構造の材料に可能な異なる2つの湿潤状態、即ちWenzel状態及びCassie−Baxter状態を示す。Wenzel状態では、水は、谷及びピークの両方で固体と密接している。Cassie−Baxter状態では、水はピークにしか接触せず、液体と谷との間に気体ポケットが残る。液滴は、Wenzel表面よりも小さい力しか必要としないCassie−Baxter表面上を滑る。θ及び表面幾何形状が分かっている場合は、マイクロ/ナノ構造の材料に関してθ及び湿潤状態を予測することができる。Wenzel式を利用して、マイクロ構造又はナノ構造の材料上の液滴の新規の接触角を予測することができる:cosθ=r cosθ、ここでrは、実表面積と投影表面積の比であり、r=Areaactual/Areaprojectedである。Cassie−Baxter式を利用してθを予測することもできる:cosθ=−1+Φ(cosθ+1)、ここでΦは、液滴がCassie−Baxter状態にあるときに水が接触する面積の分数である。
【0064】
[0081]液体がWenzel状態にあるか、又はCassie−Baxter状態にあるかを判定するには、θをWenzel法で計算し、次いで、Cassie−Baxter法で計算することができる。異なる2つの方法により、異なる2つの予測接触角が得られる。計算した接触角のうちの最小の接触角が最も有望である。その接触角がWenzel式を用いて計算されている場合は、液滴はWenzel状態である可能性が高い。その接触角がCassie−Baxter式を用いて計算されている場合は、液滴はCassie−Baxter状態である可能性が高い。
【0065】
[0082]図6に、水滴を加えた非マイクロ構造及びマイクロ構造の平坦な材料の写真を示す。非マイクロ構造の材料上では、液滴のθは94度であり、これは、材料が疎水性であることを示している。マイクロ構造が疎水性材料に形成されるときは、新規の接触角がθ152度に増大する。水滴はCassie−Baxter状態にある。
【0066】
[0083]図7Aに、マイクロ構造材料を凸形に撓曲できることを示し、図7Bに、水滴を加えたときに、凸形に撓曲したマイクロ構造材料が超疎水性を維持することを示し、図7Cに、水滴を加えた状態で凸形に撓曲している、図6と同じ資料の写真を示す。水滴は、図6の下図に示す、同様の超疎水性の特性を呈する。その材料の超疎水性は、凸形に撓曲したときに湿潤状態及びθを変更することができる。その理由は、マイクロ構造が広がると、マイクロ構造の有効ピッチが大きくなり、有効Φが小さくなるからである。有効Φが小さくなると、θを大きくすることができ、さらに、マイクロ構造の材料が撓曲していないときよりもWenzel状態である可能性が高くなる。
【0067】
[0084]図8Aに、マイクロ構造材料を凹形に撓曲できることを示し、図8Bに、水滴を加えたときに、凹形に撓曲したマイクロ構造材料が超疎水性を維持することを示し、図8Cに、水滴を加えた状態で凹形に撓曲している、図6と同じ資料の写真を示す。水滴は、図6の下図に示す、同様の超疎水性の特性を呈する。その材料の超疎水性は、凹形に撓曲したときに湿潤状態及びθを変更することができる。その理由は、マイクロ構造の上部が互いに近くに移動すると、マイクロ構造の有効ピッチが小さくなり、有効Φが大きくなるからである。有効Φが大きくなると、θを小さくすることができ、さらに、マイクロ構造材料が撓曲していないときよりもCassie−Baxter状態である可能性が高くなる。
【0068】
[図の説明]
[0086]図1。ハスの葉の表面の走査電子顕微鏡画像。マイクロスケール及びナノスケールの粗さにより、表面上の水滴の形状及び挙動を変更する。水とこれらの表面との間の摩擦が大幅に低下し、水滴が簡単に表面から転がり落ちる。
【0069】
[0087]図4。標準的なマイクロ加工技法により、マイクロスケール及びナノスケール材料を粗面仕上げすることができる。材料の粗さにより、その材料が液体と相互作用する方式が変化する。
【0070】
[0088]図5。Wenzel状態及びCassie−Baxter状態が両方とも、マイクロ/ナノ構造の材料に関して可能である。Wenzel状態では、液体は、谷及びピークの両方において固体と密接する。Cassie−Baxter状態では、液体はピークの上部にのみ接触する。
【0071】
[0089]図6。非マイクロ構造材料及びマイクロ構造材料上の水の写真。上図:非マイクロ構造材料上の水滴。下図:マイクロ構造材料上の水滴。マイクロ構造の疎水性材料により、材料がより疎水性になる。
【0072】
[0090]図7。可撓性を有するマイクロ構造材料を凸形に撓曲することができる。図7A。凸形に撓曲した可撓性を有するマイクロ構造の材料。図7B。凸形に撓曲した可撓性を有するマイクロ構造材料上の液滴。図7C。凸形に撓曲した可撓性を有するマイクロ構造の材料上の液滴の写真。
【0073】
[0091]図8。可撓性を有するマイクロ構造材料を凹形に撓曲することができる。図8A。可撓性を有するマイクロ構造材料を凹形に撓曲することができる。図8B。凹形に撓曲した可撓性を有するマイクロ構造材料上の液滴。図8C。水滴を有する、凹形に撓曲したマイクロ構造の超疎水性材料の写真。
【0074】
実施例2 湾曲が可撓性を有するシリコーン製マイクロ構造表面の超疎水性に影響を及ぼす
[0092]超疎水性は、腐食を抑制し、流体の流れを制御し、表面の抵抗を低減することができる。表面のマイクロ構造は、液滴と表面との相互作用を調節することによって表面の疎水性を制御することができる。マイクロ構造の疎水性表面について公開された調査は、ほぼ排他的に平坦な表面に限られているが、多くの超疎水性の用途では、湾曲面上にマイクロ構造を作製する能力が必要とされている。ポリマーのマイクロ加工は、マイクロ構造の超疎水性表面を作るための高価でない手法を提供し、ポリマーのコンプライアンスにより、湾曲したマイクロ構造の疎水性表面が可能になる。この実施例は、可撓性を有するマイクロ構造ポリマーの湾曲が疎水性に影響を及ぼす状態を説明する。
【0075】
[0093]図9に、Wenzel状態θ、又はCassie−Baxter状態θCBにおいて、接触角θの液滴が疎水性表面と相互作用できる状態を示す。液滴が大幅に移動できるのでCassie−Baxter状態を実現することが望ましい。表面上のマイクロ構造のサイズ、形状、及びピッチは、いずれの状態でも表面上の液滴の状態に影響を及ぼす。
【0076】
[0094]ポリマーの撓曲により、マイクロ構造ピッチを変更して、疎水性に影響を与えることができる。図10に、マイクロ構造表面が撓曲したときに、マイクロ構造と液滴との相互作用が変化して、明らかにピッチも変化することを示す。正の曲率の場合は、液滴は、より少ないマイクロ構造と相互作用し、負の曲率の場合は、液滴は、より多くのマイクロ構造と相互作用する。したがって、柱の上部がCassie−Baxter状態に影響を及ぼすので、θCBは曲率の関数である。したがって、曲率は、疎水性の特性に、例えば液滴の滑りに影響を及ぼす。図11に、直径25μm、高さ70μmの柱について、曲率の関数としてのPDMS柱のピッチの変化を示す画像を提示する。A)間隔24.4μmの平坦なPDMSマイクロ柱。B)柱の間隔が24.4μmから26.2μmに広がった(予測=25.5μm)、正の曲率+0.11/mm。C)柱の間隔が24.4μmから20.7μmに狭くなった(予測=22.1μm)、負の曲率−0.22/mm。
【0077】
[0095]Cassie−Baxter状態が存在するためには、不等式cosθ<(Φ−1)/(r−Φ)を満足させなければならず、ここで、Φは柱の上部の面積の分数であり、rは実表面積と投影表面積の比である。そのとき、Wenzel/Cassie−Baxterの移行の臨界のピッチは、
={A−[h・b・cosθ/(1+cosθ)]}/P
であり、ここで、Aはマイクロ構造上部の面積、hはマイクロ構造の高さ、bはマイクロ構造の外周、Pは平坦な表面上のマイクロ構造のピッチである。
【0078】
[0096]厚さtのフィルムが曲率半径Rでフィルムの中立軸に向かって撓曲するときは、撓曲方向における新規のピッチはPα=P(R+t/2+h)・R−1である。図12に、マイクロ構造高さの幾つかの値に関して、直径=25μm、厚さ=0.7mm、θ=112度のマイクロ構造に対する臨界表面曲率(1/R)がPと共に変化する状態を示す。
【0079】
[0097]マイクロ構造材料の疎水性に撓曲が影響する状態を実験的に試験するために、直径25μm、ピッチ50μm、高さ70μmの柱が配列した厚さ0.7mmのポリジメチルシロキサン(PDMS)シートを用意した。平坦なPDMS上で10μlの純水及び40/60wtのグリセリン/水の混合物の接触角θは、102度及び112度であった。平坦なマイクロ構造のPDMS上で10μlの水及びグリセリン/水のθCBは、147度及び152度であった。図13に、マイクロ構造のPDMS上に配置したときのグリセリン/水の場合の接触角が、平坦なPDMSと比較して増大することを示す。
【0080】
[0098]図14に、PDMSは可撓性が高く、超疎水性を維持しながら正又は負の曲率に撓曲可能であることを示す。接触角が曲率の関数として変化することも示す。
【0081】
[0099]図15に、PDMSが様々な曲率に撓曲した場合の実験結果を示す。体積10μlの水又はグリセリンの液滴を撓曲したPDMS上に配置し、その撓曲したPDMSに滑りを引き起こす角度θSLIDEまで傾斜させた。曲率がさらに正になるにつれて、θSLIDEはほぼ直線的に小さくなる。図12から、液滴は、曲率が実験の最大曲率0.11/mmを十分に超える+1.25/mmに達するまでCassie−Baxter状態のままのはずである。
【0082】
[0100]図16に、元の接触角θが100度の液滴の場合の直径5μm、8μmピッチの柱に関するモデリング結果を示す。Wenzel状態の場合に、新規の接触角θは、柱の高さが高くなるにつれて大きくなる。柱の高さが8〜9μmに達すると、液滴がWenzel状態からCassie−Baxter状態に移行する。
【0083】
[0101]図17に、直径25μmのマイクロ柱の場合のCassie−Baxter状態とWenzel状態との間の移行についてモデリング結果を示す。ピッチを固定した柱の場合に元の接触角θが大きくなるにつれて、移行に関する臨界高さが小さくなる。元の接触角θを固定した場合にピッチが大きくなるにつれて、移行に関する臨界高さが大きくなる。
【0084】
[0102]撓曲したマイクロ構造PDMSの曲率により、所与の体積の液滴と相互作用するマイクロ柱の数が変化する。柱と液滴との相互作用を調べるために、融点47℃の市販のCerroLow金属25μlを溶融及び堆積させ、高さ70μmマイクロ柱を、湾曲なし、曲率+0.11/mm、及び曲率−0.22/mmの状態で凝固させることができた。次いで、柱及び湾曲により誘導された幾何形状からインプレッションの概算の数について走査電子顕微鏡法(SEM)で液滴を検査した。楕円の接触線の長軸及び短軸に沿って柱のインプレッションを数え、楕円の面積の式から液滴と柱との相互作用の概算の数が分かった。図18A)に、約2730の柱と相互作用する、平坦なPDMS上の液滴を示し、図18B)に、より少ない柱(2460)と相互作用する、正に湾曲したサンプル上の液滴を示し、図18C)に、より多くの柱(3300)と相互作用する、負に湾曲したサンプル上の液滴を示す。
【0085】
[0103]図18A)は、平坦なPDMS上に堆積した液滴のオーバーハングが液滴全体にわたることも明らかにし、図18B)は、正の湾曲上に堆積した液滴のオーバーハングがPDMSの湾曲によって乱れた面でより大きいことを示す。図18C)は、液滴の自然なオーバーハングが負のPDMSの湾曲によって中断されたことを示す。
【0086】
[0104]この実施例は、マイクロ構造のポリマーの撓曲が疎水性の特性に影響を及ぼすことを示している。ここで示した臨界曲率による制約を用いて、腐食抵抗又は流体制御のために、湾曲面がマイクロ構造のポリマーで覆われるときにCassie−Baxter状態を維持するマイクロ構造の幾何形状をデザインすることができる。
【0087】
[図の説明]
[0106]図9。固体表面に着座し気体に囲繞された液滴が固有の接触角θを形成している。固体表面が粗面であり、液体が固体の隆起と臨界接触している場合は、液滴はWenzel状態にある。液体が隆起の上部に着座している場合は、その液体はCassie−Baxter状態にある。
【0088】
[0107]図10。マイクロ構造表面を撓曲することにより、マイクロ構造の幾何形状が変わる。マイクロ構造表面が正の曲率で撓曲するときは、構造のピッチが広がり、負の曲率で撓曲するときは、ピッチが狭くなる。θCBは、面積の分数Φの関数である。Φはピッチの関数であり、ピッチは曲率の関数である。したがって、θCBは曲率の関数である。他の疎水性の特性、例えば、必要な滑り力も、曲率の関数である。
【0089】
[0108]図11。曲率の関数としてのPDMS柱のピッチの変化を示す写真。A)間隔が24.4μmの平坦なPDMSのマイクロ柱。B)柱の間隔が24.4μmから26.2μmに広がった(予測=25.5μm)、正の曲率。C)柱の間隔が24.4μmから20.7μmに狭くなった(予測=22.1μm)、負の曲率。
【0090】
[0109]図12。マイクロ構造のピッチ及び高さの関数としての、Cassie−Baxter状態で液滴の可動性が高い臨界曲率。θ=112度、厚さ=0.7mm、直径=25μm。
【0091】
[0110]図13。左図:非マイクロ構造のPDMS上の5μlのグリセリン液滴。右図:挿入図に示す、マイクロ構造のPDMS上の5μlグリセリン液滴。
【0092】
[0111]図14。マイクロ構造の疎水性PDMSを、正の曲率又は負の曲率に撓曲することができる。接触角は曲率の関数である。
【0093】
[0112]図15。可撓性を有するマイクロ構造のPDMSの曲率の関数としての実験用滑り角。A)水及びB)40/60wtのグリセリン/水の混合物の10μlの液滴。h=70μm且つ厚さ=1.2mm、h=40μm且つ厚さ=1.1mm、及びh=10μm且つ厚さ=0.8mmの場合のフィルムに関する。PDMSマイクロ構造は、直径25μm、元のピッチ50μmの円形の柱の配列であった。
【0094】
[0113]図18。PDMS柱の上部で凝固した25μlの金属液滴の下側。黒の破線で接触線の輪郭を示す。A)平坦なPDMSマイクロ柱上で凝固した液滴。液滴のオーバーハングは、均一に分布し、液滴は2730柱によって遊動した。B)正に湾曲したPDMSマイクロ柱上で凝固した液滴。液滴のオーバーハングは、正の湾曲によって乱れ、液滴は2460の柱(液滴が平坦なPDMS上に配置されるときよりも少ない柱)によって遊動した。C)負に湾曲したPDMSマイクロ柱上で凝固した液滴。液滴のオーバーハングは、負の湾曲によって中断され、液滴は3300の柱(平坦な又は正に湾曲したPDMS柱によって遊動した液滴よりも多くの柱)によって遊動した。
【0095】
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【0096】
[参照による援用及び変更に関する記述]
[0123]本出願全体の全ての参考文献、例えば、発行又は付与された特許又は等価物、特許出願公開を含む特許文献、及び非特許文献又は他の原資料は、本出願の開示と少なくとも部分的に矛盾していない限り、参照により個別に援用した場合と同じように、参照によりその全体が本明細書に援用される(例えば、部分的に矛盾している参考文献は、その参照文献の部分的に矛盾する部分を除いて援用される)。
【0097】
[0124]2009年2月17日出願の米国特許仮出願第61/153028号「Methods for Fabricating Microstructures」、2009年2月17日出願の第61/153035号「Flexible Microstructured Superhydrophobic Materials」、及び2009年3月24出願の第61/162762号「Flexible Microstructured Superhydrophobic Materials」は、本発明の説明と矛盾しない限り、その全体が参照により本明細書に援用される。
【0098】
[0125]本明細書で言及した全ての特許及び公報は、本発明が属する技術分野の当業者の技術レベルを示している。本明細書に列挙した参考文献は、場合によっては出願日の時点のものであるが、最先端の技術を示すために参照によりその全体が本明細書に援用され、必要な場合は、従来技術にある特定の実施形態を除外(例えば、放棄)するために、この情報を本明細書に採用できるものである。例えば、化合物が特許請求されているときに、本明細書に開示した参考文献に(特に、参照した特許文献に)開示されている一定の化合物を含む、従来技術で知られた化合物は、特許請求の範囲に含まれるものではないことを理解されたい。
【0099】
[0126]あるグループの置換基が本明細書に開示されているときには、そのグループ並びにそれらの置換基を用いて形成し得る全てのサブグループ及びクラスにある全ての個々の要素が別々に開示されていることを理解されたい。本明細書でマーカッシュグループ又は他のグループが使用されるときには、そのグループの全ての個々の構成要素、並びにそのグループの全ての可能な組み合わせ及び二次的組み合わせが、本開示に個々に含まれるものである。
【0100】
[0127]別段の指定がない限り、記載又は例示した成分の全ての配合又は組み合わせを使用して、本発明を実施することができる。当業者が同じ材料に別の名称を付け得ることが知られている通り、材料の具体的な名称は例示的なものである。具体的に例示したもの以外の方法、デバイス要素、出発材料、及び合成法を、過度の実験に頼ることなく、本発明の実施に採用できることを当業者は理解するであろう。あらゆるこうした方法、デバイス要素、出発材料、及び合成法のうちの当技術分野で知られた全ての機能上の等価物が、本発明に含まれるものである。本明細書に範囲、例えば、温度範囲、時間範囲、又は組成範囲が示されているときは、全ての中間的な範囲及び部分範囲、並びに示された範囲に含まれる全ての個々の値が、本開示に含まれるものである。
【0101】
[0128]本明細書で用いられるように、「備える、含む(comprising)」は、「含む(including)」、「含む(containing)」、又は「特徴とする(characterized by)」と同義であり、包括的又はオープンエンドであり、列挙していない追加的要素又は方法ステップを除外しない。本明細書で用いられるように「から成る、構成される(consisting of)」は、請求項の要素に明示されていない任意の要素、ステップ、又は成分を除外する。本明細書で用いるように「から本質的に成る、構成される(consisting essentially of)」は、請求項の基本的又は新規の特性に実質的に影響しない材料又はステップを除外しない。本明細書における用語「備える、含む(comprising)」の列挙は、特に、組成の成分に関する説明、又はデバイスの要素に関する説明では、列挙した成分又は要素から本質的に構成され、それから構成される、それらの組成及び方法を含むと理解される。本明細書に具体的に開示されていない1つ又は複数の要素、1つ又は複数の制限を除外して、本明細書で例示的に説明した本発明を適切に実施することができる。
【0102】
[0129]採用した用語及び表現は、説明の用語として用いており、限定するものではなく、また、こうした用語及び表現の使用において、提示及び記載した特徴又はその一部の等価物を除外するものではなく、特許請求する本発明の範囲内で様々な修正が可能であることが認識される。したがって、好ましい実施形態及び任意選択の特徴によって本発明を具体的に開示してきたが、本明細書に開示した概念の修正形態及び変更形態を当業者が使用できること、並びにこうした修正形態及び変更形態は、添付の特許請求の範囲によって定義する本発明の範囲内に包含されると考えられることを理解されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のマイクロ特徴部が設けられた可撓性を有する基板を備える、可撓性を有するマイクロ構造表面であって、前記基板の少なくとも一部分が、屈曲、撓曲、圧縮、伸長、膨張、及び/又は歪曲した構成にある、可撓性を有するマイクロ構造表面。
【請求項2】
前記表面が超疎水性表面である、請求項1に記載の可撓性を有するマイクロ構造表面。
【請求項3】
前記可撓性を有する基板が変形するときに、前記超疎水性が維持される、請求項2に記載の可撓性を有するマイクロ構造の超疎水性表面。
【請求項4】
前記表面の前記超疎水性が、前記基板を屈曲、撓曲、圧縮、伸長、膨張、歪曲、及び/又は変形することによって、選択的に調整可能である、請求項2に記載の可撓性を有するマイクロ構造表面。
【請求項5】
前記表面が親水性の表面である、請求項1に記載の可撓性を有するマイクロ構造表面。
【請求項6】
前記表面が導電性の表面である、請求項1に記載の可撓性を有するマイクロ構造表面。
【請求項7】
プリズム効果、方向依存の反射率、方向依存の伝播率、反射率、透過率、反射波の波長分布、散乱波の波長分布、伝播波の波長分布、屈折率、及びこれらの任意の組み合わせから成る群から選択される光学的効果を有する、請求項1に記載の可撓性を有するマイクロ構造表面。
【請求項8】
前記光学的効果が、前記基板を屈曲、撓曲、圧縮、伸長、膨張、歪曲、及び/又は変形することによって選択的に調整可能である、請求項7に記載の可撓性を有する超疎水性表面。
【請求項9】
前記可撓性を有する基板が湾曲面を有する、請求項1に記載の可撓性を有するマイクロ構造表面。
【請求項10】
前記可撓性を有する基板がポリマーを含む、請求項1に記載の可撓性を有するマイクロ構造表面。
【請求項11】
前記複数のマイクロ特徴部がポリマーを含む、請求項1に記載の可撓性を有するマイクロ構造表面。
【請求項12】
前記可撓性を有する基板が金属を含む、請求項1に記載の可撓性を有するマイクロ構造表面。
【請求項13】
前記複数のマイクロ特徴部が金属を含む、請求項1に記載の可撓性を有するマイクロ構造表面。
【請求項14】
前記可撓性を有する基板及び/又は前記複数のマイクロ特徴部が、植物由来及び/又は動物由来の工業用材料を含む、請求項1に記載の可撓性を有するマイクロ構造表面。
【請求項15】
前記可撓性を有する基板及び/又は前記複数のマイクロ特徴部が、食物及び/又はキャンディを含む、請求項1に記載の可撓性を有するマイクロ構造表面。
【請求項16】
前記可撓性を有する基板及び/又は前記複数のマイクロ特徴部が、複合材料を含む、請求項1に記載の可撓性を有するマイクロ構造表面。
【請求項17】
前記表面が独立型のフィルムである、請求項1に記載の可撓性を有するマイクロ構造表面。
【請求項18】
前記表面が事実上平面の表面である、請求項1に記載の可撓性を有するマイクロ構造表面。
【請求項19】
前記マイクロ特徴部及び前記可撓性を有する基板が単一部材から構成される、請求項1に記載の可撓性を有するマイクロ構造表面。
【請求項20】
製造物を含む、請求項1に記載の可撓性を有するマイクロ構造表面。
【請求項21】
前記マイクロ特徴部及び前記可撓性を有する基板が、製造物の組み込まれた構成要素である、請求項20に記載の可撓性を有するマイクロ構造表面。
【請求項22】
前記マイクロ特徴部、前記可撓性を有する基板、及び前記製造物が、単体構造から構成される、請求項20に記載の可撓性を有するマイクロ構造表面。
【請求項23】
前記可撓性を有する基板上に接着層をさらに含む、請求項1に記載の可撓性を有するマイクロ構造表面。
【請求項24】
前記複数のマイクロ特徴部が、前記基板の一方の面に配置され、前記接着層が、前記基板のうちの前記複数のマイクロ特徴部の反対側の面に配置される、請求項23に記載の可撓性を有するマイクロ構造表面。
【請求項25】
前記複数のマイクロ特徴部が、前記基板の両面に配置される、請求項1又は請求項23に記載の可撓性を有するマイクロ構造表面。
【請求項26】
前記基板の少なくとも一部分が凹形の湾曲を有する、請求項1に記載の可撓性を有するマイクロ構造表面。
【請求項27】
前記基板の少なくとも一部分が凸形の湾曲を有する、請求項1に記載の可撓性を有するマイクロ構造表面。
【請求項28】
前記基板の少なくとも一部分の曲率半径が、1mm〜1,000mの範囲から選択される、請求項1に記載の可撓性を有するマイクロ構造表面。
【請求項29】
前記基板の少なくとも一部分が、前記基板の元のサイズの1%〜99%のレベルにまで圧縮される、請求項1に記載の可撓性を有するマイクロ構造表面。
【請求項30】
前記基板の少なくとも一部分が、前記基板の元のサイズの100%〜500%のレベルにまで膨張又は伸長する、請求項1に記載の可撓性を有するマイクロ構造表面。
【請求項31】
前記基板の少なくとも一部分の歪みレベルが、−99%〜500%の範囲から選択される、請求項1に記載の可撓性を有するマイクロ構造表面。
【請求項32】
前記表面の空気抵抗が、前記基板を屈曲、撓曲、圧縮、伸長、膨張、歪曲、及び/又は変形することによって選択的に調整可能である、請求項1に記載の可撓性を有するマイクロ構造表面。
【請求項33】
前記表面の流体抵抗が、前記基板を屈曲、撓曲、圧縮、伸長、膨張、歪曲、及び/又は変形することによって選択的に調整可能である、請求項1に記載の可撓性を有するマイクロ構造表面。
【請求項34】
前記マイクロ特徴部の寸法が、10nm〜1000μmの範囲から選択される、請求項1に記載の可撓性を有するマイクロ構造表面。
【請求項35】
マイクロ特徴部間のピッチが、10nm〜1000μmの範囲から選択される、請求項1に記載の可撓性を有するマイクロ構造表面。
【請求項36】
マイクロ特徴部間のピッチが、前記基板を屈曲、撓曲、圧縮、伸長、膨張、歪曲、及び/又は変形することによって選択的に調整可能である、請求項1に記載の可撓性を有するマイクロ構造表面。
【請求項37】
前記マイクロ特徴部の断面形状が、円形、楕円形、三角形、正方形、矩形、多角形、星形、六角形、文字形、数字形、数学記号形、及びこれらの任意の組み合わせから成る群から選択される、請求項1に記載の可撓性を有するマイクロ構造表面。
【請求項38】
前記表面の濡れ性が、前記基板を屈曲、撓曲、圧縮、伸長、膨張、歪曲、及び/又は変形することによって選択的に調整可能である、請求項1に記載の可撓性を有するマイクロ構造表面。
【請求項39】
前記基板が屈曲、撓曲、圧縮、伸長、膨張、歪曲、及び/又は変形するときに、前記表面の濡れ性が一定のままである、請求項1に記載の可撓性を有するマイクロ構造表面。
【請求項40】
前記表面の前記表面上の水滴の接触角が、前記基板を屈曲、撓曲、圧縮、伸長、膨張、歪曲、及び/又は変形することによって選択的に調整可能である、請求項1に記載の可撓性を有するマイクロ構造表面。
【請求項41】
前記表面の前記表面上の水滴の接触角が、前記基板が屈曲、撓曲、圧縮、伸長、膨張、歪曲、及び/又は変形するときに一定のままである、請求項1に記載の可撓性を有するマイクロ構造表面。
【請求項42】
前記表面の前記表面上の水滴の接触角が120度を超える、請求項1に記載の可撓性を有するマイクロ構造表面。
【請求項43】
前記複数のマイクロ特徴部が2様式又は複数様式の高さ分布を有する、請求項1に記載の可撓性を有するマイクロ構造表面。
【請求項44】
前記複数のマイクロ特徴部が、第1組の寸法を有する第1組のマイクロ特徴部、及び第2組の寸法を有する第2組のマイクロ特徴部を備え、前記第1組の寸法が前記第2組の寸法とは異なる、請求項1に記載の可撓性を有するマイクロ構造表面。
【請求項45】
前記第1組の寸法が10nm〜1μmの範囲から選択され、前記第2組の寸法が1μm〜100μmの範囲から選択される、請求項44に記載の可撓性を有するマイクロ構造表面。
【請求項46】
前記可撓性を有する基板が、PDMS、PMMA、PTFE、ポリウレタン、テフロン、ポリアクリラート、ポリアリレート、熱可塑性物質、熱可塑性エラストマー、フルオロポリマー、生分解性ポリマー、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリイミド、ポリスチレン、ポリビニル、天然ゴム、合成ゴム、及びこれらの任意の組み合わせから成る群から選択されるポリマーを含む、請求項1に記載の可撓性を有するマイクロ構造表面。
【請求項47】
前記複数のマイクロ特徴部上に被覆をさらに備える、請求項1に記載の可撓性を有するマイクロ構造表面。
【請求項48】
前記被覆が、フッ素化化合物、フッ素化炭化水素、フッ素化ポリマー、シラン、チオール、及びこれらの任意の組み合わせから成る群から選択される材料を含む、請求項47に記載の可撓性を有するマイクロ構造表面。
【請求項49】
前記被覆が、1〜100nmの範囲から選択されるサイズを有する粒子を含む、請求項47に記載の可撓性を有するマイクロ構造表面。
【請求項50】
前記可撓性を有する基板及び/又は前記複数のマイクロ特徴部が、1〜100nmの範囲から選択されるサイズの粒子を含む、請求項1に記載の可撓性を有するマイクロ構造表面。
【請求項51】
前記マイクロ構造が、リソグラフィパターニングされたモールド型から複製される、請求項1に記載の可撓性を有するマイクロ構造表面。
【請求項52】
前記表面が、硬化、蒸解、アニーリング、化学処理、化学被覆、塗装、被覆、プラズマ処理、及びこれらの任意の組み合わせから成る群から選択される方法で加工される、請求項1に記載の可撓性を有するマイクロ構造表面。
【請求項53】
表面の超疎水性を制御する方法であって、
マイクロ構造超疎水性表面を用意するステップと、
前記マイクロ構造超疎水性表面の少なくとも一部分を変形し、それにより、前記表面の前記超疎水性を制御するステップと
を含む、方法。
【請求項54】
前記マイクロ構造超疎水性表面が、複数のマイクロ特徴部が設けられた可撓性を有する基板を備える、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記可撓性を有する基板がポリマーを含む、請求項53に記載の方法。
【請求項56】
前記複数のマイクロ特徴部がポリマーを含む、請求項53に記載の方法。
【請求項57】
前記可撓性を有する基板が金属を含む、請求項53に記載の方法。
【請求項58】
前記複数のマイクロ特徴部が金属を含む、請求項53に記載の方法。
【請求項59】
前記可撓性を有する基板及び/又は前記複数のマイクロ特徴部が、植物由来及び/又は動物由来の工業用材料を含む、請求項53に記載の方法。
【請求項60】
前記可撓性を有する基板及び/又は前記複数のマイクロ特徴部が、食物及び/又はキャンディを含む、請求項53に記載の方法。
【請求項61】
前記可撓性を有する基板が変形するにつれて、隣接するマイクロ構造間のピッチが変化し、それにより、前記表面の前記超疎水性が制御される、請求項53に記載の方法。
【請求項62】
変形するステップが、前記可撓性を有する基板の少なくとも一部分を撓曲することによって実現される、請求項53に記載の方法。
【請求項63】
変形するステップが、前記可撓性を有する基板の少なくとも一部分を湾曲することによって実現される、請求項53に記載の方法。
【請求項64】
変形するステップが、前記可撓性を有する基板の少なくとも一部分を伸長、圧縮、又は膨張することによって実現される、請求項53に記載の方法。
【請求項65】
前記表面が変形するときに、前記表面の前記超疎水性が一定のままである、請求項53に記載の方法。
【請求項66】
前記表面が変形するにつれて前記表面の前記超疎水性が上昇する、請求項53に記載の方法。
【請求項67】
前記表面が変形するにつれて、前記表面の前記超疎水性が低下する、請求項53に記載の方法。
【請求項68】
前記超疎水性表面を変形するステップにより、反射率、透過率、反射波及び散乱波の波長分布、伝播波の波長分布、屈折率、空気抵抗、並びに流体抵抗から成る群から選択される、前記表面の光学的又は物理的な特性が制御される、請求項53に記載の方法。
【請求項69】
硬化、蒸解、アニーリング、化学処理、化学被覆、塗装、被覆、プラズマ処理、及びこれらの任意の組み合わせから成る群から選択される方法によって、前記表面を加工するステップをさらに含む、請求項53に記載の方法。
【請求項70】
物品の超疎水性表面を作る方法であって、
前記物品を用意するステップと、
複数のマイクロ特徴部が設けられた可撓性を有する基板を含む超疎水性表面を用意するステップと、
前記超疎水性表面を前記物品の前記表面に組み込むステップと
を含む、方法。
【請求項71】
前記超疎水性表面が接着層をさらに備える、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
前記接着層が、前記超疎水性表面を前記物品に付着させる、請求項70に記載の方法。
【請求項73】
前記複数のマイクロ特徴部が、前記基板の一方の面に配置され、前記接着層が、前記基板のうちの前記複数のマイクロ構造の反対側の面に配置される、請求項70に記載の方法。
【請求項74】
前記可撓性を有する基板がポリマーを含む、請求項70に記載の方法。
【請求項75】
前記複数のマイクロ特徴部がポリマーを含む、請求項70に記載の方法。
【請求項76】
前記物品が1つ又は複数の湾曲面を含む、請求項70に記載の方法。
【請求項77】
前記物品が、航空機の構成要素及び公益設備配管の絶縁から成る群から選択される、請求項70に記載の方法。
【請求項78】
前記可撓性を有する基板が、撓曲、屈曲、圧縮、膨張、伸長、及び/又は歪曲構成で用意される、請求項70に記載の方法。
【請求項79】
前記可撓性を有する基板及び/又は複数のマイクロ特徴部が、植物由来及び/又は動物由来の工業用材料を含む、請求項70に記載の方法。
【請求項80】
前記可撓性を有する基板及び/又は複数のマイクロ特徴部が、食物及び/又はキャンディを含む、請求項70に記載の方法。
【請求項81】
前記可撓性を有する基板及び/又は前記複数のマイクロ特徴部が、複合材料を含む、請求項70に記載の方法。
【請求項82】
硬化、蒸解、アニーリング、化学処理、化学被覆、塗装、被覆、プラズマ処理、及びこれらの任意の組み合わせから成る群から選択される方法によって、前記表面を処理するステップをさらに含む、請求項70に記載の方法。
【請求項83】
表面の濡れ性を制御する方法であって、
複数のマイクロ特徴部が設けられた可撓性を有する基板を含む表面を用意するステップと、
前記可撓性を有する基板を変形し、それにより、前記表面の前記濡れ性を制御するステップと
を含む、方法。
【請求項84】
前記可撓性を有する基板を変形するステップが、隣接するマイクロ特徴部間のピッチを変更する、請求項83に記載の方法。
【請求項85】
前記可撓性を有する基板を変形するステップが、前記可撓性を有する基板を伸長するステップを含む、請求項83に記載の方法。
【請求項86】
前記可撓性を有する基板を変形するステップが、湾曲した形状を採り入れるように前記可撓性を有する基板を強制するステップを含む、請求項83に記載の方法。
【請求項87】
前記可撓性を有する基板を変形するステップが、前記可撓性を有する基板を撓曲又は屈曲するステップを含む、請求項83に記載の方法。
【請求項88】
前記表面の前記濡れ性が、前記可撓性を有する基板を変形する際に上昇する、請求項83に記載の方法。
【請求項89】
前記表面の前記濡れ性が、前記可撓性を有する基板を変形する際に低下する、請求項83に記載の方法。
【請求項90】
前記表面の前記濡れ性が、前記可撓性を有する基板を変形する際に変化しない、請求項83に記載の方法。
【請求項91】
前記複数のマイクロ特徴部及び/又は前記可撓性を有する基板がポリマーを含む、請求項83に記載の方法。
【請求項92】
前記複数のマイクロ特徴部及び/又は前記可撓性を有する基板が金属を含む、請求項83に記載の方法。
【請求項93】
前記複数のマイクロ特徴部及び/又は前記可撓性を有する基板が、植物由来及び/又は動物由来の工業用材料を含む、請求項83に記載の方法。
【請求項94】
前記複数のマイクロ特徴部及び/又は前記可撓性を有する基板が、食物及び/又はキャンディを含む、請求項83に記載の方法。
【請求項95】
前記複数のマイクロ特徴部及び/又は前記可撓性を有する基板が複合材料を含む、請求項83に記載の方法。
【請求項96】
変形するステップが、前記可撓性を有する基板を圧縮、伸長、又は膨張することによって実現される、請求項83に記載の方法。
【請求項97】
前記可撓性を有する基板を変形するステップが、反射率、透過率、反射波及び散乱波の波長分布、伝播波の波長分布、屈折率、空気抵抗、並びに流体抵抗から成る群から選択される、前記表面の光学的又は物理的な特性を制御する、請求項83に記載の方法。
【請求項98】
前記可撓性を有する基板を変形するステップが、Cassie−Baxter状態からWenzel状態に、又はWenzel状態からCassie−Baxter状態に、前記表面上の水滴の挙動を変更する、請求項83に記載の方法。
【請求項99】
前記可撓性を有する基板を変形するステップが、疎水性の状態から親水性の状態に、又は親水性の状態から疎水性の状態に、前記表面の前記濡れ性を変更する、請求項83に記載の方法。
【請求項100】
硬化、蒸解、アニーリング、化学処理、化学被覆、塗装、被覆、プラズマ処理、及びこれらの任意の組み合わせから成る群から選択される方法によって、前記表面を処理するステップをさらに含む、請求項83に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18A】
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【図18B】
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【図18C】
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【公表番号】特表2012−517910(P2012−517910A)
【公表日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−550108(P2011−550108)
【出願日】平成21年5月8日(2009.5.8)
【国際出願番号】PCT/US2009/043307
【国際公開番号】WO2010/096073
【国際公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(506175840)ザ ボード オブ トラスティーズ オブ ザ ユニヴァーシティー オブ イリノイ (30)
【Fターム(参考)】