可撓性シートの使い捨てユニットを有する医療用流体システム
【課題】本発明は、血液透析システムを提供する。
【解決手段】上記血液透析システムは、透析装置と、透析液供給源と、透析液ポンプと、透析液ポンプに動作するように接続された透析液カセットであって、それにより、透析液カセットが透析液供給源と流体連通している場合、透析液ポンプは、透析液カセットを通して透析液を送り出し得る、透析液カセットと、血液ポンプと、血液ポンプに動作するように接続された血液カセットであって、それにより、血液ポンプは、血液カセットを通して血液を送り出し得、血液カセットは、剛性筐体と、剛性筐体に取り付けられた可撓性膜とを含み、筐体は、患者からのチューブコネクタと、患者へのチューブコネクタと、透析装置へのチューブコネクタと、透析装置からのチューブコネクタとを含み、可撓性膜は、血液カセットの患者へのラインを開閉するための弁座を画定する、血液カセットとを含む。
【解決手段】上記血液透析システムは、透析装置と、透析液供給源と、透析液ポンプと、透析液ポンプに動作するように接続された透析液カセットであって、それにより、透析液カセットが透析液供給源と流体連通している場合、透析液ポンプは、透析液カセットを通して透析液を送り出し得る、透析液カセットと、血液ポンプと、血液ポンプに動作するように接続された血液カセットであって、それにより、血液ポンプは、血液カセットを通して血液を送り出し得、血液カセットは、剛性筐体と、剛性筐体に取り付けられた可撓性膜とを含み、筐体は、患者からのチューブコネクタと、患者へのチューブコネクタと、透析装置へのチューブコネクタと、透析装置からのチューブコネクタとを含み、可撓性膜は、血液カセットの患者へのラインを開閉するための弁座を画定する、血液カセットとを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の引用)
本出願は、米国特許出願第10/982,170号(2004年11月4日出願、名称「High Convection Home Hemodialysis/Hemofiltration And Sorbent System」)の優先権および一部係属出願としての利益を主張するものである。
【0002】
(発明の技術分野)
以下に考察される実施例は、概して、医療用流体送達に関する。特に、実施例は、腎不全治療システムにおける流量の制御のためのシステム、方法、および装置を開示する。
【背景技術】
【0003】
種々の原因により、人の腎臓系は機能しなくなる可能性がある。腎不全は、いくつかの生理学的障害を引き起こす。水分、ミネラル、および毎日の代謝負荷の排出のバランスがもはや可能ではなく、窒素代謝の毒性最終生成物(尿素、クレアチニン、尿酸等)は、血液および組織中に蓄積する可能性がある。
【0004】
腎不全および腎機能低下は、透析を用いて治療されてきた。透析は、そうでなければ正常に機能している腎臓から除去されたであろう、体からの排泄物、毒素、および過剰な水分を除去する。腎機能の代わりのための透析治療は、治療が命を救うことができるため、多くの人々にとって絶対不可欠である。
【0005】
血液透析および腹膜透析は、腎機能の喪失を治療するために一般的に使用される、2つの種類の透析治療である。血液透析(「HD」)治療は、患者から排泄物、毒素、および過剰な水分を除去するために、患者の血液を利用する。患者は、血液透析機械に接続され、患者の血液は、機械を通って送り出される。血液が、血液透析機械に流入出することができるように、カテーテルが、患者の動静脈に挿入される。血液は、機械のダイアライザを通過し、血液から排泄物、毒素、および過剰な水分を除去する。洗浄された血液は、患者に戻される。大量の透析液、例えば、約120リットルが、単回の血液透析治療の間、血液を透析するために消費される。血液透析治療は、数時間続き、概して、1週間当たり約3または4回、治療センターにおいて行われる。
【0006】
血液を伴う別の形態の腎不全治療は、血液濾過(「HF」)であり、患者の血液からの毒素の対流輸送に依存する、代替の腎不全治療である。この治療は、治療中、体外回路に置換液または補液を添加することにより達成される(典型的には、10〜90リットルのそのような流体)。該置換液および治療と治療の間に患者により蓄積される流体は、HF治療にわたり限外濾過され、中・大分子の老廃物の除去に特に有益である、対流輸送機構を提供する。
【0007】
血液透析濾過(「HDF」)は、対流および拡散浄化を組み合わせる、別の血液治療様式である。HDFは、標準血液透析と同様に、ダイアライザを通過するための透析液を使用し、拡散浄化を提供する。さらに、置換液が、体外回路に直接提供され、対流浄化を提供する。
【0008】
腹膜透析は、透析液とも呼ばれる透析用溶液を使用し、それは、カテーテルを介して患者の腹膜腔に注入される。透析液は、腹膜腔の腹膜に接触する。拡散および浸透により、すなわち、膜全体に浸透勾配が生じるため、排泄物、毒素、および過剰な水分は、患者の血流から、腹膜を通って、透析液へと移動する。使用済み透析液は、患者から排出され、患者から排泄物、毒素、および過剰な水分を除去する。このサイクルは、繰り返される。
【0009】
持続的携帯型腹膜透析(「CAPD」)、自動腹膜透析(「APD」)、タイダルフローAPD、および連続フロー腹膜透析(「CFPD」)を含む、種々の種類の腹膜透析治療がある。CAPDは、手動透析治療である。患者は、埋め込み型カテーテルを排出口に手動で接続し、使用済み透析液が腹膜腔から流出することを可能にする。次いで、患者は、カテーテルを新鮮透析液バッグに接続し、カテーテルを通って、患者に新鮮透析液を注入する。患者は、新鮮透析液バッグからカテーテルを切断し、透析液が腹膜腔内に滞留することを可能にし、排泄物、毒素、および過剰な水分の移動が行われる。滞留期間後、患者は、例えば1日当たり4回、手動透析手順を繰り返し、各治療は、約1時間は続く。手動腹膜透析は、患者から相当な時間および努力を必要とし、改善の余地は十分に残っている。
【0010】
自動腹膜透析(「APD」)は、透析治療が、排出、充填、および滞留サイクルを含むという点で、CAPDと同様である。しかしながら、APD機械は、典型的には患者が睡眠している間に、自動的にサイクルを実行する。APD機械により、患者は、手動で治療サイクルを実行し、日中に必需品を輸送する必要がなくなる。APD機械は、埋め込み型カテーテル、新鮮透析液源またはバッグ、および流体排出口に流体的に接続する。APD機械は、透析液源から、カテーテルを通って、患者の腹膜腔内へと新鮮透析液を送り出し、透析液が、空洞内に滞留することを可能にし、それにより、排泄物、毒素、および過剰な水分の移動が行われる。源は、複数の滅菌透析液バッグであることが可能である。
【0011】
APD機械は、腹膜腔から、カテーテルを通って、排出口へと使用済み透析液を送り出す。手動プロセスと同様に、いくつかの排出、充填、および滞留サイクルは、APD中に起こる。「最終充填」は、CAPDおよびAPDの終わりに起こり、次の治療まで患者の腹膜腔にとどまる。
【0012】
CAPDおよびAPDの両方は、使用済み透析用溶液を排出口に送るバッチタイプシステムである。タイダルフローシステムは、改良型バッチシステムである。タイダルフローでは、より長い時間にわたり患者から流体のすべてを除去する代わりに、より短い時間の後、流体の一部が除去および置換される。
【0013】
連続フローまたはCFPDシステムは、使用済み透析液を廃棄する代わりに、それを浄化または再生する。システムは、ループを通って患者の内外へ流体を送り出す。透析液は、一方のカテーテルルーメンを通って、もう一方のカテーテルルーメンの外に、腹膜腔へと流入する。患者から出る流体は、例えば、尿素をアンモニアに酵素的に変換するためにウレアーゼを用いる尿素除去カラムを介して、透析液から排泄物を除去する再構成装置を通過する。次いで、腹膜腔への透析液の再導入の前に、アンモニアは、吸着により透析液から除去される。アンモニアの除去を監視するために、追加のセンサが用いられる。CFPDシステムは、典型的には、バッチシステムよりも複雑である。
【0014】
上記に考察される腎不全治療システムのそれぞれにおいて、限外濾過を制御することが重要であり、水(電解質を有する)が、ダイアライザまたは腹膜等の膜全体に移動するプロセスである。例えば、HDにおける限外濾過は、ダイアライザ膜全体の血液と透析液との間の膜間および浸透圧差の結果である。所与の浸透圧に対して、膜間圧がより大きくなるほど、限外濾過もより急速になる。
【0015】
上記の透析システムの多くは、ポンピングカセットを用いる。ポンピングカセットは、典型的には、カセットの外と中にそれぞれ、透析用溶液を押す、および引くために機械的に移動する可撓性膜を含む。特定の既知のシステムは、カセットの片側に可撓性シーティングを含むが、他のシステムは、カセットの両側にシーティングを含む。ポンピングカセットを作動させるために、正圧および/または負圧が使用されることができる。
【0016】
ポンピングカセットは、多くの設計に関する問題を有する。例えば、ポンピングカセットに関する一問題は、漏れである。可撓性膜がピンホールまたは亀裂を経験する場合、流体および空気は、膜の片側からもう一方の側へ移動することができる。カセットの内側から機械の内部構造への流体の移動は、機械に損傷を与える可能性がある。機械からカセットへの空気の移動は、カセットにより画定される流体経路の滅菌性を低下させる可能性がある。
【0017】
カセットによるポンピングに関する別の問題は、カセットが機械に不適切に装填される場合に生じる。可撓性膜の一部は、対応する機械の一部、例えば、ポンプおよび弁作動装置と一致しなければならないため、適切な配置は重要である。不適切な装填は、カセット上にかけられる過度の機械的ストレスを引き起こす可能性があり、カセットおよび/または作動装置に潜在的に悪影響を与える。また、不適切なカセットの装填は、システムの性能を低下させるか、または妨げる可能性がある。
【0018】
特に、CFPDにおいて、さらなるジレンマは、複数の流体送達の調整である。流体を患者へと連続的に投与するカセットによる腹膜ポンピングシステムは、連続的に流動している透析用溶液ループから流体(限外濾過液)を抜き取り、連続的に流動している透析用溶液ループへと流体(濃縮物)を添加する必要がある。追加の流体は、典型的には、追加の専用ポンプを必要とし、カセットおよび透析機械をより大きく、かつよりうるさいものにする。また、複数のポンプの動作スケジュールも、システム実装者に対する課題を提示する。
【0019】
カセットによるポンピングに関連するさらに別の問題は、流体経路内の空気または他のガスの閉じ込めである。漏れている接続部、不適切なプライミング、欠陥のある配管、および欠陥のあるカセットを介して、空気がシステムに入る可能性がある。また、患者の治療は、システムに入る種々のガスを生成する。カセットによるポンプは、ガスではなく流体を送り出すように設計されている。さらに、患者から、および患者への流体の除去および送達は、監視および制御される必要がある。PDタイプシステムに関して、空気およびガスは、空気またはガスが流体経路内に存在しないと仮定する体積測定システムに異常をきたす。また、空気およびガスは、患者にとって不快であり、適切な排泄物除去を妨害する可能性がある。HDタイプシステムに関して、血流中の空気は、患者に有害である可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
費用、製造の容易さ、耐久性、および信頼性は、カセットによる透析システムに直面している、さらなる問題である。したがって、上記の問題を満たす、カセットによる透析システムのためのカセットの改善の必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本明細書に記載される実施例は、血液透析(「HD」)、血液濾過(「HF」)、血液透析濾過(「HDF」)、腹膜透析(持続的携帯型腹膜透析(「CAPD」)、自動腹膜透析(「APD」)、タイダルフローAPD、および連続フロー腹膜透析(「CFPD」)様式を含む(「PD」))等の、可撓性ポンピングカセットを用いる透析システムを開示する。また、システムは、任意の種類の持続的腎代替療法(「CRRT」)に使用されてもよい。以下の実施例は、例えば、HDまたはHDFに対してダイアライザ、例えば、HFに対して血液濾過器、または例えば、PDに対して患者の腹膜等の、拡散膜またはフィルタを含む。さらに、本明細書に記載されるシステムのそれぞれは、臨床または在宅の場に使用されてもよい。例えば、システムは、院内HD機械に用いられてもよく、終日実質的に連続的に作動する。あるいは、システムは、在宅PD機械に使用されてもよく、典型的には、患者が睡眠している間、夜に作動する。本明細書に記載される実施形態に特に好適な一療法は、在宅血液透析(「HHD」)、特に、高対流在宅血液透析(「HCHD」)である。
【0022】
以下の実施例は、透析液(補液)供給源を含み、それは、1つにまとめられ、次々に使用される透析液供給源の複数のバッグであることができる。さらに別の方法として、以下に示されるシステムのそれぞれは、透析液オンラインを形成するために、1つ以上の濃縮物を水と混合するように構成される、1つ以上の濃縮ポンプ等の、オンライン透析液源で使用されることができる。オンライン源は、例えば、院内HDシステムで一般的に使用される。システムが、透析液での使用に関して本明細書に記載される一方で、生理食塩水、ラクトリンゲル、薬剤および/または血液等の他の医療用流体を用いる、可撓性シーティングカセットおよび他の器具を使用することは、明示的に考慮される。
【0023】
種々の可撓性シーティングカセットが、本明細書に示され、記載される。可撓性シーティングカセットは、流体流路、流体加熱経路、蠕動ポンプ経路、輸液ポンピング領域、バランスチャンバ(適合流量平衡装置)、およびそれらの任意の組み合わせを形成するために、望ましい位置で溶接、熱融着、接着、化学的結合、折り畳み、あるいは共に形成される、多数の可撓性シートを使用する。異なるシートは、それらを共に貼り付ける前に、別々のシートとして形成されることができるか、または異なる層を形成するために、1回以上折り畳まれる単一のシートであることができる。シートは、典型的には、硬質プラスチックコンポーネントと硬質プラスチックコンポーネントに密閉される1つ以上の可撓性シートを含む、既知の医療用流体ポンピングカセットに対する経済的かつ容易に製造可能な代替物を提供する。
【0024】
しかしながら、いくつかのコンポーネントが、硬質プラスチック部材を使用し、他のコンポーネントが可撓性シートのみを使用するカセットを提供することは、明示的に考慮される。例えば、1つ以上の可撓性シートと組み合わせて硬質プラスチック部品を使用して、弁および特定の経路を形成し、可撓性シートのみを使用して、ポンプ部分、バランスチャンバ、および/または加熱流体経路を形成することは、有利である場合がある。以下に示される特定の実施形態は、配管ループ、例えば、蠕動ポンプローラと組み合わせて使用される配管ループと可撓性シートカセットを組み合わせる。また、流路、加熱経路、ポンプ部分、および体積制御部分が、可撓性シーティングを使用してそれぞれ形成されるが、取り扱いや装填等を容易にするために、剛性フレームを含むことは、明示的に考慮される。
【0025】
一実施形態において、流体経路、蠕動ポンプ部分、バランスチャンバ部分を提供するために必要に応じて、2つまたは3つのシーティング層を使用するカセットが示され、それらは、共に密閉され、1つ以上の供給バッグ、排出バッグ、および患者(本明細書で使用されるように、「患者」は、概して、患者の腹膜、ダイアライザ、血液濾過器、体外回路、およびそれらの任意の組み合わせを意味する)に接続するコネクタにより形成される。一実施例において、別個の流体加熱経路が提供され、別個のチューブを介して可撓性シーティングカセットに流体的に接続される。
【0026】
別の実施形態において、流体加熱経路は、輸液ポンプ部分等の透析液システムの他のコンポーネントを形成する、同一のシートを使用して形成される。輸液または膜ポンプ部分は、各ストロークで既知の体積の流体を送り出し、したがって、別個の適合流量平衡装置またはバランスチャンバの必要性を排除する。
【0027】
本明細書に記載される可撓性シーティングカセットのいずれも、1つ以上のポンプ部分を有することができる。例えば、可撓性シーティングカセットは、複数のバランスチャンバと組み合わせて、複数の蠕動ポンプ部分を形成することができ、「患者」および排出口それぞれに対する、少なくとも実質的に定常流の新鮮および使用済み透析液を生成するために動作する。他の実施例において、可撓性シーティングカセットは、複数の輸液または膜ポンプ部分を形成することができる。
【0028】
また、可撓性シーティング膜は、統合された、または離れた流体加熱経路のすぐ下流に有利に位置することができる、通気孔を組み込む。この構成により、加熱により生成される空気またはガスは、大気中に排出または放出されることができる。通気孔は、例えば、自動空気パージを可能にするために、垂直に配置または位置決定されたカセットの頂部に位置することができる。または、カセットは、機械に水平に取り付けられ、弁で動作することができ、それは、空気が検出されると開く。システムは、大気中だけでなく、ディスポの他の部分(溶液バッグまたは排出ライン)にガス/空気を排出/放出し得る。
【0029】
一実施形態において、可撓性シーティングカセットは、流体バッグ、患者、ダイアライザ、体外回路等に通じるチューブを接続するコネクタを含む。一実施形態において、コネクタは、剛性であることができ、可撓性シートのうちの2つの間に密閉される本体を含む。可撓性シートのうちの1つまたは両方は、熱成形された流路を有することができ、コネクタ本体から可撓性シーティングカセット内の望ましい目的位置に通じる閉鎖流路を形成するために、他の可撓性シートに密閉される。コネクタ本体の外端部は、ルアーまたはフェルール端部を含むことができ、可撓性シーティングカセットから走るチューブにしっかりと密閉されるように構成される。
【0030】
一実施形態において、可撓性シートのうちの1つは、入口および出口ポンプの経路に通じる、実質的に円形の熱成形された経路を含む。蠕動ポンプローラまたは作動装置は、可撓性シーティングカセットの一体型蠕動ポンプ部分を形成するために、実質的に円形の流体経路で動作する。上記に考察されるように、1つ以上のそのようなポンプ部分は、任意の単一のカセットにおいて提供されてもよい。そのような場合、2つの異なる蠕動ポンピング経路を駆動するために、単一のローラを使用するための2つの実施形態が、以下に記載される。一実施例において、可撓性シーティングカセットは、部材上に折り畳まれ、2つの内方に面する蠕動ポンプ部分を、単一の蠕動ポンプローラに動作可能に連結させる。第2の実施例において、蠕動ポンピング経路は、実質的に完全な円とは対照的に半円であり、半円形の流路の2つが、同一の蠕動ポンプローラで動作し、2つの異なる経路を通って2つの異なる流体を駆動する。
【0031】
また、複数の可撓性シートを使用して適合流量平衡装置またはバランスチャンバを形成するための複数の実施形態が、本明細書に開示される。一実施例において、3つのシートは、上部および下部バランスチャンバ区画、すなわち、上部シートと中間シートとの間に1つ、および中間シートと下部シートとの間にもう一方の区画を形成するために使用される。各区画は、そのような区画に通じる、およびそのような区画からの単一または複数の流体経路を有することができる。流体の区画への送り出しは、他の区画からの同量の流体を分配し、逆もまた同様である。一実施形態において、各区画は、それに接続される2つの経路を含み、一方の経路は、区画への流入経路であり、もう一方の経路は、区画からの流出経路である。他の実施例において、単一経路のみが、区画のそれぞれと連通し、それにより、流体が同一の単一経路を通って流動するために、各区画に出入りする。
【0032】
代替の実施形態において、2つの可撓性シートは、バランスチャンバを形成するために、剛性の、例えば、球状のプラスチックチャンバで形成される。ここで、1つの区画は、剛性チャンバと上部可撓性シートとの間に形成される。第2の区画は、2つの可撓性シートの間に形成される。剛性プレートまたは支持は、下部可撓性シートと当接し、それにより、上部可撓性シートは、下部区画が充填されている場合、移動するための方向を1つのみ有する。下部区画が充填されている場合、上部可撓性シートは、上部区画からの流体を分配するために、剛性チャンバの内壁に向かって上方に移動する。次いで、流体が、上部区画に充填され、下部区画からの流体を分配するために、下部シートに向かって上部シートを押し下げる。
【0033】
さらに別の代替のバランスチャンバの実施形態において、複数の可撓性シートは、バランスチャンバを形成するために、複数のバランスチャンバチューブで形成される。チューブは、流体入口および流体出口として機能し、それらは、別の方法として、可撓性シートのうちの1つまたは両方を熱成形することにより形成される。この場合もやはり、各バランスチャンバ区画は、単一の流体入口/出口または別々の流体入口/出口を形成するために、単一の入口/出口チューブまたは複数の専用の入口/出口チューブを含むことができる。
【0034】
バランスチャンバは、概して、蠕動ポンプ等のポンプで動作すると本明細書に記載される。以下に記載される代替の実施形態において、バランスチャンバは、磁場内に配置される。したがって、チャンバ内で前後に駆動されるバランスチャンバの膜(例えば、内膜)は、強磁性体をドープされるか、あるいは強磁性体に連結される。例えば、炭素薄層は、空気挿入用の医療グレード材料の外側可撓性層の間に挟まれることができる。磁場は、含浸膜を動かすように調節または分極される。透析ユニット内のコントローラは、チャンバの片側、次いで、もう一方の側に磁気内膜を引きつけ、各半ストロークで流体を取り除き、吸引するために、バランスチャンバの両側に位置する電磁石に連続して電力供給する。このように、バランスチャンバ(またはデュアルバランスチャンバ)は、別個のポンプにより駆動されるのとは対照的に、動力源を備えており、第2のポンプの必要性を排除する。以下に記載されるように、バランスチャンバシステムは、限外濾過(「UF」)メータを使用する場合があり、それは、典型的には、パッシブまたは非自己駆動でもある。また、UFメータは、本明細書に記載されるように、磁気駆動されることもできる。交互に、磁気駆動されたバランスチャンバのうちの1つが、UFメータを駆動する。以下にさらに考察されるように、輸液ポンプも、磁気駆動されるように修正されてもよい。
【0035】
以下に示されるように、カセットが装填される機械により画定される、2つの可撓性シートならびに上部および下部チャンバを使用して、統合された輸液または膜ポンプは形成されることができる。機械は、流体を吸引するか、または押し出すために必要に応じて、チャンバ壁に向かってシートを引くために別々のシートのそれぞれに真空を引き、かつ反対側のチャンバ壁に向かってシートを押すために正圧を提供する用に構成される。流体流入経路および流体流出経路は、可撓性シート間の空間と流体的に連通する。
【0036】
流体が、1つのステップにおいて輸液ポンプチャンバに引き入れられ、第2のステップにおいて輸液ポンプチャンバから押し出されることを可能にするために、流入および流出経路は弁で調節される。以下に示されるように、流体を輸液ポンプチャンバに引き入れるために、正圧が除去され、負圧が可撓性シートのうちの1つの外表面に印加され、それをもう一方の可撓性シート(チャンバのもう一方の側からの負圧下にある)から、その真空源に向かって押すことにより、シート間のポンピングチャンバが開き、真空を生成し、それにより、流体をチャンバに引き入れる。次いで、正圧がシートのうちの1つに印加され、可撓性膜を押して閉じ、流体をポンプ流出経路から押し出す。
【0037】
統合された流体加熱経路を形成するための複数の実施形態が、本明細書に考察される。経路は、第2のシートに接着される一方のシート内の熱成形された経路であることができる。別の実施形態において、3つのシートが使用され、上部および下部経路が、平坦な中間シートで形成される。本明細書に記載される実施形態のいずれにおいても、中間シートは、流体が、例えば、上部流体加熱経路から下部流体加熱経路に移動することを可能にするために、1つ以上の開口を含む。または、バランスチャンバに関して、中間可撓性膜内の開口は、一方(上部または下部)の区画を出る流体が、単一流路内の他の区画を出る流体と混合されることを可能にする。
【0038】
3つの当接したシートのうちの2つの間にシールを選択的に形成するため、および3つのシートを共に密閉するための種々の実施形態が、本明細書に記載される。例えば、1つ以上の外側シートが、選択的にそれに接着および密閉されることを可能にするために、硬化性接着パターンが、中間シートの1つ以上の側に提供されることができる。あるいは、ダイにより生成される熱が、3つのシートのうちの2つのみを共に密閉するか、または3つのシートすべてを共に密閉するように設定されるように、加熱ダイにより提供されるエネルギーは変化することができる。
【0039】
上記に考察されるように、可撓性シーティングカセットのいずれも、例えば、流路、弁座、剛性バランスチャンバ部分等を含むことができる、剛性コンポーネントを含むことができる。以下に示されるように、該剛性部は、カセットの残りのコンポーネントを形成する全可撓性部と連通するように作製されることができる。
【0040】
上記に考察されるように、蠕動ポンプ部分は、別の方法として、ヒータ流路、バランスチャンバ部分、ならびに関連する流路および弁座を含むことができる可撓性シーティングカセットに、流体的に接続されるチューブであることができる。
【0041】
一実施形態において、第2の血液カセットが提供される、HD、HF、またはHDFシステムの透析液部に、1つの可撓性シーティングカセットが提供される。両方のカセットは、一実施形態において同一の機械に装填される。あるいは、HD、HF、またはHDFシステムの血液および透析液部は、同一のカセットにおいて形成されることができる。
【0042】
したがって、改善された透析システムを提供することが、本開示の利点である。
【0043】
改善された透析カセットを提供することが、本開示の別の利点である。
【0044】
改善された在宅透析治療を提供することが、本開示のさらなる利点である。
【0045】
蠕動ポンプ部分を複数の可撓性シートから形成されるカセットに組み込むことが、本開示のさらに別の利点である。
【0046】
膜または輸液ポンプ部分を複数の可撓性シートから形成されるカセットに組み込むことが、本開示のさらなる利点である。
【0047】
2つまたは3つの当接した可撓性膜内に流体経路を形成するための複数の方法を提供することが、本開示のさらなる利点である。
【0048】
バランスチャンバ部分を複数の可撓性シートから形成されるカセットに組み込むことが、本開示のさらに別の利点である。
【0049】
比較的低コスト9の可撓性シーティングカセットを提供することが、本開示のさらなる利点である。
【0050】
さらに、例えば、3つの当接したシートのうちの2つ、または3つの当接したシートのうちの3つを選択的に密閉するための方法を提供することが、本開示の利点である。
【0051】
さらに、磁気駆動された輸液バランシングまたはポンピング装置を提供することが、本開示の利点である。
例えば、本発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
透析液供給源と、
少なくとも1つの弁作動装置と、
少なくとも1つのポンプ作動装置と、
(i)該透析液供給源と流体連通して設置され、かつ、該少なくとも1つの弁作動装置で動作するように構成される、少なくとも1つの流路と、(ii)該少なくとも1つのポンプ作動装置で動作するように構成される、少なくとも1つのポンプ部分とを形成するように、共に密閉される第1および第2の可撓性シートとを含む、使い捨てユニットと
を備える、腎不全治療システム。
(項目2)
前記透析液供給源は、新鮮な透析液の容器およびオンライン透析液生成システムのうちの少なくとも1つを含む、項目1に記載の腎不全治療システム。
(項目3)
前記ポンプ作動装置は、蠕動ポンプおよび膜ポンプから成る群から選択される種類のものである、項目1に記載の腎不全治療システム。
(項目4)
ヒータを含み、前記可撓性シートは、(i)該ヒータと動作可能に連通して配置されるように構成される、加熱経路、または(ii)該ヒータと動作可能に連通して配置される加温バッグと流体連通するように構成される、前記少なくとも1つの流路を形成するように共に密閉される、項目1に記載の腎不全治療システム。
(項目5)
前記少なくとも1つの流路は、前記第1および第2の可撓性シートの間に密閉される、少なくとも1つのポートと連通しており、該ポートは、外部の透析液導管との流体連通を可能にする、項目1に記載の腎不全治療システム。
(項目6)
前記ポンプ部分は、蠕動ポンプ作動装置の少なくとも1つのローラヘッドで動作するように構成される、少なくとも実質的に円形の流体経路を含む、項目1に記載の腎不全治療システム。
(項目7)
前記ポンプ部分は、前記第1および第2のシートが、ダイアフラムポンプ作動装置の空洞へと外側に開くことができるように構成される、項目1に記載の腎不全治療システム。
(項目8)
前記流路は、少なくとも1つの弁座を画定し、該少なくとも1つの弁座は、前記少なくとも1つの弁作動装置で動作するように構成される、項目1に記載の腎不全治療システム。
(項目9)
少なくとも1つのセンサを含み、前記第1および第2のシートは、該少なくとも1つのセンサで動作するように構成される少なくとも1つの感知領域を形成するようにさらに協働する、項目1に記載の腎不全治療システム。
(項目10)
前記少なくとも1つの流路は、負の動作圧を受けると、その形状を少なくとも実質的に維持するように構成される、項目1に記載の腎不全治療システム。
(項目11)
前記少なくとも1つの流路は、前記第1および第2のシートを共に密閉する前に、該第1および第2のシートのうちの少なくとも1つに該流路を熱成形することを介して構成される、項目1に記載の腎不全治療システム。
(項目12)
前記第1および第2のシートは、(i)熱シール、(ii)超音波シール、(iii)高周波シール、(iv)溶剤結合、および(v)機械的締め付けから成る群から選択される、少なくとも1つのプロセスを介して共に密閉される、項目1に記載の腎不全治療システム。
(項目13)
前記第1および第2のシートは、血流経路を形成するように密閉される、項目1に記載の腎不全治療システム。
(項目14)
前記第1および第2のシートは、(i)少なくとも1つの透析液供給源の流入経路と、(ii)ポンプへの経路と、(iii)ポンプからの経路と、(iv)少なくとも1つのヒータ経路と、(v)少なくとも1つの患者経路を形成するように密閉される、項目1に記載の腎不全治療システム。
(項目15)
前記使い捨てユニットは、第3のシートを含み、前記3つのシートは、少なくとも1つのバランスチャンバ部分を形成するように密閉される、項目1に記載の腎不全治療システム。
(項目16)
前記バランスチャンバ部分の区画は、前記使い捨てユニットの前記ポンプ部分と流体連通している、項目15に記載の腎不全治療システム。
(項目17)
前記使い捨てユニットは、前記第1および第2のシートと動作可能に連通している、マニホールドまたはフレームを含む、項目15に記載の腎不全治療システム。
(項目18)
透析液供給源と、
少なくとも1つの弁作動装置と、
少なくとも1つのポンプ作動装置と、
(i)該透析液供給源と流体連通して設置され、かつ、該少なくとも1つの弁作動装置で動作するように構成される少なくとも1つの流路と、(ii)該少なくとも1つのポンプ作動装置で動作するように構成される少なくとも1つのポンプ部分とを形成するように、共に密閉される、第1、第2、および第3の可撓性シートとを含む、使い捨てユニットと
を備える、腎不全治療システム。
(項目19)
前記ポンプは、蠕動ポンプおよび膜ポンプから成る群から選択される種類である、項目18に記載の腎不全治療システム。
(項目20)
ヒータを含み、前記可撓性シートは、(i)該ヒータと動作可能に連通して配置されるように構成される加熱経路、または(ii)該ヒータと動作可能に連通して配置される加温バッグと流体連通するように構成される前記少なくとも1つの流路を形成するように、共に密閉される、項目18に記載の腎不全治療システム。
(項目21)
前記少なくとも1つの流路は、前記第1および第2の可撓性シートの間に密閉される、少なくとも1つのポートと連通しており、該ポートは、返りの透析液導管との流体連通を可能にする、項目18に記載の腎不全治療システム。
(項目22)
前記流路は、少なくとも1つの弁座を含み、前記少なくとも1つの弁座は、前記少なくとも1つの弁作動装置で動作するように構成される、項目18に記載の腎不全治療システム。
(項目23)
少なくとも1つのセンサを含み、前記第1、第2、および第3のシートは、前記少なくとも1つのセンサで動作するように構成される、少なくとも1つの感知領域を形成するようにさらに協働する、項目18に記載の腎不全治療システム。
(項目24)
前記3つのシートのうちの少なくとも2つは、血流経路を形成するように密閉される、項目18に記載の腎不全治療システム。
(項目25)
前記第1、第2、および第3のシートは、少なくとも1つのバランスチャンバ部分を形成するように密閉され、該第1および第3のシートは、第1および第2のバランスチャンバ壁に向かって外側に引かれるように構成され、該第2のシートは、該第1および第3のシートの間に維持され、かつ、該引き離された第1および第3のシートに向かって、前後に押されるように構成される、項目18に記載の腎不全治療システム。
(項目26)
前記ポンプ作動装置と弁作動装置とを収納する筺体を含み、該筺体は、前記第1および第2のチャンバ壁を含む、項目25に記載の腎不全治療システム。
(項目27)
前記第1および第2のシートは、該第1および第2のシートの間に形成される第1の区画と流体連通している、少なくとも1つの流入経路と少なくとも1つの流出経路とを画定するように密閉される、項目25に記載の腎不全治療システム。
(項目28)
前記第2および第3のシートは、該第2および第3のシートの間に形成される第2の区画と流体連通している、少なくとも1つの流入経路と少なくとも1つの流出経路とを画定するように密閉される、項目27に記載の腎不全治療システム。
(項目29)
前記少なくとも1つの流入経路および前記少なくとも1つの流出経路に動作可能に連結される、少なくとも1つの弁作動装置を含む、項目27に記載の腎不全治療システム。
(項目30)
前記使い捨てユニットの前記ポンプ部分は、該使い捨てユニットの前記バランスチャンバ部分と流体連通している、項目25に記載の腎不全治療システム。
(項目31)
前記第2のシートは、前記第1および第3のシートの間に位置し、前記少なくとも1つの流体路は、該第1および第2のシートの間に形成される第1の部分と、該第2および第3のシートの間に形成される第2の部分とを有し、該第2のシートは、該少なくとも1つの流路の該第1および第2の部分の間の流体連通を可能にする開口を画定する、項目18に記載の腎不全治療システム。
(項目32)
前記第1、第2、および第3のシートは、(i)熱シール、(ii)超音波シール、(iii)高周波シール、(iv)溶剤結合、(v)接着結合、および(vi)機械的締め付けから成る群から選択される、少なくとも1つのプロセスを介して共に密閉される、項目18に記載の腎不全治療システム。
(項目33)
前記第1、第2、および第3のシートの少なくとも一部は、該第1、第2、および第3のシートのうちの1つに提供される接着剤を活性化することによって共に密閉される、項目18に記載の腎不全治療システム。
(項目34)
前記第2のシートは、前記第1および第3のシートの間に位置し、前記活性化された接着剤は、該第1および第2のシートの間の前記流路の第1の部分と、該第2および第3のシートの間の該流路の第2の部分とを形成し、該第3のシートは、該第1および第2の部分の間の流体連通を可能にする開口を画定する、項目33に記載の腎不全治療システム。
(項目35)
前記第2のシートは、前記第1および第3のシートの間に位置し、該第1のシートは、該第2のシートが、そのような密閉を達成するために利用される密閉プロセス中に使用されるエネルギー量を制御することを介して、該第3のシートに対応して密閉されることなく、該第2のシートに密閉される、項目25に記載の腎不全治療システム。
(項目36)
前記第1、第2、および第3のシートは、前記使い捨てユニットの第1の部分を形成し、該第1および第2のシートは、該使い捨てユニットの第2の部分のみを形成する、項目35に記載の腎不全治療システム。
(項目37)
3つのシートすべての間の少なくとも1つのシールは、機械的締め付けを介して形成され、該シートのうちの2つの間の少なくとも1つのシールは、別の方法を使用して形成される、項目35に記載の腎不全治療システム。
(項目38)
透析液供給源と、
少なくとも1つの弁作動装置と、
少なくとも1つのポンプ作動装置と、
(i)該透析液供給源と流体連通して設置され、かつ、該少なくとも1つの弁作動装置で動作するように構成される少なくとも1つの流路と、(ii)該少なくとも1つのポンプ作動装置で動作するように構成される少なくとも1つのポンプ部分とを形成するように、共に密閉される剛性部材と、第1および第2の可撓性シートとを含む、使い捨てユニットと
を備える、腎不全治療システム。
(項目39)
ヒータを含み、前記可撓性シートおよび剛性部材は、(i)該ヒータと動作可能に連通して配置されるように構成される、加熱経路、または(ii)該ヒータと動作可能に連通して配置される加温バッグと流体連通するように構成される、前記少なくとも1つの流路、を形成するように共に密閉される、項目38に記載の腎不全治療システム。
(項目40)
前記使い捨てユニットは、透析液ユニットであり、かつ、別個の使い捨て血液ユニットを含む、項目38に記載の腎不全治療システム。
(項目41)
前記剛性部材は、前記少なくとも1つの流路を画定し、前記第1および第2のシートは、前記ポンプ部分を形成する、項目38に記載の腎不全治療システム。
(項目42)
前記可撓性シートは、流体の加熱経路をさらに形成する、項目41に記載の腎不全治療システム。
(項目43)
前記使い捨てユニットは、前記少なくとも1つのポンプ部分と流体連通している、少なくとも1つのバランスチャンバ部分を含む、項目38に記載の腎不全治療システム。
(項目44)
前記バランスチャンバ部分は、前記剛性部材と前記第1および第2のシートとを使用して形成される、項目43に記載の腎不全治療システム。
(項目45)
前記バランスチャンバ部分を前記ポンプ部分に接続する、少なくとも1つのチューブを含む、項目43に記載の腎不全治療システム。
(項目46)
体外回路と、
少なくとも1つの弁作動装置と、
少なくとも1つのポンプ作動装置と、
(i)該体外回路と流体連通して設置され、かつ、該少なくとも1つの弁作動装置で動作するように構成される少なくとも1つの流路と、(ii)該少なくとも1つのポンプ作動装置で動作するように構成される少なくとも1つのポンプ部分とを形成するように、共に密閉される第1および第2の可撓性シートを含む、使い捨てユニットと
を備える、腎不全治療システム。
(項目47)
前記ポンプ部分は、蠕動ポンプ作動装置の少なくとも1つのローラヘッドで動作するように構成される、少なくとも実質的に円形の流体経路を含む、項目46に記載の腎不全治療システム。
(項目48)
前記第1および第2のシートは、(i)少なくとも1つの血液流入経路と、(ii)ポンプへの経路と、(iii)ポンプからの経路と、(iv)少なくとも1つのヒータ経路と、(v)少なくとも1つの患者経路とを形成するように密閉される、項目46に記載の腎不全治療システム。
(項目49)
前記使い捨てユニットは、第3のシートを含み、前記3つのシートは、少なくとも1つのバランスチャンバ部分を形成するように密閉される、項目46に記載の腎不全治療システム。
(項目50)
前記使い捨てユニットは、前記第1および第2のシートと動作可能に連通している、マニホールドまたはフレームを含む、項目46に記載の腎不全治療システム。
(項目51)
透析液供給源と、
少なくとも1つの弁作動装置と、
少なくとも1つの電磁バランスチャンバ作動装置と、
(i)該透析液供給源と流体連通して設置され、かつ、該少なくとも1つの弁作動装置で動作するように構成される少なくとも1つの流路と、(ii)該少なくとも1つの電磁的に作動したバランスチャンバ作動装置で動作するように構成される、少なくとも1つのバランスチャンバ部分とを形成するように、共に密閉される第1、第2、および第3の可撓性シートを含む、使い捨てユニットと
を備える、腎不全治療システム。
(項目52)
前記シートのうちの少なくとも1つは、強磁性体を含む、項目51に記載の腎不全治療システム。
(項目53)
前記バランスチャンバ作動装置は、前記膜のうちの少なくとも1つを動かすように選択的に電力供給される、第1および第2の電磁石を含む、項目51に記載の腎不全治療システム。
【0052】
本開示のさらなる特徴および利点は、以下の発明を実施するための最良の形態および図面から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】図1は、蠕動ポンピング部と、単一のバランシングチャンバ輸液制御部と、外部ヒータバッグとを有する可撓性シーティングカセットを用いる、カセットによる透析システムの一実施形態の概略図である。
【図2】図2は、輸液または膜ポンプ部分とインライン加熱部とを有する可撓性シーティングカセットを用いる、カセットによる透析システムの一実施形態の概略図である。
【図3】図3は、デュアル蠕動ポンプ部分と、デュアルバランシングチャンバ部と、外部ヒータバッグとを有する可撓性シーティングカセットを用いる、カセットによる透析システムの一実施形態の概略図である。
【図4】図4は、図1に示される詳細IVの断面斜視図であり、可撓性シーティングカセットの入口/出口コネクタ部の一実施形態を明示する。
【図5】図5は、図1に示される詳細Vの断面斜視図であり、可撓性シーティングカセットのための蠕動部の一実施形態を明示する。
【図6】図6は、図1に示される詳細VIの断面斜視図であり、可撓性シーティングカセットのためのバランシングチャンバ部の一実施形態を明示する。
【図7】図7は、図6の線VII―VIIに沿った断面立面図であり、透析機械で動作している可撓性シーティングカセットのバランシングチャンバ部を図示する。
【図8】図8は、図6の線VIII―VIIIに沿った断面図であり、図6に示される可撓性シーティングカセットのバランシングチャンバ部に通じる、上部および下部流体経路を示す。
【図9A】図9A〜9Cは、図2に示される詳細IXの断面立面図であり、可撓性シーティングカセットを使用して動作している輸液ポンピングのためのポンプサイクルの異なる弁の状態を図示する。
【図9B】図9A〜9Cは、図2に示される詳細IXの断面立面図であり、可撓性シーティングカセットを使用して動作している輸液ポンピングのためのポンプサイクルの異なる弁の状態を図示する。
【図9C】図9A〜9Cは、図2に示される詳細IXの断面立面図であり、可撓性シーティングカセットを使用して動作している輸液ポンピングのためのポンプサイクルの異なる弁の状態を図示する。
【図10A】図10Aは、図2に示される詳細Xの断面斜視図であり、可撓性シーティングカセットのインラインヒータ部の一実施形態を明示する。
【図10B】図10Bは、透析液ヒータで動作しているバイレベルインラインヒータ部の断面立面図である。
【図11】図11は、図2に示される詳細XIの斜視図であり、可撓性シーティングカセットのためのインライン空気通気孔部の一実施形態を図示する。
【図12A】図12Aは、可撓性シーティングカセットの2つの異なる流路を通って流体を駆動するように、単一の蠕動ポンプ作動装置を構成するための一実施形態を図示する断面立面図である。
【図12B】図12Bは、可撓性シーティングカセットの2つの異なる流路を通って流体を駆動するように、単一の蠕動ポンプ作動装置を構成するための別の実施形態を図示する立面図である。
【図13】図13は、圧力(または他のパラメータ)センサと組み合わせて圧力(または他のパラメータ)感知領域を用いる、可撓性シーティングカセットの一実施形態を図示する断面斜視図である。
【図14】図14は、3つの可撓性シートを共に選択的に密閉するための一方法および得られた器具を示す、可撓性シーティングカセットの断面斜視図である。
【図15】図15は、3つの可撓性シートを共に選択的に密閉するための第2の方法および得られた器具を示す、一実施例の可撓性シーティングカセットの斜視図である。
【図16】図16は、3つの可撓性シートを共に選択的に密閉するための第3の方法を図示する、可撓性シーティングカセットの一部の立面図である。
【図17】図17は、可撓性シートを形成する経路を剛性カセット部と組み合わせる、カセット全体の一実施形態の斜視図である。
【図18】図18は、対応する弁作動と、ポンプ作動と、ヒータとで、可撓性シーティング部と剛性部とを有するカセットを構成するための一実施形態を図示する。
【図19A】図19Aおよび19Bは、剛性プラスチックドーム型コンポーネントと組み合わせて2つの可撓性シートを使用する、バランシングチャンバの別の実施形態を示す断面立面図である。
【図19B】図19Aおよび19Bは、剛性プラスチックドーム型コンポーネントと組み合わせて2つの可撓性シートを使用する、バランシングチャンバの別の実施形態を示す断面立面図である。
【図20A】図20A〜20Dは、複数の可撓性シートにより形成されるバランスチャンバ部分の、さらなる代替の実施形態の製造の種々の段階における斜視図である。
【図20B】図20A〜20Dは、複数の可撓性シートにより形成されるバランスチャンバ部分の、さらなる代替の実施形態の製造の種々の段階における斜視図である。
【図20C】図20A〜20Dは、複数の可撓性シートにより形成されるバランスチャンバ部分の、さらなる代替の実施形態の製造の種々の段階における斜視図である。
【図20D】図20A〜20Dは、複数の可撓性シートにより形成されるバランスチャンバ部分の、さらなる代替の実施形態の製造の種々の段階における斜視図である。
【図21A】図21A〜21Gは、別個の血液サイドカセットと組み合わせて可撓性シーティング透析液カセットを用いる、一システムの種々の図である。
【図21B】図21A〜21Gは、別個の血液サイドカセットと組み合わせて可撓性シーティング透析液カセットを用いる、一システムの種々の図である。
【図21C】図21A〜21Gは、別個の血液サイドカセットと組み合わせて可撓性シーティング透析液カセットを用いる、一システムの種々の図である。
【図21D】図21A〜21Gは、別個の血液サイドカセットと組み合わせて可撓性シーティング透析液カセットを用いる、一システムの種々の図である。
【図21E】図21A〜21Gは、別個の血液サイドカセットと組み合わせて可撓性シーティング透析液カセットを用いる、一システムの種々の図である。
【図21F】図21A〜21Gは、別個の血液サイドカセットと組み合わせて可撓性シーティング透析液カセットを用いる、一システムの種々の図である。
【図21G】図21A〜21Gは、別個の血液サイドカセットと組み合わせて可撓性シーティング透析液カセットを用いる、一システムの種々の図である。
【図22A】図22A〜22Dは、別個の血液サイドカセットと組み合わせて可撓性シーティング透析液カセットを用いる、さらなる代替のシステムの斜視図である。
【図22B】図22A〜22Dは、別個の血液サイドカセットと組み合わせて可撓性シーティング透析液カセットを用いる、さらなる代替のシステムの斜視図である。
【図22C】図22A〜22Dは、別個の血液サイドカセットと組み合わせて可撓性シーティング透析液カセットを用いる、さらなる代替のシステムの斜視図である。
【図22D】図22A〜22Dは、別個の血液サイドカセットと組み合わせて可撓性シーティング透析液カセットを用いる、さらなる代替のシステムの斜視図である。
【図23】図23は、重量体積制御方法を用いるシステムでの使用のための、さらに別の代替の医療用流体カセットの斜視図である。
【図24A】図24Aおよび24Bは、機械が、ポンプ、流動、および流体加熱経路を圧縮形成する締め付け部材を含む、代替の可撓性シーティングカセットシステムの斜視図である。
【図24B】図24Aおよび24Bは、機械が、ポンプ、流動、および流体加熱経路を圧縮形成する締め付け部材を含む、代替の可撓性シーティングカセットシステムの斜視図である。
【図25A】図25Aは、圧縮締め付けにより形成される流体加熱経路と、圧縮された流体加熱経路で動作可能な流体ヒータとの概略図である。
【図25B】図25Bは、機械的圧縮により形成される流体加熱経路を備える別個のヒータバッグと、ヒータバッグのための別個のヒータとの斜視図である。
【図26A】図26Aおよび26Bは、機械的締め付けにより形成される使い捨てカセットのバランスチャンバ部分を示し、またバランスチャンバを駆動するために使用される磁場も図示する。
【図26B】図26Aおよび26Bは、機械的締め付けにより形成される使い捨てカセットのバランスチャンバ部分を示し、またバランスチャンバを駆動するために使用される磁場も図示する。
【図27】図27は、磁場により駆動されるバランシングチューブまたはバランシングピストンを図示する。
【図28】図28は、磁場により駆動される輸液ポンプを図示する。
【発明を実施するための形態】
【0054】
本明細書に記載される実施例は、使い捨て流体ポンピングカセットを必要とする、任意の医療用流体(透析液、置換液、および血液等)治療システムに適用できる。システムは、(「HHD」)を含むすべての形態の血液透析(「HD」)、血液濾過(「HF」)、血液透析濾過(「HDF」)、腹膜透析(持続的携帯型腹膜透析(「CAPD」)、自動腹膜透析(「APD」)、タイダルフローAPD、および連続フロー腹膜透析(「CFPD」)様式を含む「PD」)等の、腎不全治療の制御に特によく適している。また、システムは、任意の種類の持続的腎代替療法(「CRRT」)に使用されてもよい。
【0055】
以下の実施例は、例えば、HDまたはHDFに対してダイアライザ、例えば、HFに対して血液濾過器、または例えば、PDに対して腹膜等の、拡散膜またはフィルタを含む。特定の実施例は、例えば、バッチタイプCAPDまたはAPDに対して単一の患者入口および出口を備えるカセットを示す。CAPDおよびAPDにおける透析液は、典型的には、患者に送達され、一定期間滞留することが可能であり、次いで、患者から送り出され、排出口に廃棄される。次いで、それらのサイクルは何回も繰り返される。例えば、透析液が、患者へおよび患者からの同一の単一のラインおよび接続部を介して、異なった時間に送達および除去されることができるように、患者へおよび患者からのラインは、共にT字型に接続され、適切に弁で調節される。
【0056】
他のシステムは、例えば、HD、HDF、またはHFで使用されるダイアライザまたは血液濾過器のための、透析液入口および透析液出口を含む。また、システムはそれぞれ、場合によって単一またはデュアルカテーテルでの使用のために修正されてもよい。CFPDは、典型的には、デュアルルーメンカテーテルを使用し、したがって、別々の入口および出口も必要とする。
【0057】
さらに、本明細書に記載されるカセットによるシステムのそれぞれは、臨床または在宅の場に使用されてもよい。例えば、システムは、院内HD機械に用いられてもよく、終日実質的に連続的に作動する。あるいは、システムは、在宅PD機械に使用されてもよく、典型的には、患者が睡眠している間、夜に作動する。また、在宅血液透析(「HHD」)(高対流在宅血液透析(「HCHD」)を含む)機械も、本明細書に記載される実施形態での使用のための、好ましい一種類の治療機械である。
【0058】
以下の実施例は、便宜上、複数の流体バッグとして示される、透析液(または補液)供給源を含む。あるいは、透析液供給源の単一バッグが使用される。さらに別の方法として、以下に示されるシステムのそれぞれは、透析液オンラインを形成するために1つ以上の濃縮物を水と混合するように構成される、1つ以上の濃縮ポンプ等のオンライン透析液または補液源で使用されることができる。例えば、オンライン源は、HDシステムで一般的に使用される。
【0059】
本明細書に示されるシステムのそれぞれは、透析液または補液を望ましい温度に加熱するヒータで動作する。ヒータは、新鮮供給ポンプの上流または下流に位置するインラインヒータであることができる。あるいは、システムは、バッチタイプヒータおよび/またはポンプの上流に位置するヒータで動作する。
【0060】
また、システムは、インライン空気除去装置(例えば、疎水性通気孔)を備えるカセットを含む。あるいは、空気トラップ等のバッチタイプ空気除去装置が使用される。空気除去装置は、加熱により溶液から出た空気を捕捉するために、加熱経路に、または加熱経路近傍に位置することができる。
【0061】
本明細書に示されるフロー図は、腎不全機械の透析液または補液部に主に関係する。また、HD、HF、およびHDF機械は、血液ポンピングシステムを含む。血液カセットの種々の実施例もまた、以下に考察される。
【0062】
また、HD、HF、およびHDFは、同様に既知であり、ここで説明される必要のない、上述の透析液分配システムを含む。本願の出願人に譲渡された、米国特許第5,247,434号(「’434特許」)は、その内容全体が、参照することにより本明細書に明示的に組み込まれるが、好適な分配システムの一実施例を記載する。
【0063】
ここで図面、特に図1を参照すると、可撓性シーティングカセット10aを用いるシステムの一実施形態が、システム10により図示される。システム100aは、それが、輸液バランシング装置またはバランスチャンバと組み合わせて蠕動ポンプ30を用いるため、一側面において有利である。ポンプハードウェアが、流体と接触せず、したがって流体を汚染しないため、ポンプ30等の蠕動ポンプは、典型的には、無菌または滅菌流体を送り出すために使用される。透析液/補液と接触するポンプの唯一の部分は、蠕動ポンピング経路またはチューブ部分であり、治療前に滅菌される。また、蠕動ポンプは、透析液/補液と接触する可動部を含まないため、ポンプは比較的安価である。また、蠕動ポンプは、他の種類のポンプで使用される弁、シール、およびグランドを有さず、ポンプ30を、例えば、比較的安価で容易に維持できるものにする。
【0064】
システム100aの輸液バランシングは、一実施形態において、実質的に等体積の第1および第2のチャンバを使用する。各チャンバは、2つの区画を含み、一方は、「ダイアライザ前」区画と呼ばれ、他方は、「ダイアライザ後」区画と呼ばれる。チャンバの各反対側の「前」および「後」区画は、可撓性ダイヤフラムにより分離される。ソレノイド作動型弁は、各区画の充填および排出を制御する。概して、各区画は、その内容物が排出される前に、完全に充填される。また、「前」区画は、交互に充填および排出され、「後」区画は、交互に充填および排出される。「前」区画の充填は、対応する、および反対側の「後」区画のそれぞれの排出をもたらす。「後」区画の充填は、対応する、および反対側の「後」区画のそれぞれの排出をもたらす。
【0065】
2つのチャンバの反対側の「前」および「後」区画の体積が等しいため、システムは、ダイアライザへおよびダイアライザからの透析液の流量の体積バランスを保つ。この体積制御されたシステムの一利点は、ダイアライザへの透析液流量が、幅広い流速にわたり正確に測定されることができることである。
【0066】
システム100aは、複数の供給バッグ12a〜12cを含む。あるいは、システム100aへの透析液供給源は、オンライン供給源等の上記に記載されるシステムのいずれかである。また、システム100aは、図示の実施形態において最初の排出バッグ14を含む。例えば、PDでは、患者の腹膜は、治療開始時に使用済み透析液で充填されている。該使用済み透析液は、前夜の治療による最終充填からのものである。したがって、PDにおける治療の第1のステップは、使用済み透析液を排出バッグ14に排出することである。その後、供給源の透析液は、供給バッグ12a〜12cから、カセット10aを通って、患者(本明細書で使用されるように、「患者」は、関連する治療に応じて、ダイアライザ、体外回路、患者の腹膜、またはそれらの組み合わせを意味する)に送り出される。次いで、治療の異なるサイクルにわたり、例えば、透析液が指定された時間、患者の腹膜内に滞留しており、その後、カセットを通って排出バッグに送り戻された後、それらの供給バッグは排出バッグの役割も兼ねる。例えば、透析液は、最初に供給バッグ12aから、カセット10aを通って、患者に送り出されることが可能である。次いで、設定滞留期間後、使用済み透析液は、患者から、カセット10aを通って、ここでは排出バッグであるバッグ12aに送り出される。その後、次のサイクルにおけるシステム100aは、供給バッグ12bから患者等に新鮮な透析液を送り出す。
【0067】
供給バッグ12a〜12cは、供給チューブ18a〜18cを介して、供給コネクタ16a〜16cにそれぞれ流体的に接続される。図4に関連して以下により詳細に図示されるように、供給コネクタ16a〜16cは、可撓性シーティングカセット10aに密閉状態で接続される。排出バッグ14は、排出ライン24を介して排出コネクタ22に流体的に接続される。図4に関連して以下により詳細に図示されるように、供給コネクタ16a〜16cが可撓性シーティングカセット10aに密閉接続されるのと同一の方法で、排出コネクタ22は、可撓性シーティングカセット10aに密閉接続される。
【0068】
可撓性シーティングカセット10aは、可撓性シーティングカセット10aを同様に画定するか、または含む蠕動ポンプ部分30と流体的に連通するために、ラインまたはチューブ18a〜18cおよび24を通る流動を可能にする流路26a〜26dを画定するか、または含む。蠕動ポンプ部分30は、図5に関連して以下により詳細に示される。蠕動ポンプ部30は、透析機械内に位置する蠕動ポンプ作動装置で動作する。可撓性シーティングカセット10aにより画定される流路26a〜26dのそれぞれは、弁接触部28a〜28dをそれぞれ含むか、または画定する。流路26a〜26d、およびそれぞれの弁接触部28a〜28dは、図4に関連して以下により詳細に示される。
【0069】
システム100aにおいて、供給バッグ12a〜12cのうちの1つからの流体は、蠕動ポンプ部30を通って、ポンプ流出経路32を通って、ポンプ流出経路32を通って、ヒータへの経路34aを通って、ヒータへのコネクタ36aを通って、外部ヒータへのチューブ38aを通って、最後に流体加熱経路42aを含む外部インラインヒータ40に送り出される。ヒータへおよびヒータからのコネクタ36aおよび36bは、図4に関連して以下に詳細に示されるコネクタ16a〜16cおよび22のように、一実施形態において同一の方法で、可撓性シーティングカセット10aに密閉される。
【0070】
外部ヒータバッグ40は、流体または透析液が移動する蛇行流体加熱経路42aを画定する。流体または透析液が、流体加熱経路42aを通って移動すると、プレート、対流、放射、誘導、または他の種類のヒータが、流体を加熱するために単独で、または組み合わせて使用される。加熱経路42aを通って流動する流体を加熱するヒータは、可撓性シーティングカセット10aを収納する透析機械の外側に位置することができるか、またはそのような機械に統合されることができる。あるいは、図2で明らかなように、流体加熱経路42bは、可撓性シーティングカセット10bに統合される。流体加熱経路の一実施例は、図10Aに関連して以下により詳細に示される。図10Bは、流体ヒータで動作する両面流体加熱経路を示す。
【0071】
加熱された透析液は、インラインヒータ40から、外部ヒータからのラインまたはチューブ38bを通って、カセット10aのヒータからのコネクタ36bを通って、可撓性シーティングカセット10aにより画定されるヒータからの経路34bを通って、以下により詳細に記載されるカセット10aの輸液制御部に流動する。加熱へおよび加熱からの経路34aおよび34bは、弁接触部28eおよび28fのそれぞれを画定または含む。弁接触部の実施例は、図4の弁接触部28a〜28dにより以下により詳細に示される。
【0072】
弁接触部28eおよび28fは、流体が患者に送り出される場合に開き、そのような流体または透析液が加熱されることができるようにすることを十分に理解されたい。流体が患者から引かれ、排出口に送り出される際、関連する弁作動装置は、弁接触部28eおよび28fでライン34aおよび34bを閉鎖する。排出サイクルにおいて、弁作動装置は、経路32を開くために、ポンプ流出経路32により画定される、またはポンプ流出経路32に含まれる弁接触部28gで動作する。このように、ヒータおよび関連する経路およびラインは、排出中にバイパスされる。
【0073】
供給バッグ12a〜12cおよび排出バッグ14に使用される材料は、ポリ塩化ビニル(「PVC」)、例えば、単分子層PVCフィルム、非DEHP PVC単分子層フィルム、多分子層非PVCフィルム(強度、溶接性、耐摩耗性、および剛性カセット材料等の他の材料への最小限の「スティックション」を提供するために、異なる層が選択される)、ポリプロピレン/ポリエチレンブレンド、ポリプロピレンまたはKratonブレンド、ガス障壁ありまたはなしの、共押出または積層ポリエステル、ポリオレフィン、ULDPE等の、任意の好適な医療グレード材料であることができる。外部ラインまたはチューブ18a〜18c、24、38aおよび38bに使用される材料は、PVC、非DEHP
PVC、ポリブタジエン(「PB」)、エチレン酢酸ビニル(「EVA」)、ポリプロピレン(「PP」)ブレンド、ポリエチレン(「PE」)ブレンド、Kratonブレンド、およびポリオレフィンブレンド等の任意の好適な医療グレード配管材料であることができる。流体経路42aを含む外部流体ヒータバッグ40に使用される材料は、PVC、PP/kratonブレンドを含む。
【0074】
可撓性膜カセット10aで動作する透析ユニットまたは機械(図21Gおよび22Aに関連して以下に示される実施例)は、透析液流路内の空気を検出するように構成される器具を含む。システム内の空気または他のガス気泡を検出するための非常に好適な一位置は、流体ヒータ40のすぐ下流の流路内の一点である。ヒータからの熱により、空気または他のガスは溶液から出る。それに応じて、空気検出センサは、一実施形態において、ヒータからの経路34bで動作するように配設される。好適な空気検出器は、本開示の親出願に開示される。
【0075】
弁接触部28hおよび28iを備えるカセット10aの弁作動装置は、透析液が、望ましく、あるいは、インライン通気孔44または輸液バランシング装置もしくはバランシングチャンバ50のいずれかに方向決定されることを可能にする。空気がシステム内で検出されると、弁接触部28iで動作する弁作動装置が閉じる一方で、弁接触部28hで動作する弁作動装置は開き、流体中に取り込まれたいかなる空気もシステム100aから逃げることができるように、流体が通気孔44に到達することを可能にする。通気孔44の一実施形態は、図11に関連して以下により詳細に示される。一度空気が可撓性シート10aから取り除かれると、弁接触部28hで動作する弁作動装置が閉じる一方で、弁接触部28iと組み合わせて動作する弁作動装置は開き、取り除かれた透析液がバランスチャンバ50に流動することを可能にする。
【0076】
代替の実施形態において、ヒータからの経路34b内のいかなる空気も、通気孔44から自動的に逃げるように、カセット10aは、取り付けられたカセットの頂部に位置する通気孔44を備えて機械に垂直に取り付けられる。ここで、別個の弁作動装置および弁座28hおよび28iは必要ない。さらに、通気孔44が上方に向けられている場合、カセット10aが機械に水平に取り付けられていても、別個の弁作動装置および弁座28hおよび28iは必要ない。
【0077】
代替の実施形態において、可撓性シーティングカセット10a中の空気は、ヒータバッグ40または排出バッグ14に送り出される。例えば、空気は、一実施例においてヒータプレート上に水平に設置される、ヒータバッグ40の頂部で回収されることができる。空気がヒータバッグ40の下流で検出される場合、それ以上空気が検出されなくなるまで流体が排出口に送り出されるように、適切な弁座28が切り替えられる。
【0078】
可撓性シーティングカセット10aのバランスチャンバ50(および、本明細書に考察される他のコンポーネント)は、一実施形態において、3つの層または可撓性シートを含む。バランスチャンバ50の一実施形態は、以下により詳細に考察される、図6〜8に関連して以下に示される。3つの層は、上部および下部流体区画54aおよび54bを形成するために、一実施形態において、円形の配列52で密閉される(図7において最もよく見られる)。ポンプ流出経路32を通って送り出される流体は、それぞれ弁接触部28jまたは28kで動作する弁作動装置により選択的に確定されるように、最終的にバランスチャンバ流入経路56aまたは56bを通って流動する。図6〜8に関連して図示される実施形態において、バランスチャンバ流入経路56aが、バランスチャンバ50の上部区画54aと流体連通している一方で、バランスチャンバ流入経路56bは、下部バランスチャンバ区画54bと流体連通している。以下により詳細に記載されるように、流体は、それぞれ弁接触部28lおよび28mで動作する作動装置により選択的に確定されるように、区画54aおよび54bから、バランスチャンバ流出経路58aおよび58bを通って流動する。
【0079】
バランスチャンバ流出経路58aまたは58bを通って流動する流体は、図1に見られるように患者への経路60aに流入する。図6および8は、別々のバランスチャンバ流出経路58aおよび58bを通って流動する流体が、最終的に単一の患者への経路60aへと共にT字型に接続される方法の一実施形態を示す。
【0080】
図1の図示されたシステム100aは、例えば、典型的に、バッチタイプ充填および排出サイクルに対して、患者への単一の接続部を使用する、APD、タイダルフローPD、またはCAPDで使用されることができる。そのような場合、患者への経路60aは、コネクタ62aと連通する患者からの経路としても機能する。排出サイクルを実行するために、コネクタ62aは、患者からのコネクタになり、患者への経路60aは、患者からの経路になり、バランスチャンバ区画への流出経路58aおよび58bは、入口になり、バランスチャンバ区画における前述の入口56aおよび56bは、バランスチャンバ出口になる。カセット10aの蠕動ポンプ部30で動作する蠕動ポンプは、逆に作動し、患者の腹膜から、バランスチャンバ50および関連する経路を通って使用済み透析液を引き、その後、排出バッグ、家庭排出口、または他の適切な排出口に使用済み透析液を押す。
【0081】
しかしながら、血液透析治療においてシステム100aを使用することが可能であり、典型的には、透析液入口および透析液出口を有するダイアライザ(図示せず)を含む。または、システム100aは、デュアルルーメンカテーテルを用いるPDシステムでも使用されることが可能である。ここで、別個の患者からの経路60bが、患者への経路60aにT字型に接続される。別個の患者からのコネクタ62bが提供され、患者からの経路60bと流体連通して配置される。コネクタ62aおよび62bは、例えば、図4におけるコネクタ16a〜16cおよび22で示される、同一の器具および技術により、可撓性シーティングカセット10aに固定される。流体が患者へのコネクタ62aの外へ、あるいは患者からのコネクタ62bの中へ、それぞれ流動することを選択的に可能にするために、弁作動装置は、弁接触部28nおよび28oで動作するように構成される。カセット10aから患者またはダイアライザに流体を送り出すために、弁接触部28oで動作する弁作動装置が閉じる一方で、弁接触部28nで動作する弁作動装置は開く。カセット28aに流体を送り出すために、弁接触部28nで動作する弁作動装置が閉じる一方で、接触部28oで動作する弁作動装置は開く。
【0082】
単一のコネクタ62aが提供されるか、またはデュアルコネクタ62aおよび62bが提供されるかにかかわらず、システム100aは、望ましい順序のポンプからダイアライザへのストロークおよびダイアライザからポンプへのストロークを使用して、ダイアライザへ、およびダイアライザから流体を送り出すように構成される。例えば、蠕動ポンプ部30で動作する蠕動ポンプは、バランスチャンバ50を10回ストロークするために、ポンプからの方向に動作することが可能であり、毎回、コネクタ62aからダイアライザに既知量の流体を送達する。その後、蠕動ポンプが一定期間逆になることにより、例えば、バランスチャンバ50の12ストロークが起こり、毎回、ダイアライザからコネクタ62bを通って、カセット10aを通って、排出バッグのうちの1つに既知量の流体を引く。ダイアライザから流体を引くさらなるストロークは、患者から除去される限外濾過液の量に相当する。あるいは、バランスチャンバ50は、図26Aおよび26Bに関連して以下に記載されるように、磁気駆動される。
【0083】
システム100aは、血液濾過を実行するためにも使用されることが可能であることを十分に理解されたい。ここで、注射可能な品質の補液が、血液濾過器の上流または下流(または両方)に導入されることができるように、患者へのコネクタ62aは、体外回路に直接接続される。血液濾過器のポートは、デュアルポート構成における患者からのポート62b、または単一ポート62aに接続され、直前に記載された連続ストロークの方法が、いずれの場合にも使用される。同様の状況において、血液透析濾過が実行されることが可能であり、患者へのコネクタ62aに接続されるラインは、体外回路に直接、およびダイアライザの入口の両方に接続される。この場合もやはり、HDFにおけるダイアライザの出口は、使用されるカセット10aの構成に応じて、患者からのポート62bまたは単一ポート62aに接続されることができる。
【0084】
ここで図2を参照すると、代替のシステム100bは、代替の可撓性シーティングカセット10bを用いる。システム100bは、システム100aが含む同一のコンポーネントの多くを含む。例えば、システム100bは、供給容器12a〜12cおよび排出容器14を含む。前述同様に、供給容器12a〜12cはそれぞれ、供給源ライン18a〜18cを介して、供給コネクタ16a〜16cを介して、カセット10bに流体的に接続される。また、排出バッグ14は、排出ライン24を介して、排出コネクタ22に流体的に接続される。コネクタ16a〜16cおよび22はそれぞれ、流路26a〜26dに接続され、流路のそれぞれは、弁接触部28a〜28dをそれぞれ有する。流路26a〜26dはすべて、ポンプ入口マニホールド経路64aに送られる。
【0085】
システム100bとシステム100aとの1つの主な違いは、システム100bは、蠕動ポンプよりも輸液または膜ポンプを使用することである。ここで、入口マニホールド経路64aは、ポンプ流入経路66aおよび66bと流体的に連通し、それぞれは、それぞれの輸液または膜ポンプ部分70aおよび70bに流体的に通じる。弁接触部28pおよび28qで動作する弁作動装置は、流体が、必要に応じて、輸液ポンプ部分70aまたは70bのいずれかを通って選択的に送り出されることを可能にする。輸液ポンプ部分70aおよび70bは、図9A〜9Cに関連して以下により詳細に記載されるように、透析機械内に位置する空気圧および/または機械ポンプ作動装置で動作する。あるいは、輸液ポンプ部分は、図28に関連して以下に示されるように、磁気駆動される。
【0086】
図2において、ポンプ流出経路68aおよび68bはそれぞれ、ポンプ部70aおよび70bの出口側から延在し、ポンプ出口マニホールド経路64bに送られる。流体は、ポンプ出口マニホールド経路64bを出て、次いで、代替の一体型インライン流体加熱経路42bに入る。インラインの一体型流体加熱経路42bは、図10Aに関連して、流体ヒータで動作することがより詳細に示される。流体加熱経路42b内の加熱中に透析液または他の医療用流体(血液を含む)から逃げるいかなる空気も、インライン通気孔44を介してシステムから選択的に除去されることができる。通気孔44の一実施形態は、図11に関連して以下に詳細に示される。あるいは、空気は、排出口に送り出されるか、流体加熱経路42b内に残される。カセット10bは、空気が自動的に、かつそのような作動装置のための弁作動装置および弁座28hなしで、カセット10bから逃げることを可能にするために、上方に向いている通気孔44を備えて、機械に垂直に取り付けられることができる。さらに、カセット10bが水平に装填されたとしても、弁作動装置および弁座28hが排除されることができるように、カセット10bが装填される際、通気孔44は上方に向けられることができる。
【0087】
空気が検出されない場合、加熱された透析液は、接触部28iおよび28hで動作する弁作動装置により、患者へのコネクタ62aを介して患者(ダイアライザまたは血液濾過器等)に送り出されることが可能である。あるいは、システム100aに関連して上記に記載されるように、システム100bは、患者からのコネクタ62b(ここでは図示されない)を含む。いずれの構成においても、システム100bは、上記に記載されるような連続HD(HHDを含む)、HF、またはHDFを実行することができる。
【0088】
システム100の図示の構成において、可撓性シーティングカセット10bは、CAPD、タイダルフローPD、およびAPD等のPDを実行するように構成される。ここで、上記に記載されるように、透析液が所定の期間、患者の腹膜内に滞留した後、患者へのコネクタ62aは、患者からのコネクタになり、患者から使用済み透析液を受容する。図示の実施形態において、使用済み流体は、好適な排出バッグまたは排出口に使用済み透析液を押すポンプ70aおよび70bを介して、流体加熱経路42bを通って押し戻される。代替の実施形態(図示せず)において、カセット10bは、使用済み流体をバイパス流体加熱経路42bに返流させることを可能にするために、好適なバイパス経路および対応する弁接触部を提供する。
【0089】
示されるように、システム100bとシステム100aとの1つの主な違いは、可撓性シーティングカセット10bへの流体加熱経路42bの組み込みである。ここで、対応するヒータは、ポンプ作動装置および弁作動装置と同一の機械筐体に配置される。あるいは、上記に考察されるように、システム100aの別個のインラインヒータバッグ40は、システム100aのポンプおよび弁作動装置と同一のユニットに収納されるヒータで、またはポンプおよび弁作動装置ユニットとは別に提供されるヒータで動作することができる。システム100bの統合されたインライン経路42bは、図1のシステム100aの蠕動ポンプ部30および/またはバランスチャンバ50で使用されることができることを十分に理解されたい。さらに、システム100aの別個のヒータバッグ40は、別の方法として、図2の輸液ポンプ部分70aおよび70bで使用されることができる。
【0090】
考察されるように、システム100bとシステム100aとの1つの主な違いは、上記でシステム100aに使用される蠕動タイプポンプとは対照的な、輸液または膜ポンプ部70aおよび70bの使用である。部分70aおよび70bで動作する輸液ポンプ作動装置は、各ポンプのストロークで既知量または既知体積の透析液を送り出す。輸液または膜ポンプ部70aおよび70bにより送り出される全体積は、ポンプのストローク回数を計算することにより確定される。ここでの利点は、バランスチャンバ50等の別個の輸液制御器具が必要ないことである。2つのポンプ作動装置は、患者へおよび患者からの透析液の少なくとも実質的に連続的なフローを生成するために、部分70aおよび70bと位相がずれて動作する。
【0091】
システム100aに関連して上記に記載される材料のすべては、システム100bの同様のコンポーネントにも適用できる。動作中、供給弁28a〜28cのうちの1つは、新鮮な透析液が、供給バッグ12a〜12cのうちの1つから、それぞれの供給経路26a、26b、または26cを通って、ポンプ部70aおよび70bのうちの1つに流入することを可能にするために開く。送り出された流体は、マニホールド64aを通って、流入経路66aまたは66bを通って、ポンプ部70aまたは70bにそれぞれ流入する。次いで、流体は、それぞれの流出経路68aまたは68bを通って、出口マニホールド64bを通って、それが加熱される加熱経路42bを通って、患者への流体コネクタ62aを通って、患者に流入する。
【0092】
輸液ポンプ部分70aおよび70bは、異なる弁の順序を使用して、患者へおよび患者から流体を送り出すことができる。例えば、部分70aを通って患者ポンプに流体を送り出すために、かつポンプ部70aへと流体を引き入れるために、弁接触部28pで動作可能な弁作動装置が開く一方で、弁接触部28rで動作可能な弁作動装置は閉じる。次いで、弁は、部分70aから加熱経路42bを通って患者に体積を送り出すために切り替えられる。逆に作動するために、例えば、患者から排出するために、上記の弁の状態は逆にされ、使用済み流体をポンプ部70aに引き入れ、次いで、ポンプ部70aから好適な排出口に使用済み流体を送り出すようにする。
【0093】
ここで図3を参照すると、第3の可撓性シーティングカセット10cを用いるシステム100cが図示される。システム100cは、図1のシステム100aと同様であり、供給バッグ12a〜12c、排出バッグ14、供給コネクタ16a〜16c、排出コネクタ22、および供給バッグを入口コネクタ16a〜16cのそれぞれに接続するライン18a〜18c等の、同一のコンポーネントの多くを含む。また、システム100cは、排出コネクタ22から排出バッグ14に通じるライン24を含む。可撓性シーティングカセット10cは、システム100aに関して上記に考察されるような、同一の弁接触部28a〜28hを含む。システム100cは、ヒータライン38aおよび38b、ならびにコネクタ36aおよび36bに連結される流体加熱経路42aを有する、別個のヒータバッグ40で動作する。通気孔44の動作は、上記に記載される通りである。あるいは、空気は、排出バッグ14に送り出されるか、またはヒータバッグ40内に残される。
【0094】
システム100cとシステム100aとの1つの主な違いは、それが、別々の蠕動ポンプ部分30aおよび30bで動作可能な、2つの別々の蠕動ポンプ作動装置を使用することである。ポンプ部分に対する図示の構成は、デュアルバランスチャンバ50aおよび50bの新鮮なおよび使用済み用の入口の上流にある。この構成は、以下に考察されるように、同時2方向ポンピングを可能にする。
【0095】
システム100cは、デュアルバランスチャンバ50aおよび50bを提供する。明らかなように、各バランスチャンバ50aおよび50eは、バランスチャンバ流入経路56aおよび56b、ならびにバランスチャンバ流出経路58aおよび58bで動作する。それらの経路のそれぞれは、それぞれの弁接触部28j、28k、28l、または28mを含む。
【0096】
同時2方向ポンピングは、患者へのコネクタ62aに流体的に接続される患者への経路60a、および患者からのコネクタ62bに流体的に接続される患者からの経路60bを必要とする。患者からの経路60bは、使用済みポンプ部30b、ならびにバランスチャンバ50aおよび50bに通じるバランスチャンバ流入経路56aに流体的に接続される。したがって、バランスチャンバ流入経路56aは、使用済み流体入口であり、使用済み流体は、蠕動ポンプ部30bで動作するポンプ作動装置により駆動される。
【0097】
一方で、流体流入経路56bは、供給ポンプ部30aから通じるポンプ流出経路32に流体的に接続される。したがって、バランスチャンバ流入経路56bは、蠕動ポンプ部30aで動作するポンプ作動装置により駆動される新鮮な流体を受容する、新鮮流体の入口である。しかしながら、以下に示されるように、バランスチャンバ50aおよび50bは、二次ポンプとして機能し、新鮮供給ポンプ部分30aから、または使用済み供給ポンプ部分30bから、それぞれ一定量の新鮮なまたは使用済みの流体を受容し、それぞれ同量の使用済みのまたは新鮮な流体を排出する。
【0098】
バランスチャンバ50aおよび50bの出口側において、患者への経路60aは、流出経路58bに流体的に接続される。この経路全体は、新鮮な流体が、バランスチャンバ50(合わせて、バランスチャンバ50aおよび50bを意味する)から、使用されている治療に応じて、ダイアライザ、体外回路、または患者の腹膜に送達されることを可能にする。流出経路58aは、排出弁接触部28d、28u、28v、および28wにより確定されるように、排出バッグ14または排出バッグとして機能する供給バッグ12のうちの1つに送られる排出経路26dに、流体的に接続される。あるいは、排出口14は、供給バッグ12a〜12cのそれぞれからの体積を保持するようにサイズ決定され、接触部28u〜28wを排除し、排出経路26dを簡略化する。
【0099】
動作中、システム100cは、患者へおよび患者から流体を同時に送達および除去することができる。そうするために、例えば、1つの半サイクルにおいて、バランスチャンバ50aの座28kおよび28l、ならびにバランスチャンバ50bの弁座28jおよび28mで動作する弁作動装置が、開弁状態である一方で、バランスチャンバ50aの弁座28および28m、ならびにバランスチャンバ50bの弁座28kおよび28lで動作する弁作動装置は、閉弁状態である。この構成は、ポンプ部30aが、流入経路56bを通ってバランスチャンバ50aに、一定量の新鮮な溶液を送達することを可能にし、次に、以前に送達された同量の使用済み溶液をバランスチャンバ50aから、流出経路58a、排出経路26dを通って、排出口14または排出バッグとして機能する供給バッグ12aもしくは12bのうちの1つに向かわせる。同時に、ポンプ部30bは、流入経路56aを通ってバランスチャンバ50bに、一定量の使用済み溶液を送達し、次に、以前に送達された同量の新鮮な溶液をバランスチャンバ50bから、出口58bおよび患者へのライン60aを通って、患者に向かわせる。
【0100】
次いで、第2の半サイクルにおいて、バランスチャンバ50aの弁座28kおよび28l、ならびにバランスチャンバ50bの弁座28jおよび28mが閉じる一方で、バランスチャンバ50aの弁座28jおよび28m、ならびにバランスチャンバ50bの弁座28kおよび28lは開く。この構成は、ポンプ部30aが、流入経路56bを通ってバランスチャンバ50bに、一定量の新鮮な溶液を送達することを可能にし、次に、以前に送達された同量の使用済み溶液をバランスチャンバ50bから、流出経路58aおよび排出経路26dを通って、排出口または供給バッグ12aもしくは12bのうちの1つに向かわせる。同時に、ポンプ部30bは、患者からのライン60bおよび流入経路58aを通ってバランスチャンバ50aに、一定量の使用済み溶液を送達し、次に、以前に送達された同量の新鮮な透析液をバランスチャンバ50aから、流出経路58b、患者へのライン60aを通って、患者に向かわせる。
【0101】
示され、記載されるように、バランスチャンバ50aおよび50bは、各半サイクルにおいて、同量の新鮮なおよび使用済み透析液が患者に送達され、患者から除去されることを確実にする。システム100cは、多くの方法で過剰な流体または限外濾過液を除去することができる。一実施形態において、バランスチャンバ50aおよび50bの両方は、使用済み流体で充填されている。次いで、弁接触部28l、28k、および28nは開き、ポンプ部30aで動作するポンプ作動装置は、逆に作動し、患者から患者へのライン62aを通って逆方向に流体を引く。この動作により、使用済み流体は、ポンプ部分30aを介して引き込まれた使用済み流体を介して、排出経路26dから排出口に押し出される。ここで、バランスチャンバ50の両方の新鮮区画は、使用済み流体で充填されており、ポンプ部30bにより、使用済み流体は再び、使用済み流体でチャンバ50aおよび50bの両方の使用済み区画を充填する。これは、チャンバ50の両方の新鮮区画から患者への使用済み流体の送達をもたらす。この体積は、源ではなく患者からもたらされたため、純流体損失が生じる。あるいは、使用済み流体が別の方法として排出口に送られるように、患者へのライン60aから排出経路26dに通じる弁付きバイパスライン(図示せず)が提供される。弁付きバイパスラインは、UFの効率を高めるが、さらなる弁および流路を追加する。いずれにしても、上記の弁の順序は、必要量の限外濾過液を除去するために必要に応じて、繰り返される。
【0102】
上記のUFの実施形態は、断続的に行われる。つまり、それらは、非UFまたはバランスストロークで、特定の順に起こる。例えば、ポンプおよび弁作動装置で動作する制御ユニットは、12回のバランスストローク、次いで、3つのUFストロークを行うように、システム100cを順序付けすることが可能である。治療の終わりまでには、累積体積のUFストロークが、標的UF体積を達成し、それは、患者を用語が当技術分野で既知である「乾燥体重」に戻すために、除去される必要がある流体の体積である。
【0103】
代替の一実施形態において、システム100cは、第3のUF蠕動ポンプ部分で動作する第3の蠕動ポンプ(図示されないが、ポンプ部分30aおよび30bと少なくとも実質的に同一に構成され、弁で調節される)と、第3のUFバランスチャンバ(図示されないが、バランスチャンバ50aおよび50bと少なくとも実質的に同一に構成され、弁で調節される)とを提供する。一実施形態において、UFポンプ部分の入口は、患者からのライン60bにT字型に接続するか、または患者から、患者からのコネクタ62bに延在する患者からのチューブに独立して接続する。
【0104】
UFポンプ部の出口は、UFバランスチャンバの両方の区画に送られる。UFポンプ部が、使用済み流体でUFバランスチャンバ第1の区画を充填し、したがって、UFバランスチャンバの第2の区画から使用済み流体を取り除き空にすることを可能にするために、弁が提供される。次いで、第2の区画は充填され、第1の区画から使用済み流体を取り除き空にし、全サイクルを完了するようにする。各サイクルにおいて、既知量の使用済み流体がUFとして除去される。UFバランスチャンバから取り除かれた流体は、上記に記載されるように、排出経路26dを介して、排出口14または排出バッグとして機能する供給バッグ12のうちの1つに送られる。
【0105】
UFサイクルは、標的UF除去体積を達成するために必要に応じて繰り返される。重要なことには、これは、ポンプ部分30aおよび30b、ならびにバランスチャンバ50aおよび50bが、患者へ/から適合した体積の新鮮な/使用済み流体を送達/除去する間に行われることができる。UFポンプ部分およびUFバランスチャンバを連続的に、例えば、治療中の患者プロフィールに応じて定速または変速で、作動させる能力を有することは、有益である場合がある。そうするために、UFバランスチャンバを制御する弁は、より多い、またはより少ない頻度で切り替えられる。UFバランスチャンバは、異なって、例えば、UFのより細かな制御のために、バランスチャンバ50aおよび50bよりも小さく、サイズ決定されてもよい。
【0106】
UFポンプ部分で動作する第3のポンプは、バランスポンプ部分30aおよび30bで動作するポンプに対して、任意の望ましい速度で作動することができる。図12Aおよび12Bは、単一ローラが、2つの可撓性シーティングカセットポンプ部分を駆動する、蠕動ポンプの実施形態を示す。異なるUFポンプ速度に対する上記の必要性を前提として、同一のローラにより駆動される2つのポンプ部分(したがって、同一の速度で)は、一実施形態において適合流量部30aおよび30bである可能性がある。次いで、UFポンプ部分は、それ自体のローラで動作する可能性がある。
【0107】
さらなる代替の実施形態において、第3のUFバランスチャンバが提供されるが、第3のポンプ部分は提供されない。ここで、使用済み流体ポンプ部分30bは、バランスチャンバ50aおよび50cに加えて、返流経路60b(使用済み流体ポンプ部分30bの下流)からUFバランスチャンバを駆動する。つまり、UFバランスチャンバの第1および第2の区画は、使用済み流体ポンプ部分30bの下流で、返流経路60bと流体的に接続される。この場合もはやり、UFバランスチャンバを制御する弁は、UF速度を制御するために、より多い、またはより少ない頻度で切り替えられる。
【0108】
図1および2のシステム100aおよび100bに対して、別個のUFポンプ部分および輸液制御装置も提供されることができることを、十分に理解されたい。例えば、図1のシステム100aに対して、別個の蠕動ポンプ部分およびバランスチャンバが提供されることができる。図2のシステム100bに対して、第3の輸液UFポンプが提供されることができる。そのような構成は、同時のバランスおよびUFストロークを可能にする。上記の構成のいずれにおいても、バランシングチャンバおよび/またはUFポンプ部分のいずれも、別の方法として、図26A、26B、および27に関連して以下に示されるように、磁気駆動されることができる。
【0109】
ここで図4を参照すると、図1の詳細IVが、詳細に斜視図に示される。図4は、可撓性シーティングカセット10aの2つの層またはシート74aおよび74b(別々のシートであるか、または同一の材料から折り畳まれてもよい)の間に、供給コネクタ16a〜16cおよび排出コネクタ22等の、コネクタを密閉するための一実施形態を示す。しかしながら、図4の内容は、シーティングカセット10のいずれにも(合わせて、可撓性シーティングカセット10a、10b、10c等を意味する)、またヒータへおよびヒータからのコネクタ36aおよび36b、ならびに患者へおよび患者からのコネクタ62aおよび62b等の、任意の種類のコネクタにも適用されることを、十分に理解されたい。
【0110】
図示の実施形態において、コネクタ16(合わせて、16a〜16cを意味する)および22はそれぞれ、半剛性または剛性であることができるコネクタ本体80を含む。本体80のための好適な材料は、アクリルおよび環状オレフィン共重合体(「COC」)等の、半剛性または剛性ポリマまたはプラスチックを含む。本体80は、ルアー取り付け具、フェルール取り付け具、他の種類の圧入、またはネジシール等の密閉器具82を含むか、または画定する。一実施形態において、供給ライン18および排出ライン24(図示せず)は、取り付け具82周囲に取り外し可能に、または永久的に密閉される。シールは、圧入のみに依存するか、または医療的に好適な接着剤、化学的結合、または超音波、熱、もしくは他の種類の溶接等の溶接により補助されることができる。
【0111】
代替の一実施形態において、ライン18(合わせて、図1の18aおよび18cを意味する)および24は、本体80に密閉して、かつ取り外し可能に、または永久的に適合する。永久的シールは、接着剤、熱エネルギー等の、上記に考察される結合技術のいずれかを含むことができる。別の代替の実施形態(図示せず)において、第1および第2の層74aおよび74bのうちの1つまたは両方は、前縁部78aから外方に延在する雄ポートを形成するために、熱成形される。次いで、供給または排出ライン18および24は、上記に考察される技術のいずれかを介して、熱成形されたポート周囲または内部に、取り外し可能に、または永久的に密閉することができる。
【0112】
Xの列(密閉されたシームを図示するために、本願全体に使用される)により図示されるように、第1の層74aは、本体80の両側で、シール72aおよび72bにおいて縦方向に、第2の層74bに密閉される。また、シール72aおよび72bは、本体80への層74aおよび74bのシールも含むことができる。明らかなように、シール72aおよび72bは、供給流路26a〜26cおよび排出流路26dを密閉および形成するために、本体80から内側に延在する。
【0113】
図示の実施形態において、経路26は、1つまたは両方の第1および第2の層またはシート74aおよび74bにおいて、縦方向の、少なくとも実質的に半円形の弧を熱成形することにより形成される。そのような縦方向の弧を形成するための好適なプロセスは、熱成形および射出成形を含む。代替の実施形態において、弧は、事前成形されず、むしろ、シール72aおよび72bが、比較的平坦な流路26(合わせて、流路26a〜26d等を意味する)を画定し、ポンプが、経路26を形成する少なくとも実質的に平坦な層74aおよび74bを通って、流体を送らせるようにサイズ決定および構成される。さらに別の方法として、1つ以上の仮チューブロッドまたは他のテンプレート器具は、シート74aまたは74b上に設置されることができる。シート74aまたは74bは、チューブまたはテンプレート上で延伸され、シート74bまたは74aのそれぞれに溶接される。チューブまたはテンプレートは、経路26から除去される。
【0114】
シール72cは、可撓性シーティングカセット10aの前縁部78aに沿って作製される。シール72cは、特定の位置におけるシート74aからシート74bのシール、およびコネクタ16および22における周縁シート74a/74bから本体80へのシールを含む。シール72dは、可撓性シーティングカセット10bの側縁部78bに沿って作製される。シール72(合わせて、シール72a、72b、72c、72d等を意味する)は、本明細書に考察される接着、化学、または溶接の実施形態のいずれか1つ以上により作製されることができる。さらに、縁部78bは、別の方法として、第1および第2のシート74aおよび74bを形成するために、縁部78bにおいて単一の材料を折り畳むことにより、形成されることができる。さらに、縁部78aおよび78bは、シーティングカセット10a、10b、および10cに対する構造上の支持を提供する剛性フレームに溶接されることができる。フレームは、カセットの取り扱いおよび装填を補助する。
【0115】
図示の実施形態において、コネクタ16および22の本体80は、少なくとも実質的に円筒形である。代替の実施形態において、本体80は、上部および下部層74aおよび74bへのシーリングのための強化されたシール面を提供するために、フレア状またはテーパー状になっている。テーパー状の本体80に対する一構成は、本願の出願人所有の、2002年5月24日出願の、Disposable Medical Fluid Unit Having Rigid Frameと題する、米国特許出願第10/155,384号に示され、記載され、その内容全体は、参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0116】
図示の実施形態における弁接触部またはシール28a〜28dは、流路26に沿った適切な位置において形成または作製される、平坦部または凹部である。平坦部または凹部は、経路26を形成するプロセスにおいて形成されることができるか、または経路が形成された後に経路26内に作製されることができる。平坦部または凹部は、ヘッドが平坦な弁作動装置との接触面積を増加させる傾向を有する。しかしながら、弁接触部またはシール28は、残りの流路26と異なる構成を有さず、単に弁作動装置が流路26に接触する領域であることが考慮される。ここで、弁作動装置のヘッド構成および力は、そうすることを要求される場合に、半円形または円形の流路26を閉鎖するのに十分である。弁作動装置は、空気圧的、機械的、油圧的および/または電気的に作動することができる。例えば、一実施形態において、バネ力により閉じ、真空により開く、フェイルセーフ弁作動装置が使用される。あるいは、弁作動装置は、空気圧により開閉する。さらに、弁作動装置は、カムシャフトにより駆動されるカムであることができる。
【0117】
ここで図5を参照すると、図1の詳細Vが、より詳細に斜視図に示される。図5は、蠕動ポンプ部30(ポンプ部30a、30b等を含む)の一実施形態を示す。ポンプ部30は、本明細書に考察される方法のいずれかにより、上部および下部層74aおよび74bを使用して形成される、少なくとも実質的に円形の流路84を含み、流体経路26に関して上記に考察される構成のいずれかを含む。蠕動ポンプ入口86および蠕動ポンプ出口88は、それぞれ図1および3に関連して上記に示される、蠕動流路84と、供給経路26a〜26cおよびポンプ出力経路32と、流体的に連通する。蠕動ポンピング経路84の距離または偏心距離を最大にするために、入口86および出口88は、図示の実施形態において、互いに対して少なくとも実質的に平行で、隣接した関係で配置される。
【0118】
示されるように、蠕動ポンプ部30は、蠕動ポンプ作動装置90で動作する。蠕動ポンプ作動装置90は、概して、ドライブシャフト92、およびドライブシャフト92により回転駆動される少なくとも1つのローラ94等の、当業者に既知のコンポーネントを含む。図5の蠕動構成と既知の蠕動ポンプの蠕動構成との1つの違いは、既知のポンプが、典型的には、円形の案内溝の内側でループ状になっている丸配管を使用する。つまり、ループの外周は、案内溝と当接している。ドライブシャフトローラは、ループの内周に接触し、案内溝に対して放射状にチューブを締め付ける。一方で、図5において、案内溝またはプレスプレート126は、第2のシート74bの後方に位置する。案内溝またはプレスプレート126は、一実施形態において、透析機械の一部であり、例えば、それが機械に装填された後に、可撓性シーティングカセット10aまたは10cに対して閉じる扉の一部であることができる。ローラ94は、カセット10aまたは10cの反対側において、機械内に位置する。
【0119】
ローラ94は、入口86から出口88に流体を駆動するために、シート74aおよび74bが備わっている実質的に同一の面内で回転し、プレート126に対して複数の位置で経路84を押し付ける。特に、シャフト92は、ローラ94が、入口86から出口88に流体を駆動するために、負圧および正圧の勾配を形成するように回転する。熱成形された流路は、例えば、崩壊または閉鎖するのではなく、真空または負の蠕動圧力により形成される力に耐えるように構成される。図5の矢印に見られるように、シャフト92は、上記に記載されるように、必要に応じて双方向に駆動されることができる。
【0120】
ここで図6を参照すると、可撓性シーティングカセット10aおよび10cで使用される、バランスチャンバ50(概して、バランスチャンバ50a、50b等を意味する)の一実施形態が図示される。図6は、斜視図に示される図1の詳細VIを示す。図7および8はそれぞれ、図6に示される線VII―VIIおよびVIII―VIIIに沿った図6の断面図である。図6〜8に見られるように、バランスチャンバ50は、可撓性材料の3つの層またはシート74a〜74cを使用する。3つの別々の層を合わせて密閉するための種々の実施形態が、本明細書に考察される。3つのシート74a〜74cは、完全に別々であるか、または同一の材料から2回折り畳まれてもよい。
【0121】
図6に見られ、かつ上記に考察されるように、バランスチャンバ50は、第1のシート74aと第2のシート74bとの間の円形の軸により示される、第1のシール78eにより形成される密閉された円52を含む。チャンバは、図7にも見られるような、上部バランスチャンバ区画54aを形成する、シート74aと74bとの間の円形のシール72e内に形成される。第2のシール74fは、図6において透視図で示され、それは、シート74aの下方にあり、下部バランスチャンバ区画54bを形成する、第2のシート74bと第3のシート74cとの間の同一の密閉された円52周囲に作製される。一実施形態において、単一の密閉プロセス、例えば、溶接または化学的結合プロセスが、シール72eおよび72fの両方を同時に、かつ比較的関連して形成するように、シール72eおよび72fは、同時に、または同一のシールとして作製される。しかしながら、初めにシール72eおよび72fのうちの1つを形成し、その後、2つのシール72eおよび72fのうちの2つ目を形成することが考慮される。シール72eおよび72fは、本明細書に記載される方法のいずれかにより作製されることができる。追加のシール(図示せず)は、3つのシート74a〜74cの縁部に沿って、かつ本明細書に考察されるようなカセット10aまたは10cの他の部分に作製される。
【0122】
図示の実施形態において、シール72eは、バランスチャンバ入口56aおよびバランスチャンバ出口58aを形成するように延在する。図1に示される弁接触部または座28lが、図6および7にも見られるように、バランスチャンバ出口58aは十分に見られる。シール72fもまた、バランスチャンバ入口56bおよびバランスチャンバ出口58bを形成するように延在する。弁座28mが図6において隠れて斜視図で示され、図8にも見られるように、バランスチャンバ出口58bは十分に図示される。図1に見られるように、バランスチャンバ流出経路58aおよび58bは、統合して2つの患者経路60aになる。図6および8は、流体が、2つの可撓性シーティングの組またはレベルの間を移動することを可能にするための、一実施形態を図示する。明らかなように、中間可撓性シート74bは、バランスチャンバ出口58bの遠位端部の真上に位置し、バランスチャンバ出口58aおよびそれに続く患者への経路60aの線に沿っている、開口または穴96を画定する。この構成において、下部バランスチャンバ区画54bを出る流体は、バランスチャンバ出口58bを通って、開口96を介して第2のシート74bを通って上方に、可撓性シート74aおよび74bにより位置および画定される、バランスチャンバ出口58bおよび患者経路60aに移動する。
【0123】
図8は、カセット10aが図6に示される経路58aおよび58bを通って分割されるような正面図からの、密閉された層74a〜74cの横断面を図示する。明らかなように、図8において、協働する弁作動装置が、独立して経路58aおよび58bを開閉できるように、弁座28mは、弁座28lから横方向にずれて位置する。つまり、弁作動装置は、同様にそれぞれの流路58bまたは58aのいずれかを閉鎖することなく、弁座28lまたは28mのいずれかを閉鎖することができる。また、図8は、シート74bに形成され、上部および下部区画54aおよび54bからの流動が、患者への経路60aに統合されることができるように、経路58aと58bとの間の流体連通を可能にする、横断面における開口96を示す。図8は、層74aおよび74cの内表面と、層74bの外表面との間に間隙を提供するために、経路58aおよび58bが、熱成形または他の方法に隆起することをさらに示す。
【0124】
ここで図7を参照すると、バランスチャンバ50(概して、本明細書に記載されるバランスチャンバのそれぞれを意味する)を動作させるための一器具および方法が、図示される。バランスチャンバ50は、透析機械100aおよび100cの一部で動作することが示される(それぞれ、カセット10aおよび10cで動作する)。透析機械100aまたは100cは、部材102aおよび102bを画定する第1および第2のチャンバを含むか、または画定する。例えば、102aまたは102bの部材のうちの1つは、固定されており、カセット10aまたは10c等の可撓性シーティングカセットを受容するように構成される。部材102aまたは102bを形成するチャンバのもう一方は、それが透析機械100aまたは100cに装填された後、可撓性シーティングカセット10aおよび10cの反対側に閉じる扉の一部である。
【0125】
部材102aおよび102bのそれぞれを形成するチャンバは、チューブ(図示せず)が、図4のコネクタ16および22に関連して上記に考察される方法および実施形態のいずれかにより、解放可能に、または永久的に固定される、ポート104を画定するか、または含む。一実施形態において、カセット10aまたは10cが機械100aまたは100cに装填された後、負圧または真空がポート104に引かれ、第1および第2の部材102aおよび102bにより画定される、内部の少なくとも実質的に球状の空洞に対して、第1および第3の層またはシート74aおよび74cを引く。部材102aおよび102bは、少なくとも実質的に球状の形状を画定すると示されるが、実質的に三角形または実質的に台形の形状等、他の好適な断面形状が使用されてもよい。さらに、図示されないが、部材102aおよび102bは、層74aおよび74cのより大きい表面にわたり真空を広げるのを助けるために、種々の方向にポート104から放射状に延在する、空気チャネルを画定することができる。そのようなチャネルは、本願の出願人に譲渡された、Medical Fluid Pumpと題する、米国特許第6,814,547号に示され、記載される。一度シート74aおよび74cが、それぞれの部材102aおよび102bを形成するチャンバの内表面に対して、真空により引かれると、バランスチャンバ50が動作できる状態になる。代替の実施形態において、負圧は、シート74aおよび74cに対して印加されず、したがって、ポート104は必要ない。ここで、透析液または流体の正圧は、それぞれの部材102aおよび102bに対して、シート74aおよび74cのそれぞれを広げるのに、かつシート74aと74cとの間の中間シート74bを駆動するのに十分である。
【0126】
図7は、流体がバランスチャンバ50に送達されていない動作状態を図示する。したがって、中間または駆動シート74bは、上部シート74aまたは下部シート74cのいずれに向かっても押されない。図7に対して、図6の詳細からの部分VII―VIIは、弁座23lを含む。図8に見られるように、弁座28mは、図6の線VII―VIIに沿った切断面に対して、弁座28lと一直線になっていない。したがって、その図面の弁座28mは、弁座28mがその図面において弁座28lの正面にあるため、図7の断面図には見られない。弁座28lは、機械100aまたは100cの一部である、弁作動装置106で動作することが示される。単純化のために、弁作動装置106は、完全に空気圧で動作する弁作動装置として示される。ここで、バランスチャンバ出口58aを閉じるために、プランジャ108に第2のシート74bに対して弁座28lを圧迫させるために、正の空気圧が、作動装置106のポートに印加される。作動装置106は、弁作動装置106の内部の、例えば、円筒形筐体内のプランジャ108の間に摺動シールを形成する、Oリングシール110を含む。バランスチャンバ出口58aを開くために、負圧がポート106に印加され、ストップ112に対して上方にプランジャ108を引き、流体が座28lを開き、上部バランスチャンバ区画54aから、バランスチャンバ出口58aを通って、外方に流動することを可能にする。図6〜8は、弁作動装置106等の弁作動装置と連通する、弁座28j、28k、または28lを示していない。これらの作動装置および座は、図1のバランスチャンバ50aの入口、ならびにバランスチャンバ50bの入口および出口を制御する。
【0127】
動作中、上部バランスチャンバ区画54aを充填するために、プランジャ108は加圧され、弁座28lおよびバランスチャンバ出口58aを閉鎖する。バランスチャンバ入口56aで動作する弁作動装置106は開き、流体が、上部バランスチャンバ区画54aを充填することを可能にする。流体が、すでに下部区画54bを充填している場合、区画54aに入る流体は、下部バランスチャンバ区画54bから、バランスチャンバ出口58bを通って、その目的位置に流体を押す。そうするために、バランスチャンバ出口58bで動作する弁作動装置106が開く一方で、入口56bで動作する弁作動装置106は閉じる。区画54aおよび54bにより画定される体積は、固定されるため、かつ第2のシート74bは、各半ストロークで、シート74aまたは74cに対して最後まで押されるため、同一の体積の流体が、各半ストロークで、バランスチャンバ出口58aおよび58bを通って出力される。したがって、可撓性シート74aおよび74cは、シート74(合わせて、シート74a〜74cを意味する)に関して上記に挙げられる材料のうちの1つ等の、適切な伸縮性、準拠性を有し、漏れのない材料で製造される。図26Aおよび26Bに関連して以下に考察されるように、シート74bは、別の方法として、磁気を有するように製造され、また別の方法として、磁気駆動される。
【0128】
ここで図9A〜9Cを参照すると、輸液ポンプ70を動作させる一器具および方法が図示される。図2に示され、詳細IXとして印が付けられるカセット10bの部分は、輸液ポンプ70bを示す図9A〜9Cにおける正面断面図に示される。70bに関する内容は、輸液ポンプ70aに適用できる。
【0129】
輸液ポンプ70bは、カセット10bを使用する透析機械100bで動作することが示される。機械100bは、輸液ポンプ70bの形状を画定する部材114aおよび114bを形成する、第1および第2のポンプチャンバを含む。図2に見られるようなカセット10bの円形の可撓性膜部が、部材114aおよび114bを形成するポンプチャンバにより画定される球状のチャンバと一直線になるように、カセット10bは、機械100b内に装填されるように構成される。また、弁座28qおよび28sは、図9A〜9Cに示される弁作動装置106と一直線になる。弁作動装置106は、図7に関連して上記に記載されるように動作し、作動装置本体内を前後に摺動するプランジャ108を含む。
【0130】
チャンバ70bは、第1および第2の可撓性シート74aおよび74bを使用する。部材114aおよび114bのそれぞれを形成する第1および第2のポンプチャンバは、図7に関連して上記に記載されるポート104を含む。以下に考察されるように、負圧および正圧が、シート74aおよび74bを排出するために使用される。あるいは、シート74aまたは74bのうちの1つは、機械的に駆動されることができる。好適な複合型の機械/空気圧ポンプは、上記に挙げられる米国特許第6,819,547号に示され、記載される。図9a〜9cに示される球状の形状は、好適な一形状であるが、台形または三角形の形状等の他の形状が、輸液ポンプ70に対して画定されることが可能である。
【0131】
図9Aは、輸液ポンプ70bに対する初期状態を示す。ここで、負圧が、部材114bを形成するチャンバのポート104に印加され、部材114bを形成する第2のチャンバの内表面に適合するために、第2の可撓性シート74bを引く。同時に、正圧が、部材114aを形成する第1のポンプチャンバのポート104に印加される。正圧により、第1の可撓性シート74aは、第2の可撓性シート74bに対して押し付けられる。図9Aにおいて、正圧は、両方の弁作動装置106に印加され、弁座28qおよび28sを閉鎖する。この場合もやはり、弁作動装置106は、空気圧的、機械的、および/または電気的の任意の組み合わせで動作することができる。図9Aにさらに見られるように、透析液または医療用流体(血液を含む)116は、弁座28qに対して加圧されるが、密閉されたチャンバまたは輸液ポンプ70bに入ることは妨げられる。
【0132】
図9Bにおいて、部材114bを形成する下部ポンプチャンバのポート104における負圧は、弁座28sにおいて弁作動装置106に印加される正圧のように維持される。負圧が、弁座28qにおいて弁作動装置106に印加され、ストップ112へおよびストップ112に対してプランジャ108を引き、かつ保持し、流体116が、ポンプ流入経路66bから、輸液ポンプ70bのチャンバに流入することを可能にする。例えば、重力による流体116の力は、第1の可撓性部材74aを、部材114aを形成する上部ポンプチャンバの内表面に対して押し付けさせるのに十分である場合がある。あるいは、負圧は、部材の内表面に対して第1の可撓性シート74a引くために、部材114aのポート104において印加されることができる。この動作は、流体116をポンプチャンバに引き入れる真空をもたらす。蠕動ポンプのように、熱成形された流路は、膜ポンピングの負圧下で、例えば、崩壊するのではなく、耐えるように構成される。いずれの場合においても、流体116は、シート74aと74bとの間の少なくとも実質的に球状の空洞を充填し、なおもその閉鎖位置にある弁座28sで停止する。
【0133】
図9Cにおいて、弁座28qが閉じている一方で、弁座28sは開いている。シート74bが部材114bに対して押し付けられるように、負圧が、下部ポート104において維持される。ここで、正圧が、ポート104に印加され、第2の可撓性シート74bに対して第1の可撓性シート74aを閉鎖し、それにより、流体116は、輸液ポンプ70bの少なくとも実質的に球状のチャンバから、ポンプ流出経路68bを通って、その望ましい目的位置に押し出される。ここで、弁座28sが閉じるとすぐに、ポンプ70bが、上記に記載されるサイクルを繰り返すことができるように、第1および第2の膜74aおよび74bは、図9Aに示される位置にある。図28に関連して以下に示されるように、膜74aおよび74bは、別の方法として、磁気を有するように製造され、また別の方法として、磁気駆動される。
【0134】
図2におけるポンプ70aおよび70bの排出および充填ストロークは、カセット10bを通じた透析液または医療用流体(血液を含む)の流動が、少なくとも実質的に連続的であるように交互である。部材114aおよび114bのチャンバにより形成される体積が既知であるため、かつ第1の可撓性シート74aが、チャンバの上部および下部表面に繰り返し移動するため、各ストロークで送り出される流体の体積は、既知であり繰り返し可能である。したがって、バランスチャンバ50等の別個の輸液制御器具は必要ない。送り出される流体の全体積は、ストローク数を乗じる各ストロークの体積に等しい。UFは、上記に考察される方法のうちの1つにより制御される。
【0135】
バランスチャンバ50および輸液ポンプ70の体積制御されたチャンバは、一実施形態において、それぞれの円形シールにより形成される。代替の実施形態において、それぞれのシールは、望ましい体積を達成するために必要とされるよりも大きい直径で製造される。ここで、シート74間のシールは、機械を圧迫する扉、または第2の機械を圧迫する第1の機械部分の圧力により形成される。図24Aおよび24Bに関連して示され、考察されるように、機械によるシールは、望ましい体積を達成するために、適切な直径の球形を形成するようにサイズ決定される。機械的締め付けによるシールは、配列制限を減少させる。機械から機械へのシールは、例えば、レバーまたはロック、クランプ、カム作用圧入等を介して、手動で固定されるか、または空気圧または電気機械圧力を用いて形成され、付加的に、または別の方法として固定されることができる。以下に考察される図25Aおよび25Bは、機械的締め付けにより形成される流体加熱経路、およびそのような流体加熱経路で動作可能なヒータの実施形態を示す。以下に考察される図26A、26B、および28は、それぞれ機械的締め付けにより形成される、可撓性シーティングカセットのバランスチャンバおよび輸液ポンプ部分の実施形態、およびバランスおよびポンプチャンバ内で膜を駆動させるための一実施形態を示す。
【0136】
ここで図10Aおよび10Bを参照すると、本明細書に考察されるの可撓性シーティングカセットに対する、統合されたヒータ経路の2つの異なる実施形態が図示される。図10Aは、図2に示される可撓性シーティングカセット10bの詳細Xを図示する。図10Bは、代替の三層の両面ヒータ経路部分を示す。図10Aが、ヒータまたはヒータプレート118を示す一方で、図10Bは、デュアルのヒータまたはヒータプレート118aおよび118bを示す。ヒータまたはヒータプレート118(合わせて、図10Aのヒータ118、ならびに図10Bのヒータプレート118aおよび118bを意味する)は、電気抵抗、誘導、放射、対流、およびそれらの任意の組み合わせ等の、任意の好適な熱移動方法を実行することができる。図10Aに示されるように、ヒータ118は、流体加熱経路42bの下方で連続的である。図10Bにおいて、ヒータ要素118aおよび118bは、可撓性シーティングカセットの流体経路42cおよび42d周囲に集中している。
【0137】
図10Aにおいて、流体加熱経路42bは、第1および第2のシート74aおよび74bから作製される。半円形または他の好適な断面形状の蛇行経路が、図4に関連して上記に考察される器具および方法のいずれかにより、シート74a内に形成される。あるいは、シート74aおよび74bの両方が、半円形の半分を形成することができ、合わせて円形の全体を形成する。そうである場合、ヒータ118は、表面接触を増加させるために、半円形に凹んだ加熱経路で形成または調整されることができる。連続的な外側シール72gは、流体加熱経路42bのループまたは蛇行したねじれの外側周囲に作製される。連続的な内側シール72hは、経路42bの内側曲線に沿って作製される。シール72gおよび72hは、上記に考察される方法のいずれかにより作製される。縁部シール72iもまた、図10Aに見られるように、縁部78cに沿って作製される。あるいは、縁部78cは、折り畳みにより作製される。動作中、透析液または流体は、経路42bを通って流動し、ヒータ118からの熱エネルギーにより加熱される。
【0138】
図10Aにおいて、可撓性シーティングカセット10bは、ヒータ118の頂部に装填されるか、ヒータ118に垂直に当接する。図10Bにおいて、可撓性シーティングカセットは、2つの絶縁筐体120aと120bとの間に装填される。ヒータ要素118aは、絶縁ヒータ筐体120a内に固定される。ヒータ要素118bは、同様に絶縁ヒータ筐体120b内に固定される。筐体120aおよび120bは、透析機械の一部、または別個のヒータの一部であってもよい。
【0139】
図10Bの流体加熱経路42bおよび42cは、3つのシート74a、74b、および74cから形成される。第2のシート74bは、シート74a〜74c内に熱的に形成された経路42cおよび42dに対する支持として機能する。シート74aおよび74cは、上記に考察される密閉方法のいずれかにより、一度に、または別々に、中間シート74bに密閉される。図10Bにさらに見られるように、透析液が、第3のシート74cの下部流体加熱経路42dから、シート74aの上部流体加熱経路42cに、またはその逆に流動することを可能にするために、開口96が第2のシート74bに作製される。したがって、図10Bは図10Aに示される可撓性シーティングカセットと対比して、同一の表面積に対して加熱容量を本質的に2倍にする、効率的な流体加熱器具を提供する。また、経路42d等のデュアル経路は、図1および3の別個のヒータバッグ40で作製されることが可能である。
【0140】
ここで図11を参照すると、可撓性シーティングカセット10(合わせて、可撓性シーティングカセット10a〜10cを意味する)のうちの1つに、通気孔44を取り付けるための一実施形態が図示される。特に、図11は、図11の可撓性シーティングカセット10bの詳細XIを示す。可撓性シーティングカセット10bは、第1および第2の可撓性シート74aおよび74bを含む。それらのシートは、通気孔本体46およびフィルタ48を含む、通気孔44の周囲に密閉される。フィルタ48は、一実施形態において、流体または透析液ではなく空気が、そのようなフィルタを通過することを可能にする、疎水性膜または他の種類のフィルタである。通気孔44は、図4のコネクタ16および22と実質的に同一の方法で、シート74aおよび74bに固定される。そのために、シール72aおよび72bは、フィルタ48の本体46の両側、および/または本体46それ自体に作製される。シール72aおよび72bは、作製された熱成形形状により、あるいはシート74aおよび74bのうちの一方または両方において補助されることができる、流体経路を形成するように延在する。
【0141】
動作中、空気が加熱された透析液中に検出されると、図1〜3に示されるように弁座28hが開き、流体が通気孔44に達し、空気を通気孔48を通って押し出すことを可能にする。その後、流体は、その望ましい目的位置に送り出される。あるいは、上記に記載されるように、通気孔44は、別個の弁作動装置および座が必要ないように、その関連するカセットが取り付けられる際に垂直に向けられる。
【0142】
ここで図12Aを参照すると、単一の蠕動ポンプ作動装置90を使用して、2つの流路を通って流体を駆動するための一実施形態が図示される。作動装置90は、図5に関連して上記に記載される、ドライブシャフト92およびローラ94を含む。可撓性シーティングカセット、例えば、2つのポンプカセット10cが装填されると、シート74aおよび74bにおけるスロット124が、蠕動ポンプ作動装置90のシャフト98上を摺動するように、シャフト122上を水平または垂直に摺動する。ローラ94は、例えば、図3のカセット10cに示される、ポンプ部分30aおよび30bの両方を通って流体を駆動させる。カセット10cは、第2のシート74bが案内溝プレート126aおよび126bに当接するように取り付けられ、ポンプ部分30aおよび30bの流路が、図5のプレスプレート126と同様に、ローラ94により圧迫されることができる、剛性表面を提供する。図示の実施形態において、ローラ94は、ポンプ部分30aおよび30bの内外へと、同一方向に流体を駆動させる。上記に考察されるように、図12の構成の一使用は、2つのポンプ部分30aおよび30bを駆動させる単一の蠕動ポンプ作動装置90を提供し、次に、バランスチャンバ50aおよび50bの入口に新鮮なまたは使用済みの流体を供給することである。
【0143】
ここで図12Bを参照すると、2つのポンピング流路を通って流体を駆動させるために、単一の蠕動ポンプ作動装置90を使用するための第2の実施形態が図示される。ここで、蠕動ポンプ部分30aおよび30bは、半円形または半分の円として構成される。シャフト92は、ポンプ部分30aおよび30bの両方の流体経路を通って、流体を駆動させるために、全260度でローラ94(作動装置90は、任意の好適な数のローラ94を有することができる)を回転させる。ローラ94が、ポンプ部分30aおよび30bの隆起した経路84aおよび84bを圧迫することができる剛性表面を提供するために、図5の案内溝プレート126等の好適な案内溝プレート(図示せず)が、可撓性シーティングカセット10bの後方に取り付けられる。図12Aのデュアルポンピングの実施形態とは異なり、図12Bのデュアルポンピングの実施形態は、反対側に配置された入口86a/86bおよび出口88a/88bによりわかるように、反対方向に流体を駆動させる。しかしながら、図12Aおよび12Bの実施形態の両方において、シャフト92は、図12Bにおける矢印により示されるように、二方向のいずれにも回転することができる。
【0144】
透析機械100(合わせて、機械100a、100b等のそれぞれを意味する)は、圧力センサ、流量センサ、温度センサ、気泡検出器、例えば、腹膜炎、組成物、およびpHを調べるための溶液識別検出器、伝導度センサ、ならびに例えば、空気または血液検出のための超音波センサ等の多くの異なるセンサを使用する。それらのセンサは、典型的には、可撓性シーティングカセット10のうちの1つを通って送り出されている透析液または流体の特定のパラメータを検出するために使用される。
【0145】
ここで図13を参照すると、可撓性シーティングカセット10a〜10cのうちのいずれか1つで、センサ130を動作させるための一実施形態が図示される。センサ130は、上記の種類のセンサのいずれかであることができ、透析機械100の制御ユニットまたはコントローラに通じる、リードまたはワイヤ132を含む。センサ130は、流路128を通って流動する透析液または医療用流体(血液を含む)のパラメータを感知する。感知領域134が、センサ130と一直線になるように、カセット10(ここでは任意のカセット)が取り付けられる。感知領域134は、流体の流動を遅延させるシール72aおよび72bにより画定される、拡大された流路領域であり、検知時間および正確度を増加させることができる。シール72aおよび72bは、上記に考察される方法および実施形態のいずれかにより作製される。感知領域134は、センサ130のヘッドに適合するように形状およびサイズ決定される。
【0146】
ここで図14を参照すると、3つのシート74の材料間に異なるシールを作製するための一実施形態が、図示される。図14において、シート74bおよび74cが図示される。シート74a(図示せず)は、シート74bの頂部に密閉される。流路128は、シート74bと74cとの間に作製される。図示されるように、熱成形された凹部分または隆起部分は、シート74c内に作製され、次いで、シール72aおよび72bに関して上記に考察される異なる方法のいずれかにより、シート74bに密閉される。次いで、プリント可能な接着剤が、シール線72jおよび72kに沿って、シート74bの上部表面に配置される。好適な1つのプリント可能な接着剤は、例えば、ポリ塩化ビニル(「PVC」)シーティングに対するシクロヘキサノン、または他の種類のシーティングに対するポリエステルエラストマである。次いで、シートまたは層74aは、シート74bの頂部に必要に応じて配置される。次いで、貼付されたパターンに沿ってプリントされた接着剤を活性化させ、シート74a〜74bを密閉するために、高周波(「RF」)、紫外線(「UV」)エネルギーまたは熱が、接着シール線72jおよび72kに印加される。このように、3つのシート72a〜72cは、シート74aと74bとの間、およびシート74bと74cとの間に、任意の望ましいシールパターン(同一または異なる)を形成することができる。
【0147】
ここで図15を参照すると、可撓性シーティングカセットを形成するために、可撓性材料の3つのシート74a〜74cを選択的に密閉するための別の方法が、図示される。密閉されたシーム136は、カセット10dの1つの長さに沿って、例えば、カセットの他の長さの中間に、または中間近傍に延在する。シーム136は、3つの異なるシート74a〜74c内で選択可能なシームを作製するために、カセットが、操作され折り畳まれることを可能にする。この方法は、上記に考察される任意の可撓性シーティングカセットに適用する。例示目的で、図15の可撓性シーティングカセット10dは、図2の組み込まれた流体加熱経路42bを備える、図1の単一の蠕動ポンプ30およびバランスチャンバ50を含む。上記に示されるように、可撓性シーティングカセットの多くの特徴は、2つのシート74aおよび74bのみを必要とする。バランスチャンバ50等の他のコンポーネントは、3つのシート74a〜74cを必要とする。したがって、3つのシートを必要とする領域において3つのシートまたは層74を含み、2つのシートのみを必要とするカセット10dの他の領域において、2つのシート74aおよび74bのみを含む、カセット10dを提供することが考慮される。カセット10dにおいて、3つのシート74a〜74cは、別の方法として、カセット10d全体にわたり使用される。この場合もやはり、シート74a〜74cは、別々であるか、または単一の材料を1回以上折り畳むことにより形成されることができる。
【0148】
カセット10dの左側は、図10Bに関連して上記に考察される、三層の両面加熱流路42cおよび42dを作製するために使用される。図示されるように、流路42d等の外側に面した流路は、初めに、シート74bおよび74cを合わせて密閉することにより形成される。次いで、シート74aは、シート74bおよび74cの組み合わせに密閉される。一実施形態において、シート74aは、上記のプリント可能な接着剤により、シート74bおよび74cの組み合わせに密閉される。別の実施形態において、シート74aおよび74bを合わせて化学的に結合または融解させるために、シート74aおよび74cの外側に十分なエネルギーが印加される。さらに別の方法として、シート74a〜74cは、流体加熱経路42cおよび42dを同時に形成するために、固定されることができる。中間シート74bは、流体加熱経路42cと42dとの間にある、上記で考察されるような開口96を画定する。
【0149】
カセット10dの右側は、バランスチャンバ50、蠕動ポンプ30、圧力感知領域134、流体流路26a〜26d、および上記に挙げられるコンポーネントに関連する他の流路を形成するために使用される。ここで、可撓性シート74aおよび74bは、初めに合わせて密閉され、その後、例えば、バランスチャンバ50を完成するために、シート74cがシート74bに密閉される。図示されないが、シート74aおよび74bにより形成される流路または流動器具、およびシート74bと74cとの間に形成される流路または流動器具から、流体が流出することを可能にする、1つ以上の開口96を備えた追加の流路が、シート74bと74cとの間に形成されることができる。シート74cは、プリント可能な接着剤を用いるか、別の方法として、もしくは付加的に、3つのシート74a〜74cのすべてにわたりエネルギーを印加することにより、シート74bに密閉されることができる。
【0150】
図示されるように、ポンプ出力経路32は、バランスチャンバ50内へ、および患者コネクタ62aへと延在する前に、蠕動ポンプ部分30からシーム136にわたり、シート74aおよび74b内に画定される係合する開口を通って、下部流体加熱経路42d内に、その蛇行経路を通って、シート74aおよび74b内の係合する開口のもう一方のセットを通って戻り、上部流体加熱経路42c内に、および上部流体加熱経路42cを通って延在する。
【0151】
ここで図16を参照すると、3つのシート74a〜74cを合わせて密閉するための別の方法が図示される。図16において、層74a〜74cは、例えば、KIEFEL Extrusion GmbH、Cornelius−Heyl−Str.49,67547 Worms/Germanyによって製造される機械を使用した、ダイ密閉器具136aおよび136bを使用して密閉される。器具136aおよび136bは、所定のダイパターンでシート74a〜74cに熱を印加する。ダイパターンは、3つのシート74a〜74cのすべてが合わせて密閉される領域、ならびにシート74aおよび74bまたは74bおよび74cの、2つのみが合わせて密閉される他の領域を含む。
【0152】
伝導性のダイ密閉機械において、各ダイ器具136aおよび136bは、外側シート74aおよび74cと直接接触して、望ましい量の熱を出力するように制御される。例えば、ダイ器具136aは、ダイ器具136bよりも多くの熱を出力するように設定されることができる。この伝導性の種類の加熱を使用して、中間層74bをシート74aまたは74cのみに密閉することが望ましい場合、シート74aまたはシート74bのいずれかの非密閉側にある器具136aまたは136bは、そのシートと中間シート74bとの間の密閉を防止するために、より少量の熱を送達するように設定される。シート74bとのシールを形成するための、シート74aまたは74cに接触している反対側のダイ器具136aまたは136bの熱は、2つのシートを融解し、望ましいパターンでシートを密閉するのに十分な、より多量の熱を出力するように設定される。温冷ダイ器具136aおよび136bの温度は、密閉される側において、中間層136bの融解温度よりも高い温度プロフィールを形成し、中間層のこの側が融解することを防止するために、シート136bの反対側において低下するように設定される。このために、ダイ器具のうちの1つは、完全に電力が切断されてもよい。したがって、ダイ機械は、異なるシート74a〜74cを望ましい温度に加熱するために、各器具136aおよび136bの熱出力を独立して制御することが可能である。
【0153】
別の実施形態において、ダイ密閉機械は、高周波(「RF」)の種類である。ここで、器具136aおよび136bのうちの1つは正であり、もう一方は負であり、シート74aおよび74cと直接的または間接的に接触している。RF型密閉は、本明細書に挙げられる他の種類の配管およびシーティング材料を密閉するために使用されることができるが、PVC、例えば、PVC配管およびPVCシーティングを密閉するために、特によく適している。RF型密閉は、例えば、複数のステップにおいて3つのシートを密閉するために、図15の実施形態で使用されることができる。
【0154】
ここで図17、18、19Aおよび19Bを参照すると、代替の実施形態において、カセット10eは、可撓性部分138および剛性部分140を含む。可撓性部分138は、第1のシート74aおよび第2のシート74bを含む。蠕動ポンプ部分30およびインライン流体加熱経路42bは、上記に記載される任意の方法で、可撓性部分138内のシート74aおよび74bを介して形成される。しかしながら、カセット10eでは、バランスチャンバ50は、上記に記載される3つのシートの形の代わりに、2つのシート74aおよび74bを使用して形成される。ここで、バランスチャンバ50は、剛性部分140内に形成される剛性チャンバ142により部分的に形成される。図18に見られるように、可撓性部分138は剛性部分140に折り畳まれるか、そうでなければ、剛性部分140の下面に取り付けられる。これが起こる場合、バランスチャンバ50の可撓性膜部分は、剛性部140の剛性チャンバ142と一直線になり、その後、剛性部分140の剛性チャンバ142に密閉される。
【0155】
また、図18は、加熱経路42bで動作するヒータ118、および蠕動ポンプ部分30で動作する蠕動ポンプ作動装置90を示す。上記に考察される作動装置106等の弁作動装置は、弁作動ユニット144に提供される。弁作動ユニット144は、ヒータ118およびポンプ作動装置90から、カセット10eの反対側にある。図示の実施形態において、弁作動ユニット144は、カセット10eの適切な位置に対して、弁作動装置106、ヒータ118、およびポンプ作動装置90を所定の位置で押し付ける扉の一部であることができる。
【0156】
座28a〜28d等の弁座は、カセット10eの剛性部分140の一部として提供される。流路26a〜26d、32、58aおよび58b等の剛性流路は、剛性流体経路を備える、1つ以上のシート74bおよび74a内に提供される開口96等の開口を介して、可撓性部分138のポンプ部分30、バランスチャンバ50、それらの関連する流路、および流体加熱経路42bと連通する。
【0157】
バランスチャンバ50に関して、流路56aおよび58aは、可撓性部分138のバランスチャンバ50の可撓性部分から、剛性部分140により画定される剛性経路に流動する。弁座28j〜28mは、剛性部分140に位置する。さらに、剛性チャンバ142に通じる経路56bおよび58bもまた、剛性部分140内に提供される。
【0158】
ここで図19Aおよび19Bを参照すると、カセット10eの剛性部分140の剛性チャンバ142、および可撓性部分138の2つの可撓性シート74aおよび74bから構築される、バランスチャンバ50が図示される。図19Aおよび19Bのバランスチャンバ50が、剛性部分140および可撓性部分138を有するカセット10eに関連して示されるが、その中に単一の剛性部分142を有する可撓性シーティングカセットを備える、図19Aおよび19Bのバランスチャンバ50を提供することが、明示的に考慮される。つまり、剛性チャンバ142は、独立して、または別個に提供されることができ、より大きい剛性部分140の一部である必要はない。
【0159】
図示されるように、シート74aは、剛性支持部材146に当接する。剛性支持部材146は、カセット10dが備えられ得るか、あるいは、カセット10dで動作する透析機械100dの一部である。支持プレート146は、下部バランスチャンバ区画54dが充填された場合、下部バランスチャンバ区画54bを、剛性チャンバ142により形成されるキャビティへと拡大させる。弁座28kおよび28mは、剛性チャンバ142と協働して象徴的に示される。同様に、弁座28jおよび28lは、シート74aおよび74bと協働して象徴的に示される。例示目的で、弁座は、閉流体状態の場合は「X」が付いて、開または流体流動状態の場合は「X」なしで示される。
【0160】
図19Aにおいて、弁座28jおよび28mで動作する弁作動装置により、座が閉じる一方で、弁座28kおよび28lで動作する弁作動装置により、それらの座は開く。この弁状態の構成において、上部バランスチャンバ区画54aが、一定量の流体116で充填する一方で、下部バランスチャンバ区画54bは、望ましい目的位置に同量の流体を排出する。図19Bにおいて、弁座28kおよび28lで動作する弁作動装置により、それらの座が閉じる一方で、弁座28jおよび28mで動作する弁作動装置により、それらの座は開く。ここで、下部バランスチャンバ区画54bが、流体116で充填する一方で、同量の流体が、上部バランスチャンバ区画54aから、弁座28mを通って望ましい目的位置に分配される。
【0161】
バランスチャンバ50の剛性チャンバの形は、例えば、カセット28aおよび28dで図1および17に示されるように、カセット内に単独で提供されることができる。あるいは、バランスチャンバ50の2つ以上の剛性チャンバの形が、図3のカセット10cに関連して考察される等のカセット内に提供される。通常の適合した流量状況下で、新鮮な流体は、使用済み流体を他の区画から分配する、区画54aまたは54bのうちの1つに入り、逆の場合も同じである。あるいは、剛性チャンバのバランスチャンバ50は、UFのみに使用されることができ、その場合、使用済み流体は、区画54aおよび54bの両方に送達される。
【0162】
ここで図20A〜20Dを参照すると、可撓性シート74a〜74cを用いる、バランスチャンバ50の代替の実施形態が図示される。図20A〜20Dにおけるバランスチャンバ50は、バランスチャンバ入口としてチューブ156aおよび156b、ならびにバランスチャンバ出口としてチューブ158aおよび158bを組み込む。チューブ156a、156b、158a、および158bは、PVC、非DEHP PVC、ポリブタジエン(「PB」)、エチレン酢酸ビニル(「EVA」)、ポリプロピレン(「PP」)ブレンド、ポリエチレン(「PE」)ブレンド、Kratonブレンド、およびポリオレフィンブレンド等の、任意の好適な医療グレード材料製であることができる。チューブは、シール72lに沿って所定の位置で密閉される。図6および7に関連して上記に考察される、上部および下部シール72eおよび72fは、上部バランスチャンバ区画54a、および下部バランスチャンバ区画54bを形成するように作製される。入口チューブ156aおよび出口チューブ158aが、上部バランスチャンバ区画54aと流体的に連通する一方で、入口チューブ156bおよび出口チューブ158bは、下部バランスチャンバ区画54bと流体的に連通する。
【0163】
第1および第3のシート74aおよび74cが、図7に示されるチャンバ壁102aおよび102b等の、元々透析機械内部に位置する部材であるバランスチャンバのそれぞれの内壁に対して引き離すことを可能にするために、バランスチャンバ入口チューブ156aおよび156b、ならびにバランスチャンバ出口チューブ158aおよび158bの内端部160は、シール72eおよび72fにより形成される円形のチャンバと、一直線になるように構成される。チューブ156aから入る流体が、上部区画54aのみに流入することができるように、中間シート74bは、チューブ156aおよび158aの底部に密閉される。156bを通ってシートおよびチューブタイプバランスチャンバ50に入る流体が、バランスチャンバ50の底部区画54bのみに入ることができるように、中間シート74bは、チューブ156bおよび158bの内端部160の頂部周辺に密閉される。そうでなければ、バランスチャンバ50が動作中、中間シート74bは、外側シート74aおよび74c内を自由に前後に移動する。
【0164】
図20Cおよび20Dは、シート74a〜74cが、半円形の屈曲76を有することを図示する。屈曲76は、例えば熱成形により、事前成形されるか、または少なくとも部分的に事前成形されることができる。あるいは、屈曲76は、チューブ156および158の周囲にシート74a〜74cを密閉するプロセス中に、形成される。屈曲76は、外側シート74aおよび74c内に外画に作製される。中間シート74b内の屈曲76は、必要に応じて方向を交互にする。どちらの側が溶接されているかに応じて、シール72lは、2つのシート74a/74bもしくは74b/74c、または1つのシート74aもしくは74bを、チューブ156aまたは156bに溶接してもよい。
【0165】
図示の実施形態において、シートおよびチューブタイプのバランスチャンバ50は、使い捨てユニットまたは透析システムの別の部分に流体的に接続されることができる、別個の器具として提供される。そのために、チューブ156a〜158bは、透析液回路の他の部分に接続されるために必要な長さであることができる。代替の実施形態において、図20A〜20Dの構成を有する、2つ以上のバランスチャンバ50は、シート74a〜74c、およびチューブ156a〜158bの2つ以上のセットにより形成される。さらに別の方法として、図20A〜20Dのバランスチャンバ50の1つ以上は、カセット10a〜10d等のカセット内に提供され、バッグ、患者接続部、および関連する配管にもかかわらず、透析液回路のコンポーネントの全部ではないが大部分を含む。
【0166】
チューブ156a〜158bは、図1のバランスチャンバ50に関連して上記に記載される、弁座28j〜28l等の弁座を有するか、または含むことができる。あるいは、弁座領域の修正の必要なく、チューブ156a〜158bの一部を固定するために、自動ピンチまたは配管クランプが使用される。図20A〜20Dのバランスチャンバ50は、1つ以上のバランスチャンバを用いる、本明細書に記載されるカセットのいずれにも使用されることができる。
【0167】
ここで図21A〜21Gを参照すると、好ましい一実施形態においては、在宅血液透析(「HHD」)機械である、血液透析機械100eで動作している、代替の可撓性シーティングカセット10eが示される。あるいは、カセット10eは、本明細書に考察される透析治療のいずれにも使用されることができる。親出願で考察されるように、血液透析は、典型的には、クリニックまたはセンターで行われ、透析液は、水源および濃縮物を使用してオンラインで作製される。在宅の場においても、典型的には、同様の種類のオンラインの透析液生成ユニットが使用される。これらのユニットは大きく、透析機械が水源に接続されることを必要とする。図21A〜21Gおよび親出願に図示される実施形態において、1つ以上の供給バッグから供給される透析液を使用し、拡散浄化に加えて対流浄化を提供することができる、代替のシステムが示される。あるいは、血液ディスポーザブルが、透析液ディスポーザブルと組み合わされる。図21Bおよび21Fにおいて、別個の血液カセット150が提供される。
【0168】
図21Aおよび21C〜21Eは、可撓性シーティングカセット10eを図示する。カセット21eは、多くの点で上記のカセットとは異なる。1つの違いは、例えば、図1、3、および5に関連して上記に示され、記載される可撓性シーティングカセットポンプ部分30の代わりに、別々の蠕動ポンピングチューブ148および154が使用されることである。第2の違いは、カセット10eの可撓性シート74a〜74cの外部の配管により、異なる供給および排出バッグのマニホールドが行われることである。図21Aにおいて、透析液ライン148およびUFライン154で動作する蠕動ポンプ作動装置は、流体をバランスチャンバ50aおよび50bの入口に駆動する。HHD治療において、流体は、バランスチャンバ50aおよび50bの弁で調節される出口を出て、上記に記載されるようなダイアライザまたは排出口のいずれかに向かう。前述同様に、バランスチャンバ50は、排出口およびダイアライザへの同量の流体を測定する、中間測定装置として動作する。上記に記載される、限外濾過を制御するための方法のいずれも、可撓性シーティングカセット10eで使用されることができる。例えば、バランスチャンバ50の多くのストロークは、使用済み流体が、バランスチャンバ50aおよび50bの両半分に送り出される、専用のUFストロークであり得る。あるいは、別個のUFバランスチャンバが、提供されることができる。
【0169】
図21Aおよび21Eに見られるように、新鮮な透析液は、供給バッグのうちの1つから、それぞれの供給ライン18a〜18eを通って、マニホールド162、および蠕動透析液ポンプ作動装置で動作する透析液ポンピングチューブ148内に送り出される。蠕動透析液ポンプは、入口コネクタ16を通って、統合されたインライン流体加熱経路42bを通って、バランスチャンバ50aまたは50bのうちの1つに、新鮮な透析液を送り出す。加熱された溶液から出るいかなる空気も、通気孔44を通って放出されることが可能である。一実施形態において、空気が自動的にカセット10eの頂部に上がり、空気通気孔44および通気ライン164(図21E)を通って放出されるように、カセット10eは、図21Aおよび21Eに示されるように垂直に取り付けられる。これは、カセット10a〜10cに関連して上記に考察されるような、弁作動装置および座の数を減少させる。つまり、いかなる空気も、機械の通常動作を停止させる必要なく、自動的に取り除かれる。
【0170】
バランスチャンバ50aおよび50bのうちの1つの入口区画への、新鮮な透析液の送り出しにより、そのバランスチャンバ内に既に存在する、同量の使用済み流体は、排出ライン24を通って排出口に送り出される。同時に、UFポンプライン154で動作するUFポンプ作動装置は、ダイアライザから、患者からのライン152bを通って、バランスチャンバ50aおよび50bのもう一方の入口区画内に、使用済み流体を送り出す。そのような動作により、同量の新鮮な流体が、患者コネクタ62aおよび患者へのライン152aを通って、ダイアライザに送り出される。
【0171】
図21Aに見られるように、整理された方法で供給ライン18a〜18e、排出ライン24、通気ライン164、ダイアライザへのライン152a、およびダイアライザからのライン152bを保持するために、かつ、カセット10eおよび関連するチューブが、容易に取り付けられることを可能にするために、配管形成体168が提供される。また、図21Aは、マニホールド162と協働する暗い領域188を示す。暗い領域188は、新鮮な透析液が望ましい供給バッグ12から引かれ、使用済み透析液が、排出バッグ14または排出バッグとして使用されている供給バッグ12のうちの1つに送り出されることを、選択的に可能にするために閉じて固定される、関連するチューブの一部を示す。
【0172】
ここで図21Cおよび21Dを参照すると、可撓性シーティングカセット10eの多くの付加的特徴が、図示される。図21Dの概略的な側面図は、シート74a、74b、および74cが、3つの層74(合わせて、層24a〜24cを意味する)を形成するために、2回折り畳まれる単一シートの材料から形成されることを図示する。これは、外側縁部シームまたはシールの数が減少することを可能にし、また、別々の層74a〜74cの配列を助ける。本明細書に記載される可撓性シーティングカセットのいずれも、単一の折り畳まれたシート、1回の折り畳みによる2つのシート、または3つの別々のシート等を使用して形成されることができることを、十分に理解されたい。
【0173】
また、図21Cおよび21Dは、第1のシート74aのみが、シート74bに溶接されるか、そうでなければ固定される、第1の溶接部位190aを示す。3つのシート74a〜74cのすべてが、合わせて溶接または接着される、溶接部位190bもまた示される。また、図21Cは、第2の層74bのみが、第3の層74cに溶接されるか、そうでなければ固定される、第3の領域190cを示す。この選択的溶接は、カセット10eが、効率的に作製されることを可能にする。3つのシートの溶接は、2つのシートのみが合わせて溶接される必要がある領域においては、行われる必要はない。しかしながら、3つのシートは、そうする必要がある領域において、溶接されるか、そうでなければ貼り付けられることができる。概して、2つの層の溶接または接着部190aおよび190cは、1つの層における流動が望ましいが、別の層においては望ましくない場合に必要とされる。代替の実施形態において、三層溶接190b(周辺の三層溶接、および入口および出口ポートのための三層溶接を除く)は、排除され、図24A、24B、25A、25B、26A、26Bおよび28に関連して以下に記載される、圧迫シールと置換される。
【0174】
図21Cにおいて、選択的な溶接は、バランスチャンバ50aおよび50bに関連する領域において行われる。図6は、3つのシートのバランスチャンバ50が、合わせて溶接される方法に関するさらなる情報を提供する。蛇行経路42bは、3つのシートの溶接から形成される。これは、流体加熱経路42bが、シート74aと74bとの間、およびシート74bと74cとの間に、空間的に効率的に延在することを可能にする。
【0175】
図20Cおよび20Dは、流体が、中間シート74b内の望ましい位置に作製される開口96を使用して、異なる層またはシーティングの組の間を移動することを図示する。流体は、例えば、シート74bと74cとの間の第1の経路内の単一の供給コネクタ16に入る。開口96aは、流体が、それが最初に加熱される、シート74aと74bとの間に位置する流体加熱経路42bの一部に移動することを可能にする。次いで、流体は、開口96bを通って、シート74bと74cとの間に位置する流体加熱経路42bの第2の部分に移動する。加熱溶液から出るいかなる空気も、カセット10eの頂部を通って、通気孔44を通って放出される。次いで、加熱された流体は、一実施形態において3つのシート74a〜74cのすべてを使用するバランスチャンバ領域に入る。新鮮な流体は、シート74bと74cとの間に位置するバランスチャンバ区画を通って、2つの患者コネクタ62aを通ってダイアライザに出る。使用済み流体は、シート74aと74bとの間に位置するバランスチャンバ区画への患者からのコネクタ62bを介して、ダイアライザからカセット10eに戻る。使用済み流体は、シート74aと74bとの間に位置する排出コネクタ22を介して排出口に送られる。
【0176】
ここで図21Bおよび21Fを参照すると、HD、HHD、およびHFで使用される血液カセット150の一実施形態が、図示される。血液カセット150もまた、一実施形態において図示されるように、垂直に取り付けられる。カセット150は、剛性筐体172を有する剛性部分170、および筐体172に取り付けられる、上記に考察される材料のいずれかにより作製される可撓性膜174を含む。右側部分170は、ポリ塩化ビニル(「PVC」)、アクリル、ABS、ポリカーボネート、ポリオレフィンブレンド等の好適な材料から作製される。筐体172は、患者からのポート176、患者へのポート178、生理食塩水ポート180、通気孔44、ダイアライザへのポート182、およびダイアライザからのポート184を含むか、または画定する。図21Bおよび21Fに見られるように、ポート178および180、ポート184、および通気孔44等のポートは、筐体172に沿った異なる相対的位置に形成される。
【0177】
図21Bは、患者からのライン、患者へのライン、および生理食塩水ラインのそれぞれで動作する、弁座28x〜28zを図示する。蠕動ポンプ作動装置は、患者から、カセット150に、ダイアライザに、カセット150に戻り、次いで、再び患者に血液を送り出すために、血液ポンプライン166で動作する。ダイアライザから受容される流体は、患者に戻される前に空気分離チャンバ192に入る。血液186が、空気分離チャンバの底部に集まる一方で、血液中のいかなる空気も、空気分離チャンバ192の頂部に上昇する。空気分離チャンバ192は、疎水性膜等の通気孔44をさらに含むことができ、空気がカセット150から取り除かれることを可能にする。
【0178】
図21fの血液カセット150の動作は、図21Bに関連して記載される動作と同様である。しかしながら、ここで、弁座21yは、ダイアライザへのポート182に接続されるダイアライザへのラインで動作する。弁座28xは、図21Bに示されるように、患者からカセット150に入る流体を制御する。弁座21zは、カセットへの生理食塩水の流入を制御する。空気分離チャンバ192は、前述同様に動作し、チャンバ192の頂部における空気が、通気孔44を通ってカセット150を出ることができる。空気分離チャンバ192の底部における血液は、患者へのポート178を通って、患者に流動する。図21Fは、可撓性シート174が、筐体170の剛性部分172に溶接または接着されることをさらに図示する。可撓性シート174は、弁作動装置が、それぞれの流体流路を開閉するために、弁座28x〜28zを圧迫することを可能にする。図21Fにさらに図示されるように、血液カセット150は、動脈圧、静脈圧、または血液温度等の血液のパラメータを感知するために、感知領域194aおよび194bを含むか、または提供する。
【0179】
カセット150は、親出願に記載されるようなHD、HHD、HF、HDF、およびそれらの任意の組み合わせで使用される血液カセットに関連するコンポーネントを図示する。明らかなように、血液カセットは、透析液カセット10a〜10bとは別々に設置される、別個のカセット150として提供されることができる。あるいは、血液カセットのコンポーネントは、本明細書に開示される透析液カセット10のうちのいずれか1つと統合される。
【0180】
ここで図21Gを参照すると、血液透析機械100eの上面図は、カセット10e、種々の供給バッグ12、および排出バッグ14を取り付けるための一実施形態を図示する。カセット10eは、上記に考察される通気目的で、カセット10eの取り付けに対して、少なくともわずかに垂直なコンポーネントを作製するために、機械100eの頂部に対して斜めに配置されることができる。供給バッグ12および排出バッグ14は、機械100eの頂部により支持され、カセットが機械100eに取り付けられる前または後に、カセット10eに流体的に接続される。機械100eは、患者または介護者が、治療を開始、制御、および監視することを可能にする、ユーザインターフェス196を含む。ユーザインターフェス196は、必要に応じて、タッチスクリーンコントローラで動作可能なタッチスクリーンオーバーレイ、および/または膜スイッチを使用することができる。
【0181】
ここで図22A〜22Dを参照すると、代替の可撓性シーティングカセット10fを用いる、さらなる代替のシステム100fが図示される。システム100fは、在宅血液透析等の血液透析の実行によく適している。また、ここで、システム100fは、上記に記載される血液カセット150と同様または同一であり得る、第2の血液カセットを使用する。図22Aは、カセット10fおよび150を、機械100fに装填するための一実施形態を図示する。ここで、透析液コンポーネントが、ユーザインターフェス196の一つの側に位置する一方で、血液コンポーネントは、ユーザインターフェス196のもう一方の側に位置する。この構成は、使用者にとってカセットの装填を比較的容易にし、また、機械100e内に位置する弁およびポンプ作動装置、ならびにヒータが、効率的に取り付けられ、機械100fの全体のサイズを減少させることを可能にする。
【0182】
機械100fにおいて、カセット10fは、垂直に配設され、上記に記載される空気パージの目的に有利である。機械100fは、2つの蠕動ポンプ作動装置90を含み、カセット10eに関して上記に記載される配列と同様に、そのうちの1つが、透析液チューブを通って流体を駆動する一方で、もう一方は、UFチューブを通って流体を駆動する。図1に関連して上記に記載される別個のヒータバッグ40は、カセット100fの剛性筐体部分200から右側に延在する。以下に、より詳細に示されるような剛性筐体部分200は、流路および関連する弁座を画定する。したがって、機械100fの弁作動装置は、カセット10fの剛性カセット部分200の後方に位置する。プレートヒータまたは他の種類のヒータは、ヒータバッグ40の後方に位置する。カセット10fのデュアルバランスチャンバの可撓性膜コンポーネント198は、剛性部分200の下方にある。本明細書に考察されるように、蠕動ポンプ作動装置90は、別の方法として、バランスチャンバ50aおよび50bの入口区画を通って、新鮮なおよび使用済みの流体を駆動する。ヒンジ扉202は、その剛性部分200を含むカセット10f、バランスチャンバコンポーネント198、およびヒータバッグ40が、機械100fに容易に挿入され、機械100fから容易に取り外されることを可能にする。
【0183】
ここで図22Bを参照すると、カセット10fのさらなる詳細図が図示される。考察されるように、カセット10fは、別個のヒータバッグ40、およびバランスチャンバユニット198に流体的に接続される剛性部分200を含む。したがって、カセット10fは、加熱およびバランスチャンバ機能が、可撓性シーティング膜を介して行われる一方で、弁作動が、可撓性シート202と組み合わせて剛性部材200を使用して実行される点で、カセット10eと異なる。弁作動装置、例えば、バネ閉鎖、空気圧作動型のオープン作動装置は、必要に応じて選択された流路を開閉するために、弁座28で動作する。また、カセット10fは、カセット10eに関連して上記に記載される、別々の蠕動ポンピングチューブ148および154を含む。ヒータバッグ40は、蛇行加熱経路(図示せず)を含み、ヒータへのおよびヒータからのライン38aおよび38bのそれぞれを介して、剛性部材200と連通する。また、バランスチャンバユニット198も、図示されるように、ポートコネクタおよびチューブを介して、剛性部材200と連通する。
【0184】
バランスチャンバユニット198は、図22Cおよび22Dにより詳細に図示される。バランスチャンバユニット198は、図20A〜20Dに関連して上記に記載される、可撓性のシーティングバランスチャンバ50と同様である。ここで、ユニット198は、可撓性シート74a〜74cから作製される2つのバランスチャンバ50aおよび50b、新鮮流体チューブ156、および使用済み流体チューブ158を提供する。図22Dで最もよく見られるように、バランスチャンバ50aおよび50bの各区画は、新鮮チューブ156または使用済みチューブ158のうちの1つのみと連通する。新鮮チューブ156が、シート74aと74bとの間に位置する、第1のバランスチャンバ区画と連通する一方で、使用済みチューブ158は、シート74bと74cとの間に位置する、第2のバランスチャンバ区画と流体的に連通する。バランスチャンバ50aおよび50bのそれぞれは、図20A〜20Dに関連して上記されるように、シール72e、72f、および72lを含む。
【0185】
図22Dは、シート74a〜74cが、図20A〜20Dのバランスチャンバ50のものと同様の、半円形の屈曲76を有することを図示する。屈曲76は、例えば、熱成形を介して事前成形されるか、または少なくとも部分的に事前成形されることができる。あるいは、屈曲76は、チューブ156および158の周囲にシート74a〜74cを密閉するプロセス中に形成される。屈曲76は、外側シート74aおよび74c内に外側に作製される。中間シート74b内の屈曲76は、バランスチャンバ50aおよび50bのそれぞれに対して、方向を交互にする。明らかなように、各チューブ156および158は、片側で溶接される単一のシート74aまたは74c、およびそのもう一方の側で溶接される、中間シート74bと組み合わせた2つのシート74aまたは74cを有する。一実施形態において、チューブ156および158は、初めに中間シート74bに溶接される。次いで、外側シート74aおよび74cが、中間シート74b、ならびにチューブ156および158の曝露部に溶接される。
【0186】
動作中、新鮮な流体は、チューブ156を通って出入りする。使用済み流体は、チューブ158を通って出入りする。つまり、2つの新鮮チューブ156aおよび156b、ならびに2つの使用済みチューブ158aおよび158bを有する、図20A〜20Dのバランスチャンバ50にあるような、各バランスチャンバ区画に対する別々の入口および出口チューブはない。むしろ、同一のチューブが、その区画に対する、新鮮なまたは使用済み流体入口および流体出口として機能する。弁および流路は、必要に応じて、バランスチャンバ50aおよび50bの内外へ流動を方向付けるように、剛性部材200内に構成される。
【0187】
チューブ156を通って、シート74aと74bとの間の新鮮バランスチャンバ区画に入る新鮮な流体により、中間シート74bは、使用済みチューブ158を通って、シート74bと74cとの間の使用済み区画から、同量の使用済み流体を取り除く。バランスチャンバ50aおよび50bのうちの1つにおいて、これが行われている間、使用済み流体は、もう一方のバランスチャンバのシート74bと74cとの間の使用済みコンパートメンに入り、新鮮チューブ156を通って、シート74aと74bとの間の新鮮区画から、同量の新鮮な流体を取り除くように、中間シート74bを動かす。次いで、該順序が繰り返される。このように、少なくとも半連続フローの流体が、患者またはダイアライザ、および排出口に送られる。
【0188】
ここで図23を参照すると、さらなる代替のカセットが、カセット10gにより図示される。カセット10gは、カセット10eの簡略型である。カセット10gは、供給ライン18a〜18e、排出ライン24、透析液ポンプチューブ148、返りポンプチューブ154、インライン流体加熱経路42b、通気孔44、通気ライン164、患者へのコネクタ62a、ダイアライザへのライン152a、およびダイアライザからのライン152bを含む。カセット10gとカセット10eとの主な違いは、カセット10eで使用されるバランスチャンバ50aおよび50bが、カセット10gで使用されないことである。つまり、流体の輸液制御は、可撓性シーティングカセット10gでは、適合流量平衡装置、またはバランスチャンバ50aおよび50bを使用して実行されない。代わりに、患者から送達および除去される流体の比重または重量制御、または本願の出願人により販売されるHomeChoice(登録商標)透析機械で使用される、流量管理システム(「FMS」)による等、別の方法が使用される。シーティングカセット10gの本体は、望ましい方法で流動を方向付けるために、必要に応じて弁座および流路を含むことができる。あるいは、流量は、カセット10gに接続されるチューブを締め付けること、および締め付けを緩めることにより、制御されることができ、その場合、カセット10gは、主として流体加熱経路として機能する。流路、弁座、および流体加熱経路42bは、本明細書に記載されてきたように、2つのシート74aおよび74b、または3つのシート74a〜74cにより提供されることができるか、または剛性フレーム等の剛性コンポーネントを有することができる。
【0189】
ここで図24Aおよび24Bを参照すると、可撓性膜カセット10hを用いる、さらなる代替のシステム100hが図示される。システム100hは、在宅血液透析等の血液透析の実行によく適している。システム100hは、カセット150等の血液カセットを使用する。図24Aは、カセット10hが装填されていないシステム100hを示す。図24Bは、カセット10hが装填されているシステム100hを示す。
【0190】
設置されているように、カセットのバランスチャンバ部分、流体加熱経路、および他の流体流路を形成するために、機械100hの係合するダイプレート210aおよび210bが、カセット10hの周囲に合わせて締め付けられるため、カセット10hは大幅に簡略化される。つまり、バランスチャンバ部分、経路等は、装填前にカセット10h内に事前成形される必要はない。その代わりに、機械100hの壁220に対する扉202の閉鎖は、機械的に流体密閉の通路を形成する。カセット10hは、望ましいコンポーネントを形成するために必要に応じて、3つのシート74a〜74c、または2つのシート74aおよび74bから作製される、図25Bに見られるようなポーチ212として事前成形される。ポーチ212は、図24Bにさらに見られるように、ダイアライザへのライン152a、ダイアライザからのライン152b、通気ライン164、入口コネクタ16、供給ライン18a〜18f、および排出ライン24に流体的に接続される。
【0191】
ダイプレート210aは、ヒンジ扉202により形成される。一致するダイプレート210bは、機械またはシステム100hの壁220の上に形成される。図示の実施形態において、ダイプレート210aは、ダイプレート210bのリッジ214bを形成する加熱経路と係合する、リッジ214aを形成する加熱経路を含む。ダイプレート210aは、ダイプレート210bのリッジ216bを形成するバランスチャンバに係合する、リッジ216aを形成するバランスチャンバを含む。また、ダイプレート210aおよび210bは、チューブを締め付けるか、または閉鎖することなく、扉202が閉じる場合、所定の位置にチューブ152a、152b、および164を固定する溝218aおよび218bのそれぞれを受容する、チューブ/コネクタを形成するか、または含む。ダイプレート210aおよび210bは、別の方法として、または付加的に、輸液ポンプ部分70、UFメータ部分内部流路26、弁座28等の、本明細書に考察される、他の任意の付加的な可撓性シーティング器具を形成する。
【0192】
ダイプレート210aおよび210bのうちの少なくとも1つは、ヒータ、ポンプ作動装置、バランスチャンバ作動装置および/または弁作動装置等の、コンポーネント起動部と統合される。加熱は、電気抵抗プレート加熱、誘導加熱、放射加熱および/または超音波加熱により達成される。図25Aは、機械的締め付けにより形成される流体加熱経路を加熱するように構成される、インライン電気抵抗またはプレートヒータの一実施形態を示す。図25Bは、クラムシェル型側面を形成する加熱経路を有する別個のヒータを示し、その内容は、システム100hにも適用できる。図26Aおよび26Bは、機械クラムシェル型リッジにより形成される可撓性シーティングカセットのバランスチャンバ部分を示し、空気圧的、機械的、油圧的、または図示の場合、電磁的に作動されることができる。図28は、機械クラムシェル型リッジにより形成される可撓性シーティングカセットの輸液ポンプ部分を示し、それもまた、空気圧的、機械的、油圧的、または図示の場合、電磁的に作動されることができる。システム100hは、これらの技術のいずれも、ダイプレート210aおよび210bのうちの1つ以上に統合することができる。
【0193】
図示の実施形態において、ポーチ212は、コネクタ、例えば、コネクタ16、および/またはチューブ152a、152b、および164への密閉に必要とされるものを除いて、いかなる内側シームも有さず示される。別の方法として、漏れによる損傷を軽減するために、内側安全シームを提供することが考慮される。例えば、シームは、ポーチ212の流体経路部分を、ポーチのバランスチャンバ部分から分離するために、提供されることが可能である。別のシームは、バランスチャンバ部分50aを、バランスチャンバ部分50b等から分離または隔離するために、提供されることが可能である。安全シームは、任意の望ましい形状またはパターンを有することができるが、有利に、完全に流量コンポーネント部分を形成するために必要とされる形状またはパターンよりも単純であることができる。安全シームは、シート74aと74b、74bと74cの間、および3つのシート74a〜74cのすべての間にあることができる。
【0194】
あるいは、2つのシートのシールを有する実際の流量コンポーネントを形成するために、上記に記載される結合または溶接方法を使用して、例えば、シート74aと74b、または74bと74cとの間に、2つのシートのシールを形成することが、明示的に考慮される。ここで、3つのシート74a〜74cのすべての間のシールが必要とされるどの位置にも、機械クラムシェル型密閉が使用される。ここでもやはり、溶接または接合の全体の数およびパターンは、それぞれ減少し、簡略化されるものとする。
【0195】
ここで図25Aを参照すると、リッジ214aおよび214bを形成する加熱経路の機械的締め付けにより形成される、カセット10hの加熱部分が図示される。図25Bに示されるようなカセット10hは、新鮮流体入口コネクタ16を介して新鮮な透析液を受容する、ポーチ212を含む。リッジ214aおよび214bは、入口コネクタ16から新鮮な流体を受容する、インライン流体加熱経路42bを形成する。インライン流体加熱経路42bは、熱を受けるために、上記に示されるように前後に蛇行する。加熱された透析液は、同様に機械的締め付けにより形成される内側経路222を通って出る。経路222を通る加熱された流体は、例えば、バランスチャンバ50aおよび50b、または輸液ポンプ70に移動する。
【0196】
また、図示の実施形態において、締め付けリッジ214aおよび214gは、加熱要素、例えば、アルミニウムプレート加熱要素である。さらなる要素224aおよび224bは、同様に電気抵抗要素であることができる、扉202および機械壁202に接続される。一実施例において、熱作動装置は、抵抗要素214a、214b、224a、および224bに、電力、例えば、200ワットを供給する電力供給源である。代替の種類の熱作動装置は、誘導、放射、結合、超音波、または加熱種類の組み合わせを含む。締め付けリッジ214aおよび214bは、熱を提供することができるが、その必要はない。
【0197】
図示されるように、どのような種類でも熱移動を使用するヒータは、一実施形態において、約5〜約30℃の温度から始めて、約37℃または体温まで、ゼロ〜約300ml/分の流速で、透析液を加熱することが可能である。機械100h内のコントローラ(図示せず)は、異なる開始透析液温度および異なる透析液流速に適合するために、一実施形態において、負荷サイクルまたは電源オン/電源オフサイクルを制御する。コントローラは、監視プロセッサおよび安全プロセッサで動作する、代理または下位プロセッサであることができる。流出流体温度モニタ226は、流体加熱経路42bを出る透析液の温度を感知し、望ましい流出温度を達成するために必要に応じて、負荷サイクルを増加または減少させるように、コントローラにフィードバックを提供する。
【0198】
ここで図25Bを参照すると、別個のヒータ240内に流体加熱経路(例えば、図1および3の経路42aのような)を作製するために、機械的締め付けを用いる、分離可能な流体ヒータ240が図解される。別個の流体ヒータ240は、例えば、図1のシステム100a、図3のシステム100c、および図22Aおよび22Bのカセット10fに使用されることができる。ヒータ240は、任意の組み合わせで、本明細書に考察されるいずれかの種類の加熱を用いる。
【0199】
流体加熱ポーチ230は、本明細書に記載される任意の方法により、ヒータライン38aおよび38bに接続される。ポーチ212、230のための材料は、シート74a〜74cのための材料のいずれかを含む。チューブ38aおよび38bのための材料は、本明細書に記載される配管のための材料のいずれかを含む。明らかなように、形成されるような加熱ポーチ230は、図1および3の別個のヒータ40の流体加熱経路42aよりも単純である。
【0200】
図示の実施形態におけるヒータ240は、第1および第2の加熱筺体242および244が、共にヒンジで接続されるクラムシェル構成を含む。閉じる場合、筺体242および244それぞれのリッジ214aおよび214bを形成する加熱経路は、ポーチ230と係合し、ポーチ230を締め付ける。また、筺体242および244は、ライン38aおよび38bのそれぞれを受容する、溝218aおよび218bのそれぞれを形成するか、または含み、筺体242および244が、それらのラインを締め付けることなく、共に平坦に適合することを可能にする。
【0201】
リッジ214aおよび214bはそれ自体、図25Aに関連して上記に記載されるような加熱要素であってもよいし、そうでなくてもよい。一実施形態における筺体242および244のそれぞれは、加熱プレート246aおよび246bのそれぞれを含む。加熱プレート246aおよび246bは、例えば、図25Aに関連して上記に記載される温度および流速に応じて、圧着された流体加熱経路内の流体を加熱する。
【0202】
ここで図26Aおよび26Bを参照すると、バランスチャンバ250を動作させるための代替の器具および方法が、図示される。図26Aに図示される1つの主な違いは、バランスチャンバ250が、すでに考察されているような別個のポンプを介してではなく、磁気駆動されることである。中間シート74bは、カーボンまたは鉄等の層強磁性体252を間に挟む、外側層74dおよび74eを含む。強磁性体252は、中間シート74bが、部材102aおよび102bを形成するチャンバにより形成されるチャンバにおいて、必要に応じて前後に動くことを可能にするのに十分薄い。外側層74dおよび74eは、シート74a〜74cのための、上記に挙げられる任意の材料であることができる。あるいは、強磁性体252は、例えば、粉末または粒子として単一の層シート74bに含浸または分散される。いずれの場合においても、中間の移動シート252は、滅菌または実質的に滅菌した医療用流体に適合する必要がある。
【0203】
バランスチャンバ250は、カセット10(例えば、カセット10a、10c、10e、10f、および10hのそれぞれ)で動作する、透析機械100(例えば、100a、100c、100e、100f、および100h)の一部で動作していることが示される。透析機械100は、部材102aおよび102bを形成する第1および第2のチャンバを含むか、または画定する。例えば、102aまたは102bの部材のうちの1つが、固定され、可撓性シーティングカセット10(例えば、機械100hの壁220内に形成される)を受容するように構成される一方で、部材102aまたは102bを形成するチャンバのもう一方は、それが透析機械100に装填された後、可撓性シーティングカセット10の反対側で閉じる扉(例えば、扉202)の一部である。
【0204】
図示の実施形態における電磁石254aおよび254bは、部材102aおよび102bのそれぞれに埋め込まれ、チャンバ周囲に磁場を形成し、カセット10の上部シート74aまたは下部シート74cに強磁性シート74bを引くために、調節または分極されることができる。あるいは、電磁石254aおよび254bは、球状のチャンバ形成部材102aおよび102bのそれぞれの周囲に巻かれ、いずれの場合においても、以下に考察されるようなバランスチャンバ250を動作させるために、十分な質量で提供される。
【0205】
電磁石254aおよび254bはそれぞれ、リード256および258を介して、コントローラ248に接続される。一実施形態におけるコントローラ248は、監視プロセッサおよび安全プロセッサで動作する、代理または下位コントローラ、またはプリント回路基板(「PCB」)である。また、一実施形態におけるコントローラ248は、電磁石254aおよび254bの切り替えと同期して切り替わる、弁座28j〜28mで動作する弁(図1および3を参照)を制御する。
【0206】
電磁石254aを分極するために、コントローラ248により、電磁石254aに通じるリード256および258は、その電磁石に電力供給する。電磁石254bを分極するために、コントローラ248により、電磁石254bに通じるリード256および258は、その電磁石に電力供給する。電磁石254aが通電された場合、強磁性シート74bは、バランスチャンバ250の頂部に引かれる。電磁石254bが通電された場合、強磁性シート74bは、チャンバの底部に引かれる。このように、バランスチャンバ250は、自己電力供給または自己駆動し、測定機能に加えて、ポンピング機能を提供する。別個のポンプは必要ない。
【0207】
また、磁気的にドープされた中間層74bは、層の位置の測定を可能にすることも考慮される。電磁石コイル254aおよび254bへの電力を振動させることにより、コイルがオフの場合、電磁石コイル内の層の慣性移動により生成される電流を読み取ることが可能である。この情報は、中間の磁気的にドープされた層74bの速度に関連するか、または依存する。この速度情報を統合することにより、位置を確実に確定することが可能である。この情報は、チャンバからまたはチャンバへの流速の確定、およびチャンバのストロークが終了時の確定に使用されることができる。
【0208】
図示の実施形態において、部材102aおよび102bを形成するチャンバはそれぞれ、チューブ(図示せず)が、本明細書に考察される方法および実施形態のいずれかによって、解放可能にか、または恒久的に固定されるポート104を画定するか、または含む。一実施形態において、カセット10が機械100に装填された後に、静的な負圧または真空がポート104上に引かれて、第1および第2の部材102aおよび102bにより画定される、内側の少なくとも実質的に球状のキャビティに対して、第1および第3の層またはシート74aおよび74cを引く。可撓性シート74a〜74cは、適切な伸縮性と適合性を有し、非磁性で漏れのない材料でできている。
【0209】
部材102aおよび102bは、少なくとも実質的に球状の形状を画定すると示されるが、実質的に三角形または実質的に台形の形状等の、他の好適な断面形状が使用されてもよい。さらに、図示されないが、部材102aおよび102bは、層74aおよび74cのより大きい表面にわたって真空を広げることを助けるために、種々の方向にポート104から放射状に延在する空気チャネルを画定することができる。シート74aおよび74cが、一旦、それぞれの部材102aおよび102bを形成するチャンバの内表面に対して真空によって引かれると、バランスチャンバ50が動作できる状態になる。
【0210】
代替の一実施形態において、シート74aおよび74cは、剛性または半剛性であり、例えば、半円のチャンバ形状を有するように事前成形され、ポート104および関連する負圧を不必要にする。別の代替の実施形態において、外側シート74aおよび74cが必要ないように、電磁石254aおよび254b、ならびに強磁性シート74bは、再利用される、すなわち、使い捨てではないバランスチャンバで用いられる。つまり、磁気作動は、任意の種類のバランスチャンバで使用されることができ、明示的に、ここに示されるようなカセットによる、または可撓性シーティングカセットによるアプリケーションに限定されない。
【0211】
図26Aは、バランスチャンバ250に流体が送達されていない動作状態を図示する。図示の実施形態において、弁座28lは、機械100の一部である弁作動装置106で動作することが示される。ここで、プランジャ108に、第2のシート74bに接するように弁座28lを押し付け、バランスチャンバ出口58aを閉鎖させるために、正の空気圧が、作動装置106のポートに付与される。作動装置106は、弁作動装置106の内部の、例えば、円筒形筐体内のプランジャ108の間に、摺動シールを形成するOリングシール110を含む。バランスチャンバ出口58aを開くために、ポート106に負圧が印加され、ストップ112に対して上方にプランジャ108を引き、流体が、座28lを開き、バランスチャンバ出口58aを通って、上部バランスチャンバ区画54aから外側に流動することを可能にする。
【0212】
動作中、上部バランスチャンバ区画54aを充填するために、プランジャ108が加圧され、弁座28lおよびバランスチャンバ出口58aを閉鎖する。同様の弁作動装置およびプランジャは、バランスチャンバ入口56aを閉鎖する。電磁石254aは通電され、上部シート74aに対してシート74bを引く。次いで、バランスチャンバ入口56aによって動作する弁作動装置およびプランジャが開き、電磁石254aは電力が切断され、電磁石254bは通電され、シート74bをチャンバを横断して全体的に、および下部シート74cに対して引いて真空を形成し、上部バランスチャンバ区画54aを充填する。
【0213】
上部バランスチャンバ区画54aを空にし、下部バランスチャンバ区画54bを充填するためには、バランスチャンバ入口56aによって動作する弁作動装置およびプランジャは閉じ、プランジャ108は、ストップ112に対して引かれ、弁座28lおよびバランスチャンバ出口58aを開き、電磁石254bは電力が切断され、電磁石254aは通電され、シート74bをチャンバを横断して全体的に、および上部シート74aに対して引き、バランスチャンバ出口58aを通って、バランスチャンバ区画54aから流体を取り除き、同時に、バランスチャンバ区画54b内に真空を形成し、そのようなチャンバを充填する。次いで、サイクルは逆にされ、バランスチャンバ区画54bから流体を取り除き、同時に、バランスチャンバ区画54aを充填するために、第2のバランスチャンバ入口56bおよび第2のバランスチャンバ出口58b(図1を参照)を使用する。
【0214】
区画54aおよび54bによって画定される体積は固定されるため、かつ、第2のシート74bは、各半ストロークで、上部および下部シート74aまたは74cに対して最後まで押されるため、同一の体積の流体が、各半ストロークで、バランスチャンバ出口58aおよび58bを通って出力される。この方法で、新鮮なおよび使用済みの流体のバランシングおよびUF除去が、容易かつ正確に制御されることができる。
【0215】
また、プランジャ108に強磁性体を含浸させ、電磁的に弁座28を開閉することが考慮される。
【0216】
ここで図26Bを参照すると、図26Aは、機械的締め付け圧着を介してバランスチャンバシールを形成するための一実施形態を示すために、ポート104を通るアクセスの周りに90度回転されている。部材102aおよび102bのそれぞれを形成するチャンバは、バランスチャンバ圧着リッジまたはリング216aおよび216b(図24Aおよび24Bに関連して上記に記載される)を画定するか、または含む。一実施形態におけるリング216aおよび216bは、入口および出口経路56および58を可能にする以外は、バランスチャンバ50または250の外周周囲に延在する。リング216aおよび216bは、チャンバ内の正および負圧、ならびにその変化に耐えるために、十分に機械的にシート74a〜74cを密閉するために共に圧着される。締め付けリング216aおよび216bは、例えば、別個のポンプまたは電磁動作を介して、任意の種類のバランスチャンバ動作で動作する。
【0217】
外側の安全リングシール72mは、任意に提供されてもよい。シール72mは、本明細書に考察される技術のいずれかによって形成される。それは、機械リング216aおよび216bによって形成される、機械シールを逸脱させるいかなる透析液からの損傷も軽減することに役立つ。また、機械100内のカセット10の配置における公差も考慮に入れる。
【0218】
ここで図27を参照すると、磁気駆動されたバランスチューブ260の一実施形態が図示される。バランスチューブは、親出願の図45に関連して考察される。親出願に考察されるように、ここで、バランスチューブ260は、バランスチャンバ250の可撓性膜74bと同様に機能する、分離器262を含む。図示の実施形態において、分離器262は、円筒形筐体264内を密着して移動するボールまたは球状の物体である。一対のキャップ266および268が、円筒形筐体264の両端部に提供される。キャップ266および268は、外側Oリング270を介して、円筒形チューブ264に密閉される。分離器またはボール262は、内側Oリング272を介して、キャップ266および268に密閉される。代替の実施形態において、キャップ266および268は、円筒形チューブ264に永久的に、または密閉してシールされる。ポート274および276は、キャップ266および268のそれぞれと一体に形成されるか、またはそれに取り付けられる。ポート274および276は、当業者に既知のいかなる機構を介して、係合するチューブに密閉される。
【0219】
分離器262は、カーボンまたは鉄等の強磁性体が含浸される。例えば、カーボンコアは、医療的に安全な材料製のシェルで被覆されることが可能である。電磁石254aおよび254bは、一実施形態において、キャップ266および268のそれぞれに埋め込まれ、分離器262の周囲に磁場を形成し、上部キャップ266または下部キャップ268に強磁性の分離器262を引くために、調節または分極されることができる。電磁石254aおよび254bはそれぞれ、リード256および258を介して、上記に記載されるコントローラ248に接続される。あるいは、電磁石254aおよび254bは、キャップ266および268の外側に位置し、代わりに、キャップ266および268、ならびにチューブ264の潜在的端部位置の周囲に巻かれる。ここで、磁石は、チューブ260内に位置せず、機械内に収納されることができる。
【0220】
電磁石254aを分極するために、コントローラ248により、電磁石254aに通じるリード256および258は、その電磁石に電力供給する。電磁石254bを分極するために、コントローラ248により、電磁石254bに通じるリード256および258は、その電磁石に電力供給する。電磁石254aが通電された場合、強磁性分離器262は、キャップ266に引かれる。電磁石254bが通電された場合、強磁性分離器262は、キャップ268に引かれる。ボール262の移動は、各ストロークにより、ポート274または276を通って、新鮮な/使用済みのまたは使用済みの/新鮮な流体を押し出し、引き入れる。このように、バランスチューブ260は、自己電力供給または自己駆動し、測定機能に加えて、ポンピング機能を提供する。別個のポンプは必要ない。上記に考察されるように、磁気的に含浸された分離器262は、その位置が、筐体264内で確定されることを可能にする。
【0221】
一実施形態において、光センサが、強磁性ボールまたは分離器262が、移動端部に適切に達したかどうか検出することができるように、円筒形チューブ264は、半透明または透明である。超音波または他の種類のセンサが、代わりに使用されてもよい。強磁性ボールまたは分離器262は、円筒264の内部内に密着して、だが滑らかに適合するようにサイズ決定される。新鮮および排出の流体の少量の混合は、システムの性能に実質的な影響を及ぼすことなく起こる場合がある。代替の実施形態において、円筒形ピストンタイプの分離器が提供される。いずれの場合においても、強磁性分離器262は、場合によっては、摺動または回転シールを強化するのに役立つ、摺動子または変形可能なフランジ等の、追加の密閉器具を有してもよい。
【0222】
バランスチューブ260は、プラスチックまたは他の好適な材料製であってもよい。一実施形態において、バランスチューブ260は、カセット10と一体に形成されるか、または配管を介してカセットに取り付けられてもよい、使い捨て製品である。射出成形キャップまたはアセンブリが使用される場合、Oリングおよび取り付け具は、必要ない場合がある。さらに、分離器の配設のための、超音波または光センサ等のセンサは、チューブ端部における密閉の必要性を排除する。
【0223】
ここで図28を参照すると、電磁的に制御される輸液ポンプ280が図示される。輸液ポンプ280は、カセット10b(図2)等のカセット10を使用する、機械100b(図2)等の透析機械100で動作することが示される。ポンプ280は、本明細書に考察される方法で、第2の電磁的に制御される輸液ポンプ280と位相がずれて動作することができる。
【0224】
機械100は、輸液ポンプ280の形状を画定する、部材114aおよび114bを形成する第1および第2のポンプチャンバを含む。カセット10の円形の可撓性膜部分が、部材114aおよび114bを形成するポンプチャンバにより画定される球状のチャンバと一直線になるように、カセット10は、機械100内に装填されるように構成される。図28に示される球状の形状は、好適な一形状であるが、台形または三角形の形状等の他の形状が、輸液ポンプ280に対して画定されることが可能である。また、弁座28qおよび28sは、示されるように、弁作動装置106と一直線になる。弁作動装置106は、図7に関連して上記に記載されるように動作し、作動装置本体内を前後に摺動する、プランジャ108を含む。
【0225】
ポンプ280は、第1および第2の可撓性シート74aおよび74bを使用する。シート74aおよび74bはそれぞれ、内側のカーボンまたは鉄の層等の強磁性体252を含浸される。電磁石254aおよび254bは、部材114aおよび114bのそれぞれを形成するポンプチャンバに埋め込まれ、シート74aおよび74bの周囲に磁場を形成し、上部および下部部材114aおよび114bに、強磁性シート74aおよび74bをそれぞれ別個に引くために、両方とも通電されることができる。あるいは、電磁石254aおよび254bのうちの1つのみが通電され、その電磁石に向かって、シート74aおよび74bの両方を引く。電磁石254aおよび254bはそれぞれ、上記に記載されるように、リード256および258を介してコントローラ248に接続される。あるいは、それらは、部材114aおよび114bの周囲の巻線の外側に位置することができる。
【0226】
初期状態(図28に示される)において、電磁石254bは電力供給され、部材114bを形成する下部チャンバの内表面に適合するために、第1および第2の可撓性シート74aおよび74bを引く。最初に、両方の弁作動装置106に正圧が印加され、弁座28qおよび28sを閉鎖する。この場合もやはり、弁作動装置106は、空気圧的、機械的に、電気的、および/または電磁的の任意の組み合わせで作動することができる。図28に見られるように、透析液または医療用流体(血液を含む)116は、弁座28qに対して加圧されるが、輸液ポンプ280の密閉されたチャンバに入ることは妨げられる。
【0227】
第2の状態において、電磁石254bは、弁座28sにおいて弁作動装置106に付与される正圧のように、電力供給され続ける。負圧が、弁座28qにおいて弁作動装置106に付与され、ストップ112へおよびストップ112に対してプランジャ108を引き、かつ保持し、流体116が、ポンプ流入経路66bから、輸液ポンプ280のチャンバに流入することを可能にする。例えば、重力による流体116の力は、第1の可撓性部材74aを、部材114aを形成する上部ポンプチャンバの内表面に対して押し付けさせるのに十分である場合がある。別の方法として、または付加的に、上部部材114aの内表面に対して第1の可撓性シート74aを引くために、電磁石254aは電力供給される。この動作は、流体116をポンプチャンバに引き入れる真空をもたらす。
【0228】
第3の状態において、弁座28qが閉じる一方で、弁座28sは開く。シート74bが、部材114bに対して引かれ続けるように、電磁石254bにおける電力は維持される。電力が電磁石254aから除去されることにより、電磁石254bは、部材114bにおいて、下部可撓性シート74bに対して上部可撓性シート74aを引き、次に、それにより、流体116が、輸液ポンプ280の少なくとも実質的に球状のチャンバから、ポンプ流出経路68bを通って、その望ましい目的位置に押し出される。ここで、弁座28sが閉じるとすぐに、ポンプ280が、上記に記載されるサイクルを繰り返すことができるように、第1および第2の膜74aおよび74bは、図28に示される初期状態にある。
【0229】
部材114aおよび114bのチャンバによって形成される体積が既知であるため、かつ可撓性シートが、チャンバの上部および下部表面に繰り返し移動するため、各ストロークで送り出される流体の体積は、既知であり繰り返し可能である。したがって、バランスチャンバ50または250等の別個の輸液制御器具は必要ない。送り出される流体の全体積は、ストローク数を乗じた各ストロークの体積に等しい。UFは、上記に考察される方法のうちの1つにより制御される。上記に考察されるように、磁気的に含浸されたシート74aおよび74bは、それらの位置が、部材11245および114bを形成するチャンバ内に確定されることを可能にする。
【0230】
異なる程度および種類の液体流のコンポーネントおよび機能性を有する、異なる可撓性シーティングカセットに対する、多くの実施形態が本明細書に記載されてきた。本明細書に参照される本願の親出願は、血液透析、血液濾過、および血液透析濾過システムの多くの異なる実施形態を含む。特に、デュアルダイアライザ、およびHHDに関連する拡散および対流浄化の両方をもたらす、ダイアライザ間の流量制限を使用する、多くの実施形態が示される。本明細書に記載される可撓性シーティングカセットは、(i)拡散および対流浄化を提供する、図1、4、および5の輸液ポンプによるHCHDFシステム、(ii)図6および7の輸液ポンプによるHFシステム、(iii)図8の代替の輸液ポンプによるHDFシステム、(iv)図9〜11の輸液ポンプによる再生システム、(v)図12および13の蠕動ポンプによるHDFおよびHFシステム、(vi)図14の並流フローシステム、図15および16の空気圧制御されたシステム、(vii)図17〜22の単一のバランスチャンバシステム、(viii)蛇行経路が、上記に記載される方法のいずれかにより、シートまたは層74a〜74uの間に形成される、図24および29の蛇行経路システム、(ix)図25および26のデュアルバランスチャンバシステム、(x)図30および31の重量測定システム、図32の強化された対流のHDFフィルタ、(xi)図38〜41の線形配管ポンプシステム、および(xii)図42および43の流体ヒータを含むがこれらに限定されない、親出願に記載されるシステムのそれぞれに使用されてもよい。
【0231】
本明細書に記載される好ましい本実施形態への種々の変更および修正が、当業者に明らかとなることを理解されたい。そのような変更および修正は、本主題の精神および範囲から逸脱することなく、かつその意図された利点を損なうことなく、行われることができる。したがって、そのような変更および修正が、添付の特許請求の範囲の適用範囲に入ることを目的とする。
【0232】
本発明を、以下のように請求する。
【技術分野】
【0001】
(関連出願の引用)
本出願は、米国特許出願第10/982,170号(2004年11月4日出願、名称「High Convection Home Hemodialysis/Hemofiltration And Sorbent System」)の優先権および一部係属出願としての利益を主張するものである。
【0002】
(発明の技術分野)
以下に考察される実施例は、概して、医療用流体送達に関する。特に、実施例は、腎不全治療システムにおける流量の制御のためのシステム、方法、および装置を開示する。
【背景技術】
【0003】
種々の原因により、人の腎臓系は機能しなくなる可能性がある。腎不全は、いくつかの生理学的障害を引き起こす。水分、ミネラル、および毎日の代謝負荷の排出のバランスがもはや可能ではなく、窒素代謝の毒性最終生成物(尿素、クレアチニン、尿酸等)は、血液および組織中に蓄積する可能性がある。
【0004】
腎不全および腎機能低下は、透析を用いて治療されてきた。透析は、そうでなければ正常に機能している腎臓から除去されたであろう、体からの排泄物、毒素、および過剰な水分を除去する。腎機能の代わりのための透析治療は、治療が命を救うことができるため、多くの人々にとって絶対不可欠である。
【0005】
血液透析および腹膜透析は、腎機能の喪失を治療するために一般的に使用される、2つの種類の透析治療である。血液透析(「HD」)治療は、患者から排泄物、毒素、および過剰な水分を除去するために、患者の血液を利用する。患者は、血液透析機械に接続され、患者の血液は、機械を通って送り出される。血液が、血液透析機械に流入出することができるように、カテーテルが、患者の動静脈に挿入される。血液は、機械のダイアライザを通過し、血液から排泄物、毒素、および過剰な水分を除去する。洗浄された血液は、患者に戻される。大量の透析液、例えば、約120リットルが、単回の血液透析治療の間、血液を透析するために消費される。血液透析治療は、数時間続き、概して、1週間当たり約3または4回、治療センターにおいて行われる。
【0006】
血液を伴う別の形態の腎不全治療は、血液濾過(「HF」)であり、患者の血液からの毒素の対流輸送に依存する、代替の腎不全治療である。この治療は、治療中、体外回路に置換液または補液を添加することにより達成される(典型的には、10〜90リットルのそのような流体)。該置換液および治療と治療の間に患者により蓄積される流体は、HF治療にわたり限外濾過され、中・大分子の老廃物の除去に特に有益である、対流輸送機構を提供する。
【0007】
血液透析濾過(「HDF」)は、対流および拡散浄化を組み合わせる、別の血液治療様式である。HDFは、標準血液透析と同様に、ダイアライザを通過するための透析液を使用し、拡散浄化を提供する。さらに、置換液が、体外回路に直接提供され、対流浄化を提供する。
【0008】
腹膜透析は、透析液とも呼ばれる透析用溶液を使用し、それは、カテーテルを介して患者の腹膜腔に注入される。透析液は、腹膜腔の腹膜に接触する。拡散および浸透により、すなわち、膜全体に浸透勾配が生じるため、排泄物、毒素、および過剰な水分は、患者の血流から、腹膜を通って、透析液へと移動する。使用済み透析液は、患者から排出され、患者から排泄物、毒素、および過剰な水分を除去する。このサイクルは、繰り返される。
【0009】
持続的携帯型腹膜透析(「CAPD」)、自動腹膜透析(「APD」)、タイダルフローAPD、および連続フロー腹膜透析(「CFPD」)を含む、種々の種類の腹膜透析治療がある。CAPDは、手動透析治療である。患者は、埋め込み型カテーテルを排出口に手動で接続し、使用済み透析液が腹膜腔から流出することを可能にする。次いで、患者は、カテーテルを新鮮透析液バッグに接続し、カテーテルを通って、患者に新鮮透析液を注入する。患者は、新鮮透析液バッグからカテーテルを切断し、透析液が腹膜腔内に滞留することを可能にし、排泄物、毒素、および過剰な水分の移動が行われる。滞留期間後、患者は、例えば1日当たり4回、手動透析手順を繰り返し、各治療は、約1時間は続く。手動腹膜透析は、患者から相当な時間および努力を必要とし、改善の余地は十分に残っている。
【0010】
自動腹膜透析(「APD」)は、透析治療が、排出、充填、および滞留サイクルを含むという点で、CAPDと同様である。しかしながら、APD機械は、典型的には患者が睡眠している間に、自動的にサイクルを実行する。APD機械により、患者は、手動で治療サイクルを実行し、日中に必需品を輸送する必要がなくなる。APD機械は、埋め込み型カテーテル、新鮮透析液源またはバッグ、および流体排出口に流体的に接続する。APD機械は、透析液源から、カテーテルを通って、患者の腹膜腔内へと新鮮透析液を送り出し、透析液が、空洞内に滞留することを可能にし、それにより、排泄物、毒素、および過剰な水分の移動が行われる。源は、複数の滅菌透析液バッグであることが可能である。
【0011】
APD機械は、腹膜腔から、カテーテルを通って、排出口へと使用済み透析液を送り出す。手動プロセスと同様に、いくつかの排出、充填、および滞留サイクルは、APD中に起こる。「最終充填」は、CAPDおよびAPDの終わりに起こり、次の治療まで患者の腹膜腔にとどまる。
【0012】
CAPDおよびAPDの両方は、使用済み透析用溶液を排出口に送るバッチタイプシステムである。タイダルフローシステムは、改良型バッチシステムである。タイダルフローでは、より長い時間にわたり患者から流体のすべてを除去する代わりに、より短い時間の後、流体の一部が除去および置換される。
【0013】
連続フローまたはCFPDシステムは、使用済み透析液を廃棄する代わりに、それを浄化または再生する。システムは、ループを通って患者の内外へ流体を送り出す。透析液は、一方のカテーテルルーメンを通って、もう一方のカテーテルルーメンの外に、腹膜腔へと流入する。患者から出る流体は、例えば、尿素をアンモニアに酵素的に変換するためにウレアーゼを用いる尿素除去カラムを介して、透析液から排泄物を除去する再構成装置を通過する。次いで、腹膜腔への透析液の再導入の前に、アンモニアは、吸着により透析液から除去される。アンモニアの除去を監視するために、追加のセンサが用いられる。CFPDシステムは、典型的には、バッチシステムよりも複雑である。
【0014】
上記に考察される腎不全治療システムのそれぞれにおいて、限外濾過を制御することが重要であり、水(電解質を有する)が、ダイアライザまたは腹膜等の膜全体に移動するプロセスである。例えば、HDにおける限外濾過は、ダイアライザ膜全体の血液と透析液との間の膜間および浸透圧差の結果である。所与の浸透圧に対して、膜間圧がより大きくなるほど、限外濾過もより急速になる。
【0015】
上記の透析システムの多くは、ポンピングカセットを用いる。ポンピングカセットは、典型的には、カセットの外と中にそれぞれ、透析用溶液を押す、および引くために機械的に移動する可撓性膜を含む。特定の既知のシステムは、カセットの片側に可撓性シーティングを含むが、他のシステムは、カセットの両側にシーティングを含む。ポンピングカセットを作動させるために、正圧および/または負圧が使用されることができる。
【0016】
ポンピングカセットは、多くの設計に関する問題を有する。例えば、ポンピングカセットに関する一問題は、漏れである。可撓性膜がピンホールまたは亀裂を経験する場合、流体および空気は、膜の片側からもう一方の側へ移動することができる。カセットの内側から機械の内部構造への流体の移動は、機械に損傷を与える可能性がある。機械からカセットへの空気の移動は、カセットにより画定される流体経路の滅菌性を低下させる可能性がある。
【0017】
カセットによるポンピングに関する別の問題は、カセットが機械に不適切に装填される場合に生じる。可撓性膜の一部は、対応する機械の一部、例えば、ポンプおよび弁作動装置と一致しなければならないため、適切な配置は重要である。不適切な装填は、カセット上にかけられる過度の機械的ストレスを引き起こす可能性があり、カセットおよび/または作動装置に潜在的に悪影響を与える。また、不適切なカセットの装填は、システムの性能を低下させるか、または妨げる可能性がある。
【0018】
特に、CFPDにおいて、さらなるジレンマは、複数の流体送達の調整である。流体を患者へと連続的に投与するカセットによる腹膜ポンピングシステムは、連続的に流動している透析用溶液ループから流体(限外濾過液)を抜き取り、連続的に流動している透析用溶液ループへと流体(濃縮物)を添加する必要がある。追加の流体は、典型的には、追加の専用ポンプを必要とし、カセットおよび透析機械をより大きく、かつよりうるさいものにする。また、複数のポンプの動作スケジュールも、システム実装者に対する課題を提示する。
【0019】
カセットによるポンピングに関連するさらに別の問題は、流体経路内の空気または他のガスの閉じ込めである。漏れている接続部、不適切なプライミング、欠陥のある配管、および欠陥のあるカセットを介して、空気がシステムに入る可能性がある。また、患者の治療は、システムに入る種々のガスを生成する。カセットによるポンプは、ガスではなく流体を送り出すように設計されている。さらに、患者から、および患者への流体の除去および送達は、監視および制御される必要がある。PDタイプシステムに関して、空気およびガスは、空気またはガスが流体経路内に存在しないと仮定する体積測定システムに異常をきたす。また、空気およびガスは、患者にとって不快であり、適切な排泄物除去を妨害する可能性がある。HDタイプシステムに関して、血流中の空気は、患者に有害である可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
費用、製造の容易さ、耐久性、および信頼性は、カセットによる透析システムに直面している、さらなる問題である。したがって、上記の問題を満たす、カセットによる透析システムのためのカセットの改善の必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本明細書に記載される実施例は、血液透析(「HD」)、血液濾過(「HF」)、血液透析濾過(「HDF」)、腹膜透析(持続的携帯型腹膜透析(「CAPD」)、自動腹膜透析(「APD」)、タイダルフローAPD、および連続フロー腹膜透析(「CFPD」)様式を含む(「PD」))等の、可撓性ポンピングカセットを用いる透析システムを開示する。また、システムは、任意の種類の持続的腎代替療法(「CRRT」)に使用されてもよい。以下の実施例は、例えば、HDまたはHDFに対してダイアライザ、例えば、HFに対して血液濾過器、または例えば、PDに対して患者の腹膜等の、拡散膜またはフィルタを含む。さらに、本明細書に記載されるシステムのそれぞれは、臨床または在宅の場に使用されてもよい。例えば、システムは、院内HD機械に用いられてもよく、終日実質的に連続的に作動する。あるいは、システムは、在宅PD機械に使用されてもよく、典型的には、患者が睡眠している間、夜に作動する。本明細書に記載される実施形態に特に好適な一療法は、在宅血液透析(「HHD」)、特に、高対流在宅血液透析(「HCHD」)である。
【0022】
以下の実施例は、透析液(補液)供給源を含み、それは、1つにまとめられ、次々に使用される透析液供給源の複数のバッグであることができる。さらに別の方法として、以下に示されるシステムのそれぞれは、透析液オンラインを形成するために、1つ以上の濃縮物を水と混合するように構成される、1つ以上の濃縮ポンプ等の、オンライン透析液源で使用されることができる。オンライン源は、例えば、院内HDシステムで一般的に使用される。システムが、透析液での使用に関して本明細書に記載される一方で、生理食塩水、ラクトリンゲル、薬剤および/または血液等の他の医療用流体を用いる、可撓性シーティングカセットおよび他の器具を使用することは、明示的に考慮される。
【0023】
種々の可撓性シーティングカセットが、本明細書に示され、記載される。可撓性シーティングカセットは、流体流路、流体加熱経路、蠕動ポンプ経路、輸液ポンピング領域、バランスチャンバ(適合流量平衡装置)、およびそれらの任意の組み合わせを形成するために、望ましい位置で溶接、熱融着、接着、化学的結合、折り畳み、あるいは共に形成される、多数の可撓性シートを使用する。異なるシートは、それらを共に貼り付ける前に、別々のシートとして形成されることができるか、または異なる層を形成するために、1回以上折り畳まれる単一のシートであることができる。シートは、典型的には、硬質プラスチックコンポーネントと硬質プラスチックコンポーネントに密閉される1つ以上の可撓性シートを含む、既知の医療用流体ポンピングカセットに対する経済的かつ容易に製造可能な代替物を提供する。
【0024】
しかしながら、いくつかのコンポーネントが、硬質プラスチック部材を使用し、他のコンポーネントが可撓性シートのみを使用するカセットを提供することは、明示的に考慮される。例えば、1つ以上の可撓性シートと組み合わせて硬質プラスチック部品を使用して、弁および特定の経路を形成し、可撓性シートのみを使用して、ポンプ部分、バランスチャンバ、および/または加熱流体経路を形成することは、有利である場合がある。以下に示される特定の実施形態は、配管ループ、例えば、蠕動ポンプローラと組み合わせて使用される配管ループと可撓性シートカセットを組み合わせる。また、流路、加熱経路、ポンプ部分、および体積制御部分が、可撓性シーティングを使用してそれぞれ形成されるが、取り扱いや装填等を容易にするために、剛性フレームを含むことは、明示的に考慮される。
【0025】
一実施形態において、流体経路、蠕動ポンプ部分、バランスチャンバ部分を提供するために必要に応じて、2つまたは3つのシーティング層を使用するカセットが示され、それらは、共に密閉され、1つ以上の供給バッグ、排出バッグ、および患者(本明細書で使用されるように、「患者」は、概して、患者の腹膜、ダイアライザ、血液濾過器、体外回路、およびそれらの任意の組み合わせを意味する)に接続するコネクタにより形成される。一実施例において、別個の流体加熱経路が提供され、別個のチューブを介して可撓性シーティングカセットに流体的に接続される。
【0026】
別の実施形態において、流体加熱経路は、輸液ポンプ部分等の透析液システムの他のコンポーネントを形成する、同一のシートを使用して形成される。輸液または膜ポンプ部分は、各ストロークで既知の体積の流体を送り出し、したがって、別個の適合流量平衡装置またはバランスチャンバの必要性を排除する。
【0027】
本明細書に記載される可撓性シーティングカセットのいずれも、1つ以上のポンプ部分を有することができる。例えば、可撓性シーティングカセットは、複数のバランスチャンバと組み合わせて、複数の蠕動ポンプ部分を形成することができ、「患者」および排出口それぞれに対する、少なくとも実質的に定常流の新鮮および使用済み透析液を生成するために動作する。他の実施例において、可撓性シーティングカセットは、複数の輸液または膜ポンプ部分を形成することができる。
【0028】
また、可撓性シーティング膜は、統合された、または離れた流体加熱経路のすぐ下流に有利に位置することができる、通気孔を組み込む。この構成により、加熱により生成される空気またはガスは、大気中に排出または放出されることができる。通気孔は、例えば、自動空気パージを可能にするために、垂直に配置または位置決定されたカセットの頂部に位置することができる。または、カセットは、機械に水平に取り付けられ、弁で動作することができ、それは、空気が検出されると開く。システムは、大気中だけでなく、ディスポの他の部分(溶液バッグまたは排出ライン)にガス/空気を排出/放出し得る。
【0029】
一実施形態において、可撓性シーティングカセットは、流体バッグ、患者、ダイアライザ、体外回路等に通じるチューブを接続するコネクタを含む。一実施形態において、コネクタは、剛性であることができ、可撓性シートのうちの2つの間に密閉される本体を含む。可撓性シートのうちの1つまたは両方は、熱成形された流路を有することができ、コネクタ本体から可撓性シーティングカセット内の望ましい目的位置に通じる閉鎖流路を形成するために、他の可撓性シートに密閉される。コネクタ本体の外端部は、ルアーまたはフェルール端部を含むことができ、可撓性シーティングカセットから走るチューブにしっかりと密閉されるように構成される。
【0030】
一実施形態において、可撓性シートのうちの1つは、入口および出口ポンプの経路に通じる、実質的に円形の熱成形された経路を含む。蠕動ポンプローラまたは作動装置は、可撓性シーティングカセットの一体型蠕動ポンプ部分を形成するために、実質的に円形の流体経路で動作する。上記に考察されるように、1つ以上のそのようなポンプ部分は、任意の単一のカセットにおいて提供されてもよい。そのような場合、2つの異なる蠕動ポンピング経路を駆動するために、単一のローラを使用するための2つの実施形態が、以下に記載される。一実施例において、可撓性シーティングカセットは、部材上に折り畳まれ、2つの内方に面する蠕動ポンプ部分を、単一の蠕動ポンプローラに動作可能に連結させる。第2の実施例において、蠕動ポンピング経路は、実質的に完全な円とは対照的に半円であり、半円形の流路の2つが、同一の蠕動ポンプローラで動作し、2つの異なる経路を通って2つの異なる流体を駆動する。
【0031】
また、複数の可撓性シートを使用して適合流量平衡装置またはバランスチャンバを形成するための複数の実施形態が、本明細書に開示される。一実施例において、3つのシートは、上部および下部バランスチャンバ区画、すなわち、上部シートと中間シートとの間に1つ、および中間シートと下部シートとの間にもう一方の区画を形成するために使用される。各区画は、そのような区画に通じる、およびそのような区画からの単一または複数の流体経路を有することができる。流体の区画への送り出しは、他の区画からの同量の流体を分配し、逆もまた同様である。一実施形態において、各区画は、それに接続される2つの経路を含み、一方の経路は、区画への流入経路であり、もう一方の経路は、区画からの流出経路である。他の実施例において、単一経路のみが、区画のそれぞれと連通し、それにより、流体が同一の単一経路を通って流動するために、各区画に出入りする。
【0032】
代替の実施形態において、2つの可撓性シートは、バランスチャンバを形成するために、剛性の、例えば、球状のプラスチックチャンバで形成される。ここで、1つの区画は、剛性チャンバと上部可撓性シートとの間に形成される。第2の区画は、2つの可撓性シートの間に形成される。剛性プレートまたは支持は、下部可撓性シートと当接し、それにより、上部可撓性シートは、下部区画が充填されている場合、移動するための方向を1つのみ有する。下部区画が充填されている場合、上部可撓性シートは、上部区画からの流体を分配するために、剛性チャンバの内壁に向かって上方に移動する。次いで、流体が、上部区画に充填され、下部区画からの流体を分配するために、下部シートに向かって上部シートを押し下げる。
【0033】
さらに別の代替のバランスチャンバの実施形態において、複数の可撓性シートは、バランスチャンバを形成するために、複数のバランスチャンバチューブで形成される。チューブは、流体入口および流体出口として機能し、それらは、別の方法として、可撓性シートのうちの1つまたは両方を熱成形することにより形成される。この場合もやはり、各バランスチャンバ区画は、単一の流体入口/出口または別々の流体入口/出口を形成するために、単一の入口/出口チューブまたは複数の専用の入口/出口チューブを含むことができる。
【0034】
バランスチャンバは、概して、蠕動ポンプ等のポンプで動作すると本明細書に記載される。以下に記載される代替の実施形態において、バランスチャンバは、磁場内に配置される。したがって、チャンバ内で前後に駆動されるバランスチャンバの膜(例えば、内膜)は、強磁性体をドープされるか、あるいは強磁性体に連結される。例えば、炭素薄層は、空気挿入用の医療グレード材料の外側可撓性層の間に挟まれることができる。磁場は、含浸膜を動かすように調節または分極される。透析ユニット内のコントローラは、チャンバの片側、次いで、もう一方の側に磁気内膜を引きつけ、各半ストロークで流体を取り除き、吸引するために、バランスチャンバの両側に位置する電磁石に連続して電力供給する。このように、バランスチャンバ(またはデュアルバランスチャンバ)は、別個のポンプにより駆動されるのとは対照的に、動力源を備えており、第2のポンプの必要性を排除する。以下に記載されるように、バランスチャンバシステムは、限外濾過(「UF」)メータを使用する場合があり、それは、典型的には、パッシブまたは非自己駆動でもある。また、UFメータは、本明細書に記載されるように、磁気駆動されることもできる。交互に、磁気駆動されたバランスチャンバのうちの1つが、UFメータを駆動する。以下にさらに考察されるように、輸液ポンプも、磁気駆動されるように修正されてもよい。
【0035】
以下に示されるように、カセットが装填される機械により画定される、2つの可撓性シートならびに上部および下部チャンバを使用して、統合された輸液または膜ポンプは形成されることができる。機械は、流体を吸引するか、または押し出すために必要に応じて、チャンバ壁に向かってシートを引くために別々のシートのそれぞれに真空を引き、かつ反対側のチャンバ壁に向かってシートを押すために正圧を提供する用に構成される。流体流入経路および流体流出経路は、可撓性シート間の空間と流体的に連通する。
【0036】
流体が、1つのステップにおいて輸液ポンプチャンバに引き入れられ、第2のステップにおいて輸液ポンプチャンバから押し出されることを可能にするために、流入および流出経路は弁で調節される。以下に示されるように、流体を輸液ポンプチャンバに引き入れるために、正圧が除去され、負圧が可撓性シートのうちの1つの外表面に印加され、それをもう一方の可撓性シート(チャンバのもう一方の側からの負圧下にある)から、その真空源に向かって押すことにより、シート間のポンピングチャンバが開き、真空を生成し、それにより、流体をチャンバに引き入れる。次いで、正圧がシートのうちの1つに印加され、可撓性膜を押して閉じ、流体をポンプ流出経路から押し出す。
【0037】
統合された流体加熱経路を形成するための複数の実施形態が、本明細書に考察される。経路は、第2のシートに接着される一方のシート内の熱成形された経路であることができる。別の実施形態において、3つのシートが使用され、上部および下部経路が、平坦な中間シートで形成される。本明細書に記載される実施形態のいずれにおいても、中間シートは、流体が、例えば、上部流体加熱経路から下部流体加熱経路に移動することを可能にするために、1つ以上の開口を含む。または、バランスチャンバに関して、中間可撓性膜内の開口は、一方(上部または下部)の区画を出る流体が、単一流路内の他の区画を出る流体と混合されることを可能にする。
【0038】
3つの当接したシートのうちの2つの間にシールを選択的に形成するため、および3つのシートを共に密閉するための種々の実施形態が、本明細書に記載される。例えば、1つ以上の外側シートが、選択的にそれに接着および密閉されることを可能にするために、硬化性接着パターンが、中間シートの1つ以上の側に提供されることができる。あるいは、ダイにより生成される熱が、3つのシートのうちの2つのみを共に密閉するか、または3つのシートすべてを共に密閉するように設定されるように、加熱ダイにより提供されるエネルギーは変化することができる。
【0039】
上記に考察されるように、可撓性シーティングカセットのいずれも、例えば、流路、弁座、剛性バランスチャンバ部分等を含むことができる、剛性コンポーネントを含むことができる。以下に示されるように、該剛性部は、カセットの残りのコンポーネントを形成する全可撓性部と連通するように作製されることができる。
【0040】
上記に考察されるように、蠕動ポンプ部分は、別の方法として、ヒータ流路、バランスチャンバ部分、ならびに関連する流路および弁座を含むことができる可撓性シーティングカセットに、流体的に接続されるチューブであることができる。
【0041】
一実施形態において、第2の血液カセットが提供される、HD、HF、またはHDFシステムの透析液部に、1つの可撓性シーティングカセットが提供される。両方のカセットは、一実施形態において同一の機械に装填される。あるいは、HD、HF、またはHDFシステムの血液および透析液部は、同一のカセットにおいて形成されることができる。
【0042】
したがって、改善された透析システムを提供することが、本開示の利点である。
【0043】
改善された透析カセットを提供することが、本開示の別の利点である。
【0044】
改善された在宅透析治療を提供することが、本開示のさらなる利点である。
【0045】
蠕動ポンプ部分を複数の可撓性シートから形成されるカセットに組み込むことが、本開示のさらに別の利点である。
【0046】
膜または輸液ポンプ部分を複数の可撓性シートから形成されるカセットに組み込むことが、本開示のさらなる利点である。
【0047】
2つまたは3つの当接した可撓性膜内に流体経路を形成するための複数の方法を提供することが、本開示のさらなる利点である。
【0048】
バランスチャンバ部分を複数の可撓性シートから形成されるカセットに組み込むことが、本開示のさらに別の利点である。
【0049】
比較的低コスト9の可撓性シーティングカセットを提供することが、本開示のさらなる利点である。
【0050】
さらに、例えば、3つの当接したシートのうちの2つ、または3つの当接したシートのうちの3つを選択的に密閉するための方法を提供することが、本開示の利点である。
【0051】
さらに、磁気駆動された輸液バランシングまたはポンピング装置を提供することが、本開示の利点である。
例えば、本発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
透析液供給源と、
少なくとも1つの弁作動装置と、
少なくとも1つのポンプ作動装置と、
(i)該透析液供給源と流体連通して設置され、かつ、該少なくとも1つの弁作動装置で動作するように構成される、少なくとも1つの流路と、(ii)該少なくとも1つのポンプ作動装置で動作するように構成される、少なくとも1つのポンプ部分とを形成するように、共に密閉される第1および第2の可撓性シートとを含む、使い捨てユニットと
を備える、腎不全治療システム。
(項目2)
前記透析液供給源は、新鮮な透析液の容器およびオンライン透析液生成システムのうちの少なくとも1つを含む、項目1に記載の腎不全治療システム。
(項目3)
前記ポンプ作動装置は、蠕動ポンプおよび膜ポンプから成る群から選択される種類のものである、項目1に記載の腎不全治療システム。
(項目4)
ヒータを含み、前記可撓性シートは、(i)該ヒータと動作可能に連通して配置されるように構成される、加熱経路、または(ii)該ヒータと動作可能に連通して配置される加温バッグと流体連通するように構成される、前記少なくとも1つの流路を形成するように共に密閉される、項目1に記載の腎不全治療システム。
(項目5)
前記少なくとも1つの流路は、前記第1および第2の可撓性シートの間に密閉される、少なくとも1つのポートと連通しており、該ポートは、外部の透析液導管との流体連通を可能にする、項目1に記載の腎不全治療システム。
(項目6)
前記ポンプ部分は、蠕動ポンプ作動装置の少なくとも1つのローラヘッドで動作するように構成される、少なくとも実質的に円形の流体経路を含む、項目1に記載の腎不全治療システム。
(項目7)
前記ポンプ部分は、前記第1および第2のシートが、ダイアフラムポンプ作動装置の空洞へと外側に開くことができるように構成される、項目1に記載の腎不全治療システム。
(項目8)
前記流路は、少なくとも1つの弁座を画定し、該少なくとも1つの弁座は、前記少なくとも1つの弁作動装置で動作するように構成される、項目1に記載の腎不全治療システム。
(項目9)
少なくとも1つのセンサを含み、前記第1および第2のシートは、該少なくとも1つのセンサで動作するように構成される少なくとも1つの感知領域を形成するようにさらに協働する、項目1に記載の腎不全治療システム。
(項目10)
前記少なくとも1つの流路は、負の動作圧を受けると、その形状を少なくとも実質的に維持するように構成される、項目1に記載の腎不全治療システム。
(項目11)
前記少なくとも1つの流路は、前記第1および第2のシートを共に密閉する前に、該第1および第2のシートのうちの少なくとも1つに該流路を熱成形することを介して構成される、項目1に記載の腎不全治療システム。
(項目12)
前記第1および第2のシートは、(i)熱シール、(ii)超音波シール、(iii)高周波シール、(iv)溶剤結合、および(v)機械的締め付けから成る群から選択される、少なくとも1つのプロセスを介して共に密閉される、項目1に記載の腎不全治療システム。
(項目13)
前記第1および第2のシートは、血流経路を形成するように密閉される、項目1に記載の腎不全治療システム。
(項目14)
前記第1および第2のシートは、(i)少なくとも1つの透析液供給源の流入経路と、(ii)ポンプへの経路と、(iii)ポンプからの経路と、(iv)少なくとも1つのヒータ経路と、(v)少なくとも1つの患者経路を形成するように密閉される、項目1に記載の腎不全治療システム。
(項目15)
前記使い捨てユニットは、第3のシートを含み、前記3つのシートは、少なくとも1つのバランスチャンバ部分を形成するように密閉される、項目1に記載の腎不全治療システム。
(項目16)
前記バランスチャンバ部分の区画は、前記使い捨てユニットの前記ポンプ部分と流体連通している、項目15に記載の腎不全治療システム。
(項目17)
前記使い捨てユニットは、前記第1および第2のシートと動作可能に連通している、マニホールドまたはフレームを含む、項目15に記載の腎不全治療システム。
(項目18)
透析液供給源と、
少なくとも1つの弁作動装置と、
少なくとも1つのポンプ作動装置と、
(i)該透析液供給源と流体連通して設置され、かつ、該少なくとも1つの弁作動装置で動作するように構成される少なくとも1つの流路と、(ii)該少なくとも1つのポンプ作動装置で動作するように構成される少なくとも1つのポンプ部分とを形成するように、共に密閉される、第1、第2、および第3の可撓性シートとを含む、使い捨てユニットと
を備える、腎不全治療システム。
(項目19)
前記ポンプは、蠕動ポンプおよび膜ポンプから成る群から選択される種類である、項目18に記載の腎不全治療システム。
(項目20)
ヒータを含み、前記可撓性シートは、(i)該ヒータと動作可能に連通して配置されるように構成される加熱経路、または(ii)該ヒータと動作可能に連通して配置される加温バッグと流体連通するように構成される前記少なくとも1つの流路を形成するように、共に密閉される、項目18に記載の腎不全治療システム。
(項目21)
前記少なくとも1つの流路は、前記第1および第2の可撓性シートの間に密閉される、少なくとも1つのポートと連通しており、該ポートは、返りの透析液導管との流体連通を可能にする、項目18に記載の腎不全治療システム。
(項目22)
前記流路は、少なくとも1つの弁座を含み、前記少なくとも1つの弁座は、前記少なくとも1つの弁作動装置で動作するように構成される、項目18に記載の腎不全治療システム。
(項目23)
少なくとも1つのセンサを含み、前記第1、第2、および第3のシートは、前記少なくとも1つのセンサで動作するように構成される、少なくとも1つの感知領域を形成するようにさらに協働する、項目18に記載の腎不全治療システム。
(項目24)
前記3つのシートのうちの少なくとも2つは、血流経路を形成するように密閉される、項目18に記載の腎不全治療システム。
(項目25)
前記第1、第2、および第3のシートは、少なくとも1つのバランスチャンバ部分を形成するように密閉され、該第1および第3のシートは、第1および第2のバランスチャンバ壁に向かって外側に引かれるように構成され、該第2のシートは、該第1および第3のシートの間に維持され、かつ、該引き離された第1および第3のシートに向かって、前後に押されるように構成される、項目18に記載の腎不全治療システム。
(項目26)
前記ポンプ作動装置と弁作動装置とを収納する筺体を含み、該筺体は、前記第1および第2のチャンバ壁を含む、項目25に記載の腎不全治療システム。
(項目27)
前記第1および第2のシートは、該第1および第2のシートの間に形成される第1の区画と流体連通している、少なくとも1つの流入経路と少なくとも1つの流出経路とを画定するように密閉される、項目25に記載の腎不全治療システム。
(項目28)
前記第2および第3のシートは、該第2および第3のシートの間に形成される第2の区画と流体連通している、少なくとも1つの流入経路と少なくとも1つの流出経路とを画定するように密閉される、項目27に記載の腎不全治療システム。
(項目29)
前記少なくとも1つの流入経路および前記少なくとも1つの流出経路に動作可能に連結される、少なくとも1つの弁作動装置を含む、項目27に記載の腎不全治療システム。
(項目30)
前記使い捨てユニットの前記ポンプ部分は、該使い捨てユニットの前記バランスチャンバ部分と流体連通している、項目25に記載の腎不全治療システム。
(項目31)
前記第2のシートは、前記第1および第3のシートの間に位置し、前記少なくとも1つの流体路は、該第1および第2のシートの間に形成される第1の部分と、該第2および第3のシートの間に形成される第2の部分とを有し、該第2のシートは、該少なくとも1つの流路の該第1および第2の部分の間の流体連通を可能にする開口を画定する、項目18に記載の腎不全治療システム。
(項目32)
前記第1、第2、および第3のシートは、(i)熱シール、(ii)超音波シール、(iii)高周波シール、(iv)溶剤結合、(v)接着結合、および(vi)機械的締め付けから成る群から選択される、少なくとも1つのプロセスを介して共に密閉される、項目18に記載の腎不全治療システム。
(項目33)
前記第1、第2、および第3のシートの少なくとも一部は、該第1、第2、および第3のシートのうちの1つに提供される接着剤を活性化することによって共に密閉される、項目18に記載の腎不全治療システム。
(項目34)
前記第2のシートは、前記第1および第3のシートの間に位置し、前記活性化された接着剤は、該第1および第2のシートの間の前記流路の第1の部分と、該第2および第3のシートの間の該流路の第2の部分とを形成し、該第3のシートは、該第1および第2の部分の間の流体連通を可能にする開口を画定する、項目33に記載の腎不全治療システム。
(項目35)
前記第2のシートは、前記第1および第3のシートの間に位置し、該第1のシートは、該第2のシートが、そのような密閉を達成するために利用される密閉プロセス中に使用されるエネルギー量を制御することを介して、該第3のシートに対応して密閉されることなく、該第2のシートに密閉される、項目25に記載の腎不全治療システム。
(項目36)
前記第1、第2、および第3のシートは、前記使い捨てユニットの第1の部分を形成し、該第1および第2のシートは、該使い捨てユニットの第2の部分のみを形成する、項目35に記載の腎不全治療システム。
(項目37)
3つのシートすべての間の少なくとも1つのシールは、機械的締め付けを介して形成され、該シートのうちの2つの間の少なくとも1つのシールは、別の方法を使用して形成される、項目35に記載の腎不全治療システム。
(項目38)
透析液供給源と、
少なくとも1つの弁作動装置と、
少なくとも1つのポンプ作動装置と、
(i)該透析液供給源と流体連通して設置され、かつ、該少なくとも1つの弁作動装置で動作するように構成される少なくとも1つの流路と、(ii)該少なくとも1つのポンプ作動装置で動作するように構成される少なくとも1つのポンプ部分とを形成するように、共に密閉される剛性部材と、第1および第2の可撓性シートとを含む、使い捨てユニットと
を備える、腎不全治療システム。
(項目39)
ヒータを含み、前記可撓性シートおよび剛性部材は、(i)該ヒータと動作可能に連通して配置されるように構成される、加熱経路、または(ii)該ヒータと動作可能に連通して配置される加温バッグと流体連通するように構成される、前記少なくとも1つの流路、を形成するように共に密閉される、項目38に記載の腎不全治療システム。
(項目40)
前記使い捨てユニットは、透析液ユニットであり、かつ、別個の使い捨て血液ユニットを含む、項目38に記載の腎不全治療システム。
(項目41)
前記剛性部材は、前記少なくとも1つの流路を画定し、前記第1および第2のシートは、前記ポンプ部分を形成する、項目38に記載の腎不全治療システム。
(項目42)
前記可撓性シートは、流体の加熱経路をさらに形成する、項目41に記載の腎不全治療システム。
(項目43)
前記使い捨てユニットは、前記少なくとも1つのポンプ部分と流体連通している、少なくとも1つのバランスチャンバ部分を含む、項目38に記載の腎不全治療システム。
(項目44)
前記バランスチャンバ部分は、前記剛性部材と前記第1および第2のシートとを使用して形成される、項目43に記載の腎不全治療システム。
(項目45)
前記バランスチャンバ部分を前記ポンプ部分に接続する、少なくとも1つのチューブを含む、項目43に記載の腎不全治療システム。
(項目46)
体外回路と、
少なくとも1つの弁作動装置と、
少なくとも1つのポンプ作動装置と、
(i)該体外回路と流体連通して設置され、かつ、該少なくとも1つの弁作動装置で動作するように構成される少なくとも1つの流路と、(ii)該少なくとも1つのポンプ作動装置で動作するように構成される少なくとも1つのポンプ部分とを形成するように、共に密閉される第1および第2の可撓性シートを含む、使い捨てユニットと
を備える、腎不全治療システム。
(項目47)
前記ポンプ部分は、蠕動ポンプ作動装置の少なくとも1つのローラヘッドで動作するように構成される、少なくとも実質的に円形の流体経路を含む、項目46に記載の腎不全治療システム。
(項目48)
前記第1および第2のシートは、(i)少なくとも1つの血液流入経路と、(ii)ポンプへの経路と、(iii)ポンプからの経路と、(iv)少なくとも1つのヒータ経路と、(v)少なくとも1つの患者経路とを形成するように密閉される、項目46に記載の腎不全治療システム。
(項目49)
前記使い捨てユニットは、第3のシートを含み、前記3つのシートは、少なくとも1つのバランスチャンバ部分を形成するように密閉される、項目46に記載の腎不全治療システム。
(項目50)
前記使い捨てユニットは、前記第1および第2のシートと動作可能に連通している、マニホールドまたはフレームを含む、項目46に記載の腎不全治療システム。
(項目51)
透析液供給源と、
少なくとも1つの弁作動装置と、
少なくとも1つの電磁バランスチャンバ作動装置と、
(i)該透析液供給源と流体連通して設置され、かつ、該少なくとも1つの弁作動装置で動作するように構成される少なくとも1つの流路と、(ii)該少なくとも1つの電磁的に作動したバランスチャンバ作動装置で動作するように構成される、少なくとも1つのバランスチャンバ部分とを形成するように、共に密閉される第1、第2、および第3の可撓性シートを含む、使い捨てユニットと
を備える、腎不全治療システム。
(項目52)
前記シートのうちの少なくとも1つは、強磁性体を含む、項目51に記載の腎不全治療システム。
(項目53)
前記バランスチャンバ作動装置は、前記膜のうちの少なくとも1つを動かすように選択的に電力供給される、第1および第2の電磁石を含む、項目51に記載の腎不全治療システム。
【0052】
本開示のさらなる特徴および利点は、以下の発明を実施するための最良の形態および図面から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】図1は、蠕動ポンピング部と、単一のバランシングチャンバ輸液制御部と、外部ヒータバッグとを有する可撓性シーティングカセットを用いる、カセットによる透析システムの一実施形態の概略図である。
【図2】図2は、輸液または膜ポンプ部分とインライン加熱部とを有する可撓性シーティングカセットを用いる、カセットによる透析システムの一実施形態の概略図である。
【図3】図3は、デュアル蠕動ポンプ部分と、デュアルバランシングチャンバ部と、外部ヒータバッグとを有する可撓性シーティングカセットを用いる、カセットによる透析システムの一実施形態の概略図である。
【図4】図4は、図1に示される詳細IVの断面斜視図であり、可撓性シーティングカセットの入口/出口コネクタ部の一実施形態を明示する。
【図5】図5は、図1に示される詳細Vの断面斜視図であり、可撓性シーティングカセットのための蠕動部の一実施形態を明示する。
【図6】図6は、図1に示される詳細VIの断面斜視図であり、可撓性シーティングカセットのためのバランシングチャンバ部の一実施形態を明示する。
【図7】図7は、図6の線VII―VIIに沿った断面立面図であり、透析機械で動作している可撓性シーティングカセットのバランシングチャンバ部を図示する。
【図8】図8は、図6の線VIII―VIIIに沿った断面図であり、図6に示される可撓性シーティングカセットのバランシングチャンバ部に通じる、上部および下部流体経路を示す。
【図9A】図9A〜9Cは、図2に示される詳細IXの断面立面図であり、可撓性シーティングカセットを使用して動作している輸液ポンピングのためのポンプサイクルの異なる弁の状態を図示する。
【図9B】図9A〜9Cは、図2に示される詳細IXの断面立面図であり、可撓性シーティングカセットを使用して動作している輸液ポンピングのためのポンプサイクルの異なる弁の状態を図示する。
【図9C】図9A〜9Cは、図2に示される詳細IXの断面立面図であり、可撓性シーティングカセットを使用して動作している輸液ポンピングのためのポンプサイクルの異なる弁の状態を図示する。
【図10A】図10Aは、図2に示される詳細Xの断面斜視図であり、可撓性シーティングカセットのインラインヒータ部の一実施形態を明示する。
【図10B】図10Bは、透析液ヒータで動作しているバイレベルインラインヒータ部の断面立面図である。
【図11】図11は、図2に示される詳細XIの斜視図であり、可撓性シーティングカセットのためのインライン空気通気孔部の一実施形態を図示する。
【図12A】図12Aは、可撓性シーティングカセットの2つの異なる流路を通って流体を駆動するように、単一の蠕動ポンプ作動装置を構成するための一実施形態を図示する断面立面図である。
【図12B】図12Bは、可撓性シーティングカセットの2つの異なる流路を通って流体を駆動するように、単一の蠕動ポンプ作動装置を構成するための別の実施形態を図示する立面図である。
【図13】図13は、圧力(または他のパラメータ)センサと組み合わせて圧力(または他のパラメータ)感知領域を用いる、可撓性シーティングカセットの一実施形態を図示する断面斜視図である。
【図14】図14は、3つの可撓性シートを共に選択的に密閉するための一方法および得られた器具を示す、可撓性シーティングカセットの断面斜視図である。
【図15】図15は、3つの可撓性シートを共に選択的に密閉するための第2の方法および得られた器具を示す、一実施例の可撓性シーティングカセットの斜視図である。
【図16】図16は、3つの可撓性シートを共に選択的に密閉するための第3の方法を図示する、可撓性シーティングカセットの一部の立面図である。
【図17】図17は、可撓性シートを形成する経路を剛性カセット部と組み合わせる、カセット全体の一実施形態の斜視図である。
【図18】図18は、対応する弁作動と、ポンプ作動と、ヒータとで、可撓性シーティング部と剛性部とを有するカセットを構成するための一実施形態を図示する。
【図19A】図19Aおよび19Bは、剛性プラスチックドーム型コンポーネントと組み合わせて2つの可撓性シートを使用する、バランシングチャンバの別の実施形態を示す断面立面図である。
【図19B】図19Aおよび19Bは、剛性プラスチックドーム型コンポーネントと組み合わせて2つの可撓性シートを使用する、バランシングチャンバの別の実施形態を示す断面立面図である。
【図20A】図20A〜20Dは、複数の可撓性シートにより形成されるバランスチャンバ部分の、さらなる代替の実施形態の製造の種々の段階における斜視図である。
【図20B】図20A〜20Dは、複数の可撓性シートにより形成されるバランスチャンバ部分の、さらなる代替の実施形態の製造の種々の段階における斜視図である。
【図20C】図20A〜20Dは、複数の可撓性シートにより形成されるバランスチャンバ部分の、さらなる代替の実施形態の製造の種々の段階における斜視図である。
【図20D】図20A〜20Dは、複数の可撓性シートにより形成されるバランスチャンバ部分の、さらなる代替の実施形態の製造の種々の段階における斜視図である。
【図21A】図21A〜21Gは、別個の血液サイドカセットと組み合わせて可撓性シーティング透析液カセットを用いる、一システムの種々の図である。
【図21B】図21A〜21Gは、別個の血液サイドカセットと組み合わせて可撓性シーティング透析液カセットを用いる、一システムの種々の図である。
【図21C】図21A〜21Gは、別個の血液サイドカセットと組み合わせて可撓性シーティング透析液カセットを用いる、一システムの種々の図である。
【図21D】図21A〜21Gは、別個の血液サイドカセットと組み合わせて可撓性シーティング透析液カセットを用いる、一システムの種々の図である。
【図21E】図21A〜21Gは、別個の血液サイドカセットと組み合わせて可撓性シーティング透析液カセットを用いる、一システムの種々の図である。
【図21F】図21A〜21Gは、別個の血液サイドカセットと組み合わせて可撓性シーティング透析液カセットを用いる、一システムの種々の図である。
【図21G】図21A〜21Gは、別個の血液サイドカセットと組み合わせて可撓性シーティング透析液カセットを用いる、一システムの種々の図である。
【図22A】図22A〜22Dは、別個の血液サイドカセットと組み合わせて可撓性シーティング透析液カセットを用いる、さらなる代替のシステムの斜視図である。
【図22B】図22A〜22Dは、別個の血液サイドカセットと組み合わせて可撓性シーティング透析液カセットを用いる、さらなる代替のシステムの斜視図である。
【図22C】図22A〜22Dは、別個の血液サイドカセットと組み合わせて可撓性シーティング透析液カセットを用いる、さらなる代替のシステムの斜視図である。
【図22D】図22A〜22Dは、別個の血液サイドカセットと組み合わせて可撓性シーティング透析液カセットを用いる、さらなる代替のシステムの斜視図である。
【図23】図23は、重量体積制御方法を用いるシステムでの使用のための、さらに別の代替の医療用流体カセットの斜視図である。
【図24A】図24Aおよび24Bは、機械が、ポンプ、流動、および流体加熱経路を圧縮形成する締め付け部材を含む、代替の可撓性シーティングカセットシステムの斜視図である。
【図24B】図24Aおよび24Bは、機械が、ポンプ、流動、および流体加熱経路を圧縮形成する締め付け部材を含む、代替の可撓性シーティングカセットシステムの斜視図である。
【図25A】図25Aは、圧縮締め付けにより形成される流体加熱経路と、圧縮された流体加熱経路で動作可能な流体ヒータとの概略図である。
【図25B】図25Bは、機械的圧縮により形成される流体加熱経路を備える別個のヒータバッグと、ヒータバッグのための別個のヒータとの斜視図である。
【図26A】図26Aおよび26Bは、機械的締め付けにより形成される使い捨てカセットのバランスチャンバ部分を示し、またバランスチャンバを駆動するために使用される磁場も図示する。
【図26B】図26Aおよび26Bは、機械的締め付けにより形成される使い捨てカセットのバランスチャンバ部分を示し、またバランスチャンバを駆動するために使用される磁場も図示する。
【図27】図27は、磁場により駆動されるバランシングチューブまたはバランシングピストンを図示する。
【図28】図28は、磁場により駆動される輸液ポンプを図示する。
【発明を実施するための形態】
【0054】
本明細書に記載される実施例は、使い捨て流体ポンピングカセットを必要とする、任意の医療用流体(透析液、置換液、および血液等)治療システムに適用できる。システムは、(「HHD」)を含むすべての形態の血液透析(「HD」)、血液濾過(「HF」)、血液透析濾過(「HDF」)、腹膜透析(持続的携帯型腹膜透析(「CAPD」)、自動腹膜透析(「APD」)、タイダルフローAPD、および連続フロー腹膜透析(「CFPD」)様式を含む「PD」)等の、腎不全治療の制御に特によく適している。また、システムは、任意の種類の持続的腎代替療法(「CRRT」)に使用されてもよい。
【0055】
以下の実施例は、例えば、HDまたはHDFに対してダイアライザ、例えば、HFに対して血液濾過器、または例えば、PDに対して腹膜等の、拡散膜またはフィルタを含む。特定の実施例は、例えば、バッチタイプCAPDまたはAPDに対して単一の患者入口および出口を備えるカセットを示す。CAPDおよびAPDにおける透析液は、典型的には、患者に送達され、一定期間滞留することが可能であり、次いで、患者から送り出され、排出口に廃棄される。次いで、それらのサイクルは何回も繰り返される。例えば、透析液が、患者へおよび患者からの同一の単一のラインおよび接続部を介して、異なった時間に送達および除去されることができるように、患者へおよび患者からのラインは、共にT字型に接続され、適切に弁で調節される。
【0056】
他のシステムは、例えば、HD、HDF、またはHFで使用されるダイアライザまたは血液濾過器のための、透析液入口および透析液出口を含む。また、システムはそれぞれ、場合によって単一またはデュアルカテーテルでの使用のために修正されてもよい。CFPDは、典型的には、デュアルルーメンカテーテルを使用し、したがって、別々の入口および出口も必要とする。
【0057】
さらに、本明細書に記載されるカセットによるシステムのそれぞれは、臨床または在宅の場に使用されてもよい。例えば、システムは、院内HD機械に用いられてもよく、終日実質的に連続的に作動する。あるいは、システムは、在宅PD機械に使用されてもよく、典型的には、患者が睡眠している間、夜に作動する。また、在宅血液透析(「HHD」)(高対流在宅血液透析(「HCHD」)を含む)機械も、本明細書に記載される実施形態での使用のための、好ましい一種類の治療機械である。
【0058】
以下の実施例は、便宜上、複数の流体バッグとして示される、透析液(または補液)供給源を含む。あるいは、透析液供給源の単一バッグが使用される。さらに別の方法として、以下に示されるシステムのそれぞれは、透析液オンラインを形成するために1つ以上の濃縮物を水と混合するように構成される、1つ以上の濃縮ポンプ等のオンライン透析液または補液源で使用されることができる。例えば、オンライン源は、HDシステムで一般的に使用される。
【0059】
本明細書に示されるシステムのそれぞれは、透析液または補液を望ましい温度に加熱するヒータで動作する。ヒータは、新鮮供給ポンプの上流または下流に位置するインラインヒータであることができる。あるいは、システムは、バッチタイプヒータおよび/またはポンプの上流に位置するヒータで動作する。
【0060】
また、システムは、インライン空気除去装置(例えば、疎水性通気孔)を備えるカセットを含む。あるいは、空気トラップ等のバッチタイプ空気除去装置が使用される。空気除去装置は、加熱により溶液から出た空気を捕捉するために、加熱経路に、または加熱経路近傍に位置することができる。
【0061】
本明細書に示されるフロー図は、腎不全機械の透析液または補液部に主に関係する。また、HD、HF、およびHDF機械は、血液ポンピングシステムを含む。血液カセットの種々の実施例もまた、以下に考察される。
【0062】
また、HD、HF、およびHDFは、同様に既知であり、ここで説明される必要のない、上述の透析液分配システムを含む。本願の出願人に譲渡された、米国特許第5,247,434号(「’434特許」)は、その内容全体が、参照することにより本明細書に明示的に組み込まれるが、好適な分配システムの一実施例を記載する。
【0063】
ここで図面、特に図1を参照すると、可撓性シーティングカセット10aを用いるシステムの一実施形態が、システム10により図示される。システム100aは、それが、輸液バランシング装置またはバランスチャンバと組み合わせて蠕動ポンプ30を用いるため、一側面において有利である。ポンプハードウェアが、流体と接触せず、したがって流体を汚染しないため、ポンプ30等の蠕動ポンプは、典型的には、無菌または滅菌流体を送り出すために使用される。透析液/補液と接触するポンプの唯一の部分は、蠕動ポンピング経路またはチューブ部分であり、治療前に滅菌される。また、蠕動ポンプは、透析液/補液と接触する可動部を含まないため、ポンプは比較的安価である。また、蠕動ポンプは、他の種類のポンプで使用される弁、シール、およびグランドを有さず、ポンプ30を、例えば、比較的安価で容易に維持できるものにする。
【0064】
システム100aの輸液バランシングは、一実施形態において、実質的に等体積の第1および第2のチャンバを使用する。各チャンバは、2つの区画を含み、一方は、「ダイアライザ前」区画と呼ばれ、他方は、「ダイアライザ後」区画と呼ばれる。チャンバの各反対側の「前」および「後」区画は、可撓性ダイヤフラムにより分離される。ソレノイド作動型弁は、各区画の充填および排出を制御する。概して、各区画は、その内容物が排出される前に、完全に充填される。また、「前」区画は、交互に充填および排出され、「後」区画は、交互に充填および排出される。「前」区画の充填は、対応する、および反対側の「後」区画のそれぞれの排出をもたらす。「後」区画の充填は、対応する、および反対側の「後」区画のそれぞれの排出をもたらす。
【0065】
2つのチャンバの反対側の「前」および「後」区画の体積が等しいため、システムは、ダイアライザへおよびダイアライザからの透析液の流量の体積バランスを保つ。この体積制御されたシステムの一利点は、ダイアライザへの透析液流量が、幅広い流速にわたり正確に測定されることができることである。
【0066】
システム100aは、複数の供給バッグ12a〜12cを含む。あるいは、システム100aへの透析液供給源は、オンライン供給源等の上記に記載されるシステムのいずれかである。また、システム100aは、図示の実施形態において最初の排出バッグ14を含む。例えば、PDでは、患者の腹膜は、治療開始時に使用済み透析液で充填されている。該使用済み透析液は、前夜の治療による最終充填からのものである。したがって、PDにおける治療の第1のステップは、使用済み透析液を排出バッグ14に排出することである。その後、供給源の透析液は、供給バッグ12a〜12cから、カセット10aを通って、患者(本明細書で使用されるように、「患者」は、関連する治療に応じて、ダイアライザ、体外回路、患者の腹膜、またはそれらの組み合わせを意味する)に送り出される。次いで、治療の異なるサイクルにわたり、例えば、透析液が指定された時間、患者の腹膜内に滞留しており、その後、カセットを通って排出バッグに送り戻された後、それらの供給バッグは排出バッグの役割も兼ねる。例えば、透析液は、最初に供給バッグ12aから、カセット10aを通って、患者に送り出されることが可能である。次いで、設定滞留期間後、使用済み透析液は、患者から、カセット10aを通って、ここでは排出バッグであるバッグ12aに送り出される。その後、次のサイクルにおけるシステム100aは、供給バッグ12bから患者等に新鮮な透析液を送り出す。
【0067】
供給バッグ12a〜12cは、供給チューブ18a〜18cを介して、供給コネクタ16a〜16cにそれぞれ流体的に接続される。図4に関連して以下により詳細に図示されるように、供給コネクタ16a〜16cは、可撓性シーティングカセット10aに密閉状態で接続される。排出バッグ14は、排出ライン24を介して排出コネクタ22に流体的に接続される。図4に関連して以下により詳細に図示されるように、供給コネクタ16a〜16cが可撓性シーティングカセット10aに密閉接続されるのと同一の方法で、排出コネクタ22は、可撓性シーティングカセット10aに密閉接続される。
【0068】
可撓性シーティングカセット10aは、可撓性シーティングカセット10aを同様に画定するか、または含む蠕動ポンプ部分30と流体的に連通するために、ラインまたはチューブ18a〜18cおよび24を通る流動を可能にする流路26a〜26dを画定するか、または含む。蠕動ポンプ部分30は、図5に関連して以下により詳細に示される。蠕動ポンプ部30は、透析機械内に位置する蠕動ポンプ作動装置で動作する。可撓性シーティングカセット10aにより画定される流路26a〜26dのそれぞれは、弁接触部28a〜28dをそれぞれ含むか、または画定する。流路26a〜26d、およびそれぞれの弁接触部28a〜28dは、図4に関連して以下により詳細に示される。
【0069】
システム100aにおいて、供給バッグ12a〜12cのうちの1つからの流体は、蠕動ポンプ部30を通って、ポンプ流出経路32を通って、ポンプ流出経路32を通って、ヒータへの経路34aを通って、ヒータへのコネクタ36aを通って、外部ヒータへのチューブ38aを通って、最後に流体加熱経路42aを含む外部インラインヒータ40に送り出される。ヒータへおよびヒータからのコネクタ36aおよび36bは、図4に関連して以下に詳細に示されるコネクタ16a〜16cおよび22のように、一実施形態において同一の方法で、可撓性シーティングカセット10aに密閉される。
【0070】
外部ヒータバッグ40は、流体または透析液が移動する蛇行流体加熱経路42aを画定する。流体または透析液が、流体加熱経路42aを通って移動すると、プレート、対流、放射、誘導、または他の種類のヒータが、流体を加熱するために単独で、または組み合わせて使用される。加熱経路42aを通って流動する流体を加熱するヒータは、可撓性シーティングカセット10aを収納する透析機械の外側に位置することができるか、またはそのような機械に統合されることができる。あるいは、図2で明らかなように、流体加熱経路42bは、可撓性シーティングカセット10bに統合される。流体加熱経路の一実施例は、図10Aに関連して以下により詳細に示される。図10Bは、流体ヒータで動作する両面流体加熱経路を示す。
【0071】
加熱された透析液は、インラインヒータ40から、外部ヒータからのラインまたはチューブ38bを通って、カセット10aのヒータからのコネクタ36bを通って、可撓性シーティングカセット10aにより画定されるヒータからの経路34bを通って、以下により詳細に記載されるカセット10aの輸液制御部に流動する。加熱へおよび加熱からの経路34aおよび34bは、弁接触部28eおよび28fのそれぞれを画定または含む。弁接触部の実施例は、図4の弁接触部28a〜28dにより以下により詳細に示される。
【0072】
弁接触部28eおよび28fは、流体が患者に送り出される場合に開き、そのような流体または透析液が加熱されることができるようにすることを十分に理解されたい。流体が患者から引かれ、排出口に送り出される際、関連する弁作動装置は、弁接触部28eおよび28fでライン34aおよび34bを閉鎖する。排出サイクルにおいて、弁作動装置は、経路32を開くために、ポンプ流出経路32により画定される、またはポンプ流出経路32に含まれる弁接触部28gで動作する。このように、ヒータおよび関連する経路およびラインは、排出中にバイパスされる。
【0073】
供給バッグ12a〜12cおよび排出バッグ14に使用される材料は、ポリ塩化ビニル(「PVC」)、例えば、単分子層PVCフィルム、非DEHP PVC単分子層フィルム、多分子層非PVCフィルム(強度、溶接性、耐摩耗性、および剛性カセット材料等の他の材料への最小限の「スティックション」を提供するために、異なる層が選択される)、ポリプロピレン/ポリエチレンブレンド、ポリプロピレンまたはKratonブレンド、ガス障壁ありまたはなしの、共押出または積層ポリエステル、ポリオレフィン、ULDPE等の、任意の好適な医療グレード材料であることができる。外部ラインまたはチューブ18a〜18c、24、38aおよび38bに使用される材料は、PVC、非DEHP
PVC、ポリブタジエン(「PB」)、エチレン酢酸ビニル(「EVA」)、ポリプロピレン(「PP」)ブレンド、ポリエチレン(「PE」)ブレンド、Kratonブレンド、およびポリオレフィンブレンド等の任意の好適な医療グレード配管材料であることができる。流体経路42aを含む外部流体ヒータバッグ40に使用される材料は、PVC、PP/kratonブレンドを含む。
【0074】
可撓性膜カセット10aで動作する透析ユニットまたは機械(図21Gおよび22Aに関連して以下に示される実施例)は、透析液流路内の空気を検出するように構成される器具を含む。システム内の空気または他のガス気泡を検出するための非常に好適な一位置は、流体ヒータ40のすぐ下流の流路内の一点である。ヒータからの熱により、空気または他のガスは溶液から出る。それに応じて、空気検出センサは、一実施形態において、ヒータからの経路34bで動作するように配設される。好適な空気検出器は、本開示の親出願に開示される。
【0075】
弁接触部28hおよび28iを備えるカセット10aの弁作動装置は、透析液が、望ましく、あるいは、インライン通気孔44または輸液バランシング装置もしくはバランシングチャンバ50のいずれかに方向決定されることを可能にする。空気がシステム内で検出されると、弁接触部28iで動作する弁作動装置が閉じる一方で、弁接触部28hで動作する弁作動装置は開き、流体中に取り込まれたいかなる空気もシステム100aから逃げることができるように、流体が通気孔44に到達することを可能にする。通気孔44の一実施形態は、図11に関連して以下により詳細に示される。一度空気が可撓性シート10aから取り除かれると、弁接触部28hで動作する弁作動装置が閉じる一方で、弁接触部28iと組み合わせて動作する弁作動装置は開き、取り除かれた透析液がバランスチャンバ50に流動することを可能にする。
【0076】
代替の実施形態において、ヒータからの経路34b内のいかなる空気も、通気孔44から自動的に逃げるように、カセット10aは、取り付けられたカセットの頂部に位置する通気孔44を備えて機械に垂直に取り付けられる。ここで、別個の弁作動装置および弁座28hおよび28iは必要ない。さらに、通気孔44が上方に向けられている場合、カセット10aが機械に水平に取り付けられていても、別個の弁作動装置および弁座28hおよび28iは必要ない。
【0077】
代替の実施形態において、可撓性シーティングカセット10a中の空気は、ヒータバッグ40または排出バッグ14に送り出される。例えば、空気は、一実施例においてヒータプレート上に水平に設置される、ヒータバッグ40の頂部で回収されることができる。空気がヒータバッグ40の下流で検出される場合、それ以上空気が検出されなくなるまで流体が排出口に送り出されるように、適切な弁座28が切り替えられる。
【0078】
可撓性シーティングカセット10aのバランスチャンバ50(および、本明細書に考察される他のコンポーネント)は、一実施形態において、3つの層または可撓性シートを含む。バランスチャンバ50の一実施形態は、以下により詳細に考察される、図6〜8に関連して以下に示される。3つの層は、上部および下部流体区画54aおよび54bを形成するために、一実施形態において、円形の配列52で密閉される(図7において最もよく見られる)。ポンプ流出経路32を通って送り出される流体は、それぞれ弁接触部28jまたは28kで動作する弁作動装置により選択的に確定されるように、最終的にバランスチャンバ流入経路56aまたは56bを通って流動する。図6〜8に関連して図示される実施形態において、バランスチャンバ流入経路56aが、バランスチャンバ50の上部区画54aと流体連通している一方で、バランスチャンバ流入経路56bは、下部バランスチャンバ区画54bと流体連通している。以下により詳細に記載されるように、流体は、それぞれ弁接触部28lおよび28mで動作する作動装置により選択的に確定されるように、区画54aおよび54bから、バランスチャンバ流出経路58aおよび58bを通って流動する。
【0079】
バランスチャンバ流出経路58aまたは58bを通って流動する流体は、図1に見られるように患者への経路60aに流入する。図6および8は、別々のバランスチャンバ流出経路58aおよび58bを通って流動する流体が、最終的に単一の患者への経路60aへと共にT字型に接続される方法の一実施形態を示す。
【0080】
図1の図示されたシステム100aは、例えば、典型的に、バッチタイプ充填および排出サイクルに対して、患者への単一の接続部を使用する、APD、タイダルフローPD、またはCAPDで使用されることができる。そのような場合、患者への経路60aは、コネクタ62aと連通する患者からの経路としても機能する。排出サイクルを実行するために、コネクタ62aは、患者からのコネクタになり、患者への経路60aは、患者からの経路になり、バランスチャンバ区画への流出経路58aおよび58bは、入口になり、バランスチャンバ区画における前述の入口56aおよび56bは、バランスチャンバ出口になる。カセット10aの蠕動ポンプ部30で動作する蠕動ポンプは、逆に作動し、患者の腹膜から、バランスチャンバ50および関連する経路を通って使用済み透析液を引き、その後、排出バッグ、家庭排出口、または他の適切な排出口に使用済み透析液を押す。
【0081】
しかしながら、血液透析治療においてシステム100aを使用することが可能であり、典型的には、透析液入口および透析液出口を有するダイアライザ(図示せず)を含む。または、システム100aは、デュアルルーメンカテーテルを用いるPDシステムでも使用されることが可能である。ここで、別個の患者からの経路60bが、患者への経路60aにT字型に接続される。別個の患者からのコネクタ62bが提供され、患者からの経路60bと流体連通して配置される。コネクタ62aおよび62bは、例えば、図4におけるコネクタ16a〜16cおよび22で示される、同一の器具および技術により、可撓性シーティングカセット10aに固定される。流体が患者へのコネクタ62aの外へ、あるいは患者からのコネクタ62bの中へ、それぞれ流動することを選択的に可能にするために、弁作動装置は、弁接触部28nおよび28oで動作するように構成される。カセット10aから患者またはダイアライザに流体を送り出すために、弁接触部28oで動作する弁作動装置が閉じる一方で、弁接触部28nで動作する弁作動装置は開く。カセット28aに流体を送り出すために、弁接触部28nで動作する弁作動装置が閉じる一方で、接触部28oで動作する弁作動装置は開く。
【0082】
単一のコネクタ62aが提供されるか、またはデュアルコネクタ62aおよび62bが提供されるかにかかわらず、システム100aは、望ましい順序のポンプからダイアライザへのストロークおよびダイアライザからポンプへのストロークを使用して、ダイアライザへ、およびダイアライザから流体を送り出すように構成される。例えば、蠕動ポンプ部30で動作する蠕動ポンプは、バランスチャンバ50を10回ストロークするために、ポンプからの方向に動作することが可能であり、毎回、コネクタ62aからダイアライザに既知量の流体を送達する。その後、蠕動ポンプが一定期間逆になることにより、例えば、バランスチャンバ50の12ストロークが起こり、毎回、ダイアライザからコネクタ62bを通って、カセット10aを通って、排出バッグのうちの1つに既知量の流体を引く。ダイアライザから流体を引くさらなるストロークは、患者から除去される限外濾過液の量に相当する。あるいは、バランスチャンバ50は、図26Aおよび26Bに関連して以下に記載されるように、磁気駆動される。
【0083】
システム100aは、血液濾過を実行するためにも使用されることが可能であることを十分に理解されたい。ここで、注射可能な品質の補液が、血液濾過器の上流または下流(または両方)に導入されることができるように、患者へのコネクタ62aは、体外回路に直接接続される。血液濾過器のポートは、デュアルポート構成における患者からのポート62b、または単一ポート62aに接続され、直前に記載された連続ストロークの方法が、いずれの場合にも使用される。同様の状況において、血液透析濾過が実行されることが可能であり、患者へのコネクタ62aに接続されるラインは、体外回路に直接、およびダイアライザの入口の両方に接続される。この場合もやはり、HDFにおけるダイアライザの出口は、使用されるカセット10aの構成に応じて、患者からのポート62bまたは単一ポート62aに接続されることができる。
【0084】
ここで図2を参照すると、代替のシステム100bは、代替の可撓性シーティングカセット10bを用いる。システム100bは、システム100aが含む同一のコンポーネントの多くを含む。例えば、システム100bは、供給容器12a〜12cおよび排出容器14を含む。前述同様に、供給容器12a〜12cはそれぞれ、供給源ライン18a〜18cを介して、供給コネクタ16a〜16cを介して、カセット10bに流体的に接続される。また、排出バッグ14は、排出ライン24を介して、排出コネクタ22に流体的に接続される。コネクタ16a〜16cおよび22はそれぞれ、流路26a〜26dに接続され、流路のそれぞれは、弁接触部28a〜28dをそれぞれ有する。流路26a〜26dはすべて、ポンプ入口マニホールド経路64aに送られる。
【0085】
システム100bとシステム100aとの1つの主な違いは、システム100bは、蠕動ポンプよりも輸液または膜ポンプを使用することである。ここで、入口マニホールド経路64aは、ポンプ流入経路66aおよび66bと流体的に連通し、それぞれは、それぞれの輸液または膜ポンプ部分70aおよび70bに流体的に通じる。弁接触部28pおよび28qで動作する弁作動装置は、流体が、必要に応じて、輸液ポンプ部分70aまたは70bのいずれかを通って選択的に送り出されることを可能にする。輸液ポンプ部分70aおよび70bは、図9A〜9Cに関連して以下により詳細に記載されるように、透析機械内に位置する空気圧および/または機械ポンプ作動装置で動作する。あるいは、輸液ポンプ部分は、図28に関連して以下に示されるように、磁気駆動される。
【0086】
図2において、ポンプ流出経路68aおよび68bはそれぞれ、ポンプ部70aおよび70bの出口側から延在し、ポンプ出口マニホールド経路64bに送られる。流体は、ポンプ出口マニホールド経路64bを出て、次いで、代替の一体型インライン流体加熱経路42bに入る。インラインの一体型流体加熱経路42bは、図10Aに関連して、流体ヒータで動作することがより詳細に示される。流体加熱経路42b内の加熱中に透析液または他の医療用流体(血液を含む)から逃げるいかなる空気も、インライン通気孔44を介してシステムから選択的に除去されることができる。通気孔44の一実施形態は、図11に関連して以下に詳細に示される。あるいは、空気は、排出口に送り出されるか、流体加熱経路42b内に残される。カセット10bは、空気が自動的に、かつそのような作動装置のための弁作動装置および弁座28hなしで、カセット10bから逃げることを可能にするために、上方に向いている通気孔44を備えて、機械に垂直に取り付けられることができる。さらに、カセット10bが水平に装填されたとしても、弁作動装置および弁座28hが排除されることができるように、カセット10bが装填される際、通気孔44は上方に向けられることができる。
【0087】
空気が検出されない場合、加熱された透析液は、接触部28iおよび28hで動作する弁作動装置により、患者へのコネクタ62aを介して患者(ダイアライザまたは血液濾過器等)に送り出されることが可能である。あるいは、システム100aに関連して上記に記載されるように、システム100bは、患者からのコネクタ62b(ここでは図示されない)を含む。いずれの構成においても、システム100bは、上記に記載されるような連続HD(HHDを含む)、HF、またはHDFを実行することができる。
【0088】
システム100の図示の構成において、可撓性シーティングカセット10bは、CAPD、タイダルフローPD、およびAPD等のPDを実行するように構成される。ここで、上記に記載されるように、透析液が所定の期間、患者の腹膜内に滞留した後、患者へのコネクタ62aは、患者からのコネクタになり、患者から使用済み透析液を受容する。図示の実施形態において、使用済み流体は、好適な排出バッグまたは排出口に使用済み透析液を押すポンプ70aおよび70bを介して、流体加熱経路42bを通って押し戻される。代替の実施形態(図示せず)において、カセット10bは、使用済み流体をバイパス流体加熱経路42bに返流させることを可能にするために、好適なバイパス経路および対応する弁接触部を提供する。
【0089】
示されるように、システム100bとシステム100aとの1つの主な違いは、可撓性シーティングカセット10bへの流体加熱経路42bの組み込みである。ここで、対応するヒータは、ポンプ作動装置および弁作動装置と同一の機械筐体に配置される。あるいは、上記に考察されるように、システム100aの別個のインラインヒータバッグ40は、システム100aのポンプおよび弁作動装置と同一のユニットに収納されるヒータで、またはポンプおよび弁作動装置ユニットとは別に提供されるヒータで動作することができる。システム100bの統合されたインライン経路42bは、図1のシステム100aの蠕動ポンプ部30および/またはバランスチャンバ50で使用されることができることを十分に理解されたい。さらに、システム100aの別個のヒータバッグ40は、別の方法として、図2の輸液ポンプ部分70aおよび70bで使用されることができる。
【0090】
考察されるように、システム100bとシステム100aとの1つの主な違いは、上記でシステム100aに使用される蠕動タイプポンプとは対照的な、輸液または膜ポンプ部70aおよび70bの使用である。部分70aおよび70bで動作する輸液ポンプ作動装置は、各ポンプのストロークで既知量または既知体積の透析液を送り出す。輸液または膜ポンプ部70aおよび70bにより送り出される全体積は、ポンプのストローク回数を計算することにより確定される。ここでの利点は、バランスチャンバ50等の別個の輸液制御器具が必要ないことである。2つのポンプ作動装置は、患者へおよび患者からの透析液の少なくとも実質的に連続的なフローを生成するために、部分70aおよび70bと位相がずれて動作する。
【0091】
システム100aに関連して上記に記載される材料のすべては、システム100bの同様のコンポーネントにも適用できる。動作中、供給弁28a〜28cのうちの1つは、新鮮な透析液が、供給バッグ12a〜12cのうちの1つから、それぞれの供給経路26a、26b、または26cを通って、ポンプ部70aおよび70bのうちの1つに流入することを可能にするために開く。送り出された流体は、マニホールド64aを通って、流入経路66aまたは66bを通って、ポンプ部70aまたは70bにそれぞれ流入する。次いで、流体は、それぞれの流出経路68aまたは68bを通って、出口マニホールド64bを通って、それが加熱される加熱経路42bを通って、患者への流体コネクタ62aを通って、患者に流入する。
【0092】
輸液ポンプ部分70aおよび70bは、異なる弁の順序を使用して、患者へおよび患者から流体を送り出すことができる。例えば、部分70aを通って患者ポンプに流体を送り出すために、かつポンプ部70aへと流体を引き入れるために、弁接触部28pで動作可能な弁作動装置が開く一方で、弁接触部28rで動作可能な弁作動装置は閉じる。次いで、弁は、部分70aから加熱経路42bを通って患者に体積を送り出すために切り替えられる。逆に作動するために、例えば、患者から排出するために、上記の弁の状態は逆にされ、使用済み流体をポンプ部70aに引き入れ、次いで、ポンプ部70aから好適な排出口に使用済み流体を送り出すようにする。
【0093】
ここで図3を参照すると、第3の可撓性シーティングカセット10cを用いるシステム100cが図示される。システム100cは、図1のシステム100aと同様であり、供給バッグ12a〜12c、排出バッグ14、供給コネクタ16a〜16c、排出コネクタ22、および供給バッグを入口コネクタ16a〜16cのそれぞれに接続するライン18a〜18c等の、同一のコンポーネントの多くを含む。また、システム100cは、排出コネクタ22から排出バッグ14に通じるライン24を含む。可撓性シーティングカセット10cは、システム100aに関して上記に考察されるような、同一の弁接触部28a〜28hを含む。システム100cは、ヒータライン38aおよび38b、ならびにコネクタ36aおよび36bに連結される流体加熱経路42aを有する、別個のヒータバッグ40で動作する。通気孔44の動作は、上記に記載される通りである。あるいは、空気は、排出バッグ14に送り出されるか、またはヒータバッグ40内に残される。
【0094】
システム100cとシステム100aとの1つの主な違いは、それが、別々の蠕動ポンプ部分30aおよび30bで動作可能な、2つの別々の蠕動ポンプ作動装置を使用することである。ポンプ部分に対する図示の構成は、デュアルバランスチャンバ50aおよび50bの新鮮なおよび使用済み用の入口の上流にある。この構成は、以下に考察されるように、同時2方向ポンピングを可能にする。
【0095】
システム100cは、デュアルバランスチャンバ50aおよび50bを提供する。明らかなように、各バランスチャンバ50aおよび50eは、バランスチャンバ流入経路56aおよび56b、ならびにバランスチャンバ流出経路58aおよび58bで動作する。それらの経路のそれぞれは、それぞれの弁接触部28j、28k、28l、または28mを含む。
【0096】
同時2方向ポンピングは、患者へのコネクタ62aに流体的に接続される患者への経路60a、および患者からのコネクタ62bに流体的に接続される患者からの経路60bを必要とする。患者からの経路60bは、使用済みポンプ部30b、ならびにバランスチャンバ50aおよび50bに通じるバランスチャンバ流入経路56aに流体的に接続される。したがって、バランスチャンバ流入経路56aは、使用済み流体入口であり、使用済み流体は、蠕動ポンプ部30bで動作するポンプ作動装置により駆動される。
【0097】
一方で、流体流入経路56bは、供給ポンプ部30aから通じるポンプ流出経路32に流体的に接続される。したがって、バランスチャンバ流入経路56bは、蠕動ポンプ部30aで動作するポンプ作動装置により駆動される新鮮な流体を受容する、新鮮流体の入口である。しかしながら、以下に示されるように、バランスチャンバ50aおよび50bは、二次ポンプとして機能し、新鮮供給ポンプ部分30aから、または使用済み供給ポンプ部分30bから、それぞれ一定量の新鮮なまたは使用済みの流体を受容し、それぞれ同量の使用済みのまたは新鮮な流体を排出する。
【0098】
バランスチャンバ50aおよび50bの出口側において、患者への経路60aは、流出経路58bに流体的に接続される。この経路全体は、新鮮な流体が、バランスチャンバ50(合わせて、バランスチャンバ50aおよび50bを意味する)から、使用されている治療に応じて、ダイアライザ、体外回路、または患者の腹膜に送達されることを可能にする。流出経路58aは、排出弁接触部28d、28u、28v、および28wにより確定されるように、排出バッグ14または排出バッグとして機能する供給バッグ12のうちの1つに送られる排出経路26dに、流体的に接続される。あるいは、排出口14は、供給バッグ12a〜12cのそれぞれからの体積を保持するようにサイズ決定され、接触部28u〜28wを排除し、排出経路26dを簡略化する。
【0099】
動作中、システム100cは、患者へおよび患者から流体を同時に送達および除去することができる。そうするために、例えば、1つの半サイクルにおいて、バランスチャンバ50aの座28kおよび28l、ならびにバランスチャンバ50bの弁座28jおよび28mで動作する弁作動装置が、開弁状態である一方で、バランスチャンバ50aの弁座28および28m、ならびにバランスチャンバ50bの弁座28kおよび28lで動作する弁作動装置は、閉弁状態である。この構成は、ポンプ部30aが、流入経路56bを通ってバランスチャンバ50aに、一定量の新鮮な溶液を送達することを可能にし、次に、以前に送達された同量の使用済み溶液をバランスチャンバ50aから、流出経路58a、排出経路26dを通って、排出口14または排出バッグとして機能する供給バッグ12aもしくは12bのうちの1つに向かわせる。同時に、ポンプ部30bは、流入経路56aを通ってバランスチャンバ50bに、一定量の使用済み溶液を送達し、次に、以前に送達された同量の新鮮な溶液をバランスチャンバ50bから、出口58bおよび患者へのライン60aを通って、患者に向かわせる。
【0100】
次いで、第2の半サイクルにおいて、バランスチャンバ50aの弁座28kおよび28l、ならびにバランスチャンバ50bの弁座28jおよび28mが閉じる一方で、バランスチャンバ50aの弁座28jおよび28m、ならびにバランスチャンバ50bの弁座28kおよび28lは開く。この構成は、ポンプ部30aが、流入経路56bを通ってバランスチャンバ50bに、一定量の新鮮な溶液を送達することを可能にし、次に、以前に送達された同量の使用済み溶液をバランスチャンバ50bから、流出経路58aおよび排出経路26dを通って、排出口または供給バッグ12aもしくは12bのうちの1つに向かわせる。同時に、ポンプ部30bは、患者からのライン60bおよび流入経路58aを通ってバランスチャンバ50aに、一定量の使用済み溶液を送達し、次に、以前に送達された同量の新鮮な透析液をバランスチャンバ50aから、流出経路58b、患者へのライン60aを通って、患者に向かわせる。
【0101】
示され、記載されるように、バランスチャンバ50aおよび50bは、各半サイクルにおいて、同量の新鮮なおよび使用済み透析液が患者に送達され、患者から除去されることを確実にする。システム100cは、多くの方法で過剰な流体または限外濾過液を除去することができる。一実施形態において、バランスチャンバ50aおよび50bの両方は、使用済み流体で充填されている。次いで、弁接触部28l、28k、および28nは開き、ポンプ部30aで動作するポンプ作動装置は、逆に作動し、患者から患者へのライン62aを通って逆方向に流体を引く。この動作により、使用済み流体は、ポンプ部分30aを介して引き込まれた使用済み流体を介して、排出経路26dから排出口に押し出される。ここで、バランスチャンバ50の両方の新鮮区画は、使用済み流体で充填されており、ポンプ部30bにより、使用済み流体は再び、使用済み流体でチャンバ50aおよび50bの両方の使用済み区画を充填する。これは、チャンバ50の両方の新鮮区画から患者への使用済み流体の送達をもたらす。この体積は、源ではなく患者からもたらされたため、純流体損失が生じる。あるいは、使用済み流体が別の方法として排出口に送られるように、患者へのライン60aから排出経路26dに通じる弁付きバイパスライン(図示せず)が提供される。弁付きバイパスラインは、UFの効率を高めるが、さらなる弁および流路を追加する。いずれにしても、上記の弁の順序は、必要量の限外濾過液を除去するために必要に応じて、繰り返される。
【0102】
上記のUFの実施形態は、断続的に行われる。つまり、それらは、非UFまたはバランスストロークで、特定の順に起こる。例えば、ポンプおよび弁作動装置で動作する制御ユニットは、12回のバランスストローク、次いで、3つのUFストロークを行うように、システム100cを順序付けすることが可能である。治療の終わりまでには、累積体積のUFストロークが、標的UF体積を達成し、それは、患者を用語が当技術分野で既知である「乾燥体重」に戻すために、除去される必要がある流体の体積である。
【0103】
代替の一実施形態において、システム100cは、第3のUF蠕動ポンプ部分で動作する第3の蠕動ポンプ(図示されないが、ポンプ部分30aおよび30bと少なくとも実質的に同一に構成され、弁で調節される)と、第3のUFバランスチャンバ(図示されないが、バランスチャンバ50aおよび50bと少なくとも実質的に同一に構成され、弁で調節される)とを提供する。一実施形態において、UFポンプ部分の入口は、患者からのライン60bにT字型に接続するか、または患者から、患者からのコネクタ62bに延在する患者からのチューブに独立して接続する。
【0104】
UFポンプ部の出口は、UFバランスチャンバの両方の区画に送られる。UFポンプ部が、使用済み流体でUFバランスチャンバ第1の区画を充填し、したがって、UFバランスチャンバの第2の区画から使用済み流体を取り除き空にすることを可能にするために、弁が提供される。次いで、第2の区画は充填され、第1の区画から使用済み流体を取り除き空にし、全サイクルを完了するようにする。各サイクルにおいて、既知量の使用済み流体がUFとして除去される。UFバランスチャンバから取り除かれた流体は、上記に記載されるように、排出経路26dを介して、排出口14または排出バッグとして機能する供給バッグ12のうちの1つに送られる。
【0105】
UFサイクルは、標的UF除去体積を達成するために必要に応じて繰り返される。重要なことには、これは、ポンプ部分30aおよび30b、ならびにバランスチャンバ50aおよび50bが、患者へ/から適合した体積の新鮮な/使用済み流体を送達/除去する間に行われることができる。UFポンプ部分およびUFバランスチャンバを連続的に、例えば、治療中の患者プロフィールに応じて定速または変速で、作動させる能力を有することは、有益である場合がある。そうするために、UFバランスチャンバを制御する弁は、より多い、またはより少ない頻度で切り替えられる。UFバランスチャンバは、異なって、例えば、UFのより細かな制御のために、バランスチャンバ50aおよび50bよりも小さく、サイズ決定されてもよい。
【0106】
UFポンプ部分で動作する第3のポンプは、バランスポンプ部分30aおよび30bで動作するポンプに対して、任意の望ましい速度で作動することができる。図12Aおよび12Bは、単一ローラが、2つの可撓性シーティングカセットポンプ部分を駆動する、蠕動ポンプの実施形態を示す。異なるUFポンプ速度に対する上記の必要性を前提として、同一のローラにより駆動される2つのポンプ部分(したがって、同一の速度で)は、一実施形態において適合流量部30aおよび30bである可能性がある。次いで、UFポンプ部分は、それ自体のローラで動作する可能性がある。
【0107】
さらなる代替の実施形態において、第3のUFバランスチャンバが提供されるが、第3のポンプ部分は提供されない。ここで、使用済み流体ポンプ部分30bは、バランスチャンバ50aおよび50cに加えて、返流経路60b(使用済み流体ポンプ部分30bの下流)からUFバランスチャンバを駆動する。つまり、UFバランスチャンバの第1および第2の区画は、使用済み流体ポンプ部分30bの下流で、返流経路60bと流体的に接続される。この場合もはやり、UFバランスチャンバを制御する弁は、UF速度を制御するために、より多い、またはより少ない頻度で切り替えられる。
【0108】
図1および2のシステム100aおよび100bに対して、別個のUFポンプ部分および輸液制御装置も提供されることができることを、十分に理解されたい。例えば、図1のシステム100aに対して、別個の蠕動ポンプ部分およびバランスチャンバが提供されることができる。図2のシステム100bに対して、第3の輸液UFポンプが提供されることができる。そのような構成は、同時のバランスおよびUFストロークを可能にする。上記の構成のいずれにおいても、バランシングチャンバおよび/またはUFポンプ部分のいずれも、別の方法として、図26A、26B、および27に関連して以下に示されるように、磁気駆動されることができる。
【0109】
ここで図4を参照すると、図1の詳細IVが、詳細に斜視図に示される。図4は、可撓性シーティングカセット10aの2つの層またはシート74aおよび74b(別々のシートであるか、または同一の材料から折り畳まれてもよい)の間に、供給コネクタ16a〜16cおよび排出コネクタ22等の、コネクタを密閉するための一実施形態を示す。しかしながら、図4の内容は、シーティングカセット10のいずれにも(合わせて、可撓性シーティングカセット10a、10b、10c等を意味する)、またヒータへおよびヒータからのコネクタ36aおよび36b、ならびに患者へおよび患者からのコネクタ62aおよび62b等の、任意の種類のコネクタにも適用されることを、十分に理解されたい。
【0110】
図示の実施形態において、コネクタ16(合わせて、16a〜16cを意味する)および22はそれぞれ、半剛性または剛性であることができるコネクタ本体80を含む。本体80のための好適な材料は、アクリルおよび環状オレフィン共重合体(「COC」)等の、半剛性または剛性ポリマまたはプラスチックを含む。本体80は、ルアー取り付け具、フェルール取り付け具、他の種類の圧入、またはネジシール等の密閉器具82を含むか、または画定する。一実施形態において、供給ライン18および排出ライン24(図示せず)は、取り付け具82周囲に取り外し可能に、または永久的に密閉される。シールは、圧入のみに依存するか、または医療的に好適な接着剤、化学的結合、または超音波、熱、もしくは他の種類の溶接等の溶接により補助されることができる。
【0111】
代替の一実施形態において、ライン18(合わせて、図1の18aおよび18cを意味する)および24は、本体80に密閉して、かつ取り外し可能に、または永久的に適合する。永久的シールは、接着剤、熱エネルギー等の、上記に考察される結合技術のいずれかを含むことができる。別の代替の実施形態(図示せず)において、第1および第2の層74aおよび74bのうちの1つまたは両方は、前縁部78aから外方に延在する雄ポートを形成するために、熱成形される。次いで、供給または排出ライン18および24は、上記に考察される技術のいずれかを介して、熱成形されたポート周囲または内部に、取り外し可能に、または永久的に密閉することができる。
【0112】
Xの列(密閉されたシームを図示するために、本願全体に使用される)により図示されるように、第1の層74aは、本体80の両側で、シール72aおよび72bにおいて縦方向に、第2の層74bに密閉される。また、シール72aおよび72bは、本体80への層74aおよび74bのシールも含むことができる。明らかなように、シール72aおよび72bは、供給流路26a〜26cおよび排出流路26dを密閉および形成するために、本体80から内側に延在する。
【0113】
図示の実施形態において、経路26は、1つまたは両方の第1および第2の層またはシート74aおよび74bにおいて、縦方向の、少なくとも実質的に半円形の弧を熱成形することにより形成される。そのような縦方向の弧を形成するための好適なプロセスは、熱成形および射出成形を含む。代替の実施形態において、弧は、事前成形されず、むしろ、シール72aおよび72bが、比較的平坦な流路26(合わせて、流路26a〜26d等を意味する)を画定し、ポンプが、経路26を形成する少なくとも実質的に平坦な層74aおよび74bを通って、流体を送らせるようにサイズ決定および構成される。さらに別の方法として、1つ以上の仮チューブロッドまたは他のテンプレート器具は、シート74aまたは74b上に設置されることができる。シート74aまたは74bは、チューブまたはテンプレート上で延伸され、シート74bまたは74aのそれぞれに溶接される。チューブまたはテンプレートは、経路26から除去される。
【0114】
シール72cは、可撓性シーティングカセット10aの前縁部78aに沿って作製される。シール72cは、特定の位置におけるシート74aからシート74bのシール、およびコネクタ16および22における周縁シート74a/74bから本体80へのシールを含む。シール72dは、可撓性シーティングカセット10bの側縁部78bに沿って作製される。シール72(合わせて、シール72a、72b、72c、72d等を意味する)は、本明細書に考察される接着、化学、または溶接の実施形態のいずれか1つ以上により作製されることができる。さらに、縁部78bは、別の方法として、第1および第2のシート74aおよび74bを形成するために、縁部78bにおいて単一の材料を折り畳むことにより、形成されることができる。さらに、縁部78aおよび78bは、シーティングカセット10a、10b、および10cに対する構造上の支持を提供する剛性フレームに溶接されることができる。フレームは、カセットの取り扱いおよび装填を補助する。
【0115】
図示の実施形態において、コネクタ16および22の本体80は、少なくとも実質的に円筒形である。代替の実施形態において、本体80は、上部および下部層74aおよび74bへのシーリングのための強化されたシール面を提供するために、フレア状またはテーパー状になっている。テーパー状の本体80に対する一構成は、本願の出願人所有の、2002年5月24日出願の、Disposable Medical Fluid Unit Having Rigid Frameと題する、米国特許出願第10/155,384号に示され、記載され、その内容全体は、参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0116】
図示の実施形態における弁接触部またはシール28a〜28dは、流路26に沿った適切な位置において形成または作製される、平坦部または凹部である。平坦部または凹部は、経路26を形成するプロセスにおいて形成されることができるか、または経路が形成された後に経路26内に作製されることができる。平坦部または凹部は、ヘッドが平坦な弁作動装置との接触面積を増加させる傾向を有する。しかしながら、弁接触部またはシール28は、残りの流路26と異なる構成を有さず、単に弁作動装置が流路26に接触する領域であることが考慮される。ここで、弁作動装置のヘッド構成および力は、そうすることを要求される場合に、半円形または円形の流路26を閉鎖するのに十分である。弁作動装置は、空気圧的、機械的、油圧的および/または電気的に作動することができる。例えば、一実施形態において、バネ力により閉じ、真空により開く、フェイルセーフ弁作動装置が使用される。あるいは、弁作動装置は、空気圧により開閉する。さらに、弁作動装置は、カムシャフトにより駆動されるカムであることができる。
【0117】
ここで図5を参照すると、図1の詳細Vが、より詳細に斜視図に示される。図5は、蠕動ポンプ部30(ポンプ部30a、30b等を含む)の一実施形態を示す。ポンプ部30は、本明細書に考察される方法のいずれかにより、上部および下部層74aおよび74bを使用して形成される、少なくとも実質的に円形の流路84を含み、流体経路26に関して上記に考察される構成のいずれかを含む。蠕動ポンプ入口86および蠕動ポンプ出口88は、それぞれ図1および3に関連して上記に示される、蠕動流路84と、供給経路26a〜26cおよびポンプ出力経路32と、流体的に連通する。蠕動ポンピング経路84の距離または偏心距離を最大にするために、入口86および出口88は、図示の実施形態において、互いに対して少なくとも実質的に平行で、隣接した関係で配置される。
【0118】
示されるように、蠕動ポンプ部30は、蠕動ポンプ作動装置90で動作する。蠕動ポンプ作動装置90は、概して、ドライブシャフト92、およびドライブシャフト92により回転駆動される少なくとも1つのローラ94等の、当業者に既知のコンポーネントを含む。図5の蠕動構成と既知の蠕動ポンプの蠕動構成との1つの違いは、既知のポンプが、典型的には、円形の案内溝の内側でループ状になっている丸配管を使用する。つまり、ループの外周は、案内溝と当接している。ドライブシャフトローラは、ループの内周に接触し、案内溝に対して放射状にチューブを締め付ける。一方で、図5において、案内溝またはプレスプレート126は、第2のシート74bの後方に位置する。案内溝またはプレスプレート126は、一実施形態において、透析機械の一部であり、例えば、それが機械に装填された後に、可撓性シーティングカセット10aまたは10cに対して閉じる扉の一部であることができる。ローラ94は、カセット10aまたは10cの反対側において、機械内に位置する。
【0119】
ローラ94は、入口86から出口88に流体を駆動するために、シート74aおよび74bが備わっている実質的に同一の面内で回転し、プレート126に対して複数の位置で経路84を押し付ける。特に、シャフト92は、ローラ94が、入口86から出口88に流体を駆動するために、負圧および正圧の勾配を形成するように回転する。熱成形された流路は、例えば、崩壊または閉鎖するのではなく、真空または負の蠕動圧力により形成される力に耐えるように構成される。図5の矢印に見られるように、シャフト92は、上記に記載されるように、必要に応じて双方向に駆動されることができる。
【0120】
ここで図6を参照すると、可撓性シーティングカセット10aおよび10cで使用される、バランスチャンバ50(概して、バランスチャンバ50a、50b等を意味する)の一実施形態が図示される。図6は、斜視図に示される図1の詳細VIを示す。図7および8はそれぞれ、図6に示される線VII―VIIおよびVIII―VIIIに沿った図6の断面図である。図6〜8に見られるように、バランスチャンバ50は、可撓性材料の3つの層またはシート74a〜74cを使用する。3つの別々の層を合わせて密閉するための種々の実施形態が、本明細書に考察される。3つのシート74a〜74cは、完全に別々であるか、または同一の材料から2回折り畳まれてもよい。
【0121】
図6に見られ、かつ上記に考察されるように、バランスチャンバ50は、第1のシート74aと第2のシート74bとの間の円形の軸により示される、第1のシール78eにより形成される密閉された円52を含む。チャンバは、図7にも見られるような、上部バランスチャンバ区画54aを形成する、シート74aと74bとの間の円形のシール72e内に形成される。第2のシール74fは、図6において透視図で示され、それは、シート74aの下方にあり、下部バランスチャンバ区画54bを形成する、第2のシート74bと第3のシート74cとの間の同一の密閉された円52周囲に作製される。一実施形態において、単一の密閉プロセス、例えば、溶接または化学的結合プロセスが、シール72eおよび72fの両方を同時に、かつ比較的関連して形成するように、シール72eおよび72fは、同時に、または同一のシールとして作製される。しかしながら、初めにシール72eおよび72fのうちの1つを形成し、その後、2つのシール72eおよび72fのうちの2つ目を形成することが考慮される。シール72eおよび72fは、本明細書に記載される方法のいずれかにより作製されることができる。追加のシール(図示せず)は、3つのシート74a〜74cの縁部に沿って、かつ本明細書に考察されるようなカセット10aまたは10cの他の部分に作製される。
【0122】
図示の実施形態において、シール72eは、バランスチャンバ入口56aおよびバランスチャンバ出口58aを形成するように延在する。図1に示される弁接触部または座28lが、図6および7にも見られるように、バランスチャンバ出口58aは十分に見られる。シール72fもまた、バランスチャンバ入口56bおよびバランスチャンバ出口58bを形成するように延在する。弁座28mが図6において隠れて斜視図で示され、図8にも見られるように、バランスチャンバ出口58bは十分に図示される。図1に見られるように、バランスチャンバ流出経路58aおよび58bは、統合して2つの患者経路60aになる。図6および8は、流体が、2つの可撓性シーティングの組またはレベルの間を移動することを可能にするための、一実施形態を図示する。明らかなように、中間可撓性シート74bは、バランスチャンバ出口58bの遠位端部の真上に位置し、バランスチャンバ出口58aおよびそれに続く患者への経路60aの線に沿っている、開口または穴96を画定する。この構成において、下部バランスチャンバ区画54bを出る流体は、バランスチャンバ出口58bを通って、開口96を介して第2のシート74bを通って上方に、可撓性シート74aおよび74bにより位置および画定される、バランスチャンバ出口58bおよび患者経路60aに移動する。
【0123】
図8は、カセット10aが図6に示される経路58aおよび58bを通って分割されるような正面図からの、密閉された層74a〜74cの横断面を図示する。明らかなように、図8において、協働する弁作動装置が、独立して経路58aおよび58bを開閉できるように、弁座28mは、弁座28lから横方向にずれて位置する。つまり、弁作動装置は、同様にそれぞれの流路58bまたは58aのいずれかを閉鎖することなく、弁座28lまたは28mのいずれかを閉鎖することができる。また、図8は、シート74bに形成され、上部および下部区画54aおよび54bからの流動が、患者への経路60aに統合されることができるように、経路58aと58bとの間の流体連通を可能にする、横断面における開口96を示す。図8は、層74aおよび74cの内表面と、層74bの外表面との間に間隙を提供するために、経路58aおよび58bが、熱成形または他の方法に隆起することをさらに示す。
【0124】
ここで図7を参照すると、バランスチャンバ50(概して、本明細書に記載されるバランスチャンバのそれぞれを意味する)を動作させるための一器具および方法が、図示される。バランスチャンバ50は、透析機械100aおよび100cの一部で動作することが示される(それぞれ、カセット10aおよび10cで動作する)。透析機械100aまたは100cは、部材102aおよび102bを画定する第1および第2のチャンバを含むか、または画定する。例えば、102aまたは102bの部材のうちの1つは、固定されており、カセット10aまたは10c等の可撓性シーティングカセットを受容するように構成される。部材102aまたは102bを形成するチャンバのもう一方は、それが透析機械100aまたは100cに装填された後、可撓性シーティングカセット10aおよび10cの反対側に閉じる扉の一部である。
【0125】
部材102aおよび102bのそれぞれを形成するチャンバは、チューブ(図示せず)が、図4のコネクタ16および22に関連して上記に考察される方法および実施形態のいずれかにより、解放可能に、または永久的に固定される、ポート104を画定するか、または含む。一実施形態において、カセット10aまたは10cが機械100aまたは100cに装填された後、負圧または真空がポート104に引かれ、第1および第2の部材102aおよび102bにより画定される、内部の少なくとも実質的に球状の空洞に対して、第1および第3の層またはシート74aおよび74cを引く。部材102aおよび102bは、少なくとも実質的に球状の形状を画定すると示されるが、実質的に三角形または実質的に台形の形状等、他の好適な断面形状が使用されてもよい。さらに、図示されないが、部材102aおよび102bは、層74aおよび74cのより大きい表面にわたり真空を広げるのを助けるために、種々の方向にポート104から放射状に延在する、空気チャネルを画定することができる。そのようなチャネルは、本願の出願人に譲渡された、Medical Fluid Pumpと題する、米国特許第6,814,547号に示され、記載される。一度シート74aおよび74cが、それぞれの部材102aおよび102bを形成するチャンバの内表面に対して、真空により引かれると、バランスチャンバ50が動作できる状態になる。代替の実施形態において、負圧は、シート74aおよび74cに対して印加されず、したがって、ポート104は必要ない。ここで、透析液または流体の正圧は、それぞれの部材102aおよび102bに対して、シート74aおよび74cのそれぞれを広げるのに、かつシート74aと74cとの間の中間シート74bを駆動するのに十分である。
【0126】
図7は、流体がバランスチャンバ50に送達されていない動作状態を図示する。したがって、中間または駆動シート74bは、上部シート74aまたは下部シート74cのいずれに向かっても押されない。図7に対して、図6の詳細からの部分VII―VIIは、弁座23lを含む。図8に見られるように、弁座28mは、図6の線VII―VIIに沿った切断面に対して、弁座28lと一直線になっていない。したがって、その図面の弁座28mは、弁座28mがその図面において弁座28lの正面にあるため、図7の断面図には見られない。弁座28lは、機械100aまたは100cの一部である、弁作動装置106で動作することが示される。単純化のために、弁作動装置106は、完全に空気圧で動作する弁作動装置として示される。ここで、バランスチャンバ出口58aを閉じるために、プランジャ108に第2のシート74bに対して弁座28lを圧迫させるために、正の空気圧が、作動装置106のポートに印加される。作動装置106は、弁作動装置106の内部の、例えば、円筒形筐体内のプランジャ108の間に摺動シールを形成する、Oリングシール110を含む。バランスチャンバ出口58aを開くために、負圧がポート106に印加され、ストップ112に対して上方にプランジャ108を引き、流体が座28lを開き、上部バランスチャンバ区画54aから、バランスチャンバ出口58aを通って、外方に流動することを可能にする。図6〜8は、弁作動装置106等の弁作動装置と連通する、弁座28j、28k、または28lを示していない。これらの作動装置および座は、図1のバランスチャンバ50aの入口、ならびにバランスチャンバ50bの入口および出口を制御する。
【0127】
動作中、上部バランスチャンバ区画54aを充填するために、プランジャ108は加圧され、弁座28lおよびバランスチャンバ出口58aを閉鎖する。バランスチャンバ入口56aで動作する弁作動装置106は開き、流体が、上部バランスチャンバ区画54aを充填することを可能にする。流体が、すでに下部区画54bを充填している場合、区画54aに入る流体は、下部バランスチャンバ区画54bから、バランスチャンバ出口58bを通って、その目的位置に流体を押す。そうするために、バランスチャンバ出口58bで動作する弁作動装置106が開く一方で、入口56bで動作する弁作動装置106は閉じる。区画54aおよび54bにより画定される体積は、固定されるため、かつ第2のシート74bは、各半ストロークで、シート74aまたは74cに対して最後まで押されるため、同一の体積の流体が、各半ストロークで、バランスチャンバ出口58aおよび58bを通って出力される。したがって、可撓性シート74aおよび74cは、シート74(合わせて、シート74a〜74cを意味する)に関して上記に挙げられる材料のうちの1つ等の、適切な伸縮性、準拠性を有し、漏れのない材料で製造される。図26Aおよび26Bに関連して以下に考察されるように、シート74bは、別の方法として、磁気を有するように製造され、また別の方法として、磁気駆動される。
【0128】
ここで図9A〜9Cを参照すると、輸液ポンプ70を動作させる一器具および方法が図示される。図2に示され、詳細IXとして印が付けられるカセット10bの部分は、輸液ポンプ70bを示す図9A〜9Cにおける正面断面図に示される。70bに関する内容は、輸液ポンプ70aに適用できる。
【0129】
輸液ポンプ70bは、カセット10bを使用する透析機械100bで動作することが示される。機械100bは、輸液ポンプ70bの形状を画定する部材114aおよび114bを形成する、第1および第2のポンプチャンバを含む。図2に見られるようなカセット10bの円形の可撓性膜部が、部材114aおよび114bを形成するポンプチャンバにより画定される球状のチャンバと一直線になるように、カセット10bは、機械100b内に装填されるように構成される。また、弁座28qおよび28sは、図9A〜9Cに示される弁作動装置106と一直線になる。弁作動装置106は、図7に関連して上記に記載されるように動作し、作動装置本体内を前後に摺動するプランジャ108を含む。
【0130】
チャンバ70bは、第1および第2の可撓性シート74aおよび74bを使用する。部材114aおよび114bのそれぞれを形成する第1および第2のポンプチャンバは、図7に関連して上記に記載されるポート104を含む。以下に考察されるように、負圧および正圧が、シート74aおよび74bを排出するために使用される。あるいは、シート74aまたは74bのうちの1つは、機械的に駆動されることができる。好適な複合型の機械/空気圧ポンプは、上記に挙げられる米国特許第6,819,547号に示され、記載される。図9a〜9cに示される球状の形状は、好適な一形状であるが、台形または三角形の形状等の他の形状が、輸液ポンプ70に対して画定されることが可能である。
【0131】
図9Aは、輸液ポンプ70bに対する初期状態を示す。ここで、負圧が、部材114bを形成するチャンバのポート104に印加され、部材114bを形成する第2のチャンバの内表面に適合するために、第2の可撓性シート74bを引く。同時に、正圧が、部材114aを形成する第1のポンプチャンバのポート104に印加される。正圧により、第1の可撓性シート74aは、第2の可撓性シート74bに対して押し付けられる。図9Aにおいて、正圧は、両方の弁作動装置106に印加され、弁座28qおよび28sを閉鎖する。この場合もやはり、弁作動装置106は、空気圧的、機械的、および/または電気的の任意の組み合わせで動作することができる。図9Aにさらに見られるように、透析液または医療用流体(血液を含む)116は、弁座28qに対して加圧されるが、密閉されたチャンバまたは輸液ポンプ70bに入ることは妨げられる。
【0132】
図9Bにおいて、部材114bを形成する下部ポンプチャンバのポート104における負圧は、弁座28sにおいて弁作動装置106に印加される正圧のように維持される。負圧が、弁座28qにおいて弁作動装置106に印加され、ストップ112へおよびストップ112に対してプランジャ108を引き、かつ保持し、流体116が、ポンプ流入経路66bから、輸液ポンプ70bのチャンバに流入することを可能にする。例えば、重力による流体116の力は、第1の可撓性部材74aを、部材114aを形成する上部ポンプチャンバの内表面に対して押し付けさせるのに十分である場合がある。あるいは、負圧は、部材の内表面に対して第1の可撓性シート74a引くために、部材114aのポート104において印加されることができる。この動作は、流体116をポンプチャンバに引き入れる真空をもたらす。蠕動ポンプのように、熱成形された流路は、膜ポンピングの負圧下で、例えば、崩壊するのではなく、耐えるように構成される。いずれの場合においても、流体116は、シート74aと74bとの間の少なくとも実質的に球状の空洞を充填し、なおもその閉鎖位置にある弁座28sで停止する。
【0133】
図9Cにおいて、弁座28qが閉じている一方で、弁座28sは開いている。シート74bが部材114bに対して押し付けられるように、負圧が、下部ポート104において維持される。ここで、正圧が、ポート104に印加され、第2の可撓性シート74bに対して第1の可撓性シート74aを閉鎖し、それにより、流体116は、輸液ポンプ70bの少なくとも実質的に球状のチャンバから、ポンプ流出経路68bを通って、その望ましい目的位置に押し出される。ここで、弁座28sが閉じるとすぐに、ポンプ70bが、上記に記載されるサイクルを繰り返すことができるように、第1および第2の膜74aおよび74bは、図9Aに示される位置にある。図28に関連して以下に示されるように、膜74aおよび74bは、別の方法として、磁気を有するように製造され、また別の方法として、磁気駆動される。
【0134】
図2におけるポンプ70aおよび70bの排出および充填ストロークは、カセット10bを通じた透析液または医療用流体(血液を含む)の流動が、少なくとも実質的に連続的であるように交互である。部材114aおよび114bのチャンバにより形成される体積が既知であるため、かつ第1の可撓性シート74aが、チャンバの上部および下部表面に繰り返し移動するため、各ストロークで送り出される流体の体積は、既知であり繰り返し可能である。したがって、バランスチャンバ50等の別個の輸液制御器具は必要ない。送り出される流体の全体積は、ストローク数を乗じる各ストロークの体積に等しい。UFは、上記に考察される方法のうちの1つにより制御される。
【0135】
バランスチャンバ50および輸液ポンプ70の体積制御されたチャンバは、一実施形態において、それぞれの円形シールにより形成される。代替の実施形態において、それぞれのシールは、望ましい体積を達成するために必要とされるよりも大きい直径で製造される。ここで、シート74間のシールは、機械を圧迫する扉、または第2の機械を圧迫する第1の機械部分の圧力により形成される。図24Aおよび24Bに関連して示され、考察されるように、機械によるシールは、望ましい体積を達成するために、適切な直径の球形を形成するようにサイズ決定される。機械的締め付けによるシールは、配列制限を減少させる。機械から機械へのシールは、例えば、レバーまたはロック、クランプ、カム作用圧入等を介して、手動で固定されるか、または空気圧または電気機械圧力を用いて形成され、付加的に、または別の方法として固定されることができる。以下に考察される図25Aおよび25Bは、機械的締め付けにより形成される流体加熱経路、およびそのような流体加熱経路で動作可能なヒータの実施形態を示す。以下に考察される図26A、26B、および28は、それぞれ機械的締め付けにより形成される、可撓性シーティングカセットのバランスチャンバおよび輸液ポンプ部分の実施形態、およびバランスおよびポンプチャンバ内で膜を駆動させるための一実施形態を示す。
【0136】
ここで図10Aおよび10Bを参照すると、本明細書に考察されるの可撓性シーティングカセットに対する、統合されたヒータ経路の2つの異なる実施形態が図示される。図10Aは、図2に示される可撓性シーティングカセット10bの詳細Xを図示する。図10Bは、代替の三層の両面ヒータ経路部分を示す。図10Aが、ヒータまたはヒータプレート118を示す一方で、図10Bは、デュアルのヒータまたはヒータプレート118aおよび118bを示す。ヒータまたはヒータプレート118(合わせて、図10Aのヒータ118、ならびに図10Bのヒータプレート118aおよび118bを意味する)は、電気抵抗、誘導、放射、対流、およびそれらの任意の組み合わせ等の、任意の好適な熱移動方法を実行することができる。図10Aに示されるように、ヒータ118は、流体加熱経路42bの下方で連続的である。図10Bにおいて、ヒータ要素118aおよび118bは、可撓性シーティングカセットの流体経路42cおよび42d周囲に集中している。
【0137】
図10Aにおいて、流体加熱経路42bは、第1および第2のシート74aおよび74bから作製される。半円形または他の好適な断面形状の蛇行経路が、図4に関連して上記に考察される器具および方法のいずれかにより、シート74a内に形成される。あるいは、シート74aおよび74bの両方が、半円形の半分を形成することができ、合わせて円形の全体を形成する。そうである場合、ヒータ118は、表面接触を増加させるために、半円形に凹んだ加熱経路で形成または調整されることができる。連続的な外側シール72gは、流体加熱経路42bのループまたは蛇行したねじれの外側周囲に作製される。連続的な内側シール72hは、経路42bの内側曲線に沿って作製される。シール72gおよび72hは、上記に考察される方法のいずれかにより作製される。縁部シール72iもまた、図10Aに見られるように、縁部78cに沿って作製される。あるいは、縁部78cは、折り畳みにより作製される。動作中、透析液または流体は、経路42bを通って流動し、ヒータ118からの熱エネルギーにより加熱される。
【0138】
図10Aにおいて、可撓性シーティングカセット10bは、ヒータ118の頂部に装填されるか、ヒータ118に垂直に当接する。図10Bにおいて、可撓性シーティングカセットは、2つの絶縁筐体120aと120bとの間に装填される。ヒータ要素118aは、絶縁ヒータ筐体120a内に固定される。ヒータ要素118bは、同様に絶縁ヒータ筐体120b内に固定される。筐体120aおよび120bは、透析機械の一部、または別個のヒータの一部であってもよい。
【0139】
図10Bの流体加熱経路42bおよび42cは、3つのシート74a、74b、および74cから形成される。第2のシート74bは、シート74a〜74c内に熱的に形成された経路42cおよび42dに対する支持として機能する。シート74aおよび74cは、上記に考察される密閉方法のいずれかにより、一度に、または別々に、中間シート74bに密閉される。図10Bにさらに見られるように、透析液が、第3のシート74cの下部流体加熱経路42dから、シート74aの上部流体加熱経路42cに、またはその逆に流動することを可能にするために、開口96が第2のシート74bに作製される。したがって、図10Bは図10Aに示される可撓性シーティングカセットと対比して、同一の表面積に対して加熱容量を本質的に2倍にする、効率的な流体加熱器具を提供する。また、経路42d等のデュアル経路は、図1および3の別個のヒータバッグ40で作製されることが可能である。
【0140】
ここで図11を参照すると、可撓性シーティングカセット10(合わせて、可撓性シーティングカセット10a〜10cを意味する)のうちの1つに、通気孔44を取り付けるための一実施形態が図示される。特に、図11は、図11の可撓性シーティングカセット10bの詳細XIを示す。可撓性シーティングカセット10bは、第1および第2の可撓性シート74aおよび74bを含む。それらのシートは、通気孔本体46およびフィルタ48を含む、通気孔44の周囲に密閉される。フィルタ48は、一実施形態において、流体または透析液ではなく空気が、そのようなフィルタを通過することを可能にする、疎水性膜または他の種類のフィルタである。通気孔44は、図4のコネクタ16および22と実質的に同一の方法で、シート74aおよび74bに固定される。そのために、シール72aおよび72bは、フィルタ48の本体46の両側、および/または本体46それ自体に作製される。シール72aおよび72bは、作製された熱成形形状により、あるいはシート74aおよび74bのうちの一方または両方において補助されることができる、流体経路を形成するように延在する。
【0141】
動作中、空気が加熱された透析液中に検出されると、図1〜3に示されるように弁座28hが開き、流体が通気孔44に達し、空気を通気孔48を通って押し出すことを可能にする。その後、流体は、その望ましい目的位置に送り出される。あるいは、上記に記載されるように、通気孔44は、別個の弁作動装置および座が必要ないように、その関連するカセットが取り付けられる際に垂直に向けられる。
【0142】
ここで図12Aを参照すると、単一の蠕動ポンプ作動装置90を使用して、2つの流路を通って流体を駆動するための一実施形態が図示される。作動装置90は、図5に関連して上記に記載される、ドライブシャフト92およびローラ94を含む。可撓性シーティングカセット、例えば、2つのポンプカセット10cが装填されると、シート74aおよび74bにおけるスロット124が、蠕動ポンプ作動装置90のシャフト98上を摺動するように、シャフト122上を水平または垂直に摺動する。ローラ94は、例えば、図3のカセット10cに示される、ポンプ部分30aおよび30bの両方を通って流体を駆動させる。カセット10cは、第2のシート74bが案内溝プレート126aおよび126bに当接するように取り付けられ、ポンプ部分30aおよび30bの流路が、図5のプレスプレート126と同様に、ローラ94により圧迫されることができる、剛性表面を提供する。図示の実施形態において、ローラ94は、ポンプ部分30aおよび30bの内外へと、同一方向に流体を駆動させる。上記に考察されるように、図12の構成の一使用は、2つのポンプ部分30aおよび30bを駆動させる単一の蠕動ポンプ作動装置90を提供し、次に、バランスチャンバ50aおよび50bの入口に新鮮なまたは使用済みの流体を供給することである。
【0143】
ここで図12Bを参照すると、2つのポンピング流路を通って流体を駆動させるために、単一の蠕動ポンプ作動装置90を使用するための第2の実施形態が図示される。ここで、蠕動ポンプ部分30aおよび30bは、半円形または半分の円として構成される。シャフト92は、ポンプ部分30aおよび30bの両方の流体経路を通って、流体を駆動させるために、全260度でローラ94(作動装置90は、任意の好適な数のローラ94を有することができる)を回転させる。ローラ94が、ポンプ部分30aおよび30bの隆起した経路84aおよび84bを圧迫することができる剛性表面を提供するために、図5の案内溝プレート126等の好適な案内溝プレート(図示せず)が、可撓性シーティングカセット10bの後方に取り付けられる。図12Aのデュアルポンピングの実施形態とは異なり、図12Bのデュアルポンピングの実施形態は、反対側に配置された入口86a/86bおよび出口88a/88bによりわかるように、反対方向に流体を駆動させる。しかしながら、図12Aおよび12Bの実施形態の両方において、シャフト92は、図12Bにおける矢印により示されるように、二方向のいずれにも回転することができる。
【0144】
透析機械100(合わせて、機械100a、100b等のそれぞれを意味する)は、圧力センサ、流量センサ、温度センサ、気泡検出器、例えば、腹膜炎、組成物、およびpHを調べるための溶液識別検出器、伝導度センサ、ならびに例えば、空気または血液検出のための超音波センサ等の多くの異なるセンサを使用する。それらのセンサは、典型的には、可撓性シーティングカセット10のうちの1つを通って送り出されている透析液または流体の特定のパラメータを検出するために使用される。
【0145】
ここで図13を参照すると、可撓性シーティングカセット10a〜10cのうちのいずれか1つで、センサ130を動作させるための一実施形態が図示される。センサ130は、上記の種類のセンサのいずれかであることができ、透析機械100の制御ユニットまたはコントローラに通じる、リードまたはワイヤ132を含む。センサ130は、流路128を通って流動する透析液または医療用流体(血液を含む)のパラメータを感知する。感知領域134が、センサ130と一直線になるように、カセット10(ここでは任意のカセット)が取り付けられる。感知領域134は、流体の流動を遅延させるシール72aおよび72bにより画定される、拡大された流路領域であり、検知時間および正確度を増加させることができる。シール72aおよび72bは、上記に考察される方法および実施形態のいずれかにより作製される。感知領域134は、センサ130のヘッドに適合するように形状およびサイズ決定される。
【0146】
ここで図14を参照すると、3つのシート74の材料間に異なるシールを作製するための一実施形態が、図示される。図14において、シート74bおよび74cが図示される。シート74a(図示せず)は、シート74bの頂部に密閉される。流路128は、シート74bと74cとの間に作製される。図示されるように、熱成形された凹部分または隆起部分は、シート74c内に作製され、次いで、シール72aおよび72bに関して上記に考察される異なる方法のいずれかにより、シート74bに密閉される。次いで、プリント可能な接着剤が、シール線72jおよび72kに沿って、シート74bの上部表面に配置される。好適な1つのプリント可能な接着剤は、例えば、ポリ塩化ビニル(「PVC」)シーティングに対するシクロヘキサノン、または他の種類のシーティングに対するポリエステルエラストマである。次いで、シートまたは層74aは、シート74bの頂部に必要に応じて配置される。次いで、貼付されたパターンに沿ってプリントされた接着剤を活性化させ、シート74a〜74bを密閉するために、高周波(「RF」)、紫外線(「UV」)エネルギーまたは熱が、接着シール線72jおよび72kに印加される。このように、3つのシート72a〜72cは、シート74aと74bとの間、およびシート74bと74cとの間に、任意の望ましいシールパターン(同一または異なる)を形成することができる。
【0147】
ここで図15を参照すると、可撓性シーティングカセットを形成するために、可撓性材料の3つのシート74a〜74cを選択的に密閉するための別の方法が、図示される。密閉されたシーム136は、カセット10dの1つの長さに沿って、例えば、カセットの他の長さの中間に、または中間近傍に延在する。シーム136は、3つの異なるシート74a〜74c内で選択可能なシームを作製するために、カセットが、操作され折り畳まれることを可能にする。この方法は、上記に考察される任意の可撓性シーティングカセットに適用する。例示目的で、図15の可撓性シーティングカセット10dは、図2の組み込まれた流体加熱経路42bを備える、図1の単一の蠕動ポンプ30およびバランスチャンバ50を含む。上記に示されるように、可撓性シーティングカセットの多くの特徴は、2つのシート74aおよび74bのみを必要とする。バランスチャンバ50等の他のコンポーネントは、3つのシート74a〜74cを必要とする。したがって、3つのシートを必要とする領域において3つのシートまたは層74を含み、2つのシートのみを必要とするカセット10dの他の領域において、2つのシート74aおよび74bのみを含む、カセット10dを提供することが考慮される。カセット10dにおいて、3つのシート74a〜74cは、別の方法として、カセット10d全体にわたり使用される。この場合もやはり、シート74a〜74cは、別々であるか、または単一の材料を1回以上折り畳むことにより形成されることができる。
【0148】
カセット10dの左側は、図10Bに関連して上記に考察される、三層の両面加熱流路42cおよび42dを作製するために使用される。図示されるように、流路42d等の外側に面した流路は、初めに、シート74bおよび74cを合わせて密閉することにより形成される。次いで、シート74aは、シート74bおよび74cの組み合わせに密閉される。一実施形態において、シート74aは、上記のプリント可能な接着剤により、シート74bおよび74cの組み合わせに密閉される。別の実施形態において、シート74aおよび74bを合わせて化学的に結合または融解させるために、シート74aおよび74cの外側に十分なエネルギーが印加される。さらに別の方法として、シート74a〜74cは、流体加熱経路42cおよび42dを同時に形成するために、固定されることができる。中間シート74bは、流体加熱経路42cと42dとの間にある、上記で考察されるような開口96を画定する。
【0149】
カセット10dの右側は、バランスチャンバ50、蠕動ポンプ30、圧力感知領域134、流体流路26a〜26d、および上記に挙げられるコンポーネントに関連する他の流路を形成するために使用される。ここで、可撓性シート74aおよび74bは、初めに合わせて密閉され、その後、例えば、バランスチャンバ50を完成するために、シート74cがシート74bに密閉される。図示されないが、シート74aおよび74bにより形成される流路または流動器具、およびシート74bと74cとの間に形成される流路または流動器具から、流体が流出することを可能にする、1つ以上の開口96を備えた追加の流路が、シート74bと74cとの間に形成されることができる。シート74cは、プリント可能な接着剤を用いるか、別の方法として、もしくは付加的に、3つのシート74a〜74cのすべてにわたりエネルギーを印加することにより、シート74bに密閉されることができる。
【0150】
図示されるように、ポンプ出力経路32は、バランスチャンバ50内へ、および患者コネクタ62aへと延在する前に、蠕動ポンプ部分30からシーム136にわたり、シート74aおよび74b内に画定される係合する開口を通って、下部流体加熱経路42d内に、その蛇行経路を通って、シート74aおよび74b内の係合する開口のもう一方のセットを通って戻り、上部流体加熱経路42c内に、および上部流体加熱経路42cを通って延在する。
【0151】
ここで図16を参照すると、3つのシート74a〜74cを合わせて密閉するための別の方法が図示される。図16において、層74a〜74cは、例えば、KIEFEL Extrusion GmbH、Cornelius−Heyl−Str.49,67547 Worms/Germanyによって製造される機械を使用した、ダイ密閉器具136aおよび136bを使用して密閉される。器具136aおよび136bは、所定のダイパターンでシート74a〜74cに熱を印加する。ダイパターンは、3つのシート74a〜74cのすべてが合わせて密閉される領域、ならびにシート74aおよび74bまたは74bおよび74cの、2つのみが合わせて密閉される他の領域を含む。
【0152】
伝導性のダイ密閉機械において、各ダイ器具136aおよび136bは、外側シート74aおよび74cと直接接触して、望ましい量の熱を出力するように制御される。例えば、ダイ器具136aは、ダイ器具136bよりも多くの熱を出力するように設定されることができる。この伝導性の種類の加熱を使用して、中間層74bをシート74aまたは74cのみに密閉することが望ましい場合、シート74aまたはシート74bのいずれかの非密閉側にある器具136aまたは136bは、そのシートと中間シート74bとの間の密閉を防止するために、より少量の熱を送達するように設定される。シート74bとのシールを形成するための、シート74aまたは74cに接触している反対側のダイ器具136aまたは136bの熱は、2つのシートを融解し、望ましいパターンでシートを密閉するのに十分な、より多量の熱を出力するように設定される。温冷ダイ器具136aおよび136bの温度は、密閉される側において、中間層136bの融解温度よりも高い温度プロフィールを形成し、中間層のこの側が融解することを防止するために、シート136bの反対側において低下するように設定される。このために、ダイ器具のうちの1つは、完全に電力が切断されてもよい。したがって、ダイ機械は、異なるシート74a〜74cを望ましい温度に加熱するために、各器具136aおよび136bの熱出力を独立して制御することが可能である。
【0153】
別の実施形態において、ダイ密閉機械は、高周波(「RF」)の種類である。ここで、器具136aおよび136bのうちの1つは正であり、もう一方は負であり、シート74aおよび74cと直接的または間接的に接触している。RF型密閉は、本明細書に挙げられる他の種類の配管およびシーティング材料を密閉するために使用されることができるが、PVC、例えば、PVC配管およびPVCシーティングを密閉するために、特によく適している。RF型密閉は、例えば、複数のステップにおいて3つのシートを密閉するために、図15の実施形態で使用されることができる。
【0154】
ここで図17、18、19Aおよび19Bを参照すると、代替の実施形態において、カセット10eは、可撓性部分138および剛性部分140を含む。可撓性部分138は、第1のシート74aおよび第2のシート74bを含む。蠕動ポンプ部分30およびインライン流体加熱経路42bは、上記に記載される任意の方法で、可撓性部分138内のシート74aおよび74bを介して形成される。しかしながら、カセット10eでは、バランスチャンバ50は、上記に記載される3つのシートの形の代わりに、2つのシート74aおよび74bを使用して形成される。ここで、バランスチャンバ50は、剛性部分140内に形成される剛性チャンバ142により部分的に形成される。図18に見られるように、可撓性部分138は剛性部分140に折り畳まれるか、そうでなければ、剛性部分140の下面に取り付けられる。これが起こる場合、バランスチャンバ50の可撓性膜部分は、剛性部140の剛性チャンバ142と一直線になり、その後、剛性部分140の剛性チャンバ142に密閉される。
【0155】
また、図18は、加熱経路42bで動作するヒータ118、および蠕動ポンプ部分30で動作する蠕動ポンプ作動装置90を示す。上記に考察される作動装置106等の弁作動装置は、弁作動ユニット144に提供される。弁作動ユニット144は、ヒータ118およびポンプ作動装置90から、カセット10eの反対側にある。図示の実施形態において、弁作動ユニット144は、カセット10eの適切な位置に対して、弁作動装置106、ヒータ118、およびポンプ作動装置90を所定の位置で押し付ける扉の一部であることができる。
【0156】
座28a〜28d等の弁座は、カセット10eの剛性部分140の一部として提供される。流路26a〜26d、32、58aおよび58b等の剛性流路は、剛性流体経路を備える、1つ以上のシート74bおよび74a内に提供される開口96等の開口を介して、可撓性部分138のポンプ部分30、バランスチャンバ50、それらの関連する流路、および流体加熱経路42bと連通する。
【0157】
バランスチャンバ50に関して、流路56aおよび58aは、可撓性部分138のバランスチャンバ50の可撓性部分から、剛性部分140により画定される剛性経路に流動する。弁座28j〜28mは、剛性部分140に位置する。さらに、剛性チャンバ142に通じる経路56bおよび58bもまた、剛性部分140内に提供される。
【0158】
ここで図19Aおよび19Bを参照すると、カセット10eの剛性部分140の剛性チャンバ142、および可撓性部分138の2つの可撓性シート74aおよび74bから構築される、バランスチャンバ50が図示される。図19Aおよび19Bのバランスチャンバ50が、剛性部分140および可撓性部分138を有するカセット10eに関連して示されるが、その中に単一の剛性部分142を有する可撓性シーティングカセットを備える、図19Aおよび19Bのバランスチャンバ50を提供することが、明示的に考慮される。つまり、剛性チャンバ142は、独立して、または別個に提供されることができ、より大きい剛性部分140の一部である必要はない。
【0159】
図示されるように、シート74aは、剛性支持部材146に当接する。剛性支持部材146は、カセット10dが備えられ得るか、あるいは、カセット10dで動作する透析機械100dの一部である。支持プレート146は、下部バランスチャンバ区画54dが充填された場合、下部バランスチャンバ区画54bを、剛性チャンバ142により形成されるキャビティへと拡大させる。弁座28kおよび28mは、剛性チャンバ142と協働して象徴的に示される。同様に、弁座28jおよび28lは、シート74aおよび74bと協働して象徴的に示される。例示目的で、弁座は、閉流体状態の場合は「X」が付いて、開または流体流動状態の場合は「X」なしで示される。
【0160】
図19Aにおいて、弁座28jおよび28mで動作する弁作動装置により、座が閉じる一方で、弁座28kおよび28lで動作する弁作動装置により、それらの座は開く。この弁状態の構成において、上部バランスチャンバ区画54aが、一定量の流体116で充填する一方で、下部バランスチャンバ区画54bは、望ましい目的位置に同量の流体を排出する。図19Bにおいて、弁座28kおよび28lで動作する弁作動装置により、それらの座が閉じる一方で、弁座28jおよび28mで動作する弁作動装置により、それらの座は開く。ここで、下部バランスチャンバ区画54bが、流体116で充填する一方で、同量の流体が、上部バランスチャンバ区画54aから、弁座28mを通って望ましい目的位置に分配される。
【0161】
バランスチャンバ50の剛性チャンバの形は、例えば、カセット28aおよび28dで図1および17に示されるように、カセット内に単独で提供されることができる。あるいは、バランスチャンバ50の2つ以上の剛性チャンバの形が、図3のカセット10cに関連して考察される等のカセット内に提供される。通常の適合した流量状況下で、新鮮な流体は、使用済み流体を他の区画から分配する、区画54aまたは54bのうちの1つに入り、逆の場合も同じである。あるいは、剛性チャンバのバランスチャンバ50は、UFのみに使用されることができ、その場合、使用済み流体は、区画54aおよび54bの両方に送達される。
【0162】
ここで図20A〜20Dを参照すると、可撓性シート74a〜74cを用いる、バランスチャンバ50の代替の実施形態が図示される。図20A〜20Dにおけるバランスチャンバ50は、バランスチャンバ入口としてチューブ156aおよび156b、ならびにバランスチャンバ出口としてチューブ158aおよび158bを組み込む。チューブ156a、156b、158a、および158bは、PVC、非DEHP PVC、ポリブタジエン(「PB」)、エチレン酢酸ビニル(「EVA」)、ポリプロピレン(「PP」)ブレンド、ポリエチレン(「PE」)ブレンド、Kratonブレンド、およびポリオレフィンブレンド等の、任意の好適な医療グレード材料製であることができる。チューブは、シール72lに沿って所定の位置で密閉される。図6および7に関連して上記に考察される、上部および下部シール72eおよび72fは、上部バランスチャンバ区画54a、および下部バランスチャンバ区画54bを形成するように作製される。入口チューブ156aおよび出口チューブ158aが、上部バランスチャンバ区画54aと流体的に連通する一方で、入口チューブ156bおよび出口チューブ158bは、下部バランスチャンバ区画54bと流体的に連通する。
【0163】
第1および第3のシート74aおよび74cが、図7に示されるチャンバ壁102aおよび102b等の、元々透析機械内部に位置する部材であるバランスチャンバのそれぞれの内壁に対して引き離すことを可能にするために、バランスチャンバ入口チューブ156aおよび156b、ならびにバランスチャンバ出口チューブ158aおよび158bの内端部160は、シール72eおよび72fにより形成される円形のチャンバと、一直線になるように構成される。チューブ156aから入る流体が、上部区画54aのみに流入することができるように、中間シート74bは、チューブ156aおよび158aの底部に密閉される。156bを通ってシートおよびチューブタイプバランスチャンバ50に入る流体が、バランスチャンバ50の底部区画54bのみに入ることができるように、中間シート74bは、チューブ156bおよび158bの内端部160の頂部周辺に密閉される。そうでなければ、バランスチャンバ50が動作中、中間シート74bは、外側シート74aおよび74c内を自由に前後に移動する。
【0164】
図20Cおよび20Dは、シート74a〜74cが、半円形の屈曲76を有することを図示する。屈曲76は、例えば熱成形により、事前成形されるか、または少なくとも部分的に事前成形されることができる。あるいは、屈曲76は、チューブ156および158の周囲にシート74a〜74cを密閉するプロセス中に、形成される。屈曲76は、外側シート74aおよび74c内に外画に作製される。中間シート74b内の屈曲76は、必要に応じて方向を交互にする。どちらの側が溶接されているかに応じて、シール72lは、2つのシート74a/74bもしくは74b/74c、または1つのシート74aもしくは74bを、チューブ156aまたは156bに溶接してもよい。
【0165】
図示の実施形態において、シートおよびチューブタイプのバランスチャンバ50は、使い捨てユニットまたは透析システムの別の部分に流体的に接続されることができる、別個の器具として提供される。そのために、チューブ156a〜158bは、透析液回路の他の部分に接続されるために必要な長さであることができる。代替の実施形態において、図20A〜20Dの構成を有する、2つ以上のバランスチャンバ50は、シート74a〜74c、およびチューブ156a〜158bの2つ以上のセットにより形成される。さらに別の方法として、図20A〜20Dのバランスチャンバ50の1つ以上は、カセット10a〜10d等のカセット内に提供され、バッグ、患者接続部、および関連する配管にもかかわらず、透析液回路のコンポーネントの全部ではないが大部分を含む。
【0166】
チューブ156a〜158bは、図1のバランスチャンバ50に関連して上記に記載される、弁座28j〜28l等の弁座を有するか、または含むことができる。あるいは、弁座領域の修正の必要なく、チューブ156a〜158bの一部を固定するために、自動ピンチまたは配管クランプが使用される。図20A〜20Dのバランスチャンバ50は、1つ以上のバランスチャンバを用いる、本明細書に記載されるカセットのいずれにも使用されることができる。
【0167】
ここで図21A〜21Gを参照すると、好ましい一実施形態においては、在宅血液透析(「HHD」)機械である、血液透析機械100eで動作している、代替の可撓性シーティングカセット10eが示される。あるいは、カセット10eは、本明細書に考察される透析治療のいずれにも使用されることができる。親出願で考察されるように、血液透析は、典型的には、クリニックまたはセンターで行われ、透析液は、水源および濃縮物を使用してオンラインで作製される。在宅の場においても、典型的には、同様の種類のオンラインの透析液生成ユニットが使用される。これらのユニットは大きく、透析機械が水源に接続されることを必要とする。図21A〜21Gおよび親出願に図示される実施形態において、1つ以上の供給バッグから供給される透析液を使用し、拡散浄化に加えて対流浄化を提供することができる、代替のシステムが示される。あるいは、血液ディスポーザブルが、透析液ディスポーザブルと組み合わされる。図21Bおよび21Fにおいて、別個の血液カセット150が提供される。
【0168】
図21Aおよび21C〜21Eは、可撓性シーティングカセット10eを図示する。カセット21eは、多くの点で上記のカセットとは異なる。1つの違いは、例えば、図1、3、および5に関連して上記に示され、記載される可撓性シーティングカセットポンプ部分30の代わりに、別々の蠕動ポンピングチューブ148および154が使用されることである。第2の違いは、カセット10eの可撓性シート74a〜74cの外部の配管により、異なる供給および排出バッグのマニホールドが行われることである。図21Aにおいて、透析液ライン148およびUFライン154で動作する蠕動ポンプ作動装置は、流体をバランスチャンバ50aおよび50bの入口に駆動する。HHD治療において、流体は、バランスチャンバ50aおよび50bの弁で調節される出口を出て、上記に記載されるようなダイアライザまたは排出口のいずれかに向かう。前述同様に、バランスチャンバ50は、排出口およびダイアライザへの同量の流体を測定する、中間測定装置として動作する。上記に記載される、限外濾過を制御するための方法のいずれも、可撓性シーティングカセット10eで使用されることができる。例えば、バランスチャンバ50の多くのストロークは、使用済み流体が、バランスチャンバ50aおよび50bの両半分に送り出される、専用のUFストロークであり得る。あるいは、別個のUFバランスチャンバが、提供されることができる。
【0169】
図21Aおよび21Eに見られるように、新鮮な透析液は、供給バッグのうちの1つから、それぞれの供給ライン18a〜18eを通って、マニホールド162、および蠕動透析液ポンプ作動装置で動作する透析液ポンピングチューブ148内に送り出される。蠕動透析液ポンプは、入口コネクタ16を通って、統合されたインライン流体加熱経路42bを通って、バランスチャンバ50aまたは50bのうちの1つに、新鮮な透析液を送り出す。加熱された溶液から出るいかなる空気も、通気孔44を通って放出されることが可能である。一実施形態において、空気が自動的にカセット10eの頂部に上がり、空気通気孔44および通気ライン164(図21E)を通って放出されるように、カセット10eは、図21Aおよび21Eに示されるように垂直に取り付けられる。これは、カセット10a〜10cに関連して上記に考察されるような、弁作動装置および座の数を減少させる。つまり、いかなる空気も、機械の通常動作を停止させる必要なく、自動的に取り除かれる。
【0170】
バランスチャンバ50aおよび50bのうちの1つの入口区画への、新鮮な透析液の送り出しにより、そのバランスチャンバ内に既に存在する、同量の使用済み流体は、排出ライン24を通って排出口に送り出される。同時に、UFポンプライン154で動作するUFポンプ作動装置は、ダイアライザから、患者からのライン152bを通って、バランスチャンバ50aおよび50bのもう一方の入口区画内に、使用済み流体を送り出す。そのような動作により、同量の新鮮な流体が、患者コネクタ62aおよび患者へのライン152aを通って、ダイアライザに送り出される。
【0171】
図21Aに見られるように、整理された方法で供給ライン18a〜18e、排出ライン24、通気ライン164、ダイアライザへのライン152a、およびダイアライザからのライン152bを保持するために、かつ、カセット10eおよび関連するチューブが、容易に取り付けられることを可能にするために、配管形成体168が提供される。また、図21Aは、マニホールド162と協働する暗い領域188を示す。暗い領域188は、新鮮な透析液が望ましい供給バッグ12から引かれ、使用済み透析液が、排出バッグ14または排出バッグとして使用されている供給バッグ12のうちの1つに送り出されることを、選択的に可能にするために閉じて固定される、関連するチューブの一部を示す。
【0172】
ここで図21Cおよび21Dを参照すると、可撓性シーティングカセット10eの多くの付加的特徴が、図示される。図21Dの概略的な側面図は、シート74a、74b、および74cが、3つの層74(合わせて、層24a〜24cを意味する)を形成するために、2回折り畳まれる単一シートの材料から形成されることを図示する。これは、外側縁部シームまたはシールの数が減少することを可能にし、また、別々の層74a〜74cの配列を助ける。本明細書に記載される可撓性シーティングカセットのいずれも、単一の折り畳まれたシート、1回の折り畳みによる2つのシート、または3つの別々のシート等を使用して形成されることができることを、十分に理解されたい。
【0173】
また、図21Cおよび21Dは、第1のシート74aのみが、シート74bに溶接されるか、そうでなければ固定される、第1の溶接部位190aを示す。3つのシート74a〜74cのすべてが、合わせて溶接または接着される、溶接部位190bもまた示される。また、図21Cは、第2の層74bのみが、第3の層74cに溶接されるか、そうでなければ固定される、第3の領域190cを示す。この選択的溶接は、カセット10eが、効率的に作製されることを可能にする。3つのシートの溶接は、2つのシートのみが合わせて溶接される必要がある領域においては、行われる必要はない。しかしながら、3つのシートは、そうする必要がある領域において、溶接されるか、そうでなければ貼り付けられることができる。概して、2つの層の溶接または接着部190aおよび190cは、1つの層における流動が望ましいが、別の層においては望ましくない場合に必要とされる。代替の実施形態において、三層溶接190b(周辺の三層溶接、および入口および出口ポートのための三層溶接を除く)は、排除され、図24A、24B、25A、25B、26A、26Bおよび28に関連して以下に記載される、圧迫シールと置換される。
【0174】
図21Cにおいて、選択的な溶接は、バランスチャンバ50aおよび50bに関連する領域において行われる。図6は、3つのシートのバランスチャンバ50が、合わせて溶接される方法に関するさらなる情報を提供する。蛇行経路42bは、3つのシートの溶接から形成される。これは、流体加熱経路42bが、シート74aと74bとの間、およびシート74bと74cとの間に、空間的に効率的に延在することを可能にする。
【0175】
図20Cおよび20Dは、流体が、中間シート74b内の望ましい位置に作製される開口96を使用して、異なる層またはシーティングの組の間を移動することを図示する。流体は、例えば、シート74bと74cとの間の第1の経路内の単一の供給コネクタ16に入る。開口96aは、流体が、それが最初に加熱される、シート74aと74bとの間に位置する流体加熱経路42bの一部に移動することを可能にする。次いで、流体は、開口96bを通って、シート74bと74cとの間に位置する流体加熱経路42bの第2の部分に移動する。加熱溶液から出るいかなる空気も、カセット10eの頂部を通って、通気孔44を通って放出される。次いで、加熱された流体は、一実施形態において3つのシート74a〜74cのすべてを使用するバランスチャンバ領域に入る。新鮮な流体は、シート74bと74cとの間に位置するバランスチャンバ区画を通って、2つの患者コネクタ62aを通ってダイアライザに出る。使用済み流体は、シート74aと74bとの間に位置するバランスチャンバ区画への患者からのコネクタ62bを介して、ダイアライザからカセット10eに戻る。使用済み流体は、シート74aと74bとの間に位置する排出コネクタ22を介して排出口に送られる。
【0176】
ここで図21Bおよび21Fを参照すると、HD、HHD、およびHFで使用される血液カセット150の一実施形態が、図示される。血液カセット150もまた、一実施形態において図示されるように、垂直に取り付けられる。カセット150は、剛性筐体172を有する剛性部分170、および筐体172に取り付けられる、上記に考察される材料のいずれかにより作製される可撓性膜174を含む。右側部分170は、ポリ塩化ビニル(「PVC」)、アクリル、ABS、ポリカーボネート、ポリオレフィンブレンド等の好適な材料から作製される。筐体172は、患者からのポート176、患者へのポート178、生理食塩水ポート180、通気孔44、ダイアライザへのポート182、およびダイアライザからのポート184を含むか、または画定する。図21Bおよび21Fに見られるように、ポート178および180、ポート184、および通気孔44等のポートは、筐体172に沿った異なる相対的位置に形成される。
【0177】
図21Bは、患者からのライン、患者へのライン、および生理食塩水ラインのそれぞれで動作する、弁座28x〜28zを図示する。蠕動ポンプ作動装置は、患者から、カセット150に、ダイアライザに、カセット150に戻り、次いで、再び患者に血液を送り出すために、血液ポンプライン166で動作する。ダイアライザから受容される流体は、患者に戻される前に空気分離チャンバ192に入る。血液186が、空気分離チャンバの底部に集まる一方で、血液中のいかなる空気も、空気分離チャンバ192の頂部に上昇する。空気分離チャンバ192は、疎水性膜等の通気孔44をさらに含むことができ、空気がカセット150から取り除かれることを可能にする。
【0178】
図21fの血液カセット150の動作は、図21Bに関連して記載される動作と同様である。しかしながら、ここで、弁座21yは、ダイアライザへのポート182に接続されるダイアライザへのラインで動作する。弁座28xは、図21Bに示されるように、患者からカセット150に入る流体を制御する。弁座21zは、カセットへの生理食塩水の流入を制御する。空気分離チャンバ192は、前述同様に動作し、チャンバ192の頂部における空気が、通気孔44を通ってカセット150を出ることができる。空気分離チャンバ192の底部における血液は、患者へのポート178を通って、患者に流動する。図21Fは、可撓性シート174が、筐体170の剛性部分172に溶接または接着されることをさらに図示する。可撓性シート174は、弁作動装置が、それぞれの流体流路を開閉するために、弁座28x〜28zを圧迫することを可能にする。図21Fにさらに図示されるように、血液カセット150は、動脈圧、静脈圧、または血液温度等の血液のパラメータを感知するために、感知領域194aおよび194bを含むか、または提供する。
【0179】
カセット150は、親出願に記載されるようなHD、HHD、HF、HDF、およびそれらの任意の組み合わせで使用される血液カセットに関連するコンポーネントを図示する。明らかなように、血液カセットは、透析液カセット10a〜10bとは別々に設置される、別個のカセット150として提供されることができる。あるいは、血液カセットのコンポーネントは、本明細書に開示される透析液カセット10のうちのいずれか1つと統合される。
【0180】
ここで図21Gを参照すると、血液透析機械100eの上面図は、カセット10e、種々の供給バッグ12、および排出バッグ14を取り付けるための一実施形態を図示する。カセット10eは、上記に考察される通気目的で、カセット10eの取り付けに対して、少なくともわずかに垂直なコンポーネントを作製するために、機械100eの頂部に対して斜めに配置されることができる。供給バッグ12および排出バッグ14は、機械100eの頂部により支持され、カセットが機械100eに取り付けられる前または後に、カセット10eに流体的に接続される。機械100eは、患者または介護者が、治療を開始、制御、および監視することを可能にする、ユーザインターフェス196を含む。ユーザインターフェス196は、必要に応じて、タッチスクリーンコントローラで動作可能なタッチスクリーンオーバーレイ、および/または膜スイッチを使用することができる。
【0181】
ここで図22A〜22Dを参照すると、代替の可撓性シーティングカセット10fを用いる、さらなる代替のシステム100fが図示される。システム100fは、在宅血液透析等の血液透析の実行によく適している。また、ここで、システム100fは、上記に記載される血液カセット150と同様または同一であり得る、第2の血液カセットを使用する。図22Aは、カセット10fおよび150を、機械100fに装填するための一実施形態を図示する。ここで、透析液コンポーネントが、ユーザインターフェス196の一つの側に位置する一方で、血液コンポーネントは、ユーザインターフェス196のもう一方の側に位置する。この構成は、使用者にとってカセットの装填を比較的容易にし、また、機械100e内に位置する弁およびポンプ作動装置、ならびにヒータが、効率的に取り付けられ、機械100fの全体のサイズを減少させることを可能にする。
【0182】
機械100fにおいて、カセット10fは、垂直に配設され、上記に記載される空気パージの目的に有利である。機械100fは、2つの蠕動ポンプ作動装置90を含み、カセット10eに関して上記に記載される配列と同様に、そのうちの1つが、透析液チューブを通って流体を駆動する一方で、もう一方は、UFチューブを通って流体を駆動する。図1に関連して上記に記載される別個のヒータバッグ40は、カセット100fの剛性筐体部分200から右側に延在する。以下に、より詳細に示されるような剛性筐体部分200は、流路および関連する弁座を画定する。したがって、機械100fの弁作動装置は、カセット10fの剛性カセット部分200の後方に位置する。プレートヒータまたは他の種類のヒータは、ヒータバッグ40の後方に位置する。カセット10fのデュアルバランスチャンバの可撓性膜コンポーネント198は、剛性部分200の下方にある。本明細書に考察されるように、蠕動ポンプ作動装置90は、別の方法として、バランスチャンバ50aおよび50bの入口区画を通って、新鮮なおよび使用済みの流体を駆動する。ヒンジ扉202は、その剛性部分200を含むカセット10f、バランスチャンバコンポーネント198、およびヒータバッグ40が、機械100fに容易に挿入され、機械100fから容易に取り外されることを可能にする。
【0183】
ここで図22Bを参照すると、カセット10fのさらなる詳細図が図示される。考察されるように、カセット10fは、別個のヒータバッグ40、およびバランスチャンバユニット198に流体的に接続される剛性部分200を含む。したがって、カセット10fは、加熱およびバランスチャンバ機能が、可撓性シーティング膜を介して行われる一方で、弁作動が、可撓性シート202と組み合わせて剛性部材200を使用して実行される点で、カセット10eと異なる。弁作動装置、例えば、バネ閉鎖、空気圧作動型のオープン作動装置は、必要に応じて選択された流路を開閉するために、弁座28で動作する。また、カセット10fは、カセット10eに関連して上記に記載される、別々の蠕動ポンピングチューブ148および154を含む。ヒータバッグ40は、蛇行加熱経路(図示せず)を含み、ヒータへのおよびヒータからのライン38aおよび38bのそれぞれを介して、剛性部材200と連通する。また、バランスチャンバユニット198も、図示されるように、ポートコネクタおよびチューブを介して、剛性部材200と連通する。
【0184】
バランスチャンバユニット198は、図22Cおよび22Dにより詳細に図示される。バランスチャンバユニット198は、図20A〜20Dに関連して上記に記載される、可撓性のシーティングバランスチャンバ50と同様である。ここで、ユニット198は、可撓性シート74a〜74cから作製される2つのバランスチャンバ50aおよび50b、新鮮流体チューブ156、および使用済み流体チューブ158を提供する。図22Dで最もよく見られるように、バランスチャンバ50aおよび50bの各区画は、新鮮チューブ156または使用済みチューブ158のうちの1つのみと連通する。新鮮チューブ156が、シート74aと74bとの間に位置する、第1のバランスチャンバ区画と連通する一方で、使用済みチューブ158は、シート74bと74cとの間に位置する、第2のバランスチャンバ区画と流体的に連通する。バランスチャンバ50aおよび50bのそれぞれは、図20A〜20Dに関連して上記されるように、シール72e、72f、および72lを含む。
【0185】
図22Dは、シート74a〜74cが、図20A〜20Dのバランスチャンバ50のものと同様の、半円形の屈曲76を有することを図示する。屈曲76は、例えば、熱成形を介して事前成形されるか、または少なくとも部分的に事前成形されることができる。あるいは、屈曲76は、チューブ156および158の周囲にシート74a〜74cを密閉するプロセス中に形成される。屈曲76は、外側シート74aおよび74c内に外側に作製される。中間シート74b内の屈曲76は、バランスチャンバ50aおよび50bのそれぞれに対して、方向を交互にする。明らかなように、各チューブ156および158は、片側で溶接される単一のシート74aまたは74c、およびそのもう一方の側で溶接される、中間シート74bと組み合わせた2つのシート74aまたは74cを有する。一実施形態において、チューブ156および158は、初めに中間シート74bに溶接される。次いで、外側シート74aおよび74cが、中間シート74b、ならびにチューブ156および158の曝露部に溶接される。
【0186】
動作中、新鮮な流体は、チューブ156を通って出入りする。使用済み流体は、チューブ158を通って出入りする。つまり、2つの新鮮チューブ156aおよび156b、ならびに2つの使用済みチューブ158aおよび158bを有する、図20A〜20Dのバランスチャンバ50にあるような、各バランスチャンバ区画に対する別々の入口および出口チューブはない。むしろ、同一のチューブが、その区画に対する、新鮮なまたは使用済み流体入口および流体出口として機能する。弁および流路は、必要に応じて、バランスチャンバ50aおよび50bの内外へ流動を方向付けるように、剛性部材200内に構成される。
【0187】
チューブ156を通って、シート74aと74bとの間の新鮮バランスチャンバ区画に入る新鮮な流体により、中間シート74bは、使用済みチューブ158を通って、シート74bと74cとの間の使用済み区画から、同量の使用済み流体を取り除く。バランスチャンバ50aおよび50bのうちの1つにおいて、これが行われている間、使用済み流体は、もう一方のバランスチャンバのシート74bと74cとの間の使用済みコンパートメンに入り、新鮮チューブ156を通って、シート74aと74bとの間の新鮮区画から、同量の新鮮な流体を取り除くように、中間シート74bを動かす。次いで、該順序が繰り返される。このように、少なくとも半連続フローの流体が、患者またはダイアライザ、および排出口に送られる。
【0188】
ここで図23を参照すると、さらなる代替のカセットが、カセット10gにより図示される。カセット10gは、カセット10eの簡略型である。カセット10gは、供給ライン18a〜18e、排出ライン24、透析液ポンプチューブ148、返りポンプチューブ154、インライン流体加熱経路42b、通気孔44、通気ライン164、患者へのコネクタ62a、ダイアライザへのライン152a、およびダイアライザからのライン152bを含む。カセット10gとカセット10eとの主な違いは、カセット10eで使用されるバランスチャンバ50aおよび50bが、カセット10gで使用されないことである。つまり、流体の輸液制御は、可撓性シーティングカセット10gでは、適合流量平衡装置、またはバランスチャンバ50aおよび50bを使用して実行されない。代わりに、患者から送達および除去される流体の比重または重量制御、または本願の出願人により販売されるHomeChoice(登録商標)透析機械で使用される、流量管理システム(「FMS」)による等、別の方法が使用される。シーティングカセット10gの本体は、望ましい方法で流動を方向付けるために、必要に応じて弁座および流路を含むことができる。あるいは、流量は、カセット10gに接続されるチューブを締め付けること、および締め付けを緩めることにより、制御されることができ、その場合、カセット10gは、主として流体加熱経路として機能する。流路、弁座、および流体加熱経路42bは、本明細書に記載されてきたように、2つのシート74aおよび74b、または3つのシート74a〜74cにより提供されることができるか、または剛性フレーム等の剛性コンポーネントを有することができる。
【0189】
ここで図24Aおよび24Bを参照すると、可撓性膜カセット10hを用いる、さらなる代替のシステム100hが図示される。システム100hは、在宅血液透析等の血液透析の実行によく適している。システム100hは、カセット150等の血液カセットを使用する。図24Aは、カセット10hが装填されていないシステム100hを示す。図24Bは、カセット10hが装填されているシステム100hを示す。
【0190】
設置されているように、カセットのバランスチャンバ部分、流体加熱経路、および他の流体流路を形成するために、機械100hの係合するダイプレート210aおよび210bが、カセット10hの周囲に合わせて締め付けられるため、カセット10hは大幅に簡略化される。つまり、バランスチャンバ部分、経路等は、装填前にカセット10h内に事前成形される必要はない。その代わりに、機械100hの壁220に対する扉202の閉鎖は、機械的に流体密閉の通路を形成する。カセット10hは、望ましいコンポーネントを形成するために必要に応じて、3つのシート74a〜74c、または2つのシート74aおよび74bから作製される、図25Bに見られるようなポーチ212として事前成形される。ポーチ212は、図24Bにさらに見られるように、ダイアライザへのライン152a、ダイアライザからのライン152b、通気ライン164、入口コネクタ16、供給ライン18a〜18f、および排出ライン24に流体的に接続される。
【0191】
ダイプレート210aは、ヒンジ扉202により形成される。一致するダイプレート210bは、機械またはシステム100hの壁220の上に形成される。図示の実施形態において、ダイプレート210aは、ダイプレート210bのリッジ214bを形成する加熱経路と係合する、リッジ214aを形成する加熱経路を含む。ダイプレート210aは、ダイプレート210bのリッジ216bを形成するバランスチャンバに係合する、リッジ216aを形成するバランスチャンバを含む。また、ダイプレート210aおよび210bは、チューブを締め付けるか、または閉鎖することなく、扉202が閉じる場合、所定の位置にチューブ152a、152b、および164を固定する溝218aおよび218bのそれぞれを受容する、チューブ/コネクタを形成するか、または含む。ダイプレート210aおよび210bは、別の方法として、または付加的に、輸液ポンプ部分70、UFメータ部分内部流路26、弁座28等の、本明細書に考察される、他の任意の付加的な可撓性シーティング器具を形成する。
【0192】
ダイプレート210aおよび210bのうちの少なくとも1つは、ヒータ、ポンプ作動装置、バランスチャンバ作動装置および/または弁作動装置等の、コンポーネント起動部と統合される。加熱は、電気抵抗プレート加熱、誘導加熱、放射加熱および/または超音波加熱により達成される。図25Aは、機械的締め付けにより形成される流体加熱経路を加熱するように構成される、インライン電気抵抗またはプレートヒータの一実施形態を示す。図25Bは、クラムシェル型側面を形成する加熱経路を有する別個のヒータを示し、その内容は、システム100hにも適用できる。図26Aおよび26Bは、機械クラムシェル型リッジにより形成される可撓性シーティングカセットのバランスチャンバ部分を示し、空気圧的、機械的、油圧的、または図示の場合、電磁的に作動されることができる。図28は、機械クラムシェル型リッジにより形成される可撓性シーティングカセットの輸液ポンプ部分を示し、それもまた、空気圧的、機械的、油圧的、または図示の場合、電磁的に作動されることができる。システム100hは、これらの技術のいずれも、ダイプレート210aおよび210bのうちの1つ以上に統合することができる。
【0193】
図示の実施形態において、ポーチ212は、コネクタ、例えば、コネクタ16、および/またはチューブ152a、152b、および164への密閉に必要とされるものを除いて、いかなる内側シームも有さず示される。別の方法として、漏れによる損傷を軽減するために、内側安全シームを提供することが考慮される。例えば、シームは、ポーチ212の流体経路部分を、ポーチのバランスチャンバ部分から分離するために、提供されることが可能である。別のシームは、バランスチャンバ部分50aを、バランスチャンバ部分50b等から分離または隔離するために、提供されることが可能である。安全シームは、任意の望ましい形状またはパターンを有することができるが、有利に、完全に流量コンポーネント部分を形成するために必要とされる形状またはパターンよりも単純であることができる。安全シームは、シート74aと74b、74bと74cの間、および3つのシート74a〜74cのすべての間にあることができる。
【0194】
あるいは、2つのシートのシールを有する実際の流量コンポーネントを形成するために、上記に記載される結合または溶接方法を使用して、例えば、シート74aと74b、または74bと74cとの間に、2つのシートのシールを形成することが、明示的に考慮される。ここで、3つのシート74a〜74cのすべての間のシールが必要とされるどの位置にも、機械クラムシェル型密閉が使用される。ここでもやはり、溶接または接合の全体の数およびパターンは、それぞれ減少し、簡略化されるものとする。
【0195】
ここで図25Aを参照すると、リッジ214aおよび214bを形成する加熱経路の機械的締め付けにより形成される、カセット10hの加熱部分が図示される。図25Bに示されるようなカセット10hは、新鮮流体入口コネクタ16を介して新鮮な透析液を受容する、ポーチ212を含む。リッジ214aおよび214bは、入口コネクタ16から新鮮な流体を受容する、インライン流体加熱経路42bを形成する。インライン流体加熱経路42bは、熱を受けるために、上記に示されるように前後に蛇行する。加熱された透析液は、同様に機械的締め付けにより形成される内側経路222を通って出る。経路222を通る加熱された流体は、例えば、バランスチャンバ50aおよび50b、または輸液ポンプ70に移動する。
【0196】
また、図示の実施形態において、締め付けリッジ214aおよび214gは、加熱要素、例えば、アルミニウムプレート加熱要素である。さらなる要素224aおよび224bは、同様に電気抵抗要素であることができる、扉202および機械壁202に接続される。一実施例において、熱作動装置は、抵抗要素214a、214b、224a、および224bに、電力、例えば、200ワットを供給する電力供給源である。代替の種類の熱作動装置は、誘導、放射、結合、超音波、または加熱種類の組み合わせを含む。締め付けリッジ214aおよび214bは、熱を提供することができるが、その必要はない。
【0197】
図示されるように、どのような種類でも熱移動を使用するヒータは、一実施形態において、約5〜約30℃の温度から始めて、約37℃または体温まで、ゼロ〜約300ml/分の流速で、透析液を加熱することが可能である。機械100h内のコントローラ(図示せず)は、異なる開始透析液温度および異なる透析液流速に適合するために、一実施形態において、負荷サイクルまたは電源オン/電源オフサイクルを制御する。コントローラは、監視プロセッサおよび安全プロセッサで動作する、代理または下位プロセッサであることができる。流出流体温度モニタ226は、流体加熱経路42bを出る透析液の温度を感知し、望ましい流出温度を達成するために必要に応じて、負荷サイクルを増加または減少させるように、コントローラにフィードバックを提供する。
【0198】
ここで図25Bを参照すると、別個のヒータ240内に流体加熱経路(例えば、図1および3の経路42aのような)を作製するために、機械的締め付けを用いる、分離可能な流体ヒータ240が図解される。別個の流体ヒータ240は、例えば、図1のシステム100a、図3のシステム100c、および図22Aおよび22Bのカセット10fに使用されることができる。ヒータ240は、任意の組み合わせで、本明細書に考察されるいずれかの種類の加熱を用いる。
【0199】
流体加熱ポーチ230は、本明細書に記載される任意の方法により、ヒータライン38aおよび38bに接続される。ポーチ212、230のための材料は、シート74a〜74cのための材料のいずれかを含む。チューブ38aおよび38bのための材料は、本明細書に記載される配管のための材料のいずれかを含む。明らかなように、形成されるような加熱ポーチ230は、図1および3の別個のヒータ40の流体加熱経路42aよりも単純である。
【0200】
図示の実施形態におけるヒータ240は、第1および第2の加熱筺体242および244が、共にヒンジで接続されるクラムシェル構成を含む。閉じる場合、筺体242および244それぞれのリッジ214aおよび214bを形成する加熱経路は、ポーチ230と係合し、ポーチ230を締め付ける。また、筺体242および244は、ライン38aおよび38bのそれぞれを受容する、溝218aおよび218bのそれぞれを形成するか、または含み、筺体242および244が、それらのラインを締め付けることなく、共に平坦に適合することを可能にする。
【0201】
リッジ214aおよび214bはそれ自体、図25Aに関連して上記に記載されるような加熱要素であってもよいし、そうでなくてもよい。一実施形態における筺体242および244のそれぞれは、加熱プレート246aおよび246bのそれぞれを含む。加熱プレート246aおよび246bは、例えば、図25Aに関連して上記に記載される温度および流速に応じて、圧着された流体加熱経路内の流体を加熱する。
【0202】
ここで図26Aおよび26Bを参照すると、バランスチャンバ250を動作させるための代替の器具および方法が、図示される。図26Aに図示される1つの主な違いは、バランスチャンバ250が、すでに考察されているような別個のポンプを介してではなく、磁気駆動されることである。中間シート74bは、カーボンまたは鉄等の層強磁性体252を間に挟む、外側層74dおよび74eを含む。強磁性体252は、中間シート74bが、部材102aおよび102bを形成するチャンバにより形成されるチャンバにおいて、必要に応じて前後に動くことを可能にするのに十分薄い。外側層74dおよび74eは、シート74a〜74cのための、上記に挙げられる任意の材料であることができる。あるいは、強磁性体252は、例えば、粉末または粒子として単一の層シート74bに含浸または分散される。いずれの場合においても、中間の移動シート252は、滅菌または実質的に滅菌した医療用流体に適合する必要がある。
【0203】
バランスチャンバ250は、カセット10(例えば、カセット10a、10c、10e、10f、および10hのそれぞれ)で動作する、透析機械100(例えば、100a、100c、100e、100f、および100h)の一部で動作していることが示される。透析機械100は、部材102aおよび102bを形成する第1および第2のチャンバを含むか、または画定する。例えば、102aまたは102bの部材のうちの1つが、固定され、可撓性シーティングカセット10(例えば、機械100hの壁220内に形成される)を受容するように構成される一方で、部材102aまたは102bを形成するチャンバのもう一方は、それが透析機械100に装填された後、可撓性シーティングカセット10の反対側で閉じる扉(例えば、扉202)の一部である。
【0204】
図示の実施形態における電磁石254aおよび254bは、部材102aおよび102bのそれぞれに埋め込まれ、チャンバ周囲に磁場を形成し、カセット10の上部シート74aまたは下部シート74cに強磁性シート74bを引くために、調節または分極されることができる。あるいは、電磁石254aおよび254bは、球状のチャンバ形成部材102aおよび102bのそれぞれの周囲に巻かれ、いずれの場合においても、以下に考察されるようなバランスチャンバ250を動作させるために、十分な質量で提供される。
【0205】
電磁石254aおよび254bはそれぞれ、リード256および258を介して、コントローラ248に接続される。一実施形態におけるコントローラ248は、監視プロセッサおよび安全プロセッサで動作する、代理または下位コントローラ、またはプリント回路基板(「PCB」)である。また、一実施形態におけるコントローラ248は、電磁石254aおよび254bの切り替えと同期して切り替わる、弁座28j〜28mで動作する弁(図1および3を参照)を制御する。
【0206】
電磁石254aを分極するために、コントローラ248により、電磁石254aに通じるリード256および258は、その電磁石に電力供給する。電磁石254bを分極するために、コントローラ248により、電磁石254bに通じるリード256および258は、その電磁石に電力供給する。電磁石254aが通電された場合、強磁性シート74bは、バランスチャンバ250の頂部に引かれる。電磁石254bが通電された場合、強磁性シート74bは、チャンバの底部に引かれる。このように、バランスチャンバ250は、自己電力供給または自己駆動し、測定機能に加えて、ポンピング機能を提供する。別個のポンプは必要ない。
【0207】
また、磁気的にドープされた中間層74bは、層の位置の測定を可能にすることも考慮される。電磁石コイル254aおよび254bへの電力を振動させることにより、コイルがオフの場合、電磁石コイル内の層の慣性移動により生成される電流を読み取ることが可能である。この情報は、中間の磁気的にドープされた層74bの速度に関連するか、または依存する。この速度情報を統合することにより、位置を確実に確定することが可能である。この情報は、チャンバからまたはチャンバへの流速の確定、およびチャンバのストロークが終了時の確定に使用されることができる。
【0208】
図示の実施形態において、部材102aおよび102bを形成するチャンバはそれぞれ、チューブ(図示せず)が、本明細書に考察される方法および実施形態のいずれかによって、解放可能にか、または恒久的に固定されるポート104を画定するか、または含む。一実施形態において、カセット10が機械100に装填された後に、静的な負圧または真空がポート104上に引かれて、第1および第2の部材102aおよび102bにより画定される、内側の少なくとも実質的に球状のキャビティに対して、第1および第3の層またはシート74aおよび74cを引く。可撓性シート74a〜74cは、適切な伸縮性と適合性を有し、非磁性で漏れのない材料でできている。
【0209】
部材102aおよび102bは、少なくとも実質的に球状の形状を画定すると示されるが、実質的に三角形または実質的に台形の形状等の、他の好適な断面形状が使用されてもよい。さらに、図示されないが、部材102aおよび102bは、層74aおよび74cのより大きい表面にわたって真空を広げることを助けるために、種々の方向にポート104から放射状に延在する空気チャネルを画定することができる。シート74aおよび74cが、一旦、それぞれの部材102aおよび102bを形成するチャンバの内表面に対して真空によって引かれると、バランスチャンバ50が動作できる状態になる。
【0210】
代替の一実施形態において、シート74aおよび74cは、剛性または半剛性であり、例えば、半円のチャンバ形状を有するように事前成形され、ポート104および関連する負圧を不必要にする。別の代替の実施形態において、外側シート74aおよび74cが必要ないように、電磁石254aおよび254b、ならびに強磁性シート74bは、再利用される、すなわち、使い捨てではないバランスチャンバで用いられる。つまり、磁気作動は、任意の種類のバランスチャンバで使用されることができ、明示的に、ここに示されるようなカセットによる、または可撓性シーティングカセットによるアプリケーションに限定されない。
【0211】
図26Aは、バランスチャンバ250に流体が送達されていない動作状態を図示する。図示の実施形態において、弁座28lは、機械100の一部である弁作動装置106で動作することが示される。ここで、プランジャ108に、第2のシート74bに接するように弁座28lを押し付け、バランスチャンバ出口58aを閉鎖させるために、正の空気圧が、作動装置106のポートに付与される。作動装置106は、弁作動装置106の内部の、例えば、円筒形筐体内のプランジャ108の間に、摺動シールを形成するOリングシール110を含む。バランスチャンバ出口58aを開くために、ポート106に負圧が印加され、ストップ112に対して上方にプランジャ108を引き、流体が、座28lを開き、バランスチャンバ出口58aを通って、上部バランスチャンバ区画54aから外側に流動することを可能にする。
【0212】
動作中、上部バランスチャンバ区画54aを充填するために、プランジャ108が加圧され、弁座28lおよびバランスチャンバ出口58aを閉鎖する。同様の弁作動装置およびプランジャは、バランスチャンバ入口56aを閉鎖する。電磁石254aは通電され、上部シート74aに対してシート74bを引く。次いで、バランスチャンバ入口56aによって動作する弁作動装置およびプランジャが開き、電磁石254aは電力が切断され、電磁石254bは通電され、シート74bをチャンバを横断して全体的に、および下部シート74cに対して引いて真空を形成し、上部バランスチャンバ区画54aを充填する。
【0213】
上部バランスチャンバ区画54aを空にし、下部バランスチャンバ区画54bを充填するためには、バランスチャンバ入口56aによって動作する弁作動装置およびプランジャは閉じ、プランジャ108は、ストップ112に対して引かれ、弁座28lおよびバランスチャンバ出口58aを開き、電磁石254bは電力が切断され、電磁石254aは通電され、シート74bをチャンバを横断して全体的に、および上部シート74aに対して引き、バランスチャンバ出口58aを通って、バランスチャンバ区画54aから流体を取り除き、同時に、バランスチャンバ区画54b内に真空を形成し、そのようなチャンバを充填する。次いで、サイクルは逆にされ、バランスチャンバ区画54bから流体を取り除き、同時に、バランスチャンバ区画54aを充填するために、第2のバランスチャンバ入口56bおよび第2のバランスチャンバ出口58b(図1を参照)を使用する。
【0214】
区画54aおよび54bによって画定される体積は固定されるため、かつ、第2のシート74bは、各半ストロークで、上部および下部シート74aまたは74cに対して最後まで押されるため、同一の体積の流体が、各半ストロークで、バランスチャンバ出口58aおよび58bを通って出力される。この方法で、新鮮なおよび使用済みの流体のバランシングおよびUF除去が、容易かつ正確に制御されることができる。
【0215】
また、プランジャ108に強磁性体を含浸させ、電磁的に弁座28を開閉することが考慮される。
【0216】
ここで図26Bを参照すると、図26Aは、機械的締め付け圧着を介してバランスチャンバシールを形成するための一実施形態を示すために、ポート104を通るアクセスの周りに90度回転されている。部材102aおよび102bのそれぞれを形成するチャンバは、バランスチャンバ圧着リッジまたはリング216aおよび216b(図24Aおよび24Bに関連して上記に記載される)を画定するか、または含む。一実施形態におけるリング216aおよび216bは、入口および出口経路56および58を可能にする以外は、バランスチャンバ50または250の外周周囲に延在する。リング216aおよび216bは、チャンバ内の正および負圧、ならびにその変化に耐えるために、十分に機械的にシート74a〜74cを密閉するために共に圧着される。締め付けリング216aおよび216bは、例えば、別個のポンプまたは電磁動作を介して、任意の種類のバランスチャンバ動作で動作する。
【0217】
外側の安全リングシール72mは、任意に提供されてもよい。シール72mは、本明細書に考察される技術のいずれかによって形成される。それは、機械リング216aおよび216bによって形成される、機械シールを逸脱させるいかなる透析液からの損傷も軽減することに役立つ。また、機械100内のカセット10の配置における公差も考慮に入れる。
【0218】
ここで図27を参照すると、磁気駆動されたバランスチューブ260の一実施形態が図示される。バランスチューブは、親出願の図45に関連して考察される。親出願に考察されるように、ここで、バランスチューブ260は、バランスチャンバ250の可撓性膜74bと同様に機能する、分離器262を含む。図示の実施形態において、分離器262は、円筒形筐体264内を密着して移動するボールまたは球状の物体である。一対のキャップ266および268が、円筒形筐体264の両端部に提供される。キャップ266および268は、外側Oリング270を介して、円筒形チューブ264に密閉される。分離器またはボール262は、内側Oリング272を介して、キャップ266および268に密閉される。代替の実施形態において、キャップ266および268は、円筒形チューブ264に永久的に、または密閉してシールされる。ポート274および276は、キャップ266および268のそれぞれと一体に形成されるか、またはそれに取り付けられる。ポート274および276は、当業者に既知のいかなる機構を介して、係合するチューブに密閉される。
【0219】
分離器262は、カーボンまたは鉄等の強磁性体が含浸される。例えば、カーボンコアは、医療的に安全な材料製のシェルで被覆されることが可能である。電磁石254aおよび254bは、一実施形態において、キャップ266および268のそれぞれに埋め込まれ、分離器262の周囲に磁場を形成し、上部キャップ266または下部キャップ268に強磁性の分離器262を引くために、調節または分極されることができる。電磁石254aおよび254bはそれぞれ、リード256および258を介して、上記に記載されるコントローラ248に接続される。あるいは、電磁石254aおよび254bは、キャップ266および268の外側に位置し、代わりに、キャップ266および268、ならびにチューブ264の潜在的端部位置の周囲に巻かれる。ここで、磁石は、チューブ260内に位置せず、機械内に収納されることができる。
【0220】
電磁石254aを分極するために、コントローラ248により、電磁石254aに通じるリード256および258は、その電磁石に電力供給する。電磁石254bを分極するために、コントローラ248により、電磁石254bに通じるリード256および258は、その電磁石に電力供給する。電磁石254aが通電された場合、強磁性分離器262は、キャップ266に引かれる。電磁石254bが通電された場合、強磁性分離器262は、キャップ268に引かれる。ボール262の移動は、各ストロークにより、ポート274または276を通って、新鮮な/使用済みのまたは使用済みの/新鮮な流体を押し出し、引き入れる。このように、バランスチューブ260は、自己電力供給または自己駆動し、測定機能に加えて、ポンピング機能を提供する。別個のポンプは必要ない。上記に考察されるように、磁気的に含浸された分離器262は、その位置が、筐体264内で確定されることを可能にする。
【0221】
一実施形態において、光センサが、強磁性ボールまたは分離器262が、移動端部に適切に達したかどうか検出することができるように、円筒形チューブ264は、半透明または透明である。超音波または他の種類のセンサが、代わりに使用されてもよい。強磁性ボールまたは分離器262は、円筒264の内部内に密着して、だが滑らかに適合するようにサイズ決定される。新鮮および排出の流体の少量の混合は、システムの性能に実質的な影響を及ぼすことなく起こる場合がある。代替の実施形態において、円筒形ピストンタイプの分離器が提供される。いずれの場合においても、強磁性分離器262は、場合によっては、摺動または回転シールを強化するのに役立つ、摺動子または変形可能なフランジ等の、追加の密閉器具を有してもよい。
【0222】
バランスチューブ260は、プラスチックまたは他の好適な材料製であってもよい。一実施形態において、バランスチューブ260は、カセット10と一体に形成されるか、または配管を介してカセットに取り付けられてもよい、使い捨て製品である。射出成形キャップまたはアセンブリが使用される場合、Oリングおよび取り付け具は、必要ない場合がある。さらに、分離器の配設のための、超音波または光センサ等のセンサは、チューブ端部における密閉の必要性を排除する。
【0223】
ここで図28を参照すると、電磁的に制御される輸液ポンプ280が図示される。輸液ポンプ280は、カセット10b(図2)等のカセット10を使用する、機械100b(図2)等の透析機械100で動作することが示される。ポンプ280は、本明細書に考察される方法で、第2の電磁的に制御される輸液ポンプ280と位相がずれて動作することができる。
【0224】
機械100は、輸液ポンプ280の形状を画定する、部材114aおよび114bを形成する第1および第2のポンプチャンバを含む。カセット10の円形の可撓性膜部分が、部材114aおよび114bを形成するポンプチャンバにより画定される球状のチャンバと一直線になるように、カセット10は、機械100内に装填されるように構成される。図28に示される球状の形状は、好適な一形状であるが、台形または三角形の形状等の他の形状が、輸液ポンプ280に対して画定されることが可能である。また、弁座28qおよび28sは、示されるように、弁作動装置106と一直線になる。弁作動装置106は、図7に関連して上記に記載されるように動作し、作動装置本体内を前後に摺動する、プランジャ108を含む。
【0225】
ポンプ280は、第1および第2の可撓性シート74aおよび74bを使用する。シート74aおよび74bはそれぞれ、内側のカーボンまたは鉄の層等の強磁性体252を含浸される。電磁石254aおよび254bは、部材114aおよび114bのそれぞれを形成するポンプチャンバに埋め込まれ、シート74aおよび74bの周囲に磁場を形成し、上部および下部部材114aおよび114bに、強磁性シート74aおよび74bをそれぞれ別個に引くために、両方とも通電されることができる。あるいは、電磁石254aおよび254bのうちの1つのみが通電され、その電磁石に向かって、シート74aおよび74bの両方を引く。電磁石254aおよび254bはそれぞれ、上記に記載されるように、リード256および258を介してコントローラ248に接続される。あるいは、それらは、部材114aおよび114bの周囲の巻線の外側に位置することができる。
【0226】
初期状態(図28に示される)において、電磁石254bは電力供給され、部材114bを形成する下部チャンバの内表面に適合するために、第1および第2の可撓性シート74aおよび74bを引く。最初に、両方の弁作動装置106に正圧が印加され、弁座28qおよび28sを閉鎖する。この場合もやはり、弁作動装置106は、空気圧的、機械的に、電気的、および/または電磁的の任意の組み合わせで作動することができる。図28に見られるように、透析液または医療用流体(血液を含む)116は、弁座28qに対して加圧されるが、輸液ポンプ280の密閉されたチャンバに入ることは妨げられる。
【0227】
第2の状態において、電磁石254bは、弁座28sにおいて弁作動装置106に付与される正圧のように、電力供給され続ける。負圧が、弁座28qにおいて弁作動装置106に付与され、ストップ112へおよびストップ112に対してプランジャ108を引き、かつ保持し、流体116が、ポンプ流入経路66bから、輸液ポンプ280のチャンバに流入することを可能にする。例えば、重力による流体116の力は、第1の可撓性部材74aを、部材114aを形成する上部ポンプチャンバの内表面に対して押し付けさせるのに十分である場合がある。別の方法として、または付加的に、上部部材114aの内表面に対して第1の可撓性シート74aを引くために、電磁石254aは電力供給される。この動作は、流体116をポンプチャンバに引き入れる真空をもたらす。
【0228】
第3の状態において、弁座28qが閉じる一方で、弁座28sは開く。シート74bが、部材114bに対して引かれ続けるように、電磁石254bにおける電力は維持される。電力が電磁石254aから除去されることにより、電磁石254bは、部材114bにおいて、下部可撓性シート74bに対して上部可撓性シート74aを引き、次に、それにより、流体116が、輸液ポンプ280の少なくとも実質的に球状のチャンバから、ポンプ流出経路68bを通って、その望ましい目的位置に押し出される。ここで、弁座28sが閉じるとすぐに、ポンプ280が、上記に記載されるサイクルを繰り返すことができるように、第1および第2の膜74aおよび74bは、図28に示される初期状態にある。
【0229】
部材114aおよび114bのチャンバによって形成される体積が既知であるため、かつ可撓性シートが、チャンバの上部および下部表面に繰り返し移動するため、各ストロークで送り出される流体の体積は、既知であり繰り返し可能である。したがって、バランスチャンバ50または250等の別個の輸液制御器具は必要ない。送り出される流体の全体積は、ストローク数を乗じた各ストロークの体積に等しい。UFは、上記に考察される方法のうちの1つにより制御される。上記に考察されるように、磁気的に含浸されたシート74aおよび74bは、それらの位置が、部材11245および114bを形成するチャンバ内に確定されることを可能にする。
【0230】
異なる程度および種類の液体流のコンポーネントおよび機能性を有する、異なる可撓性シーティングカセットに対する、多くの実施形態が本明細書に記載されてきた。本明細書に参照される本願の親出願は、血液透析、血液濾過、および血液透析濾過システムの多くの異なる実施形態を含む。特に、デュアルダイアライザ、およびHHDに関連する拡散および対流浄化の両方をもたらす、ダイアライザ間の流量制限を使用する、多くの実施形態が示される。本明細書に記載される可撓性シーティングカセットは、(i)拡散および対流浄化を提供する、図1、4、および5の輸液ポンプによるHCHDFシステム、(ii)図6および7の輸液ポンプによるHFシステム、(iii)図8の代替の輸液ポンプによるHDFシステム、(iv)図9〜11の輸液ポンプによる再生システム、(v)図12および13の蠕動ポンプによるHDFおよびHFシステム、(vi)図14の並流フローシステム、図15および16の空気圧制御されたシステム、(vii)図17〜22の単一のバランスチャンバシステム、(viii)蛇行経路が、上記に記載される方法のいずれかにより、シートまたは層74a〜74uの間に形成される、図24および29の蛇行経路システム、(ix)図25および26のデュアルバランスチャンバシステム、(x)図30および31の重量測定システム、図32の強化された対流のHDFフィルタ、(xi)図38〜41の線形配管ポンプシステム、および(xii)図42および43の流体ヒータを含むがこれらに限定されない、親出願に記載されるシステムのそれぞれに使用されてもよい。
【0231】
本明細書に記載される好ましい本実施形態への種々の変更および修正が、当業者に明らかとなることを理解されたい。そのような変更および修正は、本主題の精神および範囲から逸脱することなく、かつその意図された利点を損なうことなく、行われることができる。したがって、そのような変更および修正が、添付の特許請求の範囲の適用範囲に入ることを目的とする。
【0232】
本発明を、以下のように請求する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
血液透析システムであって、該血液透析システムは、
透析装置と、
透析液供給源と、
透析液ポンプと、
該透析液ポンプに動作するように接続された透析液カセットであって、それにより、該透析液カセットが該透析液供給源と流体連通している場合、該透析液ポンプは、該透析液カセットを通して透析液を送り出し得、該透析液カセットは、該透析装置と流体連通している、透析液カセットと、
血液ポンプと、
該血液ポンプに動作するように接続された血液カセットであって、それにより、該血液ポンプは、該血液カセットを通して血液を送り出し得、該血液カセットは、剛性筐体と、該剛性筐体に取り付けられた可撓性膜とを含み、該筐体は、患者からのチューブコネクタと、患者へのチューブコネクタと、透析装置へのチューブコネクタと、透析装置からのチューブコネクタとを含み、該可撓性膜は、該血液カセットの患者へのラインを開閉するための弁座を画定し、該患者へのラインは、該患者へのチューブコネクタと流体連通している、血液カセットと
を含む、血液透析システム。
【請求項2】
前記透析装置からのチューブコネクタと前記患者へのチューブコネクタとに流体的に接続された内部空気分離チャンバを含む、請求項1に記載の血液透析システム。
【請求項3】
前記血液カセットをプライミングするためのチューブコネクタをさらに含む、請求項1に記載の血液透析システム。
【請求項4】
前記血液カセットは、前記剛性筐体の外側に延在する血液ポンピングチューブを介して前記血液ポンプに動作可能に接続されており、該血液ポンピングチューブは、前記患者からのチューブコネクタと前記透析装置へのチューブコネクタとに流体的に接続されている、請求項1に記載の血液透析システム。
【請求項5】
前記複数のチューブコネクタのうちの少なくとも1つは、チュープポートである、請求項1に記載の血液透析システム。
【請求項6】
前記透析装置へのチューブコネクタは、動作中、前記患者へのチューブコネクタの上方に位置している、請求項1に記載の血液透析システム。
【請求項7】
前記透析装置へのチューブコネクタは、動作中、前記患者からのチューブコネクタの上方に位置している、請求項1に記載の血液透析システム。
【請求項8】
前記透析装置へのチューブコネクタは、動作中、前記血液カセットの頂部の上方に位置している、請求項1に記載の血液透析システム。
【請求項9】
前記患者からのチューブコネクタと、前記患者へのチューブコネクタと、前記透析装置へのチューブコネクタと、前記透析装置からのチューブコネクタとのうちの少なくとも1つは、それぞれのチューブを受容するために、前記筐体の外壁から外側へ延在する、請求項1に記載の血液透析システム。
【請求項10】
前記血液カセットは、前記血液ポンプへの動作可能な接続のためのポンピングチューブをさらに含む、請求項1に記載の血液透析システム。
【請求項11】
血液ポンピングチューブは、線形蠕動血液ポンピングチューブである、請求項10に記載の血液透析システム。
【請求項12】
少なくとも1つの圧力センサを含み、前記血液カセットは、該少なくとも1つの圧力センサとの動作可能な係合のために位置決定および配列された少なくとも1つの圧力感知領域をさらに含む、請求項1に記載の血液透析システム。
【請求項13】
動脈および静脈圧力センサ、係合動脈、および前記血液カセット上の静脈圧力感知領域を含む、請求項12に記載の血液透析システム。
【請求項14】
前記血液カセットの前記筐体の内部のラインが、弁で調整される、請求項1に記載の血液透析システム。
【請求項15】
血液透析システムであって、該血液透析システムは、
透析装置と、
血液ポンプと、
新鮮および使用済み透析液ポンプと、
剛性筐体と、該剛性筐体に取り付けられた可撓性膜とを含むカセットと
を含み、
該剛性筐体は、該カセットを通して血液を送り出すために、該血液ポンプに動作するように接続された血液ポンピングチューブを含み、該筐体は、患者からのチューブコネクタと、患者へのチューブコネクタと、透析装置へのチューブコネクタと、透析装置からのチューブコネクタと、該カセットの患者へのラインを開閉するための、該可撓性膜によって画定された弁座と、該患者へのチューブコネクタと流体連通している該患者へのラインと、該新鮮透析液ポンプに動作するように接続可能な新鮮透析液ポンピングチューブと、該使用済み透析液ポンプに動作するように接続可能な使用済み透析液ポンピングチューブとをさらに含む、血液透析システム。
【請求項16】
前記複数のチューブコネクタのうちの少なくとも1つは、チュープポートである、請求項15に記載の血液透析システム。
【請求項17】
前記カセットは、該血液カセット内の血液から除去された空気を排出するための通気孔をさらに含む、請求項15に記載の血液透析システム。
【請求項18】
前記カセットは、前記筐体内において形成された空気分離チャンバを含む、請求項15に記載の血液透析システム。
【請求項19】
血液透析システムであって、該血液透析システムは、
透析装置と、
血液ポンプと、
筐体を含む血液カセットと
を含み、
該筐体は、該筐体の第1の側に沿って延在するポンピングチューブを含み、該ポンピングチューブは、該血液カセットを通して血液を送り出すために、該血液ポンプに動作するように接続されており、該筐体は、患者からのチューブコネクタと、患者へのチューブコネクタと、生理食塩水/プライミングチューブコネクタと、透析装置へのチューブコネクタと、透析装置からのチューブコネクタとをさらに含み、該複数のコネクタの各々は、該筐体の該第1の側と異なる該筐体の側に沿って延在する、血液透析システム。
【請求項20】
前記複数のチューブコネクタの各々は、前記筐体の前記第1の側に対向する該筐体の側に沿って延在する、請求項19に記載の血液透析システム。
【請求項21】
前記複数のチューブコネクタのうちの少なくとも1つは、チュープポートである、請求項19に記載の血液透析システム。
【請求項22】
前記血液カセットおよび前記透析液カセットは、単一のカセット内に一体化されている、請求項1に記載の血液透析システム。
【請求項23】
前記血液ポンピングチューブ、前記新鮮透析液ポンピングチューブ、および前記使用済み透析液ポンピングチューブは、各々、線形蠕動ポンピングチューブである、請求項15に記載の血液透析システム。
【請求項1】
血液透析システムであって、該血液透析システムは、
透析装置と、
透析液供給源と、
透析液ポンプと、
該透析液ポンプに動作するように接続された透析液カセットであって、それにより、該透析液カセットが該透析液供給源と流体連通している場合、該透析液ポンプは、該透析液カセットを通して透析液を送り出し得、該透析液カセットは、該透析装置と流体連通している、透析液カセットと、
血液ポンプと、
該血液ポンプに動作するように接続された血液カセットであって、それにより、該血液ポンプは、該血液カセットを通して血液を送り出し得、該血液カセットは、剛性筐体と、該剛性筐体に取り付けられた可撓性膜とを含み、該筐体は、患者からのチューブコネクタと、患者へのチューブコネクタと、透析装置へのチューブコネクタと、透析装置からのチューブコネクタとを含み、該可撓性膜は、該血液カセットの患者へのラインを開閉するための弁座を画定し、該患者へのラインは、該患者へのチューブコネクタと流体連通している、血液カセットと
を含む、血液透析システム。
【請求項2】
前記透析装置からのチューブコネクタと前記患者へのチューブコネクタとに流体的に接続された内部空気分離チャンバを含む、請求項1に記載の血液透析システム。
【請求項3】
前記血液カセットをプライミングするためのチューブコネクタをさらに含む、請求項1に記載の血液透析システム。
【請求項4】
前記血液カセットは、前記剛性筐体の外側に延在する血液ポンピングチューブを介して前記血液ポンプに動作可能に接続されており、該血液ポンピングチューブは、前記患者からのチューブコネクタと前記透析装置へのチューブコネクタとに流体的に接続されている、請求項1に記載の血液透析システム。
【請求項5】
前記複数のチューブコネクタのうちの少なくとも1つは、チュープポートである、請求項1に記載の血液透析システム。
【請求項6】
前記透析装置へのチューブコネクタは、動作中、前記患者へのチューブコネクタの上方に位置している、請求項1に記載の血液透析システム。
【請求項7】
前記透析装置へのチューブコネクタは、動作中、前記患者からのチューブコネクタの上方に位置している、請求項1に記載の血液透析システム。
【請求項8】
前記透析装置へのチューブコネクタは、動作中、前記血液カセットの頂部の上方に位置している、請求項1に記載の血液透析システム。
【請求項9】
前記患者からのチューブコネクタと、前記患者へのチューブコネクタと、前記透析装置へのチューブコネクタと、前記透析装置からのチューブコネクタとのうちの少なくとも1つは、それぞれのチューブを受容するために、前記筐体の外壁から外側へ延在する、請求項1に記載の血液透析システム。
【請求項10】
前記血液カセットは、前記血液ポンプへの動作可能な接続のためのポンピングチューブをさらに含む、請求項1に記載の血液透析システム。
【請求項11】
血液ポンピングチューブは、線形蠕動血液ポンピングチューブである、請求項10に記載の血液透析システム。
【請求項12】
少なくとも1つの圧力センサを含み、前記血液カセットは、該少なくとも1つの圧力センサとの動作可能な係合のために位置決定および配列された少なくとも1つの圧力感知領域をさらに含む、請求項1に記載の血液透析システム。
【請求項13】
動脈および静脈圧力センサ、係合動脈、および前記血液カセット上の静脈圧力感知領域を含む、請求項12に記載の血液透析システム。
【請求項14】
前記血液カセットの前記筐体の内部のラインが、弁で調整される、請求項1に記載の血液透析システム。
【請求項15】
血液透析システムであって、該血液透析システムは、
透析装置と、
血液ポンプと、
新鮮および使用済み透析液ポンプと、
剛性筐体と、該剛性筐体に取り付けられた可撓性膜とを含むカセットと
を含み、
該剛性筐体は、該カセットを通して血液を送り出すために、該血液ポンプに動作するように接続された血液ポンピングチューブを含み、該筐体は、患者からのチューブコネクタと、患者へのチューブコネクタと、透析装置へのチューブコネクタと、透析装置からのチューブコネクタと、該カセットの患者へのラインを開閉するための、該可撓性膜によって画定された弁座と、該患者へのチューブコネクタと流体連通している該患者へのラインと、該新鮮透析液ポンプに動作するように接続可能な新鮮透析液ポンピングチューブと、該使用済み透析液ポンプに動作するように接続可能な使用済み透析液ポンピングチューブとをさらに含む、血液透析システム。
【請求項16】
前記複数のチューブコネクタのうちの少なくとも1つは、チュープポートである、請求項15に記載の血液透析システム。
【請求項17】
前記カセットは、該血液カセット内の血液から除去された空気を排出するための通気孔をさらに含む、請求項15に記載の血液透析システム。
【請求項18】
前記カセットは、前記筐体内において形成された空気分離チャンバを含む、請求項15に記載の血液透析システム。
【請求項19】
血液透析システムであって、該血液透析システムは、
透析装置と、
血液ポンプと、
筐体を含む血液カセットと
を含み、
該筐体は、該筐体の第1の側に沿って延在するポンピングチューブを含み、該ポンピングチューブは、該血液カセットを通して血液を送り出すために、該血液ポンプに動作するように接続されており、該筐体は、患者からのチューブコネクタと、患者へのチューブコネクタと、生理食塩水/プライミングチューブコネクタと、透析装置へのチューブコネクタと、透析装置からのチューブコネクタとをさらに含み、該複数のコネクタの各々は、該筐体の該第1の側と異なる該筐体の側に沿って延在する、血液透析システム。
【請求項20】
前記複数のチューブコネクタの各々は、前記筐体の前記第1の側に対向する該筐体の側に沿って延在する、請求項19に記載の血液透析システム。
【請求項21】
前記複数のチューブコネクタのうちの少なくとも1つは、チュープポートである、請求項19に記載の血液透析システム。
【請求項22】
前記血液カセットおよび前記透析液カセットは、単一のカセット内に一体化されている、請求項1に記載の血液透析システム。
【請求項23】
前記血液ポンピングチューブ、前記新鮮透析液ポンピングチューブ、および前記使用済み透析液ポンピングチューブは、各々、線形蠕動ポンピングチューブである、請求項15に記載の血液透析システム。
【図18】
【図21A】
【図21B】
【図21F】
【図25A】
【図26A】
【図26B】
【図27】
【図28】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図10A】
【図10B】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図19A】
【図19B】
【図20A】
【図20B】
【図20C】
【図20D】
【図21C】
【図21D】
【図21E】
【図21G】
【図22A】
【図22B】
【図22C】
【図22D】
【図23】
【図24A】
【図24B】
【図25B】
【図21A】
【図21B】
【図21F】
【図25A】
【図26A】
【図26B】
【図27】
【図28】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図10A】
【図10B】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図19A】
【図19B】
【図20A】
【図20B】
【図20C】
【図20D】
【図21C】
【図21D】
【図21E】
【図21G】
【図22A】
【図22B】
【図22C】
【図22D】
【図23】
【図24A】
【図24B】
【図25B】
【公開番号】特開2013−59678(P2013−59678A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2013−322(P2013−322)
【出願日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【分割の表示】特願2009−527618(P2009−527618)の分割
【原出願日】平成19年9月11日(2007.9.11)
【出願人】(591013229)バクスター・インターナショナル・インコーポレイテッド (448)
【氏名又は名称原語表記】BAXTER INTERNATIONAL INCORP0RATED
【出願人】(501453189)バクスター・ヘルスケヤー・ソシエテ・アノニム (289)
【氏名又は名称原語表記】BAXTER HEALTHCARE S.A.
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−322(P2013−322)
【出願日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【分割の表示】特願2009−527618(P2009−527618)の分割
【原出願日】平成19年9月11日(2007.9.11)
【出願人】(591013229)バクスター・インターナショナル・インコーポレイテッド (448)
【氏名又は名称原語表記】BAXTER INTERNATIONAL INCORP0RATED
【出願人】(501453189)バクスター・ヘルスケヤー・ソシエテ・アノニム (289)
【氏名又は名称原語表記】BAXTER HEALTHCARE S.A.
【Fターム(参考)】
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