可撓性留置型バイオセンサ、可撓性留置型バイオセンサの挿入装置、及びその関連方法
【課題】 留置型バイオセンサ、関連する挿入装置、及び関連する方法を提供する。
【解決手段】 可撓性留置型バイオセンサは、本体部分、尖頭部、末端及び基端を有する、可撓性材料(例、ニチノールストリップ)から形成された長尺の枠組みを含む。可撓性留置型センサは、長尺の枠組みと一体化されるとともに長尺の枠組みの本体部分又は尖頭部のうち少なくとも一方の上に配置された(例えば、その上に配置されるか又はその上に懸垂される)センサ要素を有するバイオセンサ(例えば、組織液グルコースセンサ)を更に含む。更に、尖頭部は長尺の枠組みの末端に配置され、尖頭部及び少なくともバイオセンサのセンサ要素は標的部位(例えば、皮下の標的部位)に挿入されるように構成されている。
【解決手段】 可撓性留置型バイオセンサは、本体部分、尖頭部、末端及び基端を有する、可撓性材料(例、ニチノールストリップ)から形成された長尺の枠組みを含む。可撓性留置型センサは、長尺の枠組みと一体化されるとともに長尺の枠組みの本体部分又は尖頭部のうち少なくとも一方の上に配置された(例えば、その上に配置されるか又はその上に懸垂される)センサ要素を有するバイオセンサ(例えば、組織液グルコースセンサ)を更に含む。更に、尖頭部は長尺の枠組みの末端に配置され、尖頭部及び少なくともバイオセンサのセンサ要素は標的部位(例えば、皮下の標的部位)に挿入されるように構成されている。
【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
〔技術分野〕
本発明は、一般的には医療機器に関し、詳細には留置型バイオセンサ、関連する挿入装置、及び関連する方法に関する。
【0002】
〔背景技術〕
(関連技術の説明)
各種の留置型バイオセンサが科学分野及び医療分野において注目を集めている。例えば、グルコースの値を継続的に監視するための留置型バイオセンサが最近利用できるようになっている。これらのバイオセンサは別の挿入装置(例えば、剛性の中空針)を使用して使用者の皮膚の下に皮下的に挿入される。この別の挿入装置は、使用者の組織液中のグルコース濃度を長期間(例えば、7日間)にわたって継続的に測定するためにバイオセンサが使用されるのに先立って取り外される。
【図面の簡単な説明】
【0003】
本発明の新規な特徴は、添付の「特許請求の範囲」に詳細に記載される。本発明の特徴及び利点は、本発明の原理を利用した例示的な実施形態を記載した以下の詳細な説明を、添付の図面と併せて参照することによってより深く理解されるであろう。図中、類似の数字は類似の要素を示す。
【図1A】本発明の一実施形態に係る可撓性留置型バイオセンサの一部を示す簡略図。
【図1B】図1Aの可撓性留置型バイオセンサの部分の、図1AのB−B線に沿った簡略断面図。
【図1C】図1Aの可撓性留置型バイオセンサの部分の、図1Aの長さに沿った簡略断面図。
【図1D】可撓性留置型バイオセンサにおけるセンサ要素の別の配置を示した、それ以外は図1Aと同様のものの簡略断面図。
【図1E】可撓性留置型バイオセンサの本体部分を通じて枠組み開口部が設けられている状態を示す、それ以外は図1Dと同様のものの簡略断面図。
【図2A】本発明の別の実施形態に係る可撓性留置型バイオセンサの一部を示す簡略断面図。
【図2B】図2Aの可撓性留置型バイオセンサの部分の、図2AのB−B線に沿った簡略断面図。
【図2C】図2Aの可撓性留置型バイオセンサの部分の、図2AのC−C線に沿った簡略断面図。
【図3】本発明の実施形態に係る可撓性留置型バイオセンサの末端(破線は図6の斜視図では視界から隠れているバイオセンサの溝部及び信号伝送線を示す)を示す簡略斜視図。
【図4】本発明の別の実施形態に係る可撓性留置型バイオセンサを示す簡略斜視図。
【図5】標的部位(図示せず)への可撓性留置型バイオセンサの挿入前の本発明の一実施形態に係る可撓性留置型バイオセンサ挿入装置を無線送信機のない状態で示した簡略斜視図。
【図6】標的部位(図示せず)に可撓性留置型バイオセンサが挿入された後の図5の可撓性留置型バイオセンサ挿入装置を示す簡略斜視図。
【図7】無線送信機が脱着可能に取り付けられた後の図6の可撓性留置型バイオセンサ挿入装置を示す簡略斜視図。
【図8】図5の可撓性留置型バイオセンサ及び図7の無線送信機の一部を示す簡略分解斜視図。
【図9】脱着可能に取り付けられた無線送信機の部分を含む図7の可撓性留置型バイオセンサ挿入装置の一部を示す簡略断面図。
【図10】本発明の一実施形態に係る標的部位に可撓性留置型バイオセンサを挿入するための方法の各段階を示すフロー図。
【発明を実施するための形態】
【0004】
〔例示的な実施形態の詳細な説明〕
以下の詳細な説明は、図面を参照しつつ読まれるべきものであって、異なる図面中、同様の要素は同様の参照符号にて示してある。図面は、必ずしも正しい縮尺ではなく、あくまで説明を目的として例示的な実施形態を示したものであり、本発明の範囲を限定することを目的としたものではない。詳細な説明は本発明の原理を限定するものではなく、あくまでも例として記載するものである。この説明文は、当業者による、本発明の製造及び使用を明確に可能ならしめるものであり、本発明を実施するための最良の形態と現在考えられるものを含む、本発明の複数の実施形態、適応例、変形例、代替例、並びに使用例を述べるものである。
【0005】
本発明の実施形態に係る可撓性の留置型バイオセンサは、本体部分、尖頭部、末端及び基端を有する、可撓性材料(例、ニチノールストリップ)で形成された長尺の枠組みを含む。こうした可撓性留置型バイオセンサは、長尺の枠組みと一体化されるとともに長尺の枠組みの本体部分又は尖頭部のうち少なくとも一方の上に配置された(例えば、本体部分又は長尺の枠組み上に配置されるか、かつ/又はその上に懸垂される)センサ要素を有するバイオセンサ(例えばグルコースセンサ)を更に含む。更に、尖頭部は長尺の枠組みの末端に配置され、尖頭部及びバイオセンサの少なくともセンサ要素が標的部位(例えば、皮下の標的部位)に挿入されるように構成されている。このような可撓性留置型バイオセンサの更なる特徴、特性、及び利点を異なる図面に関して下記に述べる。
【0006】
当業者であれば、バイオセンサとは、生理学的変化、プロセス又は分析物に関する信号(組織液中のグルコース濃度に関する情報など)を検出及び生成する装置であることは認識されよう。こうしたバイオセンサには、酵素反応と電気化学的方法又は分光学的変換方法との組み合わせに基づいたものが含まれる。限定的ではないが、関連するバイオセンサの例が、米国特許第7,471,972(B2)号、同第7,344,500(B2)号、及び同第6,990,366(B2)号に述べられており、これらの各々は、全体が記載されているのと同様に本明細書に援用するものである。
【0007】
図1A、1B及び1Cは、本発明の一実施形態に係る可撓性の留置型バイオセンサ100の部分を簡略化して示したものである。図1A〜1Cを参照すると、可撓性留置型バイオセンサ100は、本体部分104、末端106、基端108、末端106に配置された尖頭部110、及び溝部112を有する、可撓性材料(ニチノール材料、他の適当な可撓性又は超弾性材料など)で形成された長尺のストリップ102(すなわち、長尺の枠組み)を含む。溝部112は長尺のストリップの長さに沿って延びている。尖頭部110は皮下に挿入されるように構成されている。図1Aは、尖頭部110の1つの縁部のみが鋭利である(図1Aの破線で示される)ような実施形態を示している。
【0008】
可撓性留置型バイオセンサ100は更に、センサ要素116及び信号伝送線118を有する(平行線模様で示される)バイオセンサ114を含む。本発明を知り得れば、当業者であればバイオセンサ114は、例えば、同軸ケーブル、光ケーブル、対をなす2本の電線からなる線、又は3本の電線からなる線などの任意の適当な種類の信号伝送線を含み得る点は認識されよう。更に、本発明の実施形態に係る可撓性留置型バイオセンサにおいて用いられるバイオセンサは、無線周波数(RF)及び静電結合法を用いたものなどの無線法によって信号を伝送することもできる。図1A〜1Cの実施形態では、信号伝送線118は溝部112内で長尺のストリップ102の長さにわたって延びている。
【0009】
バイオセンサ114は長尺の枠組みと一体化されており、センサ要素116は例えば適当な接着剤(図示せず)を用いて尖頭部110上に固定的に配置される。更に、尖頭部110及びセンサ要素116の両方とも皮下の標的部位に挿入されるように構成されている。
【0010】
本発明の実施形態に係る可撓性留置型バイオセンサは、例えば、皮下の所定の深さに一貫して挿入可能であり、捩じれを生じないで、たやすく曲げることが可能であり、断面積が比較的小さいといった点で有益である。
【0011】
図1Dは、図1Aに示した可撓性留置型バイオセンサ100に基本的に似ている可撓性留置型バイオセンサ100’におけるセンサ要素116’の別の配置を示す簡略断面図である。図1Dの実施形態では、センサ要素116’は溝部112内で尖頭部110の近くに配置されている。図1Dの構成では、可撓性留置型バイオセンサの前方の断面が小さくなっていることから、標的部位への尖頭部の挿入をセンサ要素が妨げる可能性が効果的に低減され、更に挿入時にセンサ要素がずれてしまう可能性も低減される。
【0012】
図1Eは、センサ要素116’の下部において長尺のストリップ102の本体部分104を通じた枠組みの開口部120が設けられることによって改変されているが、他の点では図1Dの可撓性留置型バイオセンサ100’に似た可撓性留置型バイオセンサ100”を簡略断面図で示したものである。枠組み開口部120は、可撓性留置型バイオセンサ100”が標的部位に挿入される際に、組織液、血液又は他の体液へのセンサ要素116’の曝露を増大させるように効果的に構成されている。
【0013】
本開示を知り得れば、当業者であれば、本発明の実施形態に係る可撓性留置型バイオセンサで用いられるセンサ要素は、一般に長尺の枠組みの本体部分又は尖頭部上に配置するか、かつ/又はその上に懸垂することができる点は認識されよう。図1A〜1Eは、尖頭部上(図1A〜C)、又は本体部分上(図1D及び1E)に配置されたセンサ要素を示す。しかしながら、例えば、長尺の枠組みの本体部分の形状が円筒形であり、バイオセンサの伝送線が円筒形の長尺の枠組みに巻き付けられるような構成など、他の構成も可能である。
【0014】
図2A、2B及び2Cは、本発明の別の実施形態に係る可撓性留置型バイオセンサ200の一部を簡略化して示したものである。図2A〜2Cを参照すると、可撓性留置型バイオセンサ200は、本体部分203、末端204、基端206、長手方向軸208(破線にて示す)、末端204に配置された尖頭部210、及び溝部212を有する、可撓性材料(ニチノール、他の好適な可撓性材料又は超弾性材料など)で形成された長尺のストリップ202を含む。溝部212は、長手方向軸208に対して平行に配置される(例えば、軸に沿って)。尖頭部210は皮下に挿入されるように構成されている。
【0015】
可撓性留置型バイオセンサ200は更に、センサ要素216及び信号伝送線218を有するバイオセンサ214を含む。更に、可撓性留置型バイオセンサ200は、末端204と基端206との間で長尺のストリップ202及びバイオセンサ214を少なくとも部分的に被覆する可撓性チューブ220を含む。可撓性チューブ220は、信号伝送線218を固定かつ格納する機能を少なくとも有する。更に、可撓性チューブ220は、必要に応じて、溝部内の可撓性チューブ、バイオセンサ、及び長尺の枠組み間に液密シールを与えるように構成することが可能であり、これにより液体が誤って溝部212を通じて流れることが防止される。所望により、本発明の実施形態で用いられる可撓性チューブの形状は、チューブが長尺の枠組みを完全に包囲しないように構成することができる。例えば、可撓性チューブ220は、C字形の断面を有してもよく、その場合、C字形の断面の長手方向の開口部(すなわちC字形断面の開口部)が溝部212と整列させられるか、あるいは別の形でセンサ要素を露出させる。
【0016】
所望により、可撓性留置型バイオセンサ200は使用者の標的部位(例えば、皮下への挿入)への挿入を容易にするように潤滑物質で部分的にコーティングされてもよい。更に、長尺の枠組みをバイオセンサの一要素として構成することにより(例えば、2本又は3本の電線からなる信号伝送線の内の1本の電線として)、可撓性留置型バイオセンサの設計を単純化することができる。このような構成は、例えば、長尺の枠組みを非導電性層で適宜コーティングすることを含み得る。
【0017】
本発明の実施形態に係る可撓性留置型バイオセンサは、可撓性であり、かつ捩れを生じない長尺の枠組みで形成することができることから、断面積を比較的小さくすることができる。理論に束縛されずに言えば、このように断面積が小さいことによって皮下への挿入時の痛みが最小限に抑えられ、快適に装着されるものとの仮説が成り立つ。
【0018】
本発明の実施形態で用いられるニチノールは、当業者には周知の技術を用いて有利に前処理する(「予めプログラムする」とも言われる)ことによって、やはり当業者には周知の様々な超弾性特性(例えば、耐捩れ性、大きな負荷に対応する能力、機械的な変形応力の解放後に元の(予めプログラムされた)形状に戻る能力など)を有することができる。
【0019】
可撓性留置型バイオセンサ100及び200は、特に溝部の開口側が曲率半径の中心に向かう(又は遠ざかる)方向(可撓性屈曲方向と呼ばれる)に向くようにして屈曲される場合には極めて撓みやすい。更に、超弾性材料(例えば、ヤング率が約35〜75GPaの範囲であるニチノールなど)の使用により、可撓性留置型バイオセンサ100及び200は捩れることなく大きく屈曲することが可能である。
【0020】
図1A〜1C及び2A〜2Cの実施形態では、長尺の枠組みはC字形の断面を有する(特に図1Bを参照)。しかしながら本開示を知り得れば、当業者であれば、異なる方向への可撓性の量を制御する(すなわち予め決定する)ために他の適当な長尺のストリップの断面形状を用いることも可能である点は認識されよう。更に、本発明の実施形態で用いられる長尺の枠組みは、可撓性医療機器導管の長さに沿って変化する断面形状を有することによって長さに沿って可撓性を変化させることも可能である。
【0021】
図3は、本発明の別の一実施形態に係る可撓性留置型バイオセンサ300の末端を示した簡略斜視図である。可撓性留置型バイオセンサ300は、可撓性材料(ニチノールなど)で形成された湾曲した長尺の枠組み302を含んでいる。湾曲した長尺の枠組み302は、本体部分304及び尖頭部306を含む。湾曲した長尺の枠組み302は更に、湾曲した長尺枠組み302の長手方向軸に沿って配置された溝部308を含む。
【0022】
更に、可撓性留置型バイオセンサ300は、湾曲した長尺の枠組み302と一体化されたバイオセンサ310を含む。バイオセンサ310は、尖頭部306上に配置されたセンサ要素312、並びに溝部308内に部分的に収容される2本の信号伝送線314a及び314b(溝部308内の1本の破線として示される)を含む。本開示を知り得れば、当業者であれば、本発明に係る可撓性留置型バイオセンサに用いられるセンサ要素を長尺の枠組みの本体部分上に配置してもよい点は認識されるであろう。
【0023】
図3の実施形態では、尖頭部306は湾曲長尺の枠組み302の末端に配置されている。更に、尖頭部306及びセンサ要素312は標的部位に挿入されるように構成されている。
【0024】
図4は、本発明の別の実施形態に係る可撓性留置型バイオセンサ400を示した簡略斜視図である。可撓性留置型バイオセンサ400は、可撓性材料(ニチノールなど)から形成された湾曲した長尺の枠組み402を含む。湾曲した長尺の枠組み402は、本体部分404、及び湾曲した長尺の枠組みの末端における尖頭部406を含む。図4では、自立状態において湾曲している長尺の枠組みを示しているが、当業者であれば、本開示を知り得れば本発明の実施形態で用いられる長尺の枠組みは必要に応じて自立状態において直線状であってもよい点は認識されるであろう。
【0025】
可撓性留置型バイオセンサ400は更に、湾曲した長尺の枠組み402と一体化されたバイオセンサを含む。バイオセンサは、尖頭部406上に配置されたセンサ要素412(組織液グルコースセンサ要素など)、2本の信号伝送線414a及び414b、並びに伝送線コネクタ416を含む。伝送線コネクタ416は電気的接点418a及び418bを含む。図8に関して下記に更に述べるように、電気的接点418a及び418bは無線送信機の端子ピンと動作可能に係合するように構成されている。可撓性留置型バイオセンサ400は、ポリマージャケット420を更に含む。
【0026】
本発明の実施形態に係る可撓性留置型バイオセンサでの使用に適した可撓性枠組みの製造方法は、長尺のニチノールストリップに溝部をエッチングすることと、その長尺のニチノールストリップの末端に尖頭部を形成することを含む。代わりに、打抜き及び/又は鋳造法を用いて本発明の実施形態の溝部及び尖頭部を形成することもできる。更に、研削などの従来の尖端形成法を用いて尖頭部を形成することもできる。
【0027】
本発明の実施形態に係る可撓性留置型バイオセンサは、熱収縮されたポリ(テトラフルオロエチレン)、すなわちPTFEポリマージャケットを可撓性チューブとして用い、エッチングされた長尺のニチノールストリップ(尖頭部を有する)から例えば形成することができる。
【0028】
本発明に係る可撓性留置型バイオセンサの挿入装置は、可撓性留置型バイオセンサ及び挿入機構を含む。こうした装置の可撓性留置型バイオセンサは、本体部分、尖頭部、末端、及び基端を有する、可撓性材料(例、ニチノールストリップ)から形成された長尺の枠組みを含む。可撓性留置型バイオセンサは更に、長尺の枠組みに一体化されるとともに長尺の枠組みの本体部分又は尖頭部のうち少なくとも一方に配置されたセンサ要素を有するバイオセンサ(例えば、グルコースバイオセンサ)を含む。更に、尖頭部は長尺の枠組みの末端に配置され、尖頭部及び少なくともバイオセンサのセンサ要素は標的部位(例えば、皮下の標的部位)に挿入されるように構成されている。更に、挿入機構は、可撓性留置型バイオセンサと動作可能に連結され、かつ可撓性留置型バイオセンサと一体化されており、少なくとも尖頭部及びセンサ要素を含む可撓性留置型バイオセンサの一部を標的部位に挿入するように構成されている。
【0029】
本発明の実施形態に係る可撓性留置型バイオセンサ挿入装置によって、挿入時に尖頭部を効果的に視界から見えにくくするともに尖頭部と表面との非意図的な接触を防止し、挿入を容易にかつ最小限の工程で行うことが可能となる。このような可撓性留置型バイオセンサ挿入装置の更なる特徴、特性、及び利点を異なる図面に関して下記に述べる。
【0030】
更に、本発明の実施形態に係る可撓性留置型バイオセンサ挿入装置における使用に適した可撓性留置型バイオセンサについては上記に述べた(例えば、図1A〜1C、2A〜2C、3及び4に関して)。本発明の実施形態に係る可撓性留置型バイオセンサ挿入装置において用いられる挿入機構の例示的実施形態については下記に述べる。これに関し、可撓性留置型バイオセンサは、患者による使用時に挿入機構から取り外し、分離、又は廃棄されず、かつ容易にそうすることができないという点で、挿入機構と一体化されている点には注意を要する。
【0031】
図5は、図4の可撓性留置型バイオセンサを含む本発明の実施形態に係る可撓性留置型バイオセンサ挿入装置500を示した簡略斜視図である。図5は、標的部位(図示せず)への可撓性留置型バイオセンサの挿入前の可撓性留置型バイオセンサ挿入装置500を、無線送信機のない状態で示したものである。図6は、可撓性留置型バイオセンサが標的部位(図示せず)に挿入された後の可撓性留置型バイオセンサ挿入装置500を示した簡略斜視図であり、図7は、無線送信機が脱着可能に取り付けられた後の可撓性留置型バイオセンサ挿入装置500を示した簡略斜視図である。
【0032】
図8は、可撓性留置型バイオセンサ挿入装置500に用いられる可撓性留置型バイオセンサ、及び図7の無線送信機の一部を示した簡略分解斜視図である。図9は、脱着可能に取り付けられた無線送信機の部分を含む図7の可撓性留置型バイオセンサ挿入装置の一部を示した簡略断面図である。
【0033】
図4〜9を参照すると、可撓性留置型バイオセンサ挿入装置500は可撓性留置型バイオセンサ400(図4に関して上記に述べたもの)及び挿入機構502を含んでいる。挿入機構502は、可撓性留置型バイオセンサ400に動作可能に連結されるとともに可撓性留置型バイオセンサ400と一体化されている。しかも、更に後述するように、挿入機構502は、少なくとも尖頭部及びセンサ要素を含む可撓性留置型バイオセンサの一部を標的部位TSに挿入するように構成されている(特に、図9を参照)。
【0034】
挿入機構502は、プラットフォーム504、ボタン506、ガイド508、上側ハウジング510、バネ512a及び512b、ボタンヒンジ514、上側ハウジングヒンジ516、並びに少なくとも1個の支柱518を含む。無線送信機600(図7、8及び9に示す)は、ラッチ602、並びに電気的端子604a及び604bを含む。
【0035】
挿入機構502は、使用者がボタン506を押す際に可撓性留置型バイオセンサ400がバネ付勢機構によって標的部位(TS)に自動的に挿入されるように構成されている。更なる動作の詳細を以下に述べる。
【0036】
図5では、プラットフォーム504が非配備位置で標的部位の使用者の皮膚に接着されている。上側ハウジング510は、可撓性留置型バイオセンサ400の基端を保持し、上側ハウジング510は支柱518によって図5の上がった位置に保持されている。バネ512a及び512bは予め負荷をかけられ、上側ハウジング510を押している。ボタン506を押すとボタン506はボタンヒンジ514を中心として回動し、上側ハウジング510が支柱518から解除される。これによりバネ512a及び512bが上側ハウジング510を図6の配備位置へと引き下ろす。
【0037】
ガイド508は、可撓性留置型バイオセンサ400が標的部位への挿入時に折れ曲がることを防止する。上側ハウジング510は、図5の非配備位置から図6の配備位置へと動く際、上側ハウジングヒンジ516を中心として回動する。所望により、ラッチを使用して配備位置で上側ハウジング510をプラットフォーム504に固定することができる。配備位置では、可撓性留置型バイオセンサ400の尖頭部406がプラットフォーム504の下面を越えて延び、使用者の皮膚を貫通する。
【0038】
図7及び9は、無線送信機600が取り付けられ、ラッチ602によって脱着可能に固定された後の可撓性留置型バイオセンサ挿入装置500を示したものである。無線送信機600はラッチ602を押すことによって取り外すことができる。
【0039】
可撓性留置型バイオセンサ400の湾曲した形状と上側ハウジング510の回動動作によって、可撓性留置型バイオセンサ400は尖頭部406が皮膚表面に対して垂直となるようにして皮膚を貫通することが可能であり、このため出血の確率が低減する。しかしながら、可撓性留置型バイオセンサ400は皮膚に進入するに従って湾曲し、センサ要素412の正確な深さへの配置を可能にすると同時に、充分な長さの可撓性留置型バイオセンサ400が皮膚表面の下に置かれることで、可撓性留置型バイオセンサ400が誤って引き抜かれることが防止される。また、直線状の長尺の枠組みを用いることで標的部位(例えば、使用者の皮膚の標的部位)に可撓性留置型バイオセンサを真っ直ぐ、かつ垂直に又は真っ直ぐかつ一定角度で挿入することも可能である。
【0040】
本発明の実施形態に係る可撓性医療装置導管の尖頭部は、可撓性留置型バイオセンサが使用される間(例えば、組織液中のグルコースを検出する間)標的部位内に留まり、例えば、標的部位から可撓性留置型バイオセンサ全体が取り外される場合にのみ取り外される。可撓性留置型バイオセンサは極めて撓みやすいことから(例えば、ニチノール、及び場合により可撓性ポリマーチューブで形成される)、使用時に過度の痛みや不快感をともなうことなく挿入したままとすることができる。
【0041】
図10は、本発明の一実施形態に係る標的部位に可撓性留置型バイオセンサを挿入するための方法700の各段階を示したフロー図である。方法700では、工程710において、標的部位(例えば使用者の皮膚の標的部位)に可撓性留置型バイオセンサ挿入装置(可撓性留置型バイオセンサ及び一体型の挿入機構を含む)を接着することを含む。可撓性留置型バイオセンサ挿入装置の可撓性留置型バイオセンサについては、(例えば、図1A〜1C、2A〜2C、3及び4に示されるものを含む)本発明に係る可撓性留置型バイオセンサに関して本明細書で上記に述べた。挿入機構については本発明に係る可撓性留置型バイオセンサ挿入装置(例えば、図5〜9の装置)に関して上記に述べた。
【0042】
次いで工程720に示されるように、挿入機構の動作によって可撓性留置型バイオセンサを標的部位に部分的に挿入する。所望により、工程720の後に無線送信機を可撓性留置型バイオセンサに脱着可能に取り付けることができる。
【0043】
方法700は、従来の留置型バイオセンサの挿入法と比較して工程数が少なく、より簡単である。したがって、本方法は、従来の方法よりも成功率が高くなることが予想される。更に、本発明に係る可撓性バイオセンサの挿入方法では、留置型バイオセンサを挿入するための使用の直後に取り外さなければならない鋭利な挿入装置を使用しない。
【0044】
本開示を知り得れば、当業者であれば、本発明の各実施形態に係る可撓性留置型バイオセンサ及び可撓性留置型バイオセンサ挿入装置に関して本明細書に述べた手順、使用、方法、及び動作の任意のものを取り入れるように方法700を容易に改変することが可能である点は認識されるであろう。
【0045】
以上、本発明の好ましい実施形態を図示、説明したが、こうした実施形態はあくまで例として与えられたものであることは当業者には明らかであろう。当業者であれば、本発明から逸脱することなく多くの変形、変更、及び代用が想到されるであろう。本発明の実施に際し、本明細書で述べた実施形態には、様々な代替例を用い得る点は理解されるべきである。以下の「特許請求の範囲」は、本発明の範囲を定義するとともに特許請求の範囲内の装置及び方法、並びにそれらの均等物をこれによって網羅することを目的としたものである。
【0046】
〔実施態様〕
(1) 可撓性材料から形成された長尺の枠組みであって、
本体部分と、
尖頭部と、
末端と、
基端と、
を有する、長尺の枠組みと、
前記長尺の枠組みに一体化されたバイオセンサであって、
前記長尺の枠組みの前記本体部分又は前記尖頭部のうち少なくとも一方の上に配置されたセンサ要素、
を含む、バイオセンサと、を備え、
前記尖頭部が前記長尺の枠組みの前記末端に配置され、
前記尖頭部及び前記バイオセンサの少なくとも前記センサ要素が標的部位に挿入されるように構成されている、可撓性留置型バイオセンサ。
(2) 前記長尺の枠組みの前記末端と前記基端との間で前記長尺の枠組み及び前記バイオセンサを少なくとも部分的に被覆する可撓性チューブを更に含む、実施態様1に記載の可撓性留置型バイオセンサ。
(3) 前記長尺の枠組みが、前記末端から前記基端に延びる長手方向軸を有する長尺のストリップであり、
前記長尺のストリップが、内部に形成された少なくとも1つの溝部を有し、前記少なくとも1つの溝部は前記長手方向軸に少なくとも部分的に平行に配置されており、
前記バイオセンサが、前記少なくとも1つの溝部内に少なくとも部分的に収容されている、実施態様1に記載の可撓性留置型バイオセンサ。
(4) 前記長尺の枠組みの前記末端と前記基端との間で前記長尺の枠組み及び前記バイオセンサを少なくとも部分的に被覆する可撓性チューブを更に含む、実施態様3に記載の可撓性留置型バイオセンサ。
(5) 前記可撓性チューブが、前記溝部内で前記可撓性チューブと、前記バイオセンサと、前記長尺の枠組みとの間に液密シールを設けるように構成されている、実施態様4に記載の可撓性留置型バイオセンサ。
(6) 前記可撓性チューブは、前記可撓性チューブが前記長尺の枠組みを部分的に包囲するようにC字形の断面を有する、実施態様4に記載の可撓性留置型バイオセンサ。
(7) 前記バイオセンサが少なくとも1本の信号伝送線を含む、実施態様1に記載の可撓性留置型バイオセンサ。
(8) 前記少なくとも1本の信号伝送線が、
基端と、
前記信号伝送線の前記基端に配置された信号伝送コネクタと、を有する、実施態様7に記載の可撓性留置型バイオセンサ。
(9) 前記少なくとも1本の信号伝送線が2本の信号伝送線を含む、実施態様7に記載の可撓性留置型バイオセンサ。
(10) 前記少なくとも1本の信号伝送線が3本の信号伝送線を含む、実施態様7に記載の可撓性留置型バイオセンサ。
【0047】
(11) 前記尖頭部が皮下に挿入されるように構成され、前記標的部位が皮膚の標的部位である、実施態様1に記載の可撓性留置型バイオセンサ。
(12) 前記可撓性材料が超弾性可撓性材料である、実施態様1に記載の可撓性留置型バイオセンサ。
(13) 前記可撓性材料がニチノールである、実施態様1に記載の可撓性留置型バイオセンサ。
(14) 前記センサ要素が、前記長尺の枠組みの前記尖頭部及び前記本体部分のうち少なくとも一方に配置される、実施態様1に記載の可撓性留置型バイオセンサ。
(15) 前記センサ要素が、前記長尺の枠組みの前記尖頭部及び前記本体部分のうち少なくとも一方の上に懸垂される、実施態様1に記載の可撓性留置型バイオセンサ。
(16) 前記センサ要素が、前記長尺の枠組みの前記溝部の内部かつ前記本体部分上に配置される、実施態様3に記載の可撓性留置型バイオセンサ。
(17) 前記センサ要素が、前記長尺の枠組みの前記溝部の内部に配置され、かつ前記本体部分上に懸垂される、実施態様16に記載の可撓性留置型バイオセンサ。
(18) 前記長尺の枠組みの前記本体部分が、前記本体部分を貫通する枠組み開口部を含み、前記センサ要素が前記枠組み開口部上に配置される、実施態様1に記載の可撓性留置型バイオセンサ。
(19) 可撓性留置型バイオセンサであって、
可撓性材料で形成される長尺の枠組みであって、
本体部分と、
尖頭部と、
末端と、
基端と、
を有する、長尺の枠組みと、
前記長尺の枠組みと一体化されたバイオセンサであって、
前記長尺の枠組みの前記本体部分又は前記尖頭部のうち少なくとも一方の上に配置されたセンサ要素、
を含む、バイオセンサと、
を含み、
前記尖頭部が前記長尺の枠組みの前記末端に配置され、
前記尖頭部及び前記バイオセンサの少なくとも前記センサ要素が標的部位に挿入されるように構成されている、
可撓性留置型バイオセンサと、
前記可撓性留置型バイオセンサに動作可能に連結されるとともに前記可撓性留置型バイオセンサと一体化された挿入機構であって、少なくとも前記尖頭部及び前記センサ要素を含む前記可撓性留置型バイオセンサの一部を標的部位に挿入するように構成された、挿入機構と、を備える、可撓性留置型バイオセンサ挿入装置。
(20) 無線送信機モジュールを更に備え、前記無線送信機モジュールが、
前記可撓性留置型バイオセンサ挿入機構に対して使用者によって脱着可能に取り付けられるように、かつ、
前記センサ要素からの信号を受信し、受信した前記信号を無線で送信するように、構成されている、実施態様19に記載の可撓性留置型バイオセンサ挿入装置。
【0048】
(21) 前記可撓性留置型バイオセンサが、前記長尺の枠組みの前記末端と前記基端との間で前記長尺の枠組み及び前記バイオセンサを少なくとも部分的に被覆する可撓性チューブを更に含む、実施態様19に記載の可撓性留置型バイオセンサ挿入装置。
(22) 前記長尺の枠組みが、前記末端から前記基端に延びる長手方向軸を有する長尺のストリップであり、
前記長尺のストリップが、内部に形成された少なくとも1つの溝部を有し、前記少なくとも1つの溝部は前記長手方向軸に少なくとも部分的に平行に配置されており、
前記バイオセンサが、前記少なくとも1つの溝部内に少なくとも部分的に収容されている、実施態様19に記載の可撓性留置型バイオセンサ挿入装置。
(23) 前記挿入機構が、少なくとも前記尖頭部及び前記センサ要素を含む前記可撓性留置型バイオセンサの一部を皮膚の標的部位に皮下的に挿入するように構成されている、実施態様19に記載の可撓性留置型バイオセンサ挿入装置。
(24) 前記可撓性材料がニチノールである、実施態様19に記載の可撓性留置型バイオセンサ挿入装置。
(25) 前記挿入機構は、ガイドであって、前記可撓性留置型バイオセンサ挿入装置の使用時に前記可撓性留置型バイオセンサを前記ガイドに通して動かすように構成された、ガイドを含む、実施態様19に記載の可撓性留置型バイオセンサ挿入装置。
(26) 前記挿入機構が、少なくとも前記尖頭部及び前記センサ要素を含む前記可撓性留置型バイオセンサの一部を標的部位に湾曲させて挿入するように構成されている、実施態様19に記載の可撓性留置型バイオセンサ挿入装置。
(27) 前記センサ要素が、前記長尺の枠組みの前記本体部分の前記少なくとも1つの溝部内に配置される、実施態様22に記載の可撓性留置型バイオセンサ挿入装置。
(28) 標的部位に可撓性留置型バイオセンサを挿入するための方法であって、
標的部位に可撓性留置型バイオセンサ挿入装置を接着する工程であって、前記可撓性留置型バイオセンサ挿入装置が、
可撓性留置型バイオセンサであって、
可撓性材料で形成される長尺の枠組みであって、
本体部分と、
尖頭部と、
末端と、
基端と、
を有する、長尺の枠組みと、
前記長尺の枠組みに一体化されたバイオセンサであって、
前記長尺の枠組みの前記本体部分又は前記尖頭部のうち少なくとも一方の上に配置されたセンサ要素、
を含む、バイオセンサと、を有し、
前記尖頭部が前記長尺の枠組みの前記末端に配置され、前記尖頭部及び前記バイオセンサの少なくとも前記センサ要素が標的部位に挿入されるように構成されている、
可撓性留置型バイオセンサと、
前記可撓性留置型バイオセンサに動作可能に連結されるとともに前記可撓性留置型バイオセンサと一体化された挿入機構であって、少なくとも前記尖頭部及び前記センサ要素を含む前記可撓性留置型バイオセンサの一部を標的部位に挿入するように構成された、挿入機構と、を備える、
工程と、
前記挿入機構の動作によって前記可撓性留置型バイオセンサの少なくとも前記尖頭部及び前記センサ要素を前記標的部位に挿入する工程と、を含む、方法。
(29) 前記挿入工程が、前記可撓性留置型バイオセンサの皮下挿入であり、前記標的部位が使用者の皮膚の標的部位である、実施態様28に記載の方法。
(30) 前記挿入工程の後に、前記可撓性留置型バイオセンサの前記バイオセンサの基端を、無線送信機に脱着可能に接続する工程を更に含む、実施態様28に記載の方法。
【0049】
(31) 前記可撓性材料がニチノールである、実施態様28に記載の方法。
(32) 前記センサ要素がグルコースセンサ要素である、実施態様28に記載の方法。
(33) 前記長尺の枠組みがニチノールストリップである、実施態様28に記載の方法。
(34) 前記挿入工程において、前記挿入機構の動作によって皮下の標的部位に前記可撓性留置型バイオセンサが挿入される、実施態様28に記載の方法。
(35) 前記可撓性留置型バイオセンサがポリマージャケットを更に含む、実施態様28に記載の方法。
(36) 前記挿入工程において、少なくとも前記尖頭部及び前記センサ要素が湾曲して挿入される、実施態様28に記載の方法。
【開示の内容】
【0001】
〔技術分野〕
本発明は、一般的には医療機器に関し、詳細には留置型バイオセンサ、関連する挿入装置、及び関連する方法に関する。
【0002】
〔背景技術〕
(関連技術の説明)
各種の留置型バイオセンサが科学分野及び医療分野において注目を集めている。例えば、グルコースの値を継続的に監視するための留置型バイオセンサが最近利用できるようになっている。これらのバイオセンサは別の挿入装置(例えば、剛性の中空針)を使用して使用者の皮膚の下に皮下的に挿入される。この別の挿入装置は、使用者の組織液中のグルコース濃度を長期間(例えば、7日間)にわたって継続的に測定するためにバイオセンサが使用されるのに先立って取り外される。
【図面の簡単な説明】
【0003】
本発明の新規な特徴は、添付の「特許請求の範囲」に詳細に記載される。本発明の特徴及び利点は、本発明の原理を利用した例示的な実施形態を記載した以下の詳細な説明を、添付の図面と併せて参照することによってより深く理解されるであろう。図中、類似の数字は類似の要素を示す。
【図1A】本発明の一実施形態に係る可撓性留置型バイオセンサの一部を示す簡略図。
【図1B】図1Aの可撓性留置型バイオセンサの部分の、図1AのB−B線に沿った簡略断面図。
【図1C】図1Aの可撓性留置型バイオセンサの部分の、図1Aの長さに沿った簡略断面図。
【図1D】可撓性留置型バイオセンサにおけるセンサ要素の別の配置を示した、それ以外は図1Aと同様のものの簡略断面図。
【図1E】可撓性留置型バイオセンサの本体部分を通じて枠組み開口部が設けられている状態を示す、それ以外は図1Dと同様のものの簡略断面図。
【図2A】本発明の別の実施形態に係る可撓性留置型バイオセンサの一部を示す簡略断面図。
【図2B】図2Aの可撓性留置型バイオセンサの部分の、図2AのB−B線に沿った簡略断面図。
【図2C】図2Aの可撓性留置型バイオセンサの部分の、図2AのC−C線に沿った簡略断面図。
【図3】本発明の実施形態に係る可撓性留置型バイオセンサの末端(破線は図6の斜視図では視界から隠れているバイオセンサの溝部及び信号伝送線を示す)を示す簡略斜視図。
【図4】本発明の別の実施形態に係る可撓性留置型バイオセンサを示す簡略斜視図。
【図5】標的部位(図示せず)への可撓性留置型バイオセンサの挿入前の本発明の一実施形態に係る可撓性留置型バイオセンサ挿入装置を無線送信機のない状態で示した簡略斜視図。
【図6】標的部位(図示せず)に可撓性留置型バイオセンサが挿入された後の図5の可撓性留置型バイオセンサ挿入装置を示す簡略斜視図。
【図7】無線送信機が脱着可能に取り付けられた後の図6の可撓性留置型バイオセンサ挿入装置を示す簡略斜視図。
【図8】図5の可撓性留置型バイオセンサ及び図7の無線送信機の一部を示す簡略分解斜視図。
【図9】脱着可能に取り付けられた無線送信機の部分を含む図7の可撓性留置型バイオセンサ挿入装置の一部を示す簡略断面図。
【図10】本発明の一実施形態に係る標的部位に可撓性留置型バイオセンサを挿入するための方法の各段階を示すフロー図。
【発明を実施するための形態】
【0004】
〔例示的な実施形態の詳細な説明〕
以下の詳細な説明は、図面を参照しつつ読まれるべきものであって、異なる図面中、同様の要素は同様の参照符号にて示してある。図面は、必ずしも正しい縮尺ではなく、あくまで説明を目的として例示的な実施形態を示したものであり、本発明の範囲を限定することを目的としたものではない。詳細な説明は本発明の原理を限定するものではなく、あくまでも例として記載するものである。この説明文は、当業者による、本発明の製造及び使用を明確に可能ならしめるものであり、本発明を実施するための最良の形態と現在考えられるものを含む、本発明の複数の実施形態、適応例、変形例、代替例、並びに使用例を述べるものである。
【0005】
本発明の実施形態に係る可撓性の留置型バイオセンサは、本体部分、尖頭部、末端及び基端を有する、可撓性材料(例、ニチノールストリップ)で形成された長尺の枠組みを含む。こうした可撓性留置型バイオセンサは、長尺の枠組みと一体化されるとともに長尺の枠組みの本体部分又は尖頭部のうち少なくとも一方の上に配置された(例えば、本体部分又は長尺の枠組み上に配置されるか、かつ/又はその上に懸垂される)センサ要素を有するバイオセンサ(例えばグルコースセンサ)を更に含む。更に、尖頭部は長尺の枠組みの末端に配置され、尖頭部及びバイオセンサの少なくともセンサ要素が標的部位(例えば、皮下の標的部位)に挿入されるように構成されている。このような可撓性留置型バイオセンサの更なる特徴、特性、及び利点を異なる図面に関して下記に述べる。
【0006】
当業者であれば、バイオセンサとは、生理学的変化、プロセス又は分析物に関する信号(組織液中のグルコース濃度に関する情報など)を検出及び生成する装置であることは認識されよう。こうしたバイオセンサには、酵素反応と電気化学的方法又は分光学的変換方法との組み合わせに基づいたものが含まれる。限定的ではないが、関連するバイオセンサの例が、米国特許第7,471,972(B2)号、同第7,344,500(B2)号、及び同第6,990,366(B2)号に述べられており、これらの各々は、全体が記載されているのと同様に本明細書に援用するものである。
【0007】
図1A、1B及び1Cは、本発明の一実施形態に係る可撓性の留置型バイオセンサ100の部分を簡略化して示したものである。図1A〜1Cを参照すると、可撓性留置型バイオセンサ100は、本体部分104、末端106、基端108、末端106に配置された尖頭部110、及び溝部112を有する、可撓性材料(ニチノール材料、他の適当な可撓性又は超弾性材料など)で形成された長尺のストリップ102(すなわち、長尺の枠組み)を含む。溝部112は長尺のストリップの長さに沿って延びている。尖頭部110は皮下に挿入されるように構成されている。図1Aは、尖頭部110の1つの縁部のみが鋭利である(図1Aの破線で示される)ような実施形態を示している。
【0008】
可撓性留置型バイオセンサ100は更に、センサ要素116及び信号伝送線118を有する(平行線模様で示される)バイオセンサ114を含む。本発明を知り得れば、当業者であればバイオセンサ114は、例えば、同軸ケーブル、光ケーブル、対をなす2本の電線からなる線、又は3本の電線からなる線などの任意の適当な種類の信号伝送線を含み得る点は認識されよう。更に、本発明の実施形態に係る可撓性留置型バイオセンサにおいて用いられるバイオセンサは、無線周波数(RF)及び静電結合法を用いたものなどの無線法によって信号を伝送することもできる。図1A〜1Cの実施形態では、信号伝送線118は溝部112内で長尺のストリップ102の長さにわたって延びている。
【0009】
バイオセンサ114は長尺の枠組みと一体化されており、センサ要素116は例えば適当な接着剤(図示せず)を用いて尖頭部110上に固定的に配置される。更に、尖頭部110及びセンサ要素116の両方とも皮下の標的部位に挿入されるように構成されている。
【0010】
本発明の実施形態に係る可撓性留置型バイオセンサは、例えば、皮下の所定の深さに一貫して挿入可能であり、捩じれを生じないで、たやすく曲げることが可能であり、断面積が比較的小さいといった点で有益である。
【0011】
図1Dは、図1Aに示した可撓性留置型バイオセンサ100に基本的に似ている可撓性留置型バイオセンサ100’におけるセンサ要素116’の別の配置を示す簡略断面図である。図1Dの実施形態では、センサ要素116’は溝部112内で尖頭部110の近くに配置されている。図1Dの構成では、可撓性留置型バイオセンサの前方の断面が小さくなっていることから、標的部位への尖頭部の挿入をセンサ要素が妨げる可能性が効果的に低減され、更に挿入時にセンサ要素がずれてしまう可能性も低減される。
【0012】
図1Eは、センサ要素116’の下部において長尺のストリップ102の本体部分104を通じた枠組みの開口部120が設けられることによって改変されているが、他の点では図1Dの可撓性留置型バイオセンサ100’に似た可撓性留置型バイオセンサ100”を簡略断面図で示したものである。枠組み開口部120は、可撓性留置型バイオセンサ100”が標的部位に挿入される際に、組織液、血液又は他の体液へのセンサ要素116’の曝露を増大させるように効果的に構成されている。
【0013】
本開示を知り得れば、当業者であれば、本発明の実施形態に係る可撓性留置型バイオセンサで用いられるセンサ要素は、一般に長尺の枠組みの本体部分又は尖頭部上に配置するか、かつ/又はその上に懸垂することができる点は認識されよう。図1A〜1Eは、尖頭部上(図1A〜C)、又は本体部分上(図1D及び1E)に配置されたセンサ要素を示す。しかしながら、例えば、長尺の枠組みの本体部分の形状が円筒形であり、バイオセンサの伝送線が円筒形の長尺の枠組みに巻き付けられるような構成など、他の構成も可能である。
【0014】
図2A、2B及び2Cは、本発明の別の実施形態に係る可撓性留置型バイオセンサ200の一部を簡略化して示したものである。図2A〜2Cを参照すると、可撓性留置型バイオセンサ200は、本体部分203、末端204、基端206、長手方向軸208(破線にて示す)、末端204に配置された尖頭部210、及び溝部212を有する、可撓性材料(ニチノール、他の好適な可撓性材料又は超弾性材料など)で形成された長尺のストリップ202を含む。溝部212は、長手方向軸208に対して平行に配置される(例えば、軸に沿って)。尖頭部210は皮下に挿入されるように構成されている。
【0015】
可撓性留置型バイオセンサ200は更に、センサ要素216及び信号伝送線218を有するバイオセンサ214を含む。更に、可撓性留置型バイオセンサ200は、末端204と基端206との間で長尺のストリップ202及びバイオセンサ214を少なくとも部分的に被覆する可撓性チューブ220を含む。可撓性チューブ220は、信号伝送線218を固定かつ格納する機能を少なくとも有する。更に、可撓性チューブ220は、必要に応じて、溝部内の可撓性チューブ、バイオセンサ、及び長尺の枠組み間に液密シールを与えるように構成することが可能であり、これにより液体が誤って溝部212を通じて流れることが防止される。所望により、本発明の実施形態で用いられる可撓性チューブの形状は、チューブが長尺の枠組みを完全に包囲しないように構成することができる。例えば、可撓性チューブ220は、C字形の断面を有してもよく、その場合、C字形の断面の長手方向の開口部(すなわちC字形断面の開口部)が溝部212と整列させられるか、あるいは別の形でセンサ要素を露出させる。
【0016】
所望により、可撓性留置型バイオセンサ200は使用者の標的部位(例えば、皮下への挿入)への挿入を容易にするように潤滑物質で部分的にコーティングされてもよい。更に、長尺の枠組みをバイオセンサの一要素として構成することにより(例えば、2本又は3本の電線からなる信号伝送線の内の1本の電線として)、可撓性留置型バイオセンサの設計を単純化することができる。このような構成は、例えば、長尺の枠組みを非導電性層で適宜コーティングすることを含み得る。
【0017】
本発明の実施形態に係る可撓性留置型バイオセンサは、可撓性であり、かつ捩れを生じない長尺の枠組みで形成することができることから、断面積を比較的小さくすることができる。理論に束縛されずに言えば、このように断面積が小さいことによって皮下への挿入時の痛みが最小限に抑えられ、快適に装着されるものとの仮説が成り立つ。
【0018】
本発明の実施形態で用いられるニチノールは、当業者には周知の技術を用いて有利に前処理する(「予めプログラムする」とも言われる)ことによって、やはり当業者には周知の様々な超弾性特性(例えば、耐捩れ性、大きな負荷に対応する能力、機械的な変形応力の解放後に元の(予めプログラムされた)形状に戻る能力など)を有することができる。
【0019】
可撓性留置型バイオセンサ100及び200は、特に溝部の開口側が曲率半径の中心に向かう(又は遠ざかる)方向(可撓性屈曲方向と呼ばれる)に向くようにして屈曲される場合には極めて撓みやすい。更に、超弾性材料(例えば、ヤング率が約35〜75GPaの範囲であるニチノールなど)の使用により、可撓性留置型バイオセンサ100及び200は捩れることなく大きく屈曲することが可能である。
【0020】
図1A〜1C及び2A〜2Cの実施形態では、長尺の枠組みはC字形の断面を有する(特に図1Bを参照)。しかしながら本開示を知り得れば、当業者であれば、異なる方向への可撓性の量を制御する(すなわち予め決定する)ために他の適当な長尺のストリップの断面形状を用いることも可能である点は認識されよう。更に、本発明の実施形態で用いられる長尺の枠組みは、可撓性医療機器導管の長さに沿って変化する断面形状を有することによって長さに沿って可撓性を変化させることも可能である。
【0021】
図3は、本発明の別の一実施形態に係る可撓性留置型バイオセンサ300の末端を示した簡略斜視図である。可撓性留置型バイオセンサ300は、可撓性材料(ニチノールなど)で形成された湾曲した長尺の枠組み302を含んでいる。湾曲した長尺の枠組み302は、本体部分304及び尖頭部306を含む。湾曲した長尺の枠組み302は更に、湾曲した長尺枠組み302の長手方向軸に沿って配置された溝部308を含む。
【0022】
更に、可撓性留置型バイオセンサ300は、湾曲した長尺の枠組み302と一体化されたバイオセンサ310を含む。バイオセンサ310は、尖頭部306上に配置されたセンサ要素312、並びに溝部308内に部分的に収容される2本の信号伝送線314a及び314b(溝部308内の1本の破線として示される)を含む。本開示を知り得れば、当業者であれば、本発明に係る可撓性留置型バイオセンサに用いられるセンサ要素を長尺の枠組みの本体部分上に配置してもよい点は認識されるであろう。
【0023】
図3の実施形態では、尖頭部306は湾曲長尺の枠組み302の末端に配置されている。更に、尖頭部306及びセンサ要素312は標的部位に挿入されるように構成されている。
【0024】
図4は、本発明の別の実施形態に係る可撓性留置型バイオセンサ400を示した簡略斜視図である。可撓性留置型バイオセンサ400は、可撓性材料(ニチノールなど)から形成された湾曲した長尺の枠組み402を含む。湾曲した長尺の枠組み402は、本体部分404、及び湾曲した長尺の枠組みの末端における尖頭部406を含む。図4では、自立状態において湾曲している長尺の枠組みを示しているが、当業者であれば、本開示を知り得れば本発明の実施形態で用いられる長尺の枠組みは必要に応じて自立状態において直線状であってもよい点は認識されるであろう。
【0025】
可撓性留置型バイオセンサ400は更に、湾曲した長尺の枠組み402と一体化されたバイオセンサを含む。バイオセンサは、尖頭部406上に配置されたセンサ要素412(組織液グルコースセンサ要素など)、2本の信号伝送線414a及び414b、並びに伝送線コネクタ416を含む。伝送線コネクタ416は電気的接点418a及び418bを含む。図8に関して下記に更に述べるように、電気的接点418a及び418bは無線送信機の端子ピンと動作可能に係合するように構成されている。可撓性留置型バイオセンサ400は、ポリマージャケット420を更に含む。
【0026】
本発明の実施形態に係る可撓性留置型バイオセンサでの使用に適した可撓性枠組みの製造方法は、長尺のニチノールストリップに溝部をエッチングすることと、その長尺のニチノールストリップの末端に尖頭部を形成することを含む。代わりに、打抜き及び/又は鋳造法を用いて本発明の実施形態の溝部及び尖頭部を形成することもできる。更に、研削などの従来の尖端形成法を用いて尖頭部を形成することもできる。
【0027】
本発明の実施形態に係る可撓性留置型バイオセンサは、熱収縮されたポリ(テトラフルオロエチレン)、すなわちPTFEポリマージャケットを可撓性チューブとして用い、エッチングされた長尺のニチノールストリップ(尖頭部を有する)から例えば形成することができる。
【0028】
本発明に係る可撓性留置型バイオセンサの挿入装置は、可撓性留置型バイオセンサ及び挿入機構を含む。こうした装置の可撓性留置型バイオセンサは、本体部分、尖頭部、末端、及び基端を有する、可撓性材料(例、ニチノールストリップ)から形成された長尺の枠組みを含む。可撓性留置型バイオセンサは更に、長尺の枠組みに一体化されるとともに長尺の枠組みの本体部分又は尖頭部のうち少なくとも一方に配置されたセンサ要素を有するバイオセンサ(例えば、グルコースバイオセンサ)を含む。更に、尖頭部は長尺の枠組みの末端に配置され、尖頭部及び少なくともバイオセンサのセンサ要素は標的部位(例えば、皮下の標的部位)に挿入されるように構成されている。更に、挿入機構は、可撓性留置型バイオセンサと動作可能に連結され、かつ可撓性留置型バイオセンサと一体化されており、少なくとも尖頭部及びセンサ要素を含む可撓性留置型バイオセンサの一部を標的部位に挿入するように構成されている。
【0029】
本発明の実施形態に係る可撓性留置型バイオセンサ挿入装置によって、挿入時に尖頭部を効果的に視界から見えにくくするともに尖頭部と表面との非意図的な接触を防止し、挿入を容易にかつ最小限の工程で行うことが可能となる。このような可撓性留置型バイオセンサ挿入装置の更なる特徴、特性、及び利点を異なる図面に関して下記に述べる。
【0030】
更に、本発明の実施形態に係る可撓性留置型バイオセンサ挿入装置における使用に適した可撓性留置型バイオセンサについては上記に述べた(例えば、図1A〜1C、2A〜2C、3及び4に関して)。本発明の実施形態に係る可撓性留置型バイオセンサ挿入装置において用いられる挿入機構の例示的実施形態については下記に述べる。これに関し、可撓性留置型バイオセンサは、患者による使用時に挿入機構から取り外し、分離、又は廃棄されず、かつ容易にそうすることができないという点で、挿入機構と一体化されている点には注意を要する。
【0031】
図5は、図4の可撓性留置型バイオセンサを含む本発明の実施形態に係る可撓性留置型バイオセンサ挿入装置500を示した簡略斜視図である。図5は、標的部位(図示せず)への可撓性留置型バイオセンサの挿入前の可撓性留置型バイオセンサ挿入装置500を、無線送信機のない状態で示したものである。図6は、可撓性留置型バイオセンサが標的部位(図示せず)に挿入された後の可撓性留置型バイオセンサ挿入装置500を示した簡略斜視図であり、図7は、無線送信機が脱着可能に取り付けられた後の可撓性留置型バイオセンサ挿入装置500を示した簡略斜視図である。
【0032】
図8は、可撓性留置型バイオセンサ挿入装置500に用いられる可撓性留置型バイオセンサ、及び図7の無線送信機の一部を示した簡略分解斜視図である。図9は、脱着可能に取り付けられた無線送信機の部分を含む図7の可撓性留置型バイオセンサ挿入装置の一部を示した簡略断面図である。
【0033】
図4〜9を参照すると、可撓性留置型バイオセンサ挿入装置500は可撓性留置型バイオセンサ400(図4に関して上記に述べたもの)及び挿入機構502を含んでいる。挿入機構502は、可撓性留置型バイオセンサ400に動作可能に連結されるとともに可撓性留置型バイオセンサ400と一体化されている。しかも、更に後述するように、挿入機構502は、少なくとも尖頭部及びセンサ要素を含む可撓性留置型バイオセンサの一部を標的部位TSに挿入するように構成されている(特に、図9を参照)。
【0034】
挿入機構502は、プラットフォーム504、ボタン506、ガイド508、上側ハウジング510、バネ512a及び512b、ボタンヒンジ514、上側ハウジングヒンジ516、並びに少なくとも1個の支柱518を含む。無線送信機600(図7、8及び9に示す)は、ラッチ602、並びに電気的端子604a及び604bを含む。
【0035】
挿入機構502は、使用者がボタン506を押す際に可撓性留置型バイオセンサ400がバネ付勢機構によって標的部位(TS)に自動的に挿入されるように構成されている。更なる動作の詳細を以下に述べる。
【0036】
図5では、プラットフォーム504が非配備位置で標的部位の使用者の皮膚に接着されている。上側ハウジング510は、可撓性留置型バイオセンサ400の基端を保持し、上側ハウジング510は支柱518によって図5の上がった位置に保持されている。バネ512a及び512bは予め負荷をかけられ、上側ハウジング510を押している。ボタン506を押すとボタン506はボタンヒンジ514を中心として回動し、上側ハウジング510が支柱518から解除される。これによりバネ512a及び512bが上側ハウジング510を図6の配備位置へと引き下ろす。
【0037】
ガイド508は、可撓性留置型バイオセンサ400が標的部位への挿入時に折れ曲がることを防止する。上側ハウジング510は、図5の非配備位置から図6の配備位置へと動く際、上側ハウジングヒンジ516を中心として回動する。所望により、ラッチを使用して配備位置で上側ハウジング510をプラットフォーム504に固定することができる。配備位置では、可撓性留置型バイオセンサ400の尖頭部406がプラットフォーム504の下面を越えて延び、使用者の皮膚を貫通する。
【0038】
図7及び9は、無線送信機600が取り付けられ、ラッチ602によって脱着可能に固定された後の可撓性留置型バイオセンサ挿入装置500を示したものである。無線送信機600はラッチ602を押すことによって取り外すことができる。
【0039】
可撓性留置型バイオセンサ400の湾曲した形状と上側ハウジング510の回動動作によって、可撓性留置型バイオセンサ400は尖頭部406が皮膚表面に対して垂直となるようにして皮膚を貫通することが可能であり、このため出血の確率が低減する。しかしながら、可撓性留置型バイオセンサ400は皮膚に進入するに従って湾曲し、センサ要素412の正確な深さへの配置を可能にすると同時に、充分な長さの可撓性留置型バイオセンサ400が皮膚表面の下に置かれることで、可撓性留置型バイオセンサ400が誤って引き抜かれることが防止される。また、直線状の長尺の枠組みを用いることで標的部位(例えば、使用者の皮膚の標的部位)に可撓性留置型バイオセンサを真っ直ぐ、かつ垂直に又は真っ直ぐかつ一定角度で挿入することも可能である。
【0040】
本発明の実施形態に係る可撓性医療装置導管の尖頭部は、可撓性留置型バイオセンサが使用される間(例えば、組織液中のグルコースを検出する間)標的部位内に留まり、例えば、標的部位から可撓性留置型バイオセンサ全体が取り外される場合にのみ取り外される。可撓性留置型バイオセンサは極めて撓みやすいことから(例えば、ニチノール、及び場合により可撓性ポリマーチューブで形成される)、使用時に過度の痛みや不快感をともなうことなく挿入したままとすることができる。
【0041】
図10は、本発明の一実施形態に係る標的部位に可撓性留置型バイオセンサを挿入するための方法700の各段階を示したフロー図である。方法700では、工程710において、標的部位(例えば使用者の皮膚の標的部位)に可撓性留置型バイオセンサ挿入装置(可撓性留置型バイオセンサ及び一体型の挿入機構を含む)を接着することを含む。可撓性留置型バイオセンサ挿入装置の可撓性留置型バイオセンサについては、(例えば、図1A〜1C、2A〜2C、3及び4に示されるものを含む)本発明に係る可撓性留置型バイオセンサに関して本明細書で上記に述べた。挿入機構については本発明に係る可撓性留置型バイオセンサ挿入装置(例えば、図5〜9の装置)に関して上記に述べた。
【0042】
次いで工程720に示されるように、挿入機構の動作によって可撓性留置型バイオセンサを標的部位に部分的に挿入する。所望により、工程720の後に無線送信機を可撓性留置型バイオセンサに脱着可能に取り付けることができる。
【0043】
方法700は、従来の留置型バイオセンサの挿入法と比較して工程数が少なく、より簡単である。したがって、本方法は、従来の方法よりも成功率が高くなることが予想される。更に、本発明に係る可撓性バイオセンサの挿入方法では、留置型バイオセンサを挿入するための使用の直後に取り外さなければならない鋭利な挿入装置を使用しない。
【0044】
本開示を知り得れば、当業者であれば、本発明の各実施形態に係る可撓性留置型バイオセンサ及び可撓性留置型バイオセンサ挿入装置に関して本明細書に述べた手順、使用、方法、及び動作の任意のものを取り入れるように方法700を容易に改変することが可能である点は認識されるであろう。
【0045】
以上、本発明の好ましい実施形態を図示、説明したが、こうした実施形態はあくまで例として与えられたものであることは当業者には明らかであろう。当業者であれば、本発明から逸脱することなく多くの変形、変更、及び代用が想到されるであろう。本発明の実施に際し、本明細書で述べた実施形態には、様々な代替例を用い得る点は理解されるべきである。以下の「特許請求の範囲」は、本発明の範囲を定義するとともに特許請求の範囲内の装置及び方法、並びにそれらの均等物をこれによって網羅することを目的としたものである。
【0046】
〔実施態様〕
(1) 可撓性材料から形成された長尺の枠組みであって、
本体部分と、
尖頭部と、
末端と、
基端と、
を有する、長尺の枠組みと、
前記長尺の枠組みに一体化されたバイオセンサであって、
前記長尺の枠組みの前記本体部分又は前記尖頭部のうち少なくとも一方の上に配置されたセンサ要素、
を含む、バイオセンサと、を備え、
前記尖頭部が前記長尺の枠組みの前記末端に配置され、
前記尖頭部及び前記バイオセンサの少なくとも前記センサ要素が標的部位に挿入されるように構成されている、可撓性留置型バイオセンサ。
(2) 前記長尺の枠組みの前記末端と前記基端との間で前記長尺の枠組み及び前記バイオセンサを少なくとも部分的に被覆する可撓性チューブを更に含む、実施態様1に記載の可撓性留置型バイオセンサ。
(3) 前記長尺の枠組みが、前記末端から前記基端に延びる長手方向軸を有する長尺のストリップであり、
前記長尺のストリップが、内部に形成された少なくとも1つの溝部を有し、前記少なくとも1つの溝部は前記長手方向軸に少なくとも部分的に平行に配置されており、
前記バイオセンサが、前記少なくとも1つの溝部内に少なくとも部分的に収容されている、実施態様1に記載の可撓性留置型バイオセンサ。
(4) 前記長尺の枠組みの前記末端と前記基端との間で前記長尺の枠組み及び前記バイオセンサを少なくとも部分的に被覆する可撓性チューブを更に含む、実施態様3に記載の可撓性留置型バイオセンサ。
(5) 前記可撓性チューブが、前記溝部内で前記可撓性チューブと、前記バイオセンサと、前記長尺の枠組みとの間に液密シールを設けるように構成されている、実施態様4に記載の可撓性留置型バイオセンサ。
(6) 前記可撓性チューブは、前記可撓性チューブが前記長尺の枠組みを部分的に包囲するようにC字形の断面を有する、実施態様4に記載の可撓性留置型バイオセンサ。
(7) 前記バイオセンサが少なくとも1本の信号伝送線を含む、実施態様1に記載の可撓性留置型バイオセンサ。
(8) 前記少なくとも1本の信号伝送線が、
基端と、
前記信号伝送線の前記基端に配置された信号伝送コネクタと、を有する、実施態様7に記載の可撓性留置型バイオセンサ。
(9) 前記少なくとも1本の信号伝送線が2本の信号伝送線を含む、実施態様7に記載の可撓性留置型バイオセンサ。
(10) 前記少なくとも1本の信号伝送線が3本の信号伝送線を含む、実施態様7に記載の可撓性留置型バイオセンサ。
【0047】
(11) 前記尖頭部が皮下に挿入されるように構成され、前記標的部位が皮膚の標的部位である、実施態様1に記載の可撓性留置型バイオセンサ。
(12) 前記可撓性材料が超弾性可撓性材料である、実施態様1に記載の可撓性留置型バイオセンサ。
(13) 前記可撓性材料がニチノールである、実施態様1に記載の可撓性留置型バイオセンサ。
(14) 前記センサ要素が、前記長尺の枠組みの前記尖頭部及び前記本体部分のうち少なくとも一方に配置される、実施態様1に記載の可撓性留置型バイオセンサ。
(15) 前記センサ要素が、前記長尺の枠組みの前記尖頭部及び前記本体部分のうち少なくとも一方の上に懸垂される、実施態様1に記載の可撓性留置型バイオセンサ。
(16) 前記センサ要素が、前記長尺の枠組みの前記溝部の内部かつ前記本体部分上に配置される、実施態様3に記載の可撓性留置型バイオセンサ。
(17) 前記センサ要素が、前記長尺の枠組みの前記溝部の内部に配置され、かつ前記本体部分上に懸垂される、実施態様16に記載の可撓性留置型バイオセンサ。
(18) 前記長尺の枠組みの前記本体部分が、前記本体部分を貫通する枠組み開口部を含み、前記センサ要素が前記枠組み開口部上に配置される、実施態様1に記載の可撓性留置型バイオセンサ。
(19) 可撓性留置型バイオセンサであって、
可撓性材料で形成される長尺の枠組みであって、
本体部分と、
尖頭部と、
末端と、
基端と、
を有する、長尺の枠組みと、
前記長尺の枠組みと一体化されたバイオセンサであって、
前記長尺の枠組みの前記本体部分又は前記尖頭部のうち少なくとも一方の上に配置されたセンサ要素、
を含む、バイオセンサと、
を含み、
前記尖頭部が前記長尺の枠組みの前記末端に配置され、
前記尖頭部及び前記バイオセンサの少なくとも前記センサ要素が標的部位に挿入されるように構成されている、
可撓性留置型バイオセンサと、
前記可撓性留置型バイオセンサに動作可能に連結されるとともに前記可撓性留置型バイオセンサと一体化された挿入機構であって、少なくとも前記尖頭部及び前記センサ要素を含む前記可撓性留置型バイオセンサの一部を標的部位に挿入するように構成された、挿入機構と、を備える、可撓性留置型バイオセンサ挿入装置。
(20) 無線送信機モジュールを更に備え、前記無線送信機モジュールが、
前記可撓性留置型バイオセンサ挿入機構に対して使用者によって脱着可能に取り付けられるように、かつ、
前記センサ要素からの信号を受信し、受信した前記信号を無線で送信するように、構成されている、実施態様19に記載の可撓性留置型バイオセンサ挿入装置。
【0048】
(21) 前記可撓性留置型バイオセンサが、前記長尺の枠組みの前記末端と前記基端との間で前記長尺の枠組み及び前記バイオセンサを少なくとも部分的に被覆する可撓性チューブを更に含む、実施態様19に記載の可撓性留置型バイオセンサ挿入装置。
(22) 前記長尺の枠組みが、前記末端から前記基端に延びる長手方向軸を有する長尺のストリップであり、
前記長尺のストリップが、内部に形成された少なくとも1つの溝部を有し、前記少なくとも1つの溝部は前記長手方向軸に少なくとも部分的に平行に配置されており、
前記バイオセンサが、前記少なくとも1つの溝部内に少なくとも部分的に収容されている、実施態様19に記載の可撓性留置型バイオセンサ挿入装置。
(23) 前記挿入機構が、少なくとも前記尖頭部及び前記センサ要素を含む前記可撓性留置型バイオセンサの一部を皮膚の標的部位に皮下的に挿入するように構成されている、実施態様19に記載の可撓性留置型バイオセンサ挿入装置。
(24) 前記可撓性材料がニチノールである、実施態様19に記載の可撓性留置型バイオセンサ挿入装置。
(25) 前記挿入機構は、ガイドであって、前記可撓性留置型バイオセンサ挿入装置の使用時に前記可撓性留置型バイオセンサを前記ガイドに通して動かすように構成された、ガイドを含む、実施態様19に記載の可撓性留置型バイオセンサ挿入装置。
(26) 前記挿入機構が、少なくとも前記尖頭部及び前記センサ要素を含む前記可撓性留置型バイオセンサの一部を標的部位に湾曲させて挿入するように構成されている、実施態様19に記載の可撓性留置型バイオセンサ挿入装置。
(27) 前記センサ要素が、前記長尺の枠組みの前記本体部分の前記少なくとも1つの溝部内に配置される、実施態様22に記載の可撓性留置型バイオセンサ挿入装置。
(28) 標的部位に可撓性留置型バイオセンサを挿入するための方法であって、
標的部位に可撓性留置型バイオセンサ挿入装置を接着する工程であって、前記可撓性留置型バイオセンサ挿入装置が、
可撓性留置型バイオセンサであって、
可撓性材料で形成される長尺の枠組みであって、
本体部分と、
尖頭部と、
末端と、
基端と、
を有する、長尺の枠組みと、
前記長尺の枠組みに一体化されたバイオセンサであって、
前記長尺の枠組みの前記本体部分又は前記尖頭部のうち少なくとも一方の上に配置されたセンサ要素、
を含む、バイオセンサと、を有し、
前記尖頭部が前記長尺の枠組みの前記末端に配置され、前記尖頭部及び前記バイオセンサの少なくとも前記センサ要素が標的部位に挿入されるように構成されている、
可撓性留置型バイオセンサと、
前記可撓性留置型バイオセンサに動作可能に連結されるとともに前記可撓性留置型バイオセンサと一体化された挿入機構であって、少なくとも前記尖頭部及び前記センサ要素を含む前記可撓性留置型バイオセンサの一部を標的部位に挿入するように構成された、挿入機構と、を備える、
工程と、
前記挿入機構の動作によって前記可撓性留置型バイオセンサの少なくとも前記尖頭部及び前記センサ要素を前記標的部位に挿入する工程と、を含む、方法。
(29) 前記挿入工程が、前記可撓性留置型バイオセンサの皮下挿入であり、前記標的部位が使用者の皮膚の標的部位である、実施態様28に記載の方法。
(30) 前記挿入工程の後に、前記可撓性留置型バイオセンサの前記バイオセンサの基端を、無線送信機に脱着可能に接続する工程を更に含む、実施態様28に記載の方法。
【0049】
(31) 前記可撓性材料がニチノールである、実施態様28に記載の方法。
(32) 前記センサ要素がグルコースセンサ要素である、実施態様28に記載の方法。
(33) 前記長尺の枠組みがニチノールストリップである、実施態様28に記載の方法。
(34) 前記挿入工程において、前記挿入機構の動作によって皮下の標的部位に前記可撓性留置型バイオセンサが挿入される、実施態様28に記載の方法。
(35) 前記可撓性留置型バイオセンサがポリマージャケットを更に含む、実施態様28に記載の方法。
(36) 前記挿入工程において、少なくとも前記尖頭部及び前記センサ要素が湾曲して挿入される、実施態様28に記載の方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性材料から形成された長尺の枠組みであって、
本体部分と、
尖頭部と、
末端と、
基端と、
を有する、長尺の枠組みと、
前記長尺の枠組みに一体化されたバイオセンサであって、
前記長尺の枠組みの前記本体部分又は前記尖頭部のうち少なくとも一方の上に配置されたセンサ要素、
を含む、バイオセンサと、を備え、
前記尖頭部が前記長尺の枠組みの前記末端に配置され、
前記尖頭部及び前記バイオセンサの少なくとも前記センサ要素が標的部位に挿入されるように構成されている、可撓性留置型バイオセンサ。
【請求項2】
前記長尺の枠組みの前記末端と前記基端との間で前記長尺の枠組み及び前記バイオセンサを少なくとも部分的に被覆する可撓性チューブを更に含む、請求項1に記載の可撓性留置型バイオセンサ。
【請求項3】
前記長尺の枠組みが、前記末端から前記基端に延びる長手方向軸を有する長尺のストリップであり、
前記長尺のストリップが、内部に形成された少なくとも1つの溝部を有し、前記少なくとも1つの溝部は前記長手方向軸に少なくとも部分的に平行に配置されており、
前記バイオセンサが、前記少なくとも1つの溝部内に少なくとも部分的に収容されている、請求項1に記載の可撓性留置型バイオセンサ。
【請求項4】
前記長尺の枠組みの前記末端と前記基端との間で前記長尺の枠組み及び前記バイオセンサを少なくとも部分的に被覆する可撓性チューブを更に含む、請求項3に記載の可撓性留置型バイオセンサ。
【請求項5】
前記可撓性チューブが、前記溝部内で前記可撓性チューブと、前記バイオセンサと、前記長尺の枠組みとの間に液密シールを設けるように構成されている、請求項4に記載の可撓性留置型バイオセンサ。
【請求項6】
前記可撓性チューブは、前記可撓性チューブが前記長尺の枠組みを部分的に包囲するようにC字形の断面を有する、請求項4に記載の可撓性留置型バイオセンサ。
【請求項7】
前記バイオセンサが少なくとも1本の信号伝送線を含む、請求項1に記載の可撓性留置型バイオセンサ。
【請求項8】
前記少なくとも1本の信号伝送線が、
基端と、
前記信号伝送線の前記基端に配置された信号伝送コネクタと、を有する、請求項7に記載の可撓性留置型バイオセンサ。
【請求項9】
前記少なくとも1本の信号伝送線が2本の信号伝送線を含む、請求項7に記載の可撓性留置型バイオセンサ。
【請求項10】
前記少なくとも1本の信号伝送線が3本の信号伝送線を含む、請求項7に記載の可撓性留置型バイオセンサ。
【請求項11】
前記尖頭部が皮下に挿入されるように構成され、前記標的部位が皮膚の標的部位である、請求項1に記載の可撓性留置型バイオセンサ。
【請求項12】
前記可撓性材料が超弾性可撓性材料である、請求項1に記載の可撓性留置型バイオセンサ。
【請求項13】
前記可撓性材料がニチノールである、請求項1に記載の可撓性留置型バイオセンサ。
【請求項14】
前記センサ要素が、前記長尺の枠組みの前記尖頭部及び前記本体部分のうち少なくとも一方に配置される、請求項1に記載の可撓性留置型バイオセンサ。
【請求項15】
前記センサ要素が、前記長尺の枠組みの前記尖頭部及び前記本体部分のうち少なくとも一方の上に懸垂される、請求項1に記載の可撓性留置型バイオセンサ。
【請求項16】
前記センサ要素が、前記長尺の枠組みの前記溝部の内部かつ前記本体部分上に配置される、請求項3に記載の可撓性留置型バイオセンサ。
【請求項17】
前記センサ要素が、前記長尺の枠組みの前記溝部の内部に配置され、かつ前記本体部分上に懸垂される、請求項16に記載の可撓性留置型バイオセンサ。
【請求項18】
前記長尺の枠組みの前記本体部分が、前記本体部分を貫通する枠組み開口部を含み、前記センサ要素が前記枠組み開口部上に配置される、請求項1に記載の可撓性留置型バイオセンサ。
【請求項19】
可撓性留置型バイオセンサであって、
可撓性材料で形成される長尺の枠組みであって、
本体部分と、
尖頭部と、
末端と、
基端と、
を有する、長尺の枠組みと、
前記長尺の枠組みと一体化されたバイオセンサであって、
前記長尺の枠組みの前記本体部分又は前記尖頭部のうち少なくとも一方の上に配置されたセンサ要素、
を含む、バイオセンサと、
を含み、
前記尖頭部が前記長尺の枠組みの前記末端に配置され、
前記尖頭部及び前記バイオセンサの少なくとも前記センサ要素が標的部位に挿入されるように構成されている、
可撓性留置型バイオセンサと、
前記可撓性留置型バイオセンサに動作可能に連結されるとともに前記可撓性留置型バイオセンサと一体化された挿入機構であって、少なくとも前記尖頭部及び前記センサ要素を含む前記可撓性留置型バイオセンサの一部を標的部位に挿入するように構成された、挿入機構と、を備える、可撓性留置型バイオセンサ挿入装置。
【請求項20】
無線送信機モジュールを更に備え、前記無線送信機モジュールが、
前記可撓性留置型バイオセンサ挿入機構に対して使用者によって脱着可能に取り付けられるように、かつ、
前記センサ要素からの信号を受信し、受信した前記信号を無線で送信するように、構成されている、請求項19に記載の可撓性留置型バイオセンサ挿入装置。
【請求項21】
前記可撓性留置型バイオセンサが、前記長尺の枠組みの前記末端と前記基端との間で前記長尺の枠組み及び前記バイオセンサを少なくとも部分的に被覆する可撓性チューブを更に含む、請求項19に記載の可撓性留置型バイオセンサ挿入装置。
【請求項22】
前記長尺の枠組みが、前記末端から前記基端に延びる長手方向軸を有する長尺のストリップであり、
前記長尺のストリップが、内部に形成された少なくとも1つの溝部を有し、前記少なくとも1つの溝部は前記長手方向軸に少なくとも部分的に平行に配置されており、
前記バイオセンサが、前記少なくとも1つの溝部内に少なくとも部分的に収容されている、請求項19に記載の可撓性留置型バイオセンサ挿入装置。
【請求項23】
前記挿入機構が、少なくとも前記尖頭部及び前記センサ要素を含む前記可撓性留置型バイオセンサの一部を皮膚の標的部位に皮下的に挿入するように構成されている、請求項19に記載の可撓性留置型バイオセンサ挿入装置。
【請求項24】
前記可撓性材料がニチノールである、請求項19に記載の可撓性留置型バイオセンサ挿入装置。
【請求項25】
前記挿入機構は、ガイドであって、前記可撓性留置型バイオセンサ挿入装置の使用時に前記可撓性留置型バイオセンサを前記ガイドに通して動かすように構成された、ガイドを含む、請求項19に記載の可撓性留置型バイオセンサ挿入装置。
【請求項26】
前記挿入機構が、少なくとも前記尖頭部及び前記センサ要素を含む前記可撓性留置型バイオセンサの一部を標的部位に湾曲させて挿入するように構成されている、請求項19に記載の可撓性留置型バイオセンサ挿入装置。
【請求項27】
前記センサ要素が、前記長尺の枠組みの前記本体部分の前記少なくとも1つの溝部内に配置される、請求項22に記載の可撓性留置型バイオセンサ挿入装置。
【請求項28】
標的部位に可撓性留置型バイオセンサを挿入するための方法であって、
標的部位に可撓性留置型バイオセンサ挿入装置を接着する工程であって、前記可撓性留置型バイオセンサ挿入装置が、
可撓性留置型バイオセンサであって、
可撓性材料で形成される長尺の枠組みであって、
本体部分と、
尖頭部と、
末端と、
基端と、
を有する、長尺の枠組みと、
前記長尺の枠組みに一体化されたバイオセンサであって、
前記長尺の枠組みの前記本体部分又は前記尖頭部のうち少なくとも一方の上に配置されたセンサ要素、
を含む、バイオセンサと、を有し、
前記尖頭部が前記長尺の枠組みの前記末端に配置され、前記尖頭部及び前記バイオセンサの少なくとも前記センサ要素が標的部位に挿入されるように構成されている、
可撓性留置型バイオセンサと、
前記可撓性留置型バイオセンサに動作可能に連結されるとともに前記可撓性留置型バイオセンサと一体化された挿入機構であって、少なくとも前記尖頭部及び前記センサ要素を含む前記可撓性留置型バイオセンサの一部を標的部位に挿入するように構成された、挿入機構と、を備える、
工程と、
前記挿入機構の動作によって前記可撓性留置型バイオセンサの少なくとも前記尖頭部及び前記センサ要素を前記標的部位に挿入する工程と、を含む、方法。
【請求項1】
可撓性材料から形成された長尺の枠組みであって、
本体部分と、
尖頭部と、
末端と、
基端と、
を有する、長尺の枠組みと、
前記長尺の枠組みに一体化されたバイオセンサであって、
前記長尺の枠組みの前記本体部分又は前記尖頭部のうち少なくとも一方の上に配置されたセンサ要素、
を含む、バイオセンサと、を備え、
前記尖頭部が前記長尺の枠組みの前記末端に配置され、
前記尖頭部及び前記バイオセンサの少なくとも前記センサ要素が標的部位に挿入されるように構成されている、可撓性留置型バイオセンサ。
【請求項2】
前記長尺の枠組みの前記末端と前記基端との間で前記長尺の枠組み及び前記バイオセンサを少なくとも部分的に被覆する可撓性チューブを更に含む、請求項1に記載の可撓性留置型バイオセンサ。
【請求項3】
前記長尺の枠組みが、前記末端から前記基端に延びる長手方向軸を有する長尺のストリップであり、
前記長尺のストリップが、内部に形成された少なくとも1つの溝部を有し、前記少なくとも1つの溝部は前記長手方向軸に少なくとも部分的に平行に配置されており、
前記バイオセンサが、前記少なくとも1つの溝部内に少なくとも部分的に収容されている、請求項1に記載の可撓性留置型バイオセンサ。
【請求項4】
前記長尺の枠組みの前記末端と前記基端との間で前記長尺の枠組み及び前記バイオセンサを少なくとも部分的に被覆する可撓性チューブを更に含む、請求項3に記載の可撓性留置型バイオセンサ。
【請求項5】
前記可撓性チューブが、前記溝部内で前記可撓性チューブと、前記バイオセンサと、前記長尺の枠組みとの間に液密シールを設けるように構成されている、請求項4に記載の可撓性留置型バイオセンサ。
【請求項6】
前記可撓性チューブは、前記可撓性チューブが前記長尺の枠組みを部分的に包囲するようにC字形の断面を有する、請求項4に記載の可撓性留置型バイオセンサ。
【請求項7】
前記バイオセンサが少なくとも1本の信号伝送線を含む、請求項1に記載の可撓性留置型バイオセンサ。
【請求項8】
前記少なくとも1本の信号伝送線が、
基端と、
前記信号伝送線の前記基端に配置された信号伝送コネクタと、を有する、請求項7に記載の可撓性留置型バイオセンサ。
【請求項9】
前記少なくとも1本の信号伝送線が2本の信号伝送線を含む、請求項7に記載の可撓性留置型バイオセンサ。
【請求項10】
前記少なくとも1本の信号伝送線が3本の信号伝送線を含む、請求項7に記載の可撓性留置型バイオセンサ。
【請求項11】
前記尖頭部が皮下に挿入されるように構成され、前記標的部位が皮膚の標的部位である、請求項1に記載の可撓性留置型バイオセンサ。
【請求項12】
前記可撓性材料が超弾性可撓性材料である、請求項1に記載の可撓性留置型バイオセンサ。
【請求項13】
前記可撓性材料がニチノールである、請求項1に記載の可撓性留置型バイオセンサ。
【請求項14】
前記センサ要素が、前記長尺の枠組みの前記尖頭部及び前記本体部分のうち少なくとも一方に配置される、請求項1に記載の可撓性留置型バイオセンサ。
【請求項15】
前記センサ要素が、前記長尺の枠組みの前記尖頭部及び前記本体部分のうち少なくとも一方の上に懸垂される、請求項1に記載の可撓性留置型バイオセンサ。
【請求項16】
前記センサ要素が、前記長尺の枠組みの前記溝部の内部かつ前記本体部分上に配置される、請求項3に記載の可撓性留置型バイオセンサ。
【請求項17】
前記センサ要素が、前記長尺の枠組みの前記溝部の内部に配置され、かつ前記本体部分上に懸垂される、請求項16に記載の可撓性留置型バイオセンサ。
【請求項18】
前記長尺の枠組みの前記本体部分が、前記本体部分を貫通する枠組み開口部を含み、前記センサ要素が前記枠組み開口部上に配置される、請求項1に記載の可撓性留置型バイオセンサ。
【請求項19】
可撓性留置型バイオセンサであって、
可撓性材料で形成される長尺の枠組みであって、
本体部分と、
尖頭部と、
末端と、
基端と、
を有する、長尺の枠組みと、
前記長尺の枠組みと一体化されたバイオセンサであって、
前記長尺の枠組みの前記本体部分又は前記尖頭部のうち少なくとも一方の上に配置されたセンサ要素、
を含む、バイオセンサと、
を含み、
前記尖頭部が前記長尺の枠組みの前記末端に配置され、
前記尖頭部及び前記バイオセンサの少なくとも前記センサ要素が標的部位に挿入されるように構成されている、
可撓性留置型バイオセンサと、
前記可撓性留置型バイオセンサに動作可能に連結されるとともに前記可撓性留置型バイオセンサと一体化された挿入機構であって、少なくとも前記尖頭部及び前記センサ要素を含む前記可撓性留置型バイオセンサの一部を標的部位に挿入するように構成された、挿入機構と、を備える、可撓性留置型バイオセンサ挿入装置。
【請求項20】
無線送信機モジュールを更に備え、前記無線送信機モジュールが、
前記可撓性留置型バイオセンサ挿入機構に対して使用者によって脱着可能に取り付けられるように、かつ、
前記センサ要素からの信号を受信し、受信した前記信号を無線で送信するように、構成されている、請求項19に記載の可撓性留置型バイオセンサ挿入装置。
【請求項21】
前記可撓性留置型バイオセンサが、前記長尺の枠組みの前記末端と前記基端との間で前記長尺の枠組み及び前記バイオセンサを少なくとも部分的に被覆する可撓性チューブを更に含む、請求項19に記載の可撓性留置型バイオセンサ挿入装置。
【請求項22】
前記長尺の枠組みが、前記末端から前記基端に延びる長手方向軸を有する長尺のストリップであり、
前記長尺のストリップが、内部に形成された少なくとも1つの溝部を有し、前記少なくとも1つの溝部は前記長手方向軸に少なくとも部分的に平行に配置されており、
前記バイオセンサが、前記少なくとも1つの溝部内に少なくとも部分的に収容されている、請求項19に記載の可撓性留置型バイオセンサ挿入装置。
【請求項23】
前記挿入機構が、少なくとも前記尖頭部及び前記センサ要素を含む前記可撓性留置型バイオセンサの一部を皮膚の標的部位に皮下的に挿入するように構成されている、請求項19に記載の可撓性留置型バイオセンサ挿入装置。
【請求項24】
前記可撓性材料がニチノールである、請求項19に記載の可撓性留置型バイオセンサ挿入装置。
【請求項25】
前記挿入機構は、ガイドであって、前記可撓性留置型バイオセンサ挿入装置の使用時に前記可撓性留置型バイオセンサを前記ガイドに通して動かすように構成された、ガイドを含む、請求項19に記載の可撓性留置型バイオセンサ挿入装置。
【請求項26】
前記挿入機構が、少なくとも前記尖頭部及び前記センサ要素を含む前記可撓性留置型バイオセンサの一部を標的部位に湾曲させて挿入するように構成されている、請求項19に記載の可撓性留置型バイオセンサ挿入装置。
【請求項27】
前記センサ要素が、前記長尺の枠組みの前記本体部分の前記少なくとも1つの溝部内に配置される、請求項22に記載の可撓性留置型バイオセンサ挿入装置。
【請求項28】
標的部位に可撓性留置型バイオセンサを挿入するための方法であって、
標的部位に可撓性留置型バイオセンサ挿入装置を接着する工程であって、前記可撓性留置型バイオセンサ挿入装置が、
可撓性留置型バイオセンサであって、
可撓性材料で形成される長尺の枠組みであって、
本体部分と、
尖頭部と、
末端と、
基端と、
を有する、長尺の枠組みと、
前記長尺の枠組みに一体化されたバイオセンサであって、
前記長尺の枠組みの前記本体部分又は前記尖頭部のうち少なくとも一方の上に配置されたセンサ要素、
を含む、バイオセンサと、を有し、
前記尖頭部が前記長尺の枠組みの前記末端に配置され、前記尖頭部及び前記バイオセンサの少なくとも前記センサ要素が標的部位に挿入されるように構成されている、
可撓性留置型バイオセンサと、
前記可撓性留置型バイオセンサに動作可能に連結されるとともに前記可撓性留置型バイオセンサと一体化された挿入機構であって、少なくとも前記尖頭部及び前記センサ要素を含む前記可撓性留置型バイオセンサの一部を標的部位に挿入するように構成された、挿入機構と、を備える、
工程と、
前記挿入機構の動作によって前記可撓性留置型バイオセンサの少なくとも前記尖頭部及び前記センサ要素を前記標的部位に挿入する工程と、を含む、方法。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図1E】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図1E】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2010−179100(P2010−179100A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−22930(P2010−22930)
【出願日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【出願人】(596159500)ライフスキャン・インコーポレイテッド (100)
【氏名又は名称原語表記】Lifescan,Inc.
【住所又は居所原語表記】1000 Gibraltar Drive,Milpitas,California 95035,United States of America
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−22930(P2010−22930)
【出願日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【出願人】(596159500)ライフスキャン・インコーポレイテッド (100)
【氏名又は名称原語表記】Lifescan,Inc.
【住所又は居所原語表記】1000 Gibraltar Drive,Milpitas,California 95035,United States of America
【Fターム(参考)】
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