説明

可溶性クロム低含有のコランダム結晶構造顔料

特定添加剤の使用により、特定顔料の製造もしくは加工の際に放出され得る可溶性クロム(VI)イオンが低減される。前記添加剤には、メタリン酸アルミニウム、フッ化アルミニウム、酸化タングステン、タングステン酸、及びリン酸モノアンモニウムが挙げられる。前記顔料は、クロムを含有し、且つ、コランダム結晶構造を有する顔料である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願開示の実施形態は、顔料中、特に、コランダム結晶構造を有するクロム含有顔料中の可溶性クロムを低減する分野に関する。
【背景技術】
【0002】
クロムは、多種多様な顔料において、発色団として機能する遷移金属である。残念ながら、これらクロム含有顔料の多くにおいて、クロムの全てが結晶と完全に結合しているわけではない。そのような顔料が水溶液中に添加されると、可溶性クロムが(通常は、Cr6+として)放出される。六価クロムは、深刻な健康被害を与えるものとして知られており、また、環境面でも好ましいものでない。六価クロムに対する政府規制は、一貫して厳しくなってきている。可溶性クロムを高含有することが知られている顔料は、製造所にて洗浄することができ、可溶性クロムの含有量が比較的低い顔料が生産される。しかし、クロムを含有する洗浄水は、その後、処理されなければならない。これには費用がかかるが、それでも、六価クロムが環境中に放出されることへの対応としては望ましいものである。
【0003】
よりよい解決法として、結果として得られる顔料中のクロムが環境放出されないよう、顔料処方を変更する方法がある。その例が、Stewart等による米国特許番号7,014,701(参照により本願に組み込まれる)に記載されている。この特許では、Co(CrAl)スピネル顔料(C.I.ブルー36)が、非常に高いクロム放出を起こし得ることが指摘されており、オルトリン酸アルミニウム[AlPO]、メタリン酸アルミニウム[Al(PO]、もしくは無水リン酸アンモニウム[NHPO]などのリン酸塩相の添加により、可溶性クロムが低減されることがわかっている。この特許の実施例5及び7において、1%メタリン酸アルミニウムの添加により、可溶性クロムが、336ppmから81ppmに低減されている(英国玩具検査法(British Toy method)での測定による)。多くの点で満足できるものであるが、クロム含有顔料から放出され得る可溶性クロムを低減させることについて、さらなる進展が求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
顔料から可溶性クロムを低減させる本方法により、従来方法に付随する問題や欠点が解消される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第一の態様において、本発明は、コランダム結晶構造を有するクロム含有顔料から、可溶性クロム量を低減する方法を提供する。前記方法は、コランダム結晶構造を有するクロム含有顔料に、有効量の添加剤を添加する段階を含む。前記添加剤は、メタリン酸アルミニウム、フッ化アルミニウム、酸化タングステン、タングステン酸、及びリン酸モノアンモニウムからなる群から選択される。前記方法は、前記添加剤及び顔料を、約750℃〜約1300℃の範囲の温度まで加熱する段階も含む。
【0006】
別の態様において、本発明は、コランダム結晶構造を有するクロム含有顔料から、可溶性クロム量を低減する方法を提供する。前記方法は、コランダム結晶構造を有するクロム含有顔料に、有効量の添加剤を添加する段階を含み、前記添加剤は、メタリン酸アルミニウム、フッ化アルミニウム、酸化タングステン、タングステン酸、及びリン酸モノアンモニウムからなる群から選択される。前記方法は、前記添加剤及び顔料を、約750℃〜約1300℃の範囲の温度まで加熱する段階も含む。また、前記方法は、前記顔料をサイズ縮小処理に付す段階も含む。
【0007】
別の態様において、本発明は、コランダム結晶構造を有するクロム含有顔料から、可溶性クロム量を低減する方法を提供する。前記方法は、コランダム結晶構造を有するクロム含有顔料に、有効量の添加剤を添加する段階を含む。前記添加剤は、メタリン酸アルミニウム、フッ化アルミニウム、酸化タングステン、タングステン酸、及びリン酸モノアンモニウムからなる群から選択される。前記方法は、前記添加剤と前記顔料とを混合する段階も含む。前記方法は、さらに、前記添加剤及び顔料を、約750℃〜約1300℃の範囲の温度まで加熱する段階も含む。前記方法は、さらに、前記顔料をサイズ縮小処理に付す段階も含む。
【0008】
本発明から逸脱することなく、本発明は、その他及び異なる実施形態が可能であり、いくつかの詳細事項においては、様々な点において変更可能であることが理解されるであろう。すなわち、本記載事項は、限定的ではなく、例示的なものとして解される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、コランダム結晶構造の略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、特定の添加剤及び/又は鉱化剤を用いて、コランダム結晶構造を有する顔料中の可溶性クロムを低減する方法を提供する。「クロムグリーン(chrome green)」という用語は、顔料用途で使用される酸化クロムを含有する顔料をいうのに用いることもある。本発明の教示は、コランダム結晶構造を示すクロムグリーン顔料に適用可能である。実質的には、クロムを含有し、且つコランダム結晶構造を有する任意の無機顔料であって、放出され得る可溶性クロム量が著しく低減された顔料を、本発明に従って形成することができる。本願において、「クロム含有顔料」という用語は、クロムイオンを含む任意の顔料をいうのに用いられる。
【0011】
好適な実施形態を説明する前に、コランダム結晶構造が意味するものについて検討することは有益である。コランダム格子は、Mという一般的な化学量論性を有する化合物に限定される。これら化合物は、三二酸化物とも呼ばれる。その陽イオン価数は、常に3+である。この格子の基本的特徴は、hcp構造(六方最密充填構造)を形成する大きなO2−イオンである。hcp構造は、交互層の原子が互いに上下に重なるように充填された原子の層を利用しているものである。図1は、横軸に沿って見たコランダム格子の一底面を示したものである。重ね合わせた六角形により、そのよく知られたパターンが強調されている。この面におけるM3+イオンの配置には、2つの見方がある。まず、陽イオンは、最密充填O2−面における間隙の3分の2を占めている。また、陽イオンは、黒鉛構造の六角形の底面を形成している。
【0012】
図1に描かれた六角形は、コランダム構造の2次元単位格子とされる。前記六角形はそれぞれ、その境界内に、2個のM3+陽イオンを完全に含んでいる。六角形の外周を形成する6つの陰イオンは、それぞれ、3つの前記単位格子間で共有されており、よって各六角形には、2個の外周O2−が割り当てられている。この平面的な単位格子には、中心の陰イオンとあわせると、3個の酸素イオンが含まれることになる。ゆえに、この結晶の化学量論は、要求に応じMである。
【0013】
完全な三次元単位格子のコランダムは、hcp格子の積層順序で配置された、6つの最密充填O2−面を有している。これらの面はそれぞれ、陽イオン対の配置で異なっており、その対は、陰イオン六角形における、6つの可能な隣接した格子間位置を連続して占めている。
【0014】
Alのほか、鋼鉄の腐食生成物、例えばCr、及びFeなども、コランダム格子構造を示す。純粋な状態では、UO中に含まれるウラン核分裂の希土類生成物(La、Nd等)も、この結晶構造を形成する。コランダム結晶構造を有するその他の代表的な化合物としては、Rhがある。この構造型を有する全化合物の中で、鉱物コランダム(α−Al)は、おそらく最も重要なものである。α−Alは、その硬度を利用するために用いられるだけでなく、サファイヤ(青色は、不純物Fe及びTiの存在による)や、ルビー(赤色は、不純物Crの存在による)のホスト構造でもある。
【0015】
当該分野において、ヘマタイト顔料とコランダム結晶構造とを同一のものとすることがある。本願の「ヘマタイト顔料」という用語は、Feなどの酸化鉄(III)を含む顔料をいう。グリーン17として知られる顔料群などのある種のヘマタイト顔料は、酸化鉄(III)を含むことも知られている。したがって、当該分野で使用されているヘマタイトという用語は、通常、コランダムという用語に置き換えることができるが、本願のヘマタイトという用語は、コランダム結晶構造を有する酸化鉄(III)を含む顔料の一種を意味するものと解される。
【0016】
当該分野において、エスコライトという鉱物名の酸化クロム(III)(クロムグリーン顔料)もまた、コランダム結晶構造と同一のものとすることがある。エスコライトは、コランダム及びヘマタイトのクロム類似物であり、本発明の教示は、このようなエスコライト顔料に適用可能である。
【0017】
顔料製造中に用いた場合、結果として得られる顔料中の可溶性クロムのレベルを著しく低減できる、様々な添加剤もしくは鉱化剤が、本発明により見出された。「鉱化剤」という用語は、当業者に理解される通り、所望生成物の一部となることなく反応を促進させる剤をいう。様々な顔料群、特に、クロムグリーン−ブラックヘマタイト(C.I.顔料グリーン17)、及び鉄ブラウンヘマタイト(レッド101及びレッド102)などのコランダム結晶構造を有するものにおいて、高レベルの浸出可能なクロムが確認されている。各顔料群は、種々の添加剤に対してそれぞれ異なる反応を示すが、一般的には、以下のものが、可溶性クロム低減に効果的であるとわかった:メタリン酸アルミニウム[Al(PO]、フッ化アルミニウム[Al・3HO]、酸化タングステン[WO]、タングステン酸[HWO]、及びリン酸モノアンモニウム(MAP)[NHPO]。
【0018】
好適な添加剤の1種を、1種以上の顔料に添加し、該顔料から放出され得る可溶性クロムを低減させる段階の他にも、本発明には、前記の好適な添加剤の2種以上を、1種以上の顔料に添加する段階も包含される。さらに、ホウ酸[HBO]や酸化モリブデン[MoO]などのコランダム顔料にこれまで含まれていたその他の添加剤を、前記の好適な添加剤とともに添加してもよい。
【0019】
本発明には、クロムイオンもしくはクロムイオン量の一部がコランダム結晶構造と一体でないクロムを含有する顔料への用途も包含される。つまり、本発明に従って、コランダム結晶構造を有する物質を含有し、且つ可溶性クロムを含む顔料を処理することで、結果として得られる顔料中の可溶性クロムを除く、もしくは少なくとも著しく低減させることができると考えられる。当業者に理解される通り、クロムイオンは、純粋なCrのようなコランダム構造中に存在し得るし、あるいはドーパントとしてコランダム構造中に存在し得る。本発明には、格子構造中の成分としての、もしくはドーパントとしてのクロムイオンを含むコランダム構造を有する任意の顔料が包含される。さらに、本用途には、コランダム結晶構造を有する物質と、コランダム構造以外の結晶構造を有する補助材料とを含むその他のクロム含有顔料における有用性もあると考えられる。
【0020】
前述の通り、相当量のクロム(VI)を環境中に放出する可能性のあるクロム含有顔料が、数多く存在する。好適な態様において、これら顔料に添加される前記添加剤の量は、顔料重量に対し、約0.1重量%〜約5重量%、もっとも好適には約0.2重量%〜約2重量%である。しかし、本発明には、より多いもしくはより少ない量の使用も包含される。
【0021】
本発明にかかる好適な実施形態の工程に従って、クロム(VI)を放出する可能性のある1種以上の顔料を、有効量の本願記載の好適な添加剤もしくは鉱化剤と混合する。前記顔料を、1種以上の前記好適な添加剤と混合、もしくは分散する。好適には、前記顔料を、前記の1種以上の好適な添加剤と乾燥混合する。その後、混合物を、約750℃〜約1300℃、好適には約800℃〜約1100℃の温度にて空気焼成する。焼成時間は、約0.1〜約24時間、好適には約2〜約12時間の範囲としてよいが、本発明には、前記時間より短いもしくはより長い時間も包含される。焼成後、任意で、前記顔料に、1回以上のサイジング処理を行ってもよい。前記サイジング処理の例としては、粉砕、具体的には空気粉砕が挙げられる。空気粉砕とは、粉砕工程において、加圧ガスを用いて粒子を加速させる全ての粉砕技術をいう。用途もしくは所望する最終使用形態によるが、焼成後顔料の代表的な平均粒径は、約0.5μm〜約2.5μm、好適には約0.7μm〜約1.5μmの範囲である。
【0022】
いかなる特定の理論にも縛られることを望むものではないが、ある好適な実施形態の添加剤は、対象の顔料と混合もしくは分散して加熱された後、顔料粒子間に液相をもたらすと考えられる。前記液相により、反応用媒体が得られる。前記反応において液相が存在することにより、前記顔料への、もしくは前記顔料からのイオン移動を伴う反応が、特に固体状での工程に比べ、促進されると思われる。クロムイオンの安定状態は、Cr3+もしくはCr6+である。化学的条件及び処理条件が、Cr3+及びCr6+間のバランスに影響を与える。本願記載の好適な実施形態の添加剤により、前記バランスをCr3+側へと確実に傾けさせる。前記鉱化剤は、焼成に先立って、その他の原料成分とよく混合することが望ましい。微粒子サイズについて述べると、前記鉱化剤が液相もしくは気相輸送機構に作用している場合には、粒子サイズは重要でないが、前記輸送機構が固体状である場合は、微粒子サイズであることが望ましい。
【実施例1】
【0023】
本発明の好適な実施形態の態様をさらに説明するため、下記実施例を示す。実施例では、HoribaモデルLA910粒度分布測定装置を用いて粒径を測定し、また、試料は、超音波を用いて水中に分散させて粒子の分散を促進させた。
実施例1。グリーン17群に属する以下の組成の緑色顔料を評価した:92.5重量%のCr、6.0重量%のAl(OH)、1.0重量%のFe、0.5重量%のTiO。この組成物に、以下の鉱化剤の1種を添加した:1.0重量%のAl(PO、1.0重量%のAl・3HO、もしくは0.5重量%のWO。この未加工成分をOster混合機で2分間混合した。前記原料をコーディエライト製るつぼに入れ、1100℃にて空気焼成した。得られた緑色顔料の粒径を、空気粉砕により、平均粒径おおよそ1.5μmまで小さくした。その後、TCLP法により、前記顔料の可溶性クロムを測定した。可溶性クロムの結果を表1に示す。TCLP法(毒性指標浸出法)は、液体、固体、及び多相廃棄物中に存在する有機被分析物及び無機被分析物両方の溶出性を測定するためのものである。前記方法は、通常、廃棄物が、米国環境保護庁による毒性の定義、つまり、RCRA,40CFR Part261の危険廃棄物規約(参照により本願に組み込まれる)を満たしているか否かを判断するために使用されている。
【実施例2】
【0024】
実施例2。グリーン17群に属する以下の組成の褐色顔料を評価した:21.4重量%のCr、78.2重量%のFeOOH、及び0.4重量%のMnCO。この組成物を、混合して細かく砕いた。以下の鉱化剤の1種を、それぞれ同一量の前記組成物に添加した:0.5重量%のAl(PO、0.5重量%のAl・3HO、もしくは0.5重量%のWO。その後、未加工成分と前記添加剤との新しい混合物を、Oster混合機で2分間混合した。前記原料をコーディエライト製るつぼに入れ、804℃にて空気焼成した。得られた褐色顔料の粒径を、空気粉砕により、0.7μm未満にまで小さくした。その後、TCLP法により、前記顔料の可溶性クロムを測定した。可溶性クロムの結果を表1に示す。
【実施例3】
【0025】
実施例3。グリーン17群に属する以下の組成の黒色顔料を評価した:47重量%のCr、53重量%のFeOOH。この組成物に、以下の鉱化剤の1種を添加した:1重量%のAl(PO、1重量%のAl・3HO、1重量%のWO、もしくは1重量%のHWO。未加工成分を、Oster混合機で2分間混合した。前記原料をコーディエライト製るつぼに入れ、927℃にて空気焼成した。得られた黒色顔料の粒径を、空気粉砕により、平均粒径約0.7μmまで小さくした。その後、TCLP法により、前記顔料の可溶性クロムを測定した。可溶性クロムの結果を表1に示す。
【実施例4】
【0026】
実施例4。顔料の酸化クロムグリーンの試料を1093℃で焼成した。この組成物に、以下の鉱化剤の1種を添加した:1.2重量%のAl(PO、もしくは2重量%のMAP。
【0027】
【表1】

【0028】
表1より、実施例1〜4記載の顔料からの可溶性クロム放出が著しく低減されたことが明らかである。多くの例において、前記添加剤の使用により、可溶性クロムが1/10に低減された。
【0029】
前述の通り、可溶性クロムを低減する従来の方法は、顔料の洗浄である。一般的には、顔料を、セラミック媒体及び水とともに粉砕機に投入する。粉砕機は、顔料を所望の粒径に砕くために用いることができるが、所望する粒径が乾式法によりすでに得られている場合には、短い滞留時間(約30分間)を採用してもよい。顔料スラリーを粉砕機から取り出し、過剰の水(通常、顔料重量の約10倍)で濾過し、可溶性クロムを洗い流す。その後、顔料を乾燥させ、ハンマーミルで分散させる。次に、洗浄水を化学処理し、水溶性クロムを析出させる。この湿式処理は、本発明の好適な実施形態の乾式処理に比べ、非常に費用がかかるものである。また、相対的に、本発明の好適な実施形態の工程を採用することにより、望ましい環境対策及び安全対策をとりながら、かなりの費用削減が可能となる。
【0030】
ある例において、本発明の好適な実施形態の添加剤により、優れた色を得ることもできる。本発明の好適な実施形態の添加剤により、安定性を改善することもできる。
【0031】
本技術の将来的な応用及び発展により、多くのその他利点が得られることは紛れもなく明らかであろう。
【0032】
上述の通り、本発明は、従来の技術に伴う多くの問題を解決するものである。しかし、当然のことながら、本発明の特徴を説明するために本願に記載及び例示された、詳細、物質、及び部材の配置における様々な変更が、添付された請求項に示された本発明の原則及び範囲から逸脱することなく、当業者によってなされる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コランダム結晶構造を有するクロム含有顔料から、可溶性クロム量を低減する方法であり、該方法は、
コランダム結晶構造を有するクロム含有顔料に、メタリン酸アルミニウム、フッ化アルミニウム、酸化タングステン、タングステン酸、及びリン酸モノアンモニウムからなる群から選択される有効量の添加剤を添加する段階と、
前記添加剤及び顔料を、750℃〜1300℃の範囲の温度まで加熱する段階と、を含むことを特徴とする。
【請求項2】
請求項1の方法であり、さらに、加熱段階後、前記顔料をサイズ縮小処理に付す段階を含むことを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項2の方法であり、前記サイズ縮小処理が粉砕によって行われることを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項2の方法であり、前記顔料にホウ酸も添加し、且つ、前記顔料のサイズ縮小処理後の該顔料の平均粒径が、0.5μm〜2.5μmであることを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項4の方法であり、前記平均粒径が、0.7μm〜1.5μmであることを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項1の方法であり、前記加熱段階が、800℃〜1100℃の温度で行われることを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項1の方法であり、さらに、前記添加剤及び顔料を加熱する段階に先立ち、該添加剤及び顔料を混合する段階を含むことを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項1の方法であり、前記顔料に添加される有効量の前記添加剤が、該顔料重量に対し、0.1重量%〜5重量%であることを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項1の方法であり、コランダム結晶構造を有する前記顔料が、(i)クロムグリーン−ブラックへマタイト、(ii)鉄ブラウンヘマタイト、及び(iii)それらの組み合わせから選択されることを特徴とする方法。
【請求項10】
低レベルの可溶性クロムを含有する請求項1のコランダム結晶構造顔料。
【請求項11】
請求項10の顔料であり、前記可溶性クロムが、クロム(VI)であることを特徴とする顔料。
【請求項12】
コランダム結晶構造を有するクロム含有顔料から、可溶性クロム量を低減する方法であり、該方法は、
コランダム結晶構造を有するクロム含有顔料に、メタリン酸アルミニウム、フッ化アルミニウム、酸化タングステン、タングステン酸、及びリン酸モノアンモニウムからなる群から選択される有効量の添加剤を添加する段階と、
前記添加剤及び顔料を、750℃〜1300℃の範囲の温度まで加熱する段階と、
前記顔料をサイズ縮小処理に付す段階と、を含むことを特徴とする。
【請求項13】
請求項12の方法であり、前記サイズ縮小処理が粉砕によって行われることを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項12の方法であり、前記顔料のサイズ縮小処理後の顔料の平均粒径が、0.5μm〜2.5μmであることを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項14の方法であり、前記平均粒径が、0.7μm〜1.5μmであることを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項12の方法であり、前記加熱段階が、800℃〜1100℃の温度で行われることを特徴とする方法。
【請求項17】
請求項12の方法であり、前記顔料に添加される有効量の前記添加剤が、該顔料重量に対し、0.1重量%〜5重量%であることを特徴とする方法。
【請求項18】
低レベルの可溶性クロムを含有する請求項12のコランダム結晶構造顔料。
【請求項19】
コランダム結晶構造を有するクロム含有顔料から、可溶性クロム量を低減する方法であり、該方法は、
コランダム結晶構造を有するクロム含有顔料に、メタリン酸アルミニウム、フッ化アルミニウム、酸化タングステン、タングステン酸、及びリン酸モノアンモニウムからなる群から選択される有効量の添加剤を添加する段階と、
前記添加剤と前記顔料とを混合する段階と、
前記添加剤及び顔料を、750℃〜1300℃の範囲の温度まで加熱する段階と、
前記顔料をサイズ縮小処理に付す段階と、を含むことを特徴とする。
【請求項20】
低レベルの可溶性クロムを含有する請求項19のコランダム結晶構造顔料。

【図1】
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【公表番号】特表2012−503041(P2012−503041A)
【公表日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−526906(P2011−526906)
【出願日】平成21年8月28日(2009.8.28)
【国際出願番号】PCT/US2009/055283
【国際公開番号】WO2010/030518
【国際公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【出願人】(503468695)フエロ コーポレーション (26)
【Fターム(参考)】