説明

可溶性CEAに対する抵抗性を有する医薬組成物

【課題】ヒトにおける上皮性腫瘍の治療のための医薬組成物の提供。
【解決手段】ヒトCD3と特異的に結合する第1の結合ドメイン、およびヒトCEAと特異的に結合する第2の結合ドメインを有する二重特異性一本鎖抗体を含み、前記第2の結合ドメインが少なくともアミノ酸配列「DX1234FYFDY」を含み、「X1」、「X2」、「X3」または「X4」は任意のアミノ酸残基を表し、アミノ酸残基「D」はマウスモノクローナル抗体A5B7のCDR−H3のKabat位置95に相当し、アミノ酸残基「FYFDY」は、マウスモノクローナル抗体A5B7のCDR−H3のKabatの位置100、100a、100b、101、および102にそれぞれ相当する医薬組成物。


Notice: Undefined index: DEJ in /mnt/www/gzt_disp.php on line 298

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒトにおける上皮性腫瘍の治療のための医薬組成物であって、前記医薬組成物が、
(a)ヒトCD3と特異的に結合する第1の結合ドメイン、および
(b)ヒトCEAと特異的に結合する第2の結合ドメインを有する二重特異性一本鎖抗体
を含み、
前記第2の結合ドメインが少なくともアミノ酸配列「DX1234FYFDY」(配
列番号65)を含み、「X1」、「X2」、「X3」または「X4」は任意のアミノ酸残基を
表し、アミノ酸残基「D」はマウスモノクローナル抗体A5B7のCDR−H3のKab
at位置95に相当し、アミノ酸残基「FYFDY」は、マウスモノクローナル抗体A5
B7のCDR−H3のKabatの位置100、100a、100b、101、および102
にそれぞれ相当する、医薬組成物。
【請求項2】
「X1」が、「R」(アルギニン)、「F」(フェニルアラニン)、「M」(メチオニ
ン)、「E」(グルタミン酸)、または「T」(トレオニン)を表し;
「X2」が、「G」(グリシン)、「Y」(チロシン)、「A」(アラニン)、「D」
(アスパラギン酸)、または「S」(セリン)を表し;
「X3」が、「L」(ロイシン)、「F」(フェニルアラニン)、「M」(メチオニン
)、「E」(グルタミン酸)、または「T」(トレオニン)を表し;かつ
「X4」が、「R」(アルギニン)、「Y」(チロシン)、「A」(アラニン)、「D
」(アスパラギン酸)、または「S」(セリン)を表す、
請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
ヒトCEAに特異的な前記第2の結合ドメインが、マウスモノクローナル抗体A5B7
のCDR−H3のKabatの位置95〜102に相当するアミノ酸配列「DRGLRFYF
DY」(配列番号66)を少なくとも含む、請求項1または2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
CD3に特異的な前記第1の結合ドメインがC末端に位置している、請求項1から3の
いずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項5】
前記結合ドメインが、VHCEA−VLCEA−VHCD3−VLCD3またはVLCEA−VHCEA
VHCD3−VLCD3の順序で配置されている、請求項1から4のいずれかに記載の医薬組成
物。
【請求項6】
ヒトCEAに特異的な前記第2の結合ドメインが、アミノ酸配列「SYWMH」(配列
番号68)を有するCDR−H1および/またはアミノ酸配列「FIRNKANGGTT
EYAASVKG」(配列番号67)もしくは「FILNKANGGTTEYAASVK
G」(配列番号145)を有するCDR−H2を含む、請求項1から5のいずれかに記載
の医薬組成物。
【請求項7】
ヒトCEAに特異的な前記第2の結合ドメインが、アミノ酸配列「TYAMH」(配列
番号70)を有するCDR−H1および/またはアミノ酸配列「LISNDGSNKYY
ADSVKG」(配列番号69)を有するCDR−H2を含む、請求項1から5のいずれ
かに記載の医薬組成物。
【請求項8】
ヒトCEAに特異的な前記第2の結合ドメインが、アミノ酸配列「TLRRGINVG
AYSIY」(配列番号73)を有するCDR−L1および/またはアミノ酸配列「YK
SDSDKQQGS」(配列番号72)を有するCDR−L2および/またはアミノ酸配
列「MIWHSGASAV」(配列番号71)を有するCDR−L3を含む、請求項1か
ら7のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項9】
ヒトCEAに特異的な第2の結合ドメインのVH領域のアミノ酸配列が、配列番号60
または146である、請求項6に記載の医薬組成物。
【請求項10】
ヒトCEAに特異的な第2の結合ドメインのVH領域のアミノ酸配列が配列番号58ま
たは配列番号62である、請求項7に記載の医薬組成物。
【請求項11】
ヒトCEAに特異的な第2の結合ドメインのVL領域のアミノ酸配列が、配列番号64
である、請求項8に記載の医薬組成物。
【請求項12】
CEAに特異的な第2の結合ドメインのV領域が、以下、
(a)配列番号60に示されるアミノ酸配列からなるVH領域および配列番号64に示さ
れるアミノ酸配列からなるVL領域;
(b)配列番号146に示されるアミノ酸配列からなるVH領域および配列番号64に示
されるアミノ酸配列からなるVL領域;
(c)配列番号58に示されるアミノ酸配列からなるVH領域および配列番号64に示さ
れるアミノ酸配列からなるVL領域;
(d)配列番号62に示されるアミノ酸配列からなるVH領域および配列番号64に示さ
れるアミノ酸配列からなるVL領域;ならびに
(e)配列番号56に示されるアミノ酸配列からなるVH領域および配列番号64に示さ
れるアミノ酸配列からなるVL領域
からなる群より選択される、請求項1から11のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項13】
前記二重特異性一本鎖抗体が、
(a)配列番号6、8、16、18、24、26、32、34、40、42、126、1
30、134または143のいずれか1つに表されるアミノ酸配列;
(b)配列番号5、7、15、17、23、25、31、33、39、41、125、1
29、133または142に示される核酸配列によりコードされるアミノ酸配列;
(c)ストリンジェントな条件下で(b)の相補的な核酸配列とハイブリダイズする核酸
配列によりコードされるアミノ酸配列;
(d)(b)の核酸配列に対する遺伝暗号の結果として縮重した核酸配列によりコードさ
れるアミノ酸配列;および
(e)(a)または(b)のアミノ酸配列と少なくとも85%同一、より好ましくは少な
くとも90%同一、最も好ましくは少なくとも95%同一であるアミノ酸配列
からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む、請求項1から12のいずれか一項に記載
の医薬組成物。
【請求項14】
前記上皮性腫瘍が、胃腸腺癌、乳腺癌または肺腺癌である、請求項1〜13のいずれか
に記載の医薬組成物。
【請求項15】
前記胃腸腺癌が結腸直腸腺癌、膵臓腺癌、食道腺癌または胃腺癌である、請求項14に
記載の医薬組成物。
【請求項16】
前記医薬組成物が進行性腫瘍、後期腫瘍、腫瘍量の多い腫瘍患者、転移性腫瘍、または
CEA血清中濃度が100ng/mlより高い腫瘍患者の治療のためのものである、請求
項1から15のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項17】
前記第1または第2の結合ドメインの少なくとも1つが、キメラ、ヒト化、CDR移植
、および/または脱免疫化またはヒトである、請求項1〜16のいずれかに記載の医薬組
成物。
【請求項18】
請求項1から17のいずれかに記載の二重特異性一本鎖抗体をコードする核酸配列を含
む、医薬組成物。
【請求項19】
請求項18に記載の核酸配列を含むベクターを含む、医薬組成物。
【請求項20】
前記ベクターが、請求項18に記載の前記核酸配列と作動可能なように連結されている
調節配列をさらに含む、請求項19に記載の医薬組成物。
【請求項21】
前記ベクターが発現ベクターである、請求項19または20に記載の医薬組成物。
【請求項22】
請求項18に記載の核酸または請求項19から21のいずれかに記載のベクターで形質
転換またはトランスフェクトされた宿主を含む、医薬組成物。
【請求項23】
免疫エフェクター細胞の活性化シグナルを提供することのできるタンパク質性化合物を
さらに含む、請求項1から22のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項24】
請求項1から23のいずれかに記載の医薬組成物の製造のためのプロセスであって、前
記プロセスが、請求項22に記載の宿主を請求項1から17のいずれかに記載の二重特異
性一本鎖抗体の発現を可能にする条件下で培養する段階と、産生された二重特異性一本鎖
抗体を培養物から回収する段階とを含む、プロセス。
【請求項25】
担体、安定剤および/または賦形剤の適した製剤をさらに含む、請求項1から24のい
ずれかに記載の医薬組成物。
【請求項26】
請求項1から17のいずれかに記載の二重特異性一本鎖抗体、請求項18に記載の核酸
分子、請求項19から21のいずれかに記載のベクター、または請求項22に記載の宿主
の、ヒトにおける上皮腫瘍の予防、治療または寛解のための医薬組成物の調製のための使
用。
【請求項27】
前記上皮腫瘍が、胃腸腺癌、乳腺腺癌または肺腺癌である、請求項26に記載の使用。
【請求項28】
前記胃腸腺癌が、結腸直腸腺癌、膵臓腺癌、食道腺癌または胃腺癌である、請求項27
に記載の使用。
【請求項29】
医薬組成物が、進行性腫瘍、後期腫瘍、高腫瘍量の腫瘍患者、転移性腫瘍、またはCE
A血清濃度が100ng/mlよりも高い腫瘍患者の治療のための、請求項1から28の
いずれかに記載の使用。
【請求項30】
前記医薬組成物が、さらなる薬剤と組み合わせて投与されることに適している、請求項
1から29のいずれかに記載の使用。
【請求項31】
上皮性腫瘍の予防、治療または寛解を必要とする被験体における、上皮性腫瘍の予防、
治療または寛解のための方法であって、前記方法が、請求項1から17のいずれか一項に
記載の医薬組成物または請求項24に記載のプロセスに従って製造された医薬組成物の有
効量を十分な時間をかけて投与する段階を含む、方法。
【請求項32】
前記上皮性腫瘍が、胃腸腺癌、乳腺癌または肺腺癌である、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記胃腸腺癌が、結腸直腸腺癌、膵臓腺癌、食道腺癌または胃腺癌である、請求項32
に記載の方法。
【請求項34】
医薬組成物が、進行性腫瘍、後期腫瘍、高腫瘍量の腫瘍患者、転移性腫瘍、またはCE
A血清濃度が100ng/mlよりも高い腫瘍患者の治療のためのものである、請求項3
1から33のいずれかに記載の方法。
【請求項35】
前記医薬組成物が、さらなる薬剤と組み合わせて投与される、請求項31から34のい
ずれかに記載の方法。
【請求項36】
前記薬剤が、非タンパク質性化合物またはタンパク質性化合物である、請求項35に記
載の方法。
【請求項37】
免疫エフェクター細胞の活性化シグナルを提供することのできるタンパク質性化合物の
投与を含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記タンパク質性化合物または非タンパク質性化合物が、請求項1から17のいずれか
に記載の二重特異性一本鎖抗体、請求項18に記載の核酸分子、請求項19から21のい
ずれかに記載のベクター、または請求項22に記載の宿主と同時または非同時に投与され
る、請求項36または37に記載の方法。
【請求項39】
前記被験体がヒトである、請求項31から38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
請求項1から17のいずれかに記載の二重特異性一本鎖抗体、請求項18に記載の核酸
分子、請求項19から21のいずれかに記載のベクター、または請求項22に記載の宿主
を含む、キット。
【請求項41】
前記CEA血清中濃度がELISAにより測定される、請求項16に記載の医薬組成物
、請求項29に記載の使用、または請求項34に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate


【公開番号】特開2013−56885(P2013−56885A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−221161(P2012−221161)
【出願日】平成24年10月3日(2012.10.3)
【分割の表示】特願2008−546272(P2008−546272)の分割
【原出願日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【出願人】(502343861)マイクロメット アーゲー (6)
【Fターム(参考)】