説明

可燃性有機物質のガス化

本発明は、発熱量が少なくとも1MJ/Nm3の可燃性ガスを製造するための方法であって、スチーム又は酸素又はCO2を含む酸化ガスと、タンク内に入っている溶融ケイ酸塩浴と接触している有機物質とを反応させることと、当該溶融ケイ酸塩に給熱することを含み、当該方法は連続的に運転して、ケイ酸塩を当該タンクから定期的に排出し、バッチ物質を当該ケイ酸塩浴への供給のため定期的に導入する、可燃性ガス製造方法に関する。給熱は、好ましくは液中燃焼タイプのものである。本発明はまた、燃焼ガスを発生させるガス燃料バーナーを含む工業製造ユニットでの連続生産、ボイラーでのスチームの連続生産、スチームを含む酸化ガスと有機物質とを反応させることを含む、可燃性ガスを製造するためのユニットでの可燃性ガスの連続生産、を含み、前記燃焼ガスを水を気化させスチームを製造するため前記ボイラーに移送し、ボイラーで製造されたスチームを前記有機物質との反応のため前記可燃性ガスを製造するためのユニットに移送し、前記可燃性ガスを燃焼のために前記工業製造ユニットにガス燃料として移送する、連続工業製造方法にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可燃性固体物質又は可燃性液体物質を可燃性ガスに変えるための方法と装置に関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
本発明の目的は、可燃性の固体又は液体物質、例えばバイオマス及び/又は、使用済みのタイヤ、プラスチック、オートシュレッダーくず、スラッジ、代替可燃性物質(「RCM」として知られる)、もしくは家庭ごみ等の廃棄物など、から直接、あるいは最初の熱分解操作後に前もって油に変えられた同じ物質から間接的に、可燃性ガスを製造することである。
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明によれば、工業プロセスにおける化石エネルギーの使用に取って代わり、大気中へのCO2の放出とエネルギー費を低減することを目標とする技術が提供される。具体的に言えば、化石エネルギー(石油、天然ガス)が地球表面に依然として多くの炭素とCO2をもたらしているので、実業家は、温室効果ガスの大気中濃度を低下させるのを目的として、化石エネルギーを使用するのでなく、成長しながら大気からCO2を吸収しその燃焼によってそのCO2をその後放出するバイオマスなどの再生燃料を使用する適切な営業計画を奨励されている。ところが、バイオマスを工業プロセスで直接使用するのは依然として可能でなく、その理由は特に、それがこのバイオマスの組成に左右され、そしてそれが一般に灰を生じさせることになるからである。
【0004】
セラミックビーズやローラーを含みスチーム及び/又は空気もしくは純粋酸素がそれらを越えて移動する固定床又は流動床において500℃より高い、あるいは1000℃より高い温度でバイオマスを熱分解することにより、バイオマスから可燃性ガスを発生させることが、既に提案されている。ところが、バイオマスから生じた灰が床に蓄積するが、床はそれを阻止することができない。従って、この種のガス化装置は定期的に停止及びクリーニングをしなければならない。
【0005】
Maccormacによる論文“Gasification of coal in an experimental Rummel double−shaft slag−bath gasifier”, IGE Journal, Vol. 5, 1 May 1965, pp385−399には、スラグ中での石炭のガス化が教示されている。スラグ中での液中燃焼が試験されたが、たくさんの泡の形成とそしてまた鉄の沈降により引き起こされる問題を受けて放棄された。石炭、そしてまたバイオマスタイプの有機物質の多くは、実際のところ鉄を含有している。液中燃焼なしでも、泡が形成され、鉄が沈降して、運転停止が必要になる。金属鉄を排出するのは、約1500℃ほどの非常に高い温度を必要とするので、困難である。
【0006】
鉄の沈降を避けながら、連続的に運転して溶融物中で有機物質をガス化するのを可能にする方法が見いだされた。本発明によれば、溶融物としてケイ酸塩を使用し、運転中に定期的にそのケイ酸塩を排出し交換することによりそれを連続的に新しくする。ケイ酸塩浴のこの連続の更新は、鉄の連続の排出を可能にし、従ってその濃度はそれが沈降する限度より低いままとなる。シリカ含有量が多いために、ケイ酸塩はほとんど又は少しも発泡せず、更にそれは鉄をよく溶解する。ケイ酸塩が発泡する傾向の少ないことは、液中燃焼による溶融ケイ酸塩への熱の供給をも可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】製造した可燃性ガスを燃焼ガスから分離しない態様における本発明による装置を説明する図である。
【図2】製造した可燃性ガスを燃焼ガスから分離する態様における本発明による装置を説明する図である。
【図3】「反転操作」の態様における本発明による装置を説明する図である。
【図4】燃焼排ガスからの熱の利用に関してループで運転する工業装置を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明によれば、可燃性ガスを生成する有機物質のガス化は、スチーム又は酸素又はCO2と、溶融ケイ酸塩と接触している有機物質とを反応させることを含み、溶融ケイ酸塩に熱が供給される。前の文中における「又は」という表現は、実際のところ「及び/又は」という表現を含む。「接触している」という表現は、有機物質が浮遊物としてケイ酸塩浴の上にあってもよく、ケイ酸塩浴の内部にあってもよく、ケイ酸塩浴内とその上の両方にあってもよいことを含む。
【0009】
好ましくは、有機物質と反応する酸化ガスは少なくとも30体積%の水を含有する。それは100%の水を含有してもよい。酸化ガスは酸素でもよく、それは空気により提供することができる。このように、有機物質との反応のためのガスは空気又は酸素に富む空気であることができる。空気は湿気を含んでもよい。それはスチームを含む空気であってもよい。このように、空気は酸素、水及びCO2をともに供給することができる。
【0010】
本発明による方法には、
・製造されるガスのLHV(「低発熱量」)が高く、詳しく言えば5〜25MJ/Nm3である、
・不所望の酸化物と重金属を含有することがある灰がガラス質の物質中で不活性にされ(中性にされ)、それをガス化中に連続的に排出することができ、そして処分のために、あるいは土木工事で粒状物として使用するため、例えば道路用のビチューメンもしくはアスファルトタイプの材料、舗装材料又はその他の建設材料のための充填材として使用するために、粒状(クラス3として、すなわち不活性で危険のない廃棄物として分類される)にすることができる、
・当該方法は簡便であって出資が少なくてすみ、そして自動連続式に運転することができる、
という利点がある。
【0011】
このように、本発明による方法は、可燃性ガス(COと水素とを含む、「合成ガス」タイプの)を製造するための体系的方法でもあり、建設材料を製造するための体系的方法でもある。ケイ酸塩が液体であるということは、有機物質の灰がタンク外へのケイ酸塩の流動に同伴されれるので、方法全体の運転を容易にする。浴中のケイ酸塩の更新は、一般に少なくとも40重量%のシリカという、高いシリカ含有量を保持するようなものである。
【0012】
本発明による方法は、炭素と比べて相対的に酸化性のガスによる高温の溶融ケイ酸塩媒体中でのガス化の原理を基にするものである。本出願の関係において、有機物質と反応するガスを「酸化ガス」と呼ぶことができる。このガスは、過剰のCO2を作ることが問題ではなく、その一方で可能な最大量の還元ガス、例えばCO及びH2など、を製造することが求められるので、炭素に関して完全には酸化性ではない。このガス化反応は、実際のところ吸熱性であり、そしてこれがケイ酸塩浴内の系に直接エネルギー(又は熱)が供給される理由である。
【0013】
このように、本発明はまず、低発熱量が少なくとも1MJ/Nm3である可燃性ガスを製造するための方法であって、水蒸気又は酸素又はCO2を含む酸化ガスと、溶融ケイ酸塩と接触している有機物質とを反応させることを含むとともに、当該溶融ケイ酸塩に熱を供給することを含む方法に関する。
【0014】
ケイ酸塩の温度は、その化学組成に応じて800℃と1700℃の間に調整される。それはシリカと、CaO、Fe23、Na2O、K2Oの群からの少なくとも1種の酸化物とを含む。シリカに加えられる酸化物は、攪拌するのに有利で、その結果所望の反応にとって有利な、十分な流動性を実現するためシリカの粘度を低下させる役割を有する。目標とする粘度は、一般に、運転温度において10〜1000ポアズの範囲、好ましくは20〜500ポアズの範囲である。
【0015】
本発明の目的の範囲内のケイ酸塩の全ては、特に、アルカリ金属(例えばNa、Kなど)及び/又はアルカリ土類金属(例えばCa、Mgなど)のケイ酸塩のように多かれ少なかれ水溶性であり、任意選択的に混合ケイ酸塩(いくつかのアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属ケイ酸塩)の形をしている、スラグ、ガラス及びケイ酸塩を包含する。
【0016】
ケイ酸塩は一般に、40〜80重量%のSiO2を含む。それはまた、浴を流動化するために少なくとも1種の他の酸化物を含み、その酸化物は一般にCaO、Fe23、Na2O、K2Oの群から選ぶことが可能である。
【0017】
例えば、ケイ酸塩は、具体的には、
0〜20重量%のCaO、
0〜20重量%のFe23
0〜20重量%のアルカリ金属酸化物、例えばNa2O又はK2O(これはNa2O及び/又はK2Oを包含する)、
を含み、CaO+Fe23+アルカリ金属酸化物の質量の合計は一般には0でなく、好ましくは5〜60重量%の範囲である。
【0018】
それはまた、特に、MgO、Al23、TiO2、MnO2、P25、SO2、Clを含んでもよい。
【0019】
一つの特に好適なケイ酸塩組成物は、
60〜80重量%のSiO2
10〜20重量%のCaO、
5〜15重量%のFe23、及び
2〜10重量%のアルカリ金属酸化物(例えばNa2O又はK2O(これはNa2O及び/又はK2Oを包含する)など)、
を含有する。
【0020】
シリカに加えられる酸化物は、攪拌するのに有利で、その結果所望の反応にとって有利な、十分な流動性を実現するためケイ酸塩の粘度を低下させる役割を有する。目標とする粘度は、一般に、運転温度、すなわち800℃と1700℃の間において10〜1000ポアズの範囲、好ましくは20〜500ポアズの範囲である。
【0021】
溶融ケイ酸塩は、特に、耐熱ライニングとともに過剰の溶融ケイ酸塩を排出するためのサイホン(又は溝)を有するオーバーフローシステムを備えたタンク内に収容することができる。
【0022】
ケイ酸塩は、電気式でよい給熱装置(一般には、ケイ酸塩中に挿入した電極、例えばガラス産業でよく知られている慣例に準じたモリブデン、グラファイト、又は鉄製の電極など)によって、あるいはケイ酸塩中に導入された可燃性物質のガス化の結果生じた炭素を、所望により別の可燃性ガスの供給物とともに、部分的に燃焼させる酸化剤の注入に由来することができる熱の供給によって、溶融した状態を保たれる。加えられるこの可燃性ガスは、任意選択的な冷却、精製、フィルター処理及び圧縮後の、本発明による装置によって製造された実際の可燃性ガス(合成ガス)でよく、あるいは、該装置によっては製造されないガス、例えば水素もしくは化石天然ガス、又は合成ガスと前述の2つのガスのうちのどちらか一方との、または液体燃料との混合物、でよい。精製は、主として水を除去するのに役立ち、フィルター処理は、主にゴミとタールを取り除くのに役立つ。例えばこの発熱燃焼反応のような、溶融ケイ酸への給熱が、一般には唯一のエネルギー供給である。電気式の加熱と燃焼による加熱とを組み合わせることも可能である。本発明の範囲内において、給熱は液中の手段によって、とりわけ液中の電極又は液中の燃焼タイプの手段によって、ケイ酸塩自体の内部で行われる。燃焼の場合には、酸化剤をケイ酸塩中に注入し、それは一般には酸素であり、恐らくは空気により供給される。このように、酸化剤としては、純粋酸素、空気、又は酸素を富化した空気を使用することが可能である。好ましくは、純粋酸素を80体積%より多く含む又は純粋酸素を含む酸化剤を使用するが、その理由は、これがガスの体積を減少させ(例えば空気と比べて)、そして更に泡を生じさせる傾向を低減することを意味するからである。液中燃焼は、溶融ケイ酸塩浴中の物質の混合に寄与するので、給熱のための好ましい手段である。この混合は、例えば鉄の沈降のような沈降がなくなるのに有利な、浴のより良好な均一性をもたらす。更に、その火炎は酸化性であるのが好ましく、その理由は、これが懸濁液中の金属粒子を酸化することになり、そしてそれが例えば鉄の沈降のような沈降を更に防ぐからである。この液中燃焼のための過剰の酸素には、二重の役割、すなわち、1)金属の沈降を防ぐこと、及び2)余剰の酸素がガス化反応に加わることができること、という役割がある。この液中燃焼のためにケイ酸塩中に注入されるガスは、任意選択的に形成される粒子を上昇させる。従って、この液中燃焼のために高レベルの酸素を含む又は純粋酸素の酸化剤を使用することは、浴の混合と、余分の発泡を生じさせずに金属鉄を実際上なくすのを可能にする卓越した折衷案である。
【0023】
ガス化される固体又は液体の可燃性物質は、適切な投入装置(スクリュー又はピストン装置、液体の場合にはポンプ、等)によって溶融ケイ酸塩中(ケイ酸塩の液面レベルより下方)に導入するのが好ましい。それらは溶融ケイ酸塩の表面より上方に導入してもよい。
【0024】
有機物質との反応のために選ばれるガスに応じて、ガス化は次の反応のうちの少なくとも一つにより行われる。
・H2O+C → CO+H2 (1)
・2H2O+C → CO2+2H2 (2)
・C+CO2 → 2CO (3)
・C+(1/2)O2 → CO (4)
これらの反応は吸熱反応である。
【0025】
しかるべき場合において、ケイ酸塩への給熱が液中燃焼により行われる場合には、酸素と有機物質及び/又は合成ガスの炭素との燃焼反応は、
・C+O2 → CO2 (5)
・(CO+H2)+O2 → CO2+H2O (6)
に従って行われ、これらの反応は発熱反応である。
【0026】
例えば水とCO2を、特に、合成ガスの、又は合成ガスとCH4及び/又はH2及び/又は任意のその他の可燃性ガスとの混合物の液中燃焼から得ることができ、このときの利点は高温でガス化される物質中へ正確な比率で注入されることである。追加の水を、導入される有機物質からの蒸気又は湿気の形でもって導入することもできる。
【0027】
有機物質からCO又はH2を製造するのは吸熱反応であり、これが熱を供給することの理由である。給熱は、一般に、装置の熱損失と吸熱ガス化反応の熱損失を補償するのに必要な、そしてまた場合によっては入ってくるガス(H2O、空気、O2、CO2)を加熱するのに必要な、最小限に限られる。
【0028】
給熱を液中燃焼によって行う場合には、この燃焼を、ガス化のために必要な酸化ガスを注入する箇所から切り離すことが可能であり、これは製造する可燃性ガスの発熱量を増加させることを目的としている。この場合、液中燃焼ゾーンから発生する酸化ガスとの反応のゾーンに恒久的な給熱を行うことが望ましい。これは、可燃性物質、酸化ガス及び酸化剤の固定した各注入箇所に対して液体ケイ酸塩を循環させることにより行うことができる。この循環は、例えば、温度差及び/又はタンクの深さの差に由来する自然対流により、あるいは特に攪拌手段、例えば、殊に耐久性の鋼製であり、殊に速度が可変の、殊に磁気流体(MHD)タイプの、攪拌手段により、あるいはタンク自体の運動(例えば回転)により、あるいは任意のその他の手段により、行うことができる。この場合には、1)使用先へ送られる可燃性ガスと、2)残留炭素(可燃性ガスに転化されていない)の燃焼からの燃焼排ガス、及び/又は別の循環流体、例えばユーザーの工業炉からの主燃焼排ガスなど、と再び一緒になる、液中燃焼からの燃焼排ガス、の2つのガス流体出口がある。これらの2つのガス(一方においては製造される可燃性ガス、そして他方においては燃焼ガス)の分離は、一方は酸化ガス(水又はO2又はCO2)を導入するための管路の近くで且つその真上に配置され、他方は酸化剤を導入するための管路の近くで且つその真上に配置される、2つの別々の煙道によってなされる。このように、本発明は、一方では液中燃焼、他方では酸化ガスと有機物質との反応が、燃焼排ガスと可燃性ガスを異なる煙道により回収することができるよう十分に切り離されたゾーンで行われる方法にも関する。
【0029】
驚くべきことに、溶融ケイ酸塩浴に熱を供給する液中燃焼から、溶融ケイ酸塩浴内で酸化ガスを少なくとも部分的に発生させることができ、あるいは完全に発生させることさえもできる。具体的に言うと、燃料と酸化剤との液中燃焼で水とCO2が発生し、そしてそれらが、多かれ少なかれ浮遊物として浴の上部に見いだされる大部分を占める有機物質と反応するため気泡の形でもってケイ酸塩浴中を上昇する。燃料は、本発明により作られ浴中へ再注入される実際の可燃性ガスのうちの一部であることができる。この実際の可燃性ガスに別の燃料を添加することも可能であるが、それは厳密に必要なことではない。
【0030】
本発明によって製造される可燃性ガスは、水素(H2)と一酸化炭素(CO)を含有している。それは一般に、メタン(CH4)も含有している。水素と一酸化炭素のモル百分率の合計は、少なくとも10%、一層一般的には少なくとも30%、更には少なくとも35%である。還元ガス(H2とCO)のこれらの百分率は、酸化ガスがいったん十分な有機物質と遭遇すると実現される。
【0031】
この可燃性ガスは一般に、低発熱量が少なくとも1MJ/Nm3であり、更に一般的には少なくとも5MJ/Nm3であって、少なくとも10MJ/Nm3を達成することさえできる。それは一般には30MJ/Nm3未満である。
【0032】
効率は、有効なエネルギー(製造されて外部で使用されるガスのエネルギー)を全投入エネルギー(可燃性ガスと外部からもたらされる可能性のあるエネルギー)で割ったものである。この効率は一般には10〜80%の範囲にある。
【0033】
本発明による方法は、特に連続して運転することができ、すなわち、製造されたガスは装置の上部から高温(500℃〜1300℃)で出て、そしてそのガスをそれを使用する工業プロセス、すなわちガラス炉、発電機、冶金プラントなどへ送ることができる。製造される可燃性ガスは高温であるから、その熱をできる限り利用するためには、熱損失を抑えるため本発明による装置をそれを利用する設備に近づけることが望ましい。これにはまた、可燃性ガスを使用する設備へ移送する管路でタールが凝縮するのを制限又は防止するという利点もある。この可燃性ガスを、例えばそのエネルギーを、例えばボイラーによりスチームに変えることによって、冷却し、場合によりそれをフィルターで処理し(ゴミの除去)、精製し(水分の除去)、圧縮し、そして貯蔵してから、使用する設備へ送ることも可能であり。この場合には、使用するのは更に遠くであってもよい。連続的に運転するプロセスにおいて、ケイ酸塩はタンクに収容されて、一部のケイ酸塩がタンクから定期的に排出され、そしてケイ酸塩浴に供給するためにガラス化可能な物質が定期的に導入される。
【0034】
特定の固体有機物質、特にバイオマスタイプのものは、加圧下に約500℃での熱分解により粘性液体に変えることができる(有機物質から石油が自然に生成されるように)。従って、本発明による装置でのガス化の前に、これらの有機物質を油に変えることが可能である。これから、本発明によるガス化装置に導入される物質の容積をかなり減らすという利点が得られる。更に、油の形でもって凝縮したこの物質は、輸送費が妥当なものになる限りにおいて、輸送可能になるが、提供するエネルギーに関してかさばり過ぎる最初のバイオマスでは現実にそうはならない。
【0035】
本発明によるガス化は、加圧下で行うことができ、そしてこれは可燃性ガスを加圧下で送給するのを可能にする。これは、特に最終用途のバーナーのために可燃性ガスの十分なパルスを実現するために、所望されることがある。油の充填はポンプを使って行うことができるので、加圧下でのガス化は油から実施するのがより容易である。
【0036】
本発明による装置により発生した可燃性ガスは、ガラス炉などの工業炉のバーナーに、燃料として供給するのに使用することができる。このガスは、その後二次空気により燃焼され(このときの一次空気はケイ酸塩中へ注入されるものである)、そして二次空気はガラス産業の当業者によく知られた原理(再生器での燃料ガス/空気の交替)により再生器での熱的な再生を受けていてもよい。
【0037】
場合によっては、本発明により発生させた可燃性ガスはその最終用途で燃焼させる前に加熱してもよい(酸化剤と燃料を両方とも再加熱する場合は二段再生と称される)。しかし、これは、製造されたガスの発熱量が大きい場合及びそれが既に十分高温の場合には必ずしも有利とは限らない。従って、本発明による方法は可燃性ガスをその合成直後に使用する場合に有利であり、その理由は、可燃性ガスは高温で発生され、そしてこれは特定の用途において、例えば特にガラス炉のバーナーでの燃焼において、有利であるからである。
【0038】
任意選択的に、可燃性ガスは、特にそれが装置内で通過する有機物質又は石炭の新たに導入された層によって冷却される場合に、相対的に中程度の温度(<500℃)で出ていくことができる。それは比較的低LHV(天然ガスと比較した場合に)のガスであるので、特にガラスを溶融させるのに十分である、十分な断熱火炎温度を得るためには、ユーザーの炉(例えばガラス炉)で燃焼させる前にそれを再加熱することが好ましい。これを行うためには、二段再生を行うことが可能であり、最初の交替で、ユーザーの炉(特にガラス炉)での燃焼からの高温の燃焼排ガスが2つの再生室、すなわち一方は燃焼空気のためのもの(最新式のガス炉におけるような)、他方は燃焼ガスのためのもの、を加熱する。次の交替において、ガス循環路を反転し、するとこれらの室で加熱されるのは空気とガスになり、その後、これら2つはユーザーの炉に到達すると燃焼して高温の燃焼排ガスを生じさせ、それらの熱を室に与える。空気と可燃性ガスのこれら2つの室は、もちろん、早期燃焼あるいは更には爆発を避けるために、互いどうし漏れがあってはならない。
【0039】
ユーザーの炉で使用する前に可燃性ガスを加熱する必要をなくすために、可燃性ガスを製造するための装置(「ガス化装置」として知られる)を出ていくガスの出口温度とそのLHVを、十分な断熱火炎温度を確保するよう、上昇させることが推奨される。ガス化温度が非常に高い(>1000℃)及び/又は酸化剤と酸化ガスの注入を分けて運転するガス化装置(図2の2つの煙道の方式による)を使用することにより、この結果を得ることが可能である。実際に、この場合には、タールと凝縮可能物質が完全に分解し、そして製造された可燃性ガスのCO/CO2比とH2の量が最大になる。このガスは、再生操作を受ける必要なしに、ユーザーの炉、特にガラス炉に直接供給するのに十分高温(>500℃)であり、且つLHVが十分に高い(>20kJ/kg)。それは、通常の再生を受けていてもよい燃焼空気とともに炉に到達すると燃焼する。この解決策には、漏れをなくすのが難しいのが常であるセラミック再生器でガスを再加熱する必要がないという利点があり、こうして早期燃焼又は爆発の危険が最小限にされる。
【0040】
ガス化装置のために必要なスチーム及び/又は高温の空気/O2を、燃焼排ガスの残留エネルギーを利用するボイラー又は交換器により生じさせることが可能である。本発明による方法のために酸化剤として必要なスチームは、ボイラーにより製造することができる。このボイラーは、本発明により製造する可燃性ガスのためのユーザーの炉(例えばガラス炉又はほかの工業プロセスなど)の主要燃焼排ガスの循環路、あるいは製造する可燃性ガスの冷却循環路に設置することができる。これらの燃焼排ガスからの又はこれらのガスからの熱を使って水を気化させる。詳しく言えば、ガス(一方は燃焼ガス、他方は可燃性ガス)を集めるための2つの煙道が存在している場合には、ボイラーは、本発明による装置から出てくる燃焼排ガスの循環路に設置することができる。好ましくは、スチームは1barと100barの圧力下で100℃と800℃の間の温度にある。
【0041】
本発明はまた、製造される可燃性ガスを燃焼させることにより使用し燃焼排ガスからの熱を使用して水を気化させる炉を含む工業炉にも関するものであり、その水は本発明のガス化原理により可燃性ガスを製造するのに、酸化剤として使用され、製造した可燃性ガスはユーザーの炉に燃焼のため再導入される。このユーザーの炉は、例えばガラス炉(ガラスを溶融させる、すなわちフロートガラスに加工するためのフロート炉、等)などの、可燃性ガスの燃焼に依存する任意の装置でよい。詳しく言えば、炉は、再生器又は回収熱交換器タイプのものでよく、すなわち燃焼排ガスからの熱の一部は水を気化させるためボイラーに送られる前に再生器又は回収熱交換器によって既に回収されていてもよい。燃焼排ガスはそのような再生器又は回収熱交換器から依然として高い温度で、すなわち一般に600℃未満で一般に300℃より高い温度で、出てくることが知られており、これが、本発明による装置が、通常は燃焼排ガスとともに大気中へ放出されるこの熱がここではエネルギー生産システムとの関連で水を気化させのに非常に効果的に使用されるので極めて有利である理由である。従って、本発明はまた、
・燃焼ガスを発生させるガス燃料バーナーを含む製造ユニット、
・スチームを生じさせるボイラー(当然、これはいくつかのボイラーがあってもよいことを包含する)、
・スチームを含む酸化ガスと有機物質とを反応させることを含む可燃性ガスを製造するためのユニット、
を含む工業装置にも関するものであり、燃焼ガスは水を気化させスチームを製造するためにボイラーに移送され、ボイラーにより製造されたスチームは有機物質と反応するために可燃性ガスを製造するためのユニットに移送され、可燃性ガスは燃焼のために製造ユニットにガス燃料として移送される。この態様の範囲内で、可燃性ガスを製造するためのユニットは本発明の方法に従って、すなわちケイ酸塩浴を用いて、運転することができるが、それは既知の固定又は流動床の原理により運転するユニットであってもよい。
【0042】
こうして、本発明はまた、上で説明した工業装置を使用する連続の工業製造方法にも関する。この方法は、
・燃焼ガスを発生させるガス燃料バーナーを含む工業製造ユニットでの連続生産、
・ボイラーでのスチームの連続生産、及び
・スチームを含む酸化ガスと有機物質とを反応させることを含む可燃性ガスを製造するためのユニットでの可燃性ガスの連続生産、
を含み、燃焼ガスを水を気化させスチームを製造するためボイラーに移送し、ボイラーで製造されたスチームを有機物質と反応させるため可燃性ガスを製造するためのユニットに移送し、可燃性ガスを燃焼のために工業製造ユニットにガス燃料として移送する。
【0043】
ケイ酸塩中に導入することができる有機物質は、可燃性の固体又は液体物質、例えばバイオマス及び/又は、使用済みのタイヤ、プラスチック、オートシュレッダーくず、スラッジ、代替可燃性物質(「RCM」と称される)、もしくは家庭ごみ等の廃棄物など、でよい。有機物質は、生物学的特性のものでよく、あるいは農業食品産業から得られるものでよい。それらは動物が食べるものでもよい。それらはバイオマス、特に、麦わら、ススキ属の茎などのタイプのものでもよい。それらはまた、石炭、亜炭、瀝青頁岩、泥炭などであってもよい。これらの物質は、製紙産業からの木材廃棄物又は紙くずであってもよい。それらはまた、有機ポリマー、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、で構成されていてもよく、タイヤの残骸、あるいは自動コンポーネントの切れ端であってもよい。有機物質は、組成物の成分を富化するのに有効な無機物質と均質混合してもよい。例えば、これらは流出油で汚染された砂でよく、この砂はケイ酸塩中のシリカを増やすのに対して、汚染している炭化水素は燃焼ガスの原料となる。例えば瀝青頁岩のような炭化水素を含有している天然の砂をガス化することも可能である。それらはガラス/プラスチック複合材料であってもよい。例えば、少なくとも1枚のガラスを少なくとも1枚の、ポリビニルブチラールPVB、エチレン/酢酸ビニルEVA、ポリウレタンPU又はポリエチレンテレフタレートPETタイプの、熱可塑性又は非熱可塑性ポリマーのシートと組み合わせる積層グレージングユニットを挙げることができる。例えば自動車産業やボートで使われている、ガラス糸(あるいは炭素糸又はその他のタイプの補強用の糸)で補強したポリマーを基にした複合材料を挙げることもできる。ガラス/金属複合材料(金属コーティングの、結合用の構成部品を備えたグレージングユニット)を挙げることもできる。このように、本発明による装置は有機廃棄物をリサイクルするのに使用してもよい。
【0044】
ケイ酸塩には、導入された可燃性物質から無機の灰分が徐々に蓄積される。特に主タンクにつながったサイホン(可燃性ガスが出ていくのを防ぐための)を有するオーバーフロー装置を用いて、それを連続的に排出することが可能である。ケイ酸塩の化学組成を分析し、補正用の酸化物(CaO、Fe23など)を導入することによって、所定温度におけるケイ酸塩の粘度を一様にすることが可能である。補正用酸化物の種類と量は、当然ながら導入される物質の種類に依存する。
【0045】
本発明による装置は、工業設備(例えばガラス炉など)に一体化してもよく、この場合それは化石燃料を用いずに完全に又は部分的に管理することができる。本発明により製造したガスをバーナーで使用する場合には、このガス化ガスを限られた数のバーナーだけに供給し、そのほかのバーナーは燃料又は天然ガスを用いるままにしておくことが可能である。従って、課税対象となるCO2の放出をこうして比例して減らすことが可能であり、また、エネルギーの値段を下げることも可能である。
【0046】
本発明による装置は低価格のものであり、安価な物質を使用し、そしてその大きさは固定床又は流動床を利用する従来技術のものと比べて小型である。
【0047】
導入される有機物質は一般に、ケイ酸塩浴の温度と比べて低温である。本発明による方法で作られたガスがこれらの物質を投入するためのゾーンの近く又はそのゾーンを通過すると、有機物質がこれらのガスにより加熱される一方で、ガスが冷却され、これはタールを発生させるという欠点をもたらしかねず、そして更にこの低下した温度は最終用途によってはそれほど好ましくない可能性がある。これが、製造された可燃性ガスを、好ましくはケイ酸塩の流れの方向又は排出方向に関して下流側に位置する、ケイ酸塩の表面のより高温のゾーンを有利に通過させることができる理由である。このより高温のゾーンは、特に、電気的に発生させるものでよい熱の供給によって作られる。それはまた、製造した可燃性ガスの一部をO2又は空気で液中燃焼させることで作ってもよい。この操作は、ガス化ガス(製造された可燃性ガス)が低温から高温の方向に進む(並流式の流動床ガス化装置におけるように)ので、「反転操作」タイプのものである。ここでは、ガスは第一の室で生成される(従ってそれらは、導入される有機物質が低温であるから、かなりの低温であり得る)が、その後それらは天井とケイ酸塩との間の下方ゾーンに進み、そこでタールを分解しガス化を続けるのに有利なように加熱される。従って、本発明によれば、煙道を通して排出する前に低くした天井の下を進ませることにより、可燃性ガスを加熱することができる。
【0048】
図1は、製造した可燃性ガスを燃焼ガスから分離しない態様における本発明による装置を示している。タンク1に、粘度が1000ポアズ未満の1200℃のケイ酸塩溶融浴2が収容されており、その中の浴の表面にエンドレススクリュー3によりRCMバイオマスが導入される。浴の表面レベルより下で、管路4を通して400℃のスチーム、及び管路5を通して500℃の空気も導入される。燃焼ガスと混合された生成された可燃性ガスは、単一の煙道6を通して集められる。ガラス化可能な物質の混合物が、ケイ酸塩の組成を実質的に一定に保つため同じエンドレススクリューにより連続的に導入される。ケイ酸塩浴の温度は、電極により保持される。ケイ酸塩は、その組成の変化に応じ、流路7を通して連続的に排出される。
【0049】
図2は、製造した可燃性ガスを燃焼ガスから分離する態様における本発明による装置を示している。タンク21に、粘度が1000ポアズ未満の1300℃のケイ酸塩溶融浴22が収容されており、その中の浴の表面より下にエンドレススクリュー23によりRCMバイオマスが導入される。タンクの第1ゾーンに管路24を通してスチームが導入され、それに対しタンクの第1ゾーンから完全に遠く離れた第2ゾーンに管路25を通して空気が導入される。浴22は、第2ゾーンで発生する燃焼の熱が第2ゾーンに供給されるよう、回転式攪拌機28で攪拌される。第1ゾーンの上方に配置された第1煙道26が製造された可燃性ガスを集め、第2ゾーンの上方に配置された第2煙道27が燃焼ガスを集める。これらの燃焼ガスは、ボイラーか、又は熱回収のためユーザー炉の燃焼排ガスを集めるための循環路に送ることができる。ガラス化可能物質の混合物が、ケイ酸塩の組成を実質的に一定に保つため同じスクリューにより連続的に導入される。ケイ酸塩は、その組成の変化に応じ、流路29を通して連続的に排出される。
【0050】
図3は、製造した可燃性ガスを燃焼ガスから分離せず、再加熱のため天井とケイ酸塩との間の下方ゾーンに進ませる「反転操作」の態様における本発明による装置を示している。タンク31に、粘度が50ポアズの1300℃のケイ酸塩溶融浴32が収容されており、その中の浴の表面の上方にエンドレススクリュー33によりRCMバイオマスが導入される。燃焼ガスと混合された生成された可燃性ガスは、単一の煙道36を通して集められる。ガラス化可能物質(シリカ、CaO、Fe23を供給する)の混合物も、ケイ酸塩の組成を実質的に一定に保つためスクリュー33により連続的に導入される。ケイ酸塩は、その組成の変化に応じ、流路7を通して連続的に排出される。ケイ酸塩浴はまた、O2(酸化剤)と製造された冷却した可燃性ガスとが供給される液中バーナー38により加熱され、この可燃性ガスは任意選択的に、ガス化される物質を受け入れるゾーンと浴の中央ゾーン(下げられた天井の下に位置する)とをより強く加熱するその他の可燃性ガスを富化される。生成した可燃性ガスは、天井の下げられた部分39の下を通過することにより液体浴のこのより高温のゾーンをなでるように進む。驚くべきことに、それは、水と、溶融ケイ酸塩浴の高いところ又はその上に見いだされる有機物質とそれ自体が反応するCO2とを含む酸化ガスのその場における源となるO2/可燃性ガスの液中燃焼である。外部から酸化ガスを加えることを排除しないが、これは絶対必要なわけではない。最後に、煙道36を通して排出される可燃性ガスは30%未満のCO2を含有する。
【0051】
図4は、燃焼排ガスからの熱の利用に関してループで運転する工業装置を示している。この装置は、ガスを燃焼させ42を通って出ていく燃焼排ガスを生成するガスユーザー炉41を含む。これらの燃焼排ガスは、水を気化させるためボイラー43に進み、そしてそれは本発明の原理により運転するケイ酸塩浴45に44を通して送られ、製造された可燃性ガスは燃焼させるため46を通して炉41に移送される。炉41には、ケイ酸塩浴から、またほかの供給源47からもやってくるガスが供給される。水を気化させるのに使用した後の燃焼排ガスは、炉の主煙道に48を通して排出される。
【0052】
〔例1〕
9トン/日の木材廃棄物と、83体積%のスチームを含有する1000Nm3/hの空気を、ガス化を行うため図1の装置に導入した。ケイ酸塩浴内での電気による給熱は500kWであった。導入した木材から約3wt%の灰分が生じ、灰分を含む300kg/日のケイ酸塩が排出された。バイオマスガスの組成(モル%)は次のとおりであった。
2: 22.3%
CH4: 4.4%
CO: 20.9%
CO2: 18.6%
2: 100%を与える残部
【0053】
特に、COより多くのH2が作られたことが分かる。
【0054】
製造されたガスの低発熱量は9MJ/Nm3であった。
【0055】
木材が12MJ/kgのエネルギーを持っていたと考えると、このエネルギーの80%が本発明によるガス化によって回収されたと推定される。
【0056】
〔例2〕
導入した空気が水を含有していないことを除いて、例1の手順に従った。バイオマスガスの組成(モル%)は次のとおりであった。
2: 10.6%
CH4: 3.2%
CO: 30%
CO2: 6%
2: 100%を与える残部
【0057】
2より多くのCOが作られたことが分かる。
【0058】
製造されたガスの低発熱量は7MJ/Nm3であった。ケイ酸塩浴内での電気による給熱は300kWであった。
【0059】
木材が12MJ/kgのエネルギーを持っていたと考えると、このエネルギーの80%がスチームなしのガス化によって回収されたと推定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
低発熱量が少なくとも1MJ/Nm3の可燃性ガスを製造するための方法であって、スチーム又は酸素又はCO2を含む酸化ガスと、タンク内に保持した溶融ケイ酸塩浴と接触している有機物質とを反応させることと、当該溶融ケイ酸塩に給熱することを含み、当該方法は連続的に運転して、ケイ酸塩を当該タンクから定期的に抜き出し、ガラス化可能な物質を当該ケイ酸塩浴への供給のため定期的に導入する、可燃性ガス製造方法。
【請求項2】
前記ケイ酸塩が40〜80wt%のSiO2を含むことを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記ケイ酸塩に含まれるCaO、Fe23及びアルカリ金属酸化物の質量の合計が5〜60wt%の範囲であることを特徴とする、請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記給熱が液中燃焼タイプのものであることを特徴とする、請求項1〜3の一つに記載の方法。
【請求項5】
前記液中燃焼のための酸化剤が80体積%より多くの純粋酸素を含むことを特徴とする、請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記液中燃焼の火炎が酸化性であることを特徴とする、請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記酸化ガスを前記液中燃焼により発生させることを特徴とする、請求項5又は6記載の方法。
【請求項8】
一方では前記液中燃焼、他方では前記酸化ガスと前記有機物質との反応を、前記燃焼排ガスと前記可燃性ガスとを異なる煙道により回収できるように十分分離されたゾーンで行うことを特徴とする、請求項5〜7の一つに記載の方法。
【請求項9】
前記液中燃焼のための燃料が当該方法自体によって作られる可燃性ガスを含み、このガスをそのほかの可燃性ガスと任意選択的に混合することを特徴とする、請求項5〜8の一つに記載の方法。
【請求項10】
前記有機物質が、前記可燃性ガス中の水素と一酸化炭素のモル百分率の合計が少なくとも10%になるような十分な量であることを特徴とする、請求項1〜9の一つに記載の方法。
【請求項11】
前記酸化ガスが少なくとも30体積%のスチームを含むことを特徴とする、請求項1〜10の一つに記載の方法。
【請求項12】
前記ケイ酸塩が800℃と1700℃の間の温度にあることを特徴とする、請求項1〜11の一つに記載の方法。
【請求項13】
前記給熱が電気式であることを特徴とする、請求項1〜12の一つに記載の方法。
【請求項14】
前記可燃性ガスを、煙道を通して排出する前に、下げられた天井の下を通過させることにより加熱することを特徴とする、請求項1〜13の一つに記載の方法。
【請求項15】
・燃焼ガスを発生させるガス燃料バーナーを含む工業製造ユニットでの連続生産、
・ボイラーでのスチームの連続生産、及び
・スチームを含む酸化ガスと有機物質とを反応させることを含む、可燃性ガスを製造するためのユニットでの可燃性ガスの連続生産、
を含み、前記燃焼ガスを水を気化させスチームを製造するため前記ボイラーに移送し、ボイラーで製造されたスチームを前記有機物質との反応のため前記可燃性ガスを製造するためのユニットに移送し、前記可燃性ガスを燃焼のために前記工業製造ユニットにガス燃料として移送する、連続工業製造方法。
【請求項16】
前記可燃性ガスの生産を請求項1〜14の一つに記載の方法により行うことを特徴とする、請求項15記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2011−516679(P2011−516679A)
【公表日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−503480(P2011−503480)
【出願日】平成21年4月8日(2009.4.8)
【国際出願番号】PCT/FR2009/050614
【国際公開番号】WO2009/136072
【国際公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【出願人】(500374146)サン−ゴバン グラス フランス (388)
【Fターム(参考)】