説明

可視光型光触媒機能性繊維布帛及びその製造方法

【課題】紫外線の強い太陽光のもとでも繊維やバインダーが分解しにくく、且つ、可視光が多く紫外線の少ない蛍光灯のもとでも、繊維布帛の消臭機能、抗菌機能や皮脂汚れ分解機能などを発揮することのできる十分な光触媒活性をもつ可視光型光触媒機能性繊維布帛及びその製造方法を提供する。
【解決手段】可視光型光触媒機能性繊維布帛は、累積90%の平均二次粒子径が1μm以下である酸化亜鉛微粒子が繊維布帛にバインダーで固定されてなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可視光が多く紫外線の少ない蛍光灯等の光源のもとでも、光触媒活性を発揮し得る可視光型光触媒機能性繊維布帛及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、光触媒活性を有する微粒子を繊維布帛に付与することにより、消臭機能、抗菌機能、皮脂などのタンパク質汚れ分解機能(以下、皮脂汚れ分解機能という。)などを発揮できる機能性繊維製品が提案されている。この機能性繊維製品は、繊維製品周辺に存在する悪臭物質や有害物質を、光触媒に対する紫外線の作用に伴い生ずるOHラジカルの強い酸化作用によって分解させることを利用したものである。
【0003】
しかし、繊維布帛に光触媒活性を有する微粒子を固定すると、固定された繊維自身や固定のために使用されたバインダーが、その光触媒活性により分解されるという第1の問題を発生させる。即ち、繊維やバインダーが分解されると、当該機能性繊維の機能の耐久性が維持されず、また、分解ガスによる悪臭発生につながる。
【0004】
また、繊維製品は一般に洗濯して継続使用される。洗濯後の繊維製品は紫外線の強い太陽光のもとで乾燥される場合だけでなく、蛍光灯のもとで室内干しされる場合も多い。近年、この室内干しの要望が大きく、この際に繊維製品に悪臭が発生する場合がある。この場合には、太陽光に比べ蛍光灯の光には紫外線が少なく、光触媒活性が十分に発揮されず、十分な消臭機能、抗菌機能や皮脂汚れ分解機能などが得られないという第2の問題が発生する。
【0005】
これらの2つの問題を同時に解決する方法として、下記特許文献1に記載の機能性繊維布帛が提案されている。この機能性繊維布帛では、可視光型光触媒がセルロース系バインダーおよび/または多糖類バインダーで繊維布帛に固定されてなることを特徴としている。
【特許文献1】特開2004−137611号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述の機能性繊維布帛においては、窒素を二酸化チタンに導入することで可視光による光触媒活性をもたせた特定の光触媒を、セルロース系バインダーおよび/または多糖類バインダーという特定のバインダーで繊維布帛に固定している。
【0007】
即ち、上記特定の光触媒は可視光のもとだけでなく、紫外線のもとにおいても従来の光触媒と同様に強い光触媒活性を有する。従って、この場合においても、繊維やバインダーが分解されないように、上記特定のバインダーを必要とする。
【0008】
また、光触媒を繊維に固定するバインダーは、光触媒活性の耐久性や繊維布帛の風合いなどの点から、最適のバインダーを当該繊維に応じて選定することが必要である。
【0009】
しかし、上記のような特定のバインダーに限定することは、光触媒を広く任意の繊維に利用できないという問題が発生する。
【0010】
そこで、本発明は、上述のようなことに対処して、紫外線の強い太陽光のもとでも繊維やバインダーが分解しにくく、且つ、可視光が多く紫外線の少ない蛍光灯等の光源のもとでも、繊維布帛の消臭機能、抗菌機能や皮脂汚れ分解機能などを発揮し得る十分な光触媒活性をもつ可視光型光触媒機能性繊維布帛及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題の解決にあたり、本発明に係る可視光型光触媒機能性繊維布帛は、請求項1の記載によれば、累積90%の平均二次粒子径が1μm以下である酸化亜鉛微粒子が繊維布帛にバインダーで固定されてなる。
【0012】
これによれば、紫外線の強い太陽光のもとでも繊維やバインダーが分解しにくく、且つ、可視光が多く紫外線の少ない蛍光灯のもとでも、繊維布帛の消臭機能、抗菌機能、皮脂汚れ分解機能などを発揮し得る十分な光触媒活性を呈することができる。
【0013】
ここで、本発明は、請求項2の記載のように、請求項1に記載の酸化亜鉛微粒子の一次粒子径が、5nm〜60nmの範囲以内であってもよい。
【0014】
また、本発明に係る可視光型光触媒機能性繊維布帛の製造方法では、請求項3の記載によれば、酸化亜鉛微粒子の累積90%の平均二次粒子径が1μm以下である酸化亜鉛微粒子の水分散液とバインダーの水分散液とを混合してなる処理液を繊維布帛に付与して可視光型光触媒機能性繊維布帛を製造する。
【0015】
これにより、請求項1に記載の発明の作用効果は達成し得る可視光型光触媒機能性繊維布帛の製造が可能となる。また、このように可視光型光触媒機能性繊維布帛を製造することにより、光触媒を繊維布帛に固定するのに最適のバインダーを当該繊維に応じて任意に選定することも可能となる。
【0016】
ここで、本発明は、請求項4の記載のように、請求項3に記載の酸化亜鉛微粒子の一次粒子径が、5nm〜60nmの範囲以内であってもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明に係る可視光型光触媒機能性繊維布帛の一実施形態について説明する。本発明においては、可視光型光触媒である酸化亜鉛微粒子が繊維布帛に固定されている。
【0018】
この繊維布帛に使用される繊維は、特に制限されるものではなく、一般に、衣料や産業資材として使用されるものでよい。例えば、ポリエステル、ナイロンやアクリルなどの合成繊維、アセテートなどの半合成繊維、綿や麻などの天然セルロース系繊維、レーヨン、キュプラ、ポリノジックまたはテンセルなどの再生セルロース系繊維、羊毛や絹などのタンパク繊維などがある。
【0019】
これらの繊維は、単独または混紡、混繊、交織、交編など、二種類以上の繊維が任意の割合で混用されていてもよい。さらに、本発明の繊維布帛は、上記繊維からなる編物、織物、不織布など、どのような形態であってもよい。
【0020】
本発明において、光触媒とは、太陽光などの紫外線を利用して有機物を分解し、消臭機能、抗菌機能や防汚機能などの光触媒活性を発揮する物質をいう。この物資には、一般に、半導体物質が利用されており、特に二酸化チタンが広く使用されている。
【0021】
また、本発明において、可視光型光触媒とは、紫外線だけでなく可視光によっても上記光触媒活性を発揮する物質をいう。この物質には、二酸化チタンに他の元素、例えば窒素などが導入された物質などがある。
【0022】
これら従来の紫外線型光触媒や可視光型光触媒のいずれであっても、紫外線のもとでは、強い光触媒活性が発揮される。このため、光触媒の固定された繊維またはバインダーが有機物であり分解される。従って、任意のバインダーでは、耐久性がなく、または、分解ガスにより逆に悪臭を発生する。
【0023】
そこで、本発明者は、鋭意研究の結果、可視光型光触媒として特定の粒子径を有する酸化亜鉛微粒子を使用することにより、紫外線のもとにおいても繊維やバインダーが分解されることなく、任意の繊維や任意のバインダーを使用することができ、且つ、可視光のもとにおいても消臭機能、抗菌機能や皮脂汚れ分解機能などの光触媒活性を発揮することができることを見出した。
【0024】
ここで、本発明に使用される酸化亜鉛は半導体の一種であり、紫外線のもとでの光触媒活性は知られている。しかし、紫外線のもとにおいては、二酸化チタンに比べその光触媒活性が低く、一般には光触媒としての使用はされていない。
【0025】
本発明者は、特定の粒子径をもつ酸化亜鉛微粒子の光触媒活性を調べ、可視光が多く紫外線の少ない蛍光灯のもとでも、消臭機能、抗菌機能や皮脂汚れ分解機能などの光触媒活性を十分に発揮するとともに、太陽光などの紫外線のもとにおいては、光触媒活性を示すが、その活性が繊維やバインダーを分解するまでには強くないことを見出した。
【0026】
即ち、本発明に係る可視光型光触媒機能性繊維布帛では、累積90%の平均二次粒子径が1μm以下である酸化亜鉛微粒子が繊維布帛にバインダーで固定されることで本発明の解決課題を達成することができる。
【0027】
本発明において、酸化亜鉛は繊維上で凝集した二次粒子の形態で存在する。これは、酸化亜鉛超微粒子の一次粒子を繊維に付与する際に、分散状態の処理液として付与する。分散液中では、酸化亜鉛超微粒子が凝集した状態で存在し、二次粒子を形成して安定して分散している。この二次粒子の形態のまま、繊維上に付与され固定される。
【0028】
繊維に固定された酸化亜鉛微粒子は、一次粒子が凝集した二次粒子の形態であるが、その粒子径は、累積90%の平均二次粒子径が1μm以下である。当該二次粒子は凝集粒子であるため、ある範囲の粒度分布を有する。具体的には、0.02μm〜1.2μmの範囲以内の粒度分布を示すことが好ましい。この場合、累積50%の平均二次粒子径が0.1μm以下であることが好ましい。
【0029】
ここで、分散液中の酸化亜鉛二次粒子の粒子径は各種測定法により測定することができる。一例を挙げれば、動的光散乱式粒度分布測定装置によって測定することができる。この動的光散乱式粒度分布測定装置としては、例えば、日機装株式会社製 MICROTRAC UPA(model:9340-UPA150) が挙げられる。
【0030】
本発明において使用される酸化亜鉛の一次粒子は、その粒子径が5nm〜60nmの範囲以内にあることがよい。より好ましくは、10nm〜30nmの範囲以内にあることがよい。
【0031】
一次粒子の粒子径が小さいことにより、光触媒としての酸化亜鉛の比表面積が大きくなる。二次粒子に凝集していても、一次粒子の表面積の多くの部分は作用するものと思われる。
【0032】
このことにより、従来から光触媒活性が小さいとされる酸化亜鉛が、繊維布帛の消臭機能、抗菌機能や皮脂汚れ分解機能などを発揮し得る十分な光触媒活性をもつことができる。
【0033】
また、この粒子径においても、紫外線の強い太陽光のもとでは繊維やバインダーが分解しにくいという特徴は維持される。
【0034】
一方、本発明に使用されるバインダーは、特に限定されるものではないが、酸化亜鉛と繊維との接着性と風合いの点から選択される。一般には、アクリル樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ナイロン樹脂やウレタン樹脂などが使用される。これらは、固定する酸化亜鉛との接着性と固定される繊維への接着性の点から、洗濯耐久性と風合いを考慮して当該繊維の最適のバインダーが任意に選定される。
【0035】
次に、可視光型光触媒機能性繊維布帛の製造方法について、具体的に説明する。上記酸化亜鉛微粒子の分散液を準備する。この分散液は、水分散液でもよいし、有機溶媒分散液であってもよい。通常の繊維加工には、水分散液であることが好ましい。
【0036】
具体的には、一次粒子径5nm〜60nmの範囲以内の酸化亜鉛超微粒子に分散剤を使用して水中に分散する。分散剤は、通常使用される各種界面活性剤が使用できる。分散液中の酸化亜鉛の有効成分は任意に調整できるが、例えば、通常10重量%〜40重量%の範囲以内である。当該水分散液中の酸化亜鉛微粒子は、凝集した二次粒子として水中に安定に分散している。
【0037】
一方、バインダーの水分散液も、上記各種樹脂を、分散剤を用いて、水中に乳化分散させたものである。これも通常、固形分が、例えば、10重量%〜40重量%の範囲以内のものである。
【0038】
上記酸化亜鉛水分散液にバインダーの水分散液を混合し、水希釈により各成分の濃度を任意に調整する。上記の酸化亜鉛水分散液とバインダーの水分散液の混合液を処理液として使用する。
【0039】
上記処理液には、必要により、バインダーの架橋剤、触媒、または繊維柔軟剤、染料固着剤などの繊維加工助剤を混合して使用してもよい。
【0040】
実際の繊維布帛の加工について説明する。加工される繊維布帛は、事前に通常の方法による精練、漂白などの前処理を行う。また、一般の衣料品の場合などは、染色を行った後に本発明の加工を行うこともできる。
【0041】
まず、上記繊維布帛を上記水系処理液に含侵する。含浸は、パッド法、スプレー法やコーティング法など公知のいずれの方法で行ってもよい。
【0042】
繊維布帛に付与する酸化亜鉛微粒子の量は、多いほど光触媒活性が大きくなるが、実際には繊維重量に対して、酸化亜鉛としての有効成分で0.1重量%〜3.0重量%の範囲以内、好ましくは0.1重量%〜1.0重量%の範囲以内である。酸化亜鉛の量が0.1重量%〜3.0重量%の範囲以内にあると、蛍光灯のもとにおいても十分な消臭機能と抗菌機能を発揮でき、繊維布帛も良好な風合いを維持しつつ、洗濯耐久性を得ることができる。
【0043】
上記含侵後、繊維布帛を乾燥し、必要により熱処理する。乾燥及び熱処理の条件は、適宜選ばれるが、通常、100℃〜180℃の範囲以内、好ましくは100℃〜160℃の範囲以内で行われる。乾燥時間は、温度との関係で適宜選ばれるが、通常、10秒〜5分の範囲以内、好ましくは、30秒〜3分程度の範囲以内で行われる。
【0044】
当該繊維布帛は、乾燥後、あるいは乾燥、熱処理後、そのままで、又は必要により水洗した後に乾燥し使用に供される。
【0045】
これにより、上述のように加工された繊維布帛は、紫外線の強い太陽光のもとでも繊維やバインダーが分解しにくく、且つ、可視光が多く紫外線の少ない蛍光灯のもとでも、繊維布帛の消臭機能、抗菌機能や皮脂汚れ分解機能などを発揮することのできる十分な光触媒活性をもつ可視光型光触媒機能性繊維布帛を得ることができる。このことにより、光触媒を繊維布帛に固定するのに最適のバインダーを当該繊維に応じて任意に選定することも可能である。
【実施例】
【0046】
以下、本実施形態において、次のような各実施例及び比較例を作製して評価した。
【0047】
実施例1:
本実施例は酸化亜鉛微粒子を、綿織物にアクリルバインダーで固定するものである。
【0048】
一次粒子径10nm〜30nmの範囲以内の酸化亜鉛超微粒子を、アニオン性乳化剤を用いて、水中に分散させた。酸化亜鉛水分散液中の酸化亜鉛固形分は30重量%であった。当該酸化亜鉛水分散液の累積90%の平均二次粒子径は0.8μmであり、累積50%の平均二次粒子径は0.08μmであった。
【0049】
上記酸化亜鉛水分散液2重量%と市販のアクリル樹脂水分散液(東洋インク株式会社製トークリル0−125;固形分30重量%)2重量%を混合し、水で希釈して処理液を準備した。
【0050】
通常の方法で精練、漂白した綿100%織物に対して、パッド法で上記処理液を浸漬、搾液し、試験布重量に対して60%のピックアップで付与した。
【0051】
上記処理液の付与後、上記試験布を120℃で90秒間乾燥した。続いて、150℃で90秒間熱処理して実施例1の試験布を得た。
【0052】
比較例1:
本比較例は、可視光型二酸化チタン微粒子を、上記実施例1と同じアクリルバインダーでもって、上記実施例1と同じ綿織物に固定するものである。
【0053】
一次粒子径10nm〜20nmの範囲以内の窒素導入型二酸化チタン超微粒子を、アニオン性乳化剤を用いて、水中に分散させた。酸化亜鉛水分散液中の酸化亜鉛固形分は10重量%であった。当該酸化亜鉛水分散液の累積90%の平均二次粒子径は0.6μmであり、累積50%の平均二次粒子径は0.3μmであった。
【0054】
上記酸化亜鉛水分散液6重量%と市販のアクリル樹脂水分散液(東洋インク株式会社製トークリル0−125;固形分30重量%)2重量%とを混合し、水で希釈して処理液を準備した。処理方法は、上記実施例1と同様に行って比較例1の試験布を得た。
【0055】
比較例2:
本比較例は、紫外線型二酸化チタン微粒子を、上記実施例1と同じアクリルバインダーでもって、上記実施例1と同じ綿織物に固定するものである。
【0056】
市販のアナターゼ型二酸化チタン超微粒子を、アニオン性乳化剤を用いて、水中に分散させた。酸化亜鉛水分散液中の酸化亜鉛固形分は10重量%であった。
【0057】
上記酸化亜鉛水分散液6重量%と市販のアクリル樹脂水分散液(東洋インク株式会社製トークリル0−125;固形分30重量%)2重量%とを混合し、水で希釈して処理液を準備した。処理方法は、上記実施例1と同様に行って比較例2の試験布を得た。
【0058】
以上のように作製した各実施例及び比較例について、その特性につき評価した。この評価にあたり、評価項目として可視光ならびに紫外線のもとにおける光触媒活性を評価した。
【0059】
なお、光触媒活性は、以下の方法で行った。未加工布と実施例及び比較例の各試験布を10cm×5cmにカットし、メチレンブルー0.03g/L 水溶液を付与し、可視光または紫外線を照射する。可視光の照射は、蛍光灯のもとで8000LXにて4時間行った。紫外線の照射は、ブラックライトのもとにおいて、紫外線強度2000μW/cm2にて2時間行った。光触媒活性は、当該メチレンブルーの青色が消色することで判断する。
【0060】
照射後の試験布のメチレンブルーの色を比較し、光触媒活性の評価を行った。評価基準は、光触媒活性が非常に強い(☆)、光触媒活性が良好(○)、光触媒活性が弱い(△)及び光触媒活性を認めず(×)の四段階で評価した。
【0061】
また、繊維とバインダーの分解は、光触媒活性の洗濯耐久性により評価した。即ち、光照射後の試験布を洗濯し、この光照射及び洗濯からなるサイクルを20回くり返した後の光触媒活性の低下度合いを判断することにより評価した。なお、洗濯は、JIS L 0217の103法に準拠した家庭洗濯によった。
【0062】
また、これらの試験布について、消臭機能、抗菌機能や皮脂汚れ分解機能について確認した。その結果、上記評価基準(○)において、十分な機能性があることを確認することができた。
【0063】
これらの評価によれば、次の表1のような評価結果が得られた。
【0064】
【表1】

【0065】
この表1によれば、実施例1は、可視光のもとでも紫外線のもとでも良好な光触媒活性を有する。また、照射洗濯後においても良好な光触媒活性を維持している。
【0066】
これに対して、比較例1は、可視光のもとでは良好な光触媒活性を有するが、紫外線のもとでは光触媒活性が強すぎ、紫外線の照射洗濯後においては光触媒活性を維持することができない。
【0067】
一方、比較例2は、可視光のもとでは光触媒活性を発揮することができない。また、紫外線のもとでは光触媒活性が強すぎ、紫外線の照射洗濯後においては光触媒活性を維持することができない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
累積90%の平均二次粒子径が1μm以下である酸化亜鉛微粒子が繊維布帛にバインダーで固定されてなる可視光型光触媒機能性繊維布帛。
【請求項2】
前記酸化亜鉛微粒子の一次粒子径が、5nm〜60nmの範囲以内にあることを特徴とする請求項1に記載の可視光型光触媒機能性繊維布帛。
【請求項3】
累積90%の平均二次粒子径が1μm以下である酸化亜鉛微粒子の水分散液とバインダーの水分散液とを混合してなる処理液を繊維布帛に付与して製造するようにした可視光型光触媒機能性繊維布帛の製造方法。
【請求項4】
前記酸化亜鉛微粒子の一次粒子径が、5nm〜60nmの範囲以内にあることを特徴とする請求項3に記載の可視光型光触媒機能性繊維布帛の製造方法。


【公開番号】特開2007−136342(P2007−136342A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−333853(P2005−333853)
【出願日】平成17年11月18日(2005.11.18)
【出願人】(000219794)東海染工株式会社 (24)
【Fターム(参考)】