説明

可視光応答型光触媒コーティング材、コーティング処理物及びアレルゲン不活性化方法

【課題】可視光の照射によって高いアレルゲン不活性化作用を示すコーティング膜を形成可能な可視光応答型光触媒コーティング材を提供する。
【解決手段】可視光応答型光触媒コーティング材は、次の成分を含有する;価電子帯の電位が3V(vs.SHE,pH=0)以上である光半導体性を有する金属酸化物粒子の表面に銅二価塩が担持されてなる可視光活性を有する光触媒材料、シロキサン結合を有し或いは反応によりシロキサン結合を形成する成分を含むバインダー成分、及び塩素イオン化合物。コーティング膜に可視光が照射されると、銅二価イオンと塩素イオンの存在下で金属酸化物粒子の光触媒活性が発現することで、極めて高いアレルゲン不活性化作用が発現する。また、コーティング膜からの光触媒材料の脱落を防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可視光活性を有する光触媒材料を含有するコーティング材、このコーティング材を用いて形成したコーティング処理物、及びこのコーティング処理物に可視光を照射することで表面のアレルゲンを不活性化するアレルゲン不活性化方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ダニの排泄物、その死がい、及びスギ花粉などに含まれるアレルゲンが原因で引き起こされる喘息やアレルギーが問題となっている。アレルゲンとは、主として人の抗体と特異的に反応するタンパク質(糖タンパクを含む)をいう。このような問題に伴い、住環境の健康に及ぼす影響への関心が高まり、室内のアレルゲンへの対応も、インテリア・建材メーカーにとっての大きな課題となっている。
【0003】
室内のアレルゲンを含む物質への対応として、光触媒材料の利用が期待されている。光触媒材料は、エネルギー源として低コストかつ環境負荷が非常に小さい光を利用して、有機物や、窒素酸化物等の一部無機物を、酸化・分解する活性を発現することから、近年、環境浄化、脱臭、防汚、殺菌などの応用が進められており、アレルゲンを変性・分解して不活性化させることも期待できる。
【0004】
光触媒としては、紫外線照射下で活性を発現する酸化チタンなどが広く知られているが、住宅内部で機能を発現するには、可視光照射下で活性を発現する光触媒材料が必要であり、その研究・開発が進められている。
【0005】
例えば、特許文献1には、酸化チタン結晶の酸素サイトの一部を窒素原子で置換した可視光活性を有する光触媒材料が開示されている。
【0006】
この特許文献1で開示される光触媒材料は、酸化チタン結晶の酸素サイトの一部を窒素原子で置換することで、酸化チタンのバンドギャップ内に新たな孤立準位を形成することにより、可視光活性を発現させるようにしたものである。孤立準位に存在する電子は、孤立準位から伝導帯のエネルギーギャップ以上のエネルギーを有する光子が当たると、酸化チタンの伝導帯に励起され、一方、孤立準位には正孔が生成し、これにより活性が発現される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第3601532号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、酸化チタンのバンドギャップ内に上記のように形成された孤立準位は電位が小さく、可視光照射によって電子が励起した際に生成する正孔の酸化力は低いものであり、また孤立準位に生成した正孔は移動が制限されており、酸化対象となる基質との反応性は低い。このため、特許文献1で開示されている光触媒材料は、可視光活性を有するものの酸化分解活性が低いという問題があった。
【0009】
そのため、特許文献1で開示されている光触媒材料を用いて、室内のアレルゲンを不活性化させようと試みても、不十分な結果しか得られないものであった。
【0010】
本発明は上記事由に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、可視光の照射によって高いアレルゲン不活性化作用を示す可視光応答型光触媒コーティング材、この高いアレルゲン不活性化作用を利用したコーティング処理物、並びにこのコーティング処理物を利用したアレルゲン不活性化方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る可視光応答型光触媒コーティング材は、次の成分を含有することを特徴とする;価電子帯の電位が3V(vs.SHE,pH=0)以上である光半導体性を有する金属酸化物粒子の表面に銅二価塩が担持されてなる可視光活性を有する光触媒材料、シロキサン結合を有し或いは反応によりシロキサン結合を形成する成分を含むバインダー成分、及び塩素イオン化合物。
【0012】
可視光活性とは、可視光領域に含まれる波長400nm以上の光を受けて価電子帯中の電子の励起が生じる光半導体の特性をいう。
【0013】
このため、この可視光応答型光触媒コーティング材から形成されるコーティング膜に可視光が照射されると、銅二価イオンと塩素イオンの存在下で金属酸化物粒子の光触媒活性が発現することで、極めて高いアレルゲン不活性化作用が発現する。しかもコーティング膜中のバインダー成分に由来するシロキサン結合は結合エネルギーが高く、光触媒によるバインダー成分の分解を防ぐことができて、コーティング膜からの光触媒材料の脱落を防止することができる。
【0014】
本発明において、前記金属酸化物粒子が、二酸化チタン、三酸化タングステン及び金属イオンがドープされた二酸化チタンから選択される少なくとも一種の粒子を含むことが好ましい。
【0015】
この場合、コーティング膜に特に高いアレルゲン不活性化作用が発現する。
【0016】
本発明において、前記バインダー成分が、一般式Si(OR)(ただし、Rは同一または異種の炭素数1〜8の炭化水素基またはフェニル基)で表されるテトラアルコキシシランと、その部分加水分解縮重合物のうち、少なくとも一方を含むことが好ましい。
【0017】
この場合、前記のようなバインダー成分は親水性が高いことから、コーティング膜への水との親和性が高いアレルゲンの吸着が促進されて、アレルゲンの不活性化作用が更に促進される。
【0018】
また、本発明において、前記塩素イオン化合物が塩酸を含むことも好ましい。
【0019】
この場合、塩酸はバインダー成分の加水分解反応の触媒として作用することから、バインダー成分の硬化を促進して、コーティング膜の硬度と耐久性を向上させることができる。
【0020】
本発明に係るコーティング処理物は、前記可視光応答型光触媒コーティング材によるコーティング処理が施されていることを特徴とする。
【0021】
このコーティング処理物に可視光応答型光触媒を励起する波長を含んだ可視光を照射することで、表面のアレルゲンを不活性化させることができる。
【0022】
本発明に係るアレルゲン不活性化方法は、前記コーティング処理物のコーティング処理が施されている表面に可視光応答型光触媒を励起する波長を含む可視光を照射することで、前記表面上のアレルゲンを不活性化させることを特徴とする。
【0023】
これにより、コーティング処理物の表面のアレルゲンを不活性化させることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、可視光応答型光触媒コーティング材から形成されるコーティング膜に高いアレルゲン不活性作用を発揮させ、且つこのアレルゲン不活性化作用を長期に亘り維持させることができる。
【0025】
また、可視光応答型光触媒コーティング材によるコーティング処理がされたコーティング処理物の表面に高いアレルゲン不活性作用を発揮させ、且つこのアレルゲン不活性化作用を長期に亘り維持させることができる。
【0026】
また、このコーティング処理物を用い、このコーティング処理物の表面のアレルゲンを著しく不活性化させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
【0028】
可視光応答型光触媒コーティング材は、光触媒材料、バインダー成分及び塩素イオン化合物を含有する。
【0029】
光触媒材料は、価電子帯の電位が3V(vs.SHE,pH=0)以上である光半導体性を有する金属酸化物粒子の表面に銅二価塩が担持されてなる。価電子帯の電位が3V(vs.SHE,pH=0)以上である光半導体性を有する金属酸化物粒子は、銅二価塩が表面に担持された場合、その結晶の伝導帯と価電子帯との間のエネルギーギャップ、あるいは銅一価イオン銅二価イオンの酸化還元電位と価電子帯との間のエネルギーギャップよりも大きなエネルギーの光が照射された場合に、価電子帯中の電子の励起が生じて、伝導電子と正孔を生成しうる物質である。この金属酸化物粒子としては、可視光領域に含まれる波長400nm以上の光であっても価電子帯中の電子の励起が生じる物質であれば、特に限定されない。この金属酸化物粒子の具体例としては、ルチル型二酸化チタン(価電子帯の電位3V(vs.SHE,pH=0))、アナターゼ型二酸化チタン(価電子帯の電位3V(vs.SHE,pH=0))、三酸化タングステン(価電子帯の電位3.1〜3.2V(vs.SHE,pH=0))、セリウム等の金属イオンがドープされた二酸化チタン(セリウムがドープされた場合は価電子帯の電位3V(vs.SHE,pH=0))などが挙げられる。
【0030】
この金属酸化物粒子は微粒子状であることが好ましい。金属酸化物粒子の粒径は特に限定されないが、1μm以下であることが好ましく、500nm以下であれば更に好ましい。この粒径が小さいほど、金属酸化物粒子の光触媒活性を有する表面の面積が増大するため、アレルゲンの不活性化作用も増大する。粒径の下限値は特に限定されないが、通常、5nm程度である。
【0031】
金属酸化物粒子への銅二価塩の担持量は、金属酸化物粒子に対する銅二価塩中の銅元素の質量比率が、0.0001〜1%の範囲になるようにするのが望ましい。光触媒材料において、光励起を受けるのは金属酸化物粒子であるので、金属酸化物粒子の表面が銅二価塩で広く被覆されると、金属酸化物粒子への光照射が阻害され、光触媒活性が低下するおそれがある。さらに、銅二価塩は酸素の多電子還元触媒として作用するため、触媒活性を効率的に発現するためには凝集せずに高い分散性の微細粒子の形態で金属酸化物粒子に担持されていることが望ましい。このため、銅二価塩の担持量は、金属酸化物粒子に対する銅元素の質量比率が1%以下となるようにすることが好ましい。また逆に、銅二価塩の担持量が少なすぎると、多電子還元触媒としての働きが不十分となるため、金属酸化物粒子に対する銅元素の質量比率は0.0001%以上であることが好ましい。
【0032】
銅二価塩における陰イオンは水酸化物イオンであることが望ましい。銅二価塩の出発物質としては例えば塩化第二銅(CuCl・2HO)などが挙げられる。
【0033】
金属酸化物粒子の表面への銅二価塩の担持方法としては、特に限定されるものではないが、例えば水溶液含浸法などが挙げられる。この場合、銅二価塩は高分散の微細粒子として金属酸化物粒子の表面に担持されるとともに、陰イオンが水酸化物イオンとなる。Cu(II)は6配位の状態にあると推測され、銅二価塩は具体的には、金属酸化物粒子の酸素原子と結合している場合は、M−O−Cu(OH)・3HO、吸着されている場合は、Cu(OH)・4HOという状態であると推測される。
【0034】
バインダー成分は、可視光応答型光触媒コーティング材が乾燥、加熱等のプロセスを経る際に硬化することで、光触媒材料を脱落することなく保持し、アレルゲンの不活性化作用を持続させる。このバインダー成分は、シロキサン結合を有し或いは反応によりシロキサン結合を形成する成分を含む。シロキサン結合を有する成分としては、例えばアクリルシリコン樹脂、シリコーン組成物、あるいはこれらの部分加水縮重合物などが挙げられる。シロキサン結合は光触媒によって分解されないため、可視光応答型光触媒コーティング材から形成されたコーティング膜の耐久性を確保することができる。
【0035】
シロキサン結合を有し或いは反応によりシロキサン結合を形成する成分としては、特に一般式Si(OR)(ただし、Rは同一または異種の炭素数1〜8の炭化水素基またはフェニル基)で表されるテトラアルコキシシラン、あるいはその部分加水分解縮重合物が好ましい。この場合、可視光応答型光触媒コーティング材から形成されたコーティング膜への、水との親和性が高いアレルゲン性タンパク質の吸着が促進されて、アレルゲンの不活性化作用が促進される。
【0036】
この一般式Si(OR)で表されるシリコーン組成物としては、四つのRが独立に炭素数1〜8の炭化水素基またはフェニル基であること以外は特に限定されないが、特にテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラn−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラn−ブトキシシラン、テトライソブトキシシラン、テトラsec−ブトキシシラン及びテトラt−ブトキシシランが好適である。
【0037】
塩素イオン化合物は、後述するとおり、光触媒材料の光触媒活性が発現によるアレルゲン不活性化作用の向上に寄与する。塩素イオン化合物としては、特に限定されないが、特に塩酸が好ましい。塩酸はシロキサン結合を有する成分の加水分解反応の触媒として作用することから、バインダー成分の硬化を促進し、コーティング膜の硬さや耐久性を向上させることができる。また、加水分解反応の触媒として塩素イオン化合物以外の酸や塩基などを用いると共に、触媒とは別に塩化カリウム等の塩素イオン化合物を可視光応答型光触媒コーティング材に含有させてもよい。
【0038】
上記成分を含有する可視光応答型光触媒コーティング材を硬化成膜することにより、非常に高いアレルゲン不活性化作用を発揮するコーティング膜を形成することができる。すなわち、コーティング膜中の光触媒材料を構成する金属酸化物粒子の価電子帯の電位が3V(vs.SHE,pH=0)以上であることから、光触媒材料に光が照射された際に発生する正孔の酸化力が、アレルゲンを変性・分解して不活性化するために十分に高くなる。しかも、この金属酸化物粒子が可視光活性を有することから、アレルゲンの不活性化を特に必要とされる室内環境においても、蛍光灯などの可視光照射下において、アレルゲンの不活性化作用を発揮させることができる。
【0039】
更に、銅二価イオンと塩素イオンの存在下で光触媒材料の光触媒活性が発現すると、極めて高いアレルゲン不活性化作用が発揮されることが新たに見出された。すなわち、銅二価イオンおよび塩素イオンがアレルゲンと配位した状態で、光触媒材料の光触媒活性の発現による酸化作用が及ぼされると、アレルゲンが極めて速やかにアレルゲン性を失うことが明らかとなった。上記可視光応答型光触媒コーティング材は、この新たな知見を利用したものである。
【0040】
可視光応答型光触媒コーティング材中の光触媒材料、バインダー成分及び塩素イオン化合物の含有量は、可視光応答型光触媒コーティング材の使用の態様などに応じ、コーティング膜の成膜性、充分なアレルゲンの不活性化作用の発現などを考慮して適宜決定される。
【0041】
特に光触媒材料の含有量は可視光応答型光触媒コーティング材の固形分質量に対して30〜90質量%の範囲が好ましい。この含有量が30質量%未満であれば光触媒材料によるアレルゲンの不活性化作用が不十分になってしまう可能性があり、90質量%より多いと可視光応答型光触媒コーティング材から形成されるコーティング膜の硬度や耐久性が不十分になってしまう可能性がある
また、バインダー成分の含有量は可視光応答型光触媒コーティング材の固形分質量に対して10〜70質量%の範囲が好ましい。この含有量が10質量%未満であれば可視光応答型光触媒コーティング材から形成されるコーティング膜の硬度や耐久性が不十分になってしまう可能性があり、70質量%より多いとコーティング膜中で光触媒材料の表面がバインダー成分で覆い隠されてしまうことで光触媒材料によるアレルゲンの不活性化作用が不十分になってしまう可能性がある。特にバインダー成分のうちシロキサン結合を有し或いは反応によりシロキサン結合を形成する成分の含有量はバインダー成分の固形分質量に対して10〜100質量%の範囲が好ましい。この含有量が10質量%未満であれば可視光応答型光触媒コーティング材から形成されるコーティング膜中で光触媒の酸化分解作用によってバインダー成分が分解されることによりコーティング膜の耐久性が低下してしまうおそれがある。
【0042】
また、塩素イオン化合物の含有量は可視光応答型光触媒コーティング材の固形分質量に対して0.01〜1質量%の範囲が好ましい。この含有量が0.01質量%未満であればアレルゲンの不活性化作用が不十分になる可能性があり、1質量%より多いと可視光応答型光触媒コーティング材から形成されるコーティング膜の硬度や耐久性が不十分になってしまう可能性がある。
【0043】
また、可視光応答型光触媒コーティング材は、必要に応じ、良好な塗布性を確保するために適宜の溶媒を含有することが好ましい。溶媒として特に水を用いれば、可視光応答型光触媒コーティング材中のシロキサン結合を有する成分の硬化反応を促進することができる。尚、可視光応答型光触媒コーティング材に光触媒材料を配合する際に、光触媒材料の水分散液を使用する場合には、この水分散液中の水を、可視光応答型光触媒コーティング材中の溶媒の一部又は全部とすることができる。
【0044】
この可視光活性応答型光触媒コーティング材によって、適宜の被処理物の表面にコーティング処理を施すことで、コーティング処理物を得ることができる。このコーティング処理物は、その表面で優れたアレルゲン不活性化作用を発現し、特に吸入性アレルゲンと呼ばれる室内塵、フケ、花粉、真菌、昆虫などに含まれるアレルゲンの不活性化に有効である。
【0045】
被処理物としては特に限定されないが、例えばソファー、布団などの家具・寝具類、床材等の建材、壁紙、ぬいぐるみ、フィルター、カーペット、カーテン等の繊維・繊維製品類等が挙げられる。
【0046】
被処理物へのコーティング処理にあたっては、例えば被処理物の種類に応じてその表面に可視光活性応答型光触媒コーティング材を塗布或いは含浸した後、バインダー成分の組成や溶剤の有無などに応じて加熱するなど適宜の手法により硬化成膜して、コーティング膜を形成する。
【0047】
上記コーティング処理物を使用し、このコーティング処理物のコーティング処理が施されている表面に可視光応答型光触媒を励起する波長を含む可視光を照射することで、アレルゲンを不活性化させることができる。
【0048】
コーティング処理物を使用してアレルゲンを不活性化させる具体的な方法としては、アレルゲンが存在する空間内にコーティング処理物を配置すると共に、このコーティング処理物へ可視光を照射する方法が挙げられる。可視光の照射方法としては、コーティング処理物へ太陽光の照射、可視光を発する照明器具からのコーティング処理物にへの可視光の照射などが挙げられる。
【0049】
また、コーティング処理物がフィルターなどである場合に、このコーティング処理物と、コーティング処理物へ可視光を照射する照明装置と、コーティング処理物へ気流を送るファンなどの送風装置を備える空気清浄機を用いてもよい。この場合、空気清浄機をアレルゲンが存在する空間内に配置した状態で送風装置と照明装置とを作動させると、空間内の空気をコーティング処理物へ送りながらこの空気内のアレルゲンを不活性化させることができる。
【0050】
また、特にコーティング処理物が床材である場合には、床材が設置されている空間に浮遊するアレルゲンを含む物質が床材上へ落下した場合に、この床材上のコーティング膜へ可視光を照射することで、空間内のアレルゲンを不活性化させることができる。
【0051】
この床材は、そのコーティング処理が施される表面に凹凸を有することが好ましく、特にこのような凹凸により、この床材の表面上に直径10cmの球体を配置した場合に床材表面に前記球体と接触し得ない領域が形成され、且つこの領域の平面視投影面積が、床材の表面全体の平面視投影面積の10%以上となっていることが好ましい。アレルゲンを含む物質は、一般的に床面に沈着していることが多く、それが人の歩行等によって巻き上げられることにより空中に飛散し、それを呼吸に伴って吸引することで、アレルギー性の鼻炎や喘息等の症状が発現すると考えられる。床材の表面に前記のような凹凸を付与すると、床材の表面には人の歩行時に足裏と接触しにくい領域が多く形成され、この領域に沈着したアレルゲンを含む物質は人の歩行等によって巻き上げられにくくなる。このため、床材の表面に可視光を照射することで、床材の表面のコーティング膜によりアレルゲンが効率的に不活性化される。
【0052】
床の表面に凹凸を付与する方法は特に限定されないが、例えば床材に凹凸プレスを施すなどして床材表面に凹凸形状を転写すること、床材の表面を切削して凹凸を形成すること、繊維束などで床材の少なくとも表層を形成すること、床材をレンガ状やタイル状に形成することで凹部を形成することなどが挙げられる。
【実施例】
【0053】
本発明の具体的な実施例について説明する。尚、本発明は下記の実施例に限定されない。
【0054】
[実施例1]
WO粉末(平均粒径250nm、株式会社高純度化学研究所製)をフィルターに通して粒径1μm以上の粒子を除去した後、650℃で3時間焼成する前処理を行なうことによって、三酸化タングステン微粒子を得た。
【0055】
この三酸化タングステン微粒子を蒸留水中に、この蒸留水に対する割合が10質量%になるように加えて懸濁させた。この懸濁液にCu(NO・3HO(和光純薬工業株式会社製)を、銅イオンの三酸化タングステン微粒子に対する割合が0.1質量%になるように加え、攪拌しながら90℃に加熱して1時間保持した。次に、この懸濁液を吸引濾過した後に、残渣を蒸留水によって洗浄し、さらにこの残渣を110℃で加熱乾燥することによって、銅二価塩を担持した三酸化タングステン微粒子を得た。
【0056】
この銅二価塩担持三酸化タングステン微粒子を乳鉢にて粉末化した後、蒸留水へ、この蒸留水に対する割合が10質量%になるように加え、超音波分散により懸濁させた後、24時間静置した。この静置後の液から上澄みを採取することで、銅二価塩担持三酸化タングステン微粒子分散液を得た。この分散液の一部を加熱乾燥して分散液中の銅二価塩担持三酸化タングステン微粒子の含有量を確認したところ、3.6質量%であった。
【0057】
次に、反応容器中にテトラエトキシシラン(和光純薬工業株式会社製)を5質量部、イオン交換水を0.8質量部、濃度0.1mol/lのHCl水溶液0.07質量部、及びエタノール94.13質量部を混合し、16時間攪拌することで、テトラエトキシシランの部分加水分解縮重合物の溶液を得た。
【0058】
このテトラエトキシシランの部分加水分解縮重合物の溶液100質量部と、上記の銅二価塩担持三酸化タングステン微粒子分散液100質量部とを混合し、1時間攪拌することで、可視光応答型光触媒コーティング材を得た。
【0059】
この可視光応答型光触媒コーティング材を50mm角の清浄なガラス板上にスピンコートにより塗布し、塗膜を100℃で30分間加熱して乾燥・硬化させることで、評価サンプルである可視光応答型光触媒コーティング処理物を得た。
【0060】
[実施例2]
ルチル型二酸化チタン(テイカ株式会社製のMT−150A)を蒸留水中に、この蒸留水に対する割合が10質量%になるように加えて懸濁させた。この懸濁液にCu(NO・3HO(和光純薬工業株式会社製)を、銅イオンのルチル型二酸化チタンに対する割合が0.1質量%になるように加え、攪拌しながら90℃に加熱して1時間保持した。次に、この懸濁液を吸引濾過した後に、残渣を蒸留水によって洗浄し、さらにこの残渣を110℃で加熱乾燥することによって、銅二価塩を担持したルチル型二酸化チタン微粒子を得た。
【0061】
この銅二価塩担持ルチル型二酸化チタンを乳鉢にて粉末化した後、蒸留水へ、この蒸留水に対する割合が10質量%になるように加え、超音波分散により懸濁させた後、24時間静置した。この静置後の液から上澄みを採取することで、銅二価塩担持ルチル型二酸化チタン微粒子分散液を得た。この分散液の一部を加熱乾燥して分散液中の銅二価塩担持ルチル型二酸化チタン微粒子の含有量を確認したところ、6.1質量%であった。
【0062】
次に、反応容器中にテトラエトキシシラン(和光純薬工業株式会社製)5質量部、イオン交換水0.8質量部、濃度0.1mol/lのHCl水溶液0.07質量部、及びエタノール94.13質量部を混合し、16時間攪拌することで、テトラエトキシシランの部分加水分解縮重合物の溶液を得た。
【0063】
このテトラエトキシシランの部分加水分解縮重合物の溶液100質量部と、上記の銅二価塩担持ルチル型二酸化チタン微粒子分散液100質量部とを混合し、1時間攪拌することで、可視光応答型光触媒コーティング材を得た。
【0064】
この可視光応答型光触媒コーティング材を50mm角の清浄なガラス板上にスピンコートにより塗布し、塗膜を100℃で30分間加熱して乾燥・硬化させることで、評価サンプルである可視光応答型光触媒コーティング処理物を得た。
【0065】
[実施例3]
実施例1において、テトラエトキシシランの部分加水分解縮重合物を得る際に、濃度0.1mol/lのHCl水溶液0.07質量部に代えて、濃度0.1mol/lのHNO水溶液0.07質量部を用い、可視光応答型光触媒コーティング材を得る際に塩化カリウム0.0005質量部を加えた。それ以外は実施例1と同じ方法により、可視光応答型光触媒コーティング材、及び評価サンプルである可視光応答型光触媒コーティング処理物を得た。
【0066】
[実施例4]
実施例1の場合と同じ方法で、銅二価塩担持三酸化タングステン微粒子分散液を得た。
【0067】
次に、反応容器中にメチルトリメトキシシラン(和光純薬工業株式会社製)を5質量部、イオン交換水を1質量部、濃度0.1mol/lのHCl水溶液0.07質量部、及びエタノール93.93質量部を混合し、16時間攪拌してメチルトリメトキシシランの部分加水分解縮重合物の溶液を得た。
【0068】
このメチルトリメトキシシランの部分加水分解縮重合物の溶液100質量部と、上記銅二価塩担持三酸化タングステン微粒子分散液100質量部とを混合し、1時間攪拌して、可視光応答型光触媒コーティング材を得た。
【0069】
この可視光応答型光触媒コーティング材を50mm角の清浄なガラス板上にスピンコートにより塗布し、塗膜を100℃で30分間加熱して乾燥・硬化させることで、評価サンプルである可視光応答型光触媒コーティング処理物を得た。
【0070】
[比較例1]
アナターゼ型二酸化チタン(石原産業株式会社製のST−01)をアンモニア気流中(1SCCM)、550℃で3時間アニールすることによって、3V(vs.SHE,pH=0)未満の電位に孤立準位を有する窒素ドープ二酸化チタン微粒子を得た。
【0071】
この窒素ドープ二酸化チタン微粒子を蒸留水へ、この蒸留水に対する割合が10質量%になるように加え、超音波分散により懸濁させた後、24時間静置した。この静置後の液から上澄みを採取することで、窒素ドープ二酸化チタン微粒子分散液を得た。この分散液の一部を加熱乾燥して分散液中の窒素ドープ二酸化チタン微粒子の含有量を確認したところ、2.5質量%であった。
【0072】
次に、反応容器中にテトラエトキシシラン(和光純薬工業株式会社製)を5質量部、イオン交換水を0.8質量部、濃度0.1mol/lのHCl水溶液0.07質量部、及びエタノール94.13質量部を混合し、16時間攪拌することで、テトラエトキシシランの部分加水分解縮重合物の溶液を得た。
【0073】
このテトラエトキシシランの部分加水分解縮重合物の溶液100質量部と、上記窒素ドープ二酸化チタン微粒子分散液150質量部とを混合し、1時間攪拌して、可視光応答型光触媒コーティング材を得た。
【0074】
この可視光応答型光触媒コーティング材を50mm角の清浄なガラス板上にスピンコートにより塗布し、塗膜を100℃で30分間加熱して乾燥・硬化させることで、評価サンプルである可視光応答型光触媒コーティング処理物を得た。
【0075】
[比較例2]
比較例1の場合と同じ方法で得られた窒素ドープ二酸化チタン微粒子を蒸留水中に、この蒸留水に対する割合が10質量%になるように加えて懸濁させた。この懸濁液にCu(NO・3HO(和光純薬工業株式会社製)を、銅イオンの窒素ドープ二酸化チタン微粒子に対する割合が0.1質量%になるように加え、攪拌しながら90℃に加熱して1時間保持した。次に、この懸濁液を吸引濾過した後に、残渣を蒸留水によって洗浄し、さらにこの残渣を110℃で加熱乾燥することによって、銅二価塩を担持した窒素ドープ二酸化チタン微粒子を得た。
【0076】
この窒素ドープ二酸化チタン微粒子を乳鉢にて粉末化した後、蒸留水へ、この蒸留水に対する割合が10質量%になるように加え、超音波分散により懸濁させた後、24時間静置した。この静置後の液から上澄みを採取することで、銅二価塩担持窒素ドープ二酸化チタン微粒子分散液を得た。この分散液の一部を加熱乾燥して分散液中の銅二価塩担持窒素ドープ二酸化チタン微粒子の含有量を確認したところ、2.5質量%であった。
【0077】
次に、反応容器中にテトラエトキシシラン(和光純薬工業株式会社製)5質量部、イオン交換水0.8質量部、濃度0.1mol/lのHCl水溶液0.07質量部、及びエタノール94.13質量部を混合し、16時間攪拌することで、テトラエトキシシランの部分加水分解縮重合物の溶液を得た。
【0078】
このテトラエトキシシランの部分加水分解縮重合物の溶液100質量部と、上記の銅二価塩担持窒素ドープ二酸化チタン微粒子分散液100質量部とを混合し、1時間攪拌することで、可視光応答型光触媒コーティング材を得た。
【0079】
この可視光応答型光触媒コーティング材を50mm角の清浄なガラス板上にスピンコートにより塗布し、塗膜を100℃で30分間加熱して乾燥・硬化させることで、評価サンプルである可視光応答型光触媒コーティング処理物を得た。
【0080】
[比較例3]
反応容器中にテトラエトキシシラン(和光純薬工業株式会社製)を5質量部、イオン交換水を0.8質量部、濃度0.1mol/lのHCl水溶液0.07質量部、及びエタノール94.13質量部を混合し、16時間攪拌することで、テトラエトキシシランの部分加水分解縮重合物の溶液を得た。
【0081】
このテトラエトキシシランの部分加水分解縮重合物の溶液100質量部と、アナターゼ型二酸化チタン水分散液(石原産業株式会社製のSTS−01:二酸化チタンの含有量30質量%)10質量部と、塩化銅二水和物0.001質量部とを混合し、1時間攪拌して、紫外光応答型光触媒コーティング材を得た。
【0082】
この紫外光応答型光触媒コーティング材を50mm角の清浄なガラス板上にスピンコートにより塗布し、塗膜を100℃で30分間加熱して乾燥・硬化させることで、評価サンプルである紫外光応答型光触媒コーティング処理物を得た。
【0083】
[比較例4]
WO粉末(平均粒径250nm、株式会社高純度化学研究所製)をフィルターに通して粒径1μm以上の粒子を除去した後、650℃で3時間焼成する前処理を行なうことによって、三酸化タングステン微粒子を得た。
【0084】
この三酸化タングステン微粒子を蒸留水中に、この蒸留水に対する割合が10質量%になるように加え、超音波分散により懸濁させた後、24時間静置した。この静置後の液から上澄みを採取することで、三酸化タングステン微粒子分散液を得た。この分散液の一部を加熱乾燥して分散液中の三酸化タングステン微粒子の含有量を確認したところ、3.8質量%であった。
【0085】
次に、反応容器中にテトラエトキシシラン(和光純薬工業株式会社製)を5質量部、イオン交換水を0.8質量部、濃度0.1mol/lのHCl水溶液0.07質量部、及びエタノール94.13質量部を混合し、16時間攪拌することで、テトラエトキシシランの部分加水分解縮重合物の溶液を得た。
【0086】
このテトラエトキシシランの部分加水分解縮重合物の溶液100質量部と、上記の三酸化タングステン微粒子分散液100質量部とを混合し、1時間攪拌することで、可視光応答型光触媒コーティング材を得た。
【0087】
この可視光応答型光触媒コーティング材を50mm角の清浄なガラス板上にスピンコートにより塗布し、塗膜を100℃で30分間加熱して乾燥・硬化させることで、評価サンプルである可視光応答型光触媒コーティング処理物を得た。
【0088】
[比較例5]
実施例1において、テトラエトキシシランの部分加水分解縮重合物を得る際に、濃度0.1mol/lのHCl水溶液0.07質量部に代えて、濃度0.1mol/lのHNO水溶液0.07質量部を用いた。それ以外は実施例1と同じ方法により、可視光応答型光触媒コーティング材、及び評価サンプルである可視光応答型光触媒コーティング処理物を得た。
【0089】
[比較例6]
実施例1と同様にして、銅二価塩担持三酸化タングステン微粒子分散液を得た。
【0090】
この銅二価塩担持三酸化タングステン微粒子分散液100質量部と、アクリルエマルション塗料(DIC株式会社製のボンコートVF−1060)2質量部と、塩化カリウム0.0005質量部とを混合し、1時間攪拌して、可視光応答型光触媒コーティング材を得た。
【0091】
この可視光応答型光触媒コーティング材を50mm角の清浄なガラス板上にスプレー塗装し、塗膜を100℃で30分間加熱して乾燥・硬化させることで、評価サンプルである可視光応答型光触媒コーティング処理物を得た。
【0092】
[性能評価]
上記各実施例及び比較例で得られた評価サンプルについて、各種の性能評価を行った。以下に詳細を示す。
【0093】
(前処理)
まず、前処理として、評価サンプルをバックサイズ3Lのテドラーバックの中に適当量の純空気と共に封入後、ブラックライト(Handy UV Lamp LUV−16 AS ONE製)から紫外線光を、評価サンプル表面の紫外線放射照度が1mW/cmとなるように24時間照射した。この評価サンプルを以下の評価試験に供した。
【0094】
(アレルゲン不活性化試験)
アレルゲン(アサヒビール製の精製ダニ抗原Derf 1)を緩衝液(タカラバイオ製の生化学用緩衝液20X PBS Tween-20 Bufferを超純水で20倍に希釈したもの)に加えて濃度33.3ng/Lのアレルゲン液を調製し、このアレルゲン液0.4mlを評価用サンプル上に滴下した後、この評価用サンプルを40mm角のフィルムで被覆した。
【0095】
続いて、白色蛍光灯から400nm以下の波長をカットする紫外線カットフィルターを通して可視光を、評価サンプル表面の照度が2000lxとなるように24時間照射した。
【0096】
その後、フィルム内からアレルゲン液を回収し、このアレルゲン液中のアレルゲン濃度を酵素免疫定量法(ELISA法)により定量し、アレルゲン液中のアレルゲン濃度変化を百分率で算出して、アレルゲンの不活性化の度合いを評価した。
【0097】
(鉛筆硬度試験)
JISK5600−5−4に従う鉛筆法により、評価サンプル表面のコーティング膜の硬度を測定した。
【0098】
(促進耐候性試験)
JISK5600−7−7に従う促進耐候性(キセノンランプ法)により、評価サンプル表面のコーティング膜の耐候性を評価した。なお、室内で使用される条件を想定して、試験板の湿潤を行わないサイクルC試験を行った。50時間の連続暴露試験後に評価サンプルの外観を目視にて観察し、以下の基準に基づいてコーティング膜の耐候性を評価した。
○:耐候性試験前と外観に変化なし。
×:耐候性試験前と外観に明らかに変化あり。
【0099】
以上の評価結果を表1に示す。
【0100】
【表1】

【0101】
表1に示されるように、実施例1〜4では、比較例1〜6に対して、非常に高い性能を有していることが確認された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分を含有することを特徴とする可視光応答型光触媒コーティング材;
価電子帯の電位が3V(vs.SHE,pH=0)以上である光半導体性を有する金属酸化物粒子の表面に銅二価塩が担持されてなる可視光活性を有する光触媒材料、
シロキサン結合を有し或いは反応によりシロキサン結合を形成する成分を含むバインダー成分、及び
塩素イオン化合物。
【請求項2】
請求項1において、前記金属酸化物粒子が、二酸化チタン、三酸化タングステン及び金属イオンがドープされた二酸化チタンから選択される少なくとも一種の粒子を含む可視光応答型光触媒コーティング材。
【請求項3】
請求項1又は2において、前記バインダー成分が、一般式Si(OR)(ただし、Rは同一または異種の炭素数1〜8の炭化水素基またはフェニル基)で表されるテトラアルコキシシランと、その部分加水分解縮重合物のうち、少なくとも一方を含む可視光応答型光触媒コーティング材。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項において、前記塩素イオン化合物が塩酸を含む可視光応答型光触媒コーティング材。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の可視光応答型光触媒コーティング材によるコーティング処理が施されていることを特徴とするコーティング処理物。
【請求項6】
請求項5に記載のコーティング処理物のコーティング処理が施されている表面に可視光応答型光触媒を励起する波長を含む可視光を照射することで、前記表面上のアレルゲンを不活性化させることを特徴とするアレルゲン不活性化方法。

【公開番号】特開2011−111600(P2011−111600A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−272342(P2009−272342)
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成19年度、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構、「循環社会構築型光触媒産業創成プロジェクト」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【出願人】(504137912)国立大学法人 東京大学 (1,942)
【Fターム(参考)】