説明

可調節型の流体噴霧装置

【課題】
【解決手段】最終ユーザが装置から発する噴霧の方向を調節することを可能にする流体噴霧装置である。1つの好ましい実施の形態において、この装置は、(a)基部12であって、該基部から伸びる複数の突起26を有する頂面14を備え、該複数の突起は、パワーノズル4dを有する流体回路の内部の幾何学的形態と、パワーノズルの下流に配置された相互作用領域4jとを提供し得るような形態とされ且つ隔たれた上記基部12と、(b)前側面40及び後側面38を有する外面34と、これらの面を接続し、球形の曲率を有する部分32を有する中間の境界面31と、これらの面の間を伸びる通路36と、その後側部分36dが上記基部12の挿入を受容し得る形態とされたキャビティを画成し、その前側部分36cは流体回路に対する喉部4kを形成するような形態とされた二次的ハウジング30と、(c)内側境界面64を有するキャビティ60への開口部58を含む前側面56を有する外面と、その一部分62が二次的ハウジングの球形部分32を曲率と同等の球形の曲率を有し、その接続面32、62が噴霧の方向を調節することを許容するボール・アンド・ソケット型接続部を提供するような態様にて二次的ハウジング30を受容する形態とされた主ハウジング50とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体の取り扱い方法及び装置に関する。より具体的には、本発明は、流体発振装置からの流体の流れを分配する新規な方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
シャワー、蛇口、ワールプール、スプリンクラー、自動車のフロントガラス、ヘッドランプ及び後窓ガラスのクリーニング装置、手持ち型トリガー噴霧器及び色々な工業用過程等にて使用される色々な型式の噴霧装置が多数の設計及び形態にて商業的に利用可能である。
【0003】
これらの噴霧装置の多くは、規定できる特徴(例えば、噴霧の体積流量、噴霧のカバー面積、噴霧の流れ方向に対して垂直な平面内での噴霧液滴の空間的分布、噴霧液滴の平均速度、噴霧液滴の平均寸法、及び噴霧液滴が噴霧の経路内にて障害物と衝突するの頻度)の特定の型式を有する液体噴霧装置を提供する能力を備えるよう設計され且つ販売されている。
【0004】
固定のジェットを有する静止型噴霧装置は、全ての噴霧装置のうちで最も簡単なものであり、実質的に、液体室と、一定の噴霧パターンを発生させるよう向き決めされた1つ又はより多くのジェットとを備えている。調節可能なジェットを有する静止型噴霧装置は、典型的に、同様の構造であるが、相違点は、噴霧の性質(例えば、噴霧のカバー面積、噴霧液滴の速度、噴霧液滴の寸法)を変化させ得るよう、ジェットが出るときに通る喉部形態が多少調節可能であるようにする点である。
【0005】
噴霧液滴のより広い分布パターン、特に、広いカバー面積を得るため、色々な非静止型の噴霧装置が使用されている。米国特許明細書(USPN)3,791,584号(ドュルー(Drew)その他の者)、USPN4,944,457号(ブルウェル(Brewer))、USPN5,577,664号(ヘイツマン(Heitzman))、USPN6,360,965号(クリアマン(Clearman))を参照。
【0006】
USPN4,944,457号には、ノズルの発振動作を発生させるギアボックス組立体に取り付けられた翼車を使用する発振型噴霧装置又は噴霧ヘッドが開示されている。図1参照。
【0007】
USPN5,577,664号には、タービンホイールによって駆動される回転弁部材と、ハウジングを通る流量を高流量と低流量との間にて周期的に変化させる歯車レデューサとを有し、噴霧液滴がより広い面積に亙って分配されるようにする噴霧ヘッドが開示されている。更に、この噴霧ヘッドのタービンホイールは、噴霧液滴が噴霧経路内にて障害物に衝突する頻度を制御するため使用し、これにより、この現象を使用して噴霧からの流れがマッサージ目的のため脈動する作用を呈するようにすることができる。図2(a)及び図2(b)を参照。
【0008】
USPN3,691,584号には、半径方向に配備されたスロットを通ってステムの回りの室に入る水によって加えられた力の下、回転し且つ回動するステムに取り付けられたノズルが開示されている。この型式のノズルは、また部片の間にて精密な寸法及び多数の接続部を必要とする多数の部片を含んでおり、また、水の排出路として小さい開口部を利用する。3つの開口部は、無機物の蓄積及び詰まりが生じ易い。図3を参照。
【0009】
USPN6,360,965号には、噴霧ヘッドが開示されており、前記噴霧ヘッドは、かかる噴霧ヘッドのノズル組立体を揺動させる手段を利用することにより、その液滴をより広い面積に亙って反復的に分配する。図4を参照。
【0010】
かかる噴霧装置内の色々な形態の機械部品を使用してこれら部品からの流れを変化させることに加えて、当該技術にていわゆる「流体発振装置」又は「流体インサート」を使用して広範囲の噴霧液滴の分布を提供することが可能であることも周知である。かかる流体型装置は、特殊な構造の「流体回路」又は「流体経路」を採用してこれらの装置が噴霧する液体を周期的に偏向させる。これらの流体型装置は、可動部品が無く、また、その流路は上述した典型的な機械的噴霧装置における開口部のように小さくない点にて信頼性の観点から特筆する価値がある。
【0011】
USPN4,052,002号(ストウファー(Stouffer)及びブレイ(Bray))の図5及びUSPN4,151,955号(ストウファー)からの図6には、色々な型式の流体発振装置にて実現可能である流れパターンの幾つかが実証されている。
【0012】
図5及び図6の流体発振装置は、典型的な態様にて示されている、すなわちその頂面図又は底面図に幾つかの形態のみが示されている。それは、その流体通路又は流体回路の内部の幾何学的形態を示すのに、これらの図面にて十分である、実質的に二次元的装置であると想定されるからである。かかる流体回路の共通の作用部は、(a)流体源入口と、(b)圧力下にてインサートを通って流れる流体の動きを加速する形態とされた少なくとも1つのパワーノズルと、(c)流体源入口及びパワーノズルを接続する流体経路と、(d)パワーノズルの下流にあり、流体が通って流れ、また、その内部にて流体の流れ現象が開始され、これにより、最終的に、インサーとからの流れが発振する性質となるようにする相互作用室、(e)流体がインサートから出るときに通る流体出口又は喉部とを含む。
【0013】
流体発振装置及び流体回路の例は、次のものを含む、多くの特許にて見ることができる。すなわち、USPN3,185,166号(ホートンアンドボウレス(Horton&Bowls))、3,563,462号(バウエル(Bauer))、4,052,002号(ストウファーアンドブレイ)、4,151,955号(ストウファー)、4,157,161号(バウエル)、RE33,158号として再発行された4,231,519号(ストウファー)、4,508,267号(ストウファー)、5,035,361号(ストウファー)、5,213,269号(スリナス(Srinath))、5,971,301号(ストウファー)、6,186,409号(スリナス)及び6,253,782号(ラグー(Raghu))である。
【0014】
かかる流体発振装置は、自動車の業界にて広く受け入れられている。図7には、フロントガラスに噴霧するため自動車のフード内に取り付けられた典型的な流体噴霧装置の一例が示されている。この流体噴霧装置は、特殊な形態のキャビティを有するハウジングから成っており、このキャビティ内に流体発振装置又はインサートが装着される。このインサートは、典型的にプラスチックにて成形され又は製造されて、その底部の外面内に組み込まれた流体回路を有する部材から成っている。加圧した液体がこのハウジングの底部に入り、また、流体インサートの底部の上流端の入口オリフィス内に上方に流れる。次に、この流体は、インサートの流体回路を通って流れ且つ回路の出口から噴霧される。これらの噴霧は、一部分、水平方向ファン角度φ、垂直方向噴霧角度γ、及び拡がり角度θ、又はこれらの噴霧が発生させる「厚さ」を特徴とすると見なすことができる。図8(a)及び図8(b)を参照。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
自動車に適用されるかかる流体噴霧装置は、広範囲な業界の研究対象でる。この研究は、(a)その噴霧が所望のフロントガラスのターゲット領域をより完全に湿らせることができるようにこれらの装置からの噴霧を一層よく向ける方法、(b)特に、より低温の作動温度の場合、装置が作動しなければならない環境条件の範囲に亙ってその性能を最適化する方法、(c)インサートの外側境界とその内部にインサートが圧入されるキャビティの内側境界との間の密封しなればならない相対的に広い表面積に一部分起因する漏洩又は偽噴霧(すなわち、「ストリーマ流れ(streamer)」)がインサートの前端縁に現れるのを解消する方法に重点を置くことがしばしばである。
【0016】
例えば、より大きい噴霧の拡がり(すなわち、かかるノズルがフロントガラスにより近い位置に取り付けられ又はフロントガラスの高さがより高いようなときの大きい拡がり角度θ)を必要とする適用例の場合、拡がり又は垂直方向内角度4ないし6°を実現し得るよう、これら回路の床に「逆」テーパーを付けることが可能であることが分かった。かかる「逆」テーパーの流体回路の開示について、USPN5,749,525号を参照。
【0017】
その他の特殊な設計の流体回路は、かかる噴霧装置の水平方向中心線を一側部から反対側部に変位させ、これにより、噴霧の方向を効果的に「偏揺れ」させる能力を備えている。かかる「偏揺れ型」流体回路の開示について、USPN6,240,945号を参照。
【0018】
米国特許出願公告(USPAP)明細書20030234303号には、かかる流体インサートがその頂面及び底面の双方に成形された異なる流体回路を有し、底部流体回路から発する底部噴霧よりも狭小なファン角度を有する頂部噴霧を発生させるようにかかる流体インサート(本明細書にて「二重噴霧」インサートと称する)を設計する方法が開示されている。かかる噴霧の組み合わせは、一部の適用例において、ターゲット領域をより効果的に湿らせることを許容することが証明されている。図示した二重噴霧流体インサートは、その底面に成形され、「茸型」流体回路又は発振装置と称される、流体回路を有しており、また、USPN6,253,782号に開示された、図9(a)ないし図9(c)を参照。
【0019】
更に、厳密な幾何学的パラメータを遵守しつつ、かかる自動車用の噴霧装置を一層改良する努力が為されることがしばしばある。例えば、かかる噴霧を自動車のフードの何処に配置するか、また、かかる噴霧装置の許容可能な寸法上の制約は何かに関する決定は、フードの美観すなわち外観的考慮によって極めて影響を受けることがしばしばである。これらの設計上のパラメータは、かかる自動車用の噴霧装置の性能を改良するという課題をしばしば複雑にすることがある。
【0020】
流体回路の設計における多くの進歩にも拘らず、一部の自動車への用途は、依然として、自動車用噴霧装置に対して独創的な表面湿潤化効果を実現するという課題及び問題点を呈する。改良された自動車用の噴霧装置を開発することは、常に必要とされている。
【0021】
本発明の内容を一層良く理解し且つ了知し得るようにするため、本発明に関係する先行技術についてかなり広く上記に概説した。この点に関して、本発明の目的及び有利な効果を考慮することも望ましい。
【0022】
本発明の1つの目的は、流体噴霧装置の表面湿潤化の必要条件を取り扱う一層優れた自由度を提供する、かかる可調節型流体噴霧装置を提供することである。
本発明の1つの目的は、かかる装置の表面湿潤化の必要条件を取り扱う一層の自由度を提供しつつ、かかる装置に対して確立された寸法上の制限基準に適合することができる可調節型流体噴霧装置を提供することである。
【0023】
本発明の別の目的は、かかる装置に伴うであろう流体の漏洩の問題点の程度に悪影響を与えることなく、かかる装置の表面湿潤化の必要条件を取り扱う一層大きい自由度を提供することのできる流体噴霧装置を提供することである。
【0024】
本発明の更に別の目的は、製造が容易であり且つ、その必要とされるハウジングに容易に取り付けられる改良された流体噴霧装置を提供することである。
本発明の更に別の目的は、自動車のフロントガラス、ヘッドランプ及び後部ガラス表面を洗浄するためクリーニング流体を均一に分配するのに特に良好に適したかかる改良された流体噴霧装置を提供することである。
【0025】
本発明の1つの目的は、現在の流体ノズルからの噴霧が高速度にて走行する車のフード及び側部を拭き払うという問題点を解消するのを助ける改良された流体噴霧装置を提供することである。
【0026】
本発明の上記及びその他の目的並びに有利な点は、要約書、図面及び以下の詳細な説明を参照することにより本発明が一層良く理解されるのに伴い、容易に明らかになるであろう。
【0027】
自動車用噴霧装置に伴う独特の表面湿潤化の課題及び問題点を一層良く取り扱うことのできる、改良された流体噴霧装置の開発が必要とされることを認識して、本発明は、全体として、上述した必要性を満足させ且つ先行技術の装置及び方法にて指摘された不利益な点を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0028】
本発明に従い、第一の好ましい実施の形態において、次の要素、すなわち、(a)頂面、底面、前側面、後側面、右側部及び左側部を含む境界面を有する基部と、(b)その頂面及び底面から成るグループから選ばれた基部境界面から伸びる複数の突起とを備え、これらの突起は、フィルタポスト、フィルタポストの下流に配置されたパワーノズル、パワーノズルの下流に配置された相互作用領域を有する流体回路の内部の幾何学的形態を提供し得るような形態とされ且つ隔てられた、流体噴霧装置を提供することにより、上記の必要性を満足させることが可能である。
【0029】
第二の好ましい実施の形態に従い、この装置は、前側面及び後側面を有する外面と、これらの面を接続する中間境界面と、面の間を伸びる内壁を有する通路とを備え、この通路が画成可能な前側部分及び後側部分を有する二次的ハウジングを更に備えている。通路の後側部分がハウジングの後側面と交差することは、通路の後側部分の内壁により形成されたキャビティに対する開口部を形成することになる。更に、中間の外側境界面の一部分は、球形の曲率を有しており、また、通路の前側部分は喉部を形成する形態とされており、この喉部がハウジングの前側面と交差することは、装置から流れる噴霧が出るときに通る出口を形成することになる。
【0030】
第三の好ましい実施の形態において、この装置は、前側面を有する外面を備える主ハウジングを更に備えており、この前側面は、主ハウジング内に伸びる境界面を有するキャビティへの開口部を含む。このキャビティの境界面の一部分は、二次的ハウジングの球形の部分と同等の球形の曲率を有しており、このキャビティは、二次的ハウジングをこのキャビティ内に受容し得るように更なる形態とされており、この受容は、その隣接する面がボール・アンド・ソケット型接続部を提供するようなものであり、このボール・アンド・ソケット型接続部は、最終ユーザがこの装置から発する噴霧に対する複数の方向の向きを設定することを許容する。
【0031】
このように、以下の詳細な説明が一層良く理解され且つ了知されるようにするため、本発明をかなり広く上記に概説した。勿論、以下に説明し、また、本発明の特許請求の範囲の主題事項を形成する本発明の追加的な特徴が存在する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
本発明の少なくとも1つの実施の形態を詳細に説明する前に、本発明は、以下の説明に記載し又は図面に示した構造の詳細及び構成要素の配置にのみその適用が限定されるものではないことを理解すべきである。本発明は、その他の実施の形態が可能であり、また、色々な仕方にて実施し且つ実行することができる。また、本明細書にて使用した表現及び術語は、単に説明の目的のためであり、限定的なものと見なすべきではないことを理解すべきである。
【0033】
当該発明者達は、美観上要求される寸法及び形態の条件に加えて、かかる噴霧装置から流れる噴霧の表面湿潤特性に関してしばしば極めて厳しい条件が要求される、自動車の適用例に対する噴霧装置を提供するときに遭遇するような厳密な寸法及び形態上の必要条件を遵守しなければならない流体発振装置の性能を改良する独特な方法及び手段を開発するに到った。
【0034】
自動車のフロントガラスの用途にて使用される流体発振装置又はインサートを開発し且つ製造するときに遭遇する共通の問題点は、所望の噴霧特徴(例えば、400ml/分の流量及び62.055kPa(9psig)の作動圧力にて、噴霧装置の正面から約25cmに配置され、約80cmの幅を有するターゲット領域をターゲット領域の噴霧液滴にて、均一にカバーすること)を提供することができ、また、極く制限された幅(例えば、典型的な許容可能な幅は8ないし9mm程度)を有するよう規制された流体インサートの頂面及び底面に装着することのできる、流体回路を設計することである。
【0035】
かかるインサートは、典型的に、プラスチックの射出成形方法によって製造されているため、かかる製造方法を知る当業者は、かかる方法はかかるインサートの形態に更なる制約を課すことが理解されよう。例えば、図9(a)及び図9(b)に示したような、8mm幅の流体インサートは、その頂面又は底面に流体回路を受容する約6mm幅のスペースしか無く、それは、かかる部片の肉厚は、典型的に約1mm以上でなければならないからである。
【0036】
図10(a)ないし図10(c)には、本発明の1つの好ましい実施の形態2の斜視図、正面図及び側面断面図がそれぞれ示されている。この実施の形態を構成する3つの構成要素は、図11(a)、図12(a)及び図13(a)の斜視図に示されている。
【0037】
これらのものの第一のものは、この場合、USPN6,253,782号に開示された流体回路の幾何学的形態に従った形態とされた頂面14を有する流体装置10である(本出願の「関連技術」部分にて上記に説明した流体回路の多くは、この装置の頂面の形態を形成するときの指針としてのみ作用することを認識すべきである。)。
【0038】
これら構成要素の第二のものは、この場合、球又はボールの形状にて形態を形成されたその外面34の一部分32を有する二次的ハウジング30である。該二次的ハウジングは、その後側面38からその前側面40まで伸びる通路36も有している。
【0039】
これらの構成要素の第三のものは、その後面54からその前側面56まで空気力学的に流線形とされた頂部外面52を有する主ハウジング50である。この前側面は、このハウジング50の本体内に伸びるキャビティ60への開口部58を有している。このキャビティの内面64の一部分62は、ソケットを形成し、このキャビティが二次的ハウジング30のボール形状部分32を受容することができるような形態とされている。オリフィス66がこのキャビティの底部から伸びて液体がこのハウジング内に流れるのを許容する。
【0040】
断面図10(c)には、(a)二次的ハウジングの通路36がその後側面38と交差することにより形成される後側開口部36df内に最初に、流体装置の前側面18を装着し、(b)次に、その後側面が最初に主ハウジングのキャビティ60内に入るように向き決めされた状態で、このハウジング30を圧入することにより、これらの構成要素を組み立てることが示されている。
【0041】
二次的ハウジングの後側面及び主ハウジングのキャビティの選んだ部分は、ボール・アンド・ソケットの関係にて嵌まるような形態とされているため、この二次的ハウジングは、主ハウジングのキャビティ内にて回転させ、二次的ハウジングの前側面40にねらいを定め、これにより、噴霧がこのハウジングから発する方向をねらい定めることを許容することが可能であることが理解できる。このように、この実施の形態は、現在、市場にあるあらゆるその他の自動車用の噴霧装置よりも噴霧の方向を向き決めするときの遥かに大きい調節可能性を提供することが理解される。
【0042】
流体装置10は、頂面14、底面16、前側面18、後側面20、右側部22及び左側部24を含む境界面を有する基部12から成っている。その頂面は、突起26を有しており、該突起の高さ及び形状は、図9(a)に示したUSPN6,253,782号の流体回路に従ったパターンとされる、側部無し流体回路として示した内部構成要素を構成するという必要条件によって決まる。
【0043】
USPN6,253,782号の回路は、流体源入口4aと、より小さい下流オリフィス又は流路を詰まらせるであろう回路内を流れる流体内の任意の大きい寸法の塵埃粒子を捕捉する機能を果たす5つのフィルタポスト4bと、回路の右側側壁4hからその左側壁4iまでのほぼ全体の経路を亙って伸びる多少流線形状の障壁4gの端縁4e、4fに形成された2つのパワーノズル4c、4dと、パワーノズルの下流にある相互作用室4jであって、その内部を液体が流れ、流体の流れ現象が開始されて、最終的に発振する性質のインサートからの流れになる上記相互作用室4jと、流体がこの回路から出るときに通る流体出口4k又は喉部という共通の特徴を有することが理解される。
【0044】
この回路の側部無しの形態を構成する頂面突起26は、図11(a)及び図11(b)にて図示され、フィルタポスト26aと、頂面の右側部22と左側部24との間の幅のほぼ全体に亙って伸びており、また、その端縁26c、26dが2つのパワーノズル26e、26fの内側部分を形成する作用を果たす流線形の障壁26bとであり、該障壁の外側部分は、側部22、24に近接する位置に配置された2つのノズル形成ポスト26g、26hと、側部22、24に近接して配置された2つの上流の障壁ポスト26i、26jとにより形成される。これらの障壁ポストは、フィルタポスト26aと障壁26bとの間に流線形流れ(stream)の好ましい幾何学的形態を実現する作用を果たす。
【0045】
この回路はまた、これらの流体回路の特徴的な作用部である喉部を形成し得るようその前側面18に近接して配置した適正な形状の喉部ポストを有することも可能である。しかし、この実施の形態の場合、これらの作用部は、この装置10が圧入される二次的ハウジングの通路26の前側部分の一部として形成されている。
【0046】
上述したように、二次的ハウジング30は、前側面40及び後側面38を含む外側面34と、これらの面を接続し、また、球形の曲率を有する一部分32を有する中間の境界面31とを有することを特徴とする。二次的ハウジング30はまた、面の間を伸びる内壁36bを有する通路36も備えており、この通路は、特殊な形態をした前側部分36cと、後側部分36dとを有している。この後側部分がこのハウジングの後側面と交差することは、この通路の後側部分の内壁により形成されたキャビティに対する開口部36dfを形成し、このキャビティは、図12(b)にて、平坦な頂面36daと、底面36dbと、右側壁及び左側壁36dcと、前側面36deとを有していることが分かる。この通路の前側部分36cは、その部分がハウジングの前側面と交差するで噴霧が発する出口36aを形成する流体回路の喉部分が形成されるよう特殊な形態とされている。
【0047】
同様に、主ハウジング50は、上記に説明したように、その本体内に伸びるキャビティ60への開口部58を前側面に有し、このキャビティの内面64の一部分62は、ソケットを形成する形態とされ、このキャビティはこの二次的又はボールハウジング30のボール形状部分32を受容することができる。この形態は、最終ユーザが二次的ハウジングの出口36aの複数の方向の向きを主ハウジング50の向きに対して設定することを許容することが理解される。このように、図10(a)ないし図10(c)に示した実施の形態は、最終ユーザがこの装置から発する噴霧の方向を手操作にて調節することを許容する。
【0048】
組み込まれた流体回路に対する側壁を提供するという課題は、二次的ハウジングのキャビティの壁によって取り扱うことができることを認識することによりこの実施の形態は効果的に可能となることが分かった(すなわち、かかる装置はその装置が適合しなければならない極めて厳格な幾何学的形態及び寸法上の制約があることを想起すべきである)。このことは、装置がその幅の制約を超えることなく、かかる装置内にて追加的な境界壁を追加することを許容する。この装置の噴霧方向を調節する自由度があることは、従来の装置にて見られるように組み込まれた流体回路の全幅を広くする必要が無いことを意味するものと理解され、それは、殆どのターゲット領域は、装置の噴霧の方向をより正確に狙い定めることにより一層効果的に取り扱うことができるので、噴霧の湿った領域の幅を狭くすることができるからである。
【0049】
この噴霧の方向の調節可能な特徴が必要とされないその他の用途において、本明細書に開示された側部無し噴霧装置を使用することは、かかる噴霧の全体幅を狭くすることを許容する。
【0050】
図14(a)ないし図14(d)には、本発明の第二の好ましい実施の形態6が示されており、この図面は、それぞれ斜視図、頂面図、断面図及び分解図を示す。2つの構成要素がこの実施の形態を構成する。
【0051】
これら実施の形態の第一のものが図14(d)の左側に示されており、これは、UCPN6,253,782号に開示された流体回路の幾何学的形態に従った形態とされた頂面14を有する上記に開示した流体装置10である(但し、本出願の「関連技術」の部分にて上記に説明した流体回路の多くは、この装置の頂面を形成するときの指針として作用することを認識すべきである)。
【0052】
これらの実施の形態の第二のものは、前側面55及び後側面57を含む外面53と、これら面の間を伸びる内壁を有する通路59とを備え、この通路は、前側部分59a及び後側部分59bから特別に形成された二次的ハウジング51である。この後側部分がこのハウジングの後側面と交差することは、この通路の後側部分の内壁により形成されたキャビティ59dへの開口部59cを形成することになる。このキャビティは、図14(c)にて平坦な頂面、底面、右側壁及び左側壁並びに前側面を有することが分かる。この通路の前側部分59aは、流体回路の喉部分を形成し得るよう特殊な形態とされており、この喉部分がハウジングの前側面と交差することは、噴霧が発する出口59aaを形成することになる。
【0053】
かかるハウジング内にてこの側部無し流体装置を使用することは、従来、流体インサートの前側端縁に現れる可能性のある、偽噴霧(すなわち「ストリーマ流れ」)を解消するという利点も有することを認識することができる。
【0054】
図14(a)ないし図14(d)に示した装置の追加的な利点は、この装置はかかるプラスチック成形部品の製造に組み立て技術を採用することを許容し、その結果、かかる装置の限界的な設計上の特徴を改変することが容易な点である。例えば、商業的に製造された標準的な流体インサートに対し僅かな設計上の特徴を変化させることは、通常、かかる部品を製造するため使用されるスチール鋳型にて個別の研磨工程を採用することにより、かかる流体回路の深さ及びファン角度を変化させることを意味する。かかる変化は、通常、ファン角度及び偏向角度を3°以下に制限する。
【0055】
ハウジング内に一体化される、図14(a)ないし図14(d)に示した装置の喉部の場合、ハウジングの喉部にブレード装置を採用することにより、この喉部に対する変更を為すことができる。かかるブレード装置は、ファン角度が3°に変化し、偏向角度が4°以上に変化するよう喉部に対する変更を為すことが可能であることが分かった。
【0056】
図14(a)ないし図14(d)に示した装置の更なる有利な効果は、流体装置がそのハウジング内に挿入される挿入深さの変更が容易となる点である。この効果は、この流体回路の相互作用室の長さを制御することを許容し、このことは、かかる装置から発する噴霧のファン角度に影響を与える更なる手段を提供することになる。
【0057】
図15(a)及び図15(b)には、本発明の第三の好ましい実施の形態が示されており、これらの図面は、この実施の形態の2つの構成要素、すなわち上述したものと相違する流体回路の幾何学的形態を有する側部無し流体装置と、別の型式の二次的ハウジングとの斜視図をそれぞれ示す。
【0058】
この流体装置10は、USPN4,052,002号に全体として開示された流体回路(これは、本明細書にて「フィードバック」流体回路と称する)の幾何学的形態に従った形態とされた頂面14を有する。該装置は、その頂面に、回路の相互作用室を画成する側部障壁突起26k、26lを有する。該装置は、またこの回路のフィードバックループ21a、21bの上流端を画成する入口突起26m、26nを有する一方、流体が装置に入るためのオリフィス23も形成する。側部障壁突起の外端縁の面は、相互作用室内の流体の流れ現象を制御すべく使用されるフィードバックループ21a、21bの内壁としても作用する。この装置は、その後側面に主ハウジング51の後側面又は端面として作用可能であるような形態とされた垂直部材25も有している。この回路のオリフィス23は、この部材25を貫通して伸び、また、部材の後側部に取り付けられた受入れニップル27を有しており、このニップルは、流体受入れ管をこれらの装置に接続するのを助ける作用を果たす。
【0059】
この実施の形態の二次的ハウジング70は、図14(d)の右側に上記に示したものと同様である(すなわち、その通路79は、前側部分及び後側部分を有し、後側部分は装置を受容するキャビティを有し、また前側部分は、組み込んだ喉部を有する)が、このハウジングは、その後側面にて開放しており、この開口部は流体装置の垂直部材25によって閉塞される。
【0060】
図16(a)及び図16(b)には、図14(a)ないし図14(d)にて上記に示した好ましい実施の形態の同様の型式のものが示されているが、この型式は、その後側面にそのハウジングの端面として作用する垂直部材25を有する流体装置を示す点が異なる。
【0061】
本発明の方法は、「二重噴霧」インサート技術と組み合わせて、本発明の更に第四の好ましい実施の形態を提供する。図17(a)及び図17(b)には、それぞれ側部無し、二重噴霧の流体装置11と、ハウジング80の特別な形態のキャビティ81内へのかかる装置の挿入を受容し得る形態とされた「二重喉部」ハウジング80とのそれぞれ斜視図が示されている。
【0062】
図17(a)に示した流体装置は、この実施の形態はその底面16に成形された同様の流体回路を有する点を除いて、図11(a)にて上記に示したものと同様である。
ハウジング80(上記に開示した「ボール」二次的ハウジングにて上記に示したものと同様の外面を有するものとして示されているが、この流体装置が図17(b)に示した側部無し、二重噴霧の流体装置と共に使用するのに必要な垂直部材がその後側面に追加されるならば、図14(d)に示したものと同様の改変したハウジングは、図15(b)のハウジングと同様に作用するであろう)。これは、図12(a)に示したものと同様であるが、その前側部分82には、互いに平行であり且つ、ハウジングの内面92にオリフィス88、90を有する2つの「組み込んだ喉部」通路84、86が設けられる点にて相違する。
【0063】
図18には、この流体装置11がそのハウジング80内に挿入された、この第四の実施の形態の断面側面図が示されている。このハウジングの前側部分の二重喉部の性質は明確に理解できる。
【0064】
このハウジングのオリフィス88、90の幅は異なり、底部オリフィス88は頂部オリフィス90よりも幅が広いことが認識できる。この差は、異なる水平方向ファン角度を有する頂部及び底部噴霧を形成するのを許容する作用を果たす。2つの噴霧の流れ経路に対しその他の変更を加えることにより、これら噴霧間にてその他の多数の差異を実現することができる。例えば、単にその頂面及び底面が異なる流体回路を使用するようこの流体回路を形成することができる。上述したように、本発明の多くの異なる実施の形態を形成し得るよう本発明にて使用可能である多数の流体回路が先行技術にて存在する。
【0065】
図19(a)ないし図19(d)には、上記に開示されたボール型二次的ハウジングと同様に見える一体的な部分として流体装置を構成する方法を実証する、本発明の第五の実施の形態が示されている。このボール型流体装置は、図13(a)及び図13(b)に示した主ハウジング内に挿入し、別の型式の流体噴霧装置を実現することができ、この流体噴霧装置において、その最終ユーザは、その「ソケット」主ハウジング内にて「ボール」流体回路を動かし、この装置の噴霧方向を変化させることができる。
【0066】
図19(a)ないし図19(d)は、この「ボール」流体構成要素の斜視図である。図19(a)には、後側部分81の球形分節が示されている。図19(b)に示した、この構成要素の下方に向けた断面図には、通路83がその内部に成形されていることが示されている。通路は、実質的に平坦面であり、該平坦面内に供給部分89、2つのパワーノズル91a、91b及び「茸形」流体回路の相互作用領域93が成形されている。
【0067】
図19(c)に示したこの実施の形態の前側部分85は、その前側面と後側面との間を通る通路87を有する直角分節である。図19(d)の下向きの断面図A−Aにて示すように、この通路は、流体回路の喉部として作用する形態とされている。次に、この前側部分85は、後側部分81に溶接され、その中心を通る断面平面内に成形された流体回路を有する球形又はボール形状のものを形成する。
【0068】
上記は、本発明の原理の単に一例にしか過ぎないものと考えられる。更に、当該技術の当業者には、多数の改変例及び変更が容易に案出され、また、本明細書に開示された広い教示範囲のため、上記の開示は、本明細書に示し且つ説明した厳密な構造及び作用にのみ限定されるものと見なすべきではない。従って、本発明の適宜な改変例及び等価物は、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲に属すると見なすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】USPN4,944,457号に開示された先行技術の発振型噴霧ヘッド部の図である。
【図2】2(a)及び2(b)は、USPN5,577,664号に開示された先行技術の噴霧ヘッド部を示し、図2(b)は図2Aの線3−3に沿った断面図である。
【図3】USPN3,691,584号に開示された先行技術の噴霧ヘッド部の図である。
【図4】揺動する特徴を有し且つUSPN6,360,964号に開示された先行技術の噴霧ヘッド部の図である。
【図5】USPN4,052,002号に開示された流体発振装置により提供される二次元的な平面状の噴霧流れパターンの図である。
【図6】USPN4,151,955号に開示された適宜な形態の流体発振装置により提供される二次元的な平面状噴霧流れパターンの図である。
【図7】フロントガラスに噴霧すべく自動車のフードに取り付けられ、その内部に、その底面に流体回路が成形された流体インサートが挿入される典型的な流体噴霧装置の一例の図である。
【図8】8(a)及び8(b)は、自動車のフロントガラス噴霧装置と関係したハウジングにて使用され且つハウジング内に取り付けられた典型的な流体インサートから流れる噴霧の極めた形態を特徴付けるために使用される水平方向ファン角度φ、垂直方向噴霧角度γ、拡がり角度θ又は「厚さ」を示す図である。
【図9】9(a)ないし9(c)は、USPAP20030234303号に開示された流体の発振装置の図であり、また、フロントガラスに提供したとき、異なる水平方向ファン角度を有する底部及び頂部噴霧を発生させる方法を示す図である。
【図10】10(a)ないし10(c)は、本発明の流体噴霧装置の1つの好ましい実施の形態のそれぞれ斜視図、正面図及び側面断面図である。
【図11】11(a)及び11(b)は、流体装置の斜視図及び頂面図である。
【図12】12(a)及び12(b)は、二次的ハウジングの斜視図及び断面図である。
【図13】13(a)及び13(b)は、主ハウジングの斜視図及び断面図である。
【図14】14(a)ないし14(d)は、本発明の第二の好ましい実施の形態のそれぞれ斜視図、頂面図、断面図及び分解図である。
【図15】15(a)及び15(b)は、本発明の第三の好ましい実施の形態を備える構成要素の斜視図である。
【図16】16(a)及び16(b)は、その主ハウジングの端面として作用するその後側面における垂直部材を有する流体装置を示す点を除いて、図14(a)ないし図14(d)に以前に示した好ましい実施の形態の同様の形態の図である。
【図17】17(a)及び17(b)は、この装置が挿入される側部無し、二重噴霧、流体装置及び「二重喉部」ハウジングをそれぞれ示す斜視図である。
【図18】図17(a)の装置が挿入された図17(b)のハウジングの断面側面図である。
【図19】19(a)及び19(c)は、上記に説明したボール型二次的ハウジングと同様の流体装置の構成要素の斜視図である。19(b)及び19(d)は、これらの構成要素の下向きの断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体噴霧装置において、
頂面(14)及び底面(16)を含む境界面を有する基部(12)と、
頂面(14)及び底面(16)から成るグループから選ばれた基部境界面から伸びる複数の主突起(26)とを備え、
前記主突起(26)は、パワーノズル(4d)を有する流体回路の内部の幾何学的形態と、前記パワーノズルの下流に配置された相互作用領域(4j)とを提供し得るような形態とされ且つ隔てられた、流体噴霧装置。
【請求項2】
請求項1に記載の流体噴霧装置において、
前記主突起と同一の基部境界面から伸びる複数の二次的突起を更に備え、
前記二次的突起は、前記流体回路の喉部分(4k)に対する内部の幾何学的形態を提供し得るような形態とされ且つ隔てられる、流体噴霧装置。
【請求項3】
請求項1に記載の流体噴霧装置において、
前記基部境界面は後側面(20)を更に有し、前記装置は、
前記基部後側面(20)に取り付けられた部材(25)であって、液体が前記装置に入るための前記部材の開口部(23)を有する前記部材(25)を更に備える、流体噴霧装置。
【請求項4】
請求項2に記載の流体噴霧装置において、
前記基部境界面は後側面(20)を更に有し、前記装置は、
前記基部後側面(20)に取り付けられた部材(25)であって、液体が前記装置に入るための前記部材の開口部(23)を有する前記部材(25)を更に備える、流体噴霧装置。
【請求項5】
請求項1に記載の流体噴霧装置において、
ハウジング(30、51、70、80)のキャビティ(36d、59d、81)内に挿入される型式をしており、
前記基部境界面(14、16)及び突起(26)は、前記基部(12)を前記ハウジングキャビティ内に圧入することができるような更なる形態とされる、流体噴霧装置。
【請求項6】
請求項3に記載の流体噴霧装置において、
ハウジング(30、51、70、80)のキャビティ(36d、59d、81)内に挿入される型式をしており、
前記基部境界面(14、16)及び突起(26)は、前記基部(12)を前記ハウジングキャビティ内に圧入することができるような更なる形態とされる、流体噴霧装置。
【請求項7】
請求項1に記載の流体噴霧装置において、
前記基部の頂面(14)から突き出す前記主突起(26)と、
半球のような形態とされた前記基部の底面(16)とを備え、前記装置は、
頂面及び底面を有する蓋であって、前記蓋の底面は、前記基部の頂面の流体回路を構成する突起に対する蓋を形成する平坦面の形態とされ、前記蓋の頂面は、半球のような形態とされ、前記蓋が前記基部の頂面の上に配置されたとき、前記基部−蓋の組み合わせの境界面の形状は、全体として球形であるようにした前記蓋を更に備える、流体噴霧装置。
【請求項8】
請求項1に記載の流体噴霧装置において、
二次的ハウジング(30)であって、
前側面(40)及び後側面(38)を含む外面(34)と、前記面を接続する中間の境界面(31)と、
前記面の間を伸びて、前側部分(36c)と、後側部分(36d)とを有する通路(36)とを備える前記二次的ハウジング(30)を更に備え、
前記通路との前記後側部分(36d)は、前記二次的ハウジングの後側面(38)に開口部(36df)を有するキャビティを形成し、前記キャビティは、前記基部(12)を前記キャビティ内に挿入するのを許容する形態とされる、流体噴霧装置。
【請求項9】
請求項2に記載の流体噴霧装置において、
二次的ハウジング(30)であって、
前側面(40)及び後側面(38)を含む外面(34)と、前記面を接続する中間の境界面(31)と、
前記面の間を伸びて、前側部分(36c)と、後側部分(36d)とを有する通路(36)とを備える前記二次的ハウジング(30)を更に備え、
前記通路の前記後側部分(36d)は、前記二次的ハウジングの後側面(38)に開口部(36df)を有するキャビティを形成し、前記キャビティは、前記基部(12)を前記キャビティ内に挿入するのを許容する形態とされる、流体噴霧装置。
【請求項10】
請求項8に記載の流体噴霧装置において、前記通路の前記前側部分(36c)は、前記流体回路の喉部分(4k)の内部の幾何学的形態を形成する、流体噴霧装置。
【請求項11】
請求項8に記載の流体噴霧装置において、前記基部(12)及び二次的ハウジングのキャビティ(36d)は、前記基部(12)を前記キャビティ内に圧入状態に挿入することを可能にし得るよう更なる形態とされる、流体噴霧装置。
【請求項12】
請求項9に記載の流体噴霧装置において、前記基部(12)及び二次的ハウジングのキャビティ(36d)は、前記基部(12)を前記キャビティ内に圧入状態に挿入することを可能にし得るよう更なる形態とされる、流体噴霧装置。
【請求項13】
請求項10に記載の流体噴霧装置において、前記基部(12)及び二次的ハウジングのキャビティ(36d)は、前記基部(12)を前記キャビティ内に圧入状態に挿入することを可能にし得るよう更なる形態とされる、流体噴霧装置。
【請求項14】
請求項8に記載の流体噴霧装置において、前記二次的ハウジングの中間の外側境界面(31)の一部分(32)は、球形の曲率を有する、流体噴霧装置。
【請求項15】
請求項9に記載の流体噴霧装置において、前記二次的ハウジングの中間の外側境界面(31)の一部分(32)は、球形の曲率を有する、流体噴霧装置。
【請求項16】
請求項10に記載の流体噴霧装置において、前記二次的ハウジングの中間の外側境界面(31)の一部分(32)は、球形の曲率を有する、流体噴霧装置。
【請求項17】
請求項11に記載の流体噴霧装置において、前記二次的ハウジングの中間の外側境界面(31)の一部分(32)は、球形の曲率を有する、流体噴霧装置。
【請求項18】
請求項7に記載の流体噴霧装置において、
前側面(56)を有する外面を備える主ハウジング(50)であって、前記前側面は、前記主ハウジング内に伸びる境界面(64)を有する主ハウジングのキャビティ(60)への開口部(58)を有する前記主ハウジング(50)を更に備え、
前記キャビティの境界面の一部分(62)は、前記基部−蓋組み合わせの前記境界面の前記球形部分の曲率と同程度の球形の曲率を有し、
前記キャビティ(60)は、前記主ハウジングのキャビティの前記球形部分及び基部−蓋組み合わせの境界面が前記部分の間にボール・アンド・ソケット型の接続部を提供し、前記基部−蓋組み合わせ体の前記主ハウジングに対する複数の方向の向きを許容し得るような態様にて前記基部−蓋組み合わせ体を前記主ハウジングのキャビティ内に受容し得るような更なる形態とされる、流体噴霧装置。
【請求項19】
請求項14に記載の流体噴霧装置において、
前側面(56)を有する外面を備える主ハウジング(50)であって、前記前側面は、前記主ハウジング内に伸びる境界面(64)を有する主ハウジングのキャビティ(62)への開口部(58)を有する前記主ハウジング(50)を更に備え、
前記キャビティの境界面(64)の一部分(62)は、前記二次的ハウジングの中間の境界面(31)の前記球形部分(32)の曲率と同程度の球形の曲率を有し、
前記キャビティ(60)は、前記主ハウジングのキャビティの前記球形部分(32、62)及び二次的ハウジングの境界面が前記部分(32、62)の間にボール・アンド・ソケット型の接続部を提供し、前記二次的ハウジング(30)の前記主ハウジング(50)に対する複数の方向の向きを許容し得るような態様にて前記二次的ハウジング(30)を前記主ハウジングのキャビティ(60)内に受容し得るような更なる形態とされる、流体噴霧装置。
【請求項20】
請求項15に記載の流体噴霧装置において、
前側面(56)を有する外面を備える主ハウジング(50)であって、前記前側面は、前記主ハウジング内に伸びる境界面(64)を有する主ハウジングのキャビティ(62)への開口部(58)を有する前記主ハウジング(50)を更に備え、
前記キャビティの境界面(64)の一部分(62)は、前記二次的ハウジングの中間の境界面(31)の前記球形部分(32)の曲率と同程度の球形の曲率を有し、
前記キャビティ(60)は、前記主ハウジングのキャビティの前記球形部分(32、62)及び二次的ハウジングの境界面が前記部分(32、62)の間にボール・アンド・ソケット型の接続部を提供し、前記二次的ハウジング(30)の前記主ハウジング(50)に対する複数の方向の向きを許容し得るような態様にて前記二次的ハウジング(30)を前記主ハウジングのキャビティ(60)内に受容し得るような更なる形態とされる、流体噴霧装置。
【請求項21】
請求項16に記載の流体噴霧装置において、
前側面(56)を有する外面を備える主ハウジング(50)であって、前記前側面は、前記主ハウジング内に伸びる境界面(64)を有する主ハウジングのキャビティ(62)への開口部(58)を有する前記主ハウジング(50)を更に備え、
前記キャビティの境界面(64)の一部分(62)は、前記二次的ハウジングの中間の境界面(31)の前記球形部分(32)の曲率と同程度の球形の曲率を有し、
前記キャビティ(60)は、前記主ハウジングのキャビティの前記球形部分(32、62)及び二次的ハウジングの境界面が前記部分(32、62)の間にボール・アンド・ソケット型の接続部を提供し、前記二次的ハウジング(30)の前記主ハウジング(50)に対する複数の方向の向きを許容し得るような態様にて前記二次的ハウジング(30)を前記主ハウジングのキャビティ(60)内に受容し得るような更なる形態とされる、流体噴霧装置。
【請求項22】
請求項17に記載の流体噴霧装置において、
前側面(56)を有する外面を備える主ハウジング(50)であって、前記前側面は、前記主ハウジング内に伸びる境界面(64)を有する主ハウジングのキャビティ(62)への開口部(58)を有する前記主ハウジング(50)を更に備え、
前記キャビティの境界面(64)の一部分(62)は、前記二次的ハウジングの中間の境界面(31)の前記球形部分(32)の曲率と同程度の球形の曲率を有し、
前記キャビティ(60)は、前記主ハウジングのキャビティの前記球形部分(32、62)及び二次的ハウジングの境界面が前記部分(32、62)の間にボール・アンド・ソケット型の接続部を提供し、前記二次的ハウジング(30)の前記主ハウジング(50)に対する複数の方向の向きを許容し得るような態様にて前記二次的ハウジング(30)を前記主ハウジングのキャビティ(60)内に受容し得るような更なる形態とされる、流体噴霧装置。
【請求項23】
流体噴霧装置を取り付けるために使用されるハウジングのキャビティ内に装着し得る型式の前記流体噴霧装置を製造する方法において、
頂面(14)、底面(16)、前側面(18)、後側面(20)、右側部(22)、左側部(24)を含む境界面を有する基部(12)を成形するステップと、
頂面(14)及び底面(16)から成るグループから選ばれた基部境界面から伸びる複数の突起(26)を追加するステップとを備え、
前記主突起(26)は、パワーノズル(4d)を有する流体回路の内部の幾何学的形態と、前記パワーノズルの下流に配置された相互作用領域(4j)とを提供し得るような形態とされ且つ隔てられた、流体噴霧装置を製造する方法。
【請求項24】
請求項23に記載の方法において、
前記主突起と同一の基部境界面から伸びる複数の二次的突起を追加するステップを更に備え、
前記二次的突起は、前記流体回路の喉部分(4k)に対する内部の幾何学的形態を提供し得るような形態とされ且つ隔てられる、方法。
【請求項25】
請求項23に記載の方法において、
二次的ハウジング(30)であって、
前側面(40)及び後側面(38)を含む外面(34)と、前記面を接続する中間の境界面(31)と、
前記面の間を伸びて、前側部分(36c)と、後側部分(36d)とを有する通路(36)とを備える前記二次的ハウジング(30)を成形するステップを更に備え、
前記通路との前記後側部分(36d)は、前記二次的ハウジングの後側面(38)に開口部(36df)を有するキャビティを形成し、前記キャビティは、前記基部(12)を前記キャビティ内に挿入するのを許容する形態とされ、
前記基部(12)を前記キャビティ内に挿入するステップを備える、方法。
【請求項26】
請求項24に記載の方法において、
二次的ハウジング(30)であって、
前側面(40)及び後側面(38)を含む外面(34)と、前記面を接続する中間の境界面(31)と、
前記面の間を伸びて、前側部分(36c)と、後側部分(36d)とを有する通路(36)とを備える前記二次的ハウジング(30)を成形するステップを更に備え、
前記通路の前記後側部分(36d)は、前記二次的ハウジングの後側面(38)に開口部(36df)を有するキャビティを形成し、前記キャビティは、前記基部(12)を前記キャビティ内に挿入するのを許容する形態とされ、
前記基部(12)を前記キャビティ内に挿入するステップを備える、方法。
【請求項27】
請求項25に記載の方法において、前記二次的ハウジングの中間の外側境界面(31)の一部分(32)は、球形の曲率を有する、方法。
【請求項28】
請求項26に記載の方法において、前記二次的ハウジングの中間の外側境界面(31)の一部分(32)は、球形の曲率を有する、方法。
【請求項29】
請求項25に記載の方法において、前記通路の前記前側部分(36c)は、前記流体回路の喉部分(4k)の内部の幾何学的形態を形成する、方法。
【請求項30】
請求項27に記載の方法において、前記通路の前記前側部分(36c)は、前記流体回路の喉部分(4k)の内部の幾何学的形態を形成する、方法。
【請求項31】
請求項27に記載の方法において、
前側面(56)を有する外面を備える主ハウジング(50)であって、前記前側面は、前記主ハウジング内に伸びる境界面(64)を有する主ハウジングのキャビティ(60)への開口部(58)を有する前記主ハウジング(50)を成形するステップを更に備え、
前記キャビティの境界面(64)の一部分(62)は、前記二次的ハウジングの中間の境界面の前記球形部分(32)の曲率と同程度の球形の曲率を有し、
前記キャビティ(60)は、前記主ハウジングのキャビティの前記球形部分(62、32)及び二次的ハウジングの境界面が前記部分(62、32)の間にボール・アンド・ソケット型の接続部を提供し、前記二次的ハウジング(30)の前記主ハウジング(50)に対する複数の方向の向きを許容し得るような態様にて前記二次的ハウジング(30)を前記主ハウジングのキャビティ(60)内に受容し得るような更なる形態とされ、
前記二次的ハウジング(30)を前記主ハウジング(50)のキャビティ(60)内に挿入するステップを備える、方法。
【請求項32】
請求項28に記載の方法において、
前側面(56)を有する外面を備える主ハウジング(50)であって、前記前側面は、前記主ハウジング内に伸びる境界面(64)を有する主ハウジングのキャビティ(60)への開口部(58)を有する前記主ハウジング(50)を成形するステップを更に備え、
前記キャビティの境界面(64)の一部分(62)は、前記二次的ハウジングの中間の境界面の前記球形部分(32)の曲率と同程度の球形の曲率を有し、
前記キャビティ(60)は、前記主ハウジングのキャビティの前記球形部分(62、32)及び二次的ハウジングの境界面が前記部分(62、32)の間にボール・アンド・ソケット型の接続部を提供し、前記二次的ハウジング(30)の前記主ハウジング(50)に対する複数の方向の向きを許容し得るような態様にて前記二次的ハウジング(30)を前記主ハウジングのキャビティ(60)内に受容し得るような更なる形態とされ、
前記二次的ハウジング(30)を前記主ハウジング(50)のキャビティ(60)内に挿入するステップを備える、方法。
【請求項33】
請求項29に記載の方法において、
前側面(56)を有する外面を備える主ハウジング(50)であって、前記主ハウジング内に伸びる境界面(64)を有する主ハウジングのキャビティ(60)への開口部(58)を有する前記主ハウジング(50)を成形するステップを更に備え、
前記キャビティの境界面(64)の一部分(62)は、前記二次的ハウジングの中間の境界面の前記球形部分(32)の曲率と同程度の球形の曲率を有し、
前記キャビティ(60)は、前記主ハウジングのキャビティの前記球形部分(62、32)及び二次的ハウジングの境界面が前記部分(62、32)の間にボール・アンド・ソケット型の接続部を提供し、前記二次的ハウジング(30)の前記主ハウジング(50)に対する複数の方向の向きを許容し得るような態様にて前記二次的ハウジング(30)を前記主ハウジングのキャビティ(60)内に受容し得るような更なる形態とされ、
前記二次的ハウジング(30)を前記主ハウジング(50)のキャビティ(60)内に挿入するステップを備える、方法。
【請求項34】
請求項30に記載の方法において、
前側面(56)を有する外面を備える主ハウジング(50)であって、前記前側面は、前記主ハウジング内に伸びる境界面(64)を有する主ハウジングのキャビティ(60)への開口部(58)を有する前記主ハウジング(50)を成形するステップを更に備え、
前記キャビティの境界面(64)の一部分(62)は、前記二次的ハウジングの中間の境界面の前記球形部分(32)の曲率と同程度の球形の曲率を有し、
前記キャビティ(60)は、前記主ハウジングのキャビティの前記球形部分(62、32)及び二次的ハウジングの境界面が前記部分(62、32)の間にボール・アンド・ソケット型の接続部を提供し、前記二次的ハウジング(30)の前記主ハウジング(50)に対する複数の方向の向きを許容し得るような態様にて前記二次的ハウジング(30)を前記主ハウジングのキャビティ(60)内に受容し得るような更なる形態とされ、
前記二次的ハウジング(30)を前記主ハウジング(50)のキャビティ(60)内に挿入するステップを備える、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図9(a)】
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【図10】
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【図10(a)】
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【図10(b)】
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【図11(a)】
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【図11(b)】
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【図12】
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【図12(a)】
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【図13】
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【図13(a)】
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【図14】
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【図14(a)】
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【図14(b)】
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【図14(d)】
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【図15(a)】
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【図15(b)】
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【図16(a)】
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【図16(b)】
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【図17(a)】
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【図17(b)】
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【図18】
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【図19】
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【図19(a)】
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【図19(c)】
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【公表番号】特表2008−531271(P2008−531271A)
【公表日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−557988(P2007−557988)
【出願日】平成17年6月15日(2005.6.15)
【国際出願番号】PCT/US2005/022895
【国際公開番号】WO2006/110154
【国際公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【出願人】(596116972)ボールズ・フルイディクス・コーポレーション (3)
【氏名又は名称原語表記】Bowles Fluidics Corporation
【住所又は居所原語表記】6625 Dobbin Road,Columbia,Maryland 21045,United Statesof America
【Fターム(参考)】