可食容器
【課題】水分の多い食材を長時間保持することができ、かつ、保持している食材と共に食べることができる容器を提供する。
【解決手段】
内側にリブ(突起)23、24を備えた外容器2の内側に内容器4を収納し、内容器4に食物5を収納するとともに、蓋体3で、外容器2の開口部を閉じ、食物5を容器内に収納する。リブ(突起)23、24によって、外容器2の底板部22と、内容器4との間に隙間25が形成され、この隙間によって、断熱効果が発揮される。内容器4の水分の吸収度合いを調整することで、食物5の水分量に応じて、目的に合った可食容器の提供が可能となる。
【解決手段】
内側にリブ(突起)23、24を備えた外容器2の内側に内容器4を収納し、内容器4に食物5を収納するとともに、蓋体3で、外容器2の開口部を閉じ、食物5を容器内に収納する。リブ(突起)23、24によって、外容器2の底板部22と、内容器4との間に隙間25が形成され、この隙間によって、断熱効果が発揮される。内容器4の水分の吸収度合いを調整することで、食物5の水分量に応じて、目的に合った可食容器の提供が可能となる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、食べ物を包装する包装容器に係り、詳しくは、食べられる材料で構成されている可食容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の食べられる容器としては、例えばアイスクリームを載せる逆円錐形状のコーンや、内側にアイスクリームを収容するモナカの外殻を構成するコーンなどが知られている。これらの容器の用途は、主としてアイスクリームなどの食材を手に保持することを容易とするためのものであり、また、食べられる材料で構成されているため、保持している食べ物と一緒に食べることもできる構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2004−57200号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の容器は、水分を吸うことにより軟化し、食材を保持するために十分な強度を得ることができなくなるといった問題があった。例えば、アイスクリームのコーンでは、アイスクリームが溶け出すと、コーンが水分を吸って軟化するため、溶け出す前に食べてしまわないとならいといった問題があった。また、固形の食材用に用いられる場合に限られ、水分の多い食材や、汁物を入れる容器としては利用できないといった問題があった。
【0005】
この発明の目的は、食べられる容器であって、断熱効果作用があり、水分の多い食材を長時間保持することができる容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上のような問題を解決する本発明は、以下のような構成を有する。
(1)食べられる材料で構成された外容器と、
食べられる材料で構成され、前記外容器の内側に収容されるとともに、その内側に食べ物を収容する内容器とを備え、
前記外容器は、内壁面に所定の間隔を空けて配置された複数の突起を有し、前記外容器と前記内容器との間には隙間が設けられていることを特徴とする可食容器。
【0007】
(2)前記外容器の開口部を覆う蓋体を有する請求項1に記載の可食容器。
【0008】
(3)前記外容器の形状は、平たいプレート状である請求項1又は2に記載の可食容器。
【0009】
(4)前記外容器の形状は、半球形状である請求項1又は2に記載の可食容器。
【0010】
(5)前記内容器は、前記外容器に比較して水分を吸収し難い材料で構成されている請求項1〜4のいずれか1に記載の可食容器。
【0011】
(6)前記内容器は、前記外容器に比較して水分を吸収し易い材料で構成されている請求項1〜4のいずれか1に記載の可食容器。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の発明によれば、外容器と内容器の間に隙間が設けられているので、隙間により断熱作用が発揮され、内容器内に収容されている食べ物の温度を維持することができる。また、食べ物と外容器や内容器を一緒に食べた場合、内容物のこぼれ落ちを減少させ、或いは溶け出した食べ物を、前記隙間で受け、食べ物の散乱を抑制することができる。
【0013】
請求項2に記載の発明によれば、外容器の開口部を蓋体が覆うので、収容されている食べ物全体を覆うことができる。このため、温度維持効果を一層確実なものとできるとともに、食べ物への不純物の付着を抑制できる。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、外容器が平たいプレート状に構成されているので、食する場合に、収納されている食材と共に、かじることが容易となる。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、外容器が半球形状であるため、表面積が小さくなり、保温効果が向上する。
【0016】
請求項5に記載の発明によれば、内容器は外容器よりも水分を吸収し難い材料で構成されているので、スープなどの水分量の多い食べ物をも収納することが可能となる。
【0017】
請求項6に記載の発明によれば、内容器は外容器よりも水分を吸収し易い材料で構成されているので、食した際に食材からにじみ出た水分を吸収して、外容器に水分が吸収されることを抑制し、外容器の食感や形状を維持させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1実施形態の可食容器を示す全体側面断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態の可食容器を示す全体断面正面図である。
【図3】本発明の第1実施形態の可食容器を示す全体側面図である。
【図4】本発明の第1実施形態の可食容器を示す外容器の平面図である。
【図5】本発明の第1実施形態の可食容器を示す分解側面図である。
【図6】本発明の第2実施形態の可食容器における外容器の断面側面図である。
【図7】本発明の第2実施形態の可食容器における外容器の底面図である。
【図8】本発明の第3実施形態の可食容器を示す断面全体側面図である。
【図9】本発明の第3実施形態の可食容器を示す断面全体正面図である。
【図10】本発明の第3実施形態の可食容器の外容器の全体平面図である。
【図11】本発明の第3実施形態の可食容器を示す断面全体底面図である。
【図12】本発明の第4実施形態の可食容器における全体側面図である。
【図13】本発明の第4実施形態の可食容器における全体断面側面図である。
【図14】本発明の第4実施形態の可食容器における分解側面図である。
【図15】本発明の第4実施形態の可食容器における断面側面図である。
【図16】本発明の第5実施形態の可食容器における全体側面図である。
【図17】本発明の第5実施形態の可食容器における全体断面側面図である。
【図18】本発明の第5実施形態の可食容器における外容器の全体断面側面図である。
【図19】本発明の第6実施形態の可食容器における外容器の全体断面側面図である。
【図20】本発明の第7実施形態の可食容器における全体側面図である。
【図21】本発明の第7実施形態の可食容器における全体断面側面図である。
【図22】本発明の第8実施形態の可食容器における全体側面図である。
【図23】本発明の第8実施形態の可食容器における全体断面側面図である。
【図24】本発明の第8実施形態の可食容器における全体断面正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の好適実施形態について添付図面に基づいて詳説する。図1〜図5は、本発明の第1実施形態の可食容器を示す図面である。この可食容器1は、外容器2と、内容器4と、蓋体3と、シート材40とを備えている。外容器2は、プレート状の平たい器であり、図1及び図2に示されているように、底板部22の底面には、縦横に等間隔で配置された突起としてのリブ23、24が設けられている。また、底板部22の対向する長辺方向の端辺には、上方へせりあがった長辺側側壁21a、21aが形成され、また、短辺方向の端辺には、同様にせりあがった短辺側側壁21b、21bが設けられ、これらの側壁21a、21a、21b、21bによって、図5に示されているような収納部20が内側に形成される。側壁21a、21a、21b、21bの端辺によって開口部27が形成され、この開口部27には、外側が低くなる段部26が形成されており、この段部26に、蓋体3の開口部33が嵌めこまれる。
【0020】
以上のように構成された外容器2には、内容器4が収容される。内容器4は、外容器2の収納部20の内側に嵌り込む大きさ及び形状に構成されたブレート状の平たい器である。底板部42の周端には、上方へせりあがった長辺側側壁41a、41aが形成され、また、短辺方向の端辺には、同様にせりあがった短辺側側壁41b、41bが設けられ、これらの側壁41a、41a、41b、41bによって、図5に示されているような収納部40が内側に形成される。この収納部40内に、本発明の可食容器1によって包装される食物5が収容される。底板部42は、外容器2のリブ23、24の上に載置され、底板部22と底板部42の間には、隙間25が形成される。この隙間25によって、保温効果が発揮される。また、熱が外側に伝わりにくいので、温度の高い食物5を収納している場合にも、容易に手に持つことができる。
【0021】
蓋体3は、天板部32の周端には、下方へ下がった長辺側側壁31a、31aが形成され、また、短辺方向の端辺には、同様に短辺側側壁31b、31bが設けられ、これらの側壁31a、31a、31b、31bによって、図5に示されているような収納部30が内側に形成される。側壁31a、31a、31b、31bの端部に形成された開口部33は、既述の通り、外容器2の開口部27の段部26に嵌めこまれる。
【0022】
外容器2、内容器4、蓋体3は、いずれも食べることができる公知の材料で構成される。例えば、小麦粉を主成分として、でんぷん、植物性油脂や乳化剤等を加えたものが用いられる。具体的には、小麦粉、でんぷん、植物性油脂、乳化剤に必要に応じて添加物を加え、更に所定量の水を加えた後、ミキサー等で混合することにより水種生地を調製する。この生地を所定の型に流し込み、所定時間、加熱し続けることにより、所望の形の外容器2、内容器4、蓋体3を得ることができる。
【0023】
ここで、外容器2に対して内容器4は、成分や焼成条件を調整することにより、硬めに構成してもよく、又はやわらかく構成してもよい。内容器4は、収納する食物5に接触する部分であるので、食物5が水分を多く含む場合には、硬く構成することにより、水を吸収して軟化するまでの時間を稼ぐことができる。また、やわらかく構成することにより、早期に水分を吸収できるような構成としてもよい。この場合には、材質自体を変更し、カステラのようにスポンジ状の材料を用いることもできる。さらに水分の多い食材5を収納する場合には、食物5と、内容器4の間に、シート材40を配置してもよい。このシート材40も小麦粉、米粉、タピオカ粉の内、1種類以上を混合した材料で構成される。シート材40は、例えば、米粉を乳液状にしたものを布の上に丸く広げ、熱水蒸気によって蒸し上げることにより製造される。このシート材40は、水分を吸収した場合にも容易に破れない性質を備え、水分の浸透による外容器2の軟化を抑制する。この他、シート材40を構成する材料によって内容器4を構成し、シート材40を省略する構成としてもよい。また、シート材40によって容器を構成し、内容器4を省略する構成としてもよく、シート材40と同じ材料により、内容器4又は外容器2の内壁に層を形成し、内容器4又は外容器2のみの容器としてもよい。
【0024】
また、内容器4は、高温で軟化し、或いは溶け、温度が低下するに従って硬化する材料でもよい。例えば、チョコレートやチーズなどである。このような材質を用いることにより、食材5を外容器2に接着させる機能を備えることができる。上記各容器2、3、4及びシート材40は、土中や水中の微生物によって最終的に炭酸ガスと水に完全に分解され得る材料で構成されているので、廃棄による環境への負荷が少ないといった利点がある。
【0025】
図6及び図7は、本発明の第2実施形態の可食容器を示すもので、外容器2Aの断面側面図である。底板部22の外側面にも縦横に配置された複数のリブ23c、24cが形成されている。このような突起としてのリブ23c、24cを設けることで、外容器2Aの強度が増し、また、容器を手で保持する際に、滑りにくくなるといった効果が発揮される。
【0026】
図8〜図11は、本発明の第3実施形態の可食容器を示す図である。この実施形態の可食容器1Cの外容器2Bは、底板部に複数の突起24Bが所定の間隔で設けられている。この突起24Bの上端部に内容器4Bが載置される。この突起24Bによって、外洋子2Bと、内容器4Bの間に隙間25Bが形成される。また、外容器2Bの端部側壁に位置する突起23Bは、側壁と内容器4Bとの間に隙間を形成する。また、突起24Bの外側面には、穴26Bか形成される。この穴26Bは、手によって容器を保持する際の滑り止めとして作用する。
【0027】
蓋体3Bは、外容器2Bと略同じ構成を有している。即ち、天板部の内側に、複数の突起34Bが所定の間隔をあけて設けられている。その突起34Bの先端部に内容器4Bの外側面が接触し、内容器4Bと蓋体34Bとの間に隙間35Bが形成される。また、天板部の外側面には、突起34Bの対向位置に穴36Bが形成されている。穴36Bは、穴26Bと同様の作用を備える。一対の内容器4B、4Bに挟まれた状態で、食物5Bが収容される。このように食物5を収容した可食容器1Cをかじると、外容器2Bと蓋体3Bが上下から押しつぶされ、収容されている食物5や内容器4B、4Bと共に噛み切られる。この際、収容されている食物5が潰されて内容器4B、4Bの間から外側に押し出される場合がある。ここで、押し出された食物5は、隙間25B、35Bの間に流れ込み、外容器2Bや蓋体3Bの外側に漏れ出ることが抑制される。
【0028】
図12〜図15は、第4実施形態の可食容器6Aを示すものである。この実施形態の可食容器6Aでは、半球状の外容器7Aと、該外容器7A内に収納される内容器8と、外容器7Aの開口部72Aを塞ぐ半球状の蓋体9を備えている。外容器7Aは、底部に平らな接地面70Aを備え、平らな場所に載置した際に転がらないように構成されている。外容器7Aの内周面には複数の突起75Aが形成されており、この突起75Aの先端と内容器8の外周面が接触し、内容器8と外容器7Aとの間に隙間76Aが形成される。外容器7Aの開口部72Aの外側には段部74Aが形成され、蓋体9の開口部92が嵌めこまれる。外容器7Aの内側に、半球状の内容器8と共に食物60が収納される。該食物60は、蓋体9の収納部91と内容器8の収納部81の内側に収納される。そして、内容器8と食物60の間には、シート材80が設けられる。シート材80も小麦粉や米粉などを主成分とした食べられる材料で構成される。このシート材40は、水分を吸収した場合にも容易に破れない性質を備え、水分の浸透による外容器2の軟化を抑制する。
【0029】
この実施形態の可食容器6Aは、全体して球形となるように構成されている。これにより、この外側に球技の玉の模様を施すことで、スポーツ観戦の際の食べ物の容器として、需要者の購買意欲を惹起する意匠を施すことができる。例えば、野球観戦の際には、外側に野球の球に似せた意匠を施し、サッカー観戦の場合には、サッカーボールに似せて、白の六角形と黒の五角形を組み合わせた意匠を施せばよい。
【0030】
なお、図15に示されているように、収容されている食物60と共に、外容器7Aの一部を食べてしまった場合に、食物60から浸み出た水分、或いは溶け出た水分は、隙間76Aに流れ込むので、外容器7Aの外側にこぼれ出ることが抑制される。
【0031】
図16〜図18は、第5実施形態の可食容器6Bを示すものである。この可食容器6Bでは、外容器7Bの外側に複数の突起73Bが突出している。このような構成とすることにより、手に保持した場合に、持ち易くなり、かつ滑りにくくなるといった効果が発揮される。
【0032】
図19は、第6実施形態の可食容器6Cを示すものであり、外容器7Cの断面側面図である。この構成では、外容器7Cの内側に突起75cが、外側に突起73cが形成されており、内側突起75cにより断熱効果が、外側突起73cにより、持ち易くする効果が、同時に発揮される。
【0033】
図20及び図21は、第7実施形態の可食容器6Dを示す図である。この外容器7Dでは、突起ではなく、穴77Dが複数個形成されている。この穴77Dは、外側でなく、内側に形成されていてもよい。このような穴77Dによって、保温効果と、滑り止め効果が発揮される。
【0034】
図22〜図24は、第8実施形態の可食容器1Aを示すものである。この実施形態の可食容器1Aは、外容器2Aと蓋体3Aを合わせた形状が楕円球体となる構成となっている。即ち、アメリカンフットボールやラグビーなどの球技に使用されるボールと同じ形状となっており、これらのボールの意匠を施すことで、観戦者による購買意欲を刺激できるように構成されている。
【符号の説明】
【0035】
1 可食容器
2 外容器
3 蓋体
4 内容器
5 食物
【技術分野】
【0001】
この発明は、食べ物を包装する包装容器に係り、詳しくは、食べられる材料で構成されている可食容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の食べられる容器としては、例えばアイスクリームを載せる逆円錐形状のコーンや、内側にアイスクリームを収容するモナカの外殻を構成するコーンなどが知られている。これらの容器の用途は、主としてアイスクリームなどの食材を手に保持することを容易とするためのものであり、また、食べられる材料で構成されているため、保持している食べ物と一緒に食べることもできる構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2004−57200号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の容器は、水分を吸うことにより軟化し、食材を保持するために十分な強度を得ることができなくなるといった問題があった。例えば、アイスクリームのコーンでは、アイスクリームが溶け出すと、コーンが水分を吸って軟化するため、溶け出す前に食べてしまわないとならいといった問題があった。また、固形の食材用に用いられる場合に限られ、水分の多い食材や、汁物を入れる容器としては利用できないといった問題があった。
【0005】
この発明の目的は、食べられる容器であって、断熱効果作用があり、水分の多い食材を長時間保持することができる容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上のような問題を解決する本発明は、以下のような構成を有する。
(1)食べられる材料で構成された外容器と、
食べられる材料で構成され、前記外容器の内側に収容されるとともに、その内側に食べ物を収容する内容器とを備え、
前記外容器は、内壁面に所定の間隔を空けて配置された複数の突起を有し、前記外容器と前記内容器との間には隙間が設けられていることを特徴とする可食容器。
【0007】
(2)前記外容器の開口部を覆う蓋体を有する請求項1に記載の可食容器。
【0008】
(3)前記外容器の形状は、平たいプレート状である請求項1又は2に記載の可食容器。
【0009】
(4)前記外容器の形状は、半球形状である請求項1又は2に記載の可食容器。
【0010】
(5)前記内容器は、前記外容器に比較して水分を吸収し難い材料で構成されている請求項1〜4のいずれか1に記載の可食容器。
【0011】
(6)前記内容器は、前記外容器に比較して水分を吸収し易い材料で構成されている請求項1〜4のいずれか1に記載の可食容器。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の発明によれば、外容器と内容器の間に隙間が設けられているので、隙間により断熱作用が発揮され、内容器内に収容されている食べ物の温度を維持することができる。また、食べ物と外容器や内容器を一緒に食べた場合、内容物のこぼれ落ちを減少させ、或いは溶け出した食べ物を、前記隙間で受け、食べ物の散乱を抑制することができる。
【0013】
請求項2に記載の発明によれば、外容器の開口部を蓋体が覆うので、収容されている食べ物全体を覆うことができる。このため、温度維持効果を一層確実なものとできるとともに、食べ物への不純物の付着を抑制できる。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、外容器が平たいプレート状に構成されているので、食する場合に、収納されている食材と共に、かじることが容易となる。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、外容器が半球形状であるため、表面積が小さくなり、保温効果が向上する。
【0016】
請求項5に記載の発明によれば、内容器は外容器よりも水分を吸収し難い材料で構成されているので、スープなどの水分量の多い食べ物をも収納することが可能となる。
【0017】
請求項6に記載の発明によれば、内容器は外容器よりも水分を吸収し易い材料で構成されているので、食した際に食材からにじみ出た水分を吸収して、外容器に水分が吸収されることを抑制し、外容器の食感や形状を維持させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1実施形態の可食容器を示す全体側面断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態の可食容器を示す全体断面正面図である。
【図3】本発明の第1実施形態の可食容器を示す全体側面図である。
【図4】本発明の第1実施形態の可食容器を示す外容器の平面図である。
【図5】本発明の第1実施形態の可食容器を示す分解側面図である。
【図6】本発明の第2実施形態の可食容器における外容器の断面側面図である。
【図7】本発明の第2実施形態の可食容器における外容器の底面図である。
【図8】本発明の第3実施形態の可食容器を示す断面全体側面図である。
【図9】本発明の第3実施形態の可食容器を示す断面全体正面図である。
【図10】本発明の第3実施形態の可食容器の外容器の全体平面図である。
【図11】本発明の第3実施形態の可食容器を示す断面全体底面図である。
【図12】本発明の第4実施形態の可食容器における全体側面図である。
【図13】本発明の第4実施形態の可食容器における全体断面側面図である。
【図14】本発明の第4実施形態の可食容器における分解側面図である。
【図15】本発明の第4実施形態の可食容器における断面側面図である。
【図16】本発明の第5実施形態の可食容器における全体側面図である。
【図17】本発明の第5実施形態の可食容器における全体断面側面図である。
【図18】本発明の第5実施形態の可食容器における外容器の全体断面側面図である。
【図19】本発明の第6実施形態の可食容器における外容器の全体断面側面図である。
【図20】本発明の第7実施形態の可食容器における全体側面図である。
【図21】本発明の第7実施形態の可食容器における全体断面側面図である。
【図22】本発明の第8実施形態の可食容器における全体側面図である。
【図23】本発明の第8実施形態の可食容器における全体断面側面図である。
【図24】本発明の第8実施形態の可食容器における全体断面正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の好適実施形態について添付図面に基づいて詳説する。図1〜図5は、本発明の第1実施形態の可食容器を示す図面である。この可食容器1は、外容器2と、内容器4と、蓋体3と、シート材40とを備えている。外容器2は、プレート状の平たい器であり、図1及び図2に示されているように、底板部22の底面には、縦横に等間隔で配置された突起としてのリブ23、24が設けられている。また、底板部22の対向する長辺方向の端辺には、上方へせりあがった長辺側側壁21a、21aが形成され、また、短辺方向の端辺には、同様にせりあがった短辺側側壁21b、21bが設けられ、これらの側壁21a、21a、21b、21bによって、図5に示されているような収納部20が内側に形成される。側壁21a、21a、21b、21bの端辺によって開口部27が形成され、この開口部27には、外側が低くなる段部26が形成されており、この段部26に、蓋体3の開口部33が嵌めこまれる。
【0020】
以上のように構成された外容器2には、内容器4が収容される。内容器4は、外容器2の収納部20の内側に嵌り込む大きさ及び形状に構成されたブレート状の平たい器である。底板部42の周端には、上方へせりあがった長辺側側壁41a、41aが形成され、また、短辺方向の端辺には、同様にせりあがった短辺側側壁41b、41bが設けられ、これらの側壁41a、41a、41b、41bによって、図5に示されているような収納部40が内側に形成される。この収納部40内に、本発明の可食容器1によって包装される食物5が収容される。底板部42は、外容器2のリブ23、24の上に載置され、底板部22と底板部42の間には、隙間25が形成される。この隙間25によって、保温効果が発揮される。また、熱が外側に伝わりにくいので、温度の高い食物5を収納している場合にも、容易に手に持つことができる。
【0021】
蓋体3は、天板部32の周端には、下方へ下がった長辺側側壁31a、31aが形成され、また、短辺方向の端辺には、同様に短辺側側壁31b、31bが設けられ、これらの側壁31a、31a、31b、31bによって、図5に示されているような収納部30が内側に形成される。側壁31a、31a、31b、31bの端部に形成された開口部33は、既述の通り、外容器2の開口部27の段部26に嵌めこまれる。
【0022】
外容器2、内容器4、蓋体3は、いずれも食べることができる公知の材料で構成される。例えば、小麦粉を主成分として、でんぷん、植物性油脂や乳化剤等を加えたものが用いられる。具体的には、小麦粉、でんぷん、植物性油脂、乳化剤に必要に応じて添加物を加え、更に所定量の水を加えた後、ミキサー等で混合することにより水種生地を調製する。この生地を所定の型に流し込み、所定時間、加熱し続けることにより、所望の形の外容器2、内容器4、蓋体3を得ることができる。
【0023】
ここで、外容器2に対して内容器4は、成分や焼成条件を調整することにより、硬めに構成してもよく、又はやわらかく構成してもよい。内容器4は、収納する食物5に接触する部分であるので、食物5が水分を多く含む場合には、硬く構成することにより、水を吸収して軟化するまでの時間を稼ぐことができる。また、やわらかく構成することにより、早期に水分を吸収できるような構成としてもよい。この場合には、材質自体を変更し、カステラのようにスポンジ状の材料を用いることもできる。さらに水分の多い食材5を収納する場合には、食物5と、内容器4の間に、シート材40を配置してもよい。このシート材40も小麦粉、米粉、タピオカ粉の内、1種類以上を混合した材料で構成される。シート材40は、例えば、米粉を乳液状にしたものを布の上に丸く広げ、熱水蒸気によって蒸し上げることにより製造される。このシート材40は、水分を吸収した場合にも容易に破れない性質を備え、水分の浸透による外容器2の軟化を抑制する。この他、シート材40を構成する材料によって内容器4を構成し、シート材40を省略する構成としてもよい。また、シート材40によって容器を構成し、内容器4を省略する構成としてもよく、シート材40と同じ材料により、内容器4又は外容器2の内壁に層を形成し、内容器4又は外容器2のみの容器としてもよい。
【0024】
また、内容器4は、高温で軟化し、或いは溶け、温度が低下するに従って硬化する材料でもよい。例えば、チョコレートやチーズなどである。このような材質を用いることにより、食材5を外容器2に接着させる機能を備えることができる。上記各容器2、3、4及びシート材40は、土中や水中の微生物によって最終的に炭酸ガスと水に完全に分解され得る材料で構成されているので、廃棄による環境への負荷が少ないといった利点がある。
【0025】
図6及び図7は、本発明の第2実施形態の可食容器を示すもので、外容器2Aの断面側面図である。底板部22の外側面にも縦横に配置された複数のリブ23c、24cが形成されている。このような突起としてのリブ23c、24cを設けることで、外容器2Aの強度が増し、また、容器を手で保持する際に、滑りにくくなるといった効果が発揮される。
【0026】
図8〜図11は、本発明の第3実施形態の可食容器を示す図である。この実施形態の可食容器1Cの外容器2Bは、底板部に複数の突起24Bが所定の間隔で設けられている。この突起24Bの上端部に内容器4Bが載置される。この突起24Bによって、外洋子2Bと、内容器4Bの間に隙間25Bが形成される。また、外容器2Bの端部側壁に位置する突起23Bは、側壁と内容器4Bとの間に隙間を形成する。また、突起24Bの外側面には、穴26Bか形成される。この穴26Bは、手によって容器を保持する際の滑り止めとして作用する。
【0027】
蓋体3Bは、外容器2Bと略同じ構成を有している。即ち、天板部の内側に、複数の突起34Bが所定の間隔をあけて設けられている。その突起34Bの先端部に内容器4Bの外側面が接触し、内容器4Bと蓋体34Bとの間に隙間35Bが形成される。また、天板部の外側面には、突起34Bの対向位置に穴36Bが形成されている。穴36Bは、穴26Bと同様の作用を備える。一対の内容器4B、4Bに挟まれた状態で、食物5Bが収容される。このように食物5を収容した可食容器1Cをかじると、外容器2Bと蓋体3Bが上下から押しつぶされ、収容されている食物5や内容器4B、4Bと共に噛み切られる。この際、収容されている食物5が潰されて内容器4B、4Bの間から外側に押し出される場合がある。ここで、押し出された食物5は、隙間25B、35Bの間に流れ込み、外容器2Bや蓋体3Bの外側に漏れ出ることが抑制される。
【0028】
図12〜図15は、第4実施形態の可食容器6Aを示すものである。この実施形態の可食容器6Aでは、半球状の外容器7Aと、該外容器7A内に収納される内容器8と、外容器7Aの開口部72Aを塞ぐ半球状の蓋体9を備えている。外容器7Aは、底部に平らな接地面70Aを備え、平らな場所に載置した際に転がらないように構成されている。外容器7Aの内周面には複数の突起75Aが形成されており、この突起75Aの先端と内容器8の外周面が接触し、内容器8と外容器7Aとの間に隙間76Aが形成される。外容器7Aの開口部72Aの外側には段部74Aが形成され、蓋体9の開口部92が嵌めこまれる。外容器7Aの内側に、半球状の内容器8と共に食物60が収納される。該食物60は、蓋体9の収納部91と内容器8の収納部81の内側に収納される。そして、内容器8と食物60の間には、シート材80が設けられる。シート材80も小麦粉や米粉などを主成分とした食べられる材料で構成される。このシート材40は、水分を吸収した場合にも容易に破れない性質を備え、水分の浸透による外容器2の軟化を抑制する。
【0029】
この実施形態の可食容器6Aは、全体して球形となるように構成されている。これにより、この外側に球技の玉の模様を施すことで、スポーツ観戦の際の食べ物の容器として、需要者の購買意欲を惹起する意匠を施すことができる。例えば、野球観戦の際には、外側に野球の球に似せた意匠を施し、サッカー観戦の場合には、サッカーボールに似せて、白の六角形と黒の五角形を組み合わせた意匠を施せばよい。
【0030】
なお、図15に示されているように、収容されている食物60と共に、外容器7Aの一部を食べてしまった場合に、食物60から浸み出た水分、或いは溶け出た水分は、隙間76Aに流れ込むので、外容器7Aの外側にこぼれ出ることが抑制される。
【0031】
図16〜図18は、第5実施形態の可食容器6Bを示すものである。この可食容器6Bでは、外容器7Bの外側に複数の突起73Bが突出している。このような構成とすることにより、手に保持した場合に、持ち易くなり、かつ滑りにくくなるといった効果が発揮される。
【0032】
図19は、第6実施形態の可食容器6Cを示すものであり、外容器7Cの断面側面図である。この構成では、外容器7Cの内側に突起75cが、外側に突起73cが形成されており、内側突起75cにより断熱効果が、外側突起73cにより、持ち易くする効果が、同時に発揮される。
【0033】
図20及び図21は、第7実施形態の可食容器6Dを示す図である。この外容器7Dでは、突起ではなく、穴77Dが複数個形成されている。この穴77Dは、外側でなく、内側に形成されていてもよい。このような穴77Dによって、保温効果と、滑り止め効果が発揮される。
【0034】
図22〜図24は、第8実施形態の可食容器1Aを示すものである。この実施形態の可食容器1Aは、外容器2Aと蓋体3Aを合わせた形状が楕円球体となる構成となっている。即ち、アメリカンフットボールやラグビーなどの球技に使用されるボールと同じ形状となっており、これらのボールの意匠を施すことで、観戦者による購買意欲を刺激できるように構成されている。
【符号の説明】
【0035】
1 可食容器
2 外容器
3 蓋体
4 内容器
5 食物
【特許請求の範囲】
【請求項1】
食べられる材料で構成された外容器と、
食べられる材料で構成され、前記外容器の内側に収容されるとともに、その内側に食べ物を収容する内容器とを備え、
前記外容器は、内壁面に所定の間隔を空けて配置された複数の突起を有し、前記外容器と前記内容器との間には隙間が設けられていることを特徴とする可食容器。
【請求項2】
前記外容器の開口部を覆う蓋体を有する請求項1に記載の可食容器。
【請求項3】
前記外容器の形状は、平たいプレート状である請求項1又は2に記載の可食容器。
【請求項4】
前記外容器の形状は、半球形状である請求項1又は2に記載の可食容器。
【請求項5】
前記内容器は、前記外容器に比較して水分を吸収し難い材料で構成されている請求項1〜4のいずれか1に記載の可食容器。
【請求項6】
前記内容器は、前記外容器に比較して水分を吸収し易い材料で構成されている請求項1〜4のいずれか1に記載の可食容器。
可食容器。
【請求項1】
食べられる材料で構成された外容器と、
食べられる材料で構成され、前記外容器の内側に収容されるとともに、その内側に食べ物を収容する内容器とを備え、
前記外容器は、内壁面に所定の間隔を空けて配置された複数の突起を有し、前記外容器と前記内容器との間には隙間が設けられていることを特徴とする可食容器。
【請求項2】
前記外容器の開口部を覆う蓋体を有する請求項1に記載の可食容器。
【請求項3】
前記外容器の形状は、平たいプレート状である請求項1又は2に記載の可食容器。
【請求項4】
前記外容器の形状は、半球形状である請求項1又は2に記載の可食容器。
【請求項5】
前記内容器は、前記外容器に比較して水分を吸収し難い材料で構成されている請求項1〜4のいずれか1に記載の可食容器。
【請求項6】
前記内容器は、前記外容器に比較して水分を吸収し易い材料で構成されている請求項1〜4のいずれか1に記載の可食容器。
可食容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公開番号】特開2011−37476(P2011−37476A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−186026(P2009−186026)
【出願日】平成21年8月10日(2009.8.10)
【出願人】(591068218)麓技研株式会社 (8)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月10日(2009.8.10)
【出願人】(591068218)麓技研株式会社 (8)
【Fターム(参考)】
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