説明

合成ガスからの炭化水素の合成のための触媒、触媒の製造方法

本発明は、合成ガスからの炭化水素の合成の際に有用な触媒に関する。本発明はまた、合成ガスからの炭化水素の生成に有用な触媒の製造方法に関する。本発明は、特に、合成ガスからのロウの生成のための触媒の製造に関する。本発明は、フィッシャー−トロプシュ合成を用いて炭化水素特定的にはロウを合成するのに有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、合成ガスからの炭化水素の合成の際に有用な触媒に関する。本発明はまた、合成ガスからの炭化水素の生成に有用な触媒の製造方法に関する。本発明は、特に、合成ガスからのロウの生成のための触媒の製造に関する。本発明は、フィッシャー−トロプシュ合成を用いて炭化水素特定的にはロウを合成するのに有用である。
【背景技術】
【0002】
合成ガスすなわちいわゆる「シンガス(syngas」は、化学反応用供給原料として製造されたガスの混合物、たとえば炭化水素若しくは有機化学薬品を作製するための一酸化炭素と水素又はアンモニアを作製するための水素と窒素である。
【0003】
一酸化炭素と水素の混合物たとえば合成ガスすなわちシンガスの転化は、普通フィッシャー−トロプシュ合成(FTS)と称される。独国は、化学薬品(副生成物としてのロウを含めて)に加えて、独国の燃料の15%をフィッシャー−トロプシュ合成により生産した。最初の商業的フィッシャー−トロプシュ合成操作は、コバルト触媒(後に鉄触媒でもって言及された)を用いた。フィッシャー−トロプシュ合成は、第二次世界大戦中独国において大いに用いられた。
【0004】
液体燃料への石炭の転化の際に及び液体燃料への天然ガスの転化のために、この方法の使用に対するかなりの誘因がある。液体燃料は、石炭よりも容易に輸送及び利用される。液体への天然ガスの転化は、輸送及び貯蔵をより適合し得るようにする。Sasolは南アフリカ国においてフィッシャー−トロプシュ商業プラントを稼動し、しかしてこれらのプラントは鉄触媒を用いる(たとえばOil and Gas Journal,1992年1月20日,p.53)。Shell Oilの技術を用いての大きい商業プラントが、マレーシア国において最近生産に置かれた。これらの商業的操作は、典型的には固定床反応器系を用いる(たとえば、S.T.Sie等,Catalysis Today,(1991)(371〜394)によるシェル中質留出物合成法によっての輸送燃料への天然ガスの転化)。
【0005】
原則的に、フィッシャー−トロプシュ合成に活性であるすべての触媒が、スラリー反応器系において用いられ得る。触媒選択の目的は、所望の液体状炭化水素生成物のできる限り最高の選択度及びできる限り最高の活性を得ることである。鉄触媒は、低いコスト及び良好な活性のために好まれてきた。しかしながら、一層良好な触媒−反応器系が所望される。Soled等の米国特許第5,162,284号明細書は、銅促進コバルトマンガンスピネル触媒を記載する。
【0006】
普通のフィッシャー−トロプシュ触媒は、コバルト、及び鉄である(たとえば「The Fischer-Tropsch Synthesis」,R.B.Anderson,Academic Press(1984),p.2)。ルテニウム及びオスミウムのような他のVIII族金属もまた活性である。主触媒成分として調査されてきた他の金属はレニウム、モリブデン及びクロムを包含するが、しかしこれらは非常に低い活性しか有さないか又は全く活性を有さず、また主としてメタンを生成させる。
【0007】
様々な金属の添加により、担持コバルト触媒の活性が高められ得あるいは性能が改善され得る。例示金属は、銅(米国特許第5,302,622号明細書及び第5,162,284号明細書)、セリウム(米国特許第3,888,792号明細書、第4,657,885号明細書、第4,801,573号明細書及び第4,880,763号明細書)、レニウム(米国特許第4,088,671号明細書、第4,558,030号明細書、第4,568,663号明細書、第4,801,573号明細書及び第4,880,763号明細書)及びマンガン(米国特許第5,162,284号明細書)を包含する。貴金属は、白金、イリジウム、ルテニウム及びロジウム(米国特許第5,302,622号明細書、第5,059,574号明細書及び第5,102,851号明細書)を包含する。触媒活性を高めることに加えて、促進剤は、特定の結果を達成するために(たとえば、液体状炭化水素の生成を高めるために、メタンの生成を抑制するために、等)添加される(たとえば米国特許第4,880,763号明細書における論考)。米国特許第5,302,622号明細書は、コバルトと、モリブデン及びタングステンから選ばれた少なくとも1種の追加元素と、ルテニウム及び銅を包含する元素から選ばれた少なくとも1種の元素とを含有する触媒を記載する仏国特許出願公開第91/07,634号明細書を参照する。
【0008】
一連のShell特許(米国特許第4,522,939号明細書、第4,499,209号明細書、第4,587,008号明細書及び第4,686,238号明細書)は、ジルコニウム、チタン又はクロムで促進された担持コバルト−シリカ触媒を開示する。これらの触媒は、固定床操作向けに意図されている。それらの効力は、支持体上における金属の組込みの特定の種類(すなわち、逐次含浸及び/又は混練による)に依存する。
【0009】
米国特許第4,801,573号明細書及び第4,880,763号明細書は、IIIB族、IVB族及びVB族における元素から選ばれた促進剤酸化物(ジルコニアを包含するが、しかし活性又は選択度のどちらに対しても促進効果は示されなかった)の少量の使用を記述する。米国特許第5,639,798号明細書は、水素及び一酸化炭素からの炭化水素の生成のための改善活性を有する触媒並びに改善炭化水素合成方法に関する。特定的には、この発明は、無機酸化物上に支持されたコバルトを含み、しかもモリブデン又はモリブデンとジルコニウムにより促進された触媒に関する。
【0010】
米国特許第4,542,122号明細書は、コバルト−チタニア又はトリウム促進コバルト−チタニア触媒であって、コバルト又はコバルトとトリアがチタニア含有支持体上にて複合化又は分散されている触媒の開発を開示する。該チタニアは、ルチル相にある。活性を改善するためにレニウムがコバルト−チタニアに添加される米国特許第4,568,663号明細書が参照され得る。米国特許第5,140,050号明細書は、ルチル相のチタニアの使用を開示する。線状パラフィン及びオレフィン用の触媒が、コバルトを単独で又は金属促進剤特にレニウムと共に触媒活性な薄い膜として、ルチル:アナターゼ比率=3:2を有する特定のチタニア又はチタニア含有支持体上に分散することにより開発された。米国特許第5,128,377号明細書においてもまた、かかる触媒が、コバルト前駆体を噴霧被覆することにより製造される。
【0011】
米国特許第5,036,032号明細書は、溶融コバルト塩を含浸することにより支持体が作製され、しかも支持体はシリカ、マグネシア、アルミナ、シリカ−アルミナ、チタニア及びそれらの混合物から選択された方法を開示する。チタニア支持体を含む触媒であって、アルミナ及びジルコニアから成る群からの無機酸化物バインダーが組み込まれた触媒が開発された米国特許第4,952,406号明細書もまた参照される。該チタニアは特定の表面積及び細孔容積を有し、また少なくとも約3:2から約100:1及びそれ以上のルチル:アナターゼ重量比を有する。
【0012】
コバルトを共触媒として含む鉄系触媒を用いてのフィッシャー−トロプシュ法が、C2〜C4オレフィンを含有する気体状及び液体状炭化水素を生成するために知られている。C2〜C4オレフィンの重要性(特に、化学工業用供給原料として)のために、C2〜C4オレフィン選択度を最大にする一方、反応条件下で高い触媒活性及び安定性を維持するという目標に向かって、フィッシャー−トロプシュ法の改良が絶えず追求されている。この研究分野における努力の主眼は、新触媒の開発という研究分野に存在してきた。
【0013】
米国特許第4,532,229号明細書が参照され、しかして比較的安定な鉄カルボニル錯体たとえばビス(ジカルボニルシクロペンタジエニル鉄)及びより低融点のコバルトカルボニル錯体の使用がアルファ−オレフィンへのCO/H2の転化のための混合金属触媒の生成を容易にすることを該明細書は記載する。これらの物質の分解は制御的やり方で達成されて、フィッシャー−トロプシュ法における優秀なアルファ−オレフィン合成触媒をもたらすことになり得る。この方法は、一般に、スラリー液として用いられる液体状炭化水素中に鉄及びコバルトのカルボニル錯体物質を置くことにより行われる。
【0014】
米国特許第4,670,475号明細書もまた参照され、しかしてレニウム促進コバルト触媒特にレニウム及びトリアで促進されたコバルト触媒、並びに炭化水素へのメタノールの転化方法が記載されている。メタノールが、好ましくは添加水素と共に、該触媒を横断して接触されて、又は合成ガスが該触媒を横断して接触されて、反応条件においてC10+の線状パラフィン及びオレフィンの混合物を生成する。これらの炭化水素は、高品質中質留出燃料、並びにディーゼル燃料、ジェット燃料、潤滑油及び特殊溶媒のような他の価値ある製品、特に約C10から約C20の範囲の炭素数の高級中質留出燃料に更に精製され得る。
【0015】
J.C.S. Chem. Comm.,p.428〜430(1983)の参考文献は、アミノドナー官能基により変性されたシリカのような塩基性支持体上に効果的に支持され得るところのHFeCo3(CO)2のような錯体を記載する。これらの錯体は、独特の炭化水素生成物分布を生じさせる活性フィッシャー−トロプシュ触媒を生じると記載されている。
【0016】
無機酸化物支持体好ましくは酸化チタン上へのジルコニウムと一緒にマグネシウムの添加は、炭化水素への合成ガスの転化に有用なコバルト触媒の効力を実質的に増加する、ということが見出された。
【0017】
触媒の開発のための上記に挙げられた諸方法は、低いシンガス処理量においての多工程を要求する低い活性の難点がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明の主目的は、上記に列挙された先行技術の欠点を解消するところの合成ガスからの炭化水素の合成の際に有用な新規触媒を提供することである。
【0019】
本発明の別の目的は、上記に詳述された欠点を解消するところの合成ガスからのロウの合成に有用な触媒の製造方法を提供することである。
【0020】
本発明の別の目的は、高選択性を有する触媒を製造することである。
【0021】
本発明の更に別の目的は、単純で且つ経済的に効率的であるところの合成ガスからの炭化水素の合成方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0022】
従って、本発明は、合成ガスからの炭化水素の合成に有用な触媒の製造方法であって、8から15wt%の溶液を生じるように硝酸マグネシウム及び硝酸第一コバルトを1:1.5から1:3.0(w/w)の範囲の所望割合にて、1.5から3.5リットルの範囲の適切量の蒸留水に添加し、この溶液を連続撹拌下で60から90度摂氏の範囲の温度にて温め、溶液の温度を60から90度摂氏の範囲に維持しながら、溶液のpHが7.5から8.5の範囲を示すまで8から15wt%の重炭酸ナトリウム溶液を連続撹拌下で滴加し、1:4から1:6(w/w)の範囲の割合の酸化ジルコニウムとチタニアとの粉砕混合物を撹拌下で20から50分の範囲の期間で添加し、生じた溶液を真空下で濾過し、残留物を脱塩水で洗浄してそれを硝酸塩不含にし、この固形塊を磁製皿に移しそしてオーブンで65から80度摂氏の範囲の温度にて6から15時間の範囲の期間乾燥し、この塊を冷却しそして10mm×4mmのサイズのペレットを作製する及び−6+14メッシュ(BSS)サイズの小片に破砕することを含む方法を提供する。
【0023】
本発明の具体的態様において、用いられるチタニアは、500から600度摂氏の範囲の温度にて12から20時間の範囲の期間予熱される。
【0024】
本発明の別の具体的態様において、硝酸塩不含試験が、慣用の褐色環試験を用いて遂行される。
【0025】
好ましい触媒は、約5%から50%のコバルト及び約0.1%から10%のマグネシウム又はマグネシウムとジルコニウムを含有する。特定的には、改善触媒はマグネシウム及びコバルト並びにチタニア支持体を含み、しかも該触媒は触媒の総重量を基準として約2%から50%のコバルト及び約0.1%から15%のマグネシウム並びに随意に約0.1%から10%のジルコニウムを含有し、マグネシウム対コバルトの重量比は約0.02から0.25であり、そして該支持体は約5から250ミクロンの粒子サイズ範囲を有する。
発明の詳細な説明
【0026】
本発明の方法は、合成ガスからの炭化水素の合成に有用な触媒の製造であって、8から15wt%の溶液を生じるように硝酸マグネシウム及び硝酸第一コバルトを1:1.5から1:3.0(w/w)の範囲の所望割合にて、1.5から3.5リットルの範囲の適切量の蒸留水に添加し、この溶液を連続撹拌下で60から90℃の範囲の温度にて温め、溶液の温度を60から90℃の範囲に維持しながら、溶液のpHが7.5から8.5の範囲を示すまで8から15wt%の重炭酸ナトリウム溶液を連続撹拌下で滴加し、1:4から1:6(w/w)の範囲の割合の酸化ジルコニウムとチタニアとの粉砕混合物を撹拌下で20から50分の範囲の期間で添加し、生じた溶液を真空下で濾過し、残留物を脱塩水で洗浄してそれを硝酸塩不含にし、この固形塊を磁製皿に移しそしてオーブンで65から80℃の範囲の温度にて6から15時間の範囲の期間乾燥し、この塊を冷却しそして10mm×4mmのサイズのペレットを作製する及び−6+14メッシュ(BSS)サイズの小片に破砕することによる製造を含む。
【0027】
チタニアは、好ましくは、500から600℃の範囲の温度にて12から20時間の範囲の期間予熱される。硝酸塩不含試験が、慣用の褐色環試験を用いて遂行される。好ましい触媒は、約5%から50%のコバルト及び約0.1%から10%のマグネシウム又はマグネシウムとジルコニウムを含有する。特定的には、改善触媒はマグネシウム及びコバルト並びにチタニア支持体を含み、しかも該触媒は触媒の総重量を基準として約2%から50%のコバルト及び約0.1%から15%のマグネシウム並びに随意に約0.1%から10%のジルコニウムを含有し、マグネシウム対コバルトの重量比は約0.02から0.25であり、そして該支持体は約5から250ミクロンの粒子サイズ範囲を有する。
【0028】
本発明の新規性は、先行技術の方法と比べて最小数の工程を用いて、アナターゼ相のみのチタニアを有する並びに環境に優しい条件下で高い収率及び高い選択性を有する触媒を製造することに存し、そして進歩性は該製造の方法の非自明な工程に存する。
【0029】
次の例は本発明の例示として与えられ、しかして本発明の範囲を限定するように解釈されるべきでない。
【実施例1】
【0030】
185グラムの硝酸第一コバルト六水和物及び79.5グラムの硝酸マグネシウム六水和物を2.66リットルの蒸留水に添加して、10wt%溶液(溶液A)を生成させた。62.5グラムのチタニア(560℃にて16時間予熱された)と12.5グラムの酸化ジルコニウムを混合し、そして粉砕した。
【0031】
溶液Aを連続撹拌下で80℃にて温め、そして溶液のpHが8になるまで10wt%重炭酸ナトリウム溶液を80℃にて滴加し、しかしてそこで加熱及び炭酸ナトリウムの添加を止めた。この溶液に酸化チタンと酸化ジルコニウムの粉砕混合物を添加し、そして撹拌を30分間続行した。生じた溶液を真空ポンプを用いて真空下で濾過し、そして20リットルの脱塩水で洗浄して硝酸塩不含にした(これは、慣用の褐色環試験により検査された)。この固形塊を磁製皿に移し、そしてモイスチャーオーブン(「水分乾燥器」)で70±5℃にて10時間乾燥した。これを冷却し、そして10mm×4mmのサイズのペレットとして作製し及び−6+14メッシュ(BSS)のサイズの小片に破砕した。
【実施例2】
【0032】
126.5グラムの硝酸第一コバルト六水和物及び50.5グラムの硝酸マグネシウム六水和物を2.66リットルの蒸留水に添加して、10wt%溶液(溶液A)を生成させた。100グラムのチタニア(500℃にて13時間予熱された)と20グラムの酸化ジルコニウムを混合し、そして粉砕した。
【0033】
溶液Aを連続撹拌下で90℃にて温め、そして溶液のpHが8になるまで10wt%炭酸ナトリウム溶液を90℃にて滴加し、しかしてそこで加熱及び重炭酸ナトリウムの添加を止めた。この溶液に酸化チタンと酸化ジルコニウムの粉砕混合物を添加し、そして撹拌を40分間続行した。生じた溶液を真空ポンプを用いて真空下で濾過し、そして20リットルの脱塩水で洗浄して硝酸塩不含にした(これは、慣用の褐色環試験により検査された)。この固形塊を磁製皿に移し、そして水分乾燥器で70±5℃にて9時間乾燥した。これを冷却し、そして10mm×4mmのサイズのペレットとして作製し及び−6+14メッシュ(BSS)のサイズの小片に破砕した。
【実施例3】
【0034】
130グラムの硝酸第一コバルト六水和物及び52グラムの硝酸マグネシウム六水和物を2.66リットルの蒸留水に添加して、10wt%溶液(溶液A)を生成させた。100グラムのチタニア(500℃にて13時間予熱された)と20グラムの酸化ジルコニウムを混合し、そして粉砕した。
【0035】
溶液Aを連続撹拌下で80℃にて温め、そして溶液のpHが8になるまで10wt%炭酸ナトリウム溶液を80℃にて滴加し、しかしてそこで加熱及び重炭酸ナトリウムの添加を止めた。この溶液に酸化チタンと酸化ジルコニウムの粉砕混合物を添加し、そして撹拌を40分間続行した。生じた溶液を真空ポンプを用いて真空下で濾過し、そして20リットルの脱塩水で洗浄して硝酸塩不含にした(これは、慣用の褐色環試験により検査された)。この固形塊を磁製皿に移し、そして水分乾燥器で70±5℃にて9時間乾燥した。これを冷却し、そして10mm×4mmのサイズのペレットとして作製し及び−6+14メッシュ(BSS)のサイズの小片に破砕した。
【0036】
発明の効果
本発明の主な利点は、次のものである。
1.本方法は非常に単純である。
2.操作条件は、制御するのが容易である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成ガスからの炭化水素の合成に有用な触媒であって、チタニア支持体上に含有された5%から50%のコバルト及び約0.1%から10%のマグネシウム又はマグネシウムとジルコニウムを含む触媒。
【請求項2】
触媒の総重量を基準としてコバルトの量が2%から50%の範囲にあり、マグネシウムが0.1%から15%の範囲にあり、そしてジルコニウムが0.1%から10%の範囲にあり、マグネシウム対コバルトの重量比が約0.02から0.25であり、チタニア支持体が約5から250ミクロンの粒子サイズ範囲を有する、請求項1に記載の触媒。
【請求項3】
合成ガスからの炭化水素の合成に有用な触媒であって、しかもチタニア支持体上に含有された5%から50%のコバルト及び約0.1%から10%のマグネシウム又はマグネシウムとジルコニウムを含む触媒の製造方法であって、硝酸マグネシウム及び硝酸コバルトを1:1.5から1:3.0(w/w)の範囲にて、1.5から3.5リットルの量の蒸留水に添加して8から15wt%の溶液を得、この溶液を連続撹拌下で60から90℃の範囲の温度にて温め、この温められた溶液に、溶液の温度を60から90℃の範囲に維持しながら、溶液のpHが7.5から8.5の範囲になるまで8から15wt%の炭酸ナトリウム溶液を連続撹拌下で滴加し、1:4から1:6(w/w)の範囲の割合の粉砕チタニアを撹拌下で20から50分の範囲の期間で添加し、生じた溶液を真空下で濾過し、残留物を洗浄して硝酸塩を除去し、濾液を65から80℃の範囲の温度にて6から15時間の範囲の期間乾燥し、この乾燥濾液を冷却することを含む方法。
【請求項4】
酸化ジルコニウムをチタニアスラグと共に、マグネシウム及びコバルトの硝酸塩の溶液に添加する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
乾燥濾液を10mm×4mmのサイズのペレットにペレット化する及び−6+14メッシュ(BSS)サイズの小片に破砕する、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
マグネシウム及びコバルトの硝酸塩の溶液への添加の前に、チタニアを500から600℃の範囲の温度に12から20時間の範囲の期間予熱する、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
生じた溶液を、洗浄及び乾燥の前に、褐色環試験を含む硝酸塩不含試験に付す、請求項3に記載の方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成ガスからの炭化水素の合成に有用な触媒であって、チタニア支持体上に含有された5%から50%のコバルト及び0.1%から10%のマグネシウム又はマグネシウムとジルコニウムを含む触媒。
【請求項2】
触媒の総重量を基準としてコバルトの量が2%から50%の範囲にあり、マグネシウムが0.1%から15%の範囲にあり、そしてジルコニウムが0.1%から10%の範囲にあり、マグネシウム対コバルトの重量比が0.02から0.25であり、チタニア支持体が5から250ミクロンの粒子サイズ範囲を有する、請求項1に記載の触媒。
【請求項3】
合成ガスからの炭化水素の合成に有用な触媒であって、しかもチタニア支持体上に含有された5%から50%のコバルト及び0.1%から10%のマグネシウム又はマグネシウムとジルコニウムを含む触媒の製造方法であって、硝酸マグネシウム及び硝酸コバルトを1:1.5から1:3.0(w/w)の範囲にて、1.5から3.5リットルの量の蒸留水に添加して8から15wt%の溶液を得、この溶液を連続撹拌下で60から90℃の範囲の温度にて温め、この温められた溶液に、溶液の温度を60から90℃の範囲に維持しながら、溶液のpHが7.5から8.5の範囲になるまで8から15wt%の炭酸ナトリウム溶液を連続撹拌下で滴加し、1:4から1:6(w/w)の範囲の割合の粉砕チタニアを撹拌下で20から50分の範囲の期間で添加し、生じた溶液を真空下で濾過して残留物を得てその残留物を洗浄して硝酸塩を除去して、硝酸塩のない固体残留物を得て、その固体残留物を65から80℃の範囲の温度にて6から15時間の範囲の期間乾燥し、この乾燥固体残留物を冷却することを含む方法。
【請求項4】
酸化ジルコニウムをチタニアスラグと共に、マグネシウム及びコバルトの硝酸塩の溶液に添加する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
乾燥固体残留物を10mm×4mmのサイズのペレットにペレット化する及び−6+14メッシュ(BSS)サイズの小片に破砕する、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
マグネシウム及びコバルトの硝酸塩の溶液への添加の前に、チタニアを500から600℃の範囲の温度に12から20時間の範囲の期間予熱する、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
生じた溶液を、洗浄及び乾燥の前に、褐色環試験を含む硝酸塩不含試験に付す、請求項3に記載の方法。

【公表番号】特表2006−521913(P2006−521913A)
【公表日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−570086(P2004−570086)
【出願日】平成15年3月31日(2003.3.31)
【国際出願番号】PCT/IN2003/000117
【国際公開番号】WO2004/087313
【国際公開日】平成16年10月14日(2004.10.14)
【出願人】(595059872)カウンシル オブ サイエンティフィク アンド インダストリアル リサーチ (81)
【Fターム(参考)】