説明

合成セグメントの製造方法及び合成セグメント

【課題】円弧板状枠体とコンクリートとの境界に気泡による空隙を発生させない。
【解決手段】鋼製の円弧板状枠体21の内面の気泡が残留する領域に気泡を滞留させないようにモルタル層28を配設する。モルタル層28は、スキンプレート24,主桁板、継手板26の内面に塗布する。主桁板、継手板26の付着したモルタル層の層側部28Aは表面28aを傾斜面とし、コンクリート中の気泡が流動して供給口21aから排出し易くする。円弧板状枠体の内部にコンクリートCを充填して打設することで円弧板状枠体の内面に間隙のない合成セグメントを得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鋼製の円弧板状枠体の内部にコンクリートを打設してなる合成セグメントの製造方法及び合成セグメントに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、トンネルの構築に用いられる方法として、トンネル状の掘削穴を掘削しつつ、その内面に円弧板状のセグメントを複数連結して筒状の壁体を構築する、いわゆるシールド工法が一般的である。掘削穴内でのセグメントの連結に際しては、各セグメントのセグメント継手とリング継手を他のセグメントのセグメント継手とリング継手にそれぞれ連結させ、しかも掘削穴の軸方向に隣り合う各セグメントを周方向に例えば1/2の長さづつずらして連結するようにしている。
シールド工法に用いられるセグメントとして、例えばコンクリート製セグメント、鋼製(スチール製)セグメント、鋼材(スチール)とコンクリートを複合使用した合成セグメントの3種類のセグメントが知られている。これらセグメントのうち、合成セグメントは鋼製の円弧板状枠体内にコンクリートを充填して製造されている。
【0003】
このような合成セグメントの製造方法におけるコンクリート打設方法として、例えば次の3つの方法がある。
第1の打設方法はいわゆる山打ちであり、図6に記載のように鋼製の円弧板状枠体1Aを外周側鋼板2と一対の継手板3、3と一対の主桁板とで概略構成している。この円弧板状枠体1Aの外周側鋼板2に対向する内周側の開口4を型枠5に設置する。そして、外周側鋼板2の最も高さの高い一方の継手板3側端部の供給口2aから固化前のコンクリートCを供給することで円弧板状枠体1Aの内部に充填する。これによって円弧板状枠体1A内にコンクリートCを設けた合成セグメント6を形成する。
第2の打設方法はいわゆる縦打ちであり、図7に示すように鋼製の円弧板状枠体1Bにおける内周側の開口を型枠板7で覆う構成を有している。しかも対向する2つの主桁板8a、8bを上下方向に配設している。そして、上部側をなす主桁板8aに設けた開口9から円弧板状枠体1B内にコンクリートCを充填する(特許文献1参照)。
第3の打設方法はいわゆる船打ちであり、図8に示すように円弧板状枠体1Cの外周側鋼板2を下側に、型枠板7を上側に配置して概略構成している。そして、型枠板7の一方の端部または最も低い底部に設けた供給口7aから円弧板状枠体1C内にコンクリートCを充填注入して打設する(特許文献2参照)。
これらの打設方法において、円弧板状枠体1A,1B,1C内に充填する流動性のあるコンクリートC中には微細な気泡の粒子が存在しており、これら微細な気泡は固化前のコンクリートCの流動性を良好にするため、充填効率がよい。
【特許文献1】特開2001−105417号公報
【特許文献2】特開2001−58308号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述したコンクリート打設方法のうち、第1の打設方法では、コンクリートCを円弧板状枠体1A内に充填すると、コンクリートC内に分散混入している微細な気泡が上昇して外周側鋼板2と固化前のコンクリートCとの境界面に溜まり、これらの気泡の粒子が外周側鋼板2の内面上で集合して空隙11を形成する不具合が発生する。この場合、外周側鋼板2の内面は傾斜が緩やかであるためにほぼ全面に気泡が滞留して空隙11が形成され、更に外周側鋼板2と両側の継手板3や主桁板との角部にも空隙11が形成される。
また、第2の打設方法では、同様に天井をなす上側の主桁板8aの内面と主桁板8a及び外周側鋼板2、主桁板8a及び継手板3、3との角部等にも気泡が溜まって空隙11が発生する(図7(b)参照)。第3の打設方法においても、上側に配置された型枠板7と継手板3、3との角部や、型枠板7と主桁板との角部の両側は他の部分よりも高い位置にあるため、同様に空隙11が発生する。
合成セグメントの各打設工程で形成されるこれら空隙11はコンクリートCの未充填箇所となり、合成セグメント6の強度を低下させて寿命を短くする欠点がある。
【0005】
本発明は、このような実情に鑑みて、鋼材からなる円弧板状枠体とコンクリートとの境界に気泡による空隙を生じさせないようにした合成セグメントの製造方法と合成セグメントを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による合成セグメントの製造方法は、鋼製の円弧板状枠体の内部にコンクリートを打設して形成する合成セグメントの製造方法において、円弧板状枠体の内面の気泡が残留する領域に気泡を分散、吸収または内面から分離させる空隙抑制材を設け、次いで円弧板状枠体の内部にコンクリートを打設するようにしたことを特徴とする。
本発明によれば、円弧板状枠体の内面の少なくとも一部領域に空隙抑制材を設けておくことで、コンクリートを充填した際に気泡が円弧板状枠体の気泡が滞留する領域に上昇したとしても、空隙抑制材で分散、吸収、分離または排出させるために気泡が集合して空隙を形成することはなく、固化後のコンクリートと円弧板状枠体との境界面に未充填部は発生しない。そのため、強度の高い合成セグメントが得られる。
なお、コンクリート充填時に円弧板状枠体を振動させれば一層気泡を排出させ易くなる。
【0007】
本発明による合成セグメントは、鋼製の円弧板状枠体の内部にコンクリートを打設してなる合成セグメントにおいて、円弧板状枠体とコンクリートの境界の少なくとも一部には、充填されるコンクリート中の気泡を分散、吸収、分離または排出させる空隙抑制材を設けたことを特徴とする。
本発明の合成セグメントは、鋼製の円弧板状枠体とコンクリートとの間に空隙抑制材を設けていると、その領域には空隙が発生していないから強度が高い。空隙抑制材は少なくとも気泡が残留する領域に設けるものとする。
【0008】
気泡が残留する領域とは、円弧板状枠体の内部に固化前のコンクリートを打設する際に上側に位置する円弧板状枠体の内面である。気泡が残留する領域は、山打、縦打ち、船打ち等の各打設方法で円弧板状枠体の姿勢が相違しているため、主としてそれぞれの姿勢で保持された円弧板状枠体の上部内面やその角部に発生し易い。そのため、これら上部内面や角部に空隙抑制材を設ける。或いは円弧板状枠体の内面全面に空隙抑制材を設けるようにしてもよい。
空隙抑制材は、モルタル層、気泡吸収シート、気泡分散材または気泡巻き込み硬化材のいずれかであることが好ましい。これらのいずれかを円弧板状枠体の内面に設けて、固化前のコンクリート中の気泡が接触すれば、気泡の集合を抑制できる。
また、空隙抑制材はモルタル層であり、円弧板状枠体をコンクリート打設のために型枠に設けた状態で、継手板と主桁板に設けたモルタル層の層側部は気泡が流動し易いように表面を傾斜面として形成してもよい。コンクリート中の気泡は層側部の表面を流れて一層排出され易くなる。
【発明の効果】
【0009】
本発明による合成セグメントの製造方法と合成セグメントによれば、鋼材等からなる円弧板状枠体とコンクリートとの境界に気泡を集合または滞留させないために空隙のない合成セグメントを製造できる。そのため、コンクリート充填後の補修のための充填を必要とせず、製造コストの上昇を抑制できる。得られた合成セグメントはコンクリートの未充填部がなく強度が高い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
次に本発明の実施の形態について添付の図1乃至図5を参照して説明する。
図1乃至図3は第一の実施の形態による合成セグメントの製造方法を示すもので、図1はコンクリート層を一部破断して示す合成セグメントの斜視図、図2は円弧板状枠体にモルタル層を塗布する一次工程を示す要部縦断面図、図3は円弧板状枠体にコンクリートを充填する二次工程を示す要部縦断面図である。
図1において、本実施の形態による製造方法で得られた合成セグメント20は、例えば山打ちの打設方法によって製造されたものである。この合成セグメント20は内周面が開口された鋼製の円弧板状枠体21と、円弧板状枠体21の内部に打設されたコンクリートCとで概略構成されている。
なお、円弧板状枠体21とは、円筒の周面形状をなす所定厚みの凸(凹)曲面状の枠体であり、内部空間にコンクリートCを充填して一体化するものをいう。
【0011】
円弧板状枠体21は外周側鋼板をなすスキンプレート24が円筒周面形状に湾曲されて形成され、その長辺をなす両側縁部にはスキンプレート24に略垂直をなす一対の主桁板25、25が溶接等の固定手段で固着されている。また、短辺をなす両側縁部にはスキンプレート24の短辺側縁部に略垂直に一対の継手板26、26が溶接等の固定手段で固着されている。更に必要に応じて、円弧板状枠体21の内面には、例えば継手板26と略平行に適宜数のリブ27が互いに間隔を開けて設けられている。このようにして鋼製の円弧板状枠体21が鋼殻として形成されている。
そして、円弧板状枠体21の内面において、スキンプレート24の全面と、スキンプレート24と継手板26及び主桁板25とで形成する四辺の角部にかけて薄層状にモルタル層28が吹き付け等の手段で形成されている(図2、3参照)。なお、モルタル層28は継手板26及び主桁板25に付着する層側部28Aとスキンプレート24に付着する層底部28Bとで構成されている。層側部28Aの厚みがスキンプレート24側から内周面の開口19に向けて漸次小さくなるように形成され、しかもその層側部28Aの表面28aは図2に示す開口19の仕切線に略直交する垂線に対して内側に角度θをなすように傾斜して形成されている。更に好ましくは鉛直線に対して内側に角度θ傾斜するように表面28aを形成してもよい。そのため、層側部28Aと層底部28Bとの交差角は鈍角になる(図2、3参照)。モルタル層28の上には円弧板状枠体21の内部に充填されたコンクリートCが層状に形成されている。
ここで、合成セグメント20に関して、掘削穴に合成セグメント20による筒状の壁体を形成した状態で、内周側や内周面とはトンネル内空側を指し、外周側や外周面は地山側を指すものとする。
【0012】
本実施の形態による合成セグメント20は上述の構成を有しており、次にその製造方法を図2及び図3に沿って説明する。
先ず、図2に示すように予め製造された鋼製の円弧板状枠体21について、内周面の開口19を上側にスキンプレート24を下側に配置する。そして、図示しないタンクから延びるチューブ30の先端に設けたノズル31によって、スラリー状または液状のモルタルを円弧板状枠体21の内面に吹き付ける。
吹き付ける領域は、コンクリートを打設する際に鋼板とコンクリートCとの間に気泡が付着、滞留し易い領域である。具体的にはコンクリート打設時に上側に位置するスキンプレート24の内面、そして継手板26、26のスキンプレート24側の一部と、主桁板25、25のスキンプレート24側の一部である。そのため、スキンプレート24の内面から、スキンプレート24と継手板26の角部とスキンプレート24と主桁板25の角部にまでモルタル層28が空隙抑制材として形成される。なお、本実施の形態の構成に代えて、スキンプレート24、継手板26、26,主桁板25、25の各内面全体に塗布してもよい。
【0013】
次に、円弧板状枠体21を反転し、内周面の開口19を型枠33上に載置させ、スキンプレート24を上側に向ける。この状態で円弧板状枠体21はスキンプレート24の長手方向において一方の端部が上端に位置し、他方の端部に向けて次第に高さが低くなるように取り付けられる。しかも、モルタル層28の層側部28Aは型枠板19に対する垂線に対して角度θ内側に傾斜して表面28aが形成されている。この状態で円弧板状枠体21の最も高さの高い一方の端部に穿孔した穴21aにホッパ32を挿入して流動性のある固化前のコンクリートCを充填する。
この場合、円弧板状枠体21内に充填されるコンクリートC中に含まれる気泡はスキンプレート24内面に向けて上昇するが、継手板26、26,主桁板25、25の領域では気泡が予め設けたモルタル層28の層側部28Aの表面28aに沿って流動し、角部内面に滞留することなく層底部28Bに沿って分散状態で更に流動して供給口21aを通って外部に排出される。コンクリートCの充填時に型枠33を振動させれば、一層気泡を排出できる。
そのため、モルタル層28とその後に充填されたコンクリートCとの境界に気泡が集合して空隙11を形成することはない。
このようにして打設され製造された合成セグメント20は、鋼材からなる円弧板状枠体21とコンクリートCとの間に空隙11が形成されず、高い強度が得られる。
【0014】
上述のように本実施の形態による合成セグメント20の製造方法によれば、コンクリートCを充填して製造する際に、モルタル層28の層側部28Aに形成した表面28aによって円弧板状枠体21のスキンプレート24の内面や、継手板26または主桁板25との角部等に気泡が集合する空隙11が形成されないために強度の高い剛性セグメント20を得られる。しかも、コンクリートCの打設に際してコンクリートCの空隙11による未充填箇所は存在しないから、充填後に補修によってコンクリートCを注入する必要がなく製造工程の増大と製造コストの上昇を抑えることができる。
【0015】
次に本発明の他の実施の形態について説明するが、上述の実施の形態と同一または同様な部材、部分には同一の符号を用いて説明を省略する。
図4は第二の実施の形態である縦打ちタイプの打設方法を示す合成セグメント33の縦断面図である。図中、鋼殻をなす円弧板状枠体21を縦置きしており、一方の主桁板25aを底面とし、対向する他方の主桁板25bを上面とし、両側面にはスキンプレート(外周側鋼板)24及び型枠板34と一対の継手板26、26がそれぞれ対向して位置している。
上面をなす主桁板25bの内面と、この主桁板25bに交差するスキンプレート24及び型枠板34と一対の継手板26、26の各上部にかけて、予めエア吸収シート36が空隙抑制材として貼着されている。エア吸収シート36として、例えば独立気泡構造でないポリエチレンフォーム、通気性シート等を用いることができる。なお、円弧板状枠体21の内面へのエア吸収シート36の貼着に際しては、型枠板34を取り付ける前にエア吸収シート36を貼着し、その後にエア吸収シート36を貼着した型枠板34を取り付ければよい。あるいは上面をなす主桁板25bに対向する底面をなす主桁板25aを取り付ける前にエア吸収シート36を貼着し、その後に主桁板25aを溶接等で固着すればよい。
【0016】
そして、その後に上面をなす主桁板25bと型枠板34との間の供給口37からエア吸収シート36の穴を通してコンクリートCを充填する。
本実施の形態においても、コンクリートC内を上昇した微細な気泡は集合することなく分散状態で個々にエア吸収シート36に捕捉され、そしてエア吸収シート36を伝わって供給口37から排出されることになる。或いは外部に排出されないまでもエア吸収シート36内に分散状態に保持される。そのため、上面をなす主桁板25bの内面、主桁板25bとスキンプレート24及び型枠板34や一対の継手板26、26との角部に気泡が集合した空隙11は形成されない。
従って、合成セグメント33の強度が高く、充填後に空隙11にコンクリートCを注入する必要がなく製造工程の増大と製造コストの上昇を抑えることができるという第一の実施の形態と同様の効果を奏する。
【0017】
図5は第三の実施の形態である船打ちタイプの打設方法を示す合成セグメント38の縦断面図である。図中、鋼殻をなす円弧板状枠体21は第二の実施の形態によるものと同様な構成を有している。この円弧板状枠体21についてスキンプレート24を下側に、型枠板34を上側に向くように設置する。そのため、一対の継手板26,26と一対の主桁板25、25はそれぞれ対向する側面に位置する。特に本実施の形態では、型枠板34と継手板26,26との角部、そして型枠板34と主桁板25,25との角部のうちの両側端部が最も高い位置にあるために、これらの角部領域に充填するコンクリートCの気泡が溜まり易く、気泡が集合して空隙11が形成されることになる。
そのため、本実施の形態では、型枠板34及び継手板26,26の角部と型枠板34及び主桁板25,25の角部と型枠板34とに空隙抑制材として、薄層の界面活性剤39を予め塗布している。界面活性剤39の塗布に際しては、第一の実施の形態と同様に、スキンプレート24を固定する前の型枠板34,主桁板25,25、継手板26、26からなる円弧板状枠体21を、型枠板34が底面に位置するように載置する。この状態で、ノズル31によって吹き付け等で、型枠板34及び継手板26,26の角部、型枠板34及び主桁板25,25の角部、そして型枠板34の領域に界面活性剤39を設ける。
【0018】
そして、スキンプレート24を固着した円弧板状枠体21を図5に示す状態に反転載置し、上側に位置する型枠板34の最も高さの低い中央部に設けた供給口34aにホッパ32を設けてコンクリートCを充填する。
本実施の形態においても、上面をなす型枠板34と主桁板25との角部、型枠板34と継手板26、26との角部、型枠板34の各内面には界面活性剤39が予め形成されているために、充填されたコンクリートC中の微細な気泡は集合することなく互いに反発し、分散状態で界面活性剤28に捕捉される。そして界面活性剤39内を流動して供給口34aから排出される。或いは、排出されないまでも分散状態で、円弧板状枠体21内に保持される。従って、円弧板状枠体21内にコンクリート中の気泡が集合した空隙11は形成されず、界面活性剤39C内に分散されることになる。
そのため、本実施の形態による合成セグメント38においても上述の実施の形態によるものと同様の効果を奏する。
【0019】
なお、上述の各実施の形態では、空隙抑制材としてモルタル層28やエア吸収シート36(エア吸収剤)、界面活性剤39(エア分散剤)を用いたが、これらに限定されることなく他の部材を適宜採用してもよい。例えば、界面活性剤は、本来コンクリートに混入しておいて空気を分散させて流動性をよくする混和剤であるから、エア分散材として液状の界面活性剤をコンクリートやモルタル等と混合することで製造できる。
なお上述の各実施の形態では、空隙抑制材を円弧板状枠体21の内面の気泡が溜まって空隙11を形成し易い領域に部分的に塗布または貼着等して設けることとしたが、円弧板状枠体21の内面全体に設けるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第一の実施の形態による合成セグメントの一部破断斜視図である。
【図2】第一の実施の形態の製造工程を示すもので、円弧板状枠体の内面にモルタル層を塗布する第一工程を示す要部断面図である。
【図3】モルタル層を塗布した円弧板状枠体にコンクリートを打設する第二工程を示す要部断面図である。
【図4】第二の実施の形態による合成セグメントの製造方法を示すもので、エア吸収シートを貼着した円弧板状枠体にコンクリートを打設する工程を示す要部縦断面図である。
【図5】第三の実施の形態による合成セグメントの製造方法を示すもので、界面活性剤を塗布した円弧板状枠体にコンクリートを打設する工程を示す要部断面図である。
【図6】従来例として円弧板状枠体内への山打ちのコンクリート打設方法を示す図である。
【図7】従来例として円弧板状枠体内への縦打ちのコンクリート打設方法を示す図である。
【図8】従来例として円弧板状枠体内への船打ちのコンクリート打設方法を示す図である。
【符号の説明】
【0021】
20、33、38 合成セグメント
21 円弧板状枠体
24 スキンプレート(外周側鋼板)
25、25a、25b 主桁板
26 継手板
28 モルタル層(空隙抑制材)
34 型枠板
36 エア吸収シート(空隙抑制材)
38 界面活性剤(空隙抑制材)
C コンクリート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋼製の円弧板状枠体の内部にコンクリートを打設して形成する合成セグメントの製造方法において、
前記円弧板状枠体の内面の気泡が残留する領域に気泡を分散、吸収または前記内面から排出させる空隙抑制材を設け、
次いで前記円弧板状枠体の内部にコンクリートを打設するようにしたことを特徴とする合成セグメントの製造方法。
【請求項2】
前記気泡が残留する領域とは、前記円弧板状枠体の内部にコンクリートを打設する際に上側に位置する前記円弧板状枠体の内面である請求項1に記載の合成セグメントの製造方法。
【請求項3】
前記空隙抑制材は、モルタル層、気泡吸収材または気泡分散材のいずれかである請求項1または2に記載の合成セグメントの製造方法。
【請求項4】
前記空隙抑制材はモルタル層であり、円弧板状枠体をコンクリート打設のために型枠に設けた状態で、継手板と主桁板に設けたモルタル層の層側部は気泡が流動し易いように表面を傾斜面として形成した請求項1または2に記載の合成セグメントの製造方法。
【請求項5】
鋼製の円弧板状枠体の内部にコンクリートを打設してなる合成セグメントにおいて、
前記円弧板状枠体とコンクリートの境界の少なくとも一部には、充填されるコンクリート中の気泡を分散、吸収または排出させる空隙抑制材を設けたことを特徴とする合成セグメント。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2006−83589(P2006−83589A)
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−268827(P2004−268827)
【出願日】平成16年9月15日(2004.9.15)
【出願人】(000198307)石川島建材工業株式会社 (139)
【Fターム(参考)】