説明

合成ナフサの製造方法

【課題】ナフサ留分の水素化処理に際して、水素化処理済の成分をリサイクルさせ、しかもそのリサイクル量を調整して、水素化精製装置における発熱を抑制し、かくして該装置の不安定な運転の安定化が達成可能とする。
【解決手段】フィッシャー・トロプシュ合成法により得られる合成油を精留塔で分留することにより、ナフサ留分と、該ナフサ留分より重質な炭化水素を含む少なくとも一つの留分に分留し、ナフサ留分を水素化精製装置において水素化触媒と接触させて水素化することにより、アルコール分やオレフィン分をパラフィン成分に転化し、実質的にパラフィン分のみからなる水素化ナフサ留分を得るに際し、オレフィン分の水素化とアルコール分の水素化による発熱を抑制するため、前記精留塔のカット温度を調整してナフサ留分中のオレフィン分およびアルコール分の含有量を低減する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィッシャー・トロプシュ合成法により得られる合成油から合成ナフサを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境負荷低減の観点から、硫黄分及び芳香族炭化水素の含有量が低く、環境にやさしいクリーンな液体燃料が求められている。そこで、石油業界においては、クリーン燃料の製造方法として、一酸化炭素と水素を原料としたフィッシャー・トロプシュ合成法(以下、「FT合成法」と略す。)が検討されている。FT合成法によれば、パラフィン含有量に富み、かつ硫黄分を含まない液体燃料基材、例えばディーゼル燃料基材を製造することができるため、その期待は非常に大きい。例えば環境対応燃料油は特許文献1でも提案されている。
【0003】
ところで、FT合成法によって得られる合成油(以下、「FT合成油」ということがある。)は広い炭素数分布を有しており、このFT合成油からは、例えば、沸点範囲150℃未満の炭化水素を多く含むFTナフサ留分、沸点150℃〜360℃の炭化水素を多く含むFT中間留分及びこの中間留分より重質なFTワックス分を得ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−323626号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、上記FTナフサ留分は、アルコールのほか、オレフィン分を多く含み、原油からのナフサ同様の使用には、水素化処理して飽和化合物に変換する必要がある。
そこで、アルコールやオレフィンを水素化処理すべく、水素化精製装置にて水素化処理をするが、オレフィンの水素添加は発熱反応であるので、かなり発熱する。このように発熱が過大であるので、プロセスの流量、オレフィンの含有量の変動は、直接に発熱量の変動に至り、水素化精製装置の運転が不安定となりやすい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第一の目的は、ナフサ留分の水素化処理に際して、水素化処理済の成分をリサイクルさせ、しかもそのリサイクル量を調整して、水素化精製装置における発熱を抑制し、かくして該装置の不安定な運転の安定化が達成可能とすることである。
【0007】
また、本発明の第二の目的は、FT合成油のオレフィン分含有量が、重質化すると共に減少することに鑑み、ナフサ留分を分留するカット温度を調節し、かくして水素化精製装置における発熱を抑制し、それにより該装置の不安定な運転の安定化が達成可能とするものである。
【0008】
本発明の態様は以下に関する。
(1)フィッシャー・トロプシュ合成法により得られる合成油を精留塔で分留することにより、ナフサ留分と、該ナフサ留分より重質な炭化水素を含む少なくとも一つの留分に分留し、
前記ナフサ留分を水素化精製装置において水素化触媒と接触させて水素化することにより、アルコール分やオレフィン分をパラフィン成分に転化し、実質的にパラフィン分のみからなる水素化ナフサ留分を得るに際し、
オレフィン分の水素化とアルコール分の水素化による発熱を抑制するため、前記精留塔のカット温度を調整してナフサ留分中のオレフィン分およびアルコール分の含有量を低減することを特徴とするナフサの製造方法。
【0009】
(2)前記ナフサ留分中のオレフィン分およびアルコール分の含有量をそれぞれ11質量%以下、6質量%以下となるように、前記カット温度の調整を行うことを特徴とする(1)に記載のナフサの製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、FT合成油からのナフサ留分の水素化処理に際して、水素化処理済の成分をリサイクルさせ、しかもそのリサイクル量を調整して、水素化精製装置における発熱を抑制し、かくして該装置の不安定になりやすい運転が安定に遂行可能となる。
さらに、本発明によれば、FT合成油からのナフサ留分を分留するカット温度を調節し、かくして水素化精製装置における発熱を抑制し、それにより該装置の不安定な運転の安定化が達成可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明によるディーゼル燃料基材の製造プラントの一実施形態を示した模式図である。該ディーゼル燃料基材の製造プラントは、FT合成油を分留する精留塔10と、精留塔10で分留されたナフサ留分、中間油留分、ワックス留分のうち、ナフサ留分を水素化する水素化装置30を備える。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下では、本発明のディーゼル燃料基材の製造方法に使用されるプラントの好適な態様について図1を参照しながら本発明を説明する。
図1に示す燃料基材の製造プラントは、FT合成油を分留する精留塔10を含み、精留塔10ではナフサ留分および中間留分と、さらにワックス留分にそれぞれ分留されて、ナフサ留分は水素化精製装置30で処理される。
【0013】
水素化精製装置30を出たナフサ留分はスタビライザー60を経て、ライン61からナフサとしてナフサ貯蔵タンク70に貯蔵される。スタビライザー60のボトム分は、所定割合をライン62から水素化精製装置30の前のライン12に戻されてリサイクルされる。
【0014】
第1精留塔10は、FT合成油を例えば沸点温度160℃及び350℃で区切られる三つの留分、ナフサ留分、中間留分(灯軽油留分)、ワックス留分に分留することができる。精留塔10は、FT合成油を導入するためのライン1と、並びに、分留された各留分を移送するためのライン12、ライン13及びライン14とに連結されている。ライン12、ライン13及びライン14はそれぞれ、160℃未満の温度条件で分留されるナフサ留分、160℃以上350℃以下の温度条件で分留される中間留分及び350℃を超える温度条件で分留されるワックス留分を移送するためのラインである。なお、FT合成油を分留する際、上記各々の留分のカット温度は例示であって、ターゲットとする最終製品の収率等を加味して適宜選択されるものである。特に、第1のカット温度は150〜190℃に設定することが好ましい。
【0015】
(FT合成油の分留)
まず、本発明に供されるFT合成油としては、FT合成法により生成されるものであれば特に限定されないが、沸点150℃以上の炭化水素をFT合成油全量基準で80質量%以上含み、且つ、沸点360℃以上の炭化水素をFT合成油全量基準で35質量%以上含むものが好ましい。なお、FT合成油全量とは、FT合成法により生成される炭素数5以上の炭化水素の合計を意味する。
【0016】
精留塔10では、少なくとも2つのカットポイント(カット温度)を設定してFT合成油を分留することにより、第1のカットポイント未満の留分をライン12からナフサ留分として、第1のカットポイントから第2のカットポイントまでの留分をライン13から灯軽油留分としての中間留分として、第2のカットポイントを超える留分をワックス留分である塔底油(重質なワックス分)としてライン14から、それぞれ得ることができる。ただし、上記カットポイントの数は、取得する留分の数に応じて適宜に変更される。例えば、精留塔10で、ナフサ留分とそれより重質な留分のただ二つの留分に分留するような場合にはカットポイントは一つとすることが可能である。
なお、精留塔における圧力は、減圧または常圧とすることができる。通常は常圧蒸留である。
【0017】
ナフサ留分はライン12から水素化精製装置30へ送られ、そこで水素化処理をされる。ライン12から抜き出されるナフサ留分は、いわゆるナフサとして、石油化学原料に使用することができる。
ここで、原油からのナフサと比較すると、FT合成油からの上記ナフサ留分には相対的にオレフィン分やアルコール分が多く、その分いわゆるナフサとしては使用しがたい。なお、FT合成油中では、オレフィン分やアルコール分は、その含有割合としては、より軽質留分中に多くなるので、結果的にはナフサ留分のこれらの含有割合が最も多く、ワックス留分が最も少ない。
【0018】
本明細書では、特にことわらない限り、オレフィン分、およびアルコール分は、無極性カラム、FID(水素炎イオン化検出器)を装着し、所定の温度プログラム、キャリアーガスにHeを使用したガスクロマトグラフにて分離・定量された成分分析結果に基づき求めた値(質量%)のことを意味する。
【0019】
そこで、水素化精製装置30では、水素化処理によりオレフィンに水素添加して、これをパラフィンに転換したり、またアルコールを水素化処理して脱水酸基を行い、これを同じくパラフィンに転換するなどを行う。なお、ナフサ使用としては、n−パラフィンをイソ−パラフィンとする異性化や、分解作用を講じることは不要である。つまり水素化精製装置30を出て、ライン31でスタビライザー60に移送されて、そこでガスなどの軽質留分がその塔頂から抜かれ、ボトムから得られるナフサ留分は、ライン61を経てナフサ貯蔵タンク70に貯蔵される。
【0020】
水素化精製装置30では、不飽和の水素添加反応は発熱が比較的大きく、プロセスの流量等の変動により発熱量も影響を受けて、当該装置の運転が不安定となりやすい。
そこで、当該水素化精製装置30における発熱を抑制するように運転を行うことが好ましい。
【0021】
本発明の第一の態様では、水素化精製装置30における発熱を抑制するための手段として、水素化精製装置30からの生成物の一部を、ライン12へ戻して、水素化精製装置30における反応物を水素化精製物で希釈して、反応熱を除熱するに際し、そのリサイクル量を調整することが必要である。また、本発明の第二の態様においても、ナフサ留分のカット温度調整とともに、このようなリサイクル量の調整を併用することもできる。以下、該リサイクル量の調整について説明する。
すなわち、オレフィン濃度が高い原料がライン12から水素化精製装置30へ入るようなときには、水素化精製物をライン62を経て、水素化精製装置30の前のライン12へ戻して、リサイクルさせる。そして、そのリサイクル量を調整すれば、すなわち、オレフィン量が多い原料のときはリサイクル量を大とし、反対にオレフィン分が少ないときはリサイクル量を減らすというように、オレフィン量の調整を行うことによって発熱を抑制できるため、水素化精製装置30の運転を安定に行うことが出来る。
【0022】
水素化精製装置30の処理物は、ライン31に抜き出されて、スタビライザー60へ供されて、ガス分は塔頂から放出し(図示せず)、ナフサ留分としては、ボトムからライン61を経て、貯蔵タンク70へ貯蔵される。精製されたナフサ留分は、前記のように、その一部がライン62を経て、水素化精製装置30の前のライン12へ移送されて、精留塔10からのナフサ留分と共に再度、水素化精製処理される。このリサイクルの分だけ希釈されることになるので、装置30における水素化精製の反応熱が除熱される。そして、そのリサイクル量を調整すれば、前記のように水素化精製装置30におけるオレフィン濃度を低減し、発熱を抑制することが可能となる。
【0023】
より具体的には、FT合成油を精留塔10により分留して、オレフィン分10質量%以上かつアルコール分5質量%以上が含まれるナフサ留分と、少なくとも一つの該ナフサ留分より重質な炭化水素を含む留分とに分留し、各留分をライン12、13、14のような供給ラインに導入すればよい。図では、該ナフサ留分より重質な炭化水素を含む留分として、FT合成油を、中間留分とワックス留分の二つの留分に分留し、ライン13、14にそれぞれの留分を抜き出している。
【0024】
前記ナフサ留分を水素化精製装置30で水素化触媒と接触させて水素化することにより、アルコール分やオレフィン分を除去し、パラフィン成分のみからなる水素化ナフサ留分をライン31から得る。そして、オレフィン分の水素化やアルコール分の脱水酸基反応による発熱を抑制するため、原料ナフサに対して精製した水素化ナフサ留分、20〜80容量%をスタビライザー60からライン62を経て、ライン12で再び原料ナフサと混合して水素化精製する。
そして、前記原料ナフサ留分中のオレフィン分とアルコール分を予め測定しておき、前記水素化精製装置30の発熱を抑制するために水素化ナフサ留分の混合量を調整する。
【0025】
具体的には、前記水素化精製装置30に導入される混合フィード(原料ナフサとリサイクルした水素化ナフサ留分)中のオレフィン分の濃度が10質量%以下、アルコール分の濃度が5質量%以下に希釈されるよう生成した水素化ナフサ留分の混合比率を調整するようにする。すなわち、水素化反応装置30における発熱を抑制するためには、混合する水素化ナフサ留分の混合量を原料ナフサに対して20容量%以上、80容量%以下にすることが必要であり、下限値としては30容量%以上が好ましい。
【0026】
また、本発明の第二の態様に関し、先にも述べたようにFT合成油中ではナフサ留分がオレフィンやアルコールを最も多く含むところから、精留塔10におけるライン12へ供給されるナフサ留分のカットにおいて当該カット温度を調整して、ライン12から装置30へ入るナフサ留分のオレフィン濃度およびアルコール濃度を調整することが必要である。すなわち、オレフィン分やアルコール分が多いFT合成油では、ナフサ留分のカット温度を高くし、ナフサ留分中のオレフィン濃度を低減する。なお、上述の通り、このような当該カット温度を調整することによるオレフィン濃度の低減は、本発明の第一の態様においても併用することができる。
【0027】
上記のナフサ留分のカット温度調整によるオレフィン濃度の低減時は、より具体的には、FT合成油を精留塔10で分留して得られるナフサ留分(原料ナフサ)が、好ましくはオレフィン分11質量%以下かつアルコール分6質量%以下、より好ましくはオレフィン分10質量%以下かつアルコール分5質量%以下を含むように、該ナフサ留分より重質な炭化水素を含む少なくとも一つの留分に分け、前記ナフサ留分を水素化精製装置30において水素化触媒と接触させて水素化することにより、アルコール分やオレフィン分をパラフィン成分に転化し、実質的にパラフィン分のみからなる水素化ナフサ留分を得ることにより、ナフサ水素化精製装置30でのオレフィン水素添加の発熱変動に起因する不安定な運転の安定化を図るものである。
中間留分のより高い収率が必要とされる精留塔10の運転では、精留塔10のナフサ留分のカット温度は150℃前後に通常設定されるが、ナフサ留分中のオレフィン分およびアルコール分の含有量を低減するために、本発明ではナフサ留分のカット温度を160〜190℃に調整することが好ましい。
【0028】
次に、ライン13から抜き出される中間留分である灯軽油留分は、たとえば任意の方法で水素化異性化処理を行い、蒸留することにより、ディーゼル燃料の基材として使用することができる。
また、ライン14から抜き出されるワックス留分は、たとえば任意の方法で水素化分解処理を行い、蒸留することにより、ディーゼル燃料の基材として使用することができる。
【0029】
次に、より具体的に、ナフサ留分の水素化精製装置の操業条件等を説明する。
<ナフサ留分の水素化精製>
水素化精製装置30では、精留塔10で分留されるナフサ留分の水素化精製を行う。水素化精製装置30としては、公知の固定床反応塔を用いることができる。本実施態様では、反応塔において、所定の水素化精製触媒を固定床の連続流通式反応器に充填し、この反応器に水素及び精留塔10で得られたナフサ留分を流通させることにより水素化精製を行う。好ましくは、水素化精製済みの留分がライン62から水素化精製装置30の前に戻されてリサイクルされる。ここでいう水素化精製には、オレフィンの水素添加によるパラフィンへの転化と、アルコールの脱水酸基による同じくパラフィンへの転化が含まれる。
【0030】
水素化精製触媒としては、例えば、固体酸を含んで構成される担体に、活性金属として周期律表第VIII族に属する金属を担持したものが挙げられる。
【0031】
好適な担体としては、超安定化Y型(USY)ゼオライト、HYゼオライト、モルデナイト及びβゼオライトなどの結晶性ゼオライト、並びに、シリカアルミナ、シリカジルコニア及びアルミナボリアなどの耐熱性を有する無定形金属酸化物の中から選ばれる1種類以上の固体酸を含んで構成されるものが挙げられる。更に、担体は、USYゼオライトと、シリカアルミナ、アルミナボリア及びシリカジルコニアの中から選ばれる1種類以上の固体酸とを含んで構成されるものであることがより好ましく、USYゼオライトとシリカアルミナとを含んで構成されるものであることが更に好ましい。
【0032】
USYゼオライトは、Y型のゼオライトを水熱処理及び/又は酸処理により超安定化したものであり、Y型ゼオライトが本来有する20Å以下のミクロ細孔と呼ばれる微細細孔構造に加え、20〜100Åの範囲に新たな細孔が形成されている。水素化精製触媒の担体としてUSYゼオライトを使用する場合、その平均粒子径に特に制限は無いが、好ましくは1.0μm以下、より好ましくは0.5μm以下である。また、USYゼオライトにおいて、シリカ/アルミナのモル比率(アルミナに対するシリカのモル比率;以下、「シリカ/アルミナ比」という。)は10〜200であると好ましく、15〜100であるとより好ましく、20〜60であるとさらにより好ましい。
【0033】
また、担体は、結晶性ゼオライト0.1質量%〜80質量%と、耐熱性を有する無定形金属酸化物0.1質量%〜60質量%とを含んで構成されるものであることが好ましい。
【0034】
触媒担体は、上記固体酸とバインダーとを含む混合物を成形した後、焼成することにより製造することができる。固体酸の配合割合は、担体全量を基準として1〜70質量%であることが好ましく、2〜60質量%であることがより好ましい。また、担体がUSYゼオライトを含んで構成される場合、USYゼオライトの配合量は、担体全量を基準として0.1〜10質量%であることが好ましく、0.5〜5質量%であることがより好ましい。更に、担体がUSYゼオライト及びアルミナボリアを含んで構成される場合、USYゼオライトとアルミナボリアとの配合比(USYゼオライト/アルミナボリア)は、質量比で0.03〜1であることが好ましい。また、担体がUSYゼオライト及びシリカアルミナを含んで構成される場合、USYゼオライトとシリカアルミナとの配合比(USYゼオライト/シリカアルミナ)は、質量比で0.03〜1であることが好ましい。
【0035】
バインダーとしては、特に制限はないが、アルミナ、シリカ、シリカアルミナ、チタニア、マグネシアが好ましく、アルミナがより好ましい。バインダーの配合量は、担体全量を基準として20〜98質量%であることが好ましく、30〜96質量%であることがより好ましい。
【0036】
混合物の焼成温度は、400〜550℃の範囲内であることが好ましく、470〜530℃の範囲内であることがより好ましく、490〜530℃の範囲内であることが更に好ましい。
【0037】
第VIII族の金属としては、具体的にはコバルト、ニッケル、ロジウム、パラジウム、イリジウム、白金などが挙げられる。これらのうち、ニッケル、パラジウム及び白金の中から選ばれる金属を、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることが好ましい。
【0038】
これらの金属は、含浸やイオン交換等の常法によって上述の担体に担持させることができる。担持する金属量は特に制限はないが、金属の合計量が担体に対して0.1〜3.0質量%であることが好ましい。
【0039】
ナフサ留分の水素化精製は、次のような反応条件下で行うことができる。水素分圧としては、0.5〜12MPaが挙げられるが、1.0〜5.0MPaが好ましい。液空間速度(LHSV)としては、0.1〜10.0h−1が挙げられるが、0.3〜3.5h−1が好ましい。水素/油比としては、特に制限はないが、50〜1000NL/Lが挙げられ、70〜800NL/Lが好ましい。
【0040】
なお、本明細書において、「LHSV(liquid hourly space velocity;液空間速度)」とは、触媒が充填されている触媒層の容量当たりの、標準状態(25℃、101325Pa)における原料油の体積流量のことをいい、単位「h−1」は時間(hour)の逆数を示す。また、水素/油比における水素容量の単位である「NL」は、標準状態(0℃、101325Pa)における水素容量(L)を示す。
【0041】
また、水素化精製における反応温度としては、180〜400℃が挙げられるが、200〜370℃が好ましく、250〜350℃がより好ましく、280〜350℃がさらにより好ましい。水素化精製における反応温度が370℃を越えると、分解などの副反応が増えてガス分が増大するだけでなく、生成物が着色し、ナフサ基材としての使用が制限されるため好ましくない。また、反応温度が200℃を下回ると、水素化精製が不十分となるため好ましくない。
【実施例】
【0042】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0043】
<水素化触媒の調整>
(触媒A)
平均粒子径1.1μmのUSYゼオライト(シリカ/アルミナのモル比:37)、シリカアルミナ(シリカ/アルミナのモル比:14)及びアルミナバインダーを重量比3:57:40で混合混練し、これを直径約1.6mm、長さ約4mmの円柱状に成型した後、500℃で1時間焼成し担体を得た。この担体に、塩化白金酸水溶液を含浸し、白金を担持した。これを120℃で3時間乾燥し、次いで500℃で1時間焼成することで水素化触媒Aを得た。なお、白金の担持量は、担体に対して0.8質量%であった。
【0044】
<原料ナフサの製造>
(FT合成油の分留)
FT合成法により得られた生成油(FT合成油)(沸点150℃以上の炭化水素の含有量:84質量%、沸点360℃以上の炭化水素の含有量:42質量%、いずれの含有量もFT合成油全量(炭素数5以上の炭化水素の合計)基準)を精留塔10で、ライン12から沸点160℃未満のナフサ留分と、ライン13から沸点160〜350℃の第1の中間留分と、ライン14からボトム分としてのワックス留分とに分留した。
得られたナフサ留分、中間留分、ワックス留分の性状を表1に示す。
【0045】
なお、n−パラフィン含有量(質量%)、イソパラフィン含有量(質量%)、アルコール分(質量%)、およびオレフィン分(質量%)は、無極性カラム(ウルトラアロイ−1HT(30m×0.25mmφ)、FID(水素炎イオン化検出器)を装着し、所定の温度プログラム、キャリアーガスにHeを使用したガスクロマトグラフ(島津GC−2010)にて分離・定量された成分分析結果に基づき求めた。また、沸点範囲はJIS K2254「石油製品−蒸留試験方法」に準拠して求めた。
【0046】
【表1】

【0047】
[実施例1]
(ナフサ留分の水素化精製)
水素化触媒A(150ml)を図1の固定床の流通式反応器である水素化精製装置30に充填し、上記で得られたナフサ留分(原料ナフサ)を反応器30の塔頂より300ml/hの速度で供給して、水素気流下、下記の反応条件で水素化処理した。
すなわち、ナフサ留分に対して水素/油比340NL/Lで水素を塔頂より供給し、反応塔圧力が入口圧3.0MPa(水素分圧)で一定となるように背圧弁を調節し、水素化精製した。このときの反応温度は308℃であった。
水素化精製装置30で水素化精製したナフサ留分は、ライン31からスタビライザー60を経て、ライン61からタンク70へ貯蔵する。
【0048】
ここで得られた水素化ナフサ留分の一部をライン62からライン12へリサイクルさせ、前記原料ナフサに対して33.3容量%の割合で混合するようにし、表2の性状を有する混合フィードとして、前記水素化処理条件と同条件で処理を行い、合成ナフサを得た。
水素化処理の運転初期に生成した合成ナフサの性状、および10,000時間運転後の合成ナフサの性状を表2に示す。
なお、n−パラフィン含有量(質量%)、イソパラフィン含有量(質量%)、アルコール分(質量%)、オレフィン分(質量%)、沸点範囲は前述の分析法にて測定した。
【0049】
[実施例2]
(ナフサ留分の水素化精製)
触媒A(150ml)を固定床の流通式反応器である水素化精製装置30に充填し、上記で得られたナフサ留分(原料ナフサ)を反応器30の塔頂より300ml/hの速度で供給して、水素気流下、下記の反応条件で水素化処理した。
すなわち、ナフサ留分に対して水素/油比340NL/Lで水素を塔頂より供給し、反応塔圧力が入口圧3.0MPa(水素分圧)で一定となるように背圧弁を調節し、水素化精製した。このときの反応温度は308℃であった。
【0050】
ここで得られた水素化ナフサ留分を前記原料ナフサに対して50.0容量%混合し、表2の性状を有する混合フィードを得た後、前記水素化処理条件と同条件で処理を行い、合成ナフサを得た。水素化処理の運転初期に生成した合成ナフサの性状、および10,000時間運転後の合成ナフサの性状を表2に示す。
なお、n−パラフィン含有量(質量%)、イソパラフィン含有量(質量%)、アルコール分(質量%)、オレフィン分(質量%)、沸点範囲は前述の分析法にて測定した。
[実施例3]
【0051】
(ナフサ留分の水素化精製)
触媒A(150ml)を固定床の流通式反応器である水素化精製装置30に充填し、上記で得られたナフサ留分(原料ナフサ)を反応器30の塔頂より300ml/hの速度で供給して、水素気流下、下記の反応条件で水素化処理した。
すなわち、ナフサ留分に対して水素/油比340NL/Lで水素を塔頂より供給し、反応塔圧力が入口圧3.0MPa(水素分圧)で一定となるように背圧弁を調節し、水素化精製した。このときの反応温度は308℃であった。
【0052】
ここで得られた水素化ナフサ留分を前記原料ナフサに対して66.7容量%混合し、表2の性状を有する混合フィードを得た後、前記水素化処理条件と同条件で処理を行い、合成ナフサを得た。水素化処理の運転初期に生成した合成ナフサの性状、および10,000時間運転後の合成ナフサの性状を表2に示す。
なお、n−パラフィン含有量(質量%)、イソパラフィン含有量(質量%)、アルコール分(質量%)、オレフィン分(質量%)、沸点範囲は前述の分析法にて測定した。
【0053】
[比較例1]
(ナフサ留分の水素化精製)
触媒A(150ml)を固定床の流通式反応器である水素化精製装置30に充填し、上記で得られたナフサ留分(原料ナフサ)を反応塔の塔頂より300ml/hの速度で供給して、水素気流下、下記の反応条件で水素化処理した。
すなわち、ナフサ留分に対して水素/油比340NL/Lで水素を塔頂より供給し、反応塔圧力が入口圧3.0MPa(水素分圧)で一定となるように背圧弁を調節し、水素化精製し、合成ナフサを得た。水素化処理の運転初期に生成した合成ナフサの性状、および10,000時間運転後の合成ナフサの性状を表2に示す。
なお、n−パラフィン含有量(質量%)、イソパラフィン含有量(質量%)、アルコール分(質量%)、オレフィン分(質量%)、沸点範囲は前述の分析法にて測定した。
【0054】
【表2】

【0055】
(水素化精製装置における発熱の比較)
実施例1から実施例3、および比較例1において、水素化精製装置における反応熱を反応前後の炭化水素化合物の標準生成エンタルピー変化を利用して算出し、比較例1の発熱を1として相対比較を行なった。その結果を表2に併記する。水素化ナフサ留分の原料ナフサへのリサイクルを行なわない比較例1と較べると、実施例の製造方法はいずれも発熱が小さく、水素化処理による発熱の抑制がなされていることが分かる。
また、比較例1は、10,000時間運転後の合成ナフサの性状でオレフィン分およびアルコール分のn−パラフィン分への転換が悪化しており、水素化精製装置の安定運転を継続することが困難になっている。
【0056】
<原料ナフサの製造>
[実施例4]
(FT合成油の分留)
FT合成法により得られた生成油(FT合成油)(沸点150℃以上の炭化水素の含有量:84質量%、沸点360℃以上の炭化水素の含有量:42質量%、いずれの含有量もFT合成油全量(炭素数5以上の炭化水素の合計)基準)を精留塔10で、ライン12から沸点170℃未満のナフサ留分1と、ライン13から沸点170〜350℃の中間留分と、ライン14からボトム分としてのワックス留分とに分留した。
得られたナフサ留分1、中間留分1、ワックス留分1の性状を表3に示す。
【0057】
なお、n−パラフィン含有量(質量%)、イソパラフィン含有量(質量%)、アルコール分(質量%)、およびオレフィン分(質量%)は、無極性カラム(ウルトラアロイ−1HT(30m×0.25mmφ)、FID(水素炎イオン化検出器)を装着し、所定の温度プログラム、キャリアーガスにHeを使用したガスクロマトグラフ(島津GC−2010)にて分離・定量された成分分析結果に基づき求めた。また、沸点範囲はJIS K2254「石油製品−蒸留試験方法」に準拠して求めた。
【0058】
【表3】

【0059】
(ナフサ留分の水素化精製)
水素化触媒A(150ml)を図1の固定床の流通式反応器である水素化精製装置30に充填し、上記で得られたナフサ留分1(原料ナフサ)を反応器30の塔頂より300ml/hの速度で供給して、水素気流下、下記の反応条件で水素化処理した。
【0060】
すなわち、ナフサ留分1に対して水素/油比340NL/Lで水素を塔頂より供給し、反応塔圧力が入口圧3.0MPa(水素分圧)で一定となるように背圧弁を調節し、水素化精製した。このときの反応温度は308℃であった。
水素化ナフサはライン31からスタビライザイー60を経て、ライン61からタンク70へ注入した。
ナフサ留分1の水素化処理の運転初期に生成した合成ナフサの性状、および10,000時間運転後の合成ナフサの性状を表4に示す。
なお、n−パラフィン含有量(質量%)、イソパラフィン含有量(質量%)、アルコール分(質量%)、オレフィン分(質量%)、沸点範囲は前述の分析法にて測定した。
【0061】
[実施例5]
(FT合成油の分留)
FT合成法により得られた生成油(FT合成油)(沸点150℃以上の炭化水素の含有量:84質量%、沸点360℃以上の炭化水素の含有量:42質量%、いずれの含有量もFT合成油全量(炭素数5以上の炭化水素の合計)基準)を精留塔10で、沸点190℃未満のナフサ留分2と、沸点190〜350℃の中間留分と、ボトム分としてのワックス留分とに分留した。
得られたナフサ留分2、中間留分2、ワックス留分2の性状を表3に示す。
なお、n−パラフィン含有量(質量%)、イソパラフィン含有量(質量%)、アルコール分(質量%)、オレフィン分(質量%)、沸点範囲は前述の分析法にて測定した。
【0062】
(ナフサ留分の水素化精製)
触媒A(150ml)を固定床の流通式反応器である水素化精製装置30に充填し、上記で得られたナフサ留分2(原料ナフサ)を反応器30の塔頂より300ml/hの速度で供給して、水素気流下、下記の反応条件で水素化処理した。
【0063】
すなわち、ナフサ留分2に対して水素/油比340NL/Lで水素を塔頂より供給し、反応塔圧力が入口圧3.0MPa(水素分圧)で一定となるように背圧弁を調節し、水素化精製した。このときの反応温度は308℃であった。
ナフサ留分2の水素化処理の運転初期に生成した合成ナフサの性状、および10,000時間運転後の合成ナフサの性状を表4に示す。
なお、n−パラフィン含有量(質量%)、イソパラフィン含有量(質量%)、アルコール分(質量%)、オレフィン分(質量%)、沸点範囲は前述の分析法にて測定した。
【0064】
[実施例6]
(FT合成油の分留)
実施例5と同様にFT合成油を分留し、ナフサ留分2を得た。
(ナフサ留分の水素化精製)
触媒A(150ml)を固定床の流通式反応器である水素化精製装置30に充填し、上記で得られたナフサ留分2(原料ナフサ)を反応器30の塔頂より300ml/hの速度で供給して、水素気流下、下記の反応条件で水素化処理した。
【0065】
すなわち、ナフサ留分2に対して水素/油比340NL/Lで水素を塔頂より供給し、反応塔圧力が入口圧3.0MPa(水素分圧)で一定となるように背圧弁を調節し、水素化精製した。このときの反応温度は308℃であった。
【0066】
ここで得られた水素化ナフサ留分の一部をライン62からライン12へリサイクルさせ、前記原料ナフサに対して33.3容量%の割合で混合するようにし、表4の性状を有する混合フィードとして、前記水素化処理条件と同条件で処理を行い、表4記載の合成ナフサを得た。
ナフサ留分2の水素化処理の運転初期に生成した合成ナフサの性状、および10,000時間運転後の合成ナフサの性状を表4に示す。
なお、n−パラフィン含有量(質量%)、イソパラフィン含有量(質量%)、アルコール分(質量%)、オレフィン分(質量%)、沸点範囲は前述の分析法にて測定した。
【0067】
[比較例2]
(FT合成油の分留)
FT合成法により得られた生成油(FT合成油)(沸点150℃以上の炭化水素の含有量:84質量%、沸点360℃以上の炭化水素の含有量:42質量%、いずれの含有量もFT合成油全量(炭素数5以上の炭化水素の合計)基準)を精留塔10で、沸点150℃未満のナフサ留分3と、沸点150〜350℃の中間留分と、ボトム分としてのワックス留分とに分留した。
得られたナフサ留分3、中間留分3、ワックス留分3の性状を表3に示す。
【0068】
なお、n−パラフィン含有量(質量%)、イソパラフィン含有量(質量%)、アルコール分(質量%)、オレフィン分(質量%)、沸点範囲は前述の分析法にて測定した。
【0069】
(ナフサ留分の水素化精製)
触媒A(150ml)を固定床の流通式反応器である水素化精製装置30に充填し、上記で得られたナフサ留分3(原料ナフサ)を反応器30の塔頂より300ml/hの速度で供給して、水素気流下、下記の反応条件で水素化処理した。
【0070】
すなわち、ナフサ留分3に対して水素/油比340NL/Lで水素を塔頂より供給し、反応塔圧力が入口圧3.0MPa(水素分圧)で一定となるように背圧弁を調節し、水素化精製した。このときの反応温度は308℃であった。
ナフサ留分3の水素化処理の運転初期に生成した合成ナフサの性状、および10,000時間運転後の合成ナフサの性状を表4に示す。
なお、n−パラフィン含有量(質量%)、イソパラフィン含有量(質量%)、アルコール分(質量%)、オレフィン分(質量%)、沸点範囲は前述の分析法にて測定した。
【0071】
【表4】

【0072】
(水素化精製装置における発熱の比較)
実施例4から実施例6、および比較例2において、水素化精製装置における反応熱を反応前後の炭化水素化合物の標準生成エンタルピー変化を利用して算出し、比較例2の発熱を1として相対比較を行なった。その結果を表4に併記する。精留塔のカット温度調整を行なわない比較例2と較べると、実施例4〜6の製造方法はいずれも発熱が小さく、水素化処理による発熱が抑制されていることが分かる。また、比較例2は、10,000時間運転後の合成ナフサの性状でオレフィン分およびアルコール分のn−パラフィン分への転換が悪化しており、水素化精製装置の安定運転を継続することが困難になっている。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明によれば、FT合成油より得られるオレフィン分およびアルコール分に富むナフサ留分の水素化処理において、当該水素化反応装置の運転を不安定化させることなく、合成ナフサを製造することができる。
したがって、本発明は、GTL(Gas to Liquid)・石油精製等の産業分野において高い利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0074】
10 FT合成油を分留する精留塔
30 精留塔10から分留されるナフサ留分の水素化精製装置
60 水素化精製装置30からの処理物の軽質ガス分を塔頂から抜き出すスタビライザー
70 ナフサ貯蔵タンク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィッシャー・トロプシュ合成法により得られる合成油を精留塔で分留することにより、ナフサ留分と、該ナフサ留分より重質な炭化水素を含む少なくとも一つの留分に分留し、
前記ナフサ留分を水素化精製装置において水素化触媒と接触させて水素化することにより、アルコール分やオレフィン分をパラフィン成分に転化し、実質的にパラフィン分のみからなる水素化ナフサ留分を得るに際し、
オレフィン分の水素化とアルコール分の水素化による発熱を抑制するため、前記精留塔のカット温度を調整してナフサ留分中のオレフィン分およびアルコール分の含有量を低減することを特徴とするナフサの製造方法。
【請求項2】
前記ナフサ留分中のオレフィン分およびアルコール分の含有量をそれぞれ11質量%以下、6質量%以下となるように、前記カット温度の調整を行うことを特徴とする請求項1に記載のナフサの製造方法。

【図1】
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【公開番号】特開2013−32551(P2013−32551A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−253613(P2012−253613)
【出願日】平成24年11月19日(2012.11.19)
【分割の表示】特願2009−534363(P2009−534363)の分割
【原出願日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【出願人】(504117958)独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構 (101)
【出願人】(509001630)国際石油開発帝石株式会社 (57)
【出願人】(000004444)JX日鉱日石エネルギー株式会社 (1,898)
【出願人】(591090736)石油資源開発株式会社 (70)
【出願人】(000105567)コスモ石油株式会社 (443)
【出願人】(306022513)新日鉄住金エンジニアリング株式会社 (897)
【Fターム(参考)】