説明

合成抗体ファージライブラリー

【課題】新規抗原結合ポリペチドを発見するための供与源として使用することができ、大きな配列多様性の供与源を提供できる、変異体アミノ酸を抗体可変ドメインのCDRに含める方法の提供。
【解決手段】変異体アミノ酸を抗体可変ドメインに含んでいるポリペプチド。異種ポリペチド、例えば少なくともファージまたはウイルスのコートタンパク質の一部、標識およびリンカーとの融合ポリペチド。これらのポリペチドを複数個含んでいるライブラリー。これらのポリペチドやライブラリーを生成して利用する方法および組成物。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下のアミノ酸配列を含む変異体CDRH3領域を含んでいるポリペプチドであって、
(X−X−X−X−X−X
式中、Xは、NNK、NNS、DVK、NVT、XYZのコドンセットによってコードされるいずれかの天然アミノ酸、またはトリプトファンもしくはグリシンもしくはその混合物であり、nは4から14であり、
は、KSG、DVK、DSG、NVT、KSG、NNS、XYZ、NNKのコドンセットでコードされるいずれかの天然アミノ酸、またはチロシン、フェニルアラニン、セリン、アラニン、グリシン、ロイシンもしくはトリプトファンであり、
は、Xがフェニルアラニンまたはロイシンのときは存在せず、あるいは存在する場合には、アラニン、バリン、アスパラギン酸またはグリシンであり、
は、Xがフェニルアラニンまたはロイシンのときは存在せず、あるいは存在する場合はメチオニンであり、
はアスパラギン酸、アラニン、バリンまたはグリシンであり、
はチロシンまたはバリンであるポリペプチド。
【請求項2】
前記ポリペプチドが重鎖抗体可変ドメインである請求項1に記載のポリペプチド。
【請求項3】
がアラニンであり、Xがメチオニンであり、Xがアスパラギン酸であり、Xがチロシンである請求項2に記載の抗体可変ドメイン。
【請求項4】
がチロシンである請求項2に記載の抗体可変ドメイン。
【請求項5】
がロイシンまたはフェニルアラニンであり、XおよびXが存在せず、Xがアスパラギン酸であり、Xがチロシンである請求項2に記載の抗体可変ドメイン。
【請求項6】
nが6である請求項3に記載の抗体可変ドメイン。
【請求項7】
nが6である請求項5に記載の抗体可変ドメイン。
【請求項8】
nが6、7または8である請求項2に記載の抗体可変ドメイン。
【請求項9】
抗体4D5のCDRH3においてXがアミノ酸位置95に対応し、nが6であり、Xがアミノ酸位置100aに対応し、Xがアミノ酸位置100bに対応する、請求項2に記載の抗体可変ドメイン。
【請求項10】
請求項1から9のいずれかに記載のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド分子を含む核酸。
【請求項11】
請求項10に記載の核酸を含むベクター。
【請求項12】
複製可能な発現ベクターである、請求項11に記載のベクター。
【請求項13】
前記ベクターが、lac Zプロモーター系、アルカリホスファターゼpho Aプロモーター(Ap)、バクテリオファージλPLプロモーター(温度感受性プロモーター)、tacプロモーター、トリプトファンプロモーターおよびバクテリオファージT7プロモーターからなる群から選ばれるポリペプチドと結合したプロモーター領域を持つ、請求項12に記載のベクター。
【請求項14】
請求項1から9のいずれかに記載のポリペプチドがその表面に提示されているウイルス。
【請求項15】
少なくとも1×10個の複数の請求項1から9のいずれかに記載の異なるポリペプチド配列を含むライブラリー。
【請求項16】
請求項12に記載のベクターを含む宿主細胞。
【請求項17】
CDRH1、CDRH2、CDRL1、CDRL2またはCDRL3からなる群から選ばれる少なくとも1つ、2つ、3つ、4つまたはすべての変異体CDRをさらに含み、少なくとも1つのCDRは少なくとも1つの溶媒に露出した非常に多様なアミノ酸位置に変異体アミノ酸を有し、前記変異体アミノ酸は非ランダムコドンセットによってコードされ、前記非ランダムコドンセットによってコードされるアミノ酸の少なくとも70%は周知の抗体可変ドメインにおけるその位置の対象アミノ酸である、請求項1から9のいずれかに記載のポリペプチド。
【請求項18】
前記非ランダムコドンセットによってコードされるアミノ酸が少なくとも50%の公知の抗体可変ドメインの対応する位置で見られるアミノ酸を含む、請求項17に記載のポリペプチド。
【請求項19】
前記変異体CDRがCDRH1またはCDRH2または両方である、請求項1から9および17から18のいずれかに記載のポリペプチド。
【請求項20】
変異体CDRH3においてXが抗体4D5のCDRH3のアミノ酸95に対応し、nが6であり、Xがアミノ酸100aに対応し、Xがアミノ酸100bに対応し、Xがアミノ酸102に対応する、請求項19に記載のポリペプチド。
【請求項21】
CDRH3においてXがアラニンであり、Xがメチオニンであり、Xがアスパラギン酸であり、Xがチロシンである、請求項20に記載のポリペプチド。
【請求項22】
CDRH3においてXがフェニルアラニンまたはロイシンであり、XおよびXが存在せず、Xがアスパラギン酸であり、Xがチロシンである、請求項20に記載のポリペプチド。
【請求項23】
CDRH1がアミノ酸位置28、30、31、32および33の少なくとも1つ、2つ、3つ、4つまたはすべての位置に変異体アミノ酸を含み、CDRH2がアミノ酸位置50、52、53、54、56および58の少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、5つまたはすべての位置に変異体アミノ酸を含む、請求項19に記載のポリペプチド。
【請求項24】
CDRH1およびCDRH2の各変異体アミノ酸位置が変異体アミノ酸を有し、
1)CDRH1において、
a)位置28の変異体アミノ酸はコドンセットAVTまたはWCCによってコードされるか、あるいはトレオニンであり、
b)位置30の変異体アミノ酸はコドンセットRVMまたはAVTによってコードされ、
c)位置31の変異体アミノ酸はコドンセットRVM、RVTまたはRRTによってコードされ、
d)位置32の変異体アミノ酸はコドンセットWMYによってコードされ、
e)位置33の変異体アミノ酸はコドンセットKVK、RNT、DMT、KMTまたはKGGまたはコドンセットKMTとKGGの組合せによってコードされ、
また、
2)CDRH2において、
a)位置50の変異体アミノ酸はコドンセットKDTまたはDBGまたはコドンセットDGGとDHTの組合せによってコードされ、
b)位置52の変異体アミノ酸はコドンセットDHTまたはDMTによってコードされ、
c)位置53の変異体アミノ酸はコドンセットNMTまたはDMTによってコードされ、
d)位置54の変異体アミノ酸はコドンセットDMK、DMTまたはRRCによってコードされ、
e)位置56の変異体アミノ酸はコドンセットDMKまたはDMTによってコードされ、
f)位置58の変異体アミノ酸はコドンセットDMTまたはDACによってコードされる、請求項19に記載のポリペプチド。
【請求項25】
変異体CDRH3においてXが抗体4D5のCDRH3のアミノ酸位置95に対応し、nが6であり、Xがアミノ酸位置100aに対応し、Xがアミノ酸位置100bに対応し、Xがアミノ酸位置102に対応する、請求項24に記載の抗体可変ドメイン。
【請求項26】
a)請求項1から9および17から25のいずれかに記載の重鎖抗体可変ドメイン、
b)変異体CDRL1、CDRL2、CDRL3またはその混合物を含む軽鎖抗体可変ドメインを含む
少なくとも2つの抗体可変ドメインを含むポリペプチドであって、
i)少なくとも1つの変異体CDRL1、CDRL2またはCDRL3またはその混合物は少なくとも1つの溶媒に露出した非常に多様なアミノ酸位置に変異体アミノ酸を有し、前記変異体アミノ酸は非ランダムコドンセットによってコードされ、前記非ランダムコドンセットによってコードされるアミノ酸の少なくとも70%は周知の抗体可変ドメインにおけるその位置の対象アミノ酸であるポリペプチド。
【請求項27】
CDRL1がアミノ酸位置28、29、30、31および32の1つまたは複数の位置に変異体アミノ酸を含み、
CDRL2がアミノ酸位置50および53の1つまたは複数の位置に変異体アミノ酸を含み、
CDRL3がアミノ酸位置91、92、93、94および96の1つまたは複数の位置に変異体アミノ酸を含む、請求項26に記載のポリペプチド。
【請求項28】
各CDRの各変異体アミノ酸位置が変異体アミノ酸を有し、
1)CDRL1において、
a)位置28の変異体アミノ酸はRDTによってコードされ、
b)位置29の変異体アミノ酸はRKTまたはRTTによってコードされ、
c)位置30の変異体アミノ酸はRVWによってコードされ、
d)位置31の変異体アミノ酸はコドンセットRVWまたはANWによってコードされ、
e)位置32の変異体アミノ酸はコドンセットDHTまたはTHTによってコードされ、
2)CDRL2において、
a)位置50の変異体アミノ酸はコドンセットKBGによってコードされ、
b)位置53の変異体アミノ酸はコドンセットAVCによってコードされ、
3)CDRL3において、
a)位置91の変異体アミノ酸はコドンセットKMTまたはTMTまたはコドンセットTMTとSRTの組合せによってコードされ、
b)位置92の変異体アミノ酸はコドンセットDHTまたはDMCによってコードされ、
c)位置93の変異体アミノ酸はコドンセットRVTまたはDHTによってコードされ、
d)位置94の変異体アミノ酸はNHTまたはWHTによってコードされ、
e)位置96の変異体アミノ酸はコドンセットYHT、HWT、HTTまたはTDKまたはコドンセットYKGとTWTの組合せによってコードされる、請求項26から27のいずれかに記載のポリペプチド。
【請求項29】
変異体CDRH3においてXが抗体4D5のCDRH3のアミノ酸位置95に対応し、nが6であり、Xがアミノ酸位置100aに対応し、Xがアミノ酸位置100bに対応し、Xがアミノ酸位置102に対応する、請求項28に記載のポリペプチド。
【請求項30】
さらに重鎖抗体可変ドメインのC末端領域と結合した二量体化ドメインを含む、請求項1から9および17から29のいずれかに記載のポリペプチド。
【請求項31】
前記二量体化ドメインがロイシンジッパードメインまたは少なくとも1つのシステイン残基を含む配列を含む、請求項30に記載のポリペプチド。
【請求項32】
前記二量体化ドメインが抗体からのヒンジ領域およびロイシンジッパーを含む、請求項31に記載のポリペプチド。
【請求項33】
前記二量体化ドメインが単一のシステインである、請求項30に記載のポリペプチド。
【請求項34】
CDRL1、CDRL2、CDRL3、CDRH1、CDRH2およびCDRH3からなる群から選択される少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、5つまたはすべてのCDRを含むポリペプチドであって、
(a)CDRL1は、アミノ酸位置28、29、30、31および32の少なくとも1つ、2つ、3つ、4つまたはすべての位置に変異体アミノ酸を含み、
(b)CDRL2は、アミノ酸位置50および53の少なくとも一方または両方の位置に変異体アミノ酸を含み、
(c)CDRL3は、アミノ酸位置91、92、93、94および96の少なくとも1つ、2つ、3つ、4つまたはすべての位置に変異体アミノ酸を含み、
(d)CDRH1は、アミノ酸位置28、30、31、32および33の少なくとも1つ、2つ、3つ、4つまたはすべての位置に変異体アミノ酸を含み、
(e)CDRH2は、アミノ酸位置50、52、53、54、56および58の少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、5つまたはすべての位置に変異体アミノ酸を含み、
(f)CDRH3は、アミノ酸位置95、96、97、98、99、100、100a、100b、100c、101および102の少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つまたはすべての位置に変異体アミノ酸を含み、
前記アミノ酸位置は、カバットナンバリングシステムに対応し、(a)から(e)の変異体アミノ酸のそれぞれは非ランダムコドンセットでコードされ、前記非ランダムコドンセットによってコードされるアミノ酸の少なくとも約50%から90%、またはすべてが抗体可変ドメインにおけるそのアミノ酸位置の対象アミノ酸であり、(f)の少なくとも1つの変異体アミノ酸は、コドンセットNNK、NNS、DVK、XYZまたはNVTまたはその混合体によってコードされるポリペプチド。
【請求項35】
前記ポリペプチドが重鎖抗体可変ドメインまたは軽鎖抗体可変ドメイン、またはその両方を含む、請求項34に記載のポリペプチド。
【請求項36】
請求項1から9および17から35のいずれかに記載のポリペプチドを含む融合ポリペプチドであって、重鎖可変ドメインがウイルスコートタンパク質の少なくとも一部と融合している融合ポリペプチド。
【請求項37】
前記ウイルスコートタンパク質がタンパク質pIII、主コートタンパク質pVIII、Soc、Hoc、gpD、pv1およびその変異体からなる群から選択される、請求項36に記載の融合ポリペプチド。
【請求項38】
前記重鎖可変ドメインとウイルスコートタンパク質との間に二量体化ドメインをさらに含む、請求項36に記載の融合ポリペプチド。
【請求項39】
ペプチドタグと融合した軽鎖可変ドメインをさらに含む、請求項35に記載の融合ポリペプチド。
【請求項40】
前記ペプチドタグがgD、c−myc、poly−his、蛍光タンパク質およびβ−ガラクトシダーゼからなる群から選択される、請求項39に記載の融合ポリペプチド。
【請求項41】
さらに単一の抗体鋳型からの各可変ドメインに対するFR1、FR2、FR3またはFR4を含む、請求項1から9および17から40のいずれかに記載のポリペプチド。
【請求項42】
各FRが抗体4D5の配列(配列番号1)を有する、請求項41に記載のポリペプチド。
【請求項43】
抗体4D5の重鎖のアミノ酸位置49、93、94または97の1つ、2つ、3つまたはすべての位置の重鎖FR残基および軽鎖のアミノ酸位置66が変更された、請求項42に記載のポリペプチド。
【請求項44】
位置49の重鎖FRがアラニンまたはグリシンであり、位置93ではアラニンまたはセリンであり、位置94ではアルギニンまたはリジンまたはトレオニンであり、位置71ではアルギニン、バリンまたはアラニンである、請求項36に記載のポリペプチド。
【請求項45】
請求項17から44のいずれかに記載のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド分子を含む核酸。
【請求項46】
請求項45に記載の核酸を含むベクター。
【請求項47】
複製可能な発現ベクターである、請求項46に記載のベクター。
【請求項48】
前記複製可能な発現ベクターがM13、f1、fd、Pf3ファージもしくはその誘導体、またはラムドイドファージ、例えばラムダ、21、phi80、phi81、82、424、434など、もしくはその誘導体である、請求項47に記載のベクター。
【請求項49】
請求項17から44のいずれかに記載のポリペプチドがその表面に提示されているウイルス。
【請求項50】
請求項17から44のいずれかに記載の複数のポリペプチドを含むライブラリーであって、少なくとも1×10の異なる抗体可変ドメイン配列を有するライブラリー。
【請求項51】
請求項47に記載のベクターを含む宿主細胞。
【請求項52】
複数のポリペチドを含む組成物を作製する方法であって、
a)CDRH1またはCDRH2またはCDRH3またはその混合物の少なくとも1つの変異体CDRを含む複数のポリペプチドを作製するステップを含み、
i)変異体CDRH3を含む複数のポリペプチドは、下記アミノ酸配列の1つまたは複数のアミノ酸位置を置換することによって形成され、
(X−X−X−X−X−X
式中、Xは、NNK、NNS、DVK、NVT、XYZのコドンセットによってコードされるいずれかの天然アミノ酸、またはトリプトファンもしくはグリシンもしくはその混合物であり、nは4から14であり、
は、KSG、DVK、DSG、NVT、KSG、NNS、XYZ、NNKのコドンセットでコードされるいずれかの天然アミノ酸、またはチロシン、フェニルアラニン、セリン、アラニン、グリシン、ロイシンもしくはトリプトファンであり、
は、Xがフェニルアラニンまたはロイシンのときは存在せず、あるいは存在する場合には、アラニン、バリン、アスパラギン酸またはグリシンであり、
は、Xがフェニルアラニンまたはロイシンのときは存在せず、あるいは存在する場合はメチオニンであり、
はアスパラギン酸、アラニン、バリンまたはグリシンであり、
はチロシンまたはバリンであり、
ii)少なくとも1つの溶媒に露出した非常に多様な位置に少なくとも1つの変異体アミノ酸を含む複数の変異体CDRH1またはCDRH2またはその両方を形成するステップを含み、前記変異体アミノ酸は非ランダムコドンセットによってコードされ、前記非ランダムコドンセットによってコードされるアミノ酸の少なくとも70%は周知の抗体可変ドメインにおけるその位置の対象アミノ酸である方法。
【請求項53】
さらに、
i)変異体CDRL1、CDRL2またはCDRL3またはその混合物を含む複数のポリペプチドを生成するステップを含み、前記変異体CDRは溶媒に露出し非常に多様な位置の少なくとも1つの変異体アミノ酸で形成され、前記変異体アミノ酸は非ランダムコドンセットによってコードされ、前記非ランダムコドンセットによってコードされるアミノ酸の少なくとも70%は周知の抗体可変ドメインにおけるその位置の対象アミノ酸である、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
対象抗原に結合する抗原結合可変ドメインを選択する方法であって、
a)請求項1から9および17から44のいずれかに記載の複数のポリペプチドを含む組成物を作製するステップと、
b)組成物から対象抗原に結合するポリペプチド結合体を選択するステップと、
c)前記ポリペプチド結合体を非結合体から単離するステップと、
e)単離されたポリペプチド結合体から高親和性結合体を同定するステップとを含む方法。
【請求項55】
抗体可変ドメインのライブラリーから対象抗原に結合する抗原結合可変ドメインを選択する方法であって、
a)請求項1から9および17から44のいずれかに記載の抗体可変ドメインのライブラリーを対象抗原と接触させて結合体を形成するステップと、
b)前記結合体を非結合体から分離し、この結合体を前記対象抗原から溶出させ、この結合体を濃度を段階的に約0.1nMから1000nMまで下げた前記対象抗原の溶液でインキュベートするステップと、
c)最も低い濃度の前記対象抗原と結合することができ、約0.1nMから200nMの親和性を有する結合体を選択するステップとを含む方法。
【請求項56】
前記対象抗原がVEGF、IGF−1またはHer−2である、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記対象抗原の濃度が約100から250nMである、請求項55に記載の方法。
【請求項58】
前記対象抗原の濃度が約25から100nMである、請求項55に記載の方法。
【請求項59】
ポリペプチドのライブラリーから対象抗原に結合するポリペプチドを選択する方法であって、
a)請求項1から9および17から44のいずれかに記載の複数のポリペプチドを含んでいるライブラリーを結合に適した条件下で固定化対象抗原と接触させることにより対象抗原に結合するポリペプチド結合体を単離するステップと、
b)前記ライブラリーのポリペプチド結合体を非結合体から分離し、前記対象抗原から結合体を溶出させて、結合体に富む小集団を得るステップと、
c)任意選択に、各回、前の回の選択から得た結合体小集団を用いてa)からb)のステップを少なくとも2回繰り返すステップとを含む方法。
【請求項60】
請求項59に記載の選択方法であって、さらに、
f)前記ポリペプチド結合体の小集団を、結合して混合物を形成するのに適した条件下で0.1nMから1000nMの濃度の標識された対象抗原とインキュベートするステップと、
g)前記混合物を前記対象抗原上の標識と結合する固定化因子と接触させるステップと、
h)標識された対象抗原と結合した前記ポリペプチド結合体を検出して、前記標識された対象抗原からこのポリペプチド結合体を溶出させるステップと、
i)任意選択に、各回、前の回の選択から得た結合体小集団を用い、また前の回よりも低い濃度の標識対象抗原を用いてf)からi)のステップを少なくとも2回繰り返すステップとを含む方法。
【請求項61】
前記混合物に過剰な量の非標識対象抗原を加え、標識された対象抗原から低親和性結合体を溶出させるのに十分な時間インキュベートするステップをさらに含む、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
対象抗原に結合する高親和性結合体を複製可能な発現ベクターのライブラリーから単離する方法であって、
a)請求項1から9および17から44のいずれかに記載の複数のポリペプチドを含むライブラリーを、少なくとも約0.1nMから1000nMの濃度の前記対象抗原と接触させて、対象抗原に結合するポリペプチド結合体を単離するステップと、
b)前記ポリペプチド結合体を前記対象抗原から分離してポリペプチド結合体に富む小集団を得るステップと、
c)任意選択に、各回、前の回の選択から得た結合体小集団を用い、また前の回よりも低い濃度の対象抗原を用いてa)からb)のステップを少なくとも2回繰り返して、最も低い濃度の対象抗原と結合するポリペプチド結合体を分離するステップとを含む方法。
【請求項63】
請求項1から9および17から44のいずれかに記載の複数のポリペプチドを含んでいるライブラリーからポリペプチド結合体を選択するための検定法であって、
a)前記ライブラリーを、結合してポリペプチド結合体と標識された対象抗原の複合体を形成するのに適した条件下で、0.1nMから1000nMの濃度の標識された対象抗原と接触させるステップと、
b)前記複合体を単離し、前記ポリペプチド結合体を前記標識された対象抗原から分離して結合体に富む小集団を得るステップと、
c)任意選択に、各回、前の回の選択から得た結合体小集団を用い、また前の回よりも低い濃度の対象抗原を用いてa)からb)のステップを少なくとも2回繰り返すステップとを含む検定法。
【請求項64】
前記ポリペプチド結合体と対象抗原の複合体に過剰な量の非標識対象抗原を加えるステップをさらに含む、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
前記ステップが2回繰り返され、対象の濃度が、第1回目の選択では約100nMから250nMであり、第2回目の選択では約25nMから100nMであり、第3回目の選択では約0.1nMから25nMである、請求項63に記載の方法。
【請求項66】
請求項1から9および17から44のいずれかに記載の複数のポリペプチドを含んでいるライブラリーをスクリーニングする方法であって、
a)前記ポリペプチドと対象抗原との結合に適した条件下で、前記ライブラリーの第1の試料をある濃度の前記対象抗原とインキュベートするステップと、
b)前記ライブラリーの第2の試料を、対象抗原を加えないでインキュベートするステップと、
c)第1と第2の試料のそれぞれを、前記ポリペプチドと固定化された対象抗原との結合に適した条件下で、この固定化対象抗原と接触させるステップと、
d)各試料について、固定化された対象抗原に結合したポリペプチドを検出するステップと、
e)第1の試料の結合したポリペプチドの量と第2の試料の結合したポリペプチドの量の比率を計算することによって、前記対象抗原に対するポリペプチドの親和性を決定するステップとを含む方法。
【請求項67】
下記ステップ、
a)CDRL1、L2、L3、H1、H2およびH3からなる群から選択されるソース抗体の少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、5つまたはすべてのCDRを含むソース抗体の軽鎖可変ドメイン、重鎖可変ドメインまたはその両方をコードするポリヌクレオチド配列を含む発現ベクターを構築するステップと、
b)非ランダムコドンセットを用いて前記ソース抗体の少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、5つまたはすべてのCDRを少なくとも1つの溶媒に露出する、非常に多様なアミノ酸位置で突然変異させるステップとを含み、前記非ランダムコドンセットによってコードされるアミノ酸の少なくとも50%は天然抗体におけるその位置の対象アミノ酸である方法。
【請求項68】
前記CDRH3が下記アミノ酸配列を含み、
(X−X−X−X−D−X
前記CDRH3を少なくとも1つのアミノ酸位置で突然変異させ、
前記突然変異は、下記突然変異からなる群から選択される方法:
は、NNK、NNS、DVK、NVT、XYZのコドンセットによってコードされるいずれかの天然アミノ酸、またはトリプトファンもしくはグリシンもしくはその混合物であり、nは4から14であり、
は、KSG、DVK、DSG、NVT、KSG、NNS、XYZ、NNKのコドンセットでコードされるいずれかの天然アミノ酸、またはチロシン、フェニルアラニン、セリン、アラニン、グリシン、ロイシンもしくはトリプトファンであり、
はXがフェニルアラニンまたはロイシンのときは存在せず、あるいは存在する場合には、アラニン、バリン、アスパラギン酸またはグリシンであり、
はXがフェニルアラニンまたはロイシンのときは存在せず、あるいは存在する場合はメチオニンであり、
はアスパラギン酸、アラニン、バリンまたはグリシンであり、
はチロシンまたはバリンである
請求項67に記載の方法。
【請求項69】
CDRH1を抗体4D5のアミノ酸28、30、31、32および33に対応するアミノ酸位置で突然変異させ、CDRH2を抗体4D5のアミノ酸位置50、52、53、54、56および58に対応するアミノ酸位置で突然変異させる、請求項68に記載の方法。
【請求項70】
が抗体4D5のアミノ酸位置95に対応しnが6であり、Xが抗体4D5のアミノ酸位置100aに対応し、Xが抗体4D5のアミノ酸位置100bに対応し、Xが抗体4D5のアミノ酸位置100cに対応し、Xが抗体4D5のアミノ酸位置102に対応する、請求項69に記載の方法。
【請求項71】
以下のアミノ酸配列を含む変異体CDRH3領域を含むポリペプチドであって、
(X−X−A−M−D−Y、
式中、Xは、NNK、NNS、DVK、NVT、XYZのコドンセットによってコードされるいずれかの天然アミノ酸、またはトリプトファンもしくはグリシンもしくはその混合物であり、nは4から14であり、
は、KSG、DVK、DSG、NVT、KSG、NNS、XYZ、NNKのコドンセットでコードされるいずれかの天然アミノ酸、またはチロシン、グリシン、フェニルアラニン、セリン、アラニン、ロイシンもしくはトリプトファンであり、
Aはアラニンであり、Mはメチオニンであり、Dはアスパラギン酸であり、Yはチロシンであるポリペプチド。
【請求項72】
以下のアミノ酸配列を含む変異体CDRH3領域を含むポリペプチドであって、
(X−X−X−X−X−X
式中、Xは、NNK、NNS、DVK、NVT、XYZのコドンセットによってコードされるいずれかの天然アミノ酸、またはトリプトファンもしくはグリシンもしくはその混合物であり、nは4から14であり、
はフェニルアラニンまたはロイシンであり、
は存在せず、
は存在せず、
はアスパラギン酸、アラニン、バリンまたはグリシンであり、
はチロシンまたはバリンであるポリペプチド。
【請求項73】
がフェニルアラニンであり、Xがアスパラギン酸であり、Xがチロシンである、請求項72に記載のポリペプチド。
【請求項74】
位置95がコドンセットDVK、NVT、NNS、XYZ、NNKによってコードされる変異体アミノ酸を持つことができ、またはトリプトファンであり、位置96が、DVK、NVT、NNS、XYZによってコードされてよく、またはグリシンもしくはトリプトファンであり、位置97がDVK、NVT、NNS、XYZによってコードされてよく、またはトリプトファンであり、位置98がDVK、NVT、NNS、XYZによってコードされてよく、またはトリプトファンであり、位置99がDVK、NVT、NNS、XYZによってコードされてよく、位置100がDVK、NVT、NNS、XYZによってコードされてよく、またはトリプトファンであり、位置100aが、DVK、DSG、KSG、NVT、NNS、XYZによってコードされてよく、またはチロシン、グリシン、セリン、アラニン、トリプトファン、アスパラギン酸、メチオニン、フェニルアラニン、ロイシン、バリンでもよく、位置100bが、DSG、KSG、XYZによってコードされてよく、またはアラニン、チロシン、グリシン、バリン、アスパラギン酸、メチオニンもしくはフェニルアラニンであり、位置100cが、KSG、XYZによってコードされてよく、またはメチオニン、フェニルアラニン、ロイシン、アラニン、グリシン、バリン、チロシン、アスパラギン酸であり、位置101が、KSG、XYZによってコードされてよく、またはアスパラギン酸、メチオニン、アラニン、バリン、グリシン、チロシン、フェニルアラニン、ロイシンであり、位置102がKSGもしくはXYZによってコードされてよく、またはチロシン、アスパラギン酸、メチオニン、アラニン、バリン、グリシンである、請求項35に記載のポリペプチド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14A】
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【図14B】
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【図15A】
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【図15B】
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【図16A】
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【図16B】
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【図17A】
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【図17B】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34A】
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【図34B】
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【図34C】
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【図34D】
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【図35】
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【図36】
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【図37A】
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【図37B】
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【図37C】
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【図37D】
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【図37E】
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【図37F】
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【図38A】
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【図38B】
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【図38C】
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【図38D】
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【図38E】
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【図38F】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【公開番号】特開2010−233573(P2010−233573A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−115690(P2010−115690)
【出願日】平成22年5月19日(2010.5.19)
【分割の表示】特願2004−510399(P2004−510399)の分割
【原出願日】平成15年6月3日(2003.6.3)
【出願人】(509012625)ジェネンテック, インコーポレイテッド (357)
【Fターム(参考)】