説明

合成桁の床版ずれ止め構造及び床版ずれ止め方法

【課題】施工の手間を低減する床版ずれ止め構造及び床版ずれ止め方法を提供する。
【解決手段】鋼桁12に設置されたプレキャストコンクリート床版13を有した合成桁10の床版ずれ止め構造20であって、鋼桁12はリベット孔12b1を有し、プレキャストコンクリート床版13はずれ止め孔13aを有し、リベット孔12b1を利用して鋼桁12に固定されると共にプレキャストコンクリート床版13のずれ止め孔13aに挿入されたずれ止め冶具21を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、プレキャスト(PC)コンクリート床版を用いた合成桁の床版ずれ止め構造及び床版ずれ止め方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の鉄道橋は、鋼桁と、鋼桁の上に設置されたまくらぎと、まくらぎの上に設置されたレールを有する。
【0003】
近年、新設構造では、橋まくらぎの代りにコンクリート製の床版を鋼桁に設置して合成桁とするケースが多い。床版は鋼桁に対してずれ止めで固定されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
既設の鋼桁にコンクリート製床版を設置する場合、既設の鋼桁のリベット孔を利用したボルトを取付け、このボルトにより床版の位置ずれを止める方法が考えられる。しかし、この方法は、通常現場で鋼桁の上にコンクリートを打設して床版を作製するため、多くの日時と施工の手間を必要としていた。
【0005】
また、大きなせん断抵抗を必要とする箇所では、必要なずれ止め数が多くなり、床版に開ける孔の数が多くなる。これは、床版の耐久性やプレストレスの導入の面で望ましくない。
【0006】
そこで、本発明の目的は、施工の手間を低減した床版ずれ止め構造及び床版ずれ止め方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下、符号を付して本発明の特徴を説明する。なお、符号は参照のためであり、本発明を実施形態に限定するものでない。
【0008】
本発明の第1の特徴に係わる合成桁の床版ずれ止め構造(20、20A、20B)は、鋼桁(12)に設置されたプレキャストコンクリート床版(13)を有した合成桁(10、10A、10B)の床版ずれ止め構造(20、20A、20B)であって、鋼桁(12)はリベット孔(12b1)を有し、プレキャストコンクリート床版(13)はずれ止め孔(13a、13b、13d)を有し、リベット孔(12b1)を利用して鋼桁(12)に固定される共にプレキャストコンクリート床版(13)のずれ止め孔(13a、13b、13d)に挿入されたずれ止め冶具(21、21A、21B)を有する。
【0009】
以上の第1の特徴において、床版(13)のずれ止め孔(13a)を画成する壁(13p)とずれ止め冶具(21)との間にセメント系固化材(M3)を充填する。
【0010】
プレキャストコンクリート床版(13)はずれ止め孔(13b、13d)内に段差部(13c1、21g2)を有し、ずれ止め冶具(21A、21B)は、ねじ部を有するずれ止め部材(21e、21h)と、ずれ止め部材(21A、21B)のねじ部と係合し且つ段差部(13c1、21g2)に当る締付ナット(21f、21j)を有する。
【0011】
ずれ止め部材は、ずれ止め孔(13b)の中へ延びるずれ止めボルト(21e)を有する。
【0012】
ずれ止め部材(21h)は、ずれ止め孔(13d)の中へ延びると共にねじ部が形成されたずれ止め棒(21h1)と、ずれ止め棒(21h1)に固定されると共にリベット孔(12b1)を用いて鋼桁(12)に取付けられた取付板(12h2)を有する。
【0013】
ずれ止め冶具(21)は、ねじ部を形成したずれ止め部材(21a)と、プレキャストコンクリート床版(13)と鋼桁(12)との間でずれ止め部材(21a)に取付けられると共にプレキャストコンクリート床版(13)の高さを調整する高さ調整ナット(21d)を有する。
【0014】
ずれ止め冶具(21A、21B)は、プレキャストコンクリート床版(13)と鋼桁(12)との間でずれ止め部材(21e、21h)に取付けられると共にプレキャストコンクリート床版(13)の高さを調整する高さ調整ナット(21d、21k)を有する。
【0015】
ずれ止め孔(13a、13b、13d)は間隔を置いて配置される。
【0016】
本発明の第2の特徴に係わる合成桁の床版ずれ止め方法は、鋼桁(12)のリベット孔(12b1)を用いて鋼桁(12)にずれ止め冶具(21、21A、21B)を取付け、
鋼桁(12)にプレキャストコンクリート床版(13)を設置し、床版(13)のずれ止め孔(13a、13b、13d)にずれ止め冶具(21、21A、21B)を挿入して鋼桁(12)に対してプレキャストコンクリート床版(13)のずれを止める。
【0017】
床版(13)のずれ止め孔(13a)を画成する壁とずれ止め冶具(21)との間にセメント系固化材(M3)を充填する。
【0018】
床版(13)はずれ止め孔内(13b、13d)に段差部(13c、21g2)を有し、ずれ止め冶具(21A、21B)はねじ部を有するずれ止め部材(21e、21h)を有し、ずれ止め部材(21e、21h)のねじ部に締付ナット(21f、21j)を係合し、段差部(13c、21g2)に締付ナット(21f、21j)を当てる。
【0019】
ずれ止め部材はずれ止めボルト(21e)を有し、ずれ止めボルト(21e)を締付ナット(21f)で締め付ける。
【0020】
ずれ止め部材(21h)は、ずれ止め孔(13d)の中へ延びると共にねじ部が形成されたずれ止め棒(21h1)と、ずれ止め棒(21h1)に固定された取付板(21h2)を有し、ずれ止め棒(21h1)のねじ部に締付ナット(21j)を係合し、リベット孔(12b1)を用いて取付板(21h2)を鋼桁(12)に取付けた。
【0021】
ずれ止め冶具はねじ部を有したずれ止め部材(21a)を有し、プレキャストコンクリート床版(13)と鋼桁(12)との間でずれ止め部材(21a)に高さ調整ナット(21d)を取付けてプレキャストコンクリート床版(13)の高さを調整する。
【0022】
プレキャストコンクリート床版(13)と鋼桁(12)との間でずれ止め部材(21a、21e)に高さ調整ナット(21d、21k)を取付けてプレキャストコンクリート床版(13)の高さを調整する。
【0023】
ずれ止め孔(13a、13b、13d)を間隔を置いて配置する。
【発明の効果】
【0024】
本発明の特徴によれば、予め、プレキャストコンクリート床版にずれ止め孔を形成したので、施工の手間を低減することができる。
【0025】
リベット孔を利用してずれ止め部材を取付けるので、施工コストを低減することができる。
【0026】
高さ調整ナットは床版の高さを調整するので、床版の設置を容易にすることができる。
【0027】
ずれ止め孔は間隔を置いて配置されるので、床版に設置するずれ止め孔の数を少なくし、床版の耐久性を向上させ、また、床版にプレストレスを導入しやすくする。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】第1の実施形態に係る合成桁の断面図である。
【図2】(A)は軌道を有する既存の桁の斜視図であり、(B)は同桁の横断面図であり、(C)は同桁の側面図である。
【図3】(A)は図2に続く改修工程の桁の斜視図であり、(B)は同桁の横断面図であり、(C)は同桁の側面図である。
【図4】(A)は図3に続く改修工程の桁の斜視図であり、(B)は同桁の横断面図であり、(C)は同桁の側面図である。
【図5】(A)は図4に続く改修工程の桁の斜視図であり、(B)は同桁の横断面図であり、(C)は同桁の側面図である。
【図6】(A)は図5に続く改修工程の桁の斜視図であり、(B)は同桁の横断面図であり、(C)は同桁の側面図である。
【図7】(A)は図6に続く改修工程の桁の斜視図であり、(B)は同桁の横断面図であり、(C)は同桁の側面図である。
【図8】第2の実施形態に係る合成桁の断面図である。
【図9】第3の実施形態に係る合成桁の断面図である。
【図10】(A)は図9に示すずれ止め冶具の拡大斜視図であり、(B)は図9に示す合成桁の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を参照して実施の形態を詳細に説明する。
【0030】
第1の実施形態
図7(A)に示すように、鉄道橋1は、橋脚に支持された合成桁10と、合成桁10の上に配置されたレール11を有する。合成桁10は、鋼桁12と、鋼桁12の上に配置されたプレキャスト(PC)コンクリート床版13(以下、床版と称する)を有する。
【0031】
図1に示すように、合成桁10は、鋼桁12と床版13と間に配置された打設モルタルM1、充填モルタルM2と、鋼桁12に対して床版13を固定する固定金具14を有する。合成桁10は、床版13に設けられると共に充填モルタルM2の中へ延びるずれ止め鉄筋15を有する。合成桁10は、鋼桁12に対して床版13の位置ずれを阻止する床版ずれ止め構造20を有する。
【0032】
ここで、鋼桁12は、ウェブ12aと、ウェブ12aの上端から横方向に延びるフランジ12bを有する。フランジ12bはリベットR1が取付けられたリベット孔12b1を有する。
【0033】
床版13は厚さ方向に貫通するずれ止め孔13a、13aを画成する壁13pを有する。ずれ止め孔13a、13aは床版13を横切る方向に配置される。はずれ止め孔13a、13aは防水キャップ16、16で覆われている。ずれ止め孔13a、13a群は所定の間隔を置いて配置される(図5(C)参照)。
【0034】
固定金具14は、鋼桁12のフランジ12bに係合すると共にフランジ12bの外側へ延びるL形の固定ブラケット14aを有する(図7(B)参照)。固定金具14は、ブラケット14aを貫通すると共に床版13の中にねじ込まれた固定ボルト14bを有する。
【0035】
床版ずれ止め構造20は、床版13のずれ止め孔13a、13aと、ずれ止め孔13a、13aに挿入されたずれ止め冶具21、21と、ずれ止め孔13a、13aに充填されたセメント系固化材としてのモルタルM3、M3を有する。セメント系固化材はモルタルの他、コンクリートでもよい。
【0036】
ここで、ずれ止め冶具21、21は、鋼桁12のフランジ12bのリベット孔12b1に通すと共に床版13のずれ止め孔14a、14bに挿入されたずれ止めボルト21a、21aと、ずれ止めボルト21a、21aをフランジ12bにワッシャを介在して固定する固定ナット21bを有する。ずれ止め冶具21、21は、床版13のずれ止め孔13a、13aの開口部に配置されたワッシャ21cと、ワッシャ21cを介在して床版13を支持する高さ調整ナット21dを有する。高さ調整ナット21c、21cは、ずれ止めボルト21a、21bの軸方向に移動するように回転可能である。ずれと止め冶具21、21は、ずれ止めボルト21a、21bの先端に取付けられた締付ボルト21d、21dを有する。
【0037】
モルタルM3、M3は、ずれ止め孔13a、13aを画成する壁13pとずれ止めボルト21a、21aとの間に充填され、ずれ止めボルト21a、21aを床版13に固定する。
【0038】
次に、図2−7を用いて既設鉄道橋の桁の更新方法を説明する。
【0039】
図2(A)−(C)に示すように、既設の鉄道橋100は、橋脚に支持された鋼桁12と、鋼桁12の上に固定されたまくらぎ101と、まくらぎ101に設置されたレール102からなる。まくらぎ101とレール102は軌道を構成する。
【0040】
図3(A)−(C)に示すように、鋼桁12のフランジ12bの上であってまくらぎ101同士の間にモルタルM1を打設する。さらに、フランジ12bの所定のリベット孔12b1にずれ止めボルト21aを上方へ向かって通す。ずれ止めボルト21aを固定ナット21bでフランジ12bに固定する。
【0041】
図4(A)−(C)に示すように、鋼桁12からまくらぎ101及びレール102を撤去する。
【0042】
図5(A)−(C)に示すように、予め作製した床版13を用意する。床版13には、ずれ止め孔13a群を所定の間隔を置いてで形成し、ずれ止め鉄筋15を配置しておく。これにより、床版13に設置するずれ止め孔の数を少なくし、床版13の製作にかかる手間を省くことができる。また、ずれ止め孔13a、13aを所定の間隔でまとめて配置することで、床版13にプレストレスを導入し易くする。
【0043】
鋼桁12の上に床版13を設置する。このとき、ずれ止めボルト21aを床版のずれ止め孔13aの中に挿入する。ここで、高さ調整ボルト21dをずれ止めボルト21aの軸方向に移動して高さ位置を調整する。また、固定ブラケット14aを鋼桁12のフランジ12bの下に係合させ、床版13の底面に当接させる。固定ボルト14bを固定ブラケット14aに貫通させ、床版13の中にねじ込む。
【0044】
図6(A)−(C)に示すように、鋼桁12のフランジ12bと床版13との間にモルタルM2を充填する。床版13のずれ止め孔13aにモルタルM3を流し込む。モルタルM3はずれ止め孔13aを画成する壁13pとずれ止めボルト21aとの間に充填される。モルタルM3の硬化後、モルタルM3はずれ止めボルト21aを床版13に固定する。ずれ止めボルト13aは鋼桁12に対して床版13の位置ずれ止め機能を発揮する。
【0045】
図7(A)−(C)に示すように、最後に、床版13の上に軌道としてのレール11を設置する。
【0046】
次に、鉄道橋1の使用方法を説明する。
【0047】
図7(A)に示すレール11の上に鉄道車両が通過すると、床版13の長手方向、横方向に応力が加わる。これにより、図1において、床版13は長手方向、横方向にずれ(変位し)ようとする。このとき、ずれ止めボルト21a、21aは床版13に抵抗して床版13の位置ずれを阻止する。また、ずれ止め孔13a群は所定の間隔で配置されているので、床版13の耐久性を向上させる。
【0048】
以上の実施形態によれば、床版13及びずれ止め孔13aを予め作製するので、施工の手間を省略することができる。
【0049】
ずれ止め孔13a、13a群は間隔を置いて配置されるので、床版13に設置するずれ止め孔の数を少なくし、床版13の耐久性を向上させる。
【0050】
ずれ止め孔13a、13aを間隔を置いてまとめて配置するので、床版13にプレストレスを導入し易くする。
【0051】
リベット孔12b1を利用してずれ止めボルト21aを取付けるので、施工コストを低減することができる。
【0052】
高さ調整ナット21dは床版13の高さを調整するので、床版13の設置を容易にする。
【0053】
第2の実施形態
図8に示すように、合成桁10Aは、第1の実施形態の合成桁10と同様の構成を有する。床版ずれ止め構造20Aのずれ止め冶具21A、21Aの特徴は、ずれ止めボルト21e、21eをずれ止め孔13b、13b内で締付ナット21f、21fによって締め付ける点にある。
【0054】
詳細には、床版13は、ずれ止め孔13b、13bを画成する円筒形の壁13cを有する。壁13cの上部はセットバックされて大きくなり、段差部13c1を有する。締付ナット21f、21fは、ずれ止めボルト21e、21eの先端部に取付けられ、ワッシャを介在して段差部13c1の上に配置される。締付ナット21f、21fは回転されて段差部13c1に当たり、ずれ止めボルト21e、21eを締め付け、床版13にずれ止めボルト21e、21eを固定する。
【0055】
この実施形態によれば、ずれ止めボルト21eはずれ止めナット21fによって締め付けられて床版13に固定され、鋼桁12に対する床版13の位置ずれ(変位)を阻止する。
【0056】
第3の実施形態
図9に示すように、合成桁10Bは床版ずれ止め構造20Bに特徴を有する。
【0057】
ずれ止め構造20Bは、床版13に形成されたずれ止め孔13dと、ずれ止め孔13dに配置されたずれ止め冶具21Bを有する。
【0058】
ずれ止め冶具21Bは、ずれ止め孔13dに固定された埋め込み金具21gと、埋め込み金具21gに挿入されたずれ止め部材21hを有する。
【0059】
ここで、埋め込み金具21gは、上下方向に貫通する孔21g1を有する。埋め込み金具21gは中央部でセットバックされた段差部21g2を有する。
【0060】
ずれ止め部材21hは、埋め込み金具21gに挿入されるずれ止め棒21h1と、ずれ止め棒21h1の基端に取付けられた鋼製の取付板21h2を有する(図10(A)参照)。
【0061】
ずれ止め棒21h1は、先端部にねじ部を有する。ずれ止め棒21hは埋め込み金具21gの中に延びて、ねじ部は段差部21g2の上方へ突出する。ずれ止め棒21h1の形状は円柱形の他、三角柱、四角柱、六角柱などの多角柱でもよい。
【0062】
取付板21h2はボルト孔21h3を有する(図10(A)参照)。取付板21h2は、ボルト孔21h3及びフランジのリベット孔12b1に取付ボルト21iを通すことにより、フランジ12b2に固定する。取付板21h2の形状は、矩形の他、円形、楕円形、多角形でもよい。
【0063】
ずれ止め冶具21Bは、ずれ止め棒21h1のねじ部に取付けられる締付ナット21jを有する。締付ナット21jは埋め込み金具21gの段差部21g2にワッシャを介在して配置される。締付ナット21jはずれ止め棒21h1の軸方向に回転されて段差部21g2に当たり、ずれ止め棒21h1に締め付ける。
【0064】
ずれ止め冶具21Bは、ずれ止め棒21h1に取付けられると共にワッシャを介在して埋め込み金具21gを支持する高さ調整ナット21kを有する。
【0065】
この実施形態によれば、ずれ止め棒21h1は、締付ナット21jによって締め付けられて床版13に固定され、鋼桁12に対して床版13の位置ずれ(変位)を阻止することができる。
【0066】
なお、本発明は本実施形態に限定されず、また、各実施形態は発明の趣旨を変更しない範囲で変更、修正可能である。本発明の鉄道橋の他、合成桁を有する道路橋等のあらゆる橋に適用される。また、本発明は、合成桁を有する橋の新設方法、更新方法に適用される。
【符号の説明】
【0067】
1 鉄道橋
10 合成桁
11 レール
12 鋼桁
13a、13b、13d ずれ止め孔
13 プレキャストコンクリート床版
14 固定金具
15 ずれ止め鉄筋
20、20A、20B 床版ずれ止め構造
21、21A、21B ずれ止め冶具
21a、21e ずれ止めボルト
21d、21k 高さ調整ナット
21f、21j 締付ナット
21h ずれ止め部材
M1、M2、M3 モルタル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋼桁に設置されたプレキャストコンクリート床版を有した合成桁の床版ずれ止め構造であって、
前記鋼桁はリベット孔を有し、
前記プレキャストコンクリート床版はずれ止め孔を有し、
前記リベット孔を利用して鋼桁に固定される共に前記プレキャストコンクリート床版のずれ止め孔に挿入されたずれ止め冶具を有する、
合成桁の床版ずれ止め構造。
【請求項2】
前記プレキャストコンクリート床版のずれ止め孔を画成する壁と前記ずれ止め冶具との間にセメント系固化材が充填された、請求項1に記載の合成桁の床版ずれ止め構造。
【請求項3】
前記プレキャストコンクリート床版は前記ずれ止め孔内に段差部を有し、
前記ずれ止め冶具はねじ部を有するずれ止め部材を有し、
前記ずれ止め部材のねじ部と係合し且つ前記段差部に当る締付ナットを有する、請求項1に記載の合成桁の床版ずれ止め構造。
【請求項4】
前記ずれ止め部材は前記ずれ止め孔の中へ延びるずれ止めボルトを有する、請求項3に記載の合成桁の床版ずれ止め構造。
【請求項5】
前記ずれ止め部材は、前記ずれ止め孔の中へ延びると共に前記ねじ部が形成されたずれ止め棒と、前記ずれ止め棒に固定されると共に前記リベット孔を用いて前記鋼桁に取付けられた取付板を有する、請求項3に記載の合成桁の床版ずれ止め構造。
【請求項6】
前記ずれ止め冶具は、ねじ部を形成したずれ止め部材と、前記プレキャストコンクリート床版と鋼桁との間で前記ずれ止め部材に取付けられると共に前記プレキャストコンクリート床版の高さを調整する高さ調整ナットを有する、請求項2に記載の合成桁の床版ずれ止め構造。
【請求項7】
前記ずれ止め冶具は、前記プレキャストコンクリート床版と鋼桁との間で前記ずれ止め部材に取付けられると共に前記プレキャストコンクリート床版の高さを調整する高さ調整ナットを有する、請求項3に記載の合成桁の床版ずれ止め構造。
【請求項8】
前記ずれ止め孔は間隔を置いて配置される、請求項1に記載の合成桁の床版ずれ止め構造。
【請求項9】
鋼桁のリベット孔を用いて前記鋼桁にずれ止め冶具を取付け、
前記鋼桁にプレキャストコンクリート床版を設置し、
前記床版のずれ止め孔に前記ずれ止め冶具を挿入して前記鋼桁に対して前記プレキャストコンクリート床版のずれを止める、
合成桁の床版ずれ止め方法。
【請求項10】
前記床版のずれ止め孔を画成する壁とずれ止め冶具との間にセメント系固化材を充填する、請求項9に記載の合成桁の床版ずれ止め方法。
【請求項11】
前記床版は前記ずれ止め孔内に段差部を有し、
前記ずれ止め冶具はねじ部を有するずれ止め部材を有し、
前記ずれ止め部材のねじ部に締付ナットを係合し、
前記段差部に締付ナットを当てる、請求項9に記載の合成桁の合成桁の床版ずれ止め方法。
【請求項12】
前記ずれ止め部材はずれ止めボルトを有し、
前記ずれ止めボルトを前記締付ナットで締め付ける、
請求項11に記載の合成桁の床版ずれ止め方法。
【請求項13】
前記ずれ止め部材は、前記ずれ止め孔の中へ延びると共に前記ねじ部が形成されたずれ止め棒と、前記ずれ止め棒に固定された取付板を有し、
前記ずれ止め棒のねじ部に前記締付ナットを係合し、
前記リベット孔を用いて前記取付板を前記鋼桁に取付けた、
請求項11に記載の合成桁の床版ずれ止め方法。
【請求項14】
前記ずれ止め冶具はねじ部を有したずれ止め部材を有し、
前記プレキャストコンクリート床版と鋼桁との間で前記ずれ止め部材に高さ調整ナットを取付けて前記プレキャストコンクリート床版の高さを調整する、
請求項10に記載の合成桁の床版ずれ止め方法。
【請求項15】
前記プレキャストコンクリート床版と鋼桁との間で前記ずれ止め部材に高さ調整ナットを取付けて前記プレキャストコンクリート床版の高さを調整する、
請求項11に記載の合成桁の床版ずれ止め方法。
【請求項16】
前記ずれ止め孔を間隔を置いて配置する、
請求項9に記載の合成桁の床版ずれ止め方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−202149(P2012−202149A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−69130(P2011−69130)
【出願日】平成23年3月28日(2011.3.28)
【出願人】(000173784)公益財団法人鉄道総合技術研究所 (1,666)
【出願人】(592173124)株式会社東京鐵骨橋梁 (11)
【出願人】(591121111)株式会社安部日鋼工業 (38)
【Fターム(参考)】