説明

合成樹脂枠、床材支持フレーム及び床材

【課題】設置場所の面積や形状に応じて容易に拡張・連結させて敷設する床材支持フレームと、その上面に床表面材を接合した床材とを提供する。
【解決手段】床表面材を支持する板状の合成樹脂枠であって、該合成樹脂枠の外周部分に、隣接する他の合成樹脂枠と連結するためのコネクター嵌合用嵌め込み部を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベランダ、バルコニー、玄関ポーチ、屋上、庭などの屋外、屋内に敷かれる床材支持フレーム、及びそれに床表面材を接合した床材に関する。
【背景技術】
【0002】
ベランダ、バルコニー、玄関ポーチ、屋上、庭などに敷かれる床材として、床材支持フレームの上面に細幅の木材、人工木材、マット、タイル、カーペットなどの床表面材を接合して、設置場所の面積に応じて連結させて敷設する床材が使用されている。従来、床材支持フレームの連結構造として、床材支持フレームの外周部に張り出る連結支脚を有する構造(例えば、特許文献1参照)、または合成樹脂製床材支持フレームの外周部の嵌め込み部の凹部に、ひょうたん型の連結部材を嵌め込む構造(例えば、特許文献2参照)が提案されている。前者は床材支持フレームの外周部に張り出る連結支脚があるため、敷設床材の末端部に邪魔になる連結支脚が残り不都合である。また、後者は床材支持フレームを一度切断すると再度連結することができないため、切断した床材支持フレームを他の床材支持フレームに連結して、設置スペースに合わせて床材の面積や形状を調整するということが難しいなどの点が不都合である。
【特許文献1】特開2003−97028号公報
【特許文献2】特開2002−303035号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、合成樹脂枠または床材支持フレームの外周部に張り出る連結支脚を無くし、合成樹脂枠を連結した床材支持フレームを連結部で容易に分離、切断でき、且つ、分離、切断した合成樹脂枠または床材支持フレームをコネクターで他の合成樹脂枠または床材支持フレームに連結することが可能である連結構造を有する合成樹脂枠または床材支持フレーム、及びその床材支持フレームに床表面材を接合した拡張・連結が容易な床材を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記の課題を解決する為に、本発明は次の様に構成する。
請求項1は、床表面材を支持する板状の合成樹脂枠であって、該合成樹脂枠の外周部分に、隣接する他の合成樹脂枠と連結するためのコネクター嵌合用嵌め込み部を有することを特徴とする合成樹脂枠である。
請求項2は、請求項1に記載の合成樹脂枠を連結部によって2個以上連結して一体フレームとしてなることを特徴とする床材支持フレームである。
請求項3は、前記連結部が薄いヒレ状部で形成されて、床材支持フレームが一体成形されてなることを特徴とする請求項2に記載の床材支持フレームである。
請求項4は、床材支持フレームに載置される床表面材が請求項2または3に記載の床材支持フレームに接合されたことを特徴とする床材である。
請求項5は、前記床表面材が面ファスナーによって床材支持フレームに接合されたことを特徴とする請求項4に記載の床材である。
【発明の効果】
【0005】
本発明の合成樹脂枠、床材支持フレームは、外周部に張り出し部分も無く、拡張・連結が容易で、その連結が外れたりずれたりすることがない優れた敷設床材の支持体である。
また、合成樹脂枠は他の合成樹脂枠と容易に連結・分離でき、床材支持フレームは合成樹脂枠の連結部で容易に切断でき、且つ、切断した床材支持フレームをコネクターで他の床材支持フレームに連結することが可能であるため、敷設場所のスペースに合わせて簡単に敷設が可能な床材である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
図面に基づいて、本発明に係る合成樹脂枠、床材支持フレームの連結構造、及び床材支持フレームに床表面材を接合した床材についての最良の実施形態を詳細に説明する。
合成樹脂枠1は、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの合成樹脂から成形した正方形または矩形の板状体が好ましく、また、床材支持フレームは2個以上の合成樹脂枠1を連結した格子状の構造が好ましい。床表面材3としては木材、人工木材、マット、タイル、カーペットなどが使用できる。
床表面材3と床材支持フレーム11との接合は接着剤その他通常の接合方法を使用することができるが、脱着が容易なことから面ファスナー(マジックテープ(登録商標)など)での接合が好ましい。
【0007】
また、実使用時は、例えば9個の合成樹脂枠1を図4に示すようにコネクター又は薄いヒレ状部で一体成形によって連結して、一辺が約30cmの正方形状とした床材支持フレーム11、及びその上に床表面材3を接合した床材12が使い易い。また、9個以上の合成樹脂枠1を連結して、60cm角の正方形状、30cm×60cm角の長方形状などでも用いることができる。
ポリプロピレン、ポリエチレン等の合成樹脂素材で成型した合成樹脂枠1の外周部分に、コネクター2の凸部に対応した嵌め込み部Aの凹部を設けてある。合成樹脂枠1は10cm×10cm角の正方形状のものを使用する。
【0008】
ポリプロピレン等の合成樹脂素材で成型した正方形または矩形の板状体のコネクター2は、図1に示されるように、凸部の止め部Bを合成樹脂枠1の嵌め込み部Aの凹部に対応してコネクター2の両端部と中央部に有する。両端部の止め部Bは、コネクタ2の端部近傍において、コネクター2の短辺方向に板状の突起を設けてある。また、中央部の止め部Bは、両端部の止め部Bの間隔以内の長さで、コネクター2の中心部を通って長辺方向に板状の突起を設けてある。
このように板状の突起を設けたコネクター2を合成樹脂枠1の嵌め込み部に嵌合させることにより、隣接する合成樹脂枠1同士が外れたりずれたりしない状態で連結できる。しかも、コネクター2と合成樹脂枠1とは面一で嵌合できるため、凹凸が回避され、床表面材3を床材支持フレーム11に確実に接合できる。合成樹脂枠1とコネクター2を連結する状態を図1に示す。
【0009】
9個の合成樹脂枠1を12個のコネクター2で連結したり、又は連結部5を薄いヒレ状部の一体成形で連結した床材支持フレーム11、及びその上に例えば人工木材板から成る3枚の床表面材3を面ファスナー(マジックテープ(登録商標)など)4で接合して床材12とする状態を図2または図5に示す。
この様に作製した床材12を連結しながら敷設作業を行い、スペースに合わせて最後(端部)の床材12の一部を切断して調整することになった際には、図3に示すように、連結部5を床表面材3と共に切断するか又はコネクター2を取り外すことで、必要とする寸法の床材12が得られ、敷設スペースの広さや形状に容易に合わせることが出来る。また、拡張する場合には、切断した床材支持フレーム11の部分をコネクターで他の床材支持フレームに連結が可能である。
【0010】
本発明は、合成樹脂枠、または複数個の合成樹脂枠1を一体化した床材支持フレーム11を規格部材として量産しておけば、敷設場所のスペースに応じて必要となる小サイズまたは異形の床材支持フレームを、合成樹脂枠の連結または床材支持フレームの切断によって規格部材から作れる。そのため、設置スペースの面積や形状に適応するための異なる規格の部材は必要でなく、しかも、切断された部材が活用できたり廃棄部材の生じる無駄を減らせる。
【産業上の利用可能性】
【0011】
本発明の合成樹脂枠、床材支持フレーム及び床材は、ベランダ、バルコニー、玄関ポーチ、屋上、庭などの屋外、屋内に敷いて好適に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】合成樹脂枠1およびコネクター2の構造と連結状態を示す平面図および斜視図である。
【図2】9個の合成樹脂枠1をコネクター2または薄いヒレ状部5で一体成形して連結した床材支持フレーム11に床表面材3を、面ファスナー(マジックテープ(登録商標))4で接合する状態を示す平面図、側面図、および斜視図である。
【図3】床材12の切断及び連結の状態を示す斜視図である。
【図4】9個の合成樹脂枠1を12個のコネクター2または薄いヒレ状部5で一体成形して連結した正方形状の床材支持フレーム11、及びその上に人工木材等の3枚の床表面材3を接合した床材12を示す平面図、および斜視図である。
【図5】12個の連結部5を薄いヒレ状部で形成して、9個の合成樹脂枠1を連結して一体成形した状態を示す平面図である。
【符号の説明】
【0013】
1 合成樹脂枠
2 コネクター
3 床表面材
4 面ファスナー(マジックテープ(登録商標))
5 連結部
11 床材支持フレーム
12 床材
A 嵌め込み部
B 止め部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
床表面材を支持する板状の合成樹脂枠であって、該合成樹脂枠の外周部分に、隣接する他の合成樹脂枠と連結するためのコネクター嵌合用嵌め込み部を有することを特徴とする合成樹脂枠。
【請求項2】
請求項1に記載の合成樹脂枠を連結部によって2個以上連結して一体フレームとしてなることを特徴とする床材支持フレーム。
【請求項3】
前記連結部が薄いヒレ状部で形成されて、床材支持フレームが一体成形されてなることを特徴とする請求項2に記載の床材支持フレーム。
【請求項4】
床材支持フレームに載置される床表面材が請求項2または3に記載の床材支持フレームに接合されたことを特徴とする床材。
【請求項5】
前記床表面材が面ファスナーによって床材支持フレームに接合されたことを特徴とする請求項4に記載の床材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−22559(P2006−22559A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−201686(P2004−201686)
【出願日】平成16年7月8日(2004.7.8)
【出願人】(303046314)旭化成ケミカルズ株式会社 (2,513)
【Fターム(参考)】