説明

合成樹脂製のケーキ収納容器

【課題】
ケーキ特にプチケーキの容器からの取り出しが手を汚さず行なうことが出来る合成樹脂製のケーキ収納ケースを提供することを課題とする。
【解決手段】上記課題を解決するため、合成樹脂製のケーキ収納容器であって、底面部と側面部と上部フランジ部からなり、上部が開口している容器で、底面部に切り込み部を設けて、切り込み始点を支点として上方に回動して、指でケーキ等の内容物を上方に移動できる。
切り込み部の幅は、人差し指の横幅以上に設けると良い。切り込み部はU字状であると良い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーキ特にプチケーキの合成樹脂製の容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、本発明のようなケーキの合成樹脂製の容器は存在しなかった。
特許文献1は、ケーキ製作用回転台の機能を有するものであるが、ケーキの取り出した、上蓋120を持ち上げ、ケーキ自体を裁断後、個々のケーキをホークやナイフ等食器で、持ち上げて食器に盛るものである。
特許文献2は、通常の紙製の包装箱であり、ケーキの出し入れは側面部3の開閉蓋5を開けて行なうものである。
特許文献3は、合成樹脂製のプラスチック容器の底シール部に突条を設けたものである。
【特許文献1】特開2006−206066号公報
【特許文献2】特開2007−15738号公報
【特許文献3】特開平8−216238号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1は、ケーキを食器等に盛る場合に、ナイフ等の食器を使用するものであり、盛るときに使用者のスキルが重要である。特許文献2もケーキの取り出しに食器が必要である。特許文献3の底部の機能は本件発明と異なるものである。
本発明は、ケーキ特にプチケーキの容器からの取り出しが手を汚さず行なうことが出来る合成樹脂製のケーキ収納ケースを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するための本発明の構成は、底面部と側面部と上部フランジ部からなり、上部が開口している容器であって、底面部に切り込み部を設けて、切り込み部始点を支点として上方に回動して、指で内容物を上方に移動できることを特徴とした合成樹脂製のケーキ収納容器である。切り込み部の幅は、人差し指の横幅以上に設けると良い。又、切り込み部はU字状であると良い。
【発明の効果】
【0005】
本発明の請求項1記載の発明は合成樹脂製のケーキ収納容器であり、底面部と側面部と上部フランジ部からなり、上部が開口している容器であって、底面部に切り込み部を設けて、切り込み始点を支点として上方に回動して、指で内容物を上方に移動できるので、内容物であるケーキを容易に取出しが可能であり、特にプチケーキなどは取り出した状態でそのまま食する事が可能である。請求項2は切り込み部の幅は、人差し指の横幅以上に設けたので、切り込み部を上方に移動するときに、人差し指等で容易に移動できる。
請求項3は、切り込み部はU字状にしたものであり、人差し指等を切り込み部の先端部(切り込み部作用部分)に当てた時に、指の形状に合致し使い勝手が良い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明の合成樹脂製の容器は例えばPETなどで製造する。図1は本発明の容器の一例を示す斜視図、図3は同正面図で、10は本発明の容器であり、底面部20と側面部30と上部フランジ部40から構成されており、全体が横長の長方形状であり、上部に開口部50がある。
【0007】
図2は、図1の底面図であり、底面部20は、長方形状であり、中心部に容器の形状と同形状の凹部22が設けられている。凹部22は容器全体としては上げ底形状になっている。
【0008】
凹部22の周辺には、傾斜部24が設けられ、その更に周辺は平坦部26になっており、これにより凹部22は容器10全体としては底面側からは、窪んだ状態になっている。なお、凹部22の横幅は、使用者の一指し指の先端の腹の部分が納まる以上の大きさであることが必要である。逆に凹部22の横幅が広すぎた場合には、底面部下方から使用者が上に突き上げた場合に、凹部部分のプラスチックが撓むことがあり、ケーキを上方に取り出すことが困難な場合があり、好ましくない。
【0009】
平坦部26には凹部の形状と同様の形状で、切り込み部28が、長手方向の端部から底面部20の中央付近まで設けられている。切り込み部28は、全体に縦長のU字状に成っている。なお切り込み部の形状は、全体が全て切り込まれている場合だけでなく、一部で繋がっているミシン目状でも適用可能である。この場合には、使用者がケーキ等を上に押し上げようとする場合に、ミシン目が下からの使用者の力により、容易に壊れるものであることが必要である。
又切り込み部の大きさは、底面部20の中央付近まで設けるのが好適であるが、長手方向の端部から中央方向に向かって、底面部20の長手方向の長さの4分の1までであれば実用に供する。
又切り込み部の切り込み形状は、前記のU字上に限らず、コの字状でも良い。又、ケーキの横幅より切り込み部の横幅が小さくても、ケーキを上方に持ち上げるのに支障が無ければ良い。但し最低人差し指の横幅以上の幅は必要である。即ち、この幅より切り込み部の幅が小さいと切り込み部28を上方に持ち上げるときに切り込み部28の横幅部分に指が挟まり、人差し指が切り込み部28の間をすり抜けることが出来ず、切り込み部28を上方に移動できない。実施例では、横幅は1.5cm程度は必要である。
【0010】
底面部20の周縁の各角部は、R形状であり、ケーキの取り出しが円滑である。又底面部の周縁から側面部30が立ち上がっており、側面部30は短手側面部32と長手側面部34からなり、四方の角部はR形状になったR側面部36になっている。そして側面部30は全体に開口部50に向って拡がったテーパー形状になっている。
【0011】
側面部30の上方は、フランジ部40が接続しており、フランジ部40の内側は開口部50が開口し、ケーキ等を収納する(図4参照)。
【実施例】
【0012】
ケーキ特にプチケーキを容器10に収納する。そして、容器10に合った蓋をフランジ40の上から被せる。代替的な手段としては、プチケーキの上にセロファンを被せ、容器10全体を合成樹脂製の袋に収納する(何れも図示せず。)。
【0013】
容器10に合った蓋或いは、容器10を収納した合成樹脂製の袋から容器10を取り出す。そして、図5は使用者が凹部22に親指を下から押接して突き上げ、切り込み部28の切り込み部始点28Sを支点として、切り込み部が回動し、切り込み部作用部分28aが、上方に移動する。これにより、ケーキCは切り込み部28側が上方に突き出し、ケーキの3分の1ほどが、容器10のフランジ部40から上方に突き出される(図5参照)。使用者は、突き出たケーキをそのまま食することも可能である。これにより、使用者は手を汚さず、ケーキ特にプチケーキを食することが出来る。
【0014】
なお、底面部の四隅のR形状や、側面部のR側面部36は、ケーキ特にプチケーキの取り出し時に円滑に持ち上げが可能なように構成してある。
【0015】
図6乃至図11は、本発明の他の実施例を示すものであり、容器10に横18mm、縦70mm、高さ30mmのプチケーキを収納するものであり、側面部30の上方のフランジ部40との接続部分で、段部を設けて、拡径した実施例である。図6は、その正面図、図7は背面図、図8は左側面図、図9は右側面図、図10は平面図、図11は底面図である。なお、図8と図9のフランジ部の横幅は図10と図11のフランジ部間の縦幅と同一である。また図8と図9の容器10の深さは図6と図7の容器の深さと同一である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の斜視図である。
【図2】図1の底面図である。
【図3】図1の正面図である。
【図4】図1にケーキ等を収納した状態を示す斜視図である。
【図5】本発明の使用状態を示す斜視図である。
【図6】本発明の他の実施例の正面図
【図7】図6の背面図
【図8】図6の左側面図
【図9】図6の右側面図
【図10】図6の平面図
【図11】図6の底面図
【符号の説明】
【0017】
C ケーキ
10 容器
20 底面部
22 凹部
24 傾斜部
26 平坦部
28 切り込み部
28S 切り込み部始点
28a 切り込み部作用部分
30 側面部
32 短手側面部
34 長手側面部
36 R側面部
40 上部フランジ部
50 開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
底面部と側面部と上部フランジ部からなり、上部が開口している容器であって、底面部に切り込み部を設けて、切り込み部始点を支点として上方に回動して、指で内容物を上方に移動できることを特徴とした合成樹脂製のケーキ収納容器
【請求項2】
切り込み部の幅は、人差し指の横幅以上に設けた請求項1記載の合成樹脂製のケーキ収納容器
【請求項3】
切り込み部はU字状である請求項1記載の合成樹脂製のケーキ収納容器

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−298451(P2009−298451A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−156330(P2008−156330)
【出願日】平成20年6月16日(2008.6.16)
【出願人】(392034414)株式会社瓢月堂 (1)
【Fターム(参考)】