説明

合成繊維用の紡糸セル

スパンデックスのような合成繊維のための紡糸セルが含まれる。紡糸セルにおいては溶媒蒸気の1種または複数のプロセスガスが該セルを排出し、そして室内の空気が紡糸セル中に導入される可能性があるが、当該紡糸セルは、溶媒蒸気の移動を軽減または排除する上部クロージャを含む。底部クロージャ装置を含むこともできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
スパンデックスのような合成繊維のための紡糸セルが含まれる。紡糸セルにおいては溶媒蒸気の1種または複数のプロセスガスがセルを排出して、室内の空気が紡糸セル中に導入される可能性があるが、当該紡糸セルは、溶媒蒸気の移動を軽減または排除する上部クロージャを含む。
【要約および関連技術】
【0002】
合成繊維は融解紡糸および乾式紡糸を含む種々の方法から調製することができる。スパンデックスのような繊維の乾式紡糸はセグメントポリウレタンのようなポリマーの溶液を調製することにより達成することができる。次に溶液を紡糸セルの紡糸口金開口部を通して乾式紡糸して、フィラメントを形成する。フィラメントは、紡糸口金から排出するとセルのチェンバーを通って送られ、そこで溶媒は熱風の導入によりフィラメントから蒸発される。フィラメントは相互に凝集し、付着して、一本の糸を形成することができるか、あるいはまた、単一のフィラメントから糸を調製することができる。糸はセルから巻き取り装置に送られ、そこで糸の包装物に形成される。
【0003】
熱風が酸素を含む時は、溶媒が発火する危険が存在する。この危険を軽減させるためにセル中に低い溶媒濃度を維持するように注意を払われる。これは大量のガスを紡糸セル中に押し込むことにより達成される。
【0004】
火事の危険を最小にするためにセル中のガスは窒素または二酸化炭素のような不活性ガスであることができる。蒸発された溶媒が不活性ガスから分離され、不活性ガスが紡糸セルに再循環される閉鎖ループシステムはしばしば、不活性ガスを紡糸セルに供給することと関連し、操作経費を節減するために使用される。不活性ガス使用に伴う1つの困難は、溶媒蒸気をセルから追い出さず、かつ紡糸セルを通るガス流を妨げずに、セル操作中、そして紡糸口金の洗浄/交換中に、紡糸セル中への空気の導入から紡糸セルを封止することである。紡糸セルが封止されて空気の導入を妨げる時の他の利点は、セルのオペレータの紡糸工程で使用される溶媒またはプロセスガスへの暴露を減少させることであろう。
【0005】
今日、不活性ガスの代わりに空気を使用する多数の紡糸セルが使用される。これらの紡糸セルはしばしば、それを通って空気が紡糸セル中に導入され、そして溶媒の蒸気およびプロセスガスが漏洩する可能性がある開放された上部および底部を有する。紡糸口金を交換するための生産中断期間に、乾燥ガス流を、紡糸セルを通して維持し、そしてこれらのセル開口部を製造区域に対して開放することは一般的な方法である。紡糸口金交換期間中、乾燥ガスが周囲の製造区域に漏洩し、そして/または室内の空気が紡糸セル中に吸引される可能性がある。紡糸セルが一般的な閉鎖ループの不活性ガス供給システムから供給される場合、この操作中に、過剰な室内の空気がセル中に吸引されると、閉鎖されたガスシステムの酸素含量が危険なレベルに到達する可能性がある。あるいはまた、製造区域への不活性プロセスガスの過剰な放出は、喪失を補充するための操作経費を増加し、そして過剰量の不活性ガスに操作作業員を暴露する危険をもたらすであろう。紡糸口金を交換するための生産中断期間に、乾燥ガス流を、紡糸セルを通して維持し、そしてこれらのセル開口部を製造区域に対して開放することは一般的な方法である。紡糸口金を交換するための生産中断期間に、乾燥ガス流を、紡糸セルを通して維持し、そしてこれらのセル開口部を製造区域に対して開放することは一般的な方法である。
【発明の概要】
【0006】
発明の要約
幾つかの態様は、乾式紡糸セル中に含むことができる、または既存の乾式紡糸セルを修飾するために使用することができる装置である。本セルは、
(a)実質的に垂直な構造、開放された上部、開放された底部および紡糸口金の配列を有する、合成繊維用乾式紡糸セル;並びに
(b)溶媒蒸気の放出物を減少または排除し、そして前記乾式紡糸セル中への空気の侵入を軽減または排除するための上部クロージャ(ここで前記上部クロージャは前記乾式紡糸セルの前記の開放された上部に隣接する):を含む。本乾式紡糸セルは二酸化炭素または窒素のような不活性ガスとの使用に適合し、火事および溶媒蒸気への職員の暴露の危険を軽減する。
【0007】
他の態様は、
(a)実質的に垂直な構造、開放された上部、開放された底部および紡糸口金の配列を有する、合成繊維用乾式紡糸セル;
(b)溶媒蒸気の放出物および前記乾式紡糸セル中への空気の導入を軽減または排除するための上部クロージャ(ここで前記上部クロージャは前記乾式紡糸セルの前記の開放された上部に隣接する);並びに
(c)溶媒蒸気の放出物を減少または排除し、そして前記乾式紡糸セル中への空気の侵入を軽減または排除するための底部クロージャ(ここで前記の底部クロージャは前記の乾式紡糸セルの前記底部に隣接し、前記底部クロージャは凝集ジェットまたはモノフィラメントガイドおよびフィラメント排出ガイドの少なくとも1つを含んでなる):
を含む装置である。
【0008】
更に、
(a)実質的に垂直な構造、開放された上部、開放された底部および紡糸口金の配列を有する、合成繊維用乾式紡糸セル;
(b)溶媒蒸気の移動および前記乾式紡糸セル中への空気の導入を軽減または排除するための装置(ここで前記装置は前記の開放された上部に設置されている);並びに
(c)溶媒蒸気の放出物を減少または排除し、そして前記乾式紡糸セル中への空気の侵入を軽減または排除するための装置(ここで前記装置は前記の開放された底部に設置されている):
を含む装置が含まれる。
【0009】
更なる態様は、
(a)実質的に垂直な構造、開放された上部、開放された底部および紡糸口金の配列を有する、合成繊維用乾式紡糸セルを提供する工程;
(b)前記乾式紡糸セルの前記の開放された上部に隣接し、そして前記紡糸口金の配列の上方に上部クロージャを設置する工程;並びに
(c)前記乾式紡糸セルの前記底部に隣接して底部クロージャを設置する工程(ここで前記の底部クロージャは凝集ジェットおよびフィラメント排出ガイドを含んでなる):
を含む、溶媒蒸気の移動および/または乾式紡糸セル中への空気の導入を軽減または排除するための方法である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は開放された上部および底部を有する紡糸セルの1例を示す。
【図2A】図2Aは底部クロージャを含む紡糸セルの略図である。
【図2B】図2Bはフィラメントガイドの透視図である。
【図3】図3は閉鎖位/操作位にある底部クロージャの側面図である。
【図4】図4は閉鎖位/操作位にある底部クロージャの正面図である。
【図5】図5は開放位の底部クロージャの側面図である。
【図6】図6は開放位の底部クロージャの正面図である。
【図7A−7D】図7A〜図7Dは紡糸口金を外すための工程の異なる段階における上部クロージャの側面図である。
【図8A−8D】図8A〜図8Dは紡糸口金を取り付けるための工程の異なる段階における上部クロージャの側面図である。
【図9】図9は代わりの上部クロージャのデザインの透視図である。
【0011】
発明の詳細な説明
本明細書で使用されるようなスパンデックスは、その繊維形成物質が、少なくとも85重量%のセグメントポリウレタンを含む長鎖合成エラストマーである人造繊維である。スパンデックスは一般に、ジメチルアセトアミド、ジメチルホフムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシドのような溶媒中でポリウレタンまたはポリウレタン尿素の溶液から乾式紡糸される。ポリマーは、ポリエーテル、ポリエステルまたはポリカーボネートグリコールのようなポリマージオールをジイソシアネートでキャップし、次に、生成されたキャップグリコールを1種または複数のジアミンまたはジオールで連鎖延長することにより調製することができる。
【0012】
本明細書で使用されるような用語、紡糸セルの「開放された上部」は、紡糸口金の交換または設置期間中にガス、蒸気および溶媒を、それを通して移動させることができるセルの部分を意味する。本発明者は、典型的な操作中は、セルのこの部分は一般に閉鎖されていると認識する。
【0013】
紡糸セルのための上部クロージャおよび底部クロージャを含む幾つかの態様のクロージャシステムは紡糸セルの統合された一部として形成しても、または既存の紡糸セルの修飾物として追加してもよい。大気から紡糸セルを隔離し、窒素または二酸化炭素のような不活性ガスを使用することにより、溶媒を発火させる危険および/または操作区域中への溶媒蒸気またはプロセスガスの放出の危険が最小化される。
【0014】
図1は、シャフト20、例えば紡糸口金の変更を実施するために定期的に開放される、開放された上部10およびスパンデックスフィラメント38を調製するために営業的に使用される開放された底部15を含む紡糸セルを示す。本装置の上部10において、ポリウレタン尿素のようなポリウレタンの熱溶液が紡糸口金12にポンプで注入され、そこで、溶液がフィラメント38に押し出される。次に、この紡糸セルは一般に、セルの底部に引かれる約5〜10%の室内空気を含む約200℃超の温度の乾燥ガスとして空気を使用して溶媒の放出を減少させる。大量の空気をセル中に導入して、乾燥用エネルギーを提供し、そしてセル中の溶媒蒸気の希釈を維持して、セル内の空気中溶媒の燃焼可能な混合物を回避する。この工程は空気を加熱し、そして次に溶媒蒸気を冷却するために要するエネルギー量に対してエネルギー非効率である。更に大部分のガスは空気に熱を提供するエネルギーを完全に使用せずに、上部セルの真空を通って排出する。次にフィラメント38は底部でセルを排出し、糸包装物上に巻かれる。
【0015】
上部および底部クロージャ装置の組み合わせは、他の場合には必要と考えられる熱の制御およびガス流速の制限を伴わずに、乾燥ガスとして窒素または二酸化炭素のような不活性ガスの使用を許す。上部および底部が大気に開放されている時、セル内の溶媒濃度を爆発または火事を排除するように管理しなければならない。上部および底部クロージャが下記のように導入され、紡糸セルから酸素が最少にされるかまたは排除される時は溶媒濃度は問題ではない。
【0016】
次に図2Aにおいて、凝集ジェットマニホールド32およびフィラメント排出ガイド34を含むことができる底部クロージャ部分30がシャフト20の底部に取り付けられて示されている。図2Aの部分に示される底部クロージャは、それから収束する断面をもつか
、または側部ドア36および正面パネル42とともに紡糸セルの底部を囲むフィラメント排出ガイド34に対して紡糸シャフト20に取り付けられている。図2Bにおいて、糸の排出ガイド34は各フィラメント38に対し1個の排出通路35を含み、24個の排出通路が示されているが、この数字は所望されるフィラメント数により変動することができる。排出ガイドを通って排出後、スパンデックスフィラメント38はコア上に巻き取られて包装物を形成することができる。
【0017】
図3および4において、操作位の底部クロージャが、それぞれ側面図および正面図から示されている。底部クロージャはセル15の底部にシャフト20を延伸することにより取り付けられる。底部クロージャは側部ドア36および、図2Aの正面パネルに対応する正面ドア42を含む。側部パネル40は囲みを完成する。フィラメント38は底部クロージャを排出し、包装物上に巻き取ることができる。
【0018】
図5および6は、それぞれ側面図および正面図からの開放位の底部クロージャを示す。側部ドア36および正面ドア42は凝集ジェットマニホールド32およびフィラメントガイド34を露出するために開放位に維持されている。ジェットマニホールドへのアクセスを増すために、側部パネル40は側部ドアであることができる。
【0019】
図5および6にはセルの底部クロージャの特定の構造が提供されているが、その機能は形態に依存しないので、他のセルクロージャの構造を含むことができることは理解される。更に、底部クロージャは開放する側部ドアを有するものとして示されているが、1個または複数のドアは滑動し、旋回し、または回転してもよい。更なる代替物として、底部クロージャ全体を取り外し可能にすることができる。
【0020】
図7A〜7Dおよび図8A〜8Dはそれぞれ、紡糸口金の取り外しおよび交換中の上部クロージャ装置の断面図を示す。
【0021】
図7A〜7Dは紡糸口金の配列28を含むトレー26の取り外しを示す。紡糸口金の配列はどんな所望の構造でもあることができる少なくとも1個の紡糸口金を含む。図7Aにおいて、シャフト20を含む紡糸セルはスパンデックスであってもよい合成フィラメント38を調製する操作中である。上部クロージャは、シャフト20の一体部分を形成しても、または既存の紡糸セルの上に取り付けた別の部品でもよい、シャフトの延長物24を含む。水平面を含む封止板22によりエアロックが提供される。図7Bにおいて、封止板を、この目的のために知られた種々の潤滑剤のいずれかにより運動の容易さを提供するように潤滑化させることができる。更に、封止板22はシャフト20へのまたはシャフト20からのいずれかのガスの漏洩を最少にするためのガスケットを含むことができる。ガスケットはシリコーンまたはガラス繊維のようなあらゆる適当な柔軟な/適合する材料であることができる。図7Cにおいて、封止板22は、紡糸口金28を保持しているトレー26が垂直方向25に持ち上げられる時に紡糸セルのシャフト24中に水平方向23に移動される。次に紡糸口金の配列28を含むトレー26は、紡糸セルから遠くに水平方向27に移動させることができる。
【0022】
図8A〜8Dは合成繊維の生産を再開するためにシャフト24の延長物上で紡糸セルに対する紡糸口金の配列28を含むトレー26の交換を示す。図8Aは、紡糸口金28が洗浄のために取りはずされ、次に図8Bにおいてトレーに再導入されることができ、そして再開することができることを示す。図8Bは更に、封止板22上への薄いシート45の挿入を示す。薄いシート45はダンボール、紙またはアルミニウムのようなあらゆる適当な材料であることができる。次に図8Cにおいて、薄いシート45を含むトレー26を紡糸セル20上を水平23に戻して移動させる。走行している糸のラインは薄いシート45上にたまる。次に封止板22を外し27、付着した糸のラインを伴う薄いシートが紡糸セル
のシャフト20を落下する。次に紡糸口金のトレーがセル中に垂直に戻って移動して、フィラメント38の生産を再開する。
【0023】
セルクロージャの構造は紡糸セルの開口部および1種または複数の紡糸口金の所望の配列に対応するあらゆる形状または幾何学構造であることができることに注目することは重要である。図9は幾つかの態様の上部クロージャ装置に対する代わりの構造および機構を提供する。トレー26は、封止板22がシャフト24の延長物中に移動された後に、トレー26がセル20に対して回転されて、紡糸口金28の取り外しを許すように、紡糸セルに回転可能に取り付けられる。トレー26は閉鎖/操作位50から開放位60に移動される。
【0024】
セルの上部における紡糸口金の取り外しおよび交換の工程中、溶媒蒸気およびプロセスガス放出およびセル中への空気の導入は最小化または排除される。更に、セルへの気流および加熱は、上部クロージャと底部クロージャの組み合わせにより提供されるエアロックにより、変更されることが必要でなかった。
【0025】
本発明の特徴物および利点は、説明の目的のために提供される以下の実施例により更に詳細に示され、そしてどんな方法でも本発明を限定するものと考えるべきではない。
【実施例】
【0026】
実施例に対する測定部分は以下のような紡糸セルに対応する:
図1のセル上部開口部10における部位#1および
図8Aの紡糸口金28の部位における部位#2。
【実施例1】
【0027】
セルの上部開口部近位の操作区域のO放出量−元来の構造(上部セルまたは底部クロージャなし)
4〜5容量%のOを含み、残りはNである、上部供給プレナムを通るセル中への約20℃で500kg/時間のガス流量の流れが確立された。システムガスの逃がし排気および、ガスシステム圧を維持するための99.99+%の純粋Nの組成を含むN消費量を最小化するために、供給ガスは閉鎖ループシステム中で再循環された。底部の紡糸セル内の圧力は、必要に応じて復帰ガス流量に対する僅かな調整により室圧に維持された。セルから復帰するプロセスガス流量は上部ガス復帰プレナムからは330kg/時間に、そして下部ガス復帰プレナムからは170kg/時間に設定された。セルを通るガス流量を伴って紡糸口金の変更を実施するためのセル上部を開放する効果を算定するために、上部セル開口部上方のO濃度を2カ所(図1参照)において開放された下部セルとともにモニターした。これらの条件下で、示された部位のOは、15秒後に部位#1で17%、そして5秒後に部位#2で4.8%と測定された。
【実施例2】
【0028】
セル上部開口部近位の操作区域におけるO放出量−セルの上部および底部クロージャは定位置
実施例1に記載の条件を使用し、典型的な紡糸口金の変更サイクルの2工程においてO読取りを実施した。紡糸口金の変更の第1の工程において、紡糸口金を持ち上げ(図7Bと7C間の部分28の位置における変更により示されるように)、滑り板は定位置(図7Bに示した部分22)にまだ挿入されていなかった。これらの条件下で、部位#1または部位#2における基底線20.8%の基底線O読取からの偏りは認めなかった。
【0029】
次に、滑り板22を定位置に移動させて、セルの上部開口部10をブロックし、そして紡糸口金28を図7Dに示されるその維持部位に移動させた。部位#1または部位#2の
いずれでもO測定値の変化は認められなかった。
【実施例3】
【0030】
操作中の供給ガスのO含量−元来の構造
紡糸セルは、紡糸口金28を図7Aに示されるように設置されて、上部供給プレナムを通るセルへのガス流量で操作された。供給ガスは、システムガスの逃がし排気および、ガスシステム圧を維持するための99.99+%純粋のNの組成を含むN消費量を最小化するために閉鎖ループシステム中で再循環された。底部における紡糸セル内の圧力は必要に応じて復帰ガス流に対する僅かな調整により室圧に維持された。ガス温は本試験期間中約235℃の室温にあった。ガス供給プレナムを通るセル中への総ガス流量は230kg/時間であった。セルから復帰するプロセスガス流量は上部ガス復帰プレナムから80kg/時間に設定された。これらの条件下で、上部真空復帰物中のO濃度は2.5容量%のOであると測定された。次に、ガス流量の条件を変更せずに、滑り板または封止板22を、図7A〜7Dに示されるような段階的方法で紡糸口金28の代わりに設置した。操作およびその後の平衡化の経過中、復帰ガス中のO濃度は約1.7容量%Oの定常状態レベルに低下したことを測定した。
【0031】
本発明は説明的方法で記載されてきたが、使用された用語は限定よりもむしろ言語の本質または説明にあることが意図されることは理解されなければならない。更に、本発明は幾つかの説明的態様に関して記載されてきたが、当業者はこれらの教示を本発明の他の可能な変更物に容易に適用するであろうことを理解することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)実質的に垂直な構造、開放された上部、開放された底部および紡糸口金の配列を有する、合成繊維用の乾式紡糸セル;並びに
(b)溶媒蒸気の放出物を減少または排除し、そして前記乾式紡糸セル中への空気の侵入を軽減または排除するための上部クロージャ、ただし前記上部クロージャは前記乾式紡糸セルの前記の開放された上部に隣接している:
を含んでなる装置。
【請求項2】
合成繊維がスパンデックスである、請求項1の装置。
【請求項3】
上部クロージャが前記の紡糸口金の配列の上方の位置に設置され、そして上部クロージャ装置が、紡糸口金が外される時にセル中への空気の導入を妨げるかあるいは溶媒蒸気の放出物を減少または排除するエアロックを含む、請求項1の装置。
【請求項4】
上部クロージャが、紡糸口金の配列と実質的に同一サイズおよびディメンションをもつ内腔を一緒に区画する四面を含み、そしてエアロックが前記紡糸口金の配列の下方に挿入するまたは取り外すことができる水平面を含んでなる、請求項3の装置。
【請求項5】
(a)実質的に垂直な構造、開放された上部、開放された底部および紡糸口金の配列を有する、合成繊維用乾式紡糸セル;
(b)溶媒蒸気の移動および前記乾式紡糸セル中への空気の導入を軽減または排除するための上部クロージャ、ただし前記上部クロージャは前記乾式紡糸セルの前記の開放された上部に隣接している;並びに
(c)溶媒蒸気の放出物および前記乾式紡糸セル中への空気の導入を軽減または排除するための底部クロージャ、ただし前記底部クロージャは前記乾式紡糸セルの前記底部に隣接し、前記底部クロージャは凝集ジェットおよび/またはフィラメント排出ガイドを含んでなる:
を含んでなる装置。
【請求項6】
合成繊維がスパンデックスである、請求項5の装置。
【請求項7】
上部クロージャが少なくとも1個の前記紡糸口金の配列の上方の位置に設置され、そして、上部クロージャ装置が紡糸口金が取り外される時にセル中への空気の導入および溶媒蒸気の漏洩を妨げるエアロックを含む、請求項5の装置。
【請求項8】
上部クロージャが、紡糸口金の配列と実質的に同一のサイズおよびディメンションをもつ内腔を一緒に区画する四面を含み、そしてエアロックが、前記紡糸口金の配列の下方に挿入することができる、またはそこで取り外すことができる水平面を含んでなる、請求項7の装置。
【請求項9】
底部クロージャが正面のドアおよび側面ドアまたは正面のドアおよび2枚の相対する側面ドアを含んでなる、請求項5の装置。
【請求項10】
フィラメントの排出ガイドが長方形で、前記側面ドアに対応する片側上に、または前記の相対する側面ドアに対応する相対する側面上に、各繊維のためのスロットを含む、請求項9の装置。
【請求項11】
(a)実質的に垂直な構造、開放された上部、開放された底部および紡糸口金の配列を有する、合成繊維用乾式紡糸セル;
(b)溶媒蒸気の放出物および前記乾式紡糸セル中への空気の導入を軽減または排除するための装置、ただし前記装置は前記の開放された上部に設置されている;並びに
(c)溶媒蒸気の放出物および前記乾式紡糸セル中への空気の導入を軽減または排除するための装置、ただし前記装置は前記の開放された底部に設置されている:
:を含んでなる装置。
【請求項12】
(a)実質的に垂直な構造、開放された上部、開放された底部および紡糸口金の配列を有する、合成繊維用乾式紡糸セルを提供する工程;
(b)前記乾式紡糸セルの前記の開放された上部に隣接し、そして前記紡糸口金の配列の上方に上部クロージャを設置する工程;並びに
(c)前記乾式紡糸セルの前記底部に隣接して底部クロージャを設置する工程、ただし前記底部クロージャは凝集ジェットおよび/またはフィラメント排出ガイドを含んでなる:を含んでなる、溶媒蒸気の放出物および/または乾式紡糸セル中への空気の導入を軽減または排除する方法。
【請求項13】
上部クロージャが、紡糸口金の配列と実質的に同一の長さおよび幅をもつ内腔を一緒に区画する四面を含み、そして前記紡糸口金の配列の下方に、取り外し可能に導入することができる水平面を含んでなるエアロックを含んでなり、そして更に、前記エアロックを維持するために、前記上部クロージャを通して前記紡糸口金を持ち上げ、そして前記受け皿を前記紡糸口金の下方に滑り込ませる工程を含んでなる、請求項12の方法。
【請求項14】
更に前記紡糸口金を取り外し、洗浄し、前記上部クロージャを通して前記紡糸口金を交換し、そして前記水平面を取り外す工程を含んでなる、請求項13の方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図9】
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【公表番号】特表2011−515596(P2011−515596A)
【公表日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−500941(P2011−500941)
【出願日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際出願番号】PCT/US2009/037591
【国際公開番号】WO2009/117536
【国際公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【出願人】(309028329)インビスタ テクノロジーズ エス エイ アール エル (80)
【Fターム(参考)】