合撚糸
【課題】 水に濡れた状態においても結び目が緩み難く、それに加えてはさみやカッター等の鋭利な刃物での切断によっても解れ難い合撚糸を提供する。
【解決手段】 異形断面の合成繊維を含む構成糸３からなる同方向の撚糸２が複数本合撚されてなり、下撚りと上撚りの撚り方向が反対であり、上撚りの撚り数が下撚りの撚り数の半分以下である合撚糸１。合撚糸を構成する主たる合成繊維の融点より少なくとも１０℃以上低い融点を有する重合体が含まれてなることが好ましい。
【解決手段】 異形断面の合成繊維を含む構成糸３からなる同方向の撚糸２が複数本合撚されてなり、下撚りと上撚りの撚り方向が反対であり、上撚りの撚り数が下撚りの撚り数の半分以下である合撚糸１。合撚糸を構成する主たる合成繊維の融点より少なくとも１０℃以上低い融点を有する重合体が含まれてなることが好ましい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、結び目が緩み難い合撚糸に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来、種々の用途で、糸の結び目の緩み難い糸が求められており、例えば網地の接続や破損部補修に用いる網地用の仕立て糸として、網地やロープに結びつけた結び目において密着する繊維間に強い摩擦力を作用させるために、周面が毛羽立った短繊維紡績糸からなるものが使用されている。短繊維紡績糸は、加撚されて密着した短繊維間に作用する摩擦力によって結束されており、その短繊維間に作用する摩擦力によって張力に対応する強度が付与されて、糸条としての形態を維持している。
【０００３】
しかし、上記のような短繊維紡績糸からなるものでは、屋外での雨天等でぬれた場合や、水中に沈められた状態では、水が短繊維紡績糸の内部に侵入し、短繊維間を滑り易くする滑剤の如く作用し、短繊維間の摩擦力が弱まる。このため、吸湿膨潤性を欠く合成繊維紡績糸からなるものでは、結び目が緩みやすくなるという問題がある。それに対し、吸湿膨潤性に富む麻や綿等のセルロース系繊維からなるものでは、セルロース系繊維が水中で吸湿膨潤して太くなるので短繊維間の密着性は増すが、水が滑剤の如く作用する点については合成繊維紡績糸の場合と同様であり、また、腐食し劣化し易いために耐久性の面での問題もある。
【０００４】
上記のような問題を解決するため、ループ毛羽を有するポリエステル長繊維からなる加工糸が合撚されてなる網地用仕立て糸が提案されている（例えば、特許文献１、２参照）。しかし、加工糸を使用しているため、原糸を使用しているものに比べて機械的強力が低下するという問題があった。
【０００５】
さらに、別の問題として、網地等の補修用に使用する場合には、補修作業時にはさみやカッター等鋭利な刃物で切断すると、切断された合撚糸の先端が解れてしまい、作業性に劣るということがあった。そのような解れ防止のためには、ライターやヒートカッター等を用いることで対応できるが、結局のところ作業性が悪く、新たに火傷等の安全面での問題が生じることになる。
【特許文献１】実開平３−１９８０
【特許文献２】特開２００１−１０３８７０
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
上記のような問題に鑑み、本発明の課題は、水に濡れた状態においても結び目が緩み難い合撚糸を提供することにあり、さらには、それに加えてはさみやカッター等の鋭利な刃物での切断によっても解れ難い合撚糸を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
本発明は、上記課題を解決できるものであり、その要旨は次の通りである。
（１）異形断面の合成繊維を含む同方向の撚糸が複数本合撚されてなり、下撚りと上撚りの撚り方向が反対であることを特徴とする合撚糸。
（２）上撚りの撚り数が下撚りの撚り数の半分以下であることを特徴とする上記（１）の合撚糸。
（３）異形断面の合成繊維がポリエステル長繊維であることを特徴とする上記（１）又は（２）に記載の合撚糸。
（４）合撚糸を構成する主たる合成繊維の融点より少なくとも１０℃以上低い融点を有する重合体が含まれてなることを特徴とする上記（１）〜（３）のいずれかに記載の合撚糸。
（５）網地用の仕立て糸である上記（１）〜（４）のいずれかに記載の合撚糸。
【発明の効果】
【０００８】
本発明の合撚糸は、結び目が解れ難いものであり、本発明の合撚糸は、荷造り等の物を縛る用途や、網地の仕立てや補修をするための仕立て糸の用途、その他、結び目の緩み難さが求められる各種の用途に使用できる。中でも、網地の仕立て糸として好適であり、水に濡れても結び目が緩み難いことから、漁網の仕立て糸として特に好適である。
【０００９】
また、本発明の合撚糸においては、結び目を滑り難くするために加工糸ではなく異形断面の合成繊維をそのまま糸加工せずに用いているので、加工糸の場合に比べて高強力の合撚糸とすることができ、主に合成繊維からなるため耐久性にも優れる。
【００１０】
さらに、本発明の合撚糸は、結束性が良く、はさみやカッター等の鋭利な刃物で切断しても切断された先端部が解れ難い性質を有しており、特に、低融点重合体を含む好ましい態様の合撚糸は、そのような解れ難さの点で優れており、網地の仕立て糸として用いて、作業性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１１】
以下、本発明について詳細に説明する。
【００１２】
本発明の合撚糸は、異形断面の合成繊維を含むものである。異形断面の合成繊維とは、単糸の断面が丸断面以外の異形である合成繊維をいう。
【００１３】
上記の異形断面の形状としては、特に限定されるものではなく、例えば十字形、−形、菱形、星形、Ｔ字形、Ｙ字形、Ｗ字形、三角形、四角形以上の多角形等が挙げられる。中でも、三角形もしくはＹ字形が好ましい。また、異形度としては、特に限定されるものではないが、３０〜７０％程度が好ましい。ここで、異形度とは、図１に示すように、外接円の直径をＡ、内接円の直径をＢと表したとき、次式で求められる値をいう。
【００１４】
[異形度]＝Ｂ／Ａ×１００（％）
なお、三角形とＹ字形とは必ずしも互いに厳密な区別をする必要はなく、三角形の異形度が上がったものをＹ字形と捉えることもできる。
【００１５】
本発明の合撚糸においては、上記した異形断面の合成繊維のみで構成されていてもよいが、それに限定されるものではなく、合撚糸の表面の少なくとも一部に異形断面の合成繊維が配されていればよい。異形断面の合成繊維が合撚糸の表面に存在することにより、合撚糸の表面に微細な凹凸が形成され、この凹凸が合撚糸を結節した際に結び目を強く密着させ、表面同士を滑り難くするので、結び目が緩み難くなるのである。
【００１６】
異形断面の合成繊維の含有率としては、合撚糸全体の断面に占める面積に換算して５０％以上であることが好ましく７０％以上であることがより好ましい。
【００１７】
上記したように、異形断面の合成繊維には、特に合撚糸の表面において結び目を緩み難くする作用があるが、合撚糸の内部においては、丸断面の場合に比して構成繊維同士が解れ難くなるという作用もある。
【００１８】
異形断面の合成繊維としては、長繊維であることが好ましく、その単糸繊度としては、５．５〜１６．５デシテックスが好ましく、６．６〜１３．２デシテックスが好ましい。特に、補修糸とする場合の単糸鮮度としては、６．６〜１３．２デシテックスが好ましい。
【００１９】
本発明の合撚糸において、異形断面の合成繊維以外の繊維（以下、「他の繊維」という）が含まれる場合、他の繊維も合成繊維であることが好ましい。
【００２０】
本発明に用いられる合成繊維を形成する重合体としては、特に限定されるものではなく、ポリエステル、ポリアミドをはじめ、繊維形成性の熱可塑性重合体として知られている各種の重合体を使用することができるが、最も好ましいのはポリエステルである。
【００２１】
ポリエステルとしては，テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタリン−２・６−ジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸あるいはアジピン酸、セバチン酸等の脂肪族ジカルボン酸又はこれらのエステル類を酸成分とし、かつエチレングリコール、ジエチレングリコール、１・４−ブタジオール，ネオペンチルグリコール、シクロヘキサン−１・４−ジメタノール等のジオール化合物をエステル成分とするホモポリエステル重合体あるいは共重合体が挙げられる。なお、これらのポリエステルには、パラオキシ安息香酸、５−ソジウムスルホイソフタール酸、ポリアルキレングリコール、ペンタエリスススリトール等が添加あるいは共重合されていてもよい。さらには、生分解性を有するポリエステルでもよく、具体的には、ポリ-Ｄ-乳酸、ポリ-Ｌ-乳酸、ポリ-Ｄ／Ｌ-乳酸共重合体やポリ乳酸ステレオコンプレックス等のポリ乳酸系重合体、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネート、ポリ（ε−カプロラクトン）や他の生分解性ポリエステル系重合体を共重合させたものであってもよい。
【００２２】
ポリアミドとしては，ポリイミノ−１−オキソテトラメチレン（ナイロン４）、ポリテトラメチレンアジパミド（ナイロン４６）、ポリカプラミド（ナイロン６）、ポリヘキサメチレンアジパミド（ナイロン６６），ポリウンデカナミド（ナイロン１１）、ポリラウロラクタミド（ナイロン１２）、ポリメタキシレンアジパミド、又はこれらのモノマを構成単位とするポリアミド系共重合体が挙げられる。
【００２３】
なお、合成繊維を形成する重合体として複数のものを併用してもよいことはいうまでもない。また、合成繊維には、必要に応じて各種の添加剤、例えば艶消し剤、顔料、光安定剤、熱安定剤、酸化防止剤等が本発明の効果を損なわない範囲内で含まれていてもよい。
【００２４】
本発明の合撚糸の構造について、図２を用いて説明する。本発明の合撚糸は、撚糸２が複数本合撚されて合撚糸１を構成しているが、それぞれの撚糸２もまた複数本の糸から構成されているので、この撚糸２を構成する糸を構成糸３という。そして、構成糸３は、複数本の単糸から構成されており、その単糸の少なくとも一部に上記した異形断面の合成繊維が用いられている。もっとも、全ての構成糸１に異形断面の合成繊維が含まれていることは要さず、また、全ての撚糸２に異形断面の合成繊維が含まれていることを要するものでもない。なお、図２においては、この単糸の１本１本までは表示されていない。
【００２５】
合撚糸１を構成する撚糸２の本数としては、２〜８本が好ましい。また、合撚糸１における構成糸３の合計本数としては、６〜５０本が好ましく、１０〜３０本がより好ましく、１２〜３０本が特に好ましい。
【００２６】
また、構成糸３は、長繊維の単糸からなるマルチフィラメントであることが好ましく、そのフィラメント数としては、構成糸３の１本あたりの合計フィラメント数が４０〜３００本であることが好ましく、４８〜２５０本であることがより好ましい。
【００２７】
撚糸２の撚り方向は、それぞれ同方向とする。つまり、全ての撚糸２をＳ撚りとするか、全ての撚糸２をＺ撚りとするかのいずれかである。そして、複数本の撚糸２を合撚して合撚糸３とする際の撚り方向は、上記した撚糸２の撚り方向とは反対にする必要がある。すなわち、下撚りと上撚りの撚り方向は反対であり、下撚りがＳ撚りであれば上撚りはＺ撚りとし、下撚りがＺ撚りであれば上撚りはＳ撚りとする。このような撚り方向の組み合わせとすることで、撚り戻りが防がれる。撚り戻りが生じると、はさみやカッター等の鋭利な刃物で切断した場合に解れるのを助長することになる。
【００２８】
また、上撚りの撚り数は、下撚りの撚り数の半分以下であることが好ましい。そのようにすることで、張力によって合撚糸が引き伸ばされるのを抑制することができる。つまり、上撚りの撚り数を、下撚の撚り数の半分以下とすれば、複数本の撚糸２を合撚して合撚糸１を仕上げた後においても、上撚りとは反対方向の下撚りがネット用補修糸１に残存しているので、合撚糸１に張力が作用して上撚りと反対方向の解撚トルクが生じた際、その解撚トルクは撚糸２に残存した撚りの方向と同方向となり、構成糸３内の合成繊維が引き伸ばされ難くなるためである。
【００２９】
なお、上撚りの撚り数としては、３０〜２５０Ｔ／Ｍが好ましく、７０〜１８０Ｔ／Ｍがより好ましい。
【００３０】
本発明の合撚糸は、上記のように構成されているので、結び目が緩み難いものであり、また、刃物での切断時に先端部が解れ難い性質を有しているが、切断時の解れ難さをより向上させるために、合撚糸を構成する主たる合成繊維の融点より少なくとも１０℃以上低い融点を有する重合体（以下、低融点重合体という）が含まれていることが好ましい。これにより、低融点重合体がバインダーとして機能し、はさみやカッター等の鋭利な刃物で切断したときの解れ難さに優れたものとなるのである。なお、低融点重合体の融点としては、１１５℃以上であることが好ましい。例えば、主たる合成繊維がポリエチレンテレフタレートを主体とするポリエステル繊維である場合、低融点重合体としては、融点が１２０〜２２０℃程度の共重合ポリエステルであることが特に好ましい。
【００３１】
上記した低融点重合体が含まれる好ましい態様としては、撚糸２において、低融点重合体を含むバインダー繊維からなる糸を構成糸1と併用することにより、あるいは、低融点重合体を含むバインダー繊維からなる糸を複数の撚糸２と合撚することにより達成できる。そのようなバインダー繊維としては、低融点重合体のみからなるバインダー繊維であってもよいが、好ましいバインダー繊維としては、低融点重合体を鞘成分とし、これより高い融点を有する重合体を芯成分とする芯鞘型複合繊維である。そのような芯鞘型複合繊維としては、例えば、芯成分がポリエチレンテレフタレート、鞘成分が低融点の共重合ポリエステルで構成されているものが挙げられる。
【００３２】
上記のようなバインダー繊維を使用して合撚糸とした後、好ましくは低融点樹脂の融点以上、主たる合成繊維の融点未満の温度で熱処理することにより、合撚糸の結束が強化され、切断されたときの解れ難さに特に優れたものとなる。
【００３３】
なお、バインダー繊維の含有率としては適宜設定すればよいが、合撚糸を構成する複数の撚糸のうちの少なくとも１本の撚糸にバインダー繊維が含まれていればよい。
【００３４】
また、バインダー繊維としては、紡績糸であることが好ましい。紡績糸であることにより、結び目の緩み難さに有利に作用し得るからである。
【００３５】
本発明の合撚糸は、荷造り等の物を縛る用途や、網地の仕立てや補修をするための仕立て糸の用途、その他、結び目の緩み難さが求められる各種の用途に使用できる。中でも、網地の仕立て糸として好適であり、水に濡れても結び目が緩み難いことから、漁網の仕立て糸として特に好適である。網地の仕立て糸として用いる場合、総繊度を４４０００デシテックス以上とすることが好ましい。また、網地の仕立て糸としては、低融点重合体を含む好ましい態様のものが、刃物で切断したときの解れ難さに優れているため特に適している。
【実施例】
【００３６】
次に、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明が必ずしもこれらの実施例に限定されるものでないことはいうまでもない。なお、実施例に記載した各種の特性は、次の方法で測定又は評価したものである。
（ａ）極限粘度〔η〕
フェノールと四塩化エタンとの等質量混合物を溶媒とし、濃度０．５ｇ／ｄｌ、温度２０℃で測定した。
（ｂ）強伸度
ＪＩＳ Ｌ−１０１３に準じ、試料長２５ｃｍ、引張速度３０ｃｍ／分で測定した。引張試験機としては、島津製作所製オートグラフＤＳＳ−５００を用いた。
（ｃ）結び目の緩み難さ
合撚糸を一重にきつく結節させたものについて、その結び目を手で解きほぐす作業を１０人にそれぞれ行わせることにより、緩み難さを各人に○△×で判定させ、最も人数の多い判定結果を採用した。○が最も緩み難く、×が最も緩みやすいことを示す。
（ｄ）切断時の解れ
合撚糸を鋭利なはさみで切断し、解れた長さを測定した。その長さが短いほど解れ難いことを示す。
【００３７】
（実施例１）
極限粘度〔η〕１．０５のＰＥＴを原料とし、常用の溶融紡糸装置を用いて温度２９０℃で紡出し、常法にて冷却風で冷却し、オイリングローラで油剤を付与した後、速度３９５ｍ／分のローラに引き取り、次いで速度１８９４ｍ／分、温度１９５℃の３ローラにて４．７倍の延伸を行い、速度１８１８ｍ／分、温度１６０℃のローラで弛緩熱処理を行った後、速度１８００ｍ／分のワインダーに巻き取り、断面が異形度５５％の三角形である異形断面長繊維からなる１１００ｄｔｅｘ／９６フィラメントのポリエステルマルチフィラメント糸を得た。
【００３８】
上記ポリエステルマルチフィラメント糸を４本引き揃えて、リング撚糸機にてＳ撚り２７０Ｔ／Ｍの下撚りをかけて撚糸とした。次いでこの撚糸を３本引き揃えて、Ｚ撚り１２０Ｔ／Ｍの上撚りをかけることにより、合撚糸を得た。
【００３９】
（実施例２）
実施例１で使用した撚糸３本と、ポリエステル系の芯鞘型（芯／鞘＝１／１）複合バインダー繊維からなる紡績糸（ユニチカファイバー製「エクスポラン（商品名）」１０番手Ｅ１００ ＭＢＫ）１本とを引き揃えて、Ｚ撚り１２０Ｔ／Ｍの上撚りをかけ、さらに、１３０℃×２分の熱処理を施した合撚糸を得た。
【００４０】
（比較例１）
ポリエステルマルチフィラメントの繊維断面を異形断面でなく丸断面としたこと以外は、実施例１と同様にして、合撚糸を得た。
【００４１】
（比較例２）
ポリエステルマルチフィラメントを加工糸として用いたこと以外は、比較例１と同様にして、合撚糸を得た。
【００４２】
上記の実施例及び比較例で得られた合撚糸の評価結果を下記表１に示す。
【００４３】
【表１】
【００４４】
実施例１、２の本発明の合撚糸は、結び目が緩み難いものであり、特に実施例２では低融点重合体が含まれていて熱融着されていることにより、切断したときの解れ難さに優れていることがわかる。これに対して比較例１では、異形断面の合繊繊維が含まれていないことにより、結び目が緩みやすいものとなった。また、比較例 ２では、加工糸が含まれていることにより結び目は緩み難いものであったが、強力に劣るものとなった。
【図面の簡単な説明】
【００４５】
【図１】異形断面の合成繊維の一例についての繊維断面図である。
【図２】合撚糸の構造を示す模式図である。
【符号の説明】
【００４６】
Ａ 外接円の直径
Ｂ 内接円の直径
１ 合撚糸
２ 撚糸
３ 構成糸
【技術分野】
【０００１】
本発明は、結び目が緩み難い合撚糸に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来、種々の用途で、糸の結び目の緩み難い糸が求められており、例えば網地の接続や破損部補修に用いる網地用の仕立て糸として、網地やロープに結びつけた結び目において密着する繊維間に強い摩擦力を作用させるために、周面が毛羽立った短繊維紡績糸からなるものが使用されている。短繊維紡績糸は、加撚されて密着した短繊維間に作用する摩擦力によって結束されており、その短繊維間に作用する摩擦力によって張力に対応する強度が付与されて、糸条としての形態を維持している。
【０００３】
しかし、上記のような短繊維紡績糸からなるものでは、屋外での雨天等でぬれた場合や、水中に沈められた状態では、水が短繊維紡績糸の内部に侵入し、短繊維間を滑り易くする滑剤の如く作用し、短繊維間の摩擦力が弱まる。このため、吸湿膨潤性を欠く合成繊維紡績糸からなるものでは、結び目が緩みやすくなるという問題がある。それに対し、吸湿膨潤性に富む麻や綿等のセルロース系繊維からなるものでは、セルロース系繊維が水中で吸湿膨潤して太くなるので短繊維間の密着性は増すが、水が滑剤の如く作用する点については合成繊維紡績糸の場合と同様であり、また、腐食し劣化し易いために耐久性の面での問題もある。
【０００４】
上記のような問題を解決するため、ループ毛羽を有するポリエステル長繊維からなる加工糸が合撚されてなる網地用仕立て糸が提案されている（例えば、特許文献１、２参照）。しかし、加工糸を使用しているため、原糸を使用しているものに比べて機械的強力が低下するという問題があった。
【０００５】
さらに、別の問題として、網地等の補修用に使用する場合には、補修作業時にはさみやカッター等鋭利な刃物で切断すると、切断された合撚糸の先端が解れてしまい、作業性に劣るということがあった。そのような解れ防止のためには、ライターやヒートカッター等を用いることで対応できるが、結局のところ作業性が悪く、新たに火傷等の安全面での問題が生じることになる。
【特許文献１】実開平３−１９８０
【特許文献２】特開２００１−１０３８７０
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
上記のような問題に鑑み、本発明の課題は、水に濡れた状態においても結び目が緩み難い合撚糸を提供することにあり、さらには、それに加えてはさみやカッター等の鋭利な刃物での切断によっても解れ難い合撚糸を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
本発明は、上記課題を解決できるものであり、その要旨は次の通りである。
（１）異形断面の合成繊維を含む同方向の撚糸が複数本合撚されてなり、下撚りと上撚りの撚り方向が反対であることを特徴とする合撚糸。
（２）上撚りの撚り数が下撚りの撚り数の半分以下であることを特徴とする上記（１）の合撚糸。
（３）異形断面の合成繊維がポリエステル長繊維であることを特徴とする上記（１）又は（２）に記載の合撚糸。
（４）合撚糸を構成する主たる合成繊維の融点より少なくとも１０℃以上低い融点を有する重合体が含まれてなることを特徴とする上記（１）〜（３）のいずれかに記載の合撚糸。
（５）網地用の仕立て糸である上記（１）〜（４）のいずれかに記載の合撚糸。
【発明の効果】
【０００８】
本発明の合撚糸は、結び目が解れ難いものであり、本発明の合撚糸は、荷造り等の物を縛る用途や、網地の仕立てや補修をするための仕立て糸の用途、その他、結び目の緩み難さが求められる各種の用途に使用できる。中でも、網地の仕立て糸として好適であり、水に濡れても結び目が緩み難いことから、漁網の仕立て糸として特に好適である。
【０００９】
また、本発明の合撚糸においては、結び目を滑り難くするために加工糸ではなく異形断面の合成繊維をそのまま糸加工せずに用いているので、加工糸の場合に比べて高強力の合撚糸とすることができ、主に合成繊維からなるため耐久性にも優れる。
【００１０】
さらに、本発明の合撚糸は、結束性が良く、はさみやカッター等の鋭利な刃物で切断しても切断された先端部が解れ難い性質を有しており、特に、低融点重合体を含む好ましい態様の合撚糸は、そのような解れ難さの点で優れており、網地の仕立て糸として用いて、作業性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１１】
以下、本発明について詳細に説明する。
【００１２】
本発明の合撚糸は、異形断面の合成繊維を含むものである。異形断面の合成繊維とは、単糸の断面が丸断面以外の異形である合成繊維をいう。
【００１３】
上記の異形断面の形状としては、特に限定されるものではなく、例えば十字形、−形、菱形、星形、Ｔ字形、Ｙ字形、Ｗ字形、三角形、四角形以上の多角形等が挙げられる。中でも、三角形もしくはＹ字形が好ましい。また、異形度としては、特に限定されるものではないが、３０〜７０％程度が好ましい。ここで、異形度とは、図１に示すように、外接円の直径をＡ、内接円の直径をＢと表したとき、次式で求められる値をいう。
【００１４】
[異形度]＝Ｂ／Ａ×１００（％）
なお、三角形とＹ字形とは必ずしも互いに厳密な区別をする必要はなく、三角形の異形度が上がったものをＹ字形と捉えることもできる。
【００１５】
本発明の合撚糸においては、上記した異形断面の合成繊維のみで構成されていてもよいが、それに限定されるものではなく、合撚糸の表面の少なくとも一部に異形断面の合成繊維が配されていればよい。異形断面の合成繊維が合撚糸の表面に存在することにより、合撚糸の表面に微細な凹凸が形成され、この凹凸が合撚糸を結節した際に結び目を強く密着させ、表面同士を滑り難くするので、結び目が緩み難くなるのである。
【００１６】
異形断面の合成繊維の含有率としては、合撚糸全体の断面に占める面積に換算して５０％以上であることが好ましく７０％以上であることがより好ましい。
【００１７】
上記したように、異形断面の合成繊維には、特に合撚糸の表面において結び目を緩み難くする作用があるが、合撚糸の内部においては、丸断面の場合に比して構成繊維同士が解れ難くなるという作用もある。
【００１８】
異形断面の合成繊維としては、長繊維であることが好ましく、その単糸繊度としては、５．５〜１６．５デシテックスが好ましく、６．６〜１３．２デシテックスが好ましい。特に、補修糸とする場合の単糸鮮度としては、６．６〜１３．２デシテックスが好ましい。
【００１９】
本発明の合撚糸において、異形断面の合成繊維以外の繊維（以下、「他の繊維」という）が含まれる場合、他の繊維も合成繊維であることが好ましい。
【００２０】
本発明に用いられる合成繊維を形成する重合体としては、特に限定されるものではなく、ポリエステル、ポリアミドをはじめ、繊維形成性の熱可塑性重合体として知られている各種の重合体を使用することができるが、最も好ましいのはポリエステルである。
【００２１】
ポリエステルとしては，テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタリン−２・６−ジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸あるいはアジピン酸、セバチン酸等の脂肪族ジカルボン酸又はこれらのエステル類を酸成分とし、かつエチレングリコール、ジエチレングリコール、１・４−ブタジオール，ネオペンチルグリコール、シクロヘキサン−１・４−ジメタノール等のジオール化合物をエステル成分とするホモポリエステル重合体あるいは共重合体が挙げられる。なお、これらのポリエステルには、パラオキシ安息香酸、５−ソジウムスルホイソフタール酸、ポリアルキレングリコール、ペンタエリスススリトール等が添加あるいは共重合されていてもよい。さらには、生分解性を有するポリエステルでもよく、具体的には、ポリ-Ｄ-乳酸、ポリ-Ｌ-乳酸、ポリ-Ｄ／Ｌ-乳酸共重合体やポリ乳酸ステレオコンプレックス等のポリ乳酸系重合体、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネート、ポリ（ε−カプロラクトン）や他の生分解性ポリエステル系重合体を共重合させたものであってもよい。
【００２２】
ポリアミドとしては，ポリイミノ−１−オキソテトラメチレン（ナイロン４）、ポリテトラメチレンアジパミド（ナイロン４６）、ポリカプラミド（ナイロン６）、ポリヘキサメチレンアジパミド（ナイロン６６），ポリウンデカナミド（ナイロン１１）、ポリラウロラクタミド（ナイロン１２）、ポリメタキシレンアジパミド、又はこれらのモノマを構成単位とするポリアミド系共重合体が挙げられる。
【００２３】
なお、合成繊維を形成する重合体として複数のものを併用してもよいことはいうまでもない。また、合成繊維には、必要に応じて各種の添加剤、例えば艶消し剤、顔料、光安定剤、熱安定剤、酸化防止剤等が本発明の効果を損なわない範囲内で含まれていてもよい。
【００２４】
本発明の合撚糸の構造について、図２を用いて説明する。本発明の合撚糸は、撚糸２が複数本合撚されて合撚糸１を構成しているが、それぞれの撚糸２もまた複数本の糸から構成されているので、この撚糸２を構成する糸を構成糸３という。そして、構成糸３は、複数本の単糸から構成されており、その単糸の少なくとも一部に上記した異形断面の合成繊維が用いられている。もっとも、全ての構成糸１に異形断面の合成繊維が含まれていることは要さず、また、全ての撚糸２に異形断面の合成繊維が含まれていることを要するものでもない。なお、図２においては、この単糸の１本１本までは表示されていない。
【００２５】
合撚糸１を構成する撚糸２の本数としては、２〜８本が好ましい。また、合撚糸１における構成糸３の合計本数としては、６〜５０本が好ましく、１０〜３０本がより好ましく、１２〜３０本が特に好ましい。
【００２６】
また、構成糸３は、長繊維の単糸からなるマルチフィラメントであることが好ましく、そのフィラメント数としては、構成糸３の１本あたりの合計フィラメント数が４０〜３００本であることが好ましく、４８〜２５０本であることがより好ましい。
【００２７】
撚糸２の撚り方向は、それぞれ同方向とする。つまり、全ての撚糸２をＳ撚りとするか、全ての撚糸２をＺ撚りとするかのいずれかである。そして、複数本の撚糸２を合撚して合撚糸３とする際の撚り方向は、上記した撚糸２の撚り方向とは反対にする必要がある。すなわち、下撚りと上撚りの撚り方向は反対であり、下撚りがＳ撚りであれば上撚りはＺ撚りとし、下撚りがＺ撚りであれば上撚りはＳ撚りとする。このような撚り方向の組み合わせとすることで、撚り戻りが防がれる。撚り戻りが生じると、はさみやカッター等の鋭利な刃物で切断した場合に解れるのを助長することになる。
【００２８】
また、上撚りの撚り数は、下撚りの撚り数の半分以下であることが好ましい。そのようにすることで、張力によって合撚糸が引き伸ばされるのを抑制することができる。つまり、上撚りの撚り数を、下撚の撚り数の半分以下とすれば、複数本の撚糸２を合撚して合撚糸１を仕上げた後においても、上撚りとは反対方向の下撚りがネット用補修糸１に残存しているので、合撚糸１に張力が作用して上撚りと反対方向の解撚トルクが生じた際、その解撚トルクは撚糸２に残存した撚りの方向と同方向となり、構成糸３内の合成繊維が引き伸ばされ難くなるためである。
【００２９】
なお、上撚りの撚り数としては、３０〜２５０Ｔ／Ｍが好ましく、７０〜１８０Ｔ／Ｍがより好ましい。
【００３０】
本発明の合撚糸は、上記のように構成されているので、結び目が緩み難いものであり、また、刃物での切断時に先端部が解れ難い性質を有しているが、切断時の解れ難さをより向上させるために、合撚糸を構成する主たる合成繊維の融点より少なくとも１０℃以上低い融点を有する重合体（以下、低融点重合体という）が含まれていることが好ましい。これにより、低融点重合体がバインダーとして機能し、はさみやカッター等の鋭利な刃物で切断したときの解れ難さに優れたものとなるのである。なお、低融点重合体の融点としては、１１５℃以上であることが好ましい。例えば、主たる合成繊維がポリエチレンテレフタレートを主体とするポリエステル繊維である場合、低融点重合体としては、融点が１２０〜２２０℃程度の共重合ポリエステルであることが特に好ましい。
【００３１】
上記した低融点重合体が含まれる好ましい態様としては、撚糸２において、低融点重合体を含むバインダー繊維からなる糸を構成糸1と併用することにより、あるいは、低融点重合体を含むバインダー繊維からなる糸を複数の撚糸２と合撚することにより達成できる。そのようなバインダー繊維としては、低融点重合体のみからなるバインダー繊維であってもよいが、好ましいバインダー繊維としては、低融点重合体を鞘成分とし、これより高い融点を有する重合体を芯成分とする芯鞘型複合繊維である。そのような芯鞘型複合繊維としては、例えば、芯成分がポリエチレンテレフタレート、鞘成分が低融点の共重合ポリエステルで構成されているものが挙げられる。
【００３２】
上記のようなバインダー繊維を使用して合撚糸とした後、好ましくは低融点樹脂の融点以上、主たる合成繊維の融点未満の温度で熱処理することにより、合撚糸の結束が強化され、切断されたときの解れ難さに特に優れたものとなる。
【００３３】
なお、バインダー繊維の含有率としては適宜設定すればよいが、合撚糸を構成する複数の撚糸のうちの少なくとも１本の撚糸にバインダー繊維が含まれていればよい。
【００３４】
また、バインダー繊維としては、紡績糸であることが好ましい。紡績糸であることにより、結び目の緩み難さに有利に作用し得るからである。
【００３５】
本発明の合撚糸は、荷造り等の物を縛る用途や、網地の仕立てや補修をするための仕立て糸の用途、その他、結び目の緩み難さが求められる各種の用途に使用できる。中でも、網地の仕立て糸として好適であり、水に濡れても結び目が緩み難いことから、漁網の仕立て糸として特に好適である。網地の仕立て糸として用いる場合、総繊度を４４０００デシテックス以上とすることが好ましい。また、網地の仕立て糸としては、低融点重合体を含む好ましい態様のものが、刃物で切断したときの解れ難さに優れているため特に適している。
【実施例】
【００３６】
次に、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明が必ずしもこれらの実施例に限定されるものでないことはいうまでもない。なお、実施例に記載した各種の特性は、次の方法で測定又は評価したものである。
（ａ）極限粘度〔η〕
フェノールと四塩化エタンとの等質量混合物を溶媒とし、濃度０．５ｇ／ｄｌ、温度２０℃で測定した。
（ｂ）強伸度
ＪＩＳ Ｌ−１０１３に準じ、試料長２５ｃｍ、引張速度３０ｃｍ／分で測定した。引張試験機としては、島津製作所製オートグラフＤＳＳ−５００を用いた。
（ｃ）結び目の緩み難さ
合撚糸を一重にきつく結節させたものについて、その結び目を手で解きほぐす作業を１０人にそれぞれ行わせることにより、緩み難さを各人に○△×で判定させ、最も人数の多い判定結果を採用した。○が最も緩み難く、×が最も緩みやすいことを示す。
（ｄ）切断時の解れ
合撚糸を鋭利なはさみで切断し、解れた長さを測定した。その長さが短いほど解れ難いことを示す。
【００３７】
（実施例１）
極限粘度〔η〕１．０５のＰＥＴを原料とし、常用の溶融紡糸装置を用いて温度２９０℃で紡出し、常法にて冷却風で冷却し、オイリングローラで油剤を付与した後、速度３９５ｍ／分のローラに引き取り、次いで速度１８９４ｍ／分、温度１９５℃の３ローラにて４．７倍の延伸を行い、速度１８１８ｍ／分、温度１６０℃のローラで弛緩熱処理を行った後、速度１８００ｍ／分のワインダーに巻き取り、断面が異形度５５％の三角形である異形断面長繊維からなる１１００ｄｔｅｘ／９６フィラメントのポリエステルマルチフィラメント糸を得た。
【００３８】
上記ポリエステルマルチフィラメント糸を４本引き揃えて、リング撚糸機にてＳ撚り２７０Ｔ／Ｍの下撚りをかけて撚糸とした。次いでこの撚糸を３本引き揃えて、Ｚ撚り１２０Ｔ／Ｍの上撚りをかけることにより、合撚糸を得た。
【００３９】
（実施例２）
実施例１で使用した撚糸３本と、ポリエステル系の芯鞘型（芯／鞘＝１／１）複合バインダー繊維からなる紡績糸（ユニチカファイバー製「エクスポラン（商品名）」１０番手Ｅ１００ ＭＢＫ）１本とを引き揃えて、Ｚ撚り１２０Ｔ／Ｍの上撚りをかけ、さらに、１３０℃×２分の熱処理を施した合撚糸を得た。
【００４０】
（比較例１）
ポリエステルマルチフィラメントの繊維断面を異形断面でなく丸断面としたこと以外は、実施例１と同様にして、合撚糸を得た。
【００４１】
（比較例２）
ポリエステルマルチフィラメントを加工糸として用いたこと以外は、比較例１と同様にして、合撚糸を得た。
【００４２】
上記の実施例及び比較例で得られた合撚糸の評価結果を下記表１に示す。
【００４３】
【表１】
【００４４】
実施例１、２の本発明の合撚糸は、結び目が緩み難いものであり、特に実施例２では低融点重合体が含まれていて熱融着されていることにより、切断したときの解れ難さに優れていることがわかる。これに対して比較例１では、異形断面の合繊繊維が含まれていないことにより、結び目が緩みやすいものとなった。また、比較例 ２では、加工糸が含まれていることにより結び目は緩み難いものであったが、強力に劣るものとなった。
【図面の簡単な説明】
【００４５】
【図１】異形断面の合成繊維の一例についての繊維断面図である。
【図２】合撚糸の構造を示す模式図である。
【符号の説明】
【００４６】
Ａ 外接円の直径
Ｂ 内接円の直径
１ 合撚糸
２ 撚糸
３ 構成糸
【特許請求の範囲】
【請求項１】
異形断面の合成繊維を含む同方向の撚糸が複数本合撚されてなり、下撚りと上撚りの撚り方向が反対であることを特徴とする合撚糸。
【請求項２】
上撚りの撚り数が下撚りの撚り数の半分以下であることを特徴とする請求項1に記載の合撚糸。
【請求項３】
異形断面の合成繊維がポリエステル長繊維であることを特徴とする請求項１又は2に記載の合撚糸。
【請求項４】
合撚糸を構成する主たる合成繊維の融点より少なくとも１０℃以上低い融点を有する重合体が含まれてなることを特徴とする請求項１〜３のいずれかに記載の合撚糸。
【請求項５】
網地用の仕立て糸である請求項１〜４のいずれかに記載の合撚糸。
【請求項１】
異形断面の合成繊維を含む同方向の撚糸が複数本合撚されてなり、下撚りと上撚りの撚り方向が反対であることを特徴とする合撚糸。
【請求項２】
上撚りの撚り数が下撚りの撚り数の半分以下であることを特徴とする請求項1に記載の合撚糸。
【請求項３】
異形断面の合成繊維がポリエステル長繊維であることを特徴とする請求項１又は2に記載の合撚糸。
【請求項４】
合撚糸を構成する主たる合成繊維の融点より少なくとも１０℃以上低い融点を有する重合体が含まれてなることを特徴とする請求項１〜３のいずれかに記載の合撚糸。
【請求項５】
網地用の仕立て糸である請求項１〜４のいずれかに記載の合撚糸。
【図１】
【図２】
【図２】
【公開番号】特開２００７−１６３５５（Ｐ２００７−１６３５５Ａ）
【公開日】平成１９年１月２５日（２００７．１．２５）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００５−２００３８３（Ｐ２００５−２００３８３）
【出願日】平成１７年７月８日（２００５．７．８）
【出願人】（３９９０６５４９７）ユニチカファイバー株式会社 (190)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１９年１月２５日（２００７．１．２５）
【国際特許分類】
【出願日】平成１７年７月８日（２００５．７．８）
【出願人】（３９９０６５４９７）ユニチカファイバー株式会社 (190)
【Ｆターム（参考）】
[ Back to top ]