説明

合紙敷設方法及び合紙敷設装置

【課題】 積載するパネル材の間に合紙を敷設するに際し、合紙を破損することなくスムーズに敷設できるとともに、コンパクトで機能的に優れた合紙敷設方法および合紙敷設装置を提供すること。
【解決手段】 (a)合紙S上にパネル材P1を載置する工程と、
(b)パネル材P1の端部Pa外側の合紙Sを押える工程と、
(c)押えられた端部Pa側からパネル材Pを巻き込むように合紙Sを折り返す工程と、
(d)次のパネル材P2を合紙S上に載置する工程と
を備え、前記工程(a)〜(d)を繰り返すことでパネル材P1、P2、・・Pnの間に合紙Sを敷設することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はパネル材を積み重ねる際に該パネル材間に合紙を設ける合紙敷設方法および合紙敷設装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パネル材として各種存在するが、その一例としてはサンドイッチパネルがある。このサンドイッチパネルは、表面材、裏面材、及び表面材と裏面材との間に介在する枠材にて容器状外面材を作製し、表面材と裏面材をプレスにて圧縮しつつ容器状外面材内部に形成された空間部に、枠材に形成された注入口から硬質ポリウレタンフォーム発泡原液組成物を注入して発泡、硬化させることにより製造されている(例えば非特許文献1および特許文献1参照)。このサンドイッチパネルは、−30℃にも及ぶ過酷な耐冷環境を要する冷凍冷蔵倉庫や、あるいは、氷点下と高温下の環境を作り出す環境試験室等の断熱材として使用されている。
【0003】
このサンドイッチパネルは所定の枚数に積み重ねられて保管或いは輸送される。通常、サンドイッチパネル同士を重ねる場合、製品保護のためにパネル間に合紙(例えば、厚みの薄いポリエステルシート)を敷設する。
【0004】
例えば、図4(A)〜(C)に示すようなパネル間に合紙を敷設する方法を挙げることができる。具体的には、図4(A)に示すように、合紙10上にパネル材20を載置し、図4(B)に示すように、合紙ロール11を矢印方向に搬送させることでパネル材20上に合紙を敷設し、当該合紙上に次のパネル材を積み重ねることでパネル材間に合紙を敷設し、次いで、図4(C)に示すように、パネル材20を載置した後に合紙ロール11をパネル材20側に折り返して、所定の停止位置まで水平移動させ、折返し部分での合紙10の弛みを無くする方法が公知である。
【0005】
また、合紙を敷設する自動化された装置として、例えば、図5(A)および(B)に示すような緩衝材敷設装置が公知である。この緩衝材敷設装置は、所定寸法に裁断されて送り込まれてくる矩形状のパネル材Pが移載手段Tにより1枚ずつ持ち上げられて積み重ねられる載置テーブル31aの長手方向と平行に設置したレール31上に、コイル状に巻回された状態で装着された緩衝材Sを送り出すと共に送り出された緩衝材Sを所定長さ毎に切断する緩衝材供給装置32とその緩衝材供給装置32より送り出された緩衝材Sを把持して引き出す緩衝材引出し装置3とを移動自在に設け、載置テーブル31a上にパネル材Pを載置した移載手段Tがこの載置テーブル31a上方の位置から所定距離だけ移動したことを載置センサが検知すると、緩衝材供給装置32より供給される緩衝材Sを緩衝材引出し装置33が把持した後に載置されたパネル材Pの長手方向の中心近傍のレール31上に位置せしめられていた緩衝材供給装置32と緩衝材引出し装置33とが互いに離反する方向へレール31上を走行して載置されたパネル材P上に緩衝材Sを引き出し、所定位置に両装置が達すると緩衝材Sを切断させると共に緩衝材引出し装置33が緩衝材Sの把持を開放し、しかる後に両装置を元の位置に復帰走行させるように制御する装置である(例えば特許文献2参照)。
【0006】
【非特許文献1】岩田敬治著「ポリウレタン樹脂ハンドブック」、第238〜239頁、日刊工業新聞社、昭和62年9月25日
【特許文献1】特開2004−98320号公報
【特許文献2】特開2004−90985号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記の従来の合紙敷設方法あるいは合紙敷設装置においては、以下のような課題があった。
(1)多くの自動合紙敷設装置は、図5(A)および(B)に示す緩衝材敷設装置のように、パネル材を敷設の毎に緩衝材(合紙)を切断する構成であり、装置が複雑であり、装置が大掛かりになることを避けることが困難であった。
(2)また、図4(A)〜(C)に示すような合紙ロールから合紙を連続的に供給しながらパネル材上に合紙を敷く方法を用いた場合、合紙ロールを往復させながらパネル材を載置していくことになるが、パネル上に合紙を敷く際、合紙ロールの移動始点とパネル材の端部との位置関係を一定にし、合紙長さを一定にすることが難しいという課題があった。
(3)さらに、合紙ローラを移動した際、合紙がパネル材の端部の角で破損するおそれがあり、同様に、パネル材を載置した後のパネル移送手段が移動するときに合紙を引っかけ破損させるおそれがあった。
【0008】
そこで、本発明の目的は、積載するパネル材の間に合紙を敷設するに際し、合紙を破損することなくスムーズに敷設できるとともに、コンパクトで機能的に優れた合紙敷設方法および合紙敷設装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、以下に示す合紙敷設方法および合紙敷設装置によって上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに到った。
【0010】
つまり、本発明は、パネル材を積み重ねる際に、該パネル材の間に合紙を設ける合紙敷設方法であって、
(a)合紙上に1のパネル材を載置する工程と、
(b)該パネル材の端部外側の合紙を押える工程と、
(c)押えられた端部側から前記パネル材を巻き込むように合紙を折り返す工程と、
(d)次のパネル材を前記合紙上に載置する工程と
を備え、前記工程(a)〜(d)を繰り返すことでパネル材の間に合紙を敷設することを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、パネル材を持ち上げるパネル持上手段と、
持ち上げられたパネルを移送するパネル移送手段と、
合紙ロールを回転駆動する回転駆動手段と、
合紙ロールを水平移動可能に駆動する水平駆動手段と、
合紙上に載置されたパネル材の端部外側の合紙を押える合紙押え手段と
を備える合紙敷設装置であって、
パネル材を積み重ねる際に、配置された合紙上にパネルを載置するように前記パネル持上手段およびパネル移送手段を制御し、該パネル材の端部外側の合紙を押えるように前記合紙押え手段を制御し、押えられた端部側から前記パネル材を巻き込むように水平駆動手段を制御して合紙ロールを移動し、合紙を折り返すように回転駆動手段を制御するするとともに、これらの制御操作を繰り返すことってパネル材の間に合紙を敷設することを特徴とする。
【0012】
上記のように、パネル材の載積において合紙は重要な役割を果たす一方、その敷設操作にはいくつかの項目において改善が求められていた。本発明は、以上の構成において、パネル材の端部外側の合紙を押えつつ、パネル材を巻き込むように合紙を折り返すことによって、載置されたパネル材に対する押えられた合紙の位置関係を固定化することを図るとともに、合紙ロールを折返して水平移動の際に生じやすかった合紙の折り返し点のブレを解消し、合紙の破損を防止することを可能とした。つまり、載置したパネル材の端部を、押えられたところから合紙で巻き込むことで、再現よく合紙をパネル材上に敷くことができる。また、巻き込んだ端部に対向する端部側に張力をかけながら合紙を送り出してパネル材上に敷くことができるので、合紙ロールから送り出された合紙のカール状態を極力抑えながら、合紙に生じていた弛みを無くすことができる。これらの結果、合紙を敷設する処理時間を大幅に短縮でき、合紙を破損することなくスムーズに敷設できるとともに、合紙ロールの水平移動距離を極力抑えられるので装置サイズをコンパクトにできる合紙敷設装置を提供することができる。
【0013】
本発明は、上記合紙敷設装置であって、前記合紙押え手段の合紙押え部を前記パネル持上手段の両端に配設するとともに、該合紙押え部の合紙との接面にローラを備えることを特徴とする。
【0014】
積載するパネル材の間に合紙を敷設するに際しては、パネル面の両端において均等に合紙が位置することが好ましい。また、該合紙押え手段の合紙押え部が合紙との接面を押すことから、かかる合紙押え部が合紙に負荷をかけないことが好ましい。本発明は、合紙押え手段の合紙押え部をパネル持上手段の両端に配設することによって、パネル材の積載時に合紙を均等に再現よく押すことを実現し、合紙押え部の合紙との接面にローラを備えることによって、合紙に負荷をかけずに破損の防止をも実現することが可能となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明に係る実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。ここでは、「パネル材」の移送に係るパネル持上手段およびパネル移送手段と、「合紙」の敷設に係る合紙ロールの回転駆動手段、水平駆動手段および合紙押え手段とを備える合紙敷設装置を基本とする。パネル材を積み重ねる際に、配置された合紙上にパネル材を載置するように前記パネル持上手段およびパネル移送手段を制御し、該パネル材の端部外側の合紙を押えるように前記合紙押え手段を制御し、押えられた端部側から前記パネル材を巻き込むように水平駆動手段を制御して合紙ロールを移動し、合紙を折り返すように回転駆動手段を制御するとともに、これらの制御操作を繰り返すことってパネル材の間に合紙を敷設することを特徴とする。
【0016】
<本発明に係る合紙敷設装置の基本構成例>
図1は、本発明に係る合紙敷設装置(以下「本装置」という)を例示する概略図である。本装置は、パネル材Pを持ち上げるパネル持上手段1と、持ち上げられたパネル材Pを移送するパネル移送手段2と、合紙ロール3を回転駆動する回転駆動手段4と、合紙ロール3を水平移動可能に駆動する水平駆動手段5と、合紙S上に載置されたパネル材Pの端部Pa外側の合紙Sを押える合紙押え手段6とを備える。以上の構成において、パネル材の端部Pa外側の合紙Sを押えつつ、パネル材Pを巻き込むように合紙Sを折り返すことによって、合紙Sを破損することなくスムーズに敷設できるとともに、コンパクトで機能的に優れた合紙敷設装置を構成することができる。以下、パネル材P、合紙S、合紙敷設装置の駆動系及び制御系について説明する。
【0017】
パネル材Pは、上記のような硬質ポリウレタンボードなど、所定の強度および弾性を有するマットあるいはボードなどに適用することができる。素材は特に限定されるものではないが、ガラス繊維、カーボン繊維、金属繊維、無機繊維、ポリマー繊維等からなるパネル材Pを挙げることができる。厚さは、5〜50mmの範囲、通常は10〜30mm程度である。幅は、500〜2,000mmの範囲、通常は1,000〜1,500mm程度、長さは、短尺で1,000〜10,000mmの範囲、通常は2,000〜5,000mm程度、長尺で10,000〜50,000mmの範囲、通常は10,000〜20,000mm程度である。
【0018】
合紙Sは、例えば、化粧紙、クラフト紙、好ましくは樹脂(例えば、ポリエチレン)ラミネートクラフト紙等の紙、また特に好ましくはクレープ状金属箔が積層されたクラフト紙、あるいはプラスチック製シート(ポリプロピレン、リカーボネートやポリ塩化ビニル)などを用いることが好ましい。また、不織布などの繊維を使用することも可能である。厚さは、0.05〜5mmの範囲、通常は例えば0.5〜0.8mm程度である。
【0019】
パネル持上手段1は、パネル材Pを持ち上げる際に、パネル材Pの平面度を確保するために、例えば図2(A)および(B)に示すように吸盤部1aを複数有し、パネル材P全体を歪の少ない状態で持ち上げる機能を有することが好ましい。吸盤部1aは、例えば吸引ポンプ(図示せず)に接続されパネル材Pに対する吸引力によって掴んだ状態で保持することができる機能を有するものを挙げることができる。パネル持上手段1の上部には、パネル材Pを保持した状態で、持ち上げおよび積み降しができるようにシリンダ部1bが設けられ、円滑にパネル材Pの積載ができるようにすることが好ましい。パネル持上手段1によって保持されたパネル材Pは、シリンダ部1bの上端が接続するパネル移送手段2によって、移送される。
【0020】
また、パネル持上手段1の板部1cの両側には、合紙S上に載置されたパネル材Pの端部Pa外側の合紙Sを押える合紙押え手段6を備えることが好ましい。合紙押え手段6によってパネル材Pの端部Pa外側の合紙Sを押えつつ、パネル材Pを巻き込むように合紙Sを折り返すことによって、再現よく合紙Sをパネル材P上に敷くことができ、合紙Sの破損を防止することができる。また、合紙押え手段6の合紙押え部6aの合紙との接面には、ローラ6bを備えることが好ましい。合紙Sを破損することなくスムーズに敷設できる。ただし、合紙押え手段6は、必ずしもパネル持上手段1と一体である必要はなく、載置されたパネル材Pに対して一定の条件で安定的に合紙Sを押える機能を有するものであれば別体であってもよい。
【0021】
ここで、合紙押え手段6は、パネル材Pの端部Pa外側に合紙Sと接するローラ6bを備えることが必要となる一方、パネル材Pの移送に障害とならないように、図2(B)に例示するような湾曲形状の腕部6cを有することが好ましい。
【0022】
また、ローラ6bは、特に限定されるものではないが、合紙Sに対して均一に所定の押力を及ぼすとともに大きな負荷を与えない観点からは、図2(A)に例示するような回動可能な円筒状体とすることが好ましい。また、合紙Sの破損を防止する観点からは、柔軟で所定の弾性を有する素材が好ましい。具体的には、ウレタン系の発泡体を用いたウレタンロールや各種のゴムを用いたゴムロールなどを挙げることができる。
【0023】
一方、合紙Sは合紙ロール3から供給される。合紙Sの供給量は、合紙ロール3を回転駆動する回転駆動手段4によって回転速度が制御されて調節される。合紙Sの供給量あるいは残量は、合紙ロール3の外径をモニタすることによって自動的に管理することができる。例えば、非接触センサ(図示せず)、ロータリーエンコーダ等のパルス発生器(図示せず)で検知した検知情報を演算することによって得られる。回転駆動手段4としては、例えば、合紙ロール3を回動自在とする機構の回転中心軸に連動するように設けられた電動駆動式モータを挙げることができる。
【0024】
また、合紙Sは、その弛みやシワの撥性を防止するために、所定の張力をもってパネル材Pへの敷設することが好ましい。つまり、合紙ロール3に張力を作用させるように張力手段(図示せず)を用いることが好ましく、こうした機能を有する張力手段としては、例えば、合紙ロール3を回動自在とする機構の回転中心軸に設置されるエアクラッチ、電磁クラッチ等を挙げることができる。
【0025】
本装置において、合紙ロール3は水平駆動手段5によって水平方向に移動することができる。つまり、図1のように、水平駆動手段5は、合紙ロール3を水平移動可能に駆動する機能を有し、例えば、水平移動機構の駆動源として電磁モータ、電磁ブレーキ付電磁モータ等を挙げることができ、水平移動機構としては、例えば、ラックピニオン機構等を挙げることができる。
【0026】
また、合紙S上に載置したパネル材Pの端部を合紙Sで巻き込む場合、合紙ロール3を所定位置まで水平移動するように水平駆動手段が制御される。このとき、水平移動制御とともに、当初は合紙ロール3を巻き取り方向に回転するように回転駆動手段4を制御し、所定の張力を作用させるように張力手段を制御することが好ましい。合紙ロール3から送り出された合紙Sのカール状態を極力抑えながら、合紙Sに生じる弛みを無くすことができる。さらに、所定距離水平移動した後、こうした張力を維持するように、合紙ロール3からの送り出し速度を制御することが好ましい。こうした制御は、CPU、メインメモリ、バス、ROM等のハードウエアとソフトウエアプログラムで構成してもよく、ファームウエアで構成してもよい。
【0027】
以上のように、パネル材Pについてパネル持上手段1およびパネル移送手段2を制御するとともに、合紙Sについて合紙押え手段6、水平駆動手段5および回転駆動手段4を制御し、これらの制御操作を繰り返してパネル材Pの間に合紙Sを敷設することによって、合紙Sを破損することなくスムーズに敷設することができ、積載されたパネル材Pの保護を図ることができる。このときの各制御値は、パネル材Pの長さ、合紙Sの種類(厚みや弾性などの特性)、合紙ロール3の外径寸法によって設定される。
【0028】
<本装置を用いた合紙敷設方法>
次に、上記の構成からなる本装置を用いた本発明の合紙敷設方法について、図3Aおよび図3Bに基づき説明する。パネル材Pを積み重ねる際に、以下の
(a)合紙S上にパネル材P1を載置する工程
(b)パネル材P1の端部Pa外側の合紙Sを押える工程
(c)押えられた端部Pa側からパネル材P1を巻き込むように合紙Sを折り返す工程
(d)次のパネル材P2を合紙S上に載置する工程
を備え、工程(a)〜(d)を繰り返すことで、合紙Sを破損することなくスムーズにパネル材P1、P2、・・Pnの間に合紙を敷設することができる。ここで、載置されるパネル材を、順にP1、P2、・・・Pnとする。
【0029】
(a)合紙S上にパネル材P1を載置する工程
初めに、図3A(a−1)に示すように、パネル搬送ローラ2aによって移送されたパネル材P1は、吸盤部1aによってパネル持上手段1に保持され、パネル搬送ローラ2aから持ち上げられる。このとき、パネル搬送ローラ2aの側部に配設されたパレット7上には合紙Sが敷設されている。次に、図3A(a−2)に示すように、パネル材P1は、パネル移送手段2(図示せず)によって、パネル持上手段1とともに敷設された合紙S上に移送された後、パネル持上手段1に備えられたシリンダ部1bが駆動され、合紙S上に載置される。パネル材P1が載置された後、吸盤部1aは吸引を解かれ、パネル持上手段1によるパネル材P1の保持は解消される。
【0030】
(b)パネル材P1の端部Pa外側の合紙Sを押える工程
本装置においては、板部1cの両側に合紙押え手段6を備えたパネル持上手段1を用いており、図3A(b)に示すように、パネル材P1を載置することによって、パネル材P1の端部Pa外側の合紙Sを合紙押え手段6により押えることができる。このとき、合紙ロール3は、所定位置で待機している、この位置は、パネル材P1の長さ、合紙Sの種類(特性)、合紙ロール3の外径寸法によって設定される。
【0031】
(c)押えられた端部Pa側からパネル材P1を巻き込むように合紙Sを折り返す工程
パネル材P1との接続が解消されたパネル持上手段1は、図3A(c−1)に示すように、パネル移送手段2(図示せず)によって、パレット7側からパネル搬送ローラ2aに移送される。合紙押え手段6によって押えられた合紙Sは、その上に載置されたパネル材P1の端部Pa外側に押し形を持った状態で、図3B(c−2)に示すように、パネル材P1の断面形状に沿って、パネル材P1を巻き込むように折り返される。このとき、水平駆動手段5(図示せず)によって合紙ロール3を所定位置からパネル材P1側に所定速度で移動させると同時に、上記のように、合紙Sが所定の張力を維持するように、回転駆動手段4(図示せず)を制御し合紙ロール3の送り出し(巻き取りを含む)速度を調整することによって、撓みやシワのない合紙Sの敷設が可能となる。この弛み部分を生じさせないようにすることで、合紙ロール3の水平移動処理時間、略L字状にパネル材を巻き込みする処理時間を大幅に短縮することができる。また、パネル搬送ローラ2a側は、上記(a−1)と同様、新たに移送されたパネル材P2がパネル持上手段1に保持される。
【0032】
(d)次のパネル材P2を合紙S上に載置する工程
次に、パネル持上手段1に保持されたパネル材P2が、図3B(d−1)に示すように、パネル搬送ローラ2aから持ち上げられ、敷設された合紙Sを介してパネル材P1上に載置される。このとき、合紙ローラ3は、図3A(b)とは反対方向に移動され、パネル材P2の反対側の端部Pbの合紙Sが、合紙押え手段6によって押えられる。その後、図3B(d−2)に示すように、パネル材P2を載置したパネル持上手段1は、パネル材P2の保持を解消して、パネル搬送ローラ2a側に移動すると同時に、再度合紙ローラ3を反転させて合紙Sをパネル材P2の上部に敷設する。このとき、合紙ローラ3の停止や反転のタイミングや位置の設定は、パネル材P1,P2の長さ、パネル材P1,P2の位置と合紙ロール3の位置からパネル材P1,P2の端部PaまたはPbと合紙ロール3の中心間の距離を算出し、例えば、「(端部PaまたはPbと合紙ロール3の中心間の距離)−(合紙ロール半径)」値分だけ合紙ロール3が水平移動した時点とすることができる。
【0033】
こうした工程(a)〜(d)の操作を繰り返すことによって、図3B(d−3)に示すように、複数のパネル材P1、P2、・・・Pnが、その間を折り返しながら敷設された合紙Sによって保護されて積載することができる。このとき、合紙ロール3は、積み重ねるパネル材Pnの枚数nによって、垂直方向に移動可能に構成でき、この垂直移動工程をパネル材Pnの積載枚数nに応じて設けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明に係る合紙敷設装置を例示する概略図
【図2】本発明に係る合紙敷設装置に用いるパネル持上手段を例示する説明図
【図3A】本装置を用いた本発明の合紙敷設方法の工程を例示する説明図
【図3B】本装置を用いた本発明の合紙敷設方法の工程を例示する説明図
【図4】従来技術に係る合紙敷設方法の説明図
【図5】従来技術に係る自動合紙敷設装置の説明図
【符号の説明】
【0035】
1 パネル持上手段
1a 吸盤部
1b シリンダ部
2 パネル移送手段
3 合紙ロール
4 回転駆動手段
5 水平駆動手段
6 合紙押え手段
6a 合紙押え部
6b ローラ
6c 腕部
7 パレット
P パネル材
Pa,Pb 端部
S 合紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パネル材を積み重ねる際に、該パネル材の間に合紙を設ける合紙敷設方法であって、
(a)合紙上に1のパネル材を載置する工程と、
(b)該パネル材の端部外側の合紙を押える工程と、
(c)押えられた端部側から前記パネル材を巻き込むように合紙を折り返す工程と、
(d)次のパネル材を前記合紙上に載置する工程と
を備え、前記工程(a)〜(d)を繰り返すことでパネル材の間に合紙を敷設することを特徴とする合紙敷設方法。
【請求項2】
パネル材を持ち上げるパネル持上手段と、
持ち上げられたパネルを移送するパネル移送手段と、
合紙ロールを回転駆動する回転駆動手段と、
合紙ロールを水平移動可能に駆動する水平駆動手段と、
合紙上に載置されたパネル材の端部外側の合紙を押える合紙押え手段と
を備える合紙敷設装置であって、
パネル材を積み重ねる際に、配置された合紙上にパネルを載置するように前記パネル持上手段およびパネル移送手段を制御し、該パネル材の端部外側の合紙を押えるように前記合紙押え手段を制御し、押えられた端部側から前記パネル材を巻き込むように水平駆動手段を制御して合紙ロールを移動し、合紙を折り返すように回転駆動手段を制御するとともに、これらの制御操作を繰り返すことってパネル材の間に合紙を敷設することを特徴とする合紙敷設装置。
【請求項3】
前記合紙押え手段の合紙押え部を前記パネル持上手段の両端に配設するとともに、該合紙押え部の合紙との接面にローラを備えることを特徴とする請求項2に記載の合紙敷設装置。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−12796(P2009−12796A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−174281(P2007−174281)
【出願日】平成19年7月2日(2007.7.2)
【出願人】(000003148)東洋ゴム工業株式会社 (2,711)