説明

吊り下げ名札裏返り防止プレート

【課題】吊り下げ名札は、名札部の名前等の書かれた表面が人に見える状態であることが正規の状態であるが、左右の吊り下げ紐が接続具に1点で収束しているため、人体の動きなどで名札部に裏返るような力が作用すると、吊り下げ紐が接続具に収束する部分で簡単に捻じれてしまい名札の表裏が安定しない。
【解決手段】この発明は、吊り下げ紐の左右と接続具に収束する部分の3点を保持するプレートを既存の吊り下げ名札に取り付けることによって、吊り下げ紐が接続具に収束する部分で捻じれることを防止し、名札部の表面を常に正規の状態に保つ吊り下げ名札裏返り防止プレートを提供するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、本発明は、吊り下げ名札が人体の動き等により、裏返ることを防止するものであり、既存の名札に簡単に取り付けることの出来る吊り下げ名札裏返り防止プレートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
吊り下げ名札は、吊り下げ紐を首にかけて使用するもので、吊り下げ紐は、首の左右からさがり接続具で収束され名札部と接続されている。
名札部の名前等の書かれた表面が人に見える状態であることが正規の状態であるが、左右の吊り下げ紐が接続具に1点で収束しているため、名札部が裏返るような力が作用すると、吊り下げ紐が接続具に収束する部分で簡単に捻じれてしまい、名札の表裏が安定せず常に名札の表面を正規の状態に保つことが難しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−58878号公報
【特許文献2】特開2009−112677号公報 吊り下げ名札を正規の状態に保つ周知の技術として、専用の接続具と名札部を用いた吊り下げ名札(特開2009−58878)や、接続具にクリップを取り付けて衣服へ固定する吊り下げ名札(特開2009−112677)があるが、いずれも接続具や名札部を改良したものであり、既存の吊り下げ名札をそのまま使用する技術ではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明は、既存の吊り下げ名札の吊り下げ紐、接続具、名札部に何ら改良を加えることなく、吊り下げ紐が接続具に収束する部分で捻じれることを防止するプレートを取り付けることにより、吊り下げ名札が裏返えることを防止するプレートを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は、既存の吊り下げ名札に取り付けて使用するプレートで、吊り下げ紐が接続具に収束する部分と、その上部の吊り下げ紐の左右それぞれとの3点で吊り下げ紐を保持し、この3点間の間隔を固定することで、吊り下げ紐が接続具に収束する部分で捻じれることを防止することにより吊り下げ名札の裏返りを防止するプレートである。
【発明の効果】
【0006】
この発明は、既存の吊り下げ名札に簡単な構造のプレートを取り付けるだけで、名札の表面を正規の状態に保つため名札の視認性が向上する。
この発明は、既存の吊り下げ名札の吊り下げ紐の形状、接続具に形状並びに有無及び名札の形状に関係なく取り付けることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1はこの発明の吊り下げ名札裏返り防止プレートの構造図である。
【図2】図2はこの発明の吊り下げ名札裏返り防止プレートを既存の吊り下げ名札に取り付け名札の表面側から見た図である。
【図3】図3はこの発明の吊り下げ名札裏返り防止プレートを既存の吊り下げ名札に取り付け名札の裏面側から見た図である。
【図4】図4はこの発明の吊り下げ名札裏返り防止プレートを既存の吊り下げ名札に取り付けた全体図である。(実施例1)
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、この発明の最良の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、この発明の吊り下げ名札裏返り防止プレート1の構造図である。
プレート1に、吊り下げ紐の左右を分割して保持する長穴2と長穴4及び長穴2と長穴4に吊り下げ紐12aを通過させる長穴2と長穴4に斜交して繋がる切り込み7、長穴3と長穴5及び長穴3と長穴5に吊り下げ紐12bを通過させる長穴3と長穴5に斜交して繋がる切り込み8を左右対称に設け、また、吊り下げ紐が接続具に収束する部分を保持する長穴6と長穴6に吊り下げ紐が接続具10に収束する部分を通過させる切り込み9を設けることにより吊り下げ紐の3点をプレート1に保持することが出来る。
長穴2、長穴3の下部及び長穴4、長穴5、長穴6の上部に設けた凹みは吊り下げ紐がロープ状の形状である場合、この凹みによりそれぞれの長穴からロープ状の吊り下げ紐が横滑りし脱落することを防止するためのものである。
図2は、この発明の吊り下げ名札裏返り防止プレート1を既存の吊り下げ名札に取り付け名札11の表面11a側から見た図である。
吊り下げ紐12aと吊り下げ紐12bが接続具10に収束した部分でプレート1の長穴6を通過することでプレート1に保持され、その上部で吊り下げ紐12aは長穴2と長穴4を通過することにより、吊り下げ紐12bは長穴3と長穴5を通過することにより左右それぞれ保持され、吊り下げ紐の3点がプレート1に保持されている。また、接続具10は吊り下げ紐12a、吊り下げ紐12bが接続具10に収束される部分が長穴6で保持されることでプレート1に接しプレート1に固定され、名札11の表面11aを正規の状態に接続している。
図3は、この発明の吊り下げ名札裏返り防止プレート1を既存の吊り下げ名札に取り付け名札の裏面11b側から見た図である。
吊り下げ紐は、切り込み9により吊り下げ紐12aと吊り下げ紐12bが接続具10に収束する部分を長穴6に通過させ、長穴6を通過した吊り下げ紐は、その上部で左右に分かれ、吊り下げ紐12aは切り込み7により長穴2と長穴4に通過し、吊り下げ紐12bは切り込み8により長穴3と長穴5に通過し保持されている。
【実施例1】
【0009】
図4は、この発明の吊り下げ名札裏返り防止プレート1を既存の吊り下げ名札に取り付けた全体図である。
プレート1が吊り下げ紐12aと吊り下げ紐12bが接続具に収束される部分が長穴6で、その上部で吊り下げ紐12aが長穴2と長穴4で、吊り下げ紐12bが長穴3と長穴5で保持されることで、吊り下げ紐の3点がプレート1に保持されている。
吊り下げ紐の3点を保持すると3点間の間隔が固定され、左右の吊り下げ紐が接続具10に収束する部分に捻じれるような力が発生した場合でもこれを戻そうとする力がプレート1に発生し、吊り下げ紐12aと吊り下げ紐12bが接続部10に収束される部分で捻じれることを防止している。
また、接続具10は、吊り下げ紐12aと吊り下げ紐12bの収束部を長穴6に保持されることで、プレート1に接し固定されるので接続具10の動きはプレート1の動きに連動している。
【産業上の利用可能性】
【0010】
この発明は、プレートに吊り下げ紐の3個所を保持する長穴と切り込みを設けた簡単な構造で、吊り下げ紐の形状、接続具の形状及び有無に関係なく、既存の吊り下げ名札に取り付けが可能で経済的である。
この発明は、薄く軽いプレートを取り付けるものであるので、従来の吊り下げ名札の使用形態を妨げることなく吊り下げ名札を正規の状態に保つことが出来る。
この発明は、衣服になんら固定することなく吊り下げ名札を正規の状態に保つので衣服を傷めることがない。
この発明は、簡単に取り外しが出来るため、プレート1の色や形を変え、また文字等を表示することで、グループ分けなど名札の裏返りを防止するだけでなく、吊り下げ名札に付加機能を持たせることが可能である。
この発明は、プレート1に筆記具を引っ掛けて保持することも出来るので、ポケットの無い衣服を着用している場合等にペンホルダーとしても利用が可能である。
【符号の説明】
【0011】
1 プレート
2 吊り下げ紐左右保持穴:上側
3 吊り下げ紐左右保持穴:上側
4 吊り下げ紐左右保持穴:下側
5 吊り下げ紐左右保持穴:下側
6 吊り下げ紐収束部保持穴
7 吊り下げ紐左右通過切り込み:上下斜交
8 吊り下げ紐左右通過切り込み:上下斜交
9 吊り下げ紐収束部通過切り込み
10 接続具
11 名札
11a 名札:表面
11b 名札:裏面
12a 吊り下げ紐
12b 吊り下げ紐

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吊り下げ名札の裏返りを防止するプレートであって、吊り下げ紐の左右が接続具に収束する部分を保持する長穴とこの長穴に吊り下げ紐の左右を合わせて通過させる切り込み、及び、吊り下げ紐が接続具に収束する部分より上部で吊り下げ紐の左右それぞれを分割し保持する長穴とこの長穴に吊り下げ紐を通過させる切り込みによって、既存の吊り下げ名札の吊り下げ紐の3個所を保持し、この保持した吊り下げ紐の3点間の間隔を固定することで、吊り下げ紐が接続具に収束する部分で捻じれることを防止し、吊り下げ名札を常に正規な状態に保つことを特徴とする吊り下げ名札裏返り防止プレート。
【請求項2】
吊り下げ紐が接続具に収束する部分をプレートに保持することにより、吊り下げ紐を収束させる接続具をプレートに固定する請求項1の吊り下げ名札裏返り防止プレート。
【請求項3】
プレートは、弾性のある合成樹脂からなり、吊り下げ紐を保持穴に通過させる際に湾曲し、高さ9セントメートル程度、幅9センチメール程度の逆三角形の角を丸めた形状で、厚さ0.5ミリメートル程度の請求項1の吊り下げ名札裏返り防止プレート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−145842(P2012−145842A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−5329(P2011−5329)
【出願日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【特許番号】特許第4733238号(P4733238)
【特許公報発行日】平成23年7月27日(2011.7.27)
【出願人】(308040074)