説明

吊り下げ物体免震装置

【課題】水平動および垂直動という複合的な震動に対しても効率的に免震するようにした吊り下げ物体免震装置を提供する。
【解決手段】取り付け金具20により下側から支えられる第1免震装置10と第2免震装置10’の下側免震部12に対して、吊り下げ物体固定金具30により連結された第1免震装置10と第2免震装置10’の上側免震部11が一体に移動して、吊り下げ物体固定金具30とともに吊り下げ物体2を免震するような吊り下げ物体免震装置1とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吊り下げ物体に伝わる振動を減衰・吸収して吊り下げ物体を保護する吊り下げ物体免震装置に関する。
【背景技術】
【0002】
天井部から吊り下げられる吊り下げ物体に対する免震装置の従来技術として、例えば、特許文献1(特開2006−258112,発明の名称:電子機器の免震装置)などが開示されている。この従来技術の免震装置は、天井部から吊り下げられるコンピュータ・サーバ・通信装置などの電子機器を、地震等の振動から守る、というものである。
【0003】
【特許文献1】特開2006−258112号公報(段落番号0010〜0018,図1〜図6)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の免震装置は、特許文献1の図3でも示すように、球座に支持球を回転可能に配置することでアンカーを水平方向に移動可能として、水平方向の免震機能を確保している。しかしながら、上下方向に揺れる垂直動の地震の場合、アンカーが支持球から浮き上がるような事態も生じうるものであり、強い衝撃を受けてコンピュータ機器に振動が加わるおそれもあった。
また、アンカーは水平方向に自在に動きうるものであるため、貫通穴につり下げワイヤが接触して、電子機器に震動が伝わるおそれもあった。
【0005】
そこで、本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、水平動および垂直動という複合的な震動に対しても効率的に免震するようにした吊り下げ物体免震装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に係る吊り下げ物体免震装置は、
下側免震部と、下側免震部に固定されて水平方向に移動可能になされたスライド装置と、スライド装置に固定されて下側免震部に対してスライド可能になされた上側免震部と、を有する第1免震装置と、
下側免震部と、下側免震部に固定されて水平方向に移動可能になされたスライド装置と、スライド装置に固定されて下側免震部に対してスライド可能になされた上側免震部と、を有する第2免震装置と、
第1免震装置と第2免震装置とに渡されるように固定され、吊り下げ物体を吊り下げる吊り下げ物体固定金具と、
を備え、下側から支えられる第1免震装置と第2免震装置の下側免震部に対して、吊り下げ物体固定金具により連結された第1免震装置と第2免震装置の上側免震部が一体に移動して、吊り下げ物体固定金具とともに吊り下げ物体を免震することを特徴とする。
【0007】
また、本発明の請求項2に係る吊り下げ物体免震装置は、
請求項1に記載の吊り下げ物体免震装置において、
天井に取り付けられ、第1免震装置と第2免震装置の下側免震部を下側から支える取り付け金具を備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の請求項3に係る吊り下げ物体免震装置は、
請求項1に記載の吊り下げ物体免震装置において、
第1免震装置と第2免震装置の下側免震部は、天井板の天井梁に取り付けられることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の請求項4に係る吊り下げ物体免震装置は、
請求項1に記載の吊り下げ物体免震装置において、
天井部および天井板に取り付けられるとともに、第1免震装置と第2免震装置の下側免震部を下側から支える取り付け金具を備えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項5に係る吊り下げ物体免震装置は、
請求項1〜請求項4の何れか一項に記載の吊り下げ物体免震装置において、
第1免震部と第2免震部のスライド装置がその移動限界まで移動したときに、取り付け金具または天井板の孔と非接触を維持しつつ停止することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の請求項6に係る吊り下げ物体免震装置は、
請求項1〜請求項5の何れか一項に記載の吊り下げ物体免震装置において、
第1免震部と第2免震部のスライド装置は、
下側免震部にガイドレール部が取り付けられてスライド部が水平面と略平行な一軸方向に移動する下側スライドガイドと、
下側スライドガイドのスライド部の移動方向に対し略垂直方向であって水平面と略平行に移動するようにスライド部が取り付けられ、かつガイドレール部が上側免震部に取付けられる上側スライドガイドと、
上側スライドガイドと下側スライドガイドのスライド部の移動に応じて伸縮するように取り付けられ、上側免震部と下側免震部とを所定位置にあるように付勢するばねと、
を備えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の請求項7に係る吊り下げ物体免震装置は、
請求項6に記載の吊り下げ物体免震装置において、
第1免震装置と第2免震装置は、複数のスライド装置を並べて配置するものであり、これら複数のスライド装置のそれぞれの上側スライドガイドのスライド方向を一致させ、かつ複数のスライド装置のそれぞれの下側スライドガイドのスライド方向を一致させることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の請求項8に係る吊り下げ物体免震装置は、
請求項1〜請求項7の何れか一項に記載の吊り下げ物体免震装置において、
第1免震装置と第2免震装置の下側免震部の下側には、摩擦体となる下面シートが配置されることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の請求項9に係る吊り下げ物体免震装置は、
請求項8に記載の吊り下げ物体免震装置において、
第1免震装置と第2免震装置の下側免震部は、下面シートの上に下面フレームを固着した構造であることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の請求項10に係る吊り下げ物体免震装置は、
請求項1〜請求項9の何れか一項に記載の吊り下げ物体免震装置において、
第1免震装置と第2免震装置の上側免震部は、上面フレームに上面パネルを固着した構造であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
以上のような本発明によれば、水平動および垂直動という複合的な震動に対しても効率的に免震するようにした吊り下げ物体免震装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明を実施するための最良の形態について図に基づいて以下に説明する。図1は本形態の吊り下げ物体免震装置の説明図、図2,図3は第1,第2免震装置の構成図、図4はスライド装置による移動方向およびばね付勢方向の説明図、図5はスライド装置の構成図である。
吊り下げ物体免震装置1は、図1で示すように、第1免震装置10、第2免震装置10’、取り付け金具20、吊り下げ物体固定具30、を備えている。取り付け金具20は、天井部3に取り付けられている。そして、吊り下げ物体固定具30には、吊り下げ物体2が固定されている。吊り下げ物体2は、高価なシャンデリア、空調機、カメラ、その他の照明等である。
【0018】
第1免震装置10および第2免震装置10’は、図2,図3で示すように、上側免震部11、下側免震部12、スライド装置13を備えている。ここで第1免震装置10および第2免震装置10’は同じ構造であるため、以下、第1免震装置10のみ説明することとし、第2免震装置10’は重複する説明を省略する。
【0019】
上側免震部11は、図2で示すように、上面パネル111、上面フレーム112を備える。
この上側免震部11は、多数の鉄骨部材を組立てた上面フレーム112に金属製板体の上面パネル111を固着した構造体として形成している。
【0020】
下側免震部12は、下面フレーム121、下面シート122を備える。
この下側免震部12は、金属製板体にゴムなどの摩擦体を貼付けて下面シート122を形成し、多数の鉄骨部材を組立てた下面フレーム121にこの下面シート122を固着した構造体として形成している。
【0021】
スライド装置13は、一方向にのみ動く直動型のスライドガイドを2個用いる。本発明で想定する直動型のスライドガイドとは、図5で示す上側スライドガイド131を例に挙げると、直線状のガイドレール部131bに沿ってスライド部131aがX方向に滑らかに摺動する機械要素であり、一般的に市販されている。この直動型のスライドガイドを2個組み合わせることでX−Y方向の移動を実現する。
【0022】
スライド装置13は、上側スライドガイド131、下側スライドガイド132、連結プレート133、ばね134、ばね135を備える。
具体的には、図5で示すように 上側スライドガイド131および下側スライドガイド132が略鉛直方向であるX−Y方向に向くようにし、スライド部131a,132aを連結プレート133を介して取り付ける。連結プレート133には、スライド部131a,132aに設けられた図示しないねじ孔と一致するように図示しない孔が設けられ、図5で示す矢印イ,ロの方向にねじを螺挿して固定する。さらにスライド部131aにばね134,135の一端を取り付ける。ばね134,135の他端は下側免震部12に取り付けられる。ばね134,135は伸縮し、ガイドレール部131b,132bの略中央でスライド部131aが停止するような付勢力を与える。このようなスライド装置13の上側スライドガイド131のスライド部131aは、下側スライドガイド132のスライド部132aの移動方向に対し略垂直方向であって水平面と略平行に移動する。
【0023】
図2で示すように、このようなスライド装置13の下側には下側免震部12が配置され、図5で示すように、下側スライドガイド132では、水平面と略平行な一軸方向に移動するように下側免震部12にガイドレール部132bが取り付けられる。また、スライド装置13の上側スライドガイド131は、ガイドレール部131bが上側免震部11に取付けられる。下側免震部12に対して上側免震部11はX方向とY方向とを複合した水平方向に移動できるようになる。
【0024】
そして、図2,図4で示すように、このようなスライド装置13が複数個(図2では2個)並べられて下側免震部12に取付固定される。この取付け位置であるが、図4で示すように第1免震装置10の長手方向に2個並べてスライド装置13を配置するものであり、これら複数のスライド装置13のそれぞれの上側スライドガイド131のガイドレール部131bの直線方向(つまり、スライド部131aに対するガイドレール部131bのスライド方向)を第1免震装置10の短手方向に一致させるとともに、複数のスライド装置13のそれぞれの下側スライドガイド132のガイドレール部132bの直線方向(つまり、スライド部132aのスライド方向)を第1免震装置10の長手方向に一致させている。
【0025】
これにより、第1免震装置10の短手方向では上側スライドガイド131のスライド部131aに対して上側免震部11とガイドレール部131bのみがスライドし、また、第1免震装置10の長手方向では下側スライドガイド132のガイドレール部132bに対し上側免震部11、上側スライドガイド131、連結部133、下側スライドガイド132のスライド部132aがともにスライドすることとなり、スライドする高さを統一して滑りやすさを確保している。
【0026】
第1免震装置10では、図4でも示すように、下側免震部12に対して上側免震部11はX方向やY方向およびその複合方向、つまり水平方向に移動することができ、水平方向の移動を確保している。また、通常時はばね134,135の矢印A,B,C,D方向の付勢力により下側免震部12と上側免震部11とは上から見てはみ出ることなく重なって図3で示す同じ位置(ホームポジション)を維持するように停止する。
第1免震装置10はこのようなものである。
【0027】
取り付け金具20は、図1で示すように、例えばコンクリート躯体のスラブ床下面である天井部3に取り付けられる。そして、取り付け金具20の底部に設けられた孔部21の両側に第1免震装置10および第2免震装置10’が取り付けられる。これら第1免震装置10および第2免震装置10’の下側免震部12がそれぞれ取り付け金具20に取り付けられる。
【0028】
吊り下げ物体固定具30は、さらに板体31、棒体32を備えている。
板体31は、第1免震装置10および第2免震装置10’の上側免震部11に渡されるように取り付けられる。この板体31の中央では棒体32の一端が取り付けられている。例えば、ねじ留めや溶接により板体31に棒体32が強固に固定されるようにする。
棒体32は、中実な円柱体、または中空な円筒体というものであり、堅牢な構造を有している。
このような棒体32の先端に吊り下げ物体2が固定される。そして、最終仕上げとして吊り下げ物体免震装置1が取り付けられた天井部3や取り付け金具20の美観を向上させるべく、布や樹脂で囲い飾りを付ける。
吊り下げ物体免震装置1はこのような構成を有する。
【0029】
続いて、このような吊り下げ物体免震装置1の動作について説明する。図6は吊り下げ物体免震装置の免震の説明図であり、図6(a)は通常時の位置の説明図、図6(b)は免震動作の説明図である。本形態では天井板が無く天井面のみしかない場合を想定している。吊り下げ物体免震装置1を取り付ける際、取り付け金具20を直接、天井部3に固定する。また、取り付け金具20には第1免震装置10および第2免震装置10’の二個の下側免震部12が固定される。
【0030】
第1免震装置10および第2免震装置10’では二個の下側免震部12に対して、吊り下げ物体固定具30の板体31により連結された上側免震部11が一体に移動する。このため吊り下げ物体固定具30の棒体32および吊り下げ物体2も第1免震装置10および第2免震装置10’により免震されつつ移動する。
【0031】
ここで、通常時は図6(a)のようにばね134,135の作用により、上側免震部11が図6(a)で示すようなホームポジションに位置して安定しているものとする。
そして、図6(b)のように天井部3の揺れ方向に震動が加わった場合、取り付け金具20および二個の下側免震部12は天井部3の揺れ方向と同じ方向に移動するが、二個の上側免震部11はスライド装置13により滑るため地球を基準に見たとき元の位置に留まったままになる。これは、部屋の中では二個の上側免震部11・吊り下げ物体固定具30・吊り下げ物体2が揺れ方向と反対方向に移動するように見える。
【0032】
しかしながら、図6(b)のように下側免震部12に対して上側免震部11が移動した場合には、ばね134,135が伸縮することで、上側免震部11が図6(a)で示すようなホームポジションへ戻るように作用する。このように移動方向とは反対方向に力が加わるため、吊り下げ物体2は殆ど揺れない。この力は下側免震部12のホームポジションから上側免震部11が離れるように移動すればするほど強くなるため、孔21に棒体32が接触することなく免震されることとなる。
【0033】
また、図示しないが第1免震部10および第2免震部10’のスライド装置13は、スライド部131a,132aに対してガイドレール部131b,132bがスライドするが、その移動限界まで移動したときにこれ以上移動できないようなストッパが設けてある。このストッパ当接時に取り付け金具20の孔21と棒体32とが非接触となるようにしてあり、取り付け金具20の孔21と棒体32とは確実に衝突を回避するようになされている。
このように水平方向については、十分な免震効果がある。
【0034】
また、図示しないが上下に移動する垂直動の地震があった場合でもスライド部131a,132aをガイドレール部131b,132bから大幅に離れないようにして垂直動しない構成とすれば、垂直動に対して吊り下げ物体2は棒体32等に拘束されるため、垂直動による移動が抑制される。また、機械的な遊び等により震動が伝わるが、ばね134,135の作用により、垂直方向の揺れも抑制される。このため、吊り下げ物体2に不用意な力が加わる事態を回避する。少なくとも従来技術のように飛び上がるような事態は確実に回避される。
これら吊り下げ物体免震装置1から吊り下げられた吊り下げ物体2は水平方向および垂直方向(特に水平方向の免震機能が高い)で免震されることとなる。
【0035】
続いて、本発明の吊り下げ物体免震装置の他の形態について図を参照しつつ以下に説明する。図7は他の形態の吊り下げ物体免震装置の説明図であり、図7(a)は通常時の第1,第2免震装置の位置の説明図、図7(b)は第1,第2免震装置の免震動作の説明図である。
吊り下げ物体免震装置1’は、図7で示すように、第1免震装置10、第2免震装置10’、吊り下げ物体固定具30を備えている。本形態では前記の取り付け金具20を使用しないこととなる以外は同じ構成を用いるものであり、同じ符号を付すとともに重複する説明を省略する。
【0036】
先に図1〜図6を用いて説明した形態では天井板がない場合であって天井部3に直接的に取り付け金具20を固定する構成であったが、本形態は天井板4が有る場合である。例えば、図7(a)で示すようにマンションなど床スラブの下面となる天井部3に他の天井板4が設けられている場合に、天井裏には、基本的には軽量鉄骨(図示せず)およびその軽量鉄骨を固定するための天井梁5が存在し、これらに天井板4を固定する。本形態では天井梁5に吊り下げ物体免震装置1の二個の下側免震部12を取り付け、棒体32を天井板4の孔41を貫通させつつ、この棒体32が吊り下げ物体2を吊り下げる、というものである。また、最終仕上げとして天井板4に美観を向上させるため、布や樹脂で囲い飾りを付ける。
【0037】
免震効果については第1免震装置10および第2免震装置10’によるものであって先に説明したため、重複する説明を省略する。
このような吊り下げ物体免震装置1’でも吊り下げ物体2は水平方向および垂直方向で免震されることとなる。
【0038】
続いて、本発明の吊り下げ物体免震装置の他の形態について図を参照しつつ以下に説明する。図8は他の形態の吊り下げ物体免震装置の説明図であり、図8(a)は通常時の第1,第2免震装置の位置の説明図、図8(b)は第1,第2免震装置の免震動作の説明図である。
吊り下げ物体免震装置1”は、図8で示すように、第1免震装置10、第2免震装置10’、取り付け金具20、吊り下げ物体固定具30を備えている。本形態では図1〜図6を用いて説明した吊り下げ物体免震装置1と同じ構成を用いるものであり、同じ符号を付すとともに重複する説明を省略する。
【0039】
先に図7を用いて説明した形態では天井板4の天井梁5に直接的に固定する構成であったが、本形態ではマンションなど床スラブの下面となる天井部3に他の天井板4が設けられているが天井裏に梁が無い場合である。本形態では天井部3および天井板4に吊り下げ物体免震装置1”の取り付け金具20を取り付け、棒体32を取り付け金具20の孔21および天井板4の孔41を貫通させつつ、この棒体32が吊り下げ物体2をつるす、というものである。また、最終仕上げとして天井板4に美観を向上させるため、布や樹脂で囲い飾りを付ける。
【0040】
免震効果については第1免震装置10および第2免震装置10’によるものであって先に説明したため、重複する説明を省略する。
このような吊り下げ物体免震装置1”でも吊り下げ物体2は水平方向および垂直方向で免震されることとなる。
【0041】
以上、本発明の免震装置1,1’,1”について説明した。なお、免震装置10ではスライド装置13を2個並べた構成について説明したが、3個以上のスライド装置13を並べる構成としても良い。
【0042】
また、上記の第1免震装置10や第2免震装置10’に代えてボールベアリングコロ方式、ダンパー、ばね、ワイヤー方式を採用することができるが、垂直方向や水平方向の免震や孔へ衝突しないようにする機能が採用可能なことから、上記の第1免震装置10や第2免震装置10’の採用が好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明を実施するための最良の形態の吊り下げ物体免震装置の説明図である。
【図2】第1,第2免震装置の構成図である。
【図3】第1,第2免震装置の構成図である。
【図4】スライド装置による移動方向およびばね付勢方向の説明図である。
【図5】スライド装置の構成図である。
【図6】吊り下げ物体免震装置の免震の説明図であり、図6(a)は通常時の位置の説明図、図6(b)は免震動作の説明図である。
【図7】他の形態の吊り下げ物体免震装置の説明図であり、図7(a)は通常時の第1,第2免震装置の位置の説明図、図7(b)は第1,第2免震装置の免震動作の説明図である。
【図8】他の形態の吊り下げ物体免震装置の説明図であり、図8(a)は通常時の第1,第2免震装置の位置の説明図、図8(b)は第1,第2免震装置の免震動作の説明図である。
【符号の説明】
【0044】
1,1’,1”:吊り下げ物体免震装置
2:吊り下げ物体
3:天井部
4:天井板
5:天井梁
10:免震装置
11:上側免震部
111:上面パネル
121:上面フレーム
12:下側免震部
121:下面フレーム
122:下面シート
13:スライド装置
131:上側スライドガイド
131a:スライド部
131b:ガイドレール部
132:下側スライドガイド
132a:スライド部
132b:ガイドレール部
133:連結プレート
134:ばね
135:ばね
20:取り付け金具
30:吊り下げ物体固定具
31:板体
32:棒体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下側免震部と、下側免震部に固定されて水平方向に移動可能になされたスライド装置と、スライド装置に固定されて下側免震部に対してスライド可能になされた上側免震部と、を有する第1免震装置と、
下側免震部と、下側免震部に固定されて水平方向に移動可能になされたスライド装置と、スライド装置に固定されて下側免震部に対してスライド可能になされた上側免震部と、を有する第2免震装置と、
第1免震装置と第2免震装置とに渡されるように固定され、吊り下げ物体を吊り下げる吊り下げ物体固定金具と、
を備え、下側から支えられる第1免震装置と第2免震装置の下側免震部に対して、吊り下げ物体固定金具により連結された第1免震装置と第2免震装置の上側免震部が一体に移動して、吊り下げ物体固定金具とともに吊り下げ物体を免震することを特徴とする吊り下げ物体免震装置。
【請求項2】
請求項1に記載の吊り下げ物体免震装置において、
天井に取り付けられ、第1免震装置と第2免震装置の下側免震部を下側から支える取り付け金具を備えることを特徴とする吊り下げ物体免震装置。
【請求項3】
請求項1に記載の吊り下げ物体免震装置において、
第1免震装置と第2免震装置の下側免震部は、天井板の天井梁に取り付けられることを特徴とする吊り下げ物体免震装置。
【請求項4】
請求項1に記載の吊り下げ物体免震装置において、
天井部および天井板に取り付けられるとともに、第1免震装置と第2免震装置の下側免震部を下側から支える取り付け金具を備えることを特徴とする吊り下げ物体免震装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項4の何れか一項に記載の吊り下げ物体免震装置において、
第1免震部と第2免震部のスライド装置がその移動限界まで移動したときに、取り付け金具または天井板の孔と非接触を維持しつつ停止することを特徴とする吊り下げ物体免震装置。
【請求項6】
請求項1〜請求項5の何れか一項に記載の吊り下げ物体免震装置において、
第1免震部と第2免震部のスライド装置は、
下側免震部にガイドレール部が取り付けられてスライド部が水平面と略平行な一軸方向に移動する下側スライドガイドと、
下側スライドガイドのスライド部の移動方向に対し略垂直方向であって水平面と略平行に移動するようにスライド部が取り付けられ、かつガイドレール部が上側免震部に取付けられる上側スライドガイドと、
上側スライドガイドと下側スライドガイドのスライド部の移動に応じて伸縮するように取り付けられ、上側免震部と下側免震部とを所定位置にあるように付勢するばねと、
を備えることを特徴とする吊り下げ物体免震装置。
【請求項7】
請求項6に記載の吊り下げ物体免震装置において、
第1免震装置と第2免震装置は、複数のスライド装置を並べて配置するものであり、これら複数のスライド装置のそれぞれの上側スライドガイドのスライド方向を一致させ、かつ複数のスライド装置のそれぞれの下側スライドガイドのスライド方向を一致させることを特徴とする吊り下げ物体免震装置。
【請求項8】
請求項1〜請求項7の何れか一項に記載の吊り下げ物体免震装置において、
第1免震装置と第2免震装置の下側免震部の下側には、摩擦体となる下面シートが配置されることを特徴とする吊り下げ物体免震装置。
【請求項9】
請求項8に記載の吊り下げ物体免震装置において、
第1免震装置と第2免震装置の下側免震部は、下面シートの上に下面フレームを固着した構造であることを特徴とする吊り下げ物体免震装置。
【請求項10】
請求項1〜請求項9の何れか一項に記載の吊り下げ物体免震装置において、
第1免震装置と第2免震装置の上側免震部は、上面フレームに上面パネルを固着した構造であることを特徴とする吊り下げ物体免震装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate