説明

吊下げ式揮散剤容器

【課題】容易且つ安価にデザインの変更を行うことができる、新規の吊下げ式揮散剤容器を提供する。
【解決手段】本発明は、フランジ部2a2を形成して揮散剤を配置した揮散剤パック2と、揮散剤パック2をフランジ部2a2に沿って取り囲む枠体3aを有して枠体3aにパック2が配置されるホルダ3と、ホルダ3を保持する外装カバー4を備え、ホルダ3は、枠体3aの内側に、パック2の左右両側に配置されたフランジ部2a2-1,2a2-2を押える2つの張り出し部3bと、張り出し部3bととともにパック2の下側に配置されたフランジ部2a2-1を挿し込み可能な隙間C1を形成する爪部3cを有するとともに、枠体3aの外側に、上側に向かって起立するフック部3eと、上下方向に延在して左右方向に変形及び復元が可能な2つの板ばね部3fを有し、外装カバー4は、ホルダ3に設けた板ばね部3fの変形及び復元を利用して、ホルダ3を上方に向かってスライドさせることにより、当該ホルダ3を保持する側壁4cを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、芳香剤、消臭剤又は防虫剤等の揮散剤を吊り下げて使用することができる吊下げ式揮散剤容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の吊下げ式揮散剤容器には、薬剤を収納した薬剤収納容器と、フック部が設けられた容器本体とを別体として構成することにより、容器本体の側面に形成された挿脱口を通して薬剤収納容器をセットするものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−182240号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の吊下げ式揮散剤容器は、容器本体にフック部が一体に設けてあるため、デザイン(外観形状)にバリエーション(変化)を持たせようとすると、容器本体全体の変更が必要となるとともに、コストの上昇が懸念される。このため、従来の吊下げ式揮散剤容器では、バリエーションの自由度が小さく、デザインが画一的になりがちであった。
【0005】
本発明の目的とするところは、容易且つ安価にデザインの変更を行うことができる、新規の吊下げ式揮散剤容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の吊下げ式揮散剤容器は、2つの部材の縁部を合せることでフランジ部を形成するとともに、当該部材の間に形成した空間に揮散剤を配置した揮散剤パックと、揮散剤パックをフランジ部に沿って取り囲む開口部を形成する枠体を有し、当該枠体の開口部に揮散剤パックが配置される揮散剤パックホルダと、当該揮散剤パックホルダを保持する外装カバーを備え、
揮散剤パックホルダは、その枠体の内側に、揮散剤パックの左右両側に配置されたフランジ部を押える2つの張り出し部と、当該張り出し部ととともに揮散剤パックの下側に配置されたフランジ部を挿し込み可能な隙間を形成する爪部を有するとともに、
当該枠体の外側に、上側に向かって起立するフック部と、上下方向に延在して左右方向に変形及び復元が可能な2つの板ばね部を有し、
外装カバーは、揮散剤パックホルダに設けた板ばね部の変形及び復元を利用して、揮散剤パックホルダを上方または下方に向かってスライドさせることにより、当該揮散剤パックホルダを保持する側壁を有することを特徴とするものである。
【0007】
揮散剤パックホルダは、枠体の内側に、爪部と対向する位置に配置されるとともに張り出し部との間に隙間を形成し、揮散剤パックの上側に配置されたフランジ部を2つの張り出し部との間で保持する隆起部を設けることができる。
【0008】
本発明では、揮散剤パックホルダに摘み部を設けることが好ましい。
【0009】
外装カバーの内側には、揮散剤パックを保持した揮散剤パックホルダのスライドを案内するガイド突起を設けることができる。また、外装カバーの内側には、揮散剤パックを保持した揮散剤パックホルダを揮散面側に指向させるための邪魔板を設けることができる。
【0010】
外装カバーは、貫通孔が形成された中空のカバーとすることができる。また、外装カバーは、揮散剤パックホルダの揮散側が開放された半割りのカバーとすることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明では、フック部が設けられた揮散剤パックホルダによって揮散剤パックを保持したのち、この揮散剤パックを保持した揮散剤パックホルダを、外装カバーの下方又は上方からスライドさせることで、吊下げ式揮散剤容器として組み立てることができる。外装カバーにはフック部が存在しないため、外装カバーの設計変更が容易で、デザインの自由度を高めることができる。これにより、外装カバーを交換するだけで、吊下げ式揮散剤容器のデザイン変更を行うことができる。
【0012】
また、揮散剤パックは、その下側に配置されたフランジ部を、揮散剤パックホルダの2つの張り出し部と爪部との間に形成された隙間に斜めに挿し込んだのち、2つの張り出し部に向かって枠体内に押し込むだけで、揮散剤パックホルダに対して取り外し可能に固定することができる。
【0013】
更に、揮散剤パックを保持した揮散剤パックホルダは、その板ばね部の変形及び復元を利用して、外装カバーの側壁に沿って上方または下方にスライドさせるだけで、外装カバーに対して取り外し可能に固定することができる。
【0014】
加えて、外装カバーにフック部が存在しない分、外装カバーの簡素化が図れるため、外装カバー全体を設計変更しても、コストの上昇を抑えることができる。
【0015】
従って、本発明によれば、吊下げ式揮散剤容器のデザイン変更を容易且つ安価に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の吊下げ式揮散剤容器の第1の形態である、吊下げ式収納空間用芳香剤を揮散面側から示す正面図である。
【図2】同形態を背面側から示す斜視図である。
【図3】同形態に係る、揮散剤パック付き揮散剤パックホルダを示す背面図である。
【図4】同形態を背面から示す分解斜視図である。
【図5】同形態に係る、揮散剤パックホルダに揮散剤パックを組み付ける直前の状態を示す斜視図である。
【図6】同形態に係る、揮散剤パックホルダに揮散剤パックを組み付けた状態を示す斜視図である。
【図7】同形態の背面図である。
【図8】図7のX−X断面図である。
【図9】(a)は図7のY−Y断面図であり、(b)は、図7のZ−Z断面図である。
【図10】第1の形態の変形例である、吊下げ式収納空間用芳香剤を背面側から示す斜視図である。
【図11】同変形例を背面側から示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本発明の吊下げ式揮散剤容器の様々な形態を詳細に説明する。
【0018】
図1にて、符号1は、本発明の第1の形態である、吊下げ式収納空間用芳香剤(以下、「吊下げ式芳香剤」)である。吊下げ式芳香剤1は、ゼリータイプの芳香剤Cs(図8参照)を揮散剤として、クローゼット等の収納空間に配置されたハンガーパイプに吊り下げて使用する。吊下げ式芳香剤1には、複数の揮散孔A1が形成されている(図面では、代表的に1箇所のみ表示)。また、吊下げ芳香剤1の背面には、図2に示すように、芳香剤Csの残量を確認するための残量確認用の窓Wが形成されている。
【0019】
図3には、揮散剤パック2とともに揮散剤パックホルダ3が図示されている。図4に示す符号2aは、揮散剤パック2の一の部材としての、透明な樹脂からなる揮散剤収納体である。揮散剤収納体2aは、芳香剤Csを格納する格納部2a1と、芳香剤Csの収納開口部を取り囲む縁部2a2からなる。縁部2a2には、通気シート2bを固定することで、芳香剤Csの配置空間を形成するとともに揮散剤パック2を構成する。このとき、縁部2a2は、揮散剤パック2の他の部材としての、通気シート2bとともにフランジ部(以下、「フランジ部2a2」として総称)を形成する。
【0020】
一方、揮散剤パックホルダ3は、開口部A2を形成する枠体3aを有する。枠体3aは、図3に示すように、揮散剤パック2をフランジ部2a2に沿って取り囲み、揮散剤パック2は、枠体3aの開口部A2に配置される。
【0021】
枠体3aの内側には、左右両側にそれぞれ、張り出し部3bが一体に設けられている。2つの張り出し部3bはそれぞれ、同図の仮想線に示すように、枠体3aの上下方向全体に亘って設けられている。張り出し部3bはそれぞれ、同図に示すように、揮散剤パック2の左右両側に配置されたフランジ部2a2-1及び2a2-2を押える。これにより、揮散剤パック2は、張り出し部3b側からは抜け落ちることがない。
【0022】
また、枠体3aの内側には、その下側に、爪部3cが一体に設けられている。爪部3cは、図4に示すように、2つの張り出し部3bよりも手前側にオフセット配置されることで、張り出し部3bとの間に隙間C1を形成する。隙間C1には、2つの張り出し部3bとともに揮散剤パック2の下側に配置されたフランジ部2a2-3を挿し込むことができる。これにより、揮散剤パック2は、図5に示すように、その下側に配置されたフランジ部2a2-3を、2つの張り出し部3bと爪部3cとの間に形成された隙間C1に斜めに挿し込んだのち、図6に示すように引き起こして2つの張り出し部3bとともに枠体3aに合せるだけで、揮散剤パックホルダ3に対して取り外し可能に保持することができる。
【0023】
なお、本形態では、枠体3aの内側には、図3の如く、その上側に、爪部3cと対向するように、隆起部3dが一体に設けられている。隆起部3dも、爪部3cと同様、2つの張り出し部3bよりも手前側にオフセット配置されることで、張り出し部3bとの間に隙間C1を形成する。隙間C1には、2つの張り出し部3bとともに揮散剤パック2の上側に配置されたフランジ部2a2-4を挿し込むことができる。これにより、隆起部3dは、爪部3cを起点にした揮散剤パック2の引き起こしにより、当該揮散剤パック2の上側に配置されたフランジ部2a2-4が乗り越えつつ、2つの張り出し部3bとの間に配置されることで、当該2つの張り出し部3bとの間で取り外し可能に保持することができる。
【0024】
また、枠体3aの外側には、その上側に、上側に向かって起立するフック部3eが一体に設けられている。これにより、揮散剤パック2とともに揮散剤パックホルダ3をクローゼットのハンガーパイプ等に吊り下げることができる。
【0025】
更に、枠体3aの外側には、その左右両側にそれぞれ、板ばね部3fが一体に設けられている。2つの板ばね部3fはそれぞれ、枠体3a上下方向に延在するとともに、図4に示すように、枠体3aよりも手前側にオフセット配置されている。これにより、2つの板ばね部3fはそれぞれ、枠体3aに対して左右方向に変形及び復元が可能になる。
【0026】
加えて、2つの板ばね部3fはそれぞれ、枠体3aよりも外側に隙間C2だけ膨出している(更に詳細には図3を参照)。これにより、枠体3aは、2つの板ばね部3fを内側に変形させたときの復元力(反発力)によって位置決めすることができる。なお、本形態では、2つの板ばね部3fにそれぞれ、突起3pを一体に設けることで、上下方向にスライドさせたときの摺動抵抗を抑制しつつ、強固な位置決めを可能にしている。
【0027】
図4にて、符号4は、揮散剤パック2とともに揮散剤パックホルダ3を収納する外装カバーである。外装カバー4は、上述のとおり、正面側の揮散側面壁4aには複数の揮散孔A1が形成されている一方、背面側の表示側面壁4bには、残量確認用の窓Wが形成されている。
【0028】
また、外装カバー4は、貫通孔が形成された中空のカバーである。貫通孔は、上下方向に沿って、その下側に形成された挿入口A3と、その上側に形成された開放口A4とを通じさせる。
【0029】
外装カバー4は、図8に示すように、その下側に形成された挿入口A3を通して、揮散剤パック2とともに揮散剤パックホルダ3を挿入したのち、その上側に形成された開放口A4を通してフック部3eを突出させることができる。また、外装カバー4を形作る2つの側壁4cの内面間(貫通孔)の横幅は、揮散剤パックホルダ3の横幅よりも狭く設定されている。これにより、揮散剤パック2を保持した揮散剤パックホルダ3は、揮散剤パックホルダ3に設けた板ばね部3fの変形及び復元を利用することで、外装カバー4の側壁4cの内面を押圧しつつ、開放口A4に向かってスライドさせることができる。
【0030】
本発明では、上述のとおり、板ばね部3fが側壁4cの内面を押圧することで生じる復元力だけを利用して、揮散剤パック2を保持した揮散剤パックホルダ3を位置決めすることも可能であるが、本形態では、図9(a)に示すように、側壁4cの内面にそれぞれ、凹部4nを形成している。凹部4nはそれぞれ、板ばね部3fに設けた突起3pが引っ掛かる位置決め用の凹部として機能している。これにより、揮散剤パック2を保持した揮散剤パックホルダ3を挿入口A3と開放口A4との間に形成された空間Sに収納することができる。
【0031】
更に、外装カバー4は、図8に示すように、揮散側面壁4a及び表示側面壁4bの内面(裏面)にそれぞれ、ガイド突起4d1及び4d2が一体に設けられている。ガイド突起4d1及び4d2はそれぞれ、同図に示すように、上下方向に延在する。揮散側面壁4aの内面側に設けられたガイド突起4d1は、図9に示すように、揮散剤パックホルダ3の張り出し部3bをスライド可能に保持し、表示側面壁4bの内面側に設けたガイド突起4d2は、揮散剤パック2の揮散剤収納体2aをスライド可能に保持する。これにより、揮散剤パック2を保持した揮散剤パックホルダ3が外装カバー4内でスライドするとき、当該外装カバー4内でガタ付くことなく、容易に収納することができる。
【0032】
更に、表示側面壁4bの内面には、図9に示すように、2つのガイド突起4d2を挟み込むように、当該ガイド突起4d2の外側に、2つの邪魔板4eが一体に設けられている。2つの邪魔板4eは、同図に示すように、揮散剤パック2の揮散剤収納体2aと干渉しない位置に配置されている。
【0033】
揮散剤パック2を保持した揮散剤パックホルダ3は、同図に示すように、揮散剤収納体2aを表示側面壁4bと対向する向きにして挿入すると、揮散剤収納体2aが2つの邪魔板4eと干渉することなく外装カバー4内に収納できる一方、揮散剤収納体2aを揮散側面壁4aと対向する向きにして挿入すると、2つの邪魔板4eが揮散剤パックホルダ3の枠体3aと干渉することで挿入できない。これにより、揮散剤パック2を保持した揮散剤パックホルダ3を外装カバー4にセットするときは常に、揮散剤パック2の揮発面(揮発シート2b)を揮発孔A1に指向させた状態にセットすることができる。
【0034】
本発明では、フック部3eが設けられた揮散剤パックホルダ3によって揮散剤パック2を保持したのち、この揮散剤パックホルダ3を、外装カバー4の下方からスライドさせることで、吊下げ式芳香剤1として組み立てることができる。外装カバー4にはフック部3eが存在しないため、外装カバー4の設計変更が容易で、デザインの自由度を高めることができる。これにより、外装カバー4を交換するだけで、吊下げ式芳香剤1のデザイン変更を行うことができる。
【0035】
また、揮散剤パック2は、その下側に配置されたフランジ部2a2-3を、揮散剤パックホルダ3の2つの張り出し部3bと爪部3cとの間に形成された隙間C1に斜めに挿し込んだのち、2つの張り出し部3bに向かって枠体3a内に押し込むだけで、揮散剤パックホルダ3に対して取り外し可能に固定することができる。
【0036】
更に、揮散剤パック2を保持した揮散剤パックホルダ3は、その板ばね部3fの変形及び復元を利用して、外装カバー4の側壁4cに沿って上方にスライドさせるだけで、外装カバー4に対して取り外し可能に固定することができる。
【0037】
加えて、外装カバー4にフック部3eが存在しない分、外装カバー4の簡素化が図れるため、外装カバー4全体を設計変更しても、コストの上昇を抑えることができる。
【0038】
従って、本発明によれば、吊下げ式芳香剤1のデザイン変更を容易且つ安価に行うことができる。なお、本形態では、揮散剤パックホルダ3に摘み部3gが一体に設けられている。このため、摘み部3gを持って下向きに引っ張れば、揮散剤パックホルダ3を揮散剤パック2とともに容易に取り出すことができる。これにより、外装カバー4の交換を更に容易に行うことができる。
【0039】
また、揮散剤パック2を保持した揮散剤パックホルダ3は、本形態のように、外装カバー4の下側から挿入する構成とすれば、開放口A4の横幅を揮散剤パックホルダ3の横幅よりも小さくすることで、吊り下げ時に外装カバー4のみが脱落することの防止に有効である。但し、本発明によれば、外装カバー4の上側から、揮散剤パック2を保持した揮散剤パックホルダ3を挿入することも可能である。
【0040】
図10は、本発明の第1の形態の変形例である、吊下げ式芳香剤10を示す。本変形例では、外装カバー4は、表示側面壁4bと側壁4cからなる半割りのカバーである。本変形例に関し、以下に説明する以外の部分については、第1の形態と同様であるため、実質的に同一の部分については、同一の符号をもって、その説明を省略する。
【0041】
本変形例において、外装カバー4は揮散側(正面側)が開放されている。このため、開放口A4は図11に示すように、切り欠き部として構成されている。また、表示側面壁4bには、揮散剤パック2の格納部2a1を収納するため、収納凸部4b1が形成されている。このため、挿入口A3も、側壁4cとともに収納凸部4b1の断面形状として形作られた切り欠き部として構成されている。これにより、第1の形態と同様、揮散剤パック2を保持した揮散剤パックホルダ3を外装カバー4の下側からスライドさせることで組み付けることができる。
【0042】
揮散剤パック2を保持した揮散剤パックホルダ3を収納すると、揮散剤パック2の揮散面は、外装カバー4から露出する。本形態では、図11に示すように、揮散剤パックホルダ3の枠体3aの内側には、仕切壁3hが形成されている。仕切壁3hには、複数の揮散孔A1が形成されている(図面では、代表的に1箇所のみ表示)。これにより、揮散剤パック2の揮散面(通気シート2b)が外界に露出することがない。
【0043】
また、本変形例も、第1の形態と同様、板ばね部3fが側壁4cの内面を押圧することで生じる復元力だけを利用して、揮散剤パック2を保持した揮散剤パックホルダ3を位置決めすることも可能であるが、本形態では、外装カバー4の側壁4cには、位置決め用の凹部4nに換えて、開口部A5が形成されている。開口部A5はそれぞれ、板ばね部3fに設けた突起3pが引っ掛かる位置決め用の開口部として機能している。これにより、揮散剤パック2を保持した揮散剤パックホルダ3を挿入口A3と開放口A4との間に収納することができる。
【0044】
上述したところは、本発明の一形態を示したにすぎず、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。例えば、外装カバー4の形態は、そのデザイン変更によって様々なものを採用することができ、残量確認用の窓Wの有無も任意である。また、揮散剤パック2の通気シート2bは、通気性のあるものであれば、繊維質材料、多孔質材料等、様々なものを適用することができる。更に、通気シート2bには、上述した仕切壁3hのように、合成樹脂製のシート材等、保形性のあるシート材に通気孔を形成したものを採用することができる。即ち、揮散剤パック2は、フランジ部2a2を有するものであれば、様々なものを採用することができる。このため、揮散剤パック2は、例えば、2つの揮散剤収納体2aを合せて構成することも可能である。更に、各形態の構成中に採用される要素は、適宜、転用等を行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明は、芳香剤に限定されることなく、消臭剤や防虫剤等の揮散剤を吊り下げて使用することを目的とするものであれば、様々な吊下げ式揮散剤容器に適用することができる。
【符号の説明】
【0046】
1 吊下げ式収納空間用式芳香剤(第1の形態)
2 揮散剤パック
2a 揮散剤収納体
2a1 (揮散剤)格納部
2a2 フランジ部(縁部)
2a2-1 左右フランジ部
2a2-2 左右側側フランジ部
2a2-3 下側フランジ部
2a2-4 上側フランジ部
2b 通気シート
3 揮散剤パックホルダ
3a 枠体
3b 張り出し部
3c 爪部
3e フック部
3f 板ばね部
3p 突起部(板ばね部)
3g 摘み部
4 外装カバー
4a 揮散側面壁
4b 表示側面壁
4b1 収納凸部(揮散剤格納部収納用)
4c 側壁
4d1 (正面側)ガイド突起
4d2 (背面側)ガイド突起
4e 邪魔板
4n 位置決め用凹部
10 吊下げ式収納空間用式芳香剤(第2の形態)
A1 揮散孔
A2 枠体開口部
A3 挿入口
A4 開放口
A5 位置決め用開口部
C1 隙間(フランジ部挿し込み用)
C2 隙間(板ばね部)
W 残量確認用窓部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの部材の縁部を合せることでフランジ部を形成するとともに、当該部材の間に形成した空間に揮散剤を配置した揮散剤パックと、
揮散剤パックをフランジ部に沿って取り囲む開口部を形成する枠体を有し、当該枠体の開口部に揮散剤パックが配置される揮散剤パックホルダと、
当該揮散剤パックホルダを保持する外装カバーを備え、
揮散剤パックホルダは、その枠体の内側に、揮散剤パックの左右両側に配置されたフランジ部を押える2つの張り出し部と、当該張り出し部ととともに揮散剤パックの下側に配置されたフランジ部を挿し込み可能な隙間を形成する爪部を有するとともに、
当該枠体の外側に、上側に向かって起立するフック部と、上下方向に延在して左右方向に変形及び復元が可能な2つの板ばね部を有し、
外装カバーは、揮散剤パックホルダに設けた板ばね部の変形及び復元を利用して、揮散剤パックホルダを上方または下方に向かってスライドさせることにより、当該揮散剤パックホルダを保持する側壁を有することを特徴とする吊下げ式揮散剤容器。
【請求項2】
請求項1において、揮散剤パックホルダは、枠体の内側に、爪部と対向する位置に配置されるとともに張り出し部との間に隙間を形成し、揮散剤パックの上側に配置されたフランジ部を2つの張り出し部との間で保持する隆起部を設けたことを特徴とする吊下げ式揮散剤容器。
【請求項3】
請求項1又は2において、揮散剤パックホルダに摘み部を設けたことを特徴とする吊下げ式揮散剤容器。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項において、外装カバーの内側に、揮散剤パックを保持した揮散剤パックホルダのスライドを案内するガイド突起を設けたことを特徴とする吊下げ式揮散剤容器。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項において、外装カバーの内側に、揮散剤パックを保持した揮散剤パックホルダを揮散面側に指向させるための邪魔板を設けたことを特徴とする吊下げ式揮散剤容器。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項において、外装カバーは、貫通孔が形成された中空のカバーであることを特徴とする吊下げ式揮散剤容器。
【請求項7】
請求項1乃至5のいずれか1項において、外装カバーは、揮散剤パックホルダの揮散側が開放された半割りのカバーであることを特徴とする吊下げ式揮散剤容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−94395(P2013−94395A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−239599(P2011−239599)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(000006909)株式会社吉野工業所 (2,913)
【Fターム(参考)】