吊子
【課題】負圧荷重などの負荷に対する強度を大きくしたにもかかわらず、折り曲げ加工により成形しやすく、また、屋根の防水性の低下を防止することができる吊子を提供する。
【解決手段】折板屋根材49を屋根材保持具69に取り付けるために用いられる吊子2に関する。該吊子2は吊子本体70と補強部材71とを備える。吊子本体70は屋根材保持具69と連結される立ち上がり部72と、立ち上がり部72の上端に形成されて折板屋根材49に係止される係止部19とからなる。補強部材71は吊子本体70の立ち上がり部72に接合して一体化される。吊子本体70の立ち上がり部72を補強部材71で補強することができる。
【解決手段】折板屋根材49を屋根材保持具69に取り付けるために用いられる吊子2に関する。該吊子2は吊子本体70と補強部材71とを備える。吊子本体70は屋根材保持具69と連結される立ち上がり部72と、立ち上がり部72の上端に形成されて折板屋根材49に係止される係止部19とからなる。補強部材71は吊子本体70の立ち上がり部72に接合して一体化される。吊子本体70の立ち上がり部72を補強部材71で補強することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折板屋根を形成する際に、折板屋根材をタイトフレームに取り付けるために用いられる吊子に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、屋根下地の上にタイトフレームを取り付け、このタイトフレームに折板屋根材を保持させることによって、複数の折板屋根材からなる折板屋根を形成することが行われている(例えば、特許文献1参照)。この場合、折板屋根材49は吊子2によりタイトフレームに連結されるものである。吊子2は鋼板等の金属板を折り曲げ加工して形成されるものであり、吊子2の下部をタイトフレームに連結し、吊子2の上部に設けた係止部19を折板屋根材49の被嵌合部54に係止するようにして折板屋根材49を取り付けるものである。また、図13(a)に示すように、折板屋根材49の被嵌合部54には他の折板屋根材49の嵌合部53を嵌合し、嵌合部53と被嵌合部54とを馳締めにより連結するようにしている。
【0003】
しかし、吊子2の強度が低いと、折板屋根材49にかかる負圧荷重などの負荷によって吊子2が変形し、図13(b)に示すように、嵌合部53と被嵌合部54との連結が外れるおそれがあった。
【0004】
そこで、このような吊子においては、負圧荷重等の負荷に対する強度を大きくするために、金属板の厚みを大きくすることが考えられるが、隣接する折板屋根材が馳締めにより連結される場合、馳締め部分に厚い吊子の係止部が存在することになり、馳締めが完全に行えずに屋根の防水性と強度が低下するおそれがあった。また、吊子2を折り曲げ加工により所定の形状に成形しにくくなるという問題があった。尚、図13には吊子2の上部を示し、吊子2としてはいわゆるスライド吊子やスライドしない一般的な吊子(固定吊子)のいずれも上記の問題を有している。
【特許文献1】特許第3288991号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、負圧荷重などの負荷に対する強度を大きくしたにもかかわらず、屋根の防水性や強度の低下を防止し、また、折り曲げ加工により成形しやすくすることができる吊子を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に係る吊子2は、折板屋根材49を屋根材保持具69に取り付けるために用いられる吊子2であって、該吊子2は吊子本体70と補強部材71とを備え、吊子本体70は屋根材保持具69と連結される立ち上がり部72と、立ち上がり部72の上端に形成されて折板屋根材49に係止される係止部19とからなり、補強部材71は吊子本体70の立ち上がり部72に接合して一体化されることを特徴とするものである。
【0007】
本発明の請求項2に係る吊子2は、請求項1において、立ち上がり部72は連結部77と突出部18とを備え、係止部19は突出部18に突設され、補強部材71は連結部77と突出部18に接合されて係止部19には接合されていないことを特徴とするものである。
【0008】
本発明の請求項3に係る吊子2は、請求項1又は2において、補強部材71は、かしめ或いは溶接により吊子本体70の立ち上がり部72に接合されることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
請求項1の発明では、吊子本体70の立ち上がり部72を補強部材71で補強することができ、負圧荷重などの負荷に対する強度を大きくして変形を防止することができるものであり、折板屋根材49の取り付け強度を高めることができるものである。また、吊子本体70と補強部材71とはそれぞれ別々に金属板等を折り曲げ加工して形成し、その後に一体化しているので、吊子本体70と補強部材71とを成形する際には折り曲げ加工を容易に行うことができ、負圧荷重などの負荷に対する強度を大きくしたにもかかわらず、折り曲げ加工により成形しやすいものである。しかも、係止部19には補強部材71を接触させないので、隣接する折板屋根材49、49を馳締めにより接続する場合にも、係止部19を容易に折り曲げて馳締めすることができ、馳締めを充分な強固に行うことができて屋根の防水性や強度の低下を防止することができるものである。
【0010】
請求項2の発明では、立ち上がり部72の連結部77と突出部18とを補強部材71で補強し、係止部19には補強部材71を接合しないようにしたので、係止部19を容易に折り曲げて馳締めすることができ、馳締めを充分強固に行うことができて屋根の防水性や強度の低下を防止することができるものである。
【0011】
請求項3の発明では、かしめ或いは溶接により補強部材71と吊子本体70の立ち上がり部72とを強固に接合して一体化することができ、負圧荷重などの負荷に対する強度をより大きくして変形を防止することができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
【0013】
図4に、本発明の吊子2を備えた断熱屋根用連結具Aを示す。この断熱屋根用連結具Aは、上側屋根材30と下側屋根材31との間を断熱空間32とする断熱性の高い断熱屋根を形成する際に、上側屋根材30と下側屋根材31とを離間させた状態で連結するために用いられるものである。このような断熱屋根としては二重折板屋根を例示することができ、この場合、上側屋根材30と下側屋根材31としては塗装鋼板や亜鉛めっき鋼板などの金属板をロール成形などで折り曲げて形成した折板屋根材49を用いることができる。このような断熱屋根用連結具Aは、サドル1、吊子2、断熱部材3を備えて形成することができる。サドル1はこの実施の形態において屋根材保持具69として形成されているものである。
【0014】
図1に示すように、本発明の吊子2は、吊子本体70と補強部材71及び連結部材73とを備えて形成されている。図2(b)に示すように、吊子本体70は溶融亜鉛めっき鋼板や塗装鋼板やステンレス鋼板等の金属板を折り曲げ加工して形成されるものであり、例えば、厚み0.6〜1.8mmの金属板を用いることができる。また、吊子本体70は、矩形板状の連結部77と、連結部77の下端部から側方に向かって略水平に突出する挿入部78と、連結部77の上端部から側方(挿入部78と反対側)に向かって略水平に突出する突出部18と、突出部18の先端から連結部77側に向かって斜め下方に突出する係止部19とを設けて形成されている。この連結部77と挿入部78と突出部18により、吊子2を屋根材保持具69と連結するための立ち上がり部72を形成することができる。尚、図2(a)に示すように、挿入部78の略中央部の一部を突出部18側に突出するように折り返して結合片78aを形成しても良い。
【0015】
図2(c)に示すように、補強部材71は溶融亜鉛めっき鋼板や塗装鋼板やステンレス鋼板等の金属板を折り曲げ加工して形成されるものであり、例えば、厚み0.35〜1.2mmの金属板を用いることができる。また、補強部材71は矩形板状の連結部補強部74と、連結部補強部74の上端から側方に向かって略水平に突出する突出部補強部75とを備えて断面略倒L字状に形成されている。
【0016】
連結部材73は溶融亜鉛めっき鋼板や塗装鋼板やステンレス鋼板等の金属板を折り曲げ加工して形成されるものであり、例えば、厚み0.6〜1.8mmの金属板を用いることができる。また、連結部材73は矩形板状に形成される底部76と、底部76の両方の長手端部から表面側に向かって折り返し屈曲して形成される一対の装着部17、17と、各装着部17の先端から上方に向かって略垂直に突出する一対の挟着部16、16と、底部76の両方の短辺端部から略水平に突出する一対の脱落防止部21、21とを備えて形成されている。
【0017】
そして、この実施の形態の吊子2は、上記の吊子本体70と補強部材71及び連結部材73とを接合して一体化することによって形成されている。吊子本体70と補強部材71とを接合するにあたっては、補強部材71の連結部補強部74を吊子本体70の連結部77の外面(突出部18が突出する側と反対側の表面)に沿わせて配置すると共に、補強部材71の突出部補強部75を吊子本体70の突出部18の上面に沿わせて配置し、この状態で突出部補強部75と突出部18との複数箇所をスポット溶接などの溶接で接合する。すなわち、係止部19には補強部材71を接合しないで、連結部77と突出部18とに補強部材71を接合する。尚、符号79は溶接部分を示す。上記において、溶接の代わりに、かしめにより接合しても良い。また、吊子本体70と補強部材71及び連結部材73とを接合するにあたっては、補強部材71を接合した吊子本体70の挿入部78を連結部材73の底部76と一方の装着部17との間に差し込んで配置すると共に、この吊子本体70の連結部77とその外面に沿わせた補強部材71の連結部補強部74とを連結部材73の一対の挟着部16、16の間に配置し、この後、挿入部78と連結部補強部74と一対の挟着部16、16とをかしめなどにより接合する。尚、かしめの代わりに、溶接により接合しても良い。符号20は、かしめにより形成される突起部である。このようにして上記の吊子本体70と補強部材71及び連結部材73とを接合して一体化することによって、吊子2を形成することができる。尚、吊子本体70の連結部77の上記とは異なる他方の外面(突出部18が突出する側の表面)に補強部材71の連結部補強部74を沿わせて配置すると共に、補強部材71の突出部補強部75を吊子本体70の突出部18の下面に沿わせて配置するようにしてもよい。また、吊子本体70に結合片78aを設けた場合は、補強部材71を接合した吊子本体70の挿入部78を連結部材73の底部76と一方の装着部17との間に差し込んで配置すると共に結合片78aを底部76と他方の装着部17との間に差し込んで配置し、この吊子本体70の連結部77とその外面に沿わせた補強部材71の連結部補強部74とを連結部材73の一対の挟着部16、16の間に配置し、この後、挿入部78と連結部補強部74と一対の挟着部16、16とをかしめなどにより接合する。
【0018】
図3(a)(b)に示すように、サドル1は一対のサドル半体10、10をボルトなどの結合具11で結合して形成されるものである。サドル半体10はステンレス鋼板やめっき鋼板や塗装鋼板などの金属板を折り曲げ加工して形成されるものであり、矩形板状の支持片12の上端に断面略半円弧状の保持部13を設けると共に支持板12の下端に載置片14を設けて形成されている。支持板12にはネジ孔44が形成されている。保持部13と載置片14とは共に支持板12の一方の表面よりも外側に突出している。また、一対のサドル半体10、10のうちの一方には馳締め係合部15が設けられている。馳締め係合部15は支持片12の下部に断面略つ字状に折り曲げ形成されており、保持部13や載置片14と同じ方向で支持板12の表面に突出して形成されている。
【0019】
断熱部材3はサドル1や吊子2よりも熱が伝わりにくい非伝熱性を有するものであり、例えば、ABS樹脂などのプラスチックの成形品で形成することができる。この断熱部材3は外形が略小判状の被保持部22と、被保持部22の上面にその長手方向の全長にわたって突設された一対のガイド片23、23とを備えて形成されている。また、被保持部22にはその長手方向の両端面と上面とに開口するガイド溝24が形成されている。被保持部22の上面におけるガイド溝24の開口は一対のガイド片23、23の間でガイド片23の長手方向に沿って形成されている。
【0020】
そして、断熱屋根用連結具Aは次のようにして形成することができる。サドル1は対向配置した一対のサドル半体10、10を結合具11で結合して形成するものである。このとき、一対のサドル半体10、10は支持板12、12の内面(保持部13や載置片14が突出する面と反対側の面)同士を合わせるようにし、ネジ孔44に結合具11を螺着することにより結合することができる。また、上記のように結合したサドル半体10、10の間には断熱部材3を挟持して保持する。このとき、サドル半体10の保持部13の内側に断熱部材3の被保持部22を嵌め込むようにし、対向するサドル半体10、10の保持部13、13の間に被保持部22を介在させるようにする。従って、対向する保持部13、13の上端間には断熱部材3のガイド片23、23が介在するものである。
【0021】
上記のようにしてサドル1と断熱部材3とを一体化した後、この断熱部材3に吊子2を取り付ける。このとき、図4に示すように、吊子2の底部76及び装着部17の部分をガイド溝24に差し込むと共に吊子2の挟着部16の部分を断熱部材3のガイド片23、23の間に位置させるようにするものであり、これにより、吊子2をスライド吊子としてサドル1及び断熱部材3に対して長手方向にスライド移動自在に取り付けることができる。また、ガイド溝24に底部76及び装着部17を差し込んだ状態で脱落防止片21を下方に向かって折り曲げる。これにより、脱落防止片21がガイド溝24の開口縁部に引っ掛かるようになって、底部76及び装着部17の部分をガイド溝24から抜けないようにすることができ、サドル1及び断熱部材3からの吊子2の脱落を防止することができる。
【0022】
上記のような断熱屋根用連結具Aを用いて断熱屋根として二重折板屋根を形成するにあたっては以下のようにして行う。断熱屋根を形成する上側屋根材30及び下側屋根材31としては、図5に示すような折板屋根材49を用いることができる。この折板屋根材49は塗装鋼板や亜鉛めっき鋼板などの金属板を折り曲げ加工して形成されるものであって、屋根の傾斜方向(流れ方向)に長尺に形成されるものである。また、折板屋根材49は断面略U字状に形成されており、平板状の谷部50と、その両側から斜め上方に向かって突出する連結山部51、51とを備えて形成されている。一方の連結山部51の上部は、谷部50と反対側に向かって突出する頂部片52と、頂部片52の端部から上方に向かって突出する断面略逆U字状の嵌合部53とから構成されている。また、他方の連結山部51の上部は、谷部50と反対側に向かって突出する頂部片52と、頂部片52の端部から上方に向かって突出する断面略逆L字状の被嵌合部54とから構成されている。そして、嵌合部53と被嵌合部54とを嵌合した後に馳締めすることにより、隣接する折板屋根材49、49の連結山部51、51同士を連結し、隣接する折板屋根材49、49を接続することができる。また、連結された連結山部51、51からなる山部55と谷部50とが交互に繰り返した折板屋根となる。
【0023】
そして、まず、梁や母屋などの屋根下地40の上にタイトフレーム41を溶接等で取り付ける。屋根下地40はH型鋼などで形成することができ、タイトフレーム41は塗装鋼板や亜鉛めっき鋼板などの金属板を折り曲げ成形などして形成することができる。次に、複数枚の折板屋根材49、49…を下側屋根材31として屋根の勾配方向(傾斜方向)と直交する方向に並べながら、上記タイトフレーム41の上側から屋根下地40の上に載置する。また、上記の下側屋根材31は屋根の勾配方向に並ぶ複数本の屋根下地40、40…の間にわたるようにして架設する。
【0024】
ここで、タイトフレーム41の隣り合う凸部65、65の間に下側屋根材31の谷部50が位置し、タイトフレーム41の凸部65の略半分の外面に沿って連結山部51が位置するようにして各下側屋根材31を配置する。また、タイトフレーム41の凸部65を挟んで隣接する下側屋根材31、31は、上記のように嵌合部53と被嵌合部54とを嵌合した後に馳締めすることにより、連結山部51、51同士を連結して接続するものであるが、馳締めの際に、タイトフレーム41の凸部65に設けた固定吊子48を嵌合部53と被嵌合部54の間に挟んだ状態で馳締めする。このようにして、固定吊子48及びタイトフレーム41を介して複数の折板屋根材49(下側屋根材31)を屋根下地40に連結して固定することによって、二重折板屋根の下側の折板屋根を形成することができる。
【0025】
上記のようにして下側の折板屋根を形成した後、下側の折板屋根の山部55の頂部に断熱屋根用連結具Aのサドル1を取り付ける。このとき、サドル1には断熱部材3が取り付けられているが、吊子2は取り付けられていない。また、サドル1は下側の折板屋根の山部55の頂部に形成された馳締め部(嵌合部53と被嵌合部54の馳締め部分)47をサドル半体10、10で挟持して取り付けることができる。すなわち、頂部片52の上にサドル半体10の載置片14を載せながら、馳締め部47の両側にサドル半体10、10を配置すると共に一方のサドル半体10に設けた馳締め係合部15に馳締め部47を差し込んで係合し、馳締め部47の上側においてサドル半体10、10の支持片12、12を貫通するように結合具11を螺合して締め付けることにより、馳締め部47をサドル半体10、10で挟持し、山部55の頂部にサドル1を取り付けることができる。また、サドル半体10、10の支持片12、12の下部と、結合した嵌合部53及び被嵌合部54とをビスやボルトなどの固定具46で連結してサドル1を固定することができる。
【0026】
上記のようにして下側の折板屋根に複数のサドル1、1…を取り付けた後、下側の折板屋根の上に断熱材56を配設する。断熱材56としてはロックウールやグラスウールなどの無機繊維体あるいはウレタンフォームやフェノールフォームなどの樹脂フォームを用いることができる。断熱材56は下側の折板屋根の上面全面にわたって敷き詰められる。また、下側の折板屋根に取り付けたサドル1はその保持部13よりも下側の部分が断熱材56で覆われた状態となり、保持部13及び断熱部材3は敷き詰めた断熱材56よりも上側に位置している。
【0027】
次に、一枚の折板屋根材49を上側屋根材30として断熱材56の上に載置する。このとき、上側屋根材30は下側屋根材31と同様に屋根の傾斜方向(流れ方向)を長尺方向として配置する。また、上側屋根材30の被嵌合部54は下側の折板屋根に取り付けた上記サドル1の側方に位置し、被嵌合部54の長手方向とガイド溝24の長手方向とガイド片23の長手方向とがほぼ平行な状態となる。
【0028】
次に、断熱材56に載置した上側屋根材30の被嵌合部54の下側に吊子2の係止部19を係止すると共にこの吊子2を上側屋根材30に近接して位置するサドル1の断熱部材3に差し込むことによって、サドル1と吊子2からなる断熱屋根用連結具Aに上側屋根材30を係止する。ここで、吊子2の長手方向の一方に形成した脱落防止片21は下側に向かって折り曲げられている。従って、吊子2は折り曲げていない脱落防止片21の方から断熱部材3のガイド溝24とガイド片23、23の間に差し込まれ、吊子2を断熱部材3に差し込んだ後、折り曲げていない方の脱落防止片21を下方に向かって折り曲げるようにする。尚、図6においては、断熱材56を図示省略している。
【0029】
次に、上記とは別の他の上側屋根材30をさらに断熱材56の上に載置し、上記吊子2に係止した上側屋根材30と隣接させる。そして、上記吊子2に係止した上側屋根材30の被嵌合部54及び吊子2の突出部18及び係止部19を、新たに載置した上側屋根材30の嵌合部53の内側に収納して嵌合し、この後に嵌合部53と被嵌合部54とを馳締めすることにより、隣接する上側屋根材30、30の連結山部51、51同士を連結して接続する。このとき、吊子2の係止部19も馳締めにより折り曲げることができる。
【0030】
このようにしてサドル1に対する吊子2の取り付けと、断熱材56への上側屋根材30の敷設とを交互に行うことによって、複数枚の上側屋根材30、30…が接続された上側の折板屋根を形成することができる。そして、図7に示すように、上側の折板屋根と下側の折板屋根の間は断熱材56が充填された断熱空間32として形成され、断熱性の高い二重折板屋根を形成することができる。また、上側の折板屋根は断熱屋根用連結具Aで下側の折板屋根に連結されて支持されるものである。
【0031】
本発明の吊子2は、図8(a)(b)に示すように、従来の吊子に相当する吊子本体70を補強部材71で補強するので、負圧荷重などの負荷に対する強度を大きくして変形を防止することができ、折板屋根材49の取り付け強度を高めることができる。また、吊子本体70と補強部材71とを別々に形成するので、吊子本体70を形成するのに厚い金属板を用いる場合に比べて、折り曲げ加工が行いやすく、成形しやすいものである。また、かしめ或いは溶接により補強部材71と吊子本体70の立ち上がり部72とを接合して一体化するので、補強部材71と吊子本体70の立ち上がり部72との密着性を上げて断面二次モーメントを大きくすることができ、負圧荷重などの負荷に対する変形をより効果的に防止することができるものである。しかも、補強部材71は吊子本体70の立ち上がり部72の表面にのみ沿わせて密着し、係止部19には補強部材71を接触させないようにしているので、隣接する折板屋根材49、49を馳締めにより接続する場合にも、隣接する折板屋根材49、49の嵌合部53と被嵌合部54との間に係止部19を介在させた状態で容易に折り曲げて馳締めすることができ、係止部19を馳締め部分に介在させても馳締めを充分強固に行うことができるものである。
【0032】
上記では、スライド移動するスライド吊子として使用される吊子2について説明したが、本発明の吊子2はタイトフレーム41に固定されて移動しない吊子(例えば、上記の固定吊子48)として形成することもできる。図10(b)、図11(b)に示す吊子2は、タイトフレーム41に固定して使用されるものであって、吊子本体70と補強部材71とを備えて形成されている。吊子本体70は上記と同様の金属板を折り曲げ加工して形成されるものであって、平面視で略台形に形成される固定部80と、固定部80の長辺端部から上方に向かって突出する連結部77と、連結部77の上端部から側方に向かって突出する突出部18と、突出部18の先端部から連結部77側に向かって斜め下方に突出する係止部19とを設けて形成されている。固定部80には上下に貫通する固定孔83が形成されている。この固定部80と連結部77と突出部18により、吊子2を屋根材保持具69と連結するための立ち上がり部72を形成することができる。この実施の形態ではタイトフレーム41を屋根材保持具69として用いている。
【0033】
また、補強部材71は上記と同様の金属板を折り曲げ加工して形成されるものであって、平面視で略台形に形成される固定部補強部82と、固定部補強部82の長辺端部から上方に向かって突出する連結部補強部74と、連結部補強部74の上端から側方に向かって突出する突出部補強部75とを備えて形成されている。固定部補強部82には上下に貫通する固定孔83が形成されている。
【0034】
そして、この実施の形態の吊子2は、上記の吊子本体70と補強部材71とを接合して一体化することによって形成されている。吊子本体70と補強部材71とを接合するにあたっては、図10(a)に示すように、補強部材71の連結部補強部74を吊子本体70の連結部77の一方の表面(突出部18が突出しない側の表面)に沿わせて配置すると共に、補強部材71の突出部補強部75を吊子本体70の突出部18の上面に沿わせて配置し、この後、図10(b)に示すように、突出部補強部75と突出部18とをスポット溶接などの溶接で接合すると共に連結部補強部74と連結部77とをスポット溶接などの溶接で接合する。また、図11(a)に示すように、補強部材71の連結部補強部74を吊子本体70の連結部77の一方の表面(突出部18が突出する側の表面)に沿わせて配置すると共に、補強部材71の突出部補強部75を吊子本体70の突出部18の下面に沿わせて配置し、この後、図11(b)に示すように、突出部補強部75と突出部18とをスポット溶接などの溶接で接合すると共に連結部補強部74と連結部77とをスポット溶接などの溶接で接合する。すなわち、係止部19には補強部材71を接合しないで、連結部77と突出部18とに補強部材71を接合する。尚、溶接の代わりに、かしめにより接合しても良い。
【0035】
そして、このような吊子2を用いて折板屋根を形成するにあたっては以下のようにして行う。まず、梁や母屋などの屋根下地40の上にタイトフレーム41を取り付ける。このタイトフレーム41の凸部65には吊子取付凹部65aが形成されている。次に、折板屋根材49を屋根の傾斜方向(流れ方向)を長尺方向として配置し、上記タイトフレーム41の上側から屋根下地40の上に載置する。ここで、タイトフレーム41の隣り合う凸部65、65の間に折板屋根材49の谷部50が位置し、タイトフレーム41の凸部65の略半分の外面に沿って連結山部51が位置するようにする。次に、タイトフレーム41の吊子取付凹部65aに上記の吊子2を取り付ける。この場合、吊子2の固定部80及び固定部補強部82に設けた固定孔83にボルトなどの固定具84を挿通し、この固定具84を吊子取付凹部65aの底面に結合する。また、吊子2の係止部19を上記折板屋根材49の被嵌合部54の下側に係止する。次に、上記とは別の他の折板屋根材49をさらに屋根下地40の上に載置し、上記吊子2に係止した折板屋根材49と隣接させる。そして、上記吊子2に係止した折板屋根材49の被嵌合部54及び吊子2の突出部18及び係止部19を、新たに載置した折板屋根材49の嵌合部53の内側に収納して嵌合し、この後に嵌合部53と被嵌合部54とを馳締めすることにより、隣接する折板屋根材49、49の連結山部51、51同士を連結して接続する。このとき、吊子2の係止部19も馳締めにより折り曲げることができる。このようにして吊子2の取り付けと折板屋根材49の敷設とを交互に行うことによって、図12に示すような複数枚の折板屋根材49、49…が接続された折板屋根を形成することができる。この実施の形態の吊子2、すなわちスライドしない固定用の吊子2においても、図8に示す上記と同様の効果を奏することができる。
【0036】
本発明の吊子2を用いて、馳締め部47の開き強度を測定すると、補強部材71の無い吊子本体70のみの場合(従来の吊子に相当)に比べて、約1.5倍の強度を発揮することができる。
【0037】
本発明の吊子2は、折板屋根材49との馳締め部分の強度が向上するにもかかわらず、馳締め時の施工性は従来と同等となる点に特徴を有するものである。すなわち、隣接する折板屋根材49、49と吊子2との馳締め部分において、補強部材71を用いないと、吊子本体70の突出部18が負圧等により持ち上がるように、連結部77と突出部18の境界部分が変形し、馳締め部分の強度が低下するおそれがあるが、本発明では、補強部材71を追加してスポット溶接やかしめなどで一体化することで、連結部77と突出部18の板厚を向上したのと同じ効果を得ることができる。また、馳締めは、折板屋根材49、49の被嵌合部54と嵌合部53と吊子2の係止部19とを一度に曲げ込むため、単純に吊子2の全体の板厚を上げると、充分な曲げ込み加工(馳折り加工)ができず、馳締め接合部分の強度が低下するおそれがあるが、本発明では、補強部材71により係止部19を直接補強しないので、係止部19も充分な曲げ込み加工を行うことができ、補強部材71を用いない従来の場合と同様の施工性を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示す斜視図である。
【図2】(a)(b)は同上の吊子本体を示す斜視図、(c)は同上の補強部材を示す斜視図である。
【図3】(a)(b)は同上のサドルを示す分解斜視図である。
【図4】同上のサドルと吊子を示す斜視図である。
【図5】同上の折板屋根材を示す斜視図である。
【図6】同上の吊子を用いた二重折板屋根の施工途中を示す斜視図である。
【図7】同上の吊子を用いた二重折板屋根を示す断面図である。
【図8】(a)は同上の吊子を示す概略図、(b)は同上の吊子を用いた折板屋根を示す概略図である。
【図9】同上の他の実施の形態の一例を示し、(a)は補強部材を示す斜視図、(b)は吊子本体を示す斜視図である。
【図10】(a)は同上の分解した斜視図、(b)は同上の斜視図である。
【図11】(a)は同上の分解した斜視図、(b)は同上の斜視図である。
【図12】同上の吊子を用いた折板屋根を示す断面図である。
【図13】(a)(b)は従来例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0039】
2 吊子
19 係止部
49 折板屋根材
69 屋根材保持具
70 吊子本体
71 補強部材
72 立上がり部
【技術分野】
【0001】
本発明は、折板屋根を形成する際に、折板屋根材をタイトフレームに取り付けるために用いられる吊子に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、屋根下地の上にタイトフレームを取り付け、このタイトフレームに折板屋根材を保持させることによって、複数の折板屋根材からなる折板屋根を形成することが行われている(例えば、特許文献1参照)。この場合、折板屋根材49は吊子2によりタイトフレームに連結されるものである。吊子2は鋼板等の金属板を折り曲げ加工して形成されるものであり、吊子2の下部をタイトフレームに連結し、吊子2の上部に設けた係止部19を折板屋根材49の被嵌合部54に係止するようにして折板屋根材49を取り付けるものである。また、図13(a)に示すように、折板屋根材49の被嵌合部54には他の折板屋根材49の嵌合部53を嵌合し、嵌合部53と被嵌合部54とを馳締めにより連結するようにしている。
【0003】
しかし、吊子2の強度が低いと、折板屋根材49にかかる負圧荷重などの負荷によって吊子2が変形し、図13(b)に示すように、嵌合部53と被嵌合部54との連結が外れるおそれがあった。
【0004】
そこで、このような吊子においては、負圧荷重等の負荷に対する強度を大きくするために、金属板の厚みを大きくすることが考えられるが、隣接する折板屋根材が馳締めにより連結される場合、馳締め部分に厚い吊子の係止部が存在することになり、馳締めが完全に行えずに屋根の防水性と強度が低下するおそれがあった。また、吊子2を折り曲げ加工により所定の形状に成形しにくくなるという問題があった。尚、図13には吊子2の上部を示し、吊子2としてはいわゆるスライド吊子やスライドしない一般的な吊子(固定吊子)のいずれも上記の問題を有している。
【特許文献1】特許第3288991号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、負圧荷重などの負荷に対する強度を大きくしたにもかかわらず、屋根の防水性や強度の低下を防止し、また、折り曲げ加工により成形しやすくすることができる吊子を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に係る吊子2は、折板屋根材49を屋根材保持具69に取り付けるために用いられる吊子2であって、該吊子2は吊子本体70と補強部材71とを備え、吊子本体70は屋根材保持具69と連結される立ち上がり部72と、立ち上がり部72の上端に形成されて折板屋根材49に係止される係止部19とからなり、補強部材71は吊子本体70の立ち上がり部72に接合して一体化されることを特徴とするものである。
【0007】
本発明の請求項2に係る吊子2は、請求項1において、立ち上がり部72は連結部77と突出部18とを備え、係止部19は突出部18に突設され、補強部材71は連結部77と突出部18に接合されて係止部19には接合されていないことを特徴とするものである。
【0008】
本発明の請求項3に係る吊子2は、請求項1又は2において、補強部材71は、かしめ或いは溶接により吊子本体70の立ち上がり部72に接合されることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
請求項1の発明では、吊子本体70の立ち上がり部72を補強部材71で補強することができ、負圧荷重などの負荷に対する強度を大きくして変形を防止することができるものであり、折板屋根材49の取り付け強度を高めることができるものである。また、吊子本体70と補強部材71とはそれぞれ別々に金属板等を折り曲げ加工して形成し、その後に一体化しているので、吊子本体70と補強部材71とを成形する際には折り曲げ加工を容易に行うことができ、負圧荷重などの負荷に対する強度を大きくしたにもかかわらず、折り曲げ加工により成形しやすいものである。しかも、係止部19には補強部材71を接触させないので、隣接する折板屋根材49、49を馳締めにより接続する場合にも、係止部19を容易に折り曲げて馳締めすることができ、馳締めを充分な強固に行うことができて屋根の防水性や強度の低下を防止することができるものである。
【0010】
請求項2の発明では、立ち上がり部72の連結部77と突出部18とを補強部材71で補強し、係止部19には補強部材71を接合しないようにしたので、係止部19を容易に折り曲げて馳締めすることができ、馳締めを充分強固に行うことができて屋根の防水性や強度の低下を防止することができるものである。
【0011】
請求項3の発明では、かしめ或いは溶接により補強部材71と吊子本体70の立ち上がり部72とを強固に接合して一体化することができ、負圧荷重などの負荷に対する強度をより大きくして変形を防止することができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
【0013】
図4に、本発明の吊子2を備えた断熱屋根用連結具Aを示す。この断熱屋根用連結具Aは、上側屋根材30と下側屋根材31との間を断熱空間32とする断熱性の高い断熱屋根を形成する際に、上側屋根材30と下側屋根材31とを離間させた状態で連結するために用いられるものである。このような断熱屋根としては二重折板屋根を例示することができ、この場合、上側屋根材30と下側屋根材31としては塗装鋼板や亜鉛めっき鋼板などの金属板をロール成形などで折り曲げて形成した折板屋根材49を用いることができる。このような断熱屋根用連結具Aは、サドル1、吊子2、断熱部材3を備えて形成することができる。サドル1はこの実施の形態において屋根材保持具69として形成されているものである。
【0014】
図1に示すように、本発明の吊子2は、吊子本体70と補強部材71及び連結部材73とを備えて形成されている。図2(b)に示すように、吊子本体70は溶融亜鉛めっき鋼板や塗装鋼板やステンレス鋼板等の金属板を折り曲げ加工して形成されるものであり、例えば、厚み0.6〜1.8mmの金属板を用いることができる。また、吊子本体70は、矩形板状の連結部77と、連結部77の下端部から側方に向かって略水平に突出する挿入部78と、連結部77の上端部から側方(挿入部78と反対側)に向かって略水平に突出する突出部18と、突出部18の先端から連結部77側に向かって斜め下方に突出する係止部19とを設けて形成されている。この連結部77と挿入部78と突出部18により、吊子2を屋根材保持具69と連結するための立ち上がり部72を形成することができる。尚、図2(a)に示すように、挿入部78の略中央部の一部を突出部18側に突出するように折り返して結合片78aを形成しても良い。
【0015】
図2(c)に示すように、補強部材71は溶融亜鉛めっき鋼板や塗装鋼板やステンレス鋼板等の金属板を折り曲げ加工して形成されるものであり、例えば、厚み0.35〜1.2mmの金属板を用いることができる。また、補強部材71は矩形板状の連結部補強部74と、連結部補強部74の上端から側方に向かって略水平に突出する突出部補強部75とを備えて断面略倒L字状に形成されている。
【0016】
連結部材73は溶融亜鉛めっき鋼板や塗装鋼板やステンレス鋼板等の金属板を折り曲げ加工して形成されるものであり、例えば、厚み0.6〜1.8mmの金属板を用いることができる。また、連結部材73は矩形板状に形成される底部76と、底部76の両方の長手端部から表面側に向かって折り返し屈曲して形成される一対の装着部17、17と、各装着部17の先端から上方に向かって略垂直に突出する一対の挟着部16、16と、底部76の両方の短辺端部から略水平に突出する一対の脱落防止部21、21とを備えて形成されている。
【0017】
そして、この実施の形態の吊子2は、上記の吊子本体70と補強部材71及び連結部材73とを接合して一体化することによって形成されている。吊子本体70と補強部材71とを接合するにあたっては、補強部材71の連結部補強部74を吊子本体70の連結部77の外面(突出部18が突出する側と反対側の表面)に沿わせて配置すると共に、補強部材71の突出部補強部75を吊子本体70の突出部18の上面に沿わせて配置し、この状態で突出部補強部75と突出部18との複数箇所をスポット溶接などの溶接で接合する。すなわち、係止部19には補強部材71を接合しないで、連結部77と突出部18とに補強部材71を接合する。尚、符号79は溶接部分を示す。上記において、溶接の代わりに、かしめにより接合しても良い。また、吊子本体70と補強部材71及び連結部材73とを接合するにあたっては、補強部材71を接合した吊子本体70の挿入部78を連結部材73の底部76と一方の装着部17との間に差し込んで配置すると共に、この吊子本体70の連結部77とその外面に沿わせた補強部材71の連結部補強部74とを連結部材73の一対の挟着部16、16の間に配置し、この後、挿入部78と連結部補強部74と一対の挟着部16、16とをかしめなどにより接合する。尚、かしめの代わりに、溶接により接合しても良い。符号20は、かしめにより形成される突起部である。このようにして上記の吊子本体70と補強部材71及び連結部材73とを接合して一体化することによって、吊子2を形成することができる。尚、吊子本体70の連結部77の上記とは異なる他方の外面(突出部18が突出する側の表面)に補強部材71の連結部補強部74を沿わせて配置すると共に、補強部材71の突出部補強部75を吊子本体70の突出部18の下面に沿わせて配置するようにしてもよい。また、吊子本体70に結合片78aを設けた場合は、補強部材71を接合した吊子本体70の挿入部78を連結部材73の底部76と一方の装着部17との間に差し込んで配置すると共に結合片78aを底部76と他方の装着部17との間に差し込んで配置し、この吊子本体70の連結部77とその外面に沿わせた補強部材71の連結部補強部74とを連結部材73の一対の挟着部16、16の間に配置し、この後、挿入部78と連結部補強部74と一対の挟着部16、16とをかしめなどにより接合する。
【0018】
図3(a)(b)に示すように、サドル1は一対のサドル半体10、10をボルトなどの結合具11で結合して形成されるものである。サドル半体10はステンレス鋼板やめっき鋼板や塗装鋼板などの金属板を折り曲げ加工して形成されるものであり、矩形板状の支持片12の上端に断面略半円弧状の保持部13を設けると共に支持板12の下端に載置片14を設けて形成されている。支持板12にはネジ孔44が形成されている。保持部13と載置片14とは共に支持板12の一方の表面よりも外側に突出している。また、一対のサドル半体10、10のうちの一方には馳締め係合部15が設けられている。馳締め係合部15は支持片12の下部に断面略つ字状に折り曲げ形成されており、保持部13や載置片14と同じ方向で支持板12の表面に突出して形成されている。
【0019】
断熱部材3はサドル1や吊子2よりも熱が伝わりにくい非伝熱性を有するものであり、例えば、ABS樹脂などのプラスチックの成形品で形成することができる。この断熱部材3は外形が略小判状の被保持部22と、被保持部22の上面にその長手方向の全長にわたって突設された一対のガイド片23、23とを備えて形成されている。また、被保持部22にはその長手方向の両端面と上面とに開口するガイド溝24が形成されている。被保持部22の上面におけるガイド溝24の開口は一対のガイド片23、23の間でガイド片23の長手方向に沿って形成されている。
【0020】
そして、断熱屋根用連結具Aは次のようにして形成することができる。サドル1は対向配置した一対のサドル半体10、10を結合具11で結合して形成するものである。このとき、一対のサドル半体10、10は支持板12、12の内面(保持部13や載置片14が突出する面と反対側の面)同士を合わせるようにし、ネジ孔44に結合具11を螺着することにより結合することができる。また、上記のように結合したサドル半体10、10の間には断熱部材3を挟持して保持する。このとき、サドル半体10の保持部13の内側に断熱部材3の被保持部22を嵌め込むようにし、対向するサドル半体10、10の保持部13、13の間に被保持部22を介在させるようにする。従って、対向する保持部13、13の上端間には断熱部材3のガイド片23、23が介在するものである。
【0021】
上記のようにしてサドル1と断熱部材3とを一体化した後、この断熱部材3に吊子2を取り付ける。このとき、図4に示すように、吊子2の底部76及び装着部17の部分をガイド溝24に差し込むと共に吊子2の挟着部16の部分を断熱部材3のガイド片23、23の間に位置させるようにするものであり、これにより、吊子2をスライド吊子としてサドル1及び断熱部材3に対して長手方向にスライド移動自在に取り付けることができる。また、ガイド溝24に底部76及び装着部17を差し込んだ状態で脱落防止片21を下方に向かって折り曲げる。これにより、脱落防止片21がガイド溝24の開口縁部に引っ掛かるようになって、底部76及び装着部17の部分をガイド溝24から抜けないようにすることができ、サドル1及び断熱部材3からの吊子2の脱落を防止することができる。
【0022】
上記のような断熱屋根用連結具Aを用いて断熱屋根として二重折板屋根を形成するにあたっては以下のようにして行う。断熱屋根を形成する上側屋根材30及び下側屋根材31としては、図5に示すような折板屋根材49を用いることができる。この折板屋根材49は塗装鋼板や亜鉛めっき鋼板などの金属板を折り曲げ加工して形成されるものであって、屋根の傾斜方向(流れ方向)に長尺に形成されるものである。また、折板屋根材49は断面略U字状に形成されており、平板状の谷部50と、その両側から斜め上方に向かって突出する連結山部51、51とを備えて形成されている。一方の連結山部51の上部は、谷部50と反対側に向かって突出する頂部片52と、頂部片52の端部から上方に向かって突出する断面略逆U字状の嵌合部53とから構成されている。また、他方の連結山部51の上部は、谷部50と反対側に向かって突出する頂部片52と、頂部片52の端部から上方に向かって突出する断面略逆L字状の被嵌合部54とから構成されている。そして、嵌合部53と被嵌合部54とを嵌合した後に馳締めすることにより、隣接する折板屋根材49、49の連結山部51、51同士を連結し、隣接する折板屋根材49、49を接続することができる。また、連結された連結山部51、51からなる山部55と谷部50とが交互に繰り返した折板屋根となる。
【0023】
そして、まず、梁や母屋などの屋根下地40の上にタイトフレーム41を溶接等で取り付ける。屋根下地40はH型鋼などで形成することができ、タイトフレーム41は塗装鋼板や亜鉛めっき鋼板などの金属板を折り曲げ成形などして形成することができる。次に、複数枚の折板屋根材49、49…を下側屋根材31として屋根の勾配方向(傾斜方向)と直交する方向に並べながら、上記タイトフレーム41の上側から屋根下地40の上に載置する。また、上記の下側屋根材31は屋根の勾配方向に並ぶ複数本の屋根下地40、40…の間にわたるようにして架設する。
【0024】
ここで、タイトフレーム41の隣り合う凸部65、65の間に下側屋根材31の谷部50が位置し、タイトフレーム41の凸部65の略半分の外面に沿って連結山部51が位置するようにして各下側屋根材31を配置する。また、タイトフレーム41の凸部65を挟んで隣接する下側屋根材31、31は、上記のように嵌合部53と被嵌合部54とを嵌合した後に馳締めすることにより、連結山部51、51同士を連結して接続するものであるが、馳締めの際に、タイトフレーム41の凸部65に設けた固定吊子48を嵌合部53と被嵌合部54の間に挟んだ状態で馳締めする。このようにして、固定吊子48及びタイトフレーム41を介して複数の折板屋根材49(下側屋根材31)を屋根下地40に連結して固定することによって、二重折板屋根の下側の折板屋根を形成することができる。
【0025】
上記のようにして下側の折板屋根を形成した後、下側の折板屋根の山部55の頂部に断熱屋根用連結具Aのサドル1を取り付ける。このとき、サドル1には断熱部材3が取り付けられているが、吊子2は取り付けられていない。また、サドル1は下側の折板屋根の山部55の頂部に形成された馳締め部(嵌合部53と被嵌合部54の馳締め部分)47をサドル半体10、10で挟持して取り付けることができる。すなわち、頂部片52の上にサドル半体10の載置片14を載せながら、馳締め部47の両側にサドル半体10、10を配置すると共に一方のサドル半体10に設けた馳締め係合部15に馳締め部47を差し込んで係合し、馳締め部47の上側においてサドル半体10、10の支持片12、12を貫通するように結合具11を螺合して締め付けることにより、馳締め部47をサドル半体10、10で挟持し、山部55の頂部にサドル1を取り付けることができる。また、サドル半体10、10の支持片12、12の下部と、結合した嵌合部53及び被嵌合部54とをビスやボルトなどの固定具46で連結してサドル1を固定することができる。
【0026】
上記のようにして下側の折板屋根に複数のサドル1、1…を取り付けた後、下側の折板屋根の上に断熱材56を配設する。断熱材56としてはロックウールやグラスウールなどの無機繊維体あるいはウレタンフォームやフェノールフォームなどの樹脂フォームを用いることができる。断熱材56は下側の折板屋根の上面全面にわたって敷き詰められる。また、下側の折板屋根に取り付けたサドル1はその保持部13よりも下側の部分が断熱材56で覆われた状態となり、保持部13及び断熱部材3は敷き詰めた断熱材56よりも上側に位置している。
【0027】
次に、一枚の折板屋根材49を上側屋根材30として断熱材56の上に載置する。このとき、上側屋根材30は下側屋根材31と同様に屋根の傾斜方向(流れ方向)を長尺方向として配置する。また、上側屋根材30の被嵌合部54は下側の折板屋根に取り付けた上記サドル1の側方に位置し、被嵌合部54の長手方向とガイド溝24の長手方向とガイド片23の長手方向とがほぼ平行な状態となる。
【0028】
次に、断熱材56に載置した上側屋根材30の被嵌合部54の下側に吊子2の係止部19を係止すると共にこの吊子2を上側屋根材30に近接して位置するサドル1の断熱部材3に差し込むことによって、サドル1と吊子2からなる断熱屋根用連結具Aに上側屋根材30を係止する。ここで、吊子2の長手方向の一方に形成した脱落防止片21は下側に向かって折り曲げられている。従って、吊子2は折り曲げていない脱落防止片21の方から断熱部材3のガイド溝24とガイド片23、23の間に差し込まれ、吊子2を断熱部材3に差し込んだ後、折り曲げていない方の脱落防止片21を下方に向かって折り曲げるようにする。尚、図6においては、断熱材56を図示省略している。
【0029】
次に、上記とは別の他の上側屋根材30をさらに断熱材56の上に載置し、上記吊子2に係止した上側屋根材30と隣接させる。そして、上記吊子2に係止した上側屋根材30の被嵌合部54及び吊子2の突出部18及び係止部19を、新たに載置した上側屋根材30の嵌合部53の内側に収納して嵌合し、この後に嵌合部53と被嵌合部54とを馳締めすることにより、隣接する上側屋根材30、30の連結山部51、51同士を連結して接続する。このとき、吊子2の係止部19も馳締めにより折り曲げることができる。
【0030】
このようにしてサドル1に対する吊子2の取り付けと、断熱材56への上側屋根材30の敷設とを交互に行うことによって、複数枚の上側屋根材30、30…が接続された上側の折板屋根を形成することができる。そして、図7に示すように、上側の折板屋根と下側の折板屋根の間は断熱材56が充填された断熱空間32として形成され、断熱性の高い二重折板屋根を形成することができる。また、上側の折板屋根は断熱屋根用連結具Aで下側の折板屋根に連結されて支持されるものである。
【0031】
本発明の吊子2は、図8(a)(b)に示すように、従来の吊子に相当する吊子本体70を補強部材71で補強するので、負圧荷重などの負荷に対する強度を大きくして変形を防止することができ、折板屋根材49の取り付け強度を高めることができる。また、吊子本体70と補強部材71とを別々に形成するので、吊子本体70を形成するのに厚い金属板を用いる場合に比べて、折り曲げ加工が行いやすく、成形しやすいものである。また、かしめ或いは溶接により補強部材71と吊子本体70の立ち上がり部72とを接合して一体化するので、補強部材71と吊子本体70の立ち上がり部72との密着性を上げて断面二次モーメントを大きくすることができ、負圧荷重などの負荷に対する変形をより効果的に防止することができるものである。しかも、補強部材71は吊子本体70の立ち上がり部72の表面にのみ沿わせて密着し、係止部19には補強部材71を接触させないようにしているので、隣接する折板屋根材49、49を馳締めにより接続する場合にも、隣接する折板屋根材49、49の嵌合部53と被嵌合部54との間に係止部19を介在させた状態で容易に折り曲げて馳締めすることができ、係止部19を馳締め部分に介在させても馳締めを充分強固に行うことができるものである。
【0032】
上記では、スライド移動するスライド吊子として使用される吊子2について説明したが、本発明の吊子2はタイトフレーム41に固定されて移動しない吊子(例えば、上記の固定吊子48)として形成することもできる。図10(b)、図11(b)に示す吊子2は、タイトフレーム41に固定して使用されるものであって、吊子本体70と補強部材71とを備えて形成されている。吊子本体70は上記と同様の金属板を折り曲げ加工して形成されるものであって、平面視で略台形に形成される固定部80と、固定部80の長辺端部から上方に向かって突出する連結部77と、連結部77の上端部から側方に向かって突出する突出部18と、突出部18の先端部から連結部77側に向かって斜め下方に突出する係止部19とを設けて形成されている。固定部80には上下に貫通する固定孔83が形成されている。この固定部80と連結部77と突出部18により、吊子2を屋根材保持具69と連結するための立ち上がり部72を形成することができる。この実施の形態ではタイトフレーム41を屋根材保持具69として用いている。
【0033】
また、補強部材71は上記と同様の金属板を折り曲げ加工して形成されるものであって、平面視で略台形に形成される固定部補強部82と、固定部補強部82の長辺端部から上方に向かって突出する連結部補強部74と、連結部補強部74の上端から側方に向かって突出する突出部補強部75とを備えて形成されている。固定部補強部82には上下に貫通する固定孔83が形成されている。
【0034】
そして、この実施の形態の吊子2は、上記の吊子本体70と補強部材71とを接合して一体化することによって形成されている。吊子本体70と補強部材71とを接合するにあたっては、図10(a)に示すように、補強部材71の連結部補強部74を吊子本体70の連結部77の一方の表面(突出部18が突出しない側の表面)に沿わせて配置すると共に、補強部材71の突出部補強部75を吊子本体70の突出部18の上面に沿わせて配置し、この後、図10(b)に示すように、突出部補強部75と突出部18とをスポット溶接などの溶接で接合すると共に連結部補強部74と連結部77とをスポット溶接などの溶接で接合する。また、図11(a)に示すように、補強部材71の連結部補強部74を吊子本体70の連結部77の一方の表面(突出部18が突出する側の表面)に沿わせて配置すると共に、補強部材71の突出部補強部75を吊子本体70の突出部18の下面に沿わせて配置し、この後、図11(b)に示すように、突出部補強部75と突出部18とをスポット溶接などの溶接で接合すると共に連結部補強部74と連結部77とをスポット溶接などの溶接で接合する。すなわち、係止部19には補強部材71を接合しないで、連結部77と突出部18とに補強部材71を接合する。尚、溶接の代わりに、かしめにより接合しても良い。
【0035】
そして、このような吊子2を用いて折板屋根を形成するにあたっては以下のようにして行う。まず、梁や母屋などの屋根下地40の上にタイトフレーム41を取り付ける。このタイトフレーム41の凸部65には吊子取付凹部65aが形成されている。次に、折板屋根材49を屋根の傾斜方向(流れ方向)を長尺方向として配置し、上記タイトフレーム41の上側から屋根下地40の上に載置する。ここで、タイトフレーム41の隣り合う凸部65、65の間に折板屋根材49の谷部50が位置し、タイトフレーム41の凸部65の略半分の外面に沿って連結山部51が位置するようにする。次に、タイトフレーム41の吊子取付凹部65aに上記の吊子2を取り付ける。この場合、吊子2の固定部80及び固定部補強部82に設けた固定孔83にボルトなどの固定具84を挿通し、この固定具84を吊子取付凹部65aの底面に結合する。また、吊子2の係止部19を上記折板屋根材49の被嵌合部54の下側に係止する。次に、上記とは別の他の折板屋根材49をさらに屋根下地40の上に載置し、上記吊子2に係止した折板屋根材49と隣接させる。そして、上記吊子2に係止した折板屋根材49の被嵌合部54及び吊子2の突出部18及び係止部19を、新たに載置した折板屋根材49の嵌合部53の内側に収納して嵌合し、この後に嵌合部53と被嵌合部54とを馳締めすることにより、隣接する折板屋根材49、49の連結山部51、51同士を連結して接続する。このとき、吊子2の係止部19も馳締めにより折り曲げることができる。このようにして吊子2の取り付けと折板屋根材49の敷設とを交互に行うことによって、図12に示すような複数枚の折板屋根材49、49…が接続された折板屋根を形成することができる。この実施の形態の吊子2、すなわちスライドしない固定用の吊子2においても、図8に示す上記と同様の効果を奏することができる。
【0036】
本発明の吊子2を用いて、馳締め部47の開き強度を測定すると、補強部材71の無い吊子本体70のみの場合(従来の吊子に相当)に比べて、約1.5倍の強度を発揮することができる。
【0037】
本発明の吊子2は、折板屋根材49との馳締め部分の強度が向上するにもかかわらず、馳締め時の施工性は従来と同等となる点に特徴を有するものである。すなわち、隣接する折板屋根材49、49と吊子2との馳締め部分において、補強部材71を用いないと、吊子本体70の突出部18が負圧等により持ち上がるように、連結部77と突出部18の境界部分が変形し、馳締め部分の強度が低下するおそれがあるが、本発明では、補強部材71を追加してスポット溶接やかしめなどで一体化することで、連結部77と突出部18の板厚を向上したのと同じ効果を得ることができる。また、馳締めは、折板屋根材49、49の被嵌合部54と嵌合部53と吊子2の係止部19とを一度に曲げ込むため、単純に吊子2の全体の板厚を上げると、充分な曲げ込み加工(馳折り加工)ができず、馳締め接合部分の強度が低下するおそれがあるが、本発明では、補強部材71により係止部19を直接補強しないので、係止部19も充分な曲げ込み加工を行うことができ、補強部材71を用いない従来の場合と同様の施工性を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示す斜視図である。
【図2】(a)(b)は同上の吊子本体を示す斜視図、(c)は同上の補強部材を示す斜視図である。
【図3】(a)(b)は同上のサドルを示す分解斜視図である。
【図4】同上のサドルと吊子を示す斜視図である。
【図5】同上の折板屋根材を示す斜視図である。
【図6】同上の吊子を用いた二重折板屋根の施工途中を示す斜視図である。
【図7】同上の吊子を用いた二重折板屋根を示す断面図である。
【図8】(a)は同上の吊子を示す概略図、(b)は同上の吊子を用いた折板屋根を示す概略図である。
【図9】同上の他の実施の形態の一例を示し、(a)は補強部材を示す斜視図、(b)は吊子本体を示す斜視図である。
【図10】(a)は同上の分解した斜視図、(b)は同上の斜視図である。
【図11】(a)は同上の分解した斜視図、(b)は同上の斜視図である。
【図12】同上の吊子を用いた折板屋根を示す断面図である。
【図13】(a)(b)は従来例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0039】
2 吊子
19 係止部
49 折板屋根材
69 屋根材保持具
70 吊子本体
71 補強部材
72 立上がり部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
折板屋根材を屋根材保持具に取り付けるために用いられる吊子であって、該吊子は吊子本体と補強部材とを備え、吊子本体は屋根材保持具と連結される立ち上がり部と、立ち上がり部の上端部に形成されて折板屋根材に係止される係止部とからなり、補強部材は吊子本体の立上がり部に接合して一体化されることを特徴とする吊子。
【請求項2】
立ち上がり部は連結部と突出部とを備え、係止部は突出部に突設され、補強部材は連結部と突出部に接合されて係止部には接合されていないことを特徴とする請求項1に記載の吊子。
【請求項3】
補強部材は、かしめ或いは溶接により吊子本体の立ち上がり部に接合されることを特徴とする請求項1又は2に記載の吊子。
【請求項1】
折板屋根材を屋根材保持具に取り付けるために用いられる吊子であって、該吊子は吊子本体と補強部材とを備え、吊子本体は屋根材保持具と連結される立ち上がり部と、立ち上がり部の上端部に形成されて折板屋根材に係止される係止部とからなり、補強部材は吊子本体の立上がり部に接合して一体化されることを特徴とする吊子。
【請求項2】
立ち上がり部は連結部と突出部とを備え、係止部は突出部に突設され、補強部材は連結部と突出部に接合されて係止部には接合されていないことを特徴とする請求項1に記載の吊子。
【請求項3】
補強部材は、かしめ或いは溶接により吊子本体の立ち上がり部に接合されることを特徴とする請求項1又は2に記載の吊子。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2009−209652(P2009−209652A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−56578(P2008−56578)
【出願日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願人】(000207436)日鉄住金鋼板株式会社 (178)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願人】(000207436)日鉄住金鋼板株式会社 (178)
【Fターム(参考)】
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