説明

同形置換されたケイ酸塩

本発明は、(1)シリカ、好ましくは非晶質シリカ、及び/又は少なくとも一種のシリカ前駆体と、水と、少なくとも一種の適当な構造指向剤とを含む混合物を供給し、(2)(1)で得られる混合物を水熱条件下で加熱してRUB−36ケイ酸塩を含む懸濁液を与え、(3)該RUB−36ケイ酸塩を分離することからなる同形置換されたRUB−36ケイ酸塩の製造方法であって、(1)の混合物が同形置換に好適な少なくとも一種の元素を含み及び/又は(b)分離された(3)のRUB−36ケイ酸塩が同形置換にかけられることを特徴とする製造方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、同形置換されたRUB−36ケイ酸塩の製造方法に関する。また本発明は、本方法で得られうるか得られるRUB−36ケイ酸塩とその同形置換されたRUB−36ケイ酸塩に関する。本発明はまた、上記製造方法中の他の工程、即ち層状ケイ酸塩RUB−36から同形置換されたテクトケイ酸塩RUB−37を製造する工程を含む。さらに、本発明はまた、上記材料の利用に関する。
【背景技術】
【0002】
SiとOとからなる全シリカ製のRUB−36層状ケイ酸塩は、原理的には公知である。例えば、J. Song, H. Gies; Studies in Surface Science and Catalysis, volume 15, 2004, pp.295−300を参照されたい。
【0003】
いろいろな技術分野、例えば触媒または吸着の技術分野において、新規材料、特にケイ酸塩に対するニーズが、また例えば具体的な触媒的なあるいは吸着の問題に対応するための材料の製造を可能とする新規プロセスに対するニーズが継続して存在している。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】J. Song, H. Gies; Studies in Surface Science and Catalysis, volume 15, 2004, pp.295−300。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明の目的は、例えば上述の領域でそのまま使用できる、あるいはそれぞれのテクトケイ酸塩または柱状化ケイ酸塩の製造の前駆体として使用できる同形置換された層状ケイ酸塩の新しい製造方法を提供することである。本発明のもう一つの目的は、新しい層状ケイ酸塩と新しいテクトケイ酸塩を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
したがって、本発明は、
同形置換されたRUB−36層状ケイ酸塩の製造方法であって、
(1)シリカ、好ましくは非晶質シリカ、及び/又は少なくとも一種のシリカ前駆体と、水と、ジエチルジメチルアンモニウム化合物、トリエチルメチルアンモニウム化合物、およびジエチルジメチルアンモニウムとトリエチルメチルアンモニウム化合物との混合物からなる群から選ばれる少なくとも一種のテトラアルキルアンモニウム化合物と、必要に応じて少なくとも一種の塩基とを含む混合物を供給する工程、
(2)(1)で得られる混合物を水熱条件下で加熱して、RUB−36ケイ酸塩を含む懸濁液を与える工程、
(3)(2)により得られる懸濁液からRUB−36ケイ酸塩を分離し、必要に応じて(4)洗浄及び/又は(5)乾燥する工程
を含み、且つ
(a)(1)の混合物が、ケイ酸塩中のSi原子の少なくとも一部を同形置換するのに好適な少なくとも一種の元素の少なくとも一種の供給源を含み、及び/又は
(b)(3)において分離された、また必要に応じて洗浄及び/又は乾燥されたRUB−36ケイ酸塩)を後処理し、ケイ酸塩中のSi原子の少なくとも一部を少なくとも一種の好適な元素で同形置換することを特徴とする製造方法に関する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、実施例1で得られた乾燥層状ケイ酸塩Ti−RUB−36のX線回折パターンを示す。
【図2】図2は、実施例2で得られた焼成テクトケイ酸塩生成物Ti−RUB−37のX線回折パターンを示す。
【図3】図3は、実施例3で得られた乾燥層状ケイ酸塩Ti−RUB−36のX線回折パターンを示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明によれば、この少なくとも一種のテトラアルキルアンモニウム化合物に加えて、この化合物とは異なる塩基を使用することができる。この塩基の例としては、アンモニウムヒドロキシドNH4OH、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムのようなアルカリ金属水酸化物またはアルカリ土類水酸化物、またはこれらの化合物の二種以上の混合物があげられる。この場合、この少なくとも一種のテトラアルキルアンモニウム化合物は、一種以上の適当なアニオン、例えばフルオライドまたはクロライドまたはブロマイドまたはアイオダイドなどのハロゲンアニオンを含んでいる。
【0009】
好ましくは、この少なくとも一種のテトラアルキルアンモニウム化合物が、(1)により用いられる塩基をアニオンとして含んでいる。このような塩基性アニオンの例としては特に、ヒドロキシドイオンまたはアルミン酸イオンあげられる。特に好ましい塩基性アニオンは、ヒドロキシドイオンである。
【0010】
したがって、(1)で与えられる混合物は、好ましくは、ジエチルジメチルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルメチルアンモニウムヒドロキシド、またはジエチルジメチルアンモニウムヒドロキシドとトリエチルメチルアンモニウムヒドロキシドの混合物を含む。
【0011】
驚くべきことに、文献(J. Song, H. Gies; Studies in Surface Science and Catalysis, volume 15, 2004, pp.295−300)に報告されているRUB−36の製造方法と比較して、本発明のケイ酸塩を、それぞれのヒドロキシドとフッ酸とから製造する必要のあるトリエチルメチルアンモニウムフルオライドなどのテトラアルキルアンモニウムフルオライドを用いることなく製造できることが明らかとなった。明らかに、HFのような化学物質を避けることができるのは本方法の利点の一つである。
【0012】
この好ましい実施様態によれば、(1)の混合物が、テトラアルキルアンモニウムイオンの対イオンとしてよく用いられるヒドロキシド以外の通常アニオンを実質的に含まないことが好ましい。(1)の混合物が、ブロマイドまたはフルオライドなどのハロゲンイオンを実質的に含まないことが好ましい。特に、例えば適当な元素としてのチタンまたはホウ素が関する限り、この(1)の混合物が、ナトリウムイオンなどのアルカリ金属イオンやアルカリ土類金属イオンを実質的に含まないことがさらに好ましい。本明細書中で用いられる「実質的に含まない」とは、一般的には上記アニオンの混合物の含量が500ppm以下であることを意味する。
【0013】
(1)で与えられる混合物が、一種のみのテトラアルキルアンモニウム化合物を含むことが好ましく、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシドのみを含むことがより好ましく、ジエチルジメチルアンモニウムヒドロキシドを含むことが特に好ましい。
【0014】
いかなる適当な化合物も、原理的には、シリカまたはシリカ前駆体として使用できる。本明細書中で用いられる「シリカ前駆体」とは、選ばれた反応条件下で、上記層状ケイ酸塩のケイ酸塩構造を形成させることのできる化合物をいう。例えば、テトラメトキシシランやテトラエトキシシラン、テトラプロポキシシランなどのテトラアルコキシシランは、前駆化合物と呼ぶことができる。本発明の方法において、シリカそのものが特に好ましく用いられる。例えば、このようなシリカ供給源が、フュームドシリカ、非晶質シリカ、ルドックスなどのシリカゾルなどであってもよい。二種以上のシリカ供給源の混合物、または二種以上のシリカ前駆体の混合物、または少なくとも一種のシリカ供給源と少なくともシリカ前駆体の混合物を使用することも考えられる。非晶質シリカが特に好ましい。また非晶質シリカを唯一のシリカ供給源とすることも好ましい。
【0015】
したがって、本発明はまた、非晶質シリカが(1)で用いられる上述の方法に関する。
【0016】
一般的には、原則としていかなる適当な非晶質シリカを用いることもできる。比表面積(BET、Brunauer−Emmet−Teller;DIN66131により77Kでの窒素吸着により測定)が10〜400m2/g範囲である、好ましくは10〜100m2/gの範囲である、特に好ましくは10〜50m2/gの範囲である非晶質シリカが好ましい。さらに好ましい範囲は50〜100m2/gであり、あるいは100〜300m2/g、あるいは300〜400m2/gである。
【0017】
シリカまたはその前駆体とテトラアルキルアンモニウム化合物(TAA)と水の上述のモル比については、本発明のケイ酸塩が製造可能ならいかなる範囲も使用可能である。SiO2:TAA:H2Oのモル比の範囲は、好ましくは1:(0.3〜0.7):(0.1〜30)であり、より好ましくは1:(0.4〜0.6):(0.2〜25)、さらに好ましくは1:(0.45〜0.55):(0.5〜20)、特に好ましくは1:(0.48〜0.52):(0.75〜17.5)、特に1:(0.49〜0.51):(1〜16)である。
【0018】
したがって、本発明はまた、(1)により得られる混合物がSiO2またはSiO2として計算されるシリカ前駆体と少なくとも一種のテトラアルキルアンモニウム化合物と水とを、SiO2:テトラアルキルアンモニウム化合物:水のモル比で1:(0.45〜0.55):(0.5〜20)で、好ましくは1:(0.49〜0.51):(1〜16)で含む上述の方法に関する。
【0019】
本発明の他の好ましい実施様態によれば、少なくとも一種の種結晶材料が、結晶化助剤として(1)の混合物中に含まれる。種結晶材料としては、所望のケイ酸塩を与えるすべての化合物が考えられる。層状ケイ酸塩RUB−36の合成のためには、RUB−36ケイ酸塩及び/又は下に記載の方法によりこの層状ケイ酸塩から得られるテクトケイ酸塩RUB−37を、種結晶材料として加えることが好ましい。層状ケイ酸塩RUB−36を種結晶材料として加えることが特に好ましい。一般的には、同形置換されたケイ酸塩を種結晶材料として加えることができる。全シリカ製のケイ酸塩を種結晶材料として加えることが好ましい。したがって、全シリカ製のRUB−36を種結晶材料として加えることが特に好ましい。
【0020】
したがって、本発明はまた、(1)により得られる混合物が、少なくとも一種の適当な種結晶材料を含む、好ましくはRUB−36種結晶を、より好ましくは全シリカ製のRUB−36種結晶を含む上述の方法に関する。
【0021】
種結晶材料の代表的な濃度は、種結晶材料として、(1)の混合物中に存在するシリカとして計算されたシリカ及び/又はシリカ前駆体量に対して、0.001〜5重量%である。(1)により得られる混合物がSiO2及び/又はSiO2として計算されるシリカ前駆体と種結晶材料とを、重量比で1:(0.01〜0.2)で含むことが好ましく、重量比で1:(0.02〜0.1)で含むことがより好ましい。
【0022】
本発明によれば、(1)の混合物がさらに、(2)の水熱結晶化の結果生成するケイ酸塩中の少なくとも一部のSi原子を同形置換するのに適当な少なくとも一種の元素の少なくとも一つの供給源を含んでいる。この実施様態によれば、水熱結晶化の際に、この少なくとも一種の元素が、それぞれの全シリカ製ケイ酸塩中の、Siが位置しているケイ酸塩骨格中に取り込まれる。なお、「全シリカ製ケイ酸塩」は、意図せずに導入された不純物を除いてSiとOのみからなるケイ酸塩をいう。
【0023】
好ましい適当な本発明の元素は、AlとB、Fe、Ti、Sn、Ga、Ge、Zr、V、Nb、およびこれらの二つ以上の混合物からなる群から選ばれる。この少なくとも一種の適当な元素の少なくとも一つの供給源が存在するため、水熱結晶化の際に形成されるケイ酸塩構造は、Si原子だけでなく、少なくとも一種の適当な元素を、Si原子の同形置換として含んでいる。
【0024】
より好ましくは、この好適な元素が、AlとB、Ti、およびこれらの二つ以上の混合物からなる群から選ばれる。より好ましくは、この好適な元素がTiまたはBまたはAlである。
【0025】
例えば、アルミニウムを同形置換に適当な元素として用いる場合、例えば、金属アルミニウムまたはアルカリ金属アルミネートなどの適当なアルミネート、及び/又はアルミニウムトリイソプロピラートなどのアルミニウムアルコラートを、好適な供給源として使用することができる。
【0026】
例えばホウ素を使用する場合、例えば、遊離のホウ酸及び/又はホウ酸塩及び/又はトリエチルボレートなどのホウ酸エステルを、好適な供給源として使用することができる。したがって、本発明はまた、Bの供給源がH3BO3である上述の方法を提供する。
【0027】
例えばチタンを使用する場合、例えばチタンエタノラート及び/又はチタンプロピラート及び/又はチタンブチラートなどのチタンアルコラートを好適な供給源として使用することができる。したがって、本発明はまた、Tiの供給源が、テトラアルキルオルソチタネートまたは二種以上のテトラアルキルオルソチタネートの混合物であり、このテトラアルキルオルソチタネートは、好ましくはテトラエチルオルソチタネートとテトラプロピルオルソチタネート、テトラブチルオルソチタネート、およびこれらの二種または三種の混合物からなる群から選ばれる上述の方法に関する。特に好ましいのは、テトラブチルオルソチタネートである。
【0028】
例えばスズを用いる場合、上記のテトラアルキルアンモニウム化合物やシリカ及び/又はシリカ前駆体に加えて、例えば、塩化スズ及び/又はスズアルコラートなどの有機金属のスズ化合物、またはスズアセチルアセトネートなどのキレートを出発原料として使用することができる。
【0029】
例えばジルコニウムを用いる場合、上記のテトラアルキルアンモニウム化合物やシリカ及び/又はシリカ前駆体に加えて、例えば、塩化ジルコニウム及び/又はジルコニウムアルコラートを出発原料として使用することができる。
【0030】
例えばバナジウムまたはゲルマニウムまたはニオブを用いる場合、上記のテトラアルキルアンモニウム化合物やシリカ及び/又はシリカ前駆体に加えて、例えば、バナジウム塩化物またはゲルマニウム塩化物またはニオブ塩化物を出発原料として使用することができる。
【0031】
(1)で加えられる同形置換に好適な少なくとも一種の元素の少なくとも一つの供給源の量は、望ましい置換RUB−36材料の特性により選択できる。好ましくは、反応(1)の混合物中のSiO2またはSiO2として計算されるシリカ前駆体と同形置換(1)に好適な少なくとも一種の元素のモル比は、1:(0.0001〜0.1)であり、より好ましくは1:(0.001〜0.05)、特に好ましくは1:(0.005〜0.02)である。
【0032】
本発明の他の実施様態においては、(1)の混合物はさらに過酸化水素を含む。チタンを同形置換に好適な元素として使用する場合に、このことが特に好ましい。
【0033】
用いる過酸化水素の量は、それぞれのニーズに応じて選択可能である。一般的には、この少なくとも一種の適当な元素、好ましくはチタンの少なくとも一つの供給源:過酸化水素のモル比は、0.001〜0.1の範囲であり、好ましくは0.002〜0.05の範囲である。特に好ましくは、このモル比が0.005〜0.01である。
【0034】
したがって、本発明はまた、同形置換に好適な少なくとも一種の元素がTiであり、Tiの少なくとも一つの供給源:過酸化水素のモル比が0.005〜0.01の範囲にある上述の方法に関する。
【0035】
一般的には、(1)の混合物は、いずれの適当なpHをとってもよいが、7〜14の範囲のpHが好ましい。より好ましくは、上記混合物のpHは9〜14の範囲であり、より好ましくは10〜13.5、最も好ましくは11〜13の範囲である。特に好ましい実施様態においては、(1)の混合物のpHは、11.5〜12.5であり、より好ましくは11.8〜12.2である。
【0036】
本発明の方法の工程(1)において、工程(2)で水熱結晶化にかけられる混合物が得られる。一般に、それぞれの出発原料をあらゆる考えうる順序で混合可能である。好ましくは、このシリカまたはその前駆体が、まずテトラアルキルアンモニウム化合物を含む水混合物と混合される。好ましくは、得られた混合物を、一定時間、例えば5分間〜5時間、好ましくは15分間〜1時間攪拌する。次いで、同形置換に好適な少なくとも一種の元素の少なくとも一つの供給源を加えることが好ましい。もう一度、得られた混合物を一定時間、例えば5分間〜5時間、好ましくは30分間〜2時間攪拌する。上述のように本発明のある好ましい実施様態により適当な種結晶材料を添加する場合、少なくとも一種の適当な元素の少なくとも一つの供給源の添加の前に、シリカまたはその前駆体とテトラアルキルアンモニウム化合物の混合物にそれを加えることが好ましい。
【0037】
本発明の特に好ましい方法によれば、同形置換に好適な元素としてチタンを用いる場合、少なくとも一つのチタン供給源を前もって過酸化水素と混合し、得られた混合物を、上述のように同形置換に好適な少なくとも一種の元素の少なくとも一つの供給源として添加する。
【0038】
(1)の混合物の製造の際の温度は好ましくは10〜40℃の範囲であり、より好ましくは15〜35℃の範囲、特に好ましくは20〜30℃の範囲である。
【0039】
望ましい出発原料のモル比によっては、適当量の水を適度に除いたり添加したりすることができる。水の除去は、例えば、注意してこの混合物を加熱したり、ロータリーエバボレータを用いて行うことができる。水の除去は、60〜85℃の温度範囲で行うことが好ましく、より好ましくは65〜80℃、特に好ましくは65〜75℃の温度範囲で行うことが好ましい。水を添加あるいは除去する場合は、得られる混合物を0.1〜5時間、好ましくは0.2〜1時間攪拌することが好ましい。
【0040】
一般的には、攪拌時間は出発原料の実際の量にもよるであろう。したがって試験室スケールでの製造プロセスでは、攪拌時間が工業スケールでの製造プロセスより短くなることもあろう。上述の攪拌時間は、好ましくは試験室スケールでの製造プロセスを述べる。
【0041】
得られた混合物は、工程(2)の水熱結晶化にかけられる。好ましくはこの混合物をオートクレーブ内に移す。結晶化温度を一つ以上の所望温度に調整するために、内部及び/又は外部加熱などの加熱及び/又は冷却手段、及び/又は加熱及び/又は冷却ジャケットなどの冷却手段を備えたオートクレーブを使用することがさらに好ましい。このオートクレーブを、合成混合物を所望の温度に維持できる循環空気オーブンのようなオーブンなどの環境下に移すことも可能である。
【0042】
この合成混合物を、(2)の結晶化のために適度に攪拌することが好ましい。結晶化を行う反応容器を回転させることもできる。
【0043】
結晶化温度に関しては、125〜155℃の範囲の温度が用いられ、より好ましくは130〜150℃、さらに135〜145℃の範囲の温度が用いられる。特に、この温度は138〜142℃の範囲である。
【0044】
したがって、本発明はまた、(2)の混合物が135〜145℃の範囲の温度に加熱される上述の方法に関する。
【0045】
驚くべきことに、本発明のケイ酸塩を結晶化させるのに必要な適温である135〜145℃が、文献に記載の温度、具体的には443Kと488Kより低いこと、特定の場合にはかなり低いことが明らかとなった。
【0046】
また、(2)での結晶化の際に2つ以上の異なる温度を用いてもよい。この点で、上記範囲内の一定値の温度に調整し、この温度で一定時間維持し、上記範囲内の他の値の温度に上げる、あるいは下げることもできる。この段階的な温度調整とは別に、あるいはこのような温度調整と共に、水熱結晶化の間にこの結晶化温度を徐々に上昇させたり下降させたりすることもできる。一般に、(1)の混合物の結晶化温度での加熱及び/又は(2)の混合物の加熱の際に用いる加熱速度は適当に選択可能である。好ましくは、この加熱速度は、0.1℃/分〜20℃/分の範囲であり、好ましくは0.3℃/分〜15℃/分、特に0.5℃/分〜10℃/分の範囲である。
【0047】
(2)の水熱結晶化に関して、工程(2)の結晶化温度を1〜18日間の範囲で維持することが、より好ましくは4〜17日間、さらに好ましくは7〜15日間の範囲で維持することがさらに好ましい。
【0048】
本発明の方法の一つの実施様態によれば、(2)の結晶化を適当な冷却により停止することができる。ここでは、反応混合物に、結晶化停止に適当な温度の水を加えることが特に好ましい。
【0049】
したがって、本発明はまた、工程(1)と(2)からなる方法により得られうるか得られるRUB−36ケイ酸塩に、即ち母液中に含まれる同形置換されたRUB−36ケイ酸塩に関する。
【0050】
本発明の方法によれば、水熱結晶化の後で得られる母液中に含まれる層状ケイ酸塩RUB−36が、適当な方法で少なくとも一つの工程により(2)から得られる懸濁液から分離される。この分離は、例えば、濾過、限外濾過、膜濾過または膜濾過などの方法により、あるいは例えば噴霧乾燥や噴霧造粒法により実施できる。噴霧乾燥または濾過による分離が好ましい。
【0051】
したがって、本発明はまた、工程(1)と(2)と(3)とからなる方法により得られうるか得られるRUB−36ケイ酸塩、即ち(1)で用いられる構造指向剤の少なくとも一部をいまだに含む合成直後の同形置換されたRUB−36ケイ酸塩に関する。
【0052】
本発明の方法のある好ましい実施様態によれば、上述のように分離された少なくとも一種のケイ酸塩を洗浄及び/又は乾燥する。
【0053】
したがって、本発明はまた、さらに、(3)で得られるケイ酸塩を
(4)洗浄
及び/又は
(5)乾燥する上述の方法に関する。
【0054】
分離の後に、少なくとも一回の洗浄工程及び/又は少なくとも一回の乾燥工程を行うことができ、その際、少なくとも2回の洗浄工程で同じか異なる洗浄剤をあるいは洗浄剤混合物を使用でき、また少なくとも2回の乾燥工程で同じか異なる乾燥温度を用いることができる。
【0055】
少なくとも一回の洗浄工程を行う場合、分離されたケイ酸塩を、洗液の標準的なガラス電極で求めたpHが6〜8の範囲となるまで、好ましくは6.5〜7.5の範囲となるまで洗浄することが好ましい。
【0056】
乾燥温度は好ましくは室温〜180℃の範囲であり、より好ましくは55〜165℃、より好ましくは65〜150℃、特に好ましくは75〜125℃の範囲である。
【0057】
したがって、本発明はまた、さらに
(4)分離されたケイ酸塩を好ましくは6.5〜7.5の範囲のpHまで洗浄し、及び/又は
(5)分離され必要に応じて洗浄されたケイ酸塩を、好ましくは75〜125℃の範囲の温度で乾燥することからなる上述の方法に関する。
【0058】
使用可能な洗浄剤としては、例えば、水や、メタノール、エタノールまたはプロパノールなどのアルコール、またはこれらの二種以上の混合物があげられる。混合物の例としては、二種以上のアルコールの混合物、具体的には、メタノールとエタノール、またはメタノールとプロパノール、またはエタノールとプロパノール、またはメタノールとエタノールとプロパノールの混合物が、また水と少なくとも一種のアルコールの混合物、具体的には水とメタノール、または水とエタノール、または水とプロパノール、または水とメタノールとエタノール、または水とメタノールとプロパノールまたは水とエタノールとプロパノール、または水とメタノールとエタノールとプロパノールの混合物があげられる。水または水と少なくとも一種のアルコールの混合物が、好ましくは水とエタノールが好ましく、水を唯一の洗浄剤として用いることが極めて好ましい。
【0059】
したがって、本発明はまた、工程(1)、(2)、(3)、(4)及び/又は(5)からなる方法により得られうるか得られるRUB−36ケイ酸塩に関する。
【0060】
上述のように、同形置換に好適な少なくとも一種の元素の少なくとも一つの供給源が(1)の混合物に加えられる。変例(a)の実施様態が、本発明において特に好ましい。驚くべきことに、水熱結晶化で得られるケイ酸塩中のSi原子の少なくとも一部の同形置換が、同形置換されたRUB−36ケイ酸塩の簡単な「ワンポット合成」により達成可能であることが明らかとなった。
【0061】
しかしながら本発明によれば、工程(1)と(2)により全シリカ製のRUB−36ケイ酸塩を製造し、このようにして得られたケイ酸塩を適当に後処理してケイ酸塩構造のSi原子の少なくとも一部を同形置換することもできる。さらに好ましくは、変例(b)により、工程(1)と(2)と(3)、必要に応じてまた(4)及び/又は(5)により全シリカ製のRUB−36ケイ酸塩を製造し、このようにして得られたケイ酸塩を適当に後処理してケイ酸塩構造のSi原子の少なくとも一部を同形置換することもできる。この場合も、本発明の好ましい好適な元素は、AlとB、Fe、Ti、Sn、Ga、Ge、Zr、V、Nb、およびこれらの二つ以上の混合物からなる群から選ばれる。より好ましくは、これらの好適な元素がAlとB、Ti、およびこれらの二つ以上の混合物からなる群から選ばれる。さらに好ましくは、この好適な元素が、TiまたはBまたはAlである。
【0062】
したがって、本発明はまた、(3)のRUB−36ケイ酸塩を後処理し、上記後処理が、分離の後に、また必要に応じて洗浄及び/又は乾燥の後に直接行われる上述の方法に関する。
【0063】
本発明の他の変例によれば、変例(a)で同形置換されたRUB−36ケイ酸塩が製造し、このようにして得られた同形置換されたRUB−36を変例(b)の後処理にかけることができる。したがって、(a)では少なくとも一種の第一の適当な元素がRUB−36ケイ酸塩中に導入され、(b)では上記少なくとも一種の第一の適当な元素と同一あるいは異なる少なくとも一種の第二の適当な元素がそのRUB−36ケイ酸塩に導入される。
【0064】
本発明の最も好ましいプロセスは、変例(a)、「ワンポット合成」を含む必要があり、続く変例(b)の後処理はあってもなくてもよい。
【0065】
したがって、本発明は、一般的には上述の本発明の方法のいずれかで得られうるか得られるRUB−36ケイ酸塩に関し、特に上述の変例(a)の「ワンポット合成」を含む本発明の方法のいずれか一つで得られうるか得られるRUB−36ケイ酸塩に関する。
【0066】
本発明はまた、ケイ酸塩中のSi原子の少なくとも一部が少なくとも一種の適当な元素で同形置換され、その少なくとも一種の適当な元素が、好ましくはAlとB、Fe、Ti、Sn、Ga、Ge、Zr、V、Nbおよびこれらの二種以上の混合物からなる群から選ばれる、より好ましくはTiとB、Alおよびこれらの二つ以上の混合物から、さらに好ましくはTiまたはBまたはAlからなる群から選ばれるRUB−36ケイ酸塩に関する。好ましくは、本発明のRUB−36ケイ酸塩は、Si:層状ケイ酸塩中の適当な元素(好ましくはTiまたはBまたはAl)の原子比として、1:(0.0001〜0.1)の範囲、より好ましくは1:(0.001〜0.05)、さらに好ましくは1:(0.005〜0.02)の範囲を示す。
【0067】
本発明のRUB−36ケイ酸塩は、好ましくは少なくとも以下の反射を含むX線回折パターンを示す。
【0068】
【表1】

【0069】
表中、100%は、X線回折パターン中の最大のピークの強度である。
【0070】
特に、例えばこの少なくとも一種の適当な元素がチタン(Ti−RUB−36)である場合、本発明のRUB−36ケイ酸塩は、好ましくは少なくとも以下の反射を含むX線回折パターンを示す。
【0071】
【表2】

【0072】
本発明の方法の他の実施様態においては、(3)で得られる層状ケイ酸塩RUB−36が、少なくとも他の一つの工程において(6)により焼成される。原理的には、層状ケイ酸塩RUB−36を含む懸濁液、即ち層状ケイ酸塩を含む母液を直接焼成にかけることもできる。好ましくは、ケイ酸塩を、(3)に記載のように焼成に先立って懸濁液から分離する。焼成に先立ち、懸濁液から分離されたケイ酸塩を、少なくとも一回の上述の洗浄工程(4)及び/又は少なくとも一回の上述の乾燥工程(5)にかけることもできる。
【0073】
同形置換されたテクトケイ酸塩RUB−37を得るために、(2)及び/又は(3)及び/又は(4)及び/又は(5)で得られるケイ酸塩の(6)の焼成を、最高で700℃の範囲の温度で行うことが好ましい。より好ましくは、この焼成温度は300〜700℃の範囲であり、さらに好ましくは400〜600℃の範囲である。
【0074】
その際、本発明の方法のある好ましい実施様態によれば、この層状ケイ酸塩の加熱は、室温から最高で700℃の温度で行われ、さらに加熱速度は好ましくは0.1〜20℃/分の範囲であり、より好ましくは0.2〜10℃/分、特に好ましくは0.5〜5℃/分の範囲である。
【0075】
本発明の方法のある可能な実施様態によれば、この焼成を温度を変化させながら段階的に行ってもよい。本発明において用いられる「温度を変化させながら段階的に」は、被焼成酸塩を一定温度で加熱し、この温度で一定時間維持し、この温度から少なくとも一つの他の温度に加熱し、さらにその温度で一定時間維持する焼成を意味する。段階的な焼成を行う場合は、焼成ケイ酸塩は、好ましくは多くても4温度で、より好ましくは多くても3温度で、特に好ましくは2温度で焼成される。
【0076】
この焼成は、いずれの適当な雰囲気下で行ってもよく、例えば空気、希薄空気、窒素、水蒸気、合成空気または二酸化炭素下で行ってもよい。好ましくは、焼成が空気下で行われる。
【0077】
このために焼成をいずれかの適当な装置中で行ってもよい。焼成は、好ましくは回転管中で、ベルト焼成機中で、マッフル炉中で行われるが、目的用途に用いる、例えばモレキュラーシーブとしてケイ酸塩を用いるための装置や他の以下に述べる用途に用いるための装置内で行ってもよい。なお、回転管焼成機やベルト焼成機が特に好ましい。
【0078】
したがって、本発明はまた、さらに
(6)(3)または(4)または(5)で得られるケイ酸塩を、好ましくは300〜700℃の範囲の、より好ましくは400〜600℃の範囲の温度で焼成する上述の方法に関する。
【0079】
他の考えうる実施様態においては、本発明はまた、焼成の後でさらに、この焼成ケイ酸塩を適当に後処理して、焼成ケイ酸塩中の少なくとも一部のSi原子を少なくとも一種の適当な元素で同形置換する上述の方法に関する。好ましい好適な元素は、AlとB、Fe、Ti、Sn、Ga、Ge、Zr、V、Nb、およびこれらの二種以上の混合物からなる群から選ばれ、より好ましくはTiとAl、B、およびこれらの二つ以上の混合物から、さらに好ましくはTiまたはAlまたはBから選ばれる。このような焼成ケイ酸塩の後処理は、焼成前に層状ケイ酸塩がすでに同形置換層状ケイ酸塩であるかどうかに関係なく実施できる。格子内に取り込まれる元素の種類によっては、ケイ酸塩にカチオンを付着させることが可能となる負に荷電した骨格が形成される。特に、テトラアルキルアンモニウムなどの構造指向剤としてのアンモニウムイオン、白金、パラジウム、ロジウムまたはルテニウムカチオン、金カチオン、ナトリウムまたはカリウムイオンなどのアルカリ金属カチオン、マグネシウムまたはカルシウムイオンなどのアルカリ土類金属カチオンが、このような元素としてあげられる。
【0080】
したがって、本発明はまた、(6)の焼成を含む上述の方法により得られうるか得られるケイ酸塩、特に同形置換されたRUB−37ケイ酸塩に関する。
【0081】
また本発明は、ケイ酸塩中のSi原子の少なくとも一部が少なくとも一種の適当な元素で同形置換され、その少なくとも一種の適当な元素が、好ましくはAlとB、Fe、Ti、Sn、Ga、Ge、Zr、V、Nb、およびこれらの二種以上の混合物からなる群から選ばれ、より好ましくはTiとAl、B、およびこれらの二つ以上の混合物からなる群から、さらに好ましくはTiまたはAlまたはBから選ばれるRUB−37ケイ酸塩そのものに関する。
【0082】
好ましくは、本発明のRUB−37ケイ酸塩は、Si:層状ケイ酸塩中の適当な元素、好ましくはTiまたはBまたはAlの原子比として、1:(0.0001〜0.1)の範囲、より好ましくは1:(0.001〜0.05)、さらに好ましくは1:(0.005〜0.02)の範囲を示す。
【0083】
本発明のRUB−37ケイ酸塩は、好ましくは少なくとも以下の反射を含むX線回折パターンを示す。
【0084】
【表3】

【0085】
表中、100%は、X線回折パターン中の最大のピークの強度である。
【0086】
特に、例えばこの少なくとも一種の適当な元素がチタン(Ti−RUB−37)である場合は、本発明のRUB−37ケイ酸塩は、好ましくは少なくとも以下の反射を含むX線回折パターンを示す。
【0087】
【表4】

【0088】
変例(a)に記載の「ワンポット合成」も変例(b)に記載の後処理も実施せずに、RUB−37ケイ酸塩を後処理してRUB−37テクトケイ酸塩構造の少なくとも一部のSi原子を同形置換することもできる可能性があるといえる。
【0089】
好ましくは、同形置換された本発明のRUB−37ケイ酸塩は、DIN66135により求めたBET表面積として、150〜500m2/gの範囲を、より好ましくは200〜400m2/g、より好ましくは250〜350m2/gの範囲の値を示す。
【0090】
多くの工業用途においては、利用者は、ケイ酸塩材料そのものより、同形置換されたRUB−36及び/又はその同形置換されたRUB−37の成型物を使用することを望むことが多い。このような成型物は特に、多くの工業プロセスで必要であり、例えばチューブ反応器内で、例えば混合物から物質をうまく分離するために必要である。
【0091】
したがって、本発明はまた、上述の同形置換されたRUB−36及び/又は上述の同形置換されたRUB−37を含む成型物に関する。本発明はまた、上述の同形置換されたRUB−36のみからなる成型物に関する。
【0092】
一般に、この成型物は、もし得られる成型物が所望用途に好適であれば、本発明の同形置換されたRUB−36及び/又は同形置換されたRUB−37に加えてあらゆる考えうる他の化合物を含んでいてもよい。
【0093】
本発明によれば、この成型物の製造において、少なくとも一種の適当なバインダー材料が用いられることが好ましい。この好ましい実施様態においては、RUB−36とRUB−37と少なくとも一種のバインダーの混合物を製造することがより好ましい。好適なバインダーは、バインダーがない場合でも存在する物理吸着を超えて、結合すべきRUB−36及び/又はRUB−37の粒子間を接着及び/又は結合させる一般的なあらゆる化合物である。このようなバインダーの例としては、SiO2、Al23、TiO2、ZrO2またはMgOなどの金属酸化物や粘土、またはこれらの化合物の二種以上の混合物があげられる。Al23バインダーとしては、粘土鉱物や、α−、β−、γ−、δ−、η−、κ−、χ−またはθ−アルミナなどの天然または合成アルミナや、それらの無機または有機金属前駆化合物、例えばギブサイト、バイヤライト、ベーマイト、擬ベーマイトまたはアルミニウムトリイソプロピラートなどのアルミン酸トリアルコキシが特に好ましい。他の好ましいバインダーは、高極性基と無極性基とをもつ両親媒性化合とグラファイトである。他のバインダーは、例えば、粘土、例えばモンモリロナイトや、カオリン、ベントナイト、ハロイサイト、ジッカイト、ナクライトまたはアナキサイトである。これらのバインダーはそのまま使用できる。本発明によれば、成型物製造の少なくとも一つの他の工程において、バインダーの前駆体化合物を用いることもできる。このようなバインダー前駆体の例としては、テトラアルコキシシラン、テトラアルコキシチタネート、テトラアルコキシジルコネート、または2つ以上の異なるテトラアルコキシシランの混合物、または2つ以上の異なるテトラアルコキシチタネートの混合物、または2つ以上の異なるテトラアルコキシジルコネートの混合物、または少なくとも一種のテトラアルコキシシランと少なくとも一種のテトラアルコキシチタネートの混合物、または少なくとも一種のテトラアルコキシシランと少なくとも一種のテトラアルコキシジルコネートの混合物、または少なくとも一種のテトラアルコキシチタネートと少なくとも一種のテトラアルコキシジルコネートの混合物、または少なくとも一種のテトラアルコキシシランと少なくとも一種のテトラアルコキシチタネートと少なくとも一種のテトラアルコキシジルコネートの混合物があげられる。本発明によれば、全部または一部が、SiO2からなる、あるいは成型物製造の少なくとも一つの他の工程においてそれからSiO2が形成されるSiO2前駆体からなるバインダーがあげられる。この点で、コロイダルシリカと「湿式法」シリカと「乾式法」シリカの両方が使用できる。これらは極めて好ましくは非晶質シリカであり、そのシリカ粒子の大きさは、例えば、5〜100nmの範囲であり、シリカ粒子の表面積は50〜500m2/gの範囲である。好ましくはアルカリ性溶液及び/又はアンモニア性溶液の形のコロイダルシリカ、より好ましくはアンモニア性溶液の形のコロイダルシリカが、例えば、特にルドックス(R)、シトン(R)、ナルコ(R)またはスノーテックス(R)として市販されている。例えば、「湿式法」シリカは、特に、ハイ−シル(R)、ウルトラシル(R)、ブルカシル(R)、サントセル(R)、バルロン−エステルシル(R)、トクシル(R)またはニップシル(R)として市販されている。例えば、「乾式法」シリカは、特に、アエロジル(R)、レオロシル(R)、キャブ−O−シル(R)、フランシル(R)またはアークシリカ(R)として市販されている。これらのバインダーは、最終成型物の全重量に対してバインダーを最大で80重量%で含む、より好ましくは5〜80重量%の範囲で、より好ましくは10〜70重量%の範囲で、より好ましくは10〜60重量%の範囲で、より好ましくは15〜50重量%の範囲で、より好ましくは15〜45重量%の範囲で、特に好ましくは15〜40重量%の範囲で含む最終成型物を与える量で使用されることが好ましい。本発明で用いられる「最終成型物」は、後述のように乾燥および焼成工程(IV)及び/又は(V)から得られる、特に好ましくは工程(V)から得られる成型物をいう。
【0094】
バインダーまたはバインダー前駆体とRUB−36材料及び/又はRUB−37材料の混合物を、他の加工用やプラスチック材料成型用の少なくとも一種の他の化合物と混合することができる。なお、特に発泡剤が好ましくはあげられる。本発明の方法において、最終成型物に一定の孔径及び/又は一定の孔径分布及び/又は一定の空孔体積を与えるすべての化合物を発泡剤として使用可能である。本発明の方法で好ましく用いられる発泡剤は、水中または水系溶媒混合物中に分散可能な、懸濁可能な、あるいは乳化可能なポリマーである。なお、好ましいポリマーは、ポリエチレンオキシドなどのポリアルキレンオキシドやポリスチレン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリオレフィンなどの重合型ビニル化合物や、ポリアミド、ポリエステル、セルロースまたはメチルセルロースのようなセルロース誘導体などの炭水化物、または糖類または天然繊維である。他の好適な発泡剤は、例えばパルプやグラファイトである。発泡剤を(I)の混合物の製造に用いる場合、その発泡剤の含量は、好ましくは(I)の混合物中のポリマー含量は、(I)の混合物中のRUB−36及び/又はRUB−37の量に対して、好ましくは5〜90重量%の範囲であり、好ましくは15〜75重量%の範囲、特に好ましくは25〜55重量%の範囲である。所望の孔径分布を得るために、二種以上の発泡剤の混合物を用いることもできる。本発明の方法の特に好ましい実施様態においては、後述のように、この発泡剤を工程(V)で焼成により除いて多孔性成型物を与える。
【0095】
本発明の同様に好ましい実施様態においては、(I)の混合物の製造の際に少なくとも一種のペースト剤が添加される。使用可能なペースト剤は、本目的に好適なあらゆる化合物である。これらは、好ましくは有機ポリマー、特に親水性ポリマーであり、具体的には、セルロース、メチルセルロースなどのセルロース誘導体、バレイショ澱粉などの澱粉、壁紙糊、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリイソブテンまたはポリテトラヒドロフランである。したがって、発泡剤として働く特定の化合物をペースト剤として用いることもできる。本発明の方法の特に好ましい実施様態においては、後述のように、これらのペースト剤が工程(V)において焼成により除かれて多孔性成型物を与える。
【0096】
本発明の他の実施様態においては、少なくとも一種の酸性の添加物が、(I)の混合物の製造の際に添加される。後述のように、好ましい工程(V)で焼成により除去可能な有機酸性化合物が極めて好ましい。カルボン酸、例えばギ酸、シュウ酸及び/又はクエン酸が特に好ましい。これらの酸性化合物を二種以上用いることも可能である。
【0097】
RUB−36及び/又はRUB−37を含む(I)の混合物の成分の添加順序は重要ではない。まず少なくとも一種のバインダーを添加し、次いで少なくとも一種の発泡剤と少なくとも一種の酸性化合物を追加し、最後に少なくとも一種のペースト剤を加えてもよいし、少なくとも一種のバインダーと少なくとも一種の発泡剤と少なくとも一種の酸性化合物と少なくとも一種のペースト剤の順序を変更してもよい。
【0098】
適当なら少なくとも一種の上述の化合物がすでに添加されたRUB−36及び/又はRUB−37へのバインダーの添加の後に、(I)の混合物は、原則として10〜180分間均質化される。均質化には、特にニーダー、エッジミル、またはエクストルーダーが特に好ましく用いられる。この混合物は、好ましくはニーダーで混練される。工業スケールでは、エッジミル中での処理が均質化に好ましく用いられる。この均質化は、原則として約10℃〜ペースト剤の沸点の範囲の温度で、常圧下またはやや加圧下で行われる。その後、適当なら少なくとも一種の上述の化合物を添加することができる。このようにして得られる混合物を、押し出し可能なプラスチック材料ができるまで均質化、好ましくは混練する。
【0099】
本発明のより好ましい実施様態によれば、この均質化された混合物が成型される。本発明において、成形方法としては、この成型物が従来の押出機中で押出成型され、例えば直径が好ましくは1〜10mmである、特に好ましくは2〜5mmである押出成型物を与えるプロセスが好ましい。このような押出成型装置が、例えば、Ullmann’s Enzyklopadie der Technischen Chemie, 4th Edition, Vol. 2, page 295 et seq., 1972に記載されている。スクリュー型押出機の使用に加えて、プランジャ型押出機も成型に好ましく使用される。しかしながら、原理的には、すべての既知で及び/又は適当な混練成型装置やプロセスが成形に使用できる。これらの例としては、特に、ブリケット化、即ち他のバインダー材料の添加または無添加での機械的な圧縮や、ペレット化、即ち円形及び/又は回転運動による成型、焼き付け、即ち成型材料の熱処理があげられる。本発明により製造される成型物の形状は、好きなように選ばれる。特に、球、卵形、円柱または板状が可能である。
【0100】
本発明において、工程(III)の後に少なくとも一回の乾燥工程が続くことが好ましい。
【0101】
本発明において、工程(IV)の後に少なくとも一回の焼成工程が続くことが好ましい。焼成は、一般に300〜700℃の範囲の温度で、好ましくは400〜600℃の範囲の温度で行われる。焼成を、いずれか適当なガス雰囲気下で行うことができ、空気及び/又は希薄空気が好ましい。また、焼成は、好ましくはマッフル炉、回転式キルン及び/又はベルト焼成オーブン中で行われる。焼成工程中の温度を一定とすることもできるし、連続的または不連続的に変化させることもできる。焼成を2回以上行う場合、この焼成温度が個々の工程で異なっていても、同じであってもよい。
【0102】
したがって、本発明はまた、以下の工程からなる上述の成型物の製造方法に関する。
【0103】
(I)同形置換されたRUB−36ケイ酸塩及び/又は同形置換されたRLJB−37ケイ酸塩と必要に応じて少なくとも一種のバインダーを含む混合物を製造し、
(II)該混合物を混練し、
(III)混練混合物を成型して、少なくとも一種の成型物を与え、
(IV)該少なくとも一種の成型物を乾燥させ、
(V)該少なくとも一種の乾燥成型物を焼成する。
【0104】
乾燥前及び/又は乾燥後に、及び/又は焼成前及び/又は焼成後に、この少なくとも一種の成型物を、適当なら濃厚または希薄ブレンステッド酸または二種以上のブレンステッド酸の混合物で処理してもよい。好適な酸は、例えば塩酸、硫酸、リン酸、硝酸、またはカルボン酸、ジカルボン酸またはニトリロ三酢酸などのオリゴカルボン酸またはポリカルボン酸、スルホサリチル酸またはエチレンジアミン4酢酸である。適当なら、この少なくとも一種のブレンステッド酸での少なくとも一回の処理の後に、少なくとも一回の乾燥工程及び/又は少なくとも一種の焼成工程が続き、いずれの場合も上述の条件下で実施される。
【0105】
本発明の方法の他の実施様態においては、硬化を促進するために、本発明で得られる成型物を水蒸気処理にかけ、その後、好ましくは乾燥を少なくとも再度1回行い、及び/又は焼成を再度少なくとも1回行う。例えば、少なくとも一回の乾燥工程と少なくとも一回の続く焼成工程の後で、焼成成型物を水蒸気処理にかけ、再度少なくとも1回乾燥し及び/又は再度少なくとも1回焼成する。
【0106】
本発明はさらに、本発明の同形置換されたRUB−36及び/又は同形置換されたRUB−37、及び/又は本発明の成型物の、モレキュラーシーブや触媒、触媒支持体またはそのバインダー、吸着剤、顔料、洗剤の添加物、建材用の添加物としての、塗布ペーストや仕上げ剤にチキソトロピック性を与えるための、外部および内部潤滑剤、難燃剤、紙製品中の補助剤やフィラーとしての、殺菌及び/又は殺真菌及び/又は除草剤組成物中での、イオン交換用の、セラミックス製造用の、ポリマー中での、電気、光学または電気光学部品や開閉素子またはセンサー中での利用に関する。
【0107】
好ましくは、本発明の同形置換されたRUB−36及び/又は同形置換されたRUB−37、及び/又は本発明の成型物は、触媒や触媒支持体またはそのバインダー、吸着剤として、イオン交換用に、セラミックスの製造用に、またはポリマー内で使用される。
【0108】
また、同形置換されたRUB−36を層状ケイ酸塩の製造用の出発原料として使用することもできる。
【実施例】
【0109】
以下、本発明を、下記の実施例と図面を参照しながらより詳細に説明する。
【0110】
すべての粉末X線回折パターンは、単色光Cu Kα−1を放射するSiemens D−5000を用いて記録した。なお、好ましい配向を避けるために毛細管試料ホルダーを使用した。回折データは、ブラウン社の位置検知型検出器を用い、8〜96°(2θ)の範囲で、0.0678°の間隔で収集した。粉末図のピークの同定は、粉末−X線で用いられるプログラムTreor90により行なった(Treor90は、URLがhttp://www.ch.iucr.org/sincris−top/logiciel/である、無償利用可能なパブリックドメインプログラムである)。これらの図において、角度2θ(単位:°)を横軸に、また強度を縦座標にプロットした。
【0111】
実施例1:チタンで同形置換されたRUB−36の調整
349.8gのジエチルジメチルアンモニウムヒドロキシド(20.62重量%)水溶液を評量してビーカーに入れ、そこに72.7gの非晶質シリカ(アエロジル(R))を少しずつ加え、混合物を30分間攪拌した。次いで、3.6gのRUB−36を種結晶として加え、混合物を1時間攪拌した。
【0112】
第二のビーカー中で、2.8gのテトラブチルオルソチタネートを111mlの過酸化水素水溶液(30重量%)に溶解して、透明なオレンジ色の溶液を得た。上記溶液を次いで第一の混合物に加え、得られた混合物を1時間攪拌した。次いで、ロータリーエバボレータを用いて上記混合物から94.2gの水を除き、濃縮混合物を30分間攪拌した。次いで、得られた168.1gの明るい緑色の懸濁液(pH=12)を評量して、圧力消化容器に入れ、そこで140℃の水熱条件下で288時間加熱した。
【0113】
次いで、得られた生成物を吸引濾過し、蒸留水で洗浄し、100℃で16時間乾燥して白色粉末を得た。
【0114】
【表5】

【0115】
実施例2:チタンで同形置換されたRUB−37の調整
実施例1で得られたTi−RUB−36材料を大気下で焼成した。焼成温度は500℃であり、このケイ酸塩を1℃/分の速度で加熱してこの温度まで調整した。500℃の温度に5時間維持した。
【0116】
【表6】

【0117】
実施例3:ホウ素同形置換されたRUB−36の調整
5.434gのジエチルジメチルアンモニウムヒドロキシド(21.9重量%)水溶液を評量してビーカーに入れ、そこに1.2gのヒュームドシリカを少しずつ添加し、混合物を30分間攪拌した。0.036gのRUB−36を種結晶として添加し、混合物を1時間攪拌し、その後0.024gのホウ酸をこの混合物に加えた。得られた懸濁液を圧力消化容器に移し、この中で140℃の水熱条件下で8日間(192時間)加熱した。
【0118】
次いで、得られた生成物を吸引濾過し、蒸留水で洗浄し、100℃で16時間乾燥して0.989gの生成物を得た。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
同形置換されたRUB−36層状ケイ酸塩の製造方法であって、
(1)シリカ、好ましくは非晶質シリカ、及び/又は少なくとも一種のシリカ前駆体と、水と、
ジエチルジメチルアンモニウム化合物、トリエチルメチルアンモニウム化合物、およびジエチルジメチルアンモニウムとトリエチルメチルアンモニウム化合物との混合物からなる群から選ばれる少なくとも一種のテトラアルキルアンモニウム化合物と、必要に応じて少なくとも一種の塩基とを含む混合物を供給する工程、
(2)(1)で得られる混合物を水熱条件下で加熱して、RUB−36ケイ酸塩を含む懸濁液を与える工程、
(3)(2)により得られる懸濁液からRUB−36ケイ酸塩を分離し、必要に応じて(4)洗浄及び/又は(5)乾燥する工程
を含み、且つ
(a)(1)の混合物が、ケイ酸塩中のSi原子の少なくとも一部を同形置換するのに好適な少なくとも一種の元素の少なくとも一種の供給源を含み、及び/又は
(b)(3)において分離された、また必要に応じて洗浄及び/又は乾燥されたRUB−36ケイ酸塩を後処理し、ケイ酸塩中のSi原子の少なくとも一部を少なくとも一種の好適な元素で同形置換することを特徴とする製造方法。
【請求項2】
(a)と(b)において、前記同形置換に好適な少なくとも一種の元素が、Al、B、Fe、Ti、Sn、Ga、Ge、Zr、V、Nb、およびこれらの二種以上の混合物からなる群から選ばれ、好ましくはTi、Al、B、およびこれらの二種以上の混合物からなる群から選ばれる請求項1に記載の方法。
【請求項3】
(1)の水混合物が、ジエチルジメチルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルメチルアンモニウムヒドロキシド、またはジエチルジメチルアンモニウムヒドロキシドとトリエチルメチルアンモニウムヒドロキシドの混合物を、好ましくはジエチルジメチルアンモニウムヒドロキシドを含む請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
非晶質シリカが(1)で使用される請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
(1)により得られる混合物が、SiOまたはSiOとして計算されるシリカ前駆体、少なくとも一種のテトラアルキルアンモニウム化合物、及び水を、SiO:テトラアルキルアンモニウム化合物:水のモル比で1:(0.45〜0.55):(0.5〜20)で、好ましくは1:(0.49〜0.51):(1〜16)で含む請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
(1)により得られる混合物が、少なくとも一種の適当な種結晶材料、好ましくはRUB−36種結晶、より好ましくは全シリカ製RUB−36種結晶を含む請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
(1)により得られる混合物が、SiO及び/又はSiOとして計算されるシリカ前駆体と種結晶材料とを、質量比で1:(0.01〜0.2)、好ましくは1:(0.02〜0.1)で含む請求項6に記載の方法。
【請求項8】
(2)の混合物を1〜18日間の範囲の期間、好ましくは7〜15日間の範囲の期間加熱する請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
(2)の混合物を135〜145℃の範囲の温度に加熱する請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
さらに、
(4)当該分離されたケイ酸塩を、好ましくはpHが6.5〜7.5の範囲となるまで洗浄し、及び/又は
(5)当該分離され、必要に応じて洗浄されたケイ酸塩を、好ましくは75〜125℃の範囲の温度で乾燥する請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
(1)の反応混合物中のSiO及び/又はSiOとして計算されるシリカ前駆体と同形置換に好適な少なくとも一種の元素(1)のモル比が、1:(0.0001〜0.1)、好ましくは1:(0.001〜0.05)であり、より好ましくは1:(0.005〜0.02)である請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
(1)において用いられる水混合物がさらに過酸化水素を含む請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記同形置換に好適な少なくとも一種の元素がTiであり、少なくとも一つのTiの供給源:過酸化水素のモル比が0.005〜0.01の範囲にある請求項11または12に記載の方法。
【請求項14】
Tiの供給源が、テトラアルキルオルソチタネートまたは2つ以上のテトラアルキルオルソチタネートの混合物、好ましくはテトラブチルオルソチタネートである請求項13記載の方法。
【請求項15】
(3)のRUB−36ケイ酸塩を後処理し、該後処理が、分離の直後に、または必要に応じて洗浄及び/又は乾燥の直後に行われる請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
(6)(3)または(4)または(5)で得られるケイ酸塩を、好ましくは300〜700℃の範囲の温度で、好ましくは400〜600℃の範囲の温度で焼成する工程を、更に含む請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法により得られるRUB−36ケイ酸塩。
【請求項18】
ケイ酸塩中のSi原子の少なくとも一部が少なくとも一種の適当な元素で同形置換されたRUB−36ケイ酸塩。
【請求項19】
前記少なくとも一種の適当な元素が、Al、B、Fe、Ti、Sn、Ga、Ge、Zr、V、Nb、およびこれらの二種以上の混合物からなる群から選ばれ、好ましくはTi、Al、B、およびこれらの二つ以上の混合物からなる群から選ばれる請求項17または18に記載のケイ酸塩。
【請求項20】
前記層状ケイ酸塩中のSi:適当な元素、好ましくはTiまたはAlまたはBの原子比が、1:(0.0001〜0.1)の範囲、好ましくは1:(0.001〜0.05)、より好ましくは1:(0.005〜0.02)の範囲である請求項17〜19のいずれか一項に記載のRUB−36ケイ酸塩。
【請求項21】
少なくとも以下の反射を有するX線回折パターンをもつ請求項17〜20のいずれか一項に記載のケイ酸塩。
【表1】

表中、100%は、X線回折パターン中の最大のピークの強度である。
【請求項22】
請求項16に記載の方法によって得られるRUB−37ケイ酸塩。
【請求項23】
ケイ酸塩中のSi原子の少なくとも一部が少なくとも一種の適当な元素で同形置換され、該少なくとも一種の適当な元素が、好ましくはAl、B、Fe、Ti、Sn、Ga、Ge、Zr、V、Nb、およびこれらの二種以上の混合物からなる群から選ばれ、より好ましくはTi、Al、B、およびこれらの二つ以上の混合物からなる群から選ばれるRUB−37ケイ酸塩。
【請求項24】
前記層状ケイ酸塩中のSi:適当な元素、好ましくはTiまたはAlまたはBの原子比が、1:(0.0001〜0.1)の範囲、好ましくは1:(0.001〜0.05)、より好ましくは1:(0.005〜0.02)の範囲にある請求項22〜23のいずれか一項に記載のRUB−37ケイ酸塩。
【請求項25】
少なくとも以下の反射を有するX線回折パターンをもつ請求項22〜24のいずれか一項に記載のケイ酸塩。
【表2】

表中、100%は、X線回折パターン中の最大のピークの強度である。
【請求項26】
DIN66135により求めたBET表面積が、150〜500m/gの範囲、より好ましくは200〜400m/g、より好ましくは250〜350m/gの範囲にある請求項22〜25のいずれか一項に記載のケイ酸塩。
【請求項27】
成型物中に含まれる請求項17〜26のいずれか一項に記載のケイ酸塩。
【請求項28】
請求項17〜27のいずれか一項に記載のケイ酸塩の、モレキュラーシーブ、触媒、触媒支持体またはそのバインダー、吸着剤、顔料、洗剤の添加物、建材の添加物としての、塗装用ペーストや仕上げ剤にチキソトロピー性を与えるための外部および内部潤滑剤としての、難燃剤、紙状物の助剤や充填材としての、殺菌及び/又は殺真菌及び/又は除草剤組成物中での、イオン交換のための、セラミックスの製造のための、ポリマー中での、電気的、光学的または電気光学的部品や開閉素子またはセンサーとしての使用方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2012−519638(P2012−519638A)
【公表日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−552432(P2011−552432)
【出願日】平成22年3月3日(2010.3.3)
【国際出願番号】PCT/EP2010/052699
【国際公開番号】WO2010/100193
【国際公開日】平成22年9月10日(2010.9.10)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【出願人】(304021417)国立大学法人東京工業大学 (1,821)
【Fターム(参考)】