説明

同軸プローブと、プローブ収納ボードと、ケーブル保持ボードと、コンタクト機と、ケーブル保持ボードの製造方法

【課題】 コンタクト機の同軸対応化を図り、コンタクト機を中継手段として接続された電気回路素子等と測定回路等の回路とにより形成された回路へのノイズの侵入をより完全に防止することができ、更に、インピーダンス整合をより良好に取れるようにする。
【解決手段】 芯線を成す棒状導電子4と、これ4にこれを抜け止めした状態で外嵌された絶縁筒6と、一端に導電子遊挿孔16が形成されその導電子遊挿孔の外周部に外側に突出する接触突起18が形成され電気的導電性を有する一対の筒体12a、12aからなり、絶縁筒6に外嵌された外側導電筒12と、一対の筒体12a・12a間に介在せしめられた導電性の圧縮スプリング26と、外側導電筒12に外嵌され筒体12a・12a間の距離を一定以上大きくならないように規制しつつ保持するバレルとで同軸プローブ2を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体素子等の電子部品の各電極とテスター回路等の電子回路とを電気的に接続するための中継に使用される同軸プローブと、プローブ収納ボードと、ケーブル保持ボードと、これ等を用いたコンタクト機と、上記ケーブル保持ボードの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
IC、LSI、トランジスタその他の電子部品を用いた電子回路は、各種の装置、機器類に非常に多く用いられており、その用途は拡大の一途を辿っているが、これらの電子回路は片面或いは両面に配線膜が印刷されたプリント基板を用いて構成されるのが普通であり、該プリント基板にIC、LSI、トランジスタその他の各種電子部品を搭載し、必要な半田付けを行うことにより電子回路が構成されるようになっている。
【0003】
そして、電子回路を用いた装置、機器類はその多くが小型化、高機能化、高性能化が要求され、それに伴って電子回路の回路構成が複雑化、高集積化を要求されている。従って、プリント基板の配線も微細化、高集積化の傾向があり、その結果、その検査のための測定が難しくなる。というのは、配線の微細化、高集積化により測定用プローブの配設密度、配置位置の精度を高くすることが必要であるからである。
【0004】
それでいて、検査の重要性は高まる一方である。
というのは、配線の微細化、高集積化が進むほど、ショート不良の発生率が高くなるからである。
そして、その検査には、測定回路を備えたテスターが用いられ、その測定回路へのプリント基板の各配線膜、電極等の電気的導出にはコンタクト機が用いられる。このコンタクト機はプレートに多数のプローブを備え、各プローブの一端をプリント基板の各配線膜等の測定回路に電気的に接続すべき部分に接触させ、他端を測定回路に接続されたコードの先端に接触させるようになっているものが多い。これに関しては、本願出願人会社は特願平7−61728、特願平8−183449、特願平10−66333等により各種提案を行っている。
【0005】
【特許文献1】特願平7−61728
【特許文献2】特願平8−183449
【特許文献3】特願平10−66333
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、IC、LSI等の被測定体と、測定回路との間を同軸ケーブルにより接続する必要性が生じている。というのは、電子機器類の高性能化、高周波数化、多機能化に伴って測定精度をより高めたり、測定速度をより速めることが必要となり、測定精度を高めたり、測定速度を速めるためには、測定ライン(線路)へのノイズ侵入のより完全な防止やより完全なインピーダンス整合が必要となり、それには、被測定体・測定回路間の同軸ケーブルによる接続が好ましいからである。
【0007】
しかしながら、従来においては、コンタクト機として同軸ケーブル対応のものがなかった。というのは、テスター等の測定回路に接続されたケーブル芯線をプローブを成す棒状導電子により被測定素子、例えばIC、LSI、VLSI等側の端子に電気的に接続することができても、ケーブル外側導体を被測定素子側の端子に電気的に接続する手段がなかったからである。
即ち、従来、コンタクト機においては同軸ケーブル対応になっておらず、そのケーブル保持ボード部分においてノイズが侵入したり、必要なインピーダンス整合を充分にとることができないという問題があった。
【0008】
本発明はこのような問題点を解決すべく為されたものであり、同軸プローブと、これを収納するプローブ収納ボードと、このプローブ収納ボードとでコンタクト機を構成するケーブル保持ボードと、これ等のプローブ収納ボード及びケーブル保持ボードを用いた同軸対応のコンタクト機と、上記ケーブル保持ボードの製造方法を提供し、以て、コンタクト機の同軸対応を図り、コンタクト機を中継手段として接続された電気回路素子等と測定回路等の回路とにより形成された回路へのノイズの侵入をより完全に防止することができ、更に、インピーダンス整合をより良好に取れるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1の同軸プローブは、両端が他と接触して電気的導通をとる接触端とされた芯線を成す棒状導電子と、該棒状導電子にこれを抜け止めした状態で外嵌された電気的絶縁性を有する絶縁筒と、一端が閉塞され他端が開口しその閉塞された一端に上記棒状導電子を非接触で通す導電子遊挿孔が形成されその導電子遊挿孔の外周部に外側に突出する1又は複数の接触突起が形成され電気的導電性を有する一対の筒体を、上記開口した他端同士を対向させてなり、上記絶縁筒に外嵌された外側導電筒と、該外側導電筒を成す上記一対の筒体間に介在せしめられた導電性を有する圧縮スプリングと、上記外側導電筒を、それに外嵌され上記筒体間の距離を一定以上大きくならないように規制しつつ保持するバレルと、からなることを特徴とする。
【0010】
請求項2のプローブ収納ボードは、同軸プローブを保持するプローブ保持孔が複数貫設されたプローブ保持板を有し、その各プローブ保持孔には、請求項1に記載された同軸プローブが、両端が上記プローブ保持板の両面から突出し、その両面に突出した全同軸プローブの棒状導電子と外側導電筒の先端が同一平面上に位置し、且つ抜け止めされた状態で収納されたことを特徴とする。
請求項3のケーブル保持ボードは、複数のケーブル収納孔を形成したケーブル保持板を有し、該各ケーブル収納孔に、端面が研磨されその面にケーブル芯線、ケーブル外部導体が露出せしめられた同軸ケーブルのその端面側の端部を、その端面と上記ケーブル保持板の表面とが同一平面上に位置するように挿入し固定したことを特徴とする
【0011】
請求項4のコンタクト機は、請求項2に記載されたプローブ収納ボード及び請求項3に記載されたケーブル保持ボードを有し、上記プローブ収納ボードの各同軸プローブが上記ケーブル保持ボードの上記ケーブル保持板の上記表面に、各棒状導電子の一方の接触端がそれと対応する同軸ケーブルのケーブル芯線と、各外側導電筒の一方の側の接触突起がそれと対応する同軸ケーブルのケーブル外部導体と、それぞれ互いに接触し得るように位置合わせして臨まされ、上記同軸プローブを上記ケーブル保持ボードに近接して全同軸プローブとそれに対応する同軸プローブとが上記接触をする接触状態が生じたり、離間してその接触状態が解除されたりするようにしたことを特徴とする。
【0012】
請求項5のケーブル保持ボードの製造方法は、複数のケーブル収納孔を形成したケーブル保持板からなり、その各ケーブル収納孔に、端面が研磨されその面にケーブル芯線、ケーブル外部導体が露出せしめられた同軸ケーブルのその端面側の端部を、その端面と上記ケーブル保持板の表面とが同一平面上に位置するように挿入し固定したケーブル保持ボードの製造方法であって、複数のケーブル収納孔を形成したケーブル保持板と、それに保持される複数の同軸ケーブルとを用意し、上記各同軸ケーブルの一端部を、ケーブル保持板の一方の表面側から各ケーブル収納孔に、先端がそのケーブル収納孔から突出するように挿入し、接着し、その後、上記全同軸ケーブルの上記ケーブル収納孔から突出した部分を上記ケーブル保持板の表面と平行な研磨方向の研磨して各同軸ケーブルの端面にケーブル芯線及びケーブル外部導体が露出するようにすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の同軸プローブによれば、棒状導電子が同軸ケーブルのケーブル芯線と接続され、外側導電筒がケーブル外部導体と接続されるので、同軸プローブを用いたコンタクト機においても同軸対応ができる。従って、コンタクト機を用いた測定回路へのノイズの侵入をより完全に防止することができ、更に、インピーダンス整合をより良好に取れるようにすることが可能になる、
請求項2のプローブ収納ボードによれば、複数の同軸ケーブルに接続される複数の同軸プローブを一つのケーブル保持板に、両端がこのケーブル保持板の両表面から突出し、且つ、抜け止めした状態で収納したので、IC等の多数の電極と、テスター回路等の多数の電極との間を同軸対応で接続することが可能になる。
【0014】
請求項3のケーブル保持ボードによれば、複数のケーブル収納孔を形成したケーブル保持板の各ケーブル収納孔に、端面が研磨されその面にケーブル芯線、ケーブル外部導体が露出せしめられた同軸ケーブルのその端面側の端部を、その端面と上記ケーブル保持板の表面とが同一平面上に位置するように挿入し固定したので、上記ケーブル保持板の表面上に各ケーブル収納孔に端部を収納された同軸ケーブルのケーブル芯線及びケーブル外部導体の先端面に位置するようにすることができる。
従って、請求項3に記載のプローブ収納ボードに収納された全同軸プローブの棒状導電子、外側導電筒の先端と、全同軸ケーブルのケーブル芯線、ケーブル外部導体とを電気的に接続することが可能となる。
【0015】
請求項4のコンタクト機によれば、請求項2に記載されたプローブ収納ボード及び請求項3に記載されたケーブル保持ボードとを、そのプローブ収納ボードの各同軸プローブがケーブル保持ボードの上記ケーブル保持板の上記表面に、各棒状導電子の一方の接触端がそれと対応する同軸ケーブルのケーブル芯線と、各外側導電筒の一方の側の接触突起がそれと対応する同軸ケーブルのケーブル外部導体と、それぞれ互いに接触し得るように位置合わせして臨ませ、上記同軸プローブを上記ケーブル保持ボードに近接して上記各接触状態が生じたり、離間してその接触状態が解除されたりするようにしたので、全部の同軸ケーブルのケーブル芯線、ケーブル外部導体を全部の同軸プローブの棒状導電子、外側導電筒により電気的に導出し、例えば同軸プローブのケーブル保持ボードと反対側に配置されるIC等に接続することができ、同軸対応の取れたコンタクト機を提供することができる。
【0016】
請求項5のケーブル保持ボードの製造方法によれば、ケーブル保持板と、複数の同軸ケーブルとを用意し、各同軸ケーブルの一端部を、ケーブル保持板の一方の表面側から各ケーブル収納孔に、先端がそのケーブル収納孔から突出するように挿入し、接着し、その後、上記全同軸ケーブルの上記ケーブル収納孔から突出した部分を上記ケーブル保持板の表面と平行な研磨方向の研磨して各同軸ケーブルの端面にケーブル芯線及びケーブル外部導体が露出するようにするので、請求項2のケーブル保持ボードを得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の同軸プローブは、基本的に、棒状導電子と、それに抜け止めした状態で外嵌された電気的絶縁性を有する絶縁筒と、これに外嵌された外側導電筒と、上記外側導電筒を成す上記一対の筒体間に介在せしめられた導電性を有する圧縮スプリングと、上記外側導電筒を、それに外嵌され上記筒体間の距離を一定以上大きくならないように規制しつつ保持するバレルからなるが、上記絶縁筒の外周面の両端から稍内側の部分を適宜小径にすることにより段部を設け、更に、上記各外側導電筒の内周面の開口側の端面から上記段部と対応する部分に至って内径を適宜大径にすることにより段部を設け、その内径を大径にされた部分に密着スプリングを固定し、その密着スプリングの段部(外側導電筒の段部)から食み出た部分が上記絶縁筒の上記段部に係合して絶縁筒と各外側導電筒との位置関係を規定するようにすると良い。後述する実施例においては、そのようにされている。
【0018】
また、各同軸プローブは、コンタクト機に使用され、測定時等のコンタクト時、即ち、同軸ケーブルと、IC等との間を電気的に接続した状態の時における、インピーダンスZoが所定の値、例えば50Ωになるようにすることが好ましい。
【実施例1】
【0019】
以下、本発明を図示実施例に従って詳細に説明する。
図1(A)〜(C)は本発明同軸プローブの一つの実施例を示すもので、(A)は縦断面図、(B)は同軸プローブを左端から視た図、(B)は一端部を示す斜視図である。
2は同軸プローブ、4は後で説明する同軸ケーブルのケーブル芯線と接蝕せしめられる棒状導電子で、細い円柱体の両端面中心にそれより更に細い針状体が突出形成された形状を有する。
【0020】
8はその棒状導電子4に外嵌された絶縁筒で、上記棒状導電子4の中間部を成す円柱体よりも稍長く、その円柱体の外径よりも稍大きな内径を有する。そして、絶縁筒8の両端部には内径が他の部分よりも小径にされたリング状の突起8、8が形成されており、この突起8、8が上記棒状導電子4の中間部を成す円柱体と係合してこの棒状導電子4を抜け止めするようにされている。
絶縁筒8の外周面の両端部には外径を中間部よりも大径にすることにより形成された突起10、10を有する。
【0021】
12a、12aは外側導電筒12を構成する筒体であり、一方の端が開口し、他方が閉塞した形状を有し、14、14はその閉塞端を示す。16、16はその閉塞端14、14の中心部に形成された導電子遊挿孔であり、上記棒状導電子4の外径よりも充分に大きい内径を有する。18、18、・・・は外側導電筒12の上記導電子遊挿孔16、16の周部に配設された針状の接触突起であり、この接触突起18、18、・・・が被測定IC等、或いは同軸ケーブルのケーブル外部導体と接触して、電気的導通を取る役割を果たす。
【0022】
20、20は外側導電筒12を構成する筒体12a、12aの内周面の開口側の端部から略中央部に至る部分を他の部分より内径を大径にすることにより形成された段部で、この段部20、20は上記絶縁筒8の突起10、10による内向きの段部と対応するところに位置されている。22、22は筒体12a、12aの外周面の開口側の端部から略中央部に至る部分を他の部分より外径を大径にすることにより形成された外向きの段部である。
【0023】
24、24は上記密着スプリング(隣接線輪間が固定され弾性がなくされたスプリング)で、上記外側導電筒12の内周面の上記内径を大径にされた部分に固着されており、その太さは段部20、20の段差よりも大きくされ、段部20、20から食み出た部分が上記絶縁筒6の突起10と係合する段部を成している。そして、その係合により、絶縁筒8とそれに外嵌された外側導電筒12との軸方向における位置関係が規定されるようになっている。
【0024】
26は導電性の圧縮スプリングで、上記一対の外側導電筒12・12の開口側端部間に介在せしめられている。28は筒状のバレルで、両端部には内側に突出するリング状の突起30、30が形成されており、この筒状のバレル28が外側導電筒12を構成する一対の筒体12a・12に外嵌され、その突起30、30がその筒体12a、12aの段部22、22に係合せしめられて一対の筒体12a、12aからなる外側導電筒12を抜け止め状態で保持する。
【0025】
このような同軸プローブ2によれば、棒状導電子4の一方の側の端子が同軸ケーブルのケーブル芯線と、一方の外側導電筒の接触突起18、18、・・・が同軸ケーブルのケーブル外側導体とそれぞれ接触し、図示しない被測定側素子の電極へ電気的に接続することができる。この同軸プローブ2のインピーダンスは、後述するように、コンタクト機に組み込んでコンタクト状態にした時において所定のインピーダンス、例えば50Ωになるように設定されている。
【0026】
図2(A)、(B)は本発明コンタクト機の一つの実施例を示すもので、(A)はコンタクト機の断面図、(B)はケーブル保持ボードに収納された同軸ケーブルを示す断面図である。
コンタクト機は、プローブ収納ボード40と、ケーブル保持ボード42からなる。ブローブ収納ボード40は、複数枚のプローブ保持用の板44a、44b、44bを積層したプローブ保持板44に形成されたプローブ収納用の孔46a、46b、46bからなるプローブ収納孔46を多数形成し、その各プローブ収納孔46、46、・・・に上記同軸プローブ2、2、・・・を抜け止めした状態で収納したものであり、各同軸プローブ2、2、・・・の両端部はプローブ収納板44の両表面から突出している。
【0027】
上記ケーブル保持ボード42は、ケーブル保持板48に多数のケーブル保持孔50、50、・・・を上記プローブ収納孔46、46、・・・に対応して形成し、該各ケーブル保持孔50、50、・・・に同軸ケーブル52の先端部を挿入し、接着してなる。
同軸ケーブル52は、ケーブル芯線54を絶縁体56で被覆し、その絶縁体56をケーブル外部導体58で被覆し、更に、このケーブル外部導体58をケーブル被覆体60で被覆してなるものである。
【0028】
同軸ケーブル52の各ケーブル芯線54、54、・・・がプローブ収納ボード40のプローブ収納孔46、46、・・・に収納された各同軸プローブ2、2、・・・の棒状導電子4、4、・・・に接触し、各ケーブル外部導体58、58、・・・が各同軸プローブ2、2、・・・の外側導電筒12の接触突起18、18、・・・に接触し得るように、プローブ収納ボード40のプローブ収納孔46、46、・・・と、ケーブル保持ボード42のケーブル保持孔50、50、・・・の配置位置が設定され、ケーブル保持ボード42の上方に、プローブ収納ボード40が上下方向に移動可能に配置されている。
【0029】
そして、ケーブル保持ボード42の各同軸ケーブル52、52、・・・は、その先端面にケーブル芯線54、ケーブル外部導体58が露出し、その先端面がケーブル保持板48の表面と同一平面上に位置するようにされている。この各同軸ケーブル52、52、・・・のケーブル保持ボード42に挿入、固定された側と反対側の端部は、例えば図示しないテスター回路に接続されている。
【0030】
このコンタクト機は、上記プローブ収納ボード40を下降させることにより、それに収納された各同軸ケーブル2、2、・・・の棒状導電子4、4、・・・、外側導電筒12の接触突起18、18、・・・を、上記ケーブル保持ボード42に保持された同軸ケーブル52、52、・・・のケーブル芯線54、54、・・・、ケーブル外部導体58、58、・・・にそれぞれ接触させることができるようにしてコンタクト状態を形成し、上記プローブ収納ボード40を上昇させることにより、非コンタクト状態にすることができるようになっている。
【0031】
そして、上記プローブ収納ボード40の上に図示しないIC等の被測定体をロード(セット)し、その被測定体の電極と、同軸プローブ2、2、・・・の棒状導電子4、4、・・・及び外側導電筒12の接触突起18、18、・・・とを接触させることができるようになっている。
従って、コンタクト機により、IC等の被測定体の各電極と、それに対応する各同軸ケーブル52、52、・・・のケーブル芯線54、54、・・、ケーブル外部導体58、58、・・・とを電気的に接続した状態、即ちコンタクト状態を形成することができる。
【0032】
図3(A)、(B)は上記ケーブル保持ボード42の製造方法を工程順に示す断面図である。
(A)ケーブル保持板48の各ケーブル保持孔50、50、・・・に下側から同軸ケーブル52、52・・・をその先端がケーブル保持板48の上側表面から稍食み出すように挿入し、接着剤62で接着して固定する。図3(A)はその固定した状態を示す。
(B)次に、研磨機64を用いて、上記ケーブル保持板48の表面に平行な方向に研磨することにより同軸ケーブル52のケーブル保持板48から突出した部分を研磨する。
これにより、同軸ケーブル52の研磨面となった端面にケーブル芯線54及びケーブル外部導体58に露出した状態になり、ケーブル保持ボード42が出来上がる。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明は、半導体素子等の電子部品の各電極とテスター回路等の電子回路とを接続するための中継に使用される同軸プローブと、プローブ収納ボードと、ケーブル保持ボードと、コンタクト機と、ケーブル保持ボードの製造方法に一般的に利用可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】(A)〜(C)は本発明同軸プローブの一つの実施例を示すもので、(A)は縦断面図、(B)は同軸プローブを左端から視た図、(B)は一端部を示す斜視図である。
【図2】(A)、(B)は本発明コンタクト機の一つの実施例を示すもので、(A)はコンタクト機の断面図、(B)はケーブル保持ボードに収納された同軸ケーブルを示す断面図である。
【図3】(A)、(B)はケーブル保持ボード42の製造方法を工程順に示す断面図である。
【符号の説明】
【0035】
2・・・同軸プローブ、4・・・棒状導電子、6・・・絶縁筒、12・・・外側導電筒、14・・・閉塞端、16・・・導電子遊挿孔、18・・・接触突起、
26・・・導電性の圧縮スプリング、28・・・バレル、
40・・・プローブ収納ボード、42・・・ケーブル保持ボード、
44・・・プローブ収納板、46・・・プローブ収納孔、48・・・ケーブル保持孔、
52・・・同軸ケーブル、54・・・ケーブル芯線、58・・・ケーブル外部導体、
62・・・接着剤、64・・・研磨機。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
両端が他と接触して電気的導通をとる接触端とされた芯線を成す棒状導電子と、
上記棒状導電子に、これを抜け止めした状態で外嵌された電気的絶縁性を有する絶縁筒と、
一端が閉塞され、他端が開口し、その閉塞された一端に上記棒状導電子を非接触で通す導電子遊挿孔が形成され、その導電子遊挿孔の外周部に外側に突出する1又は複数の接触突起が形成され電気的導電性を有する一対の筒体を、上記開口した他端同士を対向させてなり、上記絶縁筒に外嵌された外側導電筒と、
上記外側導電筒を成す上記一対の筒体間に介在せしめられた導電性を有する圧縮スプリングと、
上記外側導電筒を、それに外嵌され上記筒体間の距離を一定以上大きくならないように規制しつつ保持するバレルと、
からなることを特徴とする同軸プローブ。
【請求項2】
同軸プローブを保持するプローブ保持孔が複数貫設されたプローブ保持板を有し、
上記各プローブ保持孔には、
両端が他と接触して電気的導通をとる接触端とされた芯線を成す棒状導電子と、
上記棒状導電子に、これを抜け止めした状態で外嵌された電気的絶縁性を有する絶縁筒と、
一端が閉塞され、他端が開口し、その閉塞された一端に上記棒状導電子を非接触で通す導電子遊挿孔が形成され、その導電子遊挿孔の外周部に外側に突出する1又は複数の接触突起が形成され電気的導電性を有する一対の筒体を、上記開口した他端同士を対向させてなり、上記絶縁筒に外嵌された外側導電筒と、
上記外側導電筒を成す上記一対の筒体間に介在せしめられた導電性を有する圧縮スプリングと、
上記外側導電筒を、それに外嵌され上記筒体間の距離を一定以上大きくならないように規制しつつ保持するバレルと、
からなる同軸プローブが、
両端が上記プローブ保持板の両面から突出し、その両面に突出した全同軸プローブの棒状導電子と外側導電筒の先端が同一平面上に位置し、且つ抜け止めされた状態で収納された
ことを特徴とするプローブ収納ボード。
【請求項3】
複数のケーブル収納孔を形成したケーブル保持板を有し、
上記各ケーブル収納孔に、端面が研磨されその面にケーブル芯線、ケーブル外部導体が露出せしめられた同軸ケーブルのその端面側の端部を、その端面と上記ケーブル保持板の表面とが同一平面上に位置するように挿入し固定した
ことを特徴とするケーブル保持ボード
【請求項4】
請求項2に記載されたプローブ収納ボード及び請求項3に記載されたケーブル保持ボードを有し、
上記プローブ収納ボードの各同軸プローブが上記ケーブル保持ボードの上記ケーブル保持板の上記表面に、各棒状導電子の一方の接触端がそれと対応する同軸ケーブルのケーブル芯線と、各外側導電筒の一方の側の接触突起がそれと対応する同軸ケーブルのケーブル外部導体と、それぞれ互いに接触し得るように位置合わせして臨まされ、
上記同軸プローブを上記ケーブル保持ボードに近接して全同軸プローブとそれに対応する同軸プローブとが上記接触をする接触状態が生じたり、離間してその接触状態が解除されたりするようにした
ことを特徴とするコンタクト機。
【請求項5】
複数のケーブル収納孔を形成したケーブル保持板からなり、その各ケーブル収納孔に、端面が研磨されその面にケーブル芯線、ケーブル外部導体が露出せしめられた同軸ケーブルのその端面側の端部を、その端面と上記ケーブル保持板の表面とが同一平面上に位置するように挿入し固定したケーブル保持ボードの製造方法であって、
複数のケーブル収納孔を形成したケーブル保持板と、それに保持される複数の同軸ケーブルとを用意し、
上記各同軸ケーブルの一端部を、ケーブル保持板の一方の表面側から各ケーブル収納孔に、先端がそのケーブル収納孔から突出するように挿入し、接着し、
その後、上記全同軸ケーブルの上記ケーブル収納孔から突出した部分を上記ケーブル保持板の表面と平行な研磨方向の研磨して各同軸ケーブルの端面にケーブル芯線及びケーブル外部導体が露出するようにする
ことを特徴とするケーブル保持ボードの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−166121(P2008−166121A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−354497(P2006−354497)
【出願日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【出願人】(595041280)東洋電子技研株式会社 (7)
【Fターム(参考)】