説明

同軸型移送用ロッドおよびそれを用いた重量物の移送工法

【課題】軽量安価で、被圧入物の沈下変動に、より柔軟に追随可能な同軸型移送用ロッドおよびそれを用いた重量物の移送工法を提供すること。
【解決手段】長手方向に間隔をおいて複数の膨出部を備え、ロッドを移送するようにして被圧入物を圧入または引き抜くための移送用ロッドにおいて、移送用ロッドは、間隔をおいて直列に配置され端部に継手部を有する第1大径継手部材5と、その第1大径継手部材5相互を連結し引っ張りまたは圧縮荷重を負担し、直列に隣接する第1大径継手部材5に荷重を伝達するための小径芯線部材7と、第1大径継手部材5間において直列に交互にかつ小径芯線部材7の外側に間隙を介して配置される第2大径中空部材10とこれよりも外径の小さい小径中空管11,12とを備え、第2大径中空部材10および小径中空管11,12と、小径芯線部材7とは、間隙により荷重を伝達しないように絶縁分離した状態とされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液圧ジャッキの反復移送によりジャッキストロ−クよりも大きい距離の移送を行うために使用される移送用ロッドに関し、特に、同軸型移送用ロッドユニットおよびそれを使用した移送用ロッドおよびそれを用いた重量物の移送工法(圧入工法)に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ケーソン等の重量物を移送(圧入)あるいは方向修正する場合に、センターホ−ルジャッキおよびチャック内に挿通されるように使用されるロッドとしては、図9に示すような移送用ロッドユニット30を多数螺合連結することにより構成することが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
前記移送用ロッドユニット30は、一端部に雄ねじ部31を有すると共に他端側に雌ねじ部32を有する断面円形の中実のロッドユニット30と、そのロッドユニット30の長手方向に間隔をおいて一体に設けられた断面円形の係合用膨出部33とにより構成され、その膨出部33の上端部には、截頭円錐状のガイド面34が設けられ、さらに前記移送用ロッドユニット30の下端部には、直列に連結して一体化される次の移送用ロッドユニット30または被移送物または定着物に連結するための金具が螺合連結される。
【特許文献1】実公昭61−13510号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記従来の場合は、鋼棒に切削加工等により加工を施して、鋼棒長手方向に中実大断面部の係合用膨出部と中実小断面部の小径軸部35を交互に設け、一端側となる小径軸部35に雄ねじ部31を、他端側となる中実大断面部に雌ねじ部32を設けて移送用ロッドユニット30を構成し、このような移送用ロッドユニット30相互を、ネジ接合し、全長に渡って中実の移送用ロッド36となる形態であるので、重量が重くなると共に、高価になるという問題があった。
また、ねじ接合された状態では、部材全長に渡って中実状態で固定状態になるので、部材長手方向(軸方向)あるいは部材長手方向に直角な横方向の柔軟性が低いという問題があった。例えば、加圧圧入している状態の被圧入物が急激な沈下した場合に対応して中実のロッドの弾性変形により対応して、被圧入物の沈下に対応するような場合、被圧入物の沈下に対応した追随性が低いという問題があった。
また、ロッドユニットを切削加工して製作する場合には、切削する部分が多く、加工費も高くなるという問題があった。
本発明は、前記の課題を有利に解消し、軽量安価で、被圧入物の沈下変動に、より柔軟に追随可能な同軸型移送用ロッドおよびそれを用いた重量物の移送工法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記の課題を有利に解決するために、第1発明の同軸型移送用ロッドでは、長手方向に間隔をおいて複数の膨出部を備え、ロッドを移送するようにして被圧入物を圧入または引き抜くための移送用ロッドにおいて、前記移送用ロッドは、間隔をおいて直列に配置され端部に継手部を有する第1大径継手部材と、その第1大径継手部材相互を連結し引っ張りまたは圧縮荷重を負担し、直列に隣接する第1大径継手部材に荷重を伝達するための小径芯線部材と、第1大径継手部材間において直列に交互にかつ小径芯線部材の外側に間隙を介して配置される第2大径中空部材とこれよりも外径の小さい小径中空管とを備え、前記第2大径中空部材および小径中空管と、小径芯線部材とは、前記間隙により荷重を伝達しないように絶縁分離した状態とされていることを特徴とする。
また、第2発明では、第1発明の同軸型移送用ロッドにおいて、第1大径継手部材間において、複数の第2中空伝達管と、複数の小径中空管とを備えていることを特徴とする。
第3発明では、第1発明または第2発明の同軸型移送用ロッドにおいて、小径中空管は、第1大径継手部材または第2大径中空部材のいずれか一方に一体に設けられていることを特徴とする。
第4発明の重量物の移送工法では、長手方向に間隔をおいて膨出部を備えた移送用ロッドおよびジャッキを用いて地中に被圧入物を圧入する圧入工法において、前記移送用ロッドとして、第1〜第3発明のいずれかの同軸型移送用ロッドを用いることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
第1発明によると、移送用ロッドを継手部を有する第1大径継手部材と、小径芯線部材と、第2大径中空部材と、小径中空管とにより構成されているので、各中空管を市販の安価な管体を利用し、簡単に加工して構成することができ、移送用ロッドを安価に製作することができる。
また、本発明の同軸型移送用ロッドを使用して被圧入構造部を圧入中に、被圧入構造物が横方向の変位を伴う傾斜沈下を生じた場合、移送用被移送用ロッドに引っ張り力が作用するようになるが、この場合には、小径芯線部材により第1大径継手部材相互が連結されている状態となり、外側の各中空管は引っ張り力に関与しないので、第1大径継手部材間における小径芯線部材により抵抗する構造になり、膨出部を一体に有する従来の中実構造の移送用ロッドに場合に比べて、横方向の剛性を低くすることができ、軸直角方向の横方向の変位あるいは上下方向の伸びに対して横断面積の小さき小径芯線部材を利用して、容易に対応することができ、横方向の変位あるいは上下方向に変位に対して、従来の中実型の移送用ロッドよりもより追随性を向上させて柔軟性を向上させることができる。
第2発明によると、第1大径継手部材間に複数の第2中空伝達管と、複数の小径中空管とを備えているので、第1大径継手部材間の長さを長くして、高コストの第1大径継手部材を少なくすることができ、同軸型移送用ロッドを安価にすることができる。
第3発明によると、第1大径継手部材または第2大径中空部材のいずれか一方に一体に設けられているので、単位長さあたりの部品点数を少なくすることができ、部品点数が少なくなる分、同軸型移送用ロッドの組み立てを短時間で組み立てることができる。
第4発明によると、同軸型移送用ロッドを使用して被圧入構造物(重量物)を移送(圧入)中に、被圧入構造物が横方向の変位を伴う傾斜沈下を生じた場合、同軸型移送用ロッドに引っ張り力が作用するようになるが、この場合には、小径芯線部材により第1大径継手部材相互が連結されている状態であり、外側の各第2大径中空部材あるいは第1および第2の小径中空管は引っ張り力に関与しないので、第1大径継手部材間における小径芯線部材により抵抗する構造になり、膨出部を一体に有する従来の中実構造の移送用ロッドに場合に比べて、横方向の剛性を低くすることができ、軸直角方向の横方向の変位あるいは上下方向の伸びに対して横断面積の小さい小径芯線部材を利用して、容易に対応することができ、横方向の変位あるいは上下方向に変位に対して、従来の中実型の移送用ロッドよりもより追随性を向上させて柔軟性を向上させることができ、柔軟性を向上させることができる分、施工の安全性をより向上させることができる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
次に、本発明を図示の実施形態に基づいて詳細に説明する。
【実施例1】
【0008】
図1,図2および図5は、本発明の第1実施形態の同軸型移送用ロッドユニット1を示すものであって、軸方向の一端側に継手部としての連結用雌ねじ孔2を有すると共に、軸方向他端側に、継手部としての連結用雌ねじ孔3に有し、これらは同じ中心軸線となるように設けられ、さらに先端側の外周面が先端側に向かって漸次縮径するように傾斜する截頭円錐状外面4を備えている第1大径継手部材5が、軸方向に間隔をおいて配置され、前記第1大径継手部材5相互は、両端部に雄ねじ軸部6を有する小径芯線部材7により連結され、さらに前記小径芯線部材7の外側には、前記第1大径継手部材5の外径寸法Dよりも外径寸法の小さい寸法の第1小径中空管8と、前記第1大径継手部材5の外形寸法と同じ寸法で、先端側に、先端部に向かって漸次縮径するように傾斜する截頭円錐状外面9を有すると共に小径芯線部材7の外径寸法よりも大きな内径寸法の貫通孔を有する第2大径中空部材10と、前記第1小径中空管8と同じ形状の第2小径中空管11とが、小径芯線部材7の外側に間隙Gを介して嵌合配置され、前記間隙Gにより、第2大径中空部材10,前記第1小径中空管8および第2小径中空管11と、小径芯線部材7との間で、荷重を伝達しないように絶縁分離した状態とされている。
【0009】
第1大径継手部材5と、第1小径中空管8と第2大径中空部材11と第2小径中空管11とは、順次直列に配置されて圧着された状態で連結されている。第1大径継手部材5と第1小径中空管8とは外径差を有することで、第1大径継手部材5の軸方向端部に環状の係合面が形成され、第2大径中空部材11と第2小径中空管11とは外径差を有することで、第2大径中空部材10の軸方向端部に環状の係合面が形成され、前記の外径差を有することにより、各第1大径継手部材1および第2大径中空部材10に膨出部13が形成される。
【0010】
前記の小径芯線部材7に、第2大径中空部材10あるいは第1または第2小径中空管11を同軸状に配置して組み立てる場合には、第1大径継手部材5の雌ねじ孔2に、小径芯線部材7の一端をねじ込み連結した後、前記の小径芯線部材7に順次、第2小径中空部材11と第2大径中空部材10を直列に順次同軸状に嵌設し、上位の小径芯線部材7の雄ねじ軸部6に、上位に位置する第1大径継手部材5の雌ねじ孔3をねじ込むことにより、図1(a)に示すような第1実施形態の同軸型移送用ロッド1が構成されている。
第2大径中空部材10に直列に隣り合う第1小径中空管8の端部には、前記の截頭円錐状外面9に当接するための截頭円錐状内側傾斜面12が設けられ、同様に、第1大径継手部材5に直列に隣合う第2小径中空管11の端部には、截頭円錐状外面9に当接するための截頭円錐状内側傾斜面12が設けられ、傾斜面相互が面接触されて当接されるように構成されている。
【0011】
前記のように組み立てられて、移送用ロッドユニット1が構成されている。前記のような移送用ロッドユニット1に、新たに移送用ロッドユニット1を継ぎ足し連結する場合には、小径芯線部材7を下位に位置する第1大径継手部材1に小径芯線部材7をねじ込み接続し、前記と同様に、第2小径中空管11と、第2大径中空管10と、第1小径中空管8とを順次嵌設し、最後に第1大径継手部材1を小径芯線部材7にねじ接合して、順次継ぎ足すことにより、図6に示すような長尺の同軸型移送用ロッド14とされる。
【0012】
移送用ロッドユニット1を構成する前記の各部材は、鋼製材料により製作され、第2大径中空部材10、第1および第2小径中空管8,11は、市販の管体を切断し、端部に截頭円錐状外面あるいは截頭円錐状内側傾斜面を設けることにより第2大径中空部材10を製作することができ、また、市販の小径管を短く切断すると共に、一端側の短管内面に截頭円錐状内側傾斜面12を形成することで、第1小径中空管8あるいは第2小径中空管11を製作することができ、安価な部材構成とすることができる。
また、第1大径継手部材5のみ、鋼棒から切削加工等により製作すればよいので、全体として安価な部材構成とすることができ、小径芯線部材7の外側に間隙を介在させて、中空部材を用いる構成であるので、軽量化を図ることができる。
【0013】
間隔をおいて直列に隣合う第1大径継手部材1の間に、前記の実施形態では、一つの第2大径中空部材10を設けるようにしているが、間隔をおいて複数の第2大径中空部材10を設ける構成としてもよい。このような場合は、第2大径中空部材10間に、小径中空管8,11を介在させればよい。
【0014】
前記のように、第2大径中空部材10あるいは第1および第2小径中空管8,11は、小径芯線部材7に間隙Gを有している状態で嵌設するだけであるので、同軸型移送用ロッドユニット1あるいは同軸型移送用ロッド14の組立が容易であり、現場施工が短時間ですむ。
【0015】
図3および図5には、本発明の第2実施形態の移送用ロッドユニット1が示されている。この形態と前記の第1実施形態と相違する部分は、第1大径継手部材5の端部に、第1大径継手部材1の外径寸法よりも外径寸法が小さく、第1大径継手部材5の雌ねじ孔の径(小径芯線部材7の雄ねじ部外径)よりも大きな内径寸法の第1小径中空管8を一体に連設し、また、第2大径中空部材10の端部に、第2大径中空部材10の内径と同じ内径の第2小径中空管11を一体に連設しているが、その他の構成は前記実施形態の場合と同様である。この形態では、市販の鋼製管体を短尺に切断し、切削加工により、第1小径中空管8あるいは第2小径中空管11を形成するようにすればよい。この形態では、前記の第1実施形態の同軸型移送用ロッドユニット1あるいは同軸型移送用ロッド14よりも、部品点数を少なくすることができ、より短時間で組み立てることができる。
【0016】
図4および図5には、本発明の第3実施形態の移送用ロッドユニット1が示されている。この形態と前記の第2実施形態と相違する部分は、第1大径継手部材5に一体に連設された第1小径中空管8の先端部が平坦面とされ、第2大径中空部材10における截頭円錐状外面9の先端部に、平坦な端面が形成され、これらの平坦面相互が当接されるように構成されている。また、一方および他方の第1大径継手部材5における截頭円錐状外面4の先端側の中間部に、平坦な環状支承面15が設けられ、また第2大径中空部材10に一体に設けられた第2小径中空管11の先端部が平坦面とされ、第1大径継手部材5における截頭円錐状外面4の先端側のテーパー状傾斜面をガイドとしながら、第2小径中空管11を、他方の第1大径継手部材1に直列に同心状に嵌合配置されるようにされている。
図7には、前記第3実施形態の移送用ロッドユニット1に、新たに小径芯線部材7をねじ込み連結すると共に、第2小径中空管11付きの第2大径中空部材10を嵌合配置し、第1小径中空管8付きの第1大径継手部材1を前記新たな小径芯線部材7に連結して、同軸型移送用ロッド14を組み立てている状態の断面図が示されている。この形態でも、前記の第2実施形態と同様な作用を有している。また、この形態では、第1大径継手部材1と第2中空部材10とは、平坦面相互の当接状態で直列に当接されるので、第1大径継手部材1と第2中空部材10とは、圧縮軸力伝達材として、効率よく軸力を伝達することができる。その他の構成は、前記実施形態と同様であるので、同様な要素には同様な符号を付して説明を省略する。
【0017】
図8には、前記第1〜第3実施形態の移送用ロッドユニット1を直列に連続するように組み立てた同軸型移送用ロッド14とセンターホールジャッキ16を組み合わせて使用した使用状態の片側が示されている。
被圧入構造物(重量物)17上に固定された支圧盤18を介して支圧桁19および加圧桁20が配置され、加圧桁20には、開閉可能な下部チャック21と上部チャック22を備えたセンターホールジャッキ16が載荷盤19bを介して設置され、前記センターホールジャッキ16内に挿通された本発明の同軸型移送用ロッド14の下端部には、アジャストロッド23がねじ込み固定され、前記アジャストロッド23に連結されたアジャストカップラー24などの連結機構を介して、地中に定着されたアンカー材25に連結されている。支圧盤18から片持ち式に張り出されている仮受け用アーム26に、開閉可能な仮受け用チャック27が固定されている。
【0018】
前記のような圧入施工装置あるいは工法では、同軸型移送用ロッド14における中間部の第1大径継手部材5を仮受け用チャック27で仮受けすると、仮受けアーム26を介して、被圧入構造物17の圧入反力を一時的に支持した状態とすることができ、この状態で、(1)センターホールジャッキ14が伸長した状態でのセンターホールジャッキ16を短縮して、センターホールジャッキ14から突出する余分な同軸型移送用ロッドユニット1を取り外したり、あるいは(2)センターホールジャッキ14が短縮した状態でのセンターホールジャッキ16から突出する部分のロッドに、新たに同軸型移送用ロッドユニット1を取り付け連結したりしてもよい。このようにすると、センターホールジャッキ14から突出させる高さ制限が生じる場合でも、ほぼ仮受け用チャック27からセンターホールジャッキ14の高さ(長さ)寸法の同軸型移送用ロッド14を使用して施工することができ、短い同軸型移送用ロッド14を使用して施工することができ、また、同軸型移送用ロッド14の上端を上部チャック22およびセンターホールジャッキ14の伸縮高低レベルに収めることが可能になる。
なお、第1大径継手部材5を連結用雌ねじ部3より取り外して、すでに使用された短尺の同軸型移送用ロッド14部分を小径芯線部材7に再挿入する際(組み込む場合)は、第1大径継手部材5の受けていた荷重は、仮受け用チャック27に支持させて代替される。
【0019】
前記のような本発明の同軸型移送用ロッド14を使用して被圧入構造物17を圧入中に、被圧入構造物17が横方向の変位を伴う傾斜沈下を生じた場合、同軸型移送用ロッド14に引っ張り力が作用するようになるが、この場合には、小径芯線部材7により第1大径継手部材5相互が連結されている状態であり、外側の各第2大径中空部材10あるいは第1および第2の小径中空管8,11は引っ張り力に関与しないので、第1大径継手部材5間における小径芯線部材7により抵抗する構造になり、膨出部を一体に有する従来の中実構造の移送用ロッドに場合に比べて、横方向の剛性を低くすることができ、軸直角方向の横方向の変位あるいは上下方向の伸びに対して横断面積の小さい小径芯線部材7を利用して、容易に対応することができ、横方向の変位あるいは上下方向に変位に対して、従来の中実型の移送用ロッドよりもより追随性を向上させて柔軟性を向上させることができ、柔軟性を向上させることができる分、施工の安全性をより向上させることができる効果がある。
なお、同軸型移送用ロッド14に、軸方向の圧縮力が作用した場合には、小径芯線部材7およびその外側の第2大径中空部材10と、第1小径中空管8と、第2小径中空管11とは、同時に圧縮力を伝達する部材となり、第1大径継手部材5に対して伝達するようにして、軸方向に伝達される。
【0020】
前記各実施形態において、前記の小径芯線部材7としては、例えば、鋼棒あるいはPC鋼線を使用し、他の部材はPC鋼材を使用するようにしてもよい。
小径芯線部材7は、例えば、PC鋼線などにより構成すると、軽量であると共に取り扱いが容易であり、柔軟性に優れているので、被圧入構造物の圧入施工時における沈下に追随して、自動的に柔軟に対応することができる同軸型移送用ロッドを構成することができる。
第1小径中空管8および第2中空小径管11の長さを変えることで、センターホールジャッキ16の可動ピストンの1ストロークの作動長を自由に選択することができ、設計および施工の自由度を向上させることができる。
【0021】
本発明の同軸型移送用ロッド14は、センターホール型のジャッキを使用した各種形態の反復移送装置あるいは反復移送工法あるいは方向修正工法に適用することができ、縦向き配置、あるいは横向き配置あるいは傾斜配置した状態での使用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第1実施形態の同軸型移送用ロッドユニットを示すものであって、(a)は縦断側面図、(b)は(a)を分解して示す断面図である。
【図2】図1に示す同軸型移送用ロッドユニットの側面図である。
【図3】本発明の第2実施形態の同軸型移送用ロッドユニットを示すものであって、(a)は縦断側面図、(b)は(a)を分解して示す断面図である。
【図4】本発明の第3実施形態の同軸型移送用ロッドユニットを示すものであって、(a)は縦断側面図、(b)は(a)を分解して示す断面図である。
【図5】図1(a)、図3(a)、図4(a)のa−a線断面図である。
【図6】図1に示す第1実施形態の同軸型移送用ロッドユニットを芯線部材により複数連結して移送用ロッドを構成した状態を示す縦断側面図である。
【図7】図4に示す第3実施形態の同軸型移送用ロッドユニットを芯線部材により複数連結して移送用ロッドを構成した状態を示す縦断側面図である。
【図8】本発明の同軸型移送用ロッドユニットあるいは移送用ロッドを使用して、被圧入物を圧入している状態を示す概略正面図である。
【図9】(a)は従来の移送用ロッドユニットを示す一部縦断正面図、(b)は(a)の移送用ロッドユニットを多数連結した状態を示す一部切欠側面図である。
【符号の説明】
【0023】
1 同軸型移送用ロッドユニット
2 連結用雌ねじ部
3 連結用雌ねじ部
4 截頭円錐状外面
5 第1大径継手部材
6 雄ねじ軸部
7 小径芯線部材
8 第1小径中空管
9 截頭円錐状外面
10 第2中空大径部材
11 第2小径中空管
12 截頭円錐状内側傾斜面
13 膨出部
14 同軸型移送用ロッド
15 平坦な環状支承面
16 センターホールジャッキ
17 被圧入構造物
18 支圧盤
19 支圧桁
20 加圧桁
21 下部チャック
22 上部チャック
23 アジャストロッド
24 アジャストカップラー
25 アンカー材
26 仮受け用アーム
27 仮受け用チャック
30 移送用ロッドユニット
31 雄ねじ部
32 雌ねじ部
33 係合用膨出部
34 ガイド面
35 小径軸部
36 移送用ロッド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向に間隔をおいて複数の膨出部を備え、ロッドを移送するようにして被圧入物を圧入または引き抜くための移送用ロッドにおいて、前記移送用ロッドは、間隔をおいて直列に配置され端部に継手部を有する第1大径継手部材と、その第1大径継手部材相互を連結し引っ張りまたは圧縮荷重を負担し、直列に隣接する第1大径継手部材に荷重を伝達するための小径芯線部材と、第1大径継手部材間において直列に交互にかつ小径芯線部材の外側に間隙を介して配置される第2大径中空部材とこれよりも外径の小さい小径中空管とを備え、前記第2大径中空部材および小径中空管と、小径芯線部材とは、前記間隙により荷重を伝達しないように絶縁分離した状態とされていることを特徴とする同軸型移送用ロッド。
【請求項2】
第1大径継手部材間において、複数の第2中空伝達管と、複数の小径中空管とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の同軸型移送用ロッド。
【請求項3】
小径中空管は、第1大径継手部材または第2大径中空部材のいずれか一方に一体に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の同軸型移送用ロッド。
【請求項4】
長手方向に間隔をおいて膨出部を備えた移送用ロッドおよびジャッキを用いて地中に被圧入物を圧入する重量物の移送工法において、前記移送用ロッドとして、請求項1から3のいずれか1項の同軸型移送用ロッドを用いることを特徴とする重量物の移送工法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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