説明

吐出容器

【課題】容易に組み立てることが可能でかつ良好な密封性を有する吐出容器を提供する。
【解決手段】内容液が充填されるとともに、スクイズ変形可能で復元自在な可撓性を有するボトル11と、ボトル11の口筒部12の上端開口面12aを密閉するシール材13と、ボトル11の口筒部12に着脱可能に装着されるとともに、このボトル11内の内容液が吐出される吐出部14を有する吐出機構15と、吐出部14に取り外し可能に取り付けられたキャップ16と、が備えられ、吐出部14は、キャップ16が取り外された状態で、ノズルを有するチューブが連結可能に構成され、吐出機構15には、シール材13を口筒部12から除去した状態で、ボトル11の内部と吐出部14とを連通および遮断する吐出弁22と、ボトル11の内部とこの容器10の外部とを連通および遮断する吸気弁20と、が備えられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吐出容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、充填された内容液が吐出可能な吐出容器として、例えば下記特許文献1に示されるような、内容液が充填される本体筒と、この本体筒に摺動可能に挿入されたピストンと、を備えるシリンジ容器が知られている。
【特許文献1】特開2005−103092号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記従来の吐出容器では、例えば、ピストンと本体筒との間から内容液が漏出するのを防ぐための密閉具や、この吐出容器の流通過程でピストンが不意に本体筒内を摺動するのを防ぐためのピストン固定具等をシリンジ容器に組み付ける必要があり、この吐出容器の組み立てに時間がかかるおそれがあった。
【0004】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、容易に組み立てることが可能でかつ良好な密封性を有する吐出容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明の吐出容器は、内容液が充填されるとともに、スクイズ変形可能で復元自在な可撓性を有するボトルと、このボトルの口筒部の上端開口面を密閉するシール材と、前記ボトルの口筒部に着脱可能に装着されるとともに、このボトル内の内容液が吐出される吐出部を有する吐出機構と、前記吐出部に取り外し可能に取り付けられたキャップと、が備えられ、前記吐出部は、前記キャップが取り外された状態で、ノズルを有するチューブが連結可能に構成され、前記吐出機構には、前記シール材を前記口筒部から除去した状態において、前記ボトルの内部と吐出部とを連通および遮断する吐出弁と、前記ボトルの内部とこの容器の外部とを連通および遮断する吸気弁と、が備えられ、前記ボトルをスクイズ変形させてこのボトルの内圧を上昇させたときに、前記吐出弁が開き前記ボトルの内部と前記吐出部とを連通させるとともに、このスクイズ変形を解除して前記ボトルの内圧を低下させたときに、前記吸気弁が開き前記ボトルの内部とこの容器の外部とを連通させ、かつ前記吐出弁が閉じこのボトルの内部と前記吐出部との連通を遮断する構成とされたことを特徴とする。
この発明によれば、ボトルの口筒部の上端開口面がシール材で密閉されるとともに、吐出部にキャップが取り外し可能に取り付けられているので、容易に組み立てることが可能でかつ良好な密封性を有する吐出容器が得られる。
【0006】
ここで、前記シール材において少なくとも前記口筒部の上端開口縁に当接する表面側、および前記ボトルは、ポリエチレンテレフタレートにより形成されてもよい。
この場合、シール材の前記表面側およびボトルが、内容液が吸着若しくは透過し難いポリエチレンテレフタレートで形成されているので、前記ボトルに内容液が密封された後この内容液を使用するまでの間に、内容液に含まれる成分の一部が、シール材およびボトルに吸着される等して、この内容液を使用するときに所望の機能を発揮しなくなるのを防ぐことが可能になり、内容液を劣化させることなく吐出容器内に長期にわたって保存することができる。
【0007】
また、前記吐出機構には、前記シール材の外周縁部を前記口筒部の上端開口縁との間で挟み込む中栓が設けられてもよい。
この場合、吐出機構に、シール材の外周縁部を前記口筒部の上端開口縁との間で挟み込む中栓が設けられているので、前記ボトルに内容液が密封された後この内容液を使用するまでの間に、前記口筒部の上端開口縁にシール材の外周縁部を確実に密接させておくことが可能になり、この吐出容器の密封性をより一層向上させることができる。
【0008】
さらに、前記吐出機構には、前記ボトルの口筒部に取り付けられた大径筒部、およびこの大径筒部の上端部に同軸に連結された小径筒部を備えて多段筒状に構成された装着筒が備えられ、前記中栓は、前記装着筒の径方向に沿って延びるリング状の底板部と、この底板部の表面に上方に向けて同軸に突設された複数の筒体と、を備え、前記複数の筒体のうち、最も内径および外径の大きい第3筒体の外周面が、前記大径筒部の内周面において前記小径筒部側の部分に嵌合されるとともに、前記底板部において、最も内径および外径の小さい第1筒体と、この第1筒体および前記第3筒体の間に設けられた第2筒体と、の間に位置する部分に貫通孔が形成され、前記吸気弁は、前記装着筒の径方向に沿って延びるリング状のフランジ部と、このフランジ部の前記径方向の内方端に垂設された筒状の弁部と、を備え、前記フランジ部が、前記中栓の第2筒体および第3筒体の各上端と、前記装着筒において大径筒部と小径筒部との連結部分の内面との間で厚さ方向に挟まれることにより、この装着筒の内部に設けられて、前記弁部が前記中栓における貫通孔の上方に位置され、前記吐出弁は、前記径方向に沿って延びる弁本体と、この弁本体の外周縁に上方に向けて突設されて前記中栓の第1筒体の内周面に嵌合された嵌合筒部と、を備え、前記ボトルをスクイズ変形させてこのボトルの内圧を上昇させたときに、前記吐出弁の弁本体が開き前記ボトルの内部と前記吐出部とを連通させるとともに、このスクイズ変形を解除して前記ボトルの内圧を低下させたときに、前記吸気弁の弁部の下端部がこのボトルの内圧と外気圧との差圧によって弾性変形させられることにより前記ボトルの内部とこの容器の外部とを前記貫通孔を介して連通させ、かつ前記吐出弁の弁本体が閉じこのボトルの内部と前記吐出部との連通を遮断する構成とされてもよい。
この場合、吐出部から内容液が吐出可能な吐出容器を容易かつ確実に得ることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、容易に組み立てることが可能でかつ良好な密封性を有する吐出容器が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照し、この発明の実施の形態について説明する。
本実施形態に係る吐出容器10は、図1に示されるように、内容液が充填されるとともに、スクイズ変形可能で復元自在な可撓性を有するボトル11と、このボトル11の口筒部12の上端開口面12aを密閉するシール材13と、ボトル11の口筒部12に着脱可能に装着されるとともに、内容液が吐出される吐出部14を有する吐出機構15と、吐出部14に取り外し可能に取り付けられたキャップ16と、を備えている。
なお、ボトル11に充填する内容液としては、例えば消化管内の検査に用いられる染色液等が挙げられる。
【0011】
ボトル11は、内容液が吸着あるいは透過し難い材質、例えばポリエチレンテレフタレート等で一体に形成されており、外周面に雄ねじ部12bが形成された口筒部12と、この口筒部12よりも大径の有底筒状に形成された胴部17と、を備えている。
シール材13は、外径が口筒部12の上端開口縁12cの内径つまり上端開口面12aよりも大きく、かつこの上端開口縁12cの外径と同等とされた円板状体となっている。そして、本実施形態では、このシール材13において、ボトル11の口筒部12の上端開口縁12cに当接する表面側、およびこの表面側と反対の裏面側がそれぞれ、ボトル11を形成する材質と同一の材質で形成されている。これにより、シール材13を口筒部12の上端開口縁12cに配置する際に、このシール材13の表裏面を確認する手間を省くことが可能になり、吐出容器10の組み立ての高効率化が図られている。本実施形態では、シール材13は、円板状のパッキンの表裏面にそれぞれ、ポリエチレンテレフタレート等からなるシートが貼着されて構成されている。
【0012】
吐出機構15には、シール材13を口筒部12から除去した状態において、ボトル11の内部と吐出部14とを連通および遮断する吐出弁22と、ボトル11の内部とこの容器10の外部とを連通および遮断する吸気弁20と、が備えられている。
図示の例ではさらに、この吐出機構15には、ボトル11の雄ねじ部12bに螺合する雌ねじ部18cが内周面に形成された大径筒部18a、およびこの大径筒部18aの上端部にその径方向に沿って延びる連結部分18dを介して同軸に連結された小径筒部18bを備えて多段筒状に構成された装着筒18と、大径筒部18aの内周面において雌ねじ部18cの非形成部である小径筒部18b側の部分に嵌合された中栓19と、小径筒部18b内に嵌合されたジョイント筒部21と、が備えられている。
【0013】
そして、本実施形態では、ジョイント筒部21において小径筒部18bから上方に突出した上端部が前述の吐出部14となっており、この吐出部14には、吐出容器10が未開封の状態ではキャップ16が取り付けられ、このキャップ16を取り外しかつシール材13を口筒部12から除去して吐出容器10を開封し内容液を使用するときには、図2に示されるような先端部にノズル24が形成されたチューブ25が連結できるようになっている。
【0014】
なお、ジョイント筒部21の外周面と装着筒18における小径筒部18bの内周面との間には、ジョイント筒部21と装着筒18との相対的な回転を規制する回り止め手段または/および周方向位置決め手段と、ジョイント筒部21の小径筒部18bからの抜けを規制する抜け止め手段と、が設けられている。これらのうち、前記回り止め手段または/および周方向位置決め手段は、ジョイント筒部21の外周面および小径筒部18bの内周面にそれぞれ形成された上下方向に延びる縦溝および縦リブが互いに前記径方向に隙間(以下、「吸気通路10a」という)をあけた状態で噛み合うことにより構成されている。そして、この吸気通路10aは、その上端部が小径筒部18bの上端開口縁を径方向に跨いで吐出容器10の外部に開口し、下端部が装着筒18における連結部分18dの内面に開口している。
【0015】
中栓19は、装着筒18の径方向に沿って延びるリング状の底板部19bと、この底板部19bの表面に小径筒部18b側の上方に向けて突設された第1筒体19c、第2筒体19dおよび第3筒体19eと、を備えている。これらの筒体19c、19d、19eはそれぞれ、リング状の底板部19bと同軸に設けられている。
そして、これらの筒体19c、19d、19eのうち最も内径および外径の大きい第3筒体19eの外周面が、装着筒18の大径筒部18aの内周面に嵌合されている。また、底板部19bにおいて、第2筒部19dと、前述の筒体19c、19d、19eのうち最も内径および外径の小さい第1筒部19cとの間に位置する部分に、貫通孔19fが形成されている。さらに、中栓19の底板部19bは、この吐出容器10が未開封の状態で、シール材13の外周縁部を口筒部12の上端開口縁12cとの間で挟み込んでいる。
【0016】
ここで、吸気弁20は、装着筒18の径方向に沿って延びるリング状のフランジ部20bと、このフランジ部20bの前記径方向の内方端に垂設された筒状の弁部20aと、を備え、これら20a、20bが例えばシリコンゴムで一体に形成されている。そして、この吸気弁20は、フランジ部20bが、中栓19の第2筒体19dおよび第3筒体19eの各上端と、装着筒18における連結部分18dの内面との間で厚さ方向に挟まれることにより、この装着筒18の内部に設けられている。
なお、フランジ部20bは、装着筒18における連結部分18dの内面において、吸気通路10aの下端開口部よりも前記径方向の外方に位置しており、吸気通路10aは筒状とされた弁部20aの内側に向けて開口している。また、弁部20aは、中栓19における貫通孔19fの上方に位置され、その下端部20cは、下端に向かうに従い漸次縮径するとともに、装着筒18の径方向に弾性変形自在となっている。
【0017】
吐出弁22は、装着筒18の径方向に沿って延びる弁本体22aと、この弁本体22aの外周縁に上方に向けて突設された嵌合筒部22bと、を備え、嵌合筒部22bの外周面が中栓19の第1筒体19cの内周面に嵌合されて、この装着筒18の内部に設けられている。ここで、この吐出弁22における嵌合筒部22bの上端と、ジョイント筒部21の上下方向両端のうち、吐出部14と反対側の下端とは、上下方向で対向しており、これらの嵌合筒部22bの上端とジョイント筒部21の下端とが、連結筒部23を介して連結されている。
【0018】
この連結筒部23は、装着筒18の内部に大径筒部18aおよび小径筒部18bと同軸に設けられており、装着筒18と一体に形成されている。また、連結筒部23の上下方向における両開口端縁にはそれぞれ、環状溝が形成されており、これらの各環状溝に各別に嵌合筒部22bの上端縁、およびジョイント筒部21の下端縁が嵌合されることにより、吐出弁22とジョイント筒部21とが連結されている。さらに、この連結筒部23の外径は、中栓19の第1筒体19cの外径と同等となっており、この連結筒部23の外周面にその全周にわたって吸気弁20における弁体20aの下端が気密状態で当接している。
これにより、中栓19の第1筒体19cの外周面と、第2筒体19dの内周面と、連結筒部23の外周面において吸気弁20の弁体20aの下端が当接した部分よりも下方に位置する部分と、中栓19の底板部19bの上面と、で囲まれた空間Bと、吸気通路10aとが仕切られている。なお、空間Bに中栓19の貫通孔19fが開口している。
【0019】
次に、吐出容器10の使用方法について説明する。
まず、ボトル11の口筒部12から吐出機構15を取り外し、シール材13をボトル11の口筒部12から除去して、その上端開口面12aを開口させる。その後、吐出部14からキャップ16を取り外し、図2に示されるようなチューブ25を吐出部14に装着するとともに、吐出機構15を口筒部12に装着する。この際、中栓19の底板部19bがボトル11の口筒部12における上端開口縁12cに液密状態で当接する。
【0020】
そして、この吐出容器10を図1に示される状態から図2に示されるように上下を反転させた倒立姿勢にした状態で、ボトル11の胴部17をスクイズ変形させてその内圧を上昇させ、この内圧を吐出弁22の弁本体22aに作用させてこの弁体22aを開き、ボトル11の内部と吐出部14とを、吐出弁22の嵌合筒部22bおよび連結筒部23の各内部を通して連通させる。これにより、ボトル11内の内容液が、吐出部14を介してチューブ25内に流入し、このチューブ25のノズル24から外部に吐出される。なお、以上の過程において、内容液は、その粘度によって中栓19の貫通孔19fを通過せず、空間B内に内容液が満たされることはない。
【0021】
次に、ボトル11のスクイズ変形を解除してこのボトル11の内圧を低下させると、吐出弁22の弁本体22aが閉じ、ボトル11の内部と吐出部14との連通が遮断させられることにより前述の吐出が停止するとともに、このボトル11は復元するように膨張変形して、その内圧が外気圧よりも低くなる。
このとき、前述したように、吸気弁20における弁体20aの下端が連結筒部23の外周面に気密状態で当接するとともに、吸気通路10aが吐出容器10の外部と連通し、かつ空間Bが中栓19の貫通孔19fを介してボトル11の内部と連通しているので、吸気通路10a内の方が空間Bよりも内圧が大きくなっている。
【0022】
したがって、この圧力差により、吸気弁20における弁体20aの下端部20cが前記径方向の外方に向けて弾性変形させられて連結筒部23の外周面から離間し、吸気通路10aと空間Bとが連通する。これにより、外気が、吸気通路10a、空間B、および中栓19の貫通孔19fをこの順に通過して、ボトル11内に流入することによってボトル11の内圧が外気圧と同等になり完全に復元変形する。
【0023】
以上説明したように本実施形態に係る吐出容器10によれば、ボトル11の口筒部12の上端開口面12aがシール材13で密閉されるとともに、吐出部14にキャップ16が取り外し可能に取り付けられているので、良好な密封性を有する吐出容器10が得られるとともに、この容器10を容易に組み立てることができる。
【0024】
また、本実施形態では、シール材13の前記表面側およびボトル11が、内容液が吸着若しくは透過し難いポリエチレンテレフタレートで形成されているので、ボトル11に内容液が密封された後この内容液を使用するまでの間に、内容液に含まれる成分の一部が、シール材13およびボトル11に吸着される等して、この内容液を使用するときに所望の機能を発揮しなくなるのを防ぐことが可能になり、内容液を劣化させることなく吐出容器10内に長期にわたって保存することができる。
【0025】
さらに、本実施形態では、吐出機構15に、シール材13の外周縁部を口筒部12の上端開口縁12cとの間で挟み込む中栓19が設けられているので、ボトル11に内容液が密封された後この内容液を使用するまでの間に、口筒部12の上端開口縁12cにシール材13の外周縁部を確実に密接させておくことが可能になり、この吐出容器10の密封性をより一層向上させることができる。
【0026】
なお、本発明の技術的範囲は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、本実施形態では、シール材13として、パッキンの表裏面に前記シートが貼着された構成を示したが、少なくとも口筒部12の上端開口縁12cに当接する表面にのみ貼着してもよいし、パッキン全体を、例えばポリエチレンテレフタレート等の内容液が吸着あるいは透過し難い材質で形成してもよい。さらに、シール材13およびボトル11を形成する材質は、前記実施形態で示した材質に限らず、例えば内容液等に応じて適宜変更してもよい。
また、前記実施形態では、吐出機構15を口筒部12に螺着したが、これに限らず例えばアンダーカット嵌合等の適宜手段を採用してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0027】
容易に組み立てることが可能でかつ良好な密封性を有する吐出容器を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明に係る一実施形態として示した吐出容器の開封する前の状態を示した分解縦半断面図である。
【図2】図1に示す吐出容器を上下反転させて使用している状態を示す縦半断面図である。
【符号の説明】
【0029】
10 吐出容器
11 ボトル
12 口筒部
12a 上端開口面
12c 上端開口縁
13 シール材
14 吐出部
15 吐出機構
16 キャップ
18 装着筒
18a 大径筒部
18b 小径筒部
18d 連結部分
19 中栓
19b 底板部
19c 第1筒体
19d 第2筒体
19e 第3筒体
19f 貫通孔
20 吸気弁
20a 弁部
20b フランジ部
22 吐出弁
22a 弁本体
22b 嵌合筒部
24 ノズル
25 チューブ



【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容液が充填されるとともに、スクイズ変形可能で復元自在な可撓性を有するボトルと、
このボトルの口筒部の上端開口面を密閉するシール材と、
前記ボトルの口筒部に着脱可能に装着されるとともに、このボトル内の内容液が吐出される吐出部を有する吐出機構と、
前記吐出部に取り外し可能に取り付けられたキャップと、が備えられ、
前記吐出部は、前記キャップが取り外された状態で、ノズルを有するチューブが連結可能に構成され、
前記吐出機構には、前記シール材を前記口筒部から除去した状態において、前記ボトルの内部と吐出部とを連通および遮断する吐出弁と、前記ボトルの内部とこの容器の外部とを連通および遮断する吸気弁と、が備えられ、
前記ボトルをスクイズ変形させてこのボトルの内圧を上昇させたときに、前記吐出弁が開き前記ボトルの内部と前記吐出部とを連通させるとともに、このスクイズ変形を解除して前記ボトルの内圧を低下させたときに、前記吸気弁が開き前記ボトルの内部とこの容器の外部とを連通させ、かつ前記吐出弁が閉じこのボトルの内部と前記吐出部との連通を遮断する構成とされたことを特徴とする吐出容器。
【請求項2】
請求項1記載の吐出容器であって、
前記シール材において少なくとも前記口筒部の上端開口縁に当接する表面側、および前記ボトルは、ポリエチレンテレフタレートにより形成されていることを特徴とする吐出容器。
【請求項3】
請求項1または2に記載の吐出容器であって、
前記吐出機構には、前記シール材の外周縁部を前記口筒部の上端開口縁との間で挟み込む中栓が設けられていることを特徴とする吐出容器。
【請求項4】
請求項3記載の吐出容器であって、
前記吐出機構には、前記ボトルの口筒部に取り付けられた大径筒部、およびこの大径筒部の上端部に同軸に連結された小径筒部を備えて多段筒状に構成された装着筒が備えられ、
前記中栓は、前記装着筒の径方向に沿って延びるリング状の底板部と、この底板部の表面に上方に向けて同軸に突設された複数の筒体と、を備え、
前記複数の筒体のうち、最も内径および外径の大きい第3筒体の外周面が、前記大径筒部の内周面において前記小径筒部側の部分に嵌合されるとともに、前記底板部において、最も内径および外径の小さい第1筒体と、この第1筒体および前記第3筒体の間に設けられた第2筒体と、の間に位置する部分に貫通孔が形成され、
前記吸気弁は、前記装着筒の径方向に沿って延びるリング状のフランジ部と、このフランジ部の前記径方向の内方端に垂設された筒状の弁部と、を備え、
前記フランジ部が、前記中栓の第2筒体および第3筒体の各上端と、前記装着筒において大径筒部と小径筒部との連結部分の内面との間で厚さ方向に挟まれることにより、この装着筒の内部に設けられて、前記弁部が前記中栓における貫通孔の上方に位置され、
前記吐出弁は、前記径方向に沿って延びる弁本体と、この弁本体の外周縁に上方に向けて突設されて前記中栓の第1筒体の内周面に嵌合された嵌合筒部と、を備え、
前記ボトルをスクイズ変形させてこのボトルの内圧を上昇させたときに、前記吐出弁の弁本体が開き前記ボトルの内部と前記吐出部とを連通させるとともに、このスクイズ変形を解除して前記ボトルの内圧を低下させたときに、前記吸気弁の弁部の下端部がこのボトルの内圧と外気圧との差圧によって弾性変形させられることにより前記ボトルの内部とこの容器の外部とを前記貫通孔を介して連通させ、かつ前記吐出弁の弁本体が閉じこのボトルの内部と前記吐出部との連通を遮断する構成とされたことを特徴とする吐出容器。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−149361(P2009−149361A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−331172(P2007−331172)
【出願日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【出願人】(000006909)株式会社吉野工業所 (2,913)
【Fターム(参考)】