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吐出容器
説明

吐出容器

【課題】内容物の品質を確保しつつ、部品点数を増加させることなく吐出口からの液漏れを防止すること。
【解決手段】内容物が収容される可撓性に富む内容器2、及び、弾性変形可能な外容器3を有する容器本体4と、容器本体4の口部4aに装着され吐出口5が形成された吐出キャップ6とを備え、外容器3には内容器2との間に外気が吸入される吸気孔8cが形成され、吐出キャップ6は、外部と吸気孔8cとを連通する外気導入孔11dと、吸気孔8cと外気導入孔11dとの連通及び遮断を切り替える空気弁12cと、吐出口5と内容器2の内部とを連通する連通孔10gと、吐出口5と連通孔10gとの連通及び遮断を切り替える弁部材12bと、吐出口5を閉塞する弾性変形可能な吐出膜20とを備え、吐出膜20にはスリット20aが形成され、内容器2の内圧の上昇に伴い吐出膜20が弾性変形することによりスリット20aが拡開して、吐出口5が開放される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吐出容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば下記特許文献1に記載されるような、内容物が収容されるとともに該内容物の減少に伴いしぼみ変形する可撓性に富む内容器、及び、前記内容器が内装され弾性変形可能な外容器を有する容器本体と、前記容器本体の口部に装着され、内容物を吐出する吐出口が形成された吐出キャップと、を備えた吐出容器が知られている。また、前記外容器には、前記内容器との間に外気が吸入される吸気孔が形成され、前記吐出キャップは、前記吐出口と前記内容器の内部とを連通する連通孔と、前記吐出口と前記連通孔との連通及び遮断を切り替える弁部材と、を備えている。
【0003】
この吐出容器においては、容器本体の内容器に収容された内容物を吐出させる際、容器本体の外容器をスクイズ変形(弾性変形)させる。これにより、内容器が外容器とともに変形して減容される。そして、この減容変形に伴い内容器の内圧が正圧となり、この正圧によって弁部材が開けられ、吐出口と内容器の内部とが連通孔を通して連通される。これにより、内容器に収容された内容物が吐出口から吐出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−179403号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記した従来の吐出容器では、吐出後に吐出口と弁部材との間に残された内容物が、次の吐出操作の際に該吐出口から意図せず漏れ出るおそれがあった。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、内容物の品質を確保しつつ、部品点数を増加させることなく吐出口からの液漏れを防止できる吐出容器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
本発明の吐出容器は、内容物が収容されるとともに該内容物の減少に伴いしぼみ変形する可撓性に富む内容器、及び、前記内容器が内装され弾性変形可能な外容器を有する容器本体と、前記容器本体の口部に装着され、内容物を吐出する吐出口が形成された吐出キャップと、を備え、前記外容器には、前記内容器との間に外気が吸入される吸気孔が形成され、前記吐出キャップは、外部と前記吸気孔とを連通する外気導入孔と、前記吸気孔と前記外気導入孔との連通及び遮断を切り替える空気弁と、前記吐出口と前記内容器の内部とを連通する連通孔と、前記吐出口と前記連通孔との連通及び遮断を切り替える弁部材と、前記吐出口を閉塞する弾性変形可能な吐出膜と、を備え、前記吐出膜には、スリットが形成されていて、前記内容器の内圧の上昇に伴い、前記吐出膜が弾性変形することにより、前記スリットが拡開して、前記吐出口が開放されることを特徴とする。
【0008】
この発明に係る吐出容器では、容器本体の内容器に収容された内容物を吐出させる際、容器本体の外容器をスクイズ変形(弾性変形)させる。これにより、内容器が外容器とともに変形して減容される。そして、この減容変形に伴い内容器の内圧が正圧となり、この正圧によって弁部材が開けられ、吐出口と内容器の内部とが連通孔を通して連通される。このように弁部材が開けられることにより、内容器の内圧(正圧)が吐出膜に作用して、吐出膜は弾性変形するとともにスリットが拡開し、吐出口が開かれ、内容器に収容された内容物が吐出口から吐出される。
【0009】
その後、内容器の内圧が低下すると、弁部材が閉じられるとともに、吐出口と内容器の内部との連通孔を通した連通が遮断され、吐出膜は弾性復元力により復元変形して、スリットが閉じるとともに、吐出口が閉じられる。このように弁部材が閉じられることにより、内容器が密封され、さらに前述したスクイズ変形を解除すると、外容器は復元変形しようとする。このとき、外容器と内容器との間に発生した負圧が吸気孔を通して空気弁に作用することにより、この空気弁が作動して、吸気孔と外部とが外気導入孔を通して連通され、外気が外容器と内容器との間に吸入される。
外気が吸入されることにより、外容器と内容器との間の内圧が大気圧まで上昇すると、空気弁が復元変形して吸気孔と外気導入孔とを遮断する。このように、外容器と内容器との間に外気が吸入されることにより、内容器の減容形状が保持される。
【0010】
この状態から、再び容器本体の外容器をスクイズ変形させると、空気弁は遮断状態とされていることから外容器と内容器との間の内圧が正圧となり、この正圧によって内容器が減容変形される。内容器が減容変形されることにより、前述同様の作用が得られ、内容物が吐出される。
【0011】
本発明によれば、内容物を吐出する際以外においては、弁部材が閉じて内容器が密封状態とされるので、内容物の品質が確保される。さらに、吐出膜が弾性変形してスリットが拡開するまで、吐出口が開かれないので、容器の密閉性が高められている。従って、吐出後に、たとえ吐出口と弁部材との間に内容物が残っていたとしても、該吐出口から意図せず内容物が漏れ出るようなことが防止される。
【0012】
また、吐出膜が復元変形してスリットが閉じることにより、吐出口の液切れ性が高められているとともに、内容物の液垂れも防止されている。
また、吐出膜の弾性変形及び復元変形によって吐出口を開閉させる簡単な構成であるから、前述の顕著な効果を奏しつつも、部品点数が削減される。
【0013】
また、本発明の吐出容器において、前記吐出キャップに着脱自在に装着されるオーバーキャップを備え、前記オーバーキャップは、前記吐出膜において前記スリットより外側に位置する部分に全周にわたって当接する密閉部を有することとしてもよい。
【0014】
この場合、オーバーキャップを吐出キャップに装着することで、未使用時の容器の密閉性がより高められることになる。
【0015】
また、本発明の吐出容器において、前記吐出膜は、容器軸方向に沿う前記容器本体の内側に向けて窪む凹曲面状に形成され、該吐出膜の中央部に、前記スリットが形成されていることとしてもよい。
【0016】
この場合、吐出口を上側へ向けた吐出容器の正立姿勢において、吐出膜のうち、スリットが形成されている中央部が、スリットの外側に位置する部分より下側に配置されて、吐出膜に付着した内容物はスリットへ向かって流れることになり、液垂れがより確実に防止される。
【発明の効果】
【0017】
本発明の吐出容器によれば、内容物の品質を確保しつつ、部品点数を増加させることなく吐出口からの液漏れを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態に係る吐出容器の要部を示す側断面図である。
【図2】図1の吐出容器における吐出膜のスリット形状を説明する図である。
【図3】図1の吐出容器の吐出口から内容物を吐出する状態を説明する図である。
【図4】図1の吐出容器において、内容物の吐出後の状態を説明する図である。
【図5】本発明の吐出容器の変形例を示す側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照し、本発明の一実施形態に係る吐出容器について説明する。
図1に示すように、吐出容器1は、内容物が収容されるとともに該内容物の減少に伴いしぼみ変形する可撓性に富む内容器2、及び、内容器2が内装され弾性変形可能な外容器3を備える容器本体4と、容器本体4の口部4aに装着され、内容物を吐出する吐出口5が形成された吐出キャップ6と、吐出キャップ6に着脱自在に装着されるオーバーキャップ7と、を備えている。
【0020】
ここで、容器本体4は有底筒状に形成され、オーバーキャップ7は有頂筒状に形成され、これら4、7が共通軸と同軸に配置されている。
以下、この共通軸を容器軸Oといい、容器軸O方向に沿ってオーバーキャップ7側を上側、容器本体4の底部側を下側といい、また容器軸Oに直交する方向を径方向といい、容器軸O回りに周回する方向を周方向という。
【0021】
図示の例では、容器本体4は、内容器2が外容器3の内面に剥離可能に積層されたいわゆるデラミボトルとなっている。
容器本体4の口部4aは、上側に位置する上筒部8と、下側に位置し上筒部8よりも大径に形成された下筒部9と、を備える二段筒状に形成されている。
【0022】
上筒部8のうち、外容器3で構成された部分(以下、外上筒部という)8aの外周面に雄ねじ部8bが形成されている。また、外上筒部8aにおいて、雄ねじ部8bより下側に位置する部分には、内容器2との間に外気が吸入される吸気孔8cが形成されている。外上筒部8aの外周面において吸気孔8cに対応する部分及びその上側に位置する部分には、容器軸O方向に延びる溝8dが形成されており、雄ねじ部8bは、溝8dにより周方向に分断されている。
【0023】
外上筒部8aの内周面には、上筒部8のうち、内容器2で構成された部分(以下、内上筒部という)8eが積層されている。また、内上筒部8eの上端部は、径方向の外側に折り返されて外上筒部8aの上端開口縁上に配置されている。
容器本体4は、例えば、共押出し成形した二層構造のパリソンをブロー成形することにより成形され、外容器3はポリエチレン樹脂製とされるとともに、内容器2はポリエチレン樹脂に対して相溶性のないポリアミド系の合成樹脂製とされている。
【0024】
また、吐出キャップ6は、内筒体10と、外筒体11と、弁筒体12と、吐出筒15と、吐出筒支持部材16とを備えている。
内筒体10は、天壁部10a及び周壁部10bを備える有頂筒状に形成され、天壁部10aには、周壁部10bよりも小径のガイド筒10cが立設されている。
【0025】
内筒体10の周壁部10bは、容器本体4の口部4a内に嵌合されている。また、周壁部10bにおける上端部には、径方向外方に向けて突設されるとともに周方向に沿って延びる環状の鍔部10dが形成されている。鍔部10dは、口部4aの上端開口縁に上側から当接している。
【0026】
また、鍔部10dの外縁部には、嵌合筒部10eが上方に向けて突設されている。嵌合筒部10eの下端部には、径方向に貫通し、かつ、下方に向けて開口する外気流通孔10fが周方向に間隔をあけて複数形成されている。
【0027】
内筒体10における天壁部10aの径方向中央には、容器軸O方向に貫通する連通孔10gが形成されている。連通孔10gは、吐出筒15の吐出口5と内容器2の内部とを連通している。天壁部10aにおける連通孔10gの周縁部は、後述する弁体12dの弁座10hとなっている。
【0028】
外筒体11は、天壁部11a及び周壁部11bを備える有頂筒状に形成されている。外筒体11は、天壁部11aの径方向内側の開口周縁部に立設された連結筒17と、連結筒17の上端開口部から径方向内側に向けて突出するとともに周方向に沿って延びる環状のフランジ18と、連結筒17より小径の筒状をなし、その外周面の容器軸O方向に沿う中央部がフランジ18の径方向内側の開口周縁部に連結された吐出筒押さえ部材19と、を備えている。
【0029】
天壁部11aには、嵌合筒部10eの上端部が下側から当接している。天壁部11aにおける嵌合筒部10eとの当接部分より径方向内側に位置する部分には、下側に向けて突出するとともに周方向に沿って延びる環状の空気弁座11eが形成されている。
【0030】
周壁部11bの上端部には、嵌合筒部10eの外周面が径方向の内側から当接している。また、周壁部11bの上端部には、径方向内側に向けて突出するとともに周方向に沿って延びる環状突起11iが形成されており、環状突起11iは、嵌合筒部10eの下端部に下側から当接している。
【0031】
周壁部11bの内周面において、環状突起11iの下側に位置する部分には、容器本体4の口部4aの雄ねじ部8bに螺合する雌ねじ部11hが形成されている。また、周壁部11bの下端部内に、口部4aの下筒部9が気密状態で嵌合されている。これにより、吸気孔8cが、外筒体11の周壁部11bの下側からこの吐出容器1の外部と連通することが防止されている。
【0032】
また、連結筒17の下端部における周方向の一部は、径方向に貫通して形成されており、この貫通部分が、外部と吸気孔8cとを連通する外気導入孔11dとなっている。また、外気導入孔11dの下側部分は、天壁部11aにおいて径方向の内側を向く周縁部の周方向の一部を切り欠くように形成されている。
【0033】
また、天壁部11aの上面における外気導入孔11dの開口周縁部には、障壁11fが立設されている。障壁11fは、連結筒17に開口された外気導入孔11dの開口周縁部における下端部を径方向の外側から覆うように形成されている。また、障壁11fは、上側に向かうに従い漸次薄肉となるように形成されている。
【0034】
連結筒17には、径方向内側に向けて突出するとともに周方向に沿って延びる環状突起17aが形成されている。
吐出筒押さえ部材19の上端部には、径方向外側に向けて突出するとともに周方向に沿って延びる環状の係合突起19aが形成されている。吐出筒押さえ部材19の下端部には、径方向内側に向けて突出するとともに周方向に沿って延びる環状の突起部19bが形成されている。
【0035】
弁筒体12は、下端部がガイド筒10c内に嵌合される連通筒12aと、連通筒12a内に配設され、吐出口5と連通孔10gとの連通及び遮断を切り替える弁部材12bと、吸気孔8cと外気導入孔11dとの連通及び遮断を切り替える空気弁12cと、を備えている。
【0036】
連通筒12aの下端開口縁は、内筒体10の天壁部10aに上側から当接している。
弁部材12bは、内筒体10の連通孔10gを上側から開閉自在に閉塞する弁体12dと、弁体12dと連通筒12aとを連結するとともに、内容器2の内圧変動により弾性変形して弁体12dを作動させ連通孔10gを開閉させる弾性連結片12eと、を備えている。
【0037】
弁体12dは、円板状をなしており、弁体12dの外縁部は、内筒体10の天壁部10aの弁座10hに上側から当接している。
弾性連結片12eは、弁部材12bを上側から見た上面視で円弧状をなしており、弁体12dの外縁部と連通筒12aの内周面の下端部とを連結している。弾性連結片12eは、連通筒12aと弁体12dとの間に周方向に間隔をあけて複数形成されている。弾性連結片12eが弾性変形することにより、弁体12dは天壁部10aに対して上側へ向けて変位可能とされているとともに、連通孔10gが開放されるようになっている。このように弁体12dが弁座10hから離間したときに、周方向に隣り合う弾性連結片12e同士の間の隙間を内容物は流通可能である。
【0038】
空気弁12cは、連通筒12aの容器軸O方向に沿う中央部から径方向外側に向けて突出するとともに周方向に沿って延びる環状をなしており、弾性変形可能となっている。図1に示される吐出容器1の縦断面において、空気弁12cは、径方向外側に向かうに従い漸次上側に向かって傾斜するように形成されている。また、空気弁12cの外縁部には、上側へ向けて突出するとともに周方向に沿って延びる環状突起12fが形成されている。環状突起12fは、空気弁座11eに下側から当接しているとともに、空気弁12cの弾性変形によって該空気弁座11eから下側へ向けて離間可能とされている。
【0039】
吐出筒支持部材16は、底壁部16a及び周壁部16bを備える有底筒状に形成されている。底壁部16aの径方向中央には、容器軸O方向に貫通する流通孔16cが形成されている。流通孔16cは、吐出筒15内と連通筒12a内とを連通している。また、底壁部16aには、下側へ向けて突出する筒部16dと、筒部16dの径方向内側に配置され、下側へ向けて突出するとともに周方向に沿って延びる環状突起16eと、上側に向けて突出するとともに周方向に沿って延びる環状の係合突起16fと、が形成されている。
【0040】
筒部16dは、連通筒12aの上端部に径方向の外側から嵌合している。環状突起16eは、連通筒12aの上端部に径方向の内側から当接している。底壁部16aには、連通筒12aの上端部が下側から当接している。
【0041】
周壁部16bは、連結筒17に径方向の内側から嵌合している。周壁部16bの上端部は、フランジ18に下側から当接している。周壁部16bには、径方向外側に向けて突出するとともに周方向に沿って延びる環状突起16gが形成されている。環状突起16gは、連結筒17の環状突起17aに上側から当接している。
【0042】
吐出筒15は、内部が吐出口5とされた周壁部15aと、周壁部15aの下端部から径方向外側に向けて突出するとともに周方向に沿って延びる環状の鍔部15bと、周壁部15aの上端部に配置され、吐出口5を閉塞する弾性変形可能な吐出膜20と、を備えている。
【0043】
周壁部15aは、上側に向かうに従い漸次縮径している。図1に示される縦断面において、周壁部15aは、上側に向かうに従い漸次径方向内側に向かって傾斜して形成されている。
鍔部15bの下面には、該下面から上側に向けて窪むとともに周方向に沿って延びる環状溝15cが形成されている。環状溝15cには、下側から吐出筒支持部材16の係合突起16fが係合している。また、鍔部15bには、上側から吐出筒押さえ部材19の下端部が当接している。
【0044】
吐出膜20は、容器軸O方向に沿う容器本体4の内側に向けて窪む凹曲面状に形成されている。図2に示される吐出膜20の上面視で、該吐出膜20の中央部には、スリット20aが形成されている。図示の例では、スリット20aはX字(十字)状をなしている。そして、内容器2の内圧の上昇に伴い、吐出膜20が弾性変形することにより、スリット20aが拡開して、吐出口5が開放されるようになっている。
また、吐出膜20には、スリット20aの外側(径方向外側)を囲むように配置され、下側に向けて突出するとともに周方向に沿って延びる環状突起20bが形成されている。
【0045】
オーバーキャップ7は、天壁部7a及び周壁部7bを備える有頂筒状に形成されている。天壁部7aの径方向中央には、吐出膜20の形状に対応するように下側へ向けて膨出する密閉部7cが形成されている。密閉部7cは、天壁部7aから下側に向けて突出するドーム状又は半球面状をなしており、その径方向の中央部の肉厚が、該中央部以外の部分の肉厚より大きくなっている。オーバーキャップ7が閉じられた状態で、密閉部7cは、吐出膜20においてスリット20aより外側に位置する部分に全周にわたって当接している。
【0046】
また、天壁部7aには、密閉部7cの径方向外側に配置され、下側へ向けて突出する内筒部7dと、内筒部7dの径方向外側に配置され、下側へ向けて突出する外筒部7eと、が形成されている。内筒部7dは、吐出筒押さえ部材19の上端部に径方向の内側から嵌合している。外筒部7eは、吐出筒押さえ部材19の上端部に径方向の外側から嵌合している。外筒部7eの下端部には、径方向内側に向けて突出するとともに周方向に沿って延びる環状の係合突起7fが形成されている。係合突起7fは、吐出筒押さえ部材19の係合突起19aに下側から当接している。
【0047】
また、オーバーキャップ7の周壁部7bの下端部と外筒体11の周壁部11bの上端部とを連結するヒンジ14が設けられている。ヒンジ14は、周方向に沿う外気導入孔11dに対応する位置、すなわち外気導入孔11dの後方に配置されている。オーバーキャップ7の周壁部7bの上端部において、容器軸Oを挟んだヒンジ14とは反対側には、径方向外側に向けて突出する開閉操作片7gが形成されている。
【0048】
以上説明した本実施形態の吐出容器1では、容器本体4の内容器2に収容された内容物を吐出させる際、開閉操作片7gを操作してオーバーキャップ7を開け、図3に示すように、吐出膜20が斜め下方に向くような吐出姿勢とした状態で、容器本体4の外容器3をスクイズ変形(弾性変形)させる。これにより、内容器2が外容器3とともに変形して減容される。
【0049】
そして、この減容変形に伴い内容器2の内圧が正圧となり、この正圧によって弾性連結片12eが弾性変形するとともに弁体12dが弁座10hから上側へ向けて離間して弁部材12bが開けられ、吐出口5と内容器2の内部とが連通孔10gを通して連通される。このように弁部材12bが開けられることにより、内容器2の内圧(正圧)が吐出膜20に作用して、吐出膜20は弾性変形するとともにスリット20aが拡開し、吐出口5が開かれ、内容器2に収容された内容物が吐出口5から吐出される。
【0050】
その後、内容器2の内圧が低下すると、弾性連結片12eが弾性復元力により復元変形するとともに弁体12dが弁座10hに着座して弁部材12bが閉じられ、吐出口5と内容器2の内部との連通孔10gを通した連通が遮断され、吐出膜20は弾性復元力により復元変形して、スリット20aが閉じるとともに、吐出口5が閉じられる。このように弁部材12bが閉じられることにより、内容器2が密封され、さらに前述したスクイズ変形を解除すると、外容器3は復元変形しようとする。このとき、外容器3と内容器2との間に発生した負圧が吸気孔8cを通して空気弁12cに作用することにより、この空気弁12cが吸気孔8c側へ向けて開いて、吸気孔8cと外部とが外気導入孔11dを通して連通され、外気が外気導入孔11d、外気流通孔10f、及び、溝8dを通して吸気孔8cから外容器3と内容器2との間に吸入される。
外気が吸入されることにより、外容器3と内容器2との間の内圧が大気圧まで上昇すると、空気弁12cが復元変形して吸気孔8cと外気導入孔11dとを遮断する。このように、外容器3と内容器2との間に外気が吸入されることにより、内容器2の減容形状が保持される。
図4は、外容器3と内容器2との間に外気が吸入されている状態を示している。
【0051】
この状態から、再び容器本体4の外容器3をスクイズ変形させると、空気弁12cは遮断状態とされていることから外容器3と内容器2との間の内圧が正圧となり、この正圧によって内容器2が減容変形される。内容器2が減容変形されることにより、前述と同様の作用が得られ、内容物が吐出される。
吐出後は、開閉操作片7gを操作してオーバーキャップ7を閉めるとともに、吐出キャップ6に装着する。
【0052】
本実施形態の吐出容器1によれば、内容物を吐出する際以外においては、弁部材12bが閉じて内容器2が密封状態とされるので、内容物の品質が確保される。さらに、吐出膜20が弾性変形してスリット20aが拡開するまで、吐出口5が開かれないので、容器の密閉性が高められている。従って、吐出後に、たとえ吐出口5と弁部材12bとの間に内容物が残っていたとしても、該吐出口5から意図せず内容物が漏れ出るようなことが防止される。
【0053】
また、吐出膜20が復元変形してスリット20aが閉じることにより、吐出口5の液切れ性が高められているとともに、内容物の液垂れも防止されている。
また、吐出膜20の弾性変形及び復元変形によって吐出口5を開閉させる簡単な構成であるから、前述の顕著な効果を奏しつつも、部品点数が削減される。
【0054】
また、オーバーキャップ7が、吐出膜20においてスリット20aより外側に位置する部分に全周にわたって当接する密閉部7cを有するので、該オーバーキャップ7を吐出キャップ6に装着することで、未使用時の容器の密閉性がより高められることになる。
【0055】
また、吐出膜20が、下側に向けて窪む凹曲面状に形成されており、該吐出膜20の中央部にスリット20aが形成されているので、吐出口5を上側へ向けたこの吐出容器1の正立姿勢において、吐出膜20のうち、スリット20aが形成されている中央部が、スリット20aの外側に位置する部分より下側に配置されて、吐出膜20に付着した内容物はスリット20aへ向かって流れることになり、液垂れがより確実に防止される。
【0056】
また、図3に示されるように、内容物を吐出させる際には、吐出容器1は、オーバーキャップ7が吐出操作の妨げにならないよう、該オーバーキャップ7が上方に位置する吐出姿勢とされる。この吐出姿勢において、外気導入孔11dが、吐出筒15の上方に配置されるので、吐出口5から吐出された内容物が、外気導入孔11dに浸入することが防止される。これにより、空気弁12cが、外気導入孔11dと吸気孔8cとの連通及び遮断を安定して切り替えることができ、前述した作用が確実に得られることになる。
【0057】
また、外気導入孔11dの開口周縁部には、障壁11fが立設されているので、吐出された内容物や異物等が、外筒体11の天壁部11aの上面などを伝って外気導入孔11dに浸入するようなことが防止される。
【0058】
尚、本発明は前述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0059】
例えば、前述の実施形態では、吐出キャップ6において、外筒体11の連結筒17と吐出筒押さえ部材19とが一体に形成される一方、吐出筒支持部材16は、外筒体11とは別体に形成されているとしたが、これに限定されるものではない。図5は、前述した吐出容器1の変形例を示している。この変形例では、吐出キャップ6において、外筒体11の連結筒17と吐出筒支持部材16とが一体に形成される一方、吐出筒押さえ部材19は、外筒体11とは別体に形成されている。そして、吐出筒押さえ部材19の下端部が、連結筒17(或いは吐出筒支持部材16)の上端部に径方向の内側から嵌合(アンダーカット嵌合)している。
【0060】
また、前述の実施形態で説明したオーバーキャップ7は、ヒンジ14を中心に回動して吐出キャップ6に着脱自在に装着されるヒンジ式キャップであるが、これに限定されるものではなく、オーバーキャップ7は、吐出キャップ6から離脱可能に装着されていてもよい(図5を参照)。この場合、オーバーキャップ7は、螺合により吐出キャップ6に着脱自在に装着されるねじ式キャップや、押し込み操作により吐出キャップ6に着脱自在に装着される打栓式キャップであってもよい。
【0061】
また、吐出膜20のスリット20aが、X字状に形成されているとしたが、これに限定されるものでなく、X字状以外の例えばY字状やI字状等であってもよい。
【0062】
また、前述の実施形態では、弁部材12bにおいて、弾性連結片12eは上面視円弧状をなし、連通筒12aと弁体12dとの間に周方向に間隔をあけて複数形成されているとともに連通筒12aと弁体12dとを連結しており、当該弁部材12bが3点弁である例を示したが、これに限定されるものではない。すなわち、弁部材12bは、例えば、1つの弾性連結片12eが連通筒12aと弁体12dとを連結する1点弁であってもよい。
【0063】
また、前述の実施形態における容器本体4は、内容器2が外容器3の内面に剥離可能に積層されたいわゆるデラミボトルであるとしたが、これに限定されるものではなく、例えば、内容器2と外容器3とが別体に形成された二重容器であってもよい。
【0064】
また、容器本体4の口部4aの雄ねじ部8bと、外筒体11の雌ねじ部11hとが螺合することにより、吐出キャップ6が口部4aに装着されることとしたが、これに限定されるものではない。すなわち、これら雄ねじ部8bと雌ねじ部11hとを用いる代わりに、例えば、外筒体11から径方向内側に向けて突出するとともに周方向に沿って延びる環状突起が、口部4aから径方向外側に向けて突出するとともに周方向に沿って延びる環状突起にアンダーカット嵌合する構成であってもよい。
【0065】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0066】
1 吐出容器
2 内容器
3 外容器
4 容器本体
4a 口部
5 吐出口
6 吐出キャップ
7 オーバーキャップ
7c 密閉部
8c 吸気孔
10g 連通孔
11d 外気導入孔
12b 弁部材
12c 空気弁
20 吐出膜
20a スリット
O 容器軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物が収容されるとともに該内容物の減少に伴いしぼみ変形する可撓性に富む内容器、及び、前記内容器が内装され弾性変形可能な外容器を有する容器本体と、
前記容器本体の口部に装着され、内容物を吐出する吐出口が形成された吐出キャップと、を備え、
前記外容器には、前記内容器との間に外気が吸入される吸気孔が形成され、
前記吐出キャップは、
外部と前記吸気孔とを連通する外気導入孔と、
前記吸気孔と前記外気導入孔との連通及び遮断を切り替える空気弁と、
前記吐出口と前記内容器の内部とを連通する連通孔と、
前記吐出口と前記連通孔との連通及び遮断を切り替える弁部材と、
前記吐出口を閉塞する弾性変形可能な吐出膜と、を備え、
前記吐出膜には、スリットが形成されていて、
前記内容器の内圧の上昇に伴い、前記吐出膜が弾性変形することにより、前記スリットが拡開して、前記吐出口が開放されることを特徴とする吐出容器。
【請求項2】
請求項1に記載の吐出容器であって、
前記吐出キャップに着脱自在に装着されるオーバーキャップを備え、
前記オーバーキャップは、前記吐出膜において前記スリットより外側に位置する部分に全周にわたって当接する密閉部を有することを特徴とする吐出容器。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の吐出容器であって、
前記吐出膜は、容器軸方向に沿う前記容器本体の内側に向けて窪む凹曲面状に形成され、該吐出膜の中央部に、前記スリットが形成されていることを特徴とする吐出容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−14341(P2013−14341A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−146596(P2011−146596)
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(000006909)株式会社吉野工業所 (2,913)
【Fターム(参考)】