説明

吐出容器

【課題】使い勝手が高められる吐出容器を提供すること。
【解決手段】内容物が収容されるとともに該内容物の減少に伴いしぼみ変形する可撓性に富む内容器2、及び、前記内容器2が内装される外容器3を有する容器本体4と、前記容器本体4の口部4aに装着され、内容物を吐出する吐出口5が形成された吐出器6と、前記容器本体4の底部側の下方に設けられる基台7と、前記容器本体4と前記基台7との間に設けられ、前記基台7に対して前記容器本体4を口部4a側の上方に付勢した状態で下方移動可能に保持する保持部材8と、前記基台7内に設けられ、前記容器本体4の下方移動に伴って収縮されることにより、前記外容器3に形成された空気導入口9から該外容器3と前記内容器2との間に空気を導入可能な空気供給部材10と、を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吐出容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の吐出容器として、例えば下記特許文献1に示されるような、内容物が収容される容器本体と、前記容器本体の口部に装着され、内容物を吐出する吐出口が形成された吐出器と、前記容器本体の底部側の下方に設けられる基台と、容器本体の内周面に口部側の上方に向けて移動可能に摺接する可動壁部と、前記可動壁部を押し上げるための、内容物の減少に伴って噴射される高圧ガスが封入された容器(ガス缶)と、を備えたものが知られている。
この吐出容器では、ガス缶から高圧ガスを噴出して、容器本体に対して可動壁部を上方移動させることによって、該容器本体内の容積が縮小されるとともに内圧が高められ、この状態から吐出器を操作することによって、吐出口から内容物が吐出されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−036922号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した従来の吐出容器では、ガス缶から高圧ガスを噴出させることによって容器本体内を加圧しているため、ガス缶内のガスを消費した後にガス缶を交換する必要があり、使い勝手を向上させることに改善の余地があった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、使い勝手が高められる吐出容器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
本発明の吐出容器は、内容物が収容されるとともに該内容物の減少に伴いしぼみ変形する可撓性に富む内容器、及び、前記内容器が内装される外容器を有する容器本体と、前記容器本体の口部に装着され、内容物を吐出する吐出口が形成された吐出器と、前記容器本体の底部側の下方に設けられる基台と、前記容器本体と前記基台との間に設けられ、前記基台に対して前記容器本体を口部側の上方に付勢した状態で下方移動可能に保持する保持部材と、前記基台内に設けられ、前記容器本体の下方移動に伴って収縮されることにより、前記外容器に形成された空気導入口から該外容器と前記内容器との間に空気を導入可能な空気供給部材と、を備えることを特徴とする。
【0007】
この発明に係る吐出容器では、容器本体の内容器に収容された内容物を吐出させる際、予め、基台に対して容器本体を下方移動させる。これにより、空気供給部材が収縮(拡縮)させられ、該空気供給部材から外容器の空気導入口を通して、容器本体の外容器と内容器との間に空気が導入されるとともに、内容器が減容変形する方向に加圧され、内容器の内圧が正圧となる。この状態から吐出器を操作することによって、吐出口から内容物が吐出される。
【0008】
また、内容物を吐出することにより内容器が減容変形するとともに、内容器の内圧は下がるが、容器本体を基台に対して再び下方移動させることで、空気供給部材から外容器と内容器との間に新たに空気が導入され、内容器の内圧が正圧となり、次回の内容物の吐出が可能となる。
【0009】
このように、本発明によれば、基台に対して容器本体を下方移動させる簡単な操作によって、内容器の内圧を高めることができる。すなわち、例えば従来のように、容器本体内の内圧を高めるためにガス缶を使用する必要はなく、よって該ガス缶を交換する手間がかからない。従って、本発明の吐出容器は、使い勝手が高められている。
【0010】
また、本発明の吐出容器において、前記保持部材は、前記基台上に、上方付勢状態で下方移動可能に配設され、前記容器本体を支持する支持筒と、前記支持筒に軸回りに回転自在に配設されるとともに、この回転に伴って該支持筒に対して前記容器本体を着脱自在に固定する固定部材と、を備えることとしてもよい。
【0011】
この場合、支持筒に対して固定部材を軸回りに回転させる簡単な操作により、該支持筒に対して容器本体を固定できるので、支持筒に対する容器本体の着脱が容易である。また、前述したように基台に対して容器本体を下方移動させる際においては、該容器本体の姿勢が安定するため、操作が行いやすい。
【0012】
また、本発明の吐出容器において、前記外容器は、前記空気導入口が形成された導入筒を備え、前記固定部材は、前記導入筒を、該導入筒の径方向外側から狭持可能な複数の狭持部と、これら狭持部同士を、前記導入筒の周方向に繋ぐ第1弾性部と、これら狭持部同士を、前記径方向外側に向けて離間可能に支持する第2弾性部と、を備え、前記支持筒は、該支持筒に対する前記固定部材の回転に伴って、前記第1弾性部に摺接しつつ該第1弾性部を径方向内側に押し込むことにより、前記第2弾性部を弾性変形させるとともに前記狭持部同士を径方向外側に向けて離間させる押し込み部を備えることとしてもよい。
【0013】
この場合、簡易な構成を用いて、支持筒に対して容器本体を着脱自在に固定できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の吐出容器によれば、使い勝手が高められる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態に係る吐出容器を示す断面図である。
【図2】図1の吐出容器の吐出器近傍を拡大して示す図である。
【図3】図1の吐出容器の保持部材及び基台近傍を拡大して示す図である。
【図4】図1の吐出容器の保持部材及び基台を示す上面図である。
【図5】図1の吐出容器において、基台に対して容器本体及び保持部材を下方移動させた状態を説明する図である。
【図6】図1の吐出容器において、吐出器を操作した状態を説明する図である。
【図7】図4に示される保持部材において、支持筒に対して固定部材を軸回りに回転移動した状態を説明する上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照し、本発明の一実施形態に係る吐出容器について説明する。
図1に示されるように、吐出容器1は、内容物が収容されるとともに該内容物の減少に伴いしぼみ変形する可撓性に富む内容器2、及び、内容器2が内装される外容器3を有する容器本体4と、容器本体4の口部4aに装着され、内容物を吐出する吐出口5が形成された吐出器6と、容器本体4の底部側の下方に設けられる筒状の基台7と、容器本体4と基台7との間に設けられ、基台7に対して容器本体4を口部4a側の上方に付勢した状態で下方移動可能に保持する保持部材8と、基台7内に設けられ、容器本体4の下方移動に伴って収縮されることにより、外容器3に形成された空気導入口9から該外容器3と内容器2との間に空気を導入可能な空気供給部材10と、を備えている。
ここで、容器本体4は有底筒状に形成されており、該容器本体4と基台7とは、共通軸と同軸に配置されている。
以下、この共通軸を容器軸Oといい、容器軸O方向に沿って容器本体4の口部4a側を上側、基台7側を下側といい、また容器軸Oに直交する方向を径方向といい、容器軸O回りに周回する方向を周方向という。
【0017】
容器本体4は、内容器2と外容器3とが別体に形成された二重容器となっている。容器本体4は、例えば、プリフォームを二重(内外)に組み合わせてブロー成形することにより形成される。
図2に示されるように、容器本体4の口部4aのうち、外容器3で構成された部分の外周面には、径方向外側に向けて突出するとともに周方向に沿って延びる環状の係合突起11が形成されている。また、容器本体4の口部4aのうち、内容器2で構成された部分の上端部は、径方向の外側に折り返されるように形成されて、外容器3部分の上端開口縁上に配置されている。
【0018】
図3に示されるように、外容器3の底部には、容器軸O方向に沿って延びる導入筒12が形成されている。導入筒12は、外容器3の底部から下側に向けて突出しており、その下端部が該下端部以外の部分より小径とされている。導入筒12の下端部は、下側に向けて開口されており、この下端開口部が前記空気導入口9となっている。また、導入筒12の外周面における上端部には、径方向内側に向けて窪まされるとともに周方向に沿って延びる環状の係合溝13が形成されている。
また、内容器2の底部には、容器軸O方向に沿って延びる閉塞筒14が形成されているとともに、該閉塞筒14は、外容器3の導入筒12内に上側から挿入されている。閉塞筒14の上端部は、内容器2内に開口されており、該閉塞筒14の下端部は、閉塞されている。
【0019】
図2において、吐出器6は、容器本体4の口部4aに装着される装着キャップ15と、装着キャップ15に配設される吐出シリンダ16と、装着キャップ15を容器軸O方向に貫通するとともに吐出シリンダ16内に下側へ向けて挿入され、該吐出シリンダ16内の弾性部材17により上方付勢状態で下方移動可能に配設される吐出ステム18と、吐出ステム18の上端部に設けられた押下ヘッド19と、を備えている。
【0020】
装着キャップ15は、容器本体4の口部4aに装着される装着筒20と、装着筒20の径方向外側及び上側を覆うように配設され、吐出シリンダ16が装着されたキャップ筒21と、を備えている。
【0021】
装着筒20は、天壁部20a及び周壁部20bを備えており、天壁部20aの径方向中央部は容器軸O方向に貫通して開口されているとともに、該天壁部20aにおける径方向内側の内周端縁には、周壁部20bより小径の嵌合筒20cが垂設されている。
【0022】
天壁部20aは、容器本体4の口部4aの上端開口縁に上側から当接している。
周壁部20bの内周面には、径方向内側に向けて突出するとともに周方向に沿って延びる環状の係合突起22が形成されており、該係合突起22は、口部4aの係合突起11に下側から当接している。これら係合突起11、22同士が互いに係合されることで、容器本体4の口部4aと装着筒20とはアンダーカット嵌合(凹凸嵌合)されており、該口部4aと装着筒20との容器軸O方向に沿う相対移動が規制されている。さらに、容器本体4の口部4a及び装着筒20には、係合突起11、22の下側に、これら容器本体4の口部4aと装着筒20との周方向に沿う相対移動を規制する規制部23が設けられている。周壁部20bの外周面には、雄ねじ部24が形成されている。
嵌合筒20cは、容器本体4の口部4aに径方向内側から嵌合している。
【0023】
キャップ筒21は、内筒21aと、外筒21bと、これら内筒21a及び外筒21bを連結するフランジ部21cと、を備えている。
【0024】
内筒21aは、有頂筒状をなしており、その天壁における径方向中央部には、容器軸O方向に貫通するステム挿通孔27が形成されている。内筒21aの周壁における容器軸O方向の中央部には、径方向内側に突出するとともに周方向に沿って延びる環状突起25が形成されている。内筒21aの下端開口部は、装着筒20の嵌合筒20cに径方向内側から嵌合している。
外筒21bの内周面には、雌ねじ部26が形成されており、該雌ねじ部26は、装着筒20の雄ねじ部24に螺合している。
フランジ部21cは、外筒21bの上端部から径方向内側に向けて突出するとともに周方向に沿って延びる環状をなしており、その内周端部が、内筒21aの周壁における容器軸O方向の中央部に連結されている。フランジ部21cは、装着筒20の天壁部20aに上側から当接している。
【0025】
吐出シリンダ16は、シリンダ筒28と、シリンダ筒28内に配設される弾性部材17と、シリンダ筒28内に配設され、弾性部材17に上側から当接して該シリンダ筒28に対して上方付勢状態で下方移動可能とされた有底筒状のステム支持筒29と、ステム支持筒29の上側に配置され、吐出ステム18の後述する貫通孔34を開放可能に閉塞するシール部材30と、を備えている。
【0026】
シリンダ筒28は、有底筒状の筒部28aと、筒部28aの上端開口部から径方向外側に向けて突出するとともに周方向に沿って延びる環状のフランジ部28bと、を備えている。
【0027】
筒部28aの周壁には、径方向内側に向けて突出するとともに容器軸O方向に沿って延びるリブ31が、周方向に間隔をあけて複数形成されている。筒部28aの底壁には、容器軸O方向に貫通して連通孔32が開口されている。
フランジ部28bにおける径方向外側部分は、キャップ筒21の内筒21aの天壁における径方向外側部分に、下側から当接している。フランジ部28bの外周端縁は、内筒21aの環状突起25に上側から当接している。
【0028】
弾性部材17は、図示の例では圧縮コイルばねであり、容器軸Oに同軸に配設されている。弾性部材17の下端部は、筒部28aの底壁に上側から当接しており、該弾性部材17の上端部は、ステム支持筒29の底壁に下側から当接している。
【0029】
ステム支持筒29の周壁は、シリンダ筒28のリブ31に径方向内側から摺接している。ステム支持筒29の周壁における上端開口縁は、シール部材30に下側から当接している。ステム支持筒29の底壁には、下面視でX字状又は十字状をなす弾性部材ガイド部33が垂設されている。弾性部材ガイド部33は、弾性部材17内に挿入されており、該弾性部材ガイド部33の外径は、連通孔32の内径より大きくなっている。
【0030】
シール部材30は、円環板状をなしており、内筒21aの天壁における径方向内側部分と、フランジ部28bにおける径方向内側部分とに容器軸O方向から狭持されている。シール部材30の下面とリブ31の上端部との間には、隙間が形成されている。
【0031】
吐出ステム18は、筒状をなしており、キャップ筒21のステム挿通孔27に容器軸O方向に移動可能に挿入されている。吐出ステム18の下端部は、ステム支持筒29の周壁に径方向内側から嵌合しているとともに、該ステム支持筒29の底壁に上側から当接している。吐出ステム18においてステム支持筒29の上側に位置する部分には、径方向に貫通する貫通孔34が、周方向に間隔をあけて複数形成されている。図2の状態において、これら貫通孔34は、シール部材30の内周端縁に当接されることにより、閉塞されている。
【0032】
押下ヘッド19は、吐出ステム18の上端部に連結されるヘッド筒19aと、ヘッド筒19aの上端部から径方向外側に向けて突出して延びるとともに、その先端部に前記吐出口5が形成されたノズル筒19bと、を備えている。図示の例では、ノズル筒19bは、径方向外側へ向かうに従い漸次下側に向かって傾斜している。
【0033】
ヘッド筒19aは、二重筒状をなしており、その内筒部分に吐出ステム18の上端部が径方向内側から嵌合している。ヘッド筒19aの内筒部分の内部と、吐出ステム18の内部とは互いに連通しており、該内筒部分の内部と、ノズル筒19bの内部とも互いに連通している。そして、ノズル筒19b内部に形成された連通路における径方向外側端部が、吐出口5となっている。
【0034】
図3及び図4に示されるように、基台7は、外装筒体7aと、外装筒体7a内に同軸に配設されるとともに、空気供給部材10の吸気筒部10aが連結される内装筒体7bと、これら外装筒体7a及び内装筒体7bを連結する支持フランジ7cと、を備えている。
【0035】
外装筒体7aは、下側に向かうに従い漸次拡径するように形成されている。外装筒体7aの上端開口縁における周方向に沿う所定範囲には、後述する固定部材41の容器軸O回りの回動範囲に対応して切り欠き部35が形成されている。
【0036】
図3において、内装筒体7bは、有底筒状をなしており、その底壁の径方向中央部は容器軸O方向に貫通して開口されているとともに、該底壁における径方向内側の内周端縁には、容器軸Oに同軸とされて連結筒部36が垂設されている。連結筒部36の内周面には、径方向内側に向けて突出するとともに周方向に沿って延びる環状の係合突起37が形成されている。また、連結筒部36の下端開口部には、径方向内側に向けて突出するとともに周方向に沿って延びる環状の係止フランジ38が形成されている。連結筒部36の下端開口部は、外装筒体7aの下端開口縁よりも上側に位置している。
【0037】
支持フランジ7cは、内装筒体7bの周壁の上端開口部から径方向外側に向けて突出するとともに周方向に沿って延びる環状をなしており、その外周端部が、外装筒体7aの内周面における容器軸O方向の中央部に連結されている。支持フランジ7cのうち、径方向内側に位置する内周部分は、径方向外側に位置する外周部分よりも上側に突出している。支持フランジ7cの前記外周部分には、容器軸O方向に貫通するガイド孔39が、周方向に間隔をあけて複数形成されている。
【0038】
保持部材8は、基台7上に、上方付勢状態で下方移動可能とされて容器軸Oに同軸に配設され、容器本体4を支持する支持筒40と、支持筒40に、該支持筒40の軸回りに回転自在に配設されるとともに、この回転に伴って該支持筒40に対して容器本体4を着脱自在に固定する固定部材41と、を備えている。
【0039】
支持筒40は、外筒部40aと、外筒部40a内に同軸に配設されるとともに、空気供給部材10の送気筒部10bが連結される内筒部40bと、これら外筒部40a及び内筒部40bを連結する連結部40cと、を備えている。
【0040】
外筒部40aは、基台7の外装筒体7a内に配設されており、その上端開口縁には、上側に向けて突出する支持突起42が、周方向に間隔をあけて複数形成されている。これら支持突起42のうち、容器軸Oを挟んで対向する支持突起42同士の間隔(つまり外筒部40aの内径)は、容器本体4の外径より小径となっているとともに、該支持突起42は容器本体4に下側から当接している。図3に示される状態で、外筒部40aの上端開口縁における支持突起42以外の部分と、外装筒体7aの上端開口縁とは、容器軸O方向に沿う位置が互いに略同一となっている。
【0041】
外筒部40aの上側部分は、下側部分より厚肉に形成されている。外筒部40aの下側部分のうち、基台7のガイド孔39に対応する部分には、下側へ向けて突出する係止突起43が形成されている。係止突起43は、外筒部40aの下側部分に周方向に間隔をあけて複数形成されており、ガイド孔39内にそれぞれ挿入されている。また、係止突起43には、径方向外側に向けて突出する規制突部44が形成されており、図3に示される状態で、該規制突部44は、支持フランジ7cに下側から当接している。
【0042】
内筒部40bは、二重筒状をなしており、外筒体45と、内筒体46と、これら外筒体45及び内筒体46を連結する連結体47と、を備えている。
【0043】
連結体47は、外筒体45の容器軸O方向に沿う中央部から径方向内側に向けて突出するとともに、周方向に沿って延びる円環板状をなしている。連結体47における径方向外側の端部には、容器軸O方向に貫通するとともに周方向に沿って延びる円弧状のスライドガイド孔50が、周方向に間隔をあけて複数形成されている。連結体47における径方向内側の端部には、上側へ向けて突出する円柱状又は円板状の押し込み部51が、周方向に間隔をあけて複数形成されている。図4に示される例では、スライドガイド孔50が、容器軸Oを挟んで一対形成されており、押し込み部51も、容器軸Oを挟んで一対形成されている。
【0044】
図3において、内筒体46は、連結体47の内周縁部から垂設されている。図示の例では、内筒体46の下端開口縁と、外筒体45の下端開口縁とが容器軸O方向に略面一となっている。内筒体46の内周面には、径方向内側に向けて突出するとともに周方向に沿って延びる環状の係合突起48が形成されている。また、内筒体46の上端開口部には、径方向内側に向けて突出するとともに周方向に沿って延びる環状の係止フランジ49が形成されている。係止フランジ49の内周縁部は、容器本体4の導入筒12の外周面に接近又は当接配置されている。
【0045】
連結部40cは、外筒部40aの内周面における容器軸O方向の中央部から径方向内側に向けて突出するとともに、周方向に沿って延びる円環板状をなしている。連結部40cの内周縁部は、内筒部40bの外筒体45の上端開口部に連結されている。連結部40cにおける内周縁部は、該内周縁部以外の部位よりも上側に突出している。図4に示されるように、連結部40cの内周縁部における周方向に沿う所定範囲には、固定部材41の容器軸O回りの回動範囲に対応して切り欠き部52が形成されており、連結部40cの内周縁部において上側に突出する部分は、この上面視でC字状をなしている。図3において、連結部40cの内周縁部のうち切り欠き部52が形成された部分は、連結部40cの内周縁部以外の部位と、容器軸O方向に沿う位置が略同一(面一)となっている。また、連結部40cの内周縁部において上側に突出する部分の上端面53は、径方向外側に向かうに従い漸次上側へ向かって傾斜しているとともに、容器本体4の外容器3の外面に当接している。
【0046】
図4において、連結部40cにおける内周縁部以外の部位には、容器軸O方向に貫通する孔54が、周方向に間隔をあけて複数形成されている。また、孔54内には、周方向に沿って延びるとともにその延在方向の一端が前記内周縁部以外の部位に連結され、他端が自由端とされて支持フランジ7cの内周部分に上側から当接する付勢部55が設けられている。付勢部55は、支持筒40を上方に向けて付勢しているとともに、該支持筒40が下方に押し込まれることにより弾性変形可能とされている。
【0047】
固定部材41は、周壁と底壁を有する矩形容器状の本体部41aと、該本体部41aの長手方向の一端部から径方向外側に向けて突出する操作部41bと、を備えている。
【0048】
図4に示されるように、本体部41aの周壁のうち長手方向を向く両端部は、この上面視で円弧状にそれぞれ形成されているとともに、支持筒40の外筒体45に径方向内側から摺接している。
図3において、本体部41aの底壁は、支持筒40の連結体47に上側から摺接しており、該底壁における長手方向の端部には、下側に向けて突出するガイド片56が形成されている。ガイド片56は、連結体47のスライドガイド孔50に挿入されており、該ガイド片56における容器軸O方向の中央部には、径方向内側に向けて突出する係止突起57が形成されていて、該係止突起57は、連結体47に下側から当接している。図4に示されるように、ガイド片56は、スライドガイド孔50内を周方向に沿う所定範囲にわたり移動可能とされている。図示の例では、ガイド片56は、本体部41aの底壁における長手方向の両端部に、一対形成されている。
【0049】
また、本体部41aの底壁には、容器軸O方向に貫通する孔部58が形成されており、該底壁の孔部58内には、環状のリング体59が配設されている。リング体59は、外容器3の導入筒12を、該導入筒12の径方向外側から狭持可能な複数の狭持部60と、これら狭持部60同士を、導入筒12の周方向(容器軸O回り)に繋ぐ第1弾性部61と、を備えている。また、本体部41aの底壁には、リング体59と孔部58の内周縁部とを連結する第2弾性部62が設けられている。
【0050】
図4に示される上面視で、狭持部60は、第1弾性部61より径方向内側に突出して形成されており、その内周端縁が、導入筒12の係合溝13に対応する円弧状をなしている。狭持部60における径方向外側の端縁は、第1弾性部61における径方向外側の端縁と面一とされており、これにより、リング体59の外周端縁はこの上面視で滑らかな曲線状をなしている。
【0051】
リング体59の外周端縁は、支持筒40の押し込み部51の外周面に摺接されている。図4に示される状態で、リング体59は楕円形状をなし、狭持部60が短軸方向の両側に配置されるとともに、少なくとも長軸方向の外径が、一対の押し込み部51同士の間の距離よりも大きくなっている。また、短軸方向の外径を一対の押し込み部51同士の間の距離よりも大きくすることで、押し込み部51により該リング体59のうち狭持部60に対応する部位(具体的には狭持部60において第1弾性部61に連結される周方向端部)を、径方向内側に向けて押し込むように構成することができる。
【0052】
第1弾性部61は、薄肉に形成されていて、弾性変形可能となっている。図示の例では、リング体59には、一対の狭持部60と一対の第1弾性部61とが周方向に交互に配置されていて、一対の狭持部60同士が、容器軸Oを挟んで本体部41aの長手方向に対向している。
【0053】
また、図4に示される上面視で、第2弾性部62は、径方向外側に向かうに従い周方向の向きを反転(一回又は複数回反転)させるように蛇行して延びており、S字状又は波状に形成されている。第2弾性部62は、薄肉に形成されていて、弾性変形可能となっている。第2弾性部62における径方向内側の端部は、リング体59における狭持部60に対応する部分に連結されている。第2弾性部62の径方向外側の端部は、孔部58の内周縁部における本体部41aの長手方向の端部に連結されている。本実施形態では、一対の狭持部60に対応して第2弾性部62が一対形成されており、一対の第2弾性部62は、一対の狭持部60同士を、径方向外側に向けて離間可能に支持している。
尚、第2弾性部62が、一対の挟持部60を径方向内側に向かって付勢するように構成してもよい。
【0054】
そして、支持筒40に対して固定部材41が容器軸O回りに回転移動させられると、この回転に伴って、図7に示されるように、押し込み部51は、第1弾性部61に摺接しつつ該第1弾性部61を径方向内側に押し込むことにより、第2弾性部62を弾性変形させるとともに狭持部60同士を径方向外側に向けて離間させるようになっている。図7に示される上面視で、リング体59は、円形に近い形状とされている。
【0055】
図3において、操作部41bは、本体部41aの周壁における長手方向の端部から、径方向外側に向かって延びる連結板63と、連結板63の径方向外側の端部から立設される操作板64と、を備えている。
【0056】
連結板63における径方向内側の端部は、本体部41aの周壁における上端開口部に連結されている。連結板63は、支持筒40の連結部40cに上側から摺接している。
操作板64は、支持筒40の外筒部40aに径方向内側から摺接している。図示の例では、操作板64の上端部は、外容器3の外面に当接している。また、操作板64には、径方向外側に向けて突出するとともに容器軸O方向に沿って延びる回動操作片65が形成されている。回動操作片65における下端面は、外筒部40aの支持突起42が形成される部分以外の部分における上端面に摺接している。
【0057】
空気供給部材10は、蛇腹状をなし容器軸O方向に伸縮可能とされた伸縮部10cと、伸縮部10cの下端部に設けられ、該伸縮部10c内に空気を供給可能な吸気弁66を有する吸気筒部10aと、伸縮部10cの上端部に設けられ、該伸縮部10c内の空気を排出可能な送気弁67を有する送気筒部10bと、を備えている。
伸縮部10cは、基台7の内装筒体7b内に収容されている。吸気筒部10a及び送気筒部10bは、伸縮部10cより小径となっている。
【0058】
吸気筒部10aの外周面には、径方向外側に向けて突出するとともに周方向に沿って延びる環状の係合突起68が形成されており、該係合突起68は、連結筒部36の係合突起37に下側から当接している。また、吸気筒部10aには、吸気弁66を備えた嵌合筒体69が径方向内側から嵌合しており、該嵌合筒体69の下端開口部は、連結筒部36の係止フランジ38に上側から当接している。
吸気弁66は、伸縮部10c内に外部からの空気を供給可能とされている一方、伸縮部10c内の空気が外部に排出されることを規制するように構成された逆止弁であって、本実施形態では、弁体の外周縁部に周方向に間隔をあけて複数の弾性連結片が設けられた所謂3点弁が用いられている。
【0059】
送気筒部10bの外周面には、径方向外側に向けて突出するとともに周方向に沿って延びる環状の係合突起70が形成されており、該係合突起70は、内筒体46の係合突起48に上側から当接している。また、送気筒部10bには、送気弁67を備えた嵌合筒体71が径方向内側から嵌合しており、該嵌合筒体71の上端開口部は、内筒体46の係止フランジ49に下側から当接している。
送気弁67は、伸縮部10c内の空気を外部へ排出可能とされている一方、伸縮部10c内に外部からの空気が供給されることを規制するように構成された逆止弁であって、本実施形態では、前記3点弁が用いられている。
また、図3に符号72で示されるものは、導入筒12及び嵌合筒体71の内部空間と、外部空間との連通を遮断する環状シールである。
【0060】
以上説明した本実施形態の吐出容器1では、容器本体4の内容器2に収容された内容物を吐出させる際、予め、基台7に対して容器本体4を下方移動させる。これにより、図5に示されるように、付勢部55が弾性変形するとともに、基台7に対して保持部材8が下方移動する。また、空気供給部材10が容器軸O方向に収縮させられるとともにその内圧が高まり、送気弁67が開かれて、該空気供給部材10から外容器3における導入筒12の空気導入口9を通して、容器本体4の外容器3と内容器2との間に空気が導入され、内容器が減容変形する方向に加圧される。そして、この加圧に伴って内容器2の内圧が正圧となり、この状態から吐出器6を操作することによって、吐出口5から内容物が吐出される。
【0061】
具体的には、図6に示されるように、吐出器6において、装着キャップ15に対して押下ヘッド19を下側へ向けて押し込むと、弾性部材17が弾性変形させられるとともに吐出ステム18及びステム支持筒29が押し下げられて、該吐出ステム18の貫通孔34に対するシール部材30のシールが解除され、該貫通孔34が吐出シリンダ16内に開口される。これにより、貫通孔34と内容器2内とが、吐出シリンダ16内のリブ31同士の間、該吐出シリンダ16内周面と弾性部材ガイド部33との間、及び、連通孔32を通して互いに連通され、該貫通孔34を通して、内容器2内から吐出口5へと内容物が流通するとともに、該吐出口5から外部へ吐出される。
【0062】
尚、前述のように基台7に対して容器本体4を下方移動させた後、この移動操作を解除すると、該容器本体4は、付勢部55が復元変形するのに伴って、基台7に対して保持部材8とともに上方移動する。この際、空気供給部材10においては、送気弁67が閉じられた状態のまま吸気弁66が開かれることにより、該空気供給部材10内に新たな空気が流入する。また、このように送気弁67が閉じられた状態で容器本体4が上方移動することから、該容器本体4の内容器2の内圧が維持される。
【0063】
また、内容物を吐出することにより内容器2が減容変形するとともに、内容器2の内圧は下がるが、容器本体4を基台7に対して再び下方移動させることで、空気供給部材10から外容器3と内容器2との間に新たに空気が導入され、内容器2の内圧が正圧となり、次回の内容物の吐出が可能となる。
【0064】
このように、本実施形態によれば、基台7に対して容器本体4を下方移動させる簡単な操作によって、内容器2の内圧を高めることができる。すなわち、例えば従来のように、容器本体内の内圧を高めるためにガス缶を使用する必要はなく、よって該ガス缶を交換する手間がかからない。従って、本実施形態の吐出容器1は、使い勝手が高められている。
【0065】
また、内容器2の内容物がなくなり、容器本体4を交換する際は、図7に示されるように、固定部材41の回転操作片65を操作して、支持筒40に対して固定部材41を回転移動させることにより、押し込み部51にリング体59を摺接させつつ、第1弾性部61を径方向内側へ向けて押し込む。これにより、第2弾性部62が弾性変形させられるとともに、狭持部60同士が径方向外側へ向けて互いに離間させられて、これら狭持部60と、容器本体4の導入筒12の係合溝13との係合が解除される。
次いで、容器本体4を新しいものに交換し、導入筒12を狭持部60同士の間に配置したら、固定部材41の回転操作片65を操作して、支持筒40に対して固定部材41を前述とは逆の周方向に向けて回転移動させる。これにより、第2弾性部62が復元変形するとともに、押し込み部51はリング体59に摺接しつつ狭持部60を径方向内側へ向けて押し込み、該狭持部60と導入筒12の係合溝13とが係合される。
【0066】
このように、支持筒40に対して固定部材41を容器軸O回りに回転させる簡単な操作により、保持部材8に対して容器本体4を固定できるので、保持部材8に対する容器本体4の着脱が容易である。また、前述したように基台7に対して容器本体4を下方移動させる際においては、該容器本体4の姿勢が安定するため、操作が行いやすい。
また、本実施形態によれば、前述した簡易な構成により、保持部材8に対して容器本体4を着脱自在に固定できる。
本実施形態において、弾性部材17の上方付勢力を、付勢部55の上方付勢力より大きくすることで、押下ヘッド19を下方に押圧した際に、吐出ステム18の貫通孔34を封止した状態で外容器3と内容器2との間に外気を流入(加圧)することができる。
また、この場合には、前記貫通孔34を封止した状態で容器本体4の上下動を複数回行うこともでき、所望の圧力に調整することが容易となる。
【0067】
尚、本発明は前述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0068】
例えば、前述の実施形態では、装着キャップ15は、容器本体4の口部4aに装着される装着筒20と、装着筒20を覆うように配設されるキャップ筒21と、を備えているとしたが、これら筒20、21が一体とされていても構わない。
【0069】
また、図3及び図4において、切り欠き部35は、固定部材41の容器軸O回りの回動範囲に対応して切り欠かれているとしたが、この代わりに、固定部材41の回動操作片65の周方向に沿う長さ(厚さ)に対応して切り欠かれていてもよい。この場合、支持筒40に対して容器本体4を着脱する際、狭持部60同士が離間された状態で、該支持筒40が基台7に対して押し下げられることが規制され、着脱操作がより安定して行える。
【0070】
また、吸気弁66及び送気弁67が、3点弁であるとしたが、例えば1点弁等の、他の逆止弁であっても構わない。
【0071】
また、基台7に対する容器本体4の押し下げ操作、及び、押下ヘッド19の押し下げ操作を簡単に精度よく行う目的で、例えば容器本体4の外容器3の外周面や装着キャップ15に、操作ガイド片(不図示)を設けてもよい。この場合、操作ガイド片を押し下げることによって、内容器2の内圧を簡単に高めることができ、また、操作ガイド片と押下ヘッド19とを手指等で狭持した状態からこれらを互いに接近移動させることによって、容器本体4を押し下げるようなことなく内容物を吐出させることができる。
【0072】
また、前述の実施形態における容器本体4は、内容器2と外容器3とが別体に形成された二重容器であるとしたが、これに限定されるものではなく、例えば、内容器2が外容器3の内面に剥離可能に積層されたいわゆるデラミボトルであってもよい。この場合、容器本体4は、例えば、共押出し成形した二層構造のパリソンをブロー成形することにより成形され、外容器3はポリエチレンテレフタレート樹脂製とされるとともに、内容器2はポリエチレンテレフタレート樹脂に対して相溶性のないポリアミド系の合成樹脂製とされる。
【0073】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0074】
1 吐出容器
2 内容器
3 外容器
4 容器本体
4a 口部
5 吐出口
6 吐出器
7 基台
8 保持部材
9 空気導入口
10 空気供給部材
12 導入筒
40 支持筒
41 固定部材
51 押し込み部
60 狭持部
61 第1弾性部
62 第2弾性部
O 容器軸(軸)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物が収容されるとともに該内容物の減少に伴いしぼみ変形する可撓性に富む内容器、及び、前記内容器が内装される外容器を有する容器本体と、
前記容器本体の口部に装着され、内容物を吐出する吐出口が形成された吐出器と、
前記容器本体の底部側の下方に設けられる基台と、
前記容器本体と前記基台との間に設けられ、前記基台に対して前記容器本体を口部側の上方に付勢した状態で下方移動可能に保持する保持部材と、
前記基台内に設けられ、前記容器本体の下方移動に伴って収縮されることにより、前記外容器に形成された空気導入口から該外容器と前記内容器との間に空気を導入可能な空気供給部材と、を備えることを特徴とする吐出容器。
【請求項2】
請求項1に記載の吐出容器であって、
前記保持部材は、
前記基台上に、上方付勢状態で下方移動可能に配設され、前記容器本体を支持する支持筒と、
前記支持筒に軸回りに回転自在に配設されるとともに、この回転に伴って該支持筒に対して前記容器本体を着脱自在に固定する固定部材と、を備えることを特徴とする吐出容器。
【請求項3】
請求項2に記載の吐出容器であって、
前記外容器は、前記空気導入口が形成された導入筒を備え、
前記固定部材は、
前記導入筒を、該導入筒の径方向外側から狭持可能な複数の狭持部と、
これら狭持部同士を、前記導入筒の周方向に繋ぐ第1弾性部と、
これら狭持部同士を、前記径方向外側に向けて離間可能に支持する第2弾性部と、を備え、
前記支持筒は、該支持筒に対する前記固定部材の回転に伴って、前記第1弾性部に摺接しつつ該第1弾性部を径方向内側に押し込むことにより、前記第2弾性部を弾性変形させるとともに前記狭持部同士を径方向外側に向けて離間させる押し込み部を備えることを特徴とする吐出容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−75671(P2013−75671A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−215835(P2011−215835)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000006909)株式会社吉野工業所 (2,913)
【Fターム(参考)】