吐水装置
【課題】 吐水軌跡を変化させながら広範囲に面状にシャワー状の吐水流を吐水することができる吐水装置を提供する。
【解決手段】
洗浄水が流入する流入室と、前記流入室の内部と外部とを連通する開口部と、を有するガイド部材と、前記開口部より小径な縮径部を有し、前記縮径部の先端を前記開口部から前記ガイド部材の外部に突出させた状態で前記流入室の内部に設けられ、前記流入室に流入した洗浄水を前記縮径部の先端から流出可能な吐水口を有する筒体と、を備え、前記筒体は少なくとも前記縮径部の一部を前記開口部に接触させた状態で前記流入室の中心軸に対して傾きながら前記流入室の中心軸のまわりに首振り公転し、且つ前記筒体は自身の中心軸のまわりに自転し、前記縮径部の先端に径方向且つ前記開口部側に伸展するリブ部を有することを特徴とする吐水装置。
【解決手段】
洗浄水が流入する流入室と、前記流入室の内部と外部とを連通する開口部と、を有するガイド部材と、前記開口部より小径な縮径部を有し、前記縮径部の先端を前記開口部から前記ガイド部材の外部に突出させた状態で前記流入室の内部に設けられ、前記流入室に流入した洗浄水を前記縮径部の先端から流出可能な吐水口を有する筒体と、を備え、前記筒体は少なくとも前記縮径部の一部を前記開口部に接触させた状態で前記流入室の中心軸に対して傾きながら前記流入室の中心軸のまわりに首振り公転し、且つ前記筒体は自身の中心軸のまわりに自転し、前記縮径部の先端に径方向且つ前記開口部側に伸展するリブ部を有することを特徴とする吐水装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ノズルを首振り公転させたり自転させながら吐水を行わせる際、ノズルの回転による細かい水滴の飛散を防ぐことができる吐水装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ノズルが収容された流入室内に形成される旋回流によってノズルを首振り公転させたり自転させながら吐水を行わせる吐水装置が知られている(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特許第3518542号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1に開示された吐水装置は、ノズルを首振り公転させたり自転させながら吐水することで少ない水量で広範囲に吐水させることが可能である。
しかし、ノズルを首振り公転させたり自転させるために、流入室とノズルに隙間が必要であり、その隙間からのわずかながら漏れ水が発生し、細かい水滴が周囲へ飛散し、水垢等の汚れが出る。また、ノズルの先にヘッドがついている場合は漏れ水がノズルを伝い、ヘッドの傾斜に沿って円周上に細かい水滴が飛散する。細かい水滴のため、放熱し易く、人体に着水した際には、冷たい吐水となり、不快感を与える。
【0004】
本発明は上述の問題に鑑みてなされ、ノズルの回転による細かい水滴の飛散を防ぐことができる吐水装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、洗浄水が流入する流入室と、前記流入室の内部と外部とを連通する開口部と、を有するガイド部材と、前記開口部より小径な縮径部を有し、前記縮径部の先端を前記開口部から前記ガイド部材の外部に突出させた状態で前記流入室の内部に設けられ、前記流入室に流入した洗浄水を前記縮径部の先端から流出可能な吐水口を有する筒体と、を備え、前記筒体は少なくとも前記縮径部の一部を前記開口部に接触させた状態で前記流入室の中心軸に対して傾きながら前記流入室の中心軸のまわりに首振り公転し、且つ前記筒体は自身の中心軸のまわりに自転し、前記縮径部の先端に径方向且つ前記開口部側に伸展するリブ部を有することを特徴とする吐水装置が提供される。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、ノズルを首振り公転させたり自転させながら吐水を行わせる際、ノズルの回転による細かい水滴の飛散を防ぐことができる吐水装置が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
【0008】
図1は、本発明の実施形態に係る吐水装置の模式断面図を示す。
本実施形態に係る吐水装置は、主として、ガイド部材1と、筒体20とリブ部26を備えている。
【0009】
ガイド部材1は、球体部2の内部に貫通孔が形成された構造を有する。球体部2の内部には、球体部2の直径方向に延びる流入室3が形成されている。流入室3の軸方向の一端部には、流入室3の内部及び外部に通じる開口部4が設けられている。開口部4の内径寸法は流入室3の内径寸法より小さく、開口部4はその中心軸を流入室3の中心軸と一致させている。流入室3の軸方向の他端部側の径外方には流入孔5が形成されている。流入孔5は、流入室3の内部及び球体部2の外部に通じている。ガイド部材1の外部から流入孔5に導かれた洗浄水は、流入孔5を介して流入室3に対して接線方向から流入し、流入室3の内部には洗浄水の旋回流が形成される。開口部4はガイド部材1の外部に対して開放され、流入室3の他端側の開口は封止部材6によって閉塞されている。
【0010】
筒体20は、縮径部21と大径部22とを有する概略ボトル形状に形成されており、大径部22の外径寸法は流入室3の内径寸法より小さく、大径部22は流入室3の内部に収容されている。その大径部22に一体に設けられた縮径部21の外径寸法は開口部4の内径寸法より小さく、縮径部21は開口部4を貫通して、その先端が球体部2の外部に突出している。縮径部21には筒体の中心軸C1と非対称な関係で傾斜し連通する吐水口25が、さらに縮径部21の先端には径方向且つ前記開口部側に伸展するリブ部26が設けられている。
【0011】
図1に示すように、筒体20と流入室3とが互いの中心軸を一致させた状態では、縮径部21の外周面と開口部4の内壁面との間に隙間が形成され、さらに大径部22の外周面と流入室3の内壁面との間にも隙間が形成される。筒体20は、ガイド部材1に対して固定されておらず、自由に自転したり揺動を行う首振り公転することが可能となっている。
【0012】
筒体20の軸方向の両端は開口され、大径部22側の開口24から筒体20内部に流入した洗浄水は、筒体20内部を軸方向に流れて、縮径部21に連通する吐水口25から筒体20の外部に流出可能である。また、筒体20の大径部22の周面(側面)には、周方向に等間隔で間欠的に配置された複数の貫通孔23が形成され、流入室3内に流入した洗浄水は、それら貫通孔23を介しても筒体20の内部に導かれて縮径部21に連通する吐水口25から流出可能である。
【0013】
吐水口25は、その軸方向が筒体20の中心軸C1に対して平行ではなく傾いている。したがって、吐水口25は、筒体20の中心軸C1に対して非対称な関係で傾斜している。すなわち、筒体20の中心軸C1を中心にしてその中心軸C1まわりを180度回転させたときと、180度回転させる前とで吐水口25の傾斜方向が一致しない関係となっている。
【0014】
次に、本実施形態に係る吐水装置の動作および吐水流の動き(軌跡)について説明する。
【0015】
図2は、前述した流入室3及びこの内部に収容された筒体20(の大径部22)を平面方向から見た模式図であり、図3におけるAA−AA断面に対応する。
【0016】
図示しない配管等から導かれた洗浄水(湯も含む)は、ガイド部材1に形成された流入孔5を介して、断面形状略円形状の流入室3に対して接線方向からその内部に流入し、これにより、流入室3の中心軸C2のまわりに旋回した洗浄水の流れが流入室3の内部に形成される。
【0017】
流入室3の内部に収容された筒体20(の大径部22)は、上記旋回流の力を受けることで、図3に示すように流入室3の中心軸C2に対して傾きながら、例えば図2において矢印Aで示す方向に流入室3の中心軸C2のまわりに公転する。図3に示すように、筒体20の縮径部21の一部が開口部4に接触し、且つ大径部22の側面(周面)の一部が流入室3のガイド面3aに接触することで、流入室3の中心軸C2に対する筒体20のそれ以上の傾きが規制される。
【0018】
本明細書において、流入室3の中心軸C2に対して筒体20が傾きながら中心軸C2のまわりに公転することを「首振り公転」と称する。すなわち、流入室3の中心軸C2に対して筒体20が傾きながら中心軸C2のまわりに公転すると、筒体20は、縮径部21が開口部4と接触する部分近傍を中心にして縮径部21の先端が首を振っているように揺動する。
【0019】
筒体20が首振り公転しているとき、縮径部21の外周面の一部が開口部4の内壁面に接触し、且つ大径部22の側面(周面)の一部が流入室3のガイド面3aに接触しているため、それら接触部分に生じる動摩擦力が筒体20に作用する。この動摩擦力により、筒体20は開口部4やガイド面3aとの接触部位を変えずにそのまま接触した状態で流入室3内をすべって移動していくのではなく、開口部4の内壁面やガイド面3aを転がりながら首振り公転をする。筒体20が開口部4の内壁面やガイド面3aを転がるということは、筒体20が自身の中心軸C1のまわりに自転するということである。
【0020】
すなわち、筒体20は自身の中心軸C1のまわりに自転しつつ、流入室3の中心軸C2のまわりに首振り公転する。流入室3の中心軸C2のまわりの筒体20の公転方向(図2において矢印A方向)は、流入室3に形成される旋回流の旋回方向と同方向であり、筒体20の自身の中心軸C1のまわりの自転方向(図2において矢印B方向)は公転方向Aとは逆方向である。尚、この自転に関しては、接触面の動摩擦係数や、筒体20の大径部22の材質、形状や、流入孔5からの流入速度や、流入室3と大径部22との隙間、などで自転方向や自転数を制御することができる。
【0021】
流入室3に流入した洗浄水の一部は、筒体20の大径部22側の端部の開口24および側面に形成された貫通孔23から筒体20の内部に流入して、筒体20の軸方向を縮径部21の先端に向かって流れ、外部に吐水される。
【0022】
筒体20は、前述したように首振り公転と自転とを組み合わせた動きをするため、本実施形態に係る吐水装置によって得られる吐水流の吐水軌跡(例えば人体等に対する吐水流の衝突部位の人体表面上における移動軌跡)は、自転に起因する軌跡と、首振り公転に起因する軌跡とを組み合わせたものとなる。
【0023】
その吐水軌跡を図4に模式的に示す。なお、図4において、吐水装置は、可動部分である筒体20のみを示し、流入室3が形成されたガイド部材1は図示を省略している。
【0024】
筒体20及びヘッド40の自らの中心軸C1のまわりの一体となった自転により、その自転方向と同じb方向に、図4において実線で示されるような円状の軌跡を描いて移動する吐水流が形成される。ここで、吐水口25が筒体20の中心軸C1に対して傾いていることから、吐水口25が形成された筒体20の径よりも大きな円を描くように吐水流は移動する。
【0025】
ここで比較例として、吐水口25が筒体20の中心軸C1に対して平行な場合には、その中心軸C1に対して対称的な広がりを有する吐水流が吐水され、筒体20及びヘッド40が中心軸C1のまわりに自転しても、吐水流は人体等における同じ部位に当たり続けたままである。
【0026】
これに対して本実施形態では、複数の吐水口25が中心軸C1に対して非対称な関係で傾斜しているため、中心軸C1に対して非対称的な広がりを有する吐水流が吐水され、筒体20及びヘッド40の中心軸C1のまわりの自転に伴って、吐水流が人体等に対して当たる部位が中心軸C1のまわりを移動し、比較的広範囲にわたってシャワー流を浴びせることができる構造になっている。
【0027】
図6は、本発明の他の実施形態に係る吐水装置の模式断面図である。また、図5は、比較例にかかる吐水装置の模式断面図である。なお、前述した実施形態と同じ構成要素には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0028】
ここで、前述したように、筒体20と流入室3とが互いの中心軸を一致させた状態では、縮径部21の外周面と開口部4の内壁面との間に隙間が形成されている。これにより、筒体20は、ガイド部材1に対して自由に自転したり揺動を行う首振り公転することができる。そのため、流入孔54から流入室3に流入した洗浄水であって、筒体20に流入できなかった洗浄水は、図5に表した矢印Fや矢印Gのように、縮径部21の外周面と開口部4の内壁面との間の隙間から外部へ漏れ出す場合がある。
【0029】
外部へ漏れ出した洗浄水76は、筒体20の首振り公転あるいは自転による遠心力を受けて、図5に表したように、筒体20の円周方向に飛散する場合がある。
このように飛散した洗浄水76は、遠心力を受けて細かい粒となり飛散するため温度低下しやすく、吐水口25から吐水された洗浄水よりも温度が低い。そのため、使用者が、飛散した洗浄水76を浴びると、その洗浄水に対して冷たさを感じるおそれがある。
これに対して、本実施形態にかかる吐水装置では、筒体20は前述したようにリブ部26を有している。そのため、洗浄水が、縮径部21の外周面と開口部4の内壁面との間の隙間を通って、図6に表した矢印Dや矢印Eのように外部に漏れ出したとしても、本実施形態の吐水装置は、遠心力を受けて細かい粒となり飛散する洗浄水の量を抑えることができる。
そのため、使用者が洗浄水に対して冷たさを感じるおそれは少ない。したがって、本実施形態の吐水装置は、使用者に不快感を与えることなく人体等を温めることができる。
【0030】
次に本発明の第2の実施形態について説明する。
図7は、本発明の実施形態に係る吐水装置の模式断面図を示す。
本実施形態に係る吐水装置は、主として、ガイド部材1と、筒体20とリブ部26とヘッドを備えている。
【0031】
筒体20がガイド部材1の内部に収納されており、筒体20の先端に径方向且つガイド部材1の開口部4側に伸展するリブ部26が設けられている構成は、実施例1で前述したとおりである。
【0032】
前述した筒体20の縮頚部21の先端にはヘッド40が形成されている。ヘッド40は筒体20よりも径方向寸法が大きな扁平状に形成され、その径方向の中心を筒体20の中心軸C1に一致させている。ヘッド40は、漏斗状のバッファ部材41と散水板44とを有する。バッファ部材41の細管部42の内部に筒体20の縮径部21の先端が嵌合固定され、これにより、筒体20及びヘッド40は両者一体となって自転したり揺動を行う首振り公転する。
【0033】
バッファ部材41の内部にはバッファ室43が形成され、筒体20の縮径部21の先端の開口はバッファ室43に臨んでいる。バッファ室43の径方向寸法は筒体20の径方向寸法より大きく、バッファ室43には縮径部21の先端から流出した洗浄水が一時的に貯留可能となっている。
【0034】
散水板44は、バッファ室43における細管部42とは反対側の開口を塞ぐ蓋状に設けられている。散水板44は筒体20よりも径方向寸法が大きな円盤状に形成され、散水板44にはその厚さ方向を貫通する複数の吐水孔45が形成されている。吐水孔45の一端はバッファ室43に連通し、他端はヘッド40の外部に臨んでいる。
【0035】
複数の吐水孔45は、散水板44における少なくとも外周側部分に周方向に沿って形成されている。各々の吐水孔45は、その軸方向が筒体20の中心軸C1に対して平行ではなく傾いている。本実施形態では、すべての吐水孔45が同じ方向に傾斜している。したがって、各々の吐水孔45は、筒体20の中心軸C1に対して非対称な関係で傾斜している
【0036】
次に、本実施形態に係る吐水装置の動作および吐水流の動き(軌跡)について説明する。
【0037】
筒体20が吐水流から受ける作用によって自身の中心軸C1のまわりに自転しつつ、流入室3の中心軸C2のまわりに首振り公転する動作は実施例1と同様である。
【0038】
流入室3に流入した洗浄水の一部は、筒体20の大径部22側の端部の開口24および側面に形成された貫通孔23から筒体20の内部に流入して、筒体20の軸方向を縮径部21の先端に向かって流れ、外部に吐水される。そして、縮径部21の先端から流出した洗浄水は、ヘッド40内部のバッファ室43に流入する。流入室3内の洗浄水が筒体20の内部に流入して筒体20の内部を流れるときには、まだ旋回成分を持っている。また、縮径部21という比較的狭い流路を流れる際には流速が速くなる。
【0039】
バッファ室43は、流入室3及び筒体20に比べて径方向寸法が大きな扁平状の空間であるので、縮径部21の先端から流れ込んでくる洗浄水の勢いを減少させることができる。すなわち、特別な機構や部品を追加することなくバッファ室43に洗浄水を一時的に貯留することのみで、洗浄水の流速を大きく落とすことができ、また旋回成分も失わせることができる。このようにしてバッファ室43で洗浄水が整流されるため、バッファ室43に連通する複数の吐水孔45から外部に吐水される際に、ミスト状にならずきれいなシャワー状に吐水される。
【0040】
筒体20及びヘッド40は、前述したように首振り公転と自転とを組み合わせた動きをするため、本実施形態に係る吐水装置によって得られるシャワー状の吐水流の吐水軌跡(例えば人体等に対する吐水流の衝突部位の人体表面上における移動軌跡)は、自転に起因する軌跡と、首振り公転に起因する軌跡とを組み合わせたものとなる。
【0041】
その吐水軌跡を図8に模式的に示す。なお、図8において、吐水装置は、可動部分である筒体20とヘッド40のみを示し、流入室3が形成されたガイド部材1は図示を省略している。
【0042】
筒体20及びヘッド40の自らの中心軸C1のまわりの一体となった自転により、その自転方向と同じb方向に、図7において実線で示されるような円状の軌跡を描いて移動する吐水流が形成される。ここで、吐水孔45が筒体20の中心軸C1に対して傾いていることから、吐水孔45が形成された筒体20の径よりも大きな円を描くように吐水流は移動する。
【0043】
ここで比較例として、吐水孔45が筒体20の中心軸C1に対して平行な場合には、その中心軸C1に対して対称的な広がりを有する吐水流が吐水され、筒体20及びヘッド40が中心軸C1のまわりに自転しても、吐水流は人体等における同じ部位に当たり続けたままである。
【0044】
これに対して本実施形態では、複数の吐水孔45が中心軸C1に対して非対称な関係で傾斜しているため、中心軸C1に対して非対称的な広がりを有する吐水流が吐水され、筒体20及びヘッド40の中心軸C1のまわりの自転に伴って、吐水流が人体等に対して当たる部位が中心軸C1のまわりを移動し、比較的広範囲にわたってシャワー流を浴びせることができる構造になっている。
【0045】
図9は、本発明の他の実施形態に係る吐水装置の模式断面図である。また、図9は、比較例にかかる吐水装置の模式断面図である。なお、前述した実施形態と同じ構成要素には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0046】
本実施形態では、保持部材51、52を介して、例えば浴室やシャワーブースの壁50に対して球体部2が保持されている。球体部2の外周面と保持部材52との間にはシールリング55が介在され、球体部2の外周面と保持部材51との間にはシールリング56が介在され、球体部2は保持部材51、52に対して液密に上下方向や左右方向あるいは斜め方向に回動可能となっている。球体部2が回動することにより、散水板44の表面部が向く方向を変えることができ、その散水板44に形成された吐水孔45から吐水される吐水流の吐水方向の調節が可能となる。
【0047】
図示しない配管等を導かれてきた洗浄水は、保持部材51に形成された流入孔53から保持部材51の内部に流入し、さらに封止部材6に形成された流入孔54に流入する。封止部材6に形成された流入孔54において流入室3に通じる下流側は流入室3の中心軸に対して傾斜しているため、その流入孔54を通過した洗浄水は、流入室3に対して接線方向から流入し流入室3内で旋回流となる。
【0048】
ここで、前述したように、筒体20と流入室3とが互いの中心軸を一致させた状態では、縮径部21の外周面と開口部4の内壁面との間に隙間が形成されている。これにより、筒体20およびヘッド40は、ガイド部材1に対して自由に自転したり揺動を行う首振り公転することができる。そのため、流入孔5から流入室3に流入した洗浄水であって、筒体20に流入できなかった洗浄水は、図8に表した矢印Hや矢印Iのように、縮径部21の外周面と開口部4の内壁面との間の隙間を通ってヘッド40の外周面に伝わっていく場合がある。
【0049】
ヘッド40に伝わった洗浄水76は、ヘッド40の首振り公転あるいは自転による遠心力を受けて、図9に表したように、ヘッド40の円周方向に飛散する場合がある。さらに、洗浄水がヘッド40の円周方向に飛散しない場合であっても、ヘッド40の外周面に溜まった洗浄水78が、図9に表したように、垂れる場合がある。
このように飛散した洗浄水76や垂れた洗浄水78は、バッファ室43に一時的に貯留された洗浄水ではなく、ヘッド40の外周面を伝わった洗浄水であるため、吐水孔45から吐水された洗浄水よりも温度が低い。そのため、使用者が、飛散した洗浄水76や垂れた洗浄水78を浴びると、その洗浄水に対して冷たさを感じるおそれがある。
【0050】
これに対して、本実施形態にかかる吐水装置では、筒体20は前述したようにリブ部26を有している。そのため、洗浄水が、縮径部21の外周面と開口部4の内壁面との間の隙間を通って、図10に表した矢印Aあるいは矢印Bのようにヘッド40の外周面に伝わったとしても、本実施形態の吐水装置は、ヘッド40の円周方向に飛散する洗浄水や垂れる洗浄水の量を抑えることができる。
【0051】
これにより、使用者は、バッファ室43に一時的に貯留され、吐水孔45から吐水された洗浄水を多く浴びることができる。そのため、使用者が洗浄水に対して冷たさを感じるおそれは少ない。したがって、本実施形態の吐水装置は、使用者に不快感を与えることなく人体等の広範囲を効率よく温めることができる。
【0052】
図11は、本発明の第3の実施形態に係る吐水装置の模式断面図を示す。
本実施形態に係る吐水装置は、主として、ガイド部材1と、筒体20とヘッド40とリブ部27を備えている。ガイド部材1の構成は実施例1または実施例2と同様である。
【0053】
筒体20は、縮径部21と大径部22とを有する概略ボトル形状に形成されており、大径部22の外径寸法は流入室3の内径寸法より小さく、大径部22は流入室3の内部に収容されている。その大径部22に一体に設けられた縮径部21の外径寸法は開口部4の内径寸法より小さく、縮径部21は開口部4を貫通して、その先端が球体部2の外部に突出している。
【0054】
筒体20の軸方向の両端は開口され、大径部22側の開口24から筒体20内部に流入した洗浄水は、筒体20内部を軸方向に流れて、縮径部21の先端から筒体20の外部に流出可能である。
【0055】
ヘッド40は筒体20よりも径方向寸法が大きな扁平状に形成され、その径方向の中心を筒体20の中心軸C1に一致させている。ヘッド40は、漏斗状のバッファ部材41と散水板44とで構成され、バッファ部材41の下面には前記ガイド部材1の開口部4方向に延伸するリブ部27を有する。バッファ部材41の細管部42の内部に筒体20の縮径部21の先端が嵌合固定され、これにより、筒体20及びヘッド40は両者一体となって自転したり揺動を行う首振り公転する。
【0056】
バッファ部材41の内部にはバッファ室43が形成され、筒体20の縮径部21の先端の開口はバッファ室43に臨んでいる。バッファ室43の径方向寸法は筒体20の径方向寸法より大きく、バッファ室43には縮径部21の先端から流出した洗浄水が一時的に貯留可能となっている。
【0057】
散水板44は、バッファ室43における細管部42とは反対側の開口を塞ぐ蓋状に設けられている。散水板44は筒体20よりも径方向寸法が大きな円盤状に形成され、散水板44にはその厚さ方向を貫通する複数の吐水孔45が形成されている。吐水孔45の一端はバッファ室43に連通し、他端はヘッド40の外部に臨んでいる。
【0058】
複数の吐水孔45は、散水板44における少なくとも外周側部分に周方向に沿って形成されている。各々の吐水孔45は、その軸方向が筒体20の中心軸C1に対して平行ではなく傾いている。本実施形態では、すべての吐水孔45が同じ方向に傾斜している。したがって、各々の吐水孔45は、筒体20の中心軸C1に対して非対称な関係で傾斜している
【0059】
次に、本実施形態に係る吐水装置の動作および吐水流の動き(軌跡)について説明する。
筒体20及びヘッド40が吐水流から受ける作用によって自身の中心軸C1のまわりに自転しつつ、流入室3の中心軸C2のまわりに首振り公転する動作は実施例2で前述したとおりであるのでその詳細な説明は省略する。
【0060】
ここで、前述したように、筒体20と流入室3とが互いの中心軸を一致させた状態では、縮径部21の外周面と開口部4の内壁面との間に隙間が形成されている。これにより、筒体20およびヘッド40は、ガイド部材1に対して自由に自転したり揺動を行う首振り公転することができる。そのため、流入孔5から流入室3に流入した洗浄水であって、筒体20に流入できなかった洗浄水は、図7に表した矢印Hや矢印Iのように、縮径部21の外周面と開口部4の内壁面との間の隙間を通ってヘッド40の外周面に伝わっていく場合がある。
【0061】
ヘッド40に伝わった洗浄水76は、ヘッド40の首振り公転あるいは自転による遠心力を受けて、図8に表したように、ヘッド40の円周方向に飛散する場合がある。さらに、洗浄水がヘッド40の円周方向に飛散しない場合であっても、ヘッド40の外周面に溜まった洗浄水78が、図9に表したように、垂れる場合がある。
このように飛散した洗浄水76や垂れた洗浄水78は、バッファ室43に一時的に貯留された洗浄水ではなく、ヘッド40の外周面を伝わった洗浄水であるため、吐水孔45から吐水された洗浄水よりも温度が低い。そのため、使用者が、飛散した洗浄水76や垂れた洗浄水78を浴びると、その洗浄水に対して冷たさを感じるおそれがある。
【0062】
これに対して、本実施形態にかかる吐水装置では、バッファ室43の下面にリブ部27を有している。そのため、洗浄水が、縮径部21の外周面と開口部4の内壁面との間の隙間を通って、図12に表した矢印Jあるいは矢印Kようにヘッド40の外周面に伝わったとしても、本実施形態の吐水装置は、ヘッド40の円周方向に飛散する洗浄水や垂れる洗浄水の量を抑えることができる。また、実施例1または実施例2のようにリブ部を筒体20の先端に設けた場合よりも、飛散する洗浄水を広範囲に防ぐことができる。
【0063】
洗浄水が垂れた場合であっても、その洗浄水74は、図12に表したように、例えば壁50に略沿うように垂れるため、垂れた洗浄水74を使用者が浴びるおそれは少ない。
これにより、使用者は、バッファ室43に一時的に貯留され、吐水孔45から吐水された洗浄水を多く浴びることができる。そのため、使用者が洗浄水に対して冷たさを感じるおそれは少ない。したがって、本実施形態の吐水装置は、使用者に不快感を与えることなく人体等を温めることができる。
【0064】
なお、本発明の吐水装置は、例えば、浴室やシャワーブースにおけるシャワー装置、洗浄機能付き便器などに用いることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の実施形態に係る吐水装置の模式断面図。
【図2】同実施形態に係る吐水装置における流入室及びこの内部に収容された筒体(の大径部)を平面方向から見た模式図。
【図3】本発明の実施形態に関わる吐水装置の模式断面図。
【図4】同実施形態に係る吐水装置から吐水される吐水流の挙動を説明するた めの模式図。
【図5】比較例に関わる吐水装置から漏れ出す水の挙動を説明するための模式図。
【図6】同実施形態に係る吐水装置から漏れ出す水の挙動を説明するための模式図。
【図7】本発明の他の実施形態に係る吐水装置の模式断面図。
【図8】同実施形態に係る吐水装置から吐水される吐水流の挙動を説明するための模式図。
【図9】比較例に関わる吐水装置から漏れ出す水の挙動を説明するための模式 図。
【図10】同実施形態に係る吐水装置から漏れ出す水の挙動を説明するための模式図
【図11】本発明のさらに他の実施形態に係る吐水装置の模式断面図。
【図12】同実施形態に係る吐水装置から漏れ出す水の挙動を説明するための模式図
【符号の説明】
【0066】
1…ガイド部材、3…流入室、4…開口部、5…洗浄水の流入孔、20…筒体、21…縮径部、26…リブ部、72、74、76、78…洗浄水
【技術分野】
【0001】
本発明は、ノズルを首振り公転させたり自転させながら吐水を行わせる際、ノズルの回転による細かい水滴の飛散を防ぐことができる吐水装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ノズルが収容された流入室内に形成される旋回流によってノズルを首振り公転させたり自転させながら吐水を行わせる吐水装置が知られている(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特許第3518542号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1に開示された吐水装置は、ノズルを首振り公転させたり自転させながら吐水することで少ない水量で広範囲に吐水させることが可能である。
しかし、ノズルを首振り公転させたり自転させるために、流入室とノズルに隙間が必要であり、その隙間からのわずかながら漏れ水が発生し、細かい水滴が周囲へ飛散し、水垢等の汚れが出る。また、ノズルの先にヘッドがついている場合は漏れ水がノズルを伝い、ヘッドの傾斜に沿って円周上に細かい水滴が飛散する。細かい水滴のため、放熱し易く、人体に着水した際には、冷たい吐水となり、不快感を与える。
【0004】
本発明は上述の問題に鑑みてなされ、ノズルの回転による細かい水滴の飛散を防ぐことができる吐水装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、洗浄水が流入する流入室と、前記流入室の内部と外部とを連通する開口部と、を有するガイド部材と、前記開口部より小径な縮径部を有し、前記縮径部の先端を前記開口部から前記ガイド部材の外部に突出させた状態で前記流入室の内部に設けられ、前記流入室に流入した洗浄水を前記縮径部の先端から流出可能な吐水口を有する筒体と、を備え、前記筒体は少なくとも前記縮径部の一部を前記開口部に接触させた状態で前記流入室の中心軸に対して傾きながら前記流入室の中心軸のまわりに首振り公転し、且つ前記筒体は自身の中心軸のまわりに自転し、前記縮径部の先端に径方向且つ前記開口部側に伸展するリブ部を有することを特徴とする吐水装置が提供される。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、ノズルを首振り公転させたり自転させながら吐水を行わせる際、ノズルの回転による細かい水滴の飛散を防ぐことができる吐水装置が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
【0008】
図1は、本発明の実施形態に係る吐水装置の模式断面図を示す。
本実施形態に係る吐水装置は、主として、ガイド部材1と、筒体20とリブ部26を備えている。
【0009】
ガイド部材1は、球体部2の内部に貫通孔が形成された構造を有する。球体部2の内部には、球体部2の直径方向に延びる流入室3が形成されている。流入室3の軸方向の一端部には、流入室3の内部及び外部に通じる開口部4が設けられている。開口部4の内径寸法は流入室3の内径寸法より小さく、開口部4はその中心軸を流入室3の中心軸と一致させている。流入室3の軸方向の他端部側の径外方には流入孔5が形成されている。流入孔5は、流入室3の内部及び球体部2の外部に通じている。ガイド部材1の外部から流入孔5に導かれた洗浄水は、流入孔5を介して流入室3に対して接線方向から流入し、流入室3の内部には洗浄水の旋回流が形成される。開口部4はガイド部材1の外部に対して開放され、流入室3の他端側の開口は封止部材6によって閉塞されている。
【0010】
筒体20は、縮径部21と大径部22とを有する概略ボトル形状に形成されており、大径部22の外径寸法は流入室3の内径寸法より小さく、大径部22は流入室3の内部に収容されている。その大径部22に一体に設けられた縮径部21の外径寸法は開口部4の内径寸法より小さく、縮径部21は開口部4を貫通して、その先端が球体部2の外部に突出している。縮径部21には筒体の中心軸C1と非対称な関係で傾斜し連通する吐水口25が、さらに縮径部21の先端には径方向且つ前記開口部側に伸展するリブ部26が設けられている。
【0011】
図1に示すように、筒体20と流入室3とが互いの中心軸を一致させた状態では、縮径部21の外周面と開口部4の内壁面との間に隙間が形成され、さらに大径部22の外周面と流入室3の内壁面との間にも隙間が形成される。筒体20は、ガイド部材1に対して固定されておらず、自由に自転したり揺動を行う首振り公転することが可能となっている。
【0012】
筒体20の軸方向の両端は開口され、大径部22側の開口24から筒体20内部に流入した洗浄水は、筒体20内部を軸方向に流れて、縮径部21に連通する吐水口25から筒体20の外部に流出可能である。また、筒体20の大径部22の周面(側面)には、周方向に等間隔で間欠的に配置された複数の貫通孔23が形成され、流入室3内に流入した洗浄水は、それら貫通孔23を介しても筒体20の内部に導かれて縮径部21に連通する吐水口25から流出可能である。
【0013】
吐水口25は、その軸方向が筒体20の中心軸C1に対して平行ではなく傾いている。したがって、吐水口25は、筒体20の中心軸C1に対して非対称な関係で傾斜している。すなわち、筒体20の中心軸C1を中心にしてその中心軸C1まわりを180度回転させたときと、180度回転させる前とで吐水口25の傾斜方向が一致しない関係となっている。
【0014】
次に、本実施形態に係る吐水装置の動作および吐水流の動き(軌跡)について説明する。
【0015】
図2は、前述した流入室3及びこの内部に収容された筒体20(の大径部22)を平面方向から見た模式図であり、図3におけるAA−AA断面に対応する。
【0016】
図示しない配管等から導かれた洗浄水(湯も含む)は、ガイド部材1に形成された流入孔5を介して、断面形状略円形状の流入室3に対して接線方向からその内部に流入し、これにより、流入室3の中心軸C2のまわりに旋回した洗浄水の流れが流入室3の内部に形成される。
【0017】
流入室3の内部に収容された筒体20(の大径部22)は、上記旋回流の力を受けることで、図3に示すように流入室3の中心軸C2に対して傾きながら、例えば図2において矢印Aで示す方向に流入室3の中心軸C2のまわりに公転する。図3に示すように、筒体20の縮径部21の一部が開口部4に接触し、且つ大径部22の側面(周面)の一部が流入室3のガイド面3aに接触することで、流入室3の中心軸C2に対する筒体20のそれ以上の傾きが規制される。
【0018】
本明細書において、流入室3の中心軸C2に対して筒体20が傾きながら中心軸C2のまわりに公転することを「首振り公転」と称する。すなわち、流入室3の中心軸C2に対して筒体20が傾きながら中心軸C2のまわりに公転すると、筒体20は、縮径部21が開口部4と接触する部分近傍を中心にして縮径部21の先端が首を振っているように揺動する。
【0019】
筒体20が首振り公転しているとき、縮径部21の外周面の一部が開口部4の内壁面に接触し、且つ大径部22の側面(周面)の一部が流入室3のガイド面3aに接触しているため、それら接触部分に生じる動摩擦力が筒体20に作用する。この動摩擦力により、筒体20は開口部4やガイド面3aとの接触部位を変えずにそのまま接触した状態で流入室3内をすべって移動していくのではなく、開口部4の内壁面やガイド面3aを転がりながら首振り公転をする。筒体20が開口部4の内壁面やガイド面3aを転がるということは、筒体20が自身の中心軸C1のまわりに自転するということである。
【0020】
すなわち、筒体20は自身の中心軸C1のまわりに自転しつつ、流入室3の中心軸C2のまわりに首振り公転する。流入室3の中心軸C2のまわりの筒体20の公転方向(図2において矢印A方向)は、流入室3に形成される旋回流の旋回方向と同方向であり、筒体20の自身の中心軸C1のまわりの自転方向(図2において矢印B方向)は公転方向Aとは逆方向である。尚、この自転に関しては、接触面の動摩擦係数や、筒体20の大径部22の材質、形状や、流入孔5からの流入速度や、流入室3と大径部22との隙間、などで自転方向や自転数を制御することができる。
【0021】
流入室3に流入した洗浄水の一部は、筒体20の大径部22側の端部の開口24および側面に形成された貫通孔23から筒体20の内部に流入して、筒体20の軸方向を縮径部21の先端に向かって流れ、外部に吐水される。
【0022】
筒体20は、前述したように首振り公転と自転とを組み合わせた動きをするため、本実施形態に係る吐水装置によって得られる吐水流の吐水軌跡(例えば人体等に対する吐水流の衝突部位の人体表面上における移動軌跡)は、自転に起因する軌跡と、首振り公転に起因する軌跡とを組み合わせたものとなる。
【0023】
その吐水軌跡を図4に模式的に示す。なお、図4において、吐水装置は、可動部分である筒体20のみを示し、流入室3が形成されたガイド部材1は図示を省略している。
【0024】
筒体20及びヘッド40の自らの中心軸C1のまわりの一体となった自転により、その自転方向と同じb方向に、図4において実線で示されるような円状の軌跡を描いて移動する吐水流が形成される。ここで、吐水口25が筒体20の中心軸C1に対して傾いていることから、吐水口25が形成された筒体20の径よりも大きな円を描くように吐水流は移動する。
【0025】
ここで比較例として、吐水口25が筒体20の中心軸C1に対して平行な場合には、その中心軸C1に対して対称的な広がりを有する吐水流が吐水され、筒体20及びヘッド40が中心軸C1のまわりに自転しても、吐水流は人体等における同じ部位に当たり続けたままである。
【0026】
これに対して本実施形態では、複数の吐水口25が中心軸C1に対して非対称な関係で傾斜しているため、中心軸C1に対して非対称的な広がりを有する吐水流が吐水され、筒体20及びヘッド40の中心軸C1のまわりの自転に伴って、吐水流が人体等に対して当たる部位が中心軸C1のまわりを移動し、比較的広範囲にわたってシャワー流を浴びせることができる構造になっている。
【0027】
図6は、本発明の他の実施形態に係る吐水装置の模式断面図である。また、図5は、比較例にかかる吐水装置の模式断面図である。なお、前述した実施形態と同じ構成要素には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0028】
ここで、前述したように、筒体20と流入室3とが互いの中心軸を一致させた状態では、縮径部21の外周面と開口部4の内壁面との間に隙間が形成されている。これにより、筒体20は、ガイド部材1に対して自由に自転したり揺動を行う首振り公転することができる。そのため、流入孔54から流入室3に流入した洗浄水であって、筒体20に流入できなかった洗浄水は、図5に表した矢印Fや矢印Gのように、縮径部21の外周面と開口部4の内壁面との間の隙間から外部へ漏れ出す場合がある。
【0029】
外部へ漏れ出した洗浄水76は、筒体20の首振り公転あるいは自転による遠心力を受けて、図5に表したように、筒体20の円周方向に飛散する場合がある。
このように飛散した洗浄水76は、遠心力を受けて細かい粒となり飛散するため温度低下しやすく、吐水口25から吐水された洗浄水よりも温度が低い。そのため、使用者が、飛散した洗浄水76を浴びると、その洗浄水に対して冷たさを感じるおそれがある。
これに対して、本実施形態にかかる吐水装置では、筒体20は前述したようにリブ部26を有している。そのため、洗浄水が、縮径部21の外周面と開口部4の内壁面との間の隙間を通って、図6に表した矢印Dや矢印Eのように外部に漏れ出したとしても、本実施形態の吐水装置は、遠心力を受けて細かい粒となり飛散する洗浄水の量を抑えることができる。
そのため、使用者が洗浄水に対して冷たさを感じるおそれは少ない。したがって、本実施形態の吐水装置は、使用者に不快感を与えることなく人体等を温めることができる。
【0030】
次に本発明の第2の実施形態について説明する。
図7は、本発明の実施形態に係る吐水装置の模式断面図を示す。
本実施形態に係る吐水装置は、主として、ガイド部材1と、筒体20とリブ部26とヘッドを備えている。
【0031】
筒体20がガイド部材1の内部に収納されており、筒体20の先端に径方向且つガイド部材1の開口部4側に伸展するリブ部26が設けられている構成は、実施例1で前述したとおりである。
【0032】
前述した筒体20の縮頚部21の先端にはヘッド40が形成されている。ヘッド40は筒体20よりも径方向寸法が大きな扁平状に形成され、その径方向の中心を筒体20の中心軸C1に一致させている。ヘッド40は、漏斗状のバッファ部材41と散水板44とを有する。バッファ部材41の細管部42の内部に筒体20の縮径部21の先端が嵌合固定され、これにより、筒体20及びヘッド40は両者一体となって自転したり揺動を行う首振り公転する。
【0033】
バッファ部材41の内部にはバッファ室43が形成され、筒体20の縮径部21の先端の開口はバッファ室43に臨んでいる。バッファ室43の径方向寸法は筒体20の径方向寸法より大きく、バッファ室43には縮径部21の先端から流出した洗浄水が一時的に貯留可能となっている。
【0034】
散水板44は、バッファ室43における細管部42とは反対側の開口を塞ぐ蓋状に設けられている。散水板44は筒体20よりも径方向寸法が大きな円盤状に形成され、散水板44にはその厚さ方向を貫通する複数の吐水孔45が形成されている。吐水孔45の一端はバッファ室43に連通し、他端はヘッド40の外部に臨んでいる。
【0035】
複数の吐水孔45は、散水板44における少なくとも外周側部分に周方向に沿って形成されている。各々の吐水孔45は、その軸方向が筒体20の中心軸C1に対して平行ではなく傾いている。本実施形態では、すべての吐水孔45が同じ方向に傾斜している。したがって、各々の吐水孔45は、筒体20の中心軸C1に対して非対称な関係で傾斜している
【0036】
次に、本実施形態に係る吐水装置の動作および吐水流の動き(軌跡)について説明する。
【0037】
筒体20が吐水流から受ける作用によって自身の中心軸C1のまわりに自転しつつ、流入室3の中心軸C2のまわりに首振り公転する動作は実施例1と同様である。
【0038】
流入室3に流入した洗浄水の一部は、筒体20の大径部22側の端部の開口24および側面に形成された貫通孔23から筒体20の内部に流入して、筒体20の軸方向を縮径部21の先端に向かって流れ、外部に吐水される。そして、縮径部21の先端から流出した洗浄水は、ヘッド40内部のバッファ室43に流入する。流入室3内の洗浄水が筒体20の内部に流入して筒体20の内部を流れるときには、まだ旋回成分を持っている。また、縮径部21という比較的狭い流路を流れる際には流速が速くなる。
【0039】
バッファ室43は、流入室3及び筒体20に比べて径方向寸法が大きな扁平状の空間であるので、縮径部21の先端から流れ込んでくる洗浄水の勢いを減少させることができる。すなわち、特別な機構や部品を追加することなくバッファ室43に洗浄水を一時的に貯留することのみで、洗浄水の流速を大きく落とすことができ、また旋回成分も失わせることができる。このようにしてバッファ室43で洗浄水が整流されるため、バッファ室43に連通する複数の吐水孔45から外部に吐水される際に、ミスト状にならずきれいなシャワー状に吐水される。
【0040】
筒体20及びヘッド40は、前述したように首振り公転と自転とを組み合わせた動きをするため、本実施形態に係る吐水装置によって得られるシャワー状の吐水流の吐水軌跡(例えば人体等に対する吐水流の衝突部位の人体表面上における移動軌跡)は、自転に起因する軌跡と、首振り公転に起因する軌跡とを組み合わせたものとなる。
【0041】
その吐水軌跡を図8に模式的に示す。なお、図8において、吐水装置は、可動部分である筒体20とヘッド40のみを示し、流入室3が形成されたガイド部材1は図示を省略している。
【0042】
筒体20及びヘッド40の自らの中心軸C1のまわりの一体となった自転により、その自転方向と同じb方向に、図7において実線で示されるような円状の軌跡を描いて移動する吐水流が形成される。ここで、吐水孔45が筒体20の中心軸C1に対して傾いていることから、吐水孔45が形成された筒体20の径よりも大きな円を描くように吐水流は移動する。
【0043】
ここで比較例として、吐水孔45が筒体20の中心軸C1に対して平行な場合には、その中心軸C1に対して対称的な広がりを有する吐水流が吐水され、筒体20及びヘッド40が中心軸C1のまわりに自転しても、吐水流は人体等における同じ部位に当たり続けたままである。
【0044】
これに対して本実施形態では、複数の吐水孔45が中心軸C1に対して非対称な関係で傾斜しているため、中心軸C1に対して非対称的な広がりを有する吐水流が吐水され、筒体20及びヘッド40の中心軸C1のまわりの自転に伴って、吐水流が人体等に対して当たる部位が中心軸C1のまわりを移動し、比較的広範囲にわたってシャワー流を浴びせることができる構造になっている。
【0045】
図9は、本発明の他の実施形態に係る吐水装置の模式断面図である。また、図9は、比較例にかかる吐水装置の模式断面図である。なお、前述した実施形態と同じ構成要素には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0046】
本実施形態では、保持部材51、52を介して、例えば浴室やシャワーブースの壁50に対して球体部2が保持されている。球体部2の外周面と保持部材52との間にはシールリング55が介在され、球体部2の外周面と保持部材51との間にはシールリング56が介在され、球体部2は保持部材51、52に対して液密に上下方向や左右方向あるいは斜め方向に回動可能となっている。球体部2が回動することにより、散水板44の表面部が向く方向を変えることができ、その散水板44に形成された吐水孔45から吐水される吐水流の吐水方向の調節が可能となる。
【0047】
図示しない配管等を導かれてきた洗浄水は、保持部材51に形成された流入孔53から保持部材51の内部に流入し、さらに封止部材6に形成された流入孔54に流入する。封止部材6に形成された流入孔54において流入室3に通じる下流側は流入室3の中心軸に対して傾斜しているため、その流入孔54を通過した洗浄水は、流入室3に対して接線方向から流入し流入室3内で旋回流となる。
【0048】
ここで、前述したように、筒体20と流入室3とが互いの中心軸を一致させた状態では、縮径部21の外周面と開口部4の内壁面との間に隙間が形成されている。これにより、筒体20およびヘッド40は、ガイド部材1に対して自由に自転したり揺動を行う首振り公転することができる。そのため、流入孔5から流入室3に流入した洗浄水であって、筒体20に流入できなかった洗浄水は、図8に表した矢印Hや矢印Iのように、縮径部21の外周面と開口部4の内壁面との間の隙間を通ってヘッド40の外周面に伝わっていく場合がある。
【0049】
ヘッド40に伝わった洗浄水76は、ヘッド40の首振り公転あるいは自転による遠心力を受けて、図9に表したように、ヘッド40の円周方向に飛散する場合がある。さらに、洗浄水がヘッド40の円周方向に飛散しない場合であっても、ヘッド40の外周面に溜まった洗浄水78が、図9に表したように、垂れる場合がある。
このように飛散した洗浄水76や垂れた洗浄水78は、バッファ室43に一時的に貯留された洗浄水ではなく、ヘッド40の外周面を伝わった洗浄水であるため、吐水孔45から吐水された洗浄水よりも温度が低い。そのため、使用者が、飛散した洗浄水76や垂れた洗浄水78を浴びると、その洗浄水に対して冷たさを感じるおそれがある。
【0050】
これに対して、本実施形態にかかる吐水装置では、筒体20は前述したようにリブ部26を有している。そのため、洗浄水が、縮径部21の外周面と開口部4の内壁面との間の隙間を通って、図10に表した矢印Aあるいは矢印Bのようにヘッド40の外周面に伝わったとしても、本実施形態の吐水装置は、ヘッド40の円周方向に飛散する洗浄水や垂れる洗浄水の量を抑えることができる。
【0051】
これにより、使用者は、バッファ室43に一時的に貯留され、吐水孔45から吐水された洗浄水を多く浴びることができる。そのため、使用者が洗浄水に対して冷たさを感じるおそれは少ない。したがって、本実施形態の吐水装置は、使用者に不快感を与えることなく人体等の広範囲を効率よく温めることができる。
【0052】
図11は、本発明の第3の実施形態に係る吐水装置の模式断面図を示す。
本実施形態に係る吐水装置は、主として、ガイド部材1と、筒体20とヘッド40とリブ部27を備えている。ガイド部材1の構成は実施例1または実施例2と同様である。
【0053】
筒体20は、縮径部21と大径部22とを有する概略ボトル形状に形成されており、大径部22の外径寸法は流入室3の内径寸法より小さく、大径部22は流入室3の内部に収容されている。その大径部22に一体に設けられた縮径部21の外径寸法は開口部4の内径寸法より小さく、縮径部21は開口部4を貫通して、その先端が球体部2の外部に突出している。
【0054】
筒体20の軸方向の両端は開口され、大径部22側の開口24から筒体20内部に流入した洗浄水は、筒体20内部を軸方向に流れて、縮径部21の先端から筒体20の外部に流出可能である。
【0055】
ヘッド40は筒体20よりも径方向寸法が大きな扁平状に形成され、その径方向の中心を筒体20の中心軸C1に一致させている。ヘッド40は、漏斗状のバッファ部材41と散水板44とで構成され、バッファ部材41の下面には前記ガイド部材1の開口部4方向に延伸するリブ部27を有する。バッファ部材41の細管部42の内部に筒体20の縮径部21の先端が嵌合固定され、これにより、筒体20及びヘッド40は両者一体となって自転したり揺動を行う首振り公転する。
【0056】
バッファ部材41の内部にはバッファ室43が形成され、筒体20の縮径部21の先端の開口はバッファ室43に臨んでいる。バッファ室43の径方向寸法は筒体20の径方向寸法より大きく、バッファ室43には縮径部21の先端から流出した洗浄水が一時的に貯留可能となっている。
【0057】
散水板44は、バッファ室43における細管部42とは反対側の開口を塞ぐ蓋状に設けられている。散水板44は筒体20よりも径方向寸法が大きな円盤状に形成され、散水板44にはその厚さ方向を貫通する複数の吐水孔45が形成されている。吐水孔45の一端はバッファ室43に連通し、他端はヘッド40の外部に臨んでいる。
【0058】
複数の吐水孔45は、散水板44における少なくとも外周側部分に周方向に沿って形成されている。各々の吐水孔45は、その軸方向が筒体20の中心軸C1に対して平行ではなく傾いている。本実施形態では、すべての吐水孔45が同じ方向に傾斜している。したがって、各々の吐水孔45は、筒体20の中心軸C1に対して非対称な関係で傾斜している
【0059】
次に、本実施形態に係る吐水装置の動作および吐水流の動き(軌跡)について説明する。
筒体20及びヘッド40が吐水流から受ける作用によって自身の中心軸C1のまわりに自転しつつ、流入室3の中心軸C2のまわりに首振り公転する動作は実施例2で前述したとおりであるのでその詳細な説明は省略する。
【0060】
ここで、前述したように、筒体20と流入室3とが互いの中心軸を一致させた状態では、縮径部21の外周面と開口部4の内壁面との間に隙間が形成されている。これにより、筒体20およびヘッド40は、ガイド部材1に対して自由に自転したり揺動を行う首振り公転することができる。そのため、流入孔5から流入室3に流入した洗浄水であって、筒体20に流入できなかった洗浄水は、図7に表した矢印Hや矢印Iのように、縮径部21の外周面と開口部4の内壁面との間の隙間を通ってヘッド40の外周面に伝わっていく場合がある。
【0061】
ヘッド40に伝わった洗浄水76は、ヘッド40の首振り公転あるいは自転による遠心力を受けて、図8に表したように、ヘッド40の円周方向に飛散する場合がある。さらに、洗浄水がヘッド40の円周方向に飛散しない場合であっても、ヘッド40の外周面に溜まった洗浄水78が、図9に表したように、垂れる場合がある。
このように飛散した洗浄水76や垂れた洗浄水78は、バッファ室43に一時的に貯留された洗浄水ではなく、ヘッド40の外周面を伝わった洗浄水であるため、吐水孔45から吐水された洗浄水よりも温度が低い。そのため、使用者が、飛散した洗浄水76や垂れた洗浄水78を浴びると、その洗浄水に対して冷たさを感じるおそれがある。
【0062】
これに対して、本実施形態にかかる吐水装置では、バッファ室43の下面にリブ部27を有している。そのため、洗浄水が、縮径部21の外周面と開口部4の内壁面との間の隙間を通って、図12に表した矢印Jあるいは矢印Kようにヘッド40の外周面に伝わったとしても、本実施形態の吐水装置は、ヘッド40の円周方向に飛散する洗浄水や垂れる洗浄水の量を抑えることができる。また、実施例1または実施例2のようにリブ部を筒体20の先端に設けた場合よりも、飛散する洗浄水を広範囲に防ぐことができる。
【0063】
洗浄水が垂れた場合であっても、その洗浄水74は、図12に表したように、例えば壁50に略沿うように垂れるため、垂れた洗浄水74を使用者が浴びるおそれは少ない。
これにより、使用者は、バッファ室43に一時的に貯留され、吐水孔45から吐水された洗浄水を多く浴びることができる。そのため、使用者が洗浄水に対して冷たさを感じるおそれは少ない。したがって、本実施形態の吐水装置は、使用者に不快感を与えることなく人体等を温めることができる。
【0064】
なお、本発明の吐水装置は、例えば、浴室やシャワーブースにおけるシャワー装置、洗浄機能付き便器などに用いることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の実施形態に係る吐水装置の模式断面図。
【図2】同実施形態に係る吐水装置における流入室及びこの内部に収容された筒体(の大径部)を平面方向から見た模式図。
【図3】本発明の実施形態に関わる吐水装置の模式断面図。
【図4】同実施形態に係る吐水装置から吐水される吐水流の挙動を説明するた めの模式図。
【図5】比較例に関わる吐水装置から漏れ出す水の挙動を説明するための模式図。
【図6】同実施形態に係る吐水装置から漏れ出す水の挙動を説明するための模式図。
【図7】本発明の他の実施形態に係る吐水装置の模式断面図。
【図8】同実施形態に係る吐水装置から吐水される吐水流の挙動を説明するための模式図。
【図9】比較例に関わる吐水装置から漏れ出す水の挙動を説明するための模式 図。
【図10】同実施形態に係る吐水装置から漏れ出す水の挙動を説明するための模式図
【図11】本発明のさらに他の実施形態に係る吐水装置の模式断面図。
【図12】同実施形態に係る吐水装置から漏れ出す水の挙動を説明するための模式図
【符号の説明】
【0066】
1…ガイド部材、3…流入室、4…開口部、5…洗浄水の流入孔、20…筒体、21…縮径部、26…リブ部、72、74、76、78…洗浄水
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄水が流入する流入室と、前記流入室の内部と外部とを連通する開口部と、を有するガイド部材と、
前記開口部より小径な縮径部を有し、前記縮径部の先端を前記開口部から前記ガイド部材の外部に突出させた状態で前記流入室の内部に設けられ、前記流入室に流入した洗浄水を前記縮径部の先端から流出可能な吐水口を有する筒体と、
を備え、
前記筒体は少なくとも前記縮径部の一部を前記開口部に接触させた状態で前記流入室の中心軸に対して傾きながら前記流入室の中心軸のまわりに首振り公転し、且つ前記筒体は自身の中心軸のまわりに自転し、
前記縮径部の先端に径方向且つ前記開口部側に伸展するリブ部を有することを特徴とする吐水装置。
【請求項2】
前記吐水口は、前記縮径部の先端に前記筒体の中心軸に対して非対称な関係で傾斜していることを特徴とする請求項1に記載の吐水装置。
【請求項3】
洗浄水が流入する流入室と、前記流入室の内部及び外部に通じて設けられた開口部とを有するガイド部材と、
前記開口部より小径な縮径部を有し、前記縮径部の先端を前記開口部から前記ガイド部材の外部に突出させた状態で前記流入室の内部に設けられ、前記流入室に流入した洗浄水を前記縮径部の前記先端から流出可能な吐水口を有する筒体と、
前記筒体に連結され、前記縮径部の前記先端から流出した洗浄水を一時的に貯留するバッファ室と、前記バッファ室に連通した複数の吐水孔が形成され、前記縮径部より径方向に大きな散水板とを有する、ヘッドと、
を備え、
前記筒体は少なくとも前記縮径部の一部を前記開口部に接触させた状態で前記流入室の中心軸に対して傾きながら前記流入室の中心軸のまわりに前記ヘッドと一体に首振り公転し、且つ前記筒体は自身の中心軸のまわりに前記ヘッドと一体に自転し、
前記筒体と前記ヘッドとの境界部に、径方向且つ開口部方向に延伸したリブ部を有することを特徴とする吐水装置。
【請求項4】
洗浄水が流入する流入室と、前記流入室の内部及び外部に通じて設けられた開口部とを有するガイド部材と、
前記開口部より小径な縮径部を有し、前記縮径部の先端を前記開口部から前記ガイド部材の外部に突出させた状態で前記流入室の内部に設けられ、前記流入室に流入した洗浄水を前記縮径部の前記先端から流出可能な吐水口を有する筒体と、
前記筒体に連結され、前記縮径部の前記先端から流出した洗浄水を一時的に貯留するバッファ室と、前記バッファ室に連通した複数の吐水孔が形成され、前記縮径部より径方向に大きな散水板とを有する、ヘッドと、
を備え、
前記筒体は少なくとも前記縮径部の一部を前記開口部に接触させた状態で前記流入室の中心軸に対して傾きながら前記流入室の中心軸のまわりに前記ヘッドと一体に首振り公転し、且つ前記筒体は自身の中心軸のまわりに前記ヘッドと一体に自転し、
前記ヘッドはその下面に、前記開口部方向に延伸するリブ部を有することを特徴とする吐水装置。
【請求項5】
前記複数の吐水孔は前記筒体の中心軸に対して非対称な関係で各々が傾斜していることを特徴とする請求項3または4に記載の吐水装置。
【請求項1】
洗浄水が流入する流入室と、前記流入室の内部と外部とを連通する開口部と、を有するガイド部材と、
前記開口部より小径な縮径部を有し、前記縮径部の先端を前記開口部から前記ガイド部材の外部に突出させた状態で前記流入室の内部に設けられ、前記流入室に流入した洗浄水を前記縮径部の先端から流出可能な吐水口を有する筒体と、
を備え、
前記筒体は少なくとも前記縮径部の一部を前記開口部に接触させた状態で前記流入室の中心軸に対して傾きながら前記流入室の中心軸のまわりに首振り公転し、且つ前記筒体は自身の中心軸のまわりに自転し、
前記縮径部の先端に径方向且つ前記開口部側に伸展するリブ部を有することを特徴とする吐水装置。
【請求項2】
前記吐水口は、前記縮径部の先端に前記筒体の中心軸に対して非対称な関係で傾斜していることを特徴とする請求項1に記載の吐水装置。
【請求項3】
洗浄水が流入する流入室と、前記流入室の内部及び外部に通じて設けられた開口部とを有するガイド部材と、
前記開口部より小径な縮径部を有し、前記縮径部の先端を前記開口部から前記ガイド部材の外部に突出させた状態で前記流入室の内部に設けられ、前記流入室に流入した洗浄水を前記縮径部の前記先端から流出可能な吐水口を有する筒体と、
前記筒体に連結され、前記縮径部の前記先端から流出した洗浄水を一時的に貯留するバッファ室と、前記バッファ室に連通した複数の吐水孔が形成され、前記縮径部より径方向に大きな散水板とを有する、ヘッドと、
を備え、
前記筒体は少なくとも前記縮径部の一部を前記開口部に接触させた状態で前記流入室の中心軸に対して傾きながら前記流入室の中心軸のまわりに前記ヘッドと一体に首振り公転し、且つ前記筒体は自身の中心軸のまわりに前記ヘッドと一体に自転し、
前記筒体と前記ヘッドとの境界部に、径方向且つ開口部方向に延伸したリブ部を有することを特徴とする吐水装置。
【請求項4】
洗浄水が流入する流入室と、前記流入室の内部及び外部に通じて設けられた開口部とを有するガイド部材と、
前記開口部より小径な縮径部を有し、前記縮径部の先端を前記開口部から前記ガイド部材の外部に突出させた状態で前記流入室の内部に設けられ、前記流入室に流入した洗浄水を前記縮径部の前記先端から流出可能な吐水口を有する筒体と、
前記筒体に連結され、前記縮径部の前記先端から流出した洗浄水を一時的に貯留するバッファ室と、前記バッファ室に連通した複数の吐水孔が形成され、前記縮径部より径方向に大きな散水板とを有する、ヘッドと、
を備え、
前記筒体は少なくとも前記縮径部の一部を前記開口部に接触させた状態で前記流入室の中心軸に対して傾きながら前記流入室の中心軸のまわりに前記ヘッドと一体に首振り公転し、且つ前記筒体は自身の中心軸のまわりに前記ヘッドと一体に自転し、
前記ヘッドはその下面に、前記開口部方向に延伸するリブ部を有することを特徴とする吐水装置。
【請求項5】
前記複数の吐水孔は前記筒体の中心軸に対して非対称な関係で各々が傾斜していることを特徴とする請求項3または4に記載の吐水装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−75894(P2010−75894A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−249899(P2008−249899)
【出願日】平成20年9月29日(2008.9.29)
【出願人】(000010087)TOTO株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年9月29日(2008.9.29)
【出願人】(000010087)TOTO株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】
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