説明

吐水装置

【課題】大型のポンプを用いることなく、吐水に充分大きな流速変動を与えることができ、吐水から着水までの距離が短い場合であっても充分に大きな水塊を形成することが可能な吐水装置を提供すること
【解決手段】この吐水装置は、噴射口10bから水溜室10内を見たときに、噴射口10bの流路断面積よりも大きな断面積となる大気泡BAを生成するものであって、この大気泡BAを間欠的に形成することで、噴流WSmの流速を変化させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吐水装置に関する。
【背景技術】
【0002】
人体を洗浄するための吐水装置は、洗浄感を高めることが求められている。洗浄感は、吐水装置から吐出された水が人体に当たった場合の刺激感と量感とによって左右される感覚である。刺激感と量感とを吐出される水の性状に当てはめると、刺激感とは水の流速に代表される物理量であり、量感とは人体に当たった水の面積(人体に当たる直前の水の断面積にも相当する)に代表される物理量である。換言すれば、刺激感は水の流速に応じて使用者が感じる水の刺激の強さであって、水の流速が速くなれば刺激感が強くなり、水の流速が遅くなれば刺激感が弱くなるものである。また、量感は人体に当たった水の面積に応じて使用者が感じる水の量の多少であって、水の面積が広くなれば量感が強くなり、水の面積が狭くなれば量感が弱くなるものである。
【0003】
一方で吐水装置には、より節水性能を高めることも求められている。節水性能を高めるには、吐水装置から吐出される水の量を減らすことが必要であるものの、単純に吐出される水の量を減らせば量感が低減されることになり、洗浄感に不満を抱く使用者が増えるおそれがある。
【0004】
そこで、連続的な線状の吐水を間欠的な水塊による吐水に変換することで、低水量でありながら、人体に当たる水の面積を確保し、量感を損ねない技術が提案されている。この技術の一例としては、下記特許文献1に記載のものが提案されている。下記特許文献1に記載の技術では、吐水に噴射速度が速い第一部分と噴射速度が遅い第二部分とを交互に形成し、人体への着水前に第一部分が第二部分に追いつくことで、大きな水塊を形成している。下記特許文献1に記載の技術では、このような速度差を形成するために、吐水装置への給水圧よりも高い圧力を間欠的に加えて、吐水圧を大きく変動させることが利用されている。このように吐水圧を大きく変動させることで、吐水に間欠的な流速変動が起きることから、上述したような間欠的な水塊による吐水が実現される。
【0005】
下記特許文献1に記載の技術は、間欠的な水塊による吐水を確実に実現するためには優れた技術であるけれども、吸水圧よりも高い圧力を加えるために比較的大型のポンプが必要となる。このような比較的大型のポンプが必須のものとされれば、吐水装置全体が高価なものとなり、装置の大型化にも繋がるおそれがある。
【0006】
ポンプを用いずに吐水の流速を周期的に変動させる技術としては、下記特許文献2に記載のものが提案されている。下記特許文献2では、吐水に気泡を混入させることで吐水の流速変動を起こさせている。同文献の記載によれば、洗浄水の中に気泡として混入された空気の量がより多い部分では、その部分の洗浄水の速度は、より高速になる。一方で、洗浄水の中に気泡として混入された空気の量がより少ない部分では、その部分の洗浄水の速度は、より低速になる。これにより、吐水には、高速な部分と低速な部分との繰り返しが生ずる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−90151号公報
【特許文献2】特許第4572999号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記特許文献2に記載された技術は、ポンプを用いずに吐水の流速変動を起こさせることが可能なものであって、気泡混入による流速変動を利用することで、節水効果と洗浄感向上とを両立している。しかしながら、本発明者らによる検討によって、上記特許文献2に記載された技術で可能なのは、比較的小さな径の小気泡の混入であって、このような小気泡の混入による流速変動はさほど大きなものではなく、結果として大きな水塊が形成されないことが判明した。より具体的には、流速変動が小さいことで、比較的速度の速い吐水部分が比較的速度の遅い吐水部分に追いつくまでの時間が長く必要となり、対象となる人体に着水するまでに水塊が充分に成長しない場合がある。
【0009】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、大型のポンプを用いることなく、吐水に充分大きな流速変動を与えることができ、吐水から着水までの距離が短い場合であっても充分に大きな水塊を形成することが可能な吐水装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために本発明に係る吐水装置は、人体に向けて水を吐出する吐水装置であって、水を供給する給水路と、前記給水路から供給された水を下流側に向けて噴流として噴射する噴射口と、前記噴射口の下流側に設けられ、前記噴流を外部に吐出する吐出口と、前記噴射口と前記吐出口との間に設けられ、前記噴射口から前記吐出口に至る噴流が通過する経路である通水経路部及び前記通水経路部に隣接させて溜水を形成するための水溜部を有する水溜部と、前記通水経路部に空気を泡状にした気泡を供給する気泡供給手段と、を備える。本発明の気泡供給手段は、前記水溜部に空気を導入する空気導入口を有し、前記空気導入口から前記水溜部内に導入した空気を、前記空気導入口と連通した状態を維持しながら時間経過と共に泡状に大きく成長させ、その気泡が所定の大きさになった段階で大気泡として間欠的に前記通水経路部に供給するものであって、更に、前記空気導入口から導入した空気が大気泡となって前記通水経路部に供給されるまでは、前記空気導入口と気泡とが連通した状態を維持することが可能な比較的低い流速の副水流を前記水溜部内に形成する第一水流状態と、前記空気導入口から導入した空気が大気泡となって前記通水経路部に供給されると、前記空気導入口から気泡を切り離すことが可能な比較的高い流速の副水流を前記水溜部内に形成する第二水流状態と、を交互に繰り返し発生させる。
【0011】
本発明によれば、第一水流状態では、空気導入口と気泡とが連通した状態を維持することが可能な比較的低い流速の副水流を水溜部内に形成するので、空気導入口から導入した空気が形成する気泡を引きちぎることなく成長させることができる。一方、第二水流状態では、空気導入口から導入した空気が大気泡となって通水経路部に供給されると、空気導入口から気泡を切り離すことが可能な比較的高い流速の副水流を水溜部内に形成するので、第一水流状態で成長した気泡を切り離して大気泡として通水経路部に供給することができる。このような第一水流状態と第二水流状態とを交互に繰り返し発生させることで、大気泡が噴流に供給されない期間と、大気泡が噴流に供給される期間とを交互に繰り返し発生させることができる。大気泡が噴流に供給される期間においては、噴流の速度は比較的速い状態となって吐出される。一方、大気泡が噴流に供給されない期間においては、噴流の速度は比較的遅い状態となって吐出される。従って、第一水流状態と第二水流状態とを交互に繰り返し発生させることで、吐出される噴流の速度を大きく変動させて吐水に大きな流速変動を与えることができ、吐水から着水までの距離が短い場合であっても充分に大きな水塊を形成することができる。
【0012】
また本発明に係る吐水装置では、前記水溜部には、前記空気導入口側から前記通水経路部側に向けて延び、気泡の成長を促進させるガイド面が設けられ、前記気泡供給手段は、前記空気導入口から導入した空気が形成する気泡を前記ガイド面に接触させた状態を保ちながら前記通水経路部近傍まで導くことも好ましい。
【0013】
空気と水の境界である気液界面は、空気と水それぞれが互いに作用させる力のバランスによって形成されるため変形しやすく、力のバランスが崩れると気液界面も崩れる。従って、気泡を成長させる期間である第一水流状態においては、空気と水とが接触する気液界面の面積を極力小さく保つことが、安定して気泡を成長させるために必要である。そこでこの好ましい態様では、空気導入口から導入した空気が形成する気泡をガイド面に接触させた状態を保つことで、空気導入口側から通水経路部側にかけて気液界面の面積を減少させ、空気導入口と成長中の気泡との連通状態を維持し、安定した気泡成長を促進することが可能となる。
【0014】
また本発明に係る吐水装置では、前記気泡供給手段は、前記第一水流状態における副水流によって、前記空気導入口から導入した空気が形成する気泡を前記ガイド面に向けて押し付けながら前記通水経路部近傍まで導くことも好ましい。
【0015】
水溜室内においては、噴流が噴射口から吐出口に向けて噴射されているため負圧が発生している。この負圧は水溜室内に形成される気泡に作用するため、気泡はガイド面から引き離される力を受ける可能性がある。そこでこの好ましい態様では、第一水流状態における副水流によって気泡をガイド面に向けて押し付けるので、負圧が作用しても気泡がガイド面から引き離されることがなく、空気導入口側から通水経路部側にかけて気液界面の面積を減少させ、空気導入口と成長中の気泡との連通状態を維持し、安定した気泡成長を促進することが可能となる。
【0016】
また本発明に係る吐水装置では、前記気泡供給手段は、前記第一水流状態における副水流によって、前記空気導入口から導入した空気が形成する気泡をその気泡に作用する浮力に抗する方向に押し付けながら前記通水経路部近傍まで導くことも好ましい。
【0017】
この好ましい態様では、成長中の気泡に作用する浮力と、その浮力に抗する方向に気泡を押し付けるように形成する副水流とをバランスさせるので、安定して気泡を成長させることができる。例えば、第一水流状態における副水流の流速がやや高めになったとしても、副水流が気泡をガイド面に押し付ける力の余剰分を気泡の浮力によって減じることができるので、副水流による過度の影響を排除することが可能になり、空気導入口と成長中の気泡との連通状態を維持し、安定した気泡成長を促進することが可能となる。
【0018】
また本発明に係る吐水装置では、前記ガイド面は、前記気泡が押し付けられる第一面と、前記第一面を挟んで対向配置された第二面及び第三面を有することも好ましい。
【0019】
この好ましい態様では、ガイド面を第一面と第二面と第三面とで構成するので、空気導入口から導入した空気が形成する気泡を、第一面に押し付けながら第二面及び第三面にも接触させることができる。従って、副水流と気泡とが接触する気液界面の面積を減じることができ、空気導入口と成長中の気泡との連通状態を維持し、安定した気泡成長を促進することが可能となる。
【0020】
また本発明に係る吐水装置では、前記副水流は、前記噴射口とは別個独立して形成されてなる副水流導入口から前記水溜部内に導入されることも好ましい。
【0021】
この好ましい態様では、噴射口とは別個独立して形成されてなる副水流導入口から副水流を導入するので、噴射口から導入される水を分離して副水流とする場合に比較して、副水流の流速をより低速に制御することが容易になる。従って、空気導入口と成長中の気泡との連通状態を維持し、安定した気泡成長を促進することが可能となる。
【0022】
また本発明に係る吐水装置では、前記副水流は、前記噴流と干渉しない状態で、前記空気導入口から導入した空気が形成する気泡を前記ガイド面に押し付けることも好ましい。
【0023】
この好ましい態様では、副水流を噴流と干渉しない状態で気泡に作用させるため、噴流の作用によって副水流が加速されることがない。従って、第一水流状態において副水流が過度に加速され気泡を引きちぎることがなくなり、空気導入口と成長中の気泡との連通状態を維持し、安定した気泡成長を促進することが可能となる。
【0024】
また本発明に係る吐水装置では、前記空気導入口の大きさは、前記空気導入口から導入した空気が形成する気泡が、前記第一水流状態における副水流によっては前記空気導入口との連通状態が断たれないような大きさとなるように設定されていることも好ましい。
【0025】
第一水流状態において気泡を成長する際に、気泡と副水流とが接触すると、気泡は変形する。そこでこの好ましい態様では、第一水流状態における副水流によっては空気導入口との連通状態が断たれないような大きさとなるように、空気導入口の大きさを設定しているので、副水流の作用によって気泡が変形したとしても空気導入口と成長中の気泡との連通状態を維持し、大気泡を供給することができる。
【0026】
また本発明に係る吐水装置では、前記ガイド面は、前記空気導入口の近傍と前記噴射口の近傍とが滑らかに繋がれている連続面を有することも好ましい。
【0027】
この好ましい態様では、空気導入口の近傍と噴射口の近傍とを滑らかな連続面で繋いでいるので、導入した空気が通水経路部に供給されるまでガイド面と接触させ続けることが可能となる。
【0028】
また本発明に係る吐水装置では、前記ガイド面は、前記空気導入口が開口している方向に沿って設けられていることも好ましい。
【0029】
この好ましい態様では、ガイド面は空気導入口が開口している方向に沿って設けられているので、空気導入口から導入された空気が空気導入口と繋がった状態を保ちながら成長しやすくなり、大気泡のちぎれを抑制し、大気泡を形成することができる。
【0030】
また本発明に係る吐水装置では、前記空気導入口は、前記通水経路部から離隔し、且つ前記噴流の進行方向において上流側に設けられていることも好ましい。
【0031】
本発明に係る吐水装置では、噴流及び副水流によって水溜部内に旋回流が形成される。噴流は副水流よりも流速が高いので、旋回流の旋回方向は噴流からの影響が大きくなる。噴流は、噴射口から噴射され吐出口に向かうものであるから、旋回流の旋回方向もこれに沿ったものとなり、噴流に隣接して旋回する。旋回流は、噴射口から吐出口に向かう噴流によって加速されるので、加速が完了した吐出口近傍においてその流速が最も高くなり、水溜部内を旋回して加速が始まる噴射口近傍においてその流速が最も低くなる。この好ましい態様では、この旋回流の速度分布の特性を利用するため、空気導入口の配置を工夫している。空気導入口は、噴流の進行方向において噴射口側である上流側に配置されているので、旋回流の流速が最も低くなる領域に空気を導入し、大気泡に成長させることができる。また、空気導入口を通水経路部から離隔させることで、空気導入口から通水経路部に至る距離を十分に確保し、大気泡を十分に成長させることができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、大型のポンプを用いることなく、吐水に充分大きな流速変動を与えることができ、吐水から着水までの距離が短い場合であっても充分に大きな水塊を形成することが可能な吐水装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の実施形態に係る吐水装置を示す概略斜視図である。
【図2】図1に示す吐水装置における吐水初速の変動を示す図である。
【図3】図1に示す吐水装置の吐水状態を模式的に示す図である。
【図4】図1に示す吐水装置が有する水溜室の概略構成を模式的に示す図である。
【図5】図4のA―A断面を示す図である。
【図6】図4のB―B断面を示す図である。
【図7】図4に示す水溜室で噴流に気泡を供給する態様を説明するための図である。
【図8】図7のC―C断面を示す図である。
【図9】図7のD領域を拡大して示す図である。
【図10】変形例としての吐水装置が有する水溜室の概略構成を模式的に示す図である。
【図11】変形例としての吐水装置が有する水溜室の概略構成を模式的に示す図である。
【図12】変形例としての吐水装置が有する水溜室の概略構成を模式的に示す図である。
【図13】変形例としての吐水装置が有する水溜室の概略構成を模式的に示す図である。
【図14】図4に示す水溜室で噴流に気泡を供給する態様を説明するための図である。
【図15】図4に示す水溜室で噴流に気泡を供給する態様を説明するための図である。
【図16】図15のF領域を拡大して示す図である。
【図17】図15のE―E断面を示す図である。
【図18】図4に示す水溜室で噴流に気泡を供給する態様を説明するための図である。
【図19】図4に示す水溜室で噴流に気泡を供給する態様を説明するための図である。
【図20】図19のG―G断面を示す図である。
【図21】図4に示す水溜室において実際に噴流に気泡を供給する状態を写した写真を示す図である。
【図22】水溜室に副水流を形成する変形例を示す図である。
【図23】図22に示す変形例において副水流の流れ方の変遷を説明するための図である。
【図24】水溜室に副水流を形成する変形例を示す図である。
【図25】水溜室に大気泡排出抑制手段を設けた例を示す図である。
【図26】水溜室に大気泡排出抑制手段を設けた例を示す図である。
【図27】水溜室の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0035】
本発明の実施形態である吐水装置について説明する。本発明に係る吐水装置は、人体に向けて水を吐出するものであって、大型のポンプを用いることなく、吐水に充分大きな流速変動を与えることができ、吐水から着水までの距離が短い場合であっても充分に大きな水塊を形成することが可能なものである。従って、本発明に係る吐水装置の応用範囲は多岐に渡るものであって、水塊となった吐水を人体に着水することが可能であって、節水効果と洗浄感向上とを両立できるあらゆるものに応用可能なものである。本実施形態の説明では、人体の局部洗浄を行う装置として本発明の吐水装置を応用した一例を説明する。本発明の趣旨に鑑みれば、本発明に係る吐水装置としてはこれに限られるものではない。
【0036】
図1に示すように、本発明の実施形態に係る吐水装置としての局部洗浄装置WAは、大便器CBに載せて使用されるものである。局部洗浄装置WAは、本体部WAaと、便座WAbと、便蓋WAcと、リモコンWAdとを備えている。本体部WAaは、ノズルNZを有しており、ノズルNZを進退自在に保持している。本体部WAaは、便座WAb及び便蓋WAcを回動自在に保持している。
【0037】
使用者は使用時に、便蓋WAcを図1に示すように便蓋WAcを上方に回動させ、便座WAbを露出させる。使用者は便座WAbに着座して用便をした後、リモコンWAdを操作してノズルNZに形成された吐出口NZaから吐水させ、自身の局部を洗浄する。使用者は局部洗浄後、リモコンWAdを操作して吐出口NZaからの吐水を停止する。その後使用者は、リモコンWAdを操作して大便器CBに洗浄水を流す。
【0038】
本実施形態では、図1に示すように、吐水JWの進行方向に沿ったJ軸と、鉛直方向に沿ったV軸とを設定し、このJ軸及びV軸を用いながら局部洗浄装置WAの吐水態様について説明する。
【0039】
本実施形態における吐水初速の変動態様の一例を図2に示す。
【0040】
図2に示すように、吐水初速を周期的に変動させることで、吐水初速が低い状態(図2のFW)から高い状態(図2のAW)に至るまでは、後続の吐水を先行する吐水に追い付かせる追い付き期間を形成している。周期的に発生する追い付き期間の間は、水塊の形成に寄与せず吐水する期間なので、本実施形態では便宜的に無駄水期間と呼称する。
【0041】
図3に、図1に示す局部洗浄装置WAの吐水状態を模式的に示す。本実施形態では、大型のポンプを使用することなく、吐水される水の流速を周期的に変動させて、大きな水塊を吐水対象部位に衝突させるように構成されている。
【0042】
このように吐水される水の流速の変動が起こると、図3の(A)に示すように、吐水JWは、部位Wp1,部位Wp2,部位Wp3,部位Wp4,部位Wp5を含むものとなる。この各部位のそれぞれの流速を、V1,V2,V3,V4,V5とすると、V1(≒V5)<V2(≒V4)<V3となる。
【0043】
よって、吐水直後から図3の(A)〜(C)へと移行するにつれて、部位Wp3は部位Wp2より速度が大きいから、部位Wp3は部位Wp2と合体し、さらに部位Wp1と合体して大きな水塊となる。
【0044】
このように最大流速の部位Wp3がその前の部位Wp2,部位Wp1と順次合体することにより、大きな塊となって、人体局部に着水することになる。この洗浄水は、人体局部に当たるときには、衝突エネルギ(洗浄強度)が大きい水塊状態となっている。この部位Wp3の流速V3は、最大流速であることから、脈動流で吐水された洗浄水は、合体した水塊の状態が脈動周期ごとに現れるような吐水形態で、吐出口NZaから吐水されていることになる。しかも、脈動周期でこのような現象が起きることから、上記のように最大流速の部位Wp3の合体を経た水塊は繰り返し現れ、ある吐水タイミングでの水塊とその次の吐水タイミングでの部位Wp3の合体を経た水塊とはほぼ同じ速度で吐水されることになる。しかも、このそれぞれの水塊は、最大流速での部位Wp3に遅れて吐水された部位Wp4、部位Wp5で繋がれたような状態となる。
【0045】
本実施形態に係る局部洗浄装置WAは、大型のポンプを用いずに吐水の流速変化をつけ、上述したような繰り返し周期的に現れる水塊による吐水を行うものである。局部洗浄装置WAは、図1に示したノズルNZの吐出口NZaの上流側に、水溜室10を有している。本実施形態に係る局部洗浄装置WAは、水溜室10によって気泡を供給することで吐水の流速変化をつけている。この水溜室10の構成について、図4を参照しながら説明する。図4は、水溜室10の概略構成を模式的に示す図である。
【0046】
図4に示すように水溜室10は、空気管路101と、第一給水管路102(給水路)と、吐出管路103と、第二給水管路104とを備えている。空気管路101、第一給水管路102、吐出管路103、及び第二給水管路104は、水溜室10の内部に連通するように設けられた管路である。
【0047】
水溜室10は、全体としては略直方体状の箱形状を成している。水溜室10は、壁10eと、壁10fと、壁10gと、壁10hと、壁10iと、壁10jとを有している。図4には、壁10e,壁10f,壁10g,壁10hのみが矩形を成すように描かれている。壁10iと壁10jとは互いに対向する位置に配置される壁であって、壁10eと、壁10fと、壁10gと、壁10hとを繋ぐように配置される壁である。
【0048】
空気管路101は、水溜室10に形成された空気導入口10aを介して、水溜室10内部と連通している。空気導入口101は、壁10gと壁10hとが突き合わされる角部近傍であって、壁10gの上流側端に形成されている。第一給水管路102は、噴射口10bを介して、水溜室10内部と連通している。噴射口10bは、壁10hと壁10eとが突き合わされる角部近傍であって、壁10hに形成されている。吐出管路103は、水溜室側開口10cを介して、水溜室10内部と連通している。水溜室側開口10cは、壁10fと壁10eとが突き合わされる角部近傍であって、壁10fに形成されている。第二給水管路104は、副水流導入口10dを介して、水溜室10内部と連通している。副水流導入口10dは、壁10fと壁10gとが突き合わされる角部近傍であって、壁10fに形成されている。
【0049】
空気管路101は、空気導入口10aと大気開放された開口とを繋ぐ管路である。空気管路101から導入される空気は、空気導入口10aから水溜室10の内部に引き込まれる。水溜室10の内部に引きこまれた空気は、気泡BAを形成している。
【0050】
第一給水管路102は、噴射口10bと給水源とを繋ぐ管路である。第一給水管路102は、その管路の途上若しくは噴射口10bにおいて縮径されている。従って、第一給水管路102から供給される水は、その速度が高められ噴流WSmとして水溜室10内に噴射される。
【0051】
吐出管路103は、水溜室側開口10cとノズルNZ(図1参照)に形成された吐出口NZaとを繋ぐ管路である。本実施形態の場合、噴射口10bと水溜室側開口10cとは対向配置されている。従って、噴射口10bから水溜室10内に噴射される噴流WSmは、水溜室10内をJ軸に沿って進行し、水溜室側開口10cから吐出管路103に入る。吐出管路103に入った水は、J軸に沿って吐出管路103内を進行し、吐出口NZaから外部へと吐出される。
【0052】
第二給水管路104は、副水流導入口10dと給水源とを繋ぐ管路である。第二給水管路104は、副水流導入口10dを介して、水溜室10内部と連通している。第二給水管路104から供給される水の少なくとも一部は、水溜室10内において旋回流である副水流WSsを形成する。
【0053】
上述したように、噴射口10bから水溜室10内に噴射される噴流WSmは、水溜室10内をJ軸に沿って進行し、水溜室側開口10cから吐出管路103に入る。従って、噴射口10bから吐出口NZaに至る噴流WSmが通過する経路である通水経路部105が形成される。本実施形態の場合、通水経路部105は、噴射口10bと水溜室側開口10cとを繋ぐ経路である。
【0054】
水溜室10内の通水経路部105を除いた残余の領域は、水溜部106となっている。水溜部106は、通水経路部105に隣接させて溜水PWを形成するための部分である。本実施形態の場合、水溜部106は、通水経路部105を囲むように形成されている。
【0055】
本実施形態の場合、噴射口10b及び水溜室側開口10cは、矩形となっている水溜室10の一辺側に近接させて配置されている。一方、空気導入口10a及び副水流導入口10dは、矩形となっている水溜室10の他辺側に近接配置されている。従って、噴射口10b及び水溜室側開口10cと、空気導入口10a及び副水流導入口10dとは、離隔配置されている。
【0056】
図4のA―A断面を図5に示し、図4のB―B断面を図6に示す。図4に示す状態では、噴流WSmは、溜水PWの中を進行しており、図5に示すように溜水PWからの抵抗を受けながら水溜室側開口10cに向かっている。水溜室側開口10cに至った噴流WSmは、吐出管路103内に入り、図6に示すように吐出管路103の内壁面と接触した状態で進行している。
【0057】
図4に示す状態では、気泡BAは小さい。図4に示す状態から更に時間が進行すると、図7に示すように細長形状に気泡BAが成長する。気泡BAは、噴流WSmにその下端が近づくまで成長している。従って、副水流WSsが旋回可能な領域は、図4に示す状態よりは狭まっている。副水流WSsは、旋回流速が速くなり、且つ噴流WSmの流れを阻害しない方向に旋回している。図7のC―C断面を図8に、図7のD領域を図9にそれぞれ示す。
【0058】
図8に示すように、細長形状の気泡BAは、水溜室10の空気導入口10aから噴射口10bに向かって伸びる4つの壁10h,10i,10j,10fの内の3つの壁10h,10i,10jに接触して成長している。従って、副水流WSsに接触する面は、副水流導入口10dに向かう面のみとなっている。
【0059】
図9に示すように、細長形状に成長した気泡BAは、鉛直方向であるV軸方向に浮力が作用する。副水流WSsは、この浮力に抗するように気泡BAに作用している。従って、気泡BAは、水溜室10の空気導入口10aから噴射口10bに向かって伸びる4つの壁10h,10i,10j,10fの内の3つの壁10h,10i,10jに接触した状態を保つことができる。
【0060】
細長形状の気泡BAの成長という観点からは、壁10h,10i,10jは、気泡BAを空気導入口10aから通水経路部105に導くガイド面として機能している。副水流WSsは、気泡BAがガイド面である壁10h,10i,10jから離隔しないように、壁10h,10i,10jに向けて気泡BAを押し付ける力を発生させ、細長形状に気泡を成長させる押圧力付与手段として機能している。本実施形態では、空気導入口10a側から通水経路部105側に至るガイド面の長さは、噴射口10bから吐出口10cに至る通水経路部105の長さよりも長くなるように構成されていることも好ましい。
【0061】
副水流WSsは、旋回流であって壁10hに向かって遠心力が発生していることから、気泡BAを能動的に壁10hに押し付ける作用を及ぼしている。しかしながら、気泡BAは、外的な作用が及ばなければそのまま膨張して球形に近くなろうとするものであるから、能動的に押し付ける作用が及ばなくても、押圧力付与手段として機能する態様は採用可能なものである。このような観点からの変形例を図10に示す。
【0062】
図10に示すように、水溜室10内に壁10kを設けている。壁10kは、壁10h及び壁10fの間であって、それぞれの壁に略平行に設けられている。壁10kは、壁10g及び壁10eとは離隔するように配置されている。壁10kは、通水経路部105からも離隔した位置に設けられている。
【0063】
このように壁10kを設けることで、空気導入口10aから導入された気泡BAは、壁10hと壁10kとの間を進み、通水経路部105に向かって成長する。壁10kは、能動的に気泡BAを壁10hに向けて押し付けるものではないけれども、気泡BAの膨張を抑制することで結果的に壁10hに向けて押し付ける力を発生させるものであり、押圧力付与手段として機能する。
【0064】
ガイド面として機能する壁10hは、壁10g及び壁10eと直交する方向に延びる平面に沿った直壁であるけれども、ガイド面としての機能を果たすためには、空気導入口10aの近傍と噴射口10bの近傍とを滑らかに繋ぐ連続面であれば足りる。この観点からの変形例を、図11及び図12を参照しながら説明する。
【0065】
図11に示す水溜室10Bは、壁10eと、壁10Bfと、壁10Bgと、壁10Bhとを有している。空気導入口10aは、壁10Bfに設けられている。空気導入口10aは、壁10eの略中央近傍に対抗する位置に設けられている。壁10Bhは、空気導入口10a近傍と、噴射口10b近傍とを繋ぐものであるから、図11に示すように傾斜して設けられるものである。このように壁10Bhが傾斜して設けられていても、空気導入口10aが開口する方向(噴射口10bに向かう方向)に沿って傾斜しているので、気泡BAを成長させるガイド面としての機能を果たしている。
【0066】
図12に示す水溜室10Cは、壁10eと、壁10Cfと、壁10Cgと、壁10Chとを有している。水溜室10Cの壁10Chは、外側に向けて湾曲した形状を成している。このように湾曲した壁10Chであっても、空気導入口10a近傍と噴射口10b近傍とを滑らかに繋ぐものであるので、気泡BAを成長させるガイド面としての機能を果たしている。
【0067】
空気導入口の配置位置を変更した変形例について、図13を参照しながら説明する。図13に示す水溜室10Dは、壁10eと、壁10Dfと、壁10Dgと、壁10Dhとを有している。空気導入口10Daは、壁10Dfと壁10Dgとが突き合わせられる角部であって、壁10Dfに設けられている。図13に示すように、壁10Dgと壁10Dhとが突き合わせられる角部が形成されているので、空気導入口10Daから噴射口10bに至る壁は滑らかに連続するものではなく、不連続な面を構成している。この場合、上述したガイド面としての機能を十分に果たすことはないけれども、細長形状の気泡BAを形成することができるものである。
【0068】
図7に示す状態から更に時間が進行すると、図14に示すように細長形状の気泡BAが噴流WSmに近づき干渉し始める。気泡BAは、噴流WSmに引っ張られ、通水経路部105に入り込む。従って、気泡BAが入り込んだ分の水が押し退けられることになり、副水流WSsの旋回流速が速くなる。旋回流速が高まった副水流WSsは、気泡BAを引きちぎることになる。
【0069】
図14に示す状態から更に時間が進行すると、図15に示すように気泡BAが噴流WSmに完全に引き込まれ、気泡BAは通水経路部105の略全域に渡って存在する。図15のF領域を図16に、図15のE―E断面を図17にそれぞれ示す。
【0070】
図16の(A)に示すように、気泡BAは通水経路部105の略全域に渡って存在するので、噴射口10bの近傍まで存在する。従って、噴射口10bの近傍に存在する水の量が減り、噴射口10bの近傍における渦流の発生が抑制される。気泡BAが噴射口10bから離れた位置に形成される場合には、図16の(B)に示すような状態になる。図16の(B)に示す状態では、噴射口10bの近傍に水が多く存在し、渦流が多く発生している。渦流の発生は噴流WSmの進行に抵抗となるので、図16の(A)に示すように渦流を抑制することで、噴流WSmの速度を低下させずに吐出口NZaに向かわせることができる。
【0071】
図17に示すように、噴流WSmは気泡BAを貫通している。このように噴流WSmが気泡BAを貫通することで、噴流WSm周りの抵抗が低下し、噴流WSmは速度を低下させずに吐出口NZaに向かうことができる。もっとも、図17に例示するような、噴流WSmが気泡BAを完全に貫通する状態が必須なものではなく、噴流WSmの周囲の多くの部分を気泡BAによって囲むことができればよく、一部において溜水PWと接触する状態であっても構わないものである。
【0072】
図15に示す状態から更に時間が進行すると、図18に示すように気泡BAが噴流WSmに引き込まれるように吐出管路103に向かう。気泡BAは、通水経路部105よりも広い流路断面積となるように形成されているので、水溜室側開口10cの外周に引っかかりながら吐出管路103に向かう。このように水溜室側開口10cの外周に引っかかった気泡BAは、噴流WSmによって後方から押し込まれたり、溜水PWからの圧力を受けて押し込まれたりしながら、吐出管路103に入っていくことになる。
【0073】
図18に示す状態から更に時間が進行すると、図19に示すように気泡BAが吐出管路103に入り込む。図20に、図19のG―G断面を示す。図20に示すように、気泡BAが吐出管路103内に入り込むと、吐出管路103の内壁に沿って空気の膜を形成し、噴流WSmはその膜の中を進行する。従って、噴流WSmが吐出管路103の内壁から受ける抵抗が減少し、噴流WSmは減速されずに吐出口NZaに向かう。もっとも、図15に例示するような、噴流WSmを気泡BAが完全に包むような状態が必須なものではなく、噴流WSmの周囲の多くの部分を気泡BAによって囲むことができればよく、一部において吐出管路103と接触する状態であっても構わないものである。
【0074】
図19に示す状態から気泡BAが更に吐出管路103の下流側に進行すると、次の気泡BAが空気管路101から取り込まれ、図4の状態に戻る。本実施形態では、図4〜図20を参照しながらした説明による気泡BAの動きが周期的に繰り返される。
【0075】
また本実施形態では、先に生成した大気泡BAが通水経路部105に到達する時点から、その到達した大気泡BAの全体が通水経路部105から排出される時点までの第一時間よりも、先に生成した大気泡BAが通水経路部105に到達する時点から、次に生成した大気泡BAが通水経路部105に到達する時点までの第二時間が長くなるように構成されている。
【0076】
このように、第一時間よりも第二時間が長くなるように構成しているので、先に生成した大気泡BAが通水経路部105に到達する時点を基準として、次に生成した大気泡BAが通水経路部105に到達する時点では、必ず先に生成した大気泡BAが通水経路部105から排出されるものとすることができる。従って、通水経路部105が水で満たされた第二通水状態を確実に生じさせることができる。
【0077】
また本実施形態ではでは、副水流WSsによって、大気泡BAを通水経路部105に導くものであって、水溜室10内に空気を導入する空気導入口10aと、副水流WSsによって空気導入口10aから通水経路部105へと導かれる大気泡BAの移動の抵抗となる抵抗手段としてのガイド面である、壁10h,10i,10jを設けており、気泡BAを空気導入口10aから通水経路部105に導くガイド面として機能している。
【0078】
上述した第二時間を長く確保するためには、空気導入口10aから導入した空気を極力ゆっくりと通水経路部105に供給する必要がある。しかしながら、水溜室10内は噴流WSmの影響を受けて副水流WSsが発生するので、副水流WSsによって大気泡BAは通水経路部105に導かれる。そのため、大気泡BAが意図したタイミングよりも早く通水経路部105に導かれる場合あり、第二通水状態を完全に実現できない場合も想定される。そこでこの好ましい態様では、副水流によって通水経路部105に導かれる大気泡BAの抵抗となる抵抗手段としてのガイド面を設けることで、大気泡BAの移動速度を適度なものに調整し、通水経路部105が水で満たされる第二通水状態を確実に生じさせるものとしている。
【0079】
また本実施形態ではガイド面である壁10h,10i,10jに大気泡BAを押し付けながら大気泡BAを通水経路部105に導くので、ガイド面と大気泡BAとの間に生じる摩擦力を利用し、空気導入口10a側から通水経路部105にかけて継続的に大気泡BAの移動速度を調整することができる。
【0080】
また本実施形態では、ガイド面である壁10h,10i,10jに大気泡BAを押し付けるものとして副水流WSsを利用しているので、別途ガイド面に対して大気泡BAを押し付ける手段を設けることなく、大気泡BAの移動速度を確実に調整することができる。
【0081】
また本実施形態では、空気導入口10aの近傍と噴射口10bの近傍とを滑らかな連続面で繋いでいるので、大気泡BAがガイド面に接触した状態をより確実に維持し続けることができる。
【0082】
また本実施形態では、大気泡BAが空気導入口10aと連通された状態を維持するので、大気泡BAと副水流WSsとはその連通された部分以外の部分において接触することになり、大気泡BAと副水流WSsとの接触面積が小さくなる。よって、大気泡BAが通水経路部105に移動する速度を遅くすることができるので、通水経路部105が水で満たされた第二通水状態を確実に生じさせることができる。
【0083】
図21に、実際に本実施形態の水溜室10に相当するものを作成し、通水した様子を撮影した写真を示す。図21の(A)は、噴流WSmが溜水PWの中を進行し、気泡BAが成長している状態を撮影したものであって、図7の状態に相当する。図21の(B)は、噴流WSmが気泡BAの中を進行している状態を撮影したものであって、図14の状態に相当する。図21の(C)は、噴流WSmが気泡BAの中を進行している状態を撮影したものであって、図18の状態に相当する。
【0084】
上述したように本実施形態に係る吐水装置は局部洗浄装置WAであって、人体に向けて水を吐出するものであり、水を供給する給水路である第一給水管路102と、第一給水管路102から供給された水を下流側に向けて噴流WSmとして噴射する噴射口10bと、噴射口10bの下流側に設けられ、噴流WSmを外部に吐出する吐出口NZaと、噴射口10bと吐出口NZaとの間に設けられ、噴射口10bから吐出口NZaに至る噴流WSmが通過する経路である通水経路部105及び通水経路部105に隣接させて溜水PWを形成するための水溜部106を有する水溜室10と、通水経路部105に空気を泡状にした気泡BAを供給する気泡供給手段の少なくとも一部の機能を発揮する空気導入口10aと、を備える。
【0085】
気泡供給手段は、噴射口10bから水溜室10内を見たときに、噴射口10bの流路断面積よりも大きな断面積となる大気泡BAを生成するものであって(図17参照)、この大気泡BAを間欠的に形成することで、大気泡BAの中を噴流WSmが貫通する第一通水状態(図15参照)と、水の中を噴流WSmが通過する第二通水状態(図4,図7等参照)とを交互に繰り返し発生させ、通水経路部105における噴流WSmの通水抵抗を変動させる。
【0086】
本実施形態では、噴射口10bの流路断面積よりも大きな断面積となる大気泡BAを間欠的に形成するので、大気泡BAの中を噴流WSmが貫通する第一通水状態と、水の中を噴流WSmが通過する第二通水状態とを交互に繰り返し発生させることができる。第一通水状態では、大気泡BAの中を噴流WSmが貫通するので、噴流WSmの周囲は空気が多く存在し、噴流WSmを減速させる抵抗が弱く、噴流WSmの速度は保たれたまま吐出口NZaに向かう。一方、第二通水状態では、水の中を噴流WSmが通過するので、噴流WSmの周囲は水が取り囲み、噴流WSmを減速させる抵抗が強く、噴流WSmの速度が落ちながら吐出口NZaに向かう。従って、第一通水状態と第二通水状態とを交互に繰り返し発生させることで、吐出口NZaに向かう噴流WSmの速度を大きく変動させて吐水に大きな流速変動を与えることができ、吐水から着水までの距離が短い場合であっても充分に大きな水塊を形成することができる。
【0087】
また本実施形態では、噴流WSmの断面積が大気泡BAの断面積よりも小さくなるように、噴流WSmが縮流されて噴射口10bから噴出される。このように、噴流WSmが縮流されて噴射口10bから噴出されるので、噴流WSmの拡散が抑制され確実にその断面積をコントロールすることができる。従って、噴流WSmの断面積が大気泡BAの断面積よりも小さくなる状態を確実に形成することができ、第一通水状態を確実に実現することができるため、吐水に大きな流速変動を与えることができる。
【0088】
また本実施形態では、気泡供給手段は、通水経路部105の噴射口10b寄りに大気泡BAを供給する。このように、通水経路部105の噴射口10b寄りに大気泡BAを供給するので、その大気泡BAは貫通する噴流WSmによって吐出口NZa側に引き伸ばされる。従って、噴射口10b寄りに大気泡BAを供給するという簡便な方法で、大気泡BAを噴射口10b側から吐出口NZa側までの長い範囲に存在させることができる。その結果、大気泡BAを貫通する噴流の長さが長くなり、第一通水状態における噴流WSmの減速をより確実に回避することができ、第一通水状態を確実に実現することができるため、吐水に大きな流速変動を与えることができる。
【0089】
また本実施形態では、気泡供給手段は、噴射口10bを覆うように大気泡BAを供給する(図16参照)。このように、噴射口10bを覆うように大気泡BAを供給することで、噴射口10bの近傍を空気で覆うことができる。従って、第一通水状態においては、噴射口10bの周囲における渦の発生が抑制され、渦の発生に伴う噴流WSmの乱れを抑制することができる。その結果、噴流WSmの進行が安定し、第一通水状態を確実に実現することができるため、吐水に大きな流速変動を与えることができる。
【0090】
また本実施形態では、外部から水溜室10に空気を取り込むために空気導入口10aが設けられると共に、空気導入口10aの近傍に、空気導入口10a側から通水経路部105側に向けて延び、気泡BAの成長を促進させるガイド面としての水溜室10の内壁面が設けられている(図8参照)。
【0091】
空気導入口10aから水溜室10内に取り込まれた空気は、大気泡BAとなる前に水溜室10内の水流によって空気導入口10aから引き離され、ちぎれてしまう傾向がある。そこで、空気導入口10aから取り込まれた泡状の空気を、近傍に設けられたガイド面としての内壁面によって支持するため、水勢を受けても安定的に成長が促進され、確実に大気泡BAに成長させることができる。従って、第一通水状態を確実に実現することができるため、吐水に大きな流速変動を与えることができる。
【0092】
また、本実施形態の気泡供給手段は、吐出管路103内に噴射口10bの流路断面積よりも大きな断面積となる大気泡BAを生成するものであって、この大気泡BAを間欠的に形成することで、大気泡BAによって吐出管路103の内壁面に沿って形成される空気層の中を噴流WSmが通過する第一通水状態(図20参照)と、水溜室10から吐出管路103に供給される水の中を噴流WSmが通過する第二通水状態(図6参照)とを交互に繰り返し発生させ、吐出管路103内を流れる水と吐出管路103の内壁面との接触面積を変動させる。
【0093】
この観点によれば、気泡供給手段が噴射口10bの流路断面積よりも大きな断面積となる大気泡BAを間欠的に生成して吐出管路103に供給するので、吐出管路103の内壁面に沿って形成される空気層の中を噴流WSmが通過する第一通水状態と、水溜室10から吐出管路103に供給される水の中を噴流WSmが通過する第二通水状態とを交互に繰り返し発生させることができる。第一通水状態では、吐出管路103内に形成される空気層の中を噴流WSmが通過するので、吐出管路103の内壁面と噴流WSmとの接触面積が小さくなり、吐出管路103内を進行する噴流WSmが受ける摩擦抵抗が小さくなる。一方、第二通水状態では、水溜室10から供給される水の中を噴流WSmが通過するので、吐出管路103の内壁面と噴流WSmを含む水との接触面積が大きくなり、吐出管路103内を進行する噴流WSmが受ける摩擦抵抗が大きくなる。従って、第一通水状態と第二通水状態とを交互に繰り返し発生させることで、吐出管路103内を流れる水と吐出管路103の内壁面との接触面積を変動させる。その摩擦抵抗の変動によって、吐出口NZaに向かう噴流WSmの速度を大きく変動させて吐水に大きな流速変動を与えることができ、吐水から着水までの距離が短い場合であっても充分に大きな水塊を形成することができる。
【0094】
更に、第一通水状態において、吐出管路103内に形成される空気層の中を噴流WSmが通過するので、吐出管路103内の水全体の流れに着目すれば、第二通水状態よりも実質的な流路断面積が減少する。従って、第一通水状態において吐出管路103を通過する噴流WSmの速度が、第二通水状態において吐出管路103を通過する水の速度よりも高くなる要因の一つとなる。前述したような摩擦抵抗の変動による吐水の流速変動に、流路断面積の変動による吐水の流速変動効果も加わって、吐水により大きな流速変動を与えることができる。
【0095】
また本実施形態では、気泡供給手段は、大気泡BAを生成することで、吐出管路103内を通過する噴流WSmを、その進行方向に沿って囲むように内壁面に沿った管状の空気層を形成している。このように、噴流WSmをその進行方向に沿って囲むように内壁面に沿った管状の空気層が形成されるので、噴流WSmと吐出管路103の内壁面との接触面積をより低減させることができる。従って、第一通水状態における噴流WSmの速度を、第二通類状態における水の速度よりも充分に高めることができ、吐水により大きな流速変動を与えることができる。
【0096】
また本実施形態では、気泡供給手段は、通水経路部105から吐出管路103に大気泡BAを供給するものであって、吐出管路103が水溜室10に臨む開口である水溜室側開口10cの外周を覆うように大気泡BAを供給する。
【0097】
このように、吐出管路103が水溜室10に臨む開口である水溜室側開口10cの外周を覆うように通水経路部105側から大気泡BAを供給するので、吐出管路103の内壁面に沿わせるように大気泡BAを送り込むことができる。従って、吐出管路103の内壁面に沿った管状の空気層が形成しやすくなり、吐水に大きな流速変動を与えることができる。
【0098】
また本実施形態では、気泡供給手段は、通水経路部105から吐出管路103に大気泡BAを供給するものであって、吐出管路103側から通水経路部105側を見た場合に、吐出管路103の流路断面積よりも大きな断面積となるように大気泡BAを供給する。
【0099】
このように、吐出管路103の流路断面積よりも大きな断面積となるように大気泡BAを供給するので、吐出管路103の内壁面に大気泡BAを確実に沿わせながら送り込むことができる。従って、吐出管路103の内壁面に沿った管状の空気層をより確実に形成しやすくなり、吐水に大きな流速変動を与えることができる。
【0100】
また本実施形態では、気泡供給手段は、通水経路部105から吐出管路103に大気泡BAを供給する際に、一時的に滞留させて供給する。このように、通水経路部105から吐出管路103に大気泡BAを供給する際に、一時的に滞留させて供給するので、吐出管路103の内壁面に大気泡BAを添わせやすくなる。従って、吐出管路103の内壁面に沿った管状の空気層をより確実且つ容易に形成しやすくなり、吐水に大きな流速変動を与えることができる。
【0101】
また本実施形態では、気泡供給手段は、吐出管路103の噴流WSmの進行方向に沿った長さと略同等の長さに空気層が形成されるように、大気泡BAを生成して供給することも好ましいものである。この好ましい態様では、吐出管路103の全長に渡って空気層が形成されるように大気泡BAを供給するので、水溜室10から吐出口NZaに至るまで管状の空気層を形成することができる。従って、第一通水状態において、水溜室10から吐出口NZaに至るまでに噴流WSmが受ける摩擦抵抗を極めて小さくすることができ、吐水に大きな流速変動を与えることができる。
【0102】
また本実施形態では、噴射口10bから噴射される噴流WSmの中心軸が、吐出管路103の中心軸と略同一直線上に位置するように、噴射口10b及び吐出管路103が配置されており、噴射口10bの流路断面積よりも吐出管路103の流路断面積が大きくなるように形成されている。
【0103】
このように、噴射口10bから噴射される噴流WSmの中心軸が、吐出管路103の中心軸と略同一直線上に位置するように配置されているので、吐出管路103の中心と吐出管路103に突入する噴流WSmの中心とを揃えることができる。更に、噴射口10bの流路断面積よりも吐出管路103の流路断面積が大きくなるように形成されているので、噴流WSmと吐出管路103の内壁面との間の隙間を確実に保つことができる。従って、その隙間に管状の空気層を形成することができ、管状の空気層の中に確実に噴流WSmを通すことができる。
【0104】
また、本実施形態の気泡供給手段は、空気導入口10aから水溜室10内に導入した空気を、時間経過と共に泡状に大きく成長させ、その気泡BAが所定の大きさになった段階で大気泡BAとして通水経路部105に供給するものであって、更に、空気導入口10aから導入した空気が大気泡BAとなって通水経路部105に供給されるまでは、空気導入口10aと気泡BAとが連通した状態を維持することが可能な比較的低い流速の副水流WSsを水溜室10内に形成する第一水流状態(図4,図7参照)と、空気導入口10aから導入した空気が大気泡BAとなって通水経路部105に供給されるように、空気導入口10aから気泡BAを切り離すことが可能な比較的高い流速の副水流WSsを水溜室10内に形成する第二水流状態(図14参照)と、を交互に繰り返し発生させる。
【0105】
この観点によれば、第一水流状態では、空気導入口10aと気泡BAとが連通した状態を維持することが可能な比較的低い流速の副水流WSsを水溜室10内に形成するので、空気導入口10aから導入した空気が形成する気泡BAを引きちぎることなく成長させることができる。一方、第二水流状態では、空気導入口10aから導入した空気が大気泡BAとなって通水経路部105に供給されるように、空気導入口10aから気泡BAを切り離すことが可能な比較的高い流速の副水流WSsを水溜室10内に形成するので、第一水流状態で成長した気泡BAを切り離して大気泡BAとして通水経路部105に供給することができる。このような第一水流状態と第二水流状態とを交互に繰り返し発生させることで、大気泡BAが噴流WSmに供給されない期間と、大気泡BAが噴流WSmに供給される期間とを交互に繰り返し発生させることができる。大気泡BAが噴流WSmに供給される期間においては、噴流WSmの速度は保たれたまま吐出口NZaに向かう。一方、大気泡BAが噴流WSmに供給されない期間においては、噴流WSmの速度が落ちながら吐出口NZaに向かう。従って、第一水流状態と第二水流状態とを交互に繰り返し発生させることで、吐出口NZaに向かう噴流WSmの速度を大きく変動させて吐水に大きな流速変動を与えることができ、吐水から着水までの距離が短い場合であっても充分に大きな水塊を形成することができる。
【0106】
また本実施形態では、水溜室10に、空気導入口10a側から通水経路部105側に向けて延び、気泡BAの成長を促進させるガイド面として機能する水溜室10の内壁が設けられ、気泡供給手段は、空気導入口10aから導入した空気が形成する気泡BAをガイド面としての内壁に接触させた状態を保ちながら通水経路部105近傍まで導いている(図7及び図8参照)。
【0107】
空気と水の境界である気液界面は、空気と水それぞれが互いに作用させる力のバランスによって形成されるため変形しやすく、力のバランスが崩れると気液界面も崩れる。従って、気泡BAを成長させる期間である第一水流状態においては、空気と水とが接触する気液界面の面積を極力小さく保つことが、安定して気泡BAを成長させるために必要である。そこで、空気導入口10aから導入した空気が形成する気泡BAをガイド面としての内壁に接触させた状態を保つことで、空気導入口10a側から通水経路部105側にかけて気液界面の面積を減少させ、空気導入口10aと成長中の気泡BAとの連通状態を維持し、安定した気泡成長を促進することが可能となる。
【0108】
また本実施形態では、気泡供給手段は、第一水流状態における副水流WSsによって、空気導入口から導入した空気が形成する気泡BAをガイド面としての内壁に向けて押し付けながら通水経路部105近傍まで導いている(図7及び図9参照)。
【0109】
水溜室10内においては、噴流WSmが噴射口10bから吐出口NZaに向けて噴射されているため負圧が発生している。この負圧は水溜室10内に形成される気泡BAに作用するため、気泡BAはガイド面である壁面から引き離される力を受ける可能性がある。そこで、第一水流状態における副水流WSsによって気泡BAをガイド面としての壁面に向けて押し付けるので、負圧が作用しても気泡BAがガイド面としての壁面から引き離されることがなく、空気導入口10a側から通水経路部105側にかけて気液界面の面積を減少させ、空気導入口10aと成長中の気泡BAとの連通状態を維持し、安定した気泡成長を促進することが可能となる。
【0110】
また本実施形態では、気泡供給手段は、第一水流状態における副水流WSsによって、空気導入口10aから導入した空気が形成する気泡BAをその気泡BAに作用する浮力に抗する方向に押し付けながら通水経路部105近傍まで導いている(図9参照)。
【0111】
このように、成長中の気泡BAに作用する浮力と、その浮力に抗する方向に気泡BAを押し付けるように形成する副水流WSsとをバランスさせるので、安定して気泡BAを成長させることができる。例えば、第一水流状態における副水流WSsの流速がやや高めになったとしても、副水流WSsが気泡BAをガイド面としての壁面に押し付ける力の余剰分を気泡BAの浮力によって減じることができるので、副水流WSsによる過度の影響を排除することが可能になり、空気導入口10aと成長中の気泡BAとの連通状態を維持し、安定した気泡成長を促進することが可能となる。
【0112】
また本実施形態では、ガイド面は、気泡が押し付けられる第一面と、第一面を挟んで対向配置された第二面及び第三面を有するものである(図8参照)。このように、ガイド面を第一面と第二面と第三面とで構成するので、空気導入口10aから導入した空気が形成する気泡BAを、第一面に押し付けながら第二面及び第三面にも接触させることができる。従って、副水流WSsと気泡BAとが接触する気液界面の面積を減じることができ、空気導入口10aと成長中の気泡BAとの連通状態を維持し、安定した気泡成長を促進することが可能となる。
【0113】
また本実施形態では、前記副水流は、噴射口10bとは別個独立して形成されてなる副水流導入口10dから水溜室10内に導入されている。このように、噴射口10bとは別個独立して形成されてなる副水流導入口10dから副水流WSsを導入するので、噴射口10bから導入される水を分離して副水流WSsとする場合に比較して、副水流WSsの流速をより低速に制御することが容易になる。従って、空気導入口10aと成長中の気泡BAとの連通状態を維持し、安定した気泡成長を促進することが可能となる。
【0114】
また本実施形態では、副水流WSsは、噴流WSmと干渉しない状態で、空気導入口10aから導入した空気が形成する気泡BAをガイド面に押し付ける。このように、副水流WSsを噴流WSmと干渉しない状態で気泡BAに作用させるため、噴流WSmの作用によって副水流WSsが加速されることがない。従って、第一水流状態において副水流WSsが過度に加速され気泡BAを引きちぎることがなくなり、空気導入口10aと成長中の気泡BAとの連通状態を維持し、安定した気泡成長を促進することが可能となる。
【0115】
また本実施形態では、空気導入口10aの大きさは、空気導入口10aから導入した空気が形成する気泡BAが、第一水流状態における副水流WSsによっては空気導入口10aとの連通状態が断たれないような大きさとなるように設定されている。
【0116】
第一水流状態において気泡を成長する際に、気泡BAと副水流WSsとが接触すると、気泡BAは変形する。そこで、第一水流状態における副水流WSsによっては空気導入口10aとの連通状態が断たれないような大きさとなるように、空気導入口10aの大きさを設定しているので、副水流WSsの作用によって気泡BAが変形したとしても空気導入口10aと成長中の気泡BAとの連通状態を維持し、大気泡BAを供給することができる。
【0117】
また、本実施形態の気泡供給手段は、噴射口10bから水溜室10内を見たときに、噴射口10bの流路断面積よりも大きな断面積となる大気泡BAを生成するものであって、この大気泡BAを間欠的に形成して通水経路部105に供給することで、噴流WSmを加圧して加速させる第一状態と、噴流WSmを加速させない第二状態とを交互に繰り返し発生させる。
【0118】
この観点によれば、気泡供給手段が噴射口10bの流路断面積よりも大きな断面積となる大気泡BAを間欠的に形成するので、噴流WSmを加圧して加速させる第一状態と、噴流を加速させない第二状態とを交互に繰り返し発生させることができる。第一状態では、噴流WSmを加圧して加速させるので、噴流WSmの速度は増加しながら吐出口NZaに向かう。一方、第二状態では、噴流WSmを加速させないので、噴流WSmの速度は増加せずに吐出口NZaに向かう。従って、第一状態と第二状態とを交互に繰り返し発生させることで、吐出口NZaに向かう噴流WSmの速度を大きく変動させて吐水に大きな流速変動を与えることができ、吐水から着水までの距離が短い場合であっても充分に大きな水塊を形成することができる。
【0119】
また本実施形態では、第一状態において、通水経路部105に供給された大気泡BAよりも上流側から噴流WSmによって大気泡BAを加圧し、この加圧された大気泡BAがその下流側の噴流WSmを加圧して加速させている(図18参照)。このように、噴流WSmによって加圧された大気泡BAが更に下流側の噴流WSmを加圧するので、第一状態において噴流WSmがより加速され、噴流WSmの速度を大きく変動させて吐水に大きな流速変動を与えることができる。
【0120】
また本実施形態では、第一状態において、通水経路部105に供給された大気泡BAが吐出口NZaから排出される際に、吐出口NZaから吐出される噴流WSmを加圧して加速させている。このように、通水経路部105に供給された大気泡BAが吐出口NZaから排出される際に大気開放されて吹き出す力を利用し、吐出口NZaから吐出される噴流WSmを加圧して加速するので、第一状態において噴流WSmがより加速され、噴流WSmの速度を大きく変動させて吐水に大きな流速変動を与えることができる。
【0121】
また本実施形態では、第一状態において、通水経路部105に供給された大気泡BAが吐出口NZaに向かって排出される際に、水溜室10から吐出口NZaに向かう吐出管路103の水溜室側開口10cを覆う大きさとなるように大気泡BAを供給する。
【0122】
このように、水溜室10から吐出口NZaに向けて排出される際に水溜室側開口10cを覆う大きさとなるように大気泡BAが供給されるので、大気泡BAは抵抗なく排出されずに一時的に水溜室側開口10cから抵抗を受けながら排出される。従って、その過程において噴流WSmから大気泡BAが圧力を受け、大気泡BAの内部圧力が高まる。結果として、第一状態において噴流WSmが大気泡BAからより大きな圧力を受けて加圧され加速することになり、噴流WSmの速度を大きく変動させて吐水に大きな流速変動を与えることができる。
【0123】
また本実施形態では、第一状態において、通水経路部の水溜室側開口10c寄りに大気泡BAを供給することも好ましい。この好ましい態様では、大気泡BAを水溜室側開口10c寄りに供給するので、気泡BAが分裂することなく確実に大きな気泡のまま水溜室側開口10cに至る。従って、大気泡BAの内部圧力を確実に高め、第一状態において噴流WSmが大気泡BAからより大きな圧力を受けて加圧され加速することになり、噴流WSmの速度を大きく変動させて吐水に大きな流速変動を与えることができる。
【0124】
また、本実施形態における気泡供給手段は、空気導入口10aから導入した空気によって形成され水溜部106に一時的に留まる気泡である停留気泡としての気泡BAの大きさを変更するものであって、停留気泡としての気泡BAを大きくすることで水溜部106の水の容量を相対的に減少させる第一状態(図7参照)と、停留気泡としての気泡BAを小さくすることで水溜部106の水の容量を相対的に増加させる第二状態(図4参照)とを交互に繰り返し発生させることで、水溜室10内の圧力を変動させる。
【0125】
この観点によれば、気泡供給手段が水溜部106に一時的に留まる気泡である停留気泡としての気泡BAの大きさを変更するので、停留気泡としての気泡BAを大きくすることで水溜部106の水の容量を相対的に減少させる第一状態と、停留気泡としての気泡BAを小さくすることで水溜部106の水の容量を相対的に増加させる第二状態とを交互に繰り返し発生させることができる。このように、第一状態と第二状態とを交互に繰り返し発生させることで、水溜室10内の水圧を変動させ、吐出口NZaに向かう噴流WSmの速度を大きく変動させることが可能となり、吐水に大きな流速変動を与えることができる。従って、吐水から着水までの距離が短い場合であっても充分に大きな水塊を形成することができる。
【0126】
また本実施形態では、水溜部106内において旋回する副水流WSsを生成する旋回流生成手段を備え、旋回流生成手段は、水溜部106内の水の容量を変動させることで、旋回する副水流WSsの旋回径を変動させ、吐出口NZaからの吐出される噴流WSmの速度を変更する。このように、旋回流である副水流WSsの旋回径を変動させるので、副水流WSsが噴流WSmに影響を及ぼす態様が変動し、吐出口NZaからの吐出される噴流WSmの速度を変更することができる。
【0127】
また本実施形態では、停留気泡としての気泡BAが形成される形成位置である空気導入口10a及びその下方領域と、水溜部106に副水流WSsが入り込む流入位置である副水流導入口10dとが離隔配置されている。このように、停留気泡としての気泡BAが形成される形成位置である空気導入口10a及びその下方領域と、水溜部106に副水流WSsが入り込む流入位置である副水流導入口10dとが離隔配置されているので、停留気泡としての気泡BAの大きさや位置が急激に変動しても、旋回流である副水流WSsの軌道に与える直接的な影響を低減することができる。従って、噴流WSmの速度変動に与える影響も低減することができ、安定した変動態様の噴流WSmを吐出することができる。
【0128】
上述した本実施形態では、副水流WSsを形成するために副水流導入口10dを、噴射口10bとは別個独立して設けたけれども、副水流導入口10dを設けずに副水流WSsを形成することも好ましい態様である。この観点からの変形例について図22及び図23を参照しながら説明する。
【0129】
図22は、水溜室10に副水流WSsを形成する変形例としての水溜室10Lを示す図である。図23は、図22に示す変形例において副水流WSsの流れ方の変遷を説明するための図である。
【0130】
水溜室10Lは、水溜室10の副水流導入口10dを省略し、噴射口10bを拡径して噴射口10bLとしたものである。このように拡径した噴射口10bLを形成することで、噴流WSmの一部が方向転換し、分流WSdとして副水流WSsを形成する。
【0131】
図23の(A)に示すように、気泡BAが小さい段階では、水溜室10L内の圧力が低いため、分流WSdの分流量は比較的多く、副水流WSsの流量も大きくなる。一方、図23の(B)に示すように、気泡BAが大きくなると、水溜室10L内の圧力が高まり、分流WSdの分流量が低下し、副水流WSsの流量が低下する。
【0132】
図24は、水溜室10に副水流WSsを形成する変形例としての水溜室10Mを示す図である。水溜室10Mは、水溜室10の副水流導入口10dを省略し、水溜室側開口10cの一部を塞ぐように縮径部材10cMを設けたものである。このように構成することで、噴流WSmの一部が縮径部材10cMによって方向転換し、分流WSdとして副水流WSsを形成する。
【0133】
図25は、水溜室に大気泡排出抑制手段としての、縮径部材10cMaを設けた水溜室10Maを示す図である。水溜室10Maは、水溜室10の副水流導入口10dを省略し、水溜室側開口10cの一部を塞ぐように縮径部材10cMaを設けたものである。このように構成することで、大気泡排出抑制手段を、水溜室側開口10cの流路断面積を大気泡BAの断面積よりも小さくするという簡単な構成で実現できるので、簡便な構成で噴流WSmの周囲に大気泡BAを回りこませることができる。
【0134】
また、噴射口10bから噴射された噴流WSmが、水溜室10Maの内壁及び大気泡排出抑制手段である縮径部材10cMaと干渉することなく吐出口に進行するように構成されている。
【0135】
このように構成されていることで、噴流WSmが水溜室10Maの内壁や縮径部材10cMによって過度に進行方向が変えられてしまい、通水経路部105の吐水口側(水溜室側開口10c側)において水溜部106に大きな流れが発生することを抑制することができる。そのため、通水経路部105に供給され大気泡排出抑制手段である縮径部材10cMaの作用によって滞留する大気泡BAが、水溜部106に逆流することを抑制することができ、円滑な第一通水状態と第二通水状態との交互発生に寄与することができる。
【0136】
このように水溜室10Maでは、通水経路部105の噴射口10b寄りの位置に大気泡BAが供給され、縮径部材10cMaは、通水経路部105の吐水口(水溜室側開口10c側)寄りの位置で大気泡BAを一時的に滞留させるものである。
【0137】
このように、通水経路部105の噴射口10b寄りに大気泡BAを供給するので(図25の(A)参照)、その大気泡BAは噴射口10bから噴射される噴流WSmによって吐出口側(水溜室側開口10c側)に引き伸ばされる。従って、噴射口10b寄りに大気泡BAを供給するという簡便な方法で、大気泡BAを噴射口10b側から吐出口側(水溜室側開口10c側)までの長い範囲に存在させることができる。その結果、大気泡BAを貫通する噴流WSmの長さが長くなり、第一通水状態における噴流WSmの減速をより確実に回避することができ、第一通水状態を確実に実現することができるため、吐水に大きな流速変動を与えることができる。
【0138】
更に、通水経路部105の吐水口(水溜室側開口10c)寄りの位置で大気泡BAを一時的に滞留させるので(図25の(B)参照)、通水経路部105に供給された大気泡BAは吐水口(水溜室側開口10c)よりに移動しながら留まる。そのため、大気泡BAの供給部分である通水経路部105の噴射口10b寄りには大気泡BAが存在せず、次のサイクルの大気泡を通水経路部105に供給したとしても、前のサイクルの大気泡BAと接触し繋がることを抑制できる。従って、第一通水状態と第二通水状態とを確実に交互に発生させることができる。
【0139】
本実施形態では、通水抵抗の変動をより確実に起こさせることが、十分に大きな水塊を形成するために不可欠である。そのためには、第一通水状態において、噴射口10bの極めて近くから吐出口(水溜室側開口10c)の極めて近くまで大気泡BAが配置されることが必要となる。例えば、通水経路部105の長さが十分に確保できなかったり、噴流WSmの流速が高い場合には、通水経路部105に供給した大気泡BAが、第一通水状態を十分な時間形成するほど滞留出来なかったりといったことも想定される。
【0140】
そこで、噴流WSmの周囲に沿って移動する大気泡BAが吐出口側に移動する(水溜室側開口10cを超えて移動する)のを抑制し、大気泡BAを一時的に通水経路部105の周囲に滞留させる大気泡排出抑制手段としての縮径部材10cMaを設けている。このように大気泡排出抑制手段を設けることで、通水経路部105に供給された大気泡BAは、すぐに排出されることなく通水経路部105の周囲に留まる。そのため、噴流WSmの周囲にも大気泡BAが回り込みやすくなり、大気泡BAの中を噴流WSmが通る第一通水状態を確実に形成することが可能となり、第二通水状態と交互に第一通水状態が生じることで、吐水の流速変動を確実に発生させることができる。このように、吐出口に向かう噴流の速度を大きく変動させて吐水に大きな流速変動を与えることができ、吐水から着水までの距離が短い場合であっても充分に大きな水塊を形成することができる。
【0141】
図26は、水溜室に大気泡排出抑制手段としての、縮径部材10cMbを設けた水溜室10Mbを示す図である。水溜室10Mbは、水溜室10の副水流導入口10dを省略し、水溜室側開口10cの一部を塞ぐように縮径部材10cMbを設けたものである。このように構成することで、大気泡排出抑制手段を、水溜室側開口10cの流路断面積を大気泡BAの断面積よりも小さくするという簡単な構成で実現できるので、簡便な構成で噴流WSmの周囲に大気泡BAを回りこませることができる。
【0142】
また、噴射口10bから噴射された噴流WSmが、水溜室10Mbの内壁及び大気泡排出抑制手段である縮径部材10cMbと干渉することなく吐出口に進行するように構成されている。
【0143】
このように構成されていることで、噴流WSmが水溜室10Mbの内壁や縮径部材10cMbによって過度に進行方向が変えられてしまい、通水経路部105の吐水口側(水溜室側開口10c側)において水溜部106に大きな流れが発生することを抑制することができる。そのため、通水経路部105に供給され大気泡排出抑制手段である縮径部材10cMbの作用によって滞留する大気泡BAが、水溜部106に逆流することを抑制することができ、円滑な第一通水状態と第二通水状態との交互発生に寄与することができる。
【0144】
このように水溜室10Mbでは、通水経路部105の噴射口10b寄りの位置に大気泡BAが供給され、縮径部材10cMbは、通水経路部105の吐水口(水溜室側開口10c側)寄りの位置で大気泡BAを一時的に滞留させるものである。
【0145】
このように、通水経路部105の噴射口10b寄りに大気泡BAを供給するので(図26の(A)参照)、その大気泡BAは噴射口10bから噴射される噴流WSmによって吐出口側(水溜室側開口10c側)に引き伸ばされる。従って、噴射口10b寄りに大気泡BAを供給するという簡便な方法で、大気泡BAを噴射口10b側から吐出口側(水溜室側開口10c側)までの長い範囲に存在させることができる。その結果、大気泡BAを貫通する噴流WSmの長さが長くなり、第一通水状態における噴流WSmの減速をより確実に回避することができ、第一通水状態を確実に実現することができるため、吐水に大きな流速変動を与えることができる。
【0146】
更に、通水経路部105の吐水口(水溜室側開口10c)寄りの位置で大気泡BAを一時的に滞留させるので(図26の(B)参照)、通水経路部105に供給された大気泡BAは吐水口(水溜室側開口10c)よりに移動しながら留まる。そのため、大気泡BAが吐出口側に移動するのを抑制し、大気泡BAを噴射口10b側に伸長させるので、より確実に通水経路部105の噴射口10b側の端部に大気泡BAを供給することが可能となる。
【0147】
本実施形態では、通水抵抗の変動をより確実に起こさせることが、十分に大きな水塊を形成するために不可欠である。そのためには、第一通水状態において、噴射口10bの極めて近くから吐出口(水溜室側開口10c)の極めて近くまで大気泡BAが配置されることが必要となる。例えば、通水経路部105の長さが十分に確保できなかったり、噴流WSmの流速が高い場合には、通水経路部105に供給した大気泡BAが、第一通水状態を十分な時間形成するほど滞留出来なかったりといったことも想定される。
【0148】
そこで、噴流WSmの周囲に沿って移動する大気泡BAが吐出口側に移動する(水溜室側開口10cを超えて移動する)のを抑制し、大気泡BAを一時的に通水経路部105の周囲に滞留させる大気泡排出抑制手段としての縮径部材10cMbを設けている。このように大気泡排出抑制手段を設けることで、通水経路部105に供給された大気泡BAは、すぐに排出されることなく通水経路部105の周囲に留まる。そのため、噴流WSmの周囲にも大気泡BAが回り込みやすくなり、大気泡BAの中を噴流WSmが通る第一通水状態を確実に形成することが可能となり、第二通水状態と交互に第一通水状態が生じることで、吐水の流速変動を確実に発生させることができる。このように、吐出口に向かう噴流の速度を大きく変動させて吐水に大きな流速変動を与えることができ、吐水から着水までの距離が短い場合であっても充分に大きな水塊を形成することができる。
【0149】
更に、大気泡BAを、噴射口10bの近傍に供給する観点からは、図27に示す水溜室10Sの態様も好ましいものである。図27に示す水溜室10Sは、室を画定する壁10eS、壁10fS、壁10gS、壁10hSを設け、壁10hSを噴射口10bよりも上流側に配置している。
【0150】
このように大気泡BAのガイド面である壁10hSの通水経路部105側の端部を、噴流WSmの進行方向において噴射口10bよりも上流側に設けることは、大気泡BAを確実に通水経路部105の噴射口10b側端部に供給する観点から好ましいものである。
【0151】
大気泡BAは、通水経路部105の近傍に到達すると、噴射口10bから噴射される噴流WSmの影響を受けて、通水経路部105の吐出口(水溜室側開口10c)寄りに引っ張られる。そこで、ガイド面である壁10hSの端部を噴射口10bよりも上流側に設けることで、大気泡BAを噴射口10bよりも上流側にガイドし、より確実に通水経路部105の噴射口10b側の端部に大気泡を供給するものとしている。
【符号の説明】
【0152】
WA:局部洗浄装置(吐水装置)
WAa:本体部
WAb:便座
WAc:便蓋
WAd:リモコン
NZ:ノズル
NAa:吐出口
CB:大便器
JW:吐水
10:水溜室
10a:空気導入口
10b:噴射口
10c:水溜室側開口
10d:副水流導入口
101:空気管路
102:第一給水管路
103:吐出管路
104:第二給水管路
105:通水経路部
106:水溜部
PW:溜水
BA:気泡
WSm:噴流
WSs:副水流

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人体に向けて水を吐出する吐水装置であって、
水を供給する給水路と、
前記給水路から供給された水を下流側に向けて噴流として噴射する噴射口と、
前記噴射口の下流側に設けられ、前記噴流を外部に吐出する吐出口と、
前記噴射口と前記吐出口との間に設けられ、前記噴射口から前記吐出口に至る噴流が通過する経路である通水経路部及び前記通水経路部に隣接させて溜水を形成するための水溜部を有する水溜室と、
前記通水経路部に空気を泡状にした気泡を供給する気泡供給手段と、を備え、
前記気泡供給手段は、
前記水溜部内に空気を導入する空気導入口を有し、前記空気導入口から前記水溜部内に導入した空気を、前記空気導入口と連通した状態を維持しながら時間経過と共に泡状に大きく成長させ、その気泡が所定の大きさになった段階で大気泡として間欠的に前記通水経路部に供給するものであって、
更に、前記空気導入口から導入した空気が大気泡となって前記通水経路部に供給されるまでは、前記空気導入口と気泡とが連通した状態を維持することが可能な比較的低い流速の副水流を前記水溜部内に形成する第一水流状態と、前記空気導入口から導入した空気が大気泡となって前記通水経路部に供給されると、前記空気導入口から気泡を切り離すことが可能な比較的高い流速の副水流を前記水溜部内に形成する第二水流状態と、を交互に繰り返し発生させることを特徴とする吐水装置。
【請求項2】
前記水溜部には、前記空気導入口側から前記通水経路部側に向けて延び、気泡の成長を促進させるガイド面が設けられ、
前記気泡供給手段は、前記空気導入口から導入した空気が形成する気泡を前記ガイド面に接触させた状態を保ちながら前記通水経路部近傍まで導くことを特徴とする請求項1に記載の吐水装置。
【請求項3】
前記気泡供給手段は、前記第一水流状態における副水流によって、前記空気導入口から導入した空気が形成する気泡を前記ガイド面に向けて押し付けながら前記通水経路部近傍まで導くことを特徴とする請求項2に記載の吐水装置。
【請求項4】
前記気泡供給手段は、前記第一水流状態における副水流によって、前記空気導入口から導入した空気が形成する気泡をその気泡に作用する浮力に抗する方向に押し付けながら前記通水経路部近傍まで導くことを特徴とする請求項3に記載の吐水装置。
【請求項5】
前記ガイド面は、前記気泡が押し付けられる第一面と、前記第一面を挟んで対向配置された第二面及び第三面を有することを特徴とする請求項3に記載の吐水装置。
【請求項6】
前記副水流は、前記噴射口とは別個独立して形成されてなる副水流導入口から前記水溜部内に導入されることを特徴とする請求項3に記載の吐水装置。
【請求項7】
前記副水流は、前記噴流と干渉しない状態で、前記空気導入口から導入した空気が形成する気泡を前記ガイド面に押し付けることを特徴とする請求項6に記載の吐水装置。
【請求項8】
前記空気導入口の大きさは、前記空気導入口から導入した空気が形成する気泡が、前記第一水流状態における副水流によって前記空気導入口との連通状態が断たれないような大きさとなるように設定されていることを特徴とする請求項3に記載の吐水装置。
【請求項9】
前記ガイド面は、前記空気導入口の近傍と前記噴射口の近傍とが滑らかに繋がれている連続面を有することを特徴とする請求項3に記載の吐水装置。
【請求項10】
前記ガイド面は、前記空気導入口が開口している方向に沿って設けられていることを特徴とする請求項3に記載の吐水装置。
【請求項11】
前記空気導入口は、前記通水経路部から離隔し、且つ前記噴流の進行方向において上流側に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の吐水装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図21】
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【公開番号】特開2013−47434(P2013−47434A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−27613(P2012−27613)
【出願日】平成24年2月10日(2012.2.10)
【出願人】(000010087)TOTO株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】