説明

向上した安定性のプロゲストーゲン製剤

低含有量のプロゲストーゲンを含有するホルモン置換療法の準備において、当該プロゲストーゲン成分の安定性を、非セルロース結合剤に代えてセルロース結合剤、例えばヒドロキシプロピルセルロースを使用することによって向上することが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、プロゲストーゲン含有医薬製剤に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
プロゲストーゲンは、治療薬、例えば、ホルモン置換療法における治療薬、並びに避妊のためおよび骨粗鬆症の治療ための成分などとして広い使用範囲を有している。それにも拘わらず、多様な種類の組み合わされたエストロゲン/プロゲストーゲン投与には危険をも含むという認識が増えており、これらのホルモンをより低い容量で送達する製品を製造するための試みが増えている。残念ながら、製剤におけるステロイド成分の濃度を低くすることは、ある程度の安定性の低下および/または当該成分の回収性の低下が生じ可能性がある。
【0003】
例えば、当該分野の一般的な状況を明らかにする文書の例は、以下の特許および特許出願である:EP337,938 A2;EP 787,488 A1;EP 1,334,724 A1;US 5,770,227;US 6,284,263 B1;US 2002/0168412 A1;および US 2003/0077297 A1に記載されている。
【発明の開示】
【0004】
従って、当該技術において、そのプロゲストーゲン成分が許容可能な安定性を示すプロゲストーゲンを含有する改善された製剤が必要である。
【0005】
このため、本発明の1つの目的は、良好な高安定性を有する低含量のプロゲストーゲンを含有する製剤を提供することである。
【0006】
発明の概要
本発明は、(i)プロゲストーゲンと(ii)セルロース結合剤を含有する医薬製剤であって、全製剤に相対して約1.5%(重量/重量(以下、w/wと記載する))以下のノルエチステロンアセテート(以下、NETAと記載する)を含有する、例えば、約0.05%〜約1.5%(w/w)のNETAまたは同等量の非NETAプロゲストーゲンを含有する製剤を提供する。異なる態様において、当該製剤は、約0.75%、約0.5%、約0.25%または約0.1%(w/w)よりも少ないNETAを全製剤に相対して含有してもよく、例えば、約0.05〜0.75%;0.05〜0.5%;0.05〜0.25%;0.05〜1.5%;0.1〜0.75%;0.1〜0.5%;0.1〜0.25%;0.25〜0.75%;0.25〜0.5%などのNETAまたは同等量の非NETAプロゲストーゲンを含有してもよい。他の側面において、本発明は、(i)プロゲストーゲンと(ii)セルロース結合剤を含有する医薬製剤であって、単位剤形当り0.5mg以下のNETAを含有する医薬製剤、これに限定するものではないが、例えば、単位剤形当り0.4、0.3、0.25、0.2、0.1または0.05 mg以下のNETA、例えば、約0.05〜0.5 mg;0.05〜0.4 mg;0.05〜0.3 mg;0.05〜0.25 mg;0.05〜2.0 mg;0.05〜0.1 mg;0.1〜5 mg;0.1〜0.4 mg;0.1〜0.3 mg;0.1〜0.25 mg;および0.1〜0.2 mgのNETAまたは同等量の非NETAプロゲストーゲンなどを含む医薬製剤を提供する。これらの態様において、典型的には、単位剤形は、ペレット、錠剤、またはカプセルであり、(カプセルまたはコーティングを除く)総重量として約25〜125mgを有する。
【0007】
好ましくは、プロゲストーゲン成分の安定性は、そこにおいて非セルロース結合剤が対応する量のセルロース結合剤で置換されている対応する製剤におけるプロゲストーゲンの安定性に関して増強される。態様の1つの系列において、当該プロゲストーゲン成分の安定性は、当該ポリビニルピロリドンを対応量のヒドロキシプロピルセルロースで置換された対応する製剤におけるプロゲストーゲンの安定性に関して増強される。更なる系列の態様において、プロゲストーゲン成分の安定性は、ゼラチンが対応量のヒドロキシプロピルセルロースで置換された対応する製剤におけるプロゲストーゲンの安定性に関して増強される。
【0008】
本発明における使用のための非限定的例である適切なセルロース結合剤は、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース(例えば、タイロース(登録商標))、エチルセルロース(例えば、エトセル(登録商標))、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)(Shin-Etsu Chemical Co.、Ltd.)、およびヒドロキシプロピルセルロース(例えば、クルセル(登録商標))を含む。
【0009】
ある態様において、当該製剤は、以下の表Iに記述の組成を有する:
【表1】

【0010】
他の側面において、本発明は、医薬製剤のプロゲストーゲン成分を安定化する方法、特にNETAが全製剤に相対して約1.5%w/w以下の濃度(例えば、約0.05〜1.5%w/w)で存在する製剤、またはNETAまたは同等量の非NETAプロゲストーゲンが、単位剤形当り約0.5mg以下の量で存在する製剤において安定化する方法を提供する。当該方法は、当該プロゲストーゲンと安定化効果量のセルロース結合剤を接触させることにより達成される。安定効果量は、当該プロゲストーゲン成分の有効期間を長くする結合剤の量である。本発明に従う製剤の安定性は、前記製剤におけるプロゲスチンの安定性と、セルロース結合剤をポリビニルピロリドンの同量により交換されたことだけが異なる同一の製剤におけるプロゲスチンの安定性とを比較することによって決定できる。都合よくは、そのような試験は、温度が40℃、且つ相対湿度が75%で行われ、および安定性の分析は、0、3、および6ヶ月後に行われる。都合よくは、当該安定性は、約5%またはそれ以上に増強(または向上)される。
【0011】
更なる側面において、本発明は、プロゲストーゲン反応性症候群の治療のための方法であって、そのような治療を必要とする患者に対して、本発明の製剤の当該症候群を治療するために有効な量を投与することにより実施する方法を提供する。
【0012】
発明の詳細な説明
本発明は、プロゲストーゲンを含む医薬品の改良された製剤に関する。そのような製剤は、例えば、経口、経膣または経皮的に投与され得る。本発明者は、プロゲストーゲン含有製剤における1以上のセルロース結合剤の使用が、従来の製剤に比較して、より優れた安定性および/または回収性の活性成分を提供すること、特に、当該製剤が、NETAを当該組成物の総重量に相対して約1.5%w/w以下の濃度で含有する場合に、例えば、約0.5mg以下のNETA、または同等量の非NETAプロゲストーゲンを例えば錠剤またはカプセルなどの従来の単位剤形中に含有する場合に提供することを見出した。幾つかの態様において、当該製剤におけるNETAの含有量は、全製剤に相対して約 0.75%、0.5%、0.25%または0.1% w/wよりも多くなく、例えば、約0.05〜0.75%、0.05〜0.5%、0.05〜0.25%、0.05〜1.5%;0.1〜0.75%;0.1〜0.5%;0.1〜0.25%;0.25〜0.75%;0.25〜0.5%w/wのNETA、または同等量の非NETAプロゲストーゲンである。ある態様においては、当該製剤におけるNETAの含有量は、単位剤形当り約0.4mgよりも少なく、これに限定するものではないが、単位剤形当り約0.3、0.25、0.2、および0.1 mg以下のNETA、例えば、単位剤形当り約0.05〜0.5mg;0.05〜0.4mg;0.05〜0.3mg;0.05〜0.25mg;0.05〜2.0mg;0.05〜0.1mg;0.1〜0.5mg;0.1〜0.4mg;0.1〜0.3mg;0.1〜0.25mg;および0.1〜0.2mgのNETAまたは同等量の非NETAプロゲストーゲンを含む。
【0013】
ここで使用される安定性および/または回収性とは、温度および湿度について予め決定された条件下での貯蔵間隔の後に、製剤における当該プロゲストーゲン活性成分を、典型的にはHPLCにより、検出できる能力をいう(例えば、以下の例1を参照されたい)。
【0014】
ここで使用されるプロゲストーゲンは、プロゲストーゲン受容体に結合し、プロゲステロンの(progestatioanl)効果を誘導する何れかの薬物を含む。プロゲストーゲンは、これに限定するものではないが、全ての公知のプロゲストーゲンおよびプロゲステロンの誘導体、またはプロゲストーゲン活性を有するテストステロンを含む。当該公知の合成プロゲストーゲンは、主に、17α-ヒドロキシプロゲステロン、または19-ノルテストステロン(nortestosterone)の誘導体である。これらのプロゲストーゲンは、3つのグループ:プレグナン(pregnane)、エストラン(estrane)およびゴナン(gonane)誘導体:に分類できる。17α-ヒドロキシプロゲステロンに由来する当該プレグランプロゲストーゲンは、例えば、メドロキシプロゲステロンアセテート、クロルマジノンアセテート、メゲストロールアセテート、およびシプロテロンアセテートを含む。19-ノルテストステロンから派生するエストランは、ノルエチンドロン、ノルエチノドレル、リネストレノール、ノルエチンドロンアセテート(NETA)、エチノジオールアセテート、およびノルエチンドロンエナンテートを含む。当該ゴナンは、基本的なエストラン構造から、当該分子の13位のエチル基の付加を伴って誘導される。このグループの薬物は、例えば、ノルゲストレル(-デキストロ(-dextro)および-リーボ(-laevo))、ノルゲスチメート、デソゲストレル、およびゲストデンを含む。加えて、プロゲストーゲンの非限定的な例には、オサテロン、ジエノゲスト、クロルマジノンアセテートおよびドロスピレノンを含む。
【0015】
非NETAプロゲストーゲンの量がNETAと同等であることを測定するための1方法は、子宮内膜において同じ活性を与える量を決定することである。これは子宮内膜変換用量と命名される。女性において経口投与されたプロゲステロンの効力の評価は、以下の文献に記載される通りに行い得る(Fertility and Sterility 46 (1986)、1062 et seq.)。子宮内膜変換用量の例は、1mgのNETA = 5mgのメドロキシプロゲストーゲンアセテートであり、1mgのNETA = 1mgのシプロテロンアセテートである。他の数値は当該文献から公知である。
【0016】
プロゲストーゲンは、薬学的に許容される塩として、これに限定するものではないが、例えば、生理的に許容される陰イオンを形成する酸と形成される有機酸付加塩、例えば、トシレート、メタネスルホネート、アセテート、シトレート、マロネート、タータレート、スクシネート、ベンゾエート、アスコルベート、α-ケトグルタレートおよびα-グリセロホスフェートなどを含む塩として製剤化され得る。適切な無機塩は、また、これに限定するものではないが、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、炭酸水素塩、および炭酸塩などを含み、形成されてもよい。
【0017】
本発明の好ましい態様において、当該プロゲストーゲンは、19-ノルテストステロン誘導体、好ましくはノルゲストレル、ラエボノルゲステレル(laevonorgestrel)、NETまたはNETAである。
【0018】
本発明のもう1つの好ましい態様において、当該プロゲストーゲンは、可溶性のエステルまたはノルエチンドロンの塩、好ましくは可溶性エステル、より好ましくはNETA、またはノルエチンドロンエナンテートである。
【0019】
本発明の更なる好ましい態様において、当該プロゲストーゲンはNETAである。
【0020】
本発明の実施においてプロゲストーゲン含有製剤が、プロゲストーゲンとセルロース結合剤とを接触することにより製造される。当該結合剤は、これに限定するものではないが、1以上のメチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース(例えば、タイロース(登録商標))、エチルセルロース(例えば、エトセル(登録商標))、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)(Shin-Etsu Chemical Co.、Ltd.)、およびヒドロキシプロピルセルロース(例えば、クルセル(登録商標))などを含んでよい。錠剤製剤のためには、結合剤を当該粉末に十分な粘着を与え、通常の処理、例えば、サイジング、潤滑、加圧、フィルムコーティングおよびパッケージングなどを可能にするが、更にまた、当該錠剤の崩壊も可能にし、当該組成物の摂取時の溶解を可能にする。本発明において、当該セルロース結合剤は、また、当該プロゲストーゲン活性成分に対して高い安定性および/または回収性を与える。典型的には、本発明の当該プロゲストーゲン含有製剤は、1以上のセルロース結合剤を、単位剤形の総重量の約0.5%〜約25%、例えば、約0.75%〜約15%、または約1.5%〜約10%の範囲で含む。
【0021】
本発明の1態様に従うと、当該セルロース結合剤は、約30,000〜約1,500,000、好ましくは約50,000〜約150,000の範囲の分子量を有するヒドロキシプロピルセルロースである。
【0022】
本発明の1態様に従うと、当該セルロース結合剤は、ヒドロキシプロピルセルロース、好ましくは欧州薬局方および/またはアメリカ国民医薬品集の要求を満たすヒドロキシプロピルセルロースである。
【0023】
本発明の1態様において、当該プロゲストーゲンはNETA、結合剤はクルセル(登録商標)、および単位剤形は錠剤であって、約0.1〜約0.25mgのNETAおよび約3.2mgのクルセル(登録商標)を含む(総錠剤量=80〜85mg)。
【0024】
本発明の当該製剤は、任意の1以上の希釈剤を含んでよい。適切な希釈剤は、これに限定するものではないが、個々にまたは組み合わせにおいてかの何れかで、乳糖USP;乳糖USP、無水物;乳糖USP、スプレードライ;デンプンUSP;直接的加圧可能なデンプン;マンニトールUSP;ソルビトール;デキストロース一水和物;微視結晶性セルロースNF;二塩基性カルシウムホスフェート二水和物 NF;スクロースベース希釈剤;菓子用糖;一塩基性カルシウムホスフェート一水和物;カルシウムスルフェート二水和物 NF;カルシウムラクテート三水和物顆粒NF;デキストレート(dextrates NF(例えば、エムデックス(登録商標));セルタブ(登録商標);デキストロース(例えば、セレロース(Cerelose(登録商標)));イノシトール;加水分解穀類固体、例えば、マルトロンズ(Maltrons(登録商標))および゜モルレックス(Mor-Rex(登録商標));アミロース;レクセル(Rexcel(登録商標));カルシウムカルボネート;グリシン;ベントナイトなどを含む。当該製剤は、典型的には、1以上の希釈剤を総重量の約5%〜約99%、好ましくは約25%〜約90%、およびより好ましくは約40%〜約80%の範囲で含む。
【0025】
本発明の当該製剤は、任意に1以上の崩壊剤を含んでよく、特に錠剤製剤のために含んでよい。適切な崩壊剤は、これに限定するものではないが、個々にまたは組み合わせにおいてかの何れかで、デンプン;ナトリウムスターチグリコレート(sodium starch glycolate);粘土(例えば、ヴィーガム(Veegum(登録商標))HV);アルギネート;アルファ化トウモロコシデンプン(例えば、ナショナル(National(登録商標))1551およびナショナル(登録商標)1550など);およびゴム質(例えば、寒天、グアール(guar)、イナゴマメのさや(locust bean)、カラヤ(Karaya(登録商標))、ペクチン、およびトラガカントゴム(tragacanth))を含んでよい。崩壊剤は、当該医薬組成物の製造中の何れかの適切な工程で添加でき、特に、顆粒化の前、または加圧前の潤滑工程において添加できる。本発明の医薬組成物は、1以上の崩壊剤を、当該組成物の総重量の約5%〜約99%、好ましくは約25%〜約90%、およびより好ましくは約40%〜約80%で含まれる。
【0026】
本発明の製剤は、任意に1錠の滑沢剤および/またはグリダント(glidants)を担体物質として含む。適切な滑沢剤および/またはグリダントは、これに限定するものではないが、個々にまたは組み合わせにおいてかの何れかの、例えば、滑沢剤および/またはグリダントとして、グリセリルベヘネート(glyceryl behenate(コンプリトール(Compritol(登録商標))888);金属性のステアレート(例えば、マグネシウム、カルシウムおよびナトリウムステアレート);ステアリン酸;水素付加植物油(例えば、ステロテックス(Sterotex(登録商標)));タルク;蝋;ステアロワット(Stearowet(登録商標));ホウ酸;安息香酸ナトリウムおよび酢酸ナトリウム;塩化ナトリウム;DL-ロイシン;ポリエチレングリコール(例えば、カルボワックス(Carbowax(登録商標))4000およびカルボワックス(登録商標)6000);オレイン酸ナトリウム;安息香酸ナトリウム;酢酸ナトリウム;ラウリル硫酸ナトリウム;ステアリン酸ナトリウム(Pruv.TM.);およびラウリル硫酸マグネシウムを含む。本医薬組成物は、1以上の滑沢剤を、当該組成物の総重量の約0.1%〜約10%、好ましくは約0.2%〜約8%、より好ましくは約0.25%〜約5%で含む。ステアリン酸マグネシウムは、加圧中の装置と顆粒の間の摩擦を減らすために使用される好ましい滑沢剤である。
【0027】
タルクは、好ましい抗粘着剤またはグリダント剤であり、使用により装置表面への固着を減少し、また混合における静止を減少する。当該組成物は、好ましくは、タルクを、当該組成物の総重量の約0.1%〜約10%、より好ましくは約0.25%〜約5%、および更により好ましくは約0.5%〜約2%で含む。
【0028】
本発明の当該製剤は任意に1以上の湿潤剤を含み、特に錠剤製剤のために含む。適切な湿潤剤は、個々にまたは組み合わせにおいてかの何れかで、そのような湿潤剤として、例えば、オレイン酸;モノステアリン酸グリセリン;モノオレイン酸ソルビタン;モノラウリン酸ソルビタン;トリエタノールアミンオレエート;ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート;オレイン酸ナトリウム;およびラウリル硫酸ナトリウムなどを含む。湿潤剤が陰イオン性界面活性剤であることは好ましい。本発明の当該製剤は、典型的には、1以上の湿潤剤を、当該組成物の総重量の約0.1%〜約15%、好ましくは約0.25%〜約10%、およびより好ましくは約0.5%〜約5%で含む。
【0029】
他の担体物質(例えば、着色剤、香味剤および甘味料など)および投与方法は、製薬分野において公知であり、それらを本発明の当該製剤の製造において使用することが可能である。
【0030】
1態様において、本発明に従う当該製剤は、欧州薬局方第4版、2002、項目2.2.32、試験Cに従って、試験された場合、質量(w/w)の15%より多くは、好ましくは10%より多くは損失しない。
【0031】
もう1つの好ましい態様において、本発明に従う当該製剤は、欧州薬局方第4版、2002、項目2.9.1、試験Aで試験されたとき、2時間、好ましくは1時間、より好ましくは30分、より好ましくは15分以内で崩壊する。
【0032】
剤形およびコーティング剤
ここで使用される剤形とは、対象に対して投与するための準備の整った製剤を言う。本発明の実施において、プロゲストーゲン含有組成物は、錠剤、丸剤、硬または軟カプセル、菱形剤(lozenges)、カシュ剤、分配し得る散剤、顆粒剤、ビードレット、ペレット、懸濁剤、エリキシル剤などのように製剤化されてもよい。本発明は、また、多層錠剤を包含し、ここで、問題の層は、包含される異なる薬物、並び粉末、ペレット、および顆粒に相当してもよい。当該粉末、ペレットおよび顆粒は、適したポリマーまたは従来のコーティング材料でコーティングされて、例えば、胃腸管におけるより顕著な安定性を達成し、所望の放出速度を達成し、または安定性の改善された製品が達成されてもよい。更に、当該粉末、ペレットまたは顆粒を含有するカプセルが更にコーティングされてもよい。当該錠剤、またはカプセル型の錠剤もまた、投薬の分配を促進することで評価される。或いは、本発明の剤形は、単位剤形であってもよく、ここで当該剤形は、1投与当りで1治療用投与量を送達することを意図する。
【0033】
好ましくは、当該組成物は、予め決定された量の当該活性成分を含む分離された投与量単位、例えば、錠剤、またはカプセルに製剤化される。単位剤形は、錠剤またはカプセルが好ましい。
【0034】
コーティングは、典型的には、フィルムを形成する1以上の化合物、並びに1以上の可塑剤を含む。
【0035】
フィルム形成化合物は、これに限定するものではないが、セルロース化合物、例えば、ヒドロキシプロピル メチルセルロース、エチルセルロース、メタクリレート、セルロースアセテートホスフェート、ポリビニルアセテートフタレート、蝋、およびシリコーンエラストマーを含む。
【0036】
好ましい態様において、当該セルロースコーティングは以下からなる群より選択される;メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、好ましくはタイロース(登録商標)、エチルセルロース、好ましくはエトセル(登録商標)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(ここではHPMCと称す)、およびヒドロキシプロピルセルロース、好ましくは クルセル(登録商標)。
【0037】
可塑剤は、これに限定するものではないが、グリセリン、グリセロールトリアセテート、プロピレングリコール、ポリエチレングリコシル(polyethylene glycosl)、トリアセチン、クエン酸トリエチル、アセチル化モノグリセリド マクロゴール6,000などが含まれる。
【0038】
1側面において、本発明は、プロゲストーゲン含有の錠剤であって、当該錠剤の総重量に相対して1.5〜5%w/w、例えば、1.5%、2%、2.5%、3%、3.5%、4%、4.5、および5% w/wなどのセルロースフィルム形成化合物でコーティングされているプロゲストーゲン含有の錠剤を提供する。これらの態様において、当該製剤のプロゲストーゲン含有量は、(i) 全製剤に相対して約 0.75%、0.5%、0.25%または 0.1% w/w以下、例えば、約0.05〜0.75%、0.05〜0.5%、0.05〜0.25%、0.05〜1.5%;0.1〜0.75%;0.1〜0.5%;0.1〜0.25%;0.25〜0.75%;0.25〜0.5% w/wなどであり、または(ii)1錠剤当り約 0.4 mg未満、これらに限定するものではないが、1錠剤当り約0.3、0.25、0.2、および0.1mg以下のプロゲストーゲン、例えば、1錠剤当り約0.05〜0.5mg;0.05〜0.4mg;0.05〜0.3mg;0.05〜0.25mg;0.05〜2.0mg;0.05〜0.1mg;0.1〜0.5mg;0.1〜0.4mg;0.1〜0.3mg;0.1〜0.25mg;および0.1〜0.2mgを含む。
【0039】
1態様において、当該製剤は、0.1〜0.25mgのNETAおよび3.2 mgのクルセル(登録商標)(錠剤総重量=80〜85mg)を含み、且つ3%のメチルヒドロキシプロピルセルロースE3(総重量 約2.3mg/錠剤)でコーティングされた錠剤である。
【0040】
本発明の当該製剤は、顆粒化および錠剤化の通常の手段、これに限定するものではないが、例えば、湿式顆粒化および錠剤化、それに続くフィルムコーティング、または直接加圧とそれに続くフィルムコーティングを含む通常の手段を使用して製造されればよい。
【0041】
典型的には、当該錠剤工程は、錠剤化に適した顆粒を、薬物、結合剤および任意の崩壊剤および賦形剤を含む混合物を混合すること;予め決められた量の水または顆粒化流体を添加し、ウェットマスブレンド(wet mass blend)を形成すること;当該ウェットマスブレンドをサイジングして顆粒にして乾燥を助けること;当該湿顆粒を乾燥し、過剰な湿気を除去すること;乾燥した顆粒をサイジングして錠剤化に適した顆粒にすること、および滑沢剤、1以上の賦形剤、1以上の乾燥結合剤、任意の崩壊剤および当該顆粒を錠剤化するために必要な他の賦形剤を添加すること:およびフィルムコーティング工程を具備する。
【0042】
本発明の製剤を製造するための方法は、当該技術分野において周知であり、例えばレミングトン(Remington、第19版、Vol. II、Chapter 92、(Mack Publishing Company、Easton PA、1995))で見つけることが可能である。
【0043】
他の活性成分
プロゲストーゲンに加えて、本発明の製剤は、1以上の更なる活性成分を含んでもよく、これに限定するものではないが、そのような活性成分はエストロゲン、2次プロゲストーゲン産物、アンドロゲン剤、アンドロゲンアゴニスト、プロゲストーゲンアゴニスト、エストロゲンアンタゴニストまたは他のホルモン産物を含む。エストロゲンは、これに限定するものではないが、例えば、エチニルエストラジオール、メストラノール(mestranol)、複合ウマエストロゲン(conjugate equine estrogen)、エストロン、エストラジオール、エステル化エストロゲン、エストロピペイト(estropipate)、および他のエストロゲン等価物およびエストロゲンアゴニストを含んでよい。
1態様において、当該製剤は、0.5mgのエストラジオールに加えて、0.1、または0.25 mgのNETAを含む錠剤である。
【0044】
安定化の方法
本発明はまた、医薬組成物、特に乾燥組成物、例えば錠剤など、そこにおいて、当該プロゲストーゲンが当該組成物の総重量に相対して1.5%w/w以下の割合で存在する医薬組成物において、プロゲストーゲン活性成分を安定化するための方法であって、当該プロゲストーゲンをセルロース結合剤、例えば、当該組成物の総重量の約0.5%〜約25%、例えば、約0.75%〜約15%、または約1%〜約10%などで含まれるようなセルロース結合剤と接触することによって実行される方法を提供する。適切なセルロース結合剤の非限定的な例は、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース(例えば、タイロース(登録商標))、エチルセルロース(例えば、エトセル(登録商標))、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)(Shin-Etsu Chemical Co.、Ltd.)、およびヒドロキシプロピルセルロース(例えば、クルセル(登録商標))を含む。しかしながら、当該製剤に対して増強された安定性および/または回収性を与えるような何れのセルロース結合剤も使用され得ることは理解されるであろう。典型的には、本発明に従う希薄プロゲストーゲン製剤におけるセルロース結合剤の使用は、少なくとも約5%、好ましくは約10%、より好ましくは約25%、および最も好ましくは約50%の増強(即ち、向上)が、安定性/回収性の1以上のパラメーターにおいて生ずる。
【0045】
安定性/回収性の典型的なパラメータは、(ヒトへの使用のための医薬品登録のための技術的要求のハーモナイゼーション国際会議(the International Conference on Harmonisation of Technical Requirements for Registration of Pharmaceuticals for Human Use)によって推奨されているように)有効期間であり、これは薬物製品が認められた有効期限規格の範囲内で残存すると予期される期間として限定される。ICHガイドラインが提供しているところによると、加速試験は、40℃、75%相対湿度で6ヶ月間の期間に亘り実施されてよく、薬物濃度の有意な変化は、加速試験条件における初期アッセイ値から約5%である。一連の態様において、当該プロゲストーゲン成分の安定性は、対応する製剤であって、そこにおいてポリビニルピロリドンが対応量のヒドロキシプロピルセルロースと置き換わった製剤におけるプロゲストーゲンの安定性に関して向上する。他の一連の態様において、プロゲストーゲン成分の安定性は、対応する製剤であって、そこにおいて、ゼラチンが対応量のヒドロキシプロピルセルロースと置き換わった製剤におけるプロゲストーゲンの安定性に関して向上する。これらの2つの最後に言及した試験において、当該プロゲストーゲン成分の安定性は、少なくとも5%、好ましくは少なくとも10%、より好ましくは少なくとも15%向上する。
【0046】
もう1つの側面において、本発明は、医薬組成物、特に乾燥組成物、例えば錠剤など、そこにおいて、当該プロゲストーゲンが、当該組成物の総重量に相対して1.5%w/w以下の割合で存在する組成物において、プロゲストーゲン活性成分を安定化する方法を提供するものであり、当該方法は、当該プロゲストーゲン含有剤形が、当該錠剤の総重量に相対して0.5〜5%w/w、例えば、1.5%、2%、2.5%、3%、3.5%、4%、4.5、および5% w/wのセルロースフィルム形成化合物でコーティングされることによって実施される。
【0047】
治療方法
本発明は、また、プロゲストーゲン反応性症候群の治療のための方法、例えば、ホルモン置換療法などを含む。また、プロゲストーゲン投与の他の様式、例えば、避妊および骨粗鬆症の治療などの他の様式も含まれる。当該方法は、上記の所望の製剤を、プロゲストーゲン(または、プロゲストーゲンおよび他の活性成分、例えば、エストロゲンなどの組み合わせ)を必要とする対象に対して投与することにより実施される。プロゲストーゲン反応性症候群は、これに限定するものではないが、非受容性子宮に関連する不妊症、月経前緊張、排卵、原発性月経困難症および子宮内膜症、習慣性流産、ピックウィック症候群における呼吸抑制、続発性無月経、機能障害性子宮出血、子癇前症および妊娠中毒症、性的インファンティリズム、および閉経後症状を含む。
【0048】
本発明の製剤は、それ自身公知の様式において投与され、例えば、医師の指示に従い投与される。都合のよい投与方法は、経口経路を介する(経口による)。
【0049】
出版物、特許出願および特許などの全ての参照文献は、引用によりここにその全体が組み込まれ、また、各参照文献が個々にまたは引用により組み込まれるべきと特に指示されるものも同様な範囲にまで組み込まれ、(法律により許される最大の範囲で)その完全なものがここに組み込まれる。
【0050】
ここに言及された参照文献は、それが従来技術を構成することを承認するものではない。
【0051】
全ての表題および副題は、便宜的な目的においてのみここで使用され、どのようにであっても本発明を制限するとは解釈されるべきではない。
【0052】
ここでの用語「含む(comprise)」は、広義の意味「含む(include)」、「含む(contain)」または「包含する(comprehend)」であると解釈されるべきである(例えば、欧州特許庁審査ガイドライン(Guidelines for Examination in the European Patent Office、Part C、Chapter III、4.13)を参照されたい)。
【0053】
ここに提供される何れかの例および全ての例または例示的な文言(「例えば」、「など」)の使用は、単に本発明をより明らかにすることを意図しており、他に断りのない限り、本発明の範囲を制限するものではない。本明細書における何れの文言も本発明を実行するために必要な何れの権利請求していない成分は指示していないとは解釈されるべきでない。
【0054】
ここにおける引用および特許文書を組み入れることは、便宜的にのみ行われるものであり、バリディティ、特許権および/またはそのような特許文献の実施の何れの点にも反映するものではない。
【0055】
本出願は、全ての改変およびこの文書に添付の特許請求の範囲において列挙された内容の適用可能な法律により許される通りの等価物を含む。
【実施例】
【0056】
例1:低用量製剤におけるNETAの増強された安定性
この試験の目的は、(i)異なる結合剤の効果、および(ii)低用量製剤におけるNETAの安定性における異なるコーティングの効果を比較することである。
【0057】
以下の表IIは、被検製剤を説明する。
【表2】

【0058】
2つの異なる結合剤を試験した:ポリビドン(登録商標)VA 64(ポリビニルピロリドン、BASF、ドイツ);およびクルセル(登録商標) EF Pharm (ヒドロキシプロピルセルロース、Aqualon、USA)。
【0059】
錠剤化およびコーティング:2つの結合剤を含む錠剤を;流動床顆粒化、ロータリープレスでの加圧、コーティングパンにおいてエアアトマイジングスプレーシステムを使用したフィルムコーティング;により形成した。フィルムコーティングのために、1%または3%のメトセル(Methocel)E3を使用した。最終的な錠剤は、以下の表IIIおよびIVにおいて言及されるフィルムコーティング成分を含んでいた:
【表3】

【表4】

【0060】
パッケージング:コーティングに続き、各錠剤のバッチはカレンダーダイヤルパック(「ディスペンサー」)に包装された。
【0061】
安定性試験:パッケージングされた製品は40℃±2℃、75%±5%の相対湿度(以下、RHと記載する)で6ヶ月間貯蔵された。当該製品は、6ヶ月間に亘り、分析試験に供された。統計学的な分析は、0、3および6ヵ月後の分析が基となった。試験開始後6ヶ月で、製品は、HPLCを使用した分析試験に供され、NETAおよびエストラジオールの検出が行われた。
【0062】
結果:
40℃で75%RHの貯蔵条件での6ヶ月までの試験結果に関する統計学的評価を行った。製剤における相違を、NETAの分解速度(勾配)を比較することにより評価した。NETAの分解は、結合剤とフィルムコーティング量の両方に依存していることが明らかとなった。フィルム形成材の種類(メトセルE3またはE5)は、分解に対する顕著な影響はなかった。
【0063】
40℃、75RHで、NETAアッセイで生じた顕著な変化(5%)までの月数を、分解速度を基に計算した(「新規薬物および薬物製品の安定性試験」(ICH Q1 A(R2) ‘Stability Testing of New Drug Substances and Products’)を参照されたい)。
【0064】
25℃での分解速度に相当する推定値は、「医薬品の化学的安定性」の原理に従うアレニウス式を使用して計算した(‘Chemical Stability of Pharmaceuticals. A Handbook for Pharmacists’ Connor、K.A.、Amidon、G. L. およびKennon、L. John Wiley & Sons、New York、1978)。次に、分解速度を使用して、25℃で生じるNETAの顕著な変化までの月数を計算した。
【0065】
その結果を以下の表Vに示す。
【表5】

【0066】
当該結果は、クルセルEFは、NETA安定性の向上においてポリビドンよりも優れており、3%フィルムコーティングが1%のものよりも優れていることを示している。
【0067】
当該結果は、(i)セルロース結合剤は、ポリビドンよりもNETA安定性の向上の点で優れている、(ii)3%のメトセルコーティングは、1%コーティングよりもNETAの安定性向上の点で優れていることを示している。
【0068】
当該錠剤の崩壊時間は、欧州薬局方第4版、2002年、項目2.9.1、試験Aに従って試験したところ、10分未満であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)プロゲストーゲンおよび(ii)セルロース結合剤を含み、NETAの含有量を総製剤に相対して約0.05〜約1.5%(w/w)の範囲で、または非NETAプロゲストーゲンの同等量を有する医薬製剤。
【請求項2】
請求項1に記載の医薬製剤であって、前記プロゲストーゲンの含有量が、当該組成物に相対して約1.3(w/w)以下の医薬製剤。
【請求項3】
請求項1または2の何れか1項に記載の医薬製剤であって、前記プロゲストーゲンの含有量が約0.75%(w/w)以下の医薬製剤。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか1項に記載の医薬製剤であって、前記プロゲストーゲンの含有量が約0.5%(w/w)以下の医薬製剤。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか1項に記載の医薬製剤であって、前記プロゲストーゲンの含有量が、約0.25%(w/w)以下の医薬製剤。
【請求項6】
請求項1〜5の何れか1項に記載の医薬製剤であって、前記プロゲストーゲンの含有量が、約0.1%(w/w)以下の医薬製剤。
【請求項7】
(i)プロゲストーゲンおよび(ii)セルロース結合剤を含む医薬製剤であって、単位剤形当り、前記製剤がNETAを約0.05〜約1.3mgの範囲で含有する、または非NETAプロゲストーゲンを同等量を含む医薬製剤。
【請求項8】
請求項1〜7の何れか1項に記載の医薬製剤であって、前記プロゲストーゲンの前記製剤における安定性が、そこにおける当該セルロース結合剤が同量のポリビニルピロリドンによって置換されていることのみが異なる同一の製剤でのプロゲストーゲンの安定性に相対して向上されており、前記向上が、好ましくは少なくとも5%、より好ましくは少なくとも10%、更により好ましくは少なくとも15%の向上である医薬製剤。
【請求項9】
請求項1〜8の何れか1項に記載の医薬製剤であって、前記セルロース結合剤が、以下の群から選択される医薬製剤;メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、好ましくは、タイロース(登録商標)、エチルセルロース、好ましくは、エトセル(登録商標)、ヒドロキシプロピルエチルセルロース(ここでは、HPMCと記す)および、ヒドロキシプロピルセルロース、好ましくはクルセル(登録商標)。
【請求項10】
請求項1〜9の何れか1項に記載の医薬製剤であって、当該セルロース結合剤の含有量が、当該総組成物に相対して約2〜約10%(w/w)の範囲にある医薬製剤。
【請求項11】
請求項1〜10の何れか1項に記載の医薬製剤であって、前記セルロース結合剤がヒドロキシプロピルセルロース、好ましくはクルセル(登録商標)である医薬製剤。
【請求項12】
請求項1〜11の何れか1項に記載の医薬製剤であって、前記セルロース結合剤が、ヒドロキシプロピルセルロースであり、約30,000〜約1,500,000の範囲、好ましくは約50,000〜約150,000の範囲の分子量を有する医薬製剤。
【請求項13】
請求項1〜12の何れか1項に記載の医薬製剤であって、前記セルロース結合剤が、ヒドロキシプロピルセルロース、好ましくは欧州薬局方およびアメリカ国民医薬品集の要求を満たすヒドロキシプロピルセルロースである医薬製剤。
【請求項14】
請求項1〜13の何れか1項に記載の医薬製剤であって、前記プロゲストーゲンが、以下からなる群より選択される医薬製剤;メドロキシプロゲステロンアセテート、クロルマジノンアセテート、メゲストロールアセテート、シプロテロンアセテート、ノルエチンドロン、ノルエチノドレル、リネストレノール、ノルエチンドロンアセテート(ここでは、NETAと記載する)、エチノジオールアセテート、およびノルエチンドロンエナンテート、ノルゲストレル(-d または -l)、ノルゲスチメート、デソゲストレル、ゲストデン、オサテロン、ジエノゲスト、クロルマジノンアセテート、およびドロスピレノン。
【請求項15】
請求項1〜14の何れか1項に記載の医薬製剤であって、前記プロゲストーゲンが、19-ノルテストステロン誘導体、好ましくはノルゲストレル、リーボ(左旋性、laevo)ノルゲストレル、NETまたはNETAである医薬製剤。
【請求項16】
請求項1〜15の何れか1項に記載の医薬製剤であって、前記プロゲストーゲンが、可溶性のノルエチンドロンのエステルまたは塩、好ましくはNETAの可溶性エステル、より好ましくはNETAまたはノルエチンドロンエナンテートである医薬製剤。
【請求項17】
請求項1〜16の何れか1項に記載の医薬製剤であって、前記プロゲストーゲンがNETAである医薬製剤。
【請求項18】
請求項1〜17の何れか1項に記載の医薬製剤であって、NETAの含有量が、単位剤形当り約0.07〜約1.3mgの範囲にある医薬製剤。
【請求項19】
請求項1〜18の何れか1項に記載の医薬製剤であって、NETAの含有量が、単位剤形当り約0.07〜約0.13mgの範囲にある医薬製剤。
【請求項20】
請求項2〜19の何れか1項に記載の医薬製剤であって、NETAの含有量が、単位剤形当り約0.1〜約0.35mgの範囲にある医薬製剤。
【請求項21】
請求項1および3〜20の何れか1項に記載の医薬製剤であって、NETAの含有量が、単位剤形当り約0.3〜約0.7mgの範囲にある医薬製剤。
【請求項22】
請求項1および2、4〜21の何れか1項に記載の医薬製剤であって、NETAの含有量が単位剤形当り約0.7〜約1.3mgの範囲にある医薬製剤。
【請求項23】
請求項1〜22の何れか1項に記載の医薬製剤であって、エストロゲンを含有する医薬製剤。
【請求項24】
請求項1〜23の何れか1項に記載の医薬製剤であって、前記エストロゲンがエストラジオール、任意に、水和物、例えば、半水和物などとしてのエストラジオールである医薬製剤。
【請求項25】
請求項1〜24の何れか1項に記載の医薬製剤であって、エストラジオール半水和物の含有量が単位剤形当り約0.3〜約2.5mgである医薬製剤。
【請求項26】
請求項1〜25の何れか1項に記載の医薬製剤であって、エストラジオール半水和物の含有量が単位剤形当り約0.3〜約0.7mgである医薬製剤。
【請求項27】
請求項2〜26の何れか1項に記載の医薬製剤であって、エストラジオール半水和物の含有量が単位剤形当り約0.7〜約1.3mgである医薬製剤。
【請求項28】
請求項1および3〜27の何れか1項に記載の医薬製剤であって、エストラジオール半水和物の含有量が単位剤形当り約1.7〜約2.3mgである医薬製剤。
【請求項29】
請求項1〜28の何れか1項に記載の医薬製剤であって、乳糖を、任意に乳糖一水和物として、約30〜約45mgの量で含有する医薬製剤。
【請求項30】
請求項1〜29の何れか1項に記載の医薬製剤であって、トウモロコシデンプンを約30〜約45mgの範囲の量で含有する医薬製剤。
【請求項31】
請求項1〜30の何れか1項に記載の医薬製剤であって、ヒドロキシプロピルセルロースを約2〜約10mgの範囲の量で含有する医薬製剤。
【請求項32】
請求項1〜31の何れか1項に記載の医薬製剤であって、タルクを約0.5〜約2mgの範囲の量で含有する医薬製剤。
【請求項33】
請求項1〜32の何れか1項に記載の医薬製剤であって、ステアリン酸マグネシウムを約0.1〜約1mgの範囲の量で含有する医薬製剤。
【請求項34】
請求項1〜33の何れか1項に記載の医薬製剤であって、ヒドロキシプロピルメチルセルロースをフィルムコーティング剤として約0.5〜約3mgの範囲の量で含有する医薬製剤。
【請求項35】
請求項1〜34の何れか1項に記載の医薬製剤であって、グリセロールトリアセテートを約0.05〜約0.2mgの範囲の量で含有する医薬製剤。
【請求項36】
請求項1〜35の何れか1項に記載の医薬製剤であって、エストラジオール半水和物を約0.2〜約1mgの範囲の量で、NETAを約0.05〜約0.5mgの範囲の量で、セルロース結合剤を約2.5〜約4mgの範囲の量で含有し、前記セルロース結合剤が、以下からなる群より選択されるセルロース結合剤である医薬製剤;メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、およびヒドロキシプロピルセルロース。
【請求項37】
請求項1〜36の何れか1項に記載の医薬製剤であって、約0.5mgのエストラジオール半水和物、約0.1mgのNETA、約40mgの乳糖一水和物、約40mgのトウモロコシデンプン、約3mgのヒドロキシプロピルセルロースまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース、約0.8 mgのタルクおよび約0.4mgのステアリン酸マグネシウムを含有する医薬製剤。
【請求項38】
請求項1〜37の何れか1項に記載の医薬製剤であって、更に、セルロースコーティングを具備する医薬製剤。
【請求項39】
請求項1〜38の何れか1項に記載の医薬製剤であって、前記セルロースコーティングが以下からなる群より選択される医薬製剤; メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、好ましくはタイロース(登録商標)、エチルセルロース、好ましくはエトセル(登録商標)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(ここではHPMCと記す)、およびヒドロキシプロピルセルロース、好ましくはクルセル(登録商標)。
【請求項40】
請求項1〜39の何れか1項に記載の医薬製剤であって、前記セルロースコーティングがヒドロキシプロピルメチルセルロースである医薬製剤。
【請求項41】
請求項1〜40の何れか1項に記載の医薬製剤であって、前記コーティングが、全製剤に相対して約0.5〜約5%(w/w)の範囲の量で存在する医薬製剤。
【請求項42】
請求項1〜41の何れか1項に記載の医薬製剤であって、前記コーティングが全製剤に相対して約2〜約4%(w/w)の範囲の量で存在する医薬製剤。
【請求項43】
請求項1〜42の何れか1項に記載の医薬製剤であって、前記コーティングが全製剤に相対して約2.5〜約3.5%(w/w)の範囲の量で存在する医薬製剤。
【請求項44】
請求項1〜43の何れか1項に記載の医薬製剤であって、前記コーティングの総量が単位剤形当り約2〜約3mgの範囲である医薬製剤。
【請求項45】
請求項1〜44の何れか1項に記載の医薬製剤であって、それがペレット、錠剤またはカプセルのである医薬製剤。
【請求項46】
請求項1〜45の何れか1項に記載の医薬製剤であって、欧州薬局方第4版2002年、項目2.2.32、試験Cに従って試験されたとき、質量の損失が15%(w/w)以下の、好ましくは10%(w/w)以下の医薬製剤。
【請求項47】
請求項1〜46の何れか1項に記載の医薬製剤であって、欧州薬局方第4版2002年、項目2.9.1、試験Aに記載の方法により、その崩壊が2時間以内、好ましくは1時間以内、より好ましくは30分以内、最も好ましくは15分以内である医薬製剤。
【請求項48】
医薬製剤のプロゲストーゲン成分を安定化させる方法であって、前記方法が、前記プロゲストーゲンを安定化効果量のセルロース結合剤と接触させること具備し、前記プロゲストーゲンが、前記プロゲストーゲンの含有量が当該製剤の総重量に相対して約0.05〜約1.5%(w/w)の範囲となるような量で存在する医薬製剤。
【請求項49】
プロゲストーゲン反応性症候群を治療する方法であって、前記方法が、そのような治療を必要とする患者に対して、請求項1〜48の何れか1項に記載された通りの製剤を前記症候群の治療のために有効な量で投与することを具備する方法。
【請求項50】
そのような提供が必要な対象に対してプロゲストーゲンを提供する方法であって、前記方法が、請求項1〜47の何れか1項に記載された通りの製剤を前記対象に対して投与することを具備する医薬製剤。
【請求項51】
ここに記載された新規の特徴または特徴の組み合わせ。

【公表番号】特表2007−506797(P2007−506797A)
【公表日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−529643(P2006−529643)
【出願日】平成16年9月21日(2004.9.21)
【国際出願番号】PCT/DK2004/000639
【国際公開番号】WO2005/030176
【国際公開日】平成17年4月7日(2005.4.7)
【出願人】(505457215)ノボ・ノルディスク・フェムケア・アーゲー (4)
【氏名又は名称原語表記】Novo Nordisk FemCare AG
【住所又は居所原語表記】Andreasstrasse 15, CH−8050 Zurich,Switzerland
【Fターム(参考)】