説明

向精神薬の働きを向上させるソルビン酸、安息香酸及びその誘導体

本方法及び組成物は、神経精神障害(例えば、統合失調症、うつ病、注意欠陥障害、軽度認知障害、認知症及び双極性障害)を治療するために提供される。本方法は、神経精神障害(例えば、統合失調症、うつ病、注意欠陥障害、軽度認知障害、認知症及び双極性障害など)であると診断された患者、又は神経精神障害のリスクがあると診断された患者に、安息香酸、安息香酸塩、及び/又は安息香酸の誘導体、及び/又は、ソルビン酸、ソルビン酸塩、及び/又はソルビン酸の誘導体を向精神薬(例えば、抗精神病薬、抗うつ剤、注意欠陥多動性障害、認知障害又は認知症などのための治療薬)と併せて投与することを伴い、安息香酸、安息香酸塩、又は安息香酸の誘導体、及び/又は、ソルビン酸、ソルビン酸塩、及び/又はソルビン酸の誘導体は、向精神薬の有効性を増大させるのに十分な量である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願に対する相互参照]
この出願は、2009年1月20日に出願されたUS出願番号第61/145,931号の利益及び優先権を
主張する。そして、それはすべての目的のために参照されることによって完全にここに組み込まれる。
【0002】
[連邦によって後援された研究及び開発下で製造される発明に対する権利に関する記載]この発明は、神経精神医学の分野に関連する。特に、神経精神障害に対する治療法が提供される。
【背景技術】
【0003】
統合失調症、アルツハイマー病、自閉症、うつ病、良性健忘症、小児期学習障害、閉鎖性頭部外傷、及び注意欠陥障害(ADD)、認知症、軽度認知障害、運動失調、脊髄小脳変性、パーキンソン病、強迫性障害(OCD)、薬物乱用及び薬物依存は、神経精神障害の例である。自閉症は、例えば、自閉的な行動、社会的失敗、及び言語発達遅滞によって特徴づけられる発達上の精神障害である。アルツハイマー病は、概して進行性の認知症を含む認知症の一種であり、記憶喪失、錯乱及び見当識障害によって呈される。アルツハイマー病は、概して、タクリン塩酸塩またはドネペジルといったアセチルコリンエステラーゼ阻害剤によって治療が行われる。注意欠陥障害は、小児で最もよく見られる障害であり、運動量の増大及び注意持続時間の減少に関係している。注意欠陥障害は、通常、精神刺激薬、または、リタリン、デキセドリン、アトモキセチンといった他の薬物の投与によって治療が行われる。うつ病は、悲しい気分の持続、または活動における興味の喪失を含む臨床症候群であり、それは治療がない場合、少なくとも2週間持続する。従来の薬物療法は、セロトニン取り込み阻害剤(例えば、プロザック(登録商標)(PROZAC(登録商標)))、モノアミンオキシダーゼ阻害剤及び三環系抗うつ剤を含む。
【0004】
統合失調症という用語は、妄想、幻覚、及び他人からの患者の利益の広範囲な引きこもりといった思考過程の機能不全によって特徴づけられる一群の神経精神障害を示す。世界的な人口の約1パーセントが統合失調症に悩んでおり、この疾患は高い罹患率及び死亡率が付随する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の抗精神病薬は、ドーパミンD2受容体に作用し、妄想及び幻覚といった統合失調症の陽性症状の治療に用いることができる。従来の抗精神病薬と、ドーパミンD2及び5HT2セロトニン受容体に作用する新しい非定型抗精神病薬とは、認知障害、感情鈍麻(すなわち、表情の欠如)、アネルギー、引きこもりといった陰性症状を治療するための能力において通常は制限される。
【0006】
統合失調症は、高い罹患率及び死亡率を伴う悲惨な精神障害であり、世界的な人口の約1%が冒されている。さらに、統合失調症のケアは、直接的および間接的なコストに関して非常に高価である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
特定の実施例において、本発明は、安息香酸、安息香酸塩、安息香酸エステルまたは他の安息香酸誘導体、及び/又は、ソルビン酸、ソルビン酸塩、ソルビン酸エステルまたは他のソルビン酸誘導体、及び向精神薬(例えば、抗精神病薬(例えば、リスペリドン、オラ
ンザピンなど)、及び抗うつ剤(例えば、セルトラリン、フルオキセチン塩酸塩など)、注意欠陥多動性障害用の向精神薬(例えば、リタリン、デキセドリン、アトモキセチンなど)、認知症用の向精神薬(例えば、アリセプト、メマンチンなど)を含む「組み合わせ」医薬組成物に関連する。概して、安息香酸、安息香酸塩、安息香酸エステルまたは他の安息香酸誘導体、及び/又は、ソルビン酸、ソルビン酸塩、ソルビン酸エステルまたは他のソルビン酸誘導体は、向精神薬の有効性を増加させるのに十分な量で存在する。特定の実施例において、安息香酸は安息香酸塩(例えば、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸カルシウムなど)として提供される。特定の実施例において、安息香酸、安息香酸塩、又はその誘導体は、安息香酸、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸カルシウム、2−アミノ安息香酸塩、3−アミノ安息香酸塩及び4−アミノ安息香酸塩からなる群から選択される。特定の実施例において、ソルビン酸は、ソルビン酸塩(例えば、ソルビン酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、ソルビン酸カルシウムなど)として提供される。特定の実施例において、ソルビン酸、ソルビン酸塩、ソルビン酸エステル、及び/又はソルビン酸誘導体は、ソルビン酸、ソルビン酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、ソルビン酸カルシウム、ソルボヒドロキサム酸、2,4−ヘキサジエナール(sorbic
aldehyde)、ソルビン酸−チオール付加物、8−キノリニルソルベート(8-quinolinylsorbate)及びm−ニトロソルブアニリド(m-nitrosorbanilide)からなる群から選択される。
【0008】
特定の実施例において、安息香酸、安息香酸塩または安息香酸誘導体、及び/又はソルビン酸、ソルビン酸塩、またはソルビン酸誘導体の向精神薬に対する比率は、化学量的に2:1より大きいか、3:1より大きいか、4:1より大きいか、5:1より大きいか、6:1より大きいか、7:1より大きいか、8:1より大きいか、9:1より大きいか、10:1または20:1より大きい。
【0009】
特定の実施例において、向精神薬は、抗うつ剤、抗精神病薬、興奮剤(phsychostimulant)、気分安定薬、精神安定剤、ADHD治療薬、及びアルツハイマー病治療薬からなる群から選択される。特定の実施例において、向精神薬は、抗精神病薬(例えばブチロフェノン、フェノチアジン、フルフェナジン、ペルフェナジン、プロクロルペラジン、チオリダジン、トリフルオペラジン、メソリダジン、プロマジン、トリフルプロマジン、レボメプロマジン、プロメタジン、チオキサンテン、クロルプロチキセン、フルペンチキソール、チオチキセン、ズクロペンチキソール、クロザピン、オランザピン、リスペリドン、クエチアピン、ジプラシドン、アミスルピリド、アセナピン、パリペリドン、アリピプラゾール、ドーパミン部分作動薬、ラモトリジン、メマンチン、テトラベナジン、カンナビジオール、及び/又はLY2140023)である。特定の実施例において、向精神薬は、抗うつ剤(
例えば、モノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAO阻害剤)、三環系抗うつ薬(TCA)、四環系抗うつ剤(TeCA)、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)とセロトニン−ノルエピネフリン再取り込み阻害剤(SNRI))である。特定の実施例において向精神薬は、ADHD治療薬(例えば、リタリン、デキセドリン、アトモキセチンなど)である。特定の実施例において、向精神薬は、認識力を改善し、及び/又は神経変性を抑制する薬剤(例えば、アリセプト、メマンチンなど)である。
【0010】
また、神経精神障害(例えば、統合失調症、うつ病、注意欠陥障害、軽度認知障害、認知症、注意欠陥多動性障害(ADHD)、双極性障害、など)の一つ以上の症状を緩和する方法が提供される。本方法は、概して、必要とする被験者に神経精神障害の一つ以上の症状を緩和するのに十分な量で安息香酸、安息香酸塩、又は安息香酸誘導体、及び/又は、ソルビン酸、ソルビン酸塩、又はソルビン酸誘導体を投与することを含む。特定の実施例において、本方法は、被験者に安息香酸、安息香酸塩、又は、安息香酸誘導体、及び/又は、ソルビン酸、ソルビン酸塩、又はソルビン酸誘導体を向精神薬と併せて投与することを含み、ここで、安息香酸、安息香酸塩、又は安息香酸誘導体、及び/又は、ソルビン酸
、ソルビン酸塩、又はソルビン酸誘導体は、向精神薬の有効性を増大させるのに十分な量で投与される。特定の実施例において、安息香酸、安息香酸塩、安息香酸エステル、又はその誘導体、及び/又は、ソルビン酸、ソルビン酸塩、ソルビン酸エステル、又は、その誘導体と向精神薬とは、同時に投与される(すなわち、別々に投与されてもよく、組み合わせ製剤で投与されてもよい)。特定の実施例において、安息香酸、安息香酸塩、安息香酸エステル、又はその誘導体、及び/又は、ソルビン酸、ソルビン酸塩、ソルビン酸エステル、又はその誘導体が、向精神薬の前か後に投与される。
【0011】
本方法の特定の実施例において、安息香酸は、安息香酸塩(例えば、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸カルシウムなど)として提供される。特定の実施例において、安息香酸、安息香酸塩、又はその誘導体は、安息香酸、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸カルシウム、2−アミノ安息香酸塩、3−アミノ安息香酸塩、及び4−アミノ安息香酸塩からなる群から選択される。特定の実施例において、ソルビン酸は、ソルビン酸塩(例えば、ソルビン酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、ソルビン酸カルシウムなど)として提供される。特定の実施例において、ソルビン酸、ソルビン酸塩、ソルビン酸エステル、及び/又はソルビン酸誘導体は、ソルビン酸、ソルビン酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、ソルビン酸カルシウム、ソルボヒドロキサム酸、2,4−ヘキサジエナール(sorbic aldehyde)、ソルビン酸−チオール付加物、8−キノリニルソルベ
ート(8-quinolinylsorbate)及びm−ニトロソルブアニリド(m-nitrosorbanilide)か
らなる群から選択される。
【0012】
本方法の特定の実施例において、安息香酸、安息香酸塩、又は安息香酸誘導体、及び/又は、ソルビン酸、ソルビン酸塩、又はソルビン酸誘導体の向精神薬に対する比率は、化学量的に2:1より大きいか、3:1より大きいか、4:1より大きいか、5:1より大きい
か、6:1より大きいか、7:1より大きいか、8:1より大きいか、9:1より大きいか、10:1または20:1より大きい。
【0013】
本方法の特定の実施例において、向精神薬は、抗うつ剤、抗精神病薬、興奮剤(phsychostimulant)、気分安定薬、精神安定剤、ADHD治療薬、及びアルツハイマー病治療薬からなる群から選択される。特定の実施例において、神経精神障害は統合失調症及び/又は双極性障害であり、向精神薬は抗精神病薬(例えば、ブチロフェノン、フェノチアジン、フルフェナジン、ペルフェナジン、プロクロルペラジン、チオリダジン、トリフルオペラジン、メソリダジン、プロマジン、トリフルプロマジン、レボメプロマジン、プロメタジン、チオキサンテン、クロルプロチキセン、フルペンチキソール、チオチキセン、ズクロペンチキソール、クロザピン、オランザピン、リスペリドン、クエチアピン、ジプラシドン、アミスルピリド、アセナピン、パリペリドン、アリピプラゾール、ドーパミン部分作動薬、ラモトリジン、メマンチン、テトラベナジン、カンナビジオール、及び/又はLY2140023)である。特定の実施例において、神経精神障害は、うつ病であり、向精神薬は抗
うつ薬(例えば、モノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAO阻害剤)、三環系抗うつ薬(TCA)、四環系抗うつ剤(TeCA)、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)とセロトニ
ン−ノルエピネフリン再取り込み阻害剤(SNRI))である。特定の実施例において、神経精神障害はADHDであり、向精神薬はADHD治療薬(例えば、リタリン、デキセドリン、アトモキセチンなど)である。特定の実施例において、神経精神障害は認識力の損失、及び/又は神経変性(例えばアルツハイマー病)によって特徴づけられ、向精神薬は認識力を改善し、及び/又は神経変性を抑制する薬剤(例えば、アリセプト、メマンチンなど)である。本方法のさまざまな実施例において、被験者は神経精神障害である、又は神経精神障害のリスクがあると診断されたヒトである。さまざまな実施例において、被験者はヒト以外の哺乳類(例えば、イヌ科の動物、ネコ科の動物、ウマ科の動物など)である。さまざまな実施例において、本方法は予防的に、または、治療的に行われる。
【0014】
神経精神障害の治療のための薬剤の製造における活性薬剤としての安息香酸、安息香酸塩又は安息香酸誘導体、及び/又は、ソルビン酸、ソルビン酸塩、又ソルビン酸誘導体の用途が提供され、ここで、安息香酸、安息香酸塩、安息香酸エステル、又は安息香酸誘導体、及び/、又はソルビン酸、ソルビン酸塩、ソルビン酸エステル、又はソルビン酸誘導体は、神経精神障害の一つ以上の症状を緩和するのに有効な量で存在する。同様に、神経精神障害の治療のための薬剤の製造における安息香酸、安息香酸塩、又は安息香酸誘導体、及び/又は、ソルビン酸、ソルビン酸塩、又はソルビン酸誘導体と向精神薬との組み合わせの用途が提供され、ここで、安息香酸、安息香酸塩、又は安息香酸誘導体、及び/又は、ソルビン酸、ソルビン酸塩、又はソルビン酸誘導体は、向精神薬の有効性を増大させるのに十分な量で存在する。さまざまな実施例において、安息香酸、安息香酸塩、安息香酸エステルである、及び/又は、安息香酸誘導体は、安息香酸塩である。さまざまな実施例において、安息香酸、安息香酸塩、安息香酸エステル、及び/又は安息香酸誘体は、安息香酸、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸カルシウム、2−アミノ安息香酸塩、3−アミノ安息香酸塩、及び4−アミノ安息香酸塩からなる群から選択される。さまざまな実施例において、ソルビン酸、ソルビン酸塩、ソルビン酸エステル、及び/又は、ソルビン酸誘導体は、ソルビン酸塩である。特定の実施例において、ソルビン酸、ソルビン酸塩、ソルビン酸エステル、及び/又は、ソルビン酸誘導体は、ソルビン酸、ソルビン酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、ソルビン酸カルシウム、ソルボヒドロキサム酸、2,4−ヘキサジエナール、ソルビン酸−チオール付加物、8−キノリニルソルベート(8-quinolinylsorbate)、及びm−ニトロソルブアニリド(m-nitrosorbanilide)からな
る群から選択される。さまざまな実施例において、向精神薬は、現在、ここに述べられる任意の一つ以上の向精神薬を含む。
【0015】
特定の実施例において、本発明は、(i)NMDA(N−メチル−D−アスパラギン酸塩
)−エンハンサー、及び/又は、(ii)グリシントランスポーター阻害剤、及び/又は、(iii)D−アミノ酸オキシダーゼ阻害剤(DAAOI)のうちの任意の二つ又は三つ全
てを神経精神障害である、又は神経精神障害のリスクがある被験者に投与することが、以前から知られている単剤治療形態よりも、障害の症状を低減する、又は取り除くことにおいて、実質的に大きな効き目を提供するという発見に関連する。さまざまな実施例において、本発明は、また、任意の二つ又は三つ全ての薬剤の組み合わせにおける薬理組成物、及びそのような組み合わせ製剤を利用する方法を提供する。
【0016】
したがって、特定の実施例において、D−アミノ酸オキシダーゼ阻害剤(DAAOI)(例えば、安息香酸、安息香酸塩又は安息香酸誘導体、及び/又は、ソルビン酸、ソルビン酸塩、又はソルビン酸誘導体)、及び/又は、NMDAエンハンサー、及び/又は、グリシントランスポーター阻害剤から構成される医薬品組成物(及びその使用方法)が提供される。
特定の実施例において、安息香酸、安息香酸塩、又は安息香酸誘導体、及び/又は、ソルビン酸、ソルビン酸塩、又はソルビン酸誘導体と、NMDAエンハンサーとから構成される医薬品組成物が提供される。特定の実施例において、安息香酸、安息香酸塩、又は安息香酸誘導体、及び/又は、ソルビン酸、ソルビン酸塩、又はソルビン酸誘導体と、グリシントランスポーター阻害剤とから構成される医薬品組成物が提供される。特定の実施例において、安息香酸、安息香酸塩、又は安息香酸誘導体、及び/又は、ソルビン酸、ソルビン酸塩、又はソルビン酸誘導体と、NMDAエンハンサーと、グリシントランスポーター阻害剤とから構成される医薬品組成物が提供される。これらの組成物のさまざまな実施例において、D−アミノ酸オキシダーゼ阻害剤は、安息香酸、安息香酸塩、又は安息香酸誘導体、及び/又は、ソルビン酸、ソルビン酸塩、又はソルビン酸誘導体の単独又は組み合わせと、ここに述べられる付加的なDAAO阻害剤とから構成される。さまざまな実施例において、NMDAエンハンサーは、現在、ここに述べられる一つ以上のNMDAエンハンサーから構成される。さまざまな実施例において、グリシントランスポーター阻害剤は
、現在、ここに述べられる一つ以上のグリシントランスポーター阻害剤から構成される。
【0017】
さまざまな実施例において、これらの組成物は、付加的な向精神薬、例えば、抗精神病薬、抗うつ剤、興奮剤、気分安定薬、精神安定剤、アルツハイマー病治療薬、及び/又は他の向精神薬)から構成される。特定の実施例において、付加的な治療薬は、ここに述べられる向精神薬から選択される一つ以上の薬剤である(例えば、ジアゼパム、ブロマゼパム、プラゼパム、クロルジアゼポキシド、クロバザム、エスタゾラム、フルラゼパム、クロナゼパム、テマゼパム、トリアゾラム、アルプラゾラム、ミダゾラム、ブロチゾラム、ニトラゼパム、フルニトラゼパム、オキサゼパム、クアゼパム、ロラゼパム、テマゼパム、トリアゾラム、ゾルピデム、ゾピクロン、ザレプロン、クロルプロマジン、チオリダジン、メソリダジン、フルフェナジン、ペルフェナジン、トリフルオペラジン、チオチキセン、ハロペリドール、ロキサピン、モリンドン、クロザピン、リスペリドン、オランザピン、クエチアピン、デカン酸ハロペリドール、デカン酸フルフェナジン、エナント酸フルフェナジン、リスパダールコンスタ、スルピリド、ジプラシドン、アリピプラゾール、パリペリドン、アセトフェナジン、クロルプロチキセン、ドロペリドール、ピモジド、ブタペラジン、カルフェナジン、レモキシプリド、ピペラセタゼン、アミトリプチリン、イミプラミン、ノルトリプチリン、プロトリプチリン、デシプラミン、トリミプラミン、アモキサピン、ブプロピオン、ブプロピオンsr、シタロプラム、s−シタロプラム、クロミプラミン、デシプラミン、ドキセピン、デュロキセチン、ミルナシプラン、フルオキセチン、フルボキサミン、イミプラミン、イソカルボキサジド、イソニアジド、イプロニアジド、フルオキセチン、パロキセチン、セルトラリン、フルボキサミン、ベンラファキシン、ベラファキシンxr、ミルナシプラム、及び、デュロキセチン、ミルタザピン、ミアンセリン、レボキセチン、セレジリン、トラニルシプロミン、トラゾドン、ネファゾドン、フェネルジン、ラモトリジン(lamatrogine)、リチウム、トピラマート、ガバペンチン、
カルバマゼピン、オキサカルバゼピン、バルポレート、マプロチリン、ミルタザピン、ブロファロミン、ゲピロン、モクロベミド、フィソスチグミン、ニコチン、ヒューペルジンアルファ、ビタミンc、ビタミンe、カロチノイド、イチョウ、スタチンサンフェタミン(statinsamphetamine)、モダフィニル、デソキシン、メタンフェタミン、コカイン、アレコリン、デクスメチルフェニデート、デキストロアンフェタミン、メチルフェニデート、リスデキサンフェタミンメシル酸塩(vyvanse)、混合アンフェタミン塩(mixed salts
amphetamine)、アトモキセチン、塩酸クロニジン、塩酸グアンファシン、アレコリン、ペモリン、ドネペジル、タクリン、リバスチグミン、メマンチン、ラモトリジン、アカンプロセート、テトラベナジン、リルゾール)。
【0018】
特定の実施例において、ここに述べられる組成物のいずれかは、投与形態単位として表現される。特定の実施例において、活性薬剤は、塩類、エステル、またはプロドラッグとしてそれぞれ処方される組成物から構成される。特定の実施例において、組成物は、経口投与、経皮投与、経鼻投与、筋内投与、直腸投与、静脈内投与、鞘内投与、腹腔内投与、皮下沈着物製剤の投与、及び吸入剤としての投与からなる群から選択される経路によって投与のために処方される。
【0019】
また、神経精神障害の一つ以上の症状を緩和する方法が提供される。本方法は、概して、必要とする被験者に安息香酸、安息香酸塩、又は安息香酸誘導体、及び/又は、ソルビン酸、ソルビン酸塩、又はソルビン酸誘導体をNMDAエンハンサー及び/又はグリシントランスポーター阻害剤と併せて投与することを含む。特定の実施例において、組成物は、ここに述べられる組み合わせ製剤のいずれかから成る。特定の実施例において、神経精神障害は、統合失調症である。特定の実施例において、神経精神障害は、双極性障害、又は、躁病、或いは軽躁病である。特定の実施例において、神経精神障害は、軽度認知障害、アルツハイマー病及び/又はパーキンソン病及び/又は認知症である。特定の実施例において、神経精神障害は、運動失調及び/又は脊髄小脳変性症である。特定の実施例におい
て、神経精神障害は、自閉症又はアスペルガー障害である。特定の実施例において、神経精神障害は、うつ病又は気分変調である。特定の実施例において、神経精神障害は、良性健忘症又は軽度認知障害である。特定の実施例において、神経精神障害は、小児期学習障害(例えば、注意欠陥障害)である。特定の実施例において、神経精神障害は、閉鎖性頭部外傷である。特定の実施例において、神経精神障害は、強迫性障害、全般性不安障害、パニック障害、恐怖症、社会恐怖を含む不安障害である。特定の実施例において、神経精神障害は、心的外傷後ストレス障害である。特定の実施例において、神経精神障害は、薬物乱用及び/又薬物依存である。
【0020】
特定の実施例において、ここに述べられる用途及び/又は方法のいずれかは、統合失調症、双極性障害、アルツハイマー病、パーキンソン病、認知症、運動失調、脊髄小脳変性症、ADD、ADHD、うつ病及び軽度認知障害からなる群から選択される一つ以上の神経精神障害を明確に除外する。特定の実施例において、安息香酸、塩、エステル、又は他の安息香酸誘導体、及び/又はソルビン酸、塩、エステル、又は他のソルビン酸誘導体の神経変性状態(例えば、アルツハイマー病、アルツハイマー型の老人性認知症など)の治療における使用は除外される。特定の実施例において、神経組織の状況(例えばアルツハイマー病、アルツハイマー型の老人性認知症、その他)の治療の使用安息香酸、塩、エステルまたは他の安息香酸性酸誘導体は、除外される。
【0021】
定義
ここで使用されている「神経精神障害」という用語は、NMDA受容体が介在する神経伝達が弱まった病態生理学的な要素を有する疾患を参照する。そのような障害は、統合失調症、双極性障害、アルツハイマー病、認知症、自閉症、アスペルガー障害、うつ病、良性健忘症、軽度認知障害、小児期学習障害、閉鎖性頭部外傷、運動失調、脊髄小脳変性症、パーキンソン病、一般的な不安障害、パニック障害、強迫性障害、社会恐怖を含む恐怖症、薬物乱用、薬物依存、及び注意力欠陥障害を含む。
【0022】
ここで使用されている「統合失調症」という用語は、妄想、幻覚、解体した会話、ひどく解体した又は緊張病性の行動、又は陰性症状の少なくとも二つを含む精神障害を参照する。患者は、DSM-IV基準(ASPA、1994、30の精神疾患の診断統計マニュアル(
第4版)、ワシントンD.C.(Diagnostic and Statistical Manual of 30 Mental Disorders (Fourth Edition), Washington, D.C.))を使用している統合失調症患者と診断され
得る。
【0023】
双極性障害又は躁うつ病障害(バイポラリズム(bipolarism)又は躁うつ病も参照される)は、躁病、又は、より穏やかな場合は軽躁病と臨床的に呼ばれる異常に高揚した気分の一つ以上のエピソードの存在によって定義される気分障害のカテゴリーを表す精神科診断である。躁病の発症に経験する人は、通常、うつ病エピソード又は症状も経験するか、躁病及びうつ病の特徴が同時に存在する混合性エピソードも経験する。これらのエピソードは、通常「正常な」気分のピリオドで区切られるが、一部の人においては、急速交代型として知られている、うつ病と躁病とが交互に急速に起こる可能性がある。極度の躁病エピソードは、しばしば妄想や幻覚といった精神病の症状につながり得る。その障害は、経験された気分エピソードの性質及び重症度に基づき、双極I型障害、双極II型障害、気分循環性、及びその他の型に細分され;この区切りは、双極スペクトラムとしばしば言われ
る。患者は、DSM-IV基準を使用している双極性障害があると診断され得る。
【0024】
「アルツハイマー病」という用語は、記憶喪失、錯乱、及び見当識障害によって呈され、中年期の後期に始まり、通常は5〜10年で死に至る進行性の認知症を参照する。病理学的に、アルツハイマー病は、細胞内神経細線維、神経原線維濃縮体、及び、アミロイド核と共に粒状又は線維状の嗜銀性の塊から成る老人斑の肥厚、膠着、及びねじれによって特
徴づけられることができる。アルツハイマー病を診断する方法は、周知である。例えば、National Institute of Neurological and Communicative Disorders and Stroke- Alzheimer's Disease- and the Alzheimer's Disease and Related Disorders Association (NINCDS-ADRDA) 基準は、アルツハイマー病の診断に用いられることができる(McKhann et al.(1984) Neurology 34:939-944)。患者の認知機能は、Alzheimer's Disease Assessment Scale-cognitive subscale(ADAS-cog;Rosen et al. (1984) Am. J. Psychiatry 141: 1356-1364)によって評価され得る。
【0025】
認知症は、正常な老化から予期され得るものを超えた、脳における損傷又は病気による進行性の認知機能の低下である。患者は、DSM-IV基準を用いて認知症を患っていると
診断され得る。認知症は、年齢及び教育に対して予期されるものを超えた認知障害を有するが、日常活動に重大に妨げることはない人に与えられる診断である軽度認知障害(初発性の認知症、又はアイソレイテッドメモリインペアメント(isolated memory impairment)としても知られているMCI)を含む。それは、正常な老化と認知症との間の境界線または移行期であると考えられる。これらの人は、1年間当たり約10%〜15%の割合でプロバブル(probable)アルツハイマー病に進む傾向がある。さらに、人が記憶以外の領域で機能障害を呈する場合、それは非健忘型MCIの単一ドメイン又は複数ドメインに分類されて、これらの人は、他の認知症(即ち、レビー小体を伴う認知症)に移行しそうであると考えられている。
【0026】
ここで使用されている「自閉症」という用語は、病的な自己中心、社会的失敗、言語発達遅滞、及び常同行動によって特徴づけられる精神的内向の状態を参照する。患者は、DSM-IV基準を用いて自閉症を患っていると診断され得る。
【0027】
アスペルガー障害(症候群)は、自閉症スペクトラム障害であり、この障害を有する人は、制限され且つ反復的な行動及び関心と共に、社会的交流において重大な問題を示す。それは、言語及び認知発達のその相対的な維持により、他の自閉症スペクラム障害とは異なる。診断のために必要でないにもかかわらず、身体的な不器用さ及び異常な言葉の使い方がしばしば報告される。患者は、DSM-IV基準を用いてアスペルガー障害を患ってい
ると診断され得る。
【0028】
ここで使用されている「うつ病」という用語は、悲しい気分の持続または活動における興味の喪失を含む臨床症候群を参照し、それは治療がない場合、少なくとも2週間持続する。DSM-IV基準は、患者をうつ病を患っていると診断するのに用いられることができ
る。
【0029】
ここで使用されている「良性健忘症」という用語は、かつて一度登録し、学び、記憶した情報を取り戻す又は思い出すことができない穏やかな傾向を参照する(例えば、人がどこに自分のキーを置いたか、または自分の車をどこに駐車したかを覚えていることができないこと)。良性健忘症は、通常40歳過ぎに個人に影響を及ぼし、ウェクスラー記憶検査(ラッセル(1975)J. Consult Clin. Psychol.43: 800-809)のような標準評価手段で認
められることができる。
【0030】
ここで使用されている「小児期学習障害」という用語は、特定の小児によって経験される学習能力の低下を参照する。そのような学習障害は、DSM-IV基準を用いて診断され
てもよい。
【0031】
ここで使用されている「閉鎖性頭部外傷」という用語は、頭部外傷または心的外傷の後の臨床状態を参照し、認識および記憶障害によって特徴づけられることができる。そのような状態は、DSM-IVによる「全身性疾患による健忘障害」と診断されてもよい。
【0032】
ここで使用されている「注意欠陥障害」という用語は、小児によって最も一般に示される障害を参照し、運動量の増大及び注意持続時間の減少によって特徴づけられることができる。DSM-IV基準は、注意欠陥障害を診断するのに用いられることができる。
【0033】
「D−セリン」及び「D−アラニン」という用語は、アミノ酸セリン及びアラニンのD異性体を参照する。D異性体としてのこれらのアミノ酸は、タンパク質においてL異性体よりも自然状態では見つけられない。
【0034】
統合失調症の「陰性」症状は、感情鈍麻、アネルギー、失語症及び引きこもりを含み、それはSANS(陰性症状評価尺度(the Scales for the Assessment of Negative Symptoms);アンドレアセン(1983)Scales for the Assessment of Negative Symptoms (SANS)、アイオワシティ、アイオワ州を参照)を使用して測定されてもよい。
【0035】
統合失調症の「陽性」症状は、妄想及び幻覚を含み、それはPANSS(陽性・陰性症状評価尺度)(Positive and Negative Syndrome Scale);Kay et al. (1987) Schizophrenia Bulletin 13:261-276を参照)を使用して測定されてもよい。
【0036】
統合失調症の「認知」症状は、知的知識の獲得、組織化、使用における機能障害を含み、陽性・陰性症状評価尺度−認知サブスケール(the Positive and Negative Syndrome Scale-cognitive subscale (PANSS-cognitive subscale))(Lindenmayer et al. (1994) /. Nerv. Ment. Dis. 182: 631-638)により、またはウィスコンシンカード分類課題(Wisconsin Card Sorting Test)及び統合失調症における認知機能改善のための測定と治療
研究(Measurement and Treatment Research to Improve Cognition in Schizophrenia)(MATRICS, "www.matrics.ucla.edu/matrics-psychometrics- frame.htm")のバッテリーなどの認知的課題を用いて評価することができる。
【0037】
NMDA受容体の「完全な」作動薬は、完全な受容体占有で最大反応をもたらす化合物である。
【0038】
NMDA受容体の「部分的な」作動薬は、完全な作動薬よりも完全な受容体占有で完全な作動薬よりも低い最大反応をもたらす化合物である。
【0039】
「NMDA受容体のグリシン取り込み阻害剤」は、グリシンの再取り込みを阻害して、NMDA受容体(例えば、N−メチルグリシン)のためのグリシンの入手可能性を増加させる化合物である。
【0040】
「と併用する」というフレーズは、ここに述べられる一つ以上の薬(活性薬剤)の使用への言及に使用される場合、生体での生理活性において少なくともいくつかの経時的な重複があるように薬剤と活性薬剤とが投与されることを示す。このように、活性薬剤は、同時に及び/または経時的に投与されてもよい。経時的な投与において、第2投与剤が投与されるか、又は生体内で活性化する場合、第1に投与された薬物/薬剤が生体でいくらかの生理的変化を与えるならば、第2部分の投与の前に相当な遅延(例えば、数分、又は数時間或いは数日)がある可能性さえある。
【0041】
「生体内活性の強化」または「見かけの活性の強化」というフレーズは、ここに述べられるエージェントに言及される場合、そのエージェントが、薬剤と併せて投与される場合、そのエージェントなしで同じ投薬量が投与される場合よりも、より大きな生物学的応答を生体内で引き起こすことを示す。
【0042】
哺乳類という用語は、基本的にイヌ、ネコ、ヒツジ、ウシ、ウマ、ヤギ、マウス、ラット、ウサギ、ハムスター、ブタ、サル、他のヒト以外の霊長類、及びヒトを含むが、これに限らずあらゆる哺乳類を含む。このように、本発明の獣医学的及び医学的応用が考察される。
【0043】
「運動失調」は、筋運動の協調の著しい欠如からなる神経性の徴候と症状である。
【0044】
「脊髄小脳変性症」は、ゆっくりとした進行性の歩行の協調運動障害によって特徴づけられ、しばしば、手、会話及び眼球運動の協調運動不全に関連する一群の遺伝病を参照する。しばしば、小脳の萎縮が起こる。他のタイプの運動失調と同様に、他の症状とともに、筋運動の微細な協調の減退によって体の動作が不安定でぎこちなくなる。
【0045】
「パーキンソン病」は、運動障害と呼ばれている一群の慢性及び進行性の疾患に属している。それは、筋固縮、振戦、身体的な運動の緩徐化(運動緩慢)、及び極端な事例では、身体的な運動の喪失(無動症)によって特徴づけられる。一次性症状は、通常、脳のドーパミン作動性ニューロンにおいて発生するドーパミンの不十分な形成及びその作用に起因する基底核による減少した運動皮質の刺激の結果である。二次性症状は、高レベルの認知機能障害と微妙な言語問題を含む可能性がある。
【0046】
「強迫性障害」は、ほとんどが通常、仮想の恐ろしい出来事の防止を目的として厳格に適用されなければならないルールに従って行動するよう人が駆り立てられていると感じる強迫的な行為及び精神的な行為という結果をもたらす、押し付けがましく反復的な思考により特徴付けられる。しかしながら、これらの行為または精神的な行為は、前記仮想の恐ろしい出来事とはつながらない。患者は、DSM-IV基準を使用して、強迫性障害を患っ
ていると診断されてもよい。
【0047】
全般性不安障害(GAD)は、現実の心配の種には不相応である日常の事物への過剰で、制
御不能な、及びしばしば不合理な心配によって特徴づけられる不安障害である。概してGADで苦しんでいる人は災難を予想して、健康問題、お金、死、家族問題、友人問題及び仕事問題といった日常的な出来事を心配するあまり、この過剰な心配がしばしば日常機能を妨げる。彼らはしばしば、疲労、そわそわすること、頭痛、吐き気、手足の麻痺、筋肉の緊張、筋肉痛、嚥下困難、呼吸困難の発作、振戦、単収縮、過敏性、発汗、不眠症、ほてり及び発疹を含む様々な身体症状を示す。患者は、DSM-IV基準を用いてGADを
患っていると診断されてもよい。
【0048】
パニック障害は、深刻なパニック発作の繰り返しによって特徴づけられる不安障害である。それは、少なくとも1ヵ月は継続する著しい行動様式の変化、及び、他の発作に襲われることに対する不安の継続を含むこともある。後者は、予期不安と呼ばれている。患者は、DSM-IV基準を用いてパニック障害を患っていると診断されてもよい。
【0049】
恐怖症は、特定の状況、活動、もの、動物または人への強く持続的な恐怖である。本疾患の主要な症状は、恐れの対象を回避したいという過剰で不合理な願望である。恐怖がその人の手に余る場合、そして、恐怖が日常生活を妨げている場合、不安障害の一つの下に診断はなされてもよい。患者は、DSM-IV基準を用いて恐怖症を患っていると診断され
てもよい。
【0050】
社会恐怖は、社会的状況、他者との交流及び他人による評価又は精査に対する不安(感情的な不快感、恐怖、懸念又は心配)である。それは、社会的機能の発達の正常な部分として小児期の初期に起こるが、気づかれず青春期まで達する可能性もあり、成人期に表面化する可能性もある。人は、彼らがどの種類の状況でどれくらいの社会的不安を経験するか
で変わってくる。患者は、DSM-IV基準を用いて社会恐怖を患っていると診断されて
もよい。
【0051】
「薬物乱用」障害は、薬剤、非医学的に必要とされる薬物または毒素の病的な使用の継続のパターンによって特徴づけられ、仕事、家族又は学校の義務の不履行、対人葛藤、或いは法律問題といった薬物使用に関係する反社会的な結果の繰り返しに終わる。薬物は、アルコール、アンフェタミン(またはアンフェタミン様の物質)、大麻、コカイン、幻覚剤、吸入薬、ニコチン、オピオイド、フェンシクリジン(またはフェンシクリジン様の物質)、鎮痛剤、睡眠薬または精神安定剤、或いは各種薬物であるといえるがこれに限定されない。患者は、DSM-IV基準(ASPA、1994、精神疾患の診断統計マニュアル(第
4版)、ワシントンD.C.)を使用して薬物乱用であると診断されてもよい。薬物の使用に関する問題にもかかわらず、個人がアルコールまたは他の薬物の使用に固執する場合がある。衝動的で反復的な使用は、使用を減らすか、又は止める場合、薬剤の作用に対する耐性と禁断症状をもたらす可能性がある。これが、薬物乱用と並んで薬物使用障害として考慮される。薬物は、アルコール、アンフェタミン(またはアンフェタミン様の物質)、大麻、コカイン、幻覚剤、吸入薬、ニコチン、オピオイド、フェンシクリジン(またはフェンシクリジン様の物質)、鎮痛剤、睡眠薬または精神安定剤、或いは各種薬物であるといえるがこれに限定されない。薬物依存は、生理的依存、耐性または禁断症状の証拠で診断されてもよい。患者は、DSM-IV基準(ASPA、1994、30の精神疾患の診断統計
マニュアル(第4版)、ワシントンD.C.)を使用して薬物依存と診断されてもよい。
【0052】
向精神薬は、うつ病、統合失調症、双極性障害、注意欠陥多動性障害(ADHD)、統合失調症、アルツハイマー病などを含み、これに限定されない神経精神系、神経心理学的、又は神経系の障害を治療するために使用される薬剤を参照する。
【0053】
マーカッシュグループが示される(例えば、「xがA、B及びCからなる群から選択される」)場合、サブグループは、マーカッシュグループを構成している一つ以上の構成要素(例えば、マーカッシュグループA、B及びCに対して、A及びB、A及びC、B及びC、A単独、B単独、C単独)を含んでもよい。
【発明の効果】
【0054】
単剤治療形態よりも、障害の症状を低減する、又は取り除くことにおいて、実質的に大きな効き目を提供する。
【0055】
統合失調症のための新しい治療を提供して、この重篤な精神障害に対する社会的なコストを著しく低減する。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】一つの聴覚刺激の実験の最初と最後のグループの間の驚愕反応の差は、馴化の量と考えられた。三つのマウスのグループは、各々サルコシン(200mg/kg)、安息香酸塩(100mg/kg)、サルコシン及び安息香酸塩両方の組み合わせを用いた治療を受けた。アンフェタミン(10mg/kg)は、実験の30分前に投与された。馴化の違いは、グループ(左のグループ)全体で、ベースライン時にはなかった。併用治療(右)は、安息香酸塩(左)又はサルコシン治療(中央)単独よりも強い馴化効果を誘引する。しかしながら、安息香酸塩の効果は、併用治療において見られる効果に近い。アンフェタミンを投与して、馴化を途絶えさせた場合(右のグループ)、馴化の傾向が同じ(併用治療>安息香酸塩>サルコシン)であることは明白だった。併用治療は、アンフェタミンによって誘発された混乱を正常状態の馴化にまで是正し、一方、NMG又は安息香酸塩の単独の治療は、部分的に欠損を是正しただけだった(右のグループ)。しかしながら、安息香酸塩の効果は、サルコシンよりも良好であり、併用治療で見られた効果に近かった。
【図2】10匹のマウスの四つのグループは、各々、サルコシン(200mg/kg)、安息香酸塩(100mg/kg)、サルコシン及び安息香酸塩両方の組み合わせ(個々の治療と同じ投与量)で治療され、または、賦形剤を実験の前の1週間与えられた。アンフェタミン(10mg/kg)が実験の30分前に投与された場合、マウスは1週後まで薬剤を投与され続けた。PPIのため、より強い前パルスは、パルス反応をより抑制した(525Hz>487Hz>468Hzの抑制)。アンフェタミンは、すべての治療で抑制を途絶えさせた。例えば、487Hzのパラダイムにおいて、アンフェタミンによる混乱は、賦形剤を与えたマウス(左の柱)で最も現れ、サルコシン(NMG)に又は安息香酸塩(中央の2本の柱)いずれによっても部分的に是正されて、併用治療(右の柱)によって最も是正された。
【図3】リスペリドン治療を受けている患者に、6週間の0週、2週、4週及び6週に補助として安息香酸塩を投与又はプラセボ治療を行った。BE、安息香酸塩、PANSS合計、陽性・陰性症状評価尺度合計スコア;PANSS−陽性、陽性・陰性症状評価尺度−陽性サブスケールスコア;SANS、陰性症状評価尺度。
【発明を実施するための形態】
【0057】
[詳細な説明]
さまざまな実施例において、神経精神障害を患っていると診断されている、又は神経精神障害のリスクが高い患者を治療するために提供され、特に、NMDA受容体を介在する神経伝達における欠損によって特徴付けられる障害(例えば、統合失調症、双極性障害、アルツハイマー病、認知症、軽度認知障害、自閉症、アスペルガー症候群、うつ病、良性健忘症、小児期学習障害、閉鎖性頭部外傷、注意欠陥障害、運動失調、脊髄小脳変性、パーキンソン病、強迫性障害(OCD)、恐怖症、社会恐怖、薬物乱用及び薬物依存)を治療するために提供される。先に述べたように、これらの障害を診断するため様々な方法は、臨床精神医学の当業者に知られており、そして、あらゆる従来の診断法が本発明に関連して使用されてもよい。
【0058】
さまざまな実施例において、ここに述べられる組成物及び方法は、被験者が一つ以上の向精神薬(例えば、抗精神病薬、抗うつ剤、興奮剤(phsychostimulant)、気分安定剤、精神安定剤、アルツハイマー病治療薬、他の向精神薬)、及び/又はNMDA(N−メチル−D−アスパラギン酸)−エンハンサー、及び/又はグリシントランスポーター阻害剤、及び/又はD−アミノ酸オキシダーゼ阻害剤(DAAOI)の組合せを投与される「併用」治療の使用に関連する。特定の実施例において、併用治療は、NMDA(n−メチル−D−アスパラギン酸)−エンハンサー、及び/又はグリシントランスポーター阻害剤、及び/又はDAAOI阻害剤の組み合わせを含む。特定の実施例において、互いに併用するこれらの薬剤のうち少なくとも二つの投与が考察され、さらに、特定の実施例において、互いに併用する薬剤三つ全ての投与が考察される。さまざまな実施例において、薬剤は個々で利用されてもよい。
【0059】
DAAOI阻害剤(特に、ソルビン酸及び/又は安息香酸とそれらの誘導体)が、個々に、又は、互いに組み合わせて使用される場合、神経精神障害の一つ以上の症状を緩和することができることは驚くべき発見であった。加えて、それらは、向精神薬(例えば、抗精神病薬、抗うつ剤、ADHD治療薬など)の機能を強化することができる。したがって、特定の実施例において、予防的又は治療的に活性な量(active amount)の安息香酸、安
息香酸塩、安息香酸エステル又は他の安息香酸誘導体、及び/又は、ソルビン酸、ソルビン酸塩又はソルビン酸エステル又は他のソルビン酸誘導体を提供する組成物が提供される。様々な方法において、そのような組成物は、神経精神障害の治療のため、及び/又は神経精神障害の治療薬の製造のために使用されてもよい。
【0060】
他の特定の実施例において、一つ以上のD−アミノ酸オキシダーゼ阻害剤を一つ以上の向
精神薬と併用して使用する方法が考察される。この点に関しては、特定の好ましい実施例において、DAAOIは、安息香酸、安息香酸塩、安息香酸エステル、又は他の安息香酸誘導体、及び/又は、ソルビン酸、ソルビン酸塩、ソルビン酸エステル、又は他のソルビン酸誘導体から構成される。同様に、安息香酸、安息香酸塩、安息香酸エステル、又は他の安息香酸誘導体、及び/又は、ソルビン酸、ソルビン酸塩、ソルビン酸エステル、又は他のソルビン酸誘導体と、向精神薬(例えば、抗精神病薬、抗うつ剤、ADHD治療薬など)との組み合わせから構成される組成物が考察される。さらに、安息香酸、安息香酸塩、安息香酸エステル、又は他の安息香酸誘導体、及び/又は、ソルビン酸、ソルビン酸塩、ソルビン酸エステル、又は他のソルビン酸誘導体を含むキット(kit)が考察される。
さまざまな実施例において、DAAOIと向精神薬とは、別々の容器で提供されてもよい。特定の実施例において、DAAOIと向精神薬とは、同じ容器で(例えば、組み合わせ製剤/合成製剤として)提供されてもよい。
【0061】
NMDAエンハンサー又はグリシングリシントランスポーター阻害剤を単独で使用する以前の治療は、効果が限られていた。DAAOI単独、特に安息香酸、安息香酸塩、安息香酸エステル、又は他の安息香酸誘導体、及び/又は、ソルビン酸、ソルビン酸塩、ソルビン酸エステル、又は他のソルビン酸誘導体の使用が、神経精神障害を患う被験者に予想外の驚くべき改善をもたらすことが発見された。したがって、特定の実施例においては、安息香酸塩、又は他の誘導体、及び/又は、ソルビン酸塩、又は他の誘導体の神経精神障害(例えば、統合失調症、双極性障害、アルツハイマー病、認知症、自閉症、アスペルガー症候群、うつ病、良性健忘症、軽度認知障害、小児期学習障害、閉鎖性頭部外傷、運動失調、脊髄小脳変性、パーキンソン病、一般の不安障害、パニック障害、強迫性障害、社会恐怖を含む恐怖症、薬物乱用、薬物依存、注意欠陥障害など)の治療における使用が考察される。同様に、神経精神障害の一つ以上症状を緩和するのに十分な量の安息香酸、安息香酸塩、安息香酸エステル、又は他の安息香酸誘導体、及び/又は、ソルビン酸、ソルビン酸塩、ソルビン酸エステル、又は他のソルビン酸誘導体から構成される薬剤が考察される。
【0062】
さらに、例えば、安息香酸、安息香酸塩、安息香酸エステル、又は他の安息香酸誘導体、及び/又は、ソルビン酸、ソルビン酸塩、ソルビン酸エステル、又は他のソルビン酸誘導体と一つ以上の向精神薬との併用療法が、神経性精神障害を患う被験者に予想外の驚くべき改善をもたらすことを発見した。したがって、安息香酸、安息香酸塩、安息香酸エステル、又は他の安息香酸誘導体、及び/又は、ソルビン酸、ソルビン酸塩、ソルビン酸エステル、又はその他のソルビン酸誘導体を一つ以上の向精神薬と併せて投与することを含む方法が考察される。同様に、安息香酸、安息香酸塩、安息香酸エステル、又は他の安息香酸誘導体、及び/又は、ソルビン酸、ソルビン酸塩、ソルビン酸エステル、又は他のソルビン酸誘導体と一つ以上の向精神薬(例えば、統合失調症、双極性障害、アルツハイマー病、認知症、自閉症、アスペルガー症候群、うつ病、良性健忘症、軽度認知障害、小児期学習障害、閉鎖性頭部外傷、運動失調、脊髄小脳変性、パーキンソン病、一般の不安障害、パニック障害、強迫性障害、社会恐怖を含む恐怖症、薬物乱用、薬物依存、注意欠陥障害などの状態を治療するための薬剤)とから構成される薬剤が考察される。概して、安息香酸、安息香酸塩、安息香酸エステル、又は他の安息香酸誘導体、及び/又は、ソルビン酸、ソルビン酸塩、ソルビン酸エステルまたは他のソルビン酸誘導体は向精神薬の効果を高めるために十分な量で方法又は薬剤において提供される。
【0063】
特定の理論に結びつくことなしに、DAAOIは、NMDA受容体の作動薬であって、発明者によって統合失調症及び他の障害を患う患者に有効であることが示されたD−セリン及びD−アラニンのレベルを高めると考えられる。それは、認知障害及び他の精神障害又は行動障害の症状を示す多種多様な患者を助けることができる。併用療法は、NMDA及び/又は向精神薬の活性を高めて、単剤治療(例えば、抗精神病薬、抗うつ剤、精神安定
剤、気分安定薬、注意力欠陥及び多動性障害のための向精神薬、認知症のため薬剤など)よりも被験者のためになる。
【0064】
したがって、特定の好ましい実施例において、被験者に、安息香酸、安息香酸塩、安息香酸エステル、又は他の安息香酸誘導体、及び/又は、ソルビン酸、ソルビン酸塩、ソルビン酸エステル、又は他のソルビン酸誘導体を向精神薬(例えば、抗精神病薬、抗うつ剤、興奮剤、気分安定薬、精神安定剤、アルツハイマー病の治療薬、及び/又は、他の神経精神障害の治療のための向精神薬からなる群から選択される治療薬)と併せて投与する“併用”療法が考察される。
【0065】
特定の実施例において(例えば、統合失調症、双極性障害などの治療のために)、「併用」治療で使用される向精神薬は、抗精神病薬である。特定の実施例において、抗精神病薬は、ブチロフェノン(例えば、ハロペリドール(ハルドール(登録商標))、フェノチアジン(例えば、クロルプロマジン(ソラジン(登録商標))、フルフェナジン(プロリキシン(登録商標)、ペルフェナジン(トリラホン(登録商標))、プロクロルペラジン(コンパジン(登録商標))、チオリダジン(メレリル(登録商標))、トリフルオペラジン(ステラジン(登録商標))、メソリダジン、プロマジン、トリフルプロマジン(ベスプリン(登録商標))、レボメプロマジン(ノジナン(登録商標))、プロメタジン(フェネルガン(登録商標))、チオキサンテン(例えば、クロルプロチキセン、フルペンチキソール(DEPIXOL(登録商標)、フルアンキソール(登録商標))、チオチキセン(ナ
ーベン(登録商標))ズクロペンチキソール(クロピキソール(登録商標)、ACUPHASE(登録商標))、クロザピン(クロザリル(登録商標))、オランザピン(ジプレキサ(登録商標))、リスペリドン(リスパダール(登録商標)、リスパダールコンスタ(登録商標))、クエチアピン(セロクエル(登録商標))、ジプラシドン(ジオドン(登録商標))、アミスルピリド(ソリアン(登録商標))、アセナピン、パリペリドン、アリピプラゾール(エビリファイ(登録商標))、ドーパミン部分作動薬(ビフェプルノックス(登録商標)、ノルクロザピン(登録商標)(ACP-104))、ラモトリジン(ラミクタール
(登録商標))、メマンチン(アクスラ(登録商標)、アカチノール(登録商標)、ナメンダ(登録商標)、エビクサ(登録商標)、ABIXA(登録商標))、テトラベナジン(ニ
トマン(登録商標)、キセナジン(登録商標))、カンナビジオール、LY2140023など)
からなる群から選択される薬である。
【0066】
特定の実施例(例えば、うつ病、パニック障害、社会恐怖、GADなどの治療)において、「併用療法」で使用される向精神薬は、抗うつ剤及び/又は気分安定薬を含む。特定の実施例において、抗うつ剤は、モノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAO阻害剤)、三環系抗うつ剤(TCA)、四環系抗うつ剤(TeCA)、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI
)、ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ剤(NASSA)、ノルエピネ
フリン(ノルアドレナリン)再取り込み阻害剤、ノルエピネフリン・ドーパミン再取り込み阻害剤、及び/又はセロトニン-ノルエピネフリン再取り込み阻害剤(SNRI)を含む。
【0067】
特定の実施例において、抗うつ剤は、三環系抗うつ剤(例えば、イミプラミン(登録商標)と異型)、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)(例えば、フルオキセチン(プロザック(登録商標))、パロキセチン(パキシル(登録商標)、セロザット(登録商標))、エスシタプラム(レクサプロ(登録商標)、エシプラム(ESIPRAM)(登録商標)
)、シタロプラム(セレクサ(登録商標))、セルトラリン(ゾロフト(登録商標))、フルボキサミン(ルボックス(登録商標))、セロトニン-ノルエピネフリン再取り込み
阻害剤(SNRI)(例えば、ベンラファキシン(エフェクサー(登録商標))、ミルナシプラン及びデュロキセチン(サインバルタ(登録商標))、ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ剤(NASSA)(例えば、ミルタザピン(アバンザ(登録商標)
、ジスピン(登録商標)、レメロン(登録商標))、ミアンセリン)、ノルエピネフリン
(ノルアドレナリン)再取り込み阻害剤(NRI)(例えば、レボキセチン(エドロナック
ス(登録商標))、ノルエピネフリン・ドーパミン再取り込み阻害剤(例えば、ブプロピオン(ウェルブトリン(登録商標)、ザイバン(登録商標)))、アミトリプチリン、ノルトリプチリン、プロトリプチリン、デシプラミン、アモキサピン、ブプロピオン、ブプロピオン SR、S-シタロプラム、クロミプラミン、デシプラミン、ドキセピン、イソカル
ボキサジド、ベラファキシンXR、トラニルシプロミン、トラゾドン、ネファゾドン、フェネルジン、ラモトリジン(Lamatrogine)、リチウム、トピラマート、ガバペンチン、カ
ルバマゼピン、オクスカルバゼピン、バルポレート(Valporate)マプロチリン、ミルタ
ザピン、ブロファロミン、ゲピロン、モクロベミド、イソニアジド、イプロニアジドなどからなる群から選択される薬である。
【0068】
特定の実施例(例えば、ADD又はADHDの治療)において、「併用療法」で使用される向精神薬は、ADD及び/又はADHDの治療のための薬剤を含む。特定の適切なADHD薬剤において、ADHD薬剤は、スタチン、アンフェタミン、モダフィニル、デソキシン、メタンフェタミン、コカイン、アレコリン、デクスメチルフェニデート(フォカリン、フォカリンXR)、デキストロアンフェタミン(デキセドリン、デキセドリンスパンスル(Dexedrine Spansules)、デキストロアンフェタミンER、Dextrostat)、メチル
フェニデート(コンサータ、デイトラーナ、メタデートCD、メタデートER、メチリン、メチリンER、リタリン、リタリン−LA、リタリン−SR)、リスデキサンフェタミンメシル酸塩(lisdexamfetamine dimesylate)(ビバンセ)、混合アンフェタミン塩(
アデラル、アデラルXR)、アトモキセチン(ストラテラ)、塩酸クロニジン(カタプレス)、塩酸グアンファシン(テネックス)、アレコリン、及びペモリンからなる群から選択されるが、これらに限定されない。
【0069】
特定の実施例(例えば、認知障害の治療及び/又は神経変性によって特徴づけられる状態(例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病など)の治療)において、「併用療法」で使用される向精神薬は、ドネペジル、タクリン、リバスチグミン、メマンチン(アクスラ(登録商標)、アカチノール(登録商標)、ナメンダ(登録商標)、エビクサ(登録商標)、ABIXA(登録商標))、アリセプト、フィソスチグミン、ニコチン、アレコリン、ヒ
ューペルジンアルファ、セレジリン、リルテック(登録商標)(リルゾール)、ビタミンc、ビタミンe、カロチノイド、イチョウなどからなる群から選択される薬剤を含むことができるが、これに限定されるものではない。
【0070】
さまざまな実施例において、安息香酸、安息香酸塩、又はその誘導体、及び/又は、ソルビン酸、ソルビン酸塩、又はその誘導体は、一つ以上の向精神薬とは別に前又は後に投与されることができ、あるいは、同時に投与されることもできる。例えば、安息香酸、安息香酸塩、又はその誘導体、及び/又は、ソルビン酸、ソルビン酸塩、又はその誘導体は、向精神薬とは別の一つの製剤で提供されてもよい。
【0071】
特定の実施例において、安息香酸、安息香酸塩、又はその誘導体、及び/又は、ソルビン酸、ソルビン酸塩、又はその誘導体は、向精神薬と同時に投与され、それらは組み合わせ製剤として提供されてもよい。したがって、特定の実施例において、対応する併用療法も提供される。このように、特定の実施例において、安息香酸、安息香酸塩、安息香酸エステル、又は他の安息香酸誘導体、及び/又は、ソルビン酸、ソルビン酸塩、ソルビン酸エステル、又は他のソルビン酸誘導体と向精神薬(例えば、抗うつ剤、精神安定剤、抗精神病薬など)とを含む医薬組成物が提供され、ここで、安息香酸、安息香酸塩、安息香酸エステル、又は他の安息香酸誘導体、及び/又は、ソルビン酸、ソルビン酸塩、ソルビン酸エステル、又は他のソルビン酸誘導体は、向精神薬(例えば、リスペリドン、オランザピンなど)の効果を増加させるのに十分な量で存在する。また、安息香酸、安息香酸塩、又はその誘導体(例えば、安息香酸エステル)、及び/又は、ソルビン酸、ソルビン酸塩、
又はその誘導体(例えば、ソルベート)と抗うつ剤とを含む製剤が提供され、ここで、安息香酸、安息香酸塩、又はその誘導体、及び/又は、ソルビン酸、ソルビン酸塩、又はその誘導体は、抗うつ剤(例えば、セルトラリン塩酸塩、フルオキセチン塩酸塩など)の効果を増加させるのに十分な濃度で存在する。
【0072】
また、安息香酸、安息香酸塩、安息香酸エステル、又は他の安息香酸誘導体、及び/又は、ソルビン酸、ソルビン酸塩、ソルビン酸エステル、又は他のソルビン酸誘導体と、例えば先に述べたような向精神薬とを含む製剤が提供される。概して、安息香酸、安息香酸塩、安息香酸エステル、又は他の安息香酸誘導体、及び/又は、ソルビン酸、ソルビン酸塩、ソルビン酸エステル、又は他のソルビン酸誘導体は、向精神薬(例えば、アリセプト、メマンチンなど)の効果を増加させるのに十分な量で存在する。
【0073】
特定の実施例における統合失調症、双極性障害などの治療のための組み合わせ製剤は、安息香酸、安息香酸塩、安息香酸エステル、又は他の安息香酸誘導体、及び/又は、ソルビン酸、ソルビン酸塩、ソルビン酸エステル、又はソルビン酸誘導体と抗精神病薬との組み合わせを含む。適切な抗精神病薬は、前述の抗精神病薬を含むが、これに限定されない。
【0074】
特定の実施例において、うつ病、パニック障害、社会恐怖(GAD)などを含む統合失調症、双極性障害などの治療ための組み合わせ製剤は、安息香酸、安息香酸塩、安息香酸エステル、又は他の安息香酸誘導体、及び/又は、ソルビン酸、ソルビン酸塩、ソルビン酸エステル、又は他のソルビン酸誘導体と、抗うつ剤及び/又は気分安定薬との組み合わせを含む。適切な抗うつ剤及び気分安定薬は、前述の抗うつ剤及び気分安定薬を含むが、これに限定されない。
【0075】
特定の実施例において、ADD及び/又はADHDなどの治療のための組み合わせ製剤は、安息香酸、安息香酸塩、安息香酸エステル、又は他の安息香酸誘導体、及び/又は、ソルビン酸、ソルビン酸塩、ソルビン酸エステル、又は他のソルビン酸誘導体と、ADD及び/又はADHDの治療薬との組み合わせを含む。適切なADD及び/又はADHDの治療薬は、前述のADD及び/又はADHDの治療薬を含むが、これに限定されない。
【0076】
特定の実施例において、認知障害及び/又は神経変性によって特徴付けられる状態(例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病など)の治療のための組み合わせ製剤は、安息香酸、安息香酸塩、安息香酸エステル、又は他の安息香酸誘導体、及び/又は、ソルビン酸、ソルビン酸塩、ソルビン酸エステル、又は他のソルビン酸誘導体と、認知障害及び/又は神経変性によって特徴付けられる状態の治療薬との組み合わせを含む。認知障害及び/又は神経変性によって特徴づけられる状態の適切な治療薬は、前述の認知障害及び/又は神経変性によって特徴づけられる状態の治療薬を含むが、これに限定されない。
【0077】
一般的に、様々な実施例において、安息香酸、安息香酸塩、又はその誘導体(例えば、安息香酸エステル)、及び/又は、ソルビン酸、ソルビン酸塩、又はその誘導体は、保存料、及び/又は融点降下剤、及び/又は安定剤、及び/又は潤滑剤、及び/又は安定剤などであるよりはむしろ、向精神薬の治療効果を高めるのに十分な量で存在する。実際には、安息香酸、安息香酸塩、又はその誘導体、及び/又は、ソルビン酸、ソルビン酸塩、又はその誘導体は、活性薬剤である。このように、様々な実施例において、安息香酸、安息香酸塩、安息香酸エステル、又は他の安息香酸誘導体、及び/又は、ソルビン酸、ソルビン酸塩、ソルビン酸エステル、又は他のソルビン酸誘導体は、向精神薬の酸付加塩としては実質的には存在しない(又は、安息香酸又はソルビン酸又はそれらの誘導体の少なくとも大多数は、向精神薬の酸付加塩としては存在しない)。同様に、特定の実施例において、安息香酸、安息香酸塩、安息香酸エステル、又は他の安息香酸誘導体、及び/又は、ソルビン酸、ソルビン酸塩、ソルビン酸エステル、又は他のソルビン酸誘導体は、(又は、安
息香酸又はソルビン酸又はそれらの誘導体の少なくとも大多数)は、向精神薬の共結晶としては存在しない。
【0078】
特定の組成物と治療において、安息香酸、安息香酸塩、安息香酸エステル、又は他の安息香酸の誘導体、及び/又は、ソルビン酸、ソルビン酸塩、ソルビン酸エステル、又は、他のソルビン酸の誘導体の向精神薬(例えば、抗うつ剤、抗精神病薬、注意欠陥多動性障害の治療薬、認知症の治療薬、及び/又は、気分安定薬、又は他の医薬品)に対する比率は、化学量論的に2:1よりも大きく、好ましくは、約3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、15:1または20:1である。特定の実施例において、安息
香酸、安息香酸塩、安息香酸エステル、又は他の安息香酸誘導体、及び/又は、ソルビン酸、ソルビン酸塩、ソルビン酸エステル、又は他のソルビン酸誘導体と、抗精神病薬、及び/又は抗うつ剤、及び/又は注意欠陥多動性障害の治療薬、及び/又は認知症の治療薬以外の精神活性剤との組み合わせを明確に除外する。
【0079】
様々な実施例において、安息香酸、安息香酸塩、安息香酸エステル、又は他の安息香酸誘導体、及び/又は、ソルビン酸、ソルビン酸塩、ソルビン酸エステル、又は他のソルビン酸誘導体は、向精神薬(例えば、抗精神病薬、及び/又は抗うつ剤、及び/又は注意欠陥多動性障害の治療薬、及び/又は認知症の治療薬)の治療効果を改善するのに十分な量で一般的に提供される。このように、安息香酸、安息香酸塩、安息香酸エステル、又は他の安息香酸誘導体、及び/又は、ソルビン酸、ソルビン酸塩、ソルビン酸エステル、又は他のソルビン酸誘導体の一般的な投薬量は、約5mg〜約500mgの範囲であり、より好ましくは約25mg〜約400mg、300mg、200mg又は100mgであり、さらに好ましくは約50mg、約50mg〜100mg又は150mgである。
【0080】
神経精神障害の多くは、認知障害、行動障害、及び精神障害を呈する。ここに述べられる様々な治療法は、例えば、学習障害、注意欠陥多動性障害、統合失調症、双極性障害、うつ病、アルツハイマー病、自閉症、良性健忘症、閉鎖性頭部外傷、認知症、軽度認知障害、運動失調、脊髄小脳変性、パーキンソン病、強迫性障害(OCD)、恐怖症、社会恐怖、全般性不安障害(GAD)、パニック障害、薬物乱用、及び薬物依存の全てとまではいかないが、ほとんどに適用されてもよい。被験者のためのそれらの利点に加えて、ここに述べられる治療は、大きな関心を伴う家庭のペット(例えば、イヌ、ネコ)の治療で獣医学への応用(例えば、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ブタなど)で使われることができる。加えて、ここに述べられる併用療法は、学習の動物モデル、及び統合失調症、うつ病、不安神経症などのモデルで認識を改善することができる。
【0081】
特定の実施例において、本発明の治療法は、必要な被験者(例えば、神経精神障害であると診断された、或いはそのリスクがあると診断された患者)に、治療に有効な量の(i)
NMDA(N−メチル−D−アスパラギン酸)エンハンサー、及び/又は(ii)グリシントランスポーター阻害剤、及び/又は(iii)D−アミノ酸オキシダーゼ阻害剤(DAA
OI)を含む一つ以上の医薬組成物を投与することを伴う。これらの薬剤のうちの二つ又は三つ全ての組み合わせが利用されると、それらは別々に(同時に、又は経時的に)一回の「組み合わせ」製剤で、或いは、同時に又は経時的に、二つの薬剤を含む組み合わせ製剤及び一つの製剤を含む第2の製剤で投与されてもよい。
【0082】
NMDA(N−メチル−D−アスパラギン酸)エンハンサー、及び/又はグリシントランスポーター阻害剤、及び/又はD−アミノ酸オキシダーゼ阻害剤(DAAOI)の活性薬剤の有効量は、患者の状態、障害の症状の重症度、及び医薬品組成物がどのような方法で投与されるか、といった因子によって変化し得る。さまざまな実施例において、人間の患者に対する一般的な合成物の有効な単位服用量は、:DAAOI(例えば、安息香酸エステル、50mg−150gの範囲)、NMDAエンハンサー(D−セリン、50mg−50gの範囲;D
−アラニン、1−150gの範囲)、グリシントランスポーター阻害剤(例えば:sarcone(50mg−50gの範囲));であり、DAAOI+NMDAエンハンサー、DAAOI+グリシ
ントランスポーター阻害剤、NMDAエンハンサー+グリシントランスポーター阻害剤、
の組み合わせ、又は三つの種類の合成物が投与される。
【0083】
様々な実施例において、活性薬剤の各々の有効量は、50gを含むが、これに限らず因子
の場合によって、1mg、10mg、50mg、100mg、250mg、又は500mg、300g
、200g、150g、100g、50g、25g、10g、5g又は1gから変動する。特定の実施例において、本発明の化合物及び組成物は、約0.1〜約1,000mg/日の範囲の投薬量レベルに、患者に投与され得る。約70kgの体重がある健康な成人に対しては、約0.01〜約100mg/kg体重/日の範囲の投薬量が十分な量であると推定される。しかしながら、使用される特定の投薬量は、変化し得る。例えば、投薬量は、患者の要求、治療を受ける状態の重症度、及び使用される化合物の薬理活性を含む因子の数に依存し得る。特定の患者に対する最適投薬量の決定は、当業者には既知である。キャリア材と結合されて一つの剤形を生じる可能性がある活性成分の量は、治療を受けるホスト及び特定の投与方法に応じて変わる。しかしながら、あらゆる特定の患者に対する特定の投薬量レベルは、使用する特定の化合物の活性、年齢、体重、健康状態、性別、食事、投与時間、投与経路、排出率、薬剤の組み合わせ、及び治療を受ける特定の疾患の重症度を含む様々な因子に依存することが、理解されている。
【0084】
本発明の方法の全てにおいて、活性薬剤の適切な投薬量は、患者の疾患の改善または抑制の徴候をモニターして、所望の投薬量及び/又は治療頻度を増減することによって、医療の通常の知識を有する者により容易に決定されてもよい。
【0085】
様々な実施例において、約10mg〜約50g/日、より望ましくは、約10mg〜約10g/日の投薬量に対する等価量が、そのような治療を必要とする患者に投与される。例えば、投薬量が10mg、50mg、100mg、200mg、300mg、150〜300mg(例えば、175mg、200mg、225mg又は250mg)の量であってもよい。
【0086】
通常、治療は少なくとも1週間続いて、数年間、又は、患者の症状を制御する必要がある限り、生涯に亘って続くこともある。
【0087】
投与及び処方
様々な実施例において、医薬品組成物は、経口、静脈内、経粘膜(例えば、鼻、膣など)、肺、経皮、経鼻、眼、口腔、舌下、腹腔内、くも膜下であるか、筋肉内、長期デポー製剤といったいくつかのルートのいずれか、或いは、組み合わせによって被験者(例えば、患者)に投与され得る。特定の実施例において、経口投与のための固体組成物は、徐放制御のために、コーンスターチ、ゼラチン、ラクトース、アカシア、スクロース、結晶セルロース、カオリン、マンニトール、燐酸カルシウム、炭酸カルシウム、塩化ナトリウム、リピド、アルギン酸、又は徐放制御のための成分といった適切なキャリア又は賦形剤を含み得る。使用され得る分解させるものは、結晶セルロース、コーンスターチ、ナトリウム澱粉グリコール酸塩、及びアルギン酸を含むが、これに限定されるものではない。使用され得る錠剤結合剤は、アカシア、メチルセルロース、ナトリウム・カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン(ポビドン)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、スクロース、澱粉、及びエチルセルロースを含むが、これに限定されるものではない。
【0088】
様々な実施例において、水または他の水様の媒体で調製される経口投与のための液体組成物は、活性化合物、湿潤剤、甘味料、着色料、及び香料を含有する液剤、乳剤、シロップ剤、及びエリキシル剤を含み得る。様々な液体及び粉末組成物は、治療を受ける患者の肺への吸入のために従来の方法によって準備がされ得る。
【0089】
特定の実施例において、注射可能な組成物は、植物性油脂、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、乳酸エチル、炭酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、エタノール、多価アルコール(グリセロール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングリコールなど)といった様々なキャリアを含み得る。静脈注射のために、化合物は、活性化合物及び生理的に受け入れ可能な賦形剤を含む医薬品組成物が注入される点滴法によって投与されてもよい。生理的に受け入れ可能な賦形剤は、例えば、5%のブドウ糖、0.9%の食塩水、リンガー溶液、又は他の適切な賦形剤を含んでもよい。筋肉内製剤のために、化合物形態の可溶性塩のsterile compositionは、注射用滅菌水(Water-for- Injection)、0
.9%の食塩水、又は5%のブドウ糖溶液といった医薬賦形剤の中で分解されて投与され得るか、或いは、デポー製剤の化合物(例えば、デカン酸塩、パルチミン酸塩、ウンデシレン酸(undecylenic)、エナント酸塩)は、胡麻油で分解され得る。或いは、医薬品組
成物は、チューインガム、棒キャンディーなどとして調合されてもよい。
【0090】
様々な実施例において、組み合わせ製剤が考察される。特定の実施例において、そのような製剤は、以下の三つの活性薬剤:(i)NMDA(N−メチル−D−アスパラギン酸)
−エンハンサー、及び/又は(ii)グリシントランスポーター阻害剤、及び/又は(iii
)D−アミノ酸オキシダーゼ阻害剤(DAAOI)のうちの少なくとも二つを含有する。特定の実施例において、三つ全ての活性薬剤が、単一製剤に存在する。組み合わせ製剤において、異なる成分は、錠剤の異なる層において、又は、異なるマイクロビーズ/マイクロカプセルなどにおいて分離されてもよい。特定の実施例において、二つ以上の活性薬剤は、例えば単一の賦形剤において、混在及び/又は懸濁されている。一般的に、異なる活性薬剤は、治療的に有効な投薬量で各々提供される。
【0091】
D−アミノ酸オキシダーゼ阻害剤(DAAOI)
本発明の方法における使用に適している多数のD−アミノ酸オキシダーゼ阻害剤(DAAOI)は、当業者に既知である。適切なDAAOIは、限定されるわけではないが、例えば、安息香酸及びその誘導体、ソルビン酸及びその誘導体、2−オキソ−3ペンタノエート;アミノグアニジン(グアニルヒドラジン;カルバミミドヒドラジド;ピマゲジン;GER 11;ヒドラジンカルボキシイミドアミド)、又は、塩酸塩(塩酸グアニルヒドラジン)、重炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩(2:1)、硫酸塩(1:1)、及びそのヘミスルフェート塩;安息香酸;安息香酸ナトリウム;2−アミノ安息香酸塩;3−アミノ安息香酸塩;4−アミノ安息香酸塩(パラアミノ安息香酸塩、PABA、ビタミンBx、ビタミンH1);メチルグリオキサルビス(グアニルヒドラゾン)(また、メチルGAG;ミトグアゾン;1,114(メチルエタンジイリデン)ジニトリロとしても知られている)ジグアニジン;ヒドラジンカルボキシイミドアミド、2,2´−(1−メチル−1,2−エタンジイリデン)ビス−;ピルボアルデヒド・ビス(アミジノヒドラゾン);Megag;Mitoguazona [INN-Spanish];グアニジン、1.1´−((メチルエタンジイリデン)ジニトリロ)ジ−;1,1´−((メチルエタンジイリデン)ジニトリロ)ジグアニジン);メチルグリオキサルビス(グアニルヒドラゾン)、二塩酸塩;フェニルグリオキサルビス(グアニルヒドラゾン)(PhGBG);グリオキサルビス(グアニルヒドラゾン)(GBG;グアニジン、1,11−(エタンジイリデンジニトリロ)ジ(8Cl);ヒドラジンカルボキシイミドアミド(2,2´−(1,2−エタンジイリデン)ビス−(9Cl)));インドールプロピオン
酸(IPA、3−(3−インドリル)プロパン酸);3−インドール-酢酸(ヘテロオーキシン、IAA);インドール−3−酢酸ナトリウム塩;インドール−3−アセトン;インドー
ル−3−アセトアミド;インドール−3−アセチル−L−アスパラギン酸;インドール−3−アセチル−L−アラニン;インドール−3−アセチルグリシン;インドール−3−アセトアルデヒド重亜硫酸ナトリウム付加化合物;インドール−3−カルボン酸;インドール−3−ピルビン酸(3−(3−インドリル)−2−オキソプロパン酸);サリチル酸(2−ヒドロキシ安息香酸;サリチル酸ナトリウム塩;サリチル酸カリウム塩;ダンシルク
ロリド(5−(ジメチルアミノ)ナフタレン−1−スルホニルクロリド);ダンシルフルオリド(5−(ジメチルアミノ)ナフタレン−1−スルホニルフルオリド);ダンシルグリシン;アラニンテトラゾール;安息香酸性テトラゾール;テトラゾール;リボフラビン5´−ピロリン酸塩(RPP、5−ホスホ−α−D−リボシル二リン酸塩、PRib-PP、P-RPP
);DL−プロパルギルグリシン(DL-PG、2−アミノ−4−ペンタン酸):L−C−プ
ロパルギルグリシン;N−アセチル−DL−プロパルギルグリシン:(±)−ナトリウム3−ヒドロキシ酪酸塩;トリゴネリン塩酸塩(1−メチルピリジニウム−3−カルボン酸塩);N−ニコチン酸メチル;6メチル−ニコチン酸メチル;2エチル−ニコチン酸メチル;コウジ酸(2−ヒドロキシメチル−5−ヒドロキシ−ガンマ−ピロン、5−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−4−ピラノン);例えば、6−(メチルピロリジン)−コウジ酸塩酸塩、6−(モルホリノメチル)−コウジ酸、6−(ジメチルアミノメチル)−コウジ酸塩酸塩といったコウジ酸誘導体;o−(2,4−ジニトロフェニル)ヒドロキシルアミン;2,4−ジニトロフェニル・グリシン;ヒドロキシルアミン塩酸塩;メチル−p−ニトロベンゼンスルホン酸(メチル4−ニトロベンゼンスルホン酸);アミノエチルシステイン−ケチミン(AECK、チアジンケチミン、2H−1,4−チアジン−5,6−ジヒドロ−3−カルボン酸、S−アミノエチル−L−システインケチミン、2H−1,4−チアジン−3−カルボン酸、5,6−ジヒドロ−);1,4−チアジン誘導体;4−フェニ
ル−1,4−スルホナザン(sulfonazan)(テトラヒドロ−4−フェニル−4H−1,4−チアジン1−酸化物、4H−1,4−チアジン、テトラヒドロ−4−フェニル−、1−酸化物);1.フェノチアジン(チオジフェニルアミン、10H−フェノチアジン、AFI
−チアジン、アグラジン、アンチベルム、ジベンゾ−1,4−チアジン);3,4−ジヒドロ−2H−1,4−チアジン−3,5−ジカルボン酸(3,4−Dhca、CAS#86360−62
−5);ニフルチモックス(ニフルチモックス[BANrINN]、1−((5−ニトロフルフリリデン)アミノ)−2−メチルテトラヒドロ−1,4−チアジン−4,4−二酸化物、3−メチル−4−(5´−ニトロフルフリリデン−アミノ)−テトラヒドロ−4H−1,4−チアジン−1,1−二酸化物、BAY 2502、4−((5−ニトロフルフリリデン)アミン)−3−メチルチオモルホリン1,1−二酸化物);3−(1−ピロリジニルメチル)−4−(5,6−ジクロロ−1−インダンカルボニル)−テトラヒドロ−1,4−チアジン塩酸塩(R 84760;R 84761;チオモルホリン、4−((5,6−ジクロロ−2,3−ジヒドロ−1ヒンデン−1−イル)カルボニル)−3−(1−ピロリジニルメチル)−一塩酸塩(R−(R、S))−);還元型ケチミン(ketimine reduced forms);シスタチオニ
ン;シスタチオニンケチミン;ランチオニンケチミン;チオモルホリン−2−カルボン酸;チオモルホリン−2,6−ジカルボン酸;TMDA(1,4−チオモルホリン−3,5−ジカルボン酸);1−クロロ−1−ニトロエタン;アントラニル酸塩;2−アミノ安息香酸エチル(エチルアントラニル酸塩);2−アミノ安息香酸メチル(メチルアントラニル酸塩);ピコリン酸塩;ピコリン酸エチル(2−(エトキシカルボニル)ピリジン、2−ピリジンカルボン酸エチル、L−ロイシンメチルエステル、塩酸塩;L−ロイシン([(S)−(+)−ロイシン]);フルオロジニトロベンゼン(1−フルオロ−2,4−ジニトロベンゼン、2,4−DNFB、ベンゼン、1−フルオロ2,4−ジニトロ−、VAN);ジニトロ
クロロベンゼン(1−クロロ−2,4−ジニトロベンゼン、1,3−ジニトロ−4−クロ
ロベンゼン);1,2−シクロヘキサンジオン;アリルグリシン(D−アリルグリシン、4−ペンチン酸、2−アミノ−);2−アミノ−2,4−ペンタジエノアート;2−ヒドロキシ−2,4−ペンタジエノアート、;2−アミノ−4−ケト−2−ペンタノアート;2−ヒドロキシ酪酸塩;2−ヒドロキシ酪酸ナトリウム;N−クロロ−D−ロイシン;N−アセチル−D−ロイシン;D-Leu(D−2−アミノ−4−メチルペンチン酸);D
−プロパルギルグリシン;2−アミノ−4−ペンチン酸;D,L−プロパルギルグリシン;L−2−アミノ4−ペンチン酸;プロゲステロン(4−プレグナン−3,20−ジオン);FAD(フラビンアデニンジヌクレチオド、1H−プーリン−6−アミン、フラビン
ジヌクレオチド、アデノシン5´−(トリハイドロゲンピロリン酸塩)、リボフラビンによる5´−5´−エステル);6−OH−FAD;フェニルグリオキサール(2,2−ジ
ヒドロキシアセトフェノン);フェニルグリオキサール一水和物(2,2−ジヒドロキシアセトフェノン一水和物);シクロチオニン(ペルヒドロ−1,4−チアゼピン−3,5−ジカルボン酸、1,4−ヘキサヒドロチアゼピン−3,5−ジカルボン酸、1,4−チアゼピン−3,5−ジカルボン酸、ヘキサヒドロ-);α−α´−イミノジプロピオン酸(アラノピン;2,21−イミノジプロピオン酸;L−アラニン(N−(1−カルボキシエチル)−);メソ−ジアミノコハク酸(3−アミノアスパラギン酸;ジアミノコハク酸; CAS RN:921-52-8 );メソ−2,3−ジアミノコハク酸(CAS RN:23220-52-2);チオセミカルバジド(チオカルバモイルヒドラジド);チオ尿素(スルホ尿素;チオカルバミド);メチルチオウラシル(4(6)−メチル−2−チオウラシル、4−ヒドロキシ−2−メルカプト6−メチルピリミジン);スルファチアゾール(N1−(2−チアゾリルスルファニルアミド、4−アミノ−N−2−チアゾリルベンゼンスルホンアミド);スルファチアゾールナトリウム塩(4−アミノ−N−2−チアゾリルベンゼンスルホンアミドナトリウム塩);チオシアン酸塩;3−メチルベンジルチオシアン酸塩;メチマゾール(2−メルカプト−1−メチルイミダゾール、1−メチルイミダゾール−2−チオール);ジカルボキシルヒドロキシ酸;1,3−アセトンジカルボン酸(3−オキソグルタル酸);D−酒石酸([(25,35)−(−)−酒石酸(非天然酒石酸)]);L−酒石酸([(2R,3R)−(+)−酒石酸、天然酒石酸]);DL−酒石酸;酒石酸カリウム;D−リンゴ酸;[(R)−(+)−リンゴ酸、(R)−(+)−ヒドロキシコハク酸];L−リンゴ酸;[(S)(−)−リンゴ酸、(S)−(−)−ヒドロキシコハク酸)];DL−リンゴ酸(DL−ヒドロキシコハク
酸);アミノ酸であるアラニン、ロイシン、フェニルアラニン、フェニルグリシン、チロシン、セリン、アスパラギン酸塩、及びそれらの塩とそれらの誘導体の類似体であるα−ケト酸;ピルビン酸(2−オキソプロピオン酸、α−ケトプロピオン酸);ピルビン酸ナトリウム;ピルビン酸メチルエステル(ピルビン酸メチル);フェニルピルビン酸;フェニルピルビン酸カルシウム(ピルビン酸カルシウム);フェニルピルビン酸ナトリウム塩(フェニルピルビン酸ナトリウム);4−ヒドロキシフェニルピルビン酸;ナトリウムα−ケトイソ吉草酸(3−メチル−2−オキソ酪酸ナトリウム塩、3−メチル−2−オキソ酪酸ナトリウム塩、α−ケトイソ吉草酸ナトリウム塩;ケトバリンナトリウム塩);ベンゾイルギ酸(α−オキソフェニル酢酸、フェニルグリオキシル酸);4−メチルチオ−2−オキソペンタン酸;4−メチル−2−オキソペンタン酸(4−メチル−2−オキソ吉草酸;α−ケトイソカプロン酸;4−メチルチオ−2−オキシ酪酸;2−オキシ酪酸(ヒドロキシ酪酸塩;2−ヒドロキシ酪酸;α−ヒドロキシ−M−酪酸;DL−α−ヒドロキシ酪酸ナトリウム塩(ナトリウム(±)−2−ヒドロキシ酪酸塩);インドール−3−ピルビン酸(トリプトファンのα−ケト類似体);システアミンとブロモピルビン酸との反応生成物;システアミン(2−アミノエタンチオール;2−メルカプトエチルアミン);パンテテイン;5−アデノシルメチオニン;ブロモピルビン酸エチル;ブロモピルビン酸メチル;ブロモピルビン酸;及び、5−S−システイニルドーパミン(PCT 公開WO 03/047558と米国特許公開第2003/0185754 A1を参照)を含む。
【0092】
安息香酸、ソルビン酸、及びそれらの塩とそれらの誘導体
特定の実施例において、好ましいDAAOIは、安息香酸、安息香酸塩、安息香酸エステル、及び/又はその誘導体、及び/又は、ソルビン酸、ソルビン酸塩、又はその誘導体を含むが、これらに限定されるわけではない。実例となる安息香酸塩は、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸カルシウム、安息香酸リチウム、安息香酸マグネシウム、安息香酸亜鉛などを含むが、これらに限定されるわけではない。特定の実施例において、安息香酸塩は、安息香酸;安息香酸ナトリウム;2−アミノ安息香酸塩;3−アミノ安息香酸塩;4−アミノ安息香酸塩(パラアミノ安息香酸塩、PABA、ビタミンBx、ビタミンH1、そして、ベンゾ[d]イソオキサゾール−3−オール誘導体(ここに参照として組み込まれる米国特許 7,166,725号、国際出願公開WO03/047558、及び米国特許公開第2003/0185754 A1を参照)などからなる群から選択される。特定の実施例において、米国特許
7,166,725号、国際出願公開WO03/047558、及び米国特許公開第2003/0185754 A1において
開示される化合物は、明確に除外される。
【0093】
実例となるソルビン酸(2,4−ヘキサデカン酸)塩は、ソルビン酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、ソルビン酸カルシウムを含むが、これらに限定されるわけではない。
他のソルビン酸誘導体は、ソルボヒドロキサム酸、2,4−ヘキサジエナール、ソルビン酸チオール付加物、8−キノリニルソルベート(quinolinylsorbate)、m−ニトロソル
ブアニリド(nitrosorbanilide)などを含むが、これらに限定されるわけではない。
【0094】
NMDAエンハンサー
本発明の特定の方法の使用に適しているNMDAエンハンサーは、当業者にとって既知である。適切なNMDAエンハンサーは、例えば、D−アラニン、D−アラニンの塩、D−アラニンのエステル、アルキル化されたD−アラニン、D−アラニンの前駆体、D−セリン、D−セリンの塩、アルキル化されたD−セリン、D−セリンの前駆体、D−シクロセリン、D−‐シクロセリンの塩、D−シクロセリンのエステル、D−シクロセリンの前駆体、アルキル化されたD−シクロセリン、N,N−ジメチルグリシン、N,N−ジメチルグリシンの塩、N,N−ジメチルグリシンのエステル、アルキル化されたN,N−ジメチルグリシン、及びN,N,N−トリメチルグリシンを含むが、これらに限定されるわけではない。
【0095】
特定の実施例において、作動薬がD−アラニン、D−アラニンの塩、D−アラニンのエステル、アルキル化されたD−アラニン、又はD−アラニンの前駆体であるとき、組成物はD−シクロセリンを実質的に含まず、そして、作動薬がD−シクロセリン、D−シクロセリンの塩、D−シクロセリンのエステル、D−シクロセリンの前駆体、又はアルキル化されたD−シクロセリンであるとき、医薬品組成物は、105−500mgのD−シクロセリンと等価の作動薬量を含む。
【0096】
グリシントランスポーター阻害剤
本発明の方法の使用に適しているグリシントランスポーター阻害剤は、当業者に既知である。適切なグリシントランスポーター阻害剤は、サルコシン(Nメチル−グリシン)、N−[3−(4´−フルオロフェニル)−3−(4´−フェニルフェノキシ)プロピル]サルコシン、(+)N[3−(4´−フルオロフェニル)−3−(4´−フェニルフェノキシ)プロピル]サルコシン(NFPS)、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、及びピラジニルピペリジン化合物(参照によってここに組み込まれるWO/2005/094514、Pinard et al. (2008) Bioorg Med Chem Lett. 18(18): 5134-5139; Boulay et al. 92008) Pharmacol Biochem Behav. 91(l): 47-58; Lindsley et al. (2006) Curr Top Med Chem. 6(17): 1883-1896; Depoortere et al. (2005) Neuropsychopharmacology 30(11): 1963-1985; Brown et al. (2001) Bioorg Med Chem Lett. 11(15): 2007-2009)を含むが、これらに限定されるわけではない。他のグリシントランスポーター阻害剤は、N−{3−[5−シアノ−1−(4−フルオロフェニル)−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−1−イル]−1−プロピル}グリシンエチルエステル、N−{3−[5−シアノ−1−(4−フルオロフェニル)−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−1−イル]−1−プロピル}−N−メチルグリシンエチルエステル、N−{3−[5−シアノ−1−(4−フルオロフェニル)−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−1−イル]−1−プロピル}グリシン、N−{3−[5−シアノ−1−(4−フルオロフェニル)−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−1−イル]−1−プロピル}−N−メチルグリシン、N−{3−[1−(3−クロロフェニル)−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−1−イル]−1−プロピル}−N−メチルグリシン、N−{3−[1−(3−トリフルオロメチルフェニル)−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−1−イル]−1−プロピル}−N−メチルグリシン、N−{3−[1−(3−トリフルオロメチルフェニル)−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−1−イル]−1−プロピル})−Nメチル(1−エチル)グリシン、N−{3−[1−(4−メチルフェニル)−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−1−イル]−1−プロピル}−N−メチルグリシン、N−{3−[1−(4−フルオロフェニル)−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−1−イル]−1−プロピル}−N−メチルグリシン、N−{3−[1−(4−フルオロフェニル)−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−1−イル]−1−プロピル}−N−メチルアラニン、N−{3−[1−(4−フルオロフェニル)−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−1−イル]−1−プロピル}−Nメチル(1−エチル)グリシン、N−{3−[4−クロロ−1−(3−メチル−4−フルオロフェニル)−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−1−イル]−1−プロピル}−N−メチルグリシン、N−{3−[4−クロロ−1−(4−クロロフェニル)−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−1−イル]−1−プロピル}−N−メチルグリシン、N−{3−[5−クロロ−1−(4−クロロフェニル)−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−1−イル]−1−プロピル})−N−メチルアラニン、N−{3−[6−クロロ−1−(3−メチル−4−フルオロフェニル)−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−1−イル]−1−プロピル}−N−メチルグリシン、N−{3−[6−クロロ−1−(4−クロロフェニル)−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−1−イル]−1−プロピル}−N−メチルグリシン、N−{3−[6−クロロ−1−(4−メチルフェニル)−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−1−イル]−1−プロピル}−N−メチルグリシン、N−{3−[6−クロロ−1−(4−メトキシフェニル)−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−1−イル]−1−プロピル}−N−メチルグリシン、N−{3−[5−フルオロ−1−(4−クロロフェニル)−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−1−イル]−1−プロピル})−N−メチルグリシン、N−{3−[5−フルオロ−1−(4−メトキシフェニル)−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−1−イル]−1−プロピル}−N−メチルグリシン、N−{3−[5−トリフルオロメチル−1−(4−フルオロフェニル)−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−1−イル]−1−プロピル}−N−メチルグリシン、N−{3−[5−トリフルオロメチル−1−(4−フルオロフェニル)−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−1−イル]−1−プロピル}−N−メチルアラニン、N−{3−[5−シアノ−1−(3−メチル−4−フルオロフェニル)−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−1−イル]−1−プロピル})−N−メチルグリシン、N−{3−[5−シアノ−1−(4−シアノフェニル)−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−1−イル]−1−プロピル}−N−メチルアラニン、N−{3−[5−シアノ−1−(4−メトキシフェニル)−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−1−イル]−1−プロピル}−N−メチルグリシン、N−{3−[5−シアノ−1−(4−フルオロフェニル)−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−1−イル]−1−プロピル}−N−メチルグリシン、N−{2−[5−シアノ−1−(4−フルオロフェニル)−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−1−イル]エチル}−N−メチルグリシン、N−{3−[5−クロロ−1−(4−クロロ−フェニル)−インダン−1−イル]−プロピル}−N−メチルグリシン、N−{3−[5−クロロ−1−(4−クロロ−フェニル)−インダン−1−イル]−プロピル}−N−メチルアラニン、N−{3−[3−シクロ−1−(4−メチルフェニル)−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−1−イル]−1−プロピル}−N−メチルグリシン、N−[3−(3,3−ジメチル−1−フェニル−1,3−ジヒドロベンゾ[c]チオフェン−1−イル)−プロピル]−N−メチルグリシン、N−[3−(3,3−ジメチル−1−フェニル−1,3−ジヒドロベンゾ[c]チオフェン−1−イル)−プロピル]−N−メチルアラニン、N−{3−[1−(4−フルオロ−フェニル)−3−ジメチル−1,3−ジヒドロ−イソベンゾフラン−1−イル]−プロピル}−N−メチルグリシン、N−{3−[5−ブロモ−1−(4−クロロフェニル)−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−1−イル]−1−プロピル}−N−メチルグリシン、N−{2−[1−(4−クロロ-フェニル)−3,3−ジメチル−1,3−ジヒドロ-イソベンゾフラン−1−イル]−エチル}−N−メチルグリシン、N−[3−(3−メチル−1−フェニル−1H−インデン−1−イル)−プロピル]−N−メチルグリシン、N−[3−(5−クロロ−1−チオフェン−2−イル−1,3−ジヒドロ−イソベンゾフラン−1−イル)−プロピル]−N−メチルグリシン、N−[3−(5−クロロ−1−チオフェン−2−イル−1,3−ジヒドロ−イソベンゾフラン−1−イル)−プロピル]−N−メチル(1−エチル)−グリシン、N−[3−(3−メチル−1−フェニル−1,3−ジヒドロ−イソベンゾフラン−1−イル)−プロピル]−N−メチルアラニン、N−[3−(3−メチル−1−フェニル−1,3−ジヒドロ−イソベンゾフラン−1−イル)−プロピル]−N−メチル(1−エチル)−グリシン、N−[3−(3,3−ジメチル−1−フェニル−1,3−ジヒドロ−イソベンゾフラン−1−イル)−エチル]−N−メチルアラニン、N−[3−(3,3−ジメチル−1−(4−フルオロフェニル)−1,3−ジヒドロ−イソベンゾフラン−1−イル)−エチル]−N−メチルアラニン、N−[3−(3,3−ジメチル−1−フェニル−1,3−ジヒドロ−イソベンゾフラン−1−イル)−エチル]−N−メチル−(1−エチル)グリシン、N−[3−(3,3−ジメチル−1−(4−フルオロ−フェニル)−1,3−ジヒドロ−イソベンゾフラン−1−イル)−エチル]−N−メチル−(1−エチル)グリシン、N−[3−(3,3−ジエチル−1−フェニル−1,3−ジヒドロ−イソベンゾフラン−1−イル)−プロピル]−N−メチルアラニン、N−[3−(3,3−ジエチル−1−(4−クロロ-フェニル)−1,3−ジヒドロ−イソベンゾフラン−1−
イル)−プロピル]−N−メチルアラニン、N−[3−(3,3−ジエチル−1−(4−クロロ−フェニル)−1,3−ジヒドロ−イソベンゾフラン−1−イル)−プロピル]−N−メチルグリシン、N−[3−(1−フェニル−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c]チオフェン−1−イル)−プロピル]−N−メチルアラニン、N−{3−[1−(4−クロロ−フェニル)−3,3−ジメチル−インダン−1−イル]−プロピル}−N−メチルグリシン、N−{3−[1−(4−クロロ−フェニル)−3,3−ジエチル−1,3−ジヒドロ−イソベンゾフラン−1−イル]−プロピル}−N−メチル−アラニン、N−[2−(3−メチル−1−フェニル−インダン−1−イル)−エチル]−アミノ}−N−メチルアラニン、N−[3−(1−フェニル−(1H)−インデン−1−イル)−プロピル]−N−メチルアラニン、N−{3−[1−(4−フルオロ−フェニル)−5−(4−トリフルオロメチル-フェニル)−1,3−ジヒドロ−イソベンゾフラン−1−イル]−プロピル}−N−メチル−グリシン、N−{3−[5−クロロ−1−(4−クロロ−フェニル)−インダン−1−イル]−プロピル})−N−メチル−グリシン、N−{3−[5−クロロ−1−(4−クロロ−フェニル)−インダン−1−イル]−プロピル}−N−メチル−アラニン、N−{3−[1−(4−クロロ−フェニル)−5−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−1,3−ジヒドロ−イソベンゾフラン−1−イル]−エチル}−N−メチル−グリシン、N−{3−[1−(4−クロロ−フェニル)−5−(4−メチル−フェニル)−1,3−ジヒドロ−イソベンゾフラン−1−イル]−エチル}−N−メチル−グリシン、N−{3−[1−(4−クロロ−フェニル)−5−(4−メトキシ−フェニル)−1,3−ジヒドロ−イソベンゾフラン−1−イル]−エチル}−N−メチル−グリシン、N−{3−[1−(4−クロロ−フェニル)−5−(2−チオフェニル)−1,3−ジヒドロ−イソベンゾフラン−1−イル]−エチル})−N−メチル−グリシン、N−{3−[1−(4−クロロ−フェニル)−5−(4−メチル−フェニル)−1,3−ジヒドロ−イソベンゾフラン−1−イル]−プロピル}−N−メチル−グリシン、N−{3−[1−(4−クロロ−フェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−1,3−ジヒドロ−イソベンゾフラン−1−イル]−プロピル})−N−メチル−グリシン、N−{3−[1−(4−クロロ−フェニル)−5−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−1,3−ジヒドロ−イソベンゾフラン−1−イル]−プロピル}−N−メチル−グリシン、N−{3−[1−(4−クロロ−フェニル)−5−(4−クロロ−フェニル)−1,3−ジヒドロ−イソベンゾフラン−1−イル]−エチル}−N−メチル-グリシン、N−{2−[1−(4−クロロ−フェニル)−5−(5−クロロ−チオフェン−2−イル)−1,3−ジヒドロ−イソベンゾフラン−1−イル]−エチル}−N−メチル−グリシン、N−{3−[1−(4−クロロ−フェニル)−5−(3−メチル−フェニル)−1,3−ジヒドロ−イソベンゾフラン−1−イル]−エチル}−N−メチル−グリシン、N−{3−[1−(4−クロロ−フェニル)−5−(2−メチル−フェニル)−1,3−ジヒドロ−イソベンゾフラン−1−イル]−エチル}−N−メチル−グリシン、N−{3−[1−(4−クロロ−フェニル)−5−(2,5−ジクロロ−フェニル)−1,3−ジヒドロ−イソベンゾフラン−1−イル]−エチル}−N−メチル−グリシン、N−{3−[1−(4−クロロ−フェニル)−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−1,3−ジヒドロ−イソベンゾフラン−1−イル]−エチル}−N−メチル−グリシン、N−{3−[1−(4−クロロ−フェニル)−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−1,3−ジヒドロ−イソベンゾフラン‐1−イル]−プロピル}−N−メチル−グリシン、N−{3−[1−(4−クロロ−フェニル)−5−(3,4−ジクロロ−フェニル)−1,3−ジヒドロ−イソベンゾフラン−1−イル]−エチル}−N−メチル−グリシン、N−{3−[1−(4−クロロ−フェニル)−5−(4−クロロ−フェニル)−1,3−ジヒドロ−イベンゾフラン−1−イル]−プロピル}−N−メチル−グリシン、N−{3−[1−(4−クロロ−フェニル)−5−(3−メチル−フェニル)−1,3−ジヒドロ−イソベンゾフラン−1−イル]−プロピル}−N−メチル−グリシン、N−{3−[1−(4−クロロ−フェニル)−5−(2−メチル−フェニル)−1,3−ジヒドロ−イソベンゾフラン−1−イル]5−プロピル})−N−メチル−グリシン、N−{3−[1−(4−クロロ−フェニル)−5−(2,5−ジクロロ−フェニル)−1,3−ジヒドロ−イソベンゾフラン−1−イル]−プロピル}−N−メチル−グリシン、N−{3−[1−(4−クロロ−フェニル)−5−(3,4−ジクロロ−フェニル)−1,3−ジヒドロ−イソベンゾフラン−1−イル]−プロピル}−N−メチル−グリシン、及びN−{3−[1−(4−クロロ−フェニル)−5−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−1,3−ジヒドロ−イソベンゾフラン−1−イル]−プロピル}−N−メチル−グリシン(参照によってここに組み込まれる米国特許第6,921,774を参照)、又は他の非グリシン−、非N−メチルグリシン−構造をベースにした阻害剤(Harsing et al.(2006)Current Medicinal Chemistry、13:1017-1104を参照)
を含むがこれらに限定されるわけではない。
【0097】
付加的な活性薬剤
特定の実施例において、本方法は、前述の薬剤の代わりに、或いは、前述の薬剤と併用して付加的な向精神薬及び他の治療薬を投与することを含み得る。
【0098】
特定の実施例において、そのような薬剤は、ジアゼパム、ブロマゼパム、プラゼパム、クロルジアゼポキシド、クロバザム、エスタゾラム、フルラゼパム、クロナゼパム、テマゼパム、トリアゾラム、アルプラゾラム、ミダゾラム、ブロチゾラム、ニトラゼパム、フルニトラゼパム、オキサゼパム、クアゼパム、ロラゼパム、テマゼパム、トリアゾラム、ゾルピテム、ゾピクロン、ザレプロン、クロルプロマジン、チオリダジン、メソリダジン、フルフェナジン、ペルフェナジン、トリフルオペラジン、チオチキセン、ハロペリドール、ロクサピン、モリンドン、クロザピン、リスペリドン、オランザピン、クエチアピン、ハロペリドールデカノエート、フルフェナジンデカノエート、エナント酸フルフェナジン、リスパダール コンスタ、アミトリプチリン、アモキサピン、ブプロピオン、ブプロピオンSR、シタロプラム、S−シタロプラム、クロミプラミン、デシプラミン、ドキセピン、デュロキセチン、ミルナシプラン、フルオキセチン、フルボキサミン、イミプラミン、イソカルボキサジド、ラモトリギン、リチウム、トピラマート、ガバペンチン、カルバマゼピン、オキサカルバゼピン、バルプロ酸塩、マプロチリン、メマンチン、ミルタザピン、ブロファロミン、ゲピロン、モクロベミド、フィゾスチグミン、ニコチン、ヒューペルジンA、ビタミンC、ビタミンE、カロチノイド、イチョウ、スタチン、ネファゾドン、ノルトリプチリン、パロキセチン、フェネルジン、プロトリプチリン、セルトラリン、プロトリプチリン、トリミプラミン、アモキサピン、イソニアジド、イプロニアジド、ベンラファキシン、ベラファキシンXR、ミアンセリン、レボキセチン、セレギリン、トラニルシプロミン、トラゾドン、トリミプラミン、ベンラファキシン、ベラファキシンXR、アンフェタミン、モダフィニル、デソキシン、メタンフェタミン、アレコリン、デクスメチルフェニデート(フォカリン、フォカリンXR)、デキストロアンフェタミン(デキセドリン、デキセドリンスパンスール、デキストロアンフェタミンER、Dextrostat)、メチルフェニデート(コンサータ 、デイトラーナ、メタデートCD、メタデートER、メチリン、メチリンER、リタリン、リタリン−LA、リタリン−SR)、リスデキサンフェタミンメシル酸塩(ビバンセ)、混合アンフェタミン塩(アデラル、アデラルXR)、アトモキセチン(ストラテラ)、塩酸クロニジン(カタプレス)、塩酸グアンファシン(テネックス)、コカイン、ペモリン、ドネペジル、タクリン、リバスチグミン、アセトフェナジン、クロルプロチキセン、ドロペリドール、ピモジド、ブタペラジン、カルフェナジン、レモキシプリド、ピペラセタジン、スルピリド、ジプラシドン、アリピプラゾール、パリペリドン、ラモトリジン(ラミクタール(登録商標))、メマンチン(アクスラ(登録商標)、アカチノール(登録商標)、ナメンダ(登録商標)、エビクサ(登録商標)、ABIXA(登録商標))、アレコリン、アカンプロセート、テトラベナジン(キセナジン(登録商標)、ニトマン(登録商標))、リルテック(登録商標)(リルゾール)などを含むが、これらに限定されるわけではない。
【0099】
化合物製剤
特定の実施例において、ここに述べられる薬剤(例えば、安息香酸、安息香酸塩、又はその誘導体、及び/又は、ソルビン酸、ソルビン酸塩、又はその誘導体)と例えば、ここに述べたような)向精神薬は、同時に、又は、経時的に、別に投与される。薬剤は、薬学的に受け入れられる適切な製剤の状態で市販されている。
【0100】
特定の実施例において、しかしながら、薬剤、例えば、安息香酸、安息香酸塩、安息香酸エステル、又は他の安息香酸誘導体、及び/又は、ソルビン酸、ソルビン酸塩、ソルビン酸エステル、又は他のソルビン酸誘導体、及び、向精神薬(例えば、抗うつ剤、抗精神病薬、興奮剤(phsychostimulant)、気分安定薬、精神安定剤、ADHD治療薬、アルツハイマー病治療薬、及び他の向精神薬など)は、限定されるわけではないが、経口投与、直腸投与、注射、経皮投与、皮下沈着物投与、経鼻投与などを含む種々の手順のいずれかによる投与のための組み合わせ製剤である。組み合わせ製剤を調製する方法は、当業者に既知である(例えば、レミントンの薬学(Remington's Pharmaceutical Science)、第15版、Mack Publishing Company、イーストン、ペンシルバニア(1980)、レミントン:The Science and Practice of Pharmacy、第21版、2005、リッピンコット・ウィリアムス(Lippincott Williams)及びウィルキンズ(Wilkins)などを参照)。
【0101】
例えば、経口投与のために、活性薬剤(例えば、安息香酸、その塩、又はその誘導体、及び/又は、ソルビン酸、その塩、又はその誘導体、及び抗精神病薬)は、一つ以上の賦形剤と組み合わせることが可能であり、体内に摂取可能な錠剤、バッカル剤、トローチ、カプセル、エリキシル、懸濁剤、シロップ、ウエハー、などの形態で使用され得る。ウエハー製剤において、例えば、ウエハーを構成する異なる層が、異なる薬剤を含んでもよい。同様に、徐放性カプセル剤は、複数の活性薬剤を含んでもよい。そのような組成物及び製剤は、望ましい時間に薬剤を望ましい濃度で放出するために、一般的に調合される。
【0102】
同様に、注射可能薬のために、活性薬剤は、一つの注射可能な製剤と組み合わせることが可能である。
【0103】
キット
別の実施例において、本発明は、神経精神障害を治療する(例えば、一つ以上の症状を緩和する)キットを提供する。キットは、望ましくは、ここに述べられる活性薬剤の組み合わせを別々の製剤、又は一つの組み合わせ製剤として含む一つ又は複数の容器を含む。薬剤は、単位投薬量製剤(例えば坐薬、錠剤、カプレット、パッチなど)で提供されてもよく、及び/又は、一つ以上の薬学的に受け入れられる賦形剤と任意に組み合わされてもよい。
【0104】
特定の実施例において、キットは、安息香酸、安息香酸塩、又はその誘導体、及び/又はソルビン酸、ソルビン酸塩、又はその誘導体、及び向精神薬(例えば、抗精神病薬)を含む。薬剤は、別々の容器に、または、同じ容器に入っていてもよい。
【0105】
さらに、キットは任意で、方法の実行、又は本発明の「治療薬」又は「予防薬」の使用のための使用法(即ち、プロトコル)を提供する標識(labeling)及び/又は処方箋(instructional materials)を含む。好ましい処方箋は、ここに述べられる神経精神障害の症
状を緩和するための、又は、そのような障害のリスクがある人の発症又は一つ以上の症状の増加を防ぐための薬剤の組み合せの使用を説明する。処方箋は、任意で、好ましい投薬量/治療法、最適投薬方式、禁則事項なども説明してもよい。
【0106】
処方箋は概して、書き込まれた資料又は印刷物であるが、これに限定されるわけではない。そのような指示を格納して、エンドユーザーにそれらを伝えることができるあらゆる媒体が、本発明に考慮される。そのような媒体は、限定されるわけではないが、電子記憶媒体(例えば、磁気ディスク、テープ、カートリッジ、チップ)、光学媒体(例えば、CD ROM)を含む。そのような媒体は、そのような処方箋を提供するインターネットサイトへのアドレスを含んでもよい。
【0107】
[実施例]
以下の実施例は、実例を示すが、請求される本発明を限定するわけではない。
【0108】
実施例1
序論
N−メチル−D−アスパラギン酸の神経伝達を強化する薬剤による治療は、抗精神病薬を含む向精神薬に効き目がない患者のための代替物として、注目を集めた。しかしながら、個々のNMDAの強化の有効性は、一般的な投薬量で制限される。発明者は、NMDAの強化薬剤の組み合せは、個々の薬剤を単独で投与するよりも、より良好な臨床効果を提供すると考えている。この仮説を評価するために、発明者は、齧歯類における統合失調症の完全に認められた神経生理学的モデルに、組み合せの戦略を適用し、驚愕馴化、及びプレパルス抑制(PPI)をテストした。
【0109】
驚愕反応は、比較的強い突然の刺激によって誘発される反射の一群から成る。聴覚(バースト雑音)、(皮膚)電気、触覚(エアパフ)又は、視覚(フラッシュ)刺激によって引き起こされる場合、中枢神経系の活動の行動測定としての多くの利点が提供され得る。驚愕反射は、複雑な行動の状態及び認知過程の神経機能の基本的特性を研究するためのツールとして用いられている。
【0110】
前脳は、馴化及びPPIを含む驚愕の可塑性のいくつかの形態を調整する。刺激の繰り返し
−馴化及び鋭敏化−による驚愕の大きさにおける変化は、学習の単純な形態を意味する。齧歯動物における驚愕馴化及び鋭敏化の定量化は、人間のCNS機能への直接的な生理的関連がある。実際に、統合失調症のために最もよく認められた動物生理学モデルは、驚愕馴化及びPPIである。
【0111】
そのため、NMDAの強化薬剤の組み合せの治療が個々の薬剤を単独で投与するよりも、より良好な有効性を有するという仮説を検証するために、発明者は、単独のNMDAの強化薬剤、サルコシン(N−メチルグリシン、グリシントランスポーター-阻害剤)、安息
香酸塩(D−アミノ酸オキシダーゼ抑制薬)、両方の薬剤の組み合せ、又は賦形剤の投与を受けた動物における驚愕馴化及びPPIを検証した。発明者は、統合失調症、驚愕馴化のアンフェタミン混乱(amphetamine-disruption)及びPPIのよく認められた薬理学的
モデルでも仮説を検証した。
【0112】
方法
感覚運動の抑制を調整する神経生物学的システムの体系的調査のため、驚愕の大きさが調査された。弱いプレパルスによるパルス刺激が30〜500ミリ秒先行する場合、驚愕の大きさは低下する。弱い感覚イベント(PPIと称される)によって誘発される運動反応の抑制(「ゲーティング」)は、感覚運動のゲーティングの測定を提供する。70dBのバックグラウンドノイズより上の3、6又は12dBのプレパルス刺激は、120dBのパルス刺激によって誘発される驚愕反応を抑制する。聴覚驚愕の知覚運動のゲーティングゲートのイントラモーダル研究(intramodal studies)で使用される前刺激は、強度が驚愕閾値以下にあって、驚愕パルスの前の数ミリ秒の離散的な聴覚プレパルスの供給によるものである。一般的に、プレパルスとパルス刺激との間隔を100ミリ秒で一定の状態に保つと、20%から80%の範囲の抑制を生み、PPIの適切なレベルを提供する。
【0113】
馴化のために、発明者はそれぞれのマウスに一つの聴覚刺激を6回行った。一貫した聴覚環境を提供し、及び外部ノイズをマスキングするために、各驚愕チャンバーの中ではバックグラウンドノイズを70dBレベルに維持しなければならない。発明者は、それぞれのマウスの6回の実験から応答のピーク又は平均を集めて、そしてマウスごとに6つの反応を平均化した。PPIの終わりの更に5回の実験が行われた。その結果は平均化されて、最初の6回の実験と比較された。最初の6回の実験と最後の5回の実験との間の驚愕反応の差は、馴化の量と考えられた。分析は、依存測定(最初と最後の6回の実験の平均の差)に関する分散分析(ANOVA)における要因として、独立変数(例えば、賦形剤又は薬物療法)を含む。
【0114】
合計36回の実験が行われた。三つのプレパルス刺激は、20ミリ秒の期間で行われた。マウスごとに、以下の測定基準が決定された:1)パルスのみの実験1〜6及び32〜3
6の反応の大きさを平均化する;2)実験7と実験31との間の4回に実験タイプの各々における反応の大きさを包括的に平均化する(すなわち、10のパルス−のみの実験と各々三つのプレパルスバリエーションの五つ)。パルスのみの最初のブロックの実験は、驚愕反応性の測定として分析された。実験セッションを通じて聴覚驚愕の馴化を評価するために、繰り返されたANOVA測定におけるパルスのみの最初と最後のブロックの実験は、共
に分析された。実験7〜31に由来する4値(3、66又は12dBの上述のバックグラ
ウンド)は、各々のマウスに対して算出されるPPIを評価するのにとして用いられ:パーセンテージ・スコア:PPI=100%×{[パルスのみの単ユニット−(プレパルス
+パルスユニット)]/(パルスのみのユニット)}である。
【0115】
雄の129SVE成体マウスをベースライン時に最初にテストした。10匹のマウスの四つのグループは、各々、サルコシン(200mg/kg)、安息香酸塩(100mg/kg)、サルコシン及び安息香酸塩両方の組み合わせ(個々の治療と同じ投薬量)で治療され、または、実験の前の1週間に賦形剤の治療を受けた。アンフェタミン(10mg/kg)が実験の30分前に投与された場合、マウスは1週後まで薬剤を投与され続けた。
【0116】
結果
発明者は、ベースライン時(薬剤の投与が無いとき)に馴化の違いがグループ全体にないこと(図1の左のグループ)を発見した。しかし、併用療法は、安息香酸塩又はサルコシン治療単独(図1の中央のグループ)よりも強い馴化効果を引き起こす。しかしながら、安息香酸塩の効果は、併用療法に近い。アンフェタミンが投与されて、馴化を崩壊させたとき、馴化の同じ傾向(併用療法>安息香酸塩エステル>サルコシン)は明らかだった(図1の右のグループ)。組み合せは、馴化を強化することにおいて個別の治療より良好である(図1の中央)。NMG又は安息香酸塩の単独治療では、アンフェタミンによる馴化
の崩壊が部分的に是正されたのに対し、併用治療では、正常状態にまで是正された(図1の右のグループ)。安息香酸塩の効果は、しかしながら、サルコシンよりも良好であり、併用療法で見られた効果に近い。
【0117】
PPIについて、発明者は、通常、より強いプレパルスが、よりパルス反応を抑制することを見出した(525Hzの抑制>487Hzの抑制>468Hzの抑制)(図2)。アンフェタミンは、すべての治療において抑制を崩壊させた。アンフェタミンによるこの崩壊は、賦形剤による治療を受けているマウス(左の柱)で最も顕著であり、サルコシン(NMG)と安息香酸塩(中央の2本の柱)によって部分的に是正されて、併用療法(右の柱)によって、最も是正された。
【0118】
結論
感覚ゲーティングをテストする統合失調症の最も認められた動物モデルにおいて、発明者は、併用療法が個別の薬剤治療よりも驚愕馴化及びPPIを著しく是正することを発見した。安息香酸塩の効果は、馴化において併用療法に近いものであった。
【0119】
実施例2
安息香酸ナトリウム、D−アミノ酸オキシダーゼ阻害剤による統合失調症治療
統合失調症は、高い罹患率及び死亡率を伴う悲惨な精神障害であり、世界的な人口の約1%が冒されている。さらに、統合失調症のケアは、直接的および間接的なコストに関して非常に高価である。統合失調症の臨床症状は、:陽性症状、陰性症状、及び、今日十分に対処されていない神経心理学的障害の三つの領域から成る。
【0120】
クロザピンを超える統合失調症の治療の必要性
統合失調症の薬物療法は、半世紀の間、発展を遂げてきた。多数のD2ドーパミン受容体を遮断する従来の抗精神病薬は、陽性症状にのみ効果を発揮した。ドーパミンD2受容体及びセロトニン5HT2受容体をターゲットとしているより新しい非定型抗精神病薬は、陽性症状、陰性症状、及び認知障害に対する有効性に関して従来の薬剤より優れていることが示唆された。これにもかかわらず、利用できる薬物に対する抵抗性があったり、部分的にしか反応しない相当な割合の患者がいた。さらに、第2世代の抗精神病薬の副作用プロフィールは重大であり、血圧低下、発作、鎮静状態、体重増加、高血糖、糖尿病、高脂血症、及び血液の異常を含み、それらの薬剤の臨床使用を制限する。最後に、大部分の統合失調症の患者は、いまだ生涯を通じた疾患及び悪化していく機能に苦しむ。
【0121】
材料及び方法
被験者
研究プロトコルは、学会の施設内倫理委員会(IRB)の承認を得た。患者は、研究精神科医によってスクリーニングされて、評価された。被験者に対する検査の完全な説明の後、書面でのインフォームドコンセントをIRBのガイドラインに従って得た。DSM-I
Vによる構造化臨床面接は、診断のために行われた。1)物理的に健常で、得臨床検査(
尿検査/血液検査、生化学的検査、心電計を含む)による評価が正常範囲である、2)年齢が18歳〜60歳である、3)統合失調症(2のためのDSM-IV基準を満たしている、4)薬物(アルコールを含む)乱用又は依存であるというDSM-IVによる診断がな
い、5)変動なく一貫して症状を示し、抗精神病薬を少なくとも3ヵ月投与しても変化がない、且つ、6)陽性・陰性症状評価尺度(PANSS)(3)において最小基準である合計60スコアを有している患者が本検査に参加した。
【0122】
研究デザイン
並列の抗精神病薬(全ての非定型抗精神病薬)の投薬は、副作用、特に、錐体外路副作用(EPS)を最小化し、さらに好ましい効果を得ることができる最適な投薬方法であった
。最適な治療反応を達成した後、患者の抗精神病薬の服用は、本研究の登録の前に少なくとも3ヵ月の間一定に続けられ、研究期間の間同一の抗精神病薬の投薬計画が続けられた。全ての患者は、非定型抗精神病薬、大多数はリスペリドンを用いた治療を受けた。
【0123】
全ての患者は、それから、6週のプラセボ試験を受けるか、又は、安息香酸ナトリウム(1グラム)を毎日処方されるかを二重盲検状況の下で無作為に割り当てられた。患者は、
プラセボを受けるか、又は活性薬剤を1:1の比率で受けるために、コンピュータ生成のランダム化テーブルを通じて、層化なしで、6人の被験者の集団に無作為に選ばれた。無作為割り当ての隠匿を確実にするために、検査薬剤は、プラセボ又は活性化合物のどちらも外観が同一のカプセル用いて供給されるコード化された容器で提供された。研究薬剤師は、無作為割り当てを実行し、隠された治療割り当ては電話で研究スタッフに伝えられた。患者、介護者、及び研究者(治験中の薬剤師を除いて)の全員にその割り当てが伏せられた。患者のコンプライアンス及び安全性は、研究精神科医及び入院患者看護職員によって綿密に監視された。
【0124】
測定
主要転帰測定(primary outcome measures)は、PANSS(3)、陰性症状評価尺度(SANS)(4)の合計スコア、QLS評価(Quality of Life scale)(入院患者使用
のための10の項目)の質(1,5)、及び、全体的機能評定(DSM−IVにおける第5軸
)(2)によって測定される精神病理学変化であった。第2の分析は、PANSS又はSANSによる肯定的な結果(あるとしたら)が全ての構成要素による全体的な効果であるのか、又は、特異的な構成要素による効果に起因しているのかどうかを調査することを目的とした。
【0125】
PANSSによる要因分析は、五つの構成要素:陽性、陰性、認識、うつ病、及び興奮(3)を明らかにした。陰性症状の評価のために、発明者は、陰性の多重比較を回避するために、PANSSよりもSANSを演繹的に選択する−SANSがより総合的であり、五つのサブスケール:感情鈍麻、失語症、無関心、快感消失/反社会性、及び注意(4)から成るためである。しかし、発明者は、PANSSの陰性要素における研究結果も示した。QLS評価(5)のオリジナルの21項目のうち、10(社会活動、社会的なイニシアチブ、引きこもり、目的意識、動機付け、好奇心、快感消失、目的のない不活性(aimless inactivity)、感情移入の能力、感情的な相互作用)項目が(1)に設定している入院患者のために選択される。全体的機能評定(The Global Assessment of Function)(G
AF、DSM−IVにおける第5軸)は、アンカー(2)における症状を含む。GAF評価者
は、症状の要素を無視するよう指示された。
【0126】
医薬品副作用評価は、EPS(6)による錐体外路系副作用評価尺度、ジスキネジア(7)による異常不随意運動評価尺度(AIMS)、アカシジア評価尺度(8)含む。治療の全身性副作用は、通常検診及び神経学的診察、臨床検査によって評価され、UKU副作用評価尺度(Udvalg for Kliniske Undersogelser)(9)を適用することによるによって
精査された。
【0127】
臨床評価は、訓練されて、評価尺度を経験した研究精神科医によって行われた。評価者間信頼性は、ANOVA試験で分析された。プレ検査訓練の間、0.90以上の級内相関係数に達している評価者だけは、対象患者と評価してもよかった。高い評価者間信頼性を維持して、評価者ドリフト(rater drift)を防ぐために、評価者は、訓練及び信頼性再テ
ストのために少なくとも月に一度会った。評価者間の変動性を最小化するために、個々の患者は、試験の全体を通じて、同じ研究精神科医によって評価された。評価は、ベースライン時、2週後、4週後、及び6週後に行われた。
【0128】
統計解析
患者の人口統計と臨床的特徴、抗精神病薬の服用、反応率、及びグループ間の副作用は、連続変数に対するクラスカル・ウォリス検査(または、分布が正常であればAOVA試験)によって、そして、分類変数に対するカイ二乗検定(またはフィッシャーの正確確率検定)によって比較された。
【0129】
発明者は、治療のために、時間(0、2、4、6週)相互作用分析によって、多重線形回帰を一般化推定方程式(GEE)法(10)と共に適用した。そして、それは同時に一回の分析を使用して複数の治療グループを比較して、ベースライン精神病理学のための制御を可能にした。GEEモデルの結果は、周辺モデルを使用しているAR(自己回帰)(1
)working correlation structureで、SAS/STAT(SAS Institute Inc、ケアリー、ノースカロライナ)の「PROC GENMOD」によって分析された。三つの比較グ
ループがあるため、プラセボグループは二つの活性薬剤治療グループと比較されるように選択された。反応値の分布が通常である場合にだけANOVA及び多重線形回帰が適用されることができるため、発明者は、SAS/INSIGHTv8.2における「コルモゴロフD」パッケージを使用して分布パターンを調べた。全ての仮説検定は、両側検定であり、.05のアルファレベルで実施された。治療全体で比較するために、エンドポイントとベースラインとの間の効果の大きさが算出された。
【0130】
結果
このパイロット、即ち、プラセボ対照、無作為、二重盲式試験(まだ発表されていない)において、発明者は、1000mg/日の安息香酸ナトリウム補助療法(n=18)が統合失調症患者におけるプラセボ治療(n=18)よりも陽性症状及び陰性症状とQOL(quality of life)を著しく改善することができるとわかった(図3)。安息香酸塩も、良
好な安全性と耐性を示した。治療に現れる副作用は、安息香酸塩とプラセボグループとで類似してもいた。これらの副作用は、全て穏やかであり、長続きせず、治療法に起因していなかった。
【0131】
発明者は、リスペリドン(ris)−安息香酸塩の組み合わせ(RBC)の有効性及び安全
性を再確認することによって、統合失調症の治療を最適化した。発明者は、RBCが認知機能及び生活の質(life quality)を含むすべての臨床領域で(プラセボを付加した)リスペリドン(ris)治療よりも優れていたことを発見し、そして、その安全性が(プラセ
ボを付加した)ris治療に等しいことがわかった。この有益な結果は、統合失調症のため
の新しい治療を提供して、この重篤な精神障害に対する社会的なコストを著しく低減する。
【0132】
実施例3
行動試験の開始に先立って動物施設で少なくとも7日間の順化の後、動物(ラット)は強制水泳試験(FST)を受けた。FST方法は、以前のうつ病の動物試験で使われており、
それはPorsoltのFSTからCryanによって改良された(Porsolt et al, 1977; Cryan et al, 2002)。試験は、25℃の水を高さ30cmまで満たしたアクリルのシリンダー(直径20cm、高さ40cm)を使用して行われた。ラットを15分泳がせた。第1の水泳試験の
後、24時間後に再びラットを5分間水泳装置に置いた。ラットの動きは、様々な薬物の投与、又は0.9%の生理食塩水(制御)の投与の5分後に観察された。全ての行動試験は、1600−1800時間の間に行われた。検査日に、5分の試験期間の間に静止している合計期間は、Etho Vision Basic V 3.1分析プログラム(Noldus、Wageningen、オラ
ンダ)を使用して記録された。本実験のために、静止閾値は15%に設定され、1秒に固
定された平均間隔はEtho Visionソフトウェアおける運動能パラメータ(mobility parameter)を円滑にするために選択された。静止閾値以下で、動物は静止したとみなされる。
設定を使用して、全てのラットの動作は、運動能及びFSTにおいて垂直中心線を横切る
回数について自動的に、且つ、量的に分析された。
【表1】

【0133】
表は、三つの治療グループにおけるFSTの行動尺度の上のスコアを示す。ここで見ることができるように、安息香酸ナトリウム及びソルビン酸カリウムは、賦形剤対照グループと比較すると著しくに静止期間を減少させる。
【0134】
ここに述べられる例及び実施例は、例示だけを目的とするものであり、それらを考慮してその様々な修正又は変形は当業者に示唆されて、それらは本出願及び添付の請求項の趣旨と権利範囲に含まれることが理解される。ここに引用されるすべての刊行物、特許、及び特許出願は、全ての目的のために参照によってそれらの全てがここに組み込まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
安息香酸、安息香酸塩、安息香酸エステル、又はその誘導体、及び/又は、ソルビン酸、ソルビン酸塩、ソルビン酸エステル、又はその誘導体と、
向精神薬と、
を含み、前記安息香酸、前記安息香酸塩、前記安息香酸エステル、又は前記その誘導体、及び/又は、前記ソルビン酸、前記ソルビン酸塩、前記ソルビン酸エステル、又は前記その誘導体は、前記向精神薬の有効性を増加させるのに十分な量で存在することを特徴とする医薬品組成物。
【請求項2】
前記安息香酸、前記安息香酸塩、前記安息香酸エステル、又は前記その誘導体、及び/又は、前記ソルビン酸、前記ソルビン酸塩、前記ソルビン酸エステル、又は前記その誘導体は、安息香酸、安息香酸塩、安息香酸エステル、及び/又は安息香酸誘導体を含むことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記安息香酸、前記安息香塩、前記安息香酸エステル、及び/又は、前記安息香酸誘導体は、安息香酸塩であることを特徴とする請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記安息香酸、前記安息香酸塩、前記安息香酸エステル、及び/又は前記安息香酸誘導体は、安息香酸、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸カルシウム、2−アミノ安息香酸塩、3−アミノ安息香酸塩、及び4−アミノ安息香酸塩からなる群から選択されることを特徴とする請求項2に記載の組成物。
【請求項5】
前記安息香酸、前記安息香酸塩、前記安息香酸エステル、又は前記その誘導体、及び/又は、前記ソルビン酸、前記ソルビン酸塩、前記ソルビン酸エステル、又は前記その誘導体は、ソルビン酸、ソルビン酸塩、ソルビン酸エステル、及び/又はソルビン酸誘導体を含むことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記ソルビン酸、前記ソルビン酸塩、前記ソルビン酸エステル、及び/又は、前記ソルビン酸誘導体は、ソルビン酸塩であることを特徴とする請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
前記ソルビン酸、前記ソルビン酸塩、前記ソルビン酸エステル、及び/又は、前記ソルビン酸誘導体は、ソルビン酸、ソルビン酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、ソルビン酸カルシウム、ソルボヒドロキサム酸、2,4−ヘキサジエナール、ソルビン酸−チオール付加物、8−キノリニルソルベート及びm−ニトロソルブアニリドからなる群から選択されることを特徴とする請求項5に記載の組成物。
【請求項8】
前記安息香酸、前記安息香酸塩、又は前記安息香酸誘導体、及び/又は、前記ソルビン酸、前記ソルビン酸塩、又は前記ソルビン酸誘導体の前記向精神薬に対する比率は、化学量論的に2:1よりも大きいことを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記安息香酸、前記安息香酸塩、又は前記安息香酸誘導体、及び/又は、前記ソルビン酸、前記ソルビン酸塩、又は前記ソルビン酸誘導体の前記向精神薬に対する比率は、化学量論的に3:1より大きいよりことを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記安息香酸、前記安息香酸塩、又は前記安息香酸誘導体、及び/又は、前記ソルビン酸、前記ソルビン酸塩、又は前記ソルビン酸誘導体の前記向精神薬に対する比率は、化学量論的に5:1より大きいことを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか一項に記載の組
成物。
【請求項11】
前記向精神薬は、抗うつ剤、抗精神病薬、興奮剤、気分安定薬、精神安定剤、ADHD治療薬、及びアルツハイマー病治療薬からなる群から選択されることを特徴とする請求項1乃至請求項10の何れか一項に記載の組成物。
【請求項12】
前記向精神薬は、抗精神病薬であることを特徴とする請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
前記抗精神病薬は、リスペリドンであることを特徴とする請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
前記抗精神病薬は、オランザピンであることを特徴とする請求項12に記載の組成物。
【請求項15】
前記抗精神病薬は、ブチロフェノン、フェノチアジン、フルフェナジン、ペルフェナジン、プロクロルペラジン、チオリダジン、トリフルオペラジン、メソリダジン、プロマジン、トリフルプロマジン、レボメプロマジン、プロメタジン、チオキサンテン、クロルプロチキセン、フルペンチキソール、チオチキセン、ズクロペンチキソール、クロザピン、オランザピン、リスペリドン、クエチアピン、ジプラシドン、アミスルピリド、アセナピン、パリペリドン、アリピプラゾール、ドーパミン部分作動薬(ビフェプルノックス(登録商標)、ノルクロザピン(登録商標)(ACP-104))、ラモトリジン、メマンチン、テト
ラベナジン、カンナビジオール、LY2140023、ドロペリドール、ピモジド、ブタペラジン
、カルフェナジン、レモキシプリド、ピペラセタゼン、スルピリド、アカンプロセート、及びテトラベナジン(キセナジン(登録商標)、ニトマン(登録商標))からなる群から選択されることを特徴とする請求項12に記載の組成物。
【請求項16】
前記向精神薬は、抗うつ剤又は気分安定薬であることを特徴とする請求項11に記載の組成物。
【請求項17】
前記向精神薬は、モノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAO阻害剤)、三環系抗うつ剤(TCA)、四環系抗うつ剤(TeCA)、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)、ノルアド
レナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ剤(NASSA)、ノルエピネフリン(ノル
アドレナリン)再取り込み阻害剤、ノルエピネフリン・ドーパミン再取り込み阻害剤、及びセロトニン-ノルエピネフリン再取り込み阻害剤(SNRI)からなる群から選択される抗
うつ剤であることを特徴とする請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
前記向精神薬は、フルオキセチン、パロキセチン、エスシタロプラム、シタロプラム、セルトラリン、フルボキサミン、ベンラファキシン、ミルナシプラム、デュロキセチン、ミルタザピン、ミアンセリン、レボキセチン、ブプロピオン、アミトリプチリン、ノルトリプチリン、プロトリプチリン、デシプラミン、トリミプラミン、アモキサピン、ブプロピオン、ブプロピオンsr、s−シタロプラム、クロミプラミン、デシプラミン、ドキセピン、イソカルボキサジド、ベラファキシンxr、トラニルシプロミン、トラゾドン、ネファゾドン、フェネルジン、ラモトリジン、リチウム、トピラマート、ガバペンチン、カルバマゼピン、オキサカルバゼピン、バルポレート、マプロチリン、ミルタザピン、ブロファロミン、ゲピロン、モクロベミド、イソニアジド、及びイプロニアジドからなる群から選択される抗うつ剤又は気分安定薬であることを特徴とする請求項16に記載の組成物。
【請求項19】
前記向精神薬は、ADHD治療薬であることを特徴とする請求項11に記載の組成物。
【請求項20】
前記向精神薬は、スタチン、アンフェタミン、モダフィニル、デソキシン、メタンフェタミン、コカイン、アレコリン、デクスメチルフェニデート(フォカリン、フォカリンXR)、デキストロアンフェタミン(デキセドリン、デキセドリンスパンスル、デキストロア
ンフェタミンER、Dextrostat)、メチルフェニデート(コンサータ、デイトラーナ、メタデートCD、メタデートER、メチリン、メチリンER、リタリン、リタリン−LA、リタリン-Sr)、リスデキサンフェタミンメシル酸塩(ビバンセ)、混合アンフェタミ
ン塩(アデラル、アデラルXR)、アトモキセチン(ストラテラ)、塩酸クロニジン(カタプレス)、塩酸グアンファシン(テネックス)、アレコリン、及びペモリンからなる群から選択されるADHD治療薬であることを特徴とする請求項19に記載の組成物。
【請求項21】
前記向精神薬は、認識力を改善し、及び/又は神経変性を抑制する薬剤であることを特徴とする請求項11に記載の組成物。
【請求項22】
前記認識力を改善し、及び/又は神経変性を抑制する薬剤は、アリセプト、ドネペジル、タクリン、リバスチグミン、メマンチン(アクスラ(登録商標)、アカチノール(登録商標)、ナメンダ(登録商標)、エビクサ(登録商標)、ABIXA(登録商標))、フィソス
チグミン、ニコチン、アレコリン、ヒューペルジンアルファ、セレジリン、リルゾール(リルテック(登録商標))、ビタミンC、ビタミンE、カロチノイド、イチョウからなる群から選択されることを特徴とする請求項21に記載の組成物。
【請求項23】
前記認識力を改善し、及び/又は神経変性を抑制する薬剤は、メマンチンであることを特徴とする請求項21に記載の組成物。
【請求項24】
神経精神障害の一つ以上の症状を緩和する方法であって、前記方法は、安息香酸、安息香酸塩、又は安息香酸誘導体、及び/又は、ソルビン酸、ソルビン酸塩、又はソルビン酸誘導体を神経精神障害の前記一つ以上の症状を緩和するのに十分な量で必要とする被験者に投与すること、を含む方法。
【請求項25】
前記安息香酸、前記安息香酸塩、又は前記安息香酸誘導体、及び/又は、前記ソルビン酸、前記ソルビン酸塩、又は前記ソルビン酸誘導体を向精神薬と併せて前記被験者に投与すること、を含み、前記安息香酸、前記安息香酸塩、又は前記安息香酸誘導体、及び/又は、前記ソルビン酸、前記ソルビン酸塩、又は前記ソルビン酸誘導体は、前記向精神薬の有効性を増大させるのに十分な量で投与されることを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記安息香酸、前記安息香酸塩、安息香酸エステル、又はその誘導体、及び/又は、前記ソルビン酸、前記ソルビン酸塩、ソルビン酸エステル、又はその誘導体と前記向精神薬とは、同時に投与されることを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記安息香酸、前記安息香酸塩、前記安息香酸エステル、又は前記その誘導体、及び/又は、前記ソルビン酸、前記ソルビン酸塩、前記ソルビン酸エステル、又は前記その誘導体と前記向精神薬とは、複合製剤で投与されることを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記安息香酸、前記安息香酸塩、前記安息香酸エステル、又は前記その誘導体、及び/又は、前記ソルビン酸、前記ソルビン酸塩、前記ソルビン酸エステル、又は前記その誘導体は、前記向精神薬の前に投与されることを特著とする請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記安息香酸、前記安息香酸塩、前記安息香酸エステル、又は前記その誘導体、及び/又は、前記ソルビン酸、前記ソルビン酸塩、前記ソルビン酸エステル、又は前記その誘導体は、前記向精神薬の後に投与されることを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項30】
前記安息香酸、前記安息香酸塩、前記安息香酸エステル、又は前記その誘導体、及び/又は、前記ソルビン酸、前記ソルビン酸塩、前記ソルビン酸エステル、又は前記その誘導体は、安息香酸、安息香酸塩、安息香酸エステル、及び/又は安息香酸誘導体を含むことを
特徴とする請求項25乃至請求項29の何れか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記安息香酸、前記安息香酸塩、前記安息香酸エステル、又は前記安息香酸誘導体は、安息香酸塩であることを特徴とする請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記安息香酸、前記安息香酸塩、前記安息香酸エステル、又は前記安息香酸誘導体は、安息香酸、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸カルシウム、2−アミノ安息香酸塩、3−アミノ安息香酸塩、及び4−アミノ安息香酸塩からなる群から選択されることを特徴とする請求項30に記載の方法。
【請求項33】
前記安息香酸、前記安息香酸塩、前記安息香酸エステル、又は前記その誘導体、及び/又は、前記ソルビン酸、前記ソルビン酸塩、前記ソルビン酸エステル、又は前記その誘導体は、ソルビン酸、ソルビン酸塩、ソルビン酸エステル、及び/又はソルビン酸誘導体を含むことを特徴とする請求項25乃至請求項29の何れか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記ソルビン酸、前記ソルビン酸塩、前記ソルビン酸エステル、及び/又は前記ソルビン酸誘導体は、ソルビン酸塩であることを特徴とする請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記ソルビン酸、前記ソルビン酸塩、前記ソルビン酸エステル、及び/又は前記ソルビン酸誘導体は、ソルビン酸、ソルビン酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、ソルビン酸カルシウム、ソルボヒドロキサム酸、2,4−ヘキサジエナール、ソルビン酸−チオール付加物、8−キノリニルソルベート及びm−ニトロソルブアニリドからなる群から選択されることを特徴とする請求項33に記載の方法。
【請求項36】
前記安息香酸、前記安息香酸塩、又は前記安息香酸誘導体、及び/又は、前記ソルビン酸、前記ソルビン酸塩、又は前記ソルビン酸誘導体の前記向精神薬に対する比率は、化学量論的に2:1よりも大きいことを特徴とする請求項25乃至請求項35の何れか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記安息香酸、前記安息香酸塩、又は前記安息香酸誘導体、及び/又は、前記ソルビン酸、前記ソルビン酸塩、又は前記ソルビン酸誘導体の前記向精神薬に対する比率は、化学量論的に3:1よりも大きいことを特徴とする請求項25乃至請求項35の何れか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記安息香酸、前記安息香酸塩、又は前記安息香酸誘導体、及び/又は、前記ソルビン酸、前記ソルビン酸塩、又は前記ソルビン酸誘導体の前記向精神薬に対する比率は、化学量論的に5:1より大きいことを特徴とする請求項25乃至請求項35の何れか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記向精神薬は、抗うつ剤、抗精神病薬、興奮剤、気分安定薬、精神安定剤、ADHD治療薬、及びアルツハイマー病治療薬からなる群から選択されることを特徴とする請求項25乃至請求項38の何れか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記神経精神障害は、精神病によって特徴づけられる神経精神障害であって、前記向精神薬は、抗精神病薬であることを特徴とする請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記抗精神病薬は、リスペリドンであることを特徴とする請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記抗精神病薬は、オランザピンであることを特徴とする請求項40に記載の方法。
【請求項43】
前記抗精神病薬は、ブチロフェノン、フェノチアジン、フルフェナジン、ペルフェナジン、プロクロルペラジン、チオリダジン、トリフルオペラジン、メソリダジン、プロマジン、トリフルプロマジン、レボメプロマジン、プロメタジン、チオキサンテン、クロルプロチキセン、フルペンチキソール、チオチキセン、ズクロペンチキソール、クロザピン、オランザピン、リスペリドン、クエチアピン、ジプラシドン、アミスルピリド、アセナピン、パリペリドン、アリピプラゾール、ドーパミン部分作動薬(ビフェプルノックス(登録商標)、ノルクロザピン(登録商標)(ACP-104))、ラモトリジン、メマンチン、テト
ラベナジン、カンナビジオール、LY2140023、ドロペリドール、ピモジド、ブタペラジン
、カルフェナジン、レモキシプリド、ピペラセタゼン、スルピリド、アカンプロセート、及びテトラベナジン(キセナジン(登録商標)、ニトマン(登録商標))からなる群から選択されることを特徴とする請求項40に記載の方法。
【請求項44】
前記神経精神障害は、うつ病であり、前記向精神薬は、気分安定薬、及び/又は抗うつ剤であることを特徴とする請求項39に記載の方法。
【請求項45】
前記向精神薬は、モノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAO阻害剤)、三環系抗うつ剤(TCA)、四環系抗うつ剤(TeCA)、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)、ノルアド
レナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ剤(NASSA)、ノルエピネフリン(ノル
アドレナリン)再取り込み阻害剤、ノルエピネフリン・ドーパミン再取り込み阻害剤、及びセロトニン-ノルエピネフリン再取り込み阻害剤(SNRI)からなる群から選択される気
分安定薬、及び/又は抗うつ剤であることを特徴とする請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記気分安定薬、及び/又は抗うつ剤は、フルオキセチン、パロキセチン、エスシタロプラム、シタロプラム、セルトラリン、フルボキサミン、ベンラファキシン、ミルナシプラム、デュロキセチン、ミルタザピン、ミアンセリン、レボキセチン、ブプロピオン、アミトリプチリン、ノルトリプチリン、プロトリプチリン、デシプラミン、トリミプラミン、アモキサピン、ブプロピオン、ブプロピオンsr、s−シタロプラム、クロミプラミン、デシプラミン、ドキセピン、イソカルボキサジド、ベラファキシンxr、トラニルシプロミン、トラゾドン、ネファゾドン、フェネルジン、ラモトリジン、リチウム、トピラマート、ガバペンチン、カルバマゼピン、オキサカルバゼピン、バルポレート、マプロチリン、ミルタザピン、ブロファロミン、ゲピロン、モクロベミド、イソニアジド、及びイプロニアジドからなる群から選択されることを特徴とする請求項44に記載の方法。
【請求項47】
前記神経精神障害は、注意欠陥多動性障害であり、前記向精神薬は、ADHD治療薬であることを特徴とする請求項39に記載の方法。
【請求項48】
前記ADHD治療薬は、スタチン、アンフェタミン、モダフィニル、デソキシン、メタンフェタミン、コカイン、アレコリン、デクスメチルフェニデート(フォカリン、フォカリンXR)、デキストロアンフェタミン(デキセドリン、デキセドリン スパンスル、デキ
ストロアンフェタミンER、Dextrostat)、メチルフェニデート(コンサータ、デイトラーナ、メタデートCD、メタデートER、メチリン、メチリンER、リタリン、リタリン−LA、リタリン−Sr)、リスデキサンフェタミンメシル酸塩(ビバンセ)、混合アンフェタミン塩(アデラル、アデラルXR)、アトモキセチン(ストラテラ)、塩酸クロニジン(カタプレス)、塩酸グアンファシン(テネックス)、アレコリン、及びペモリンからなる群から選択されることを特徴とする請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記神経精神障害は、認識力の損失、及び/又は神経変性によって特徴づけられ、前記向精神薬は、認識力を改善し、及び/又は神経変性を抑制する薬剤であることを特徴とする請求項39に記載の方法。
【請求項50】
前記神経精神障害は、良性健忘症、軽度認知障害、認知症、及びアルツハイマー病からなる群から選択されることを特徴とする請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記認識力を改善し、及び/又は神経変性を抑制する薬剤は、アリセプト、ドネペジル、タクリン、リバスチグミン、メマンチン(アクスラ(登録商標)、アカチノール(登録商標)、ナメンダ(登録商標)、エビクサ(登録商標)、ABIXA(登録商標))、フィソス
チグミン、ニコチン、アレコリン、ヒューペルジンアルファ、セレジリン、リルゾール(リルテック(登録商標))、ビタミンC、ビタミンE、カロチノイド、イチョウからなる群から選択されることを特徴とする請求項49に記載の方法。
【請求項52】
前記被験者は、神経精神障害であると診断されたヒト、又は神経精神障害のリスクがあると診断されたヒトであることを特徴とする請求項25乃至請求項51の何れか一項に記載の方法。
【請求項53】
前記被験者は、ヒト以外の哺乳類であることを特徴とする請求項25乃至請求項51の何れか一項に記載の方法。
【請求項54】
向精神薬と併用する安息香酸、安息香酸塩、又は安息香酸誘導体、及び/又は、ソルビン酸、ソルビン酸塩、又はソルビン酸誘導体の神経精神障害の治療のための薬剤の製造における用途であって、前記安息香酸、前記安息香酸塩、又は前記安息香酸誘導体、及び/又は、前記ソルビン酸、前記ソルビン酸塩、又は前記ソルビン酸誘導体は、前記向精神薬の有効性を増大させるのに十分な量で提供されることを特徴とする用途。
【請求項55】
前記安息香酸、前記安息香酸塩、安息香酸エステル、又はその誘導体、及び/又は、前記ソルビン酸、前記ソルビン酸塩、ソルビン酸エステル、又はその誘導体は、安息香酸、安息香酸塩、安息香酸エステル、及び/又は安息香酸誘導体を含むことを特徴とする請求項54に記載の用途。
【請求項56】
前記安息香酸、前記安息香酸塩、前記安息香酸エステル、及び/又は前記安息香酸誘導体は、安息香酸塩であることを特徴とする請求項55に記載の用途。
【請求項57】
前記安息香酸、前記安息香酸塩、前記安息香酸エステル、及び/又は前記安息香酸誘導体は、安息香酸、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸カルシウム、2−アミノ安息香酸塩、3−アミノ安息香酸塩、及び4−アミノ安息香酸塩からなる群から選択されることを特徴とする請求項55に記載の用途。
【請求項58】
前記安息香酸、前記安息香酸塩、前記安息香酸エステル、又は前記その誘導体、及び/又は、前記ソルビン酸、前記ソルビン酸塩、前記ソルビン酸エステル、又は前記その誘導体は、ソルビン酸、ソルビン酸塩、ソルビン酸エステル、及び/又はソルビン酸誘導体を含むことを特徴とする請求項54に記載の用途。
【請求項59】
前記ソルビン酸、前記ソルビン酸塩、前記ソルビン酸エステル、及び/又は前記ソルビン酸誘導体は、ソルビン酸塩であることを特徴とする請求項58に記載の用途。
【請求項60】
前記ソルビン酸、前記ソルビン酸塩、前記ソルビン酸エステル、及び/又は前記ソルビン酸誘導体は、ソルビン酸、ソルビン酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、ソルビン酸カルシウム、ソルボヒドロキサム酸、2,4−ヘキサジエナール、ソルビン酸−チオール付加物、8−キノリニルソルベート及びm−ニトロソルブアニリドからなる群から選択されることを特徴とする請求項58に記載の用途。
【請求項61】
前記安息香酸、前記安息香酸塩、又は前記安息香酸誘導体、及び/又は、前記ソルビン酸、前記ソルビン酸塩、又は前記ソルビン酸誘導体の前記向精神薬に対する比率は、化学量論的に2:1よりも大きいことを特徴とする請求項55乃至請求項60の何れか一項に記載の用途。
【請求項62】
前記安息香酸、前記安息香酸塩、又は前記安息香酸誘導体、及び/又は、前記ソルビン酸、前記ソルビン酸塩、又は前記ソルビン酸誘導体の前記向精神薬に対する比率は、化学量論的に3:1よりも大きいことを特徴とする請求項55乃至請求項60の何れか一項に記載の用途。
【請求項63】
前記安息香酸、前記安息香酸塩、又は前記安息香酸誘導体、及び/又は、前記ソルビン酸、前記ソルビン酸塩、又は前記ソルビン酸誘導体の前記向精神薬に対する比率は、化学量論的に5:1よりも大きいことを特徴とする請求項55乃至請求項60の何れか一項に記載の用途。
【請求項64】
前記向精神薬は、抗うつ剤、抗精神病薬、興奮剤、気分安定薬、精神安定剤、ADHD治療薬、及びアルツハイマー病治療薬からなる群から選択されることを特徴とする請求項55乃至請求項63の何れか一項に記載の用途。
【請求項65】
前記神経精神障害は、精神病によって特徴づけられる神経精神障害であって、前記向精神薬は、抗精神病薬であることを特徴とする請求項64に記載の用途。
【請求項66】
前記抗精神病薬は、リスペリドンであることを特徴とする請求項65に記載の用途。
【請求項67】
前記抗精神病薬は、オランザピンであることを特徴とする請求項65に記載の用途。
【請求項68】
前記抗精神病薬は、ブチロフェノン、フェノチアジン、フルフェナジン、ペルフェナジン、プロクロルペラジン、チオリダジン、トリフルオペラジン、メソリダジン、プロマジン、トリフルプロマジン、レボメプロマジン、プロメタジン、チオキサンテン、クロルプロチキセン、フルペンチキソール、チオチキセン、ズクロペンチキソール、クロザピン、オランザピン、リスペリドン、クエチアピン、ジプラシドン、アミスルピリド、アセナピン、パリペリドン、アリピプラゾール、ドーパミン部分作動薬(ビフェプルノックス(登録商標)、ノルクロザピン(登録商標)(ACP-104))、ラモトリジン、メマンチン、テト
ラベナジン、カンナビジオール、LY2140023、ドロペリドール、ピモジド、ブタペラジン
、カルフェナジン、レモキシプリド、ピペラセタゼン、スルピリド、アカンプロセート、及びテトラベナジン(キセナジン(登録商標)、ニトマン(登録商標))からなる群から選択されることを特徴とする請求項65に記載の用途。
【請求項69】
前記神経精神障害は、うつ病であり、前記向精神薬は、気分安定薬、及び/又は抗うつ剤であることを特徴とする請求項64に記載の用途。
【請求項70】
前記向精神薬は、モノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAO阻害剤)、三環系抗うつ剤(TCA)、四環系抗うつ剤(TeCA)、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)、ノルアド
レナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ剤(NASSA)、ノルエピネフリン(ノル
アドレナリン)再取り込み阻害剤、ノルエピネフリン・ドーパミン再取り込み阻害剤、及びセロトニン-ノルエピネフリン再取り込み阻害剤(SNRI)からなる群から選択される気
分安定薬、及び/又は抗うつ剤であることを特徴とする請求項69に記載の用途。
【請求項71】
前記向精神薬は、フルオキセチン、パロキセチン、エスシタロプラム、シタロプラム、セルトラリン、フルボキサミン、ベンラファキシン、ミルナシプラム、デュロキセチン、ミ
ルタザピン、ミアンセリン、レボキセチン、ブプロピオン、アミトリプチリン、ノルトリプチリン、プロトリプチリン、デシプラミン、トリミプラミン、アモキサピン、ブプロピオン、ブプロピオンsr、s−シタロプラム、クロミプラミン、デシプラミン、ドキセピン、イソカルボキサジド、ベラファキシンxr、トラニルシプロミン、トラゾドン、ネファゾドン、フェネルジン、ラモトリジン、リチウム、トピラマート、ガバペンチン、カルバマゼピン、オキサカルバゼピン、バルポレート、マプロチリン、ミルタザピン、ブロファロミン、ゲピロン、モクロベミド、イソニアジド、及びイプロニアジドからなる群から選択される前記抗うつ剤、及び/又は気分安定薬であることを特徴とする 請求項69に
記載の用途。
【請求項72】
前記神経精神障害は、注意欠陥多動性障害であり、前記向精神薬は、ADHD治療薬であることを特徴とする請求項64に記載の用途。
【請求項73】
前記ADHD治療薬は、スタチン、アンフェタミン、モダフィニル、デソキシン、メタンフェタミン、コカイン、アレコリン、デクスメチルフェニデート(フォカリン、フォカリンXR)、デキストロアンフェタミン(デキセドリン、デキセドリン スパンスル、デキ
ストロアンフェタミンER、Dextrostat)、メチルフェニデート(コンサータ、デイトラーナ、メタデートCD、メタデートER、メチリン、メチリンER、リタリン、リタリン−LA、リタリン−Sr)、リスデキサンフェタミンメシル酸塩(ビバンセ)、混合アンフェタミン塩(アデラル、アデラルXR)、アトモキセチン(ストラテラ)、塩酸クロニジン(カタプレス)、塩酸グアンファシン(テネックス)、アレコリン、及びペモリンからなる群から選択されることを特徴とする請求項72に記載の用途。
【請求項74】
前記神経精神障害は、認識力の損失、及び/又は神経変性によって特徴づけられ、前記向精神薬は、認識力を改善し、及び/又は神経変性を抑制する薬剤であることを特徴とする請求項64に記載の用途。
【請求項75】
前記神経精神障害は、良性健忘症、軽度認知障害、認知症、及びアルツハイマー病からなる群から選択されることを特徴とする請求項74に記載の用途。
【請求項76】
前記認識力を改善し、及び/又は神経変性を抑制する薬剤は、アリセプト、ドネペジル、タクリン、リバスチグミン、メマンチン(アクスラ(登録商標)、アカチノール(登録商標)、ナメンダ(登録商標)、エビクサ(登録商標)、ABIXA(登録商標))、フィソス
チグミン、ニコチン、アレコリン、ヒューペルジンアルファ、セレジリン、リルゾール(リルテック(登録商標))、ビタミンC、ビタミンE、カロチノイド、イチョウからなる群から選択されることを特徴とする請求項74に記載の用途。
【請求項77】
神経精神障害の一つ以上の症状を緩和するために有効な量の安息香酸、安息香酸塩、安息香酸エステル、又は安息香酸誘導体、及び/又は、ソルビン酸、ソルビン酸塩、ソルビン酸エステル、又はソルビン酸誘導体を含む医薬製剤。
【請求項78】
前記神経精神障害は、統合失調症、うつ病、注意欠陥障害、軽度認知障害、認知症、注意欠陥多動性障害(ADHD)、及び双極性障害からなる群から選択されることを特徴とする請求項77に記載の製剤。
【請求項79】
前記安息香酸、前記安息香酸塩、前記安息香酸エステル、又はその誘導体、及び/又は、前記ソルビン酸、前記ソルビン酸塩、前記ソルビン酸エステル、又はその誘導体は、安息香酸、安息香酸塩、安息香酸エステル、及び/又は安息香酸誘導体を含むことを特徴とする請求項77に記載の製剤。
【請求項80】
前記安息香酸、前記安息香酸塩、前記安息香酸エステル、及び/又は前記安息香酸誘導体は、安息香酸塩であることを特徴とする請求項79に記載の製剤。
【請求項81】
前記安息香酸、前記安息香酸塩、前記安息香酸エステル、及び/又は安息香酸誘導体は、安息香酸、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸カルシウム、2−アミノ安息香酸塩、3−アミノ安息香酸塩、及び4−アミノ安息香酸塩からなる群から選択されることを特徴とする請求項79に記載の製剤。
【請求項82】
前記安息香酸、前記安息香酸塩、前記安息香酸エステル、又は前記その誘導体、及び/又は、前記ソルビン酸、前記ソルビン酸塩、前記ソルビン酸エステル、又は前記その誘導体は、ソルビン酸、ソルビン酸塩、ソルビン酸エステル、及び/又はソルビン酸誘導体を含むことを特徴とする請求項77に記載の製剤。
【請求項83】
前記ソルビン酸、前記ソルビン酸塩、前記ソルビン酸エステル、及び/又前記はソルビン酸誘導体は、ソルビン酸塩であることを特徴とする請求項82に記載の製剤。
【請求項84】
前記ソルビン酸、前記ソルビン酸塩、前記ソルビン酸エステル、及び/又は前記ソルビン酸誘導体は、ソルビン酸、ソルビン酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、ソルビン酸カルシウム、ソルボヒドロキサム酸、2,4−ヘキサジエナール、ソルビン酸−チオール付加物、8−キノリニルソルベート及びm−ニトロソルブアニリドからなる群から選択されることを特徴とする請求項82に記載の製剤。
【請求項85】
安息香酸、安息香酸塩、安息香酸エステル、又は安息香酸誘導体、及び/又は、ソルビン酸、ソルビン酸塩、ソルビン酸エステル、又はソルビン酸誘導体の神経精神障害の治療のための薬剤の製造における用途であって、前記安息香酸、前記安息香酸塩、前記安息香酸エステル、又は前記安息香酸誘導体、及び/又は、前記ソルビン酸、前記ソルビン酸塩、前記ソルビン酸エステル、又は前記ソルビン酸誘導体は、前記神経精神障害の一つ以上の症状を緩和するために効果的な量で存在することを特徴とする用途。
【請求項86】
前記安息香酸、前記安息香酸塩、前記安息香酸エステル、又はその誘導体、及び/又は、前記ソルビン酸、前記ソルビン酸塩、前記ソルビン酸エステル、又はその誘導体は、安息香酸、安息香酸塩、安息香酸エステル、及び/又は安息香酸誘導体を含むことを特徴とする請求項85に記載の用途。
【請求項87】
前記安息香酸、前記安息香酸塩、前記安息香酸エステル、及び/又は前記安息香酸誘導体は、安息香酸塩であることを特徴とする請求項86に記載の用途。
【請求項88】
前記安息香酸、前記安息香酸塩、前記安息香酸エステル、及び/又は安息香酸誘導体は、安息香酸、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸カルシウム、2−アミノ安息香酸塩、3−アミノ安息香酸塩、及び4−アミノ安息香酸塩からなる群から選択されることを特徴とする請求項請求項86に記載の用途。
【請求項89】
前記安息香酸、前記安息香酸塩、前記安息香酸エステル、又は前記その誘導体、及び/又は、前記ソルビン酸、前記ソルビン酸塩、前記ソルビン酸エステル、又は前記その誘導体は、ソルビン酸、ソルビン酸塩、ソルビン酸エステル、及び/又はソルビン酸誘導体を含むことを特徴とする請求項85に記載の用途。
【請求項90】
前記ソルビン酸、前記ソルビン酸塩、前記ソルビン酸エステル、及び/又は前記ソルビン酸誘導体は、ソルビン酸塩であることを特徴とする請求項89に記載の用途。
【請求項91】
前記ソルビン酸、前記ソルビン酸塩、前記ソルビン酸エステル、及び/又は前記ソルビン酸誘導体は、ソルビン酸、ソルビン酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、ソルビン酸カルシウム、ソルボヒドロキサム酸、2,4−ヘキサジエナール、ソルビン酸−チオール付加物、8−キノリニルソルベート及びm−ニトロソルブアニリドからなる群から選択されることを特徴とする請求項89に記載の用途。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公表番号】特表2012−515720(P2012−515720A)
【公表日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−546429(P2011−546429)
【出願日】平成22年1月19日(2010.1.19)
【国際出願番号】PCT/US2010/021420
【国際公開番号】WO2010/085452
【国際公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【出願人】(502170175)ロサンゼルス バイオメディカル リサーチ インスティテュート アット ハーバー− ユーシーエルエー メディカル センター (11)
【Fターム(参考)】