説明

含フッ素ランダム共重合体及びその製造方法

【課題】塗膜としたときに低屈折率性、透明性、防汚性、撥水撥油性、表面滑り性及び耐擦傷性等の特性を有し、かつ汎用有機溶剤への可溶性や貯蔵安定性に優れる含フッ素ランダム共重合体あるいは二重結合含有含フッ素ランダム共重合体、あるいはこれらを含む組成物を提供すること。
【解決手段】特定のフルオロオレフィン(A)10〜75モル%、特定のフルオロアルキルパーフルオロビニルエーテル(B)4〜70モル%、特定の水酸基含有不飽和単量体(C)10〜70モル%、特定のポリシロキサン化合物(D)0.001〜10モル%を含んでなり、かつ、ゲルパーミエーションクロマトグラフィで測定したポリスチレン換算の重量平均分子量が5,000〜300,000であり、重量平均分子量/数平均分子量で表される分子量分布が1.0〜5.0の範囲であることを特徴とする含フッ素ランダム共重合体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗膜化した時に、低屈折率性、透明性、防汚性、撥水撥油性、表面滑り性及び耐擦傷性等の特性を有し、かつ汎用有機溶剤への可溶性及び貯蔵安定性に優れる含フッ素ランダム共重合体あるいは二重結合含有含フッ素ランダム共重合体、及びこれらを含む組成物に関するものであり、この含フッ素ランダム共重合体あるいは二重結合含有含フッ素ランダム共重合体、あるいはこの二重結合含有含フッ素ランダム共重合体に特定のオリゴマー及び/又はモノマーを加えてなる組成物を、ワニスあるいは塗料等に使用することで前記塗膜特性を発揮することのできる当該含フッ素ランダム共重合体、二重結合含有含フッ素ランダム共重合体あるいは組成物の用途に関するものである。
【背景技術】
【0002】
フッ素系樹脂の特徴として、低屈折率性や防汚性、撥水撥油性及び表面滑り性を示すことは従来より知られている。例えば、代表的なフッ素樹脂であるポリテトラフルオロエチレンの場合、屈折率は1.35を示し、防汚性や撥水撥油性、表面滑り性等を併せ持つが、結晶性であるために透明性が低く、光学用途などの透明性を必要とする材料には適さない。また、官能基を有さないため基材との密着性も悪く、さらに通常の有機溶媒には不溶であり、コーティング材としても適さない。
【0003】
一方、この溶媒への溶解性を改良するものとして、特許文献1のようにフルオロオレフィン類と炭化水素単量体とを共重合する方法が知られているが、炭化水素単量体を多く含有するためにフッ素含有量が低下し、フッ素系樹脂塗料に求められる低屈折率性、防汚性、撥水撥油性等の塗膜特性が十分に得られない。
【0004】
また、特許文献2のようにフルオロオレフィン類と炭化水素単量体とシリコーン単量体とを共重合することにより防汚性や撥水撥油性を向上させる検討が行われているが、フッ素含有量が低いために低屈折率性等の塗膜特性が十分に得られない。
【0005】
さらに、特許文献3のようにフルオロオレフィン類と炭化水素単量体とシリコーン単量体とフッ素含有(メタ)アクリル酸エステルとを共重合することにより低屈折率性、防汚性、撥水撥油性等を向上させる検討が行われているが、実際にこのような組成では、通常の有機溶媒への溶解性が低下し、塗料の泡立ちが問題となり実用的ではないことに加えて、塗膜の透明性が低下し光学材料などへの適用範囲が限定されるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開昭57−34107号公報
【特許文献2】特開2000−313725号公報
【特許文献3】特開2004−155847号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、上記のような問題点を解決する含フッ素ランダム共重合体あるいは二重結合含有含フッ素ランダム共重合体、あるいはこれらを含む組成物を提供すること、つまり、塗膜としたときに低屈折率性、透明性、防汚性、撥水撥油性、表面滑り性及び耐擦傷性等の特性を有し、かつ汎用有機溶剤への可溶性や貯蔵安定性に優れる含フッ素ランダム共重合体あるいは二重結合含有含フッ素ランダム共重合体、あるいはこれらを含む組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の課題は、下記[1]〜[13]の本発明によって達成された。
[1]
下記構造単位(A)10〜75モル%、(B)4〜70モル%、(C)10〜70モル%、(D)0.001〜10モル%を含んでなり、かつ、ゲルパーミエーションクロマトグラフィで測定したポリスチレン換算の重量平均分子量が5,000〜300,000であり、重量平均分子量/数平均分子量で表される分子量分布が1.0〜5.0の範囲であることを特徴とする含フッ素ランダム共重合体。
【0009】
(A)下記一般式(1)で表される構造単位の少なくとも1種からなる構造単位。
(B)下記一般式(2)で表される構造単位の少なくとも1種からなる構造単位。
(C)下記一般式(3)で表される構造単位の少なくとも1種からなる構造単位。
【0010】
(D)下記一般式(4)〜(11)で表される構造単位の少なくとも1種からなる構造単位。
【0011】
【化1】

【0012】
[一般式(1)中、R1、R2、R3、R4は水素原子、フッ素原子、又はトリフルオロメチル基を示し、それぞれ同一でも異なってもよい。ただし、R1、R2、R3、R4の少なくともいずれか一つはフッ素原子である。]
【0013】
【化2】

【0014】
[一般式(2)中、R5は炭素数1〜30の直鎖、分岐鎖構造を有するパーフルオロアルキル基、あるいは含フッ素アルキル基を示し、エーテル結合を有していても良い。]
【0015】
【化3】

【0016】
[一般式(3)中、R6は炭素数1〜10の直鎖、分岐鎖、環状構造を有するアルキレン基を示し、エーテル結合を有していても良い。pは0〜6の整数を示す。]
【0017】
【化4】

【0018】
【化5】

【0019】
【化6】

【0020】
【化7】

【0021】
【化8】

【0022】
【化9】

【0023】
【化10】

【0024】
【化11】

【0025】
[一般式(4)〜(11)中、R7は水素原子又はメチル基を示す。R8、R9はそれぞれ同一でも異なってもよく、それぞれ独立に、炭素数1〜4のアルキル基、あるいはフェニル基、あるいはシクロヘキシル基、あるいは−CF3、あるいは−CH2CF3、あるいは−(CH2)2CF3、あるいは−(CH2)3CF3、あるいは−C(CH3)3、あるいは水素原子を示す。R10は水素原子、あるいは炭素数1〜6のアルキル基を示す。nは1〜420の整数、rは1〜6の整数を示す。mは0でない。qが0のとき、mは1〜420の整数を示す。また、qが1〜210の整数のとき、mは1〜210の整数を示すとともに、このときqとmの値は同一であっても異なってもよい。kは1〜6の整数を示す。各X、各Y、及び各Zは、X同士間、Y同士間及びZ同士間ではそれぞれ同一であるが、X、Y及びZの間ではそれぞれ同一でも異なってもよく、それぞれ独立して水素原子、あるいはフッ素原子を示す。ただし、Xが水素原子のときは、各Y及び各Zの少なくともいずれか一つはフッ素原子である。]
[2]
[1]に記載の含フッ素ランダム共重合体を含むことを特徴とするワニス。
[3]
[1]に記載の含フッ素ランダム共重合体を含むことを特徴とする塗料。
[4]
[1]に記載の含フッ素ランダム共重合体を含む屈折率nDが1.34〜1.44であることを特徴とする塗膜。
[5]
重合成分を溶液重合法により共重合させることを含み、その溶媒として、酢酸エチル、酢酸ブチル、キシレン、トルエン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのうちの少なくとも1種を使用することを特徴とする[1]に記載の含フッ素ランダム共重合体の製造方法。
[6]
[1]に記載の含フッ素ランダム共重合体と、不飽和イソシアネートとの反応により生成させたことを特徴とする二重結合含有含フッ素ランダム共重合体。
[7]
[1]に記載の含フッ素ランダム共重合体と、不飽和イソシアネートとを、イソシアネート基/水酸基の比が0.10〜1.05の範囲で反応させたことを特徴とする[6]に記載の二重結合含有含フッ素ランダム共重合体。
[8]
[6]又は[7]に記載の二重結合含有含フッ素ランダム共重合体を含むことを特徴とするワニス。
[9]
[6]又は[7]に記載の二重結合含有含フッ素ランダム共重合体を含むことを特徴とする塗料。
[10]
[6]又]は[7]に記載の二重結合含有含フッ素ランダム共重合体を含む屈折率nDが1.34〜1.47であることを特徴とする塗膜。
[11]
[1]に記載の含フッ素ランダム共重合体中に、さらに、フルオロアルキル基含有不飽和単量体、不飽和カルボン酸、アルキルビニルエーテル、アルキルアリルエーテル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルの内から選択される1種以上の重合単位を含むことを特徴とする[1]に記載の含フッ素ランダム共重合体。
[12]
[6]又は[7]に記載の二重結合含有含フッ素ランダム共重合体を5〜95重量%、二重結合含有(メタ)アクリレートオリゴマーあるいは二重結合含有(メタ)アクリレートモノマーより選択される1種以上のオリゴマー及び/又はモノマーを95〜5重量%含有し構成されることを特徴とする塗料組成物。
[13]
[12]に記載の塗料組成物からなる屈折率nDが1.34〜1.47であることを特徴とする塗膜。
【0026】
[発明の効果]
本発明で得られる含フッ素ランダム共重合体あるいは二重結合含有含フッ素ランダム共重合体、あるいはこれらを含む組成物は、塗膜としたときに低屈折率性、透明性、防汚性、撥水撥油性、表面滑り性及び耐擦傷性等の特性を有することから、反射防止膜、光ファイバーの鞘材、ガラスフィルター用保護膜、太陽電池等の光学材料関係に、あるいは樹脂ワニス、塗料用材料、フィルム用材料並びに半導体用材料関係等の各用途に適用することができる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の含フッ素ランダム共重合体を構成する構造単位(A)は、フルオロオレフィンを重合成分として用いることにより導入することができる。
フルオロオレフィンの具体例としては、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、及びヘキサフルオロプロピレンの少なくとも1種を含むことが好ましい。その他のフルオロオレフィンとしては、フッ化ビニル、トリフルオロエチレン、1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロピレン、1,1,2−トリフルオロプロピレン、2,3,3,3−テトラフルオロプロピレン、1,3,3,3−テトラフルオロプロピレン等が挙げられるが、これらに限定されない。これらのフルオロオレフィンは、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上用いてもよい。
【0028】
なお、構造単位(A)の含有率は、10〜75モル%であることが好ましい。この理由は、構造単位(A)の含有率が少なすぎる場合には、塗膜化した時に充分な低屈折率性、防汚性が得られないためであり、一方多すぎる場合には、充分な透明性、耐擦傷性が得られないためである。このような理由により、構造単位(A)の含有率を10〜75モル%とするのが好ましく、15〜70モル%とするのがさらに好ましい。
【0029】
また、本発明の含フッ素ランダム共重合体を構成する構造単位(B)は、フルオロアルキルパーフルオロビニルエーテルを重合成分として用いることにより導入することができる。
【0030】
フルオロアルキルパーフルオロビニルエーテルの具体例としては、
CF2=CFOCF3
CF2=CFO(CF2)2F
CF2=CFO(CF2)3F
CF2=CFO(CF2)4F
CF2=CFOCF(CF3)2
CF2=CFOCF2CF(CF3)2
CF2=CFOCH2CF3
CF2=CFOCH2CF2CF3
CF2=CFOCH2OCF3
CF2=CFOCF2OCF3
CF2=CFOCF2OCF2CF3
CF2=CFO(CF2)2OCF3
CF2=CFO(CF2)3OCF3
CF2=CFO(CF2)4OCF3
CF2=CFO(CF2)2O(CF2)2OCF3
CF2=CFO(CF2)3O(CF2)3F
CF2=CFO(CF2)3OCF(CF3)2
CF2=CFOCF2CF(CF3)OCF2CF2CF3
CF2=CFOCF2CF(CF3)OCF2CF(CF3)OCF3
CF2=CFOCF2CF(CF3)OCF2CF(CF3)OCF2CF2CF3
等が挙げられる。
【0031】
これらの中でも、CF2=CFOCF3、CF2=CFO(CF2)2F、CF2=CFO(CF2)3F、CF2=CFOCF2CF(CF3)OCF2CF2CF3が特に好ましい。これらのフルオロアルキルパーフルオロビニルエーテルは、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合せてもよい。
【0032】
なお、構造単位(B)の含有率は、4〜70モル%であることが好ましい。この理由は、構造単位(B)の含有率が少なすぎる場合には、塗膜化した時に充分な低屈折率性、防汚性、撥水撥油性が得られないためであり、一方多すぎる場合には、汎用有機溶剤への可溶性が低下するためである。このような理由により、構造単位(B)の含有率を4〜70モル%とするのが好ましく、8〜65モル%とするのがさらに好ましい。
【0033】
また、本発明の含フッ素ランダム共重合体を構成する構造単位(C)は、水酸基含有不飽和単量体を重合成分として用いることにより導入することができる。
水酸基含有不飽和単量体の具体例としては、4−ヒドロキシシクロヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサン−1,4−ジメタノールモノビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、3−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、3−ヒドロキシブチルビニルエーテル、5−ヒドロキシペンチルビニルエーテル、6−ヒドロキシヘキシルビニルエーテル、9−ヒドロキシノニルビニルエーテル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシ−2−メチルブチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルアリルエーテル、2−ヒドロキシエチルアリルエーテル、グリセロールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、トリエチレングリコールモノビニルエーテル等が挙げられる。
【0034】
これらの中でも、4−ヒドロキシシクロヘキシルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテルが特に好ましい。これらの水酸基含有不飽和単量体は、それぞれ単独で用いても良いし、2種以上を組み合せても良い。
【0035】
なお、構造単位(C)の含有率は、10〜70モル%であることが好ましい。この理由は、構造単位(C)の含有率が少なすぎる場合には、塗膜化した時に充分な耐擦傷性が得られないためであり、一方多すぎる場合には、共重合体中のフッ素含有量が低下し、充分な低屈折率性、防汚性、撥水撥油性が得られないためである。このような理由により、構造単位(C)の含有率を10〜70モル%とするのが好ましく、15〜55モル%とするのがさらに好ましい。
【0036】
また、本発明の含フッ素ランダム共重合体を構成する構造単位(D)は、前記一般式(4)〜(11)で表されるポリシロキサンセグメントを有する(メタ)アクリル基含有ポリシロキサン化合物、ビニル基含有ポリシロキサン化合物、(メタ)アクリル基含有フルオロ変性ポリシロキサン化合物、又はビニル基含有フルオロ変性ポリシロキサン化合物を重合成分として用いることにより導入することができ、下記一般式(12)〜(19)で表される化合物が好適である。
【0037】
【化12】

【0038】
【化13】

【0039】
【化14】

【0040】
【化15】

【0041】
【化16】

【0042】
【化17】

【0043】
【化18】

【0044】
【化19】

【0045】
[一般式(12)〜(19)中、R11は水素原子又はメチル基を示す。R12は炭素数1〜6のアルキル基を示す。sは1〜250の整数を示す。t, vは、それぞれ1〜150の整数を示し、uは1〜6の整数を示す。]
なお、構造単位(D)の含有率は、0.001〜10モル%であることが好ましい。この理由は、構造単位(D)の含有率が少なすぎる場合には、塗膜化した時に充分な防汚性、表面滑り性が得られないためであり、一方多すぎる場合には、充分な耐擦傷性が得られないためである。このような理由により、構造単位(D)の含有率を0.001〜10モル%とするのが好ましく、0.01〜2モル%とするのがさらに好ましい。
【0046】
さらに、本発明の含フッ素ランダム共重合体は、上記構造単位以外の構造単位として不飽和カルボン酸、アルキルビニルエーテル、アルキルアリルエーテル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、フルオロアルキル基含有不飽和単量体、α−オレフィン、カルボン酸ビニルエステルの内から選択される1種以上を15モル%を超えない範囲で重合成分として用いて導入することもできる。
【0047】
不飽和カルボン酸の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、クロトン酸、3−ブテン酸、4−ペンテン酸、イタコン酸、2−ヘキセン酸、3−ヘキセン酸、5−ヘキセン酸、ビニル酢酸、桂皮酸、3−アリルオキシプロピオン酸、イタコン酸モノエステル、マレイン酸モノエステル、マレイン酸無水物、フマル酸、フマル酸モノエステル、フタル酸ビニル、ピロメリット酸ビニル等が挙げられるが、特にクロトン酸、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、マレイン酸モノエステル、フマル酸、フマル酸モノエステル、3−アリルオキシプロピオン酸が好適である。これらの不飽和カルボン酸は単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
【0048】
アルキルビニルエーテルの具体例としては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、n−ペンチルビニルエーテル、n−ヘキシルビニルエーテル、n−オクチルビニルエーテル、n−ドデシルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、グリシジルビニルエーテル、グリシジルオキシメチルビニルエーテル、グリシジルオキシエチルビニルエーテル、グリシジルオキシブチルビニルエーテル、グリシジルオキシペンチルビニルエーテル、グリシジルオキシシクロヘキシルビニルエーテル、3,4−ジヒドロキシブチルビニルエーテル、メトキシエトキシエチルビニルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテルビニルエーテル等が挙げられるが、特に好ましくはエチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテルである。
【0049】
アルキルアリルエーテルの具体例としては、エチルアリルエーテル、ブチルアリルエーテル、シクロヘキシルアリルエーテル、イソブチルアリルエーテル、n−プロピルアリルエーテル、グリセロール α−モノアリルエーテル、アリルグリシジルエーテル等が挙げられるが、特に好ましくはエチルアリルエーテル、シクロヘキシルアリルエーテルである。
【0050】
アクリル酸エステルの具体例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸イソノニル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−メトキシエチル、アクリル酸−2−エトキシエチル、アクリル酸2−(n−プロポキシ)エチル等が挙げられるが、特に好ましくはアクリル酸メチル、アクリル酸エチルである。
【0051】
メタクリル酸エステルの具体例としては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2−メトキシエチル、メタクリル酸2−エトキシエチル、メタクリル酸2−(n−プロポキシ)エチル等が挙げられるが、特に好ましくはメタクリル酸メチル、メタクリル酸シクロヘキシルである。また、(メタ)アクリル酸エステルとして、(メタ)アクリロイル基を末端に有する(メタ)アクリル酸エステルのマクロモノマーを使用することもでき、市販品としては、マクロモノマーAA−6(東亞合成製)等が挙げられる。
【0052】
上記フルオロアルキル基含有不飽和単量体としては、フッ素化されたアルキル基を有し、不飽和結合の炭素にフッ素原子が結合していない不飽和単量体、フルオロアルキル基と炭素原子3以上のフルオロアルケニル基(炭素原子数3以上のパーフルオロアルケニル基を含む)又はパーフルオロではないフルオロビニル基(CHF=CH−、CF2=CH−、CHF=CF−、CH2=CF−)とのエーテルなどが含まれ、特に、上述した不飽和カルボン酸、アルキルビニルエーテル、アルキルアリルエーテル、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの一部の水素原子をフッ素原子で置換したものが挙げられる。上記フルオロアルキル基含有不飽和単量体の具体例としては、
CH2=CHCOOCF3
CH2=CHCOOCH2CF3
CH2=CHCOOCH2(CF2)2F
CH2=CHCOOCH2(CF2)3F
CH2=CHCOOCH2CH2(CF2)4F
CH2=CHCOOCH2CH2(CF2)6F
CH2=CHCOOCH2CH2(CF2)8F
CH2=CHCOOCH2CH2(CF2)10F
CH2=CHCOOCH2CH2(CF2)12F
CH2=CHCOOCH2CH(OH)CH2(CF2)4F
CH2=CHCOOCH2CH(OH)CH2(CF2)6F
CH2=CHCOOCH2CH(OH)CH2(CF2)8F
CH2=CHCOOCH(CF3)2
CH2=CHCOOCH2(CF2)2H
CH2=CHCOOCH2(CF2)4H
CH2=C(CH3)COOCH2CF3
CH2=C(CH3)COOCH2(CF2)2F
CH2=C(CH3)COOCH2(CF2)3F
CH2=C(CH3)COOCH2CH2(CF2)4F
CH2=C(CH3)COOCH2CH2(CF2)6F
CH2=C(CH3)COOCH2CH2(CF2)8F
CH2=C(CH3)COOCH2CH2(CF2)10F
CH2=C(CH3)COOCH2CH2(CF2)12F
CH2=C(CH3)COOCH2CH(OH)CH2(CF2)6F
CH2=C(CH3)COOCH2CH(OH)CH2(CF2)8F
CH2=C(CH3)COOCH(CF3)2
CH2=C(CH3)COOCH2(CF2)2H
CH2=C(CH3)COOCH2(CF2)4H
CH2=CHCF3
CH2=CHCF2CF3
CH2=CH(CF2)4F
CH2=CH(CF2)6F
CH2=CH(CF2)7F
CH2=CH(CF2)8F
CH2=CH(CF2)10F
CH2=CH(CF2)12F
CH2=CHCH2(CF2)6F
CH2=CHCH2(CF2)8F
CH2=CHOCH2CH2(CF2)4F
CH2=CHOCH2CH2(CF2)6F
CH2=CHOCH2CH2(CF2)8F
CH2=CHOCH2CH2(CF2)10F
CH2=CHOCH2CH2(CF2)12F
CF2=CFCF2OCF3
CF3OCF=CFCF3
等が挙げられる。
【0053】
これらの中でも、CH2=CHCOOCH2CF3、CH2=CHCOOCH2CH2(CF2)4F、CH2=CHCOOCH2CH2(CF2)6F、CH2=CHCOOCH2CH2(CF2)8F、CH2=CHCOOCH(CF3)2、CH2=C(CH3)COOCH2CF3、CH2=CH(CF2)6F 、CH2=CH(CF2)8F 、CH2=C(CH3)COOCH2CH2(CF2)4F、CH2=C(CH3)COOCH2CH2(CF2)6F、CH2=C(CH3)COOCH2CH2(CF2)8F、CH2=C(CH3)COOCH(CF3)2、CH2=CHOCH2CH2(CF2)4F、CH2=CHOCH2CH2(CF2)6F、CH2=CHOCH2CH2(CF2)8Fが特に好ましく、これらのフルオロアルキル基含有不飽和単量体は単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
【0054】
α−オレフィンの具体例としては、エチレン、プロピレン、イソブテン等が挙げられる。
カルボン酸ビニルエステルの具体例としては、酢酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプロン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、ステアリン酸ビニル等が挙げられる。
【0055】
本発明の含フッ素ランダム共重合体は、上記割合の重合成分を重合開始剤を用いて共重合させることにより製造することができる。
上記重合開始剤としては、以下に示すものが適宜用いられるが、これに限定される訳ではない。
【0056】
例えばt−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシアセテート等のパーオキシエステル型過酸化物、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジノルマルプロピルパーオキシジカーボネート等のジアルキルパーオキシジカーボネート、ベンゾイルパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物等が用いられる。
【0057】
これらの重合開始剤の使用量は、その種類、共重合反応条件等に応じて適宜選ばれるが、使用する単量体全量に対して、好ましくは0.005〜10重量%、より好ましくは0.1〜3重量%の範囲で選ばれる。
【0058】
本発明の含フッ素ランダム共重合体は、重合成分を溶液重合法により共重合させて製造することができる。その溶媒として、酢酸エチル、酢酸ブチル、キシレン、トルエン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのうちの少なくとも1種を使用することが好ましいが、さらに別のケトン類、酢酸エステル類、芳香族炭化水素類、ソルベッソ(登録商標)等の芳香族炭化水素混合物を溶媒に用いることもできる。また、共重合反応に用いる単量体のうち、含フッ素単量体がこれらの溶媒への溶解性に劣る場合は、メチルノナフルオロブチルエーテル、エチルノナフルオロブチルエーテル、1,1,2,2−テトラフルオロエチル−2,2,2−トリフルオロエチルエーテル、1,1,1,2,2,3,4,5,5,5−デカフルオロペンタン、パーフルオロ−2−メチルペンタン、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン等のフッ素系溶剤を溶媒に用いることもできる。これらの溶媒は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。
【0059】
これらの共重合反応における反応温度は、−30〜150℃での範囲内で重合開始剤や重合媒体の種類に応じて適宜選ばれる。例えば溶媒中で共重合を行う場合には、好ましくは0〜150℃、より好ましくは10〜95℃の範囲で選ばれる。また、反応圧力については特に制限はないが、好ましくは0.1〜10MPaG、より好ましくは0.1〜5MPaGの範囲で選ばれる。さらに、該共重合反応は、適当な連鎖移動剤を添加して行うことができる。
【0060】
重合中に単量体または重合体からフッ化水素などの酸性物質が脱離して重合溶液が酸性になる場合には、系内に炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム、リン酸ナトリウム、金属酸化物、ハイドロタルサイト類などの無機塩類、ジエチルアミン、ジブチルアミン、トリエチルアミンなどの有機アミン類、塩基性陰イオン交換樹脂を添加して、脱離したフッ化水素などの酸性物質を中和してもよい。
【0061】
本発明の含フッ素ランダム共重合体は水酸基を有しているため、この水酸基と反応する硬化剤を用いることにより硬化させることができる。その硬化剤としては、多価イソシアネート類、メラミン硬化剤、尿素樹脂硬化剤、多基塩基酸硬化剤などが挙げられる。
【0062】
多価イソシアネート類としては、例えばヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどの無黄変性ジイソシアネートやその付加物、イソシアヌレート類を有する多価イソシアネートが好ましく挙げられるが、これらの中でイソシアヌレート類を有する多価イソシアネートが特に有効である。イソシアネート類を用いて硬化を行わせる場合には、トリエチルアミン、トリエチレンジアミンなどのアミン系触媒、ジブチルチンジアセテート、ジブチルチンジオクテート、ジブチルチンジラウレート、ジオクチルチンジラウレート、等の有機錫化合物等の公知触媒の添加によって硬化を促進させることもできる。
【0063】
メラミン硬化剤としては、例えばブチル化メラミン、メチル化メラミン、エポキシ変性メラミン等が挙げられ、用途に応じて各種変性度の物が適宜用いられ、また自己縮合度も適宜選ぶことができる。
【0064】
尿素樹脂硬化剤としては、例えばメチル化尿素樹脂やブチル化尿素樹脂等が挙げられる。
多基塩基酸硬化剤としては、例えば長鎖脂肪族ジカルボン酸、芳香族多価カルボン酸類およびこれらの酸無水物等が挙げられる。
【0065】
さらに、ブロック化多価イソシアネート類も硬化剤として好適に用いることができる。また、メラミン硬化剤または尿素樹脂硬化剤の使用に際しては、酸性触媒の添加によって硬化を促進させることもできる。
【0066】
また、本発明の含フッ素ランダム共重合体が硬化部位として水酸基に加えてエポキシ基を含有する場合、通常の硬化性エポキシ塗料に用いられている硬化剤、例えばジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン等のような脂肪族アミン類またはその変性物、メタフェニレンジアミン、ジアミノフェニルスルホン等のような芳香族アミン類またはその変性物、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水シュウ酸、ヘキサヒドロフタル酸、ピメリン酸等の多価のカルボン酸またはその無水物等を用いることができる。
【0067】
また、本発明の含フッ素ランダム共重合体が有する水酸基と不飽和イソシアネートとを反応させることで、二重結合含有含フッ素ランダム共重合体を得ることができる。
不飽和イソシアネートの具体例としては、2−イソシアネートエチルメタクリレート、2−イソシアネートエチルアクリレート、1,1−ビス(アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート、2−(2−イソシアネートエトキシ)エチルメタクリレート、4−イソシアネートブチルメタクリレート、4−イソシアネートブチルアクリレート、不飽和モノアルコール1モルとジイソシアネート化合物1モルとの反応生成物、不飽和モノアルコール2モルとトリイソシアネート化合物1モルとの反応生成物等が挙げられる。不飽和モノアルコールの具体例としては、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、アリルアルコール等が挙げられる。ジイソシアネート化合物の具体例としては、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等が挙げられる。トリイソシアネート化合物の具体例としては、イソシアヌレート結合HDI、イソシアヌレート結合IPDI、TMP変性HDI、TMP変性IPDI等が挙げられる。
【0068】
本発明の水酸基含有含フッ素ランダム共重合体と不飽和イソシアネートとの反応方法は、特に限定されるものではないが、水酸基含有含フッ素ランダム共重合体を溶媒に溶解した溶液に、不飽和イソシアネートを滴下しながら加え、攪拌下で行うことが好ましい。この時の反応温度としては、好ましくは10〜130℃、より好ましくは25〜85℃の範囲で選ばれる。反応温度が低すぎる場合には反応が充分に進行せず、高すぎる場合には反応時にゲル化が生じ易くなるので好ましくない。反応に使用する溶媒は、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸ブチル等の酢酸エステル類、キシレン等の芳香族炭化水素類および芳香族炭化水素の混合物等が好ましく、メチルノナフルオロブチルエーテル、エチルノナフルオロブチルエーテル、1,1,2,2−テトラフルオロエチル−2,2,2−トリフルオロエチルエーテル、1,1,1,2,2,3,4,5,5,5−デカフルオロペンタン、パーフルオロ−2−メチルペンタン、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン等のフッ素系溶剤を用いることもできる。不飽和イソシアネートを使用しているために、水やアルコール類のような水酸基を有する溶媒を使用すると、水酸基含有含フッ素ランダム共重合体と不飽和イソシアネートとの反応が進行しないため、これらの水酸基を有する溶媒は好ましくない。反応触媒としては、例えばトリエチルアミン、トリエチレンジアミンなどのアミン系触媒、ジブチルチンジアセテート、ジブチルチンジオクテート、ジブチルチンジラウレート、ジオクチルチンジラウレート等の有機錫化合物を使用することが好ましい。
【0069】
水酸基含有含フッ素ランダム共重合体と不飽和イソシアネートとの反応割合は、イソシアネート基/水酸基の比で、0.10〜1.05の範囲で選ばれることが好ましい。イソシアネート基/水酸基の比が少なすぎる場合には、二重結合量が低下して充分な硬化が起こらず、硬化塗膜の耐擦傷性が充分に発揮されず好ましくない。また、多すぎる場合には、未反応の不飽和イソシアネートが残存し、塗膜特性を低下させる恐れがあり好ましくない。
【0070】
本発明に用いられる含フッ素ランダム共重合体並びに二重結合含有含フッ素ランダム共重合体の分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(以下、GPC)で測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量(以下、Mw)で5,000〜300,000が好ましく、より好ましくは10,000〜250,000である。Mwが低すぎると塗膜が脆弱化し、高すぎると造膜性が低下する。また、重量平均分子量/数平均分子量で表される分子量分布(以下、Mw/Mn)は1.0〜5.0の範囲が好ましく、より好ましくは1.0〜4.0の範囲である。分子量は、共重合反応を行う際の溶媒に対する原料モノマーの濃度、溶媒の量や種類、重合開始剤量や種類、共重合反応時間や反応温度などを適宜調整することにより制御可能である。
【0071】
本発明の二重結合含有含フッ素ランダム共重合体又はこれを含む組成物は、紫外線又は電子線照射により硬化可能であるため短時間で硬化を完了させることが出来る。従って、あまり熱をかけられないプラスチック等の基材へのコーティングには非常に有用である。
【0072】
また、電子線照射により硬化する場合には、重合開始剤を必要とせず、硬化塗膜中の残存重合開始剤の悪影響を受けない。また、顔料等が混合されている場合にも硬化可能である。用途によって、紫外線硬化と電子線硬化を選択することが好ましい。
【0073】
二重結合含有含フッ素ランダム共重合体組成物は、二重結合含有含フッ素ランダム共重合体を5〜95重量%、二重結合含有(メタ)アクリレートオリゴマーあるいは二重結合含有(メタ)アクリレートモノマーより選択される1種以上のオリゴマー及び/又はモノマーを95〜5重量%含有する。
【0074】
上記の二重結合含有(メタ)アクリレートオリゴマーの具体例としては、EBECRYL 1290K(ダイセル・サイテック製)等の脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマー、芳香族ウレタンアクリレートオリゴマー、EBECRYL 80(ダイセル・サイテック製)等のポリエーテルアクリレートオリゴマー、EBECRYL 800、EBECRYL 810(これら2品種はダイセル・サイテック製)、アロニックスM-7100(東亜合成製)等のポリエステルアクリレートオリゴマー等が挙げられる。
【0075】
また、(メタ)アクリレートモノマーの具体例としては、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリアクリレート、トリメチロールプロパンEO変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンPO変性トリアクリレート、イソシアヌル酸EO変性トリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等が挙げられる。
【0076】
これらの二重結合含有(メタ)アクリレートオリゴマー、二重結合含有(メタ)アクリレートモノマーは、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合せてもよい。
紫外線照射の場合に使用する光重合開始剤としては、ベンゾインエーテル、ベンゾフェノン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチルプロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン等が用いられ、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。
【0077】
上記光重合開始剤の配合量は、二重結合含有含フッ素ランダム共重合体、又は二重結合含有含フッ素ランダム共重合体組成物に対し好ましくは0.1〜20重量%、より好ましくは0.5〜10重量%である。光重合開始剤の配合量が前記範囲内であることにより十分に硬化反応が進行する。
【0078】
紫外線硬化、電子線硬化は、従来公知の方法により行うことができる。たとえば、紫外線硬化の場合で、高圧水銀ランプを使用するときは、100〜1200mJ/cm2の条件で硬化可能である。また、電子線硬化の場合は、110kVで30kGy又は200kVで30kGyの条件で硬化可能である。
【0079】
加熱により硬化させる場合に用いる熱重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリル、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート等が挙げられる。
【0080】
なお、本発明の二重結合含有含フッ素ランダム共重合体およびこれを含む組成物を主成分とする硬化性フッ素樹脂塗料を製造する場合には、種々の溶媒が使用可能であり、例えば、キシレン、トルエン等の芳香族炭化水素類あるいは芳香族炭化水素の混合物、酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、エチルセロソルブ等のグリコールエーテル類、t−ブタノール等のアルコール類、市販の各種シンナー類、メチルノナフルオロブチルエーテル、エチルノナフルオロブチルエーテル、1,1,2,2−テトラフルオロエチル−2,2,2−トリフルオロエチルエーテル、1,1,1,2,2,3,4,5,5,5−デカフルオロペンタン、パーフルオロ−2−メチルペンタン、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン等のフッ素系溶剤等が挙げられるが、これらのうち、酢酸エチル、酢酸ブチル、キシレン、トルエン、メチルエチルケトン、芳香族炭化水素混合物が特に好ましい。
【0081】
また、必要に応じてKAYARAD EAM-2300(日本化薬製)等のエポキシアクリレートオリゴマー類、非反応性オリゴマー、非反応性モノマー、重合禁止剤、艶消し剤、レベリング剤、紫外線吸収剤、分散安定剤、相溶化剤、顔料等を本発明の目的を損なわない範囲で添加することが可能である。
【0082】
本発明の二重結合含有含フッ素ランダム共重合体又はこれを含む組成物と、所定の溶媒、並びに光硬化性モノマー、光硬化性オリゴマー若しくはその他の添加剤等とを混合するには、ボールミル、ペイントシェーカー、サンドミル、ロールミル、ニーダー等の、通常の塗料化に用いられている種々の機器を使用して行うことが出来る。
【0083】
以上のようにして、基材上に形成した含フッ素ランダム共重合体又は二重結合含有含フッ素ランダム共重合体又はこれを含む組成物の塗膜は、屈折率nDが1.34〜1.47、特に1.356〜1.463の低屈折率性を有し、防汚性、撥水撥油性、表面滑り性、耐擦傷性及び汎用有機溶剤への可溶性等に優れ、保存中にゲルが発生することなく貯蔵安定性にも優れるので、反射防止膜、光ファイバーの鞘材、ガラスフィルター用保護膜あるいは太陽電池等の光学材料、並びに、樹脂ワニス、塗料用材料あるいはフィルム材料、半導体用材料、その他の用途に使用することができる。
【実施例】
【0084】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
また、実施例、比較例および表中の略語は以下の通りである。
VDF:フッ化ビニリデン
TFE:テトラフルオロエチレン
HFP:ヘキサフルオロプロピレン
PFPVE:パーフルオロプロピルパーフルオロビニルエーテル
HEVE:2−ヒドロキシエチルビニルエーテル
HBVE:4−ヒドロキシブチルビニルエーテル
TFEMA:2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート
FA4MA:2−(パーフルオロブチル)エチルメタクリレート
CHVE:シクロヘキシルビニルエーテル
MMA:メチルメタクリレート
FA8MA:2−(パーフルオロオクチル)エチルメタクリレート
シリコーン単量体A(数平均分子量 約3500):
【0085】
【化20】

【0086】
シリコーン単量体B(数平均分子量 約5000):
【0087】
【化21】

【0088】
シリコーン単量体C(数平均分子量 約13660):
【0089】
【化22】

【0090】
シリコーン単量体D(数平均分子量 約4660):
【0091】
【化23】

【0092】
シリコーン単量体E(数平均分子量 約4630):
【0093】
【化24】

【0094】
シリコーン単量体F(数平均分子量 約7580):
【0095】
【化25】

【0096】
MEK:メチルエチルケトン
C5H3F7:1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン
IEA:2−イソシアネートエチルアクリレート
BAOEI:1,1−ビス(アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート
LTI:2−イソシアネートエチル−2,6−ジイソシアネートヘキサノアート
EB1290K:脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマー(EBECRYL1290K、ダイセル・サイテック製)
また、本実施例に示す分子量は、以下に示すGPC分析装置で測定し、テトラヒドロフランを移動相として、ポリスチレン換算の分子量を求めたものである。
装置:東ソー株式会社製 HLC-8220GPC
カラム構成:東ソー株式会社製TSKgel SuperHZM-M 4.6mmI.D. 150mm 4本
流速:0.35mL/min
測定温度:40℃
試料濃度:0.1wt%
実施例1
内容積1Lの攪拌機付きステンレス製オートクレーブ(耐圧10MPa)を窒素ガスで十分置換した後、酢酸ブチル400g、MEK50g、HEVE70.8g、シリコーン単量体A3.5g及びt−ブチルパーオキシピバレート5gを仕込み、−50℃まで冷却した後、再度窒素ガスで系内の酸素を除去した。次いでPFPVE85.6g、HFP24.1g、TFE36.2g、VDF23.1gを仕込み、攪拌しながら内温を60℃に昇温した。その後攪拌しながら反応を続け、20時間後攪拌を停止し、オートクレーブを水冷し、反応を停止させた。得られた含フッ素ランダム共重合体を単離した結果、収量は226g、重合体収率は93%であった。得られた含フッ素ランダム共重合体(以下[A-1]とする)の水酸基価を、無水酢酸を用いたアセチル化法によって測定したところ、200mgKOH/g樹脂であった。また、[A-1]の20%酢酸エチル溶液を調製し、厚さ2mmのガラス板に#16バーコーターにより塗布、乾燥した試料につき、アッベ屈折率計(アタゴ株式会社製)を用いてNa-D線で20℃における屈折率を測定したところ、1.399であった。さらに、貯蔵安定性について、[A-1]の20%酢酸エチル溶液をガラス瓶に入れて密栓した後50℃に保ち、溶液の粘度変化を経時的に調べたところ60日後も粘度の増加は見られず、初期粘度のままであった。結果を表1に示す(M%はモル%を示す)。さらに、[A-1]のGPCで測定したMwは5.5×10、Mw/Mnは2.5であった。結果を表14に示す。
【0097】
実施例2〜19、比較例1〜4
各単量体の仕込量と重合溶媒(使用量合計450g)を表1〜6に示すとおりとした他は実施例1と同様にして含フッ素ランダム共重合体を合成した。結果をまとめて表1〜6に示す。また、得られた含フッ素ランダム共重合体につき、実施例1と同様に特性を調べた。結果をまとめて表1〜6に示す。さらに、得られた含フッ素ランダム共重合体につき、実施例1と同様にMw及びMw/Mnを測定した。結果を表14〜17に示す。
【0098】
実施例20
暗所中で攪拌機、還流コンデンサー、滴下漏斗、塩化カルシウム塔をつけた1L丸底三つ口フラスコに、実施例1で得られた[A-1]の30%酢酸エチル溶液300g、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.02g、ジブチルチンジラウレート0.1gを入れた。温度を40℃に保ち攪拌しながら、滴下漏斗にIEA45.2g、酢酸エチル105.5g(IEA濃度30%)を入れた混合溶液を少しずつ滴下した。滴下終了後、3時間攪拌を続け、二重結合含有含フッ素ランダム共重合体(以下[B-1]とする)を得た。上記反応溶液の赤外吸収スペクトルを測定した結果、2,260cm-1のイソシアネート基の吸収が完全に消失したことから、[A-1]の水酸基とIEAのイソシアネート基の反応が進行したことを確認した。また、[B-1]のGPCで測定したMwは8.2×10であった。続いて[B-1]の20%酢酸エチル溶液に、1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトンを[B-1]の固形分に対して5重量%加え、混合して二重結合含有含フッ素ランダム共重合体溶液を調製した。これを厚さ2mmのガラス板に#16バーコーターにより塗布し、80℃で3分間乾燥した後、空気中で300mJ/cm2の紫外線を照射し、硬化塗膜を得た。この硬化塗膜の塗膜特性として屈折率、透過率、油性マジックはじき性、撥水性、静摩擦係数及び鉛筆硬度を次の方法で調べた。結果を表7に示す。
【0099】
<屈折率>
アッベ屈折率計(アタゴ株式会社製)を用いてNa-D線で20℃における屈折率を測定した。
【0100】
<透過率>
濁度計NDH2000(日本電色工業株式会社製)を用い、全光線透過率を測定した。
<油性マジックはじき性>
油性マジック(登録商標)(黒マジックインキ 商品名)により塗膜表面を塗りつぶし、はじき性を評価した。
○:よくはじく
△:ややはじく
×:全くはじかない
<撥水性>
接触角計(協和界面科学株式会社製)にて純水の接触角(単位:度)を測定した。
【0101】
<静摩擦係数>
トライボギア ミューズ TYPE94i(新東科学株式会社製)を用いて、ナイロン繊維と塗膜表面との静摩擦係数を測定した。
【0102】
<鉛筆硬度>
鉛筆硬度試験機(東洋精機製)を用いて、荷重1kgで測定し、傷が付いたときの鉛筆の硬さで表した。
【0103】
さらに、貯蔵安定性について、[B-1]の20%酢酸エチル溶液をガラス瓶に入れて密栓した後50℃に保ち、溶液の粘度変化を経時的に調べたところ60日後も粘度の増加は見られず、初期粘度のままであった。結果を表7に示す。さらに、[B-1]のGPCで測定したMw/Mnは2.5であった。結果を表18に示す。
【0104】
実施例21〜31、比較例5〜9
使用した含フッ素ランダム共重合体及び不飽和イソシアネートを表7〜9に示すとおりとした他は実施例20と同様にして二重結合含有含フッ素ランダム共重合体を合成した。結果をまとめて表7〜9に示す。また、得られた二重結合含有含フッ素ランダム共重合体につき、実施例20と同様に測定を行うと共に、硬化塗膜を作成し、塗膜特性を調べた。さらに、実施例20と同様に貯蔵安定性についても調べた。結果をまとめて表7〜9に示す。さらに、得られた二重結合含有含フッ素ランダム共重合体につき、実施例20と同様にMw/Mnを測定した。結果を表18〜20に示す。
【0105】
実施例32〜36、比較例10及び11
表10に示した含フッ素ランダム共重合体の20%酢酸エチル溶液に、硬化剤としてLTIを含フッ素ランダム共重合体の水酸基/NCO基比が1/1となるように加え、厚さ2mmのガラス板に#16バーコーターにより塗布し、95℃で3時間加熱することにより硬化塗膜を得た。この硬化塗膜の塗膜特性として屈折率、透過率、油性マジックはじき性、撥水性、静摩擦係数及び鉛筆硬度を実施例20の方法と同様に特性を調べた。結果をまとめて表10に示す。
【0106】
実施例37〜46、比較例12〜17
表11〜13に示した二重結合含有含フッ素ランダム共重合体の20%酢酸エチル溶液に、EB1290Kの20%酢酸エチル溶液をそれぞれ固形分比で表11〜13に示した混合比になるように加え、さらに1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトンを、二重結合含有含フッ素ランダム共重合体とEB1290Kの固形分合計量に対して5重量%加え、混合して二重結合含有含フッ素ランダム共重合体を含む塗料組成物とした。これを厚さ2mmのガラス板に#16バーコーターにより塗布し、80℃で3分間乾燥した後、空気中で300mJ/cm2の紫外線を照射し、硬化塗膜を得た。この硬化塗膜の塗膜特性として屈折率、透過率、油性マジックはじき性、撥水性、静摩擦係数及び鉛筆硬度を実施例20の方法と同様に特性を調べた。結果をまとめて表11〜13に示す。
【0107】
【表1】

【0108】
【表2】

【0109】
【表3】

【0110】
【表4】

【0111】
【表5】

【0112】
【表6】

【0113】
【表7】

【0114】
【表8】

【0115】
【表9】

【0116】
【表10】

【0117】
【表11】

【0118】
【表12】

【0119】
【表13】

【0120】
【表14】

【0121】
【表15】

【0122】
【表16】

【0123】
【表17】

【0124】
【表18】

【0125】
【表19】

【0126】
【表20】

【0127】
[産業上の利用可能性]
本発明の含フッ素ランダム共重合体あるいは二重結合含有含フッ素ランダム共重合体、及びこれらを含む組成物は、低屈折率性、透明性、防汚性、撥水撥油性、表面滑り性及び耐擦傷性等の特性を有し、汎用有機溶剤への可溶性及び貯蔵安定性に優れていることから、反射防止膜、光ファイバーの鞘材、ガラスフィルター用保護膜、太陽電池等の光学材料関係に、あるいは樹脂ワニス、塗料用材料、フィルム材料並びに半導体用材料関係等の各用途に好適である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記構造単位(A)10〜75モル%、(B)4〜70モル%、(C)10〜70モル%、(D)0.001〜10モル%を含んでなり、かつ、ゲルパーミエーションクロマトグラフィで測定したポリスチレン換算の重量平均分子量が5,000〜300,000であり、重量平均分子量/数平均分子量で表される分子量分布が1.0〜5.0の範囲であることを特徴とする含フッ素ランダム共重合体。
(A)下記一般式(1)で表される構造単位の少なくとも1種からなる構造単位。
(B)下記一般式(2)で表される構造単位の少なくとも1種からなる構造単位。
(C)下記一般式(3)で表される構造単位の少なくとも1種からなる構造単位。
(D)下記一般式(4)〜(11)で表される構造単位の少なくとも1種からなる構造単位。
【化1】

[一般式(1)中、R、R、R、Rは水素原子、フッ素原子、又はトリフルオロメチル基を示し、それぞれ同一でも異なってもよい。ただし、R、R、R、Rの少なくともいずれか一つはフッ素原子である。]
【化2】

[一般式(2)中、Rは炭素数1〜30の直鎖、分岐鎖構造を有するパーフルオロアルキル基、あるいは含フッ素アルキル基を示し、エーテル結合を有していても良い。]
【化3】

[一般式(3)中、Rは炭素数1〜10の直鎖を有するアルキレン基を示し、エーテル結合を有していても良い。pは0〜6の整数を示す。]
【化4】

【化5】

【化6】

【化7】

【化8】

【化9】

【化10】

【化11】

[一般式(4)〜(11)中、Rは水素原子又はメチル基を示す。R、Rはそれぞれ同一でも異なってもよく、それぞれ独立に、炭素数1〜4のアルキル基、あるいはフェニル基、あるいはシクロヘキシル基、あるいは−CF、あるいは−CHCF、あるいは−(CHCF、あるいは−(CHCF、あるいは−C(CH、あるいは水素原子を示す。R10は水素原子、あるいは炭素数1〜6のアルキル基を示す。nは1〜420の整数、rは1〜6の整数を示す。mは0でない。qが0のとき、mは1〜420の整数を示す。また、qが1〜210の整数のとき、mは1〜210の整数を示すとともに、このときqとmの値は同一であっても異なってもよい。kは1〜6の整数を示す。各X、各Y、及び各Zは、X同士間、Y同士間及びZ同士間ではそれぞれ同一であるが、X、Y及びZの間ではそれぞれ同一でも異なってもよく、それぞれ独立して水素原子、あるいはフッ素原子を示す。ただし、Xが水素原子のときは、各Y及び各Zの少なくともいずれか一つはフッ素原子である。]
【請求項2】
請求項1に記載の含フッ素ランダム共重合体を含むことを特徴とするワニス。
【請求項3】
請求項1に記載の含フッ素ランダム共重合体を含むことを特徴とする塗料。
【請求項4】
請求項1に記載の含フッ素ランダム共重合体を含む屈折率nが1.34〜1.44であることを特徴とする塗膜。
【請求項5】
重合成分を溶液重合法により共重合させることを含み、その溶媒として、酢酸エチル、酢酸ブチル、キシレン、トルエン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのうちの少なくとも1種を使用することを特徴とする請求項1に記載の含フッ素ランダム共重合体の製造方法。
【請求項6】
請求項1に記載の含フッ素ランダム共重合体と、不飽和イソシアネートとの反応により生成させたことを特徴とする二重結合含有含フッ素ランダム共重合体。
【請求項7】
請求項1に記載の含フッ素ランダム共重合体と、不飽和イソシアネートとを、イソシアネート基/水酸基の比が0.10〜1.05の範囲で反応させたことを特徴とする請求項6に記載の二重結合含有含フッ素ランダム共重合体。
【請求項8】
請求項6又は7に記載の二重結合含有含フッ素ランダム共重合体を含むことを特徴とするワニス。
【請求項9】
請求項6又は7に記載の二重結合含有含フッ素ランダム共重合体を含むことを特徴とする塗料。
【請求項10】
請求項6又は7に記載の二重結合含有含フッ素ランダム共重合体を含む屈折率nが1.34〜1.47であることを特徴とする塗膜。
【請求項11】
請求項1に記載の含フッ素ランダム共重合体中に、さらに、フルオロアルキル基含有不飽和単量体、不飽和カルボン酸、アルキルビニルエーテル、アルキルアリルエーテル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルの内から選択される1種以上の重合単位を含むことを特徴とする請求項1に記載の含フッ素ランダム共重合体。
【請求項12】
請求項6又は7に記載の二重結合含有含フッ素ランダム共重合体を5〜95重量%、二重結合含有(メタ)アクリレートオリゴマーあるいは二重結合含有(メタ)アクリレートモノマーより選択される1種以上のオリゴマー及び/又はモノマーを95〜5重量%含有し構成されることを特徴とする塗料組成物。
【請求項13】
請求項12に記載の塗料組成物からなる屈折率nが1.34〜1.47であることを特徴とする塗膜。

【公開番号】特開2013−100527(P2013−100527A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−1483(P2013−1483)
【出願日】平成25年1月9日(2013.1.9)
【分割の表示】特願2007−330393(P2007−330393)の分割
【原出願日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【出願人】(000157119)関東電化工業株式会社 (68)
【Fターム(参考)】