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含フッ素共重合体およびこれを有効成分とする表面改質剤
説明

含フッ素共重合体およびこれを有効成分とする表面改質剤

【課題】ポリフルオロアルキルアルコール(メタ)アクリル酸誘導体を共重合単位として含有する含フッ素共重合体であって、それを表面改質剤の有効成分として用いたとき、表面改質剤の耐熱性をさらに改善せしめたものを提供する。
【解決手段】一般式
CnF2n+1(CH2CF2)a(CF2CF2)b(CH2CH2)cOCOCR=CH2 (ここで、Rは水素原子またはメチル基であり、nは1〜6の整数であり、aは1〜4の整数であり、bは1〜3の整数であり、cは1〜3の整数である)で表されるポリフルオロアルキルアルコール(メタ)アクリル酸誘導体およびスチレンまたはその誘導体の共重合体よりなり、重量平均分子量Mwが2,000〜20,000,000である含フッ素共重合体およびそれを有効成分とする表面改質剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、含フッ素共重合体およびこれを有効成分とする表面改質剤に関する。さらに詳しくは、生体蓄積性が低いといわれている炭素数6以下のパーフルオロアルキル基を含有する(メタ)アクリル酸誘導体の共重合体である含フッ素共重合体およびこれを有効成分とする耐熱性表面改質剤に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願人は先に、一般式
CnF2n+1(CH2CF2)a(CF2CF2)b(CH2CH2)cOCOCR=CH2
で表わされるポリフルオロアルキルアルコール(メタ)アクリル酸誘導体を重合単位で5〜100重量%含有する含フッ素重合体およびそれを有効成分とする表面改質剤を提案している(特許文献1)。
【0003】
このポリフルオロアルキルアルコール(メタ)アクリル酸誘導体は、それ単独でも重合されるが、他の含フッ素重合性単量体および/またはフッ素原子非含有重合性単量体と共重合させることができると記載されており、含フッ素重合性単量体としてはポリフルオロアルキル基含有(メタ)アクリレート単量体等が、またフッ素原子非含有重合性単量体としては各種(メタ)アクリル酸エステル等がそれぞれ用いられ、共重合体中には、その特性が損なわれない範囲、例えば共重合体中30重量%以下の割合で他の共重合可能な単量体、例えば各種ビニル化合物、オレフィン化合物、ジエン化合物等を共重合させることができると述べられている。
【0004】
その各実施例では、フッ素原子非含有重合性単量体として、ベンジルメタクリレート、ベンジルアクリレート、ステアリルメタクリレート、ステアリルアクリレートが単独で、あるいは他の共重合可能な単量体である2-ヒドロキシエチルアクリレート、ポリアルキレングリコールメタクリレートと組み合わせて用いられている。
【0005】
本出願人はまた、上記一般式で表わされるポリフルオロアルキルアルコール(メタ)アクリル酸誘導体を重合単位で5〜100重量%含有する含フッ素重合体を非フッ素系有機溶剤に分散させた表面改質剤を提案している(特許文献2)。
【0006】
ここで用いられる含フッ素重合体についても、ポリフルオロアルキルアルコール(メタ)アクリル酸誘導体をフッ素原子非含有重合性単量体および/または他の含フッ素重合性単量体と共重合させることが可能であるとされ、フッ素原子非含有重合性単量体としては各種(メタ)アクリル酸エステル、好ましくは処理基材の塗膜性、撥水性、撥油性のバランス上ステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートが用いられると述べられている。さらに、共重合体中には、その特性の損なわれない範囲で他の共重合可能な単量体、例えば各種ビニル化合物、オレフィン化合物、ジエン化合物等を共重合させることができると記載されている。
【0007】
さらにその各実施例でも、フッ素非含有重合性単量体として、ステアリルメタクリレート、ステアリルアクリレート、ベンジルメタクリレートが単独で、あるいは他の共重合可能な単量体である塩化ビニリデン、N-ブトキシアクリルアミドと組み合わせて用いられている。
【0008】
これらの特許文献1〜2、特に各実施例では、フッ素原子非含有重合性単量体としてステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートが好んで用いられており、得られた含フッ素共重合体は所望の撥水性評価/撥油性評価を与えるが、この含フッ素共重合体を有効成分とする表面改質剤、特に撥水撥油剤については、耐熱性のさらなる改善が求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】WO2009/034773
【特許文献2】WO2010/101091
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、ポリフルオロアルキルアルコール(メタ)アクリル酸誘導体を共重合単位として含有する含フッ素共重合体であって、それを表面改質剤の有効成分として用いたとき、表面改質剤の耐熱性をさらに改善せしめたものを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
かかる本発明の目的は、一般式
CnF2n+1(CH2CF2)a(CF2CF2)b(CH2CH2)cOCOCR=CH2
(ここで、Rは水素原子またはメチル基であり、nは1〜6の整数であり、aは1〜4の整数であり、bは1〜3の整数であり、cは1〜3の整数である)で表されるポリフルオロアルキルアルコール(メタ)アクリル酸誘導体およびスチレンまたはその誘導体の共重合体よりなり、重量平均分子量Mwが2,000〜20,000,000である含フッ素共重合体およびそれを有効成分とする表面改質剤によって達成される。ここで、(メタ)アクリル酸はアクリル酸またはメタクリル酸を指している。
【発明の効果】
【0012】
特許文献1〜2では、ポリフルオロアルキルアルコール(メタ)アクリル酸誘導体と共重合させるフッ素原子非含有重合性単量体としては(メタ)アクリル酸エステルであるステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートが好ましく、各実施例においてはこれらの(メタ)アクリル酸エステルが単独で、あるいはこれらの(メタ)アクリル酸エステル以外のフッ素原子非含有重合性単量体と組み合わせて用いられている。
【0013】
本発明においては、特許文献1〜2に(メタ)アクリル酸エステル以外のフッ素原子非含有重合性単量体の例として記載されてはいるが、具体的な実施例などとしては記載されていないスチレンまたはその誘導体をポリフルオロアルキルアルコール(メタ)アクリル酸誘導体と共重合させる共単量体として選択することにより、得られた含フッ素共重合体は撥水撥油剤等の表面改質剤として用いられたとき、さらにすぐれた耐熱性を示すことを見出したものである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
一般式
CnF2n+1(CH2CF2)a(CF2CF2)b(CH2CH2)cOCOCR=CH2
で表わされるポリフルオロアルキルアルコール(メタ)アクリル酸誘導体は、特許文献1〜2に記載される如く、次のような化合物を例示することができる。

およびこれらに対応するメタクリル酸誘導体
【0015】
これらのポリフルオロアルキルアルコール(メタ)アクリル酸誘導体と反応するスチレンまたはその誘導体としては、スチレン、あるいはα-メチルスチレン、β-メチルスチレン、o-メチルスチレン、p-メチルスチレン、α-クロロスチレン、p-クロロスチレン、これらに対応するフルオロスチレンまたはパーフルオロメチルスチレン等のメチル基、塩素基、フッ素基またはパーフルオロメチル基置換スチレンを挙げることができ、この他α-メトキシスチレン、p-メトキシスチレン、4-ビニル安息香酸等が挙げられる。
【0016】
ポリフルオロアルキルアルコール(メタ)アクリル酸誘導体とスチレン(誘導体)とは、前者が1〜99重量%、好ましくは30〜95重量%、また後者が99〜1重量%、好ましくは70〜5重量%の割合でそれぞれ共重合反応に供され、重量平均分子量Mw が2,000〜20,000,000、好ましくは10,000〜1,000,000の含フッ素共重合体を形成させる。
【0017】
また、本発明の目的を損なわない共重合割合の範囲内において、他の含フッ素重合性単量体やフッ素原子非含有重合性単量体を共重合させることもでき、さらに必要に応じて、多官能性単量体またはオリゴマーを共重合体中10重量%以下の割合で共重合させることもできる。かかる多官能性単量体またはオリゴマーとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA・エチレンオキサイド付加物ジアクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート、グリセリンメタクリレートアクリレート、3-アクリロイルオキシグリセリンモノメタクリレート等が挙げられる。
【0018】
さらに、架橋性基含有単量体、例えば(メタ)アクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N-メトキシメチルアクリルアミド、N-ブトキシメチルアクリルアミド、グリシジル(メタ)アクリレート等を加え、共重合体中約10重量%以下、好ましくは約0.5〜7重量%を占めるような割合で共重合させることができる。これらの架橋性基含有単量体をさらに共重合させると、繊維表面の水酸基と架橋したりあるいは自己架橋して、撥水撥油剤の耐久性を高めることができる。
【0019】
ポリフルオロアルキルアルコール(メタ)アクリル酸誘導体とスチレン(誘導体)との共重合反応は、乳化重合法、けん濁重合法によっても行われるが、好ましくは溶液重合法によって行われる。溶液重合法の反応溶媒としては、炭化水素系溶媒、アルコール系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶媒、ハイドロフルオロカーボン系溶媒、ハイドロフルオロエーテル系溶媒等が用いられる。これらの溶媒は、1種または2種以上混合しても用いられる。
【0020】
炭化水素系溶媒の例としては、炭素数5〜16の直鎖状または分岐状脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサンまたはこれらのメチル、エチル置換体等の脂環式炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、1,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、1,3-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン等のトリフルオロメチル基置換芳香族炭化水素などが挙げられる。
【0021】
アルコール系溶媒の例としては、炭素数1〜8の直鎖状または分岐状アルカノールが挙げられ、アルカノールは1-アルカノール以外に2-アルカノール等であってもよい。エステル系溶媒の例としては、酢酸のメチル、エチル、プロピル、ブチルエステル、プロピオン酸メチル、乳酸のメチル、エチル、ペンチルエステル等が挙げられる。ケトン系溶媒の例としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2-ペンタノン、3-ペンタノン、2-ヘキサノン等が挙げられる。
【0022】
ハイドロフルオロカーボン系溶媒としては、次のようなものが例示される。

【0023】
また、ハイドロフルオロエーテル系溶媒としては、次のようなものが例示される。

【0024】
これらの含フッ素系溶媒中、取扱いの簡便性といった観点から、好ましくは1,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、1,1,1,2,2-ペンタフルオロ-3,3-ジクロロプロパン、1,1,2,2,3-ペンタフルオロ-1,3-ジクロロプロパン、1,1,1,2,3,4,4,5,5,5-デカフルオロペンタン、パーフルオロヘキサン等の含フッ素有機溶媒の少なくとも一種が用いられる。
【0025】
共単量体総量に対して約0.1〜4重量%、好ましくは約1〜2重量%の割合で用いられる開始剤としては、ジアシルパーオキサイド、パーオキシカーボネート、パーオキシエステル等が用いられ、具体的にはイソブチリルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、コハク酸パーオキサイド、ビス(ヘプタフルオロブチリル)パーオキサイド、ペンタフルオロブチロイルパーオキサイド、ビス(4-第3ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ-n-プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート等の有機過酸化物が用いられ、重合方法によってはアゾ化合物や無機過酸化物またはそれのレドックス系も用いられる。反応条件や組成比によっては重合反応が進行し難い場合もあるが、その場合には重合反応の途中で再度重合開始剤を追加して用いることもできる。
【0026】
また、分子量の調整を行うため、必要に応じて連鎖移動剤を用いることもでき、連鎖移動剤としては、例えばジメチルエーテル、メチル第3ブチルエーテル、C1〜C6のアルカン類、メタノール、エタノール、2-プロパノール、シクロヘキサン、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、メタン、酢酸エチル、マロン酸エチル、アセトン等が挙げられる。
【0027】
共重合反応は、これらの反応溶媒、反応開始剤等を用いて約0〜100℃、好ましくは約5〜60℃、特に好ましくは約40〜50℃の反応温度で行われる。反応終了後、固形分濃度が約5〜30重量%の共重合体溶液が得られ、この反応混合物から溶媒を除去することにより、含フッ素共重合体が得られる。
【0028】
共重合反応に用いられたポリフルオロアルキルアルコール(メタ)アクリル酸は、未反応の残留共単量体をガスクロマトグラフィーで分析した結果殆ど完全に共重合されていることが確認された。
【0029】
ポリフルオロアルキルアルコール(メタ)アクリル酸誘導体の共重合体の製造はかかる溶液重合法に限定されず、例えば水を分散媒とし、ノニオン界面活性剤および/またはカチオン界面活性剤を含むけん濁重合法、乳化重合法なども用いられる。
【0030】
このようにして得られるポリフルオロアルキルアルコール(メタ)アクリル酸誘導体の共重合体は、蒸発乾固する方法、無機塩等の凝集剤を添加して凝集させる方法などにより分離され、溶媒等で洗浄する方法により精製される。得られた共重合体の重量平均分子量Mwは、高速液体クロマトグラフィー法によって示され、その値は約2,000〜20,000,000となる。
【0031】
溶液重合法により得られた重合体溶液は、さらに1,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、1,3-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン等の含フッ素有機溶媒、好ましくは重合反応に用いられたものと同じ有機溶媒によってその固形分濃度が約0.01〜30重量%、好ましくは約0.05〜5重量%に希釈され、表面改質剤として用いられる。水系の乳化重合法、けん濁重合法などによって得られる重合物については、そのままあるいは水で固形分濃度を約0.1〜10重量%に希釈した上で水性分散液として、または重合反応液に凝集剤を添加して重合物を凝集させ、水または有機溶媒で洗浄して分離された単独重合体または共重合体を水に分散または含フッ素有機溶媒に溶解させることにより、その水性分散液または有機溶媒溶液として、調製することもできる。水性分散液としては、好ましくは界面活性剤および水溶性有機溶媒を20%以下含有させたものが用いられる。かかる水性分散液または有機溶媒溶液は、例えば撥水撥油剤、オイルバリヤなどの表面改質剤として用いることができる。
【0032】
この共重合体の水性分散液またはこれらの含フッ素有機溶媒溶液よりなる重合体溶液中には、さらに他の添加剤としてメラミン樹脂、尿素樹脂、ブロックドイソシアネート等の架橋剤、重合体エクステンダー、シリコーン樹脂またはオイル、ワックス等の他の撥水剤、防虫剤、帯電防止剤、染料安定剤、防皺剤、ステインブロッカー等の表面改質剤用途に必要な添加剤を添加することができる。
【0033】
このようにして得られる表面改質剤は、金属、紙、フィルム、繊維、布、織布、カーペットあるいはフィラメント、繊維、糸等で作られた布帛製品等に撥水撥油剤あるいは時計、モータ、一眼レフカメラのレンズ等の精密機械の摺動部品またはその摺動部品に近接する部品に対して摺動面から周辺部への潤滑オイルの滲み出しを防止するオイルバリアなど表面改質剤として有効に適用される。適用方法としては、塗布、浸漬、吹付け、パッディング、ロール被覆あるいはこれらの組合せ方法等が一般に用いられ、例えば浴の固形分濃度を約0.1〜10重量%とすることにより、パッド浴として使用される。このパッド浴に被処理材料をパッドし、次いで絞りロールで過剰の液を取り除いて乾燥し、被処理材料に対する重合体量が約0.01〜10重量%になるように付着せしめる。その後、被処理材料の種類にもよるが、一般には約100〜200℃の温度で約1分間乃至約2時間程度の乾燥が行われ、撥水撥油処理が終了する。
【実施例】
【0034】
次に、実施例について本発明を説明する。
【0035】
実施例1
次式で示される含フッ素モノマーA
CF3(CF2)3(CH2CF2)(CF2CF2)(CH2CH2)OCOCH=CH2 (99.2GC%)
80g、スチレン20gおよび1,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン〔TFMB〕350gを、コンデンサを備えた容量500mlの反応器に仕込み、窒素ガスで30分間置換した。反応器に、さらにビス(4-第3ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート 1.0gを添加した後(合計451.0g)、反応器内温度を徐々に50℃まで上げ、マグネットスターラで攪拌しながら、この温度で16時間重合反応を行った。
【0036】
反応終了後冷却し、固形分濃度21.5重量%の共重合体溶液を得た。未反応の残留共単量体についてガスクロマトグラフィーで分析した結果、共重合反応に用いられたポリフルオロアルキルアルコールアクリル酸誘導体の99%が共重合反応されていることが確認された。
【0037】
なお、得られた共重合体溶液を120℃のオーブン中に入れ、溶媒を除去して単離した含フッ素共重合体の重量平均分子量Mwは、25,000であった。ここで、Mwの測定は、Shodex GPC KD 806M + KD-802 + KD-Gを用い、温度40℃、溶出液である10mMヘキサフルオロイソプロパノール(5ミリモル CF3COONa添加)溶液の溶出速度を0.5ml/分としてGPC測定法により行われ、検出器としては視差屈折計が、またデーター解析にはSIC製Labchart 180(ポリメチルメタクリレート/ジメチルテレフタレート分子量基準)がそれぞれ用いられた。
【0038】
この共重合体溶液に、1,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンを加えて、その固形分濃度を2重量%に希釈し、その希釈液1mlをステンレス鋼板(2×5cm)に塗り、120℃で30分間乾燥させて、試験片を作製した。
【0039】
作製された表面改質剤塗布試験片について、それぞれ100℃、120および150℃で、初期、1ヶ月経過後および2ヶ月経過後に、撥水撥油性能の一つの指標である静的接触角の測定(セシルドロップ法による)を、ヘキサデカン C16H34〔HD〕および水について行った。
【0040】
実施例2
実施例1において、含フッ素モノマーAの代りに次式で示される含フッ素モノマーB
CF3(CF2)3(CH2CF2)(CF2CF2)2(CH2CH2)OCOCH=CH2 (99.4GC%)
90gが、またスチレンの代りにp-メチルスチレン 10gがそれぞれ用いられ、固形分濃度21.2重量%の共重合体溶液を得た。得られた含フッ素共重合体のMwは、213,000であった。
【0041】
実施例3
実施例1において、含フッ素モノマーAの代りに次式で示される含フッ素モノマーC
CF3(CF2)3(CH2CF2)(CF2CF2)2(CH2CH2)OCOC(CH3)=CH2 (99.4GC%)
70gが、またスチレンの代りにp-クロロスチレン 30gがそれぞれ用いられ、固形分濃度21.4重量%の共重合体溶液を得た。得られた含フッ素共重合体のMwは、185,000であった。
【0042】
実施例4
実施例1において、含フッ素モノマーA 40gと共に次式で示される含フッ素モノマーD
CF3(CF2)(CH2CF2)(CF2CF2)2(CH2CH2)OCOCH=CH2 (99.0GC%)
40gが用いられ、またスチレン 15gと共にp-メチルスチレン 5gが用いられ、さらに反応溶媒としてTFMBの代りに同量の1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタン〔HFC-365mfc〕が用いられ、固形分濃度21.6重量%の共重合体溶液を得た。得られた含フッ素共重合体のMwは、162,000であった。
【0043】
比較例1
実施例1において、スチレンの代りに同量のステアリルメタクリレートが用いられ、固形分濃度21.0重量%の共重合体溶液を得た。得られた含フッ素共重合体のMwは、253,000であった。
【0044】
比較例2
実施例1において、スチレンの代りに同量のベンジルメタクリレートが用いられ、固形分濃度21.1重量%の共重合体溶液を得た。得られた含フッ素共重合体のMwは、210,000であった。
【0045】
以上の実施例2〜4および比較例1〜2で得られた共重合体溶液についても、実施例1と同様に静的接触角の測定が行われた。なお、実施例4のみ、反応および希釈溶媒はTFMBではなく、HFC-365mfcが用いられた。
【0046】
測定結果は、次の表に示される。この結果から、撥水撥油性の指標となる静的接触角は、実施例に係る含フッ素共重合体を有効成分とするものは、100℃、120℃および150℃で1ヶ月および2ヶ月経過後においても変化がみられず、十分なる耐熱性を有していることが分かる。

実施例1 実施例2 実際例3 実施例4 比較例1 比較例2
〔含フッ素共重合体〕
含フッ素モノマーA 80 − − 40 80 80
含フッ素モノマーB − 90 − − − −
含フッ素モノマーC − − 70 − − −
含フッ素モノマーD − − − 40 − −
スチレン 20 − − 15 − −
メチルスチレン − 10 − 5 − −
クロロスチレン − − 30 − − −
ステアリルMA − − − − 20 −
ベンジルMA − − − − − 20
反応・希釈溶媒 TFMB TFMB TFMB HFC TFMB TFMB
固形分濃度 (%) 21.5 21.2 21.4 21.6 21.0 21.1
Mw (×103) 205 213 185 162 253 210

〔静的接触角〕
HD HD HD HD HD HD
100℃
初期 77 119 75 119 74 117 76 118 76 120 76 121
1ヶ月後 77 119 75 119 74 117 76 118 74 118 74 116
2ヶ月後 76 119 75 119 74 117 75 118 73 116 70 114
120℃
初期 77 119 75 119 74 117 76 118 76 120 76 121
1ヶ月後 77 118 75 118 74 116 76 117 74 118 73 116
2ヶ月後 77 118 75 118 74 116 75 117 69 113 70 116
150℃
初期 77 119 75 119 74 117 76 118 76 120 76 120
1ヶ月後 77 118 75 118 73 116 76 117 74 115 74 116
2ヶ月後 76 118 74 118 73 116 75 117 24 75 38 91

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式
CnF2n+1(CH2CF2)a(CF2CF2)b(CH2CH2)cOCOCR=CH2
(ここで、Rは水素原子またはメチル基であり、nは1〜6の整数であり、aは1〜4の整数であり、bは1〜3の整数であり、cは1〜3の整数である)で表されるポリフルオロアルキルアルコール(メタ)アクリル酸誘導体およびスチレンまたはその誘導体の共重合体よりなり、重量平均分子量Mwが2,000〜20,000,000である含フッ素共重合体。
【請求項2】
スチレン誘導体がメチル基、塩素基、フッ素基またはパーフルオロメチル基置換スチレンである請求項1記載の含フッ素共重合体。
【請求項3】
請求項1または2記載の含フッ素共重合体を有効成分とする表面改質剤。
【請求項4】
有機溶媒溶液として調製された請求項3記載の表面改質剤。
【請求項5】
含フッ素有機溶媒溶液として調製された請求項4記載の表面改質剤。
【請求項6】
水性分散液として調製された請求項3記載の表面改質剤。
【請求項7】
撥水撥油剤として用いられる請求項3、4、5または6のいずれか一項記載の表面改質剤。

【公開番号】特開2013−87190(P2013−87190A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−228825(P2011−228825)
【出願日】平成23年10月18日(2011.10.18)
【出願人】(502145313)ユニマテック株式会社 (169)
【Fターム(参考)】