説明

含ホウ素キナゾリン誘導体

【課題】 抗腫瘍剤として有用な含ホウ素キナゾリン誘導体を提供すること。
【解決手段】 一般式(I)
【化12】


(式中、Rは置換もしくは非置換のアリールなど表し、Rは水素原子などを表し、RおよびRは同一または異なって、ヒドロキシなどを表し、Xは酸素原子などを表し、Lは酸素原子などを表し、Yは置換もしくは非置換のアルキレンなどを表し、Zは置換もしくは非置換のアルキレンなどを表す)
で表されるキナゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩などを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗腫瘍剤として有用な含ホウ素キナゾリン誘導体に関する。
【背景技術】
【0002】
抗腫瘍剤として有用な4−アニリノキナゾリン誘導体が知られている(特許文献1参照)。一方、ホウ素原子を含む置換基を有するキナゾリン誘導体として、下記式(II)で表される化合物が知られている(特許文献2参照)。
【0003】
【化2】


【特許文献1】国際公開第96/33980号パンフレット
【特許文献2】米国特許第5534518号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、抗腫瘍剤として有用な含ホウ素キナゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩などを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下の(1)〜(10)に関する。
(1) 一般式(I)
【0006】
【化3】

【0007】
[式中、Rは、置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の芳香族複素環基を表し、
は、水素原子、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、カルバモイル、シアノ、カルボキシ、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルコキシ、置換もしくは非置換の低級アルキルアミノ、置換もしくは非置換のジ低級アルキルアミノ、置換もしくは非置換の低級アルカノイル、置換もしくは非置換の低級アルキルカルバモイルまたは置換もしくは非置換のジ低級アルキルカルバモイルを表し、
およびRは、同一または異なって、ヒドロキシ、置換もしくは非置換の低級アルコキシまたは置換もしくは非置換のシクロアルコキシを表すか、またはRとRが隣接すホウ素原子と一緒になって置換もしくは非置換の含ホウ素複素環基を形成し、
Xは、酸素原子、硫黄原子または−NH−を表し、
Lは、酸素原子、硫黄原子または−NR−(式中、Rは水素原子または低級アルキルを表す)を表し、
YおよびZは、同一または異なって、置換もしくは非置換のアルキレン、置換もしくは非置換のアルケニレン、置換もしくは非置換のアリーレン、置換もしくは非置換のアルキニレンまたは単結合を表す]
で表されるキナゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
(2) Rが置換もしくは非置換のアリールである(1)記載のキナゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
(3) Xが−NH−である(1)または(2)記載のキナゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
(4) Lが酸素原子である(1)〜(3)のいずれかに記載のキナゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
(5) Yがメチレンである(1)〜(4)のいずれかに記載のキナゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
(6) Zが単結合、ビニレンまたはフェニレンである(1)〜(5)のいずれかに記載のキナゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
(7) RとRが隣接するホウ素原子と一緒になって置換もしくは非置換の含ホウ素複素環基を形成する(1)〜(6)のいずれかに記載のキナゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
(8) Rが水素原子または置換もしくは非置換の低級アルコキシである(1)〜(7)のいずれかに記載のキナゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
(9) (1)〜(8)のいずれかに記載のキナゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬。
(10) (1)〜(8)のいずれかに記載のキナゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する抗腫瘍剤。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、抗腫瘍剤として有用な含ホウ素キナゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩などを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、一般式(I)で表される化合物を化合物(I)という。他の式番号の化合物についても同様である。
一般式(I)の各基の定義において、
低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルキルアミノ、ジ低級アルキルアミノ、低級アルカノイル、低級アルキルカルバモイルおよびジ低級アルキルカルバモイルの低級アルキル部分としては、例えば直鎖または分岐状の炭素数1〜10のアルキルがあげられ、より具体的にはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシルなどがあげられる。ジ低級アルキルアミノおよびジ低級アルキルカルバモイルにおける2つの低級アルキル部分はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
【0010】
低級アルケニルとしては、例えば直鎖または分岐状の炭素数2〜10のアルケニルがあげられ、より具体的にはビニル、アリル、1−プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニルなどがあげられる。
シクロアルキルおよびシクロアルコキシのシクロアルキル部分としては、例えば炭素数3〜8のシクロアルキルがあげられ、より具体的にはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルなどがあげられる。
【0011】
アリールとしては、例えば炭素数6〜14のアリールがあげられ、より具体的にはフェニル、ナフチル、アントラニルなどがあげられる。
芳香族複素環基としては、例えば窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる少なくとも1個の原子を含む5員または6員の単環性芳香族複素環基、3〜8員の環が縮合した二環または三環性で窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる少なくとも1個の原子を含む縮環性芳香族複素環基などがあげられ、より具体的にはフリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチエニル、インドリル、インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾトリアゾリル、プリニル、キノリル、イソキノリル、キナゾリニル、フタラジニル、シンノリニル、キノキサリニル、ナフチリジニル、プテリジニル、フラザニル、カルバゾリルなどがあげられる。
【0012】
アルキレンとしては、例えば直鎖または分岐状の炭素数1〜10のアルキレンがあげられ、より具体的にはメチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、ヘプタメチレン、オクタメチレン、ノナメチレン、デカメチレンなどがあげられる。
アルケニレンとしては、例えば直鎖または分岐状の炭素数2〜10のアルケニレンがあげられ、より具体的にはビニレン、プロペニレン、2−ブテニレン、1,3−ブタジエニレン、2−ペンテニレン、2−ヘキセニレン、2−ヘプテニレン、2−オクテニレン、2−ノネニレン、2−デセニレンなどがあげられる。
【0013】
アルキニレンとしては、例えば直鎖または分岐状の炭素数2〜10のアルキニレンがあげられ、より具体的にはエチニレン、プロピニレン、2−ブチニレン、2−ペンチニレン、2−ヘキシニレン、2−ヘプチニレン、2−オクチニレン、2−ノニニレン、2−デシニレンなどがあげられる。
アリーレンとしては、例えば炭素数6〜14のアリーレンがあげられ、より具体的には1,4−フェニレン、1,3−フェニレン、1,2−フェニレン、1,4−ナフチレン、2,6−ナフチレン、1,4−アントラニレンなどがあげられる。
【0014】
とRが隣接するホウ素原子と一緒になって形成される含ホウ素複素環基としては、例えば、下記式(A)〜(I)で表される複素環基があげられる。
【0015】
【化4】

【0016】
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素の各原子を意味する。
置換低級アルキル、置換低級アルケニル、置換低級アルコキシ、置換低級アルキルアミノ、置換ジ低級アルキルアミノ、置換低級アルカノイル、置換低級アルキルカルバモイルおよび置換ジ低級アルカノイルにおける置換基としては、同一または異なって、例えば置換数1〜置換可能な数の、好ましくは1〜3の、
ハロゲン、ヒドロキシ、メルカプト、アジド、ニトロ、シアノ、カルボキシ、カルバモイル、C3−8シクロアルキル、C6−14アリール、芳香族複素環基、
1−10アルコキシ、ヒドロキシ置換C1−10アルコキシ、C3−8シクロアルコキシ、C6−14アリールオキシ、C7−16アラルキルオキシ、C2−11アルカノイルオキシ、C7−15アロイルオキシ、
1−10アルキルチオ、
−NR(式中、RおよびRは同一または異なって、水素原子、C1−10アルキル、C3−8シクロアルキル、C6−14アリール、芳香族複素環基、C7−16アラルキル、C2−11アルカノイル、C7−15アロイル、C1−10アルコキシカルボニルまたはC7−16アラルキルオキシカルボニルを表す)、
2−11アルカノイル、C7−15アロイル、芳香族複素環カルボニル、C1−10アルコキシカルボニル、C6−14アリールオキシカルボニル、C1−10アルキルカルバモイルおよびジC1−10アルキルカルバモイル
からなる群から選ばれる置換基などがあげられる。
【0017】
置換アリール、置換芳香族複素環基および置換アリーレンにおける置換基としては、同一または異なって、例えば置換数1〜置換可能な数の、好ましくは1〜3の、
ハロゲン、ヒドロキシ、メルカプト、アジド、ニトロ、シアノ、カルボキシ、カルバモイル、C1−10アルキル、トリフルオロメチル、C2−10アルケニル、C3−8シクロアルキル、C6−14アリール、芳香族複素環基、
1−10アルコキシ、ヒドロキシ置換C1−10アルコキシ、C3−8シクロアルコキシ、C6−14アリールオキシ、C7−16アラルキルオキシ、C2−11アルカノイルオキシ、C7−15アロイルオキシ、
1−10アルキルチオ、
−NR(式中、RおよびRはそれぞれ前記と同義である)、
2−11アルカノイル、C7−15アロイル、芳香族複素環カルボニル、C1−10アルコキシカルボニル、C6−14アリールオキシカルボニル、C1−10アルキルカルバモイル、ジC1−10アルキルカルバモイル、
1−10アルキルスルホニルおよびC6−14アリールスルホニル
からなる群から選ばれる置換基などがあげられる。
【0018】
置換シクロアルキル、置換シクロアルコキシ、置換アルキレン、置換アルケニレン、置換アルキニレンおよび隣接するホウ素原子と一緒になって形成される置換含ホウ素複素環基における置換基としては、同一または異なって、例えば置換数1〜置換可能な数の、好ましくは1〜3の、
オキソ、ハロゲン、ヒドロキシ、メルカプト、アジド、ニトロ、シアノ、カルボキシ、カルバモイル、C1−10アルキル、トリフルオロメチル、C2−10アルケニル、C3−8シクロアルキル、C6−14アリール、芳香族複素環基、
1−10アルコキシ、ヒドロキシ置換C1−10アルコキシ、C3−8シクロアルコキシ、C6−14アリールオキシ、C7−16アラルキルオキシ、C2−11アルカノイルオキシ、C7−15アロイルオキシ、
1−10アルキルチオ、
−NR(式中、RおよびRはそれぞれ前記と同義である)、
2−11アルカノイル、C7−15アロイル、芳香族複素環カルボニル、C1−10アルコキシカルボニル、C6−14アリールオキシカルボニル、C1−10アルキルカルバモイル、ジC1−10アルキルカルバモイル、
1−10アルキルスルホニルおよびC6−14アリールスルホニル
からなる群から選ばれる置換基などがあげられる。
【0019】
ここで示したC1−10アルキルならびにC1−10アルコキシ、ヒドロキシ置換C1−10アルコキシ、C2−11アルカノイルオキシ、C1−10アルキルチオ、C2−11アルカノイル、C1−10アルコキシカルボニル、C1−10アルキルカルバモイル、ジC1−10アルキルカルバモイルおよびC1−10アルキルスルホニルのC1−10アルキル部分としては、例えば前記低級アルキルの例示であげた基が例示される。ジC1−10アルキルカルバモイルにおける2つのC1−10アルキル部分は同一でも異なっていてもよい。
【0020】
3−8シクロアルキルおよびC3−8シクロアルコキシのシクロアルキル部分ならびびC2−10アルケニルのアルケニル部分としては、それぞれ例えば前記シクロアルキルおよび前記低級アルケニルの例示であげた基が例示される。
6−14アリールならびにC6−14アリールオキシ、C7−15アロイル、C7−15アロイルオキシ、C6−14アリールオキシカルボニルおよびC6−14アリールスルホニルのアリール部分としては、例えば前記アリールの例示であげた基が例示される。
【0021】
7−16アラルキルオキシ、C7−16アラルキルおよびC7−16アラルキルオキシカルボニルのアリール部分としては、例えば前記アリールの例示であげた基が例示され、アルキル部分としては、例えば前記アルキレンの例示であげた基が例示される。
芳香族複素環基および芳香族複素環カルボニルの芳香族複素環基部分ならびにハロゲンとしては、それぞれ例えば前記芳香族複素環基および前記ハロゲンで例示した基が例示される。
【0022】
化合物(I)の各基において、
としては、置換もしくは非置換のアリールなどが好ましく、置換もしくは非置換のフェニルなどがより好ましく、ハロゲン置換のフェニルなどがさらに好ましい。
Xとしては、−NR−(Rは前記と同義である)などが好ましく、−NH−などがより好ましい。
【0023】
としては、水素原子、ヒドロキシ、ハロゲン、置換もしくは非置換の低級アルコキシなどが好ましく、水素原子、置換もしくは非置換の低級アルコキシなどがより好ましい。
Lとしては、酸素原子などが好ましい。
Yとしては、メチレンなどが好ましい。
【0024】
Zとしては、単結合、ビニレン、フェニレンなどが好ましく、単結合、ビニレン、1,4−フェニレンなどがより好ましい。
およびRとしては、同一または異なって、ヒドロキシ、低級アルコキシなどを表すか、またはRとRが隣接するホウ素原子と一緒になって置換もしくは非置換の含ホウ素複素環基を形成することが好ましく、RとRが隣接するホウ素原子と一緒になって置換もしくは非置換の含ホウ素複素環基を形成することがより好ましい。
【0025】
化合物(I)としては、上記で示した好ましい置換基がそれぞれ組み合わされた化合物が好ましい。例えば、Rが置換もしくは非置換のアリールなどであり、Xが−NR−(Rは前記と同義である)などであり、Rが水素原子、ヒドロキシ、ハロゲン、置換もしくは非置換の低級アルコキシなどであり、Lが酸素原子などであり、Yがメチレンなどであり、Zが単結合、ビニレン、1,4−フェニレン、1,3−フェニレン、1,2−フェニレンなどであり、RおよびRが同一または異なって、ヒドロキシ、低級アルコキシなどを表すか、またはRとRが隣接するホウ素原子と一緒になって置換もしくは非置換の含ホウ素複素環基を形成する化合物が好ましく、
がハロゲン置換のフェニルなどであり、Xが−NH−などであり、Rが水素原子、置換もしくは非置換の低級アルコキシなどであり、Lが酸素原子などであり、Yがメチレンなどであり、Zが単結合、ビニレン、1,4−フェニレンなどであり、RとRが隣接するホウ素原子と一緒になって置換もしくは非置換の含ホウ素複素環基を形成する化合物がより好ましい。
【0026】
化合物(I)の薬理学的に許容される塩は、例えば薬理学的に許容される酸付加塩、金属塩、アンモニウム塩、有機アミン付加塩、アミノ酸付加塩などを包含する。化合物(I)の薬理学的に許容される酸付加塩としては、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩などの無機酸塩、酢酸塩、酒石酸塩、グルコン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、シュウ酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、クエン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩などの有機酸塩などがあげられ、薬理学的に許容される金属塩としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、マグネシウム塩、カルシウム塩などのアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、亜鉛塩などがあげられ、薬理学的に許容されるアンモニウム塩としては、例えばアンモニウム、テトラメチルアンモニウムなどの塩があげられ、薬理学的に許容される有機アミン付加塩としては、例えばモルホリン、ピペリジンなどの付加塩があげられ、薬理学的に許容されるアミノ酸付加塩としては、例えばリジン、グリシン、フェニルアラニン、アスパラギン酸、グルタミン酸などの付加塩があげられる。
【0027】
次に化合物(I)の製造法について説明する。
なお、以下に示す製造法において、定義した基が製造方法の条件下で変化するかまたは方法を実施するのに不適切な場合、有機合成化学で常用される保護基の導入および除去方法[例えば、プロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス第3版(Protective Groups in Organic Synthesis,third edition)、グリーン(T.W.Greene)著、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ・インコーポレイテッド(John Wiley&Sons Inc.)(1999年)]などを用いることにより、目的化合物を製造することができる。また、必要に応じて置換基導入などの反応工程の順序を変えることもできる。
【0028】
化合物(I)は、以下の工程に従い製造することができる。
製造法1
【0029】
【化5】

【0030】
(式中、Wは塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表し、R、R、R、R、L、X、YおよびZはそれぞれ前記と同義である)
化合物(I)は、化合物(III)と化合物(IV)を溶媒中、塩基の存在下、−10℃と150℃の間の温度で5分間〜72時間反応させることにより製造することができる。化合物(IV)および塩基は、化合物(III)に対し、それぞれ1〜10当量用いるのが好ましい。
【0031】
溶媒としては、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、トルエン、酢酸エチル、ジクロロメタン、クロロホルム、ピリジンなどがあげられ、これらを単独で、または混合して用いることができる。塩基としては、例えば水素化ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、ピリジン、トリエチルアミンなどがあげられる。
化合物(III)は、文献記載の方法(J. Med. Chem. 1982, 25, 703-708, J. Med. Chem. 1996, 39, 267-276, Bioorg. Med. Chem. Lett. 1997, 7, 2723-2728など)で、またはそれに準じて得ることができ、化合物(IV)は、市販品として得られるか、または文献記載の方法(J. Am. Chem. Soc. 1958, 80, 835-838, Synlett. 1991, 631-632など)で、もしくはそれに準じて得ることができる。
製造法2
化合物(I)のうち、RおよびRがヒドロキシである化合物(Ib)は、以下の工程により製造することもできる。
【0032】
【化6】

【0033】
(式中、R3aおよびR4aはそれぞれ前記RおよびRの定義のうち、ヒドロキシを除く基を表し、R、R、X、Y、ZおよびLはそれぞれ前記と同義である)
化合物(Ib)は、化合物(Ia)を溶媒中、0℃と100℃の間の温度で5分間〜72時間、1〜20当量のフッ化水素カリウムで処理することにより製造することができる。溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、水などがあげられ、これらを単独で、または混合して用いることができる。
【0034】
化合物(Ia)は上記製造法1に従って得ることができる。
化合物(I)におけるR、R、R、R、L、X、YまたはZに含まれる官能基の変換は、公知の方法[例えば、コンプリヘンシブ・オーガニック・トランスフォーメーションズ(Comprehensive Organic Transformations)、R.C.ラロック(Larock)著(1989年)などに記載の方法]でまたはそれらに準じて行うことができる。
【0035】
上記各製造法における中間体および目的化合物は、有機合成化学で常用される分離精製法、例えば、ろ過、抽出、洗浄、乾燥、濃縮、再結晶、各種クロマトグラフィーなどに付して単離精製することができる。また、中間体においては特に精製することなく次の反応に供することも可能である。
化合物(I)の中には、位置異性体、幾何異性体、光学異性体、互変異性体などの立体異性体が存在し得るものもあるが、本発明は、これらを含め、全ての可能な異性体およびそれらの混合物を包含する。
【0036】
化合物(I)の塩を取得したいとき、化合物(I)が塩の形で得られるときはそのまま精製すればよく、また、遊離の形で得られるときは、化合物(I)を適当な溶媒に溶解または懸濁し、酸または塩基を加えることにより塩を形成させて単離、精製すればよい。
また、化合物(I)およびその薬理学的に許容される塩は、水または各種溶媒との付加物の形で存在することもあるが、これらの付加物も本発明のキナゾリン誘導体に包含される。
【0037】
本発明によって得られる化合物(I)の具体例を第1表に示す。ただし、本発明の化合物はこれらに限定されるものではない。
【0038】
【表1】

【0039】
次に、代表的な化合物(I)の薬理作用について試験例により具体的に説明する。
試験例1 細胞増殖抑制試験
96穴マイクロプレート(ヌンク社製)中に、1ウェルあたり2000個のヒト肺癌PC-9細胞をまきこみ、10%牛胎児血清(FCS)を含むRPMI 1640培地中、5%炭酸ガスインキュベーター内で37℃、24時間前培養を行った。次いで、10 mmol/Lに調整した化合物(I)のジメチルスルホキシド(DMSO)溶液を、終濃度がそれぞれ10, 3, 1, 0.3, 0.1, 0.03, 0.01, 0.003, 0.001 μmol/Lになるように培養用培地で希釈して添加し、37℃でさらに72時間、5%炭酸ガスインキュベーター内で培養した。培養終了後、WST-8 {2-(2-メトキシ-4-ニトロフェニル)-3-(4-ニトロフェニル)-5-(2,4-ジスルホフェニル)-2H-テトラゾリウム,モノナトリウム塩(2-(2-methoxy-4-nitrophenyl)-3-(4-nitrophenyl)-5-(2,4-disulfophenyl)-2H-tetrazolium, monosodium salt)}標識混合物(同仁化学研究所社製)を、1ウェルあたり10 μLずつ添加した後、5%炭酸ガスインキューベーター内で37℃、1時間培養し、マイクロプレート分光光度計(モレキュラーデバイス社製、SPECTRA max 340PC)を用い、各ウェルごとの480 nmと655 nmでの吸光度を測定した。各ウェルごとの655 nmでの吸光度から480 nmでの吸光度を減じた値(差吸光度)を算出し、化合物(I)を添加していない細胞での値を100%、細胞を含まないウェルでの値を0%として、これらの値と化合物(I)を添加したウェルで得られた差吸光度を比較することにより、細胞の増殖を50%阻害する化合物の濃度を算出し、それをGI50値とした。
【0040】
結果を第2表に示す。
【0041】
【表2】

【0042】
試験を実施した化合物(I)はすべて、ヒト肺癌 PC-9細胞に対する細胞増殖抑制活性を示し、抗腫瘍剤として有用であることが示された。
化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩は、そのまま単独で投与することも可能であるが、通常各種の医薬製剤として提供するのが望ましい。また、それら医薬製剤は、動物または人に使用されるものである。
【0043】
本発明に係わる医薬製剤は、活性成分として化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩を単独で、または任意の他の治療のための有効成分との混合物として含有することができる。また、それら医薬製剤は、活性成分を薬理学的に許容される一種またはそれ以上の担体と一緒に混合し、製剤学の技術分野においてよく知られている任意の方法により製造される。
【0044】
投与経路としては、治療に際し最も効果的なものを使用するのが望ましく、経口または、例えば静脈内などの非経口をあげることができる。
投与形態としては、例えば錠剤、注射剤などがあげられる。
経口投与に適当な、例えば錠剤などは、乳糖などの賦形剤、澱粉などの崩壊剤、ステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤、ヒドロキシプロピルセルロースなどの結合剤などを用いて製造できる。
【0045】
非経口投与に適当な、例えば注射剤は、塩溶液、ブドウ糖溶液または塩水とブドウ糖溶液の混合液などを用いて製造できる。
化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩の投与量および投与回数は、投与形態、患者の年齢、体重、治療すべき症状の性質もしくは重篤度などにより異なるが、通常経口の場合、成人一人あたり、1回につき0.01〜1000mg、好ましくは0.05〜500mgの範囲で、1日1回ないし数回投与する。静脈内投与などの非経口投与の場合、通常成人一人あたり0.001〜1000mg、好ましくは0.01〜300mgを1日1回ないし数回投与する。しかしながら、これら投与量および投与回数に関しては、前述の種々の条件により変動する。
【0046】
以下、本発明を実施例および参考例によりさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されることはない。
【実施例1】
【0047】
化合物1
水素化ナトリウム(NaH in oil 60 %, 32 mg, 0.8 mmol)をアルゴン雰囲気下でヘキサン3 mlを用いて洗い、オイルを除去した。N,N−ジメチルホルムアミド(2 ml)を加え、0℃に冷却し、参考例4で合成した化合物N(107 mg, 0.4 mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(3 ml)を徐々に加えた。室温に戻し、30分間攪拌した後、参考例3で合成したホウ酸エステルG(81 mg, 0.4 mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(3 ml)を加えた。室温で2時間攪拌した後、水(10 ml)を加え、ジエチルエーテル(50 ml)で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製することにより、化合物1(12,2 mg, 7%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3)δppm 8.72 (s, 1 H), 7.92 (s, 1 H), 7.85, (d, J= 9.0 Hz, 1 H), 7.60 (d, J = 9.0 Hz, 1 H), 7.48 (dd, J = 9.0, 3.0 Hz, 1 H), 7.33 (t, J = 9.0 Hz, 1 H), 7.14 (d, J = 9.0 Hz, 1 H), 7.10 (s, 1 H), 6.79 (dt, J = 18.0, 3.0 Hz, 1 H), 5.88 (d, J = 18.0 Hz, 1 H), 4.77 (d, J = 3.0 Hz, 2 H), 1.27 (s, 12 H);
13C NMR (75 MHz, CDCl3)δppm 157.0, 156.4, 152.7, 145.9, 139.6, 134.7, 130.7, 130.0, 124.6, 124.3, 121.6, 119.5, 115.5, 101.0, 83.6, 77.2, 69.9, 24.8.
【実施例2】
【0048】
化合物2
水素化ナトリウム(NaH in oil 60 %, 120 mg, 3.0 mmol)をアルゴン雰囲気下でヘキサン5 mlを用いて洗い、オイルを除去した。N,N−ジメチルホルムアミド(4 ml)を加え、0℃に冷却し、参考例4で合成した化合物N(407 mg, 1.5 mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(10 ml)を徐々に加えた。次いで、参考例3で合成したホウ酸エステルF(381 mg, 1.5 mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(7 ml)を加え、室温に戻し、2時間攪拌した。水(10 ml)を加え、ジエチルエーテル(150 ml)で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で精製することにより、化合物2(145 mg, 19%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3)δppm 8.71 (s, 1H), 7.78-7.87 (m, 3 H), 7.58 (d, J= 8.0 Hz, 1 H), 7.46 (dd, J = 9.2, 2.4 Hz, 1 H), 7.29 (t, J = 8.0 Hz, 1 H), 7.21 (d, J = 2.4 Hz, 1 H), 7.10 (dt, J = 8.0, 1.2 Hz, 1 H), 6.74 (dt, J = 18.0, 4.4 Hz, 1 H), 5.84 (d, J =18.0 Hz, 1 H), 4.65 (d, J = 4.4 Hz, 2 H), 4.32 (d, J = 8.4 Hz, 1 H), 2.35 (m, 1 H), 2.20 (m, 1H), 2.16 (t, J = 8.4 Hz, 1 H), 1.90 (m, 2 H), 1.41 (s, 3 H), 1.28 (s, 3 H), 1.12 (d, J = 11.2 Hz, 1 H), 0.84 (s, 3 H);
13C NMR (75 MHz, CDCl3)δppm 157.0, 156.6, 152.7, 145.9, 139.7, 134.6, 130.5, 129.9, 124.5, 124.2, 121.7, 119.6, 115.6, 101.4, 85.9, 77.9, 69.9, 51.3, 39.5, 38.1, 35.4, 28.6, 27.1, 26.4, 23.9.
【実施例3】
【0049】
化合物3
水素化ナトリウム(NaH in oil 60 %, 80 mg, 2.0 mmol)をアルゴン雰囲気下でヘキサン5 mlを用いて洗い、オイルを除去した。N,N−ジメチルホルムアミド(3 ml)を加え、0℃に冷却し、参考例4で合成した化合物N(271 mg, 1.0 mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(10 ml)を徐々に加えた。次いで、参考例2で合成したホウ酸エステルD(286 mg, 1.0 mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(7 ml)を加え、室温に戻し、2時間攪拌した。水(10 ml)を加え、ジエチルエーテル(150 ml)で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製することにより、化合物3(91 mg, 19%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3)δppm 8.73 (s, 1 H), 7.95 (t, J = 2.0 Hz, 1 H), 7.86 (d, J = 8.8 Hz, 1 H), 7.59 (dd, J = 7.2, 1.2 Hz, 1 H), 7.55 (dd, J = 9.2, 2.4 Hz, 1 H), 7.41 (bs, 1 H), 7,32 (t, J =8.0 Hz, 1 H), 7.21 (d, J = 2.4 Hz, 1 H), 7.12 (dt, J = 8.0, 1.2 Hz, 1 H), 4.42 (d, J =8.0 Hz, 1 H), 4.01 (s, 2 H), 2.38 (m, 1 H), 2.24 (m, 1H), 2.12 (t, J = 8.4 Hz, 1H), 1.92 (m, 2 H), 1.46 (s, 3 H), 1.30 (s, 3 H) 1.19 (d, J = 12.0 Hz, 1 H), 0.86 (s, 3 H);
13C NMR (75 MHz, CDCl3)δppm 158.8, 156.4, 152.6, 145.6, 139.8, 134.7, 130.5, 129.9, 124.1, 124.0, 121.3, 119.2, 115.5, 100.4, 87.1, 78.6, 51.2, 39.5, 38.2, 35.2, 28.6, 27.0, 26.6, 23.9.
【実施例4】
【0050】
化合物4
実施例3で得られた化合物3(15 mg, 0,032 mmol)をメタノール(3 ml)に溶かし、KHF2(17.5 mg, 0.22 mmol)の飽和水溶液をゆっくり加えた。室温で2時間攪拌した後、溶媒を留去した。残渣にフェニルホウ酸(12.2 mg, 0.10 mmol)、アセトニトリル(2 ml)およびヘキサン(4 ml)を加え、1時間攪拌した後、ヘキサン層を除去した。残ったアセトニトリル層から溶媒を留去し、シリカゲル薄層クロマトグラフィー(ジクロロルメタン:メタノール=20:1)で精製することにより、化合物4(3.0 mg, 28%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CD3OD)δppm 8.48 (s, 1 H), 7.88 (bs, 1 H), 7.72 (bs, 1 H), 7.53-7.62 (m, 2 H), 7.27 (t, J = 8.0 Hz, 1 H), 7.07 (d, J = 8.0 Hz, 1 H), 3.35 (s, 2 H).
【実施例5】
【0051】
化合物5
実施例2で得られた化合物2(142 mg, 0,29 mmol)をメタノール(10 ml)に溶かし、KHF2(158 mg, 2.03 mmol)の飽和水溶液をゆっくり加えた。室温で2時間攪拌した後、溶媒を留去した。残渣にフェニルホウ酸(73.2 mg, 0.60 mmol)、アセトニトリル(5 ml)およびヘキサン(9 ml)を加え、1時間攪拌した後、ヘキサン層を除去した。残ったアセトニトリル層から溶媒を留去し、シリカゲル薄層クロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=20:1)で精製することにより、化合物5(18.9 mg, 18%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CD3OD)δppm 8.37 (s, 1 H), 7.86 (t, J = 2.0 Hz, 1 H), 7.66 (d, J = 2.4 Hz, 1 H), 7.57-7.63 (m, 2 H), 7.43 (dd, J = 9.2, 2.4 Hz, 1 H), 7.25 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 7.23 (bs, 1H), 7.04 (d, J = 9.2 Hz, 1 H), 6.61 (dt, J = 16.0, 4.4 Hz, 1 H), 5.91 (d, J = 16.0 Hz, 1 H), 4.69 (d, J = 4.4 Hz, 2 H);
13C NMR (75 MHz, CD3OD)δppm 159.3, 159.0, 153.5, 146.2, 142.0, 135.5, 131.2, 129.8, 126.5, 125.5, 123.9, 122.1, 117.6, 104.2, 71.4.
【実施例6】
【0052】
化合物6
水素化ナトリウム(NaH in oil 60 %, 80 mg, 2.0 mmol)をアルゴン雰囲気下でヘキサン5 mlを用いて洗い、オイルを除去した。N,N−ジメチルホルムアミド(3 ml)を加え、0℃に冷却し、参考例4で合成した化合物N(271 mg, 1.0 mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(10 ml)を徐々に加えた。次いで、参考例1で合成したホウ酸エステルC(349 mg, 1.0 mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(7 ml)を加え、室温に戻し、2時間攪拌した。水(10 ml)を加え、ジエチルエーテル(150 ml)で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製することにより、化合物6(297 mg, 52%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3)δppm 8.73 (s, 1 H), 7.93 (t, d = 2.0 Hz, 1 H), 7.87-7.90 (m, 2 H), 7.81 (m, 1 H), 7.55 (m, 2 H), 7.49 (d, J = 8.0 Hz, 2 H), 7.33 (t, J = 8.0 Hz, 1 H), 7.15 (s, 1 H), 7.14 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 5.25 (s, 2 H), 4.47 (d, J = 7.2 Hz, 1 H), 2.44 (m, 1H), 2.24 (m, 1 H), 2.16 (t, J = 5.2 Hz, 1 H), 1.92 (m, 2 H), 1.50 (s, 3 H), 1.32 (s, 3 H), 1.20 (d, J = 10.8 Hz, 1 H), 0.89 (s, 3 H);
13C NMR (75 MHz, CDCl3)δppm 157.1, 156.4, 152.8, 145.7, 139.6, 138.9, 135.3, 134.7, 130.7, 129.9, 126.6, 124.5, 124.2, 121.5, 119.4, 115.5, 101.3, 86.4, 78.3, 51.4, 39.5, 38.2, 35.5, 28.6, 27.0, 26.4, 24.0.
【実施例7】
【0053】
化合物7
実施例6で得られた化合物6(136 mg, 0,24 mmol)をメタノール(10 ml)に溶かし、KHF2(137 mg, 1.75 mmol)の飽和水溶液をゆっくり加えた。室温で2時間攪拌した後、溶媒を留去した。残渣にフェニルホウ酸(73.2 mg, 0.60 mmol)、アセトニトリル(5 ml)およびヘキサン(9 ml)を加え、1時間攪拌した後、ヘキサン層を除去した。残ったアセトニトリル層から溶媒を留去し、シリカゲル薄層クロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=20:1)で精製することにより、化合物7(19.8 mg, 19%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CD3OD)δppm 8.43 (s, 1 H), 7.85 (dd, J = 7.2, 2.4 Hz, 2 H), 7.49-7.66 (m, 5 H), 7.39 (m, 2 H), 7.27 (t, J = 8.0 Hz, 1 H), 7.07 (d, J= 8.0 Hz, 1 H), 5.16 (s, 2 H);
13C NMR (75 MHz, CD3OD)δppm 159.6, 159.5, 153.0, 144.2, 141.6, 135.5, 135.2, 131.2, 128.7, 128.1, 127.4, 127.0, 125.9, 124.1, 122.4, 117.4, 104.7, 72.0.
【実施例8】
【0054】
化合物8
水素化ナトリウム(NaH in oil 60 %, 71 mg, 1.77 mmol)をアルゴン雰囲気下でヘキサン5 mlを用いて洗い、オイルを除去した。N,N−ジメチルホルムアミド(3 ml)を加え、0℃に冷却し、参考例5で合成した化合物T(214 mg, 0.71 mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(15 ml)を徐々に加えた。次いで、参考例2で合成したホウ酸エステルD(203 mg, 0.71 mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(7 ml)を加え、室温に戻し、2時間攪拌した。水(10 ml)を加え、ジエチルエーテル(150 ml)で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1→ジクロロメタン:メタノール=20:1)で精製することにより、化合物8(12.2 mg, 3%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3)δppm 8.40 (s, 1 H), 7.42 (s, 2 H), 7.29 (s, 1 H), 7.15 (m, 2 H), 6.72 (s, 1 H), 4.34 (d, J = 7.6 Hz, 1 H), 4.01 (s, 3 H), 3.05 (d, J = 8.8 Hz, 2 H), 2.36 (m, 1 H), 2.14 (m, 1 H), 2.02 (t, J = 5.2 Hz, 1 H), 1.86-1.90 (m, 2 H), 1.52 (s, 3 H), 1.28 (s, 3 H), 1.26 (d, J = 11.8 Hz, 1 H), 0.91 (s, 3 H).
参考例1:化合物Cの合成
化合物Cは以下の工程に従い合成した。
【0055】
【化7】

【0056】
工程1
4−ホルミルフェニルホウ酸(750 mg, 5.0 mmol)および(1S, 2S, 3R, 5S)-(+)-ピナンジオール(851 mg, 5.0 mmol)をジエチルエーテル(20 ml)中、室温で4時間攪拌した。溶媒を留去し、ヘキサンを加えて、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、ヘキサンを留去し、化合物A(1.42 g, 定量的)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3)δppm 10.06 (s, 1 H), 7.98 (d, J = 9.0 Hz, 2 H), 7.87 (d, J = 9.0 Hz, 2 H), 4.48 (d, J = 9.0 Hz, 1 H), 2.43 (m, 1 H), 2.23 (m, 1 H), 2.17 (t, J = 6.0 Hz, 1 H), 1.95-2.15 (m, 2 H), 1.51 (s, 3 H), 1.32 (s, 3 H), 1.19 (d, J = 12.0 Hz, 1 H), 0.90 (s, 3 H);
13C NMR (75 MHz, CDCl3)δppm 192.6, 138.0, 135.2, 128.7, 86.7, 78.5, 51.3, 39.4, 38.2, 35.4, 28.6, 27.0, 26.4, 24.0.
工程2
アルゴン雰囲気下、工程1で得られた化合物A(1.42 g, 5.0 mmol)をメタノール(30 ml)に溶かし、0℃で水素化ホウ素ナトリウム(473 mg, 12.5 mmol)に徐々に滴下した。次いで、混合物を0℃から室温に戻し、1時間攪拌した。水(30 ml)を加え、ジクロロメタン(50 ml×2)で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製することにより、化合物B(1.02 g, 71%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3)δppm 7.81 (d, J = 8.0 Hz, 2 H), 7.38 (d, J = 8.0 Hz, 2 H), 4.72 (d, J = 6.0 Hz, 2 H), 4.45 (dd, J =2.0, 8.8 Hz, 1 H), 2.41 (m, 1 H), 2.26 (m, 1 H), 2.25 (t, J = 6.0 Hz, 1 H), 1.84-2.06 (m, 2 H), 1.48 (s, 3 H), 1.31 (s, 3 H), 1.21 (d, J = 10.8 Hz, 1 H), 0.89 (s, 3 H);
13C NMR (75 MHz, CDCl3)δppm 143.9, 135.9, 126.1, 101.3, 86.2, 78.2, 65.3, 51.4, 39.5, 38.1, 35.5, 28.6, 27.0, 26.4, 24.0.
工程3
工程2で得られた化合物B(1.02 g, 3.56 mmol)をトルエン(20 ml)に溶かし、氷冷下で三臭化りん(0.34 ml, 3.56 mmol)を徐々に滴下した。次いで、混合物を0℃から室温に戻し、3時間攪拌した。水(30 ml)をゆっくり加え、ジクロロメタン(50 ml×2)で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製することにより、化合物C(658 mg, 53%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3)δppm 7.79 (d, J = 9.0 Hz, 2 H), 7.40 (d, J = 9.0 Hz, 2 H), 4.50 (s, 2 H), 4.45 (d, J = 9.0 Hz, 1 H), 2.42 (m, 1 H), 2.25 (m, 1 H), 2.15 (t, J = 6.0 Hz, 1 H), 1.90-2.04 (m, 2 H), 1.48 (s, 3 H), 1.31 (s, 3 H), 1.20 (d, J = 9.0 Hz, 1 H), 0.89 (s, 3 H);
13C NMR (75 MHz, CDCl3)δppm 140.6, 135.3, 128.3, 86.3, 78.3, 51.3, 39.5, 38.1, 35.5, 33.3, 28.6, 27.0, 26.4, 24.0.
参考例2:化合物Dの合成
化合物Dは以下の工程に従い合成した。
【0057】
【化8】

【0058】
工程1
アルゴン雰囲気下、テトラヒドロフラン(30ml)にジブロモメタン(4.2 ml, 6.0 mmol)およびトリイソプロピルボレート(1.4 ml, 6.0 mmol)を加え、−80℃に冷却した。混合物にn−ブチルリチウムヘキサン溶液(1.6 mol/L, 3.75 mL, 6.0 mmol)を徐々に加え、同温度で30分間攪拌した後、メタンスルホン酸(0.4 ml, 6.0 mmol)を加え、攪拌しながら室温に戻した。次いで、(1S, 2S, 3R, 5R)-(+)-ピナンジオール(1.62 g, 6.0 mmol)の脱水ジエチルエーテル溶液(30 ml)を加え、室温で1日間攪拌した。溶媒を留去し、ヘキサンを加え、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)で精製することにより、化合物D(1.51 g, 92%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3)δppm 4.38 (dd, J = 8.8, 1.6 Hz, 1 H), 2.64 (s, 2 H), 2.36 (m, 1 H), 2.26 (m, 1 H), 2.08 (t, J = 8.4 Hz, 1 H), 1.87-1.98 (m, 2 H), 1.48 (s, 3 H), 1.31 (s, 3 H), 1.19 (d, J = 10.8 Hz, 1 H), 0.89 (s, 3 H);
13C NMR (75 MHz, CDCl3)δppm 86.8, 78.6, 51.2, 39.3, 38.2, 35.2, 28.3, 26.9, 26.3, 23.9.
参考例3:化合物FおよびGの合成
化合物FおよびGは以下の工程に従い合成した。
【0059】
【化9】

【0060】
工程1
ビニルホウ酸誘導体E(602 mg, 5.0 mmol)および(1S, 2S, 3R, 5S)-(+)-ピナンジオール(851 mg, 5.0 mmol)をジエチルエーテル(30 ml)中、室温で14時間攪拌した。溶媒を留去し、ヘキサンを加え、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=20:1)で精製することにより、化合物F(624 mg, 49%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3)δppm 6.64 (dt, J = 18.0, 6.0 Hz, 1 H), 5.77 (dt, J = 18.0, 1.2 Hz, 1 H), 4.32 (dd, J = 8.8, 1.6 Hz, 1 H), 4.11 (dd, J = 6.0, 1.2 Hz, 2 H), 2.35 (ddt, J = 14.4, 8.8, 2.0 Hz, 1 H), 2.22 (m, 1 H), 2.07 (t, J = 6.0 Hz, 1 H), 1.85-1.94 (m, 2 H), 1.41 (s, 3 H), 1.29 (s, 3 H), 1.19 (d, J = 10.4 Hz, 1 H), 0.85 (s, 3 H);
13C NMR (75 MHz, CDCl3)δppm 146.5, 101.3, 85.9, 77.9, 51.2, 46.0, 39.4, 38.1, 35.3, 28.5, 27.0, 26.4, 23.9.
工程2
上記工程1と同様にして、ビニルホウ酸誘導体Eおよびピナコールより、化合物Gを得た。
参考例4:化合物Nの合成
化合物Nは以下の工程に従い合成した。
【0061】
【化10】

【0062】
工程1
文献記載の方法(J. Med. Chem. 1996, 39, 267-276)に従って合成した化合物J(1.05 g, 6.51 mmol)、ジクロロエタン(40 ml)およびトリエチルアミン(0.2 ml, 1.3 mmol)の混合物に、氷浴下、攪拌しながら無水酢酸(1.84 ml, 19.5 mmol)をゆっくり加えた。次いで、混合物にジメチルアミノピリジン(24 mg, 0.2 mmol)を加え、室温に戻し、さらに1時間攪拌した。溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=20:1)で精製することにより、化合物K(1.26 g, 95%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3)δppm 10.95 (bs, 1 H), 8.97 (s, 1 H), 8.01 (d, J = 2.8 Hz, 1 H), 7.80 (d, J = 8.8 Hz, 1 H), 7.54 (dd, J = 8.8, 2.8 Hz, 1 H), 2.36 (s, 3 H);
13C NMR (75 MHz, CDCl3)δppm 169.0, 149.4, 146.7, 142.9, 129.3, 129.1, 123.4, 118.4, 20.9.
工程2
アルゴン雰囲気下、上記工程1で得られた化合物K(1.15 g, 5.64 mmol)、ジクロロエタン(40 ml)および塩化ホスホリル(0.64 ml, 6.8mmol)の混合物に、エチルジイソプロピルアミンを徐々に加え、13時間加熱還流した。溶媒と未反応の塩化ホスホリルを留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製することにより、化合物L(1.01 g, 80%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3)δppm 9.05 (s, 1 H), 8.11 (d, J = 8.8 Hz, 1 H), 8.01 (d, J = 2.4 Hz, 1 H), 7.73 (dd, J = 8.8, 2.4 Hz, 1 H), 2.40 (s, 3 H);
13C NMR (75 MHz, CDCl3)δppm 168.9, 162.0, 153.5, 150.1 149.1, 130.5, 124.5, 116.8, 21.0.
工程3
上記工程2で得られた化合物L(839 mg, 3.77 mmol)および3−クロロアニリン(1.0 ml, 9.42 mmol)をイソプロピルアルコール中、12時間加熱還流した。溶媒を留去し、得られた白色固体をジクロロメタンで洗い化合物Mを得た。得られた化合物Mは精製せずに次の工程に用いた。
工程4
上記工程3で得られた化合物Mをメタノール(20 ml)に溶かし、25%アンモニア水(4 ml)を加え、室温で12時間攪拌した。溶媒を留去し、得られた白色固体をジクロロメタンで洗い、減圧下で乾燥することにより、化合物N(1.02 g, 定量的)を得た。
1H NMR (400 MHz, CD3OD)δppm 8.35 (s, 1 H), 7.88 (t, J = 2.0 Hz, 1 H), 7.59 (d, J = 9.2 Hz, 2 H), 7.55 (d, J = 2.4 Hz, 1 H), 7.33 (dd, J = 9.2, 2.4 Hz, 1 H), 7.26 (t, J = 8.0 Hz, 1 H), 7.05 (dd, J = 8.0, 2.0 Hz, 1 H);
13C NMR (75 MHz, CD3OD)δppm 159.2, 158.1, 152.9, 145.0, 136.2, 135.5, 131.2, 129.8, 125.9, 125.4, 123.8, 122.1, 118.21, 106.0.
参考例5:化合物Tの合成
化合物Tは以下の工程に従い合成した。
【0063】
【化11】

【0064】
工程1
文献の方法(Bioorg. Med. Chem. Lett. 1997, 7, 2723-2728)に従って合成した化合物Sを3−クロロアニリンと反応させ、次いでアンモニア水で処理することにより、化合物Tを合成した。
1H NMR (400 MHz, CD3OD)δppm 8.35 (s, 1 H), 7.82 (t, J = 2.0 Hz, 1 H), 7.70 (s, 1 H), 7.57 (d, J = 8.4 Hz, 1 H), 7.27 (t, J = 8.4 Hz, 1 H), 7.07 (dd, J = 8.0, 2.0 Hz, 1 H), 6.99 (s, 1 H), 3.96 (s, 3 H) ;
13C NMR (75 MHz, CD3OD)δppm 159.0, 156.2, 152.9, 151.3, 145.8, 141.8, 135.5, 131.2, 125.6, 124.2, 122.4, 109.9, 109.2, 103.1, 57.2.

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)
【化1】


[式中、Rは、置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の芳香族複素環基を表し、
は、水素原子、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、カルバモイル、シアノ、カルボキシ、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルコキシ、置換もしくは非置換の低級アルキルアミノ、置換もしくは非置換のジ低級アルキルアミノ、置換もしくは非置換の低級アルカノイル、置換もしくは非置換の低級アルキルカルバモイルまたは置換もしくは非置換のジ低級アルキルカルバモイルを表し、
およびRは、同一または異なって、ヒドロキシ、置換もしくは非置換の低級アルコキシまたは置換もしくは非置換のシクロアルコキシを表すか、またはRとRが隣接すホウ素原子と一緒になって置換もしくは非置換の含ホウ素複素環基を形成し、
Xは、酸素原子、硫黄原子または−NH−を表し、
Lは、酸素原子、硫黄原子または−NR−(式中、Rは水素原子または低級アルキルを表す)を表し、
YおよびZは、同一または異なって、置換もしくは非置換のアルキレン、置換もしくは非置換のアルケニレン、置換もしくは非置換のアリーレン、置換もしくは非置換のアルキニレンまたは単結合を表す]
で表されるキナゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
【請求項2】
が置換もしくは非置換のアリールである請求項1記載のキナゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
【請求項3】
Xが−NH−である請求項1または2記載のキナゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
【請求項4】
Lが酸素原子である請求項1〜3のいずれかに記載のキナゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
【請求項5】
Yがメチレンである請求項1〜4のいずれかに記載のキナゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
【請求項6】
Zが単結合、ビニレンまたはフェニレンである請求項1〜5のいずれかに記載のキナゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
【請求項7】
とRが隣接するホウ素原子と一緒になって置換もしくは非置換の含ホウ素複素環基を形成する請求項1〜6のいずれかに記載のキナゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
【請求項8】
が水素原子または置換もしくは非置換の低級アルコキシである請求項1〜7のいずれかに記載のキナゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれかに記載のキナゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬。
【請求項10】
請求項1〜8のいずれかに記載のキナゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する抗腫瘍剤。

【公開番号】特開2006−248938(P2006−248938A)
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−65440(P2005−65440)
【出願日】平成17年3月9日(2005.3.9)
【出願人】(000001029)協和醗酵工業株式会社 (276)
【Fターム(参考)】