説明

含気チョコレート

【課題】耐熱保形性、味わい特に焼き菓子と組み合わせた時の一体感を向上させた含気チョコレートを提供する。
【解決手段】チョコレート生地を含気し、チョコレート生地固形分粒子メディアン径を6μm以下とした含気チョコレートとする。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
チョコレート生地に気体を分散させた含気チョコレートは、ホイップ感や口溶け感などその特異な食感から様々な菓子に利用されている。特にホワイトチョコレートでは生クリームのようなホイップ感や口溶け感などが受け入れられ、様々な菓子製品に使用されている。
含気チョコレートの製造方法として、(ア)常圧又は加圧下でホイップし、生地中に気泡を抱き込ませる、いわゆるエアミキサー法(特許文献1)、(イ)減圧下で生地中の気泡を膨化させて多孔質化する、いわゆる減圧冷却法(特許文献2)等の方法が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0002】
【特許文献1】特開昭60―58037号公報
【特許文献2】特公昭60−35093号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、(ア)の方法では油分が低いと含気しにくいため、好ましいホイップ感が得られる程度まで含気するには生地の油分を高くしなければならい。
そのためホワイトチョコレート本来のミルク風味やクリーム風味など呈味が減少してしまう。
また、油分を高くすることで含気チョコレートの耐熱保形性が低下したり、それを補うため高融点の油脂を使用すると口溶けが悪くなるなど弊害がある。
一方、(イ)の方法では比較的低油分であっても低比重の含気チョコレートを得ることができる。
しかし、気泡が粗く不均一であり、(ア)の方法に比べて良好なホイップ感が得られにくい。
さらに、(イ)の方法が特殊な減圧冷却装置を必要とするため、用途が限られる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、気泡保持力、耐熱保形性や味わい特にホイップ感やミルクの濃厚感、焼き菓子と組み合わせた時の一体感が向上した含気チョコレートを提供することができた。すなわち
(1)含気チョコレートであって、当該チョコレート生地固形分粒子メディアン径が6μm以下である含気チョコレート。
(2)使用するチョコレートがホワイトチョコレートであることを特徴とする(1)に記載の含気チョコレート。
(3)含有する気泡のメディアン径が12μm以下である(2)又は(3)の何れか一つに記載の含気チョコレート。
(4)使用するチョコレート生地が、湿式粉砕装置にて粉砕処理して得られることを特徴とする、(1)乃至(3)の何れか一つに記載の含気チョコレート。
(5)湿式粉砕装置がビーズミルであることを特徴とする(4)に記載の含気チョコレート。
(6)チョコレート生地固形分粒子メディアン径が6μm以下であるチョコレート生地を含気する工程からなる、含気チョコレートの製造方法。
(7)使用するチョコレートがホワイトチョコレートであることを特徴とする(6)に記載の含気チョコレートの製造方法。
(8)含有する気泡のメディアン径が12μm以下である(6)又は(7)の何れか一つに記載の含気チョコレートの製造方法
(9)使用するチョコレート生地が、湿式粉砕装置にて粉砕処理して得られることを特徴とする、(6)乃至(8)の何れか一つに記載の含気チョコレートの製造方法。
(10)湿式粉砕装置がビーズミルであることを特徴とする(9)に記載の含気チョコレートの製造方法。
【発明の効果】
【0005】
本発明により、従来のチョコレート生地配合、従来の含気方法を用いながら、含気チョコレートの気泡保持力、耐熱保形性や味わい特にホイップ感やミルクの濃厚感、焼き菓子と組み合わせた時の一体感を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】チョコレート生地に含まれる固形分の粒度分布。
【図2】含気チョコレート生地に含まれる気泡の直径分布。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本発明において、固形分粒子メディアン径とは、レーザー回折式粒度分布測定装置(島津製作所製、型番SALD−2200)で測定された固形分粒子径分布における積算値が50%となる粒子径をさす。
本発明において、
また、本発明において、粘度とは、B型粘度計を用い、チョコレート生地は40℃、含気チョコレート生地は30℃で、ローターNo.6、測定回転数4rpmにて測定した値である。
【0008】
本発明において、チョコレートとは、チョコレート類の表示に関する公正競争規約に定めるチョコレート、準チョコレートの他、本発明の効果を奏する限りにおいてテンパータイプ、ノンテンパータイプのファットクリームなども含まれる。
ホワイトチョコレートとは、チョコレートのうち、カカオマスを含まないものをさすが、本発明の効果を奏する限りにおいて、少量のカカオマスを添加しても構わない。
本発明において、チョコレート生地の調製は、常法により行うが、例えば以下の方法により行うことができる。
【0009】
チョコレート生地の原料としては、例えば、カカオマス、乳製品、糖類、ココアバター、乳化剤などを混合する。
ここで、乳製品とは、例えば、全脂粉乳、脱脂粉乳、チーズパウダーなどが挙げられる。ここで、糖類としては、ショ糖(砂糖、粉糖)ぶどう糖、果糖、麦芽糖、転化糖、乳糖などの単糖類及び二糖類などが挙げられる。
またスクラロース、サッカリンなどの高甘味度甘味料が添加されていてもよい。
また、ココアバター以外にココアバター代用油脂またはココアバターとココアバター代用油脂の混合物を用いることもある。ここにおいて、ココアバター代用油脂としては、動物又は植物由来のテンパリング脂あるいはノンテンパリング脂が挙げられる。
また、乳化剤としては、レシチン、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルなどが挙げられる。また、乳化剤以外に香料または着色料が添加されてもよい。
【0010】
次に、混合した原料をレファイナーやアトライタ型ボールミル(ボール粒径:5〜10mm)で微細に粉砕する。必要に応じてココアバターや乳化剤等を添加したりコンチングを行ってもよい。
本発明ではこの粉砕処理を1次粉砕処理といい、その結果得られたチョコレート生地を1次処理チョコレート生地という。
1次チョコレート生地固形分粒子のメディアン径は、例えば7〜20μmである。
【0011】
その後、該1次チョコレート生地を湿式粉砕装置で2次粉砕処理することにより、固形分粒子のメディアン径が6μm以下の生地を得る。
本発明では2次粉砕処理で得られたチョコレート生地を2次処理チョコレート生地という。
湿式粉砕装置とは、連続層が液体である固液混合物中の固形分を粉砕する装置をいう。
湿式粉砕装置としては、例えば、ストーンミル、レファイナー、ビーズミル等が挙げられるが、チョコレート生地を粉砕し、固形分粒子のメディアン径が6μm以下にできるものであれば良く、特にビーズミルが好ましい。
【0012】
ビーズミルにおいては、液状の1次処理チョコレート生地は、粉砕室と呼ばれる容器の中に、ポンプで送り込まれる。
粉砕室にはビーズが85%程度充填してある。また、ビーズの粒径は、粉砕されるものにより決定される。
本発明に用いるビーズの粒径は、例えば0.1mm〜3.0mmが挙げられるが、好ましくは、0.2mm〜2.0mmがよい。
粉砕室中央の回転軸を回転させることにより、充填されているビーズが運動する。
該粉砕室に送り込まれた1次処理チョコレート生地は、ビーズと衝突することによって微細粒子化され、かつ分散される。該粉砕処理物は、一度粉砕室を通過した後、連続して、粉砕室を複数回通過してもよい。回転軸の回転速度には特に制限はないが、1,000〜4,000rpmが好ましく、更には1,000〜2,800rpmが好ましい。
ビーズの材質としては、ガラス、石英、チタニア、窒化ケイ素、アルミナ、セラミックス(ジルコニア・ジルコニア強化型アルミナ)、スチール、ステレンスなどが挙げられる。
ビーズミルとしては、例えば、ターボ工業株式会社製のOBミル(商品名)や、株式会社井上製作所のマイティーミル(商品名)などが用いられる。ビーズミル処理をして得られる粉砕処理物の特徴としては、固形分粒子の粒度分布の幅が狭いことが挙げられる。
また、1次粉砕処理または2次粉砕処理されたものは、コンチェにより、コンチングされてもよい。
【0013】
本発明において、チョコレート生地を含気させる方法はどのようなものを使用しても良い。ミキサーボウル及びホイッパーを用いたバッチ式でも良いし、連続式冷却含気装置を用いても良い。
含気させる気体の種類には特に制限はなく、例えば一般的な空気、窒素、酸素、二酸化炭素等が挙げられる。
特に二酸化炭素を加圧下で含気させた場合、チョコレート生地油脂中に溶解した二酸化炭素が常圧開放時にチョコレート生地中の気泡に放出され、空気での含気時に比べより低比重となる。その場合において気泡が大きくなる傾向があり本発明の気泡保持力がより奏功する。
本発明において、チョコレート生地をエアミキサー等にて含気処理を行う際にテンパリング処理が必要な場合には、適切な温度、例えば30〜35℃でテンパリングを行う。
また、テンパリング時に高融点油脂であるBOB(1,3−ジベヘノイル−2−オレオイル−sn−グリセロール)β型安定結晶粉末のようなシード剤を添加してもよい。
シード剤の市販品としては例えばボブスター(商品名、不二製油社製、BOB粉末50重量%と粉糖50重量%の混合物)が挙げられる。
【0014】
本発明において、含気チョコレート生地の気泡メディアン径には特に制限はないが、12μm以下が好ましい。
本発明において、含気チョコレート生地の見かけ比重には特に制限はないが、0.3以上0.9以下が好ましく、更には0.4以上0.8以下が好ましい。
含気チョコレート生地の見かけ比重とは、含気チョコレート生地を容積100mlの容器に充填したときのチョコレート生地のグラム数を100で割った値をさす。
【実施例】
【0015】
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【実施例1】
【0016】
カカオマス35重量部、砂糖42重量部、全粉乳4重量部、レシチン0.2重量部をミキサーにて混合し、ペースト化したものを、常法通りレファイニングし、フレークを得た。
当該フレークを常法通りコンチングし、液化したペースト状の生地に、ココアバター18重量部、レシチン0.3重量部、香料0.05重量部、ポリグリセリン脂肪酸エステル(商品名:SYグリスターCRS―75、坂本薬品工業製)0.5重量部を充分混合し、油分40%の1次処理チョコレート生地を得た。
該生地固形分粒子のメディアン径及び粘度はそれぞれ7.2μm及び6,250cpsであった。
得られた1次処理チョコレート生地をビーズミル(ターボ工業株式会社製、商品名:OBミル、ビーズ粒径:0.5mm)にポンプで送り、品温が62.2〜63.2℃で、回転速度が、1,000rpmの条件下で、粉砕室の中を通過させ、2次処理チョコレート生地を得た。該生地粒子のメディアン径及び粘度はそれぞれ5.6μm及び10,000cpsであった。
得られた2次処理チョコレート生地を連続式冷却含気装置(MONDOMIX社製、TYPEA−05)を用いて含気し、見かけ比重0.75の含気チョコレート生地を得た。
得られた含気チョコレート生地を冷却固化し、含気チョコレートを得た。
得られた含気チョコレートは良好なホイップ感と濃厚なミルク感を有していた。
含気チョコレート中の気泡を観測したところ、メディアン径は11.6μmであった。粘度は30,000cpsであった。
(比較例1)
【0017】
実施例1で得た油分40%の1次処理チョコレート生地を連続式冷却含気装置(MONDOMIX社製、TYPEA−05)を用いて含気し、見かけ比重0.75の含気チョコレート生地を得た。
得られた含気チョコレート生地を冷却固化し、含気チョコレートを得た。
得られた含気チョコレートは良好なホイップ感はあるもののミルクの濃厚感は実施例1のものに比べて劣るものだった。
含気ホワイトチョコレート中の気泡を観測したところ、メディアン径は26μmであった。粘度は25,000cpsであった。
(試験例1)
【0018】
実施例1及び比較例1で得た含気チョコレートをそれぞれ一辺が15mmの立方体に成型し、恒温器(東京理化器械製、TLI−2000)に投入、一定温度で1時間保温した時の保形性を観察した。
2次処理処理チョコレート生地を使用した実施例1の含気チョコレートは63℃まで加熱しても立方体の形状を保っていたが、1次処理チョコレート生地を使用した比較例1の含気チョコレートは34℃で立方体の形が完全に崩れ、流れてしまった。
【0019】
【表1】

【実施例2】
【0020】
砂糖32重量部、全粉乳28重量部、脱脂粉乳3重量部、ココアバター2重量部、植物油脂14重量部、乳化剤0.7重量部をミキサーにて混合し、ペースト化したものを、常法通りレファイニングし、フレークを得た。
当該フレークを常法通りコンチングし、液化したペースト状の生地に、ココアバター20重量部、乳化剤0.3重量部、香料0.3重量部を充分混合し、油分43%の1次処理ホワイトチョコレート生地を得た。
該生地固形分粒子のメディアン径及び粘度はそれぞれ8.1μm及び6,250cpsであった。
得られた1次処理ホワイトチョコレート生地をビーズミル(ターボ工業株式会社製、商品名:OBミル、ビーズ粒径:0.5mm)にポンプで送り、品温が62.2〜63.2℃で、回転速度が、1,000rpmの条件下で、粉砕室の中を通過させた。この操作を連続して2回繰り返し、2次処理ホワイトチョコレート生地を得た。該生地粒子のメディアン径及び粘度はそれぞれ2.9μm及び40,600cpsであった。
得られた2次処理ホワイトチョコレート生地を連続式冷却含気装置(MONDOMIX社製、TYPEA−05)を用いて含気し、見かけ比重0.75の含気ホワイトチョコレート生地を得た。粘度は32,500cpsであった。
得られた含気ホワイトチョコレート生地を冷却固化し、含気ホワイトチョコレートを得た。
得られた含気チョコレートは良好なホイップ感と濃厚なミルク感を有していた。
含気ホワイトチョコレート中の気泡径を観測したところ、メディアン径は9.7μmであった。
(比較例2)
【0021】
実施例2で得た油分43%の1次処理ホワイトチョコレート生地を連続式冷却含気装置(MONDOMIX社製、TYPEA−05)を用いて含気し、見かけ比重0.75の含気ホワイトチョコレート生地を得た。粘度は27,500cpsであった。
得られた含気ホワイトチョコレート生地を冷却固化し、含気ホワイトチョコレートを得た。
得られた含気ホワイトチョコレートは良好なホイップ感はあるもののミルクの濃厚感は実施例2のものに比べて劣るものだった。
含気ホワイトチョコレート中の気泡径を観測したところ、メディアン径は31.2μmであった。
(試験例2)
【0022】
実施例2で得た1次処理ホワイトチョコレート生地と2次処理ホワイトチョコレート生地に含まれる固形分の各粒度分布を、レーザー回折式粒度分布測定装置SALD−2200(株式会社島津製作所)で測定した。
粒度分布を図1に示した。
図面の縦軸は、各粒子径の体積分布が全体の体積に占める割合を示す相対粒子量を%で示し、横軸は粒子径をμmで示した。
図1では、1次処理ホワイトチョコレート生地では20μm付近にブロードなピークが見られた。
一方、ビーズミル処理を行った2次処理ホワイトチョコレート生地では3μm付近の1つの鋭いピークを示した。
なお、1次処理ホワイトチョコレート生地のメディアン径は8.1μmであった。
2次処理ホワイトチョコレート生地のメディアン径はそれぞれ、2.9μmであった。
(試験例3)
【0023】
実施例2で得た見掛け比重0.75の含気ホワイトチョコレートと比較例2で得た見かけ比重0.75の含気ホワイトチョコレートの気泡径の粒度分布を、マイクロスコープ(KEYENCE社製、VHX−1000/1100)で測定した。
気泡径分布を図2に示した。
図面の縦軸は、各気泡径の体積分布が全体の体積に占める割合を示す相対気泡数を%で示し、横軸は粒子径をμmで示した。
従来の1次処理ホワイトチョコレート生地による含気ホワイトチョコレート生地では35μm付近にブロードなピークが見られた。気泡径のメディアン径は31.2μmであった。
一方、2次処理ホワイトチョコレート生地による含気ホワイトチョコレート生地では15μm付近に鋭いピークが見られた。気泡径のメディアン径は9.7μmであった。
(試験例4)
【0024】
実施例2及び比較例2で得た見かけ比重0.75の含気ホワイトチョコレート生地100gをビーカーに入れ、品温を30℃に保ちながらタッピングマシーン(谷沢菓機工業製、TTT−700)を用いて1,000rpm、1分間振動を与えた。
その後、各含気ホワイトチョコレート生地の見かけ比重を測定した。
2次処理ホワイトチョコレート生地を使用した実施例2の含気ホワイトチョコレート生地はタッピング前後で比重に変化はなかったが、1次処理のみのホワイトチョコレート生地を使用した比較例2の含気ホワイトチョコレート生地はタッピングにより気泡が抜け、見かけ比重が0.80に上昇してしまった。
【0025】
【表2】

(試験例5)
【0026】
実施例2及び比較例2で得た含気ホワイトチョコレートをそれぞれ一辺が15mmの立方体に成型し、恒温器(東京理化器械製、TLI−2000)に投入、一定温度で1時間保温した時の保形性を観察した。
2次処理ホワイトチョコレート生地を使用した実施例2の含気ホワイトチョコレートは63℃まで加熱しても立方体の形状を保っていたが、1次処理ホワイトチョコレート生地を使用した比較例2の含気ホワイトチョコレートは34℃で立方体の形が完全に崩れ、流れてしまった。
【0027】
【表3】

(試験例6)
【0028】
実施例2及び比較例2で得た含気ホワイトチョコレートをそれぞれ一辺が15mmの立方体に成型した。
得られた立方体含気ホワイトチョコレートを口に含み、口中で形がなくなると感じるまでの時間を測定した。専門パネル15人による測定の結果、2次処理ホワイトチョコレート生地を使用した実施例2の含気ホワイトチョコレートが有意差をもって口溶け時間が増加していることが分かった。
また、実施例2で得た含気ホワイトチョコレートは、比較例2で得た含気ホワイトチョコレートに比べ、ホイップ感、ミルクの濃厚感が高く感じられた。
【0029】
【表4】

(製造例1)
【0030】
小麦粉65重量部、砂糖9重量部、ショートニング8重量部、重曹0.3重量部、炭酸アンモニウム0.7仕込み水17重量部をミキサーにて混合し、棒状に成形してオーブンにて180℃、10分焼成し、直径7mm、長さ120mmの棒状焼き菓子を得た。重量は1.7gであった。
(試験例7)
【0031】
実施例2で得た含気チョコレート生地3gを製造例1の方法で得た焼き菓子に被覆、冷却固化し、含気ホワイトチョコレート複合菓子Aを得た。
比較例2で得た含気チョコレート生地3gを製造例1の方法で得た焼き菓子に被覆、冷却固化し、含気ホワイトチョコレート複合菓子Bを得た。
得られた含気ホワイトチョコレート複合菓子A、Bについて、専門パネル15人による嗜好調査を行った。表4に示した各項目について、最低を1、最高を5として評価を行った。
含気チョコレート複合菓子Aは含気チョコレートと焼菓子との一体感があり、含気チョコレートの味わいも充分であった。
一方含気チョコレート複合菓子Bは、ミルク感が弱く、口中でチョコレートが先に溶けて無くなってしまい、焼き菓子との一体感は乏しいものであった。
【0032】
【表5】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
含気チョコレートであって、当該チョコレート生地固形分粒子メディアン径が6μm以下である含気チョコレート。
【請求項2】
使用するチョコレートがホワイトチョコレートであることを特徴とする、請求項1に記載の含気チョコレート。
【請求項3】
含有する気泡のメディアン径が12μm以下である、請求項2又は3の何れか一つに記載の含気チョコレート。
【請求項4】
使用するチョコレート生地が、湿式粉砕装置にて粉砕処理して得られることを特徴とする、請求項1乃至3の何れか一つに記載の含気チョコレート。
【請求項5】
湿式粉砕装置がビーズミルであることを特徴とする、請求項4に記載の含気チョコレート。
【請求項6】
チョコレート生地固形分粒子メディアン径が6μm以下であるチョコレート生地を含気する工程からなる、含気チョコレートの製造方法。
【請求項7】
使用するチョコレートがホワイトチョコレートであることを特徴とする、請求項6に記載の含気チョコレートの製造方法。
【請求項8】
含有する気泡のメディアン径が12μm以下である、請求項6又は7の何れか一つに記載の含気チョコレートの製造方法。
【請求項9】
使用するチョコレート生地が、湿式粉砕装置にて粉砕処理して得られることを特徴とする、請求項6乃至8の何れか一つに記載の含気チョコレートの製造方法。
【請求項10】
湿式粉砕装置がビーズミルであることを特徴とする、請求項9に記載の含気チョコレートの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−74818(P2013−74818A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−215601(P2011−215601)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(000006138)株式会社明治 (265)
【Fターム(参考)】