説明

含水化粧料

【課題】発色の良さ、化粧料自体の安定性や、持ちの良さを有しながら、使用したときの化粧効果、特に立体感を与えることのできる含水化粧料を提供すること。
【解決手段】成分(A)および(B):(A)高分子の水分散物(B)板状粒子上に低次酸化チタンの単層が形成させることでその外観色と干渉色の色調が異なる二色性顔料を配合することを特徴とする含水化粧料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、含水化粧料に関し、更に詳細には、安定性、分散性が良く、鮮やかな二色性を有すると共に、均一な化粧膜を形成することができ、立体感のある化粧効果がえられる含水化粧料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
メイクアップ化粧料には、使用したときの化粧効果に加え、その発色の良さや化粧料自体の安定性など、様々な機能が求められる。また、含水化粧料の場合、汗などで落ちやすい性質を持つため、持ちの良さも重要な品質の一つとして求められる。このうち、化粧効果や発色は顔料、パールの配合量や色、分散性によって大きく変化する。そのため、これまで化粧効果や発色の良さを発揮するために、様々な顔料やパールが開発され配合検討がなされてきた(例えば特許文献1、2参照)。また、持ちの良さや化粧料自体の安定化を図る目的で、水性ポリマーエマルションを配合し、化粧膜を形成させることで耐久性を向上させたり、粘度を付与することでより安定性や粉体の分散性を向上させたりする技術が用いられてきた(例えば特許文献3、4参照)。
【0003】
ところで、着色性の化粧料において、高い化粧効果を出す為には、(1)着色料の色味をはっきり出すことが大事であり、マスカラやアイライナーなどの暗い色味の化粧料では明度が低いことが、アイカラーなど色味が豊富なものでは彩度が高いことと、(2)パールを配合し、立体効果を出すことが有効である。更に、(3)顔料やパールの分散性を良くし、凝集を防ぐことで、効果的に色味を出し、膜の仕上がりを均一できれいにすることもポイントであるとされている。
【0004】
このうち、着色料の配合が少量の場合は化粧効果が低い為、干渉パールを配合し、その立体効果で化粧効果を補うことが行なわれるが、この干渉パールを大量に配合しようとすると、干渉パール自体は白色で、化粧仕上がりが白ぼけ、色味をはっきり出すことができなくなるという問題がある。
【0005】
そこで、干渉パールではなく、着色パールを使うことがあるが、酸化鉄で被覆された既存の着色パールは、磁性があるため凝集してしまい、分散性が悪くなるという問題がある。また、染料や紺青で被覆された既存の着色パールの中には、水分やpHの変動で変色してしまうという問題を有するものもあった。
【0006】
パールを使用せず、高彩度の顔料を用いて彩度を上げることもできるが、この場合は、立体効果に劣る上に、特に青の領域に関しては、青系の顔料は、pHによっては不安定になり安定配合が困難であった。すなわち、青系の顔料としては、紺青や群青が挙げられるが、紺青はアルカリに弱く、群青は酸性に弱いため、安定的に配合するのに難があり、彩度の高い色を作り出すのが困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】WO05/028566
【特許文献2】特開平6−211521号公報
【特許文献3】特開平5−221825号公報
【特許文献4】特開平11−189513号公報
【特許文献5】特公昭43−025644号公報
【特許文献6】特開昭60−060163号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、含水型のメイクアップ化粧料などとして、発色の良さや化粧料自体の安定性や、持ちの良さを有しながら、使用したときの化粧効果、特に立体感を与えることのできる含水化粧料の提供が求められており、本発明はこのような含水化粧料の提供をその課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねていたところ、特定の顔料は、優れた二色性を有するものであることおよびこれを高分子の水分散物(ポリマーエマルション)と組み合わせることにより、明度を上げることなく、使用性や安定性、分散性が良好で、均一な化粧膜を形成する含水化粧料が得られ、これに含まれる二色性顔料により、化粧した際に立体感を得られること並びに含水化粧料でも彩度の高い青系の色を安定的に得ることができることを見出し、本発明を完成した。
【0010】
すなわち、本発明は、次の成分(A)および(B):
(A)高分子の水分散物
(B)板状粒子上に低次酸化チタンの単層を形成させることで外観色と干渉色が異な
る二色性を呈する顔料
を配合することを特徴とする含水化粧料を提供するものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の含水化粧料は、均一な化粧被膜を形成する高分子化合物と、鮮やかな二色性を有する顔料を使用するため、安定性、分散性が良く、水などに対する耐性も高く、しかも鮮やかな二色性による立体感のある化粧効果を付与できる化粧料である。
【0012】
従ってこのものは、O/Wタイプ、W/Oタイプ、水系タイプ、多層タイプの含水化粧料として、マスカラ、アイライナー、アイカラー、ファンデーション、化粧下地、ほほ紅、口紅、日焼け止め料、ボディーローション等の化粧料として有利に使用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明で用いる二色性顔料において、低次酸化チタンの単層を設けることで外観色と干渉色の異なる二色性を得ることができる理由を模式的に示した図面。
【図2】製造例1で用いた前駆体Aおよび得られた二色性顔料についての、XRD測定結果を示す図面である。
【図3】製造例7で用いた前駆体Bおよび得られた二色性顔料についての、XRD測定結果を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明に用いられる、成分(A)の高分子の水分散物(ポリマーエマルション)は、水性溶媒中に高分子の微粒子が安定に分散した系で、界面活性剤で乳化させたモノマーを重合することによって得られる液や自然界に存在する乳状の樹液を含むもので、皮膚等の上において皮膜を形成しうるものである。この成分(A)の皮膜を形成する力は、あまり強くなくても良いが、粘度を付与することができるものが好ましい。
【0015】
この成分(A)における高分子としては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸アルキル(C〜C12)、メタクリル酸アルキル(C〜C12)、酢酸ビニル、スチレン、ビニルピロリドンから選ばれる1種又は2種以上のモノマーから形成されるものが好ましい。このうち、アクリル酸アルキルやメタクリル酸アルキルのアルキル基については、C〜C12の1種でも、また2種以上であっても良い。
【0016】
より具体的に成分(A)の高分子としては、アクリル酸・アクリル酸アルキル共重合体、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体、メタクリル酸・アクリル酸アルキル共重合体、メタクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体、アクリル酸アルキル共重合体、メタクリル酸アルキル共重合体、アクリル酸アルキル・酢酸ビニル共重合体、メタクリル酸アルキル・酢酸ビニル共重合体、スチレン・アクリル酸アルキル共重合体、スチレン・メタクリル酸アルキル共重合体、酢酸ビニル重合体、ビニルピロリドン・スチレン共重合体から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。
【0017】
上記した成分(A)の高分子のうち、アクリル酸、メタクリル酸から選ばれる1種又は2種以上のモノマーを含むモノマー組成物を重合させたものは、皮膜形成性と共にアルカリ剤で中和することにより増粘する性質を有するので、本発明の目的に特に有利に利用しうる。
【0018】
本発明の成分(A)は、いずれも市販品として入手することができるものであるがこの中には、アルカリ剤での中和により増粘する性質がより強いものと、皮膜形成性がより強いものがある。例えば、中和による増粘性がより強いものとしては、アクリル酸・アクリル酸アルキル共重合体エマルションが挙げられる。これは、INCI(International Nomenclature Cosmetic Ingredient labeling names)名でACLYLATES COPOLYMER(アクリレーツコポリマー)とされるものであり、その市販品例として、SALCARE SC81(固形分30%)(CIBA SPECIALTY CHEMICALS社製)、ACLYLATES COPOLYMER(アクリル酸アルキルコポリマー):アキュリン33A(Rohm Gmbh社製)、ACLYLATES COPOLYMER(アクリレーツコポリマー):ウルトラゾールV−280C(固形分28%)(ガンツ化成社製)等が挙げられる。
【0019】
また、皮膜形成性がより強いものとしては、アクリル酸アルキル共重合体エマルションが挙げられる。これは、INCI名でACLYLATES COPOLYMER(アクリル酸アルキルコポリマーアンモニウム)とされるものであり、その市販品例としては、ヨドゾールGH800F(固形分45%)(日本エヌエスシー社製)、ACLYLATES COPOLYMER(アクリル酸アルキルコポリマーアンモニウム);ヨドゾールGH810F(固形分46%)(日本エヌエスシー社製)等が挙げられる。
【0020】
更に、スチレン・アクリル酸アルキル共重合体エマルションは、INCI名でSTYRENE/ACRYLATES COPOLYMERであり、その市販品例としてはヨドゾールGH41F(固形分45%)(日本エヌエスシー社製)等が、酢酸ビニル重合体エマルションは、INCI名がPOLTVINYL ACETATE(ポリ酢酸ビニル)で、その市販品例として、ビニブランGV−5651(固形分36%)(日信化学工業社製)が、ビニルピロリドン・スチレン共重合体エマルションは、INCI名がSTYRENE/VP COPOLYMER(スチレン/ビニルピロリドン)コポリマーでその市販品例としては、ANTARA430(固形分40%)(ISP社製)等がそれぞれ挙げられる。
【0021】
尚、高分子の水分散物として、乳化重合法や、コアシェル重合法、ラジカル重合法等の一般的な重合法で得た重合物を水性媒体に分散させて用いることもできる。ここでいう水性溶媒とは、水を主成分とし、多価アルコール等を含有していてもよい溶媒をいう。
【0022】
本発明の含水化粧料において成分(A)は、その1種または2種以上を用いることができる。また、その利用に当たっては、アクリル酸、メタクリル酸から選ばれる1種又は2種以上のモノマーを利用して得られたポリマー(主にアルカリ剤で中和することにより増粘する性質を有するもの)と、これらモノマーを利用して得られたポリマーを含まないもの(主に皮膜形成をするもの)を併用することがより好ましい。
【0023】
本発明の含水化粧料での成分(A)の配合量は、その固形分として、全量中0.01〜30質量%(以下、「%」で示す)が好ましく、更に、0.05〜20%が好ましい。成分(A)をこの範囲内で用いると、使用性、使用感、分散性、安定性、持ちの良さ、化粧膜の美しさの観点から良好なものが得られる。
【0024】
本発明においては、成分(B)として、板状粒子上に低次酸化チタンの単層を形成させることで外観色と干渉色が異なる二色性を呈する顔料(以下、「二色性顔料」という)が用いられる。
【0025】
この二色性顔料は板状粒子上に低次酸化チタンの単層を形成して得られるものである。より具体的には、板状粒子の基材に二酸化チタンが被覆されている顔料を還元処理して、二酸化チタン層を低次酸化チタン層にする方法や、低次酸化チタン組成物を板状粒子に被覆する方法により得られるが、板状粒子の基材に二酸化チタンが被覆されている顔料を還元処理して、二酸化チタン層を低次酸化チタン層にする方法で得られたものが好ましい。
【0026】
二色性顔料の基材となる板状粒子としては、天然又は合成雲母、ガラス末、アルミフレークを挙げることができる。このうち雲母としては、特にこれらの物質に限定されるものではないが、白雲母、金雲母、黒雲母等の有色、無色の基材であってもよい。
【0027】
板状粒子の基材に二酸化チタンを被覆した顔料は、既に一般に市販されており、これを用いることができる。例えば、雲母に二酸化チタンを被覆したものの市販品としては、イリオジン(メルク社製)やフラメンコスパークルゴールド(エンゲルハード社製)を挙げることができる。また、例えば、ガラス末に二酸化チタンを被覆したものの市販品としては、メタシャイン(日本板硝子社製)を挙げることができる。
【0028】
上記二色性顔料は、板状粒子の表面に、二酸化チタンから酸素を一部欠損させた状態の低次酸化チタンからなる単層が形成されたことが特徴である。この低次酸化チタンは、下式
TiOx
(式中、xは1.0を超え、2.0未満の数を意味する)
で表すことができる。なお、本発明の二色性顔料で言うところの低次酸化チタン単層とは、一酸化チタンTiOと二酸化チタンTiOを含まない組成からなり、単層の組成が上記式で表記される低次酸化チタン化合物1種類以上より構成されるものである。なお、この低次酸化チタン単層には、低次酸化チタンの酸素の一部が窒素と置き換わった、酸化窒化チタンが含まれていても良い。
【0029】
そして、低次酸化チタン層の酸素欠損量が多くなり、上記式のxが1.0に近づくと、光の吸収が強くなり、干渉色が弱くなる。一方、酸素欠損量が少なくなり、xが2.0に近づくと、光の吸収が弱くなり、干渉色が強くなる。また、外観色では、xが1.0に近づくと、光の吸収が強くなり外観色が強くなる。逆にxが2.0に近づくと光の吸収が弱くなり、外観色が弱くなる。
【0030】
二色性顔料における低次酸化チタンの組成は、上記のようにTiOx(1.0<x<2.0)であるから、板状粒子上の二酸化チタンを低次酸化チタンに代えるためには二酸化チタンと比べた酸素の不足量(酸素欠損量)を適宜調整する必要がある。
【0031】
低次酸化チタン層の形成は、板状粒子上に二酸化チタン層が被覆された材料を、窒素、水素、アンモニア、一酸化炭素、一酸化一窒素、一酸化二窒素、硫化水素又は二酸化硫黄等のガス又は混合ガス雰囲気下又は真空雰囲気において500〜1500℃で焼成することにより行なうことができる。
【0032】
また、上記焼成時に板状粒子上に二酸化チタン層が被覆された材料に還元助剤として水素化チタン、金属チタンのチタン化合物、又は水素化ホウ素ナトリウム、水素化アルミニウムリチウムの水素化物を含む化合物を添加して、500〜1500℃で還元焼成することもできる。
【0033】
一方、板状粒子上への低次酸化チタン層の形成には、低次酸化チタン組成物を板状粒子に被覆することでも可能である。被覆方法としては、低次酸化チタン組成物を塗布又はメカノケミカルを用いることで可能である。その際に、不活性雰囲気または真空雰囲気にて500〜1500℃の熱処理をして低次酸化チタン粒子を焼結させて、被覆された低次酸化チタン層を強固にすることも出来る。
【0034】
前記低次酸化チタン単層の組成を決定する要素は還元度であるが、この制御は、焼成温度、添加する還元助剤およびその量等で行なうことができる。
【0035】
このうち、焼成温度は500〜1500℃の範囲にすることで可能であるが、還元度を低くするには焼成温度を500℃付近まで下げ、還元度を高くするには焼成温度を1500℃付近まで上げれば良い。すなわち、焼成温度を調整することで、二酸化チタンからの酸素欠損反応を調整することが可能である。
【0036】
また、還元度の制御は、還元助剤の添加やその量を調整することでも可能である。還元助剤を添加する場合の焼成温度は、還元助剤の分解温度以上で、500〜1500℃の範囲にすることが好ましい。還元助剤の添加量は、還元助剤に含まれている還元成分ガスとなる物質が、二酸化チタン100gに対して0.001〜30.0molの範囲(好ましくは0.01〜10.0molの範囲)で含まれていることが必要である。ここで還元成分ガスとは、特に限定されるものではないが、水素、窒素、アンモニア、一酸化炭素、一酸化一窒素、一酸化二窒素、硫化水素、二酸化硫黄等である。二酸化チタンに対して還元助剤から生じる還元性物質の量を変化させることで、酸素欠損反応を制御することが可能となる。
【0037】
例えば、還元助剤の添加量が0.001mol以下であると還元度が低くなり、外観色が白色に近く、干渉色の発色も有意に認識できないことがあり、鮮やかな二色性が得られない。また、還元助剤の添加量が30.0mol以上であると還元度が高くなりすぎ、干渉色が弱くなり、外観色の色調のみとなることで、鮮やかな二色性が失われてしまい好ましくない。
【0038】
更に還元度の制御は、金属チタンを用いることでも可能である。還元雰囲気にて板状粒子上に二酸化チタン層が被覆された材料と金属チタンとを混合し、500〜1500℃の範囲(好ましくは900〜1300℃)で焼成することで、二酸化チタンの酸素原子の一部が金属チタンによって還元され低次酸化チタンとなる。一方、金属チタンは二酸化チタンの酸素原子と結合して低次酸化チタンとなる。チタン化合物の添加量は、二酸化チタン100gに対してチタン成分で0.01〜2.0molを添加することが必要である。
【0039】
一方、低次酸化チタン層の膜厚の制御は、特許文献5に記載されている二酸化チタンの膜厚制御方法を利用できる。例えば、低次酸化チタン単層の膜厚が10nm以下では、低次酸化チタン層での光路差が少なくなることから鮮やかな干渉色を得ることが出来なくなる。また、低次酸化チタン層の膜厚が厚くなることに関しては、位相差により循環的に色調が変化するのみであるため特に制限がないが、光が減衰してしまい鮮やかな色調が得られなくなる。従って、低次酸化チタン層の膜厚は1000nm以下が好ましく、より好ましくは、低次酸化チタンの膜厚を10〜1000nm(特に好ましくは10〜600nm)の範囲に制御することにより、外観色と干渉色が異なる鮮やかな二色性を得ることが可能となる。
【0040】
なお、二色性顔料の低次酸化チタン層は、二酸化チタン層を還元することによって得ることができるが、その二酸化チタン層が、メタチタン酸、水酸化チタン、オキシチタン酸、硫酸チタンを含むチタン化合物層であっても、還元焼成による熱処理で低次酸化チタン組成へと変化するので利用可能である。また、還元処理に用いるガスとして窒素が含まれる化合物や、還元助剤として窒素が含まれる化合物が利用されることで、還元焼成において酸化窒化チタンも形成する。この酸化窒化チタンは、低次酸化チタン単層の低次酸化チタンの酸素の一部が、窒素と置き換わり変性したものであるが、低次酸化チタン単層にこのものが含まれていても光の吸収と反射の関係は変わらず、干渉色と外観色を調整することが可能である。
【0041】
以上のようにして得られる成分(B)の二色性顔料は、外観色と干渉色の異なる鮮やかな二色性を有する点で従来の真珠光沢顔料とは異なる色調を有するものである。例えば、従来の二酸化チタン系の干渉顔料は、ハンターのLab表色系でL値が70〜80と明度が高く、白色の強い外観のものであった。また、低次酸化チタンからなる黒色系真珠光沢顔料では、L値が25以下と明度が低く黒色に近い外観であった。
【0042】
しかし、本発明で用いる二色性顔料は、L値25以上の明度において干渉色と外観色の異なる二色性を呈するものである。また、ハンターのLab表色系のb値は、青〜黄色の表色値であり、絶対値が大きい程に彩度は高くなるが、本発明で用いる二色性顔料は、このb値を−3.0以下又は3.0以上の範囲に調整することが可能で、彩度の高い色調を得ることができる。
【0043】
次に、二色性顔料が二色性を呈する理由を模式的に示した図1を参照しながら、酸素欠損量を調整することで鮮やかな外観色と干渉色を呈することを説明する。
【0044】
成分(B)である二色性顔料は、基材となる板状粒子(1)と、これを被覆する低次酸化チタン層(2)から形成されている。低次酸化チタンは、還元度を変えることで酸素欠損量を調整することができる。そして、可視光は電磁波であることから、酸素欠損によるホールに可視光の一部が吸収される。
【0045】
すなわち、図1の模式図に示すように、顔料表面での反射光(5)は、入射光(3)が低次酸化チタン層により特定の波長を吸収され、外観色としての色調を発色する。干渉色は、反射光(5)と、低次酸化チタン層で吸収され特定波長を失った透過光(4)が基材(1)で反射された反射光(6)が干渉することにより特有の色調を発する。これら(5)および(6)の反射光からなる干渉色と、低次酸化チタン層の吸収光による外観色により、鮮やかな二色性の色調を有する顔料を得ることができる。このように、酸素欠損量を調整することで、吸収する波長域や吸収量を変えることが可能となる。また、同様に反射光の波長も制御することが可能となる。
【0046】
また、上記のように(5)および(6)の反射光の干渉により干渉色が生じるため、低次酸化チタン層の膜厚を調整することで、低次酸化チタン層表面での反射光(5)と、低次酸化チタン層を通り基材(1)からの反射光(6)の光路差を変えることができる結果、波長の位相を変化させ、干渉色を変えることが可能となる。
【0047】
このように成分(B)の二色性顔料は、低次酸化チタン層の酸素欠損量、組成をコントロールすることで、反射光、吸収光の調整が可能となり、また低次酸化チタン層の膜厚を制御することでも波長の位相を変化させて干渉色を調整することが可能な、今までにない鮮やかな干渉色、外観色を有する多品種の二色性を有する顔料である。
【0048】
更にまた、本発明の成分(B)で使用される低次酸化チタンは、非常に安定で、耐酸性・耐アルカリ性にも優れており、しかも熱的にも非常に安定であり、大気中にて350℃の熱にも耐えうる物質である。従って、低次酸化チタンの層を設けた二色性顔料は、耐酸性・アルカリ性且つ熱的にも安定な顔料として使用しうるものである。
【0049】
本発明の含水化粧料における、上記成分(B)の配合量は、特に限定されるものではないが、全量中0.1〜30%が好ましく、更に、0.1〜20%が好ましい。成分(B)をこの範囲内で用いると、使用性、使用感、二色性による立体感演出効果の観点から良好なものが得られる。
【0050】
更に本発明の含水化粧料に含まれる水の量は、0.5〜95%であり、好ましくは、3〜90%である。なお、ここでの水の量は、成分(A)が水分散物である場合、その分散媒として配合される水も含む量である。
【0051】
本発明の含水化粧料には、上記の必須成分の他に、通常化粧料に配合される任意成分を配合することができる。
【0052】
このような任意成分としては、感触調整や着色の目的で粉体成分や、基材、エモリエント成分として油性成分、保湿成分として水性成分、アルカリ剤、粉体分散、感触調整の為の界面活性剤、紫外線吸収剤、保湿剤、水溶性皮膜形成性樹脂、褪色防止剤、酸化防止剤、消泡剤、美容成分、防腐剤、香料などを挙げることができ、本発明の効果を損なわない範囲で適宜配合することができる。
【0053】
油性成分としては、動物油、植物油、合成油等の起源、及び、固形油、半固形油、液体油、揮発性油等の性状を問わず、炭化水素類、油脂類、ロウ類、硬化油類、エステル油類、脂肪酸類、高級アルコール類、シリコーン油類、フッ素系油類、ラノリン誘導体類、油性ゲル化剤類等が挙げられる。具体的には、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、ポリイソブチレン、ポリブテン、パラフィンワックス、セレシンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、エチレン・プロピレンコポリマー、モンタンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の炭化水素類、モクロウ、オリーブ油、ヒマシ油、ホホバ油、ミンク油、マカデミアンナッツ油等の油脂類、ミツロウ、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ゲイロウ等のロウ類、セチルイソオクタネート、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、トリオクタン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、リンゴ酸ジイソステアリル、トリベヘン酸グリセリル、ロジン酸ペンタエリトリットエステル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、コレステロール脂肪酸エステル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)等のエステル類、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ベヘン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等の脂肪酸類、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール類、低重合度ジメチルポリシロキサン、高重合度ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、架橋型オルガノポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等のシリコーン類、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン、パーフルオロポリエーテル等のフッ素系油剤類、ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体、デキストリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、デンプン脂肪酸エステル、イソステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム等の油性ゲル化剤類等が挙げられる。
【0054】
粉体成分としては、化粧料一般に使用される粉体であれば、板状、紡錘状、針状等の形状、粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に限定されず、無機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、色素粉体類、複合粉体類等が挙げられる。具体的には、コンジョウ、群青、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛、チタン・酸化チタン焼結物、酸化セリウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化アンチモン、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブラック、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、メタケイ酸アルミニウムマグネシウム、マイカ、合成マイカ、合成セリサイト、セリサイト、タルク、白雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、カオリン、硫酸バリウム、ベントナイト、スメクタイト、珪ソウ土、ヒドロキシアパタイト、窒化硼素等の無機粉体類、オキシ塩化ビスマス、雲母チタン、二酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化鉄被覆雲母、酸化鉄被覆雲母チタン、紺青被覆雲母チタン、カルミン被覆雲母チタン、有機顔料被覆雲母チタン、酸化鉄・酸化チタン被覆合成金雲母、魚燐箔、二酸化チタン被覆ガラスフレーク、ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層末、ポリエチレンテレフタレート・ポリオレフィン積層フィルム末、ポリエチレンテレフタレート・ポリメチルメタクリレート積層フィルム末等の光輝性粉体類、ポリアミド系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂、セルロース系樹脂、ポリスチレン系樹脂、スチレン−アクリル共重合体樹脂等のコポリマー樹脂、ポリプロピレン系樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂等の有機高分子樹脂粉体、N−アシルリジン等の有機粉体類、澱粉、シルク粉末、セルロース粉末等の天然有機粉体、有機タール系顔料、有機色素のレーキ顔料等の色素粉体類、アルミニウム粉、金粉、銀粉等の金属粉体、微粒子酸化チタン被覆雲母チタン、微粒子酸化亜鉛被覆雲母チタン、硫酸バリウム被覆雲母チタン、酸化チタン含有二酸化珪素、酸化亜鉛含有二酸化珪素等の複合粉体等が挙げられ、これらを1種又は2種以上用いることができる。また、これら粉体は2種以上の複合化したものを用いても良く、フッ素系化合物、シリコーン系化合物、金属石ケン、レシチン、水素添加レシチン、コラーゲン、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル、ワックス、ロウ、油脂、炭化水素、界面活性剤、アミノ酸系化合物、水溶性高分子等の1種又は2種以上を用いて公知の方法により表面処理を施したものであっても良い。
【0055】
水性成分としては、水に可溶な成分であれば何れでもよく、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコール類、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等のグリセロール類、ソルビトール、マルチトール、ショ糖、でんぷん糖、ラクチトール等の糖類、グアーガム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、アラビアガム、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性高分子、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、乳酸ナトリウム等の塩類、アロエベラ、ウィッチヘーゼル、ハマメリス、キュウリ、レモン、ラベンダー、ローズ等の植物抽出液等が挙げられる。
【0056】
アルカリ剤としては、成分(A)の高分子の水分散物を中和し、増粘させる性質を有するものであれば、特に制限されるものではなく、通常化粧料に使用されるものであれば、そのいずれのものも使用することができる。例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機アルカリ剤、L−アルギニン等の塩基性アミノ酸、トリエタノールアミン、アンモニア、アミノメチルプロパノール等の有機アルカリ剤が挙げられる。アルカリ剤の添加量はその種類によって異なるが、本発明では、成分(A)の高分子の含有量は0.05〜30%が効果の得られる量であるため、該共重合体を中和するのに十分な量とすると、0.01〜30%である。このアルカリ剤は、予め水に溶解することで、あるいは直接共重合体と混合することで添加できる。
【0057】
界面活性剤としては、化粧料一般に用いられている界面活性剤であればいずれのものも使用でき、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。非イオン界面活性剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、プロピレングリコール脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビタン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビトールの脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、グリセリンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ラノリンのアルキレングリコール付加物、ポリオキシアルキレンアルキル共変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン等が挙げられる。アニオン界面活性剤としては、例えば、ステアリン酸、ラウリン酸のような脂肪酸の無機及び有機塩、アルキルベンゼン硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、α−スルホン化脂肪酸塩、アシルメチルタウリン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルキル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩、N−アシルアミノ酸塩、ο−アルキル置換リンゴ酸塩、アルキルスルホコハク酸塩等が挙げられる。カチオン界面活性剤としては、例えば、アルキルアミン塩、ポリアミン及びアルカノールアミン脂肪酸誘導体、アルキル四級アンモニウム塩、環式四級アンモニウム塩等が挙げられる。両性界面活性剤としては、アミノ酸タイプやベタインタイプのカルボン酸型、硫酸エステル型、スルホン酸型、リン酸エステル型のものがあり、人体に対して安全とされるものが使用できる。例えば、N,N−ジメチル−N−アルキル−N−カルボキシルメチルアンモニウムベタイン、N,N−ジアルキルアミノアルキレンカルボン酸、N,N,N−トリアルキル−N−スルホアルキレンアンモニウムベタイン、N,N−ジアルキル−N,N−ビス(ポリオキシエチレン硫酸)アンモニウムベタイン、2−アルキル−1−ヒドロキシエチル−1−カルボキシメチルイミダゾリニウムベタイン、レシチン等が挙げられる。
【0058】
紫外線吸収剤としては、例えばベンゾフェノン系、PABA系、ケイ皮酸系、サリチル酸系、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、オキシベンゾン等、保湿剤としては、例えばタンパク質、ムコ多糖、コラーゲン、エラスチン、ケラチン等、酸化防止剤としては、例えばα−トコフェロール、アスコルビン酸等、美容成分としては、例えばビタミン類、消炎剤、生薬等、防腐剤としては、例えばパラオキシ安息香酸エステル、1,2−ペンタンジオール、フェノキシエタノール等が挙げられる。
【0059】
また、本発明の含水化粧料を、睫毛用化粧料とする場合は、睫を長く見せる効果を付与するための繊維を配合することもできる。配合することのできる繊維の例としては、ナイロン、ポリエステル等の合成繊維、レーヨン等の人造繊維、セルロース等の天然繊維、アセテート人絹等の半合成繊維等が挙げられるが、これらは特に限定されるものではなく、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。また、これらの繊維は一般油剤、シリコーン油、フッ素化合物、界面活性剤等で処理したものも使用することができる。このうち、ナイロンを用いる場合には、長さは0.3〜3mmのものが好ましく、太さは0.1〜20デニールのものが好ましく、更には0.5〜10デニールのものがより好ましい。
【0060】
かくして得られる本発明の含水化粧料としては、O/Wタイプ、W/Oタイプ、水系タイプ、多層タイプの剤型のものを挙げることができる。また、その用途としては、マスカラ、アイライナー、アイカラー、ファンデーション、化粧下地、ほほ紅、口紅、日焼け止め料、ボディーローション等を挙げることができる。
【実施例】
【0061】
次に、実施例および製造例を挙げ、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例等に何ら制約されるものではない。
【0062】
なお、以下の製造例で製造した二色性顔料の評価は、低次酸化チタン層の膜厚、低次酸化チタンの組成および顔料の色調で行なった。このうち、膜厚測定には、断面SEM(日立:S−4500)を、低次酸化チタンの組成は、粉末X線回折装置(理学:RINT2400)を用いて行った。また、顔料の色調は、測色色差計(東京電色:TC−8600A)を用い、粉末セル法により行なった。すなわち、石英セル(直径35mm、深さ15mm、厚み2mm)に顔料1gを量り取り、サンプル上面に対して面圧25g/cmで顔料に均等に加圧して充填した後、ハンターのLab表色系で色調を測定した。
【0063】
また、各顔料の外観色と干渉色の評価は、下記手法により行なった。すなわち、顔料と水を1:2の重量比で混ぜ込んで攪拌機にて均一なスラリー状にし、透明ガラス基板(50mm×50mm、厚さ1mm)上に2g滴下する。その上に、ガラス板を合わせて、滴下したスラリーをガラス板間で引き延ばして、顔料を配向させる。顔料を配向させたガラス板サンプルを、目視観察を行なう事で外観色と干渉色を評価する。その際の観察方法は、白色蛍光灯から垂直方向にサンプルを設置し、外観色を観察面から90度の角度より目視観察を行ない、干渉色を観察面から45度の角度より目視観察を行う方法とした。
【0064】
製 造 例 1
雲母にチタニアゾルを塗布し、空気雰囲気にて600℃の熱処理を行った。熱処理後、水洗し、余分なチタン化合物を除去し、雲母が二酸化チタンで被覆された外観色が白色で干渉色が薄緑色の前駆体A(酸化チタン層の膜厚:140nm)を作製した。前駆体Aは、XRD測定を行ない二酸化チタンのアナターゼ構造であることを確認した(図2)。
【0065】
この前駆体A 100gに、還元助剤として水素化ホウ素ナトリウム 3.0gを加え、窒素と水素の混合ガス(窒素:水素=1:1)の流量を100ml/分とし、600℃、3時間の条件で還元焼成を行なった。この還元処理により得られた顔料の色調は、外観色が緑色・干渉色が薄青色となり、二色性を有していた。得られた顔料のXRDの解析結果を図2に示す。この図から、二酸化チタンのピークは消失し、低次酸化チタンTiが生成されていることが示された。
【0066】
製 造 例 2
雲母にチタニアゾルを塗布し、空気雰囲気にて600℃の熱処理を行なった。熱処理後、水洗し、余分なチタン化合物を除去し、雲母が二酸化チタンで被覆された外観色が白色で干渉色が薄緑色の前駆体A(酸化チタン層の膜厚:140nm)を作製した。
【0067】
この前駆体A 100gに、還元助剤として水素化ホウ素ナトリウム 7.0gを加え、窒素と水素の混合ガス(窒素:水素=1:1)の流量を100ml/分とし、600℃、3時間の条件で還元焼成を行なった。この還元処理により得られた顔料を回収して、XRD回折を測定したところ、二酸化チタンのピークは消失し、低次酸化チタンTiが生成されていた(図2)。色調は、外観色が濃緑色、干渉色が青色であった。
【0068】
比較製造例 1
雲母にチタニアゾルを塗布し、空気雰囲気にて600℃の熱処理を行なった。熱処理後、水洗し、余分なチタン化合物を除去し、雲母が二酸化チタンで被覆された外観色が白色で干渉色が薄緑色の前駆体A(酸化チタン層の膜厚:140nm)を作製した。
【0069】
この前駆体A 100gに、還元助剤として水素化ホウ素ナトリウム 10.0gを加え、窒素と水素の混合ガス(窒素:水素=1:1)の流量を100ml/分とし、600℃で3時間の条件で還元焼成を行なった。この還元処理により得られた顔料を回収し、XRD回折を測定したところ、二酸化チタンのピークは消失し、低次酸化チタンTiO・Tiが生成されていた(図2)。色調は、外観色の黒色が際立つ色調となった。
【0070】
製造例1〜2および比較製造例1では、低次酸化チタン層の膜厚を一定(140nm)とし、低次酸化チタンの組成を変化させた。還元条件を変えることで低次酸化チタンの組成が変化することをXRDの解析結果として図2に示す。このXRD測定は、前駆体および顔料(還元処理品)をそれぞれメノウ乳鉢で粉砕し、粉末エックス線回折装置にて行なった。還元条件を変えることで、二酸化チタンのピークは完全に消失し、低次酸化チタンのみのピークとなった。
【0071】
下記の表1は、還元度を変化させた際の色調の変化を示す。前駆体では干渉色の淡い発色のみであるが、酸化チタン層を低次酸化チタンにすることで外観色・干渉色を変化させ、鮮やかな二色性を有する色調を得ることかできた。更に、低次酸化チタンの組成を制御することで、干渉色・外観色のそれぞれの色調を変えることができた。これに対し、TiOが含まれた低次酸化チタン層の場合は、TiOによる光の反射が強くなり、外観色が白色に近くなるため、本発明が示すところの鮮やかな二色性を得ることができない。鮮やかな二色性を有するためには、TiOを含まない低次酸化チタンからなる組成の単層を形成する必要がある。
【0072】
【表1】

【0073】
比較製造例1では、主組成物が還元度の高い低次酸化チタンTiO(x=1)になり、入射光の低次酸化チタンへの吸収が強く、干渉色が認識出来なくなり、外観色の黒色が際立つ色調になった。TiOが含まれる低次酸化チタン層の場合は、光の吸収が強いため、反射光が弱くなり、本発明の示すところの干渉色が得られず、外観色が際立つものとなる。鮮やかな二色性を有するためには、TiOを含まない低次酸化チタン組成からなる単層を形成する必要がある。この板状粒子上の単層を、TiOとTiOを含まない[TiOx(1.0<x<2.0)]からなる低次酸化チタンの組成を制御することで、入射する光の吸収を調整することが可能となり、様々な外観色と干渉色を得ることができる。
【0074】
特許文献7においては、最内層である雲母と最外層である二酸化チタンとの間に、中間層として低次酸化チタン層又は低次酸化チタンを含むチタン化合物層を存在させることで有色雲母を得ている。そして、中間層が全て低次酸化チタン又は低次酸化チタンと窒化チタンの混合物である場合には外観色・干渉色が黒色のものになると記載されている。しかし、本発明者らの検討の結果、低次酸化チタン単層で、且つ低次酸化チタンの組成をTiOx(1.0<x<2.0)で制御することで、入射する光の反射と吸収をコントロールして、干渉色と外観色の異なる二色性を発色させることが可能であることが見出された。
【0075】
製 造 例 3
雲母にチタニアゾルを塗布し、空気雰囲気にて600℃の熱処理を行なった。熱処理後、水洗し、余分なチタン化合物を除去し、雲母が二酸化チタンで被覆された外観色が白色で干渉色が銀色の前駆体(酸化チタン層の膜厚:30nm)を作製した。
【0076】
この前駆体100gに、還元助剤として水素化ホウ素ナトリウム 1.0gを加え、窒素と水素の混合ガス(窒素:水素=1:1)の流量を100ml/分とし、600℃、3時間の条件で還元焼成を行なった。この還元処理により得られた顔料の色調は、外観色が銀色、干渉色が薄黄色であった。
【0077】
製 造 例 4
雲母にチタニアゾルを塗布し、空気雰囲気にて600℃の熱処理を行なった。熱処理後、水洗し余分なチタン化合物を除去し、雲母が二酸化チタンで被覆された外観色が白色で干渉色が黄色の前駆体(酸化チタン層の膜厚:70nm)を作製した。
【0078】
この前駆体100gに還元助剤として水素化ホウ素ナトリウム 1.7gを加え、窒素と水素の混合ガス(窒素:水素=1:1)の流量を100ml/分とし、600℃、3時間の条件で還元焼成を行なった。この還元処理により得られた顔料の色調は、外観色が黄色、干渉色が深緑色であった。
【0079】
製 造 例 5
雲母にチタニアゾルを塗布し、空気雰囲気にて600℃の熱処理を行なった。熱処理後、水洗し、余分なチタン化合物を除去し、雲母が二酸化チタンで被覆された外観色が白色で干渉色が赤色の前駆体(酸化チタン層の膜厚:100nm)を作製した。
【0080】
この前駆体100gに還元助剤として水素化ホウ素ナトリウム 2.0gを加え、窒素と水素の混合ガス(窒素:水素=1:1)の流量を100ml/分とし、600℃、3時間の条件で還元焼成を行なった。この還元処理により得られた顔料品の色調は、外観色が薄赤(ピンク)色、干渉色が濃黄色であった。
【0081】
製 造 例 6
雲母にチタニアゾルを塗布し、空気雰囲気にて600℃の熱処理を行なった。熱処理後、水洗し余分なチタン化合物を除去し、雲母が二酸化チタンで被覆された外観色が白色で干渉色が青色の前駆体(酸化チタン層の膜厚:130nm)を作製した。
【0082】
この前駆体100gに還元助剤として水素化ホウ素ナトリウム 2.7gを加え、窒素と水素の混合ガス(窒素:水素=1:1)の流量を100ml/分とし、600℃、3時間の条件で還元焼成を行なった。この還元処理により得られた顔料の色調は、外観色が青色、干渉色が紫色であった。
【0083】
上記製造例3〜6では、低次酸化チタン層の組成を一定にして、低次酸化チタン層の膜厚を変化させた。下記表2は、低次酸化チタン層の組成をTiにして、膜厚を30〜140nmにした際の色調の変化を示す。膜厚を変化させることで、干渉色と外観色を大幅に変化させることが出来た。
【0084】
【表2】

【0085】
これら製造例1〜6に示すように、低次酸化チタン層の組成と膜厚を制御することで、今までにない種類の鮮やかな外観色と干渉色の異なる二色性を有する顔料を合成することが可能となった。
【0086】
製 造 例 7
ガラス末にチタニアゾルを塗布し、空気雰囲気にて600℃の熱処理を行なった。熱処理後、水洗し余分なチタン化合物を除去し、ガラス末が二酸化チタンで被覆された外観色が白色で干渉色が薄緑色の前駆体B(酸化チタン層の膜厚:140nm)を作製した。この前駆体Bは、XRD測定により二酸化チタンのアナターゼ構造であることを確認した(図3)。
【0087】
この前駆体B 100gに還元助剤として水素化ホウ素ナトリウム 3.0gを加え、窒素と水素の混合ガス(窒素:水素=1:1)の流量を100ml/分として600℃、3時間の条件で還元焼成を行なった。得られた還元処理品を顔料として回収したが、このものの色調は、外観色が緑色、干渉色が薄青色であった。この顔料のXRDの解析結果を図3に示すが、この結果から明らかなように、二酸化チタンのピークは消失し、低次酸化チタンTiが生成されていた。
【0088】
製 造 例 8
ガラス末にチタニアゾルを塗布し、空気雰囲気にて600℃の熱処理を行なった。熱処理後、水洗し余分なチタン化合物を除去し、ガラス末が二酸化チタンで被覆された外観色が白色で干渉色が薄緑色の前駆体B(酸化チタン層の膜厚:140nm)を作製した。
【0089】
この前駆体B 100gに還元助剤として水素化ホウ素ナトリウム 7.0gを加え、窒素と水素の混合ガス(窒素:水素=1:1)の流量を100ml/分とし、700℃、3時間の条件で還元焼成を行なった。得られた還元処理品を顔料として回収し、XRD回折を測定したところ、二酸化チタンのピークは消失し、低次酸化チタンTiが生成されていた(図3)。色調は、外観色が濃緑色、干渉色が青色であった。
【0090】
比較製造例 2
ガラス末にチタニアゾルを塗布し、空気雰囲気にて600℃の熱処理を行なった。熱処理後、水洗し、余分なチタン化合物を除去し、ガラス末が二酸化チタンで被覆された外観色が白色で干渉色が薄緑色の前駆体B(酸化チタン層の膜厚:140nm)を作製した。
【0091】
この前駆体B 100gに還元助剤として水素化ホウ素ナトリウム 10.0gを加え、窒素と水素の混合ガス(窒素:水素=1:1)の流量を100ml/分とし、800℃、3時間の条件で還元焼成を行なった。得られた還元処理品を顔料として回収し、XRD回折を測定したところ、二酸化チタンのピークは消失し、低次酸化チタンTi・TiO・Tiが生成されていた(図3)。色調は、外観色の黒色が際立つ色調であった。
【0092】
製造例7〜8のガラス末に二酸化チタンを被覆した顔料においても、製造例1〜2と同様に還元処理を行なうことで同じ色調が得られた。また、図3に示すように低次酸化チタンの組成も、製造例1〜2と同様の傾向を示した。
【0093】
【表3】

【0094】
製 造 例 9
市販の、二酸化チタンで被覆されており、外観色が白色・干渉色が青色であるガラス末(日本板硝子社製:メタシャイン(MC1080RB))を用い、還元処理を行なった。上記ガラス末100gに還元助剤として水素化ホウ素ナトリウム2.7gを加え、混合原料を作製した。この混合材料を、窒素と水素の混合ガス(窒素:水素=1:1)の流量を100ml/分とし、600℃、3時間の条件で還元焼成を行なった。この還元処理により得られた顔料の色調は、外観色が青色、干渉色が紫色であった。
【0095】
製 造 例 10
市販の、外観色が白色・干渉色が青色の雲母チタン(メルク社製:Iridion225)を原料として用い、還元焼成を行なった。上記雲母チタン100gに還元助剤として水素化ホウ素ナトリウム2.7gを加え、混合原料を作製した。この混合原料を、窒素と水素の混合ガス(窒素:水素=1:1)の流量を100ml/分とし、600℃、3時間の条件で還元焼成を行なった。この還元処理により得られた顔料の色調は、外観色が青色、干渉色が紫色であった。
【0096】
製 造 例 11
アルミフレークにチタニアゾルを塗布し、空気雰囲気にて600℃の熱処理を行なった。熱処理後、水洗し余分なチタン化合物を除去し、アルミフレークが二酸化チタンで被覆された外観色が白色で、干渉色が青色の前駆体(酸化チタン層の膜厚:130nm)を作製した。
【0097】
この前駆体100gに還元助剤として水素化ホウ素ナトリウム 2.7gを加え、窒素と水素の混合ガス(窒素:水素=1:1)の流量を100ml/分とし、600℃、3時間の条件で還元焼成を行なった。この還元処理により得られた顔料の色調は、外観色が青色、干渉色が紫色であった。
【0098】
製造例9〜10から、市販の材料を用い、これを還元処理とすることでも鮮やかな二色性顔料が得られることがわかった。また、製造例11では、原料基材がアルミフレークにおいても同様に鮮やかな二色性を有する顔料が得られることが分かった。
【0099】
【表4】

【0100】
製 造 例 12
市販の、二酸化チタンで被覆されているガラス末(日本板硝子社製:メタシャイン(MC1080RB))を用いて還元処理を行なった。まず、水素化チタン粉末をメノウ乳鉢にて粉砕し、目開き25μmの篩を通過した粉末を回収して還元助剤とした。上記ガラス末100gに、還元助剤である水素化チタンを4.3g加え、ミキサーで均一に混合した。混合した原料を、窒素と水素の混合ガス(窒素:水素=1:1)の流量を100ml/分とし、600℃、3時間の条件で還元焼成を行なった。得られた還元処理処理物は、水で撹拌した後、目開き25μmの湿式篩を行ない、還元助剤である水素化チタンから形成された低次酸化チタンを除去した。回収物として得られた顔料は、外観色が青色、干渉色が紫色であった。
【0101】
製 造 例 13
市販の、ガラス末に二酸化チタンで被覆されているガラス末(日本板硝子社製:メタシャイン(MC1080RB))を用いて還元処理を行なった。まず、チタン粉末をメノウ乳鉢にて粉砕し、目開き25μmの篩を通過した粉末を回収して還元助剤とした。上記ガラス末100gに、還元助剤であるチタンを3.8g加え、ミキサーで均一に混合した。混合した原料を、窒素と水素の混合ガス(窒素:水素=1:2)の流量を100ml/分とし、700℃、3時間の条件で還元焼成を行なった。得られた還元処理物は、水で撹拌した後、目開き25μmの湿式篩を行ない、還元助剤である水素化チタンから形成された低次酸化チタンを除去した。回収物として得られた顔料は、外観色が青色、干渉色が紫色であった。
【0102】
製 造 例 14
市販の、二酸化チタンで被覆されているガラス末(日本板硝子社製:メタシャイン(MC1080RB))を用い、還元助剤として水素化アルミニウムリチウムを用いて還元処理を行なった。まず、上記ガラス粉末100gに、還元助剤として水素化アルミニウムリチウム2.7gを加え、混合原料を作製する。この混合原料を窒素と水素の混合ガス(窒素:水素=1:1)の流量を100ml/分とし、600℃、3時間の条件で還元焼成を行なった。この還元処理により得られた顔料の色調は、外観色が青色、干渉色が紫色であった。
【0103】
製 造 例 15
市販のガラス末に二酸化チタンが被覆されている(日本板硝子社製:メタシャイン)を用い、水素と窒素の混合ガスで還元焼成を行なう。メタシャイン(MC1080RB)20gを雰囲気炉内に入れ、窒素と水素の混合ガス(窒素:水素=1:3)の流量を100ml/分とし、1000℃、8時間の条件で還元焼成を行なった。得られた還元焼成品の色調は、外観色が青色・干渉色が紫色となった。
【0104】
製造例12〜13は、還元助剤に水素化チタンと金属チタンをそれぞれ用いることでも、鮮やかな二色性顔料を得ることができることを示すものである。また、製造例14は、還元助剤に水素化アルミニウムリチウムを用いたものでも、鮮やかな二色性顔料を得ることができることを示すものであり、製造例15は、窒素と水素の混合ガスの混合比を代えてで還元処理を行なうことでも、鮮やかな二色性顔料を得ることができることを示すものである。
【0105】
【表5】

【0106】
製 造 例 16
市販の、二酸化チタンで被覆されているガラス末(日本板硝子社製:メタシャイン(MC1080RB))を用い、還元処理を行なった。まず、上記ガラス末100gに、還元助剤として水素化ホウ素ナトリウム2.7gおよびグアニジン0.2gを加え、混合原料を作製した。この混合原料を、窒素と水素の混合ガス(アンモニア:水素=1:1)の流量を100ml/分とし、600℃、3時間の条件で還元焼成を行なった。この還元処理により得られた顔料の色調は、外観色が赤紫色、干渉色が青色であった。
【0107】
製 造 例 17
市販の、二酸化チタンが被覆されているガラス末(日本板硝子社製:メタシャイン(MC1080RB))を用い、還元処理を行なった。上記ガラス末100gに、還元助剤として水素化ホウ素ナトリウム2.7gを加え、混合原料を作製した。アンモニアと水素の混合ガス(アンモニア:水素=2:1)の流量を100ml/分とし、600℃、3時間の条件で還元焼成を行なった。この還元処理により得られた顔料の色調は、外観色が茶色、干渉色が紫色であった。
【0108】
製造例16は、還元助剤中に窒素を含む化合物を用いた例である。また、製造例17は、還元処理にアンモニアと水素の混合ガスを用いた例である。これらの例では、それぞれの低次酸化チタン層の一部が、窒素と置き換わり変性するが、その場合においても、鮮やかな二色性顔料を得ることができた。
【0109】
【表6】

【0110】
製 造 例 18
低次酸化チタンの組成がTi、粒子径が10〜30nmである粒子で、雲母を被覆する。この被覆は、低次酸化チタン粒子を水溶媒に均一に分散させ、雲母を加えて懸濁させ、その後、低次酸化チタン粒子が被覆された雲母粒子を回収し、105℃で乾燥し、水分を除去することにより行なった。
【0111】
この低次酸化チタンが被覆された雲母を、真空雰囲気下、800℃で3時間の熱処理を行なった。得られた還元処理品の色調は、外観色が緑色、干渉色が薄青色となり二色性を有していた。
【0112】
【表7】

【0113】
比較製造例 3
ガラス末にチタニアゾルを塗布し、空気雰囲気にて600℃の熱処理を行なった。熱処理後、水洗し余分なチタン化合物を除去し、二酸化チタンで被覆されたガラス末を得た、このものは外観色が白色で干渉色が緑色(二酸化チタン層の膜厚:140nm)であった。
【0114】
比較製造例 4
特開昭60−060163号公報(特許文献6)の実施例1に基づき、雲母50部に対してイオン交換水500部を加え、十分撹拌することで得られたスラリーに、硫酸チタニル水溶液(40wt%)を208.5部加え、加熱撹拌を6時間行なった。放冷後、濾過水洗を行ない、900℃で焼成し、二酸化チタンで被覆された雲母を得た。この二酸化チタンで被覆された雲母を、アンモニアガス3L/分の流量で、800℃、4時間の還元処理を行なった。得られた生成物のXRD解析を行なったところ、TiOとTiOの混合物であり、その外観色と干渉色が青色のものであった。
【0115】
以下の表8に、比較製造例1ないし4で得られたものの外観に関するデータを示す。前記比較製造例1〜2では、還元度の高い低次酸化チタンTiO(x=1)になると、入射光の低次酸化チタンへの吸収が強くなり、干渉色が見られなって外観色の黒色のみのものとなった。これに対し比較製造例3では、組成がTiO(x=2)となり、外観色が白色のため、干渉色の発色が有意に認識できないものとなった。
【0116】
また、上記比較製造例4で得られたものは、被覆組成物がTiOとTiOの混合物であるが、このような被覆組成物である低次酸化チタンがTiOとTiOの混合物であると、TiOが光を強く吸収し、反射光は微弱となる。よって、反射される光はTiOから発せられる青色のみとなり、TiOはそれを際立たせる効果(下地色としての効果)のみを与え単調な色調となってしまう。
【0117】
本発明では、実施例で示したように、光を反射させることができる還元度合TiOx(1.0<x<2.0)の低次酸化チタンの単層を設けることで、図1に見られる光の反射・吸収が生じさせ、外観色と干渉色の異なる二色性を得ることができるのである。
【0118】
【表8】

【0119】
実 施 例 1
液状アイカラー:
下記表9に示す組成および下記製造方法により、本発明品1〜6及び比較品1〜7の、含水化粧料である液状アイカラーを調製した。得られた液状アイカラーについて、その「分散性」、「二色性による立体感」、「均一な化粧膜」、「透明感」および「経時安定性」の各項目を、以下に示す評価方法により評価した。この結果を併せて表9に示した。
【0120】
【表9】

【0121】
( 製造方法 )
A:成分(1)〜(8)を均一に混合する。
B:A成分に成分(9)〜(12)を添加し均一に混合する。
C:Bをアプリケーター付容器に充填して製品とした。
【0122】
( 評 価 )
下記評価項目について各々下記方法により評価を行なった。
<評価項目および評価方法>
イ、分散性
分散性は、各試料についてガラス板上に厚さ400μmのアプリケーターを用いて薄膜をひき、十分に乾燥させた後、凝集物やムラの有無を目視で観察した。この観察結果を、下記3段階で評価した。なお、状態が二層のものは評価前に10回振とうして用いた。
【0123】
( 評価基準 )
状 態 : 判 定
凝集、ムラが無く均一である。 : ○
凝集、ムラが少し見られる。 : △
明らかに凝集またはムラが見られる。 : ×
【0124】
ロ、二色性による立体感
二色性による立体感については各試料について使用パネル1名に瞼に塗布してもらい、この塗布後の状態を評価パネル20名が下記評価基準にて7段階に評価し評点を付け、各試料の評価パネル全員の評点合計から、その平均値を算出し、下記4段階判定基準により判定した。なお、塗布後に、正面と正面に対し、上、下、右、左の45°の角度から見たとき、立体感が得られているかどうか、角度によって色の変化が感じられるかどうかおよび鮮やかさがあるかどうかを評価の重要ポイントとした。また、状態が二層のものは評価前に10回振とうして用いた。
【0125】
ハ、均一な化粧膜および透明感
均一な化粧膜および透明感については、各試料について専門パネル20名による使用テストを行ない、パネル各人が下記評価基準にて7段階に評価し評点を付け、各試料のパネル全員の評点合計から、その平均値を算出し、下記4段階判定基準により判定した。また、状態が二層のものは評価前に10回振とうして用いた。
【0126】
(1)評価基準
評 価 : 評 点
非常に良好: 6
良 好 : 5
やや良好 : 4
普 通 : 3
やや不良 : 2
不 良 : 1
非常に不良: 0
【0127】
(2)判定基準:
評点の平均点 : 判 定
5点以上 : ◎
3.5点以上5点未満 : ○
1.5点以上3.5点未満: △
1.5点未満 : ×
【0128】
ニ、経時安定性
経時安定性は、室温にて6週間放置した後、各試料を2回振って混合し、そのときの外観を下記3段階判定基準により評価し、判定を行なった。
【0129】
( 評価基準 )
状 態 : 判 定
凝集、ムラが無く均一である。 : ○
凝集、ムラが少し見られる。 : △
明らかに凝集またはムラが見られる。 : ×
【0130】
表9の結果から明らかな如く、本発明品1〜6のアイカラーは、比較品1〜7のアイカラーに比べ、分散性、二色性による立体感、膜の均一性、経時安定性の全てにおいて優れたものであった。これに対して、エマルション(高分子の水分散物)ではなく水溶性樹脂を用いた比較品1では、乾きが遅く膜の均一性に欠け、二色性による立体感の効果において、満足いくものが得られなかった。また、二色性顔料の代わりに黒酸化鉄被覆雲母を配合した比較品2、4〜6では特に分散性、膜の均一性、透明感、安定性において満足いくものが得られなかった。更に、二色性顔料の代わりに雲母チタンを配合した比較品3では、外観が白色のため二色性による立体感の効果において、また透明感の点において、満足いくものが得られなかった。更にまた、二色性顔料の代わりに比較製造例1に示した黒色低次化酸化チタン顔料を配合した比較品7では、立体感、透明感において満足するものが得られず、透明感が無いことにより色むらがあるように見え、膜の均一性に関しても不十分であった。
【0131】
尚、本発明品1で用いた、製造例6で得た二色性顔料にかえて、製造例1〜5及び製造例7〜18で得た二色性顔料を用い、以下、同様にアイカラーを調製した。これらについても上記と同様評価を行なったところ、全てにおいても優れたものが得られた。この結果を表10に示す。また、以下の実施例2〜22についても、実施例1と同様に評価した。
【0132】
【表10】

【0133】
実 施 例 2
水中油型マスカラ:
下記組成および製法により、含水化粧料である水中油型マスカラを調製した。
【0134】
( 組 成 ) (%)
(1)ステアリン酸 3
(2)カルナウバワックス 1
(3)ミツロウ 7
(4)パラフィンワックス 1
(5)自己乳化型モノステアリン酸グリセリン 1
(6)ショ糖脂肪酸エステル 2
(7)モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン 1.3
(8)セスキオレイン酸ソルビタン 0.5
(9)黒酸化鉄 5
(10)二色性顔料(製造例4で得たもの) 3
(11)アクリル酸アルキル共重合体エマルション*1 2.5
(12)無水ケイ酸 2
(13)トリエタノールアミン 1.6
(14)1,3−ブチレングリコール 8
(15)防腐剤(フェノキシエタノール) 0.2
(16)防腐剤(1,2−ペンタンジオール) 0.1
(17)アクリル酸アルキル共重合体エマルション*2 28
(18)酢酸ビニル共重合体エマルション*4 0.5
(19)精製水 残 量
*1 前出
*2 〃
*4 〃
【0135】
( 製 法 )
A. 成分(1)〜(8)を85℃で加熱溶解し、成分(9)および(10)を加え、
均一に混合する。
B. 成分(11)〜(19)を85℃に加熱し、均一に混合する。
C. AにBを加え、乳化する。
D. Cを室温まで冷却し、容器に充填して製品とする。
【0136】
以上のようにして得られた水中油型マスカラは、ボリューム効果や発色、そしてツヤといった化粧効果及びその持続性に優れたものであった。
【0137】
実 施 例 3
油中水型アイライナー:
下記組成および製法により、含水化粧料である油中水型アイライナーを調製した。
【0138】
( 組 成 ) (%)
(1)軽質流動イソパラフィン 残 量
(2)黒酸化鉄 15
(3)有機変性ベントナイト*11
(4)パルミチン酸デキストリン 1
(5)ポリイソブチレン 2
(6)精製水 2
(7)塩化ナトリウム 5
(8)防腐剤(パラオキシ安息香酸エステル) 0.2
(9)防腐剤(1,2−ペンタンジオール) 0.1
(10)アクリル酸アルキル共重合エマルション*2
(11)酢酸ビニル共重合体エマルション*4
(12)二色性顔料(製造例12で得たもの) 5
*2 前出
*4 〃
*11 BENTONE38V BC(ELEMENTIS社製)
【0139】
( 製 法 )
A. 成分(1)〜(5)を90℃で加熱混合し、冷却し室温で成分(6)〜(12)
を加えて均一に混合する。
B. Aを容器に充填して製品とする。
【0140】
以上のようにして得られた油中水型アイライナーは、二色性による立体感の化粧効果に優れ、化粧膜の均一性、安定性に優れたものであった。
【0141】
実 施 例 4
水中油型アイライナー:
下記組成および製法により、含水化粧料である水中油型アイライナーを調製した。
【0142】
( 組 成 ) (%)
(1)部分架橋型オルガノポリシロキサン重合物溶液*12 15
(2)メチルフェニルポリシロキサン 5
(3)デカメチルシクロペンタシロキサン 5
(4)アクリル酸アルキル共重合体エマルション*2
(5)水酸化ナトリウム 1
(6)精製水 残 量
(7)グリセリン 10
(8)防腐剤(パラオキシ安息香酸エステル) 0.3
(9)シリカ 10
(10)黒酸化チタン 5
(11)黒酸化鉄 5
(12)二色性顔料(製造例2で得たもの) 5
*12 シリコンKSG−16(信越化学工業社製)
*2 前出
【0143】
( 製 法 )
A. 成分(1)〜(3)を混合溶解する。
B. 成分(4)〜(8)を混合し、成分(9)〜(12)を加え均一に混合する。
C. BにAを加え乳化する。
D. Cを容器に充填して製品とする。
【0144】
以上のようにして得られた水中油型アイライナーは、二色性による立体感の化粧効果に優れ、化粧膜の均一性、安定性に優れたものであった。
【0145】
実 施 例 5
水系アイライナー:
下記組成および製法により、水系アイライナーを調製した。
【0146】
( 組 成 ) (%)
(1)精製水 残 量
(2)1,3−ブチレングリコール 5
(3)赤色202号 1
(4)カルボキシビニルポリマー 0.1
(5)水酸化ナトリウム 0.1
(6)防腐剤(パラオキシ安息香酸エステル) 0.1
(7)アクリル酸アルキル共重合体エマルション*2 10
(8)二色性顔料(製造例9で得たもの) 5
*2 前出
【0147】
( 製 法 )
A. 成分(1)〜(8)を均一に混合する。
B. Aを容器に充填して製品とする。
【0148】
以上のようにして得られた水系アイライナーは、二色性による立体感の化粧効果に優れ、化粧膜の均一性、安定性に優れたものであった。
【0149】
実 施 例 6
水中油乳化型アイブロウ(液状):
下記組成および製法により、液状の水中油型アイブロウを調製した。
【0150】
( 組 成 ) (%)
(1)ステアリン酸 3
(2)セタノール 2
(3)モノステアリン酸グリセリル 0.5
(4)キャンデリラレジン*13 10
(5)ショ糖脂肪酸エステル*14 1.5
(6)黒酸化鉄 1
(7)無水ケイ酸 1
(8)精製水 残 量
(9)1,3−ブチレングリコール 5
(10)水酸化ナトリウム 0.2
(11)防腐剤(パラオキシ安息香酸エステル) 0.1
(12)アクリル酸アルキル共重合体エマルション*2 10
(13)二色性顔料(製造例17で得たもの) 5
*2 前出
*13 キャンデリラ樹脂E−1(日本ナチュラルプロダクツ社製)
*14 シュガーワックスS−10E(第一工業製薬社製)
【0151】
( 製 法 )
A. 成分(1)〜(5)を110℃で加熱溶解し、(6)を加えて均一に混合する。
B. 成分(7)〜(13)を均一に混合し、80℃に加温する。
C. AにBを加え、乳化する。
D. Cを室温まで冷却して容器に充填して製品とする。
【0152】
以上のようにして得られた水中油乳化型アイブロウは、二色性による立体感の化粧効果に優れ、化粧膜の均一性、安定性に優れたものであった。
【0153】
実 施 例 7
水中油乳化型アイカラー(クリーム状):
下記組成および製法により、クリーム状の水中油乳化型アイカラーを調製した。
【0154】
( 組 成 ) (%)
(1)ステアリン酸 1
(2)セタノール 1
(3)モノステアリン酸グリセリル 0.5
(4)モノステアリン酸エチレングリコール(40E.O.) 0.5
(5)キャンデリラレジン*13
(6)赤色202号 1
(7)精製水 残 量
(8)1,3−ブチレングリコール 5
(9)トリエタノールアミン 0.2
(10)防腐剤(パラオキシ安息香酸エステル) 0.1
(11)アクリル酸アルキル共重合体エマルション*2 10
(12)ビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体*15
(13)エチルアルコール 3
(14)煙霧状無水ケイ酸*16
(15)雲母チタン 10
(16)二色性顔料(製造例12で得たもの) 5
(17)香料 0.5
*2 前出
*13 〃
*15 PVP/VAE−735(ISP社製)
*16 AEROSIL 300(日本アエロジル社製)
【0155】
( 製 法 )
A. 成分(1)〜(5)を110℃で加熱溶解し、(6)を加えて均一に混合する。
B. 成分(7)〜(17)を均一に混合し、80℃まで加温する。
C. AにBを加え、乳化する。
D. Cを室温まで冷却して容器に充填して製品とする。
【0156】
以上のようにして得られた水中油乳化型アイカラーは、二色性による立体感の化粧効果に優れ、化粧膜の均一性、安定性に優れたものであった。
【0157】
実 施 例 8
水系ファンデーション:
下記組成および製法により、水系ファンデーションを調製した。
【0158】
( 組 成 ) (%)
(1)フッ素化合物処理酸化チタン*17 7.5
(2)フッ素化合物処理タルク*17
(3)フッ素化合物処理セリサイト*17 3.1
(4)フッ素化合物処理ベンガラ*17 0.2
(5)フッ素化合物処理黄酸化鉄*17 1.1
(6)フッ素化合物処理黒酸化鉄*17 0.1
(7)二色性顔料(製造例17で得たもの) 3
(8)エチルアルコール 10
(9)(アクリル/アクリル酸アルキル)共重合体 1
エマルション*18
(10)トリエタノールアミン 1
(11)1,3−ブチレングリコール 5
(12)無水ケイ酸 0.2
(13)精製水 残 量
(14)グリセリン 7
(15)防腐剤(パラオキシ安息香酸エステル) 0.1
(16)ヒドロキシプロピルメチルセルロース 0.2
*17 いずれも、フルオロアルキルトリエトキシシラン3%処理したもの
*18 ウルトラゾールV−280C(固形分28%)(ガンツ化成社製)
【0159】
( 製 法 )
A: 成分(1)〜(11)を均一に混合する。
B: 成分(12)〜(13)を均一に混合する。
C: A、Bと成分(14)〜(16)を均一に混合する。
D: Cを脱泡し、容器に充填して製品とする。
【0160】
以上のようにして得られた水系ファンデーションは、二色性による立体感の化粧効果に優れ、化粧膜の均一性、安定性に優れたものであった。
【0161】
実 施 例 9
水中油型ファンデーション:
下記組成および製法により、含水化粧料である水中油型ファンデーションを調製した。
【0162】
( 組 成 ) (%)
(1)フッ素化合物処理酸化チタン*19
(2)フッ素化合物処理タルク*19
(3)フッ素化合物処理セリサイト*19 3.1
(4)フッ素化合物処理ベンガラ*19 0.2
(5)フッ素化合物処理黄酸化鉄*19 0.8
(6)フッ素化合物処理黒酸化鉄*19 0.2
(7)二色性顔料(製造例5で得たもの) 3
(8)エチルアルコール 8
(9)(アクリル/アクリル酸アルキル)共重合体 1
エマルション*20
(10)トリエタノールアミン 1.2
(11)1,3−ブチレングリコール 12
(12)セスキオレイン酸ソルビタン 0.3
(13)モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.) 0.5
(14)防腐剤(パラオキシ安息香酸エステル) 0.2
(15)精製水 残 量
(16)カルボキシビニルポリマー*21 0.1
(17)トリエタノールアミン 0.1
(18)ステアリン酸 1
(19)セトステアリルアルコール 0.6
(20)セスキオレイン酸ソルビタン 0.2
(21)モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.) 1
(22)スクワラン 7
*19 いずれも、フルオロアルキルトリエトキシシラン5%処理したもの
*20 SALCARE SC81(固形分30%)
*21 CARBOPOL 940(LUBRIZOL ADVANCED MATERIALS A社製)
【0163】
( 製 法 )
A: 成分(1)〜(14)を80℃で加熱混合する。
B: Aに成分(15)〜(17)を80℃に加熱して加え、混合分散する。
C: Bに成分(18)〜(22)を80℃に加熱して加え、乳化する。
D: Cを室温まで冷却し、脱泡して、容器に充填して製品とする。
【0164】
以上のようにして得られた水中油型ファンデーションは、二色性による立体感の化粧効果に優れ、化粧膜の均一性、安定性に優れたものであった。
【0165】
実 施 例 10
水系ほほ紅
下記組成および製法により、水系ほほ紅を調製した。
【0166】
( 組 成 ) (%)
(1)フッ素化合物処理タルク*22 0.2
(2)フッ素化合物処理ベンガラ*22 0.5
(3)フッ素化合物処理黄酸化鉄*22 0.3
(4)二色性顔料(製造例5で得たもの) 3
(5)エチルアルコール 1
(6)(アクリル/アクリル酸アルキル)共重合体 0.05
エマルション*20
(7)トリエタノールアミン 0.1
(8)1,3−ブチレングリコール 5
(9)無水ケイ酸 0.2
(10)精製水 残 量
(11)グリセリン 10
(12)防腐剤(パラオキシ安息香酸エステル) 0.1
(13)ヒドロキシプロピルメチルセルロース 0.5
*20 前出
*22 いずれも、フルオロアルキルトリエトキシシラン1.5%処理したもの
【0167】
( 製 法 )
A: 成分(1)〜(8)を均一に混合する。
B: 成分(9)〜(10)を均一に混合する。
C: A、Bと成分(11)〜(13)を均一に混合する。
D: Cを脱泡し、容器に充填して製品とする。
【0168】
以上のようにして得られた水系ほほ紅は、二色性による立体感の化粧効果に優れ、化粧膜の均一性、安定性に優れたものであった。
【0169】
実 施 例 11
水中油型日焼け止め
下記組成および製法により、含水化粧料である水中油型日焼け止めを調製した。
【0170】
( 組 成 ) (%)
(1)フッ素化合物処理酸化酸化チタン*19 16.5
(2)フッ素化合物処理酸化タルク*19 10
(3)フッ素化合物処理酸化ベンガラ*19 0.5
(4)フッ素化合物処理酸化黄酸化鉄*19
(5)二色性顔料(製造例15で得たもの) 0.5
(6)エチルアルコール 20
(7)(アクリル/アクリル酸アルキル)共重合体 3
エマルション*20
(8)トリエタノールアミン 3
(9)1,3−ブチレングリコール 5
(10)無水ケイ酸 1
(11)精製水 残 量
(12)コウジ酸 0.5
(13)クエン酸 0.1
(14)クエン酸ナトリウム 0.1
(15)エデト酸二ナトリウム 0.1
(16)ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸ナトリウム 0.2
(17)グリセリン 5
(18)防腐剤(パラオキシ安息香酸エステル) 0.2
(19)ステアリン酸 2
(20)セトステアリルアルコール 1
(21)モノステアリン酸グリセリル 0.5
(22)セスキオレイン酸ソルビタン 0.3
(23)モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.) 0.5
(24)トリ2−エチルへキサン酸グリセリル 10
*19 前出
*20 〃
【0171】
( 製 法 )
A: 成分(1)〜(9)を80℃に加熱して、均一に混合する。
B: Aに成分(10)〜(18)を80℃に加熱して加え、均一に混合分散する。
C: Bに成分(19)〜(24)を80℃に加熱して加えて乳化する。
D: Cを室温まで冷却して脱泡し、製品とする。
【0172】
以上のようにして得られた水中油型日焼け止めは、二色性による立体感の化粧効果に優れ、化粧膜の均一性、安定性に優れたものであった。
【0173】
実 施 例 12
下地化粧料
下記組成および製法により、含水化粧料である下地化粧料を調製した。
【0174】
( 組 成 ) (%)
(1)ローカストビーンガム 0.5
(2)アクリル酸・メタクリル酸アルキル(C10-30) 0.2
共重合体*23
(3)(アクリル/アクリル酸アルキル)共重合体 0.5
エマルション*20
(4)精製水 残 量
(5)トリエタノールアミン 0.2
(6)無水ケイ酸 5
(7)ナイロン粉体 5
(8)フッ素化合物処理酸化チタン*17
(9)フッ素化合物処理ベンガラ*17 0.1
(10)フッ素化合物処理黄酸化鉄*17 0.5
(11)フッ素化合物処理黒酸化鉄*17 0.1
(12)フッ素化合物処理タルク*17
(13)二色性顔料(製造例17で得たもの) 3
(14)防腐剤(パラオキシ安息香酸エステル) 0.1
(15)1,3−ブチレングリコール 15
(16)エチルアルコール 5
(17)ポリオキシエチレン20モル付加ソルビタントリオレート 1
(18)大豆レシチン 0.4
(19)流動パラフィン 1
(20)香料 適 量
*17 前出
*20 〃
*23 CARBOPOL 1342(LUBRIZOL ADVANCED MATERIALS A社製)
【0175】
( 製 法 )
A: (1)〜(4)を膨潤混合し、(5)で中和する。
B: (6)〜(18)を均一に混合する。
C: AにBを加え、混合し、(19)〜(20)を加え混合する。
D: Cを容器に充填して製品とする。
【0176】
以上のようにして得られた下地化粧料は、二色性による立体感の化粧効果に優れ、化粧膜の均一性、安定性に優れたものであった。
【0177】
実 施 例 13
水系ジェル状アイカラー:
下記組成および製法により、水系ジェル状アイカラーを調製した。
【0178】
( 組 成 ) (%)
(1)ジェランガム 0.5
(2)アクリル酸・メタクリル酸アルキル(C10-30) 0.2
共重合体*23
(3)(アクリル/アクリル酸アルキル)共重合体 0.5
エマルション*20
(4)キサンタンガム 0.5
(5)精製水 残 量
(6)トリエタノールアミン 0.2
(7)無水ケイ酸 5
(8)二色性顔料(製造例10で得たもの) 3
(9)二色性顔料(製造例16で得たもの) 3
(10)フッ素化合物処理黒酸化鉄*19 0.02
(11)防腐剤(パラオキシ安息香酸エステル) 0.1
(12)1,3−ブチレングリコール 10
(13)ポリオキシエチレン20モル付加ソルビタンモノオレート 1
(14)セスキオレイン酸ソルビタン 0.3
(15)ジメチルポリシロキサン(100CS) 0.5
(16)パーフルオロポリエーテル*24
(17)香料 適 量
*19 前出
*20 〃
*23 前出
*24 フォンブリン HC/04(ソルベイ ソレクシス社製)
【0179】
( 製 法 )
A: (1)〜(5)を膨潤混合し、(6)で中和する。
B: (7)〜(14)を均一に混合する。
C: AにBを加え、混合し、(15)〜(17)を加え混合する。
D: Cを容器に充填して、製品とする。
【0180】
得られた水系ジェル状アイカラーは、二色性による立体感の化粧効果に優れ、化粧膜の均一性、安定性に優れたものであった。
【0181】
実 施 例 14
水系マスカラ:
下記組成および製法により、水系マスカラを調製した。
【0182】
( 組 成 ) (%)
(1)カルボキシメチルセルロース 3
(2)カルボキシビニルポリマー*21 0.1
(3)トリエタノールアミン 0.1
(4)アクリル酸アルキル共重合体エマルション*2
(5)精製水 残 量
(6)水酸化ナトリウム 2
(7)エチルアルコール 2
(8)ポリビニルアルコール 5
(9)ナイロン繊維*25 10
(10)二色性顔料(製造例1で得たもの) 2
(11)二色性顔料(製造例7で得たもの) 2
(12)フェノキシエタノール 0.5
*2 前出
*21 〃
*25 太さ6.3T(デシテックス)、長さ2mm
【0183】
( 製 法 )
A: (1)〜(7)を均一混合する。
B: Aに(8)〜(12)を加えて、均一分散する。
C: Bを容器に充填して製品とする。
【0184】
以上のようにして得られたマスカラは、二色性による立体感の化粧効果に優れ、化粧膜の均一性、安定性に優れたものであった。
【0185】
実 施 例 15
油中水型アイブロウ:
下記組成および製法により、油中水型アイブロウを調製した。
【0186】
( 組 成 ) (%)
(1)オゾケライトワックス 3
(2)カルナウバワックス 1
(3)ミツロウ 3
(4)キャンデリラワックス 1
(5)キャンデリラレジン*13
(6)レシチン 1
(7)黒酸化鉄 10
(8)二色性顔料(製造例4で得たもの) 1
(9)有機変性ベントナイト*11
(10)軽質流動イソパラフィン 残 量
(11)パルミチン酸デキストリン 1
(12)1,3−ブチレングリコール 2
(13)精製水 20
(14)アクリル酸アルキル共重合体エマルション*2
(15)防腐剤(パラオキシ安息香酸エステル) 0.2
*2 前出
*11 〃
*13 〃
【0187】
( 製 法 )
A: (1)〜(11)を110℃で加熱し均一に混合する。
B: (12)〜(15)を均一に混合する。
C: AにBを加え室温で乳化する。
D: Cを容器に充填して製品とする。
【0188】
以上のようにして得られたアイブロウは、二色性による立体感の化粧効果に優れ、化粧膜の均一性、安定性に優れたものであった。
【0189】
実 施 例 16
水系アイブロウ:
下記組成および製法により、水系アイブロウを調製した。
【0190】
( 組 成 ) (%)
(1)カルボキシメチルセルロース 3
(2)カルボキシビニルポリマー*21 0.1
(3)トリエタノールアミン 0.1
(4)アクリル酸アルキル共重合体エマルション*2
(5)精製水 残 量
(6)水酸化ナトリウム 1
(7)エチルアルコール 2
(8)ポリビニルアルコール 5
(9)二色性顔料(製造例5で得たもの) 1
(10)フェノキシエタノール 0.5
*2 前出
*21 〃
【0191】
( 製 法 )
A: (1)〜(8)を均一混合する。
B: Aに(9)、(10)を加えて、均一分散する。
C: Bを容器に充填して製品とした。
【0192】
以上のようにして得られた水系アイブロウは、二色性による立体感の化粧効果に優れ、化粧膜の均一性、安定性に優れたものであった。
【0193】
実 施 例 17
油中水型アイカラー:
下記組成および製法により、油中水型アイカラーを調製した。
【0194】
( 組 成 ) (%)
(1)シリコーン処理タルク*26
(2)シリコーン処理酸化チタン*26
(3)シリコーン処理酸化鉄*26
(4)二色性顔料(製造例11で得たもの) 5
(5)二色性顔料(製造例3で得たもの) 5
(6)青色404号 0.5
(7)疎水化処理煙霧状無水ケイ酸*27 0.2
(8)ジオクタン酸ネオペンチルグリコール 5
(9)有機変性ベントナイト*11
(10)デカメチルペンタシロキサン 25
(11)アクリル酸アルキル/ジメチコンコポリマー*28
(12)セチルジメチコンコポリオール*29 2.7
(13)ナイロン末 1.5
(14)1,3−ブチレングリコール 2
(15)エチルアルコール 7
(16)精製水 残 量
(17)塩化ナトリウム 0.5
(18)アクリル酸アルキル共重合体エマルション*2
(19)防腐剤(パラオキシ安息香酸エステル) 0.05
*2 前出
*11 〃
*26 ジメチルポリシロキサン3%処理
*27 AEROSIL R972(日本アエロジル社製)
*28 シリコンKP−545(デカメチルシクロペンタシロキサン30%溶液)
(信越化学工業社製)
*29 ABIL EM90(ゴールドシュミット社製)
【0195】
( 製 法 )
A: (1)〜(12)を均一に混合する。
B: 成分(13)〜(19)を均一に混合する。
C: BをAに加え、室温で乳化する。
D: Cを容器に充填して製品とする。
【0196】
以上のようにして得られたアイカラーは、二色性による立体感の化粧効果に優れ、化粧膜の均一性、安定性に優れたものであった。
【0197】
実 施 例 18
油中水型ファンデーション(乳液状):
下記組成および製法により、乳液状の油中水型ファンデーションを調製した。
【0198】
( 組 成 ) (%)
(1)ベンガラ 0.5
(2)黄色酸化鉄 2
(3)黒酸化鉄 0.2
(4)酸化チタン 5
(5)二色性顔料(製造例5で得たもの) 3
(6)セリサイト 5
(7)合成金雲母 5
(8)ステアリン酸イヌリン*30
(9)ジカプリン酸ネオペンチルグリコール 15
(10)デカメチルシクロペンタシロキサン 20
(11)メトキシケイ皮酸オクチル 3
(12)香料 適 量
(13)ポリオキシエチレンメチルポリシロキサン共重合体*31
(14)ナイロン末 1
(15)防腐剤(パラオキシ安息香酸エステル) 0.1
(16)エチルアルコール 7
(17)精製水 残 量
(18)塩化ナトリウム 0.2
(19)アクリル酸アルキル共重合体エマルション*2
(20)ジプロピレングリコール 1
*2 前出
*30 レオパール ISK2(千葉製粉社製)
*31 KF−6019(信越化学工業社製)
【0199】
( 製 法 )
A: (8)〜(9)を80℃に加熱し溶解する。
B: Aに(1)〜(7)を加え、均一に混合分散する。
C: Bに(10)〜(13)を加えて混合する。
D:(15)〜(20)を混合溶解し、(14)を加えて混合分散する。
E: CにDを加え、室温で乳化する。
F: Eを容器に充填して製品とする。
【0200】
以上のようにして得られたファンデーションは、二色性による立体感の化粧効果に優れ、化粧膜の均一性、安定性に優れたものであった。
【0201】
実 施 例 19
二層アイカラー:
下記組成および製法により、水系二層アイカラーを調製した。
【0202】
( 組 成 ) (%)
(1)防腐剤(パラオキシ安息香酸エステル) 0.1
(2)グリセリン 6
(3)ヒドロキシプロピルメチルセルロース 0.2
(4)1,3−ブチレングリコール 10
(5)精製水 残 量
(6)エチルアルコール 15
(7)シリコーン処理酸化鉄*26 0.5
(8)シリコーン酸化チタン*26
(9)合成金雲母 3
(10)シリコーン処理雲母チタン*26
(11)二色性顔料(製造例8で得たもの) 5
(12)二色性顔料(製造例15で得たもの) 5
(13)香料 適 量
(14)(アクリル/アクリル酸アルキル)共重合体 0.2
エマルション*20
(15)トリエタノールアミン 0.05
(16)青色205号 0.002
*20 前出
*26 〃
【0203】
( 製 法 )
A: (1)〜(3)を均一に混合する。
B: (4)〜(16)を均一に混合分散する。
C: AとBを均一に混合する。
E: Cを容器に充填して製品とする。
【0204】
以上のようにして得られたアイカラーは、二色性による立体感の化粧効果に優れ、化粧膜の均一性、安定性に優れたものであった。
【0205】
実 施 例 20
油中水型口紅(クリーム状):
下記組成および製法により、クリーム状の油中水型口紅を調製した。
【0206】
( 組 成 ) (%)
(1)パルミチン酸デキストリン*32
(2)リンゴ酸ジイソステアリル 10
(3)流動パラフィン 15
(4)重質流動イソパラフィン 10
(5)トリー2エチルヘキサン酸トリグリセリル 残 量
(6)ジメチルポリシロキサン(10cs) 20
(7)防腐剤(パラオキシ安息香酸エステル) 0.1
(8)セチルジメチコンコポリオール*29
(9)ジメチルポリシロキサン(100cs) 2
(10)シリコーン処理雲母チタン*26
(11)シリル化処理無水ケイ酸*27
(12)二色性顔料(製造例5で得たもの) 0.5
(13)赤色226号 8
(14)シリコーン処理黄色酸化鉄*26 0.2
(15)シリコーン処理黒色酸化鉄*26 0.05
(16)ポリオキシエチレンメチルシロキサン・
ポリオキシプロピレンオレイルメチル 2
シロキサン・ジメチルシロキサン共重合体*33
(17)アクリル酸アルキル共重合体エマルション*2 0.1
(18)精製水 15
*2 前出
*26 〃
*27 〃
*29 〃
*32 レオパール KL2(千葉製粉社製)
*33 KF−6026(信越化学工業社製)
【0207】
( 製 法 )
A: (1)〜(9)を90℃にて加熱混合する。
B: Aに(10)〜(16)を加え、均一に混合分散する。
C: Bに(17)、(18)を加え、室温で乳化する。
D: Cを容器に充填して製品を得た。
【0208】
以上のようにして得られた口紅は、二色性による立体感の化粧効果に優れ、化粧膜の均一性、安定性に優れたものであった。
【0209】
実 施 例 21
水系アイライナー:
下記組成および製法により、水系アイライナーを調製した。
【0210】
( 組 成 ) (%)
(1)ポリオキシエチレンアルキル(12〜15)エーテルリン酸 3
(2)ポリオキシエチレンセチルエーテル 0.1
(3)L−アルギニン 0.1
(4)防腐剤(パラオキシ安息香酸エステル) 0.1
(5)1,3−ブチレングリコール 2
(6)精製水 残 量
(7)黒酸化鉄 5
(8)二色性顔料(製造例8で得たもの) 5
(9)二色性顔料(製造例14で得たもの) 10
(10)無水ケイ酸 3
(11)アクリル酸アルキル共重合体エマルション*1
(12)L−アルギニン 0.5
(13)アクリル酸アルキル共重合体エマルション*2 20
(14)フェノキシエタノール 0.2
(15)エチルアルコール 2
*1 前出
*2 〃
【0211】
( 製 法 )
A: (1)〜(6)を均一混合する。
B: Aに(7)〜(10)を加えて、均一分散する。
C: Bに(11)〜(15)を加えて、均一混合する。
D: Cを容器に充填して製品を得た。
【0212】
以上のようにして得られたアイライナーは、二色性による立体感の化粧効果に優れ、化粧膜の均一性、安定性に優れたものであった。
【0213】
実 施 例 22
油中水型マスカラ:
下記組成および製法により、油中水型マスカラを調製した。
【0214】
( 組 成 ) (%)
(1)ロジン酸ペンタエリスリット 20
(2)パルミチン酸デキストリン*32
(3)カルナウバワックス 3
(4)有機変性ベントナイト*11
(5)軽質流動イソパラフィン 残 量
(6)レシチン 0.3
(7)黒酸化鉄 8
(8)タルク 5
(9)二色性顔料(製造例12で得たもの) 5
(10)防腐剤(パラオキシ安息香酸エステル) 0.5
(11)アクリル酸アルキル共重合体エマルション*2
(12)酢酸ビニル重合体エマルション*4
(13)精製水 3
*2 前出
*4 〃
*11 〃
*32 〃
【0215】
( 製 法 )
A: 成分(1)〜(6)を110℃で混合し、成分(7)〜(10)を加えて均一に
混合する。
B: 成分(11)〜(13)をAに加えて室温で乳化する。
C: Bを容器に充填して製品とする。
【0216】
以上のようにして得られた油中水型マスカラは、二色性による立体感の化粧効果に優れ、化粧膜の均一性、安定性に優れたものであった。
【産業上の利用可能性】
【0217】
本発明の含水化粧料は、本発明の含水化粧料は、均一な化粧被膜を形成する高分子化合物と、耐水性が高い、鮮やかな二色性を有する顔料を使用するため、物性面では安定性、分散性が高く、また、化粧効果面では、鮮やかな二色性による立体感を付与することができる化粧料である。
【0218】
従ってこのものは、O/Wタイプ、W/Oタイプ、水系タイプ、多層タイプ等の種々のタイプの含水化粧料として、マスカラ、アイライナー、アイカラー、ファンデーション、化粧下地、ほほ紅、口紅、日焼け止め料、ボディーローション等の化粧料として有利に使用できるものである。
【符号の説明】
【0219】
1 … … 板状粒子基材(雲母、ガラス末、アルミフレーク)
2 … … 低次酸化チタン層
3 … … 入射光 (可視光)
4 … … 透過光 (特定の波長を失った光)
5 … … 反射光 (低次酸化チタン層表面からの反射光)
6 … … 反射光 (透過光4が基材1で反射された光)
7 … … 吸収光 (低次酸化チタン層で吸収された光)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)および(B):
(A)高分子の水分散物
(B)板状粒子上に低次酸化チタンの単層を形成させることで外観色と干渉色が異な
る二色性を呈する顔料
を配合することを特徴とする含水化粧料。
【請求項2】
前記、成分(B)の低次酸化チタン単層が次の組成式
TiO
(ここで、Xは1.0を超え、2.0未満の数を意味する)
で示される低次酸化チタンであることを特徴とする請求項1記載の含水化粧料。
【請求項3】
前記、成分(B)の低次酸化チタン単層が酸化窒化チタンを含む単層である請求項1または2記載の含水化粧料。
【請求項4】
前記、成分(B)の板状粒子が、天然または合成の金雲母、アルミフレークまたはガラス粉末である請求項1〜3の何れかに記載の含水化粧料。
【請求項5】
前記、成分(B)の二色性顔料が、ハンターのL、a、b表色系において、L値が25以上である請求項1〜4の何れかに記載の含水化粧料。
【請求項6】
前記、成分(B)の二色性顔料が、ハンターのL、a、b表色系において、b値が−3.0以下または3.0以上である請求項1〜5の何れかに記載の含水化粧料。
【請求項7】
前記、成分(A)の高分子の水分散物が、皮膜を形成する性質を有するものである請求項1〜6のいずれかに記載の含水化粧料。
【請求項8】
前記成分(A)の高分子の水分散物が、アルカリ剤で中和することにより増粘する性質を有するものである請求項1〜7のいずれかに記載の含水化粧料。
【請求項9】
前記成分(A)の高分子が、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸アルキル、メタクリル酸アルキル、酢酸ビニル、スチレンおよびビニルピロリドンから選ばれる1種又は2種以上のモノマーを重合させることにより得られたものであることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の含水化粧料。
【請求項10】
前記成分(A)の高分子が、アクリル酸アルキル共重合体、スチレン・アクリル酸アルキル共重合体、酢酸ビニル重合体およびビニルピロリドン・スチレン共重合体から選ばれる1種又は2種以上である請求項1〜9のいずれかに記載の含水化粧料。
【請求項11】
前記成分(A)の高分子が、アクリル酸およびメタクリル酸から選ばれる1種又は2種以上のモノマーを重合させることにより得られたものであることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の含水化粧料。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−235489(P2010−235489A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−84063(P2009−84063)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(000145862)株式会社コーセー (734)
【Fターム(参考)】