説明

含水量の重量測定のための測定機器

【課題】ユーザの安全を保証する重量水分判定のための測定器を提供する。
【解決手段】ハウジング20内に配置された計量装置40とを備え、計量装置が、試料を配置可能な荷重受け60を有し、可動ハウジング部22が、測定位置および装填位置を交互に占めることができ、装填位置では、試料を荷重受けに置くことができるように、固定ハウジング部22と可動ハウジング部とが互いに離間し、測定位置では、固定ハウジング部と可動ハウジング部とが、荷重受けの周りに、実質的に囲まれた試験区画30を形成し、試験区画に、荷重受けに配置された試料62を加熱する機能を果たす試料加熱手段70が配置された、含水量の重量測定のための測定機器10である。温度センサ80が、測定位置では、荷重受けの上方の箇所を占めるように、かつ装填位置では、実質的に荷重受けの側部の箇所を占めるように配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、含水量の重量測定のための測定機器に関する。
【背景技術】
【0002】
試料を乾燥させ、乾燥プロセスの前後にその重量を手動で判定することにより、試料の含水量が判定される。この方法は、面倒な手順を含むため、非常に費用が掛かり、間違いが起こりやすい。
【0003】
ある条件の下で、乾燥プロセス中に重量損失を判定することもできる。所与の試料について、漸近的に試料の乾燥重量に近づく重量/時間グラフによって、重量の測定値が、温度、経過した乾燥時間、および試験区画のパラメータの関数として減少する。使用可能な電子機能に基づき、適切に備えられた含水量の重量測定のための測定機器は、グラフの測定パラメータおよび乾燥時間から試料の含水量を計算して、表示ユニットに含水量を表示することができる。この方法によれば、試験中の材料を完全に乾燥させる必要がなくなる。重量/時間図の2つの測定点の座標を判定することにより、十分な情報が得られるからである。
【0004】
前述したように、試料の重量の変化は、基本的に温度、経過した乾燥時間、および試験区画のパラメータの関数である。主として試験区画により満たされるべき要件のため、現在市販されている機器は、精度が限られている。
【0005】
「試験区画」という用語は、測定機器のハウジングにより囲まれた、試料の投入または取出しのために開閉可能な空間を意味する。試験区画内には、試料受けと、試料を加熱するための手段とが配置される。試料受けは、重量測定機器に接続される。
【0006】
通常、試料は、平坦な試料受け、例えば試料トレイ上に薄層状に広げられる。トレイは、試料の均一な加熱を達成するために、好ましくは水平面に延びる、試料加熱手段の面に平行な重量水分判定機器の内側に配置される。
【0007】
試料加熱手段として使用される装置は、輻射加熱器、マイクロ波発振器、ハロゲンランプ、および石英灯等の種々の線源を含む。実験により証明されたように、既存の重量水分判定機器の測定値の判定が不正確になる主な原因の1つは、使用する線源の性質、および試験区画の配置にある。
【0008】
前述した種類の含水量の重量測定のための測定機器が、特許文献1に記載されている。この機器では、重量水分判定機器の外側で、ウェーパンの装填が行われる。試料を装填/取出しするために、引出し状のキャリッジに配置された天秤を、機器ハウジング外に摺動させる。
【0009】
線源として、装置の動作状態では試料受けの上方に配置される、リング状のハロゲンランプが使用されている。さらなる設計構成の例が、特許文献2に公開されている。例えば、ハウジングの一部を水平方向に旋回移動させることにより装填のために開放される測定機器が開示されている。さらなる実施形態では、ハウジングの一部を垂直方向に旋回させる。同様に、特許文献3に開示された測定機器は、ハウジングの一部を垂直方向に旋回させることにより装填のために開放される。
【0010】
これらのタイプの設計の一部には、線源(以下、試料加熱手段とも称する)が装填プロセス中に露出されるという欠点がある。測定が完了した後、これらの線源および/またはオーブン壁は高温になるため、ユーザが負傷するおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】EP0611956B1
【特許文献2】EP1850110A1
【特許文献3】米国特許第7,851,712(B2)号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、本発明の目的は、ユーザの安全を保障する、重量水分判定のための測定機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本課題は、請求項1およびその従属請求項による、本発明の重量水分判定のための測定機器により解決される。
本発明の重量水分判定のための測定機器は、ハウジングと、ハウジング内に配置された計量装置とを備え、計量装置は、試料を配置可能な荷重受けを有する。ハウジングは、下部固定ハウジング部と、上部可動ハウジング部とを有する。可動ハウジング部は、測定用位置および装填用位置をそれぞれ占めることができ、装填位置では、試料を荷重受けに置くことができるように、固定ハウジング部と可動ハウジング部とが互いに離間する。測定位置では、固定ハウジング部と可動ハウジング部とが、荷重受けの周りに、実質的に囲まれた試験区画を形成する。試験区画には、荷重受けに配置される試料を加熱するための手段が配置される。本発明によれば、温度センサが、測定位置では、荷重受け上方の箇所を占めるように、かつ装填位置では、実質的に荷重受けの側部にあるように配置される。この構成によれば、機器が測定位置にあるときに、試料について正確な温度値を判定することができる。機器が装填位置にある状態では、温度センサは、試料を定位置に置くユーザの邪魔にならないようになっている。
【0014】
本文脈における「ハウジング部」という用語は、そのハウジング部に取り付けられる機器の要素を含むものである。一般に、試料加熱手段が可動ハウジング部に配置され、計量装置、試料受け、および電子モジュールが、固定ハウジング部に配置される。
【0015】
好ましくは、温度センサは、測定位置から装填位置への変化とともに上方および側方へ移動するように設計される。理想的には、このような温度センサの側方および上方への移動は、ユーザから離れた方向に向けられ、試料受けに自由にアクセスできるようになっている。
【0016】
理想的には、温度センサは、固定ハウジング部に取り付けられたロッドに配置される。したがって、温度センサおよびロッドは、可動ハウジング部の位置変化に関与していない。
【0017】
好ましくは、ロッドは支点により固定ハウジング部に取り付けられる。理想的には、支点の軸が実質的に水平である。測定位置から装填位置へ移動する際に、この構成により、ロッドを温度センサとともに、試料受けから離れて上方および側方へ同時に円弧状に移動させることができる。あるいは、単なる側方移動も考えられる。
【0018】
異なる機構を使用して、ロッドを測定位置から装填位置へ移動させることができる。1つの実現可能な構成では、測定位置でばね要素によりロッドに予め張力を掛けて、ばね要素の弾性力によりロッドを測定位置から装填位置へ移動させることができるようにする。測定位置では、ばね要素が、好ましくは、可動ハウジング部により張力を受けて保持される。可動ハウジング部が測定位置から装填位置へ動かされると、ロッドも温度センサとともに測定位置から装填位置へ自動的に移動する。
【0019】
測定位置では、理想的には、温度センサが試料加熱手段と荷重受けとの間に位置し、試料加熱手段が可動ハウジング部内に配置される。この構成によれば、温度センサは試料の近くに位置し、試料の温度が最高の精度で判定される。
【0020】
好ましくは、固定ハウジング部のみをライン電力に接続し、温度センサに固定ハウジング部から電気を供給することができる。この構成は、温度センサの電源接続を、可動ハウジング部を通して行う必要がないという利点を有する。装填位置では可動ハウジング部に電流が供給されないが、固定ハウジング部に取り付けられた温度センサは、引き続き電力を受け、例えば周囲条件の測定に使用され得る。
【0021】
理想的には、測定機器が、第1の部分と第2の部分とを有する電気接触手段を備える。電気接触手段の第1の部分が固定ハウジング部に接続され、電気接触手段の第2の部分が可動ハウジング部に接続される。測定位置では、電気接続が、電気接触手段の第1の部分と第2の部分とにより存在する。装填位置では、電気接触手段の第1の部分と第2の部分との電気接続が遮断される。さらに、電気接触手段によってのみ、可動ハウジング部に電気が供給される場合、装填段階中に可動ハウジング部に電圧が加えられることはない。固定ハウジング部に固定された温度センサには、装填位置でも電気が供給される。これは、装填中に温度センサを使用して温度を測定することもできることを意味する。例えば、装填段階中に周囲温度を測定することができる。
【0022】
好ましい実施形態では、位置変化手段を用いて、可動ハウジング部を測定位置から装填位置へ並進移動させることができる。この移動により、電気接触手段および/または電子接触手段の第1の部分と第2の部分との電気接触を遮断することができる。
【0023】
有利には、電気接触手段および/または電子接触手段は、プラグイン接続、すなわち、プラグとソケットとの接続として構成される。ソケット内へのプラグの挿入は、実質的に垂直方向に行われる。給湯器で使用される種類の枢動可能な同心プラグ接続が、電気接触手段として特に適切であることがわかっている。この枢動可能な同心プラグ接続は、電気接点の開閉時に特に頑丈で信頼性が高い。
【0024】
好ましくは、可動ハウジング部が、水平方向および垂直方向に同時に移動可能である。可動ハウジング部の移動、詳細には並進変位が、平行変位として行われる。この変位により、可動ハウジング部が上方および後方、すなわちユーザから離れる方向に同時に移動する。理想的には、可動ハウジング部が、位置変化要素により固定ハウジング部に取り付けられる。可動ハウジング部が装填位置から測定位置へ移動すると、この移動により、電気接触手段が互いに接続される。
【0025】
好ましい実施形態では、装置の測定位置および装填位置の両方で、可動ハウジング部が固定ハウジング部の上方に位置する。これは、可動ハウジング部が、水平移動方向において固定ハウジング部よりもかなり短い構成で実現可能である。理想的には、可動ハウジング部の長さが、固定ハウジング部の長さの半分よりも短い。位置変化手段は、可動ハウジング部が移動するときに、固定ハウジング部上方の位置に常にあるように設計される。
【0026】
本発明の好ましい実施形態では、位置変化手段を用いて、可動ハウジング部を測定位置から装填位置へ動かすことができる。
好ましくは、可動ハウジング部が、水平方向および垂直方向に同時に移動可能である。可動ハウジング部の移動、詳細には並進位置変化が、平行変位として行われる。この変位により、可動ハウジング部が上方および後方、すなわちユーザから離れる方向に同時に移動する。理想的には、可動ハウジング部が、位置変化要素を通して固定ハウジング部に取り付けられる。
【0027】
好ましい実施形態では、装置の測定位置および装填位置の両方で、可動ハウジング部が固定ハウジング部の上方に位置する。これは、可動ハウジング部が、水平移動方向において固定ハウジング部よりもかなり短い構成で実現可能である。理想的には、可動ハウジング部の長さが、固定ハウジング部の長さの半分よりも短い。位置変化手段は、可動ハウジング部が移動するときに、固定ハウジング部上方の位置に常にあるように設計される。
【0028】
理想的には、測定位置では試料加熱手段が試料受けの上方に位置し、装填位置では試料加熱手段が固定ハウジング部の上方に位置するように、加熱手段が可動ハウジング部に配置される。これは、試料を上方から加熱できるという利点を有する。試料加熱手段を上部に配置すると、汚れが溜まりにくい。
【0029】
加熱手段は、測定位置から装填位置へ可動ハウジング部とともに旋回し得るように設計される。これは、測定位置または装填位置のいずれにおいても、ユーザが加熱手段に誤って触れるおそれがないため、負傷の危険が減るという重要な利点を有する。
【0030】
理想的には、可動ハウジング部の試料加熱手段の構成は、測定位置では試料加熱手段が試料受けの上方に位置し、装填位置では試料加熱手段が固定ハウジング部の上方に位置するようになっている。加熱手段を上部に配置すると、汚れが溜まりにくい。
【0031】
理想的には、測定位置および/または装填位置における加熱手段が、実質的に試料受け上方の水平面に延びる。
保守の目的で、可動ハウジング部の少なくとも一部を、実質的に水平な傾斜軸の周りで装填位置から保守位置へ枢動させることができる。可動ハウジング部の傾斜可能な部分は加熱手段を備え、保守位置で、保守技術者が保守のためにこの加熱手段にアクセス可能になっている。保守位置では、加熱手段が実質的に垂直位置を向き、ユーザ側を向いている。この構成によれば、加熱手段に容易にアクセスすることができ、簡単な方法で保守を行うことができる。保守位置における温度センサの位置は、装填位置における温度センサの位置と同一である。
【0032】
本発明による測定機器の詳細について、図面に示す実施形態の記載から知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明による測定機器の、測定位置における概略を示す断面図である。
【図2】図1の測定機器の、装填位置における概略を示す断面図である。
【図3】図3aは、温度センサを有する、本発明によるさらなる測定機器の概略図であり、温度センサが測定位置にある図である。図3bは、温度センサが装填位置にある、図3aの測定機器の概略図である。
【図4】本発明による測定機器の、測定位置における等角図である。
【図5】装填位置における図4の測定機器を示す図である。
【図6】保守位置における図4の測定機器を示す図である。
【図7】ガラスシールドおよび通風プロテクタを部分的に取り外した、保守位置における図6の測定機器を示す図である。
【図8】ガラスシールドのない、保守位置における図7の測定機器の可動ハウジング部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1および2は、本発明による測定機器10の、測定位置(図1)および装填位置(図2)における概略断面図である。測定機器10は、試験区画30が配置されるハウジング20を有する。ハウジング20は、可動ハウジング部22と固定ハウジング部21とに細分される。機器の使用時に、固定ハウジング部21は硬い支持面に立っている。可動ハウジング部22は、固定ハウジング部に取り付けられる。後部、すなわち、ユーザから離れた方向を向いた試験区画30の側で、計量装置40が固定ハウジング部21内に配置される。可動ハウジング部22は、並進運動ガイド24により固定ハウジング部21上で拘束される。並進運動ガイド24は、可動ハウジング部22が、測定位置から装填位置への移動中に、実質的に一定の向きを維持するように構成される。言い換えると、移動中に、可動ハウジング部22は、固定ハウジング部21に対して実質的に平行なまま留まる。中空体として構成される固定ハウジング部21は、伝達手段52により互いに接続された計量セル43と少なくとも1つの電子モジュール90とを含む。電子モジュール90は、少なくとも1つの単一処理モジュール(詳細には図示せず)と、場合によっては、制御および/または調整モジュールとを備える。計量セル43は、少なくとも1つの固定部41と、荷重受け部42とを有する。最新式の計量セルは、例えば、ひずみゲージを保持する弾性変形体、電磁力補償の原則により動作する計量セル、揺動ストリングを有する計量セル、容量性計量センサ等を備える。計量セル43の固定部41は、固定ハウジング部21に強固に接続される。荷重受け部42には接続部材47が配置され、この接続部材47を通して、試料受け60が計量セル43の荷重受け部42に接続される。図示したように、試料62を載せた試料トレイ61を試料受け60にセットすることができる。試料受け60が適切に構成されると、当然、試料62を試料受け60に直接置くことができる。
【0035】
図1に示す測定機器10は測定位置にあり、これは、測定機器10上の試料受け60および試料トレイ61が、試験区画30内部にあることを意味する。固定ハウジング部21および可動ハウジング部22は、試料受け60の周囲に実質的に囲まれた試験区画30を形成する。加熱手段70は、試料受け60の面に実質的に平行に配置され、少なくとも試料62の表面にできるだけ均一な熱分配が得られるようになっている。試料62の下面が放射を受けるように、さらなる加熱手段を試料受け60下方の試験区画30に配置することもできる。しかし、加熱手段70を試料受け60の面に平行に配置することは必ずしも必要ではない。試料62および実施する測定に応じて、加熱手段70を試料受け60に対して斜めに配置することも有利となり得る。
【0036】
試料62が発する水分を試験区画30から逃がすことができるように、ハウジング20は、可動ハウジング部22の適切な位置、好ましくは加熱手段70上方に配置された出口通気口27を有する。試験区画30内部に十分な空気循環を発生させるために、さらなる通気口を適切な位置に設けるべきである。
【0037】
図1の測定機器10は、測定位置において示される。固定ハウジング部21および可動ハウジング部22は、実質的に囲まれた試験区画30を形成する。試験区画30は、上部で可動ハウジング部22により、かつ底部で固定ハウジング部21により、実質的に区切られる。加熱手段70は、可動ハウジング部22内に配置される。理想的には、加熱手段70は、解放可能なプラグイン接続により可動ハウジング部22に機械的に接続される。したがって、加熱手段70を、清掃または修理のために簡単に取り外すことができる。さらに、プラグイン接続を使用することにより、測定機器10のユーザは、異なる機能特性を有する異なる加熱手段から選択することができる。これにより、ユーザは、試験区画内部の状態を特定の試料62に合わせることができる。
【0038】
測定機器10は、固定ハウジング部21内に配置される電子モジュール90を備える。電子モジュール90は、種々の制御/調整装置を有する。とりわけ、電子モジュール90は、加熱手段70の制御および調整のための制御/調整装置を備える。図で概略を示す温度センサ80は、試料62の温度を測定し、加熱手段70の調整に必要な情報を制御/調整装置35に送る機能を果たす。制御/調整装置35は、さらに、少なくとも1つの伝達手段52により計量装置40、特に電子モジュール90に接続される。伝達手段52は、電気信号および/または電子信号を伝送する機能を果たす。この結果、制御/調整装置35は、電子モジュール90から信号を受信することができる。測定機器10には、電気接続部88により電力が供給される。電源接続部88は、固定ハウジング部21に配置される。好ましくは、固定ハウジング部21によってのみ、電流が送られる。したがって、ユーザまたは保守技術者は、保守作業中に電気ショックを受ける危険がない。
【0039】
制御/調整装置35および温度センサ80は、伝達手段51により互いに接続される。さらに、制御/調整装置35および試料加熱手段70は、さらなる伝達手段53により互いに接続される。伝達手段51、53は、各装置部品間で電気信号および電子信号を伝送する機能を果たす。測定プロセス中、試験区画30の温度を温度センサ80により測定する。温度センサ80により発生する温度信号が、伝達手段51により制御/調整装置35に伝送される。制御/調整装置35について、温度信号は入力信号であり、これに基づいて試料加熱手段70が制御される。測定位置では、温度センサ80は、試料受け60と試料加熱手段70との間に位置する。この構成により、測定に関連する温度値を得ることができる。温度センサを異なる位置に配置することもできる。しかし、これにより得られる温度値は、試験区画内の熱レベルを示す精度が低い。温度センサ80は、固定ハウジング部21に固定されたロッド81に配置される。ロッド81は実質的に硬く、第1の端部および第2の端部を有する。第1の端部には温度センサ80が配置され、第2の端部は固定ハウジング部21に接続される。第2の端部が固定ハウジング部21に接続されることにより、温度センサ80の動作に、固定ハウジング部21から可動ハウジング部22への電気接続および/または電子接続が必要ではなくなる。
【0040】
伝達手段51は、ロッド81上またはロッド81の内側に配置される。ロッド81は、支点82で旋回することができる。支点82は、ロッド81の第2の端部にあり、ほぼ水平な枢軸83を有する。
【0041】
ロッド81および支点83は、測定位置から装填位置への変化中に、温度センサ80が垂直面で円形経路に沿って移動するように配置される。円形経路が別の面、すなわち非垂直面にある構成も可能である。例えば、支点の軸を実質的に垂直方向に向け、測定位置から装填位置への変化中に、温度センサ80を水平面の円形経路に拘束するようにしてもよい。
【0042】
測定位置では、ロッド81が、ばね要素84のばね張力により強制偏倚される。可動ハウジング部22が測定位置から装填位置へ動かされると、ロッド81は、予め張力を掛けたばね要素84の弾性力により試料受け60から離れた方向に移動する。したがって、装填位置では、温度センサ80およびロッド81が試料受け60へのアクセスを遮ることがなく、測定機器の装填が容易になる。理想的には、ばね要素84がねじりばねにより構成され、このねじりばねのトルク軸が支点83の軸に一致する。当然、例えば圧縮ばね要素等の他のばね要素を使用することもできる。いずれの場合にも、ばね要素を、測定位置では弾性偏倚するように、かつ装填位置では応力が掛からずあまり偏倚しないように構成する必要がある。
【0043】
試料加熱手段70が可動ハウジング部22に配置され、制御/調整装置35が固定ハウジング部21に配置されるので、伝達手段53は、電気信号および/または電子信号を固定ハウジング部22から可動ハウジング部21へ伝送する必要がある。これは、例えば可撓性ケーブルを使用して達成することができる。しかし、可動ハウジング部21の位置変化により、このケーブルは、曲げサイクルを受けて摩耗するおそれがある。
【0044】
この問題は、第1の部分86および第2の部分87を有する電気接触手段を使用することにより、回避することができる。ここでは、第1の部分86が可動ハウジング部22に接続され、第2の部分87が固定ハウジング部21に接続される。この概念では、電気接触手段の第1および第2の部分86、87が、測定位置において電気接続を形成し、装填位置において電気接続が遮断されるように配置される。装填位置において、試料加熱手段70に電気が供給されないことが、この構成の重要な利点である。理想的には、制御のための電子機器が、固定ハウジング部22のみに配置される。試料加熱手段70の制御が、第1および第2の電気接触手段86、87によってのみ行われる。したがって、制御信号を可動ハウジング部21に伝送するのに接続は必要ない。このことは、温度センサ80を固定ハウジング部21に配置するさらなる理由となる。温度センサ80を可動ハウジング部22に配置する場合には、固定ハウジング部21と可動ハウジング部22との間で信号を伝送する必要がある。本発明による測定機器10のさらなる利点として、温度センサ80により、装填位置で温度を測定し記録することもできる。したがって、例えば、装填プロセス中に周囲温度を測定することができる。
【0045】
電気接触手段86、87は、プラグイン接続を含み、電気接触手段86の2つの部分のうちの一方がプラグとして構成され、他方がプラグと協働するソケットとして構成される。プラグ接続の挿入方向は、実質的に垂直方向である。
【0046】
図2は、図1の測定機器10を装填位置において示す。並進運動ガイド24により、可動ハウジング部22を固定ハウジング部21から離れる方向に移動させることができ、これにより測定機器10が測定位置から装填位置へ動かされる。この位置変化において、可動ハウジング部22は、実質的に単なる並進変位を受ける。装填位置では、可動ハウジング部22が、固定ハウジング部21の上方および計量装置40の上方に位置する。この位置における試料加熱手段70は、可動ハウジング部22と固定ハウジング部21との間に位置する。これにより、非常に高温になり得る試料加熱手段70に誤って触れることを防ぐ。
【0047】
装填位置へ変化するときに、温度センサ80を試料受け60から離れるように上方および側方に移動させる。これにより、温度センサ80は、試料受け60の装填に干渉することがなくなる。
【0048】
装填位置では、電気接触手段86、87が遮断される。固定ハウジング部21から可動ハウジング部22へ流れる電気はない。可動ハウジング部22には、それ自体の電源接続部がないため、装填位置において可動ハウジング部22に電流が入ることはない。
【0049】
図3aおよび3bは、本発明によるさらなる測定機器110を概略図で示す。図3aは、測定位置における測定機器110を示し、図3bは、装填位置における同一の測定機器110を示す。
【0050】
測定機器110は、固定ハウジング部121および可動ハウジング部122を有するハウジング120を備える。
機器が測定位置にあるときに、固定ハウジング部121および可動ハウジング部122は、実質的に囲まれた試験区画130を形成し、この試験区画130に試料受け160が位置する。試料受け160の上方には試料加熱手段170が配置される。試料加熱手段170は、可動ハウジング部122に強固に接続される。温度センサ180は、ロッド181上に配置される。ロッド181は、第1および第2の端部を有する。第1の端部には温度センサ180が取り付けられ、第2の端部は固定ハウジング部121に枢動可能に接続される。機器の測定位置では、温度センサ180が、荷重受け160の上方かつ試料加熱手段170の下側に位置する。装填位置では、温度センサ180が、荷重受け160の側から実質的に離れて位置する。これは、ロッド181が硬く、支点182により固定ハウジング部121に接続される設計によって達成される。理想的には、支点182の軸183が水平方向に向けられる。測定位置では、ロッド181をばね要素の弾性力によりばね偏倚させることができる。可動部122が測定位置から装填位置へ移動すると、ロッド181が、ばね要素の偏倚力により上方および側方へ円弧状に移動する。測定位置では、ばね要素が、好ましくは、可動ハウジング部122により予め張力を掛けた状態で保持される。
【0051】
実現可能な最も安定した測定結果を得るために、試験区画(図6〜8参照)内部に内部通風シールドを配置することができる。この内部通風シールドは、試料受け160および試料加熱手段170を囲むように配置され、空間のほぼ囲まれた部分を区切る。内部通風シールドは、上部174および下部165を含むことができる。上部174は、可動ハウジング部122に配置される。内部通風シールドの上部174は、試料受け側に開いた円筒形内部空間を形成する。この円筒形内部空間には、試料加熱手段が配置される。内部通風シールドの上部は、円筒形の周囲壁のみから構成され得る。しかし、円筒が、機器の測定位置および装填位置において水平方向を向いた上端壁を有すると有利である。この端壁は、好ましくは試料加熱手段170の上方に配置される。理想的には、試料加熱手段170側を向いた端壁の側が熱反射する。これにより、発生する熱の一部が内部通風シールドにより反射されて、試料受け160に位置する試料の加熱に使用される。内部通風シールドの下部165が、固定ハウジング部121に配置される。内部通風シールドの下部165は、試料加熱手段170側に開いた円筒形内部空間を形成する。この円筒形内部空間には、試料受け160が配置される。測定位置では、内部通風シールドの上部174の内部空間と内部通風シールドの下部165の内部空間とが、チャンバを形成し、そのチャンバ内に試料加熱手段170および試料受け160が位置する。内部通風シールドの上部および下部165、174を、1つの材料から形成しても、複数の部分から組み立ててもよい。
【0052】
図4、5、6、7および8は、本発明による測定機器210の異なる位置における実施形態を示す。測定機器210は、図1および2の概略図の記載で覆われていたすべての部品を備える。
【0053】
図4は、測定位置における本発明の測定機器210を示す。測定位置ではハウジング220が閉じられているため、部品の多くは見ることができない。ハウジング220は、固定ハウジング部221と可動ハウジング部222とを有する。測定位置では、固定ハウジング部221および可動ハウジング部222が、実質的に囲まれた試験区画を形成する。可動ハウジング部222は、ハウジング220内部の試験区画から周囲雰囲気へガスを逃がすことのできる出口通気口227を有する。有利には、機器の測定位置で、出口通気口227が、可動ハウジング部222の上側に位置する。ハウジング220内部に同様に配置された試料加熱手段170の上方に出口通気口227がある構成が、特に有利である。
【0054】
図5は、装填位置における図4の測定機器210を示す。可動ハウジング部222は、並進移動により測定位置から装填位置へ動かされる。この並進移動を可能にするために、可動ハウジング部222を、並進運動ガイド224により固定ハウジング部221に接続する。並進運動ガイド224は、2つの実質的に平行な枢動脚を有し、これらの枢動脚の向きは、可動ハウジング部222の並進移動の方向を定める。
【0055】
固定ハウジング部221は細長い形状である。計量装置は、大部分が固定ハウジング部221により囲まれる。計量装置に接続された試料受け260のみが、固定ハウジング部221から側方に突出する。試料トレイ、るつぼ等の種々の形状の容器を、試料受け260に置くことができる。固定ハウジング部221は、ユーザから離れた方向を向いた試料受け260の側に位置する部分を有する。
【0056】
有利には、この部分に計量装置が配置される。装填位置では、可動ハウジング部222が、固定ハウジング部221の上方、理想的には、試料受け260の側に位置する部分の上方に位置する。
【0057】
可動温度センサ280は、枢動可能に取り付けられたロッド281上に配置される。図3aおよび3bの概略図に示すように、ロッド281は支点により固定ハウジング部に接続される。支点の軸は、同様に水平方向に向けられ、ロッド281は同様にばね力により測定位置で弾性偏倚される。測定位置では、温度センサ280が、試料加熱手段270と試料受け260との間に位置する。装填位置では、温度センサ280およびロッド281が、試料受け260から横方向および上方に取り外される。これにより、温度センサ280がユーザの邪魔になることなく、測定機器210に試料を装填することができる。
【0058】
試料加熱手段270は、可動ハウジング部222に配置される。測定中、試料加熱手段270は高温になるため、試料受け260の加熱手段下方に配置された試料が加熱される。加熱には電流が必要である。したがって、固定ハウジング部221は、測定機器210の裏面に配置された電源コネクタ288を備える。可動ハウジング部は、それ自体の電源接続部を有していない。したがって、電流を固定ハウジング部221から可動ハウジング部222へ伝送する必要がある。これは、第1の部分286と第2の部分287とを有する電気接触手段により達成される。電気接触手段の第1の部分286が可動ハウジング部222に接続され、電気接触手段の第2の部分が固定ハウジング部221に接続される。電気接触手段の2つの部分286、287は、測定位置で、一方から他方への電気接触が存在し、試料加熱手段270に電流が供給されるように配置される。装填位置では、電気接触手段286、287による接触はない。電気接触は、可動ハウジング部222の移動により自動的に生じる。給湯器で使用される種類の枢動可能な同心プラグ接続が、電気接触手段として特に適切であることがわかっている。この枢動可能な同心プラグ接続は、電気接点の開閉時に特に頑丈で信頼性が高い。しかし、他の構成も同様に考えられる。プラグ/ソケット接続が特に適切である。
【0059】
この構成によれば、測定位置では、電気接触手段286、287の第1および第2の部分により電気接続が存在するが、装填位置では、電気接触手段286、287の第1および第2の部分間の接続は遮断される。したがって、装填位置では、加熱手段に電力が掛からないため、負傷の危険が減る。電気接触手段286の第2の部分は、図5では可動ハウジング部222に覆われているため見えない。
【0060】
試験区画内の乱気流を低減するため、試料受け260を囲む内部通風シールド265、274を、試験区画内に配置することができる。この通風シールド265、274は、好ましくは、試料トレイの外形および/または試料加熱手段270の外形に一致するように設計される。使用される試料トレイが通常円形であるため、円形の外形を有する内部通風シールド265、274を使用することが考えられる。内部通風シールドは、上部274および下部265を有することができる。上部274は、可動ハウジング部222に配置される。内部通風シールドの上部274は、試料受け側に開いた円筒形内部空間を囲む。この円筒形内部空間には、試料加熱手段270が配置される。内部通風シールドの上部は、円筒形の周囲壁から構成され得る。円筒が、少なくとも試料受け上方の部分境界面、好ましくは円筒端壁をさらに有すると有利である。この面は、好ましくは試料加熱手段270の上方に配置される。理想的には、試料加熱手段270側を向いた端壁の側が熱反射する。これにより、発生する熱の一部が内部通風シールドにより反射されて、試料受け260に位置する試料の加熱に使用される。加えて、端壁は開口を有することができ、ガスを試験区画から端壁の開口およびハウジング220の出口通気口227を通って外部雰囲気に逃がすことができるようなっている。しかし、端面に開口がなくてもよい。
【0061】
内部通風シールドの下部265が、固定ハウジング部221に配置される。内部通風シールドの下部265は、試料加熱手段270側に開いた円筒形内部空間を形成する。この円筒形内部空間には、試料受け260が配置される。測定位置では、内部通風シールドの上部274の内部空間と内部通風シールドの下部265の内部空間とが、チャンバを形成し、このチャンバ内に試料加熱手段270および試料受け260が位置する。内部通風シールドの上部および下部265、274を、1つの材料から形成しても、複数の部分から組み立ててもよい。
【0062】
試料トレイを試験区画で定位置にセットするために、試料トレイホルダ266を使用することができる。試料トレイホルダ266は、ハンドル267および試料トレイの着座面268を有する。試料トレイの搬送中は、試料トレイの縁が着座面268に載置される。測定中は、試料トレイは試料受け260のみに載置され、試料トレイホルダ266が試料トレイに触れることはない。特に、試料トレイホルダ266の重量を計量装置が受けることはない。
【0063】
図6では、図4および5の本発明の測定機器210を保守位置において示す。保守位置に達するために、可動ハウジング部222の一部を、実質的に水平な枢軸225の周りで装填位置から保守位置へ旋回させていた。試料加熱手段270は、可動ハウジング部222の枢動部に配置され、保守位置への変化中に可動ハウジング部222の枢動部とともに旋回する。その結果、保守のために可動ハウジング部222の部品に容易にアクセスすることができる。上部ハウジング部222には試料加熱手段270が配置される。測定プロセス中、試料加熱手段270はガラスシールド272により保護される。内部通風シールドの上部274が試料加熱手段270を囲む。
【0064】
試料加熱手段270、ガラスシールド272、および内部通風シールド274の位置および構成をより明確に示すために、図7に内部通風シールドの上部274を部分的に取り外した状態の測定機器220を示し、図8にガラスシールド272のない可動ハウジング部222を示す。
【0065】
内部通風シールド274の円筒端壁には、試料加熱手段270により発生する熱放射を反射する機能を果たす反射面が配置される。反射は、円筒端面の適切な反射材料または円筒端面の反射被覆によっても達成することができる。実質的に円形の光遮蔽バリア273が、試料加熱手段270により発生する熱線を集中させる機能を果たす。
【0066】
保守位置では、試料加熱手段270が垂直方向に向けられる。内部通風シールドの上部274の少なくとも一部が、プラグイン接続により可動ハウジング部222に取り付けられる。保守位置では、プラグイン方向は実質的に垂直方向である。ガラスシールド272は、光遮蔽バリア273と、内部通風シールドの上部274の一部との間に締結される。ガラスシールドを取り外すために、内部通風シールド274の一部のみをプラグイン接続から引き出す必要がある。続いて、ガラスシールドを、道具を使わずに、単に引き出すことにより取り外すことができる。ガラスシールド272を容易に取り外せることは、汚れやすいガラスシールド272の取出しおよび清掃が容易になるため特に有利である。
【0067】
ガラスシールド272および/または内部通風シールドの上部274の一部を、ガイドトラック275により制御方向に可動ハウジング部から引き出すことができる。保守位置では、ガイドトラック275は、実質的に垂直方向である。
【0068】
ガラスシールド272の取外しは、保守開口223によりさらに容易になる。保守開口223は、可動ハウジング部222のアクセス開口であり、保守位置においてのみ開き、測定位置または装填位置では開かない。これにより、試料加熱手段に誤って触れることを防ぎ、熱傷の危険を減らす。保守開口は、可動ハウジング部の2部構成により実現される。この概念により、可動ハウジング部の2つの部分は、保守位置へ移動する際に、可動ハウジング部の一部が旋回動に関与しないように設計される。この非旋回部により、可動ハウジング部の旋回部における保守開口へのアクセスが開かれる。
【0069】
保守開口223の幅は、有利には、ガラスシールド272の幅以上である。これにより、ガラスシールドを容易に取り外すことができる。保守開口223は、内部通風シールド274の上部のプラグイン方向およびガイドトラック275の経路の延長部に対して直角に配置される。この構成により、ガラスシールド272を保守開口223から容易に引き出すことができる。
【0070】
内部通風シールド274の上部を、複数の部品から構成することができる。有利には、保守開口223側を向いた部分を、道具を使わずに取り外すことができる。これには、保守開口223が内部通風シールド274の上部よりも幅広であることが必要となる。
【0071】
試料加熱手段270を、様々な方法で可動ハウジング部222に取り付けることができる。例えば、試料加熱手段270を、ねじまたはプラグインコネクタにより可動ハウジング部222に固定することができる。プラグインコネクタを使用する場合、保守のために試料加熱手段270を容易に引き出すことができる。理想的には、このプラグイン接続は、プラグ挿入が保守開口223の面に対して実質的に垂直に向けられるように設計され得る。
【0072】
試料加熱手段270、光遮蔽バリア273、ガラスシールド272、および内部通風シールド274の上部は開口を有し、この開口は、出口通気口227とともに、試料から逃げる蒸気および/または揮発性物質を外部雰囲気に放出することができる。したがって、開口は、試料から逃げるガスを確実に直接放出するように配置される。これらの開口により、試料受け260に位置する試料を肉眼で見ることができると有利であり、これにより測定プロセスの目視検査が可能になる。
【0073】
内部通風シールド274および光遮蔽バリア273の代わりに、ガラスシールド272を定位置に保持するための他の適切な取付け装置を使用してもよい。
ガラスシールド272を容易に取り出すことができるので、ユーザまたは保守技術者がより容易かつ迅速にガラスシールド272を清掃することができる。理想的には、ガラスシールド272を、従来の洗浄機で、損傷を与えることなく清掃できるようにする。
【0074】
本明細書で提示した実施形態は、異なる特性および特徴を有する含水量の重量測定のための測定機器を特に概略図で示す。明確にするために、異なる特性および特徴を、異なる実施形態の例で提示したが、説明した特徴および特性の一部、複数、または全部を同一の測定機器で実現することもできる。
【符号の説明】
【0075】
210、110、10 含水量の重量測定のための測定機器
220、120、20 ハウジング
221、121、21 固定ハウジング部
222、122、22 可動ハウジング部
223 保守開口
224、24 並進運動ガイド、位置変化装置
225 枢軸
227、27 出口通気口
130、30 試験区画
35 制御/調整装置
40 計量装置
41 計量セルの固定部分
42 計量セルの荷重受け部分
43 計量セル
245、45 分離壁
246、46 通路口
47 接続部材
51 制御/調整装置と温度センサとの伝達手段
52 電子モジュールと計量装置との伝達手段
53 制御/調整装置と試料加熱手段との伝達手段
260、160、60 試料受け
61 試料トレイ
62 試料
265、165 内部通風シールドの下部
266 試料トレイホルダ
267 試料トレイホルダのハンドル
268 伝達中の試料トレイの着座面
270、170、70 試料加熱手段、線源
271 線源
272 ガラスシールド
273 光遮蔽バリア
274、174 内部通風シールドの上部
275 ガイドトラック
280、180、80 温度センサ
281、181、81 ロッド
282、182、82 支点
183、83 支点の軸
84 ばね要素
286、86 電気接触手段の第1の部分
287、87 電気接触手段の第2の部分
288、88 電源接続部
90 電子モジュール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング(20、120、220)と、
前記ハウジング(20、120、220)内に配置された計量装置(40)とを備え、
前記計量装置(40)が、試料を配置可能な荷重受け(60、160、260)を有し、
前記ハウジング(20、120、220)が、下部固定ハウジング部(21、121、221)と、上部可動ハウジング部(22、122、222)とを有し、前記可動ハウジング部(22、122、222)が、測定位置および装填位置を交互に占めることができ、
前記装填位置では、試料を前記荷重受け(60、160、260)に置くことができるように、前記固定ハウジング部(21、121、221)と前記可動ハウジング部(22、122、222)とが互いに離間し、
前記測定位置では、前記固定ハウジング部(21、121、221)と前記可動ハウジング部(22、122、222)とが、前記荷重受け(60、160、260)の周りに、実質的に囲まれた試験区画(30、130)を形成し、
前記試験区画(30、130)に、前記荷重受け(60、160、260)に配置された試料(62)を加熱する機能を果たす試料加熱手段(70、170、270)が配置された、含水量の重量測定のための測定機器(10、110、210)であって、
温度センサ(80、180、280)が、前記測定位置では、前記荷重受け(60、160、260)の上方の箇所を占めるように、かつ前記装填位置では、実質的に前記荷重受け(60、160、260)の側部の箇所を占めるように配置され、前記温度センサ(80、180、280)が、前記測定位置から前記装填位置への変化とともに上方および側方へ同時に移動するように設計されることを特徴とする測定機器。
【請求項2】
前記温度センサ(80、180、280)が、前記固定ハウジング部(21、121、221)に取り付けられたロッド(81、181、281)に配置されることを特徴とする、請求項1に記載の含水量の重量測定のための測定機器(10、110、210)。
【請求項3】
前記ロッド(81、181、281)が支点(82、182、282)により前記固定ハウジング部(21、121、221)に取り付けられることを特徴とする、請求項1または2に記載の含水量の重量測定のための測定機器(10、110、210)。
【請求項4】
前記支点の軸(183)が実質的に水平方向に向けられることを特徴とする、請求項3に記載の含水量の重量測定のための測定機器(10、110、210)。
【請求項5】
前記測定位置で、ばね要素(82)により前記ロッド(81、181、281)に予め張力を掛けて、前記ばね要素(82)の弾性力により前記ロッド(81、181、281)を前記測定位置から前記装填位置へ移動させることができることを特徴とする、請求項2、3または4に記載の含水量の重量測定のための測定機器(10、110、210)。
【請求項6】
前記測定位置で、前記ばね要素(82)が、前記可動ハウジング部(22、122、222)の重量により予め張力を掛けられることを特徴とする、請求項5に記載の含水量の重量測定のための測定機器(10、110、210)。
【請求項7】
前記測定位置で、前記温度センサ(80、180、280)が前記試料加熱手段(70、170、270)と前記荷重受け(60、160、260)との間に位置し、前記試料加熱手段(70、170、270)が前記可動ハウジング部(22、122、222)内に配置されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の含水量の重量測定のための測定機器(10、110、210)。
【請求項8】
前記固定ハウジング部(21、121、221)のみが電源接続部(88、288)により送電網に接続され、前記温度センサ(80、180)に、前記固定ハウジング部(21、121、221)により電流を供給することができることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の含水量の重量測定のための測定機器(10、110、210)。
【請求項9】
電気接触手段(85、285)が第1の部分(86、286)と第2の部分(87、287)とを備え、前記第1の部分(86、286)が前記固定ハウジング部(21、221)に強固に接続され、前記第2の部分(87、287)が前記可動ハウジング部(22、222)に強固に接続され、さらに、測定位置では、前記電気接触手段の前記第1の部分(86、286)と前記第2の部分(87、287)とにより、前記固定ハウジング部(21、221)と前記可動ハウジング部(222)との間に電気接触が存在し、前記装填位置では、前記電気接触手段の前記第1の部分(86、286)と前記第2の部分(87、287)との接続が遮断されることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の含水量の重量測定のための測定機器(10、210)。
【請求項10】
前記電気接触手段(85、285)によってのみ、前記可動ハウジング部(22、222)に電気が供給されることを特徴とする、請求項8に記載の含水量の重量測定のための測定機器(10、210)。
【請求項11】
前記可動ハウジング部(22、222)を、位置変化手段(24、224)により前記測定位置から前記装填位置へ移動させることができることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の含水量の重量測定のための測定機器(10、210)。
【請求項12】
前記測定位置および前記装填位置で、前記可動ハウジング部(22、222)が前記固定ハウジング部(21、221)の上方に位置することを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の含水量の重量測定のための測定機器(10、210)。
【請求項13】
前記試料加熱手段(70、270)が、前記可動ハウジング部(22、222)とともに前記測定位置から前記装填位置へ旋回するように設計されることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一項に記載の含水量の重量測定のための測定機器(10、210)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−79948(P2013−79948A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−203124(P2012−203124)
【出願日】平成24年9月14日(2012.9.14)
【出願人】(599082218)メトラー−トレド アクチェンゲゼルシャフト (130)
【住所又は居所原語表記】Im Langacher, 8606 Greifensee, Switzerland