説明

含窒素複素環を有する新規ウラシル化合物又はその塩

【課題】優れたヒトdUTPase阻害活性を有し、抗腫瘍薬等として有用な、含窒素複素環を有するウラシル化合物又はその塩の提供。
【解決手段】一般式(I)


〔一般式(I)中、Xは、ヘテロ原子を有していてもよい2価の炭化水素基を示し、Aは含窒素不飽和複素環基を示し、R1及びR2は、同一又は相異なって、水素原子、シアノ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基などを示す。〕で表されるウラシル化合物又はその塩。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、優れたヒトデオキシウリジントリホスファターゼ阻害活性を有し、デオキシウリジントリホスファターゼに関連する疾患の治療剤、例えば抗腫瘍薬等として有用な新規ウラシル化合物又はその塩に関するものである。
【背景技術】
【0002】
デオキシウリジントリホスファターゼ(以下、dUTPase (EC3.6.1.23)ともいう。)は、予防的なDNA修復酵素である。天然型核酸トリリン酸体の中でデオキシウリジントリホスフェート(以下、dUTP)のみを特異的に認識し、デオキシウリジンモノホスフェート(以下、dUMP)とピロリン酸に分解する酵素であり(非特許文献1)、(1)細胞内のdUTPプールの量を下げることで、チミンの代わりにウラシルがDNA中へと誤って組み込まれるのを避ける、(2)DNA中にチミンを供給するための重要なde novo経路を担うチミジル酸合成酵素の基質dUMPを供給する(非特許文献2)、という2つの反応を担っていると考えられている。
【0003】
dUTPaseは原核生物、真核生物両方で細胞の生存に必須であることが知られている。従って、本酵素は抗腫瘍薬(非特許文献3、4)、抗マラリア薬(特許文献1及び非特許文献5)、抗結核薬(非特許文献6)、抗ピロリ菌薬(特許文献2)、トリパノソーマやリーシュマニアなどの抗寄生虫薬(非特許文献7)、及びヒト単純ヘルペスウイルス、サイトメガロウイルス、Epstein-Barrウイルスのようなヘルペスウイルス(非特許文献8)やワクシニアウイルス(非特許文献9)などの抗ウイルス薬の標的と成り得ることが示唆されている。
【0004】
以上のように、dUTPaseは各種疾患に対する治療剤の標的として注目されており、dUTPase阻害剤についても広く研究されている。
dUTPase阻害剤としては、例えば、トリリン酸ミミック型低分子化合物(例えば、特許文献3、非特許文献10など)、5'-O-置換フェニル-デオキシウリジン化合物(非特許文献11)が知られている。しかしながら、これらはいずれもヒトdUTPaseに対する阻害活性が十分ではなく、医薬品として用いられる化合物ではない。
従って、より優れたヒトdUTPase阻害活性を有し、dUTPaseに関連する疾患の治療剤、例えば抗腫瘍薬等として有用なdUTPase阻害剤の開発が強く望まれている。
【特許文献1】国際公開第2005/065689号パンフレット
【特許文献2】国際公開第2003/089461号パンフレット
【特許文献3】国際公開第1995/15332号パンフレット
【非特許文献1】Structure, 4, 1077-1092 (1996)
【非特許文献2】Acta Biochim. Pol., 44, 159-171 (1997)
【非特許文献3】Cancer Reseach, 60, 3493-3503, July 1 (2000)
【非特許文献4】Curr. Protein Pept. Sci., 2, 361-370 (2001)
【非特許文献5】Structure, 13, 329-338 (2005)
【非特許文献6】J. Mol. Biol., 341, 503-517 (2004)
【非特許文献7】Bioorg. Med. Chem. Lett., 16, 3809-3812 (2006)
【非特許文献8】Curr. Protein Pept. Sci., 2, 3711-380 (2001)
【非特許文献9】Acta Crystallogr. D. Biol. Crystallogr, 63, 571-580 (2007)
【非特許文献10】Mol. Pharmacol., 29, 288-292 (1986)
【非特許文献11】Nucleosides Nucleotides & Nucleic acids, 20, 1691-1704 (2001)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、優れたヒトdUTPase阻害活性を有し、抗腫瘍薬等として有用な、含窒素複素環を有するウラシル化合物又はその塩を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、ウラシル環N−1位側鎖に含窒素複素環を有するウラシル化合物又はその塩が、優れたヒトdUTPase阻害活性を有し、抗腫瘍薬等の医薬品として有用であることを見出し、本発明を完成した。
【0007】
すなわち本発明は、一般式(I)
【0008】
【化1】

【0009】
〔一般式(I)中、Xは、炭素原子間又は末端にヘテロ原子を有していてもよい2価の炭化水素基を示し、
Aは含窒素不飽和複素環基を示し、
1及びR2は、同一又は相異なって、水素原子、シアノ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜6のアルケニル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜6のアルキニル基、モノアルキルアミノカルボニル基、ジアルキルアミノカルボニル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、アリール基又は不飽和複素環基を示す。〕
で表されるウラシル化合物又はその塩を提供するものである。
【0010】
また、本発明は、式(I)で表されるウラシル化合物又はその塩を含有する医薬組成物を提供するものである。
また、本発明は、式(I)で表されるウラシル化合物又はその塩を含有するヒトdUTPase阻害剤を提供するものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の新規ウラシル化合物又はその塩は、優れたヒトdUTPase阻害活性を有し、dUTPaseに関連する疾患、例えば抗腫瘍薬等として有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の新規ウラシル化合物は、前記一般式(I)で表され、ウラシル環N−1位置換基に含窒素複素環構造を有するという特徴を有する。
国際公開2005065689号公報(特許文献1)には、ウラシル環N−1位置換基の末端として、トリチル基、トリフェニルシリル基等の置換基(−E(R6)(R7)(R8)基)を有するウラシル化合物が開示され、dUTPase阻害活性を示し、抗マラリア薬として有用であることが記載されている。しかしながら、本発明化合物の有する含窒素不飽和複素環構造を有する化合物は開示されていない。また後述の試験例で示すように、ウラシル環N−1位置換基の末端としてトリチル基を有する化合物は、ヒトdUTPase阻害活性を殆ど示さなかった。
【0013】
本願明細書において「置換基」としては、例えば、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アルキル基、ハロゲノアルキル基、アルコキシアルキル基、シクロアルキル基、シクロアルキル-アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、ハロゲノアルコキシ基、シクロアルコキシ基、シクロアルキル-アルコキシ基、アラルキルオキシ基、アルキルチオ基、シクロアルキル-アルキルチオ基、アミノ基、モノ又はジアルキルアミノ基、シクロアルキル-アルキルアミノ基、シクロアルキリデン構造、アシル基、アシルオキシ基、オキソ基、飽和若しくは不飽和複素環基、アリール基、飽和複素環オキシ基等が挙げられ、前記置換基が存在する場合、その個数は典型的には1〜4個である。
【0014】
前記の置換基において、ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
前記の置換基において、アルキル基、ハロゲノアルキル基としては、好ましくは炭素数1〜6の直鎖状若しくは分枝状のアルキル基又はこれらのアルキル基に前記のハロゲン原子が置換した基を示し、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、モノフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2−ジフルオロエチル基等が挙げられる。
【0015】
前記の置換基において、アルコキシアルキル基としては、好ましくは炭素数1〜6の直鎖状若しくは分枝状のアルコキシで置換された炭素数1〜6のアルキル基であり、メトキシメチル基、エトキシメチル基、メトキシエチル基等が挙げられる。
前記の置換基において、シクロアルキル基としては、好ましくは炭素数3〜7のシクロアルキル基であり、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
【0016】
前記の置換基において、シクロアルキル−アルキル基としては、好ましくは炭素数3〜7のシクロアルキルで置換された炭素数1〜6のアルキル基であり、シクロプロピルメチル基、シクロプロピルエチル基、シクロブチルメチル基、シクロペンチルメチル基等が挙げられる。
【0017】
前記の置換基において、アラルキル基としては、好ましくは炭素数6〜14の芳香族炭化水素基で置換された炭素数1〜6の直鎖状若しくは分枝状のアルキル基を示し、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基等が挙げられる。
前記の置換基において、アルケニル基としては、炭素−炭素二重結合を含む、好ましくは炭素数2〜6の炭化水素基を示し、ビニル基、アリル基、メチルビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等が挙げられる。
前記の置換基において、アルキニル基としては、炭素−炭素三重結合を含む、好ましくは炭素数2〜6の炭化水素基を示し、エチニル基、プロパルギル基等が挙げられる。
【0018】
前記の置換基において、アルコキシ基、ハロゲノアルコキシ基としては、好ましくは炭素数1〜6の直鎖状若しくは分枝状のアルコキシ基、又はこれらのアルコキシ基に前記のハロゲン原子が置換した基を示し、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、1−メチルプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、イソブトキシ基、2−メチル−ブトキシ基、ネオペンチルオキシ基、ペンタン−2−イルオキシ基、フルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、1,1−ジフルオロエトキシ基、2,2−ジフルオロエトキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ基、パーフルオロエトキシ基、3−フルオロ−2−(フルオロメチル)−プロポキシ基、1,3−ジフルオロプロパン−2−イルオキシ基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロポキシ基等が挙げられる。
【0019】
前記の置換基において、シクロアルコキシ基としては、好ましくは炭素数3〜7のシクロアルコキシ基であり、シクロプロポキシ基、シクロブトキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等が挙げられる。
前記の置換基において、シクロアルキル−アルコキシ基としては、好ましくは炭素数3〜7のシクロアルキルで置換された炭素数1〜6のアルコキシ基であり、シクロプロピルメトキシ基、1−メチルシクロプロピルメトキシ基、ジシクロプロピルメトキシ基、1−シクロプロピルエトキシ基、2-シクロプロピルエトキシ基、シクロブチルメトキシ基、シクロペンチルメトキシ基等が挙げられる。
【0020】
前記の置換基において、アラルキルオキシ基としては、好ましくは、前記のアラルキル基を有するオキシ基を示し、ベンジルオキシ基、フェニルエトキシ基、フェニルプロポキシ基、ナフチルメトキシ基、ナフチルエトキシ基等が挙げられる。
前記の置換基において、モノ又はジアルキルアミノ基としては、前記のアルキル基によりモノ置換又はジ置換されたアミノ基を示し、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、メチルエチルアミノ基等が挙げられる。
前記の置換基において、シクロアルキル−アルキルアミノ基としては、前記のシクロアルキル基で置換されたアルキルアミノ基を示し、シクロプロピルメチルアミノ基、シクロブチルメチルアミノ基、シクロペンチルメチルアミノ基等が挙げられる。
前記の置換基において、シクロアルキリデン構造としては、シクロプロピリデン、シクロブチリデン、シクロペンチリデン、シクロヘキシリデンが挙げられる。
前記の置換基において、アシル基としては、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、n−ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル基などの直鎖又は分枝を有する炭素数1〜6のアシル基、ベンゾイル基等が挙げられる。
前記の置換基において、アシルオキシ基としては、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、n−ブチリルオキシ基、イソブチリルオキシ基、バレリルオキシ基、イソバレリルオキシ基、ピバロイルオキシ基などの直鎖又は分枝を有する炭素数1〜6のアシルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等が挙げられる。
【0021】
前記の置換基において、飽和若しくは不飽和複素環基としては、好ましくは酸素原子、窒素原子、硫黄原子のいずれかの原子を、好ましくは1個又は2個有する単環性又は二環性の飽和又は不飽和複素環基を示し、例えばピロリジニル基、ピペリジニル基、ピペラジニル基、ヘキサメチレンイミノ基、モルホリノ基、チオモルホリノ基、ホモピペリジニル基、テトラヒドロフリル基、テトラヒドロピリル基、イミダゾリル基、チエニル基、フリル基、ピロリル基、オキサゾリル基、イソキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、ピラゾリニル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、ピリジル基、ピラジル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インドリル基、イソインドリル基、インダゾリル基、メチレンジオキシフェニル基、エチレンジオキシフェニル基、ベンゾフラニル基、ジヒドロベンゾフラニル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾール基、ベンゾチアゾリル基、プリニル基、キノリル基、イソキノリル基、キナゾリニル基、キノキサリル基等が挙げられる。
【0022】
前記の置換基において、アリール基としては、好ましくは炭素数6〜14のアリール基を示し、フェニル基、ナフチル基が挙げられる。
前記の置換基において、飽和複素環オキシ基としては、酸素原子、窒素原子、硫黄原子のいずれかの原子を1個又は2個有する単環性の飽和複素環基、例えばピロリジニル基、ピペリジニル基、ピペラジニル基、ヘキサメチレンイミノ基、モルホリノ基、チオモルホリノ基、ホモピペリジニル基等を有するオキシ基を示し、テトラヒドロフリルオキシ基、テトラヒドロピリルオキシ基が挙げられる。
【0023】
一般式(I)中、Xで表される「炭素原子間又は末端にヘテロ原子を有していてもよい2価の炭化水素基」としては、炭素原子間又は末端にヘテロ原子を有していてもよい炭素数1〜6のアルキレン基、炭素数6〜14の2価のアリール基、炭素原子間又は末端にヘテロ原子を有していてもよい炭素数6〜20の2価のアルキル−アリール−アルキル基が好ましい。
【0024】
また、Xにおいて、上記「ヘテロ原子」としては、酸素原子、窒素原子、硫黄原子が挙げられ、炭素数1〜6のアルキレン基の炭素原子間又は末端に有していてもよい「ヘテロ原子」としては、酸素原子が好ましく、炭素数6〜20の2価のアルキル−アリール−アルキル基の炭素原子間又は末端に有していてもよいヘテロ原子としては、酸素原子又は硫黄原子が好ましい。
【0025】
また、Xにおいて、上記「炭素数1〜6のアルキレン基」としては、直鎖状又は分枝状の炭素数1〜6のアルキレン基が好ましく、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ジメチルトリメチレン基、ジメチルテトラメチレン基、エチルトリメチレン基等が挙げられる。このうち、炭素数2〜3の直鎖状アルキレン基、炭素数4〜6の分岐状アルキレン基が好ましく、エチレン基、トリメチレン基、ジメチルトリメチレン基がより好ましい。
【0026】
また、Xにおいて、「炭素数6〜14の2価のアリール基」としては、例えば、フェニレン基、ナフチレン基等が挙げられるが、フェニレン基が好ましい。このうち、1,2−フェニレン基が特に好ましい。
【0027】
また、炭素数6〜20の2価のアルキル−アリール−アルキル基としては、C1-6アルキル−C6-10アリール−C1-6アルキル基が好ましい。ここで、C6-10アリール基としては、フェニレン基、ナフチレン基が挙げられるが、フェニレン基が好ましく、特に1,2−フェニレン基が好ましい。
【0028】
当該アルキル−アリール−アルキル基の好ましい例としては、下記一般式(II)
【0029】
【化2】

【0030】
(式(II)中、Yは酸素原子又は硫黄原子を示し、R3は、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を示し、式(II)中のY末端は式(I)中のメチレン基と結合し、式(II)中の炭素末端は、式(I)中のAと結合する。)
で表される基が好ましい。
【0031】
また、式(II)中、R3で示される炭素数1〜6のアルキル基としては、例えば、上記「置換基」と同様のアルキル基が挙げられるが、炭素数1〜3のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
【0032】
すなわち、Xとしては、ヒトdUTPase阻害作用の点で、エチレン基、トリメチレン基、下記式(IV)〜(VII)
【0033】
【化3】

【0034】
(式(IV)中の酸素末端は式(I)中のメチレン基と結合し、式(IV)中のメチレン末端は、式(I)中のAと結合し、式(VII)中のメチレン末端は式(I)中のメチレン基と結合し、式(VII)中のジメチルメチレン末端は、式(I)中のAと結合する。)
【0035】
で表される基及び一般式(II)で表される基から選ばれるいずれかの基が好ましい。このうち、エチレン基、トリメチレン基又は式(V)で表される基が特に好ましい。
【0036】
一般式(I)中、Aで表される「含窒素不飽和複素環基」としては、環構造中に少なくとも1つの窒素原子を含む不飽和複素環基をいい、例えば、イミダゾリル基、ピロリル基、オキサゾリル基、イソキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、ピラゾリニル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、ピリジル基、ピラジル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インドリル基、イソインドリル基、インダゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾール基、ベンゾチアゾリル基、プリニル基、キノリル基、イソキノリル基、キナゾリニル基、キノキサリル基等が挙げられる。このうち、3〜6員環の含窒素不飽和複素環基が好ましく、5員環の含窒素不飽和複素環基がより好ましく、ピロリル基、ピラゾリニル基、トリアゾリル基又はテトラゾリル基がさらに好ましい。
【0037】
また、Aにおいて、上記ピロリル基、ピラゾリニル基、トリアゾリル基又はテトラゾリル基のうち、ヒトdUTPase阻害作用の点で、下記式(VII)〜(XIV)
【0038】
【化4】

【0039】
から選ばれるいずれかの含窒素不飽和複素環基が好ましく、式(X)〜(XII)から選ばれるいずれかの含窒素不飽和複素環基が特に好ましい。
【0040】
1及びR2で表される「置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基」において「炭素数1〜6のアルキル基」としては、直鎖状又は分枝状の炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等が挙げられ、炭素数1〜3のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基がより好ましく、メチル基がさらに好ましい。
【0041】
1及びR2において、炭素数1〜6のアルキル基が有していてもよい「置換基」としては、ハロゲン原子、ヒドロキシル基及び炭素数1〜6のアルコキシ基が好ましく、フッ素原子、ヒドロキシル基、メトキシ基及びエトキシ基がより好ましい。
【0042】
すなわち、R1及びR2で表される「置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基」としては、メチル基、モノフルオロメチル基、ジフルオロエチル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基が好ましい。
【0043】
1及びR2で表される「置換基を有していてもよい炭素数2〜6のアルケニル基」において「炭素数2〜6のアルケニル基」としては、例えば、上記「置換基」と同様のアルケニル基が挙げられるが、ビニル基が好ましく、無置換が好ましい。
1及びR2で表される「置換基を有していてもよい炭素数2〜6のアルキニル基」において「炭素数2〜6のアルキニル基」としては、例えば、上記「置換基」と同様のアルキニル基が挙げられるが、エチニル基が好ましく、無置換が好ましい。
【0044】
1及びR2で表される「モノアルキルアミノカルボニル基」としては、例えば、上記「置換基」と同様のモノアルキルアミノ基を有するカルボニル基が挙げられる。
【0045】
1及びR2で表される「ジアルキルアミノカルボニル基」としては、例えば、上記「置換基」と同様のジアルキルアミノ基を有するカルボニル基が挙げられるが、ジメチルアミノカルボニル基が好ましい。
【0046】
1及びR2で表される「置換基を有していてもよいアラルキル基」としては、例えば、炭素数7〜24のアラルキル基、例えば、C6-10アリール−C1-6アルキル基が挙げれられ、より好ましくは、フェニル−C1-6アルキル基が挙げられる。具体的には、置換基を有していてもよいベンジル基、置換基を有していてもよいフェニルエチル基が好ましい。
【0047】
また、R1及びR2において、「置換基を有していてもよいベンジル基」としては、下記一般式(III)
【0048】
【化5】

【0049】
(式(III)中、n=0を示し、R6及びR7は、同一又は相異なって、水素原子又はフェニル基を示し、R8及びR9は、同一又は相異なって、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルコキシ基を示す。)
で表されるベンジル基が好ましい。
【0050】
また、R8及びR9で表される「置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルコキシ基」の「炭素数1〜6のアルコキシ基」としては、上記「置換基」と同様のアルコキシ基が挙げられるが、メトキシ基が好ましい。
また、R9及びR9で表される「置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルコキシ基」の「置換基」としては、シクロアルキル基が好ましく、シクロプロピル基がより好ましい。
【0051】
また、R1及びR2において、上記「置換基を有していてもよいフェニルエチル基」としては、下記一般式(III)
【0052】
【化6】

【0053】
(n=1のとき、R4及びR5は、同一又は相異なって、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を示し、R6及びR7は、同一又は相異なって、水素原子、ヒドロキシル基、炭素数1〜6のアルキル基又は置換基を有していてもよいフェニル基を示し、R8及びR9は、同一又は相異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素原子間に酸素原子を有していてもよい炭素数3〜7のシクロアルコキシ基を示す。)で表されるフェニルエチルが好ましい。
【0054】
また、R4及びR5で表される「炭素数1〜6のアルキル基」としては、例えば、上記「置換基」と同様のアルキル基が挙げられるが、メチル基が好ましい。
6及びR7で表される「炭素数1〜6のアルキル基」としては、例えば、上記と同様のアルキル基が挙げられるが、メチル基、エチル基、イソプロピル基が好ましく、エチル基がより好ましい。
6及びR7で表される「置換基を有していてもよいフェニル基」の置換基としては、ハロゲン原子が好ましく、フッ素原子がより好ましい。
【0055】
8及びR9で表される「ハロゲン原子」としては、例えば、上記「置換基」と同様のハロゲン原子が挙げられるが、塩素原子及びフッ素原子が好ましく、フッ素原子がより好ましい。
【0056】
8及びR9で表される「置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルコキシ基」の「炭素数1〜6のアルコキシ基」としては、例えば、上記「置換基」と同様のアルコキシ基が挙げられるが、炭素数1〜6の直鎖状又は分枝状のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基がより好ましい。
8及びR0で表される「置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルコキシ基」の「置換基」としては、例えば、上記「置換基」と同様の置換基が挙げられるが、ハロゲン原子、炭素数3〜7のシクロアルキル基が好ましく、フッ素原子、シクロプロピル基、1−メチルシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロアルキリデニル基がより好ましい。
また、上記シクロアルキリデニル基としては、炭素数3〜6のシクロアルキリデン構造が好ましく、具体的には、シクロプロピリデン、シクロブチリデン、シクロペンチリデン、シクロヘキシリデンが挙げられ、ヒトdUTPase阻害作用の点で、シクロプロピリデンが好ましい。
【0057】
8及びR9で表される「炭素原子間に酸素原子を有していてもよい炭素数3〜7のシクロアルコキシ基」としては、例えば、上記「置換基」のシクロアルコキシ基及び飽和複素環オキシ基と同様の基が挙げられるが、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、テトラヒドロフリルオキシ基及びテトラヒドロピリルオキシ基が好ましい。
【0058】
また、R4及びR5としては、ヒトdUTPase阻害作用の点で、水素原子及びメチル基が好ましく、水素原子が特に好ましい。
6としては、ヒトdUTPase阻害作用の点で、水素原子又はヒドロキシル基が好ましく、R7としては、ヒトdUTPase阻害作用の点で、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又は置換基としてフッ素原子を有していてもよいフェニル基が特に好ましい。
8及びR9としては、ヒトdUTPase阻害作用の点で、水素原子、フッ素原子、置換基としてハロゲン原子、炭素数3〜7のシクロアルキル基若しくはシクロアルキリデニル基を有していてもよい炭素数1〜6の直鎖状又は分枝状のアルコキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、テトラヒドロフリルオキシ基又はテトラヒドロピリルオキシ基を示す。)で表されるフェニルエチル基が好ましい。
【0059】
1及びR2で表される「アリール基」としては、C6-14アリール基、例えばフェニル基、ナフチル基が挙げられる。
1及びR2で表される「不飽和複素環基」としては、例えば、上記「置換基」と同様の不飽和複素環基が挙げられるが、チアゾリル基が好ましい。
【0060】
また、式(I)において、R1及びR2の好適な組合せとしては、R1が、水素原子、シアノ基、メチル基、モノフルオロメチル基、ジフルオロエチル基、ビニル基、エチニル基、メトキシ基、ジメチルエーテル基、ジメチルアミノカルボニル基又はフェニル基を示し、R2が、水素原子、フェニル基、上記一般式(III)で表されるベンジル基(n=0)、上記一般式(III)で表されるフェニルエチル基(n=1)、又はチアゾリル基が挙げられる。このうち、ヒトdUTPase阻害作用の点で、R1が、水素原子を示し、R2が、上記一般式(III)で表されるフェニルエチル基(n=1)を示すのが特に好ましい。
【0061】
本発明のウラシルN−1位化合物は、下記反応工程式に従い製造することが出来る。
〔工程A〕
【0062】
【化7】

【0063】
〔式中、X、Aは上記と同義であり、Rcはカルボキシル基の保護基を示し、MOMはメトキシメチル基を示す。なお工程A-5、A-7においては、X=-O-CH2-X'-を示す。〕
【0064】
〔工程A-1〕
本工程では、容易に入手可能又は公知の方法により入手可能な一般式(1)で表される化合物のヒドロキシル基を、通常公知の方法によりメタンスルホニル化した後、アジド化試薬と反応させることにより、一般式(2)で表される化合物を製造できる。
アジド化に用いる反応溶媒としては、反応に影響を及ぼさないものであれば特に制限はないが、N,N-ジメチルホルムアミド(以下DMF)、テトラヒドロフラン(以下THF)、ジオキサン、アセトニトリル、トルエン、ジクロロメタン等が例示され、好ましくはDMFである。用いるアジド化試薬としては、アジ化ナトリウム、アジ化リチウム等が例示され、好ましくはアジ化ナトリウムである。その当量数は0.8〜10当量であり、好ましくは1.0〜6.0当量である。反応温度は10〜120℃であり、好ましくは50〜100℃である。反応時間は1.0〜24時間であり、好ましくは3.0〜12時間である。
【0065】
〔工程A-2〕
本工程では、一般式(2)で表される化合物を、水存在下、トリフェニルホスフィンと反応させた後、塩酸で処理することにより、一般式(3)で表される化合物を製造できる。
用いる反応溶媒としては、反応に影響を及ぼさないものであれば特に制限はないが、DMF、THF、ジオキサン、アセトニトリル等が例示され、好ましくはTHFである。用いるトリフェニルホスフィンの当量数は1.0〜5.0当量であり、好ましくは1.1〜2.0当量である。反応温度は0〜120℃であり、好ましくは10〜60℃である。反応時間は0.5〜24時間であり、好ましくは1.0〜3.0時間である。
【0066】
〔工程A-3〕
本工程では、一般式(3)で表される化合物を、J. Heterocyclic Chem., 36, 293-295 (1999)記載の方法により得られる3-メトキシ-2-プロペノイルイソシアネートと塩基存在下反応させることにより、一般式(4)で表される化合物を製造できる。
用いる反応溶媒としては、反応に影響を及ぼさないものであれば特に制限はないが、DMF、THF、ジオキサン、アセトニトリル、トルエン、ジクロロメタン等が例示され、好ましくはDMFである。3-メトキシ-2-プロペノイルイソシアネートの当量数は0.8〜2.0当量であり、好ましくは0.9〜1.3当量である。用いる塩基としては、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン、ルチジン、コリジン等の有機アミン類が例示され、好ましくはトリエチルアミンである。その当量数は1.0〜10当量であり、好ましくは1.1〜3.0当量である。反応温度は-78〜50℃であり、好ましくは-40〜30℃である。反応時間は1.0〜24時間であり、好ましくは2.0〜3.0時間である。
【0067】
〔工程A-4〕
本工程では、一般式(4)で表される化合物を、酸と反応させることにより、一般式(5)で表される化合物を製造することができる。
用いる反応溶媒としては、反応に影響を及ぼさないものであれば特に制限はないが、酢酸エチル、ジオキサン、水、メタノール、エタノール等が例示され、好ましくはジオキサンである。用いる酸としては塩化水素、硫酸又はメタンスルホン酸等の有機酸が例示され、好ましくは塩化水素である。その当量数は0.5-1000当量であり、好ましくは1.0-100当量である。反応温度は0〜100℃であり、好ましくは10〜30℃である。反応時間は0.1〜5.0時間であり、好ましくは0.5〜1.0時間である。
【0068】
〔工程A-5〕
本工程では、通常公知の方法により得られる一般式(6)で表される化合物を、ルイス酸で活性化し、ヨウ素存在下、2, 4-ビス(トリメチルシリルオキシ)ピリミジンと反応させることにより、一般式(5)で表される化合物を製造できる(本工程においては、X=-O-(CH2)-X'-を示す)。2, 4-ビス(トリメチルシリルオキシ)ピリミジンは、Nucleosides & Nucleotides, 4, 565-585 (1985)記載の方法により製造することができる。
用いる反応溶媒としては、反応に影響を及ぼさないものであれば特に制限はないが、アセトン、THF、ジエチルエーテル、ジオキサン、ジクロロメタン、ジクロロエタン等が例示され、好ましくはジクロロエタンである。2,4-ビス(トリメチルシリルオキシ)ピリミジンの当量数は1.0〜3.0当量であり、好ましくは1.5〜2.0当量である。用いるルイス酸としては三塩化ホウ素 (以下BCl3)、三臭化ホウ素、ヨウ化トリメチルシリル等が例示されるが、好ましくはBCl3である。その当量数は0.1〜2.0当量であり、好ましくは0.2〜0.4当量である。ヨウ素の当量数は0.001〜0.5当量であり、好ましくは0.1〜0.2当量である。反応温度は50〜120℃であり 、好ましくは60〜100℃である。反応時間は0.5〜24時間であり、好ましくは1.0〜10時間である。
【0069】
〔工程A-6〕
本工程では、通常公知の方法により得られる一般式(6)で表される化合物を、塩基で活性化し、容易に入手可能なクロロギ酸エステルと反応させることにより、一般式(7)で表される化合物を製造できる。
用いる反応溶媒としては、反応に影響を及ぼさないものであれば特に制限はないが、DMF、THF、ジオキサン、ジエチルエーテル等が例示され、好ましくはTHFである。用いる塩基は水素化物塩、n-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム、tert-ブチルリチウム等が例示され、好ましくはn-ブチルリチウムである。その当量数は0.8〜2.0当量であり、好ましくは1.0〜1.5当量である。クロロギ酸メチルの当量数は0.8〜2.0当量であり、好ましくは1.0〜1.2当量である。反応温度は-100〜100℃であり、好ましくは-78〜0℃である。反応時間は0.5〜24時間であり、好ましくは1.0〜5.0時間である。
〔工程A-7〕
本工程では、一般式(7)で表される化合物を、工程A-5と同様の方法により反応させることにより、一般式(8)で表される化合物を製造できる(本工程においては、X=-O-(CH2)-X'を示す)。
【0070】
〔工程B〕
【0071】
【化8】

【0072】
〔式中、R1、R4〜R9、n及びXは上記と同義である。〕
【0073】
〔工程B-1〕
本工程では、公知の方法により得られる一般式(9)で表される化合物を、工程A-1と同様の方法、Tetrahedron Lett., 48, 7109-7172 (2007)記載の方法、或いはジフェニルホスホリルアジド/DBUで反応させることにより、一般式(10)で表されるアジド化合物を製造出来る。R8がハロゲン原子、R9が置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルコキシ基である場合には、例えば容易に入手可能な4-フルオロ-3-ヒドロキシ安息香酸を出発原料として、Grignard反応等用いることにより、一般式(9)で表される化合物を入手できる。
【0074】
〔工程B-2〕
本工程では、一般式(10)で表される化合物と工程Aで製造されたアジド化合物(5)又は(8)を、ルテニウム触媒存在下に反応させて環化した後、保護されたカルボキシル基(R1)を必要に応じて変換することにより、一般式(11)で表される化合物を製造できる。
環化反応に用いる反応溶媒としては、反応に影響を及ぼさないものであれば特に制限はないが、トルエン、ジクロロメタン、アセトニトリル、THF、ジオキサン等が例示され、好ましくはジオキサンである。用いるルテニウム触媒としては、クロロ(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(シクロオクタジエン)ルテニウム(II)、ペンタメチルシクロペンタジエニルビス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム(II)クロリド等、種々の有機ルテニウム触媒が例示されるが、好ましくはクロロ(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(シクロオクタジエン)ルテニウム(II)である。その当量数は0.001〜0.5当量であり、好ましくは0.01〜0.3当量である。反応温度は0〜100℃であり 、好ましくは20〜90℃である。反応時間は0.5〜24時間であり、好ましくは1.0〜5.0時間である。
【0075】
〔工程C〕
【0076】
【化9】

【0077】
〔式中、R1、R4〜R9、X、Rc、及びnは上記と同義であり、Rhはヒドロキシル基の保護基を示す。〕
【0078】
〔工程C-1〕
本工程では、容易に入手可能又は公知の方法により入手可能な一般式(1)で表される化合物、例えば5-ヘキシン-1-オールのヒドロキシル基を、通常公知の方法により保護した後、工程A-6と同様に反応させることにより、一般式(12)で表される化合物を製造できる。
【0079】
〔工程C-2〕
本工程では、一般式(12)で表される化合物と一般式(10)で表される化合物を、工程B-2と同様で環化反応させることにより、一般式(13)で表される化合物を製造できる。
【0080】
〔工程C-3〕
本工程では、一般式(13)で表される化合物の保護されたカルボキシル基を変換することにより、一般式(14)で表される化合物を製造することができる。
例えば、保護されたカルボキシル基を通常公知の方法で還元してヒドロキシルメチル基を得た後、アルキル化反応やハロゲン置換反応することができる。また、ヒドロキシメチル基を酸化してアルデヒド体を得た後、塩基性条件下、メチルトリフェニルホスホニウムブロミドと反応させることによりビニル体を製造することができ、またアルデヒド体にEur. J. Org. Chem., 5, 821-832 (2003)に記載の方法で得られるジメチル 1-ジアゾ-2-オキソプロピルホスホネートを塩基存在下反応させることにより、エチニル体を製造することもできる。
【0081】
〔工程D〕
【0082】
【化10】

【0083】
〔式中、R4〜R9、X、Rh、及びnは上記と同義である。〕
【0084】
〔工程D-1〕
本工程では、例えばSynLett, (20), 3160-3162 (2005)に記載の方法により得られる一般式(15)で表される化合物を、塩基存在下、アセトヒドラジドと反応させることにより、一般式(16)で表される化合物を製造できる。
用いる反応溶媒としては、反応に影響を及ぼさないものであれば特に制限はないが、THF、ジオキサン、ジエチルエーテル、トルエン、ジクロロメタン、アセトニトリル、DMF、エタノール、メタノール等が例示され、好ましくはn-ブタノールである。用いる塩基としては炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸水素ナトリウム等が例示され、好ましくは炭酸カリウムである。その当量数は0.1〜3.0当量であり、好ましくは0.12〜2.0当量である。アセトヒドラジドの当量数は0.1〜20 当量であり、好ましくは0.2〜10当量である。反応温度は-78〜200℃であり 、好ましくは120〜160℃である。反応時間は0.5〜48時間であり、好ましくは1.0〜5.0時間である。
【0085】
〔工程D-2〕
本工程では、一般式(16)で表される化合物を塩基で活性化した後、一般式(9)で表される化合物のヒドロキシル基をメタンスルホニル化した化合物と反応させることにより、一般式(17)で表される化合物を製造できる。
用いる反応溶媒としては、反応に影響を及ぼさないものであれば特に制限はないが、THF、ジオキサン、ジエチルエーテル、トルエン、ジクロロメタンアセトニトリル、DMF等が例示され、好ましくはDMFである。用いる塩基としては水素化物塩、n-ブチルリチウム、ビス(トリメチルシリル)アミドナトリウム塩(以下NaHMDS)等が例示され、好ましくは水素化ナトリウムである。その当量数は0.8〜3.0当量であり、好ましくは1.0〜1.2当量である。一般式 (9) のメシル体化合物の当量数は0.5〜2.0当量であり、好ましくは0.7〜1.2当量である。反応温度は-78〜100℃であり 、好ましくは0〜60℃である。反応時間は0.5〜48時間であり、好ましくは1.0〜10時間である。
【0086】
〔工程E〕
【0087】
【化11】

【0088】
〔式中、R4〜R9、X、Rh、及びnは上記と同義である。〕
【0089】
〔工程E-1〕
本工程では、一般式(18)で表される化合物に、一般式(9)で表される化合物から製造可能な一般式(19)で表される化合物を酸存在下に反応させることにより、一般式(20)で表される化合物を製造できる。
一般式(18)で表される化合物は、例えばTetrahedron, 61(5), 1127-1140 (2005)記載の方法で得られるエチニル化合物を、アセチル化剤と反応させることにより製造できる。
また、この工程では一般式(19)で表される化合物を塩基によって活性化する必要がある。用いる塩基としてはトリエチルアミン、トリプロピルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン、ルチジン、コリジン、イミダゾール等の有機アミン類が例示され、好ましくはトリエチルアミンである。その当量数は0.8〜5.0当量であり、好ましくは1.0〜1.2当量である。
本工程で用いる反応溶媒としては、反応に影響を及ぼさないものであれば特に制限はないが、THF、ジオキサン、ジエチルエーテル、トルエン、ジクロロメタン、エタノール、メタノール、DMF等が例示され、好ましくはエタノールである。用いる酸としては酢酸、硫酸、メタンスルホン酸、塩化水素等が例示されるが、好ましくは酢酸である。その当量数は1.0〜10当量であり、好ましくは2.0〜5.0当量である。反応温度は-90〜200℃であり 、好ましくは10〜100℃である。反応時間は0.1〜48時間であり、好ましくは0.5〜9.0時間である。
【0090】
〔工程F〕
【0091】
【化12】

【0092】
〔式中、R1、R4〜R9、X、Rh、及びnは上記と同義である。〕
【0093】
〔工程F-1〕
本工程では、例えばTetrahedron, 60, 1197-1204 (2004)記載の方法に準じて得られるヒドロキシル化合物を通常公知の方法により保護して得られる一般式(21)で表される化合物を塩基で活性化した後、一般式(9)で表される化合物のヒドロキシル基をメタンスルホニル化して得られる化合物と、工程D-2と同様の方法で反応させることにより、一般式(22)で表される化合物を製造できる。
【0094】
〔工程G〕
【0095】
【化13】

【0096】
〔式中、Rnはアミノ基の保護基を示す。〕
【0097】
〔工程G-1〕
本工程では、一般式(23)で表される化合物、例えばJ. Med. Chem., 50, 6032-6038 (2007))記載の方法に準じて得られるN3-ベンゾイルウラシルと一般式 (14), (17), (20), (22) で表される化合物のRhを除去して得られる化合物を、トリフェニルホスフィン存在下それぞれ光延反応させた後、アミノ基の保護基を通常公知の方法で除去することにより、一般式(I)で表される本発明化合物を製造できる。
光延反応に用いる試薬としてはアゾジカルボン酸ジイソプロピル、アゾジカルボン酸ジエチル等が例示され、好ましくはアゾジカルボン酸ジイソプロピルである。その当量数は1.0〜3.0当量であり、好ましくは1.5〜2.0当量である。トリフェニルホスフィンの当量数は1.0〜3.0当量であり、好ましくは1.5〜2.0当量である。一般式(23)で表される化合物の当量数は1.0〜3.0当量であり、好ましくは1.5〜2.0当量である。用いる反応溶媒としては、反応に影響を及ぼさないものであれば特に制限はないが、THF、ジオキサン、ジエチルエーテル、アセトン、トルエン等が例示され、好ましくはTHFである。反応温度は0〜100℃であり 、好ましくは10〜30℃である。反応時間は0.5〜24時間であり、好ましくは1.0〜3.0時間である。
【0098】
〔工程H〕
【0099】
【化14】

【0100】
〔式中、R8、R9、Xは上記と同義である。〕
【0101】
〔工程H-1〕
本工程では、公知の方法、例えばJ. Med. Chem., 49, 4183-4195(2006)、或いはJ. Heterocyclic Chem., 18, 947-951 (1981)記載の方法により得られる一般式(24)で表される化合物に、容易に入手可能又は公知の方法により入手可能な一般式(25)で表される化合物を、通常公知の方法によりアミド化して一般式(26)で表される化合物を製造できる。
【0102】
〔工程H-2〕
本工程では、一般式(26)で表される化合物のウラシル環のアミノ基を通常公知の方法で保護した後、トリフェニルホスフィン及びアゾジカルボン酸ジアルキル存在下、アジド化試薬と反応させ、最後にアミノ基の保護基を通常公知の方法で除去することにより、一般式(27)で表される本発明化合物を製造できる。
アジド化試薬との反応に用いる反応溶媒としては、反応に影響を及ぼさないものであれば特に制限はないが、THF、ジオキサン、ジエチルエーテル、DMF、トルエン、ジクロロメタン等が例示され、好ましくはTHFである。用いるアゾジカルボン酸エステルとしてはアゾジカルボン酸ジエチル、アゾジカルボン酸ジイソプロピルが例示されるが好ましくはアゾジカルボン酸ジイソプロピルである。その当量数は0.9〜5.0当量であり、好ましくは1.0〜3.0当量である。用いるアジド化試薬としてはアジド酸、アジ化ナトリウム、アジ化カリウム、トリメチルシリルアジド等が例示され、好ましくはトリメチルシリルアジドである。その当量数は0.8〜5.0当量であり、好ましくは1.0〜4.0当量である。トリフェニルホスフィンの当量数は0.8〜5.0当量であり、好ましくは1.0〜4.0当量である。反応温度は0〜100℃であり 、好ましくは10〜60℃である。反応時間は0.5〜48時間であり、好ましくは5.0〜24時間である。
【0103】
〔工程I〕
【0104】
【化15】

【0105】
〔式中、R4〜R9、X、及びnは上記と同義である。〕
【0106】
〔工程I-1〕
本工程では、公知の方法、例えばTetahedron, 36, 865-870 (1980)、或いはJ. Heterocyclic Chem., 18, 947-951 (1981) に記載の方法により入手可能な一般式(28)で表される化合物に、一般式(9)で表される化合物より製造可能な一般式(29)で表される化合物を、工程B-2と同様の方法により反応させることにより、一般式(30)で表される本発明化合物を製造できる。
【0107】
〔工程J〕
【0108】
【化16】

【0109】
〔式中、MOM、R1〜R3、Y、及びRhは上記と同義である。〕
【0110】
〔工程J-1〕
本工程では、公知の方法により入手可能な一般式(31)で表される化合物、例えばJ. Org. Chem., 52, 1027-1035 (1987)記載の方法により得られる2-(2-(ヒドロキシメチル)フェニル)エタノールのフェネチル位ヒドロキシル基を、通常公知の保護基で保護した後、通常公知の方法でメトキシメチル(MOM)化することにより、一般式(32)で表される化合物を製造できる。
【0111】
〔工程J-2〕
本工程では、一般式(32)で表される化合物を、工程A-5と同様の方法で反応させることにより、一般式(33)で表される化合物を製造できる。
〔工程J-3〕
本工程では、一般式(33)で表される化合物のフェネチル位ヒドロキシル基の保護基を通常公知の方法により除去した後、工程A-1と同様の方法で反応させることにより、一般式(34)で表される化合物を製造できる。
【0112】
〔工程J-4〕
本工程では、一般式(34)で表される化合物に、容易に入手可能又は公知の方法、例えばJ.Org.Chem., 53, 2489-2496 (1988)に記載の方法により入手可能なアセチレン化合物を反応させることにより、一般式(35)で表される本発明化合物を製造できる。
用いる反応溶媒としては、反応に影響を及ぼさないものであれば特に制限はないが、トルエン、THF、ジオキサン、DMF等が例示され、好ましくはトルエン又はDMFである。アセチレン化合物の当量数は、0.8〜100当量であり、好ましくは1.0〜50当量である。反応温度は0〜200℃であり 、好ましくは20〜160℃である。反応時間は、0.1〜120時間であり、好ましくは0.5〜100時間である。
【0113】
以上、このように製造された本発明化合物及び合成中間体は、通常、公知の分離精製手段例えば、再結晶、晶出、蒸留、カラムクロマトグラフィー等により単離し、精製することができる。本発明化合物及び合成中間体は、通常、公知の方法でその薬理学的に許容される塩の形成が可能であり、また、相互に変換可能である。
【0114】
後述の実施例に示すとおり、本発明のウラシル化合物又はその塩は、優れたヒトdUTPase阻害活性を有するため、抗腫瘍薬等に代表される医薬品として有用である。
【0115】
本発明のウラシル化合物又はその塩を医薬組成物に含有せしめる場合、必要に応じて薬学的担体と配合し、予防又は治療目的に応じて各種の投与形態を採用可能であり、該形態としては、例えば、経口剤、注射剤、坐剤、軟膏剤、貼付剤等が挙げられるが、経口剤が好ましい。これらの投与形態は、各々当業者に公知慣用の製剤方法により製造できる。
【0116】
薬学的担体は、製剤素材として慣用の各種有機或いは無機担体物質が用いられ、固形製剤における賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤;液状製剤における溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤、無痛化剤等として配合される。また、必要に応じて防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤、安定化剤等の製剤添加物を用いることもできる。
経口用固形製剤を調製する場合は、本発明化合物に賦形剤、必要に応じて、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味・矯臭剤等を加えた後、常法により錠剤、被覆錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤等を製造することができる。
【0117】
賦形剤としては、乳糖、白糖、D−マンニトール、ブドウ糖、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、微結晶セルロース、無水ケイ酸等が挙げられる。
結合剤としては、水、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、単シロップ、ブドウ糖液、α−デンプン液、ゼラチン液、D−マンニトール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、メチルセルロース、エチルセルロース、シェラック、リン酸カルシウム、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
【0118】
崩壊剤としては、乾燥デンプン、アルギン酸ナトリウム、カンテン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド、乳糖等が挙げられる。
【0119】
滑沢剤としては、精製タルク、ステアリン酸塩ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ホウ砂、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
着色剤としては、酸化チタン、酸化鉄等が挙げられる。
矯味・矯臭剤としては白糖、橙皮、クエン酸、酒石酸等が挙げられる。
【0120】
経口用液体製剤を調製する場合は、本発明化合物に矯味剤、緩衝剤、安定化剤、矯臭剤等を加えて常法により内服液剤、シロップ剤、エリキシル剤等を製造することができる。この場合矯味・矯臭剤としては、前記に挙げられたものでよく、緩衝剤としては、クエン酸ナトリウム等が、安定剤としては、トラガント、アラビアゴム、ゼラチン等が挙げられる。必要により、腸溶性コーティング又は、効果の持続を目的として、経口製剤に公知の方法により、コーティングを施すこともできる。このようなコーティング剤にはヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリオキシエチレングリコール、Tween80(登録商標)等が挙げられる。
【0121】
注射剤を調製する場合は、本発明化合物にpH調節剤、緩衝剤、安定化剤、等張化剤、局所麻酔剤等を添加し、常法により皮下、筋肉内及び静脈内用注射剤を製造することができる。この場合のpH調節剤及び緩衝剤としては、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、リン酸ナトリウム等が挙げられる。安定化剤としては、ピロ亜硫酸ナトリウム、EDTA、チオグリコール酸、チオ乳酸等が挙げられる。局所麻酔剤としては、塩酸プロカイン、塩酸リドカイン等が挙げられる。等張化剤としては、塩化ナトリウム、ブドウ糖、D−マンニトール、グリセリン等が挙げられる。
【0122】
坐剤を調製する場合は、本発明化合物に当業界において公知の製剤用担体、例えば、ポリエチレングリコール、ラノリン、カカオ脂、脂肪酸トリグリセリド等を、さらに必要に応じてTween80(登録商標)のような界面活性剤等を加えた後、常法により製造することができる。
【0123】
軟膏剤を調製する場合は、本発明化合物に通常使用される基剤、安定剤、湿潤剤、保存剤等が必要に応じて配合され、常法により混合、製剤化される。基剤としては、流動パラフィン、白色ワセリン、サラシミツロウ、オクチルドデシルアルコール、パラフィン等が挙げられる。保存剤としては、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル等が挙げられる。
【0124】
貼付剤を調製する場合は、通常の支持体に前記軟膏、クリーム、ゲル、ペースト等を常法により塗布すればよい。支持体としては、綿、スフ、化学繊維からなる織布、不織布や軟質塩化ビニル、ポリエチレン、ポリウレタン等のフィルム或いは発泡体シートが適当である。
【0125】
前記の各投与単位形態中に配合されるべき本発明化合物の量は、これを適用すべき患者の症状により、或いはその剤形等により一定ではないが、一般に投与単位形態あたり、経口剤では約0.05〜1000mg、注射剤では約0.01〜500mg、坐剤では約1〜1000mg程度である。
また、前記投与形態を有する薬剤の1日あたりの投与量は、患者の症状、体重、年齢、性別等によって異なり一概には決定できないが、通常成人(体重50kg)1日あたり約0.05〜5000mg程度であり、0.1〜1000mgが好ましく、これを1日1回又は2〜3回程度に分けて投与するのが好ましい。
【0126】
本発明化合物を含有する薬剤を投与することにより治療できる疾病としては、悪性腫瘍、マラリア、結核等が挙げられ、例えば悪性腫瘍の場合、頭頚部癌、食道癌、胃癌、結腸癌、直腸癌、肝臓癌、胆嚢・胆管癌、膵臓癌、肺癌、乳癌、卵巣癌、子宮頚癌、子宮体癌、腎癌、膀胱癌、前立腺癌、精巣腫瘍、骨・軟部肉腫、白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、皮膚癌、脳腫瘍等が挙げられる。
【実施例】
【0127】
以下に参考例、実施例、試験例及び製剤例を示し、本発明をさらに詳しく説明する。しかしながら、本発明はこれら実施例に制限されるものではない。
【0128】
参考例1
1-(ペント-4-イニル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンの合成
【0129】
【化17】

【0130】
容易に入手可能な4-ペンチン-1-オール (4.4 mL) をジクロロメタン (130 mL) に溶解し、0℃でトリエチルアミン (9.8 mL) 及びメタンスルホニルクロリド (4.72 mL) を加え室温で40分撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液 (50 mL) を加え分液した。有機層を水 (50 mL)、飽和食塩水 (50 mL) で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をN,N-ジメチルホルムアミド(以下DMF, 200 mL) に溶解し、アジ化ナトリウム (6.0 g) を加え55℃で8時間撹拌した。反応液を放冷後、水 (100 mL) を加え酢酸エチル (100 mL) で抽出した。有機層を水 (100 mL) で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (25%酢酸エチル/ヘキサン)で精製した。得られた化合物をTHF (24 mL)、水 (2.4 mL) に溶解し、トリフェニルホスフィン (7.8 g) を加え50℃で1時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、クロロホルム (50 mL)を加え、希塩酸 (1.0 M, 50 mL x 2) で抽出した。水層を減圧濃縮し、残渣をトルエン (10 mL x 3) で共沸した。得られた残渣 (1.09 g) をDMF (20 mL)に溶解し、トリエチルアミン (1.50 mL) 及びモレキュラーシーブス 4A(以下MS 4A, 1.0 g)を加え、文献(J. Heterocyclic Chem., 36, 293 (1999))記載の方法で得られた3-メトキシ-2-プロペノイルイソシアネート(1.27 g)のトルエン(10 mL)溶液を-40℃でゆっくり加え室温で3時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (25%酢酸エチル/ヘキサン)で精製した。得られた化合物を塩化水素-ジオキサン溶液 (4.0 M, 40 mL) に懸濁し、100℃で30分加熱還流した。反応液を放冷後、減圧濃縮し、残渣をトルエン (10 mL x 5) で共沸することで標記化合物 (1.9 g)を淡黄色固体として得た。
【0131】
参考例2
1-(ヘキス-5-イニル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンの合成
【0132】
【化18】

【0133】
容易に入手可能な5-ヘキシン-1-オール (4.66 g) から、参考例1の方法に準じて合成することで、標記化合物 (3.5 g) を淡黄色固体として得た。
【0134】
参考例3
1-((ブト-3-イニルオキシ)メチル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンの合成
【0135】
【化19】

【0136】
容易に入手可能な3-ブチン-1-オール (1.0 g) をジクロロメタン (40 mL) に溶解し、N,N-ジイソプロピルアミン (5.21 mL) 及びクロロメチルメチルエーテル (1.75 mL) を加え室温で2時間撹拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液 (30 mL) を加え分液した。有機層を飽和塩化アンモニウム水溶液 (30 mL x 3)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (50%酢酸エチル/ヘキサン) で精製した。得られた化合物をジクロロメタン (20 mL) に溶解し、三塩化ホウ素 (以下BCl3)のジクロロメタン溶液 (1.0 M, 4.8 mL) を氷冷下加え室温で1.5時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣をDCE(20 mL) に溶解し、文献(Nucleosides & Nucleotides, 4, 565-585 (1985))記載の方法で得られた2,4−ビス(トリメチルシリルオキシ)ピリミジン (3.68 g) 及びヨウ素 (370 mg) を加え、93℃で3時間加熱還流した。放冷後、水(10 mL)、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液(1.0 mL)を加え分液した。水層を10%メタノール/クロロホルム (100 mL) で抽出した。合一した有機層を飽和食塩水 (20 mL) で洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (3%メタノール/クロロホルム)で精製することで標記化合物 (500 mg) を白色固体として得た。
【0137】
参考例4
1-(4,4-ジメチルヘキス-5-イニル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンの合成
【0138】
【化20】

【0139】
容易に入手可能な3-メチル-1-ブチン (7.5 mL) をジエチルエーテル (50 mL) に溶解し、氷冷下 n-ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.6 M, 92 ml) を滴下した。1,2-ビス(ジメチルアミノ)エタン (11.65 mL) を加え60℃で16時間加熱還流した。-78℃に冷却し、オキセタン (4.75 mL) 及び三フッ化ホウ素-ジエチルエーテルコンプレックス (以下BF3・Et2O, 9.3 mL) を加え、-78℃で6時間撹拌した。室温で希塩酸 (1.0 M, 50 mL) を加え分液した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (33%酢酸エチル/ヘキサン) で精製した。得られたアルコール (690 mg の内、100 mg) をTHF (3.0 mL) に溶解し、文献 (J. Med. Chem., 49, 4183-4195 (2006)) 記載の方法で得られたN3-ベンゾイルウラシル (225 mg)、トリフェニルホスフィン (416 mg) 及びアゾジカルボン酸ジイソプロピルのトルエン溶液 (1.9 M, 837 μL) 加え、室温で2時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (1.5%メタノール/クロロホルム)で精製した。得られた化合物をメチルアミンのメタノール溶液 (40%, 4.0 mL) に溶解し、室温で30分撹拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (2.5%メタノール/クロロホルム) で精製することで標記化合物 (80 mg) を白色固体として得た。
【0140】
参考例5
1-(3-エチニルベンジル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンの合成
【0141】
【化21】

【0142】
トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0) (78 mg)、テトラブチルアンモニウムアセテート (1.93 g) をDMF (12 mL) に溶解し、容易に入手可能な3-ヨード-ベンジルアルコール (1.0 g) を加え、室温で20分撹拌した。反応液にトリメチルシリルアセチレン (590 μL) を加え、室温で2時間撹拌した。反応液に水 (50 mL) を加え、酢酸エチル (50 mL)で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (20%酢酸エチル/ヘキサン)で精製した。得られた化合物をTHF (10 mL) に溶解し、トリフェニルホスフィン (829 mg)、四臭化炭素 (1.05 g) を加え室温で1時間撹拌した。酢酸エチル (10 mL)、ヘキサン (40 mL) を加え、生じた白色固体を濾去し、20%酢酸エチル/ヘキサン (50 mL) で洗浄し、合一した濾液を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (2%酢酸エチル/ヘキサン) で精製した。得られた化合物をDCE (5.0 mL) に溶解し、文献(Nucleosides & Nucleotides, 4, 565-585 (1985))記載の方法で得られた2,4−ビス(トリメチルシリルオキシ)ピリミジン (531 mg) 及びヨウ素(40 mg) を加え、93℃で3時間加熱還流した。反応液を放冷後、水(10 mL)、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液(1.0 mL)を加え分液した。水層を10%メタノール/クロロホルム (20 mL) で抽出した。有機層を飽和食塩水 (10 mL) で洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (2%メタノール/クロロホルム) で精製し、得られた化合物をTHF (3.0 mL)に溶解し、テトラブチルアンモニウムフルオリド (以下TBAF) のTHF溶液 (1.0M, 3.0 mL) を加え、室温で1時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (2.5%メタノール/クロロホルム)で精製することで標記化合物 (403 mg) を泡状物質として得た。
【0143】
参考例6
1-(2-(プロプ-2-イニルオキシ)エチル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンの合成
【0144】
【化22】

【0145】
容易に入手可能なエチレングリコール (2.0 g) をTHF (100 mL) に溶解し、イミダゾール (3.6 g) 及び tert-ブチルジメチルシリルクロリド (4.8 g) を加え室温で3時間攪拌した。反応液に水 (50 mL)を加え、酢酸エチル (50 mL)で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (20%酢酸エチル/ヘキサン) で精製した。得られた化合物をTHF (80 mL) に溶解し、水素化ナトリウム (55 %、1.17 g) を氷冷下加え10分攪拌した。反応液にプロパルギルブロミド (1.02 mL) を加え、室温で3時間攪拌した。反応液に水 (50 mL)、を加え、酢酸エチル (50 mL)で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (10%酢酸エチル/ヘキサン) で精製した。得られた化合物をTHF (30 mL) に溶解し、TBAFのTHF溶液 (1.0 M、46 mL) を加え室温で1時間攪拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (33%酢酸エチル/ヘキサン) で精製した。得られた化合物をジクロロメタン (20 mL) に溶解した。トリエチルアミン (2.18 mL)、塩化メタンスルホニル (975 μL) を加え室温30分攪拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液 (10 mL) を加え分液した。有機層を水 (10 mL)、飽和食塩水 (10 mL) で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をDMF (25 mL) に溶解し、アジ化ナトリウム (1.7 g) を加え50℃で3時間攪拌した。反応液に水 (10 mL) を加え、酢酸エチル (10 mL)で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (20%酢酸エチル/ヘキサン) で精製した。得られた化合物をTHF (30 mL) に溶解し、水 (3.0 mL) 及びトリフェニルホスフィン (2.26 g) を加え、50℃で2時間攪拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣にクロロホルム (50 mL) を加え、1N 塩酸 (50 mL×2)で抽出した。水層を減圧濃縮し、トルエン (10 mLx 3)で共沸した。得られた残渣 (550 mgの内、500 mg) をDMF (20 mL) に溶解し、トリエチルアミン (564 μL)、モルキュラーシーブス4Å (1.0 g)を加え、-40℃で文献(L. Santana et al., J. Heterocyclic Chem., 36, 293-295 (1999))記載の方法で得られた3-メトキシ-2-プロペノイルイソシアネート (521 mg)のトルエン (20 mL) 溶液 を加え、室温で3時間攪拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (2%メタノール/クロロホルム) で精製した。得られた化合物を4N塩化水素-ジオキサン溶液 (4.0 M、4.0 mL) に懸濁し、室温で2時間攪拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (2.5%メタノール/クロロホルム)で精製することで標記化合物 (410 mg)を淡黄色固体として得た。
【0146】
参考例7
メチル 7-(tert-ブチルジフェニルシリルオキシ)ヘプト-2-イノエートの合成
【0147】
【化23】

【0148】
容易に入手可能な5-ヘキシン-1-オール (1.5 g) をDMF (40 mL) に溶解し、イミダゾール (1.25 g) 及びtert-ブチルジフェニルシリルクロリド (3.72 mL) を加え、室温で一時間撹拌した。酢酸エチル (80 mL)、水 (80 mL) を加え分液した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (3%酢酸エチル/ヘキサン) で精製した。得られたシリル体 (3.95 gの内、1.0 g) をTHF (10 mL) に溶解し、-78℃でn-ブチルリチウムのヘキサン溶液 (2.77 M, 1.13 mL) を滴下し、-78℃で1時間撹拌した。反応液にクロロギ酸メチル (242 μL) を加え、室温で2時間撹拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液 (5.0 mL) を加え分液した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (3%酢酸エチル/ヘキサン) で精製することで標記化合物 (912 mg) を無色油状物質として得た。
【0149】
参考例8
メチル 5-(メトキシメトキシ)ペント-2-イノエートの合成
【0150】
【化24】

【0151】
容易に入手可能な3-ブチン-1-オール (3.0 g) をジクロロメタン (40 mL) に溶解し、N,N-ジイソプロピルエチルアミン (22.4 mL) 及びクロロメチルメチルエーテル (4.87 mL) を加え、室温で3時間撹拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液 (50 mL) を加え分液した。有機層を飽和塩化アンモニウム水溶液 (40 mL x 3) で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をTHF (20 mL x 3) で共沸した後、THF (80 mL) に溶解し、-78℃でn-ブチルリチウムのヘキサン溶液 (2.77 M, 9.4 mL) を滴下し、-78℃で1時間撹拌した。反応液にクロロギ酸メチル (2.0 mL) を-78℃で加え、室温で2時間撹拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液 (50 mL) 加え分液した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (10%酢酸エチル/ヘキサン) で精製することで標記化合物 (2.97 g) を無色油状物質として得た。
【0152】
参考例9
メチル 5-((2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)メトキシ)ペント-2-イノエートの合成
【0153】
【化25】

【0154】
参考例8で得られたメチル 5-(メトキシメトキシ)ペント-2-イノエート (15 g) をジクロロメタン (70 mL) に溶解し、BCl3のジクロロメタン溶液 (1.0 M, 16.9 mL) を氷冷下加え室温で1.5時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣をDCE (100 mL) に溶解し、文献(Nucleosides & Nucleotides, 4, 565-585 (1985))記載の方法で得られた2,4−ビス(トリメチルシリルオキシ)ピリミジン (21.6 g) 及びヨウ素(1.2 g) を加え、93℃で3時間加熱還流した。反応液を放冷後、水(60 mL)、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液(10 mL)を加え分液し、水層を10%メタノール/クロロホルム (100 mL) で抽出した。合一した有機層を飽和食塩水 (80 mL) で洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (3%メタノール/クロロホルム) で精製することで標記化合物 (6.1 g) を泡状物質として得た。
【0155】
参考例10
1-(2-アジドエチル)-3-(シクロプロピルメトキシ)ベンゼンの合成
【0156】
【化26】

【0157】
容易に入手可能な3-(2-ヒドロキシエチル)フェノール (2.5 g) をDMF (18 mL) に溶解し、炭酸カリウム (5.0 g)、ヨウ化ナトリウム (271 mg) 及びクロロメチルシクロプロパン (1.75 mL) を加え、80℃で5時間撹拌した。反応液に水 (40 mL) を加え、酢酸エチル (40 mL)で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (17%酢酸エチル/ヘキサン)で精製した。得られた化合物 (3.25 g の内、500 mg) をジクロロメタン (10 mL) に溶解し、トリエチルアミン (540 μL)、塩化メタンスルホニル (242 μL) を加え室温30分撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液 (10 mL) を加え分液した。有機層を水 (10 mL)、飽和食塩水 (10 mL) で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をDMF (10 mL) に溶解し、アジ化ナトリウム (423 mg) を加え50℃で3時間撹拌した。反応液に水 (20 mL) を加え、酢酸エチル (20 mL)で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (17%酢酸エチル/ヘキサン) で精製することで標記化合物 (500 mg) を淡黄色油状物質として得た。
【0158】
参考例11〜14は、下記表に示す各々の原料から参考例10の方法に準じて合成した。
【0159】
【表1】

【0160】
参考例15
(R)-1-(1-アジドプロパン-2-イル)-3-(シクロプロピルメトキシ)ベンゼンの合成
【0161】
【化27】

【0162】
容易に入手可能な2-(3-ヒドロキシフェニル)酢酸 (4.6 g) をエタノール (75 mL)に溶解し、硫酸 (1.0 mL) を加え、90℃で3時間加熱還流した。反応液を放冷後、減圧濃縮した。残渣に水 (10 mL) を加えた後、炭酸水素ナトリウムを加えて中和し、酢酸エチル (50 mL) で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をトルエン (10 mL x 3) で共沸した。得られた残渣 (3.91 g の内、1.0 g) をDMF (5.0 mL) に溶解し、炭酸カリウム (1.5 g) 、ヨウ化ナトリウム (84 mg) 及びクロロメチルシクロプロパン (560 μL) を加え、80℃で5時間撹拌した。反応液に水 (20 mL) を加え、酢酸エチル (20 mL)で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (17%酢酸エチル/ヘキサン)で精製した。得られたエチル 2-(3-(シクロプロピルメトキシ)フェニル)アセテート (1.2 gの内、1.0 g) をエタノール (2.0 mL)、水 (1.6 mL) に溶解し、水酸化ナトリウム水溶液 (4.0 M, 3.2 mL) を加え、50℃で3時間撹拌した。反応液に塩酸 (2.0 M, 10 mL) を加え酸性にし、反応液を減圧濃縮した。残渣に水 (20 mL) を加え、酢酸エチル (20 mL)で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した後、残渣をトルエン (10 mL x 3) で共沸した。残渣 (850 mgの内、420 mg) を塩化チオニル (5.0 mL) に溶解し、DMF (10 μL) を加え室温で2時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、トルエン (2 mL x 2) で共沸した。
【0163】
(R)-4-ベンジル-2-オキサゾリジノン (361 mg) をTHF (6.0 mL) に溶解し、-78℃でn-ブチルリチウムのヘキサン溶液 (2.64 M, 777 μL) を滴下し、30分撹拌した。反応液にトルエン共沸した残渣のTHF (1.5 mL) 溶液を加え、-78℃で1.5時間、その後0℃で3時間撹拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液 (10 mL) を加え分液した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (17%酢酸エチル/ヘキサン) で精製した。得られた化合物をTHF (6.0 mL) に溶解し、-78℃でビス(トリメチルシリル)アミドナトリウム塩(以下NaHMDS)のTHF溶液 (1.0 M, 1.7 mL) を滴下し、-78℃で1.5時間撹拌した。反応液にヨウ化メチル (490 μL)のTHF (1.0 mL) 溶液を滴下し、-78℃で2時間撹拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液 (10 mL) を室温で加え、分液した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (14%酢酸エチル/ヘキサン) で精製した。得られた化合物をTHF (2.0 mL) に溶解し、水素化ホウ素リチウムのTHF溶液 (2.0 M, 1.2 mL) を加え、室温で12時間撹拌した。反応液に飽和食塩水 (10 mL) を氷冷下加え、酢酸エチル (10 mL x 2) で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (33%酢酸エチル/ヘキサン)で精製した。得られた化合物をジクロロメタン (2.0 mL) に溶解し、トリエチルアミン (191 μL) 及び塩化メタンスルホニル (85 μL) を加え室温で30分撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液 (5.0 mL) を加え、有機層を水 (5.0 mL)、飽和食塩水 (5.0 mL) で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をDMF (3.0 mL) に溶解し、アジ化ナトリウム (180 mg) を加え50℃で3時間撹拌した。反応液に水 (10 mL) を加え、酢酸エチル (10 mL)で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (17%酢酸エチル/ヘキサン) で精製することで、標記化合物 (160 mg) を淡黄色油状物質として得た。
【0164】
参考例16
(R)-1-(1-アジドブタン-2-イル)-3-(シクロプロピルメトキシ)ベンゼンの合成
【0165】
【化28】

【0166】
容易に入手可能な2-(3-ヒドロキシフェニル)酢酸 (1.0 g) から参考例15の方法に準じて合成することで、標記化合物 (190 mg) を淡黄色油状物質として得た。
【0167】
参考例17
(S)-1-(2-アジドプロピル)-3-(シクロプロピルメトキシ)ベンゼンの合成
【0168】
【化29】

【0169】
容易に入手可能な3-ブロモフェール (1.0 g) をDMF (10 mL) に溶解し、炭酸カリウム (1.6 g)、ヨウ化ナトリウム (87 mg) 及びクロロメチルシクロプロパン (587 mL) を加え、80℃で5時間撹拌した。反応液に水 (30 mL) を加え、酢酸エチル (30 mL)で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (2%酢酸エチル/ヘキサン)で精製した。得られた化合物(1.3 gの内、500 mg) をTHF (15 mL) に溶解し、n-ブチルリチウムのヘキサン溶液 (2.64 M, 795 μL) を-78℃で滴下し、同温度で30分撹拌した。反応液に (R)-2-メチルオキシラン (155 μL) を-78℃で加え、同温度で10分撹拌した。反応液にBF3・Et2O (361 μL) を-78℃で加え、同温度で40分撹拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液 (10 mL) を室温で加え分液した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (33%酢酸エチル/ヘキサン)で精製した。得られた化合物(300 mgの内、260 mg) をジクロロメタン (3.0 mL) に溶解し,トリエチルアミン (262 μL) 及び塩化メタンスルホニル (117 μL) を加え室温30分撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液 (5.0 mL) を加え分液した。有機層を水 (5.0 mL)、飽和食塩水 (5.0 mL) で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をDMF (3.0 mL) に溶解し、アジ化ナトリウム (328 mg) を加え50℃で3時間撹拌した。反応液に水 (10 mL) を加え、酢酸エチル (10 mL)で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (10%酢酸エチル/ヘキサン) で精製することで、標記化合物 (230 mg) を淡黄色油状物質として得た。
【0170】
参考例18
(S)-2-(3-(シクロプロピルメトキシ)-4-フルオロフェニル)ブタン-1,2-ジオールの合成
【0171】
【化30】

【0172】
容易に入手可能な4-フルオロ-3-ヒドロキシ安息香酸 (4.7 g) をエタノール (80 mL) に溶解し、硫酸 (1.0 mL)を加え90℃で2時間加熱還流した。反応液を放冷後、減圧濃縮した。残渣に水 (10 mL) を加えた後、炭酸水素ナトリウムを加えて中和し、酢酸エチル (50 mL) で抽出した。有機層を飽和食塩水 (20 mL) で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をDMF (30 mL) に溶解し、炭酸カリウム (8.0 g) 、クロロメチルシクロプロパン (2.9 mL) 及びヨウ化ナトリウム (432 mg) を加え、90℃で4時間撹拌した。反応液に水 (20 mL)を加え、トルエン (20 mL) で抽出した。有機層を水 (20 mL)、飽和食塩水 (20 mL) で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をエタノール (10 mL)、水 (10 mL) に溶解し、水酸化ナトリウム水溶液 (4.0 M, 22 mL) を加え50℃で3時間撹拌した。反応液を減圧濃縮後、希塩酸 (1.0 M, 100 mL) で酸性にし、酢酸エチル (50 mL) で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をDMF (80 mL) に溶解し、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩 (以下EDC・HCl, 8.0 g)、1-ヒドロキシ-1H-ベンゾトリアゾール (以下HOBt, 5.0 g)、N,O-ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩 (3.3 g) 及びトリエチルアミン (4.9 mL)を加え、室温で3時間撹拌した。反応液に水 (50 mL) を加え、トルエン (50 mL)で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (33%酢酸エチル/ヘキサン)で精製した。得られた化合物をTHF (70 mL) に溶解し、臭化エチルマグネシウムのTHF溶液 (1.0 M, 22 mL) を0℃で滴下し、同温度で2時間撹拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液 (100 mL) を加え分液した。有機層を水 (50 mL)、飽和食塩水 (100 mL) で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (5%酢酸エチル/ヘキサン) で精製した。
【0173】
メチルトリフェニルホスホニウムブロミド (10.8 g) をTHF (80 mL)に懸濁し、0 ℃でNaHMDSのTHF溶液 (1.0 M, 30 mL) を加え、同温度で30分撹拌した。-78℃に冷却し、前反応で得られたケトン体 (4.98 g) を加え、室温で3時間撹拌した。酢酸 (2.0 mL) を加え減圧濃縮した後、残渣を10%ヘキサン/酢酸エチル溶液 (80 mL) に懸濁した。不溶物を濾去し、10%ヘキサン/酢酸エチル溶液 (80 mL)で洗浄後、合一した濾液を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (2%酢酸エチル/ヘキサン)で精製した。得られた化合物をtert-ブタノール (90 mL)、水 (90 mL) に溶解し、0℃でAD-mixα (30 g) を加え、同温度で3時間撹拌した。反応液に飽和亜硫酸水素ナトリウム水溶液を不溶物がなくなるまで0℃でゆっくり加え、酢酸エチル (100 mL) で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (33%酢酸エチル/ヘキサン)で精製することで、標記化合物 (5.2 g) を無色油状物質として得た。
【0174】
参考例19
(S)-1-アジド-2-(3-(シクロプロピルメトキシ)-4-フルオロフェニル)ブタン-2-オールの合成
【0175】
【化31】

【0176】
参考例18で得られた (S)-2-(3-(シクロプロピルメトキシ)-4-フルオロフェニル)ブタン-1,2-ジオール (590 mg) をジクロロメタン (10 mL) に溶解し,トリエチルアミン (472 μL) 及び塩化メタンスルホニル (193 μL) を加え室温30分撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液 (10 mL) を加え分液した。有機層を水 (10 mL)、飽和食塩水 (10 mL) で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をDMF (4.0 mL) に溶解し、アジ化ナトリウム (734 mg) を加え80℃で12時間撹拌した。反応液に水 (10 mL) を加え、酢酸エチル (10 mL)で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (10%酢酸エチル/ヘキサン) で精製することで、標記化合物 (450 mg) を無色油状物質として得た。
【0177】
参考例20
(S)-2-(3-イソブトキシフェニル)ブタン-1,2-ジオールの合成
【0178】
【化32】

【0179】
容易に入手可能な3-ヒドロキシ安息香酸エチル (6.6 g) をTHF (15 mL) に溶解し、トリフェニルホスフィン (21 g) 及び2-メチルプロパノール (7.4 mL)を加えた。反応液にアゾジカルボン酸ジイソプロピルのトルエン溶液 (1.9 M, 42 mL) を滴下し、室温で2時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣を10%ヘキサン/酢酸エチル溶液 (100 ml)に懸濁した後、不溶物を濾去し、10%ヘキサン/酢酸エチル溶液 (100 ml) で洗浄後、合一した濾液を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (4%ヘキサン/酢酸エチル溶液) で精製した。得られた化合物をエタノール (10 mL)、水 (10 mL) に溶解し、水酸化ナトリウム水溶液 (4.0 M, 22 mL) を加え50℃で3時間撹拌した。反応液を減圧濃縮した後、希塩酸 (1.0 M, 100 ml) で酸性にし、酢酸エチル (50 mL)で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をDMF (80 mL)に溶解し、EDC・HCl (8.0 g)、HOBt (5.0 g)を加え、N,O-ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩 (3.3 g) 及びトリエチルアミン (4.9 mL)を加え、室温で3時間撹拌した。反応液に水 (50 mL) を加え、トルエン (50 mL) で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (33%酢酸エチル/ヘキサン)で精製した。得られた化合物をTHF (70 mL) に溶解し、臭化エチルマグネシウムのTHF溶液 (1.0 M, 25 mL) を0℃で滴下し、同温度で2時間撹拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液 (100 mL) を加え、分液した。有機層を飽和食塩水 (100 mL) で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (5%酢酸エチル/ヘキサン) で精製した。
【0180】
メチルトリフェニルホスホニウムブロミド (10.8 g) をTHF (80 mL)に懸濁し、0 ℃でNaHMDSのTHF溶液 (1.0 M, 30 mL) を加え、同温度で30分撹拌した。-78℃に冷却し、前反応で得られたケトン体 (4.98 g) を加え、室温で3時間撹拌した。酢酸 (2.0 mL) を加え、減圧濃縮した。残渣を10%ヘキサン/酢酸エチル溶液 (80 mL) に懸濁し、不溶物を濾去し、10%ヘキサン/酢酸エチル溶液 (80 mL)で洗浄後、合一した濾液を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (2%酢酸エチル/ヘキサン) で精製した。得られた化合物をtert-ブタノール (90 mL)、水 (90 mL) に溶解し、0℃でAD-mixα (30 g) を加え、同温度で3時間撹拌した。飽和亜硫酸水素ナトリウム水溶液を不溶物がなくなるまで0℃でゆっくり加え、酢酸エチル (100 mL) で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (33%酢酸エチル/ヘキサン) で精製した。得られた化合物 (4.9 gの内、580 mg) をジクロロメタン (10 mL) に溶解し,トリエチルアミン (472 μL) 及び塩化メタンスルホニル (193 μL) を加え室温30分攪拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液 (10 mL) を加え分液した。有機層を水 (10 mL)、飽和食塩水 (10 mL) で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をDMF (4.0 mL) に溶解し、アジ化ナトリウム (734 mg) を加え80℃で12時間攪拌した。反応液に水 (10 mL) を加え、酢酸エチル (10 mL)で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (10%酢酸エチル/ヘキサン) で精製することで、標記化合物 (430 mg) を無色油状物質として得た。
【0181】
参考例21
(S)-1-アジド-2-(3-(2,2-ジフルオロエトキシ)フェニル)ブタン-2-オール
【0182】
【化33】

【0183】
容易に入手可能な2,2-ジフルオロエタノール (6.6 g) 及びトリエチルアミン (16.8 mL) をジクロロメタン (200 mL) に溶解し、トリフルオロメタンスルホン酸無水物 (16 mL) を0℃で滴下し、室温で30分撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液 (100 mL) を加え、分液した。有機層を水 (50 mL)、飽和食塩水 (50 mL) で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。
【0184】
容易に入手可能な3-ヒドロキシ安息香酸エチル (6.6 g) をDMF (200 mL) に溶解し、炭酸カリウム (16 g) 及びヨウ化ナトリウム (1.0 g) を加え、前反応で得られた残渣のDMF (30 mL) 溶液を加え、90℃で12時間撹拌した。反応液にトルエン (200 ml)、水 (200 mL) を加え分液した。有機層を水 (100 mL)、水酸化ナトリウム水溶液 (1.0 M、100 mL)、飽和食塩水 (100 mL) で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をエタノール (10 mL)、水 (10 mL) に溶解し、水酸化ナトリウム水溶液 (4.0 M, 22 mL) を加え50℃で3時間撹拌した。反応液を減圧濃縮後、希塩酸 (1.0 M, 100 ml) で酸性にし、酢酸エチル (50 mL)で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をDMF (8.0 mL)に溶解し、EDC・HCl (8.0 g)、HOBt (5.0 g)を加え、N,O-ジメチルヒドロキシルアミン 塩酸塩 (3.3 g) 及びトリエチルアミン (4.9 mL) を加え、室温で3時間撹拌した。反応液に水 (50 mL) を加え、トルエン (50 mL)で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (33%酢酸エチル/ヘキサン)で精製した。得られた化合物をTHF (70 mL) に溶解し、臭化エチルマグネシウムのTHF溶液 (1.0 M, 25 mL) を0℃で滴下し、同温度で2時間撹拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液 (100 mL) を加え分液し、有機層を飽和食塩水 (100 mL) で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (5%酢酸エチル/ヘキサン) で精製した。
【0185】
メチルトリフェニルホスホニウムブロミド (10.8 g) をTHF (80 mL)に懸濁し、0 ℃でNaHMDSのTHF溶液 (1.0 M, 30 mL) を加え、同温度で30分撹拌した。-78℃に冷却し、前反応で得られたケトン体 (4.98 g) を加え、室温で3時間撹拌した。酢酸 (2.0 mL) を加え減圧濃縮し、残渣を10%ヘキサン/酢酸エチル溶液 (80 mL) に懸濁した。不溶物を濾去し、10%ヘキサン/酢酸エチル溶液 (80 mL) で洗浄後、合一した濾液を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (2%酢酸エチル/ヘキサン) で精製した。得られた化合物をtert-ブタノール (90 mL)、水 (90 mL) に溶解し、0℃でAD-mixα (30 g) を加え、同温度で3時間撹拌した。反応液に飽和亜硫酸水素ナトリウム水溶液を不溶物がなくなるまで0℃でゆっくり加え、酢酸エチル (100 mL) で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (33%酢酸エチル/ヘキサン)で精製した。得られた化合物 (5.5 gの内、595 mg) をジクロロメタン (10 mL) に溶解し,トリエチルアミン (472 μL) 、メタンスルホニルクロリド (193 μL) を加え室温30分攪拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液 (10 mL) を加え分液した。有機層を水 (10 mL)、飽和食塩水 (10 mL) で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をDMF (4 mL) に溶解し、アジ化ナトリウム (734 mg) を加え80℃で12時間攪拌した。反応液に水 (10 mL) を加え、酢酸エチル (10 mL)で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (10%酢酸エチル/ヘキサン) で精製することで、標記化合物 (470 mg) を無色油状物質として得た。
【0186】
以下の表に示すアジド体は参考例18〜20のいずれかの方法に準じて合成した。
【0187】
【表2】

【0188】
【表3】

【0189】
なお、参考例26のアジドはAD-mixαの代わりにAD-mixβを、参考例39のアジドはAD-mixαの代わりに四酸化オスミウムを用いて合成した。
【0190】
参考例40
2-アジド-1,1-ビス(4-フルオロフェニル)エタノールの合成
【0191】
【化34】

【0192】
容易に入手可能な2-ヒドロキシ酢酸エチル (3.0 g) をDMF (100 mL) に溶解し、イミダゾール (2.94 g) 及び tert-ブチルジメチルシリルクロリド (5.6 g) を加え室温で2時間撹拌した。反応液に水 (100 mL) を加え、酢酸エチル (100 mL)で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (10%酢酸エチル/ヘキサン) で精製した。得られたシリル体(5.2 gの内、1.55 g) をTHF (25 mL) に溶解し、0℃で臭化4-フルオロフェニルマグネシウムのTHF溶液 ( 1.0 M, 28 mL) を滴下し、0℃で3時間撹拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液 (20 mL) を加え分液した。有機層を飽和食塩水 (20 mL) で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (5%酢酸エチル/ヘキサン) で精製した。得られた化合物をTHF (20 mL) に溶解し、TBAFのTHF溶液 (1.0 M, 20 mL) を加え、室温で2時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (33%酢酸エチル/ヘキサン) で精製した。得られたジオール体 (1.3 gの内、1.0 g) をジクロロメタン (20 mL) に溶解し、トリエチルアミン (831 μL) 及び塩化メタンスルホニル(371 μL) を加え室温30分撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液 (10 mL) を加え、分液した。有機層を水 (10 mL)、飽和食塩水 (10 mL) で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をDMF (40 mL) に溶解し、アジ化ナトリウム (1.0 g) を加え70℃で12時間撹拌した。反応液に水 (50 mL) を加え、酢酸エチル (50 mL) で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (10%酢酸エチル/ヘキサン) で精製することで、標記化合物 (300 mg) を淡黄色油状物質として得た。
【0193】
参考例41
1-(アジドメチル)-3-(シクロプロピルメトキシ)ベンゼンの合成
【0194】
【化35】

【0195】
容易に入手可能な3-(ヒドロキシメチル)フェノール (700 mg) をDMF (6.0 mL)に溶解し、炭酸カリウム (1.56 g) 、ヨウ化ナトリウム (84 mg) 及びクロロメチルシクロプロパン (547 μL) を加え、80℃で5時間撹拌した。反応液に水 (40 mL) を加え、酢酸エチル (40 mL) で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (17%酢酸エチル/ヘキサン)で精製した。得られた化合物をトルエン (8 mL) に溶解し、ジフェニルホスホリルアジド (1.17 mL) 及び1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン(以下DBU, 747 μL) を0℃で加え室温で5時間撹拌した。反応液に水 (10 mL) を加え、酢酸エチル (10 mL)で抽出した。有機層を希塩酸(1.0 M, 10 mL) で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (10%酢酸エチル/ヘキサン) で精製することで、標記化合物 (850 mg) を淡黄色油状物質として得た。
【0196】
参考例42
1-(アジドメチル)-2-(シクロプロピルメトキシ)ベンゼンの合成
【0197】
【化36】

【0198】
容易に入手可能な2-(ヒドロキシメチル)フェノール (700 mg) から参考例41の方法に準じて合成することで、標記化合物 (710 mg) を淡黄色油状物質として得た。
【0199】
参考例43
rac-1-(1-アジドブタン-2-イル)-3-(シクロプロピルメトキシ)ベンゼンの合成
【0200】
【化37】

【0201】
マグネシウム (1.5 g) をTHF (4.0 mL) に懸濁し、ヨウ素 (5.0 mg) を加えた後、容易に入手可能な3-ブロモフェノールから文献 (Eur. J. Org. Chem., 4, 916-923 (2006))記載の方法に準じて得られる3-ブロモシクロプロピルメトキシベンゼン (1.5 g) のTHF (4.0 mL) 溶液を滴下し、室温で1時間攪拌した。調製したGrignard試薬を、容易に入手可能な2-ビニルオキシラン (535 μL) のTHF (4.0 mL) 溶液に0℃で滴下し、60℃ で2時間攪拌した。反応液に塩化アンモニウム水溶液 (10 mL) を加え、分液した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (14%酢酸エチル/ヘキサン) で精製した。得られた化合物をメタノール (3.0 mL) に溶解し、10%パラジウム-炭素 (700 mg) を加え、水素雰囲気下、1時間攪拌した。不溶物を濾去し、メタノール (20 mL) で洗浄後、合一した濾液を減圧濃縮した。残渣をトルエン (5.0 mL) で3回共沸し、得られた残渣をジクロロメタン (4.0 mL) に溶解し、トリエチルアミン (149 μL) 及び塩化メタンスルホニル (77 μL) を加え室温30分攪拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液 (5 mL) を加え、分液した。有機層を水 (5.0 mL)、飽和食塩水 (5.0 mL) で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をDMF (4.0 mL) に溶解し、アジ化ナトリウム (162 mg) を加え50℃で3時間攪拌した。反応液に水 (10 mL)を加え、酢酸エチル (10 mL)で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (10%酢酸エチル/酢酸エチル) で精製することで、標記化合物 (160 mg) を淡黄色油状物質として得た。
【0202】
参考例44
4-(2-アジドエチル)-2-(シクロプロピルメトキシ)-1-フルオロベンゼンの合成
【0203】
【化38】

【0204】
容易に入手可能な4-フルオロ-3-ヒドロキシ安息香酸 (4.7 g) をエタノール (8 mL) に溶解し、硫酸 (1.0 mL)を加え90℃で2時間加熱環流した。反応液を減圧濃縮し、残渣に水 (10 mL) を加えた後、炭酸水素ナトリウムを加えて中和し、酢酸エチル (50 mL) で抽出した。有機層を飽和食塩水 (20 mL) で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をDMF (30 mL) に溶解し、炭酸カリウム (8.0 g) 、クロロメチルシクロプロパン (2.9 mL) 及びヨウ化ナトリウム (432 mg) を加え、90℃で4時間攪拌した。反応液を放冷後、水 (20 mL)を加え、トルエン (20 mL) で抽出した。有機層を水 (20 mL)、飽和食塩水 (20 mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。
水素化リチウムアルミニウム (以下LAH) のTHF溶液 (2.4 M、11.6 mL) をTHF (20 mL) に溶解し、氷冷下、前反応で得られた残渣 (5.7 g の内、2.2 g) のTHF (5.0 mL) 溶液を滴下し、室温で3時間攪拌した。反応液に水 (5.0 mL) を0℃でゆっくり加え、生じた固体を濾去し、酢酸エチル (50 mL) 及びTHF (50 mL) で洗浄後、合一した濾液を減圧濃縮した。残渣をトルエン (10 mL×3) で共沸した後、クロロホルム (100 mL) に溶解し、二酸化マンガン (7.0 g) を加え80℃で2時間加熱還流した。不溶物をセライトを用いて濾去し、クロロホルム (200 mL) で洗浄後、合一した濾液を減圧濃縮した。残渣をトルエン (5.0 mL x 2) で共沸した。
【0205】
(メトキシメチル)トリフェニルホスホニウムクロリド (4.62 g) をTHF (20 mL) に懸濁し、tert-ブトキシカリウム (1.88 g) を0℃で加え、室温で30分攪拌した。前反応で得られた残渣を加え、室温で2時間攪拌した。反応液に水 (20 mL) を加え、酢酸エチル (20 mL)で抽出した。有機層を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (5%酢酸エチル/ヘキサン) で精製した。得られた化合物をアセトン (12 mL) に溶解し、12N塩酸 (6.0 mL) を加え、10分攪拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液 (20 mL) に加え、減圧濃縮した。残渣にクロロホルム (20 mL)、水 (10 mL) を加え分液し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をエタノール (20 mL) に溶解し、水素化ホウ素ナトリウム (383 mg) を0℃で加え、室温で2時間攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液 (50 mL) を加え、クロロホルム (100 mL)で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (50%ヘキサン/酢酸エチル) で精製した。得られたアルコール体 (800 mg のうち300 mg) をジクロロメタン (3.0 mL) に溶解し、トリエチルアミン (296 μL) 及び塩化メタンスルホニル(132 μL) を加え室温30分攪拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液 (5.0 mL) を加え分液し、有機層を水 (5.0 mL)、飽和食塩水 (5.0 mL) で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をDMF (4.0 mL) に溶解し、アジ化ナトリウム (277 mg) を加え50℃で3時間攪拌した。反応液に水 (10 mL) を加え、酢酸エチル (10 mL) で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (10%酢酸エチル/ヘキサン) で精製することで、標記化合物 (310 mg) を淡黄色油状物質として得た。
【0206】
参考例45
(2-アジドエタン-1,1-ジイル)ジベンゼンの合成
【0207】
【化39】

【0208】
2,2-ジフェニルエタノール (500 mg) をTHF (20 mL) に溶解し、トリフェニルホスフィン (656 mg)、アゾジカルボン酸ジイソプロピル トルエン溶液 (1.9 M、1.32 mL)を加え室温で5分撹拌した。反応液にジフェニルホスホリルアジド (538 μL) を滴下し、50℃で12時間攪拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (2%酢酸エチル/ヘキサン) で精製することで、標記化合物 (300 mg) を淡黄色油状物質として得た。
【0209】
参考例46
(S)-1-(5-(4-(tert-ブチルジフェニルシリルオキシ)ブチル)-4-(ヒドロキシメチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-2-(3-(シクロプロピルメトキシ)-4-フルオロフェニル)ブタン-2-オールの合成
【0210】
【化40】

【0211】
参考例7で得られたメチル 7-(tert-ブチルジフェニルシリルオキシ)ヘプト-2-イノエート (660 mg) と参考例19で得られた(S)-1-アジド-2-(3-(シクロプロピルメトキシ)-4-フルオロフェニル)ブタン-2-オール (700 mg) をトルエン (8.0 mL) に溶解し、クロロ(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(シクロオクタジエン)ルテニウム(II) (63 mg) を加え、80℃で2時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (33%酢酸エチル/ヘキサン) で精製した。得られた化合物 (1.1 gの内、1.0 g) をTHF (7.0 mL) に溶解し、水素化ホウ素リチウムのTHF溶液 (2.0 M, 1.48 mL) を加え80℃で5時間加熱還流した。反応液を放冷後、飽和食塩水 (10 mL) を加え、分液した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (50%酢酸エチル/ヘキサン) で精製することで、標記化合物 (840 mg) を無色油状物質として得た。
【0212】
参考例47
(S)-1-(2-(3-(シクロプロピルメトキシ)-4-フルオロフェニル)-2-ヒドロキシブチル)-5-(4-ヒドロキシブチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-カルボニトリルの合成
【0213】
【化41】

【0214】
参考例46で得られた(S)-1-(5-(4-(tert-ブチルジフェニルシリルオキシ)ブチル)-4-(ヒドロキシメチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-2-(3-(シクロプロピルメトキシ)-4-フルオロフェニル)ブタン-2-オール (810 mg) をクロロホルム (15 mL) に溶解し、二酸化マンガン (1.0 g) を加え90℃で2時間加熱還流した。固体をセライトを用いて濾去し、クロロホルム (40 mL) で洗浄後、合一した濾液を減圧濃縮した。残渣をトルエン (10 mL x 2) で共沸し、得られた残渣 (700 mgの内、400 mg) をピリジン (5.0 mL) に溶解し、ヒドロキシルアミン塩酸塩 (65 mg) を加え、室温で6時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、水 (10 mL) を加え、酢酸エチル (10 mL)で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をトルエン (5 mL x 3) で共沸した後、ジクロロメタン (5.0 mL) に溶解し、トリエチルアミン (172 μL) 及び塩化メタンスルホニル (72 μL) を0℃で加え室温で3時間撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液 (5.0 mL) を加え分液した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (25%酢酸エチル/ヘキサン) で精製した。得られた化合物をTHF (1.3 mL) に溶解し、TBAFのTHF溶液 (1.0 M, 1.31 mL) を加え室温で1時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (5%メタノール/クロロホルム) で精製することで、標記化合物 (180 mg) を無色油状物質として得た。
【0215】
参考例48
(S)-4-(1-(2-(3-(シクロプロピルメトキシ)-4-フルオロフェニル)-2-ヒドロキシブチル)-4-エチニル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)ブタン-1-オールの合成
【0216】
【化42】

【0217】
参考例46で得られた(S)-1-(5-(4-(tert-ブチルジフェニルシリルオキシ)ブチル)-4-(ヒドロキシメチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-2-(3-(シクロプロピルメトキシ)-4-フルオロフェニル)ブタン-2-オール (810 mg) をクロロホルム (15 mL) に溶解し、二酸化マンガン (1.0 g) を加え90℃で2時間加熱還流した。固体をセライトを用いて濾去し、クロロホルム (40 mL) で洗浄後、合一した濾液を減圧濃縮した。残渣をトルエン (10 mL x 2) で共沸し、得られた残渣(700 mgの内、350 mg) をメタノール (3.0 mL) に溶解し、文献 (Eur. J. Org. Chem., 5, 821-832 (2003))記載の方法で得られたジメチル 1-ジアゾ-2-オキソプロピルホスホネート (136 mg) 及び炭酸カリウム (149 mg) を加え、室温で3時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣に水 (10 mL) を加え、酢酸エチル (10 mL) で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (25%酢酸エチル/ヘキサン) で精製した。得られた化合物をTHF (1.5 mL) に溶解し、TBAFのTHF溶液 (1.0 M, 1.5 mL) を加え室温で1時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (3%メタノール/クロロホルム) で精製することで、標記化合物 (190 mg) を無色油状物質として得た。
【0218】
参考例49
(S)-4-(1-(2-(3-(シクロプロピルメトキシ)-4-フルオロフェニル)-2-ヒドロキシブチル)-4-(2,2-ジフルオロエチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)ブタン-1-オールの合成
【0219】
【化43】

【0220】
参考例46で得られた(S)-1-(5-(4-(tert-ブチルジフェニルシリルオキシ)ブチル)-4-(ヒドロキシメチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-2-(3-(シクロプロピルメトキシ)-4-フルオロフェニル)ブタン-2-オール (1.6 g) をクロロホルム (30 mL) に溶解し、二酸化マンガン (2.0 g) を加え90℃で2時間加熱還流した。固体をセライトを用いて濾去し、クロロホルム (100 mL) で洗浄後、合一した濾液を減圧濃縮した。残渣をトルエン (10 mL x 2) で共沸し、得られた残渣(1.4 gの内、1.2 g) をジクロロメタン (5.0 mL) に溶解し、0℃でトリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート (505 μL) 及び 2,6-ルチジン (433 μL) を加え、室温で1時間撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液 (5.0 mL) を加え分液した。有機層を水 (5.0 mL)、飽和食塩水 (5.0 mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (33%酢酸エチル/ヘキサン) で精製した。得られたトリメチルシリル体 (1.1 gの内、600 mg) をDMF (5.0 mL)に溶解し、トリフェニルホスフィン (1.32 g)、クロロジフルオロ酢酸ナトリウム (921 mg) を加え、100℃で3時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (17%酢酸エチル/ヘキサン) で精製した。得られた化合物を酢酸エチル (3.0 mL) に溶解し、10%パラジウム-炭素 (1.0 g) を加え、水素雰囲気下で1時間撹拌した。固体をセライトを用いて濾去し、酢酸エチル (20 mL) で洗浄後、合一した濾液を減圧濃縮した。残渣をトルエン (3 mL x 3) で共沸した後、THF (1.23 mL) に溶解し、TBAFのTHF溶液 (1.0 M, 1.23 mL) を加え室温で1時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (2%メタノール/クロロホルム) で精製することで、標記化合物 (190 mg) を無色油状物質として得た。
【0221】
参考例50
(S)-4-(1-(2-(3-(シクロプロピルメトキシ)-4-フルオロフェニル)-2-ヒドロキシブチル)-4-ビニル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)ブタン-1-オールの合成
【0222】
【化44】

【0223】
参考例46で得られた(S)-1-(5-(4-(tert-ブチルジフェニルシリルオキシ)ブチル)-4-(ヒドロキシメチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-2-(3-(シクロプロピルメトキシ)-4-フルオロフェニル)ブタン-2-オール (1.6 g) をクロロホルム (30 mL) に溶解し、二酸化マンガン (2.0 g) を加え90℃で2時間加熱還流した。固体をセライトを用いて濾去し、クロロホルム (100 mL) で洗浄後、合一した濾液を減圧濃縮した。残渣をトルエン (10 mL x 2) で共沸し、得られたアルデヒド体 (1.4 gの内、1.2 g) をジクロロメタン (5.0 mL) に溶解し、0℃でトリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート (505 μL) 及び 2,6-ルチジン (433 μL) を加え、1時間撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液 (5.0 mL) を加え分液し、有機層を水 (5.0 mL)、飽和食塩水 (5.0 mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (33%酢酸エチル/ヘキサン) で精製した。
メチルトリフェニルホスホニウムブロミド (179 mg) をTHF (1.0 mL)に懸濁し、0 ℃でNaHMDSのTHF溶液 (1.0 M, 500 μL) を加え、同温度で30分撹拌した。-78℃に冷却し、前反応で得られたアルデヒド体 (1.1 gのうち180 mg) を加え、室温で3時間撹拌した。反応液に酢酸 (200 μL) を加え、減圧濃縮した。残渣を10%酢酸エチル/ヘキサン溶液 (10 mL) に懸濁し、不溶物を濾過し、10%酢酸エチル/ヘキサン溶液 (50 mL)で洗浄後、合一した濾液を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (17%酢酸エチル/ヘキサン)で精製した。得られた化合物をTHF (1.0 mL) に溶解し、TBAFのTHF溶液 (1.0 M, 1.0 mL)を加え室温で1時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (2%メタノール/クロロホルム) で精製することで、標記化合物 (45 mg) を無色油状物質として得た。
【0224】
参考例51
(S)-2-(3-(シクロプロピルメトキシ)-4-フルオロフェニル)-1-(5-(3-ヒドロキシプロピル)-4-(メトキシメチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)ブタン-2-オールの合成
【0225】
【化45】

【0226】
参考例46で得られた(S)-1-(5-(4-(tert-ブチルジフェニルシリルオキシ)ブチル)-4-(ヒドロキシメチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-2-(3-(シクロプロピルメトキシ)-4-フルオロフェニル)ブタン-2-オール (300 mg) をTHF (2.0 mL) に溶解し、水素化ナトリウム (55%, 40 mg) を加え0℃で10分撹拌した。反応液にヨウ化メチル (32 μL) を加え室温で1.5時間撹拌した。反応液に水 (10 mL) を加え、酢酸エチル (10 mL) で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (50%酢酸エチル/ヘキサン) で精製した。得られた化合物をTHF (1.0 mL) に溶解し、TBAFのTHF溶液 (1.0 M, 1.0 mL) を加え室温で1時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (2%メタノール/クロロホルム) で精製することで、標記化合物 (105 mg) を無色油状物質として得た。
【0227】
参考例52
(S)-4-(1-(2-(3-(シクロプロピルメトキシ)-4-フルオロフェニル)-2-ヒドロキシブチル)-4-(フルオロメチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)ブタン-1-オールの合成
【0228】
【化46】

【0229】
参考例46で得られた (S)-1-(5-(4-(tert-ブチルジフェニルシリルオキシ)ブチル)-4-(ヒドロキシメチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-2-(3-(シクロプロピルメトキシ)-4-フルオロフェニル)ブタン-2-オール (300 mg) をジクロロメタン (2.0 mL) に溶解し、トリエチルアミン (96 μL) 及び塩化メタンスルホニル (39 μL)を加え、室温で30分攪拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液 (5.0mL) を加え分液した。有機層を水 (2.0 mL)、飽和食塩水 (2.0 mL) で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をTHF (1.0 mL) に溶解し、TBAFのTHF溶液 (1.0 M、2.88 mL) を加え50℃で1時間攪拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (2%メタノール/クロロホルム) で精製することで、標記化合物 (100 mg) を無色油状物質として得た。
【0230】
参考例53
(S)-1-(2-(3-(シクロプロピルメトキシ)-4-フルオロフェニル)-2-(トリメチルシリルオキシ)ブチル)-4-(フルオロメチル)-5-(3-(メトキシメトキシ)プロピル)-1H-1,2,3-トリアゾールの合成
【0231】
【化47】

【0232】
参考例8で得られたメチル 5-(メトキシメトキシ)ペント-2-イノエート (1.53 g) と参考例19で得られた(S)-1-アジド-2-(3-(シクロプロピルメトキシ)-4-フルオロフェニル)ブタン-2-オール (2.07 g) をトルエン (40 mL) に溶解し、クロロ(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(シクロオクタジエン)ルテニウム(II) (281 mg) を加え、80℃で2時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (50%酢酸エチル/ヘキサン) で精製した。得られた化合物をTHF (25 mL) に溶解し、水素化ホウ素リチウムのTHF溶液 (2.0 M, 8.8 mL) を加え80℃で10時間撹拌した。反応液に飽和食塩水 (30 mL) を0℃で加え分液し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (2.5%メタノール/クロロホルム) で精製した。得られたジオール体 (1.73 gの内、400 mg) をジクロロメタン (4.0 mL) に溶解し、トリエチルアミン (198 μL) 及び塩化メタンスルホニル (80 μL) を加え室温30分撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液 (5.0 mL) を加え分液した。有機層を水 (5.0 mL)、飽和食塩水 (5.0 mL) で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をTHF (2.0 mL) に溶解し、TBAFのTHF溶液 (1.0 M, 5.0 mL)を加え50℃で4時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (50%酢酸エチル/ヘキサン) で精製した。得られた化合物をジクロロメタン (1.2 mL) に溶解し、0℃でトリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート (64 μL)、2,6-ルチジン (109 μL)を加え、1時間撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液 (5.0 mL) を加え分液した。有機層を水 (5.0 mL)、飽和食塩水 (5.0 mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン/酢酸エチル、1/1) で精製することで、標記化合物 (95 mg) を無色油状物質として得た。
【0233】
参考例54
4-(1-(3-(シクロプロピルメトキシ)フェネチル)-4-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)ブタン-1-オール、及び4-(1-(3-(シクロプロピルメトキシ)フェネチル)-5-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)ブタン-1-オール(混合物)の合成
【0234】
【化48】

【0235】
文献 (J. Chem. Soc., Perkin Trans. 1, 22, 3779-3785 (2000)) 記載の方法で得られたtert-ブチル(ヘキス-5-イニルオキシ)ジメチルシラン (453 mg)、参考例15から得られた1-(2-アジドエチル)-3-(シクロプロピルメトキシ)ベンゼン (320 mg) をトルエン (10 mL) に溶解し、120℃で96時間加熱還流した。反応液を減圧濃縮し、DMF (7.0 mL) を加え145℃で48時間加熱還流した。反応液を放冷後、酢酸エチル(20 mL)、ヘキサン (20 mL) 及び水 (20 mL) を加え分液した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧乾燥した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (25%酢酸エチル/ヘキサン) で精製した。得られた位置異性体混合物 (279 mg) をTHF (1.0 mL) に溶解し、TBAFのTHF溶液 (1.0 M, 1.0 mL)を加え、50℃で1時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/メタノール、50/1) で精製し、標記化合物 (188 mg) を無色油状物質として得た。
【0236】
参考例55
1-(ブト-3-イニル)-3-(シクロプロピルメトキシ)ベンゼンの合成
【0237】
【化49】

【0238】
容易に入手可能な3-ヒドロキシベンジルアルコール (1.0 g) をDMF (8.0 mL) に溶解し、炭酸カリウム (2.21 g) 及びブロモメチルシクロプロパン (1.2 g) を加え、100℃で5時間撹拌した。反応液を放冷後、水 (20 mL) を加え、酢酸エチル (20 mL) で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (25%酢酸エチル/ヘキサン) で精製した。得られたモノアルコール体をTHF (20 mL) に溶解し、四臭化炭素 (3.29 g) 及びトリフェニルホスフィン (2.6 g) を加え、室温で2時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣にヘキサン (10 mL)、酢酸エチル (1.0 mL) を加えた。生じた固体を濾去し、10%酢酸エチル/ヘキサン (30 mL) で洗浄後、合一した濾液を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (2%酢酸エチル/ヘキサン) で精製した。
【0239】
1-トリメチルシリル-1-プロピン(1.38 mL)をTHF (7.0 mL) に溶解し、氷冷下、n-ブチルリチウムのヘキサン溶液 (2.68 M, 3.48 mL) を滴下し、0℃で3時間撹拌した。前反応で得られたブロモ体のTHF (3.0 mL) 溶液を反応液に滴下し、室温で10時間撹拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液 (20 mL)を加え分液した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (2%酢酸エチル/ヘキサン) で精製した。得られたトリメチルシリル体をエタノール (4.0 mL)に溶解し、水酸化ナトリウム (420 mg) を加え、室温で3時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣に水 (20 ml) を加え、酢酸エチル (20 ml)で抽出した。有機層を飽和食塩水 (10 ml) で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(3%酢酸エチル/ヘキサン) で精製することで、標記化合物 (660 mg) を淡黄色油状物質として得た。
【0240】
参考例56
1-(4-アジドブチル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンの合成
【0241】
【化50】

【0242】
文献 (J. Med. Chem., 49, 4183-4195 (2006)) 記載の方法で得られた1-(4-ヒドロキシブチル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン (2.1 g) をピリジン (50 mL) に溶解し、塩化メタンスルホニル (900 μL) を加え、室温で撹拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (5%メタノール/クロロホルム) で精製した。得られた化合物をDMF (50 mL) に溶解した。アジ化ナトリウム (1.57 g) を加え、50℃で10時間撹拌した。反応液に水 (50 mL) を加え、酢酸エチル (50 mL) で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (2.5%メタノール/クロロホルム) で精製することで、標記化合物 (1.43 g)を無色油状物質として得た。
【0243】
参考例57
N-(2-((3-ベンゾイル-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)メトキシ)エチル)-3-(3-(シクロプロピルメトキシ)フェニル)プロパンアミドの合成
【0244】
【化51】

【0245】
容易に入手可能な3-ヒドロキシベンズアルデヒド (1.0 g) をDMF (8.0 mL) に溶解し、クロロメチルシクロプロパン (794 μL)、炭酸カリウム (2.26 g) 及びヨウ化ナトリウム (123 mg) を加え、90℃で6時間撹拌した。反応液を放冷後、水 (50 mL) を加え、トルエン (50 mL)で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (10%酢酸エチル/ヘキサン) で精製した。
水素化ナトリウム(55% in oil、220 mg) をTHF (3.0 mL) に懸濁し、氷冷下、トリエチルホスホノアセテート (991 μL) を滴下し、0℃で1時間撹拌した。前反応で得られたアルデヒド体 (1.1 gの内、870 mg) のTHF (3.0 mL) 溶液を0℃で滴下し、室温で3時間撹拌した。反応液に水 (20 mL) を加え、酢酸エチル (20 mL) で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (2%酢酸エチル/ヘキサン) で精製した。得られた化合物をメタノール (20 mL) に溶解し、10%パラジウム-炭素 (2.0 g) を加え、水素雰囲気下室温で2時間撹拌した。不溶物を濾去し、メタノール (50 mL) で洗浄後、合一した濾液を減圧濃縮した。残渣をエタノール (1.6 mL)、水 (1.6 mL) に溶解し、水酸化ナトリウム水溶液 (4.0 M, 3.2 mL) を加え、50℃で2時間撹拌した。塩酸(2.0 M, 10 mL) で酸性にし、反応液を減圧濃縮した。残渣に水 (20 mL) を加え、酢酸エチル (20 mL)で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られたカルボン酸 (285 mg)をDMF (7.0 mL) に溶解し、EDC・HCl (370 mg)、HOBt (209 mg) 及び文献 (J. Heterocyclic Chem. 18, 947-951 (1981))記載の方法で得られた1-((2-アミノエトキシ)メチル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン (240 mg) を加え、室温で10時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (2.5%メタノール/クロロホルム) で精製した。得られた化合物をジクロロメタン (3.0 mL) に溶解し、N,N-ジイソプロピルエチルアミン (595 μL)、塩化ベンゾイル (244 μL) を加え室温で2時間撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液 (10 mL) を加え、クロロホルム (10 mL)で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (1.5%メタノール/クロロホルム) で精製することで、標記化合物 (350 mg) を無色油状物質として得た。
【0246】
参考例58
(S)-2-(3-(シクロプロピルメトキシ)-4-フルオロフェニル)-2-(トリメチルシリルオキシ)ブタン-1-オールの合成
【0247】
【化52】

【0248】
参考例18で得られた(S)-2-(3-(シクロプロピルメトキシ)-4-フルオロフェニル)ブタン-1,2-ジオール (129 mg) をジクロロメタン (1.5 mL) に溶解し、2,6-ルチジン (291 μL) 及びトリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート (300 μL) を加え、室温で1時間撹拌した。反応液に水 (20 mL) を加え、酢酸エチル (20 mL)で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (2%酢酸エチル/ヘキサン) で精製した。得られた化合物をTHF (1.5 mL)、水 (300 μL) に溶解し、酢酸 (300 μL) を加え、室温で3.5時間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液 (5.0 mL) で中和し、酢酸エチル (10 mL) で抽出した。有機層を飽和食塩水 (5.0 mL) で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (2.5%酢酸エチル/ヘキサン) で精製することで、標記化合物 (96 mg) を無色油状物質として得た。
【0249】
参考例59
(S)-2-(3-(シクロプロピルメトキシ)-4-フルオロフェニル)-2-(トリメチルシリルオキシ)ブチルメタンスルホネートの合成
【0250】
【化53】

【0251】
参考例58で得られた(S)-2-(3-(シクロプロピルメトキシ)-4-フルオロフェニル)-2-(トリメチルシリルオキシ)ブタン-1-オール(327 mg)をジクロロメタン(4.0 mL)に溶解し、0℃でトリエチルアミン (181 μL) 及び塩化メタンスルホニル(85 μL)を加え室温で30分撹拌した。反応液に水(10 mL)を加え、酢酸エチル(15 mL)で抽出した。有機層を飽和食塩水(10 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮することで、標記化合物(405 mg)を無色油状生成物として得た。
【0252】
参考例 60
(S)-4-(1-(2-(3-(シクロプロピルメトキシ)-4-フルオロフェニル)-2-ヒドロキシブチル)-1H-ピロール2-イル)ブタン-1-オールの合成
【0253】
【化54】

塩化メチルマグネシウムのTHF溶液(3.0 M, 6.67 mL)をトルエン(20 mL)に溶解し、0℃でピロール(1.66 g)をゆっくり滴下し50℃で1時間撹拌した。反応液にγ-ブチロラクトン(0.762 mL)のトルエン(20 mL)溶液を加え105℃で1.5時間撹拌した。反応液を放冷後、飽和塩化アンモニウム水(50 mL)を加え、THF(150 mL)で抽出した。有機層を飽和食塩水(30 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(3%メタノール/クロロホルム)で精製した。得られた濃紫色油状物質(1.10 g)をトルエン(5.0 mL x 3)で共沸した。
【0254】
塩化アルミニウム(2.87 g)をジクロロメタン(100 mL)に懸濁し、0℃でボラン-tertブチルアミン複合体(3.75 g)をゆっくり加え0℃で20分撹拌した。反応液に0℃でトルエン共沸した濃紫色油状物質(1.10 g)のジクロロメタン(5.0 mL)溶液を滴下し、0℃で1.5時間撹拌した。反応液に0℃で水(10 mL)をゆっくり滴下し、室温で希塩酸水(30 mL)を加え、ガスの発生が終わるまで(30分)室温で撹拌した。THF(100 mL x 3)で抽出し、有機層を飽和食塩水(50 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(2%メタノール/クロロホルム)で精製した。
【0255】
得られた淡黄色油状物質(345 mg)をDMF(6.0 mL)に溶解し、イミダゾール(371 mg)及びtert-ブチルジメチルシリルクロリド(411 mg)を加え室温で1時間撹拌した。反応液に水(10 mL)を加え、酢酸エチル(15 mL)で抽出した。有機層を水(10 mL)、飽和食塩水(10 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(15%酢酸エチル/ヘキサン)で精製した。得られた淡黄色油状物質(577 mgの内、253 mg)をトルエン(5.0 mL x 3)で共沸し、DMF(4.0 mL)に溶解し、0℃で水素化ナトリウム(55%, 52 mg)を加え50℃で30分撹拌した。反応液に参考例59で得られた(S)-2-(3-(シクロプロピルメトキシ)-4-フルオロフェニル)-2-(トリメチルシリルオキシ)ブチルメタンスルホネート(405 mg)のDMF(3.0 mL)を0℃で加え、室温で12時間撹拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水(4.0 mL)を加え、50%酢酸エチル/ヘキサン(10 mL)で抽出した。有機層を水(5.0 mL)、飽和食塩水(5.0 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(10%酢酸エチル/ヘキサン)で精製した。
【0256】
得られた橙色油状物質(153 mg)をTHF(1.0 mL)に溶解し、TBAFのTHF溶液(1.0 M, 0.465 mL)を加え室温で30分、50℃で30分撹拌した。反応液を減圧濃縮した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(50%酢酸エチル/ヘキサン)で精製することで、標記化合物(110 mg)を淡黄色油状生成物として得た。
【0257】
参考例61
(S)-4-(1-(2-(3-(シクロプロピルメトキシ)-4-フルオロフェニル)-2-ヒドロキシブチル)-3-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)ブタン-1-オールの合成
【0258】
【化55】

【0259】
文献 (SynLett, 20, 3160-3162 (2005)) 記載の方法で得られた5-(tert-ブチルジフェニルシリルオキシ)ペンタンニトリル (3.0 g)、アセトヒドラジド (222 mg)、炭酸カリウム (207 mg) をn-ブタノール (6.0 mL) に溶解し、スチール封管中、150℃で3時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (3%メタノール/クロロホルム) で精製した。得られた化合物をDMF (4.0 mL) に溶解し、水素化ナトリウム (55% in oil、110 mg) を0℃で加え、室温で1時間撹拌した。反応液に参考例59で得られた(S)-2-(3-(シクロプロピルメトキシ)-4-フルオロフェニル)-2-(トリメチルシリルオキシ)ブチルメタンスルホネート(500 mg) を加え、60℃で4時間撹拌した。反応液に水 (10 mL)を加え、酢酸エチル (10 mL)で抽出した。有機層を飽和食塩水 (10 mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (25%酢酸エチル/ヘキサン) で精製した。得られた化合物をTHF (1.0 mL) に溶解し、TBAFの THF溶液 (1.0 M, 1.0 mL) を加え、室温で2時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (3%メタノール/クロロホルム) で精製することで、標記化合物 (120 mg) を無色油状物質として得た。
【0260】
参考例62
8-(tert-ブチルジフェニルシリルオキシ)オクト-3-イン-2-オンの合成
【0261】
【化56】

【0262】
文献 (Tetrahedron, 61(5), 1127-1140 (2005)) 記載の方法で得られたtert-ブチル(ヘキス-5-イニルオキシ)ジフェニルシラン (1.5 g) をTHF (20 mL) に溶解し、-78℃でn-ブチルリチウムのヘキサン溶液 (2.77 M, 1.69 mL) を滴下し、10分撹拌した。N-メトキシ-N-メチルアセトアミド (478 μL) を加え、室温で2時間撹拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液 (10 mL) を加え、酢酸エチル (10 mL)で抽出した。有機層を飽和食塩水 (10 mL)で洗浄後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (2%酢酸エチル/ヘキサン) で精製することで、標記化合物 (1.52 g) を無色油状物質として得た。
【0263】
参考例63
(S)-4-(1-(2-(3-(シクロプロピルメトキシ)-4-フルオロフェニル)-2-ヒドロキシブチル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)ブタン-1-オールの合成
【0264】
【化57】

【0265】
参考例58で得られた(S)-2-(3-(シクロプロピルメトキシ)-4-フルオロフェニル)-2-(トリメチルシリルオキシ)ブタン-1-オール (300 mg) をトルエン (2.1 mL)、DMSO (2.4 mL)に溶解し、EDC・HCl (520 mg)、ピリジン (65 μL) 及びトリフルオロ酢酸 (30 μL) を加え室温で1時間撹拌した。反応液に水 (10 mL)を加え、酢酸エチル (10 mL)で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮後、トルエン (5.0 mL x 3) で共沸した。残渣をメタノール (2.4 mL) に溶解し、0℃でtert-ブチルカーバゼート (250 mg) のメタノール (2.4 mL) 溶液を加え、室温で2時間撹拌した。反応液に酢酸 (60 μL)、水素化ホウ素シアノナトリウム (300 mg) を加え、室温で1時間、50℃で1時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣に水 (10 mL) を加え、酢酸エチル (10 mL) で抽出した。有機層を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (10%酢酸エチル/ヘキサン) で精製した。得られた化合物を塩化水素-ジオキサン溶液 (4.0 M, 3.0 mL) に溶解し、室温で1時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、トルエン (2.0 mL x 3) で共沸した。エタノール (2.0 mL) に溶解し、参考例67で得られた8-(tert-ブチルジフェニルシリルオキシ)オクト-3-イン-2-オン(203 mg)、トリエチルアミン (68 μL) 及び酢酸 (84 μL) を加え、90℃で3時間加熱還流した。反応液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (16%酢酸エチル/ヘキサン) で精製した。
【0266】
得られた化合物をTHF (1.0 mL) に溶解し、TBAFの THF溶液 (1.0 M, 1.0 mL) を加え、室温で2時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (2.5%メタノール/クロロホルム) で精製することで、標記化合物 (71 mg) を無色油状物質として得た。
【0267】
参考例64
1-((2-(2-アジドエチル)ベンジルオキシ)メチル)ピリミジン-2,4-(1H,3H)-ジオンの合成
【0268】
【化58】

【0269】
文献(J. Org. Chem., 52, 1027-1035 (1987))記載の方法で得られた2-(2-(ヒドロキシメチル)フェニル)エタノール(11.5 g)をピリジン(300 mL)に溶解し、tert-ブチルジフェニルシリルクロリド(20.3 mL)を加え室温で2時間撹拌した。反応液にメタノール(20 mL)を加え減圧濃縮した後、残渣に水(200 mL)を加え、酢酸エチル(200 mL)で抽出した。有機層を水(150 mL)、飽和食塩水(150 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮した。残渣をトルエン(30 mL x 3)した後、ジクロロメタン(250 mL)に溶解し、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(31.6 mL)及びクロロメチルメチルエーテル(6.89 mL)を加え室温で12時間撹拌した。反応液にメタノール(20 mL)を加え減圧濃縮した後、残渣に水(150 mL)を加え、酢酸エチル(200 mL)で抽出した。有機層を水(150 mL)、飽和食塩水(150 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(5%酢酸エチル/ヘキサン)で精製した。得られた無色油状物質(14.6 g)をジクロロメタン(300 mL)に溶解し、0℃でBCl3のジクロロメタン溶液(1.0 M, 11.2 mL)をゆっくり加え室温で2時間撹拌した。反応液を減圧濃縮した後、残渣をDCE(300 mL)に溶解し、文献(Nucleosides & Nucleotides, 4, 565-585 (1985))記載の方法で得られた2,4-ビス(トリメチルシリルオキシ)ピリミジン(10.3 g)及びヨウ素(886 mg)を加え93℃で1.5時間加熱撹拌した。反応液を放冷後、飽和亜硫酸ナトリウム水溶液(100 mL)及び水(500 mL)を加え、酢酸エチル(600 mL)で抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(1%メタノール/クロロホルム)で精製した。
【0270】
得られた無色泡状物質(7.47 g)をTHF(100 mL)に溶解し、TBAFのTHF溶液(1.0M, 15.2 mL)を加え室温で1時間撹拌した。反応液を減圧濃縮した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(5%メタノール/クロロホルム)で精製した。
【0271】
得られた無色固体状物質(3.93 g)をピリジン(70 mL)に溶解し、塩化メタンスルホニル(1.20 mL)を加え室温で1時間撹拌した。反応液にメタノール(5.0 mL)を加え減圧濃縮した後、残渣に水(50 mL)を加え、酢酸エチル(100 mL)で抽出した。有機層を飽和食塩水(50 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(4%メタノール/クロロホルム)で精製した。得られた無色泡状物質(3.90 g)をDMF(60 mL)に溶解し、アジ化ナトリウム(1.07 g)を加え70℃で2時間撹拌した。反応液に水(100 mL)を加え、酢酸エチル(100 mL)で抽出した。有機層を水(100 mL x 2)、飽和食塩水(100 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮することで、標記化合物(3.28 g)を無色油状物質として得た。
【0272】
参考例65
1-((2-(2-アジドエチル)ベンジルチオ)メチル)ピリミジン-2,4-(1H,3H)-ジオンの合成
【0273】
【化59】

【0274】
文献(J. Org. Chem., 52, 1027-1035 (1987))記載の方法で得られた2-(2-(ヒドロキシメチル)フェニル)エタノール(1.62 g)をピリジン(30 mL)に溶解し、tert-ブチルジフェニルシリルクロリド(2.77 mL)を加え室温で2時間撹拌した。反応液にメタノール(5.0 mL)を加え減圧濃縮した後、残渣に水(50 mL)を加え、酢酸エチル(50 mL)で抽出した。有機層を水(50 mL)、飽和食塩水(50 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(20%酢酸エチル/ヘキサン)で精製した。得られた無色ガム状物質(1.86 g)をTHF(20 mL)に溶解し、トリフェニルホスフィン(1.87 g)及び四臭化炭素(2.36 g)を加え室温で30分撹拌した。反応液に生じた不溶物を濾過し、酢酸エチル(50 mL x 3)で洗浄した後、合一した濾液を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(5%酢酸エチル/ヘキサン)で精製した。
【0275】
得られた淡黄色ガム状物質(2.27 g)をDMF(20 mL)に溶解し、炭酸カリウム(2.0 g)、チオ酢酸(680 μL)を加え室温で30分撹拌した。反応液に水(50 mL)を加え、酢酸エチル(50 mL)で抽出した。有機層を水(50 mL x 3)、飽和食塩水(50 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮した。残渣をメタノール(12 mL)、THF(3.0 mL)に溶解し、ナトリウムメトキシド(443 mg)を加え室温で30分撹拌した。反応液を減圧濃縮した後、飽和塩化アンモニウム水溶液(20 mL)を加え、酢酸エチル(30 mL)で抽出した。有機層を飽和食塩水(20 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮した。残渣をジクロロメタン(12 mL)に溶解し、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(2.14 mL)及びクロロメチルメチルエーテル(780 μL)を加え室温で5時間撹拌した。反応液に水(20 mL)を加え、酢酸エチル(30 mL)で抽出した。有機層を水(15 mL)、飽和食塩水(15 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(5%酢酸エチル/ヘキサン)で精製した。
【0276】
得られた無色油状物質(745 mg)をジクロロメタン(1.6 mL)に溶解し、0℃でBCl3のジクロロメタン溶液(1.0 M, 550 μL)をゆっくり加え室温で1.5時間撹拌した。反応液を減圧濃縮した後、残渣をDCE(16 mL)に溶解し、文献(Nucleosides & Nucleotides, 4, 565-585 (1985))記載の方法で得られた2,4-ビス(トリメチルシリルオキシ)ピリミジン(635 mg)及びヨウ素(16 mg)を加え93℃で48時間加熱撹拌した。反応液を放冷後、飽和亜硫酸ナトリウム水溶液(10 mL)及び水(50 mL)を加え、酢酸エチル(60 mL)で抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(70%酢酸エチル/ヘキサン)で精製した。得られた淡黄色ガム状物質(381 mg)をTHF(4.0 mL)に溶解し、TBAFのTHF溶液(1.0 M, 1.0 mL)を加え室温で1時間撹拌した。反応液を減圧濃縮した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(5%メタノール/クロロホルム)で精製した。
【0277】
得られた無色ガム状物質(200 mg)をピリジン(4.0 mL)に溶解し、塩化メタンスルホニル(63 μL)を加え室温で1時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣をトルエン(5.0 mL x 1)で共沸した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(3%メタノール/クロロホルム)で精製した。得られた淡黄色ガム状物質(221 mg)をDMF(4.0 mL)に溶解し、アジ化ナトリウム(117 mg)を加え55℃で16時間撹拌した。反応液に水(10 mL)を加え、酢酸エチル(15 mL)で抽出した。有機層を水(10 mL x 2)、飽和食塩水(10 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(70%酢酸エチル/ヘキサン)で精製することで、標記化合物(183 mg)を無色固体状物質として得た。
【0278】
参考例66
1-((2-(2-アジドプロピル)ベンジルオキシ)メチル)ピリミジン-2,4-(1H,3H)-ジオンの合成
【0279】
【化60】

【0280】
文献(J. Org. Chem., 52, 1027-1035 (1987))記載の方法で得られた2-(2-(ヒドロキシメチル)フェニル)エタノール(3.88 g)をピリジン(40 mL)に溶解し、tert-ブチルジフェニルシリルクロリド(6.63 mL)を加え室温で2時間撹拌した。反応液にメタノール(5.0 mL)を加え減圧濃縮した後、残渣に水(50 mL)を加え、酢酸エチル(50 mL)で抽出した。有機層を水(50 mL)、飽和食塩水(50 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(20%酢酸エチル/ヘキサン)で精製した。得られた無色ガム状物質(5.30 g)をジクロロメタン(30 mL)に溶解し、N.N-ジイソプロピルエチルアミン(5.92 mL)及びクロロメチルメチルエーテル(2.07 mL)を加え室温で14時間撹拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水(50 mL)を加え、酢酸エチル(90 mL)で抽出した。有機層を飽和塩化アンモニウム水(50 mL x 3)、飽和食塩水(50 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(10%酢酸エチル/ヘキサン)で精製した。
【0281】
得られた無色油状物質(5.62 g内、1.74 g)をTHF(5.0 mL)に溶解し、TBAFのTHF溶液(1.0M, 5.0 mL)を加え室温で1時間撹拌した。反応液を減圧濃縮した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(50%酢酸エチル/ヘキサン)で精製した。得られた無色油状物質(771 mgの内、393 mg)をトルエン (4.0 mL)、DMSO (4.0 mL) に溶解し、ピリジン(243 μL)、トリフルオロ酢酸 (111 μL) 及びEDC・HCl (1.15 g) を加え室温で1時間撹拌した。反応液に水(20 mL)を加え、酢酸エチル(20 mL)で抽出した。有機層を水(15 mL)、飽和食塩水(10 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮した。残渣をトルエン(5.0 mL x 3)で共沸した後、ジエチルエーテル(10 mL)に溶解し、-78℃でヨウ化メチルマグネシウムのジエチルエーテル溶液(3.0 M, 1.0 mL)を加え-78℃で2時間撹拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水(10 mL)を加え室温で30分撹拌した後、酢酸エチル(15 mL)で抽出した。有機層を水(15 mL)及び飽和食塩水(10 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (40%酢酸エチル/ヘキサン) で精製した。
【0282】
得られた無色油状物質 (300 mg) をアセトニトリル (5.0 mL) に溶解し、トリエチルアミン (400 μL)、DMAP (35 mg) 及び無水安息香酸 (485 mg) を加え50℃で1時間撹拌した。反応液にメタノール (5.0 mL) を加え室温で30分撹拌した後、減圧濃縮した。残渣に水(10 mL)を加え、酢酸エチル(15 mL)で抽出した。有機層を水(10 mL)及び飽和食塩水(10 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(15%酢酸エチル/ヘキサン)で精製した。得られた無色油状物質(390 mg)をジクロロメタン(1.0 mL)に溶解し、0℃でBCl3のジクロロメタン溶液(1.0 M, 410 μL)をゆっくり加え室温で2時間撹拌した。反応液を減圧濃縮した後、残渣をDCE(12 mL)に溶解し、文献(Bailey, S. et al. Nucleosides & Nucleotides, 4, 565-585 (1985))記載の方法で得られた2,4-ビス(トリメチルシリルオキシ)ピリミジン(477 mg)及びヨウ素(12 mg)を加え93℃で3.0時間加熱撹拌した。
【0283】
反応液を放冷した後、飽和亜硫酸ナトリウム水溶液(10 mL)および水(40 mL)を加え、酢酸エチル(40 mL)で抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(85%酢酸エチル/ヘキサン)で精製した。
【0284】
得られた無色ガム状物質(220 mg)をメタノール(3.0 mL)に溶解し、ナトリウムメトキシド(61 mg)を加え45℃で12時間撹拌した。塩酸水(6.0 M,約9滴)で中和後、反応液を減圧濃縮した。残渣をトルエン(5.0 mL)で共沸した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(4%メタノール/クロロホルム)で精製した。得られた無色ガム状物質(148 mg)をピリジン(3.0 mL)に溶解し、塩化メタンスルホニル(44 μL)を加え室温で3.5時間撹拌した。反応液にメタノール(1.0 mL)を加え減圧濃縮し、残渣をトルエン(5.0 mL x 2)で共沸した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(2%メタノール/クロロホルム)で精製した。得られた無色ガム状物質(180m g)をDMF(4.0 mL)に溶解し、アジ化ナトリウム(96 mg)を加え70℃で3時間撹拌した。反応液に水(10 mL)を加え、酢酸エチル(10 mL)で抽出した。有機層を水(10 mL x 2)、飽和食塩水(10 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(75%酢酸エチル/ヘキサン)で精製して標記化合物(148 mg)を無色ガム状物質として得た。
【0285】
実施例1
1-(4-(1-(3-(シクロプロピルメトキシ)フェネチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)ブチル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンの合成
【0286】
【化61】

【0287】
参考例2で得られた1-(ヘキス-5-イニル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン (48 mg) と、参考例10で得られた1-(2-アジドエチル)-3-(シクロプロピルメトキシ)ベンゼン (65 mg) を1,4-ジオキサン (2.5 mL) に溶解し、クロロ(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(シクロオクタジエン)ルテニウム(II) (9.5 mg) 加え、60℃で2時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (2%メタノール/クロロホルム) で精製することで、標記化合物 (90 mg、収率 88 %) を泡状物質として得た。
【0288】
1H-NMR (CDCl3) δ (ppm):
0.29-0.35 (2H, m), 0.60-0.67 (2H, m), 1.16-1.24 (1H, m), 1.38-1.49 (2H, m), 1.55-1.66 (2H, m), 2.28 (2H, t, J = 7.6 Hz), 3.18 (2H, t, J = 7.0 Hz), 3.65 (2H, t, J = 7.0 Hz), 3.71 (2H, d, J = 7.0 Hz), 4,41 (2H, t, J = 7.0 Hz), 5.70 (1H, dd, J = 2.2, 7.8 Hz), 6.52 (1H, t, J = 1.9 Hz), 6.61 (1H, d, J = 7.6 Hz), 6.76 (1H, dd, J = 1.6, 7.3 Hz), 7.09 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.17 (1H, t, J = 7.8 Hz), 7.37 (1H, s), 8.41 (1H, brs)
【0289】
実施例2〜49はそれぞれ、以下の表に示すアルキンとアジドから実施例5の方法に準じて合成した。
実施例2
1-((2-(1-(3-(シクロプロピルメトキシ)フェネチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)エトキシ)メチル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン
実施例3
1-(2-((1-(3-(シクロプロピルメトキシ)フェネチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)メトキシ)エチル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン
【0290】
実施例4
1-(3-(1-(3-(シクロプロピルメトキシ)フェネチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)ベンジル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン
実施例5
1-(3-(1-(3-(シクロペンチルオキシ)フェネチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)プロピル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン
【0291】
実施例6
1-(3-(1-(2-(シクロプロピルメトキシ)フェネチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)プロピル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン
実施例7
1-(3-(1-(2-(シクロブチルメトキシ)フェネチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)プロピル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン
【0292】
実施例8
1-(3-(1-(2-(シクロペンチルオキシ)フェネチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)プロピル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン
実施例9
(R)-1-(4-(1-(2-(3-(シクロプロピルメトキシ)フェニル)プロピル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)ブチル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン
【0293】
実施例10
(R)-1-((2-(1-(2-(3-(シクロプロピルメトキシ)フェニル)プロピル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)エトキシ)メチル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン
実施例11
(R)-1-(4-(1-(2-(3-(シクロプロピルメトキシ)フェニル)ブチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)ブチル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン
【0294】
実施例12
(R)-1-((2-(1-(2-(3-(シクロプロピルメトキシ)フェニル)ブチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)エトキシ)メチル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン
実施例13
(S)-1-(4-(1-(1-(3-(シクロプロピルメトキシ)フェニル)プロパン-2-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)ブチル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン
【0295】
実施例14
(S)-1-(4-(1-(2-(3-(シクロプロピルメトキシ)-4-フルオロフェニル)-2-ヒドロキシブチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)ブチル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン
実施例15
(S)-1-((2-(1-(2-(3-(シクロプロピルメトキシ)-4-フルオロフェニル)-2-ヒドロキシブチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)エトキシ)メチル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン
【0296】
実施例16
(S)-1-(4-(1-(2-(3-(シクロプロピルメトキシ)-4-フルオロフェニル)-2-ヒドロキシブチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)-4-メチルペンチル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン
実施例17
(S)-1-(3-(1-(2-(3-(シクロプロピルメトキシ)-4-フルオロフェニル)-2-ヒドロキシブチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)ベンジル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン
【0297】
実施例18
(S)-1-(4-(1-(2-ヒドロキシ-2-(3-イソブトキシフェニル)ブチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)ブチル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン
実施例19
(S)-1-(4-(1-(2-(3-(2,2-ジフルオロエトキシ)フェニル)-2-ヒドロキシブチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)ブチル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン
【0298】
実施例20
(S)-1-(4-(1-(2-(3-(シクロペンチルオキシ)フェニル)-2-ヒドロキシブチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)ブチル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン
実施例21
(S)-1-((2-(1-(2-(3-(シクロペンチルオキシ)フェニル)-2-ヒドロキシブチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)エトキシ)メチル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン
【0299】
実施例22
(S)-1-(4-(1-(2-(3-(シクロプロピルメトキシ)フェニル)-2-ヒドロキシブチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)ブチル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン
実施例23
(S)-1-((2-(1-(2-(3-(シクロプロピルメトキシ)フェニル)-2-ヒドロキシブチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)エトキシ)メチル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン
【0300】
実施例24
(S)-1-(4-(1-(2-(3-(シクロプロピルメトキシ)フェニル)-2-ヒドロキシプロピル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)ブチル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン
実施例25
(S)-1-((2-(1-(2-(3-(シクロプロピルメトキシ)フェニル)-2-ヒドロキシプロピル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)エトキシ)メチル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン
【0301】
実施例26
(R)-1-(4-(1-(2-(3-(シクロプロピルメトキシ)フェニル)-2-ヒドロキシプロピル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)ブチル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン
実施例27
(S)-1-(4-(1-(2-(3-(シクロプロピルメトキシ)-4-フルオロフェニル)-2-ヒドロキシ-3-メチルブチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)ブチル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン
【0302】
実施例28
1-(4-(1-((S)-2-(3-(R)-sec-ブトキシフェニル)-2-ヒドロキシブチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)ブチル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン
実施例29
1-(4-(1-((S)-2-(3-(S)-sec-ブトキシフェニル)-2-ヒドロキシブチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)ブチル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン
【0303】
実施例30
(S)-1-(4-(1-(2-ヒドロキシ-2-(3-((1-メチルシクロプロピル)メトキシ)フェニル)ブチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)ブチル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン
実施例31
1-(4-(1-((S)-2-ヒドロキシ-2-(3-((R)-テトラヒドロフラン-3-イルオキシ)フェニル)ブチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)ブチル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン
【0304】
実施例32
(S)-1-(4-(1-(2-ヒドロキシ-2-(3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルオキシ)フェニル)ブチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)ブチル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン
実施例33
(S)-1-(4-(1-(2-(3-シクロブトキシフェニル)-2-ヒドロキシブチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)ブチル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン
【0305】
実施例34
(S)-1-(4-(1-(2-(3-エトキシフェニル)-2-ヒドロキシブチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)ブチル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン
実施例35
1-(4-(1-((2S)-2-(3-(1-シクロプロピルエトキシ)フェニル)-2-ヒドロキシブチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)ブチル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン
【0306】
実施例36
(S)-1-(4-(1-(2-(3-(シクロブチルメトキシ)フェニル)-2-ヒドロキシブチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)ブチル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン
実施例37
(S)-1-(4-(1-(2-ヒドロキシ-2-(3-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)フェニル)ブチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)ブチル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン
【0307】
実施例38
(S)-1-(4-(1-(2-(3-(ジシクロプロピルメトキシ)フェニル)-2-ヒドロキシブチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)ブチル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン
実施例39
1-((2-(1-(2-(3-(シクロプロピルメトキシ)フェニル)-2-ヒドロキシブチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)エトキシ)メチル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン
【0308】
実施例40
1-(3-(1-(2,2-ビス(4-フルオロフェニル)-2-ヒドロキシエチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)プロピル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン
実施例41
1-(4-(1-(2,2-ビス(4-フルオロフェニル)-2-ヒドロキシエチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)ブチル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン
【0309】
実施例42
1-(4-(1-(3-(シクロプロピルメトキシ)ベンジル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)ブチル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン
実施例43
1-(4-(1-(2-(シクロプロピルメトキシ)ベンジル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)ブチル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン
【0310】
実施例44
1-(4-(1-(2-(3-(シクロプロピルメトキシ)フェニル)ブチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)ブチル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン
実施例45
1-(4-(1-(3-(シクロプロピルメトキシ)-4-フルオロフェネチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)ブチル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン
【0311】
実施例46
1-(2-((1-(3-(シクロプロピルメトキシ)-4-フルオロフェネチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)メトキシ)エチル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン
実施例47
1-(3-(1-(2,2-ジフェニルエチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)プロピル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン
【0312】
実施例48
1-(3-(1-ベンズヒドリル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)プロピル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン
実施例49
1-(4-(1-ベンズヒドリル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)ブチル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン
【0313】
【表4】

【0314】
【表5】

【0315】
【表6】

【0316】
【表7】

【0317】
【表8】

【0318】
【表9】

【0319】
【表10】

【0320】
【表11】

【0321】
【表12】

【0322】
【表13】

【0323】
【表14】

【0324】
【表15】

【0325】
【表16】

【0326】
【表17】

【0327】
【表18】

【0328】
【表19】

【0329】
【表20】

【0330】
【表21】

【0331】
なお前記表中、実施例48、49の合成で用いるアジドは文献(Tetrahedron Lett., 48, 7109-7172 (2007))記載の方法で得た。
【0332】
実施例50
(S)-1-(2-(3-(シクロプロピルメトキシ)-4-フルオロフェニル)-2-ヒドロキシブチル)-5-(4-(2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)ブチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-カルボニトリルの合成
【0333】
【化62】

【0334】
参考例47で得られた(S)-1-(2-(3-(シクロプロピルメトキシ)-4-フルオロフェニル)-2-ヒドロキシブチル)-5-(4-ヒドロキシブチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-カルボニトリル (180 mg) をTHF (2.2 mL) に溶解し、トリフェニルホスフィン (236 mg)、文献 (J. Med. Chem., 49, 4183-4195 (2006))記載の方法で得られたN3-ベンゾイルウラシル (145 mg) 及びアゾカルボン酸ジイソプロピルのトルエン溶液 (1.9 M、473 μL) を加え室温で2時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (2%メタノール/クロロホルム) で精製した。得られた化合物をメチルアミンのメタノール溶液 (40%, 5.0 mL) に溶解し、室温で30分撹拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (3%メタノール/クロロホルム) で精製することで、標記化合物 (110 mg、収率49 %) を泡状物質として得た。
【0335】
1H-NMR (DMSO-d6) δ (ppm):
0.29-0.34 (2H, m), 0.54-0.60 (2H, m), 0.67 (3H, t, J = 7.0 Hz), 1.14-1.23 (1H, m), 1.59 (4H, brs), 1.73-1.81 (1H, m), 1.98-2.06 (1H, m), 2.76 (2H, brs), 3.66 (2H, brs), 3.83 (2H, d, J = 7.0 Hz), 4.61 (2H, dd, J = 14, 22 Hz), 5.41 (1H, s), 5.54 (1H, d, J = 7.8 Hz), 6.88-7.15 (3H, m), 7.62 (1H, d, J = 7.6 Hz), 11.2 (1H, brs)
【0336】
実施例51
(S)-1-(4-(1-(2-(3-(シクロプロピルメトキシ)-4-フルオロフェニル)-2-ヒドロキシブチル)-4-エチニル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)ブチル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンの合成
【0337】
【化63】

【0338】
参考例48で得られた(S)-4-(1-(2-(3-(シクロプロピルメトキシ)-4-フルオロフェニル)-2-ヒドロキシブチル)-4-エチニル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)ブタン-1-オール (190 mg) から実施例50の方法に準じて合成することで、標記化合物 (82 mg、50 %) を泡状物質として得た。
【0339】
1H-NMR (CDCl3) δ (ppm):
0.32-0.37 (2H, m), 0.58-0.67 (2H, m), 0.82 (3H, t, J = 7.3 Hz), 1.18-1.29 (1H, m), 1.43-1.69 (4H, m), 1.77-2.12 (2H, m), 2.53 (2H, t, J = 7.8 Hz), 3.30 (1H, s), 3.71 (2H, t, J = 6.8 Hz), 3.80 (2H, d, J = 7.0 Hz), 3.85 (1H, brs), 4.42 (2H, dd, J = 14, 33 Hz), 5.71 (1H, dd, J = 2.2, 7.8 Hz), 6.80 (2H, m), 7.02 (1H, dd, J = 8.4, 11 Hz), 7.13 (1H, d, J = 7.8 Hz), 8.75(1H, brs)
【0340】
実施例52
(S)-1-(4-(1-(2-(3-(シクロプロピルメトキシ)-4-フルオロフェニル)-2-ヒドロキシブチル)-4-(2,2-ジフルオロエチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)ブチル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンの合成
【0341】
【化64】

【0342】
参考例49で得られた(S)-4-(1-(2-(3-(シクロプロピルメトキシ)-4-フルオロフェニル)-2-ヒドロキシブチル)-4-(2,2-ジフルオロエチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)ブタン-1-オール (190 mg) から実施例50の方法に準じて合成することで、標記化合物 (108 mg、49 %) を泡状物質として得た。
【0343】
1H-NMR (CDCl3) δ (ppm):
0.32-0.36 (2H, m), 0.59-0.66 (2H, m), 0.82 (3H, t, J = 7.3 Hz), 1.21-1.40 (3H, m), 1.62-1.69 (2H, m), 1.78-2.08 (2H, m), 2.41-2.48 (2H, m), 3.05-3.18 (2H, m), 3.68-3.75 (2H, m), 3.81 (2H, d, J = 6.8 Hz), 4.23 (1H, brs), 4.40 (2H, dd, J = 14, 18 Hz), 5.72 (1H, dd, J = 2.2, 7.8 Hz), 5.79-6.24 (1H, m), 6.78-6.83 (1H, m), 6.94-6.99 (2H, m), 7.11 (1H, d, J = 7.8 Hz), 8.72 (1H, brs)
【0344】
実施例53
(S)-1-(4-(1-(2-(3-(シクロプロピルメトキシ)-4-フルオロフェニル)-2-ヒドロキシブチル)-4-ビニル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)ブチル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンの合成
【0345】
【化65】

【0346】
参考例50で得られた(S)-4-(1-(2-(3-(シクロプロピルメトキシ)-4-フルオロフェニル)-2-ヒドロキシブチル)-4-ビニル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)ブタン-1-オール (45 mg)から実施例50の方法に準じて合成することで、標記化合物 (29 mg、収率53 %) を泡状物質として得た。
【0347】
1H-NMR (CDCl3) δ (ppm):
0.29-0.34 (2H, m), 0.58-0.65 (2H, m), 0.83 (3H, t, J = 7.0 Hz), 1.16-1.43 (3H, m), 1.56-1.67 (2H, m), 1.79-2.08 (2H, m), 2.42-2.49 (2H, m), 3.65-3.71 (2H, m), 3.77 (2H, d, J = 7.0 Hz), 4.33 (1H, s), 4.40 (2H, dd, J = 14.3, 27 Hz), 5.32 (1H, dd, J = 1.6, 11 Hz), 5.71 (1H, dd, J = 1.9, 7.8 Hz), 5.98 (1H, dd, J = 18, 1.6 Hz), 6.47 (1H, dd, J = 11, 18 Hz), 6.81-6.90 (2H, m), 7.01 (1H, dd, J = 11, 8.4 Hz), 7.12 (1H, d, J = 8.1 Hz), 9.17 (1H, brs)
【0348】
実施例54
(S)-1-(4-(1-(2-(3-(シクロプロピルメトキシ)-4-フルオロフェニル)-2-ヒドロキシブチル)-4-(メトキシメチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)ブチル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン
【0349】
【化66】

【0350】
参考例51で得られた(S)-2-(3-(シクロプロピルメトキシ)-4-フルオロフェニル)-1-(5-(3-ヒドロキシプロピル)-4-(メトキシメチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)ブタン-2-オール (105 mg) から実施例50の方法に準じて合成することで、標記化合物 (57 mg、44 %) を泡状物質として得た。
【0351】
1H-NMR (CDCl3) δ (ppm):
0.29-0.35 (2H, m), 0.58-0.65 (2H, m), 0.81 (3H, t, J = 7.3 Hz), 1.20-1.27 (1H, m), 1.37-1.48 (2H, m), 1.59-1.67 (2H, m), 1.79-2.07 (2H, m), 2.45-2.52 (2H, m), 3.28 (3H, s), 3.66-3.72 (2H, m), 3.79 (2H, d, J = 7.0 Hz), 4.36-4.49 (5H, m), 5.69 (1H, d, J = 7.8 Hz), 6.79-6.85 (1H, m), 6.92-7.03 (2H, m), 7.17 (1H, d, J = 7.8 Hz), 9.89 (1H, brs)
【0352】
実施例55
(S)-1-(4-(1-(2-(3-(シクロプロピルメトキシ)-4-フルオロフェニル)-2-ヒドロキシブチル)-4-(フルオロメチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)ブチル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンの合成
【0353】
【化67】

【0354】
参考例52で得られた(S)-4-(1-(2-(3-(シクロプロピルメトキシ)-4-フルオロフェニル)-2-ヒドロキシブチル)-4-(フルオロメチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)ブタン-1-オール(100 mg) から実施例50の方法に準じて合成することで、標記化合物 (60 mg、50 %) を泡状物質として得た。
【0355】
1H-NMR (DMSO-d6) δ (ppm):
0.27-0.33 (2H, m), 0.52-0.59 (2H, m), 0.67 (3H, t, J = 7.0 Hz), 1.13-1.22 (1H, m), 1.33-1.59 (4H, m), 1.73-1.81 (1H, m), 1.97-2.05 (1H, m), 2.55-2.62 (2H, m), 3.63 (2H, t, J = 6.8 Hz), 3.78 (2H, d, J = 7.3 Hz), 4.48 (2H, dd, J = 14, 17 Hz), 5.34 (1H, s), 5.37 (2H, d, J = 49 Hz), 5.52 (1H, d, J = 8.1 Hz), 6.86-6.91 (1H, m), 6.96-7.00 (1H, m), 7.09 (1H, dd, J = 8.4, 11 Hz), 7.59 (1H, d, J = 7.8 Hz), 11.2 (1H, brs)
【0356】
実施例56
(S)-1-((2-(1-(2-(3-(シクロペンチルオキシ)-4-フルオロフェニル)-2-ヒドロキシブチル)-4-(ヒドロキシメチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)エトキシ)メチル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンの合成
【0357】
【化68】

【0358】
参考例22で得られた(S)-1-アジド-2-(3-(シクロペンチルオキシ)-4-フルオロフェニル)ブタン-2-オール (1.0 g)と参考例9で得られたメチル 5-((2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)メトキシ)ペント-2-イノエート (882 mg) を1,4-ジオキサン (2.0 mL) に溶解し、クロロ(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(シクロオクタジエン)ルテニウム(II) (129 mg) 加え、80℃で2時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (3%メタノール/クロロホルム) で精製した。得られたメチルエステル体 (1.2 g の内、500 mg) をTHF (4.0 mL) に溶解し、水素化ホウ素リチウム のTHF溶液 (2.0 M, 1.38 mL) を加え、50℃で3時間撹拌した。反応液に飽和食塩水 (10 mL) を加え分液し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (5%メタノール/クロロホルム) で精製することで、標記化合物 (120 mg、収率25 %) を泡状物質として得た。
【0359】
1H-NMR (DMSO-d6) δ (ppm):
0.65 (3H, t, J = 7.3 Hz), 1.56-2.04 (10H, m), 2.93-3.03 (2H, m), 3.64 (2H, t, J = 6.2 Hz), 4.47-4.68 (4H, m), 4.75-4.80 (1H, m), 4.99 (2H, s), 5.27 (1H, t, J = 5.1 Hz), 5.48 (1H, s), 5.54 (1H, dd, J= 2.2, 8.1 Hz), 6.89-7.13 (3H, m), 7.55 (1H, d, J = 8.1 Hz), 11.3 (1H, brs)
【0360】
実施例57
(S)-1-((2-(1-(2-(3-(シクロプロピルメトキシ)-4-フルオロフェニル)-2-ヒドロキシブチル)-4-(フルオロメチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)エトキシ)メチル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンの合成
【0361】
【化69】

【0362】
参考例53で得られた(S)-1-(2-(3-(シクロプロピルメトキシ)-4-フルオロフェニル)-2-(トリメチルシリルオキシ)ブチル)-4-(フルオロメチル)-5-(3-(メトキシメトキシ)プロピル)-1H-1,2,3-トリアゾール (35 mg) から参考例9の方法に準じて合成することで、標記化合物 (17 mg、収率 17 %) を泡状物質として得た。
【0363】
1H-NMR (CDCl3) δ (ppm):
0.30-0.36 (2H, m), 0.59-0.67 (2H, m), 0.79 (3H, t, J = 7.0 Hz), 1.19-1.29 (1H, m), 1.71-1.84 (1H, m), 1.97-2.10 (1H, m), 2.80 (2H, t, J = 6.2 Hz), 3.61-3.71 (2H, m), 3.80 (2H, d, J = 7.0 Hz), 3.90 (1H, s), 4.48 (2H, dd, J = 14, 30 Hz), 5.03 (2H, s), 5.38 (2H, d, J = 49 Hz), 5.71 (1H, d, J = 7.8 Hz), 6.80-7.02 (3H, m), 7.07 (1H, d, J = 8.1 Hz), 8.90 (1H, brs)
【0364】
実施例58
(S)-1-(2-(3-(シクロプロピルメトキシ)-4-フルオロフェニル)-2-ヒドロキシブチル)-5-(2-((2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)メトキシ)エチル)-N,N-ジメチル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-カルボキサミドの合成
【0365】
【化70】

【0366】
参考例19で得られた(S)-1-アジド-2-(3-(シクロプロピルメトキシ)-4-フルオロフェニル)ブタン-2-オール (3.68 g)と参考例9から得られるメチル 5-((2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)メトキシ)ペント-2-イノエート (3.0 g) を1,4-ジオキサン (70 mL) に溶解し、クロロ(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(シクロオクタジエン)ルテニウム(II) (456 mg) 加え、80℃で2時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (2.5%メタノール/クロロホルム) で精製した。得られたメチルエステル体 (5.8 g) をメタノール (7.0 mL)、水 (5.0 mL) に溶解し、水酸化ナトリウム水溶液 (4.0 M, 8.1 mL) を加え、50℃で4時間撹拌した。強酸性陽イオン交換樹脂 (DIAION PK212, H+ form) を加え反応液を酸性にした後、樹脂を濾去し、メタノール (50 mL) 及び水 (50 mL) で洗浄後、合一した濾液を減圧濃縮し、残渣をトルエン(20 mL x 4) で共沸した。
【0367】
得られたカルボン酸 (4.3 g) をDMF (30 mL)に溶解し、EDC・HCl (2.4 g)、HOBt (1.46 g)、トリエチルアミン (2.42 mL) 及び容易に入手可能なジエチルアミン塩酸塩 (1.35 g)を加え、室温で3時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (5%メタノール/クロロホルム)で精製することで、標記化合物 (3.8 g、収率 84 %) を泡状物質として得た。
【0368】
1H-NMR (CDCl3) δ (ppm):
0.30-0.36 (2H, m), 0.60-0.67 (2H, m), 0.80 (3H, t, J = 7.3 Hz), 1.19-1.30 (1H, m), 1.70-2.08 (2H, m), 2.91-3.11 (5H, m), 3.39 (3H, s), 3.75-3.88 (4H, m), 4.52 (2H, dd, J = 14, 18 Hz), 5.02 (2H, s), 5.66 (1H, dd, J = 2.2, 7.8 Hz), 6.80-6.86 (1H, m), 6.97-7.09 (3H, m), 8.71 (1H, brs) OH見えず
【0369】
実施例59及び60
1-(4-(1-(3-(シクロプロピルメトキシ)フェネチル)-4-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)ブチル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン及び1-(4-(1-(3-(シクロプロピルメトキシ)フェネチル)-4-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)ブチル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンの合成
【0370】
【化71】

【0371】
参考例54で得られた4-(1-(3-(シクロプロピルメトキシ)フェネチル)-4-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)ブタン-1-オールと4-(1-(3-(シクロプロピルメトキシ)フェネチル)-5-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)ブタン-1-オールの位置異性体混合物 (151 mg) から実施例50の方法に準じて合成し、得られた位置異性体混合物を逆相カラムクロマトグラフィー (RP-18, 50 %メタノール水溶液)で分離することで、標記化合物 (実施例59:54 mg, 収率39 %、実施例60:40 mg, 収率29%) をそれぞれ泡状物質として得た。
【0372】
実施例59
1H-NMR (DMSO-d6) δ (ppm):
0.26-0.28 (2H, m), 0.52-0.56 (2H, m), 1.10-1.30 (3H, m), 1.46-1.51 (2H, m), 2.11 (3H, s), 2.43-2.50 (2H, m), 3.04 (2H, t, J = 7.3 Hz), 3.59 (2H, t, J = 7.0 Hz), 3.71 (2H, d, J = 7.0 Hz), 4.39 (2H, t, J = 7.0 Hz), 5.51 (1H, d, J = 8.1 Hz), 6.66-6.76 (3H, m), 7.13 (1H, t, J = 7.6 Hz), 7.57(1H, d, J = 7.8 Hz), 11.2 (1H, brs)
【0373】
実施例60
1H-NMR (DMSO-d6) δ (ppm):
0.27-0.31 (2H, m), 0.51-0.56 (2H, m), 1.10-1.26 (1H, m), 1.51 (4H, m), 1.94 (3H, s), 2.47-2.50 (2H, m), 3.00 (2H, t, J = 7.3 Hz), 3.63 (2H, t, J = 6.5 Hz), 3.72 (2H, d, J = 6.7 Hz), 4.40 (2H, t, J = 7.0 Hz), 5.48 (1H, d, J = 7.8 Hz), 6.60-6.75 (3H, m), 7.12 (1H, t, J = 7.8 Hz), 7.56 (1H, d, J = 7.8 Hz), 11.1(1H, brs)
【0374】
実施例61
1-(4-(5-(3-(シクロプロピルメトキシ)フェネチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)ブチル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンの合成
【0375】
【化72】

【0376】
参考例55で得られた1-(ブト-3-イニル)-3-(シクロプロピルメトキシ)ベンゼン (60 mg)と参考例56から得られる1-(4-アジドブチル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン(40 mg)から実施例1の方法に準じて合成することで、標記化合物 (53 mg、収率 65 %) を泡状物質として得た。
【0377】
1H-NMR (CDCl3) δ (ppm):
0.31-0.37 (2H, m), 0.61-0.68 (2H, m), 1.18-1.32 (1H, m), 1.60-1.70 (2H, m), 1.77-1.87 (2H, m), 2.93 (4H, s), 3.69 (2H, t, J = 7.3 Hz), 3.77 (2H, d, J = 7.0 Hz), 4.15 (2H, t, J = 6.5 Hz), 5.69 (1H, dd, J = 2.2, 7.8 Hz), 6.70-6.79 (3H, m), 7.12 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.20 (1H, t, J = 7.8 Hz), 7.49 (1H, s), 8.61 (1H, brs)
【0378】
実施例62
1-((2-(5-(3-(シクロプロピルメトキシ)フェネチル)-1H-テトラゾール-1-イル)エトキシ)メチル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンの合成
【0379】
【化73】

【0380】
参考例57で得られたN-(2-((3-ベンゾイル-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)メトキシ)エチル)-3-(3-(シクロプロピルメトキシ)フェニル)プロパンアミド (350 mg) をTHF (10 mL) に溶解し、トリフェニルホスフィン (374 mg)、アゾジカルボン酸ジイソプロピルのトルエン溶液 (1.9M, 747 μL) 及びトリメチルシリルアジド (186 μL) を加え50℃で10時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (1.5%メタノール/クロロホルム) で精製した。得られた化合物をメチルアミンのメタノール溶液 (40%, 3.0 mL) に溶解し、室温で30分撹拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (2.5%メタノール/クロロホルム) で精製することで、標記化合物 (150 mg、収率 51 %) を無色ガム状物質として得た。
【0381】
1H-NMR (CDCl3) δ (ppm):
0.31-0.37 (2H, m), 0.61-0.68 (2H, m), 1.19-1.29 (1H, m), 3.14 (4H, s), 3.76 (2H, d, J = 7.0 Hz), 3.91 (2H, t, J = 5.4 Hz), 4.17 (2H, t, J = 5.4 Hz), 4.99 (2H, s), 5.70 (1H, d, J = 8.1 Hz), 6.68-6.78 (3H, m), 6.98 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.19 (1H, t, J = 7.8 Hz), 8.20(1H, brs)
【0382】
実施例63
(S)-1-(4-(1-(2-(3-(シクロプロピルメトキシ)-4-フルオロフェニル)-2-ヒドロキシブチル)-1H-ピロール-2-イル)ブチル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンの合成
【0383】
【化74】

【0384】
参考例60で得られた(S)-4-(1-(2-(3-(シクロプロピルメトキシ)-4-フルオロフェニル)-2-ヒドロキシブチル)-1H-ピロール2-イル)ブタン-1-オール (105 mg) から実施例50の方法に準じて合成することで、標記化合物 (94 mg、収率 75 %) を泡状物質として得た。
【0385】
1H-NMR (DMSO-d6) δ (ppm):
0.25-0.26 (2H, m), 0.52-0.55 (2H, m), 0.67 (3H, t, J = 7.3 Hz), 1.11-1.20 (1H, m), 1.31-1.35 (2H, m), 1.48-1.51 (2H, m), 1.60-1.72 (1H, m), 1.90-1.97 (1H, m), 2.07-2.10 (2H, m), 3.60 (2H, t, J = 6.8 Hz), 3.71 (2H, d, J = 7.0 Hz), 3.88 (2H, s), 5.05 (1H, s), 5.51 (1H, d, J = 7.8 Hz), 5.56-5.57 (1H, m), 5.78 (1H, t, J = 3.2 Hz), 6.51-6.53 (1H, m), 6.78-6.85 (2H, m), 7.01-7.10 (1H, m), 7.59 (1H, d, J = 7.8 Hz), 11.2 (1H, brs)
【0386】
実施例64
(S)-1-(4-(1-(2-(3-(シクロプロピルメトキシ)-4-フルオロフェニル)-2-ヒドロキシブチル)-3-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)ブチル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンの合成
【0387】
【化75】

【0388】
参考例61で得られた(S)-4-(1-(2-(3-(シクロプロピルメトキシ)-4-フルオロフェニル)-2-ヒドロキシブチル)-3-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)ブタン-1-オール (120 mg) から実施例50の方法に準じて合成することで、標記化合物 (80 mg、収率 53 %) を泡状物質として得た。
【0389】
1H-NMR (DMSO-d6) δ (ppm):
0.29-0.33 (2H, m), 0.52-0.59 (2H, m), 0.66 (3H, t, J = 7.0 Hz), 1.13-1.23 (1H, m), 1.46-1.48 (4H, m), 1.73-1.83 (1H, m), 1.90-2.00 (1H, m), 2.14 (3H, s), 2.29-2.33 (2H, m), 3.69 (2H, t, J = 6.8 Hz), 3.78 (2H, d, J = 7.3 Hz), 4.15 (2H, d, J = 4.6 Hz), 5.29 (1H, s), 5.53 (1H, d, J = 7.8 Hz), 6.90-7.12 (3H, m), 7.59 (1H, d, J = 7.8 Hz), 11.2 (1H, brs)
【0390】
実施例65
(S)-1-(4-(1-(2-(3-(シクロプロピルメトキシ)-4-フルオロフェニル)-2-ヒドロキシブチル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)ブチル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンの合成
【0391】
【化76】

【0392】
参考例63で得られた(S)-4-(1-(2-(3-(シクロプロピルメトキシ)-4-フルオロフェニル)-2-ヒドロキシブチル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)ブタン-1-オール (71 mg) から実施例50の方法に準じて合成することで、標記化合物 (70 mg、収率 80 %) を泡状物質として得た。
【0393】
1H-NMR (DMSO-d6) δ (ppm):
0.27-0.29 (2H, m), 0.53-0.57 (2H, m), 0.66 (3H, t, J = 7.0 Hz), 1.10-1.60 (4H, m), 1.65-1.75 (1H, m), 1.88-2.01 (1H, m), 2.08 (3H, s), 2.17 (1H, t, J = 8.4 Hz), 3.59 (2H, t, J = 7.3 Hz), 3.74 (2H, d, J = 7.0 Hz), 4.07 (2H, dd, J = 14, 47 Hz), 5.52 (2H, d, J = 7.8 Hz), 5.67-5.69 (2H, m), 6.81-6.86 (2H, m), 7.00-7.07 (1H, m), 7.58 (1H, d, J = 7.5 Hz), 11.2 (1H, brs)
【0394】
実施例66
1-((2-(2-(1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)エチル)ベンジルオキシ)メチル)
ピリミジン-2,4-(1H,3H)-ジオンの合成
【0395】
【化77】

【0396】
参考例64で得られた化合物(49 mg)をトルエン(4.0 mL)に溶解し、容易に入手可能なトリメチルシリルアセチレン(1.1 mL)を加え120℃で60時間撹拌した。反応液を放冷後、減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(2%メタノール/クロロホルム)で精製した。得られた無色泡状物質(60 mg)の内、一部(42 mg)をTHF(2.0 mL)に溶解し、TBAFのTHF溶液(1.0M, 158 μL)を加え70℃で4時間撹拌した。反応液を減圧濃縮した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(4%メタノール/クロロホルム)で精製することで、標記化合物(33 mg, 収率96%)を泡状物質として得た。
【0397】
1H-NMR (DMSO-d6) δ (ppm):
3.13-3.18 (2H, m), 4.56-4.61 (4H, m), 5.17 (2H, s), 5.58 (1H, d, J = 7.9 Hz), 7.06-7.33 (4H, m), 7.67 (1H, d, J = 0.9 Hz), 7.72 (1H, d, J = 7.9 Hz), 7.99 (1H, d, J = 0.9 Hz), 11.33 (1H, brs)
【0398】
実施例67〜69
以下の化合物は参考例64〜66の化合物と容易に入手可能若しくは文献(実施例67:J.Org.Chem., 53, 2489-2496 (1988))記載の方法で得られたアセチレン化合物から、実施例66の方法に準じて合成した。
【0399】
実施例67
1-((2-(2-(5-(チアゾール-2-イル)-(1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)エチル)ベンジルオキシ)メチル)ピリミジン-2,4-(1H,3H)-ジオン
実施例68
1-((2-(2-(5-フェニル-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)エチル)ベンジルチオ)メチル)ピリミジン-2,4-(1H,3H)-ジオン
実施例69
1-((2-(2-(5-フェニル-(1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)プロピル)ベンジルオキシ)メチル)ピリミジン-2,4-(1H,3H)-ジオン
【0400】
【表22】

【0401】
実施例70および71
1-((2-(2-(5-フェニル-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)エチル)ベンジルオキシ)メチル)ピリミジン-2,4-(1H,3H)-ジオン及び1-((2-(2-(4-フェニル-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)エチル)ベンジルオキシ)メチル)ピリミジン-2,4-(1H,3H)-ジオンの合成
【0402】
【表23】

【0403】
参考例64で得られた化合物(200 mg)をトルエン(10 mL)に溶解し、容易に入手可能なフェニルアセチレン(203 μL)を加え120℃で72時間撹拌した。反応液を放冷後、減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(2%メタノール/クロロホルム)、及びC18逆相カラムクロマトグラフィー(50%メタノール/水)で精製することで、標記化合物(実施例70:88 mg, 収率33%、実施例71:92 mg, 収率34%)を泡状物質として得た。
【0404】
実施例70
1H-NMR (CDCl3) δ (ppm):
3.26 (2H, t, J = 7.3 Hz), 4.56 (2H, s), 4.62 (2H, t, J = 7.3 Hz), 5.16 (2H, s), 5.69 (1H, d, J = 8.1 Hz), 7.10-7.13 (1H, m), 7.24-7.40 (7H, m), 7.54 (1H, s), 7.75 (2H, d, J = 8.1 Hz), 9.69 (1H, brs)
【0405】
実施例71
1H-NMR (DMSO-d6) δ (ppm):
3.08 (2H, t, J = 7.3 Hz), 4.38 (2H, s), 4.57 (2H, t, J = 7.3 Hz), 5.03 (2H, s), 5.57 (1H, dd, J = 2.2, 7.9 Hz), 6.81-6.85 (1H, m), 7.09-7.30 (5H, m), 7.43-7.46 (3H, m), 7.62 (1H, d, J = 7.9 Hz), 7.80 (1H, s), 11.31 (1H, brs)
【0406】
実施例72
1-((2-(2-(4,5-ジフェニル-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)エチル)ベンジルオキシ)メチル)ピリミジン-2,4-(1H,3H)-ジオンの合成
【0407】
【化78】

【0408】
参考例64で得られた化合物(30 mg)をトルエン(2.0 mL)に溶解し、容易に入手可能なジフェニルアセチレン(54 mg)を加え120℃で96時間撹拌した。反応液を放冷後、減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(1%メタノール/クロロホルム)で精製することで、標記化合物(33 mg, 収率69%)を無色泡状物質として得た。
【0409】
1H-NMR (DMSO-d6) δ (ppm):
3.08 (2H, t, J = 7.3 Hz), 4.33-4.39 (4H, m), 5.02 (2H, s), 5.58 (1H, d, J = 7.9 Hz), 6.80-6.83 (1H, m), 7.11-7.31 (8H, m), 7.38-7.51 (5H, m), 7.63 (1H, d, J = 7.9 Hz), 11.31 (1H, brs)
【0410】
比較例1
1-((2-トリチルオキシ)エトキシ)メチル)ピリミジン-2,4-(1H,3H)-ジオン
【0411】
【化79】

【0412】
前記化合物は国際公開2005-065689号に、最もヒトデオキシウリジントリホスファターゼ(以下、dUTPase)阻害活性の強い化合物として記載されており、本発明化合物と活性の比較をするため国際公開WO2005-065689号記載の方法で合成した。
【0413】
試験例1 ヒトdUTPase阻害作用
本発明化合物のヒトdUTPaseに対する阻害活性を、下記方法により[5-3H]デオキシウリジントリホスフェート(以下、[5-3H]dUTP)からの[5-3H]デオキシウリジンモノホスフェート (以下、[5-3H]dUMP)の生成を測定することにより求めた。
すなわち、1 μM dUTP(588 Bq/mLの[5-3H]dUTPを含む)0.02 mL、0.2 M トリス緩衝液(pH7.4)0.05 mL、16 mM塩化マグネシウム0.05 mL、20 mM 2-メルカプトエタノール0.02 mL、1%ウシ胎児血清由来アルブミン水溶液0.02 mL、種々濃度の被検化合物溶液又は対照として純水0.02 mL及び大腸菌を用いて発現させ精製したヒトdUTPase溶液0.02 mLの計0.2 mLを37℃で15分間反応させた。反応後直ちに100℃の水浴中で1分間加熱して反応を停止させ、15000 rpmで2分間遠心分離した。遠心分離後、得られた上清の一部(150 μL)をAtlantis dC18カラム(Waters社製、4.6×250 mm)を用いて高速液体クロマトグラフ(島津製作所製、Prominence)にて分析した。流速0.8 mL/minで移動相A(10 mMリン酸二水素カリウム(pH 6.7)、10 mMテトラブチルアンモニウム、0.25%メタノール)と移動相B(50 mMリン酸二水素カリウム(pH 6.7)、5.6 mMテトラブチルアンモニウム、30%メタノール)の4:6混液から移動相Bへの30分間濃度勾配により溶離した。溶離液に1:2の比率でシンチレーター(パーキンエルマー社製、Ultima-Flo AP)を混和し、Radiomatic Flow Scintillation Analyzer(パーキンエルマー社製、525TR)にて生成した[5-3H] dUMP(RT 10.2 min)の放射活性を測定した。
【0414】
被検化合物の阻害活性は次式により求め、ヒトdUTPaseによって生成する[5-3H] dUMPの量を50%阻害する被検液の濃度をIC50(μM)として表8に示した。
【0415】
【数1】

【0416】
以下の表にヒトdUTPase阻害活性データを示す。
【0417】
【表24】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)
【化1】

〔一般式(I)中、Xは、炭素原子間又は末端にヘテロ原子を有していてもよい2価の炭化水素基を示し、
Aは含窒素不飽和複素環基を示し、
1及びR2は、同一又は相異なって、水素原子、シアノ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜6のアルケニル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜6のアルキニル基、モノアルキルアミノカルボニル基、ジアルキルアミノカルボニル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、アリール基又は不飽和複素環基を示す。〕
で表されるウラシル化合物又はその塩。
【請求項2】
Xが、炭素原子間又は末端に酸素原子を有していてもよい炭素数1〜6のアルキレン基、炭素数6〜14の2価のアリール基、又は炭素原子間若しくは末端に酸素原子若しくは硫黄原子を有していてもよい炭素数6〜20の2価のアルキル−フェニル−アルキル基を示し、
Aが3〜6員環の含窒素不飽和複素環基を示し、
1及びR2は、同一又は相異なって、水素原子、シアノ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜6のアルケニル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜6のアルキニル基、モノアルキルアミノカルボニル基、ジアルキルアミノカルボニル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜24のアラルキル基、炭素数6〜14のアリール基又は不飽和複素環基を示す請求項1記載のウラシル化合物又はその塩。
【請求項3】
Xが、炭素原子間又は末端に酸素原子を有していてもよい炭素数2〜3の直鎖状のアルキレン基、炭素数4〜6の分岐状のアルキレン基、フェニレン基又は下記一般式(II)
【化2】

(式(II)中、Yは酸素原子又は硫黄原子を示し、R3は、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を示し、式(II)中のY末端は式(I)中のメチレン基と結合し、式(II)中の炭素末端は、式(I)中のAと結合する。)
で表される基を示し、
Aが5員環の含窒素不飽和複素環基を示し、
1及びR2が、同一又は相異なって、水素原子、シアノ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、ビニル基、エチニル基、ジメチルアミノカルボニル基、フェニル基、置換基を有していてもよいベンジル基、置換基を有していてもよいフェニルエチル基又は不飽和複素環基を示す請求項1又は2記載のウラシル化合物又はその塩。
【請求項4】
Xが、炭素原子間又は末端に酸素原子を有していてもよいエチレン基、炭素原子間又は末端に酸素原子を有していてもよいトリメチレン基、ジメチルトリメチレン基、フェニレン基又は一般式(II)
【化3】

(式(II)中、Yは酸素原子又は硫黄原子を示し、R3は、水素原子又はメチル基を示し、式(II)中のY末端は式(I)中のメチレン基と結合し、式(II)中の炭素末端は、式(I)中のAと結合する。)
で表される基を示し、
Aは、ピロリル基、ピラゾリニル基、トリアゾリル基又はテトラゾリル基を示し、
1が、水素原子、シアノ基、メチル基、モノフルオロメチル基、ジフルオロエチル基、、ヒドロキシメチル基、ビニル基、エチニル基、メトキシメチル基、ジメチルアミノカルボニル基又はフェニル基を示し、
2が、水素原子、フェニル基、下記一般式(III)
【化4】

(nは0又は1を示し、
n=0のとき、R6及びR7は、同一又は相異なって、水素原子又はフェニル基を示し、R8及びR9は、同一又は相異なって、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルコキシ基を示し、
n=1のとき、R4及びR5は、同一又は相異なって、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を示し、
6及びR7は、同一又は相異なって、水素原子、ヒドロキシル基、炭素数1〜6のアルキル基又は置換基を有していてもよいフェニル基を示し、
8及びR9は、同一又は相異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜7のアルコキシ基、炭素原子間に酸素原子を有していてもよい炭素数3〜7のシクロアルコキシ基を示す。)で表されるフェニルエチル基又はチアゾリル基を示す請求項1〜3のいずれか1項に記載のウラシル化合物又はその塩。
【請求項5】
Xが、エチレン基、トリメチレン基、下記式(IV)〜(VII)
【化5】

(式(IV)中の酸素末端は式(I)中のメチレン基と結合し、式(IV)中のメチレン末端は、式(I)中のAと結合し、式(VII)中のメチレン末端は式(I)中のメチレン基と結合し、式(VII)中のジメチルメチレン末端は、式(I)中のAと結合する。)
で表される基、及び一般式(II)で表される基から選ばれるいずれかの基を示し、
Aが、下記式(VIII)〜(XIV)
【化6】

から選ばれるいずれかの含窒素不飽和複素環基を示す請求項1〜4のいずれか1項に記載のウラシル化合物又はその塩。
【請求項6】
Xが、エチレン基、トリメチレン基又は式(V)で表される基を示し、
Aが、式(X)〜(XII)から選ばれるいずれかの含窒素不飽和複素環基を示し、
1が、水素原子、メチル基、エチニル基、モノフルオロメチル基を示し、
2が、下記一般式(III)
【化7】

(n=1を示し、R4及びR5は水素原子を示し、
6は、水素原子又はヒドロキシル基を示し
7は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又は置換基としてフッ素原子を有していてもよいフェニル基を示し、
8及びR9は、同一又は相異なって、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜6の直鎖状又は分枝状のアルコキシ基(当該アルコキシ基は、置換基としてハロゲン原子、炭素数3〜7のシクロアルキル基若しくはシクロアルキリデン構造を有していてもよい)、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、テトラヒドロフラニルオキシ基又はテトラヒドロピラニルオキシ基を示す。)で表されるフェニルエチル基を示す請求項5に記載のウラシル化合物又はその塩。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載のウラシル化合物又はその塩を含有する医薬組成物。
【請求項8】
請求項1〜6のいずれか1項に記載のウラシル化合物又はその塩を含有するヒトdUTPase阻害剤。

【公開番号】特開2011−231015(P2011−231015A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−222735(P2008−222735)
【出願日】平成20年8月29日(2008.8.29)
【出願人】(000207827)大鵬薬品工業株式会社 (52)
【Fターム(参考)】