説明

含窒素複素環化合物およびその医薬用途

【構成】 一般式(I−A)


(式中の記号は明細書に記載の通り。)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体もしくはその溶媒和物。
【効果】 一般式(I−A)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体もしくはその溶媒和物は、CXCR4を調節する作用を有し、各種炎症疾患、各種アレルギー性疾患、後天性免疫不全症候群、ヒト免疫不全ウイルス感染症等の予防および/または治療剤、または再生医療用剤として有用である。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I−A)
【化1】

(式中、環AAは少なくとも1個の窒素原子を含有し、さらに1〜3個の窒素原子、1〜2個の酸素原子および/または1個の硫黄原子を含有してもよい、4〜15員の飽和または1個の二重結合を含有する単環、二環または三環式複素環を表わし、
環BAはBA1またはBA2を表わし、
A1
【化2】

を表わし、
A2
【化3】

(基中、R4は、(i)水素原子、(ii)1〜5個のR10によって置換されてもよいC1〜15アルキル、C2〜15アルケニルもしくはC2〜15アルキニル(iii)1〜5個のR3によって置換されてもよいC3〜8炭素環、(iv)1〜5個のR3によって置換されてもよい、1〜2個の窒素原子、1〜2個の酸素原子および/または1個の硫黄原子を含有する5〜15員の複素環、(v)COR5(基中、R5はC1〜15アルキル、C2〜15アルケニル、C2〜15アルキニルまたはフェニルを表わす。)、または(vi)COOR6(基中、R6はC1〜15アルキル、C2〜15アルケニル、C2〜15アルキニルまたはフェニルを表わす。)を表わし、上向きの矢印は環AAとの結合部位を表わし、右下向きの矢印はLと結合した窒素原子との結合部位を表わす。)を表わし、
Lは、(1)結合手、(2)C1〜8アルキレン、C2〜8アルケニレンもしくはC2〜8アルキニレン(該アルキレン、アルケニレンおよびアルキニレンはそれぞれ1〜5個のR10によって置換されてもよい。)、または(3)R3によって置換されてもよいC3〜8炭素環を表わし、
Qは、(1)NR12(基中、R1およびR2はそれぞれ独立して、(i)水素原子、(ii)1〜5個のR10によって置換されてもよいC1〜15アルキル、C2〜15アルケニルもしくはC2〜15アルキニル(iii)1〜5個のR3によって置換されてもよいC3〜8炭素環、または(iv)1〜5個のR3によって置換されてもよい、1〜2個の窒素原子、1〜2個の酸素原子および/または1個の硫黄原子を含有する5〜15員の複素環を表わす。)または(2)環C(環Cは少なくとも1個の窒素原子を含有し、さらに1〜2個の窒素原子、1〜2個の酸素原子および/または1個の硫黄原子を含有してもよい4〜15員の複素環を表わし、環Cは1〜5個のR3によって置換されてもよい。ただし、Lが結合手またはメチレンのとき、環Cはアゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、およびパーヒドロアゼピンでない。)を表わし、
複数のR3は、それぞれ独立して(1)C1〜15アルキル、C2〜15アルケニルまたはC2〜15アルキニル(該アルキル、アルケニルおよびアルキニルは1〜5個のR10によって置換されてもよい。)、(2)オキソ、または(3)R10を表わし、
複数のR10は、それぞれ独立して(1)OR11、(2)OCOR12、(3)OCOOR13、(4)NR1415、(5)NR16COR12、(6)NR16CONR1415、(7)NR16COOR13、(8)COOR13、(9)COR12、(10)CONR1415、(11)SO212、(12)SOR22、(13)SO2NR2425、(14)NR16SO212、(15)B(OH)2、(16)SR11、(17)ハロゲン原子、(18)ニトロ、(19)シアノ、または(20)環D(上記の基中、R11は(i)水素原子、(ii)C1〜15アルキル、C2〜15アルケニルもしくはC2〜15アルキニル(該アルキル、アルケニルおよびアルキニルは1〜5個のハロゲン原子、NR1415、OR21、SR21、COOR13、または環Dによって置換されてもよい。)、または(iii)環Dを表わし、
12、R13、R14、R15およびR16は、それぞれ独立して(i)水素原子、(ii)環Dによって置換されてもよいC1〜15アルキル、C2〜15アルケニルもしくはC2〜15アルキニル、または(iii)環Dを表わし、
環Dは、C3〜15単環、二環もしくは三環式炭素環、または1〜4個の窒素原子、1〜2個の酸素原子および/または1個の硫黄原子を含有する5〜15員の単環、二環もしくは三環式複素環を表わし、
また、環Dは、以下の(1)〜(22)から選択される1〜5個の基によって置換されてもよい;
(1)C1〜15アルキル、C2〜15アルケニルもしくはC2〜15アルキニル(該アルキル、アルケニルおよびアルキニルは1〜5個のOR21、OCOR22、OCOOR23、NR2425、NR26COR22、NR26CONR2425、NR26COOR23、COOR23、COR22、CONR2425、SO222、SOR22、SO2NR2425、NR26SO222、B(OH)2、SR21、ハロゲン原子、ニトロまたはシアノによって置換されてもよい。)、(2)オキソ、(3)OR21、(4)OCOR22、(5)OCOOR23、(6)NR2425、(7)NR26COR22、(8)NR26CONR2425、(9)NR26COOR23、(10)COOR23、(11)COR22、(12)CONR2425、(13)SO222、(14)SOR22、(15)SO2NR2425、(16)NR26SO222、(17)B(OH)2、(18)SR21、(19)ハロゲン原子、(20)ニトロ、(21)シアノまたは(22)環E(上記の基中、R21は(i)水素原子、(ii)COR22、NR2425もしくは環Eによって置換されてもよいC1〜15アルキル、C2〜15アルケニルもしくはC2〜15アルキニルまたは(iii)環Eを表わし、
22、R23、R24、R25およびR26は、それぞれ独立して(i)水素原子、(ii)環Eによって置換されてもよいC1〜15アルキル、C2〜15アルケニルもしくはC2〜15アルキニル、または(iii)環Eを表わし、
環Eは、C3〜15単環、二環もしくは三環式炭素環、または1〜4個の窒素原子、1〜2個の酸素原子および/または1個の硫黄原子を含有する5〜15員の単環、二環もしくは三環式複素環を表わし、
また、環Eは1〜5個の(i)フェニルによって置換されてもよいC1〜15アルキル、(ii)ハロゲン原子、(iii)フェニル、(iv)C1〜15アルコキシ、(v)水酸基、(vi)アミノ基、(vii)モノ(C1〜8アルキル)アミノ基または(viii)ジ(C1〜8アルキル)アミノ基によって置換されてもよい。)を表わし、
環AAは、1〜5個のRaによって置換されてもよく、
環BAは、1〜5個のRbによって置換されてもよく、
aおよびRbは、それぞれ独立してR3に示される基と同じ基を表わす。
ただし、以下の(1)〜(6)の化合物を除く:
(1)N−[4−(4−モルホリニル)−2−キナゾリニル]−1,2−エタンジアミン・二塩酸塩、
(2)N,N−ジメチル−N’−[2−(4−フェニル−1−ピペリジニル)−4−ピリミジニル]−1,2−エチレンジアミン、
(3)N−[(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−2−イル)メチル]−N’−[2−(1−ピペリジニル)−4−ピリミジニル]−1,3−プロパンジアミン、
(4)N−[(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−2−イル)メチル]−N’−[2−(1−ピペリジニル)−4−ピリミジニル]−1,3−プロパンジアミン・シュウ酸塩、
(5)N,N−ジエチル−N’−[2−(1−ピロリジニル)−4−キナゾリニル]−1,2−エタンジアミンおよび
(6)N,N−ジエチル−N’−[2−(1−ピロリジニル)−4−キナゾリニル]−1,2−エタンジアミン・二塩酸塩。)
で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体もしくはその溶媒和物。
【請求項2】
一般式(I−B)
【化4】

(式中、環ABは少なくとも1個の窒素原子を含有し、さらに1〜3個の窒素原子、1〜2個の酸素原子および/または1個の硫黄原子を含有してもよい、7〜15員の飽和または1個の二重結合を含有する単環、二環または三環式複素環を表わし、環BB
【化5】

(基中、環ZはC5〜10単環もしくは二環式炭素環または1〜2個の窒素原子、1個の酸素原子および/または1個の硫黄原子を含有してもよい5〜10員の単環もしくは二環式複素環を表わし、上向きの矢印は環ABとの結合部位を表わし、右下向きの矢印はLと結合した窒素原子との結合部位を表わす。)
を表わし、環ABは1〜5個のRaによって置換されてもよく、環BBは1〜5個のRbによって置換されてもよく、Ra、Rbおよびその他の記号は請求項1に記載の記号と同じ意味を表わす。
ただし、以下の化合物(1)〜(7)を除く;
(1)N−[4−(ヘキサヒドロ−1H−アゼピン−1−イル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−2−イル]−1,4−ブタンジアミン・二塩酸塩、
(2)7−[4−[4,6−ビス(ヘキサヒドロ−1H−アゼピン−1−イル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ−2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル]−3−フェニル−2H−1−ベンゾピラン−2−オン、
(3)4−エトキシ−6−(ヘキサヒドロ−1H−アゼピン−1−イル)−N−[3−(4−モルホリニル)プロピル]−1,3,5−トリアジン−2−アミン、
(4)4−(ヘキサヒドロ−1H−アゼピン−1−イル)−6−メチル−N−[3−(4−モルホリニル)プロピル]−1,3,5−トリアジン−2−アミン、
(5)4−クロロ−6−(へキサヒドロ−1H−アゼピン−1−イル)−N−[2−(4−モルホリニル)エチル]−1,3,5−トリアジン−2−アミン、
(6)4−(ヘキサヒドロ−1H−アゼピン−1−イル)―6−メトキシ−N−[3−(4−モルホリニル)プロピル]−1,3,5−トリアジン−2−アミンおよび
(7)N−[4−(ヘキサヒドロ−1H−アゼピン−1−イル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−2−イル]−1,4−ブタンジアミン。)
で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体もしくはその溶媒和物。
【請求項3】
(1)N−(4−アゼパン−1−イルピリミジン−2−イル)エタン−1,2−ジアミン、
(2)N1−(4−アゼパン−1−イルピリミジン−2−イル)−N2,N2−ジメチルエタン−1,2−ジアミン、
である請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
一般式(I−3)
【化6】

(式中、環A2は少なくとも1個の窒素原子を含有し、さらに1〜3個の窒素原子、1〜2個の酸素原子および/または1個の硫黄原子を含有してもよい、4〜15員の単環、二環または三環式複素環を表わし、環B2は少なくとも1個の窒素原子を含有し、さらに1〜3個の窒素原子、1〜2個の酸素原子および/または1個の硫黄原子を含有してもよい5〜15員の単環、二環または三環式複素環を表わし、環A2は1〜5個のRaによって置換されてもよく、環B2は1〜5個のRbによって置換されてもよく、Ra、Rbおよびその他の記号は請求項1に記載の記号と同じ意味を表わす。)
で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体もしくはその溶媒和物を有効成分とするCXCR4調節剤。
【請求項5】
CXCR4拮抗剤である請求項4に記載のCXCR4調節剤。
【請求項6】
請求項1に記載の一般式(I−A)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体もしくはその溶媒和物を有効成分とするCXCR4調節剤。
【請求項7】
CXCR4拮抗剤である請求項6に記載のCXCR4調節剤。
【請求項8】
請求項2に記載の一般式(I−B)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体もしくはその溶媒和物を有効成分とするCXCR4調節剤。
【請求項9】
CXCR4拮抗剤である請求項8に記載のCXCR4調節剤。
【請求項10】
炎症・免疫性疾患、アレルギー性疾患、感染症、HIV感染もしくはそれに随伴する疾患、精神・神経性疾患、脳疾患、心・血管性疾患、代謝性疾患または癌疾患の予防および/または治療剤である請求項4に記載のCXCR4調節剤。
【請求項11】
HIV感染もしくはそれに随伴する疾患の予防および/または治療剤である請求項10に記載のCXCR4調節剤。
【請求項12】
再生医療用である請求項4に記載のCXCR4調節剤。
【請求項13】
請求項1または2に記載の化合物、その塩、そのN−オキシド体もしくはその溶媒和物と、逆転写酵素阻害薬、プロテアーゼ阻害薬、CCR2拮抗薬、CCR3拮抗薬、CCR4拮抗薬、CCR5拮抗薬、フュージョン阻害薬、HIV−1の表面抗原に対する抗体、およびHIV−1のワクチンから選択される1種または2種以上とを組み合わせてなる医薬。
【請求項14】
逆転写酵素阻害薬が、ジドブジン、ジダノシン、ザルシタビン、スタブジン、ラミブジン、アバカビル、アデフォビル、ジピボキシル、エントリシタビン、テノフォビル、ネビラピン、デラビルジン、エファビレンツおよびカプラヴィリンから選択される1種または2種以上である請求項13に記載の医薬。
【請求項15】
プロテアーゼ阻害薬が、インジナビル、リトナビル、ネルフィナビル、サキナビル、アンプリナビル、ロピナビルおよびティプラナビルから選択される1種または2種以上である請求項13に記載の医薬。

【公開番号】特開2011−1368(P2011−1368A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−163305(P2010−163305)
【出願日】平成22年7月20日(2010.7.20)
【分割の表示】特願2005−502363(P2005−502363)の分割
【原出願日】平成15年12月9日(2003.12.9)
【出願人】(000185983)小野薬品工業株式会社 (180)
【Fターム(参考)】